(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102745
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】ギャングライタ、ROM、ギャングライタシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 8/61 20180101AFI20240724BHJP
G11C 16/10 20060101ALI20240724BHJP
A63F 7/02 20060101ALI20240724BHJP
G06F 11/10 20060101ALN20240724BHJP
【FI】
G06F8/61
G11C16/10 100
A63F7/02 326Z
G06F11/10 604
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006842
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】398034168
【氏名又は名称】株式会社アクセル
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】小畑 敦志
【テーマコード(参考)】
2C088
5B225
5B376
【Fターム(参考)】
2C088DA09
2C088DA23
5B225DE08
5B225DE19
5B225EK04
5B225EK06
5B225FA10
5B376AD25
(57)【要約】
【課題】ROMにデータを格納する際の処理負荷の低減と処理時間の短縮を図ることができる、ギャングライタ、ROM、ギャングライタシステムを提供する。
【解決手段】ギャングライタ11は、それぞれのROM2
1,2
2,・・・2
6が通信可能に接続される複数のソケット13
1,13
2,・・・13
6と、ソケット13
1,13
2,・・・13
6に接続されたそれぞれのROM2
1,2
2,・・・2
6にマスタデータ5bを書き込む書込部14と、マスタデータ5bから第一のベリファイ情報を抽出する第一のベリファイ情報抽出部19と、第一のベリファイ情報、及び書込部14によってROM2
1,2
2,・・・2
6に書き込まれたマスタデータ5bから、ROM2
1,2
2,・・・2
6において抽出された第二のベリファイ情報を照合する照合部16とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に用いられる複数のROMのそれぞれにマスタデータを格納するギャングライタであって、
前記遊技機で用いるマスタデータが格納されるマスタデータ記憶部と、
それぞれの前記ROMが通信可能に装着される複数のソケットと、
前記マスタデータ記憶部及び複数の前記ソケットに装着された前記ROMを制御するホスト装置とを有し、
前記ROMは、
前記ホスト装置から送信された前記マスタデータが格納される記憶部と、
該記憶部に記録されたデータから第二のベリファイ情報を抽出する第二のベリファイ情報抽出部と、
該ベリファイ情報抽出部によって抽出された前記第二のベリファイ情報を前記ギャングライタに供給する制御回路部とを備え
前記ホスト装置は、
前記ROMに前記マスタデータを書き込む書込部と、
前記マスタデータから第一のベリファイ情報を抽出する第一のベリファイ情報抽出部と、
前記第一のベリファイ情報、及び前記書込部によって前記ROMに書き込まれた前記データから、前記ROMにおいて抽出された第二のベリファイ情報を照合する照合部とを備えたことを特徴とするギャングライタ。
【請求項2】
前記照合部は、それぞれの前記ROMにデータを記録するときに順次前記照合を行うことを特徴とする請求項1に記載のギャングライタ。
【請求項3】
前記照合部において照合される第一のベリファイ情報と第二のベリファイ情報とには、前記マスタデータに対する演算で得られた誤り検出符号を含むことを特徴とする請求項1に記載のギャングライタ。
【請求項4】
前記照合部において照合される前記第一のベリファイ情報と前記第二のベリファイ情報とには、前記マスタデータに対する演算で得られたハッシュ値を含むことを特徴とする請求項1に記載のギャングライタ。
【請求項5】
複数のROMにデータを書き込むと共に、該データから第一のベリファイ情報を抽出する機能を有するギャングライタから書き込まれたデータが格納される、遊技機に用いられるROMであって、
前記ギャングライタは、
前記遊技機で用いるマスタデータが格納されるマスタデータ記憶部と、
それぞれの前記ROMが通信可能に装着される複数のソケットと、
前記マスタデータ記憶部及び複数の前記ソケットに装着された前記ROMを制御するホスト装置とを有し、
前記ホスト装置は、
前記ROMに前記マスタデータを書き込む書込部と、
前記マスタデータから第一のベリファイ情報を抽出する第一のベリファイ情報抽出部と、
前記第一のベリファイ情報、及び前記書込部によって前記ROMに書き込まれたデータから、前記ROMにおいて抽出された第二のベリファイ情報を照合する照合部とを備え、
前記ROMは、
前記ホスト装置から送信された前記マスタデータが格納される記憶部と、
該記憶部に記録された前記データから第二のベリファイ情報を抽出する第二のベリファイ情報抽出部と、
該ベリファイ情報抽出部によって抽出された前記第二のベリファイ情報を前記ギャングライタに供給する制御回路部とを備えたROM。
【請求項6】
遊技機に用いられる複数のROMのそれぞれにデータを格納するギャングライタと、
該ギャングライタから書き込まれたデータが格納される、遊技機に用いられる複数のROMとを有するギャングライタシステムであって、
前記ギャングライタは、
前記遊技機で用いるマスタデータが格納されるマスタデータ記憶部と、
