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特開2024-102812クラウドソーシングされた危険運転検出およびアクシデント軽減のための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102812
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】クラウドソーシングされた危険運転検出およびアクシデント軽減のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20240724BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240724BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20240724BHJP
【FI】
G08G1/01 D
G16Y10/40
G16Y40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023200404
(22)【出願日】2023-11-28
(31)【優先権主張番号】18/098,779
(32)【優先日】2023-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500043574
【氏名又は名称】ブラックベリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BlackBerry Limited
【住所又は居所原語表記】2200 University Avenue East, Waterloo ON N2K 0A7, Canada
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ニール パトリック アダムス
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー ローソン コミナー
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181DD06
5H181DD07
5H181FF25
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL06
5H181MB02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】クラウドソーシングされた危険運転検出およびアクシデント軽減のための方法およびシステムを提供すること。
【解決手段】車両のためのコンピューティングデバイスにおける方法は、上記車両のセンサを使用して、外部道路ユーザの挙動を観察することと、上記コンピューティングデバイスにおいて、上記外部道路ユーザに対する正規化された安全性スコアを生じさせることと、上記外部道路ユーザに対する識別情報を記録することと、上記正規化された安全性スコアと識別情報とをサーバに報告することとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のためのコンピューティングデバイスにおける方法であって、前記方法は、
前記車両のセンサを使用して、外部道路ユーザの挙動を観察することと、
前記コンピューティングデバイスにおいて、前記外部道路ユーザに対する正規化された安全性スコアを生じさせることと、
前記外部道路ユーザに対する識別情報を記録することと、
前記正規化された安全性スコアと識別情報とをサーバに報告することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記正規化された安全性スコアは、前記コンピューティングデバイスと前記車両のセンサとの間の抽象化レイヤを使用することによって作成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記報告することは、報告を前記サーバに送信することに先立って、複数の外部道路ユーザに対する閾値数の正規化された安全性スコアを取得することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記報告することは、第1の報告の送信から第2の報告の送信までの閾値期間を待機することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記挙動は、前記外部道路ユーザが方向転換または車線変更を信号指示しているかどうか、前記車両がスピード違反であるかどうか、前記車両が間違った側で通過しているかどうか、前記車両が閾値ブレーキングレートを超えてブレーキをかけているかどうか、前記車両が別の車線に進路変更しているかどうか、前記車両が機能しているライトを有しているかどうか、前記車両が煙を放出しているかどうか、前記車両が閾値レベルを上回るタイヤトレッドを有しているかどうか、前記車両が前記車両から部分的に脱落したパーツを有しているかどうか、および前記車両が交通規則を遵守しているかどうかのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記識別情報は、前記外部道路ユーザの写真またはビデオを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記識別情報は、前記コンピューティングデバイスが画像処理を実施し、前記外部道路ユーザに対するナンバープレート番号、メーカー、モデル、カラー、およびマーキングのうちの少なくとも1つを取得することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コンピューティングデバイスにおいて、前記サーバから安全性報告を受信することと、
