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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102790
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】セラミックウェハ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/64 20060101AFI20240724BHJP
   B24B 7/22 20060101ALI20240724BHJP
   C04B 35/01 20060101ALI20240724BHJP
   C04B 35/56 20060101ALI20240724BHJP
   C04B 35/58 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
C04B35/64
B24B7/22 Z
C04B35/01
C04B35/56
C04B35/58
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104718
(22)【出願日】2023-06-27
(31)【優先権主張番号】112102733
(32)【優先日】2023-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】519330098
【氏名又は名称】鴻創應用科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HONG CHUANG APPLIED TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100165663
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 光宏
(72)【発明者】
【氏名】曾彦凱
(72)【発明者】
【氏名】江柏萱
(72)【発明者】
【氏名】江瑞鳳
【テーマコード(参考)】
3C043
【Fターム(参考)】
3C043CC01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】セラミックウェハ及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、上面と、下面とを備えたセラミックウェハを提供し、前記セラミックウェハは少なくとも1つの曲面を備える。本発明の別の態様は、セラミックグリーン体に高温焼結工程を施してセラミック材料を得る工程と、前記セラミック材料を加工方法でセラミックウェハを形成する工程とを含むセラミックウェハの製造方法を提供し、ここで前記加工方法は、前記セラミック材料の形状を変更させて前記セラミックウェハを形成するために用いられる。
【効果】本発明により提供されるセラミックウェハ及びその製造方法の利点は、反り又は湾曲した基板を作製することによって、集積回路の厚膜が前記基板上に形成された後、発生した表面張力又は面内応力が前記基板を比較的平坦な基板に引っ張ることができるため、ウェハの平坦性を必要とする後続工程に役立つことである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と、下面とを備え、かつ少なくとも1つの曲面を備えたセラミックウェハ。
【請求項2】
酸化物セラミック、窒化物セラミック又は炭化物セラミックを含む請求項1に記載のセラミックウェハ。
【請求項3】
2つの曲面を有する請求項1に記載のセラミックウェハ。
【請求項4】
±0.1~1000ミクロンのボウ(Bow)を備える請求項1に記載のセラミックウェハ。
【請求項5】
0.1ミクロン以上のワープ(Warp)を備える請求項1に記載のセラミックウェハ。
【請求項6】
セラミックグリーン体に高温焼結工程を施してセラミック材料を得る工程と、
前記セラミック材料を加工方法でセラミックウェハを形成する工程と
を含む請求項1~5のいずれか一項に記載のセラミックウェハの製造方法であって、
前記加工方法は、前記セラミック材料の形状を変更させて前記セラミックウェハを形成するために用いられる製造方法。
【請求項7】
前記加工方法は、研削、研磨又は機械加工方法で、前記セラミック材料の上面と下面の表面粗さを異ならせ、或いは前記上面内に複数の表面粗さを含ませ、若しくは前記下面内に複数の表面粗さを含ませ、これにより前記セラミック材料の形状を変更する請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記加工方法は、プレスプレート及び支持板を前記セラミック材料の上面及び下面に対応して設けることで、前記セラミック材料の形状を変更する請求項6に記載の製造方法。
【請求項9】
