(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102810
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】半導体パッケージ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 25/00 20060101AFI20240724BHJP
H01L 23/40 20060101ALI20240724BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
H01L25/00 A
H01L23/40 E
H01L23/36 C
【審査請求】有
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023198676
(22)【出願日】2023-11-22
(31)【優先権主張番号】10-2023-0008018
(32)【優先日】2023-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523443250
【氏名又は名称】ジェイエムジェイ コリア カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ユン ファ
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BB04
5F136BB18
5F136DA08
5F136DA27
5F136EA61
(57)【要約】 (修正有)
【課題】3次元クリップ構造体により、モールディング時に加えられるストレスを効果的に分散させて構造的信頼性を向上させる半導体パッケージ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体パッケージは、第1基板110又は第2基板120又は第1基板と第2基板のそれぞれの金属パターンに構造的な接合される1つ以上の3次元クリップ構造体140と、第1基板又は第2基板又は第1基板と第2基板のそれぞれに接合される1つ以上のターミナルリード150と、半導体チップ130を覆うようにモールディングされるパッケージハウジング160と、を含み、3次元クリップ構造体140により、モールディング時に加えられるストレスを効果的に分散させて構造的信頼性を向上させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的接続が可能なように特定の金属パターンが形成される1つ以上の第1基板及び第2基板と、
前記第1基板、又は前記第2基板、又は前記第1基板と前記第2基板のそれぞれの一側面に接合される1つ以上の半導体チップと、
一側面は、前記1つ以上の半導体チップの一側面に接合され、他側面は、前記第1基板、又は前記第2基板、又は前記第1基板と前記第2基板のそれぞれの金属パターンに接合される1つ以上の3次元クリップ構造体と、
前記第1基板、又は前記第2基板、又は前記第1基板と前記第2基板のそれぞれに接合される1つ以上のターミナルリードと、
前記半導体チップを覆うようにモールディングされるパッケージハウジングとを含み、
前記半導体チップの一側面に接合される前記3次元クリップ構造体の一側面は、X軸方向に延びて形成され、前記第1基板、又は前記第2基板、又は前記第1基板と前記第2基板のそれぞれの金属パターンに接合される前記3次元クリップ構造体の他側面は、前記X軸方向と垂直なY軸方向に延びて形成される、半導体パッケージ。
【請求項2】
前記3次元クリップ構造体の一側面は、前記半導体チップとの第1接合接点を形成する第1面を含み、
前記3次元クリップ構造体の他側面は、
前記第1基板、又は前記第2基板の金属パターンと第2接合接点を形成する第2面と、そして
前記第2基板、又は前記第1基板の金属パターンとの分離される2つの第3接合接点を形成する第3面とを含み、
前記第1面と前記第2面は、折り曲げられて段差を形成することを特徴とする、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
前記3次元クリップ構造体の他側面は、
前記第2面の両側から延び、半円形アーチ状にベンディングされて形成されることを特徴とする、請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記3次元クリップ構造体は、上部面と、前記上部面に対向する下部面とを含み、
前記第1面と、前記第2面又は前記第3面は、前記上部面及び前記下部面のうち同一ないずれか一面に形成されることを特徴とする、請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
前記3次元クリップ構造体は、
2層以上の異なる金属で積層されて形成されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項6】
前記ターミナルリードは、
2層以上の異なる金属で積層されて形成されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項7】
前記第1基板又は前記第2基板は、
1つ以上の絶縁層を含むことを特徴とする、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項8】
前記第1基板又は前記第2基板は、