前記コンピューティングデバイスにおいて、アクションを実施することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記アクションは、
危険な道路ユーザに関する通知をユーザインターフェースに提供することと、
前記車両における車両操作を自動的に実施することと
のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記安全性報告は、回避すべきエリアを含み、前記回避すべきエリアは、安全性閾値レベルを下回る安全性スコアを有し、かつ信頼性閾値レベルを上回る信頼性レベルを有する道路ユーザが、前記エリア内にいることに基づく、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
車両のためのコンピューティングデバイスであって、前記コンピューティングデバイスは、
プロセッサと、
通信サブシステムと
を備え、
前記コンピューティングデバイスは、
前記車両のセンサを使用して、外部道路ユーザの挙動を観察することと、
前記外部道路ユーザに対する正規化された安全性スコアを生じさせることと、
前記外部道路ユーザに対する識別情報を記録することと、
前記正規化された安全性スコアと識別情報とをサーバに報告することと
を行うように構成されている、コンピューティングデバイス。
【請求項12】
前記正規化された安全性スコアは、前記コンピューティングデバイスと前記車両のセンサとの間の抽象化レイヤを使用することによって作成される、請求項11に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項13】
前記コンピューティングデバイスは、報告を前記サーバに送信することに先立って、複数の外部道路ユーザに対する閾値数の正規化された安全性スコアを取得することによって報告するように構成されている、請求項11に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項14】
前記コンピューティングデバイスは、第1の報告の送信から第2の報告の送信までの閾値期間を待機することによって報告するように構成されている、請求項11に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項15】
前記挙動は、前記外部道路ユーザが方向転換または車線変更を信号指示しているかどうか、前記車両がスピード違反であるかどうか、前記車両が間違った側で通過しているかどうか、前記車両が閾値ブレーキングレートを超えてブレーキをかけているかどうか、前記車両が別の車線に進路変更しているかどうか、前記車両が機能しているライトを有しているかどうか、前記車両が煙を放出しているかどうか、前記車両が閾値レベルを上回るタイヤトレッドを有しているかどうか、前記車両が前記車両から部分的に脱落したパーツを有しているかどうか、および前記車両が交通規則を遵守しているかどうかのうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項16】
前記識別情報は、前記コンピューティングデバイスが画像処理を実施し、前記外部道路ユーザに対するナンバープレート番号、メーカー、モデル、カラー、およびマーキングのうちの少なくとも1つを取得することを含む、請求項11に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項17】
前記コンピューティングデバイスは、
前記サーバから安全性報告を受信することと、
前記コンピューティングデバイスにおいて、アクションを実施することと
を行うようにさらに構成されている、請求項11に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項18】
前記アクションは、
危険な道路ユーザに関する通知をユーザインターフェースに提供することと、
前記車両における車両操作を自動的に実施することと
のうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項19】
前記安全性報告は、回避すべきエリアを含み、前記回避すべきエリアは、安全性閾値レベルを下回る安全性スコアを有し、かつ信頼性閾値レベルを上回る信頼性レベルを有する道路ユーザが、前記エリア内にいることに基づく、請求項17に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項20】
命令コードを格納するためのコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記命令コードは、車両のためのコンピューティングデバイスのプロセッサによって実行されると、前記コンピューティングデバイスに、
前記車両のセンサを使用して、外部道路ユーザの挙動を観察することと、
前記外部道路ユーザに対する正規化された安全性スコアを生じさせることと、
前記外部道路ユーザに対する識別情報を記録することと、
前記正規化された安全性スコアと識別情報とをサーバに報告することと
を行わせる、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(開示の分野)
本開示は、車両システムに関し、特に、車両システムによる道路ユーザに関するデータの収集に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
車両、歩行者、およびその他の道路ユーザによる道路の使用は、リスクがあり得る。ハザードの中でもとりわけ、或る位置は、不十分な設計を有し得、一日の或る時間では極めて高い交通量を有し得、特定の時間ではドライバの真正面に太陽光を有し得る。
【0003】
また、道路上の或るドライバは、その他の者よりも高いリスクがある。そのようなドライバは、より多くのアクシデントを引き起こし得る態様(リスクファクターの中でもとりわけ、例えば一貫した急ブレーキ、信号指示を伴わない車線変更、道路の隣接する車線上での妨害、スピード違反等)で運転し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
