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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102693
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240724BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240724BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240724BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
B41J29/38 104
B41J29/38 301
G03G21/00 398
H04N1/00 885
G06F3/12 329
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006760
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】加耒 佑一
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ06
2C061HJ10
2C061HK05
2C061HK11
2C061HK19
2C061HM03
2C061HN04
2C061HN15
2C061HV09
2C061HV10
2C061HV13
2C061HV14
2H270KA46
2H270LA70
2H270LD08
2H270LD14
2H270MB27
2H270ME01
2H270MG02
2H270PA56
2H270PA83
2H270PC02
2H270QA05
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC06
2H270ZD06
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB40
5C062AB49
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC58
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来よりも電源ON時のイニシャル動作の実施に起因する動作音の発生回数が減り、ユーザーの利便性が高い画像形成装置を提供する。
【解決手段】所定の速度で画像形成を行う通常モードと、通常モードよりも静かに画像形成を行う静音モードの2つの画像形成モードを切り替え可能に有する画像形成部と、画像形成部を制御する制御部と、操作部が予め定められた待機時間、操作を受け付けなかった場合にスリープ状態に移行させ、スリープ状態に移行後、操作部が予め定められたスリープ時間、操作を受け付けなかった場合にシャットオフ状態に移行させる電源制御部とを備え、制御部は、通常モード中にスリープ状態に移行した後、第1スリープ時間が経過した場合に電源制御部にシャットオフ状態に移行させ、静音モード中にスリープ状態に移行した後、第1スリープ時間よりも長い第2スリープ時間が経過した場合に電源制御部にシャットオフ状態に移行させる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーからの操作を受け付ける操作部と、
所定の速度で画像形成を行う通常モードと、前記通常モードよりも静かに画像形成を行う静音モードの2つの画像形成モードを切り替え可能に有する画像形成部と、
前記画像形成部を制御する制御部と、
前記画像形成部および前記制御部に供給される電源を制御し、前記操作部が予め定められた待機時間、操作を受け付けなかった場合に予め定められたスリープ状態に移行させ、前記スリープ状態に移行後、前記操作部が予め定められたスリープ時間、操作を受け付けなかった場合に予め定められたシャットオフ状態に移行させる電源制御部とを備え、
前記制御部は、前記通常モード中に前記スリープ状態に移行した後、予め定められた第1スリープ時間が経過した場合に前記電源制御部に前記シャットオフ状態に移行させ、
前記静音モード中に前記スリープ状態に移行した後、前記第1スリープ時間よりも長い予め定められた第2スリープ時間が経過した場合に前記電源制御部に前記シャットオフ状態に移行させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記通常モード中に前記操作部が予め定められた第1待機時間、操作を受け付けなかった場合に前記電源制御部に前記スリープ状態に移行させ、
前記静音モード中に前記操作部が前記第1待機時間よりも長い予め定められた第2待機時間が経過した場合に前記電源制御部に前記スリープ状態に移行させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記通常モードおよび前記静音モードの設定を受け付けるモード設定部をさらに備え、
前記制御部は、前記モード設定部が前記第1スリープ時間の設定を受け付けた場合、前記モード設定部に前記第1スリープ時間よりも予め定められた時間長い前記第2スリープ時間を設定させ、一方、前記モード設定部が前記第2スリープ時間の設定を受け付けた場合、前記モード設定部に前記第2スリープ時間よりも予め定められた時間短い前記第1スリープ時間を設定させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記通常モードおよび前記静音モードの設定を受け付けるモード設定部をさらに備え、
前記制御部は、前記モード設定部が前記第1待機時間の設定を受け付けた場合、前記モード設定部に前記第1待機時間よりも予め定められた時間長い前記第2待機時間を設定させ、一方、前記モード設定部が前記第2待機時間の設定を受け付けた場合、前記モード設定部に前記第2待機時間よりも予め定められた時間短い前記第1待機時間を設定させる請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記通常モードおよび前記静音モードの設定を受け付けるモード設定部をさらに備え、
前記制御部は、前記モード設定部が前記第1スリープ時間の設定を受け付けた場合、前記モード設定部に前記第1スリープ時間よりも予め定められた時間長い前記第2スリープ時間の設定のみを受け付け可能にさせ、一方、前記モード設定部が前記第2スリープ時間の設定を受け付けた場合、前記モード設定部に前記第2スリープ時間よりも予め定められた時間短い前記第1スリープ時間の設定のみを受け付け可能にさせる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記通常モードおよび前記静音モードの設定を受け付けるモード設定部をさらに備え、
前記制御部は、前記モード設定部が前記第1待機時間の設定を受け付けた場合、前記モード設定部に前記第1待機時間よりも予め定められた時間長い前記第2待機時間の設定のみを受け付け可能にさせ、一方、前記モード設定部が前記第2待機時間の設定を受け付けた場合、前記モード設定部に前記第2待機時間よりも予め定められた時間短い前記第1待機時間の設定のみを受け付け可能にさせる請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記操作部は、予め定められた節電優先指示を受け付ける節電キーを備え、