単一金属層からなるか、或いは合金形態やメッキ形態の混合金属層からなることを特徴とする、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項9】
前記第1基板又は前記第2基板は、
1層以上の下部金属層、1層以上の上部金属層、及び前記下部金属層と前記上部金属層との間に介在された1層以上の絶縁層で積層されて形成されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項10】
前記半導体チップは、
IGBT、MOSFET又はダイオードを含む電力半導体であることを特徴とする、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項11】
前記3次元クリップ構造体の一側面は、
前記半導体チップの一側面と接する下部構造体を形成し、
前記3次元クリップ構造体の他側面は、
前記第1基板、又は前記第2基板の金属パターンと接する上部構造体を形成して立体的な構造を有することを特徴とする、請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項12】
前記ターミナルリードは、
はんだ付け、焼結又は超音波接合により、前記第1基板、又は前記第2基板、又は前記第1基板と前記第2基板のそれぞれに接合されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項13】
前記第1基板又は前記第2基板の他側面の一部又は全部は、
前記パッケージハウジングの一側面又は他側面に露出することを特徴とする、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項14】
前記パッケージハウジングから露出した前記第1基板又は前記第2基板の他側面に放熱フィンが更に形成されることを特徴とする、請求項13に記載の半導体パッケージ。
【請求項15】
前記パッケージハウジングから露出した前記第1基板又は前記第2基板の他側面の全表面積の80%以上に、Niを50%以上含有する金属層が塗布されていることを特徴とする、請求項13に記載の半導体パッケージ。
【請求項16】
前記第1基板又は前記第2基板の他側面には、
熱伝達素材を用いてヒートシンクが接合されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項17】
前記熱伝達素材は、
Snが含有されているはんだや、或いはAgやCuが含有されているペーストを硬化して、前記第1基板又は前記第2基板の他側面に接合されることを特徴とする、請求項16に記載の半導体パッケージ。
【請求項18】
前記3次元クリップ構造体と接合される前記半導体チップの一側面の表面は、
Ag又はAu成分を50%以上含有することを特徴とする、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項19】
前記半導体チップの一側面のうち30%以上の面積には、前記3次元クリップ構造体が接合され、重ならない前記半導体チップの一側面のうち残りの70%以下の面積には、1つ以上の電気的接続部材が超音波接合されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項20】
前記3次元クリップ構造体は2つ以上であり、
前記2つ以上の3次元クリップ構造体は、個別に分離形成されるか、或いは一体型に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項21】
前記半導体パッケージは、
前記電力半導体を通じて電力を変換する電力変換装置に用いられることを特徴とする、請求項10に記載の半導体パッケージ。
【請求項22】
前記第1接合接点又は前記第2接合接点には、ホールが形成されることを特徴とする、請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項23】
前記第1接合接点には、前記ホールの周辺に1層以上の階段状の接合部が更に形成されることを特徴とする、請求項22に記載の半導体パッケージ。
【請求項24】
前記半円形アーチの上段の対向する前記他側面の間の隙間距離は、10μm乃至10mmであることを特徴とする、請求項3に記載の半導体パッケージ。
【請求項25】
電気的接続が可能なように特定の金属パターンが形成される1つ以上の第1基板及び第2基板を準備する段階と、
前記第1基板、又は前記第2基板、又は前記第1基板と前記第2基板のそれぞれの一側面に1つ以上の半導体チップを接合する段階と、
1つ以上の3次元クリップ構造体の一側面を前記1つ以上の半導体チップの一側面に接合し、前記3次元クリップ構造体の他側面を前記第1基板、又は前記第2基板、又は前記第1基板と前記第2基板のそれぞれの金属パターンに接合する段階と、
1つ以上のターミナルリードを前記第1基板、又は前記第2基板、又は前記第1基板と前記第2基板のそれぞれに接合する段階と、
前記半導体チップを覆うようにパッケージハウジングをモールディングする段階とを含み、
前記半導体チップの一側面に接合される前記3次元クリップ構造体の一側面は、X軸方向に延びて形成され、前記第1基板、又は前記第2基板、又は前記第1基板と前記第2基板のそれぞれの金属パターンに接合される前記3次元クリップ構造体の他側面は、前記X軸方向と垂直なY軸方向に延びて形成される、半導体パッケージの製造方法。
【請求項26】
前記3次元クリップ構造体の一側面は、前記半導体チップとの第1接合接点を形成する第1面を含み、
