(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102807
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】搬送機構及び核酸検出装置
(51)【国際特許分類】
B65G 25/06 20060101AFI20240724BHJP
G01N 35/04 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
B65G25/06
G01N35/04 D
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023196373
(22)【出願日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】202310141096.2
(32)【優先日】2023-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518344542
【氏名又は名称】シェンチェン・ニュー・インダストリーズ・バイオメディカル・エンジニアリング・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100158920
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 英樹
(72)【発明者】
【氏名】慕 ▲海▼林
(72)【発明者】
【氏名】徐 方▲園▼
(72)【発明者】
【氏名】仇 ▲澤▼峰
(72)【発明者】
【氏名】程 イク
(72)【発明者】
【氏名】黄 任
【テーマコード(参考)】
2G058
3F036
【Fターム(参考)】
2G058CF17
2G058CF25
3F036DB01
3F036DD07
(57)【要約】
【課題】本発明は、搬送機構及び核酸検出装置を提供する。
【解決手段】具体的には、搬送機構は、フレームと、フレームに横方向に沿って可動に設けられた可動板であって、フレームの上方に位置する消耗品受け位置と、フレームよりも前方へ突出する消耗品取り入れ位置とを有する可動板と、可動板に鉛直方向に沿って移動可能に設けられた第1載置台と、を含む。本発明の技術態様を適用すると、関連技術における核酸検出装置の構造が複雑であり、生産コストが高いという問題点を効果的に解決することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム(10)と、
前記フレーム(10)に横方向に沿って可動に設けられた可動板(20)であって、前記フレーム(10)の上方に位置する消耗品受け位置と、前記フレーム(10)よりも前方へ突出する消耗品取り入れ位置とを有する可動板(20)と、
前記可動板(20)に鉛直方向に沿って移動可能に設けられた第1載置台(30)と、
を含む、ことを特徴とする搬送機構。
【請求項2】
前記可動板(20)に設けられ、前記第1載置台(30)の周方向外側に位置する第2載置台(40)をさらに含み、
前記第1載置台(30)は、前記第2載置台(40)よりも高い上昇位置と、前記第2載置台(40)よりも低い下降位置とを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の搬送機構。
【請求項3】
前記第1載置台(30)は、前記第2載置台(40)と面一となる面一位置をさらに有する、ことを特徴とする請求項2に記載の搬送機構。
【請求項4】
前記第2載置台(40)は、前記可動板(20)に固定配置されている、ことを特徴とする請求項2に記載の搬送機構。
【請求項5】
前記第1載置台(30)は、
前記可動板(20)の上方に位置する第1載置板(31)と、
前記第1載置板(31)と前記可動板(20)との間に設けられ、前記第1載置板(31)を、鉛直方向に移動するように駆動することができる第1駆動構造(32)と、を含む、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項6】
前記第2載置台(40)は、
前記可動板(20)の上方に位置する第2載置板(41)と、
前記可動板(20)と前記第2載置板(41)とを固定連結する支持体(42)と、を含み、
前記第1駆動構造(32)は、前記支持体(42)に設けられており、
前記第2載置板(41)には、取付口(411)が設けられており、
前記第2載置板(41)の水平面への射影は、前記第1載置板(31)の前記水平面への射影の外周を囲む、ことを特徴とする請求項5に記載の搬送機構。
【請求項7】