前記制御部は、前記静音モード中に前記節電優先指示を受け付けた場合、前記スリープ状態に移行した後、前記第1スリープ時間よりも短い予め定められた第3スリープ時間が経過した場合に前記電源制御部に前記シャットオフ状態に移行させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成部のエラーを検知するエラー検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記エラー検知部が予め定められたエラーを検知した場合、前記スリープ状態に移行した後、前記第1スリープ時間よりも短い予め定められた第4スリープ時間が経過した場合に前記電源制御部に前記シャットオフ状態に移行させる請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、各ユニットの初期位置のチェックや動作可能か否かのチェックや調整動作を行うために、シャットオフ状態から電源をONにした際に所定のイニシャル動作を実施することがある。
そのため、装置の電源をONにするたびに動作音が発生し、装置の近くにいるユーザーが不快に思うことがあった。
【0003】
このような動作音を抑制する画像形成装置として、従来、音量検出手段により検出された音量に基づいて、自装置の周辺環境の音量が予め設定された閾値以下か否かを判定し、閾値以下の場合は、動作音を発生する動作手段の全部または一部を停止させることにより、動作の開始後完了までの間に周辺環境が静音状態になった場合、動作音を抑制することができる画像形成装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
一方、装置が一定時間使用されない場合にスリープモードに移行し、所定のタイミングで装置を起動することによって電力消費を抑える省電力モード移行機能を備えた画像形成装置が知られている。
【0005】
このような省電力モード移行機能を備えた画像形成装置の場合、スリープモードから通常モードに移行したときにイニシャル動作を実施することがある。
【0006】
スリープモードから通常モードに移行したときの動作音を抑制する画像形成装置として、従来、省電力モードに設定されている時間を計測する計時部を有し、前記計計測時間が前記閾値よりも小さい場合には、モード切替部により省電力モードから通常モードに切り替えられても各部にイニシャル動作を実施させない画像形成装置が開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第6953762号公報
【特許文献2】特開2009-265374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、画像形成装置には、パンチなどの後処理を行う接続オプションを有するものもあり、そのような接続オプションを有する画像形成装置には、電源をONにするたびに毎回イニシャル動作を実施するものもある。
【0009】
このような電源ON時に必ずイニシャル動作を実施する画像形成装置の場合、動作音の抑制のために所定の場合にイニシャル動作を実施させない従来の方法が適用できないため問題となる。
【0010】
この開示は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、従来よりも電源ON時のイニシャル動作の実施に起因する動作音の発生回数が減り、ユーザーの利便性が高い画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この開示は、ユーザーからの操作を受け付ける操作部と、所定の速度で画像形成を行う通常モードと、前記通常モードよりも静かに画像形成を行う静音モードの2つの画像形成モードを切り替え可能に有する画像形成部と、前記画像形成部を制御する制御部と、前記画像形成部および前記制御部に供給される電源を制御し、前記操作部が予め定められた待機時間、操作を受け付けなかった場合に予め定められたスリープ状態に移行させ、前記スリープ状態に移行後、前記操作部が予め定められたスリープ時間、操作を受け付けなかった場合に予め定められたシャットオフ状態に移行させる電源制御部とを備え、前記制御部は、前記通常モード中に前記スリープ状態に移行した後、予め定められた第1スリープ時間が経過した場合に前記電源制御部に前記シャットオフ状態に移行させ、前記静音モード中に前記スリープ状態に移行した後、前記第1スリープ時間よりも長い予め定められた第2スリープ時間が経過した場合に前記電源制御部に前記シャットオフ状態に移行させることを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0012】
この開示において、「画像形成装置」は、トナーによる像形成に電子写真方式を用いるプリンタなどの複写(コピー)機能を有する複写機や複合機、または複写以外の機能をも含むMFP(Multifunctional Peripheral:多機能周辺装置)など、画像を形成して出力する装置である。
【発明の効果】
【0013】
この開示によれば、静音モード時は、スリープ状態からシャットオフ状態に移行する時間を通常モード時よりも長くすることで、従来よりも電源ON時のイニシャル動作の実施に起因する動作音の発生回数が減り、ユーザーの利便性が高い画像形成装置が実現される。
【0014】
さらに、この開示の好ましい態様について説明する。
【0015】
この開示による画像形成装置において、前記制御部は、前記通常モード中に前記操作部が予め定められた第1待機時間、操作を受け付けなかった場合に前記電源制御部に前記スリープ状態に移行させ、前記静音モード中に前記操作部が前記第1待機時間よりも長い予め定められた第2待機時間が経過した場合に前記電源制御部に前記スリープ状態に移行させるものであってもよい。
【0016】
このようにすれば、静音モード時は、スリープ状態からシャットオフ状態に移行する時間だけでなく、待機状態からスリープ状態に移行する時間も通常モード時よりも長くすることで、従来よりも電源ON時のイニシャル動作の実施に起因する動作音の発生回数が減りユーザーの利便性が高い画像形成装置が実現できる。
【0017】
この開示による画像形成装置において、前記通常モードおよび前記静音モードの設定を受け付けるモード設定部をさらに備え、前記制御部は、前記モード設定部が前記第1スリープ時間の設定を受け付けた場合、前記モード設定部に前記第1スリープ時間よりも予め定められた時間長い前記第2スリープ時間を設定させ、一方、前記モード設定部が前記第2スリープ時間の設定を受け付けた場合、前記モード設定部に前記第2スリープ時間よりも予め定められた時間短い前記第1スリープ時間を設定させるものであってもよい。
【0018】
このようにすれば、ユーザーが静音モード時のスリープ状態からシャットオフ状態に移行する時間を設定すれば、通常モード時のスリープ状態からシャットオフ状態に移行する時間が自動で設定され、一方、ユーザーが通常モード時のスリープ状態からシャットオフ状態に移行する時間を設定すれば、静音モード時のスリープ状態からシャットオフ状態に移行する時間が自動で設定されるため、従来よりも電源ON時のイニシャル動作の実施に起因する動作音の発生回数が減り、ユーザーの利便性が高い画像形成装置が実現できる。
【0019】
