IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社YSLソリューションの特許一覧

特開2024-102792作業支援システム、作業支援装置、作業支援プログラム、及び、作業支援方法
<>
  • 特開-作業支援システム、作業支援装置、作業支援プログラム、及び、作業支援方法 図1
  • 特開-作業支援システム、作業支援装置、作業支援プログラム、及び、作業支援方法 図2
  • 特開-作業支援システム、作業支援装置、作業支援プログラム、及び、作業支援方法 図3
  • 特開-作業支援システム、作業支援装置、作業支援プログラム、及び、作業支援方法 図4
  • 特開-作業支援システム、作業支援装置、作業支援プログラム、及び、作業支援方法 図5
  • 特開-作業支援システム、作業支援装置、作業支援プログラム、及び、作業支援方法 図6
  • 特開-作業支援システム、作業支援装置、作業支援プログラム、及び、作業支援方法 図7
  • 特開-作業支援システム、作業支援装置、作業支援プログラム、及び、作業支援方法 図8
  • 特開-作業支援システム、作業支援装置、作業支援プログラム、及び、作業支援方法 図9
  • 特開-作業支援システム、作業支援装置、作業支援プログラム、及び、作業支援方法 図10
  • 特開-作業支援システム、作業支援装置、作業支援プログラム、及び、作業支援方法 図11
  • 特開-作業支援システム、作業支援装置、作業支援プログラム、及び、作業支援方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102792
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】作業支援システム、作業支援装置、作業支援プログラム、及び、作業支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20220101AFI20240724BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20240724BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALN20240724BHJP
【FI】
G06F3/0484
G06F3/0488
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107999
(22)【出願日】2023-06-30
(62)【分割の表示】P 2023006886の分割
【原出願日】2023-01-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年12月20日 株式会社鹿島建設 南青山建設現場にて、木幡和哉、清水光大が発明した「作業支援システム、作業支援装置、作業支援プログラム、及び、作業支援方法」(以下、「作業システム」として記載)について、試験を実施
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年5月19日 CheX×業務チラシ,コンセントチェックチラシにて、木幡和哉、清水光大が発明した「作業システム」を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年5月16日 ウェブサイト(https://yslappsmedia.chex.jp/news/chex-release-3-35-0-2-47-0/)に、令和4年6月13日 ウェブサイト(https://yslappsmedia.chex.jp/news/eca2022-report/)に、令和4年7月26日 ウェブサイト(https://youtu.be/4CbrDs9vNwc)に、令和4年8月4日 ウェブサイト(https://youtu.be/x8a_7JuD4sc)に、令和5年1月19日 ウェブサイト(https://yslappsmedia.chex.jp/news/chex-release-20230119/)に、木幡和哉、清水光大が発明した「作業システム」を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月1日 JECA FAIR 2022(東京ビックサイト)にて、木幡和哉、清水光大が発明した「作業システム」を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年4月28日 鹿島建設株式会社,令和4年5月6日 西建設株式会社,令和4年5月27日 株式会社きんでん,令和4年6月13日 株式会社竹中工務店等の建設現場にて、木幡和哉、清水光大が発明した「作業システム」を配布および公開
(71)【出願人】
【識別番号】512095679
【氏名又は名称】株式会社YSLソリューション
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】木幡 和哉
(72)【発明者】
【氏名】清川 光大
【テーマコード(参考)】
5E555
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5E555AA04
5E555AA28
5E555AA79
5E555BA01
5E555BA04
5E555BB01
5E555BB04
5E555BC04
5E555BD01
5E555CA12
5E555CB16
5E555CB45
5E555CB46
5E555CC01
5E555DA01
5E555DB03
5E555DB56
5E555DC09
5E555DC84
5E555DD07
5E555EA07
5E555EA11
5E555EA14
5E555FA00
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】建設・建築工事の現場で図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定することで、検査及び/又は確認の作業を支援するシステムを提供する。
【解決手段】検査及び/又は確認の作業を支援する作業支援システムにおいて、作業支援装置(サーバ)は、オブジェクトの配置位置情報を含む測定ポイント情報を受け付ける、測定ポイント情報受付手段21と、前記測定ポイント情報に基づいて、図面データ上にオブジェクトを表示する、オブジェクト表示手段23と、各々の測定ポイント情報にチェック順序に関するチェック順序情報を紐づける、チェック順序設定手段24と、測定ポイントを明示する測定ポイント情報明示手段25と、測定機器の取得した測定結果情報を受け付ける、測定結果情報受付手段26と、前記測定結果情報受付手段の測定結果情報受付により、次の測定ポイントへと移行する、測定ポイント移行手段27と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定することで、検査及び/又は確認の作業を支援する作業支援システムであって、
オブジェクトの配置位置情報を含む測定ポイント情報を受け付ける、測定ポイント情報受付手段と、