前記3次元クリップ構造体の他側面は、
前記第1基板、又は前記第2基板の金属パターンと第2接合接点を形成する第2面と、そして
前記第2基板、又は前記第1基板の金属パターンとの分離される2つの第3接合接点を形成する第3面とを含み、
前記第1面と前記第2面は、折り曲げられて段差を形成することを特徴とする、請求項25に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項27】
前記3次元クリップ構造体は、
直交する半十字形状に形成された平板クリップ構造体を準備する第1段階と、そして
前記第2面の両側から半円形アーチ状にベンディングして前記平板クリップ構造体の第3接合接点を形成する第2段階によって形成されることを特徴とする、請求項26に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項28】
前記第1段階の後、
前記第1面と前記第2面を折り曲げて段差を形成する段階を更に含むことを特徴とする、請求項27に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項29】
前記第1段階の後、
前記第1面又は前記第2面に前記第1接合接点と前記第2接合接点のための穿孔をそれぞれ行う段階を更に含むことを特徴とする、請求項27に記載の半導体パッケージの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージ及びその製造方法に関し、より詳しくは、3次元クリップ構造体により、モールディング時に加えられるストレスを効果的に分散させて構造的信頼性を向上させることができる半導体パッケージ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体パッケージは、下部基板又は上部基板上に実装された半導体チップ、半導体チップ上に接着されるスペーサとしての役割を果たすメタルポストである伝導体、Cuで構成されて外部の電気的信号を印加するリードフレーム及び封止材でモールディングされるパッケージハウジングを含んで構成され、半導体チップは、リードフレームパッド上に取り付けられ、リードフレームリードとはAgで構成されるメッキ層を介在して信号線であるボンディングワイヤによって半導体チップのパッドと電気的に接続される。
【0003】
例えば、
図1の(a)に示すように、従来の半導体パッケージでは、下部金属絶縁基板11A上に半導体チップ14が1次接合部12を介在して接合され、メタルスペーサである垂直構造の六面体型又は円筒型伝導体17は、2次接合部16を介在して半導体チップ14上に接合され、上部金属絶縁基板11B上に3次接合部13を介在して接合され、下部金属絶縁基板11Aと上部金属絶縁基板11Bとの間の電気的接続のための垂直構造の金属ブリッジが形成される。
【0004】
しかし、半導体チップは、基板及び伝導体と各々はんだを介在して接合されるが、基板11A、11Bと伝導体17と1次接合部12と2次接合部16の相互間の異なる熱膨張係数(CTE;Coefficient of Thermal Expansion)により、
図1の(b)に示すように、1次接合部12又は2次接合部16でクラック(crack)が発生して信頼性の問題が発生する。
【0005】
即ち、CTEの差による接合部のクラックの主な要因は、半導体チップの表面に接合されたメタルスペーサが直ぐ垂直に上部金属絶縁基板に接合されて、パッケージハウジングの形成のためのモールディング時にモールディング金型が上部金属絶縁基板とメタルスペーサを加圧することになり、半導体チップに直接的な衝撃を与えて、製品の歩留まりが低下する。
【0006】
一方、半導体チップとのCTE差を最小化するために、メタルスペーサ又はメタルポストに替えて半導体チップのCTEと類似する素材を選定して使用したりもするが、既存のメタルスペーサ又はメタルポストに比べて非常に高価なため、製品の価格競争力が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10-1643332号(超音波接合を用いたクリップボンディング半導体チップパッケージ及びその製造方法、2016.07.27.公告)
【特許文献2】韓国登録特許公報第10-0867573号(熱放出能力が改善された電力用モジュールパッケージ及びその製造方法、2008.11.10.公告)
【特許文献3】韓国公開特許公報第10-2001-0111736号(リードフレームの背面に直接取り付けられる絶縁放熱板を備える電力モジュールパッケージ、2001.12.20.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、3次元クリップ構造体により、モールディング時に加えられるストレスを効果的に分散させて構造的信頼性を向上させることができる半導体パッケージ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明の一実施例は、電気的接続が可能なように特定の金属パターンが形成される1つ以上の第1基板及び第2基板と、前記第1基板、又は前記第2基板、又は前記第1基板と前記第2基板のそれぞれの一側面に接合される1つ以上の半導体チップと、一側面は、前記1つ以上の半導体チップの一側面に接合され、他側面は、前記第1基板、又は前記第2基板、又は前記第1基板と前記第2基板のそれぞれの金属パターンに接合される1つ以上の3次元クリップ構造体と、前記第1基板、又は前記第2基板、又は前記第1基板と前記第2基板のそれぞれに接合される1つ以上のターミナルリードと、前記半導体チップを覆うようにモールディングされるパッケージハウジングとを含み、前記半導体チップの一側面に接合される前記3次元クリップ構造体の一側面は、X軸方向に延びて形成され、前記第1基板、又は前記第2基板、又は前記第1基板と前記第2基板のそれぞれの金属パターンに接合される前記3次元クリップ構造体の他側面は、前記X軸方向と垂直なY軸方向に延びて形成される半導体パッケージを提供する。