この開示による画像形成装置において、前記通常モードおよび前記静音モードの設定を受け付けるモード設定部をさらに備え、前記制御部は、前記モード設定部が前記第1スリープ時間の設定を受け付けた場合、前記モード設定部に前記第1スリープ時間よりも予め定められた時間長い前記第2スリープ時間の設定のみを受け付け可能にさせ、一方、前記モード設定部が前記第2スリープ時間の設定を受け付けた場合、前記モード設定部に前記第2スリープ時間よりも予め定められた時間短い前記第1スリープ時間の設定のみを受け付け可能にさせるものであってもよい。
【0020】
このようにすれば、ユーザーが静音モード時のスリープ状態からシャットオフ状態に移行する時間を設定すれば、通常モード時のスリープ状態からシャットオフ状態に移行する時間の設定範囲が定まり、一方、ユーザーが通常モード時のスリープ状態からシャットオフ状態に移行する時間を設定すれば、静音モード時のスリープ状態からシャットオフ状態に移行する時間の設定範囲が定まるため、従来よりも電源ON時のイニシャル動作の実施に起因する動作音の発生回数が減り、ユーザーの利便性が高い画像形成装置を実現できる。
【0021】
この開示による画像形成装置において、前記操作部は、予め定められた節電優先指示を受け付ける節電キーを備え、前記制御部は、前記静音モード中に前記節電優先指示を受け付けた場合、前記スリープ状態に移行した後、前記第1スリープ時間よりも短い予め定められた第3スリープ時間が経過した場合に前記電源制御部に前記シャットオフ状態に移行させるものであってもよい。
【0022】
このようにすれば、静音モード時に節電優先指示を受け付けた場合、スリープ状態からシャットオフ状態に移行する時間が短くなるため、従来よりもユーザーの利便性が高い画像形成装置を実現できる。
【0023】
この開示による画像形成装置において、前記画像形成部のエラーを検知するエラー検知部をさらに備え、前記制御部は、前記エラー検知部が予め定められたエラーを検知した場合、前記スリープ状態に移行した後、前記第1スリープ時間よりも短い予め定められた第4スリープ時間が経過した場合に前記電源制御部に前記シャットオフ状態に移行させるものであってもよい。
【0024】
このようにすれば、所定のエラーが発生した場合、静音モード時であっても、スリープ状態からシャットオフ状態に移行する時間が短くなるため、従来よりもユーザーの利便性が高い画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】この開示のデジタル複合機の外観を示す斜視図である。
図2図1に示すデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
図3】この開示のデジタル複合機の通常モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示すフローチャートである。
図4】この開示のデジタル複合機の静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示すフローチャートである。
図5図1に示すデジタル複合機のシステム設定のスリープモード設定画面の一例を示す説明図である。
図6】この開示のデジタル複合機の通常モード時および静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示す説明図である。
図7】この開示のデジタル複合機の静音モードの時間帯の設定画面の一例を示す説明図である。
図8】この開示のデジタル複合機のスリープ時間の設定画面の一例を示す説明図である。
図9】この開示のデジタル複合機のスリープ時間の設定画面の別の一例を示す説明図である。
図10】この開示の実施形態2に係るデジタル複合機の通常モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示すフローチャートである。
図11】この開示の実施形態2に係るデジタル複合機の静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示すフローチャートである。
図12】この開示の実施形態2に係るデジタル複合機の通常モード時および静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示す説明図である。
図13】この開示の実施形態3に係るデジタル複合機の操作パネルの一例を示す説明図である。
図14】この開示の実施形態3に係るデジタル複合機の節電優先モード中の静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示すフローチャートである。
図15】この開示の実施形態3に係るデジタル複合機の節電優先モード中でない静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示すフローチャートである。
図16】この開示の実施形態3に係るデジタル複合機の節電キーの押下前後の静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示す説明図である。
図17】この開示の実施形態4に係るデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
図18】この開示の実施形態4に係るデジタル複合機のエラー発生後の静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示すフローチャートである。
図19】この開示の実施形態4に係るデジタル複合機のエラーが発生していない場合の静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示すフローチャートである。
図20】この開示の実施形態4に係るデジタル複合機のエラー発生後の静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を用いてこの開示をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この開示を限定するものと解されるべきではない。
【0027】
〔実施形態1〕
<デジタル複合機1の構成>
以下、図1および図2に基づき、この開示の実施形態1に係る画像形成装置の一例としてのデジタル複合機1の構成について説明する。
図1は、この開示のデジタル複合機の外観を示す斜視図である。
図2は、図1に示すデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
【0028】
デジタル複合機1は、複写機能やスキャナ機能、ファクシミリ機能を有し、原稿から読み取った画像データをデジタル処理して出力する装置である。
【0029】
図2に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、画像読取部11、画像形成部12、記憶部13、画像処理部14、通信部15、計時部16、操作パネル17、電源18、電源制御部19およびモード設定部20を備える。
【0030】
以下、デジタル複合機1の各構成要素を説明する。
【0031】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御するものであって、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read only memory)、各種のインターフェース回路等からなる。
【0032】
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、操作パネル17等、あらゆる負荷の監視・制御を行う。