前記測定ポイント情報に基づいて、図面データ上にオブジェクトを表示する、オブジェクト表示手段と、
各々の測定ポイント情報にチェック順序に関するチェック順序情報を紐づける、チェック順序設定手段と、
測定ポイントを明示する測定ポイント明示手段と、
測定機器の取得した測定結果情報を受け付ける、測定結果情報受付手段と、
前記測定結果情報受付手段の測定結果情報受付により、次の測定ポイントへと移行する測定ポイント移行手段と、
を備え、
前記チェック順序設定手段は、
使用者による、図面データ上での操作動線に関する動線情報を検知する、動線検知部と、
前記動線情報と前記配置位置情報との接触及び/又は近接判定ごとに、連続した順序となるよう、チェック順序情報を、都度、接触及び/又は近接判定のあった測定ポイント情報に紐づけるチェック順序情報付与部と、
を有する、作業支援システム。
【請求項2】
前記測定ポイント明示手段は、さらに、これから測定を行う測定ポイント情報にかかるオブジェクトの次の測定ポイント情報の位置を示唆する機能を備える、請求項1に記載の作業支援システム。
【請求項3】
前記チェック順序設定手段は、さらに、前記チェック順序情報に基づき、測定ポイント情報を、測定項目に関する測定項目情報とともに表示するチェック順序表示部を有する、請求項1又は2に記載の作業支援システム。
【請求項4】
端末がタッチパネルを有し、
前記動線検知部は、
前記タッチパネル上の接触操作がされたことを検知し、その接触操作による操作動線に関する動線情報を表示する動線表示処理と、
前記動線情報と前記配置位置情報との接触及び/又は近接判定を、前記接触及び/又は近接判定の色変え、前記接触及び/又は近接判定の透かし、前記接触及び/又は近接判定の印付けの何れかの方法により、可視化する接触及び/又は近接判定可視化処理をする、請求項1又は2に記載の作業支援システム。
【請求項5】
前記オブジェクト表示手段が、
指定された測定項目情報を含む測定ポイント情報を表示する手段である、請求項1又は2に記載の作業支援システム。
【請求項6】
前記オブジェクト表示手段は、すでに測定対象として選択された測定ポイントと、未だ測定対象として選択されていない測定ポイントとを、区別可能に表示する手段である、請求項1又は2に記載の作業支援システム。
【請求項7】
端末がタッチパネルを有し、
前記動線検知部は、タッチパネル上の接触操作がされたことを検知し、その接触操作による操作動線に関する動線情報を表示する動線表示処理を行う、請求項1又は2に記載の作業支援システム。
【請求項8】
図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定することで、検査及び/又は確認の作業を支援する作業支援装置であり、
オブジェクトの配置位置情報を含む測定ポイント情報を受け付ける、測定ポイント情報受付手段と、
前記測定ポイント情報に基づいて、図面データ上にオブジェクトを表示する、オブジェクト表示手段と、
各々の測定ポイント情報にチェック順序に関するチェック順序情報を紐づける、チェック順序設定手段と、
測定ポイントを明示する測定ポイント明示手段と、
測定機器の取得した測定結果情報を受け付ける、測定結果情報受付手段と、
前記測定結果情報受付手段の測定結果情報受付により、次の測定ポイントへと移行する測定ポイント移行手段と、
を備え、
前記チェック順序設定手段は、
使用者による、図面データ上での操作動線に関する動線情報を検知する、動線検知部と、
前記動線情報と前記配置位置情報との接触及び/又は近接判定ごとに、連続した順序となるよう、チェック順序情報を、都度、接触及び/又は近接判定のあった測定ポイント情報に紐づけるチェック順序情報付与部と、
を有する、作業支援装置。
【請求項9】
コンピュータを、図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定することで、検査及び/又は確認の作業を支援する作業支援プログラムであって、
コンピュータを、
オブジェクトの配置位置情報を含む測定ポイント情報を受け付ける、測定ポイント情報受付手段と、
前記測定ポイント情報に基づいて、図面データ上にオブジェクトを表示する、オブジェクト表示手段と、
各々の測定ポイント情報にチェック順序に関するチェック順序情報を紐づける、チェック順序設定手段と、
測定ポイントを明示する測定ポイント明示手段と、
測定機器の取得した測定結果情報を受け付ける、測定結果情報受付手段と、
前記測定結果情報受付手段の測定結果情報受付により、次の測定ポイントへと移行する測定ポイント移行手段と、
として機能させ。
前記チェック順序設定手段は、
使用者による、図面データ上での操作動線に関する動線情報を検知する、動線検知部と、
前記動線情報と前記配置位置情報との接触及び/又は近接判定ごとに、連続した順序となるよう、チェック順序情報を、都度、接触及び/又は近接判定のあった測定ポイント情報に紐づけるチェック順序情報付与部と、
を有する、
作業支援プログラム。
【請求項10】
図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定することで、検査及び/又は確認の作業を支援する作業支援方法であって、
システムが、
測定ポイント情報受付手段により、オブジェクトの配置位置情報を含む測定ポイント情報を受け付けるステップと、
オブジェクト表示手段により、前記測定ポイント情報に基づいて、図面データ上にオブジェクトを表示するステップと、
チェック順序設定手段により、各々の測定ポイント情報にチェック順序に関するチェック順序情報を紐づけるステップと、
測定ポイント明示手段により、測定ポイントを明示するステップと、
測定結果情報受付手段により、測定機器の取得した測定結果情報を受け付けるステップと、
測定ポイント移行手段により、前記測定結果情報受付手段の測定結果情報受付により、次の測定ポイントへと移行するステップと、
を備え、
前記チェック順序設定手段は、
動線検知部により、使用者による、図面データ上での操作動線に関する動線情報を検知する処理と、
チェック順序情報付与部により、前記動線情報と前記配置位置情報との接触及び/又は近接判定ごとに、連続した順序となるよう、チェック順序情報を、都度、接触及び/又は近接判定のあった測定ポイント情報に紐づける処理と、
を行う、作業支援方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作業支援システム、作業支援装置、作業支援プログラム、及び、作業支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建設・建築工事の現場等では、作業員は設計図等の図面に基づいて作業を行う。
これまで、本発明者らより、建物情報を電子化して管理するシステムが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
【0003】
ここで、建設・建築工事の現場では、施工状況の作業、設備のトラブルを予防するために、担当者は建物内を巡回して検査や確認の作業をする。
【0004】