前記第1駆動構造(32)は、
前記支持体(42)に設けられ、駆動軸が横方向に沿って延びる駆動モータ(321)と、
前記駆動モータ(321)の駆動軸に外挿され、前記駆動モータ(321)の駆動軸と同期して回動する駆動ギア(322)と、
第1端が前記第1載置板(31)に固定連結されたラック構造(323)であって、前記駆動ギア(322)と噛み合って設けられるラック構造(323)と、を含む、ことを特徴とする請求項6に記載の搬送機構。
【請求項8】
前記第1載置台(30)は、
スライドレール(51)と、前記スライドレール(51)に摺動可能に設けられたスライダ(52)とを含む第1ガイド構造(50)、をさらに含み、
前記スライドレール(51)は、前記支持体(42)に設けられ、前記スライダ(52)は、前記ラック構造(323)の第2端に設けられている、ことを特徴とする請求項7に記載の搬送機構。
【請求項9】
前記第1載置台(30)は、
前記第1載置板(31)に設けられ、位置規制のために第1消耗品(110)に係合する第1位置規制構造(33)、をさらに含む、ことを特徴とする請求項6に記載の搬送機構。
【請求項10】
前記第1位置規制構造(33)は、
前記第1載置板(31)に設けられた複数の位置規制コラム(331)を含む、ことを特徴とする請求項9に記載の搬送機構。
【請求項11】
前記第1位置規制構造(33)は、
前記第1載置台(30)に設けられた複数の位置規制リブ(332)をさらに含み、
複数の前記位置規制リブ(332)は、前記第1載置板(31)の周縁に間隔をあけて設けられている、ことを特徴とする請求項10に記載の搬送機構。
【請求項12】
複数の前記位置規制リブ(332)は、複数の前記位置規制コラム(331)の周方向外側に位置し、
前記位置規制リブ(332)と前記位置規制コラム(331)とが間隔をあけて設けられている、ことを特徴とする請求項11に記載の搬送機構。
【請求項13】
各前記位置規制リブ(332)の上面は、前記第1載置台(30)の外側から内側への方向に徐々に下方へ傾斜する傾斜面(3321)となっている、ことを特徴とする請求項11に記載の搬送機構。
【請求項14】
前記第2載置台(40)は、
前記第2載置板(41)に設けられ、位置規制のために第2消耗品(120)に係合する第2位置規制構造(43)、をさらに含み、
前記第1載置台(30)が前記下降位置にあるときに、前記第1位置規制構造(33)は、前記第2載置板(41)よりも低い、ことを特徴とする請求項9に記載の搬送機構。
【請求項15】
前記可動板(20)の先端部は、前記第1載置台(30)の先端部よりも前方へ突出し、かつ、前記第2載置台(40)の先端部よりも前方へ突出している、ことを特徴とする請求項2に記載の搬送機構。
【請求項16】
前記フレーム(10)と前記可動板(20)との間に設けられた第2ガイド構造(60)であって、前記可動板(20)が前記第2ガイド構造(60)を介して前記フレーム(10)に移動可能に設けられている、前記第2ガイド構造(60)と、
前記フレーム(10)に設けられ、前記可動板(20)に駆動接続される第2駆動構造(70)であって、前記可動板(20)を、前記消耗品取り入れ位置と前記消耗品受け位置との間を移動するように駆動することができる第2駆動構造(70)と、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の搬送機構。
【請求項17】
隣り合って設けられた第1領域(1)及び第2領域(2)を含むベースと、
前記第1領域(1)と前記第2領域(2)との間に設けられ、前記第1領域(1)と前記第2領域(2)とを仕切る仕切り構造(90)であって、前記第1領域(1)と前記第2領域(2)とを連通する開位置と、前記第1領域(1)と前記第2領域(2)とを仕切る閉位置とを有する回動扉(91)を含む仕切り構造(90)と、
請求項1に記載の搬送機構である搬送機構(100)と、を含み、
前記搬送機構(100)のフレーム(10)が前記第2領域(2)内に設けられ、
前記搬送機構(100)の可動板(20)が前記消耗品受け位置にあるときに、前記可動板(20)は、前記第2領域(2)内に位置し、前記可動板(20)が前記消耗品取り入れ位置にあるときに、前記可動板(20)は、前記第1領域(1)内に位置し、
前記可動板(20)が前記消耗品受け位置から前記消耗品取り入れ位置へ移動する際に、前記可動板(20)は、前記回動扉(91)と協働してプッシュ動作することができる、ことを特徴とする核酸検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸検出デバイスの分野に関し、具体的には、搬送機構及び核酸検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