【0033】
画像読取部11は、原稿セット台に置かれた原稿または用紙トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、画像データを生成する部分である。
【0034】
画像形成部12は、画像処理部14によって生成された画像データを記録媒体上に印刷出力する部分である。
【0035】
画像形成部12は、画像形成部12を駆動する1つ以上のモーターを有し、ジョブの種類に応じて、所定の通常のモーター速度で画像形成を行う通常モードと、静音のために、例えば通常のモーター速度よりも遅いモーター速度で画像形成を行う静音モードや、動作音の回数を減らす静音モードなど、通常よりも動作音を抑え、静かに画像形成を行う静音モードとの2つの画像形成モードを切り替えて動作することができる。
【0036】
また、画像形成部12は、各ユニットの初期位置のチェックや動作可能か否かのチェックや調整動作を行うために、シャットオフ状態から電源をONにした際に所定のイニシャル動作を実施する。
【0037】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体が用いられる。
【0038】
なお、データを保持する領域がハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域がフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0039】
画像処理部14は、画像読取部11によって読み取られた原稿の画像を適正な電気信号に変換して画像データを生成する部分である。
【0040】
通信部15は、ネットワーク等を介して、コンピュータや携帯情報端末、外部の情報処理装置やファクシミリ装置等との通信をおこない、メールやFAXなどの種々の情報をこれら外部の通信装置と送受信する部分である。
【0041】
計時部16は、内蔵時計やネットワークを通じて時刻を取得し、時間を計測してカウントする部分である。
【0042】
操作パネル17は、液晶パネル等から構成された表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、指がタッチされた位置を検出する静電容量方式等のタッチパネルとから構成され、表示部171および操作部172を備える。
【0043】
表示部171は、各種情報の表示を行い、タッチパネル機能によりユーザーからの指令を受け付ける部分である。
表示部171は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。
制御部10は、表示部171を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示を行う。
【0044】
操作部172は、デジタル複合機1を操作するためのインターフェースであり、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0045】
電源18は、デジタル複合機1の各部に電力を供給する。
電源18としては、例えば、AT電源、ATX電源、SFX電源などが用いられる。
【0046】
電源制御部19は、制御部10からの指令に基づき、電源18のON・OFFを制御する部分である。
電源制御部19は、予め定められたスリープ状態移行条件に基づき、デジタル複合機1をスリープ状態に移行させる。
また、電源制御部19は、予め定められたシャットオフ移行条件に基づき、デジタル複合機1をシャットオフ状態に移行させる。
【0047】
モード設定部20は、各種ジョブについて通常モードで実行すべきか、または静音モードで実行すべきかの設定を受け付ける部分である。
また、図13に示すように、操作パネル17がハードキーとしての節電キーを備え、節電キーの押下によって節電モードの有効・無効を切り替えられるようにしてもよい。
【0048】
また、モード設定部20は、通常モードおよび静音モードの時間帯の設定、通常モードおよび静音モードにおける待機時間やスリープ時間の設定も受け付ける。
【0049】
<デジタル複合機1の通常モード時のオートシャットオフ移行処理>
次に、図3に基づき、デジタル複合機1の通常モード時のオートシャットオフ移行処理について説明する。
【0050】
図3は、この開示のデジタル複合機1の通常モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示す説明図である。
【0051】
図3のステップS1において、制御部10は、一定時間、操作部172の操作がなかったか否かを判定する(ステップS1)。
【0052】
一定時間、操作部172の操作がなかった場合(ステップS1の判定がYesの場合)、ステップS2において、制御部10は、電源制御部19にスリープ状態に移行させる(ステップS2)。
【0053】
次に、ステップS3において、制御部10は、計時部16にスリープ状態移行後の経過時間tの測定を開始させる(ステップS3)。
【0054】
次に、ステップS4において、制御部10は、時間tが予め定められた第1スリープ時間T1を経過したか否かを判定する(ステップS4)。
【0055】
時間tが予め定められた第1スリープ時間T1を経過した場合(ステップS4の判定がYesの場合)、ステップS5において、制御部10は、電源制御部19にシャットオフ状態に移行させて(ステップS5)、処理を終了する。
【0056】
<デジタル複合機1の静音モード時のオートシャットオフ移行処理>
次に、図4に基づき、デジタル複合機1の静音モード時のオートシャットオフ移行処理について説明する。
【0057】
図4は、この開示の静音モード時のデジタル複合機1のオートシャットオフ移行処理の一例を示す説明図である。
【0058】
図4のステップS11において、制御部10は、一定時間、操作部172の操作がなかったか否かを判定する(ステップS11)。
【0059】
一定時間、操作部172の操作がなかった場合(ステップS11の判定がYesの場合)、ステップS12において、制御部10は、電源制御部19にスリープ状態に移行させる(ステップS12)。
【0060】
次に、ステップS13において、制御部10は、計時部16にスリープ状態移行後の経過時間tの測定を開始させる(ステップS13)。
【0061】
次に、ステップS14において、制御部10は、経過時間tが予め定められた第1スリープ時間T1を経過したか否かを判定する(ステップS14)。
【0062】
経過時間tが第2スリープ時間T2を経過した場合(ステップS14の判定がYesの場合)、ステップS15において、制御部10は、電源制御部19にシャットオフ状態に移行させて(ステップS15)、処理を終了する。
【0063】
図5は、図1に示すデジタル複合機1のシステム設定のスリープ状態設定画面の一例を示す説明図である。
【0064】
図5(A)に示すように、デジタル複合機1の静音モードが有効になっている場合、静音モードの項目にチェックが入る。
【0065】
図5(B)に示すように、デジタル複合機1のシステム設定のスリープ状態設定において、ユーザーは、通常モードか静音モードのいずれかを選択することができる。
【0066】
図6は、この開示のデジタル複合機1の通常モード時および静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示す説明図である。
【0067】