それぞれの前記ROMが通信可能に接続される複数のソケットと、
前記マスタデータ記憶部及び複数の前記ソケットに装着された前記ROMを制御するホスト装置とを有し、
該ホスト装置は、
前記ROMに前記マスタデータを書き込む書込部と、
前記マスタデータから第一のベリファイ情報を抽出する第一のベリファイ情報抽出部と、
前記第一のベリファイ情報、及び前記書込部によって前記ROMに書き込まれたデータから、前記ROMにおいて抽出された第二のベリファイ情報を照合する照合部とを備え、
前記ROMは、
前記ホスト装置から送信された前記マスタデータが格納される記憶部と、
該記憶部に記録された前記データから前記第二のベリファイ情報を抽出する第二のベリファイ情報抽出部と、
該ベリファイ情報抽出部によって抽出された前記第二のベリファイ情報を前記ギャングライタに供給する制御回路部とを備えたことを特徴とするギャングライタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に搭載される半導体記憶装置にデータを格納するギャングライタ、ギャングライタによってデータが記録される半導体記憶装置、ギャングライタと遊技機に搭載される半導体記憶装置とを有するギャングライタシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
各種の遊技機に用いられる画像や音声等のコンテンツは、遊技機に設置されるROM(Read Only Memory)に格納される。遊技機の量産時には、遊技機に搭載されるROMにデータを書き込むためにROMライタが用いられる。
【0003】
従来、このROMライタとして、ギャングライタという装置が多く用いられる。このギャングライタは、装着された複数のROMに対して順次データを格納することで、1回の処理で複数のROMにデータを格納する装置である(例えば、特許文献1)。
【0004】
図6は、従来のギャングライタシステムを模式的に示す機能ブロック図である。
同図に示すとおり、このギャングライタシステム300は、ギャングライタ31と、複数たとえば6個のROM32
1,32
2,・・・32
6とを備える。
ギャングライタ31は、ホスト33とマスタデータ記憶部34と複数たとえば6個のソケット35
1,35
2,・・・35
6を備える。
【0005】
マスタデータ記憶部34には、それぞれのROM321,322,・・・326に格納するためのマスタデータ36が記録される。ホスト33は、それぞれのROM321,322,・・・326にマスタデータ36を格納するための各種の処理を行う。ソケット351,352,・・・356は、ROM321,322,・・・326を通信可能に接続し、ホスト33とROM321,322,・・・326との間でデータの送受信を行わせる。
【0006】
ホスト33は、機能手段として、書込部37、読出部38、照合部39、制御部40、RAM41を備える。読出部38はマスタデータ記憶部34からマスタデータ36を読み出す。書込部37は読み出されたマスタデータ36をROM321,322,・・・326に格納する。制御部40はホスト33の処理を統括的に制御し、RAM41は制御部40のデータ処理の作業領域として機能する。
照合部39は、ROM321,322,・・・326に記録されたデータとマスタデータ36とを照合し、両者が同一であるか否かを確認する。特に遊技機の製造においてはROMに記憶されるデータが検定を受審して認定されたデータと同一であることが重要な要素であり、ROMに書き込まれたデータのベリファイは不可欠な作業となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、特許文献1に記載の発明において、それぞれのROM321,322,・・・326にマスタデータ36が正しく記録されたかどうかを確認する場合は、ホスト33の照合部39がマスタデータ36の照合を行う。
具体的には、ホスト33は、特定のROMたとえばROM321にマスタデータ36を記録したのち、ROM321に記録されたデータを読み出す。ホスト33の照合部39は、ROM321から読み出されたデータと元のマスタデータ36の照合を行う。照合の結果、双方のマスタデータ36が同一であれば、ROM321には正しいマスタデータ36が記録されたものとし、ROM321への書き込み処理は終了される。この処理は、他のROMたとえばROM322,・・・326にも順次行われる。
【0009】
しかし、この処理を行う場合、ホスト33はROM32
1,32
2,・・・32
6に一旦書き込まれたデータを読み出し、読み出したデータとマスタデータ36を全て照合しなければならない。
たとえば、それぞれのROM32
1,32
2,・・・32
6のデータ容量が64GB(Giga Byte)であり、マスタデータ36が64GBのデータ量であるとする。そして、
図6に示す従来のギャングライタシステム300でROM32
1,32
2,・・・32
6へのデータの格納と、マスタデータ36が正しく格納されたか否かの確認を行うとする。
この場合、ホスト33とROM32
1,32
2,・・・32
6との間では、6(個)×64(Byte)×2(データの往復)=768Byteのデータが送受信される。また、照合部39で照合されるマスタデータ36はそれぞれ6(個)×64(Byte)=384(Byte)となり、照合部39では、384Byteのデータ同士を照合して正否確認を行う。
【0010】
このため、特許文献1に記載の発明においては、ROM321,322,・・・326とホスト33との間で送受信されるマスタデータ36のデータ量や、照合部39で照合されるマスタデータ36のデータ量が膨大になる。そして、特許文献1に記載の発明は、ギャングライタ31のデータ処理に要する処理負荷や処理に要する時間が膨大になるという問題がある。
【0011】