核酸検出装置は、遺伝物質の検出に用いられ、疾病診断などの分野に重要な応用を持つ。
【0003】
現在の全自動核酸検出装置は、一般に、例えば核酸抽出、増幅検出などの複数のステップを含む。関連技術における核酸検出装置は、一般に、核酸検出に使用される消耗品を、搬送機構により搬送する。
【0004】
しかし、かかる消耗品は、種類が多く、サイズがそれぞれ異なるため、水平方向に沿って運動可能な搬送機構がピックアップ装置と協働して消耗品の移送を行う場合、ピックアップ装置には精密な位置決め機構及び複雑な駆動機構が要求されるため、核酸検出装置の構造が複雑になり、生産コストが高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、関連技術における核酸検出装置の構造が複雑であり、生産コストが高いという問題点を解決する搬送機構及び核酸検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、フレームと、フレームに横方向に沿って可動に設けられた可動板であって、フレームの上方に位置する消耗品受け位置と、フレームよりも前方へ突出する消耗品取り入れ位置とを有する可動板と、可動板に鉛直方向に沿って移動可能に設けられた第1載置台と、を含む搬送機構を提供する。
【0007】
さらに、搬送機構は、可動板に設けられ、第1載置台の周方向外側に位置する第2載置台をさらに含み、第1載置台は、第2載置台よりも高い上昇位置と、第2載置台よりも低い下降位置とを有する。
【0008】
さらに、第1載置台は、第2載置台と面一となる面一位置をさらに有する。
【0009】
さらに、第2載置台は、可動板に固定配置されている。
【0010】
さらに、第1載置台は、可動板の上方に位置する第1載置板と、第1載置板と可動板との間に設けられ、第1載置板を、鉛直方向に移動するように駆動することができる第1駆動構造と、を含む。
【0011】
さらに、第2載置台は、可動板の上方に位置する第2載置板と、可動板と第2載置板とを固定連結する支持体と、を含み、第1駆動構造は、支持体に設けられており、第2載置板には、取付口が設けられており、第2載置板の水平面への射影は、第1載置板の水平面への射影の外周を囲む。
【0012】
さらに、第1駆動構造は、支持板に設けられ、駆動軸が横方向に沿って延びる駆動モータと、駆動モータの駆動軸に外挿され、駆動モータの駆動軸と同期して回動する駆動ギアと、第1端が第1載置板に固定連結されたラック構造であって、駆動ギアと噛み合って設けられるラック構造と、を含む。
【0013】
さらに、第1載置台は、スライドレールと、スライドレールに摺動可能に設けられたスライダとを含む第1ガイド構造、をさらに含み、スライドレールは、支持板に設けられ、スライダは、ラック構造の第2端に設けられている。
【0014】
さらに、第1載置台は、第1載置板に設けられ、位置規制のために第1消耗品に係合する第1位置規制構造、をさらに含む。
【0015】
さらに、第1位置規制構造は、第1載置台に設けられた複数の位置規制コラムを含む。
【0016】
さらに、第1位置規制構造は、第1載置台に設けられた複数の位置規制リブをさらに含み、複数の位置規制リブは、第1載置板の周縁に間隔をあけて設けられている。
【0017】
さらに、複数の位置規制リブは、複数の位置規制コラムの周方向外側に位置し、位置規制リブと位置規制コラムとが間隔をあけて設けられている。
【0018】
さらに、各位置規制リブの上面は、第1載置台の外側から内側への方向に徐々に下方へ傾斜する傾斜面となっている。
【0019】
さらに、第2載置台は、第2載置板に設けられ、位置規制のために第2消耗品に係合する第2位置規制構造、をさらに含み、第1載置台が下降位置にあるときに、第2位置規制構造は、第1載置板よりも低い。
【0020】
さらに、可動板の先端部は、第1載置台の先端部よりも前方へ突出し、かつ、第2載置台の先端部よりも前方へ突出している。
【0021】
さらに、搬送機構は、フレームと可動板との間に設けられた第2ガイド構造であって、可動板がガイド構造を介してフレームに移動可能に設けられている、第2ガイド構造と、フレームに設けられ、可動板に駆動接続された第2駆動構造であって、可動板を、消耗品取り入れ位置と消耗品受け位置との間を移動するように駆動することができる第2駆動構造と、をさらに含む。
【0022】