図6(A)は、通常モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示す。
【0068】
図6(A)に示すように、デジタル複合機1の電源をONにすると、制御部10は、予め定められたイニシャル動作を実施させる。
【0069】
その後、ユーザーの利用時間が終わり、最終操作後に制御部10は、電源制御部19に予め定められた時間、待機状態に移行させた後、スリープ状態に移行させる。
【0070】
通常モードにおいて、スリープ状態に移行後、経過時間が第1スリープ時間T1を経過した場合(第1条件)、電源制御部19にシャットオフ状態に移行させる。
【0071】
その後、ユーザーが再びデジタル複合機1の電源をONにすると、制御部10は、イニシャル動作を実施してデジタル複合機1を起動する。
【0072】
その後、前と同様に、ユーザーの利用時間、待機状態、第1条件が満たされた後のシャットオフ状態への移行が行われる。
【0073】
図6(B)は、静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示す。
【0074】
図6(B)に示すように、デジタル複合機1の電源をONにすると、制御部10は、予め定められたイニシャル動作を実施してデジタル複合機1を起動する。
【0075】
その後、ユーザーの利用時間が終わり、最終操作後に制御部10は、電源制御部19に予め定められた時間、待機状態に移行させた後、スリープ状態に移行させる。
【0076】
静音モードにおいて、スリープ状態に移行後、経過時間が通常モードの第1スリープ時間T1よりも長い第2スリープ時間T2を経過した場合(第2条件)、電源制御部19にシャットオフ状態に移行させる。
【0077】
その後、デジタル複合機1がシャットオフ状態に移行する前にユーザーが再びデジタル複合機1の電源をONにすると、デジタル複合機1はイニシャル動作を実施することなくスリープ状態から復帰する。
【0078】
その後、前と同様に、ユーザーの利用時間、待機状態から再びスリープ状態に移行するが、第2条件が満たされるとシャットオフ状態への移行が行われる。
【0079】
この場合、ユーザーが再びデジタル複合機1の電源をONにすると、制御部10は、予め定められたイニシャル動作を実施してデジタル複合機1を起動する。
【0080】
このように、静音モード時は、スリープ状態からシャットオフ状態に移行する時間を通常モード時よりも長くすることで、電源ONによるイニシャル動作回数が減るため、従来よりも電源ON時のイニシャル動作の実施に起因する動作音の発生回数が減り、ユーザーの利便性が高いデジタル複合機1を実現できる。
【0081】
〔変形例1〕
<静音モードの時間帯の設定>
次に、変形例1として、図7に基づき、この開示のデジタル複合機1の静音モードの時間帯の設定方法について説明する。
【0082】
図7は、この開示のデジタル複合機1の静音モードの時間帯の設定画面の一例を示す説明図である。
【0083】
図7に示すように、デジタル複合機1の静音モードが有効になっている場合、静音モードの項目にチェックが入る。
【0084】
また、「時間帯により有効にする」という項目にチェックが入ると、ユーザーは、有効にする曜日を選択でき、また、有効にする時間帯の開始時刻および終了時刻も設定できる。
【0085】
〔変形例2〕
<スリープ時間の設定1>
次に、変形例2として、図8に基づき、この開示のデジタル複合機1のスリープ時間の設定方法について説明する。
【0086】
図8は、この開示のデジタル複合機1のスリープ時間の設定画面の一例を示す説明図である。
【0087】
図8に示すように、デジタル複合機1の静音モードが有効になっている場合、静音モードの項目にチェックが入る。
【0088】
また、スリープ時間設定として、例えば、ユーザーが通常モードでのスリープ時間を「1分」に設定した場合、静音モード設定時のスリープ時間が通常モードのスリープ時間よりも長い時間(図8の例では「5分」)に自動的に設定される。
【0089】
〔変形例3〕
<スリープ時間の設定2>
次に、変形例3として、図9に基づき、この開示のデジタル複合機1のスリープ時間の設定方法について説明する。
【0090】
図9は、この開示のデジタル複合機1のスリープ時間の設定画面の別の一例を示す説明図である。
【0091】
図9に示すように、デジタル複合機1の静音モードが有効になっている場合、静音モードの項目にチェックが入る。
【0092】
また、スリープ時間設定として、ユーザーは通常モードおよび静音モードの両方のスリープ時間を設定できるが、通常モードのスリープ時間が静音モードのスリープ時間よりも短くなる条件で設定できるものとする。
【0093】
例えば、ユーザーが通常モードのスリープ時間を「1分」に設定した場合、静音モードのスリープ時間は「1分」より長い時間(図8の例では「5分」)のみ設定できるようにする。
【0094】
一方、例えば、ユーザーが静音モードのスリープ時間を「5分」に設定した場合、通常モードのスリープ時間は「5分」より短い時間(図8の例では「1分」)のみ設定できるようにする。
【0095】
〔変形例4〕
<定着部の温度変化に基づくスリープ状態およびシャットオフ状態への移行条件の設定>
次に、変形例4として、この開示のデジタル複合機1のスリープ状態およびシャットオフ状態への移行条件の設定方法について説明する。
【0096】
変形例4において、この開示のデジタル複合機1はさらに図示しない温度検知部を備え、前記デジタル複合機1の周囲の外気温度および画像形成部12の定着温度を検知するものとする。
【0097】
一般に、デジタル複合機1がスリープ状態に入り、図示しない定着部の加熱回路への通電が遮断されると、時間の経過とともに定着部の温度が低下し、外気温度が低ければそれだけ温度変化も大きくなる。
【0098】
そのため、待機時間およびスリープ時間を設定する代わりに、定着温度がどこまで低くなったかに応じて、スリープ状態およびシャットオフ状態への移行条件としてもよい。
【0099】
なお、スリープ時間が長くなると、定着温度まで定着部を再び加熱するのに時間がかかり、ユーザーはすぐに印刷を開始できずに待たなければならない。
そこで、定着温度が予め定められた温度に達するまでの時間を考慮してスリープ時間を設定するようにしてもよい。
【0100】
また、外気温度が高い場合は、時間の経過による定着部の温度の低下が小さくなるため、外気温度が低い場合よりも、スリープ時間を長く設定することができる。
【0101】
〔実施形態2〕
<この開示の実施形態2のデジタル複合機1のオートシャットオフ移行処理>
次に、図10図12に基づき、この開示の実施形態2のデジタル複合機1におけるオートシャットオフ移行処理について説明する。
【0102】
実施形態2のデジタル複合機1の構成は、実施形態1のデジタル複合機1の構成(図2)と同様であるため、説明を省略する。
【0103】
図10は、この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1の通常モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示す説明図である。
【0104】
図10のステップS21において、制御部10は、一定時間、操作部172の操作がなかったか否かを判定する(ステップS21)。
【0105】
一定時間、操作部172の操作がなかった場合(ステップS21の判定がYesの場合)、ステップS22において、制御部10は、計時部16に最終操作後の経過時間taの測定を開始させる(ステップS22)。