本発明はこのような問題を解決するためのものである。即ち本発明は、遊技機用のROMにデータを格納する際の処理負荷の低減と処理時間の短縮を図ることができる、ギャングライタ、ROM、ギャングライタシステムを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書で開示するギャングライタのひとつに、遊技機に用いられる複数のROMのそれぞれにデータを書き込むギャングライタがある。ギャングライタは、遊技機で用いるマスタデータが格納されるマスタデータ記憶部と、それぞれのROMが通信可能に装着される複数のソケットと、マスタデータ記憶部及び複数のソケットに装着されたROMを制御するホスト装置とを有する。ROMは、ホスト装置から送信されたマスタデータが格納される記憶部と、記憶部に記録されたデータから第二のベリファイ情報を抽出する第二のベリファイ情報抽出部を備える。ROMは、ベリファイ情報抽出部によって抽出された第二のベリファイ情報をギャングライタに供給する制御回路部を備える。ホスト装置は、ROMにマスタデータを書き込む書込部と、マスタデータから第一のベリファイ情報を抽出する第一のベリファイ情報抽出部を備える。ホスト装置は、第一のベリファイ情報、及び書込部によってROMに書き込まれたデータから、ROMにおいて抽出された第二のベリファイ情報を照合する照合部を備える。
【0013】
本明細書で開示するROMのひとつに、複数のROMにマスタデータを書き込むと共に、マスタデータから第一のベリファイ情報を抽出する機能を有するギャングライタから書き込まれたデータが格納される、遊技機に用いられるROMがある。ギャングライタは、遊技機で用いるマスタデータが格納されるマスタデータ記憶部と、それぞれのROMが通信可能に装着される複数のソケットと、マスタデータ記憶部及び複数のソケットに装着されたROMを制御するホスト装置とを有する。ホスト装置は、ROMにマスタデータを書き込む書込部と、マスタデータから第一のベリファイ情報を抽出する第一のベリファイ情報抽出部とを備える。ホスト装置は、第一のベリファイ情報、及び書込部によってROMに書き込まれたデータから、ROMにおいて抽出された第二のベリファイ情報を照合する照合部を備える。ROMは、ホスト装置から送信されたマスタデータが格納される記憶部と、記憶部に記録されたデータから第二のベリファイ情報を抽出する第二のベリファイ情報抽出部とを備える。ROMは、ベリファイ情報抽出部によって抽出された第二のベリファイ情報をギャングライタに供給する制御回路部を備える。
【0014】
本明細書で開示するギャングライタシステムのひとつに、遊技機に用いられる複数のROMのそれぞれにマスタデータを格納するギャングライタを備えたギャングライタシステムがある。このギャングライタシステムは、ギャングライタから書き込まれたマスタデータが格納される、遊技機に用いられる複数のROMを有する。ギャングライタは、遊技機で用いるマスタデータが格納されるマスタデータ記憶部と、それぞれのROMが通信可能に接続される複数のソケットと、マスタデータ記憶部及び複数のソケットに装着されたROMを制御するホスト装置とを有する。ホスト装置は、ROMにマスタデータを書き込む書込部と、マスタデータから第一のベリファイ情報を抽出する第一のベリファイ情報抽出部とを有する。ホスト装置は、第一のベリファイ情報、及び書込部によってROMに書き込まれたデータから、ROMにおいて抽出された第二のベリファイ情報を照合する照合部を備える。ROMは、ホスト装置から送信されたマスタデータが格納される記憶部と、記憶部に記録されたデータから第二のベリファイ情報を抽出する第二のベリファイ情報抽出部とを有する。ROMは、ベリファイ情報抽出部によって抽出された第二のベリファイ情報をギャングライタに供給する制御回路部を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、遊技機用のROMにデータを格納する際の処理負荷の低減と処理時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】ROMの一実施形態を示す機能ブロック図である。
【
図2】ギャングライタシステムの一実施形態を示す構成図である。
【
図3】ギャングライタシステムの処理を示すシーケンス図(前半部)である。
【
図4】ギャングライタシステムの処理を示すシーケンス図(後半部)である。
【
図5】コンピュータ装置の一実施形態を示すブロック図である。
【
図6】従来のギャングライタシステムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態としてのギャングライタシステムについて説明する。
以下の説明では、ギャングライタシステムを構成するROMとして、遊技機に搭載されるROMを一例として説明する。しかし、本実施形態のROMは、遊技機に限らず他の装置に用いられてもよい。
【0018】
図1は、本実施形態のROM2
1の機能ブロック図である。
図1には、
図2に示す複数のROM2
1,2
2,・・・2
6の一例としてROM2
1の構成を示すが、
図2に示す他のROM2
2,・・・2
5も
図1に示すROM2
1と同様の構成である。
ROM2
1は、
図2に示すソケット13
1を介して、ホスト装置1に通信可能に接続される。
【0019】
図1に示すとおり、ROM2
1は、コントローラ3、記憶部4を備える。ROM2
1は、自律的に演算処理を行える構成を備えている。
記憶部4は、たとえばメモリチップであり、NAND型やNOR型のフラッシュメモリを備えている。記憶部4は、フラッシュメモリ以外のEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)であってもよい。記憶部4は、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等のいかなるROMであってもよい。記憶部4には、データ5aが記録される。