車両のためのコンピューティングデバイスにおける方法であって、上記方法は、
上記車両のセンサを使用して、外部道路ユーザの挙動を観察することと、
上記コンピューティングデバイスにおいて、上記外部道路ユーザに対する正規化された安全性スコアを生じさせることと、
上記外部道路ユーザに対する識別情報を記録することと、
上記正規化された安全性スコアと識別情報とをサーバに報告することと
を含む、方法。
(項目2)
上記正規化された安全性スコアは、上記コンピューティングデバイスと上記車両のセンサとの間の抽象化レイヤを使用することによって作成される、上記項目に記載の方法。
(項目3)
上記報告することは、報告を上記サーバに送信することに先立って、複数の外部道路ユーザに対する閾値数の正規化された安全性スコアを取得することを含む、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目4)
上記報告することは、第1の報告の送信から第2の報告の送信までの閾値期間を待機することを含む、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目5)
上記挙動は、上記外部道路ユーザが方向転換または車線変更を信号指示しているかどうか、上記車両がスピード違反であるかどうか、上記車両が間違った側で通過しているかどうか、上記車両が閾値ブレーキングレートを超えてブレーキをかけているかどうか、上記車両が別の車線に進路変更しているかどうか、上記車両が機能しているライトを有しているかどうか、上記車両が煙を放出しているかどうか、上記車両が閾値レベルを上回るタイヤトレッドを有しているかどうか、上記車両が上記車両から部分的に脱落したパーツを有しているかどうか、および上記車両が交通規則を遵守しているかどうかのうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目6)
上記識別情報は、上記外部道路ユーザの写真またはビデオを含む、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
上記識別情報は、上記コンピューティングデバイスが画像処理を実施し、上記外部道路ユーザに対するナンバープレート番号、メーカー、モデル、カラー、およびマーキングのうちの少なくとも1つを取得することを含む、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
上記コンピューティングデバイスにおいて、上記サーバから安全性報告を受信することと、
上記コンピューティングデバイスにおいて、アクションを実施することと
をさらに含む、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目9)
上記アクションは、
危険な道路ユーザに関する通知をユーザインターフェースに提供することと、
上記車両における車両操作を自動的に実施することと
のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
上記安全性報告は、回避すべきエリアを含み、上記回避すべきエリアは、安全性閾値レベルを下回る安全性スコアを有し、かつ信頼性閾値レベルを上回る信頼性レベルを有する道路ユーザが、上記エリア内にいることに基づく、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
車両のためのコンピューティングデバイスであって、上記コンピューティングデバイスは、
プロセッサと、
通信サブシステムと
を備え、
上記コンピューティングデバイスは、
上記車両のセンサを使用して、外部道路ユーザの挙動を観察することと、
上記外部道路ユーザに対する正規化された安全性スコアを生じさせることと、
上記外部道路ユーザに対する識別情報を記録することと、
上記正規化された安全性スコアと識別情報とをサーバに報告することと
を行うように構成されている、コンピューティングデバイス。
(項目12)
上記正規化された安全性スコアは、上記コンピューティングデバイスと上記車両のセンサとの間の抽象化レイヤを使用することによって作成される、上記項目のいずれか1項に記載のコンピューティングデバイス。
(項目13)
上記コンピューティングデバイスは、報告を上記サーバに送信することに先立って、複数の外部道路ユーザに対する閾値数の正規化された安全性スコアを取得することによって報告するように構成されている、上記項目のいずれか1項に記載のコンピューティングデバイス。
(項目14)
上記コンピューティングデバイスは、第1の報告の送信から第2の報告の送信までの閾値期間を待機することによって報告するように構成されている、上記項目のいずれか1項に記載のコンピューティングデバイス。
(項目15)
上記挙動は、上記外部道路ユーザが方向転換または車線変更を信号指示しているかどうか、上記車両がスピード違反であるかどうか、上記車両が間違った側で通過しているかどうか、上記車両が閾値ブレーキングレートを超えてブレーキをかけているかどうか、上記車両が別の車線に進路変更しているかどうか、上記車両が機能しているライトを有しているかどうか、上記車両が煙を放出しているかどうか、上記車両が閾値レベルを上回るタイヤトレッドを有しているかどうか、上記車両が上記車両から部分的に脱落したパーツを有しているかどうか、および上記車両が交通規則を遵守しているかどうかのうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれか1項に記載のコンピューティングデバイス。
(項目16)
上記識別情報は、上記コンピューティングデバイスが画像処理を実施し、上記外部道路ユーザに対するナンバープレート番号、メーカー、モデル、カラー、およびマーキングのうちの少なくとも1つを取得することを含む、上記項目のいずれか1項に記載のコンピューティングデバイス。