【0106】
次に、ステップS23において、制御部10は、経過時間taが予め定められた第1待機時間Ta1を経過したか否かを判定する(ステップS23)。
【0107】
経過時間taが第1待機時間Ta1を経過した場合(ステップS23の判定がYesの場合)、ステップS24において、制御部10は、電源制御部19にスリープ状態に移行させる(ステップS24)。
【0108】
次に、ステップS25において、制御部10は、計時部16にスリープ状態移行後の経過時間tbの測定を開始させる(ステップS25)。
【0109】
次に、ステップS26において、制御部10は、経過時間tbが予め定められた第1スリープ時間Tb1を経過したか否かを判定する(ステップS26)。
【0110】
経過時間tbが第1スリープ時間Tb1を経過した場合(ステップS26の判定がYesの場合)、ステップS27において、制御部10は、電源制御部19にシャットオフ状態に移行させて(ステップS27)、処理を終了する。
【0111】
<この開示の実施形態2のデジタル複合機1の静音モード時のオートシャットオフ移行処理>
図11は、この開示の実施形態2の静音モード時のデジタル複合機1のオートシャットオフ移行処理の一例を示す説明図である。
【0112】
図11のステップS31において、制御部10は、一定時間、操作部172の操作がなかったか否かを判定する(ステップS31)。
【0113】
一定時間、操作部172の操作がなかった場合(ステップS31の判定がYesの場合)、ステップS32において、制御部10は、計時部16に最終操作後の経過時間tbの測定を開始させる(ステップS32)。
【0114】
次に、ステップS33において、制御部10は、経過時間tbが第2待機時間Ta2を経過したか否かを判定する(ステップS33)。
ここで、第2待機時間Ta2は、第1待機時間Ta1よりも短い時間に設定されるものとする。
【0115】
経過時間tbが第2待機時間Ta2を経過した場合(ステップS33の判定がYesの場合)、ステップS34において、制御部10は、電源制御部19にスリープ状態に移行させる(ステップS34)。
【0116】
次に、ステップS35において、制御部10は、計時部16にスリープ状態移行後の経過時間tbの測定を開始させる(ステップS35)。
【0117】
次に、ステップS36において、制御部10は、経過時間tbが予め定められた第2スリープ時間Tb2を経過したか否かを判定する(ステップS36)。
【0118】
経過時間tbが第2スリープ時間Tb2を経過した場合(ステップS36の判定がYesの場合)、ステップS37において、制御部10は、電源制御部19にシャットオフ状態に移行させて(ステップS37)、処理を終了する。
【0119】
図12は、この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1の通常モード時および静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示す説明図である。
【0120】
図12(A)は、通常モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示す。
【0121】
図12(A)に示すように、デジタル複合機1の電源をONにすると、制御部10は、予め定められたイニシャル動作を実施してデジタル複合機1を起動する。
【0122】
その後、ユーザーの利用時間が終わり、最終操作後に制御部10は、電源制御部19に予め定められた時間、待機状態に移行させる。
【0123】
通常モードにおいて、待機状態に移行後、経過時間taが第1待機時間Ta1を経過した場合(第1スリープ移行条件)、電源制御部19にスリープ状態に移行させる。
【0124】
次に、スリープ状態に移行後、経過時間tbが第1スリープ時間Tb1を経過した場合(第1シャットオフ移行条件)、電源制御部19にシャットオフ状態に移行させる。
【0125】
その後、ユーザーが再びデジタル複合機1の電源をONにすると、制御部10は、イニシャル動作を実施してデジタル複合機1を起動する。
【0126】
その後、前と同様に、ユーザーの利用時間、待機状態、第1スリープ移行条件が満たされた後のスリープ状態への移行、第1シャットオフ移行条件が満たされた後のシャットオフ状態への移行が行われる。
【0127】
図12(B)は、静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示す。
【0128】
図12(B)に示すように、デジタル複合機1の電源をONにすると、制御部10は、予め定められたイニシャル動作を実施してデジタル複合機1を起動する。
【0129】
その後、ユーザーの利用時間が終わり、最終操作後に制御部10は、電源制御部19に予め定められた時間、待機状態に移行させる。
【0130】
静音モードにおいて、待機状態に移行後、経過時間taが第1待機時間Ta1よりも長い第2待機時間Ta2を経過した場合(第2スリープ移行条件)、電源制御部19にスリープ状態に移行させる。
【0131】
次に、スリープ状態に移行後、経過時間tbが第1スリープ時間Tb1よりも長い第2スリープ時間Tb2を経過した場合(第2シャットオフ移行条件)、電源制御部19にシャットオフ状態に移行させる。
【0132】
その後、デジタル複合機1がスリープ状態に移行する前にユーザーが再びデジタル複合機1の電源をONにすると、デジタル複合機1はイニシャル動作を実施することなく待機状態から復帰する。
【0133】
その後、前と同様に、ユーザーの利用時間が終わって待機状態に入った後、第1条件が満たされると、再びスリープ状態に移行するが、さらに第2条件が満たされるとシャットオフ状態への移行が行われる。
【0134】
その後、デジタル複合機1がシャットオフ状態に移行する前にユーザーが再びデジタル複合機1の電源をONにすると、デジタル複合機1はイニシャル動作を実施することなくスリープ状態から復帰する。
【0135】
このように、静音モード時は、スリープ状態からシャットオフ状態に移行する時間だけでなく、待機状態からスリープ状態に移行する時間も通常モード時よりも長くすることで、電源ONによるイニシャル動作回数が減るため、従来よりも電源ON時のイニシャル動作の実施に起因する動作音の発生回数が減り、ユーザーの利便性が高いデジタル複合機1を実現できる。
【0136】
〔実施形態3〕
<この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1のオートシャットオフ移行処理>
次に、図13図16に基づき、この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1のオートシャットオフ移行処理について説明する。
【0137】
実施形態3のデジタル複合機1の構成は、実施形態1のデジタル複合機1の構成(図2)と同様であるため、説明を省略する。
【0138】
図13は、この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1の操作パネルの一例を示す説明図である。
【0139】
図13に示すように、デジタル複合機1の操作パネル17には、表示部171および操作部172(ソフトキー)としてタッチパネル画面が設けられている。
また、タッチパネル画面の横に操作部172(ハードキー)として、電源キー、HOMEキー、節電キーおよび静音キーが設けられている。