コントローラ3は、たとえばコントローラチップであり、ホスト装置1からの命令を受けて、記憶部4に対するデータ5aの読み書きや、データ5aに対する所定の処理を行う。コントローラ3は、たとえば、ホスト装置1とROM2
1のデータや信号の送受信、ROM2
1における記憶部4へのデータ5aの記録、記憶部4からのデータ5aの取得などを行う。
【0020】
コントローラ3は、機能手段として、第二のベリファイ情報抽出部6、制御回路部7、RAM8、インターフェイス(I/F)部9,10を備える。
【0021】
第二のベリファイ情報抽出部6は、記憶部4に記録されるデータ5aから第二のベリファイ情報を抽出する。なお、第二のベリファイ情報抽出部6は、後述する第一のベリファイ情報抽出部19と同じ構成である。
この第二のベリファイ情報は、たとえばCRC(Cyclic Redundancy Check)に用いる誤り検出符号や、誤り検出符号を含む情報である。またたとえば、第二のベリファイ情報はMD5(Message Digest Algorithm 5)等のハッシュ関数による演算で得られるハッシュ値や、ハッシュ値を含む情報である。また、第二のベリファイ情報は、データの誤り検出に用いられる上記以外のどのような情報でもよく、たとえば、CRC以外のチェックサムや、パリティビットや、ハミング符号などでもよい。
【0022】
なお、第二のベリファイ情報抽出部6には、複数の第二のベリファイ情報が選択可能に設定されていてもよい。この場合、第二のベリファイ情報は、後述するギャングライタ11のホスト装置1で選択する第一のベリファイ情報と同じ情報となるよう選択される。
【0023】
制御回路部7は、ホスト装置1からの命令を受けて、各種の演算処理を自律的に行い、ROM21の処理を統括的に制御する。
たとえば、制御回路部7は、ホスト装置1から受信したデータ5aを記憶部4に記録する。制御回路部7は、第二のベリファイ情報抽出部6に第二のベリファイ情報を抽出させる命令を行い、第二のベリファイ情報をホスト装置1に送信するための処理を行う。
【0024】
RAM8は制御回路部7のデータ処理の作業領域として機能する。
インターフェイス部9,10は、ホスト装置1とROM21との間、ROM21におけるコントローラ3と記憶部4との間でのデータや信号の通信に必要な処理を行う。
【0025】
図2は、ギャングライタシステムの一実施形態を示す構成図である。
同図に示すとおり、このギャングライタシステム100は、ギャングライタ11と、複数すなわちN個(N>1)、ここでは6個のROM(Read Only Memory)2
1,2
2,・・・2
6とを備える。
【0026】
ギャングライタ11は、複数たとえば6個のROM21,22,・・・26に1回の処理でデータ5aを書き込むための装置である。ギャングライタ11が一度の操作でデータ5aを書き込むROMの数は、6個より多くても少なくてもよい。
本実施形態では、ギャングライタ11は、個々のROM21,22,・・・26に順次データ5aを記録する。ただし、ギャングライタ11は、個々のROM21,22,・・・26のうち少なくとも何れか2つ以上に同時にデータ5aを記録する構成であってもよい。
【0027】
ROM21,22,・・・26は、それぞれ、パチンコ機、パチスロ機等の遊技機に装着されて用いられる、不揮発性の記憶媒体を有する記憶装置である。
【0028】
それぞれのROM21,22,・・・26には、ギャングライタ11の処理により、データ5aが格納される。
このデータ5aは、遊技機の機能を実現するために必要なデータであり、ROM21,22,・・・26にデータが書き込まれ、遊技機に実装される。たとえば、データ5aには、遊技機の盤面に設けられたディスプレイに表示される画像や遊技機から出力される音声のファイルデータや、遊技機に設置された電飾のオンオフや装置の作動を制御するプログラムデータ等が含まれる。
【0029】
図2に示すとおり、ギャングライタ11は、ホスト装置1と、マスタデータ記憶部12と、複数すなわちN個(N>1)、ここでは6個のソケット13
1,13
2,・・・13
6を備える。
【0030】
マスタデータ記憶部12は、それぞれのROM21,22,・・・26に格納するためのマスタデータ5bが記録される記録媒体である。
マスタデータ記憶部12は、たとえばHD(Hard Disk)およびSSD(Solid State Drive)等の記憶装置或いは記憶媒体によって構成される
【0031】
ホスト装置1は、それぞれのROM21,22,・・・26にデータ5aを格納するための各種の処理を行う装置である。ホスト装置1は、たとえばパーソナルコンピュータ(Personnal Computer)、タブレット(Tablet Computer)等のコンピュータ機器である。
本実施形態において、ホスト装置1は、マスタデータ記憶部12に一つのマスタデータ5bが記録され、このマスタデータ5bは、全てのROM21,22,・・・26に同一のものが記録される。ただし、マスタデータ記憶部12には遊技機の機種に応じた複数のマスタデータ5bが記録されていてもよい。そして、少なくとも1つのROMたとえばROM21に記録されるデータ5aは、他のROMたとえば22,・・・26に記録されるデータ5aと異なるものでもよい。
【0032】
ソケット131,132,・・・136は、ホスト装置1に通信可能に接続されている。ソケット131,132,・・・136には、それぞれ、ROM21,22,・・・26が物理的に着脱自在に装着される。ソケット131,132,・・・136は、ホスト装置1と、装着されたROM21,22,・・・26との間でデータの送受信を行う際のインターフェイスの機能を有する。また、ソケット131,132,・・・136のそれぞれは、ROM21,22,・・・26の装着の有無を検出する機能を有する。