(項目17)
上記コンピューティングデバイスは、
上記サーバから安全性報告を受信することと、
上記コンピューティングデバイスにおいて、アクションを実施することと
を行うようにさらに構成されている、上記項目のいずれか1項に記載のコンピューティングデバイス。
(項目18)
上記アクションは、
危険な道路ユーザに関する通知をユーザインターフェースに提供することと、
上記車両における車両操作を自動的に実施することと
のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれか1項に記載のコンピューティングデバイス。
(項目19)
上記安全性報告は、回避すべきエリアを含み、上記回避すべきエリアは、安全性閾値レベルを下回る安全性スコアを有し、かつ信頼性閾値レベルを上回る信頼性レベルを有する道路ユーザが、上記エリア内にいることに基づく、上記項目のいずれか1項に記載のコンピューティングデバイス。
(項目20)
命令コードを格納するためのコンピュータ読み取り可能な媒体であって、上記命令コードは、車両のためのコンピューティングデバイスのプロセッサによって実行されると、上記コンピューティングデバイスに、
上記車両のセンサを使用して、外部道路ユーザの挙動を観察することと、
上記外部道路ユーザに対する正規化された安全性スコアを生じさせることと、
上記外部道路ユーザに対する識別情報を記録することと、
上記正規化された安全性スコアと識別情報とをサーバに報告することと
を行わせる、コンピュータ読み取り可能な媒体。
(摘要)
車両のためのコンピューティングデバイスにおける方法であって、上記方法は、上記車両のセンサを使用して、外部道路ユーザの挙動を観察することと、上記コンピューティングデバイスにおいて、上記外部道路ユーザに対する正規化された安全性スコアを生じさせることと、上記外部道路ユーザに対する識別情報を記録することと、上記正規化された安全性スコアと識別情報とをサーバに報告することとを含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示は、図面を参照することによってより良く理解され得る。
【0006】
図1図1は、インサイトジェネレータとインサイトコンシューマとを有する例示的システムを示すブロック図である。
【0007】
図2図2は、エッジドメインのための例示的アーキテクチャを示すブロック図である。
【0008】
図3図3は、安全性スコアを作成し、報告するためのプロセス図である。
【0009】
図4図4は、報告車両からサーバに安全性報告が送信され、サーバが報告を処理する様子を示すデータフロー図である。
【0010】
図5図5は、インサイトコンシューミングデバイスによる報告の受信と、報告に基づいてアクションを取ることとを示すデータフロー図である。
【0011】
図6図6は、本開示の実施形態とともに使用されることが可能な簡略化されたコンピューティングデバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(図面の詳細な説明)
本開示は、車両のためのコンピューティングデバイスにおける方法を提供し、上記方法は、上記車両のセンサを使用して、外部道路ユーザの挙動を観察することと、上記コンピューティングデバイスにおいて、上記外部道路ユーザに対する正規化された安全性スコアを生じさせることと、上記外部道路ユーザに対する識別情報を記録することと、上記正規化された安全性スコアと識別情報とをサーバに報告することとを含む。
【0013】
本開示は、車両のためのコンピューティングデバイスをさらに提供し、上記コンピューティングデバイスは、プロセッサと、通信サブシステムとを備える。
【0014】
上記コンピューティングデバイスは、上記車両のセンサを使用して、外部道路ユーザの挙動を観察することと、上記外部道路ユーザに対する正規化された安全性スコアを生じさせることと、上記外部道路ユーザに対する識別情報を記録することと、上記正規化された安全性スコアと識別情報とをサーバに報告することとを行うように構成されている。
【0015】
本開示は、命令コードを格納するためのコンピュータ読み取り可能な媒体をさらに提供し、上記命令コードは、車両のためのコンピューティングデバイスのプロセッサによって実行されると、上記コンピューティングデバイスに、上記車両のセンサを使用して、外部道路ユーザの挙動を観察することと、上記外部道路ユーザに対する正規化された安全性スコアを生じさせることと、上記外部道路ユーザに対する識別情報を記録することと、上記正規化された安全性スコアと識別情報とをサーバに報告することとを行わせる。
【0016】
本開示は、道路を使用している車両のプロファイルを集めるための合成センサ(synthetic sensor)の使用に関する。そのような合成センサを有する複数の車両は、その後、道路ユーザおよび位置に関する情報をクラウドソーシング(crowd source)し得る。そのようなプロファイルは、道路上で見られる各車両に対する安全性スコアを生成するために使用され得る。
【0017】
様々な運転パターンが観察され得、限定するものではないが、ファクターの中でもとりわけ、車両がそれの方向転換または車線変更を信号指示しているかどうかを決定すること、車両がスピード違反であるかどうかを決定すること、左側運転車両を伴う法的管轄区域において車両が右側で通過しているかどうか(または、右側運転車両を伴う法的管轄区域において左側で通過しているかどうか)を決定すること、車両が急ブレーキをしているかどうかを決定すること、車両がそれの車線内に留まっているかどうか、または車両がその他の車線に進路変更しているかどうかを決定すること、車両が動作しているライトを有しているかどうかを決定すること、車両が低いトレッドを有するタイヤを有しているかどうかを決定すること等がなされ得る。