本発明の別の態様によれば、隣り合って設けられた第1領域及び第2領域を含むベースと、第1領域と第2領域との間に設けられ、第1領域と第2領域とを仕切る仕切り構造であって、第1領域と第2領域とを連通する開位置と、第1領域と第2領域とを仕切る閉位置とを有する回動扉を含む仕切り構造と、上述した搬送機構である搬送機構と、を含み、搬送機構のフレームが第2領域内に設けられ、搬送機構の可動板が消耗品受け位置にあるときに、可動板は、第2領域内に位置し、可動板が消耗品取り入れ位置にあるときに、可動板は、第1領域内に位置し、可動板が消耗品受け位置から消耗品取り入れ位置へ移動する際に、可動板は、回動扉と協働してプッシュ動作することができる、核酸検出装置を提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の技術態様を適用すると、搬送機構は、フレームと、フレームに移動可能に設けられた可動板とを含む。可動板に消耗品が載置可能である。搬送機構を取り付ける際に、フレームを1つの領域内に固定することができ、可動板は、横方向に沿って動くことができ、消耗品受け位置と消耗品取り入れ位置とを有しているため、可動板は、動く間に消耗品の運搬を実現することができる。また、搬送機構の可動板には、第1載置台がさらに設けられており、搬送機構が異なる高さの消耗品を運搬する際に、第1載置台の高さを調整可能とすることで、異なる消耗品の指定位置における高さの差を小さくすることができ、このような設置形態により、ピックアップ装置によるピックアップの困難さを低減することができ、ピックアップ装置の設計難易度及び加工コストを低減し、ひいては核酸検出装置の加工コストの低減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本願の一部を構成する明細書用図面は、本発明をさらに理解させるためのものであり、また、本発明における模式的実施形態及びその説明は本発明を解釈するものであり、本発明を不当に限定するものではない。図面のうち、
【
図1】本発明による搬送機構の実施形態の第1の角度の立体構造模式図を示している。
【
図2】
図1の搬送機構の第2の角度の立体構造模式図であって、第1載置台が上昇位置にあり、増幅プレート本体を載置している場合の構造模式図を示している。
【
図3】
図1の搬送機構の第3の角度の立体構造模式図であって、第1載置台が上昇位置にあり、蓋板を載置している場合の構造模式図を示している。
【
図4】
図1の搬送機構の第4の角度の立体構造模式図であって、第1載置台が下降位置にあり、第2消耗品を載置している場合の構造模式図を示している。
【
図5】
図1の搬送機構の第5の角度の立体構造模式図を示している。
【
図6】
図3の搬送機構の部分構造模式図を示している。
【
図7】本発明による核酸検出装置の実施形態の局所構造模式図を示している。
【符号の説明】
【0025】
10…フレーム、20…可動板、30…第1載置台、31…第1載置板、32…第1駆動構造、321…駆動モータ、322…駆動ギア、323…ラック構造、33…第1位置規制構造、331…位置規制コラム、332…位置規制リブ、3321…傾斜面、40…第2載置台、41…第2載置板、411…取付口、42…支持体、43…第2位置規制構造、50…第1ガイド構造、51…スライドレール、52…スライダ、60…第2ガイド構造、70…第2駆動構造、90…仕切り構造、91…回動扉、100…搬送機構、110…第1消耗品、111…蓋板、112…増幅プレート本体、120…第2消耗品。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態における図面を参照しながら、本発明の実施形態の技術態様を明瞭かつ完全に説明するが、明らかに、説明される実施形態は、本発明の実施形態の全部ではなく、一部に過ぎない。少なくとも1つの例示的な実施形態に関する以下の説明は、実際には、単なる例示に過ぎず、本発明及びその適用又は使用を何ら限定するものではない。当業者が本発明の実施形態に基づいて、創造的な労働を必要とせずに得られる他の実施形態は、全て本発明の保護範囲内に含まれる。
【0027】
ここに使用される用語は、あくまでも具体的な実施形態を説明するためのものであり、本願の例示的な実施形態を限定することを意図していないことに注意が必要である。ここに使用されるように、文脈上、そうでないとする明確な指示がない限り、単数形が使用されていても、複数形を含むものとする。また、本明細書に「含む」及び/又は「有する」といった用語が使用される場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、アセンブリ及び/又はそれらの組み合わせがあることを示すことは、理解されるべきである。