【0033】
本実施形態ではソケット131,132,・・・136の個数とROM21,22,・・・26の個数とは同じ6個だが、両者の個数は必ずしも一致する必要はない。例えば、ソケットの個数はソケット131,132,・・・136と6個である一方、ROMの個数はROM21,22,・・・25と5個であるようなものでもよい。この場合、5個のROM21,22,・・・25は6個のソケット131,132,・・・136のうちの任意の5個に装着される。
【0034】
ホスト装置1は、この処理を行う機能手段として、書込部14、読出部15、照合部16、制御部17、RAM18、第一のベリファイ情報抽出部19を備える。
読出部15は、マスタデータ記憶部12からマスタデータ5bを読み出す。書込部14は、マスタデータ記憶部12から読み出されたマスタデータ5bをROM21,22,・・・26に書き込む。
【0035】
制御部17はホスト装置1の処理を統括的に制御する。
たとえば、制御部17は、書込部14、読出部15、照合部16、第一のベリファイ情報抽出部19に対し、処理の開始や終了を命令する。制御部17は、ソケット131,132,・・・136から、ROM21,22,・・・26の装着や離脱の検出信号を受信する。制御部17は、書込部14に対し、ROM21,22,・・・26が装着されたソケット131,132,・・・136にマスタデータ5bを送信する命令を行う。制御部17は、第一のベリファイ情報抽出部19に第一のベリファイ情報の抽出を行わせ、照合部16に第一のベリファイ情報と第二のベリファイ情報を照合させる命令を行う。
RAM18は制御部17のデータ処理の作業領域として機能する。
【0036】
照合部16は、ROM21,22,・・・26から送信された第二のベリファイ情報と第一のベリファイ情報との照合を行う。照合部16は、特定のROMたとえばROM21から受信した第二のベリファイ情報と第一のベリファイ情報との照合の結果、両者が同一である場合は、そのROM21にはデータ5aが正しく記録されたものと判定する。一方、照合の結果、第二のベリファイ情報と第一のベリファイ情報が相違する場合は、照合部16は、そのROM21にはデータ5aが正しく格納されていないと判定する。
【0037】
第一のベリファイ情報抽出部19は、マスタデータ5bから第一のベリファイ情報を抽出する。第一のベリファイ情報抽出部19は、マスタデータ5bから所定の演算に依存して一意に得られたデータを第一のベリファイ情報として抽出する。
この第一のベリファイ情報は、第二のベリファイ情報と同じ情報、たとえばCRCによる誤り検出符号や、MD5等のハッシュ関数によるハッシュ値などである。
【0038】
なお、第一のベリファイ情報抽出部19には、複数の第一のベリファイ情報が選択可能に設定されていてもよい。この場合、どのベリファイ情報を用いるかホスト装置1で設定すると共に、ROM21,22,・・・26に対してもホスト装置1で選択したベリファイ情報を抽出するよう命令が行われる。また、ROM21,22,・・・26における第二のベリファイ情報がたとえばCRCで固定である場合、ホスト装置1の第一のベリファイ情報は、第二のベリファイ情報と同じ情報となるよう設定によって選択される。
【0039】
図3及び
図4は、本実施形態のギャングライタシステム100における処理手順を示すシーケンス図である。以下、同図に基づいて本実施形態の処理手順を説明する。なお、
図3の(A)~(E)のシーケンスは、それぞれ
図4の(A)~(E)のシーケンスに繋がっている。
図3及び
図4のシーケンス図において、ギャングライタ11は、1番目のROM2
1、2番目のROM2
2、・・・5番目のROM2
5、6番目のROM2
6と、6つのROM2
1,2
2,・・・2
6に順次処理を行う。
【0040】
まず、ギャングライタシステム100の利用者は、ギャングライタ11のソケット131,132,・・・136にROM21,22,・・・26を装着する。この状態で、利用者がホスト装置1に設けられた図示せぬスタートボタンを押すと、ギャングライタ11はROM21,22,・・・26にデータ5aの書き込み処理を開始する。
【0041】
処理が開始されると、ギャングライタ11において、ホスト装置1の読出部15は、マスタデータ記憶部12からマスタデータ5bを読出す(S1)。ホスト装置1の第一のベリファイ情報抽出部19は、読出されたマスタデータ5bに所定の演算処理を行って第一のベリファイ情報を抽出する(S2)。
【0042】
ギャングライタ11において、ホスト装置1の書込部14は、ソケット131を介して1番目のROM21にマスタデータ5bを転送する(S3)。1番目のROM21は、コントローラ8が記憶部4にデータ5aを書込む(S4)。
ギャングライタ11において、ホスト装置1の制御部17は、ソケット131を介し、1番目のROM21にベリファイ情報を抽出するように命令する(S5)。ROM21の第二のベリファイ情報抽出部6は、記憶部4に記録されたデータ5aを取得して所定の演算を行い、第二のベリファイ情報を抽出する(S6)。
【0043】
1番目のROM21において第二のベリファイ情報の抽出(S6)が行われている間に、ホスト装置1の書込部14は、2番目のROM22にマスタデータ5bを転送する(S7)。2番目のROM22は、コントローラ8が記憶部4にデータ5aを書込む(S8)。1番目のROM21での第二のベリファイ情報を抽出(S6)と、2番目のROM22へのマスタデータ5bの転送(S7)及び書込み(S8)とを並行して行わせることで、ギャングライタ11は高速に処理を行える。
1番目のROM21で第二のベリファイ情報の抽出(S6)が完了すると、ROM21の制御回路部7は、抽出された第二のベリファイ情報をギャングライタ11のホスト装置1に転送する(S9)。
