(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102805
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】磁気記憶装置の回転要素間の結合
(51)【国際特許分類】
G11B 21/02 20060101AFI20240724BHJP
G11B 33/12 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
G11B21/02 630A
G11B33/12 313C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023193719
(22)【出願日】2023-11-14
(31)【優先権主張番号】63/440,072
(32)【優先日】2023-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/359,762
(32)【優先日】2023-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504056130
【氏名又は名称】ウェスタン デジタル テクノロジーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 快弥
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩一
(72)【発明者】
【氏名】植波 道生
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 健
(57)【要約】 (修正有)
【課題】磁気記憶装置のヘッドスタックアセンブリとベースの間の回転を改善する。
【解決手段】開口部106を有するキャリッジアーム105を備える磁気記憶装置であって、開口部は、中心軸108を画定し、中心軸と平行な複数のリッジ113-1~113-4を有する。中心軸に垂直な平面に沿った開口部の断面形状は複数のローブ112-1~112-3を含み、複数のローブのそれぞれは、複数のリッジのうちの2つで終端する。磁気記憶装置はまた、複数のリッジと接触して開口部に配置されたピボットを含む。ピボットは、中心軸に垂直な平面に沿った円形の断面形状を有する。キャリッジアームは、ピボットの少なくとも1つの部分に対して、中心軸を中心に回転可能である。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を画定し、前記中心軸と平行な複数のリッジを有する開口部であって、前記中心軸に垂直な平面に沿った前記開口部の断面形状は複数のローブを含み、前記複数のローブのそれぞれは前記複数のリッジのうちの2つで終端する、前記開口部、を含むキャリッジと、
前記複数のリッジと接触して前記開口部に配置されたピボットであって、
前記ピボットは、前記中心軸に垂直な前記平面に沿った円形の断面形状を有し、
前記キャリッジは、前記ピボットの少なくとも1つの部分に対して、前記中心軸を中心に回転可能である、前記ピボットと、
を備える磁気記憶装置。
【請求項2】
前記開口部の前記断面形状は、2つのローブを含む、請求項1に記載の磁気記憶装置。
【請求項3】
前記開口部は、4つのリッジを含み、
前記開口部の前記断面形状は、3つのローブを含む、
請求項1に記載の磁気記憶装置。
【請求項4】
前記ピボットの外側部分と、
前記ピボットの内側部分と、
ベースであって、前記ピボットの前記外側部分および前記キャリッジは、前記ベースおよび前記ピボットの前記内側部分に対して一緒に回転するように構成されている、前記ベースと、
をさらに含む請求項1に記載の磁気記憶装置。
【請求項5】
前記開口部の前記断面形状は、前記複数のリッジのうちの2つで終端する円形部分をさらに含み、
前記複数のローブの半径は同じであり、
前記円形部分の半径は、前記複数のリッジのそれぞれの半径に等しい、
請求項1に記載の磁気記憶装置。
【請求項6】
前記複数のローブのそれぞれの全周長は、前記円形部分の全周長よりも小さい、請求項5に記載の磁気記憶装置。
【請求項7】
前記複数のローブの少なくとも第2のローブの半径に対する前記複数のローブの少なくとも第1のローブの半径の比は、1:1以上1:4以下である、請求項1に記載の磁気記憶装置。
【請求項8】
前記中心軸から前記複数のリッジのそれぞれまでの距離は、前記ピボットが前記複数のリッジと摩擦嵌合を形成するように、前記ピボットの半径にほぼ等しい、請求項1に記載の磁気記憶装置。
【請求項9】
前記複数のローブのそれぞれの半径は、前記開口部の前記中心軸からオフセットされた位置で終端する、請求項1に記載の磁気記憶装置。
【請求項10】
前記リッジの数の量は、前記複数のローブの量よりも1つ多い、請求項5に記載の装置。
【請求項11】
前記複数のローブのそれぞれの中心角度は、180度未満である、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記ピボットは、ピンによって前記キャリッジに固定される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記キャリッジは、アルミニウム、ニッケル、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つの材料から形成され、
前記ピボットは、ステンレススチールから形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記複数のローブのうちの第1の数のローブは、前記複数のローブのうちの第2の数のローブの全周長と異なる全周長を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
中心軸を画定し、前記中心軸と平行な複数のリッジを有する開口部であって、前記中心軸に垂直な平面に沿った前記開口部の断面形状は第1のローブおよび第2のローブを含み、前記第1のローブおよび前記第2のローブのそれぞれは前記複数のリッジのうちの2つで終端する、前記開口部、を含むキャリッジ
を備える磁気記憶装置。
【請求項16】
前記第2のローブの長半径に対する前記第2のローブの短半径の比は、1:1.01と1:1.2との間である、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第2のローブの中心角度は、180度より大きい、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記第1のローブの中心角度は、180度未満である、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記装置は、ハードディスクドライブ(HDD)を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
多数のディスクに結合されたベースと、
ベースに結合されたピボットと、
ピンによって前記ピボットに結合されたキャリッジであって、
中心軸を画定し、前記中心軸と平行な複数のリッジを有する開口部であって、前記中心軸に垂直な平面に沿った前記開口部の断面形状は複数のローブを含み、前記複数のローブのそれぞれは前記複数のリッジのうちの2つで終端する、前記開口部、ならびに
前記多数のディスクのうちの少なくとも1つのディスクからデータを読み取る、および/または前記多数のディスクのうちの少なくとも1つのディスクにデータを書き込むように構成されている読み取り/書き込みヘッドを有する遠位端を有するアーム、を含む前記キャリッジと、
前記複数のリッジと接触して前記開口部に配置されたピボットであって、前記ピボットは、前記中心軸に垂直な前記平面に沿った円形の断面形状を有し、前記キャリッジは、前記ピボットの少なくとも1つの部分に対して、前記中心軸を中心に回転可能である、前記ピボットと、