【0028】
特に明記されない限り、これらの実施形態で説明される部材及びステップの相対的な配置、数式及び数値は、本発明の範囲を限定しない。同時に、説明の便宜上、図面に示される各部の寸法は、実際の比例関係に従って描かれていないことが理解されるべきである。当業者に知られている技術、方法及びデバイスについては詳細に議論しないことがあるが、適切な場合、当該技術、方法及びデバイスは、特許される明細書の一部とみなされるべきである。ここに示され、議論されるすべての例において、任意の具体的な値は、限定するものではなく、単なる例示的なものとして解釈されるべきである。したがって、例示的な実施形態の他の例は、異なる値を有することができる。以下の図面では、類似の符号及び文字が類似の項目を示していることに留意すべきである。したがって、ある項目が1つの図面で定義されれば、それ以降の図面ではそれについてさらに議論する必要はない。
【0029】
図1~
図5に示すように、本実施形態の搬送機構は、フレーム10と、可動板20と、第1載置台30とを含む。可動板20は、フレーム10に横方向に沿って可動に設けられており、可動板20は、フレーム10の上方に位置する消耗品受け位置と、フレーム10よりも前方へ突出する消耗品取り入れ位置とを有する。第1載置台30は、可動板20に鉛直方向に沿って移動可能に設けられている。
【0030】
本実施形態の技術態様を適用すると、搬送機構は、フレーム10と、フレーム10に移動可能に設けられた可動板20とを含む。搬送機構を取り付ける際に、フレーム10を1つの領域内に固定することができ、可動板20は、横方向に沿って動くことができ、消耗品受け位置と消耗品取り入れ位置とを有しているため、可動板20は、動く間に消耗品の運搬を実現することができる。また、搬送機構の可動板20には、消耗品を載置可能な第1載置台30がさらに設けられており、搬送機構が異なる高さの消耗品を運搬する際に、第1載置台30の高さを調整可能とすることで、異なる消耗品の指定位置(消耗品が運ばれていくべき位置であり、消耗品が指定位置まで運搬された後、ピックアップ装置は、把持のために消耗品と協働することができる)における高さの差を小さくすることができ、このような設置形態により、ピックアップ装置によるピックアップの困難さを低減することができ、ピックアップ装置の設計難易度及び加工コストを低減し、ひいては核酸検出装置の加工コストの低減に寄与する。
【0031】
なお、上記の「横方向」とは、
図1に示す前後方向を指す。
【0032】
図1~
図5に示すように、本実施形態では、搬送機構は、第2載置台40をさらに含み、第2載置台40は、可動板20に設けられ、第1載置台30の周方向外側に位置する。第1載置台30は、第2載置台40よりも高い上昇位置と、第2載置台40よりも低い下降位置とを有する。上記構造では、搬送機構は異なる消耗品を運搬する必要があるため、運搬する必要のある消耗品の占有面積が小さい場合、それを第1載置台30に置くことができる。運搬する必要のある消耗品の占有面積が大きい場合、消耗品を第2載置台40に置くことができるように、第1載置台30を下降位置に移動させることができる。上記構造により、搬送機構は、運搬する必要のある消耗品のサイズに応じて適切な載置台を選択して運搬することができ、消耗品の運搬中の安定性を高める。
【0033】
上述した「第2載置台40は、可動板20に設けられ、第1載置台30の周方向外側に位置する」とは、第2載置台40が第1載置台30を完全に取り囲むことができるし、部分的に取り囲むこともできることを意味する。
【0034】
なお、本実施形態では、消耗品は、増幅プレート及び抽出プレートを含む。増幅プレートは、占有面積が小さく、第1載置台30によって運搬されることができる。第1載置台30の周縁が増幅プレートの周縁よりも外側に位置していることで、増幅プレートの運搬中に縁部が触れられる確率を低くすることができ、増幅プレートを所定の位置に安定して置くことができ、これにより、ピックアップ装置は、増幅プレートを円滑にピックアップすることができる。一方、抽出プレートは、占有面積が大きく、第2載置台40によって運搬されることができる。第2載置台40の周縁が抽出プレートの周縁よりも外側に位置していることで、抽出プレートの運搬中に縁部が触れられる確率を低くすることができ、抽出プレートを所定の位置に安定して置くことができ、これにより、ピックアップ装置は、抽出プレートを円滑にピックアップすることができる。
【0035】
なお、図示しない他の実施形態では、第1載置台30は、第2載置台40と面一となる面一位置をさらに有する。