前記加工方法は、前記セラミック材料の周りを異なる温度又は異なる昇温・降温速度で加熱することで、前記セラミック材料の形状を変更する請求項6に記載の製造方法。
【請求項10】
前記高温焼結工程の後、前記セラミック材料の内部応力の昇降を制御することで、前記セラミック材料の形状を変更する高温焼きなまし工程をさらに含む請求項6に記載の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックウェハ及びその製造方法を提供するものであるが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
半導体は、エレクトロニクス産業の不可欠な部分であり、上流産業のウェハ製造、製品設計(IC design)及びレチクル、下流産業のICパッケージング、テスティング、包装及び周辺のリードフレーム製造、コネクタ製造及び回路基板製造等を含む、半導体製造におけるウェハ加工は、特に重要である。ウェハ製造は、半導体製造工程の初期段階にあり、半導体産業の根幹である。一般的なウェハ製造方法は、硅砂の引き上げ・精錬、溶解、精製、蒸留等の一連の工程を経た後、単結晶シリコン棒として製造し、さらに単結晶シリコン棒をスライスし、研磨してウェハを得る。
【0003】
セラミックは、高硬度、高融点、化学的安定性を持つ材料で、日常生活(例えば、床タイル、日用食器)に広く使用されている。近年、更に多くの「精密セラミック」が続々と研究開発され、従来のセラミックとは異なり、精密セラミックは精製された高純度の無機材料を原料とし、化学的又は物理的方法で組成及び均一性を制御し、乾式プレス、スリップキャスティング或いは射出成形等の方法で成形された後,焼結工程を経て加工して製造された完成品である。そして、耐酸性・耐アルカリ性、硬度、耐摩耗性、耐圧性、高耐熱性、低誘電率、絶縁性、高熱伝導率及び高放熱性などの特性を持ち、かつ高湿度下でも安定した性能を持つため、半導体のパッケージングウェハとして適している。例えば電子セラミック、構造用セラミック及びバイオセラミックなどの様々な分野にも用いることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者らは、従来技術では、セラミック基板の表面上の金属回路膜又は半導体回路膜は非常に厚く、この厚膜が表面張力又は面内応力を形成するため、本来平坦であるべき基板を引っ張って曲げ、ウェハの平坦性を必要とする後続工程に支障が生じることを見出した。この点について、本発明者らはさらに、反り又は湾曲した基板を作製すれば、集積回路の厚膜が前記基板上に形成された後、発生した表面張力又は面内応力が前記基板を比較的平坦な基板に引っ張ることができるため、ウェハの平坦性を必要とする後続工程に役立つことを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
具体的に本発明の一態様は、上面と、下面とを備えたセラミックウェハを提供し、前記セラミックウェハは、少なくとも1つの曲面を備え、好ましくは2つの曲面を備える。即ち、上面および下面の一方または双方が曲面となっている。
【0006】
1つ及び複数の実施形態において、前記セラミックウェハは、酸化物セラミック、窒化物セラミック又は炭化物セラミックを含む。
【0007】
1つ及び複数の実施形態において、前記セラミックウェハは、±0.1~1000ミクロンのボウ(Bow)を備える。
【0008】
1つ及び複数の実施形態において、前記セラミックウェハは、0.1ミクロン以上のワープ(Warp)を備える。
【0009】
本発明の別の態様は、セラミックグリーン体に高温焼結工程を施してセラミック材料を得る工程と、前記セラミック材料を加工方法でセラミックウェハを形成する工程とを含むセラミックウェハの製造方法を提供し、前記加工方法は、前記セラミック材料の形状を変更させて前記セラミックウェハを形成するために用いられる。
【0010】
1つ及び複数の実施形態において、前記加工方法は、研削、研磨又は機械加工方法で、前記セラミック材料の上面と下面の表面粗さを異ならせ、或いは前記上面内に複数の表面粗さを含ませ、若しくは前記下面内に複数の表面粗さを含ませ、これにより前記セラミック材料の形状を変更する。
【0011】
1つ及び複数の実施形態において、前記加工方法は、プレスプレート及び支持板を前記セラミック材料の上面及び下面に対応して設けることで、前記セラミック材料の形状を変更する。
【0012】
1つ及び複数の実施形態において、前記加工方法は、前記セラミック材料の周りを異なる温度又は異なる昇温・降温速度で加熱することで、前記セラミック材料の形状を変更する。即ち、前記セラミック材料の周りを不均一な温度又は不均一な昇温・降温速度で加熱することで、前記セラミック材料の形状を変更する。
【0013】