を備える磁気記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、磁気記憶装置に関し、より具体的には、磁気記憶装置のヘッドスタックアセンブリとベースの間の回転の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブ(「HDD」)などの磁気記憶装置は、企業データ処理システム、コンピュータワークステーション、ポータブルコンピューティング装置、デジタルオーディオプレーヤ、デジタルビデオプレーヤなどのためのデジタルデータまたは電子情報を記憶するために広く使用される。一般に、HDDは、磁気ディスクへのデータの記憶を容易にするのを助ける読み取り/書き込みヘッドを含む。これらの読み取り/書き込みヘッドは、典型的には、読み取り/書き込みヘッドがディスクから情報を読み取るか、またはディスクに情報を書き込むように、ディスクに対して回転するように構成されているヘッドスタックアセンブリの一部である。効率的かつ確実にヘッドスタックアセンブリを回転させることは困難であり得る。
【発明の概要】
【0003】
ほとんどまたは全く障害なく磁気記憶装置のディスクからデータを読み取り、磁気記憶装置のディスクにデータを書き込む読み取り/書き込みヘッドを有する磁気記憶装置、および関連する製造方法が必要とされている。磁気記憶装置の現状に応じて、特に、現在利用可能な磁気記憶装置ではまだ完全に解決されていない、上で論じたような本技術分野における問題およびニーズに応じて、本願の対象が開発された。それにより、従来技術の欠点の少なくとも一部が本開示の実施例によって克服される。
【0004】
以下は、本明細書で開示される対象の実施例の非網羅的なリストであり、これらの実施例は、請求される場合も請求されない場合もある。
【0005】
本明細書では、開口部を有するキャリッジを備える磁気記憶装置が開示されている。前記開口部は、中心軸を画定し、前記中心軸と平行な複数のリッジを有する。前記中心軸に垂直な平面に沿った前記開口部の断面形状は複数のローブを含み、前記複数のローブのそれぞれは前記複数のリッジのうちの2つで終端する。前記磁気記憶装置はまた、前記複数のリッジと接触して前記開口部に配置されたピボットを含む。前記ピボットは、前記中心軸に垂直な前記平面に沿った円形の断面形状を有する。前記キャリッジは、前記ピボットの少なくとも1つの部分に対して、前記中心軸を中心に回転可能である。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例1を特徴付ける。
【0006】
前記開口部の前記断面形状は、2つのローブを含む。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例2を特徴付け、そのうち、実施例2には、上記の実施例1による対象も含まれる。
【0007】
前記開口部は、4つのリッジを含む。前記開口部の前記断面形状は、3つのローブを含む。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例3を特徴付け、そのうち、実施例3には、上記の実施例1による対象も含まれる。
【0008】
前記ピボットは、外側部分および内側部分を有する。前記磁気記憶装置は、ベースを含む。前記ピボットの前記外側部分および前記キャリッジは、前記ベースおよび前記内側部分に対して一緒に回転する。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例4を特徴付け、そのうち、実施例4には、上記の実施例1~3のいずれかによる対象も含まれる。
【0009】
前記開口部の前記断面形状は、前記複数のリッジのうちの2つを終端する円形部分を含む。前記円形部分の半径は、前記複数のリッジのそれぞれの半径に等しい。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例5を特徴付け、そのうち、実施例5には、上記の実施例1~4のいずれかによる対象も含まれる。
【0010】
前記複数のローブのそれぞれの全周長は、前記円形部分の全周長よりも小さい。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例6を特徴付け、そのうち、実施例6には、上記の実施例1~5のいずれかによる対象も含まれる。
【0011】
前記複数のローブの半径は同じである。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例7を特徴付け、そのうち、実施例7には、上記の実施例1~6のいずれかによる対象も含まれる。
【0012】
前記複数のローブの少なくとも第2のローブの半径に対する前記複数のローブの少なくとも第1のローブの半径の比は、1:1以上1:4以下である。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例8を特徴付け、そのうち、実施例8には、上記の実施例1~6のいずれかによる対象も含まれる。
【0013】
前記中心軸から前記複数のリッジのそれぞれまでの距離は、前記ピボットが前記複数のリッジと摩擦嵌合を形成するように、前記ピボットの半径にほぼ等しい。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例9を構成し、そのうち、実施例9には、上記の実施例1~8による対象も含まれる。
【0014】
前記複数のローブのそれぞれの半径は、前記開口部の前記中心軸からオフセットされた位置で終端する。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例10を構成し、そのうち、実施例10には、上記の実施例1~9による対象のいずれかが含まれる。
【0015】
前記リッジの数の量は、前記複数のローブの量よりも1つ多い。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例11を構成し、そのうち、実施例11には、上記の実施例1~10による対象のいずれかが含まれる。
【0016】
前記複数のローブのそれぞれの中心角度は、180度未満である。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例12を特徴付け、そのうち、実施例12には、上記の実施例1~11のいずれかによる対象も含まれる。
【0017】
前記ピボットは、ピンによって前記キャリッジに固定される。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例13を特徴付け、そのうち、実施例13には、上記の実施例1~12のいずれかによる対象も含まれる。
【0018】
前記キャリッジは、アルミニウム、ニッケル、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つの材料から形成される。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例14を特徴付け、そのうち、実施例14には、上記の実施例1~13のいずれかによる対象も含まれる。
【0019】
前記ピボットは、ステンレススチールから形成される。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例15を特徴付け、そのうち、実施例15には、上記の実施例1~14のいずれかによる対象も含まれる。
【0020】
前記複数のローブのうちの第1の数のローブは、前記複数のローブのうちの第2の数のローブの全周長と異なる全周長を有する。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例16を特徴付け、そのうち、実施例16には、上記の実施例1~6または8~15のいずれかによる対象も含まれる。
【0021】
また、本明細書では、キャリッジを備える磁気記憶装置が開示されている。前記キャリッジは、開口部を有し、前記開口部は、中心軸を画定し、前記中心軸と平行な複数のリッジを有する。前記中心軸に垂直な平面に沿った前記開口部の断面形状は、第1のローブおよび第2のローブを含み、前記第1のローブおよび前記第2のローブのそれぞれは、前記複数のリッジのうちの2つで終端する。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例17を特徴付ける。
【0022】