【0036】
図1~
図5に示すように、本実施形態では、第2載置台40は、可動板20に固定配置されている。上記構造では、第2載置台40は、増幅プレートよりも高さが大きい抽出プレートを運搬するために用いられる。このため、第2載置台40を固定配置し、第1載置台30を鉛直方向に沿って移動可能に設けるようにして、第1載置台30の高さを大きくすることにより、異なる消耗品の指定位置における高さの差を小さくすることができ、ピックアップ装置によるピックアップが容易となる。上記設置形態により、第2載置台40の生産コストの低減に寄与し、運搬装置の生産コストを低減し、ひいては核酸検出装置の生産コストを低減する。
【0037】
もちろん、図示しない他の実施形態では、第2載置台40は、可動板20に鉛直方向に沿って移動可能に設けられてもよい。上記設置形態により、第2載置台40の自由度を高めることができ、運搬装置が運搬可能な消耗品の種類を増やし、搬送機構の汎用性向上に寄与する。
【0038】
図1~
図5に示すように、本実施形態では、第1載置台30は、可動板20の上方に位置する第1載置板31と、第1載置板31と可動板20との間に設けられた第1駆動構造32とを含み、第1駆動構造32は、第1載置板31を、鉛直方向に移動するように駆動することができる。上記構造では、第1駆動構造32が第1載置板31の昇降を駆動することにより、搬送機構の自動化レベルを向上させることができ、消耗品の運搬効率を向上させる。
【0039】
図1~
図5に示すように、本実施形態では、第2載置台40は、可動板20の上方に位置する第2載置板41と、可動板20と第2載置板41とを固定連結する支持体42とを含み、第1駆動構造32は、支持体42に設けられている。第2載置板41には、取付口411が設けられており、第2載置板41の水平面への射影は、第1載置板31の水平面への射影の外周を囲む。上記構造では、第2載置板41が支持体42によって支持されるため、第2載置板41は安定して連結されることができる。第1駆動構造32は支持体42に取り付けられ、第1載置板31は取付口411内に入り込むことができ、上記構造により、第1載置台30及び第2載置台40のレイアウトがコンパクトになり、搬送機構の占有スペースの縮小に寄与し、ひいては核酸検出装置をコンパクトに設計することができる。
【0040】
なお、第2載置板41は、U字型構造である。
【0041】
図2~
図5に示すように、本実施形態では、第1駆動構造32は、駆動モータ321と、駆動ギア322と、ラック構造323とを含む。駆動モータ321は、支持体に設けられ、駆動モータ321の駆動軸は、横方向に沿って延びる。駆動ギア322は、駆動モータ321の駆動軸に外挿され、駆動モータ321の駆動軸と同期して回動する。ラック構造323の第1端は、第1載置板31に固定連結され、ラック構造323は、駆動ギア322と噛み合って設けられる。上記構造では、駆動モータ321は、駆動ギア322を介してラック構造323を昇降させることで、第1載置板31を鉛直方向に移動させ、上記構造は簡単であり、生産コストが低く、駆動安定性が高い。
【0042】
図5に示すように、本実施形態では、第1載置台30は、第1ガイド構造50をさらに含み、第1ガイド構造50は、スライドレール51と、スライドレール51に摺動可能に設けられたスライダ52とを含み、スライドレール51は、支持体に設けられ、スライダ52は、ラック構造323の第2端に設けられている。上記構造では、第1ガイド構造50は、ラック構造323の移動安定性をさらに高めることができ、第1載置板31の移動安定性を確保する。
【0043】
図1に示すように、本実施形態では、第1載置台30は、第1載置板31に設けられ、位置規制のために第1消耗品110に係合する第1位置規制構造33をさらに含む。上記構造では、第1消耗品110は、増幅プレートであり、第1位置規制構造33は、位置規制のために増幅プレートに係合することができ、増幅プレートの運搬中の安定性を確保する。
【0044】
具体的には、
図2、
図3及び
図5に示すように、本実施形態では、第1位置規制構造33は、第1載置台30に設けられた複数の位置規制コラム331を含む。具体的には、増幅プレートは、増幅プレート本体112と、増幅プレート本体112に設けられる蓋板111とを含む別体構造である。増幅プレート本体112は、天板と、天板の周方向に設けられた側板とを含み、天板には、複数の下向きの貫通穴が設けられ、各貫通穴の下方には1本のテーパ管が取り付けられている。複数の位置規制コラム331は、側板によって囲まれた枠内に位置し、各位置規制コラム331の上面には、テーパ溝が設けられ、テーパ溝は、位置規制のためにテーパ管に係合し、増幅プレートに対する位置規制を実現する。