【0018】
各危険な運転パターンは、その重大性に基づいて重み付けされ、安全性スコアが提案され得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、良好な運転の観察は、合成センサによって行われ得、そのような良好な運転の観察は、安全性スコアにおけるファクターとして使用され得る。
【0020】
さらに、いくつかの場合、危険な運転パターンは、外的な軽減ファクターに基づいて実施され得、そのような軽減ファクターは、安全性スコアを計算するときに使用され得る。例えば、車両が道路上のデブリに起因して別の車線に進路変更する場合、これは、安全性スコアに適用されるネガティブ値を軽減し得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、簡略化のために、各車両が1人だけのドライバを有していることが想定される。しかしながら、その他の実施形態において、ドライバの識別または差別化が特定の車両に対して可能である場合、そのような情報は、ドライバに基づく安全性スコアを区別するために使用され得る。ドライバ識別に対する様々なオプションは、オプションの中でもとりわけ、キャプチャされた画像からの画像処理、ルート/位置/時間に基づく差別化、特に異なる運転挙動が検出された場合、観察されたドライバ挙動を含み得る。
【0022】
合成センサシステムを有する各車両は、ネットワークベースのサーバに、観察された車両に対する安全性スコアをそのような車両に対する識別子とともに報告し得る。そのようなネットワークベースのサーバは、車両に対する識別子をマッチングし得、典型的に特定のエリア内の道路上で見られる車両の安全性スコアを構築し得る。
【0023】
より多くの車両および危険な運転パターンが観察されるので、安全性スコアの精度は経時的に向上し得る。
【0024】
さらに、ネットワークサーバは、識別された車両ごとに信頼性スコアを提供し得る。特に、信頼性スコアは、特定の車両に対するより多くの報告が受信されるのに伴って増大し得る。
【0025】
いったん安全性スコアが利用可能になると、そしていくつかの場合、いったん信頼性スコアが閾値に到達すると、合成センサシステムを有する車両の道路安全性を向上させるために、様々なアクションが取られ得る。合成センサシステムを有する車両によって提供される安全性情報は、合成センサシステムを伴わない車両の道路安全性を向上させるためにも使用され得る。
【0026】
一実施形態において、合成センサシステムを有する車両は、エリア内の1つ以上の車両が危険であることを車両のドライバに警告し得る。いくつかの場合、危険な車両に関する具体的な情報が提供され得る。例えば、車両上のディスプレイまたはオーディオの警告が、ドライバの前方の車両が信号指示無しおよび急ブレーキの履歴を有していることを示し得る。いくつかの場合、合成センサシステムを有する車両によって提供される安全性情報は、エリア内の危険な車両についての知見をネットワークが構築することを助け得る。ネットワークはまた、付近の危険な車両について合成センサシステムを伴わない車両に警告し得る。
【0027】
一実施形態において、車両は、危険な運転パターンを有する車両を回避するように、運転勧告を行い得る。例えば、後方から接近してくるスピード違反車両を回避するために最も右の車線に移動せよというメッセージ、または「前方の車両を通過することを回避するために減速せよ」というメッセージが、ドライバに提供され得る。
【0028】
一実施形態において、車両が自律運転性能を有する場合、車両は、例えば車線変更、ルート変更、または減速等の直接的なアクションを取り得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、アクションは、「最も安全なルート」を使用して車両をルーティングすることであり得る。例えば、車両システムを使用してポイントAからポイントBまでルーティングすることが要求されるとき、しばしば、例えば最短ルートまたは最速ルート等がドライバに提供される。この場合、「最も安全なルート」は、オプションの中でもとりわけ、より多くの事故が発生する特定の位置、現在危険な運転車両が報告されているエリア、車両がその位置に到達する時間に危険な運転車両が存在し得るエリア(例えばそのような危険な車両に対する過去の運転パターンに基づく)を回避するために計算され得る。
【0030】
そのような場合、車両データは、プライバシーを保護するために匿名化され得、ドライバに対する命令は、例えばエリア内の車両は急ブレーキをかけることが既知なので、特段の注意を払うべきであるという単純なものであり得る。その他のオプションも可能である。
【0031】
これらの局面およびその他の局面は、以下に記載される。
【0032】
車両ソフトウェアシステム
【0033】
現代の車両は、多くのセンサを有する。そのようなセンサは、車両上の様々なコンピューティングノード内に分散され得、各コンピューティングノードは、ゼロ、1つ、またはそれよりも多くのセンサドライバに対するアクセスを有し得る。そのようなセンサノードは、さらに、異なる製造業者を有し得、異なるオペレーティングシステムを使用して動作し得る。同様に、そのような分散システムは、ノードが相互に通信する必要がある複数のノードを有し得る。
【0034】
センサまたはセンサのグループは、1つ以上のアプリケーションのために有用であり得る情報を生成するために使用され得る。現代の車両において、1つ以上の物理的センサからの情報は、システム内で有益であり得る「インサイト」を作成するために処理され得る。そのような1つ以上の物理的センサおよびそれと関連付けられた処理は、マイクロサービスまたは合成センサ(SS:Synthetic Sensor)として論理的に参照され得る。マイクロサービスおよび合成センサという用語は、本明細書中では同義的に使用される。
【0035】