前記第2のローブの長半径に対する前記第2のローブの短半径の比は、1:1.01と1:1.2との間である。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例18を特徴付け、そのうち、実施例18には、上記実施例17による対象も含まれる。
【0023】
前記第2のローブの中心角度は、180度より大きい。前記第1のローブの中心角度は、180度未満である。前記装置は、ハードディスクドライブ(HDD)を含む。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例19を特徴付け、そのうち、実施例19には、上記の実施例17~18のいずれかによる対象も含まれる。
【0024】
また、本明細書では、多数のディスクに結合されたベースと、ベースに結合されたピボットと、ピンによって前記ピボットに結合されたキャリッジと、ピボットとを備える磁気記憶装置が開示されている。前記キャリッジは、中心軸を画定する開口部を含む。前記中心軸に垂直な平面に沿った前記開口部の断面形状は複数のローブを含み、前記複数のローブのそれぞれは前記複数のリッジのうちの2つで終端する。前記キャリッジはまた、前記多数のディスクのうちの少なくとも1つのディスクからデータを読み取る、および/または前記多数のディスクのうちの少なくとも1つのディスクにデータを書き込むように構成されている読み取り/書き込みヘッドを有する遠位端を含む。前記ピボットは、前記複数のライドと接触して前記開口部に配置されている。前記ピボットは、前記中心軸に垂直な前記平面に沿った円形の断面形状を有する。前記キャリッジは、前記ピボットの少なくとも1つの部分に対して、前記中心軸を中心に回転可能である。このパラグラフの前述の対象は、本開示の実施例20を特徴付ける。
【0025】
本開示の対象の説明されたフィーチャ、構造、利点、および/または特徴は、1つ以上の実施例および/または実施形態において任意の適切な方式で組み合わせることができる。以下の説明では、本開示の対象の実施例に対する完全な理解を与えるために、多くの具体的な詳細が提供される。当業者であれば、本開示の対象は、特定の実施例または実施形態における特定のフィーチャ、詳細、構成要素、材料、および/または方法のうちの1つ以上がなくても実践され得ることを認識するであろう。他の例では、特定の実施例および/または実施形態において、追加のフィーチャおよび利点が認識され得るが、それらはすべての実施例または実施形態に存在するとは限らない。さらに、いくつかの例では、本開示の対象の態様を不明瞭にすることを回避するために、周知の構造、材料、または動作は、詳細に示されまたは説明されない。本開示の対象のフィーチャおよび利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるか、または以下に説明されるような対象の実践によって知られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示の利点が容易に理解されるように、添付の図面に示される特定の実施例を参照して、上記で簡単に説明された本開示のより具体的な説明を行う。これらの図面は、本開示の典型的な実施例のみを示すものであるため、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではない。それを理解した上で、添付の図面を使用することによって、本願の対象をさらに具体的かつ詳細に説明および解釈する。
【0027】
【
図1】本開示の1つ以上の実施例による、磁気記憶装置の斜視図である。
【0028】
【
図2】本開示の1つ以上の実施例による、磁気記憶装置のキャリッジの斜視図である。
【0029】
【
図3A】本開示の1つ以上の実施例による、磁気記憶装置のキャリッジの開口部の上面図である。
【0030】
【
図3B】本開示の1つ以上の実施例による、
図3Aのキャリッジの開口部内のピボットの上面図である。
【0031】
【
図3C】本開示の1つ以上の実施例による、
図3Aおよび3Bのキャリッジの開口部のリッジの拡大図である。
【0032】
【
図4A】本開示の1つ以上の実施例による、磁気記憶装置のキャリッジの開口部の上面図である。
【0033】
【
図4B】本開示の1つ以上の実施例による、
図4Aのキャリッジの開口部内のピボットの上面図である。
【0034】
【
図5A】本開示の1つ以上の実施例による、磁気記憶装置のキャリッジの開口部の上面図である。
【0035】
【
図5B】本開示の1つ以上の実施例による、
図5Aのキャリッジの開口部内のピボットの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書全体にわたる「1つの実施例」、「一実施例」、または同様の表現への言及は、その実施例に関連して説明される特定のフィーチャ、構造、または特徴が本開示の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。本明細書全体にわたる「1つの実施例では」というフレーズ、「一実施例では」というフレーズ、および同様の表現の出現は、すべて同じ実施例を指し得るが、必ずしもそうとはかぎらない。同様に、「実施形態」という用語の使用は、本開示の1つ以上の実施例に関連して説明される特定のフィーチャ、構造、または特徴を有する実施形態を意味するが、そうでないことを示す明示的な相関関係がない場合、実施形態は1つ以上の実施例に関連付けられ得る。
【0037】
図1を参照すると、1つの実施例により、磁気記憶装置100は、ハードディスクドライブ(HDD)として示される。しかしながら、他の実施例では、磁気記憶装置100は、本開示の対象の本質から逸脱することなく、様々な磁気記憶装置のいずれかであり得る。磁気記憶装置100は、ハウジング内に画定された内部キャビティ114をシールまたは包囲するハウジング102を含む。ハウジング102は、ベース130およびカバー132(ハウジング102の内部キャビティ114内の磁気記憶装置100の内部フィーチャを不明瞭にしないように、破線で示される)を含む。カバー132は、ハウジング102の外部の環境から内部キャビティ114を包囲するようにベース130に結合される。いくつかの実施形態では、ベース130とカバー132との間のシールを促進するために、ベース130とカバー132との間には、シールまたはガスケットが配置される。
【0038】
磁気記憶装置100は、ハウジング102の内部キャビティ114内に位置する様々なフィーチャを含む。いくつかの実施例では、磁気記憶装置100は、内部キャビティ114内にキャリッジ103、ディスク115、スピンドルモータ121、およびボイスコイルモータ(VCM)125を備える。キャリッジ103は、複数のキャリッジアーム105と、複数のキャリッジアーム105のそれぞれの遠位先端に結合された少なくとも1つのヘッドジンバルアセンブリ109(例えば、サスペンション)とを含むヘッドスタックアセンブリ107を含む。
図1に示される実施例では、複数のキャリッジアーム105のそれぞれの遠位先端に結合されたヘッドジンバルアセンブリ109が1つだけ示されている。しかしながら、各キャリッジアーム105は、キャリッジアームの反対側に、示されているヘッドジンバルアセンブリ109をミラーリングする別のヘッドジンバルアセンブリ109を有し得ることに留意されたい。各ヘッドジンバルアセンブリ109は、サスペンションアセンブリ135およびスライダ142を含む。スライダ142は、それに結合された(例えば、埋め込まれた)少なくとも1つの読み取り/書き込みヘッドを含む。
【0039】
図1における磁気記憶装置100は、5つのキャリッジアーム105および4つのディスク115を有するように示されているが、他の実施例では、磁気記憶装置100は、5つより少ないか多いキャリッジアーム105、または4つより少ないか多いディスク115を有することができる。1つの実施例では、ディスク115に面する各キャリッジアーム105の各側は、ヘッドジンバルアセンブリ109を有する(例えば、ボトムキャリッジアーム105およびトップキャリッジアーム105のそれぞれは、1つのヘッドジンバルアセンブリ109を有することができ、ボトムキャリッジアーム105とトップキャリッジアーム105との間のミドルキャリッジアーム105のそれぞれは、2つのヘッドジンバルアセンブリ109を有することができる)。同様に、磁気記憶装置100は、1つのスピンドルモータ121および1つのVCM125を有するように示されているが、他の実施例では、磁気記憶装置100は、任意の数のスピンドルモータ121およびVCM125を有することができる。