【0045】
図2、
図3及び
図5に示すように、本実施形態では、第1位置規制構造33は、第1載置台30に設けられた複数の位置規制リブ332をさらに含み、複数の位置規制リブ332は、第1載置板31の周縁に間隔をあけて設けられている。上記構造では、複数の位置規制リブ332は、増幅プレートの周縁を位置規制することができ、同様に、増幅プレートの運搬中の安定性を確保することができる。
【0046】
図2、
図3及び
図5に示すように、本実施形態では、複数の位置規制リブ332は、複数の位置規制コラム331の周方向外側に位置し、位置規制リブ332と位置規制コラム331とが間隔をあけて設けられている。上記構造では、複数の位置規制コラム331は、位置規制のために増幅プレート本体112に係合し、複数の位置規制リブ332は、位置規制のために蓋板111に係合し、複数の位置規制リブ332と複数の位置規制コラム331とが間隔をあけて設けられていることで、増幅プレート本体112を第1載置板31に載置する際に、位置規制リブ332が増幅プレート本体112と干渉しないようにする。それに応じて、蓋板111を第1載置板31に載置する際にも、位置規制コラム331が蓋板111と干渉することはない。
【0047】
ここで、増幅プレート本体112と蓋板111とは別々に運搬する必要があり、上記複数の位置規制コラム331は、位置規制のために増幅プレート本体112に係合し、上記複数の位置規制リブ332は、位置規制のために蓋板111に係合する。
【0048】
なお、増幅プレート本体112が第1載置台に置かれ、複数の位置規制コラム331に係合して位置規制されたときに、複数の位置規制リブ332は、増幅プレート本体112の周方向外側に位置する。
【0049】
具体的には、
図5及び
図6に示すように、本実施形態では、各位置規制リブ332の上面は、第1載置台30の外側から内側への方向に徐々に下方へ傾斜する傾斜面3321となっている。上記構造では、傾斜面3321は、増幅プレートの蓋板111をガイドする機能を果たすことができ、蓋板111の縁部が傾斜面3321にかけられたときに、蓋板111は、傾斜面3321のガイドにより滑り落ち、位置規制リブ332の内壁により位置規制されることができるため、蓋板111を第1載置台30に安定して置くことができる。
【0050】
図1、
図4及び
図5に示すように、本実施形態では、第2載置台40は、第2位置規制構造43をさらに含み、第2位置規制構造43は、第2載置板41に設けられ、位置規制のために第2消耗品120に係合する。第1載置台30が下降位置にあるときに、第1位置規制構造33は、第2載置板41よりも低い。上記構造では、第2消耗品120は、抽出プレートであり、抽出プレートには、第2位置規制構造43に係合する係合構造が設けられている。具体的には、抽出プレートには、下向きに延びるテーパ管が複数設けられ、第2位置規制構造43は、複数の位置規制コラムであり、各位置規制コラムの上面には、テーパ溝が設けられ、テーパ溝は、位置規制のためにテーパ管に係合し、抽出プレートに対する位置規制を実現する。なお、抽出プレートが第2載置台40に置かれる際に、第1載置台30の第1位置規制構造33が抽出プレートと干渉することを防止するために、第1載置台が下降位置にあるときに、第1位置規制構造33は、第2載置板41よりも低くする必要がある。
【0051】
図1に示すように、本実施形態では、搬送機構は、第2ガイド構造60をさらに含み、第2ガイド構造60は、フレーム10と可動板20との間に設けられ、可動板20は、第2ガイド構造60を介してフレーム10に移動可能に設けられている。上記構造により、可動板20が消耗品受け位置と消耗品取り入れ位置との間を移動する安定性を確保することができ、運搬中に消耗品が移動する確率を低くする。
【0052】
図1に示すように、本実施形態では、搬送機構は、第2駆動構造70をさらに含み、第2駆動構造70は、フレーム10に設けられ、可動板20に駆動接続されており、第2駆動構造70は、可動板20を、消耗品取り入れ位置と消耗品受け位置との間を移動するように駆動することができる。上記構造では、制御プログラムにより第2駆動構造70を制御して、可動板20が消耗品受け位置と消耗品取り入れ位置との間を移動するように駆動させることができ、搬送機構の自動化レベルを向上させる。
【0053】