具体的には、合成センサは、車両上で稼働するシステム内に動的に配備された特別なアプリケーションであり得る。その役割は、車両内のハードウェアセンサから放出された具体的な信号を監視し、これらの信号に基づいて、インサイトを動的に合成することである。そのような合成センサの例は、高温になっている車両のキャビンに取り残された子供の検出である。そのような合成センサは、とりわけ、例えばイグニション状態、キャビン温度、チャイルドシートロック状態等の車両信号を監視し得る。
【0036】
別の例において、合成センサは、車両上のカメラ、レーダ、ライダ、またはその他のセンサを使用し、別の道路ユーザの運転安全スコアに対するインサイトを導出し得る。
【0037】
合成センサは、その他のタイプのアプリケーション(限定するものではないが、とりわけ、医療アプリケーション、製造アプリケーション、IoT(Internet of Things)アプリケーションを含む)において存在し得、本開示は、車両アプリケーションに限定されない。車両アプリケーションは、以下に例証のために提供される。
【0038】
インサイトは、基本センサデータの任意のコンピュータによって作成される解釈を記載するために本明細書中では使用される。インサイトは、データ集計または相関のように簡単なものまたは人工知能および機械学習のように複雑なものであり得る。例えば、通知のための高低のウォーターマークを提供する温度センサは、「インサイト」として考えられ得る。位置サービスに対し、ジオフェンシングがインサイトである。カメラに対し、外部道路ユーザ認識がインサイトであり得る。カメラおよび関連付けられた画像分析の使用は、通過している車両がスピード違反であるかどうかのインサイトを生成し得る。センサ(例えば温度センサおよびカメラ等)の組み合わせの使用は、高温の車両において車のシートが占有されているかどうかを決定するために人工知能モデルとともに使用され得、これはインサイトであり得る。インサイトの多くのその他の例が可能である。
【0039】
一実施形態において、車両アプリケーションは、開発者のコミュニティにとって親しみやすく、かつアクセス可能な態様で、車両データおよびインテリジェントなインサイトに対する一貫したアクセスを提供するシステムにおいて実装され得る。そのような環境は、クラウド開発者が、一般的なクラウド開発技術およびパラダイムを使用して、車両データに対するインテリジェントなインサイトを導出する合成センサの開発を通して、彼らの到達範囲を車両内のエッジにまで延長することを可能にし得る。そのような環境は、車両データに対する一貫したアクセスを提供し得、その結果、特注のカスタマイズを伴わずに、合成センサは、書き込まれ得、幅広い車両ベースに配備され得る。
【0040】
インサイトは、最初のインストールまたはドメインで稼働しているプロセッサに基づいて生成され得るが、それらは多くの場合、外部ドメインで稼働している認可されたソフトウェアモジュールと共有される必要がある。各々が異なるオペレーティングシステムを使用して稼働され得る。
【0041】
ここで図1に対する参照がなされ、本図は、インサイトの様々なジェネレータおよびコンシューマを示す例示的システムを示している。図1の実施形態は、例証目的のためのものに過ぎず、いくつかの場合、システム内のより少ない参加者が存在し得る。その他の場合、システム内のより多くの参加者が存在し得る。
【0042】
図1の実施形態において、車両100は、コンピューティングシステムおよび通信システムを装備され得る。コンピューティングシステムの一部は、ドメイン110を含み得、これは、以下に記載されるように、インサイトを消費するアプリケーションを有し得る。さらに、車両110上のコンピューティングシステムの一部は、エッジドメイン112を含み得る。いくつかの実施形態において、エッジドメイン112は、インサイトを生成し得る。しかしながら、その他の場合、インサイトは、ドメイン110内で生成され得るか、または、エッジドメイン112内で消費され得る。
【0043】
図1の例において、車両100は、通信システムを利用して、例えば図1においてeNB120として示されているセルラー基地局等のアクセスポイントと通信する。基地局は、コアネットワーク130と通信し得、これは、その後、ネットワーク132を通してクラウドサービスプロバイダ140に通信を転送し得る。通信ネットワーク132は、例えば、インターネット等のワイドエリアネットワークであり得る。
【0044】
その他の実施形態において、コアネットワーク130ではなく、特定のセルラーまたはワイヤレス通信プロトコルと関連付けられた任意の技術が使用され得る。
【0045】
いくつかの実施形態において、クラウドサービス140は、例えばその他の道路ユーザに関連するインサイト等のインサイトの編集のために提供され得る。
【0046】
いくつかの実施形態において、クラウドドメイン150は、インサイトを生成または消費し得る。クラウドドメイン150は、ネットワーク132を通してクラウドサービスプロバイダ140と通信し得、いくつかの場合、例えば車両100上のドメイン112等のその他のドメインと通信し得る。
【0047】
さらに、車両ではなく、デバイス160は、インサイトを消費し得る。デバイス160は、そのようなインサイトを生成または消費することが可能な任意のコンピューティングデバイスであり得、オプションの中でもとりわけ、IoTデバイス、モバイルデバイス、医療機器、車両または車両と関連付けられた機器等を含み得る。デバイス160は、様々な有線または無線技術(限定するものではないが、オプションの中でもとりわけ、イーサネット(登録商標)、ファイバ、セルラー、Wi-Fi、衛星を含む)を利用してネットワーク132を通して通信し得る。
【0048】
デバイス160は、ドメイン162を含み得、これは、いくつかの場合、インサイトを消費し得る。さらに、デバイス160は、エッジドメイン164を含み得、これは、いくつかの場合、インサイトを生成し得る。しかしながら、その他の場合、ドメイン162は、インサイトを生成し得、エッジドメイン164は、インサイトを消費し得る。