上記の作業に際し、使用者(作業担当者)のデータの入力を支援するシステムが求められている。
具体的に例えば、従来、使用者(作業担当者)の発話内容を認識し、キーワードと発話内容の認識結果とを対比することで、複数のモードの中から1つのモードを特定し、実行する技術が知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-227960号公報
【特許文献2】特開2019-053695号公報
【特許文献3】特開2022-056050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の先行技術のあるところ、本発明は、図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定することで、検査及び/又は確認の作業を支援する、新規のシステムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明は、
図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定することで、検査及び/又は確認の作業を支援する作業支援システムである。
そして、本発明の作業支援システムは、
オブジェクトの配置位置情報を含む測定ポイント情報を受け付ける、測定ポイント情報受付手段と、
前記測定ポイント情報に基づいて、図面データ上にオブジェクトを表示させる、オブジェクト表示手段と、
各々の測定ポイント情報に、チェック順序に関するチェック順序情報を紐づける、チェック順序設定手段と、
を備え、
前記チェック順序設定手段は、
使用者による、図面データ上での操作動線に関する動線情報を検知する、動線検知部と、
前記動線情報と前記配置位置情報との接触及び/又は近接判定の順番に従いチェック順序情報を特定し、該チェック順序情報を、接触及び/又は近接判定のあった測定ポイント情報に紐づけるチェック順序情報付与部と、
を有することを特徴とする。
【0008】
上記形態とすることで、簡便に、かつ、作業現場においても感覚的に、図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定することができる。
特に、上記形態とすることで、建設現場などにおいて、急遽、複数の測定ポイント(実際の建設現場等において、測定を要する箇所に相当)のチェック順序を決定するなどの事情が生じた場合においても、使用者(作業担当者)は、簡便に、かつ、作業現場においても感覚的に、図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定することができる。
そして、簡便に、かつ、作業現場においても感覚的に、測定ポイント(実際の建設現場等において、測定を要する箇所に相当)のチェック順序を特定できることで、本発明によれば、使用者(作業担当者)の作業を支援することができる。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態では、
さらに、前記作業支援システムは、
測定ポイントを明示する測定ポイント明示手段と、
測定機器の取得した測定結果情報を受け付ける、測定結果情報受付手段と、
前記測定結果情報受付手段の測定結果情報受付により、次の測定ポイントへと移行する測定ポイント移行手段と、
を備える。
上記形態とすることで、予め設定したチェック順序に従い、測定機器での測定を連続して行うことができる。
特に、上記形態とすることで、建設現場などにおいて、使用者(作業担当者)が一人であっても、簡便に、予め設定したチェック順序に従い、測定機器での測定を連続して行うことができる。
【0010】
ここで、従前の測定フローでは、画面上の測定ポイントの特定(タップ)をした後に測定結果を取り込み、その後、再度、画面上の測定ポイントの特定(タップ)をする繰り返し作業を要した。そのため、測定機器を用いた測定結果の記録作業に相当数の工数を要し、デジタル機器を活用には課題があった。
本発明によれば、予め設定したチェック順序に従い測定機器での測定を連続して行うことができるため、建設現場などでの測定ポイントの特定(タップ)作業がなくなり、使用者の作業工数を減らすことができる。
【0011】
すなわち、予め設定したチェック順序に従い、測定機器での測定を連続して行うことができることで、本発明によれば、使用者(作業担当者)の作業を支援することができる。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態では、前記チェック順序設定手段は、さらに、前記チェック順序情報に基づき、測定ポイント情報を、測定項目情報とともに表示するチェック順序表示部を有する。
上記形態とすることで、測定項目情報とともに、チェック順序を確認することができる。
特に、上記形態とすることで、建設現場などにおいて、使用者(作業担当者)が一人であっても、簡便に、測定項目情報とともに、チェック順序を確認することができる。
【0013】
また、本発明の好ましい実施の形態では、
前記端末がタッチパネルを有し、
前記動線検知部は、
前記タッチパネル上の接触操作がされたことを検知し、その接触操作による操作動線に関する動線情報を表示する動線表示処理を行う。
接触操作による操作動線に関する動線情報を可視化できるようにすることで、建設現場などにおいて、現場での使用者自身の動線を確認しつつ、図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定できる。
【0014】
また、本発明の好ましい実施の形態では、
前記端末がタッチパネルを有し、
前記動線検知部は、
前記動線情報と前記配置位置情報との接触及び/又は近接判定を可視化する接触及び/又は近接判定可視化処理をする。
また、前記動線情報と前記配置位置情報との接触及び/又は近接判定を可視化することで、建設現場などにおいて、重複なく、図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定できる。
そのため、本発明によれば、人的ミス等を防ぎつつ、効率よく、作業をすることができる。
【0015】
また、本発明の好ましい実施の形態では、さらに、前記オブジェクト表示手段が、
指定された測定項目情報を含む測定ポイント情報を表示する手段である。
上記形態とすることで、建設現場などにおいて、指定された測定項目情報を含む測定ポイント情報について、簡便に、かつ、作業現場においても感覚的に、図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定できる。
そのため、本発明によれば、人的ミス等を防ぎつつ、効率よく、作業をすることができる。
【0016】
また、本発明の好ましい実施の形態では、前記チェック順序設定手段は、さらに、
追加ルート特定部を有し、
該追加ルート特定部は、
追加ルート特定処理の開始点となる第一の測定ポイント情報が有する配置位置情報を基準とし、第一の測定ポイント情報の測定項目情報と同じ測定項目情報を有する測定ポイント情報であって一度チェック順序情報を付与された測定ポイント情報を除外した測定ポイント情報から、第一の測定ポイント情報の配置位置情報に最も近似した配置位置情報を有する第二の測定ポイント情報を特定する次点決定処理と、