【0010】
ここで、前記3次元クリップ構造体の一側面は、前記半導体チップとの第1接合接点を形成する第1面を含み、前記3次元クリップ構造体の他側面は、前記第1基板、又は前記第2基板の金属パターンと第2接合接点を形成する第2面と、そして前記第2基板、又は前記第1基板の金属パターンとの分離される2つの第3接合接点を形成する第3面とを含み、前記第1面と第2面は、折り曲げられて段差を形成できる。
【0011】
このとき、前記3次元クリップ構造体の他側面は、前記第2面の両側から延び、半円形アーチ状にベンディングされて形成されることができる。
【0012】
また、前記3次元クリップ構造体は、上部面と、前記上部面に対向する下部面とを含み、前記第1面と、前記第2面又は前記第3面は、前記上部面及び前記下部面のうち同一ないずれか一面に形成されることができる。
【0013】
更に、前記3次元クリップ構造体は、2層以上の異なる金属で積層されて形成されることができる。
【0014】
また、前記ターミナルリードは、2層以上の異なる金属で積層されて形成されることができる。
【0015】
更に、前記第1基板又は前記第2基板は、1つ以上の絶縁層を含むことができる。
【0016】
また、前記第1基板又は前記第2基板は、単一金属層からなるか、或いは合金形態やメッキ形態の混合金属層からなることができる。
【0017】
更に、前記第1基板又は前記第2基板は、1層以上の下部金属層、1層以上の上部金属層、及び前記下部金属層と前記上部金属層との間に介在された1層以上の絶縁層で積層されて形成されることができる。
【0018】
また、前記半導体チップは、IGBT、MOSFET又はダイオードを含む電力半導体であることができる。
【0019】
更に、前記3次元クリップ構造体の一側面は、前記半導体チップの一側面と接する下部構造体を形成し、前記3次元クリップ構造体の他側面は、前記第1基板、又は前記第2基板の金属パターンと接する上部構造体を形成して立体的な構造を有することができる。
【0020】
また、前記ターミナルリードは、はんだ付け、焼結又は超音波接合により、前記第1基板、又は前記第2基板、又は前記第1基板と前記第2基板のそれぞれに接合されることができる。
【0021】
更に、前記第1基板又は前記第2基板の他側面の一部又は全部は、前記パッケージハウジングの一側面又は他側面に露出できる。
【0022】
ここで、前記パッケージハウジングから露出した前記第1基板又は前記第2基板の他側面に放熱フィンが更に形成されることができる。
【0023】
また、前記パッケージハウジングから露出した前記第1基板又は前記第2基板の他側面の全表面積の80%以上に、Niを50%以上含有する金属層が塗布されることができる。
【0024】
更に、前記第1基板又は前記第2基板の他側面には、熱伝達素材を用いてヒートシンクが接合されることができる。
【0025】
ここで、前記熱伝達素材は、Snが含有されているはんだや、或いはAgやCuが含有されているペーストを硬化して、前記第1基板又は前記第2基板の他側面に接合されることができる。
【0026】
また、前記3次元クリップ構造体と接合される前記半導体チップの一側面の表面は、Ag又はAu成分を50%以上含有することができる。
【0027】
更に、前記半導体チップの一側面のうち30%以上の面積には、前記3次元クリップ構造体が接合され、重ならない前記半導体チップの一側面のうち残りの70%以下の面積には、1つ以上の電気的接続部材が超音波接合されることができる。
【0028】
また、前記3次元クリップ構造体は2つ以上であり、前記2つ以上の3次元クリップ構造体は、個別に分離形成されるか、或いは一体型に形成されることができる。
【0029】
更に、前記半導体パッケージは、前記電力半導体を通じて電力を変換する電力変換装置に用いられることができる。
【0030】
また、前記第1接合接点又は前記第2接合接点には、ホールが形成されることができる。
【0031】
ここで、前記第1接合接点には、前記ホールの周辺に1層以上の階段状の接合部が更に形成されることができる。
【0032】
また、前記半円形アーチの上段の対向する前記他側面の間の隙間距離は、10μm乃至10mmであり得る。
【0033】
一方、本発明の他の実施例は、電気的接続が可能なように特定の金属パターンが形成される1つ以上の第1基板及び第2基板を準備する段階と、前記第1基板、又は前記第2基板、又は前記第1基板と前記第2基板のそれぞれの一側面に1つ以上の半導体チップを接合する段階と、1つ以上の3次元クリップ構造体の一側面を前記1つ以上の半導体チップの一側面に接合し、前記3次元クリップ構造体の他側面を前記第1基板、又は前記第2基板、又は前記第1基板と前記第2基板のそれぞれの金属パターンに接合する段階と、1つ以上のターミナルリードを前記第1基板、又は前記第2基板、又は前記第1基板と前記第2基板のそれぞれに接合する段階と、前記半導体チップを覆うようにパッケージハウジングをモールディングする段階とを含み、前記半導体チップの一側面に接合される前記3次元クリップ構造体の一側面は、X軸方向に延びて形成され、前記第1基板、又は前記第2基板、又は前記第1基板と前記第2基板のそれぞれの金属パターンに接合される前記3次元構造体の他側面は、前記X軸方向と垂直なY軸方向に延びて形成される半導体パッケージの製造方法を提供する。