1つ及び複数の実施形態において、前記高温焼結工程の後、前記セラミック材料の内部応力の昇降を制御することで、前記セラミック材料の形状を変更する高温焼きなまし工程をさらに含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明により提供されるセラミックウェハ及びその製造方法の利点は、反り又は湾曲したセラミックウェハを作製することによって、集積回路の厚膜が前記セラミックウェハ上に形成された後、発生した表面張力又は面内応力が前記セラミックウェハを比較的平坦なセラミックウェハに引っ張ることができるため、ウェハの平坦性を必要とする後続工程に役立つことである。
【0015】
本発明の上記目的及びその他の目的、特徴、利点及び実施形態をより理解しやすくするため、図面を参照しつつ以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係るセラミックウェハの概略図である。
図2】本発明の実施形態に係るセラミックウェハ製造方法の工程流れ図である。
図3】本発明の実施形態に係るセラミックウェハ製造方法の工程流れ図である。
図4】本発明の実施形態に係るセラミックウェハ製造方法の工程流れ図である。
図5】本発明の実施形態に係るセラミックウェハ製造方法の工程流れ図である。
図6】本発明の実施形態に係るセラミックウェハ製造方法の工程流れ図である。
図7】本発明の実施形態に係るセラミックウェハ製造方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
一般的な慣行によると図面上の各種特徴及び構成要素は、実際の寸法比率で描かれていないが、本発明に関連する具体的特徴及び構成要素を提示するために最適な方法で描かれている。また、異なる図面の範囲において同一又は類似の符号で類似の構成要素及び部材を表す。
【0018】
本発明の説明をより詳細かつ完全にするため、以下は、本発明の実施態様及び具体的実施形態の例示的な説明を提供するが、これは、本発明の具体的実施形態を実施又は運用する唯一の形態ではない。本明細書及び添付される特許請求の範囲において、文脈が別段の指示をしない限り、「一」及び「前記」も複数形として解釈され得る。また、本明細書及び添付される特許請求の範囲は別段に明記されていない限り、「何かの上に設けられた」は、貼付又は他の形で何かの表面と直接或いは間接的に接触していると見なすことができる。当前記表面の特定は、明細書内容の前後の段落の文脈及び本発明の属する技術分野における通常の知識に基づいて判断しなければならない。
【0019】
本発明を特定する数値範囲及びパラメータは、概数値であるが具体的実施形態内の関連数値をできる限り正確に提示している。ただし、任意の数値は、本質的に個々のテスト方法による標準偏差が必然的に含まれている。本明細書で使用される場合、「約」は通常、実際値が特定数値又は1つの範囲の±10%、5%、1%或いは0.5%以内を意味する。若しくは、「約」という用語は、実際値が平均の許容可能な標準誤差内にあり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者の考えによって定めることを示す。したがって、特に断りのない限り、本明細書及び添付される特許請求の範囲に開示されている数値やパラメータは、均しく概数値であり、必要に応じて変更することができる。少なくとも、これらの数値やパラメータは、示された有効桁数及び通常の丸めを適用して得られた数値を意味すると解釈する必要がある。
【0020】
なお、本明細書の図面に示されるブロックは、機能、工程、又はハードウェアを表すために用いられてもよく、必ずしも物理的或いは論理的に独立した実物に対応する必要はなく、図面に示される各ブロックは、ソフトウェア、ハードウェア、又はソフトウェア・ハードウェアの組み合わせの形式を通じて実現されることができる。
【0021】
本発明の一態様は、上面と下面とを備えたセラミックウェハに関し、かつ前記セラミックウェハは少なくとも1つの曲面を備える。前記「セラミックウェハは、少なくとも1つの曲面を備える」とは、前記セラミックウェハの少なくとも1つの面が曲率を有することを意味し、例えば前記セラミックウェハの少なくとも1つの面の曲率は、ゼロより大きい。本発明の好ましい実施形態によれば、前記セラミックウェハは、2つの曲面を備え、すなわち、前記セラミックウェハは曲率がゼロより大きい2つの面を有し、より好ましくは前記2つの曲面は、互いに反対側に設け(つまり、一方は表面、他方が裏面である)、これにより表面張力及び面内応力を共に発生して前記セラミックウェハを比較的平坦なセラミックウェハに引っ張る。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記セラミックウェハは、酸化物セラミック、窒化物セラミック、炭化物セラミック又はこれらの組み合わせ、例えば酸化物セラミック、窒化物セラミック、炭化物セラミック、酸化物セラミックに窒化物セラミックスを組み合わせたもの、酸化物セラミックに炭化物セラミックを組み合わせたもの、窒化物セラミックに炭化物セラミックを組み合わせたもの、或いは酸化物セラミックに窒化物セラミック及び炭化物セラミックを組み合わせたものを含む。