次点決定処理で特定された第二の測定ポイント情報を基準に、上記と同様の次点決定処理により、第二の測定ポイント情報の配置位置情報に最も近似した配置位置情報を有する第三の測定ポイント情報を特定する処理を行う。
上記形態とすることで、同じ部屋内など、同一領域内の複数の測定ポイントについて検査者の位置から近い順に検査を行いたい場合においても、簡便に、かつ、効率的に、測定ポイント(実際の建設現場等において、測定を要する箇所に相当)のチェック順序を特定できる。
そのため、本発明によれば、人的ミス等を防ぎつつ、効率よく、作業をすることができる。
【0017】
また、本発明の好ましい実施の形態では、前記追加ルート特定部は、動線検知処理、チェック順序情報付与処理を行った後、最後にチェック順序情報の付与された測定ポイント情報を開始点とする。
【0018】
また、本発明は、図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定することで、検査及び/又は確認の作業を支援する作業支援装置であり、
オブジェクトの配置位置情報を含む測定ポイント情報を受け付ける、測定ポイント情報受付手段と、
前記測定ポイント情報に基づいて、図面データ上にオブジェクトを表示させる、オブジェクト表示手段と、
各々の測定ポイント情報にチェック順序に関するチェック順序情報を紐づける、チェック順序設定手段と、
を備え、
前記チェック順序設定手段は、
使用者による、図面データ上での操作動線に関する動線情報を検知する、動線検知部と、
前記動線情報と、前記配置位置情報との接触及び/又は近接判定の順番に従いチェック順序情報を特定し、該チェック順序情報を測定ポイント情報に紐づけるチェック順序情報付与部と、
を有する、作業支援装置でもある。
【0019】
また、本発明は、
コンピュータを、図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定することで、検査及び/又は確認の作業を支援する作業支援プログラムであって、
コンピュータを、
オブジェクトの配置位置情報を含む測定ポイント情報を受け付ける、測定ポイント情報受付手段と、
前記測定ポイント情報に基づいて、図面データ上にオブジェクトを表示させる、オブジェクト表示手段と、
各々の測定ポイント情報にチェック順序に関するチェック順序情報を紐づける、チェック順序設定手段と、
として機能させ、
前記チェック順序設定手段は、
使用者による、図面データ上での操作動線に関する動線情報を検知する、動線検知部と、
前記動線情報と、前記配置位置情報との接触及び/又は近接判定の順番に従いチェック順序情報を特定し、該チェック順序情報を測定ポイント情報に紐づけるチェック順序情報付与部と、
を有する、
作業支援プログラムでもある。
【0020】
また、本発明は、
図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定することで、検査及び/又は確認の作業を支援する作業支援方法であって、
システムが、
測定ポイント情報受付手段により、オブジェクトの配置位置情報を含む測定ポイント情報を受け付けるステップと、
オブジェクト表示手段により、前記測定ポイント情報に基づいて、図面データ上にオブジェクトを表示させるステップと、
チェック順序設定手段により、各々の測定ポイント情報にチェック順序に関するチェック順序情報を紐づけるステップと、
を備え、
前記チェック順序設定手段は、
動線検知部により、使用者による、図面データ上での操作動線に関する動線情報を検知する処理と、
チェック順序情報付与部により、前記動線情報と、前記配置位置情報との接触及び/又は近接判定の順番に従いチェック順序情報を特定し、該チェック順序情報を測定ポイント情報に紐づける処理と、
を行う、作業支援方法でもある。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定することで、検査及び/又は確認の作業を支援するシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る作業支援システムの構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る使用者端末の機能ブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る作業支援システムの機能ブロック図である。
図4】本発明の一実施形態におけるチェック順序設定処理及び測定ポイント移行処理を示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態における測定ポイント情報受付処理及びオブジェクト表示処理を示す参考図である。
図6】本発明の一実施形態における測定ポイント情報受付処理及びオブジェクト表示処理を示す出力画面の画面表示例である。
図7】本発明の一実施形態における動線検知処理、チェック順序情報付与処理、チェック順序表示処理(チェック順序設定処理)を示す参考図である。
図8】本発明の一実施形態における動線検知処理、チェック順序情報付与処理、チェック順序表示処理(チェック順序設定処理)を示す出力画面の画面表示例である。
図9】本発明の一実施形態における追加ルート特定処理(チェック順序設定処理)を示す出力画面の画面表示例である。
図10】本発明の一実施形態におけるチェック順序情報編集処理(チェック順序設定処理)を示す出力画面の画面表示例である。
図11】本発明の一実施形態における測定ポイント明示処理、測定結果情報受付処理、測定ポイント移行処理を示す参考図である。
図12】本発明の一実施形態における測定ポイント明示処理を示す出力画面の画面表示例及び、測定結果情報受付処理の様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定することで、検査及び/又は確認の作業を支援するシステムである。
【0024】
本発明は、好ましくは、建設・建築工事の現場における作業を支援するシステムである。ここで、建設・建築工事の現場としては、例えば、建築、照度測定、風量測定、コンセントチェック、非常用照明測定、足場組立・解体工事、シーリング工事、山留め工事、金属板葺屋根工事、乗入れ構台工事、瓦葺屋根工事、杭工事(場所打ち杭)、アスファルトシングル、葺屋根工事、杭工事(既製杭)、塗装工事、土工事の現場を挙げることができる。
【0025】
本発明において、図面データは建築図面であることが好ましい。
また、本発明において図面データは、平面図、意匠図、立面図、BIMデータ、透過図、及び詳細図の何れの形態であってもよい。
【0026】
そして、本発明は、
測定ポイント情報を受け付ける測定ポイント情報受付手段21と、
前記測定ポイント情報に基づいて、図面データ上にオブジェクトを表示するオブジェクト表示手段23と、
各々の測定ポイント情報にチェック順序に関するチェック順序情報を紐づけるチェック順序設定手段24と、を備えることを特徴とする。