【0044】
図3及び
図4に示すとおり、ギャングライタシステム100は、2番目のROM2
2、・・・5番目のROM2
5、6番目のROM2
6に対し、S1~S8と同様の処理を順次繰り返す。
【0045】
ギャングライタ11のホスト装置1は、2番目のROM22、3番目のROM23に対し、上述のS5~S9と同様の処理を行う。ホスト装置1の制御部17は、ソケット132を介し、2番目のROM22にベリファイ情報を抽出するよう命令する(S10)。ROM22の第二のベリファイ情報抽出部6は、書き込まれたデータ5aに基づき第二のベリファイ情報を抽出する(S11)。
【0046】
2番目のROM2
2で第二のベリファイ情報の抽出(S11)が行われている間に、ホスト装置1の書込部14は、3番目のROM2
3にマスタデータ5bを転送する(S12)。
図3に図示しないが、3番目のROM2
3は、記憶部4にデータ5aを書込む。
2番目のROM2
2での第二のベリファイ情報の抽出(S11)が完了すると、ROM2
2の制御回路部7はギャングライタ11のホスト装置1に対し、抽出された第二のベリファイ情報を転送する(S13)。
図3、
図4に概ね図示しないが、ギャングライタ11のホスト装置1は、3番目のROM2
3、4番目のROM2
4に対してもS3~S13と同様の処理を順次繰り返し行う。
【0047】
図4に示すとおり、ギャングライタ11のホスト装置1が4番目のROM2
4に第二のベリファイ情報の抽出の指示を出すと(S14)、ホスト装置1の書込部14は5番目のROM2
5にマスタデータ5bを転送する(S15)。5番目のROM2
5は記憶部4にデータ5aを書込む(S16)。
4番目のROM2
5で第二のベリファイ情報の抽出(S14)が完了すると、ROM2
4は読出された第二のベリファイ情報をホスト装置1に転送する(S17)。
【0048】
ギャングライタ11のホスト装置1が5番目のROM25に第二のベリファイ情報の抽出の指示を出すと(S18)、5番目のROM25の第二のベリファイ情報抽出部6はホスト装置1の書込部14は第二のベリファイ情報を抽出する(S19)。それと並行して、ホスト装置1の書込部14は6番目のROM26にマスタデータ5bを転送する(S20)。6番目のROM26は記憶部4にデータ5aを書込む(S21)。
5番目のROM25で第二のベリファイ情報の抽出(S19)が完了すると、ROM25の制御回路部7は、抽出された第二のベリファイ情報をギャングライタ11のホスト装置1に転送する(S22)。
【0049】
ギャングライタ11のホスト装置1が6番目のROM26に第二のベリファイ情報の抽出の指示を出すと(S23)、6番目のROM26の第二のベリファイ情報抽出部6は第二のベリファイ情報を抽出する(S24)。
6番目のROM26で第二のベリファイ情報の抽出(S24)が完了すると、ROM26の制御回路部7は、抽出された第二のベリファイ情報をギャングライタ11のホスト装置1に転送する(S25)。
【0050】
S1~S25の処理が完了すると、ギャングライタ11の照合部16は、1番目のROM21、2番目のROM22、・・・6番目のROM26から転送された第二のベリファイ情報をそれぞれ第一のベリファイ情報と照合する。
【0051】
照合の結果、第一のベリファイ情報と第二のベリファイ情報が全て一致すれば、全てのROM21,22,・・・26に正しくデータ5aが記録されている。一方、少なくとも一部の第二のベリファイ情報、例えば2番目の第二のベリファイ情報が第一のベリファイ情報と一致しなければ、第二のベリファイ情報の転送元である2番目のROM22にデータ5aが正しく記録されていない可能性がある。
【0052】
ギャングライタ11は、照合部16における照合の結果をその後の処理に用いる。
例えばギャングライタ11は、ギャングライタに接続されたディスプレイに全ての照合結果が正しかったことや、特定の第二のベリファイ情報が第一のベリファイ情報が不一致だったことをホスト装置1のディスプレイに表示させる。これにより、ギャングライタシステム100の利用者に、それぞれのROM21,22,・・・26にデータ5aが正しく格納されたか否かを確認できる。
【0053】
また例えば、ギャングライタ11は、第一のベリファイ情報と不一致だった第二のベリファイ情報の転送元であるROMたとえば2番目のROM22に対し、データ5aの再転送や第二のベリファイ情報の再抽出指示を行う。これにより、ROM21,22,・・・26へのデータ5aの格納の失敗を自動で早期に修正できる。
【0054】
図5は、コンピュータ装置の一実施例を示すブロック図である。
図5を参照して、コンピュータ装置200の構成について説明する。
【0055】
図5において、コンピュータ装置200は、制御回路20と、記憶装置21と、読書装置22と、記録媒体23と、通信インターフェイス(I/F)24と、入出力インターフェイス(I/F)25と、入力装置26と、表示装置27とを含む。また、通信インターフェイス24は、ネットワーク28と接続される。そして、各構成要素は、バス29により接続される。ギャングライタ11と、ROM2
1,2
2,・・・2
6とは、コンピュータ装置200に記載の構成要素の一部または全てを適宜選択して構成することができる。
【0056】
制御回路20は、コンピュータ装置200全体の制御をする。そして、制御回路20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マルチコアCPU、FPGA(Field Programmable Gate Array)およびPLD(Programmable Logic Device)などのプロセッサである。そして、制御回路20は、例えば、
図1において制御回路部7として機能する。制御回路は、例えば、
図2において制御部17として機能する。