【0049】
さらに、図1の実施形態は、車両100またはデバイス160内の2つのドメインのみを示しているが、実際には、1つのみのドメインまたは多数のドメインが車両100またはデバイス160内に存在し得、本開示は、任意の特定のデバイス内で2つのドメインを有することのみに限定されない。特に、デバイス160は、専らインサイトを生成することに使用され得、そのような場合、これは、単一のドメインのみを有し得る。例えば、デバイス160は、交差点と関連付けられたカメラ、または街灯上のセンサ、またはその他のセンサであり得、これらのうちの任意のものは、インサイトを生成することが可能であり得る。その他の場合、デバイス160は、専らインサイトを消費し得、やはり、1つのみのドメインを有する。その他の場合、デバイス160または車両100は、複数のドメインをエッジドメイン112とともに有し得る。
【0050】
各ドメインまたはエッジドメインは、OSアグノスティック(OS-agnostic)であるアーキテクチャを有し得る。具体的には、図1に示されているドメインは、様々なドメインとして実装され得、異なるドメインは、異なるオペレーティングシステムを有し得る。例えば、車両システムにおいて、異なる車両製造業者は、異なるオペレーティングシステムを使用し得る。したがって、エッジドメインに対するシステムアーキテクチャは、システムが異なるプラットフォーム上に実装されることを可能にするように、抽象化レイヤを使用し得る。ここで、図2に対する参照がなされる。
【0051】
図2における実施形態において、アプリケーション210は、アプリケーションレイヤの一部であり得る。アプリケーションは、いくつかの場合、ユーザフェイシング(user facing)であり得、インサイトを取得するための合成センサ220を利用し得る。
【0052】
合成センサ220は、合成センサフレームワークの一部である。特に、開発者は、合成センサを構築するために、合成センサフレームワークを使用し得る。フレームワークは、アクションの中でもとりわけ、ライフサイクルイベントに対するアクション、要求/応答API(application program interface)に対するサービスを定義するためのメカニズムを露出させる。
【0053】
図2のフレームワークは、さらに、ポリシーに基づいて要求およびイベントを認証および認可するための機構を定義し得る。合成センサがインストール/アンインストール/アップデートされると、認証および認可ポリシーをアップデートするために、インストールおよびアップデートサービスが、許可サービスと相互作用し得る。
【0054】
その他のサービスもまた可能である。
【0055】
合成センサ220は、例えば、車両抽象化レイヤ(VAL)250とインターフェースを通して通信し得る。車両抽象化レイヤ250は、車両データにアクセスするためのインサイトフルな付加価値のあるインターフェースを提供する。これは、ハードウェア抽象化レイヤ260を介してセンサドライバおよびハードウェアにアクセスする。
【0056】
車両抽象化レイヤ250は、さらに、車両データに基づいて、インサイトに対するアクセスを提供する。インサイトは、車両データに基づく推論であり、集計のような単純なものまたは機械学習モデルのような複雑なものであり得る。例えば、位置インサイトサービスは、座標位置データおよびより高いレベルのインサイト(例えば、ジオフェンシング等)を提供し得る。
【0057】
インサイトは、このように、図2の実施形態では、インサイトサービス252の一部として提供され得る。そのようなインサイトサービス252は、正規化された形式の車両データに対するアクセスを制御し、付加価値のある推論を提供する。例は、例えばジオフェンシング等のインサイトだけではなく、一貫したフォーマットにおいて座標位置データを提供する位置サービスを含み得る。例は、さらに、例えばベルト状態、重量、位置、およびチャイルドロック状態等の無数のシート情報を提供するシートサービスを含み得る。さらなる実施形態は、カメラサービスを含み得、これは、外部カメラに対してビデオストリームを提供し、可能性としては例えば会話および/またはクリッピング等の機能を提供する。バッテリサービスは、インサイトを提供し得、データの中でもとりわけ、例えば充電状態、消費量、予測残存時間、予測航続距離等のバッテリに対するインサイトおよびアクセスを提供し得る。ドアサービスは、車両ドアおよびドア状態に対する抽象化を提供し得る。
【0058】
インサイトサービスは、概して、センサデータにアクセスするために、センサハードウェアと直接的に相互作用することはなく、その代わりに、これらは、ハードウェア抽象化レイヤ260を活用する。この分離は、ハードウェア抽象化レイヤ260(センサ統合および正規化センサデータ)の責任と、車両抽象化レイヤ250(車両データに対するアクセスの管理および付加価値のあるインサイトの提供)の責任との間の明確な区別を提供する。
【0059】
インサイトサービス252は、車両抽象化および付加価値のあるインサイトを提供するために、複数のハードウェア抽象化レイヤからのセンサデータを活用し得る。
【0060】
ハードウェア抽象化レイヤ(HAL)260は、センサの統合、センサデータの正規化に焦点を当てており、安全な認証済みソフトウェアと非認証済みソフトウェアとの間の障壁となる。これは、HALサービスを通して行われ得、各HALサービス262は、3つの重要な機能、すなわち、基礎となるセンサへの統合、センサデータの正規化、そして必要に応じて、安全な認証済みソフトウェアと非認証済みソフトウェアとの間の障壁の提供を提供し得る。
【0061】