【0027】
以下、まずは、測定ポイント情報について、詳細を説明する。
【0028】
本発明において、測定ポイント情報はオブジェクトの配置位置情報を含む。
【0029】
ここで、図5における符号4がオブジェクト(オブジェクト情報の画面表示例)を示す。
また、図5における符号41がオブジェクト本体(オブジェクト情報の全体形状)の画面表示例であり、符号42がピン番号情報の画面表示例である。
【0030】
本実施例において、オブジェクト情報は、円型である。
ただし、本発明において、オブジェクト情報の全体形状に特に制限はなく、例えば、吹き出し素材、三角形型、四角形型、円型、具象形状の何れの形態であってもよい。
また、オブジェクト情報の色にも、特に制限はない。
【0031】
ここで、オブジェクト情報の全体形状は、後述の種別情報に対応した形状であることが好ましい。
【0032】
本発明の好ましい実施の形態では、オブジェクト情報には、後述の種別情報及びピン番号情報に対応した画像情報が含まれている。
【0033】
本明細書において、配置位置情報は、オブジェクトの配置位置を示す情報である。
【0034】
本明細書において、測定項目情報は、測定項目に関する情報である。
測定項目情報としては、例えば、作業場所名称、作業項目名、進捗、作業項目合否判定、測定対象を示す情報から選ばれる1又は2以上を含む形態を挙げることができる。
【0035】
ここで、オブジェクト情報及び/又は測定項目情報の内容は、予め設定し、後述の測定ポイント情報記憶部22に、保持する形態とできる。
また、オブジェクト情報及び/又は測定項目情報の内容は、後述する種別情報ごとに、異なる測定項目情報を設定することができる。
【0036】
そして、測定ポイント情報には、測定項目情報に対応した記入箇所情報が紐づけられている。記入箇所情報は、測定項目情報(例えば、検査項目に関する情報)の求める記載内容(例えば、検査結果値、評価に関する情報)を記入及び/又は表示可能に構成された箇所である。
ここで、記入箇所情報は、任意の数値、文字列を自由記入可能に構成されていてもよく、また、予め用意した回答を選択するプルダウン方式であっても良い。
【0037】
また、本発明の好ましい実施の形態において、記入箇所情報は、後述する測定機器3が取得した情報を受付可能に構成されていることが好ましい。
【0038】
測定項目情報及び記入箇所情報は、測定ポイント情報をクリック及び/又はタッチにより、ポップアップページまたはウィンドウとして表示する形態とすることができる。また、測定項目情報及び記入箇所情報は、非表示または折り畳み可能な領域として提供する形態とすることもできる。
上記形態とすることで、使用者は該当箇所の測定ポイント情報をクリック及び/又はタッチして作業リスト表示し、作業項目をタップするだけで作業結果を入力する事が可能となる。
【0039】
本発明の好ましい実施の形態では、測定項目情報の内容を、オブジェクトに表示可能としてもよい。
【0040】
また、測定項目情報及び記入箇所情報は、後述するチェック順序表示部243により、チェック順序情報とともに表示する形態とすることもできる。
上記形態とすることで、作業担当者は建設現場などにおいて、使用者(作業担当者)が一人であっても、簡便に、予め設定したチェック順序に従い、測定機器での測定を行うことができる。
【0041】
また、測定ポイント情報は、ピン番号情報を有していてもよい。
本明細書において、ピン番号情報は、番号を示す情報である。
本実施例において、ピン番号情報は、アラビア数字である。
ただし、本発明において、ピン番号情報が測定ポイント情報の個数を表すことのできるものであれば、ピン番号情報の形態特に制限はなく、例えば、漢数字、英語表記の形態であってもよい。
また、ピン番号情報は、順序を示す規則性を有した文字群であってもよい。
順序を示す規則性を有した文字群としては、例えば、五十音順、いろは言葉、アルファベット順などを挙げることができる。
【0042】
また、測定ポイント情報は、種別情報を有していてもよい。
本明細書において、種別情報は、測定ポイント情報の種類の区別を可能とする情報である。
本発明において、種別情報は、アルファベット、文字(例えば、会議室-1等)、記号、数字(1-1-1 等)、色、形状の何れの形態であってもよい。
ただし、本発明において、種別情報の形態に特に制限はない。
また、本発明において、種別情報に該当する情報がない場合、「種別情報無し」という情報を、他の種別情報と区別して認識する形態とすることもできる。
また、本発明において、測定項目情報を種別情報として認識する形態とすることもできる。
【0043】
また、測定ポイント情報には、画像挿入箇所も紐づけられている形態であることが好ましい。
測定ポイント情報に画像挿入箇所が紐づけられていることで、より効率のよい作業を可能とする、作業支援システムとなる。
なお、画像挿入箇所は、測定ポイント情報をクリック及び/又はタッチにより、ポップアップページまたはウィンドウとして表示する形態とすることができる。また、画像挿入箇所は、非表示または折り畳み可能な領域として提供する形態とすることもできる。
上記形態とすることで、作業担当者は該当箇所のピンをタップして、写真の撮影や予め取得した画像情報を図面上に紐づける事が可能となる。
【0044】
以下、本発明の作業支援システムの実施例について説明するが、本発明の技術的範囲は実施例に限定されないことは言うまでもない。
【0045】
図1の構成図のように、本実施形態に係る作業支援システムは、使用者(作業担当者)が使用する使用者端末1と、作業支援装置2とがネットワークNを介して接続可能に構成されている。
また、図1の構成図のように、本実施形態に係る作業支援システムは、使用者(作業担当者)が使用する使用者端末1と、測定機器3とが無線通信(BLUETOOTH(登録商標)等)を介して接続可能に構成されている。
【0046】
使用者端末1は、演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、各種の出力手段等を備えた、一般的なパーソナルコンピュータや、タブレット端末、スマートフォン端末など、任意のコンピュータ装置によって構成される。そして、使用者端末1は、本実施形態に係る作業支援システムの利用が可能なアプリ、あるいはウェブブラウザソフトウェアを介して表示された本実施形態に係るwebページを利用可能とする端末である。
【0047】
以下、図2を参照しつつ、使用者端末1についてより詳細を説明する。
【0048】
図2に示すように、使用者端末1は、入力部11と、指示受付部12と、図面データ受付部13と、表示手段14と、表示部15を備える。
【0049】
入力部11は、タッチパネル、キーボードなど、任意の入力装置によって構成され、使用者(作業担当者)による入力を受け付ける装置である。
【0050】
ここで、本発明において、入力装置は、タッチパネルであることが好ましい。
【0051】
指示受付部12は、使用者(作業担当者)による表示するオブジェクトの指定、配置位置情報、動線情報などを受け付ける手段である。
【0052】