【0057】
記憶装置21は、各種データを記憶する。そして、記憶装置21は、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリや、HD(Hard Disk)およびSSD(Solid State Drive)などである。
【0058】
記憶装置21は、例えば、
図2において、マスタデータ記憶部12やRAM18として機能する。
【0059】
また、ROMは、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAMは、制御回路20のワークエリアとして使用される。HDは、OS、アプリケーションプログラム、ファームウェアなどのプログラム、および各種データを記憶している。
【0060】
図2に示すギャングライタ11は、各種処理をするとき、記憶装置21に記憶されたギャングライタ11の処理プログラムをRAM18に読み出す。RAM18に読み出されたギャングライタ11の処理プログラムを制御部17で実行することにより、ギャングライタ11は、書込部14、読出部15、照合部16、第一のベリファイ情報抽出部19、における処理のいずれか1以上を含む処理を実行する。
【0061】
なお、上述の各プログラムは、制御回路20が通信インターフェイス24を介してアクセス可能であれば、ネットワーク28上のサーバが有する記憶装置に記憶されていても良い。
【0062】
読書装置22は、制御回路20に制御され、着脱可能な記録媒体23のデータのリード/ライトを行なう。読書装置22は、例えば、ソケット131,132,・・・136と、ROM21,22,・・・26とを通信可能に接続する。読書装置22は、例えば、FDD(Floppy Disk Drive)、CDD(Compact Disc Drive)、DVDD(Digital Versatile Disk Drive)である。また、読書装置22は、例えば、BDD(Blu-ray Disk Drive)およびUSB(Universal Serial Bus)、SATA、などである。
【0063】
記録媒体23は、各種データを保存する。記録媒体23は、例えば、ギャングライタ11のマスタデータ読出しプログラム、第一のベリファイ情報抽出プログラム、マスタデータ書込みプログラム、照合プログラム、のいずれか1以上を記憶してもよい。
【0064】
記録媒体23は、
図2に示す、第一のベリファイ情報抽出部19で抽出された第一のベリファイ情報を記憶してもよい。そして、記録媒体23は、読書装置22を介してバス29に接続され、制御回路20が読書装置22を制御することにより、データのリード/ライトが行なわれる。
【0065】
また、記録媒体23は、例えば、SDメモリーカード(SD Memory Card)、FD(Floppy Disk)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blu-ray Disk:登録商標)、およびフラッシュメモリなどの非一時的記録媒体である。
【0066】
通信インターフェイス24は、ネットワーク28を介してコンピュータ装置200と他の装置とを通信可能に接続する。また、通信インターフェイス24は、無線LANの機能を有するインターフェイス、および近距離無線通信機能を有するインターフェイスを含んでも良い。そして、無線LANインターフェイスは、例えば、無線LAN規格として、Wi-Fi(登録商標)をサポートしても良い。近距離無線インターフェイスは、例えば、近距離無線通信規格として、Bluetooth(登録商標)をサポートしても良い。LANは、Local Area Networkの略である。
【0067】
入出力インターフェイス25は、例えば、入力装置26と接続され、接続された入力装置26から各種情報を示す信号が入力されると、バス29を介して入力された信号を制御回路20に出力する。また、入出力インターフェイス25は、制御回路20から出力された各種情報を示す信号がバス29を介して入力されると、接続された各種装置にその信号を出力する。
【0068】
入力装置26は、例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなどである。また、入力装置26は、外部ピン、ジャンパスイッチ、ディップスイッチ、ジャンパフリー回路などである。そして、入力装置26は、例えば、
図1や
図2に示すホスト装置1に設けられた、
図1や
図2に図示しないキーボードやマウス、タッチパネルとして機能する。
【0069】
表示装置27は、各種情報を表示する。表示装置27は、例えば、画像処理装置2によって描画された画像を表示する。表示装置27は、タッチパネルでの入力を受け付けるための情報を表示しても良い。表示装置27は、例えば、
図1や
図2に示すホスト装置1に設けられた、
図1や
図2に図示しないディスプレイとして機能する。
【0070】
また、入出力インターフェイス25、入力装置26、及び表示装置27は、GUI(Graphical User Interface)として機能してもよい。これにより、コンピュータ装置200は、タッチパネルやマウスなどによる直感的な操作を受け付ける。
ネットワーク28は、例えば、LAN、無線通信、またはインターネットなどであり、コンピュータ装置200と他の装置を通信接続する。
【0071】
以上、本実施形態のギャングライタシステム100は、遊技機に用いられるROM21,22,・・・26のそれぞれにデータ5aを書き込むギャングライタ11に、マスタデータ5bから第一のベリファイ情報を抽出する第一のベリファイ情報抽出部19を備える。また、ギャングライタ11に、第一のベリファイ情報、及びROM21,22,・・・26に書き込まれたデータ5aから抽出された第二のベリファイ情報を照合する照合部16を備える。これにより、ギャングライタ11は、第一のベリファイ情報と第二のベリファイ情報の照合によって、ROM21,22,・・・26にデータ5aが正しく格納されたか否かを確認できる。