【0140】
ここで、ユーザーが節電キーを押下すると、デジタル複合機1は、節電優先モードに入るものとする。
【0141】
図14は、この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1の節電優先モード中の静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示すフローチャートである。
図15は、この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1の節電優先モード中でない静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示すフローチャートである。
【0142】
図14のステップS41において、制御部10は、デジタル複合機1が節電優先モードにあるか否かを判定する(ステップS41)。
【0143】
デジタル複合機1が節電優先モードにない場合(ステップS41の判定がNoの場合)、制御部10は、図15のステップS51~S57の処理を行う。
【0144】
なお、図15のステップS51~S57の処理は、図11(実施形態2)のステップS31~S37の処理にそれぞれ対応するため、説明を省略する。
【0145】
一方、デジタル複合機1が節電優先モードにある場合(ステップS41の判定がYesの場合)、ステップS42において、制御部10は、一定時間、操作部172の操作がなかったか否かを判定する(ステップS42)。
【0146】
一定時間、操作部172の操作がなかった場合(ステップS42の判定がYesの場合)、ステップS43において、制御部10は、計時部16に最終操作後の経過時間tbの測定を開始させる(ステップS43)。
【0147】
次に、ステップS44において、制御部10は、経過時間tbが予め定められた第3待機時間Ta3を経過したか否かを判定する(ステップS44)。
ここで、第3待機時間Ta3は、第2待機時間Ta2よりも短い時間に設定されるものとする。
【0148】
経過時間tbが第3待機時間Ta3を経過した場合(ステップS44の判定がYesの場合)、ステップS45において、制御部10は、電源制御部19にスリープ状態に移行させる(ステップS45)。
【0149】
次に、ステップS46において、制御部10は、計時部16にスリープ状態移行後の経過時間tbの測定を開始させる(ステップS46)。
【0150】
次に、ステップS47において、制御部10は、経過時間tbが予め定められた第3スリープ時間Tb3を経過したか否かを判定する(ステップS47)。
ここで、第3スリープ時間Tb3は、第2スリープ時間Tb2よりも短い時間に設定されるものとする。
【0151】
経過時間tbが第3スリープ時間Tb3を経過した場合(ステップS47の判定がYesの場合)、ステップS48において、制御部10は、電源制御部19にシャットオフ状態に移行させて(ステップS48)、処理を終了する。
【0152】
図16は、この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1の節電キーの押下前後の静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示す説明図である。
【0153】
なお、図16において、第2待機時間Ta2および第2スリープ時間Tb2は、実施形態1と同様であるものとする。
【0154】
図16(A)に示すように、デジタル複合機1の電源をONにすると、制御部10は、予め定められたイニシャル動作を実施してデジタル複合機1を起動する。
【0155】
その後、ユーザーの利用時間が終わり、最終操作後に制御部10は、電源制御部19に予め定められた時間、待機状態に移行させる。
【0156】
静音モードにおいて、待機状態に移行後、経過時間taが第2待機時間Ta2を経過した場合(第2スリープ移行条件)、電源制御部19にスリープ状態に移行させる。
【0157】
次に、スリープ状態に移行後、経過時間tbが第2スリープ時間Tb2を経過した場合(第2シャットオフ移行条件)、電源制御部19にシャットオフ状態に移行させる。
【0158】
その後、デジタル複合機1がシャットオフ状態に移行する前にユーザーが再びデジタル複合機1の電源をONにすると、デジタル複合機1はイニシャル動作を実施することなくスリープ状態から復帰する。
【0159】
ここで、ユーザーがデジタル複合機1を利用中に節電キーを押下した場合、デジタル複合機1は、節電優先モードに入る。
【0160】
その後、再びユーザーの利用時間が終わり、最終操作後に制御部10は、電源制御部19に予め定められた時間、待機状態に移行させる。
【0161】
節電優先モードにおいて、待機状態に移行後、経過時間taが第2待機時間Ta2よりも短い第3待機時間Ta3を経過した場合(第3スリープ移行条件)、電源制御部19にスリープ状態に移行させる。
【0162】
次に、スリープ状態に移行後、経過時間tbが第2スリープ時間Tb2よりも短い第3スリープ時間Tb3を経過した場合(第3シャットオフ移行条件)、電源制御部19にシャットオフ状態に移行させる。
【0163】
その後、ユーザーが再びデジタル複合機1の電源をONにすると、デジタル複合機1はイニシャル動作を実施してシャットオフ状態から起動する。
【0164】
一方、図16(B)に示すように、節電優先モード中にデジタル複合機1の電源をONにすると、制御部10は、予め定められたイニシャル動作を実施してデジタル複合機1を起動する。
【0165】
その後、ユーザーの利用時間が終わり、最終操作後に制御部10は、電源制御部19に予め定められた時間、待機状態に移行させる。
【0166】
節電優先モードにおいて、待機状態に移行後、経過時間taが第3待機時間Ta3を経過した場合(第3スリープ移行条件)、電源制御部19にスリープ状態に移行させる。
【0167】
次に、スリープ状態に移行後、経過時間tbが第3スリープ時間Tb3を経過した場合(第3シャットオフ移行条件)、電源制御部19にシャットオフ状態に移行させる。
【0168】
その後、ユーザーが再びデジタル複合機1の電源をONにすると、デジタル複合機1はイニシャル動作を実施してシャットオフ状態から起動する。
【0169】
ここで、ユーザーがデジタル複合機1を利用中に節電キーを再び押下した場合、デジタル複合機1の節電優先モードが解除される。
【0170】
その後、再びユーザーの利用時間が終わり、最終操作後に制御部10は、電源制御部19に予め定められた時間、待機状態に移行させる。
【0171】
節電優先モードにおいて、待機状態に移行後、経過時間taが第2待機時間Ta2を経過した場合(第2スリープ移行条件)、電源制御部19にスリープ状態に移行させる。
【0172】
次に、スリープ状態に移行後、経過時間tbが第2スリープ時間Tb2を経過した場合(第2シャットオフ移行条件)、電源制御部19にシャットオフ状態に移行させる。
【0173】
その後、デジタル複合機1がシャットオフ状態に移行する前にユーザーが再びデジタル複合機1の電源をONにすると、デジタル複合機1はイニシャル動作を実施することなくスリープ状態から復帰する。
【0174】
このように、ユーザーが節電優先モードを有効にした場合、静音モード時であっても、スリープ状態からシャットオフ状態に移行する時間だけでなく、待機状態からスリープ状態に移行する時間も短くなるため、従来よりもユーザーの利便性が高いデジタル複合機1を実現できる。