図面データ受付部13は、本発明の作業支援システムに用いる、図面データを受け付ける手段である。本発明において、図面データは建築図面であることが好ましい。
また、本発明において図面データは、前述の通り、平面図、意匠図、立面図、BIMデータ、透過図、及び詳細図の何れの形態であってもよい。
【0053】
表示手段14は、データの表示処理を行う手段である。
本実施形態では、表示手段14は、図面データの表示処理、測定ポイント情報に基づくオブジェクトの表示処理、チェック順序の表示処理などを行う。
【0054】
表示部15は、タッチパネル、ディスプレイ等の、任意の表示装置によって構成され、表示手段14が表示処理した情報を表示する。
【0055】
なお、本実施形態では、使用者端末1が、入力部11と、指示受付部12と、図面データ受付部13と、表示手段14と、表示部15と、を備える構成としている。ここで、本発明においては、上記のそれぞれを個々の端末、作業支援サーバによって実現する、さらに、各手段と各記憶部とを異なる端末、作業支援サーバによって実現するなど、使用者端末1の機能構成を、任意の構成の端末によって実現してもよい。
【0056】
以下、図3を参照しつつ、作業支援装置2についてより詳細を説明する。
【0057】
作業支援装置2は、演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、各種の出力手段等を備えた、コンピュータ装置によって構成される。
そして、作業支援装置2は、本実施形態に係る作業支援システムの利用のための専用アプリケーション、あるいはウェブブラウザソフトウェアからの要求に基づき、チェック順序設定処理及び測定ポイント移行処理に必要な情報の提供等を行う。
【0058】
図3に示すように、作業支援装置2は、チェック順序設定処理のために、測定ポイント情報受付手段21と、測定ポイント情報記憶部22と、オブジェクト表示手段23と、チェック順序設定手段24とを有する。
また、図3に示すように、作業支援装置2は、測定ポイント移行処理のために、測定ポイント情報明示手段25と、測定結果情報受付手段26と、測定ポイント移行手段27と、を備える。
【0059】
以下、作業支援装置2が備える構成について、より詳細を説明する。
まずは、本発明における、チェック順序設定処理にかかる構成について説明する。
【0060】
測定ポイント情報受付手段21は、使用者端末1からの指示に従い、測定ポイント情報を受けつける手段である。
ここで、使用者端末1からの指示は、使用者端末1の入力部11及び指示受付部12を介してすることができる。
【0061】
測定ポイント情報記憶部22は、測定ポイント情報を記憶する。ここで、測定ポイント情報は、前述で説明したものである。
【0062】
オブジェクト表示手段23は、オブジェクトの測定ポイント情報に基づいて、測定ポイント情報に基づいて、図面データ上にオブジェクトを表示する手段である。
ここで、本発明の好ましい実施の形態では、オブジェクト表示手段23は、特定の測定項目情報を有するオブジェクトのみを表示可能とする手段であることが好ましい。
具体的に例えば、図7に示すように、オブジェクト表示手段23は、特定の回路番号にかかる測定項目情報を有するオブジェクトのみを表示可能とする手段であることが好ましい。
【0063】
また、オブジェクト表示手段23は、すでに測定対象として選択された測定ポイントと、未だ測定対象として選択されていない測定ポイントとを、区別可能に表示する手段であることが好ましい。
ここで、オブジェクトの色変え、オブジェクトの透かし、オブジェクトの印付けの何れかの方法により、前述のすでに測定対象として選択された測定ポイントと、未だ測定対象として選択されていない測定ポイントとを区別可能に表示することが好ましい。
【0064】
チェック順序設定手段24は、各々の測定ポイント情報にチェック順序に関するチェック順序情報を紐づける手段である。
本明細書において、チェック順序情報は、各々の測定ポイント情報にチェック順序に関する情報である。
ここで、チェック順序情報は、チェック順序に関する絶対的な情報(例えば、1番目、2番目等)、また、チェック順序に関する相対的な情報(例えば、測定ポイントAの次の測定ポイントとする、測定ポイントZの一つ前の測定ポイントとする等)であってもよい。
【0065】
ここで、チェック順序設定手段24は、動線検知部241と、チェック順序情報付与部242と、チェック順序表示部243と、追加ルート特定部244と、を有する形態であることが好ましい。
【0066】
動線検知部241は、使用者による、図面データ上での操作動線に関する動線情報を検知する。
操作動線は、例えば使用者によるタッチパネル上での指の軌跡といった、操作に関する動線をいう。
【0067】
ここで、図7に示すように、動線検知部241は、タッチパネル上の接触操作がされたことを検知し、その接触操作による操作動線に関する動線情報を表示する動線表示処理を行うことが好ましい。
動線表示処理は、接触操作による操作動線に関する動線情報を、太鎖線により、表示する形態であることが好ましい。
【0068】
また、図7に示すように、動線検知部241は、前記動線情報と前記配置位置情報との接触及び/又は近接判定を可視化する接触及び/又は近接判定可視化処理を行うことが好ましい。
【0069】
動線検知部241は、前記接触及び/又は近接判定の色変え、前記接触及び/又は近接判定の透かし、前記接触及び/又は近接判定の印付けの何れかの方法により、前記接触及び/又は近接判定を可視化することが好ましい。
【0070】
ここで、接触及び/又は近接判定の色変えとは、接触及び/又は近接判定のあったオブジェクトと、接触及び/又は近接判定のないオブジェクトの色相に差をつけることにより、接触及び/又は近接判定を可視化する機能である。
また、接触及び/又は近接判定の透かしとは、接触及び/又は近接判定のあったオブジェクトと、接触及び/又は近接判定のないオブジェクトの透明度に差をつけることにより、接触及び/又は近接判定を可視化する機能である。
接触及び/又は近接判定の印付けとは、接触及び/又は近接判定のあったオブジェクトに印をつけることにより、接触及び/又は近接判定を可視化する機能である。
上記構成とすることにより、図面データを参照しながら、簡便に接触及び/又は近接判定の有無を把握することができる。
【0071】
チェック順序情報付与部242は、前記動線情報と、前記配置位置情報との接触及び/又は近接判定の順番に従いチェック順序情報を特定し、該チェック順序情報を測定ポイント情報に紐づける。
【0072】
ここで、図7に示すように、チェック順序情報付与部242は、前記動線情報と前記配置位置情報との接触及び/又は近接判定ごとに、連続した順序となるよう、チェック順序情報を、都度、接触及び/又は近接判定のあった測定ポイント情報に紐づける形態であることが好ましい。
【0073】
本実施例において、接触及び/又は近接判定は、測定ポイント情報が有する接触及び/又は近接判定領域情報に基づき、判断される。また、本実施例において、接触及び/又は近接判定領域情報は、オブジェクトの外縁と略同一範囲である。
【0074】