【0040】
スピンドルモータ121は、ベース130に結合される。一般に、スピンドルモータ121は、ベース130に対して移動不能に固定された静止部分と、静止部分およびベース130に対して回転可能なスピンドルとを含む。このように、スピンドルモータ121のスピンドルは、スピンドルモータの一部、またはスピンドルモータと一体であると見なすことができる。一般に、スピンドルモータ121は、ベース130に対してスピンドルを回転させるように動作可能である。ディスク115またはプラッタは、それぞれのディスク115およびスピンドルに共回転可能に固定されたそれぞれのハブ122を介してスピンドルモータ121のスピンドルに共回転可能に固定される。スピンドルモータ121のスピンドルが回転すると、ディスク115が対応して回転する。このようにして、スピンドルモータ121のスピンドルは、各ディスク115の回転軸を画定する。スピンドルモータ121は、ディスク115を、制御された速度で制御された量だけ回転方向190に回転させるように動作可能に制御され得る。
【0041】
ディスク115の各々は、様々な種類の磁気記録媒体のいずれかであり得る。一般に、1つの実施例では、各ディスク115は、基板と、基板に直接的または間接的に施された磁性材料とを含む。例えば、ディスク115の磁性材料は、各ビットに複数の磁気粒子を有する磁気層ビットを有する従来の粒状磁気記録ディスクまたはウエハであり得る。粒状磁気媒体では、ビットはすべて同一平面上にあり、ディスクの面116は実質的に滑らかで連続的である。1つの実施例では、各ビットは、平面内(長手)配向または平面外(垂直)配向のいずれかを有することができる磁気双極子モーメントを有する。
【0042】
ディスク115が読み取り/書き込みモードで回転すると、VCM125は、キャリッジアーム105のボイスコイルに電磁的に係合して、キャリッジアーム105、およびキャリッジアーム105に結合されたヘッドジンバルアセンブリ109を、ディスク115の読み取り/書き込み面155に平行な平面に沿って回転方向にディスク115に対して回転させる。キャリッジアーム105は、読み取りおよび/または書き込み動作のために、ヘッドジンバルアセンブリ109の読み取り/書き込みヘッドを、対応するディスク115の読み取り/書き込み面155の指定された半径方向領域上に配置するように回転されることができる。VCM125は、キャリッジ103を通って延びるスピンドル127を介してベース130に回転可能に結合されたキャリッジアーム105のボイスコイルと係合してベース130に固定される。一般に、スピンドル127は、キャリッジアーム105がVCM125によって作動されるときに回転する回転軸を画定する。
【0043】
キャリッジアーム105は、互いに間隔をあけて離間されるように、キャリッジ103のベースに移動不能に固定され(例えば、キャリッジ103のベースとワンピースユニタリモノリシックボディとして一体的に形成され)、かつキャリッジ103のベースから離れて延びる。いくつかの実施形態では、キャリッジアーム105は、互いに等距離で離間され、互いに平行に延びる。ディスク115のそれぞれは、隣接するキャリッジアーム105の間に配置される。アイドルモードでは(例えば、読み取り/書き込み動作が実行されていないときに)、VCM125は、ベース130に固定されたランプサポート117上にヘッドジンバルアセンブリ109がパーキングまたはアンロードされるように、キャリッジアーム105をディスク15に対して半径方向外向きに回転させるように作動される。
【0044】
スライダ142の各読み取り/書き込みヘッドは、少なくとも1つの読み取りトランスデューサおよび少なくとも1つの書き込みトランスデューサを含む。読み取りトランスデューサは、ディスク115の磁気特性(例えば、磁気ビットパターン)を検出し、磁気特性を電気信号に変換するように構成されている。これに対して、書き込みトランスデューサは、電気信号に応じてディスク115の磁気特性を変化させる。各ヘッドジンバルアセンブリ109について、電気信号は、スライダ142およびフレクシャ140内に形成または結合された電気トレースまたは線198を介して、読み取り/書き込みヘッドから、または読み取り/書き込みヘッドに送信される(例えば、
図5~7を参照)。スライダ142およびフレクシャ140の電気トレースは、磁気記憶装置100の制御モジュールと通信する磁気記憶装置100のフレックスコネクタ104と読み取り/書き込みヘッドとの間の電気信号の伝送を容易にするために電気的に相互接続される(例えば、
図1を参照)。制御モジュールは、電気信号を処理し、磁気記憶装置100と1つ以上の外部コンピューティング装置との間の電気信号の通信を容易にするように構成されている。一般に、制御モジュールは、磁気記憶装置100の様々な構成要素の動作を制御するために使用されるソフトウェア、ファームウェア、および/またはハードウェアを含む。制御モジュールは、上または内部にハードウェアが取り付けられたプリント回路基板を含み得る。以下により詳細に説明するように、スライダ142とフレクシャ140の対応する電気接触パッド(および対応する電気トレース)を電気的に接続するために、はんだ溶接が利用される。
【0045】
示されていないが、いくつかの実施形態では、ヘッドジンバルアセンブリ109はまた、フレクシャ140のヒンジ部分に対して読み取り/書き込みヘッドを移動させるように選択的に動作可能なヘッドアクチュエータを含む。
【0046】
図2は、本開示の1つ以上の実施例による、磁気記憶装置(例えば、
図1の磁気記憶装置100)のキャリッジ103の斜視図である。キャリッジ103は、本体166と、本体166に結合され、かつ本体166から延びるヘッドスタックアセンブリ107とを含む。ヘッドスタックアセンブリ107は、複数のキャリッジアーム105を含む。いくつかの実施例では、ヘッドスタックアセンブリ107は、それぞれが遠位端134を含む複数のキャリッジアーム105のスタックである。
図2に示されていないが、各遠位端134は、1つ以上のヘッドジンバルアセンブリ(例えば、
図1のヘッドジンバルアセンブリ109)を含み得る。読み取り/書き込みヘッド134によって、データを磁気記憶装置100の1つ以上のディスク(例えば、
図1のディスク115)から読み取ったり、磁気記憶装置100の1つ以上のディスク(例えば、
図1のディスク115)に書き込んだりできる。
図2は、11個のキャリッジアーム105を有するヘッドスタックアセンブリ107を示したが、本開示の他の実施例は、これに限定されない。それにより、ヘッドスタックアセンブリ107は、任意の数のキャリッジアーム105を含み得る。当業者であれば、特に明記しない限り、本明細書で任意の特定のキャリッジアーム105に関連して説明されるフィーチャは、ヘッドスタックアセンブリ107のキャリッジアーム105の他のいずれか1つにも適用可能であり得ることを理解するであろう。
【0047】
キャリッジ103は、キャリッジアーム105に結合された読み取り/書き込みヘッド(例えば、
図1および
図2の読み取り/書き込みヘッド134)がディスク115に接触できるように、磁気記憶装置100のベース130に対して回転する。したがって、キャリッジ103は、ベース130に対して固定され(例えば、内側部分127A)、ベース130に対して回転可能(例えば、外側部分127B)な部分を有するピボット127(例えば、
図1のスピンドル127)を含む。以下により詳細に説明するように、本体166およびキャリッジアーム105は、ピボット127によって画定されたピボット軸169を中心にベース130に対して回転するように、ピボット127に結合される。ピボット127は、本体166を完全に通って延びる本体166の開口部106に受け入れられる。
【0048】