図7に示すように、本実施形態の核酸検出装置は、ベースと、仕切り構造90と、搬送機構100とを含む。ベースは、隣り合って設けられた第1領域1及び第2領域2を含む。仕切り構造90は、第1領域1と第2領域2との間に設けられ、第1領域1と第2領域2とを仕切る。仕切り構造90は、回動扉91を含み、回動扉91は、第1領域1と第2領域2とを連通する開位置と、第1領域1と第2領域2とを仕切る閉位置とを有する。搬送機構100は、上述した搬送機構であり、搬送機構100のフレーム10が第2領域2内に設けられ、搬送機構100の可動板20が消耗品受け位置にあるときに、可動板20は、第2領域2内に位置し、可動板20が消耗品取り入れ位置にあるときに、可動板20は、第1領域1内に位置し、可動板20が消耗品受け位置から消耗品取り入れ位置へ移動する際に、可動板20は、回動扉91と協働してプッシュ動作することができる。上記構造では、仕切り構造90を設けることにより、第1領域1と第2領域2とを物理的に分離することに寄与する。また、仕切り構造90は、回動扉91を含み、搬送機構100が消耗品受け位置から消耗品取り入れ位置へ移動する際に、搬送機構100の可動板20は、回動扉91と協働してプッシュ動作することができる。これにより、搬送機構100が領域を跨いで移動する際の円滑性を確保する。
【0054】
なお、上記の第1領域1は、サンプル抽出試薬の調製及びサンプル増幅試薬の調製を行うための試薬配置領域であり、試薬配置領域内には検出サンプルが含まれていないため、低汚染領域である。上記の第2領域2は、検出サンプル及びサンプル抽出試薬が置かれるためのサンプル抽出領域であり、検出サンプルの抽出がこの領域内で完了し、この領域は中汚染領域である。
【0055】
具体的には、
図7に示すように、本実施形態では、可動板20の先端部は、第1載置台30の先端部よりも前方へ突出し、かつ、第2載置台40の先端部よりも前方へ突出している。上記構造により、可動板20は、第1載置台30及び第2載置台40よりも先に回動扉91に接触することができるため、第1載置台30又は第2載置台40に載置されている消耗品が可動板20よりも先に回動扉91に接触することに起因して、消耗品の配置位置が変えられて、ピックアップ装置が消耗品を正確に掴むことができないことを回避する。
【0056】
本発明の説明において、「前、後、上、下、左、右」、「横、縦、垂直、水平」、「頂、底」などの方位語によって示される方位又は位置関係は、通常、図面に示される方位又は位置関係に基づいており、単に本発明を説明しやすくし、説明を簡略化するためであり、反対の説明がない限り、これらの方位語は、示される装置又は要素が特定の方位を有するか、又は特定の方位で構成され、動作しなければならないことを示し、暗示するものではないため、本発明の保護範囲を限定するものとして理解してはならないことは、理解されるべきである。また、「内、外」という方位語は、各部材自体に対する輪郭の内外を意味する。
【0057】
説明のために、ここでは空間上相対的な用語、例えば、「・・・の上にある」、「・・・の上方にある」、「・・・の上面に」、「上の」等を使うことで、図示されるようなデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間位置関係を記載することができる。空間上相対的な用語は、デバイスの図示される方位以外の使用又は操作における異なる方位を含むことを意図することは、理解されるべきである。例えば、図面におけるデバイスが反転される場合、「他のデバイス又は構造の上方にある」又は「他のデバイス又は構造の上にある」と記載されたデバイスは、反転された後、「他のデバイス又は構造の下方にある」又は「他のデバイス又は構造の下にある」ように説明される。このため、示例的な用語である「・・・の上方にある」は、「・・・の上方にある」と「・・・の下方にある」という2つの方位を含むことができる。このデバイスは、他の異なる方式で位置決められてもよく(90度回転するか、或いは他の方位にある)、これに応じて、ここに使用される空間上相対的な説明について解釈する。
【0058】
なお、「第1」、「第2」等の用語を用いて部品を限定するのは、単に対応する部品を区別しやすくするためであり、他に説明がなければ、上記の用語は特別な意味を持たないので、本発明の保護範囲を限定するものとして理解してはならない。
【0059】
以上は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明を限定することは意図していない。当業者であれば、本発明に様々な変更や変形が可能である。本発明の思想や原則内の如何なる修正、均等の置き換え、改良なども、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。