【0175】
〔実施形態4〕
<この開示の実施形態4に係るデジタル複合機1のオートシャットオフ移行処理>
次に、図17図19に基づき、この開示の実施形態4に係るデジタル複合機1のオートシャットオフ移行処理について説明する。
【0176】
図17は、この開示の実施形態4に係るデジタル複合機1概略構成を示すブロック図である。
図17に示すように、実施形態4のデジタル複合機1の構成は、エラー検知部21をさらに備えるほかは、実施形態1のデジタル複合機1の構成(図2)と同様である。
【0177】
エラー検知部21は、デジタル複合機1の各部に発生したエラーを検知する部分である。
エラー検知部21は、例えば、ジャムが発生する、インクトナーがなくなる、紙詰まりが発生する、用紙切れになる、本体の所定のドアが開かれるなどのエラーの発生を検知する。
【0178】
図18は、この開示の実施形態4に係るデジタル複合機1のエラー発生後の静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示すフローチャートである。
図19は、この開示の実施形態4に係るデジタル複合機1のエラーが発生していない場合の静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示すフローチャートである。
【0179】
図18のステップS61において、制御部10は、エラー検知部21が所定のエラーを検知したか否かを判定する(ステップS61)。
この場合、エラーの種類としては、ジャムの発生など、次回のデジタル複合機1の起動時にイニシャル動作が必要なエラーに限定してもよい。
【0180】
エラー検知部21が所定のエラーを検知していない場合(ステップS61の判定がNoの場合)、制御部10は、図19のステップS71~S77の処理を行う。
【0181】
なお、図19のステップS71~S77の処理は、図11(実施形態2)のステップS31~S37の処理にそれぞれ対応するため、説明を省略する。
【0182】
一方、エラー検知部21が所定のエラーを検知した場合(ステップS61の判定がYesの場合)、ステップS62において、制御部10は、一定時間、操作部172の操作がなかったか否かを判定する(ステップS62)。
【0183】
一定時間、操作部172の操作がなかった場合(ステップS62の判定がYesの場合)、ステップS63において、制御部10は、計時部16に最終操作後の経過時間tbの測定を開始させる(ステップS63)。
【0184】
次に、ステップS64において、制御部10は、経過時間tbが予め定められた第4待機時間Ta4を経過したか否かを判定する(ステップS64)。
ここで、第4待機時間Ta4は、第2待機時間Ta2よりも短い時間に設定されるものとする。
【0185】
経過時間tbが第4待機時間Ta4を経過した場合(ステップS64の判定がYesの場合)、ステップS65において、制御部10は、電源制御部19にスリープ状態に移行させる(ステップS65)。
【0186】
次に、ステップS66において、制御部10は、計時部16にスリープ状態移行後の経過時間tbの測定を開始させる(ステップS66)。
【0187】
次に、ステップS67において、制御部10は、経過時間tbが予め定められた第4スリープ時間Tb4を経過したか否かを判定する(ステップS67)。
ここで、第4スリープ時間Tb4は、第2スリープ時間Tb2よりも短い時間に設定されるものとする。
【0188】
経過時間tbが第4スリープ時間Tb4を経過した場合(ステップS67の判定がYesの場合)、ステップS68において、制御部10は、電源制御部19にシャットオフ状態に移行させて(ステップS68)、処理を終了する。
【0189】
図20は、この開示の実施形態4に係るデジタル複合機1のエラー発生後の静音モード時のオートシャットオフ移行処理の一例を示す説明図である。
【0190】
なお、図20において、第2待機時間Ta2および第2スリープ時間Tb2は、実施形態1と同様であるものとする。
【0191】
図20に示すように、デジタル複合機1の電源をONにすると、制御部10は、予め定められたイニシャル動作を実施してデジタル複合機1を起動する。
【0192】
その後、ユーザーの利用時間が終わり、最終操作後に制御部10は、電源制御部19に予め定められた時間、待機状態に移行させる。
【0193】
静音モードにおいて、待機状態に移行後、経過時間taが第2待機時間Ta2を経過した場合(第2スリープ移行条件)、電源制御部19にスリープ状態に移行させる。
【0194】
次に、スリープ状態に移行後、経過時間tbが第2スリープ時間Tb2を経過した場合(第2シャットオフ移行条件)、電源制御部19にシャットオフ状態に移行させる。
【0195】
その後、デジタル複合機1がシャットオフ状態に移行する前にユーザーが再びデジタル複合機1の電源をONにすると、デジタル複合機1はイニシャル動作を実施することなくスリープ状態から復帰する。
【0196】
ここで、ユーザーがデジタル複合機1を利用中に所定のエラーが発生した場合、デジタル複合機1は、エラー発生後の静音モードに入る。
【0197】
その後、再びユーザーの利用時間が終わり、最終操作後に制御部10は、電源制御部19に予め定められた時間、待機状態に移行させる。
【0198】
エラー発生後の静音モードにおいて、待機状態に移行後、経過時間taが第2待機時間Ta2よりも短い第4待機時間Ta4を経過した場合(第4スリープ移行条件)、電源制御部19にスリープ状態に移行させる。
【0199】
次に、スリープ状態に移行後、経過時間tbが第2スリープ時間Tb2よりも短い第4スリープ時間Tb4を経過した場合(第4シャットオフ移行条件)、電源制御部19にシャットオフ状態に移行させる。
【0200】
その後、ユーザーが再びデジタル複合機1の電源をONにすると、デジタル複合機1はイニシャル動作を実施してシャットオフ状態から起動する。
【0201】
このように、所定のエラーが発生した場合、静音モード時であっても、スリープ状態からシャットオフ状態に移行する時間だけでなく、待機状態からスリープ状態に移行する時間も短くなるため、従来よりもユーザーの利便性が高いデジタル複合機1を実現できる。
【0202】
この開示の好ましい態様は、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含む。
前述した実施形態の他にも、この開示について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この開示の範囲に属さないと解されるべきものではない。この開示には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0203】
1:デジタル複合機、 10:制御部、 11:画像読取部、 12:画像形成部、 13:記憶部、 14:画像処理部、 15:通信部、 16:計時部、 17:操作パネル、 18:電源、 19:電源制御部、 20:モード設定部、 21:エラー検知部、 171:表示部、 172:操作部、 t,ta,tb:経過時間、 T1,Tb1:第1スリープ時間、 T2,Tb2:第2スリープ時間、 Tb3:第3スリープ時間、 Tb4:第4スリープ時間、 Ta1:第1待機時間、 Ta2:第2待機時間、 Ta3:第3待機時間、 Ta4:第4待機時間
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