いくつかの実施例では、ピボット127は、内側部分127Aおよび外側部分127Bを含む。ピボット127の外側部分127Bは、ピボット127の内側部分127Aに対して、ピボット軸169を中心に回転する。内側部分127Aは、内側部分127Aがベース130に対して回転できないように、ベース130に共回転可能に固定される。本体166およびキャリッジアーム105を含むキャリッジ103は、キャリッジ103がキャリッジ103に対して回転できないように、外側部分127Bに共回転可能に固定される。したがって、外側部分127Bは、キャリッジ103と共回転し、外側部分127Bおよびキャリッジ103は、磁気記憶装置130のベース130に対して回転する。ピボット127はさらに、外側部分127Bと内側部分127Aとの間にベアリングを含み、摩擦を低減することで内側部分127Aと外側部分127Bとの間の相対回転を容易にする。
【0049】
図2に示されていないが、いくつかの実施例では、ピボット127の部分は、磁気記憶装置100のVCM(例えば、
図1に示されるVCM125)を介して回転可能である。例えば、ピボット127の外側部分127B(または「回転可能部分」)は、VCMに結合され、かつVCMによって駆動される。これによって、VCMは、ピボット127の外側部分127B、ひいてはキャリッジ103を、ベース130およびピボット127の内側部分127A(つまり「静止部分」)に対して回転させる。他の実施例では、VCMは、キャリッジアーム105のボイスコイルに電磁的に係合してキャリッジアーム105を回転させ、それにより、外側部分127Bとキャリッジ103との間の摩擦嵌合により、ピボット127の外側部分127Bを回転させる。
【0050】
いくつかの実施例では、ピボット127は、止めねじ118によってキャリッジ103に固定される。例えば、止めねじ118は、本体166に形成された側面開口部160を貫通して螺合する。止めねじ118の先端は、ピボット127の外側部分127Bと係合して、本体166、したがってキャリッジ103の全体を外側部分127Bに固定またはロックする。いくつかの実施例では、止めねじ118は、円筒形である。本明細書では「止めねじ」と称されるが、本開示の実施例はこれに限定されない。いくつかの実施例では、止めねじ以外の手段を使用して、ピボット127の外側部分127Bをキャリッジ103に共回転可能に固定することができる。
【0051】
キャリッジ103は、アルミニウム、ニッケル、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つの材料を含むことができる第1の材料から形成される。ピボット127は、第1の材料と異なる、ステンレススチールなどの第2の材料から形成される。
【0052】
図3Aを参照すると、ピボット127を受け入れるための仮想の開口部111の断面が示されている。仮想の開口部111は、ピボット127が仮想の開口部111内にあるときに、ピボット127によって画定された中心軸169と同軸である中心軸108を画定する円形を有する(本明細書では、仮想の開口部111を「円形111」と称する場合がある)。仮想の開口部111の半径Rは、ピボット127が仮想の開口部111の全周面と摩擦嵌合を形成するように、ピボット127の最大半径に実質的に等しい(例えば、それよりも少し大きい)。しかしながら、上述したように、キャリッジ103とピボット127の材料が異なるため、磁気記憶装置100の動作中に温度差が形成され得、それにより、キャリッジ103とピボット127の互いに対する熱膨張および熱収縮を引き起こす可能性がある。キャリッジ103とピボット127との間のそのような相対的な熱膨張は、読み取り/書き込みヘッド134における振動を含むキャリッジ103内の振動を誘発することができる。このような振動は、ヘッド134とディスク115との間のデータ伝送の質を低下させる可能性があるため、問題となる。また、ピボット127とキャリッジ103内の開口部106の面との間の過剰な接触面積は、ピボット127の外側部分127Bがキャリッジ103に対して回転することを伴う滑り効果を引き起こす可能性がある。滑り効果により、キャリッジ103、したがってキャリッジアーム105は、ピボット127の外側部分127Bと共に可能な限りスムーズ、迅速、およびシームレスに回転することができなくなる。キャリッジ103内の開口部の面とピボット127の外側部分127Bとの間の接触面積を減少させることは、キャリッジ103内の振動を低減し、ピボット127の外側部分127Bとキャリッジ103との確実な共回転を保証することから望ましい。次に、ピボット127とキャリッジ103との間の接触面積を減少させる実施例を、
図3A~
図5Bに関連して説明する。
【0053】
図3A~
図5Bには明示的に示されていないが、当業者であれば、
図3A~
図5Bに示される開口部106およびピボット127は磁気記憶装置100の一部であることを理解するであろう。
図1に関連して上述したように、磁気記憶装置100は、多数のディスク115に結合されたベース130を含む。
【0054】
図3A~5Bを参照すると、開口部106の中心軸108に垂直な平面上の開口部106の断面形状は、非円形である。言い換えれば、開口部106の断面形状は、部分的に円形であり得るが(例えば、部分111)、全体としては円ではない。図示の実施例では、ピボット127は、中心軸108に垂直な平面に沿った円形の断面形状を有し、その結果、ピボット127は、円筒形状を有する。ピボット127は、開口部106の形状に適切に対応する様々な他の形状のいずれかを有することができる。ピボット127が開口部106内に受け入れられるとき、ピボット軸169は、開口部106の中心軸108と同軸である。
【0055】
開口部106は、ピボット127よりもわずかに大きい(即ち、中心軸108から離れた開口部106の縁部からの最小寸法(例えば、最小半径)は、ピボット127の半径R-4よりも少なくともわずかに大きい)。この小さな差により、キャリッジ103とピボット127との間に摩擦嵌合が生じる。ピボット127は、開口部106内に嵌合するが、キャリッジ103の本体166に形成された開口部106の縁部の少なくともいくつかの部分に接触する。いくつかの実施例では、開口部106は、ピボット127の直径よりも1パーセント未満大きい最小直径を有する。開口部106の縁部とピボット127との間の接触は、ピボット127が回転するときに、キャリッジ103、したがってキャリッジアーム105をピボット127と共に回転させる。
【0056】
図3Aは、本開示の1つ以上の実施例による、磁気記憶装置(例えば、
図1の磁気記憶装置100)のキャリッジ103の開口部106の上面図である。ピボット127とキャリッジ103との間の接触を減少させるために、開口部106が、開口部106の1つ以上の部分に沿って拡大される。
図3Aに示される実施例では、開口部106は、規則的部分168および3つの拡大部分(例えば、第1のローブ112-1、第2のローブ112-2、および第3のローブ112-3)を含む。いくつかの実施例では、開口部106の規則的部分168は、仮想の円形111と一致する開口部106の縁部の部分である。規則的部分168は湾曲している。
【0057】
上述のように、中心軸108に垂直な平面に沿った開口部の断面形状は、複数のローブ(例えば、
図3Aにおけるローブ112-1、112-2、および112-3)を含む。本明細書で使用される場合、「ローブ」という用語は、少なくとも部分的に半径方向および外向きに延びる開口部106の断面形状の任意の部分を説明するために使用され得る。例えば、「ローブ」は、円弧、円の一部分であってもよく、多角形などの他の形状を有してもよい。「ローブ」は、開口部106の「拡大部分」と称され得る。いくつかの実施例では、ローブ112-1~112-3は、それぞれ比較的に対称に形成される。他の実施例では、ローブ112-1~112-3のうちの1つ以上は、非対称に形成される。
【0058】
いくつかの実施例では、ローブのそれぞれは、中心軸108(例えば、規則的部分168の中心)から横方向にオフセットされた中心点を有する円弧を画定し得る。図示の実施例では、複数のローブ112-1~112-3のそれぞれは、開口部306の中心軸108からオフセットされた対応する位置(即ち、中心点119-1、中心点119-2、または中心点119-3)から画定された対応する半径(例えば、R-1、R-2、またはR-3)を有する。