【0034】
ここで、前記3次元クリップ構造体の一側面は、前記半導体チップとの第1接合接点を形成する第1面を含み、前記3次元クリップ構造体の他側面は、前記第1基板、又は前記第2基板の金属パターンと第2接合接点を形成する第2面と、そして前記第2基板、又は前記第1基板の金属パターンとの分離される2つの第3接合接点を形成する第3面とを含み、前記第1面と前記第2面は、折り曲げられて段差を形成できる。
【0035】
このとき、前記3次元クリップ構造体は、直交する半十字形状に形成された平板クリップ構造体を準備する第1段階と、そして前記第2面の両側から半円形アーチ状にベンディングして前記平板クリップ構造体の第3接合接点を形成する第2段階によって形成されることができる。
【0036】
ここで、前記第1段階の後、前記第1面と前記第2面を折り曲げて段差を形成する段階を更に含むことができる。
【0037】
また、前記第1段階の後、前記第1面又は前記第2面に前記第1接合接点と前記第2接合接点のための穿孔をそれぞれ行う段階を更に含むことができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によると、3次元クリップ構造体を通じて、パッケージハウジングのモールディング時に加えられるCTEストレスを効果的に分散させて、押圧ストレスが半導体チップに直接的に伝達されないように弾性的に吸収し、接合部のクラックの発生を最小化して構造的信頼性を向上させることができるという効果がある。
【0039】
また、基板と接合する3次元クリップ構造体の接合面を物理的に分割してボイドによる品質不良を最小化して接合強度を向上させることができるという効果がある。
【0040】
更に、2つの半円形アーチが対称的に形成された3次元クリップ構造体により、押圧ストレスをより効果的に吸収して分散させ、どちらか一方に偏らず、左右バランスよく分散させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】従来技術による半導体パッケージを示す図である。
【
図2】本発明の一実施例による半導体パッケージの断面構造を示す図である。
【
図3】
図2の半導体パッケージの内部構成を分離して示す図である。
【
図5】
図2の半導体パッケージの3次元クリップ構造体を分離して示す図である。
【
図6】
図5の3次元クリップ構造体の接合構造を示す図である。
【
図7】
図5の3次元クリップ構造体の他の例を示す図である。
【
図8】
図2の半導体パッケージの放熱構造をそれぞれ示す図である。
【
図9】本発明の他の実施例による半導体パッケージの製造方法の手順図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、添付の図面を参照して、前述した特徴を有する本発明の実施例を更に詳細に説明する。
【0043】
本発明の一実施例による半導体パッケージは、電気的接続が可能なように特定の金属パターンが形成される1つ以上の第1基板110及び第2基板120、第1基板110、又は第2基板120、又は第1基板110と第2基板120のそれぞれの一側面に接合される1つ以上の半導体チップ130、一側面は、1つ以上の半導体チップ130の一側面に接合され、他側面は、第1基板110、又は第2基板120、又は第1基板110と第2基板120のそれぞれの金属パターンに接合される1つ以上の3次元クリップ構造体140、第1基板110、又は第2基板120、又は第1基板110と第2基板120のそれぞれに接合される1つ以上のターミナルリード150、及び半導体チップ130を覆うようにモールディングされるパッケージハウジング160を含み、半導体チップ130の一側面に接合される3次元クリップ構造体140の一側面は、X軸方向に延びて形成され、第1基板110、又は第2基板120、又は第1基板110と第2基板120のそれぞれの金属パターンに接合される3次元クリップ構造体140の他側面は、X軸方向と垂直なY軸方向に延びて形成されて、3次元クリップ構造体140によりモールディング時に加えられるストレスを効果的に分散させて構造的信頼性を向上させることを旨とする。
【0044】
以下、図面を参照して、前述した構成の半導体パッケージを具体的に詳述すると、次の通りである。
【0045】
まず、第1基板110と第2基板120は、それぞれ1つ以上で構成され、互いに対向して3次元クリップ構造体140によって離間し、第1基板110と第2基板120には、電気的接続が可能なようにゲート、フェイズ(phase)、コレクターコンタクト(collector contact)、カソード、アノードなどのための特定の金属パターンが形成されて半導体チップ130が実装される。
【0046】
ここで、第1基板110と第2基板120は、DBC(Direct Bonding Copper)基板であり得る。
【0047】
また、図示してはいないが、第1基板110及び/又は第2基板120は、1つ以上の絶縁層を含むことができ、又は第1基板110及び/又は第2基板120は、単一金属層からなるか、合金形態又はメッキ形態の混合金属層からなることができ、或いは第1基板110及び/又は第2基板120は、1層以上の下部金属層、1層以上の上部金属層、及び下部金属層と上部金属層との間に介在された1層以上の絶縁層で積層されて形成されることもできる。