【0072】
ここで、第一のベリファイ情報や第二のベリファイ情報は、データ5aがROM21,22,・・・26に正しく格納されたか否かを確認できれば済むので、ギャングライタ11のホスト装置1とROM21,22,・・・26との間で送受信されるデータ量は元のマスタデータ5bよりも小さくできる。
【0073】
たとえば、
図6に示す従来のギャングライタシステム300で、ROM32
1,32
2,・・・32
6に64GBのマスタデータ36を格納し、データが正しく格納されたか否かを確認する場合を考える。この場合、前述したとおり、ホスト33とROM32
1,32
2,・・・32
6との間で、768Byteのデータが送受信され、照合部39は384Byteのデータ同士が照合される。従来のギャングライタシステム300では、このデータ量の送受信と処理のための時間と処理負荷が必要になる。
【0074】
一方、
図1乃至
図4の示す本実施形態のギャングライタシステム100で、ROM2
1,2
2,・・・2
6に64GBのデータ5aを格納し、データ5aが正しく格納されたか否かを確認する場合を考える。この場合、第一のベリファイ情報、第二のベリファイ情報は数Byte程度の小さいデータとなる。そのため、ホスト装置1とROM2
1,2
2,・・・2
6との間で、往路は6(個)×64(Byte)=384Byte、復路はαByte(αは2~3程度の数)、往復で384+αByteのデータが送受信される。また、第一のベリファイ情報、第二のベリファイ情報はそれぞれαByteとなり、照合部16での照合には、6(個)×α(Byte)=6αByte同士が照合される。本実施形態のギャングライタシステム100では、このデータ量の送受信と処理のための時間と処理負荷を要する。
【0075】
つまり、本実施形態のギャングライタ11は、従来のギャングライタ31に比べ、ROM21,22,・・・26との間で送受信されるデータ量も、照合部16における照合の対象となるデータのデータ量も小さくなる。そのため、従来に比べ、データの送受信に要する時間は短くて済み、データの処理負荷も小さくて済む。そして、遊技機用のROM21,22,・・・26にデータ5aを格納し、格納されたデータの正否を確認するという一連の処理の、処理負荷の低減と処理時間の短縮を図ることができる。
これにより、本実施形態のギャングライタ11は、ROM21,22,・・・26にデータを格納する際の、ギャングライタシステム100の処理負荷の低減と処理時間の短縮を図ることができる。
【0076】
本実施形態のギャングライタシステム100を構成する、遊技機に用いられる複数のROM21,22,・・・26は、それぞれ、データ5aが書き込まれる記憶部4を備える。ROM21,22,・・・26は、それぞれ、データ5aから第二のベリファイ情報を抽出する第二のベリファイ情報抽出部6を備える。ROM21,22,・・・26は、それぞれ、抽出された第二のベリファイ情報をギャングライタ11に供給する制御回路部7を備える。第二のベリファイ情報はデータ量が小さいので、データの送受信に要する時間は短くて済む。また、第二のベリファイ情報に照合される第一のベリファイ情報もデータ量が小さいので、ギャングライタ11での照合における処理負荷も小さくて済む。そして、遊技機用のROM21,22,・・・26にデータ5aを格納し、格納されたデータの正否を確認するという一連の処理の、処理負荷の低減と処理時間の短縮を図ることができる。これにより、本実施形態のROM21,22,・・・26は、ROM21,22,・・・26にデータを格納する際に、ギャングライタシステム100に処理負荷の低減と処理時間の短縮を図らせることができる。
【0077】
本実施形態のギャングライタ11の照合部16は、それぞれのROM21,22,・・・26にマスタデータ5bを記録するときに順次照合を行う。これにより、マスタデータ5bの送受信やギャングライタ11の処理を時間方向に分散させ、データ通信量や処理負荷が過大になることを抑止できる。
【0078】
本実施形態のギャングライタシステム100において、照合部16において照合される第一のベリファイ情報と第二のベリファイ情報とには、誤り検出符号やハッシュ値を含む。即ち、第一のベリファイ情報と第二のベリファイ情報を、少ないデータ量で構成できる。そして、遊技機用のROM21,22,・・・26にデータ5aを格納し、格納されたデータの正否を確認するという一連の処理の、処理負荷の低減と処理時間の短縮を図ることができる。これにより、本実施形態のギャングライタシステム100は、ROM21,22,・・・26にデータを格納する際のより確実な処理負荷の低減とより確実な処理時間の短縮を図ることができる。
【0079】
なお、本発明は、以上に述べた本実施形態に限定されるものではない。本実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を取ることができる。
【符号の説明】
【0080】
1 ホスト装置
21,22,23,24,25,26,351,352,353,354,355,356 ROM
4 記憶部
5b,36 マスタデータ
6 第二のベリファイ情報抽出部
7 制御回路部
11,31 ギャングライタ
12,34 マスタデータ記憶部
131,132,133,134,135,136,321,322,323,324,325,326 ソケット
14,37 書込部
16,39 照合部
19 第一のベリファイ情報抽出部
20 制御回路
21 記憶装置
22 読書装置
23 記録媒体
24 通信I/F
25 入出力I/F
26 入力装置
27 表示装置
28 ネットワーク
29 バス
100,300 ギャングライタシステム
200 コンピュータ装置