図3Aには、中心軸108から比較的小さな距離だけオフセットされた中心点119-1、119-2、および119-3が示されているが、本開示の実施例はこれに限定されない。いくつかの実施例では、ローブ112-1~112-3のうちの1つ以上は、仮想の開口部111の縁部上または縁部に近い点に位置する中心点119-1~119-3を有する。
【0059】
拡大部分を除いて、開口部106の残りの部分(例えば、規則的部分168)は、ピボット127の半径R-4よりも少し大きく、第1のローブ112-1の半径R-1、第2のローブ112-2の半径R-2、および第3のローブ112-3の半径R-3よりも大きい、中心軸108を中心とする半径Rを有する。いくつかの実施例では、少なくとも1つのローブの半径に対する規則的部分168の半径Rの比は、1:1と1:4との間である。この比は、1つのローブのみ、すべてのローブ、または任意の数のローブに適用され得る。ローブ112の中心点は、中心軸108から水平方向(即ち、キャリッジアーム105に向かう方向またはキャリッジアーム105から離れる方向)または垂直方向のいずれかにオフセットされ得る。例えば、
図3Aにおいて、ローブ112-2の中心点119-2は、中心軸108から垂直方向にオフセットされ、ローブ112-1の中心点119-1は、中心軸108から水平方向(即ち、キャリッジアーム105から離れる方向)にオフセットされる。
【0060】
いくつかの実施例では、複数のローブ112のそれぞれの半径R-1、R-2、およびR-3は等しい。しかしながら、他の実施例では、複数のローブ112-1、112-2、および112-3のうちの特定のローブは、他のローブよりも大きい半径を有する。複数のローブ112のうちの第1の数のローブ(例えば、ローブ112-1および112-3)は、複数のローブのうちの第2の数のローブ(例えば、112-2)の全周長と異なる全周長を有する。第1の数のローブ(例えば、ローブ112-1および112-3)は、第2の数のローブ(例えば、ローブ112-2)の半径よりも小さい半径を有する。例えば、複数のローブ112-1、112-2、および112-3のうちの第2の数のローブ(例えば、112-2)の半径(例えば、R-2)に対する、複数のローブ112-1、112-2、および112-3のうちの第1の数のローブ(例えば、112-1および112-3)の半径(例えば、R-1およびR-3)の比は、1:1.05と1:2.6との間である。例えば、
図3Aに示されるように、1つのローブ112-2の半径R-2は、他のローブ112-1および112-3の半径R-1およびR-3よりも大きい。R-2は、例えば、約5ミリメートルであり、R-1およびR-3は、例えば、約3.8ミリメートルである。別の実施例では、R-2は約5ミリメートルであり、R-1およびR-3はそれぞれ約2.2ミリメートルである。しかしながら、本開示の実施例は、これに限定されない。例えば、R-1およびR-3は、1~4.6ミリメートルの範囲内にあり得、R-2は、4~6ミリメートルの範囲内にあり得る。いくつかの実施例では、ローブ112-2の半径R-2に対する、他の2つのローブ112-1および112-3の半径R-1およびR-3の最適な比は、1:1.04と1:1.58との間である。前のパラグラフに記載された寸法は、例示的なものである。そのような寸法は、ピボット127とキャリッジ103の本体166との間の接触を最小限に抑え、それにより滑りおよび熱膨張を低減するのに最適であり得る。
【0061】
図3Bには示されていないが、いくつかの実施例では、ローブ(例えば、
図3Bにおける112-1、112-2、および112-3)のそれぞれの周囲の長さは同じである。いくつかの実施例では、複数のローブのそれぞれの全周長は、規則的部分168の全周長よりも小さい。
【0062】
開口部106はまた、本体166の厚さに平行、したがって中心軸108に平行に延びる複数のリッジ(例えば、
図3Aのリッジ113-1、113-2、113-3、および113-4)を含む。複数のリッジのそれぞれは、2つの拡大部分の間の交差点(例えば、
図3Aにおける第1のローブ112-1と第2のローブ112-2との間の交差点)、または拡大部分と規則的部分との間の交差点(例えば、
図3Aにおける第1のローブ112-1と規則的部分168との間の交差点)によって画定される。例えば、
図3Aに示される実施例では、開口部106は、4つのリッジ(例えば、第1のリッジ113-1、第2のリッジ113-2、第3のリッジ113-3、および第4のリッジ113-4)を含む。第1のリッジ113-1は、ローブ112-3とローブ112-2との間の交差点によって画定される。第2のリッジ113-2は、ローブ112-2とローブ112-1との間の交差点によって画定される。第3のリッジ113-3は、ローブ112-1と規則的部分168との間の交差点によって画定される。第4のリッジ113-4は、ローブ112-3と規則的部分168との間の交差点によって画定される。リッジのそれぞれは、ピボット127に接触する面を画定する。
【0063】
いくつかの実施例では、リッジの数の量は、複数のローブの量よりも多くなり得る。例えば、
図3Aに示されるように、開口部106の断面は、3つのローブ112-1、112-2、および112-3を含む。開口部106の断面はまた、4つのリッジ113-1、113-2、113-3、および113-4を含む。各リッジ113は、ローブ112のうちの2つではないにしても、ローブ112のうちの少なくとも1つの端部である。
【0064】
図3Bは、本開示の1つ以上の実施例による、キャリッジ103の開口部106内のピボット127の上面図である。ピボット127は、複数のリッジ113-1、113-2、113-3、および113-4と接触して開口部106内に配置される。
【0065】
図3Bに示されるように、ピボット127は、リッジ(例えば、第1のリッジ113-1、第2のリッジ113-2、第3のリッジ113-3、および第4のリッジ113-4)にのみキャリッジ103に接触するように配置される。言い換えれば、リッジは、ピボット127とキャリッジ103との間の唯一の接触点である。このように、ピボット127は、ローブ(例えば、
図3Aにおけるローブ112-1、112-2および112-3)または規則的部分168を画定する開口部106の面に接触せず、その結果、ローブおよび規則的部分168において、ピボット127とキャリッジ103との間にギャップ(例えば、ギャップ164)が画定される。
【0066】
さらに、リッジ113-1、113-2、113-3、および113-4は、ピボット127に接触することによって、上記で言及されるピボット127とキャリッジ103との間の摩擦嵌合をさらに強化する。これにより、ピボット127Bの外側部分127Bは、外側部分127Bが内側部分127Aに対して回転している間でも、キャリッジ103に対して相対的な静止状態を維持できる。そして、キャリッジ103は、装置100のベース130に固定された内側部分127Aに対して回転する。これにより、キャリッジアーム105は、読み取り/書き込みヘッド134がディスク115と接触してデータを交換できるように、所定の位置に移動することができる。本開示の実施例は、キャリッジ103とピボット127の材料、温度、または粗さの違いに関わらず、ピボット127とキャリッジ103との間の接触面積を拡大せずにこの回転を可能にする。
【0067】
中心軸108から複数のリッジ113-1、113-2、113-3、および113-4のそれぞれまでの距離(または円形111の半径R)は、ピボット127の半径R-4にほぼ等しい。いくつかの実施例では、ピボット127の半径R-4は、中心軸108から複数のリッジ113-1、113-2、113-3、および113-4のそれぞれまでの距離(R)よりもわずかに小さい。いくつかの実施例では、摩擦嵌合は、ピボット127の外側部分127Bとの追加の接触点を提供することができる、
図2に関連して説明されたピン118によってさらに支持される。
【0068】
図3Cは、リッジ113-1、113-2、113-3、および/または113-4のいずれかの例示であり得る、