【0048】
例えば、絶縁層はAl2O3、AlN、Si3N4又はPIの単一素材からなるか、Al2O3、AlN、Si3N4又はPIのうちのいずれか1つ以上含有する複合素材からなることができる。
【0049】
次に、半導体チップ130は1つ以上で構成されて、第1基板110、又は第2基板120、又は第1基板110と第2基板120のそれぞれの一側面に伝導性接着剤を介在して接合される。
【0050】
一方、半導体チップ130は、電力半導体チップであるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、ダイオード又はJFET(Junction Field Effect Transistor)であって、これを用いて電力を変換又は制御するインバータ(inverter)又はコンバータ(converter)又はOBC(On Board Charger)などの装置の駆動に用いられることができる。
【0051】
これにより、一実施例による半導体パッケージは、電力半導体を通じて電力を変換する電力変換装置に用いられることができる。例えば、電気及びハイブリッド電気自動車においてDCからACに電力を変換するモータ駆動のスイッチング、制御などを行うために用いられる高電力の電力変換装置に適用されることができる。
【0052】
また、3次元クリップ構造体140と接合される半導体チップ130の一側面の表面は、Ag又はAu成分を50%以上含有しており、良好な電気伝導性を維持しながら熱伝導性を上げるようにすることができる。
【0053】
更に、半導体チップ130の一側面のうち30%以上の面積には、3次元クリップ構造体140が電気的に接合され、重ならない半導体チップ130の一側面のうち残りの70%以下の面積には、1つ以上の電気的接続部材(例えば、伝導性ワイヤ)(図示せず)が金属パターンに超音波接合されて電気的に接続されることができる。
【0054】
次に、3次元クリップ構造体140は、3次元構造からなり、モールディング時に第1基板110及び/又は第2基板120から加えられるCTE(Coefficient of Thermal Expansion、熱膨張係数)ストレスを分散させる構成であって、3次元クリップ構造体140の一側面は、1つ以上の半導体チップ130の一側に電気的に接合され、他側面は、第1基板110及び/又は第2基板120の金属パターンに構造的に接合される。
【0055】
即ち、
図5及び
図6を参照すると、半導体チップ130の一側面に接合される3次元クリップ構造体140の一側面は、X軸方向に延びて形成され、第1基板110、又は第2基板120、又は第1基板110と第2基板120のそれぞれに接合される3次元クリップ構造体140の他側面は、Y軸方向に延びて形成されて、パッケージハウジング160のモールディング時に加えられるCTEストレスを効果的に分散させて、押圧ストレスが半導体チップ130に直接伝達されないように弾性的に吸収し、接合部のクラックの発生を最小化して構造的信頼性を向上させるようにすることができる。
【0056】
一方、
図4に示すように、3次元クリップ構造体140は、第1基板110と第2基板120との間でアンフリップ状態とフリップ状態を交互にしてそれぞれ結合されることができるが、例えば、アンフリップ(unflip)状態の3次元クリップ構造体140Aの一側面は、半導体チップ130が実装された第1基板110に接合され、他側面は、半導体チップ130が実装されていない第2基板120に接合されることができ、フリップ(flip)状態の3次元クリップ構造体140Bの一側面は、半導体チップ130が実装された第2基板120に接合され、他側面は、半導体チップ130が実装されていない第1基板110に接合されることができる。
【0057】
このように、アンフリップ状態とフリップ状態の3次元クリップ構造体140A、140Bが第1基板110と第2基板120との間に接合されて、CTEストレスを、どちらか1つの基板に偏らず、左右均一に分散させて構造的信頼性を確保するようにすることができる。
【0058】
より具体的に、
図5及び
図6に示すように、3次元クリップ構造体140の一側面は、半導体チップ130との第1接合接点を形成する第1面141aを含み、他側面は、第1基板110、又は第2基板120の金属パターンと第2接合接点を形成する第2面141bと、対向する第2基板120、又は第1基板110の金属パターンと第3接合接点を形成する第3面142とを含むことができる。このとき、第3接合接点は、分離された形態の2つで構成されることができる。また、第1面141aと第2面141bは、第1基板110又は第2基板120と、半導体チップ130との間の高さの差に相応して折り曲げられて段差を形成できる。
【0059】
ここで、
図5の(b)を参照すると、第1接合点には、ホールh1が形成されて、半導体チップ130と3次元クリップ構造体140の一側面の第1面141aとの間に介在する接着剤143(
図6参照)の一部がホールh1を通じてオーバーフローして硬化し、接着剤140中に残存する気泡が抜ける通路を形成して接着強度を高めることができる。
【0060】
これと同様、第2接合接点には、ホールh2が形成されて、第1基板110、又は第2基板120の金属パターンと3次元クリップ構造体140の他側面の第2面141bとの間に介在される接着剤の一部がホールh2を通じてオーバーフローして硬化し、接着剤中に残存する気泡が抜ける通路を形成して接着強度を高めることができる。