ここで、接触及び/又は近接判定領域情報は、オブジェクトの外縁に接する部分を有することが好ましい。
接触及び/又は近接判定領域情報がオブジェクトの外縁に接する部分を有することで、簡便に、かつ、作業現場においても感覚的に、図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定できる。
【0075】
しかし、本発明において、接触及び/又は近接判定領域情報がオブジェクトの外縁と略同一範囲である形態に限定されず、例えば、接触及び/又は近接判定領域情報がオブジェクトの外縁よりも大きい範囲の接触及び/又は近接判定領域を有する形態、オブジェクトの外縁よりも小さい範囲の接触及び/又は近接判定領域を有する形態でもよい。
【0076】
以下、図7を参照しつつ、チェック順序情報付与処理の具体例を示す。
まず、オブジェクトの表示された図面データ(図7(a) 参照)上を、タッチパネルを介し、使用者は操作動線を引く(図7(b) 参照)。
図7(b)で使用者が引いた操作動線と、図7 No.33のオブジェクトが接触する。
その次に、操作動線と、図7 No.32のオブジェクトが接触する。
その次に、操作動線と、図7 No.30のオブジェクトが接触する。
最後に、操作動線と、図7 No.31のオブジェクトとは接触しない。
ここで、最初に接触及び/又は近接判定のあった図7 No.33の測定ポイント情報に、第一のチェック順序情報が付与される。そして、次に、接触及び/又は近接判定のあった図7 No.32の測定ポイント情報に第二のチェック順序情報、図7 No.30の測定ポイント情報に第三のチェック順序情報が付与される。
また、接触及び/又は近接判定のない図7 No.31の測定ポイント情報に対しては、チェック順序情報は付与されない。
【0077】
上記処理を順次適用することで、前記動線情報と前記配置位置情報との接触及び/又は近接判定ごとに、連続したチェック順序情報を、都度、前記動線情報と接触した測定ポイント情報に紐づけ、測定ポイント情報のチェック順序を決定することができる。
【0078】
チェック順序表示部243は、前記チェック順序情報に基づき、測定ポイント情報を、測定項目情報とともに表示する。
【0079】
ここで、本実施例において、チェック順序表示部243は、チェック順序情報に基づき、測定ポイント情報を、測定項目情報とともにリスト表示する(図7(c)左側 参照)。
チェック順序表示部243が測定ポイント情報を測定項目情報とともにリスト表示する形態であることで、簡便に、かつ、作業現場においても感覚的に、図面データ上の測定ポイントのチェック順序を特定できる。
【0080】
追加ルート特定部244は、追加ルート特定処理の開始点となる第一の測定ポイント情報が有する配置位置情報を基準とし、第一の測定ポイント情報の測定項目情報と同じ測定項目情報を有する測定ポイント情報であって一度チェック順序情報を付与された測定ポイント情報を除外した測定ポイント情報から、該配置位置情報に最も近似した配置位置情報を有する第二の測定ポイント情報を特定する次点決定処理と、
次点決定処理で特定された第二の測定ポイント情報を基準に、上記と同様の次点決定処理により、最も近似した配置位置情報を有する第三の測定ポイント情報を特定する処理を行う。
【0081】
以下、図9を参照しつつ、上記追加ルート特定処理の具体例を示す。
まず、図9 No.233(第一の測定ポイント情報が有するオブジェクト情報)のプロット位置(第一の測定ポイント情報が有する配置位置情報)を基準とし、そのNo.233のプロット位置(第一の測定ポイント情報が有する配置位置情報)に最も近似したプロット位置(配置位置情報)を有する測定ポイントである図9 No.232(第二の測定ポイント情報)を、第二の基準として特定する処理を行う。
【0082】
そして、次に、図9 No.232(第二の測定ポイント情報が有するオブジェクト情報)のプロット位置(第二の測定ポイント情報が有する配置位置情報)を基準とし、上記と同様の処理であって、図9 No.233(一度基準となった第一の測定ポイント情報)を除外した測定ポイント情報から、最も近似したプロット位置(配置位置情報)を有するプロットである図9 No.230を特定する処理を行う。
【0083】
上記処理を順次適用することで、配置位置情報に基づき測定ポイント情報のチェック順序を決定することができる。
【0084】
ここで、追加ルート特定処理は、前述の動線検知処理、チェック順序情報付与処理、チェック順序表示処理を行った後、最後にチェック順序情報の付与された測定ポイント情報を基準に実行することもできる。
【0085】
また、好ましい形態では、測定ポイント情報の各点(各測定ポイント情報の配置位置情報)のうち、特定の測定項目情報を指定し、かかる測定項目情報を有する測定ポイント情報における、上記追加ルート特定処理を行う。
上記の形態とすることで、所望の測定項目情報を有する測定ポイント情報について、簡便にチェック順序を設定することができる。
【0086】
また、好ましい形態では、測定ポイント情報の各点(各測定ポイント情報の配置位置情報)のうち、追加でルート特定を特定する測定ポイント情報の個数を指定し、かかる測定項目情報を有する測定ポイント情報における、上記追加ルート特定処理を行う。
【0087】
また、本発明の好ましい実施の形態では、作業支援装置2は、さらに、チェック順序情報編集手段を備えることが好ましい。
ここで、チェック順序情報編集手段は、前述のチェック順序表示部243の表示した情報から、測定不要となった測定ポイント情報を削除可能とし、また、測定ポイント情報の順序を入れ替え可能とする手段である。
【0088】
次に、本発明における、測定ポイント移行処理にかかる構成について説明する。
【0089】
測定ポイント情報明示手段25は、測定ポイントを明示する手段である。
測定ポイント情報明示手段25は、測定ポイントの色変え、測定ポイントの透かし、測定ポイントの印付けの何れかの方法により、測定ポイントを明示することが好ましい。
【0090】
ここで、測定ポイントの色変えとは、これから測定を行う測定ポイント情報にかかるオブジェクトと、それ以外の測定ポイント情報にかかるオブジェクトの色相に差をつけることにより、測定ポイントを明示する機能である。
また、測定ポイントとは、これから測定を行う測定ポイント情報にかかるオブジェクトと、それ以外の測定ポイント情報にかかるオブジェクトの透明度に差をつけることにより、測定ポイントを明示する機能である。
測定ポイントの印付けとは、これから測定を行う測定ポイント情報にかかるオブジェクトに印をつけることにより、測定ポイントを明示する機能である。
上記構成とすることにより、図面データを参照しながら、簡便に測定ポイントを把握することができる。
【0091】
また、測定ポイント情報明示手段25は、さらに、これから測定を行う測定ポイント情報にかかるオブジェクトの次の測定ポイント情報の位置を示唆する機能を備えることが好ましい。
具体的には、測定ポイント情報明示手段25は、これから測定を行う測定ポイント情報にかかるオブジェクトの次の測定ポイント情報へ向かう矢印を、これから測定を行う測定ポイント情報にかかるオブジェクトに設けることが好ましい。