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記セラミックウェハは、例えば±0.1~1000ミクロンの範囲、±0.1~800ミクロンの範囲、±0.1~600ミクロンの範囲、±0.1~400ミクロンの範囲、±0.1~200ミクロンの範囲、±200~1000ミクロンの範囲、±200~800ミクロンの範囲、±200~600ミクロンの範囲、±200~400ミクロンの範囲、±400~1000ミクロンの範囲、±400~800ミクロンの範囲、±400~600ミクロンの範囲、±600~1000ミクロンの範囲、±600~800ミクロンの範囲、±800~1000ミクロンなどの±0.1~1000ミクロンの範囲のボウ(Bow)を備える。好ましくは、前記ボウは、±15~1000ミクロンである。本明細書で記述された「ボウ(弓とも呼ばれる)、Bow」とは、ウェハ全体の曲がりの程度の形状パラメータで、数値的には被測定ウェハの中心表面の中央と基準面の差を表す量として定義されている。具体的に前記ボウの測定方法は、当業者に周知の方法で実施され、本発明によって限定されるものではない。
【0024】
好ましい実施形態において、前記セラミックウェハは、例えば0.1ミクロン以上、1ミクロン以上、5ミクロン以上、10ミクロン以上、15ミクロン以上、20ミクロン以上、25ミクロン以上、30ミクロン以上、35ミクロン以上、40ミクロン以上、45ミクロン以上、50ミクロン以上などの0.1ミクロン以上のワープ(Warp)を備える、好ましくは、前記ワープは30ミクロン以上である。本明細書で記述された「ワープ、Warp」とは、ウェハ全体の反りの程度の形状パラメータで、数値的には被測定ウェハ表面における高さの最高点と最低点の差として定義されている。具体的に前記ワープの測定方法は、当業者に周知の方法で実施され、本発明によって限定されるものではない。
【0025】
図1を参照されたい。図1の(A)は、本発明の一実施形態に係る上向きに湾曲又は反り、1つの凸曲面を有するセラミックウェハ100aを示す。図1の(B)は、本発明の一実施形態に係る下向きに湾曲又は反り、1つの凹曲面形状を有するセラミックウェハ100bを示す。図1の(C)は、本発明の好ましい実施形態に係る複数の曲面形状(中央付近の凸曲面形状と、周囲の凸曲面形状および両者を接続する凹曲面形状)を有するセラミックウェハ100cを示す。詳しく言えば、図1の(A)~(C)によれば、本発明のセラミックウェハは、表面および裏面の少なくとも一方が曲面となっており、好ましくは双方が曲面となっている。より具体的には、前記2つの曲面が互いに反対側に設けられ(つまり、表面及び裏面が曲面となっており)、好ましくは前記2つの曲面は同じ方向に向けて湾曲すること(図1(A)、図1(B)の状態)が好ましい。また、表面および裏面は各々複数の曲率を有し、例えば前記2つの曲面はどちらも波打った形になることも好ましい(セラミックウェハ100c)。
【0026】
本発明の別の態様は、セラミックグリーン体に高温焼結工程を施してセラミック材料を得る工程と、前記セラミック材料を加工方法でセラミックウェハを形成する工程とを含むセラミックウェハの製造方法に関し、ここで前記加工方法は、前記セラミック材料の形状を変更させて前記セラミックウェハを形成するために用いられる。
【0027】
本発明に記載の「セラミックグリーン体」は、金属酸化物、金属窒化物及び金属炭化物からなる群から選択される金属化合物を含み、前記金属化合物の金属は、アルミ、ケイ素、チタン、ジルコニウム、鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、これら合金及びこられ組み合わせからなる群から選択される。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態に係るセラミックウェハ製造方法の工程流れ図である。図2を参照すると、工程S20では、セラミックグリーン体に高温焼結工程を施してセラミック材料を得る。工程S22では、セラミック材料を加工方法でセラミックウェハを形成するものであり、前記加工方法は研削、研磨又は機械加工方法で、前記セラミック材料の上面と下面の表面粗さを異ならせ、或いは前記上面内に複数の表面粗さを含ませ、若しくは前記下面内に複数の表面粗さを含ませ、これにより前記セラミック材料の形状を変更する。本発明の好ましい実施形態によれば、前記加工方法は、前記セラミックウェハに少なくとも1つの曲面を、より好ましくは2つの曲面、すなわち、上記図1の(A)~(C)のセラミックウェハ100a、セラミックウェハ100b、セラミックウェハ100cのいずれかの形状を有させる。