【0061】
また、第1接合接点には、ホールh1の周辺に1層以上の階段状の段差を有する接合部141cが更に形成されて、ホールh1を通じてオーバーフローした接着剤143との接着強度を高め、せん断ストレスに対してより効果的に対応するようにすることができる。
【0062】
また、3次元クリップ構造体140の他側面の第3面142は、分離される2つの第3接合接点からなり、接合面数を増やして接合面積を拡張して接着強度を高めながらも、同一の単一接合面積に比べて、はんだ又は焼結などの接着剤の特性によるボイド(void、気泡又は微細隙間)の発生を最小化できる。即ち、接合面積が大きいほどボイドの発生可能性が高くなるが、同一の接合面積を維持しながらも、2つの接合面数に分割して個別接合面の面積が半分に減ってボイドの発生を抑制できる。
【0063】
また、
図5の(b)に示すように、3次元クリップ構造体140の他側面は、第2面141bの両側から延び、半円形アーチ(semi-circular arch)状にベンディング形成されて対向する2つの半円形アーチを形成して、1つの半円形アーチに比べて押圧ストレスをより効果的に分散させ、どちらか一方に偏らず、左右バランスよく分散させることができる。ここで、半円形アーチの上段の対向する他側面の間の間隙距離dは、10μm乃至10mmであり得る。
【0064】
具体的に、3次元クリップ構造体140は、上部面と、このような上部面に対向する下部面とを含むことができるが、このとき、半導体チップ130との第1接合接点を形成する第1面141aと、第1基板110又は第2基板120の金属パターンと第2接合接点を形成する第2面141bは、同一の面、即ち上部面及び下部面のうち同一ないずれか一面に形成することができ、前述した第2接合接点を形成する第1基板110又は第2基板120に対向する第2基板120又は第1基板110の金属パターンと第3接合接点を形成する第3面142も同様、前述した第1面141aと第2面141bが形成される面と同一の面、即ち上部面及び下部面のうち同一ないずれか一面に形成されることができる。これは、第3面142が、第2面141bの両側から延びて半円形アーチ状にベンディング形成されるためである。
【0065】
また、3次元クリップ構造体140は、Cu、Alなどの2層以上の異なる金属で積層されて形成されるため、良好な延性(ductility)及び展性(malleability)特性を有するようにして、押圧ストレスを効果的に吸収するようにすることができ、全体として、Cu又はAlの単一素材からなるか、Cu又はAl成分を50%以上含有する複合素材からなることもできる。
【0066】
更に、3次元クリップ構造体140の一側面は、半導体チップ130の一側面と接する下部構造体を形成し、3次元クリップ構造体140の他側面は、第1基板110又は第2基板120の金属パターンと接する上部構造体を形成して立体的な構造を有することによって、アンフリップ又はフリップ状態に応じて、下部構造体は、第1基板110又は第2基板120に実装された半導体チップ130に接合され、上部構造体は、半導体チップ130が実装されていない第2基板120又は第1基板110に接合されるようにすることができる。
【0067】
一方、
図4と
図7を互いに比較すると、
図4に示すように、半導体チップ130別に2つ以上の3次元クリップ構造体140は、個別に分離形成されるか、
図7に示すように、2つ以上の3次元クリップ構造体140が互いに接続されて一体型に形成されることができる。
【0068】
次に、ターミナルリード150は、1つ以上で構成され、第1基板110、又は第2基板120、又は第1基板110と第2基板120のそれぞれに構造的に接合されて電気的信号が印加されるようにする。
【0069】
また、ターミナルリード150は、2層以上の異なる金属で積層されて形成されることができる。
【0070】
更に、ターミナルリード150は、はんだ付け(soldering)や焼結(sintering)、又は超音波接合(ultrasonic welding)によって第1基板110、又は第2基板120、又は第1基板110と第2基板120のそれぞれ接合されることができる。
【0071】
次に、パッケージハウジング160は、
図2を参照すると、EMC、PBT又はPPS素材で形成され、半導体チップ130を覆うようにモールディングされて絶縁させ、半導体チップ130と3次元クリップ構造体140を保護するようにする。
【0072】
また、第1基板110又は第2基板120の他側面の一部又は全部は、パッケージハウジング160の一側面又は他側面に露出するように形成されて、半導体チップ130の駆動時に発生する発熱をパッケージハウジング160の外部に伝達して放熱するようにすることができる。
【0073】
または、
図8の(a)を参照すると、パッケージハウジング160から露出した第1基板110又は第2基板120の他側面に熱伝導率が良好な放熱フィン171が形成されて放熱フィン171を通じて効果的に放熱するようにすることもできる。このとき、放熱フィン171は、熱伝導率が良好なように多角形又は円形の断面構造を有することができる。
【0074】
また、パッケージハウジング160から露出した第1基板110又は第2基板120の他側面の全表面積の80%以上に、Niを50%以上含有する金属層が塗布されていることができ、外部に露出する特性上、良好な強度と耐熱性と耐食性を維持するようにすることができる。