上記構成とすることにより、図面データを参照しながら、簡便に測定ポイントを把握することができる。
【0092】
測定結果情報受付手段26は、測定機器3の取得した測定結果情報を受け付ける手段である。
ここで、本発明において、本システムと共に用いられる測定機器3の種類に特に制限はなく、例えば、検電器、風速計、照度計とすることができる。
また、測定機器3は、本システムと有線、無線の何れの形態で接続されていてもよい。
【0093】
測定ポイント移行手段27は、前記測定結果情報受付手段26の測定結果情報受付により、次の測定ポイントを明示する手段である。
ここで、次の測定ポイントを明示する手段は、前述の測定ポイント情報明示手段25と同じ方法を採ることができる。
【0094】
なお、本実施形態では、作業支援装置2が、測定ポイント情報受付手段21と、測定ポイント情報記憶部22と、オブジェクト表示手段23と、チェック順序設定手段24と、測定ポイント情報明示手段25と、測定結果情報受付手段26と、測定ポイント移行手段27と、を備える構成としている。
ここで本発明においては、上記のそれぞれを個々の作業支援装置によって実現する、さらに、各手段と各記憶部とを異なる作業支援装置によって実現するなど、作業支援装置2の機能構成を、任意の構成の作業支援装置群によって実現してもよい。
【0095】
また、本発明の好ましい実施の形態では、作業支援装置2は、さらに、記入箇所情報に記入される情報が数字である場合に、計算手段を備えることが好ましい。
ここで、計算手段は、特定の測定項目情報を有する測定ポイント情報を抽出し、該測定項目情報に対応した記入箇所情報に記入される情報を統合、計算処理する手段である。
【0096】
具体的に例えば、図面データ中の特定箇所(例えば、会議室)に付与された、ある測定項目情報が「照度」であり、該測定項目情報に対応した記入箇所情報に記入される情報が「照度の測定値(数値)」である場合、「照度の測定値(数値)」を統合し、計算処理することで、図面データ中の特定箇所(例えば、会議室)の照度の値を算出する形態とできる。
【0097】
また、本発明の好ましい実施の形態では、作業支援装置2は、さらに、測定項目情報について、その情報を統合し、各々の測定ポイント情報に紐づける統合手段を有することが好ましい。
【0098】
ここで、統合手段は、測定項目情報として作業場所名称に関する情報が紐づけられている場合、その作業場所名称の総数を表示することができる形態であることが好ましい。
また、統合手段は、測定項目情報として進捗に関する情報が紐づけられている場合、同一の種別情報全体の工数を100%としたときの進捗を表示する形態とすることもできることが好ましい。
また、統合手段は、測定項目情報として作業項目合否判定に関する情報が紐づけられている場合、同一の種別情報を有する測定ポイント情報全体の合否判定箇所を総数として、作業項目合格個所数を表示する形態とすることもできることが好ましい。
【0099】
次いで、本実施形態における作業支援システムにおける各種の処理の流れについて、図4に示すフローチャート及び、図5図12を参照して説明する。
なお、各手段による処理の詳細は、前述の内容を援用することができる。
【0100】
図4は、チェック順序設定処理及び測定ポイント移行処理を示すフローチャートである。
【0101】
<チェック順序設定処理>
チェック順序設定処理は、各々の測定ポイント情報にチェック順序に関するチェック順序情報を紐づける処理である。
【0102】
まず、ステップS11では、オブジェクト表示手段23が、図面データ上にオブジェクトの表示を行う、オブジェクト表示処理を行う。
【0103】
次に、ステップS12では、チェック順序設定手段24は、各々の測定ポイント情報にチェック順序に関するチェック順序情報を紐づける、チェック順序設定処理を行う。
【0104】
ここで、ステップS12では、ステップS12-1に示すように、チェック順序設定手段24は、動線検知部241により、使用者による、図面データ上での操作動線に関する動線情報を検知する処理を行う。
【0105】
そして、ステップS12では、ステップS12-2に示すように、チェック順序設定手段24は、チェック順序情報付与部242により、前記動線情報と、前記配置位置情報との接触及び/又は近接判定の順番に従いチェック順序情報を特定し、該チェック順序情報を測定ポイント情報に紐づける処理を行う。
【0106】
そして、ステップS12では、ステップS12-3に示すように、チェック順序表示部243により、前記チェック順序情報に基づき、測定ポイント情報を、測定項目情報とともに表示する処理を行う。
【0107】
また、ステップS12では、ステップS12-4に示すように、追加ルート特定部244により、
追加ルート特定処理の開始点となる第一の測定ポイント情報が有する配置位置情報を基準とし、第一の測定ポイント情報の測定項目情報と同じ測定項目情報を有する測定ポイント情報であって一度チェック順序情報を付与された測定ポイント情報を除外した測定ポイント情報から、該配置位置情報に最も近似した配置位置情報を有する第二の測定ポイント情報を特定する次点決定処理と、
次点決定処理で特定された第二の測定ポイント情報を基準に、上記と同様の次点決定処理により、最も近似した配置位置情報を有する第三の測定ポイント情報を特定する処理を行う。
【0108】
次に、図4を参照しつつ、測定ポイント移行処理について説明する。
<測定ポイント移行処理>
測定ポイント移行処理は、測定結果情報受付手段26の測定結果情報受付により、次の測定ポイントを明示する作業箇所移行する処理である。
【0109】
まず、ステップS21で、オブジェクト表示手段23が測定ポイントを表示する。
【0110】
次に、ステップS22で、測定結果情報受付手段26が、測定機器3の取得した測定結果情報を受け付ける。
【0111】
そして、ステップS23で、測定ポイント移行手段27が、前記測定結果情報受付手段26の測定結果情報受付により、次の測定ポイントを明示する。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、建築現場の検査及び/又は確認の作業を支援する作業支援システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0113】
1 使用者端末
11 入力部
12 指示受付部
13 図面データ受付部
14 表示手段
15 表示部
2 作業支援装置
21 測定ポイント情報受付手段
22 測定ポイント情報記憶部
23 オブジェクト表示手段
24 チェック順序設定手段
241 動線検知部
242 チェック順序情報付与部
243 チェック順序表示部
244 追加ルート特定部
25 測定ポイント情報明示手段
26 測定結果情報受付手段
27 測定ポイント移行手段
3 測定機器
4 オブジェクト
41 オブジェクト本体
42 ピン番号情報の表示画像
5 図面データ
N ネットワーク


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12