【0029】
図3は、本発明の一実施形態に係るセラミックウェハ製造方法の工程流れ図である。図3を参照すると、工程S30では、セラミックグリーン体に高温焼結工程を施してセラミック材料を得る。工程S32ではセラミック材料を加工方法でセラミックウェハを形成するものであり、前記加工方法はプレスプレート及び支持板を前記セラミック材料の上面及び下面に対応して設けることで、前記セラミック材料の形状を変更する。本発明の好ましい実施形態によれば、前記加工方法は、前記セラミックウェハに少なくとも1つの曲面を、より好ましくは2つの曲面、すなわち、上記図1の(A)~(C)のセラミックウェハ100a、セラミックウェハ100b、セラミックウェハ100cのいずれかの形状を有させる。
【0030】
図4は、本発明の一実施形態に係るセラミックウェハ製造方法の工程流れ図である。図4を参照すると、工程S40では、セラミックグリーン体に高温焼結工程を施してセラミック材料を得る。工程S42ではセラミック材料を加工方法でセラミックウェハを形成するものであり、前記加工方法は前記セラミック材料の周りを異なる温度又は異なる昇温・降温速度で加熱することで、前記セラミック材料の形状を変更する。本発明の好ましい実施形態によれば、前記加工方法は、前記セラミックウェハに少なくとも1つの曲面を、より好ましくは2つの曲面、すなわち、上記図1の(A)~(C)のセラミックウェハ100a、セラミックウェハ100b、セラミックウェハ100cのいずれかの形状を有させる。
【0031】
図5は、本発明の一実施形態に係るセラミックウェハ製造方法の工程流れ図であり、図7は本発明の一実施形態に係るセラミックウェハ製造方法の概略図である。図5図7の(a)及び(b)を一緒に参照すると、工程S50では、セラミックグリーン体に高温焼結工程を施してセラミック材料を得る。工程S52はセラミック材料を加工方法でセラミックウェハ(700a、700b)を形成するものであり、前記加工方法はプレスプレート(711、721)及び支持板(712、722)を前記セラミック材料の上面及び下面に対応して設けること、及び前記セラミック材料の周りを、ヒーター(71、72)を使用して異なる温度又は異なる昇温・降温速度、即ち不均一な温度又は不均一な昇温・降温速度で加熱することで、前記セラミック材料の形状を変更する。本発明の好ましい実施形態によれば、前記加工方法は、前記セラミックウェハに少なくとも1つの曲面を、より好ましくは2つの曲面、すなわち、上記図1の(A)~(C)のセラミックウェハ100a、セラミックウェハ100b、セラミックウェハ100cのいずれかの形状を有させる。
【0032】
図6は、本発明の一実施形態に係るセラミックウェハ製造方法の工程流れ図である。図6を参照すると、工程S60ではセラミックグリーン体に高温焼結工程を施す。工程S61では高温焼結工程の後に高温焼きなまし工程をさらに施すことである。詳しく言えば、前記セラミックグリーン体は、工程S60の高温焼結工程を経た後、さらに高温焼きなまし工程を経てセラミック材料を形成し、高温焼きなまし工程で前記セラミック材料の内部応力の昇降を制御することによって、セラミック材料の形状を変更させる。次に工程S62では、加工方法でセラミックウェハを形成する。
【0033】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記セラミックグリーン体は、多層の比較的薄いグリーン体が積層され、高圧工程を経て形成される。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記加工方法は、上記の各種方法の任意の適切な組み合わせを用いることができる。
【0035】
要するに、本発明により提供されるセラミックウェハ及びその製造方法の利点は、反り又は湾曲したセラミックウェハを作製することによって、集積回路の厚膜が前記セラミックウェハ上に形成された後、発生した表面張力又は面内応力が前記セラミックウェハを比較的平坦なセラミックウェハに引っ張ることができるため、ウェハの平坦性を必要とする後続工程に役立つことである。
【0036】
以上、本発明を詳細に説明したが、以上の述べるものは本発明の好ましい実施形態のみであって、本発明の実施範囲はこれに限定されることなく、本発明の特許請求の範囲に基づいて行う均等な変化と潤色をなし得ることは本発明の保護範囲内に収まるべきである。
【符号の説明】
【0037】
100~104 工程
100a、100b、100c、700a、700b セラミックウェハ
71、72 加熱器
711、721 プレスプレート
712、722 支持板
S20~S22、S30~S32、S40~S42、S50~S52、S60~S62 工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7