図3Bのリッジ113-1の拡大図である。リッジ113-1の幾何学的形状は、ピボット127とキャリッジ103との間の接触を最小限に抑え、したがって信号劣化のリスクを最小限に抑えるように最適化され得る。様々な線は、
図3Cに関連して説明される。
図3Cの目的のために、「線」は、磁気記憶装置100の任意の物理的構成要素を指すものではなく、仮想線を指す。したがって、「線を引く」ことは、ローブ112-1、112-2、および/または112-3を設計するために仮想的に行われることに過ぎない。線138は、ローブ112-3が隣接のローブ112-2と交わる位置であるリッジ113-1においてローブ112-3に接する線である。線139は、リッジ113-1においてピボット127に接する線である。いくつかの実施例では、線138と線139との間の角度154は、リッジ113-1におけるピボット127とキャリッジ103との間の接触を減少させるように最適化される。例えば、角度154は、約6度に等しいことが最適であり得る。しかしながら、本開示の実施例は、これに限定されず、他の角度154を含む。
【0069】
いくつかの実施例では、ピボット127とローブ112-3との間のギャップ152も最適化される。本開示の実施例による最適化の一方法は、まずリッジ113-1から第1の方向に仮想線156を引くことを含む。線156は、中心軸108に垂直な平面である開口部106の断面と同じ水平面内にある。いくつかの実施例では、線156は、キャリッジ103の縁部に実質的に平行である。いくつかの実施例では、線156は、ピボットの半径R-4を表す
図3Bにおける仮想線に実質的に垂直である。そして、ピボット127に沿った点158が位置決めされる。点158から線156までの第2の方向における距離150は、リッジ113-1におけるキャリッジ103とピボット127との間の接触を減少させるように最適化され得る。第2の方向は、第1の方向に垂直な方向であり、開口部106の断面に平行、または中心軸108に垂直な水平面内にある。例えば、この距離150は、0.1ミリメートルであり得る。そのような実施例では、上記の方法は、ピボット127の縁部と線156との間の距離150が約0.1ミリメートルである点158を位置決めすることを含む。ピボットの曲率により、この距離150は、ピボット127に沿って異なる点において増加または減少する。
【0070】
いくつかの実施例では、位置158とローブ112-3の縁部との間の第1の方向における距離152、またはローブ112-3とピボット127との間のギャップも最適化される。例えば、最適な距離152は、0.015ミリメートルであり得る。そのような実施例では、ローブ112-3は、距離152が約0.015ミリメートルに等しいように設計および形成される。いくつかの実施例では、ローブ112-3は、距離152が約0.015ミリメートルであり、距離150が約0.1ミリメートルであり、角度154が約6度であるように設計および形成される。本開示の実施例は、距離150について0.08~0.12ミリメートルの範囲、距離152について0.012~0.018ミリメートルの範囲、および角度154について5~7度の範囲を含むが、これらに限定されない。しかしながら、これらの範囲外の寸法は、特定の実施例では適切であり得る。
【0071】
開口部106のローブ(例えば、ローブ112-1、112-2、および112-3)およびキャリッジ103のリッジ(例えば、リッジ113-1、113-2、113-3、および113-4)の形成には、エッチング、ドリリング、リーミング、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。
【0072】
図4Aは、本開示の1つ以上の実施例による、キャリッジ103の本体166の開口部106の上面図である。
図4Aに示されるように、開口部106の断面形状は、規則的部分168と、
図3Aおよび3Bに示される3つの拡大部分(ローブ112-1、112-2、および112-3)とは対照的に2つのみの拡大部分(即ち、ローブ112-1および112-2)を含む。いくつかの実施例では、
図4Aに示されるように、2つのローブ112-1および112-2は、互いに隣接している。しかしながら、本開示の実施例は、これに限定されない。いくつかの実施例では、開口部106の断面は、2つのローブ、即ちローブ112-1とローブ112-2との間に規則的部分168の追加のセクションを含み、その結果、ローブ112-1とローブ112-2が互いに直接隣接しない。
【0073】
図4Bは、本開示の1つ以上の実施例による、キャリッジ103の開口部106内のピボット127の上面図である。
図4Bに示される実施例では、ピボット127とキャリッジ103との間の接触点の数は、ローブ112-1および112-2の数が異なる結果として、
図3Bに示される実施例に存在する接触点の数とは異なる。
図4Bに示されるように、ピボット127は、複数のリッジ113-1および113-2のそれぞれにおいて、かつ規則的部分168に沿ってキャリッジ103に接触する。したがって、
図3Bに示されるギャップ164は、リッジ113-1および113-2の数が異なるため、
図4Bに示される実施例では存在しない可能性がある。しかしながら、ピボット127とキャリッジ103との間の接触面積は、
図4Bに示される実施例において、いずれのローブ112-1および112-2もない実施例と比較して依然として減少している。
【0074】
図5Aは、本開示の1つ以上の実施例による、キャリッジ103の開口部106の上面図である。
図5Aに示されるように、磁気記憶装置100は、キャリッジ103を含む。キャリッジ103は、開口部106を含み、開口部106は、中心軸108を画定し、複数のリッジ113-1および113-2を有する。リッジ113-1および113-2はそれぞれ、ローブ112-1および112-2の交差点によって画定される。リッジ113-1および113-2は、中心軸108と平行である。中心軸108に垂直な平面に沿った開口部106の断面形状は、第1のローブ112-2および第2のローブ112-1を含む。第1のローブ112-1および第2のローブ112-2のそれぞれは、複数のリッジ(即ち、リッジ113-1および113-2)のうちの2つで終端する。
【0075】
図5Aおよび
図5Bに関連して使用される場合、第2のローブ112-2は、
図3A~4Bの「規則的部分168」に相当し得る。いくつかの実施例では、最初に、開口部106の断面を、
図5Aに示される仮想の円形111と同様の形状に形成する。そして、この断面111をいずれかの側において横方向に拡大して、第2のローブ112-2を含む楕円形断面形状162を有する開口部106を作る。その後、第1のローブ112-1を追加することで開口部106を拡大する。いくつかの実施例では、
図3Aおよび
図3Bに関連して説明された拡張プロセスを適用して、第1のローブ112-1の作り、および/または開口部の円形111から楕円形162への拡張を行う。
【0076】
図5Aに示されるように、第2のローブ112-2の中心角度は、180度より大きい。第1のローブ112-1の中心角度136は、180度未満である。第2のローブ112-2と第1のローブ112-1は、第2のローブ112-2の中心角度と第1のローブ112-1の中心角度136が合計して360度になるように、それらの2つの端点のそれぞれにおいて互いに接触し得る。
【0077】
図5Aおよび
図5Bに関連して参照されるように、「第1の」および「第2の」ローブという用語は、2つのローブ112-1および112-2を区別するためのものであり、特定の形成順序を意味するものではない。いくつかの実施例では、第2のローブ112-2は、開口部106の最初の円形111から楕円形162への拡張の一部としてまず形成され、第1のローブ112-1は、その後追加される。
【0078】