【0075】
または、
図8の(b)を参照すると、第1基板110又は第2基板120の他側面には、TIM(Thermal Interface Material)を介在して、良好な熱伝導率の特性を有する熱伝達素材181を用いて放熱するヒートシンク180が接合されて、冷媒、冷却油、冷却水などの冷却剤を循環させて冷却効率を向上させるようにすることもできる。
【0076】
例えば、冷却剤は、冷却水、冷却水が含有されている冷却液、冷気(空気)及び窒素のうちのいずれか1つが選択されるか、冷却水、冷却水が含有されている冷却液、冷気及び窒素のうちのいずれか1つ以上を複合して用いることができる。
【0077】
また、熱伝達素材181は、Snが含有されているはんだや、又はAgやCuが含有されているペーストを硬化して第1基板110又は第2基板120の他側面に接合されることができる。
【0078】
一方、
図9は、本発明の他の実施例による半導体パッケージの製造方法の手順図を示す図であり、これを参照して簡略に説明すると、次の通りである。
【0079】
具体的に、半導体パッケージの製造方法は、電気的接続が可能なように特定の金属パターンが形成される1つ以上の第1基板110及び第2基板120を準備する段階(S110)、第1基板110、又は第2基板120、又は第1基板110と第2基板120のそれぞれの一側面に1つ以上の半導体チップ130を接合する段階(S120)、1つ以上の3次元クリップ構造体140の一側面を1つ以上の半導体チップ130の一側面に接合し、1つ以上の3次元クリップ構造体140の他側面を第1基板110、又は第2基板120、又は第1基板110と第2基板120のそれぞれの金属パターンに接合する段階(S130)、1つ以上のターミナルリード150を第1基板110、又は第2基板120、又は第1基板110と第2基板120のそれぞれに接合する段階(S140)、及び半導体チップ130を覆うようにパッケージハウジング160をモールディングする段階(S150)を含む。
【0080】
ここで、半導体チップ130の一側面に接合される3次元クリップ構造体140の一側面は、X軸方向に延びて形成され、第1基板110、又は第2基板120、又は第1基板110と第2基板120のそれぞれの金属パターンに接合される3次元クリップ構造体140の他側面は、X軸方向と垂直なY軸方向に延びて形成される。
【0081】
また、3次元クリップ構造体140の一側面は、半導体チップ130との第1接合接点を形成する第1面141aを含み、他側面は、第1基板110又は第2基板120の金属パターンと第2接合接点を形成する第2面141bと、対向する第2基板120、又は第1基板110の金属パターンと第3接合接点を形成する第3面142とを含むことができる。このとき、第3接合接点は、分離される形態の2つで構成されることができる。また、第1面141aと第2面141bは、第1基板110又は第2基板120と、半導体チップ130との間の高さの差に相応して折り曲げられて段差を形成できる。
【0082】
一方、3次元クリップ構造体140は、具体的に、直交する半十字形状(又は「T」若しくは逆「T」字状)に形成された平板クリップ構造体を準備する第1段階と、第2面141bの両側から半円形アーチ状にベンディングして平板クリップ構造体の他側面を形成する段階によって形成されることができる。
【0083】
このとき、第1段階の後、平板クリップ構造体の一側面の第1面141aと第2面141bを折り曲げて第1面141aと第2面141bとの間に段差を形成する第3段階を更に含むことができる。
【0084】
或いは、第1段階の後、第1面141a又は第2面141bに第1接合接点と第2接合接点のための穿孔をそれぞれ行う第4段階を更に含むことができる。
【0085】
ここで、第3段階及び第4段階の順序は、第3段階の後に第4段階を行うか、或いは第4段階の後に第3段階を行う場合を何れも含む。
【0086】
従って、前述したような構成により、3次元クリップ構造体を通じて、メタルスペーサに代わって、パッケージハウジングのモールディング時に加えられるCTEストレスを効果的に分散させて、押圧ストレスが半導体チップに直接伝達されないように弾性的に吸収し、接合部のクラックの発生を最小化して構造的信頼性を向上させるようにすることができ、基板と接合する3次元クリップ構造体の接合面を物理的に分割してボイドによる品質不良を最小化して接合強度を高めることができ、2つの半円形アーチが対称的に形成された3次元クリップ構造体により、押圧ストレスをより効果的に吸収して分散させ、どちらか一方に偏らず、左右バランスよく分散させることができる。
【0087】
本明細書に記載された実施例と図面に示された構成は、本発明の最も好適な一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないので、本出願時点においてこれらに代える多様な均等物と変形例があり得ることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0088】
110 第1基板
120 第2基板
130 半導体チップ
140 3次元クリップ構造体
141a 第1面
141b 第2面
141c 接合部
142 第3面
143 接着剤
150 ターミナルリード
160 パッケージハウジング
171 放熱フィン
180 ヒートシンク
181 熱伝達素材
d 間隙距離
h1、h2 ホール