いくつかの実施例では、第2のローブ112-2の長半径124に対する第2のローブ112-2の短半径126の比は、1:1.01と1:1.2との間である。例えば、長半径124は、約6.02ミリメートルであり得、短半径126は、約5.25ミリメートルであり得る。いくつかの実施例では、第2のローブ112-2は、円形111から外側に横方向に延びる部分112-2Aおよび112-2Bを含む。いくつかの実施例では、部分112-2Aおよび112-Bは、中心軸108から横方向にオフセットされた中心点119-1および119-2を有する円弧である。これらの部分112-2Aおよび112-2Bのそれぞれは、開口部の断面の円形部分111を楕円形162に拡張する。これらの円弧112-1および112-2は、寸法が類似又は同一であり得る。例えば、寸法D-1およびD-2(中心点119-1および119-2から部分112-2Aおよび112-2Bの縁部まで横方向に延びる)は類似しており、中心点119-1および119-2は、中心軸108から等しくオフセットされる。例えば、中心点119-1および119-2はそれぞれ、中心軸から横方向に約0.752ミリメートルオフセットされる。いくつかの実施例では、寸法D-1およびD-2は、楕円形162の短半径126でもある最初の円形111の半径にも等しい。いくつかの実施例では、短半径162は、約5.25ミリメートルに等しく、円弧ローブ112-2Aおよび112-2Bも、約5.25ミリメートルの寸法D-1およびD-2を有する。
【0079】
開口部106の円を楕円形に拡張するために、リーミング、エッチング、または任意の他の適切なプロセスを使用し得る。第1のローブ112-1は、任意の適切なプロセスを使用して開口部106に追加され得る。例えば、
図5Aの開口部106は、
図3A~4Bに関連して説明されたものと同様のプロセスによって形成される。いくつかの実施例では、開口部106の断面は、最初、円形111を含む。その円形111は、開口部106を各側において均等に拡張することによって細長くなる。例えば、開口部106の断面は、最初、半径Rを有する円を含む。
【0080】
図5Bは、本開示の1つ以上の実施例による、
図5Aの開口部106内のピボット127の上面図である。
図5Aに示されるように、ピボット127は、3つの位置においてキャリッジ103に接触する。これらの位置は、リッジ113-1および113-2、ならびに第2のローブ112-2の規則的部分168を含む。したがって、
図5Aおよび
図5Bに示される実施例は、特にピボット127が規則的部分168に沿って本体166に接触する
図4Aおよび
図4Bに示される実施例と比較して、
図3Aおよび
図3Bに示される開口部106の形状に代わる設計を提供するとともに、キャリッジ103とピボット127との間の接触面積が減少するという利点を提供する。
【0081】
上記の説明では、「スピンドル」および「ピボット」という用語は、ある程度の回転を提供する任意の要素を指すために互換的に使用され得る。
【0082】
上記の説明では、「アップ」、「ダウン」、「上」、「下」、「水平」、「垂直」、「左」、「右」、「上方」、「下方」などの特定の用語が使用される場合がある。これらの用語は、相対関係を扱う際に説明を明確にするために、該当する場合に使用される。しかし、これらの用語は、絶対的な関係、位置、および/または配向を暗示することを意図するものではない。例えば、物体に関して、物体をひっくり返すだけで「上」面が「下」面になることができる。それでも、その物体は依然として同じ物体である。さらに、「含む(英語:including)」、「含む(英語:comprising)」、「有する(having)」という用語およびそれらの変形は、特に明示的に指定されない限り、「含むが、これ(ら)に限定されない」ことを意味する。アイテムの列挙リストは、特に明示的に指定されない限り、アイテムのいずれかまたはすべてが相互に排他的かつ/または相互に包括的であることを意味するものではない。「一(英語:a)」、「一(英語:an)」、および「前記(英語:the)」という用語も、特に明示的に指定されない限り、「1つ以上」を指す。さらに、「複数の」という用語は、「少なくとも2つ」と定義できる。
【0083】
本明細書で使用される場合、指定された機能を実行するように「構成されている」システム、機器、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、単にさらなる修飾の後で指定された機能を実行できる可能性を秘めるだけではなく、確かに何も変更せずに指定された機能を実行できる。言い換えれば、指定された機能を実行するように「構成されている」システム、機器、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、指定された機能を実行するために具体的に選択、作成、実現、利用、プログラミング、および/または設計される。本明細書で使用される場合、「構成されている」は、システム、機器、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアがさらなる修飾なしに指定された機能を実行することを可能にする、システム、機器、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアの既存の特徴を示す。本開示の目的のために、特定の機能を実行するように「構成されている」と説明されるシステム、機器、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、追加的または代替的に、その機能を実行するように「適応されている」および/または「動作可能である」と説明され得る。
【0084】
また、1つの要素が別の要素に「結合」される本明細書における例は、直接結合および間接結合を含むことができる。直接結合は、1つの要素が別の要素に結合され、何らかの接触をしていると定義できる。間接結合は、2つの要素が互いに直接接触せず、結合された要素の間に1つ以上の追加の要素がある結合として定義できる。さらに、本明細書で使用される場合、1つの要素を別の要素に固定することは、直接固定および間接固定を含むことができる。また、本明細書で使用される場合、「隣接」は、必ずしも接触を意味するとはかぎらない。例えば、1つの要素は、別の要素と接触せずに隣接することができる。
【0085】
本明細書で使用される場合、「のうちの少なくとも1つ」というフレーズは、アイテムのリストと共に使用される場合、リストされたアイテムのうちの1つ以上の異なる組み合わせが使用され得、リスト内のアイテムのうちの1つのみが必要とされ得ることを意味する。当該アイテムは、特定の物体、物、またはカテゴリであり得る。言い換えれば、「のうちの少なくとも1つ」は、リストよりアイテムの任意の組み合わせまたは任意の数のアイテムが使用され得るが、リスト内のすべてのアイテムが必要とされ得るわけではないことを意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、およびアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、「アイテムA」、「アイテムAおよびアイテムB」、「アイテムB」、「アイテムA、アイテムB、およびアイテムC」、または「アイテムBおよびアイテムC」を意味し得る。場合によっては、「アイテムA、アイテムB、およびアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、例えば、「アイテムAが2つ、アイテムBが1つ、アイテムCが10つ」、「アイテムBが4つ、アイテムCが7つ」、または他の適切な組み合わせを意味し得るが、これらに限定されない。
【0086】
特に明記しない限り、「第1の」、「第2の」などの用語は、本明細書では単にラベルとして使用され、これらの用語が指すアイテムに順序的、位置的、または階層的な要件を課すことを意図するものではない。なお、例えば「第2の」アイテムへの言及は、例えば「第1」もしくはより小さい番号を持つアイテム、および/または例えば「第3」もしくはより大きな番号を持つアイテムの存在を要求したり排除したりするものではない。
【0087】
本発明の対象は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化することができる。記載された実施例は、あらゆる点において限定的なものではなく、例示的なものであると見なされるべきである。特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内にあるすべての変化は、それらの範囲内に包含されるものとする。
【外国語明細書】