さらに、インサイトサービス252に戻ると、インサイトサービスの1つの機能は、正規化されたセンサデータおよびインサイトに対するアクセス制御を執行することであり得る。サービスクライアントの認証および認可を有効化するために、車両抽象化レイヤサービスは、プラットフォーム抽象化レイヤ270からのポリシーサービス274および許可サービス272を活用し得る。
【0062】
上述されたハードウェア抽象化レイヤは、ハードウェア統合を記載しているが、プラットフォーム抽象化レイヤ(PAL)270は、基礎となるオペレーティングシステム280とプラットフォームとの重要な局面をカプセル化し、これは、重要なプラットフォーム機能性に対する一貫したインターフェースを定義することと、OSバインディングコンポーネントに基礎となるOSの仕様をカプセル化することと、初歩的なOS性能を超える高レベル/粗粒度の抽象化をサポートすることとにより、システムが異なるプラットフォームに移植されることを可能にする。
【0063】
PALインターフェースは、HALおよびVALに対して内的に、およびクライアントに対して外的にの両方で露出され、その結果、これらのコンポーネントのパワーおよびポータビリティは、クライアントに対して拡張される。
【0064】
PAL270は、様々なサービスを有し得る。許可サービス272およびポリシーサービス274は、図2の実施形態において示されている。いくつかの場合、その他のサービス(例えば、ライフサイクルサービス、プロセスサービス、およびインストールおよびアップデートサービス等)が、さらに提供され得る。
【0065】
特に、ポリシーサービス274は、ポリシー値の持続化、ポリシークエリの実施、ポリシー変更の通知、ポリシー優先順位の解決、およびポリシー改変の制御に対して責任を持っている。ここでのポリシーは、様々なコンポーネントの挙動の構成を扱っており、各ポリシーは、一意的な名前、文字列でエンコードされた構成値、および優先順位を有し得る。
【0066】
許可サービス272は、ドメイン許可のための中央機関である。許可によって保護されるサービス性能は、適切な許可が付与されているかどうかを決定するために、許可サービスを活用する。一実施形態において、許可システム認証は、ポータブルオペレーティングシステムインターフェース(POSIX)プロセスユーザおよびグループ割り当て(UID/GID)によって下支えされている。許可サービスは、基礎となるオペレーティングシステム内のそれらのプロセスに割り当てられたUIDに基づいて、コンポーネントを識別/認証する。UIDは、基礎となるオペレーティングシステムによって保持され、正当であると見做される(実績のある/信頼されたスキームを使用して基礎となるOSによってアクセスおよび管理される)。
【0067】
したがって、図2の実施形態では、オペレーティングシステム280および具体的なセンサドライバ290に対してアグノスティックなシステムが提供される。
【0068】
交通挙動のキャプチャ
【0069】
ここで図3に対する参照がなされ、本図は、車両を示しており、上記車両は、そのような車両の周辺の道路ユーザの挙動に関するインサイトを生成する。図3の実施形態において、プロセスは、ブロック310から開始し、ブロック320に進み、そこでは、車両上のコンピューティングデバイスは、外部道路ユーザの挙動を観察し得る。
【0070】
例えば、図1および2の実施形態を利用することにより、車両は、外部環境に関する情報を提供することが可能な1つ以上のセンサを有し得る。そのようなセンサは、オプションの中でもとりわけ、例えば外向きのカメラ、レーダ、ライダ、その他の車両からの通信を受信することが可能な通信サブシステムを含み得る。
【0071】
そのようなセンサデータは、その後、抽象化され、インサイトサービス252に提供され、これは、その後、センサデータに関するインサイトを生成するために、合成センサ220によって使用され得る。いくつかの場合、インサイトサービスまたは合成センサは、カメラによってキャプチャされる画像/ビデオから所望の情報を抽出するために、画像分析を使用し得る。
【0072】
ブロック320における観察は、外部道路ユーザが示している任意の挙動であり得る。例えば、外部道路ユーザが、方向指示器を使用することなしに車線変更または方向転換することを見られた場合、これは、ブロック320における観察となり得る。逆に、車両が方向転換または車線変更を信号指示している場合、これはまた、ブロック320における観察であり得る。
【0073】
同様に、左側運転車両に対して右側にいるか、または、右側運転車両に対して左側にいるかに関わらず、車両が正しくない車線を通過している場合、これは、ブロック320における観察であり得る。
【0074】
車両が急ブレーキをかけていることが観察された場合、これは、ブロック320における観察であり得る。さらに、より多くの制御されたブレーキが観察された場合、これはまた、ブロック320における観察であり得る。いくつかの実施形態において、急ブレーキは、例えば、閾値よりも大きい減速レートに基づいて決定され得る。
【0075】
ブロック320における観察は、さらに、車両がそれの車線にとどまっているのか、または、その他の車線を妨害しているのかを追跡し得る。
【0076】
ブロック320における観察は、さらに、車両の機械的な道路走行可能性であり得る。例えば、車両が機能しないライトを有している場合、これは、車両が安全ではない可能性があることを示し得る。その他の場合、多量の煙が車両から放出されている場合、これは、車両が安全ではないことを示し得る。車両のパーツが外れている場合(例えば、吊り下げバンパー等)、これもまた、車両が安全ではないことを示し得る。いくつかの場合、タイヤトレッドが観察され得、磨耗したタイヤは、車両が安全ではないことを示し得る。
【0077】
さらに、本開示は、その他の道路ユーザに関する観察に限定されず、道路のハザードまたは状況に関する観察を含み得る。例えば、停止サインが木または茂みによって遮られ、車両センサによって最後の瞬間まで視認可能ではない場合、停止サインに関する位置および情報が注記および報告され得る。道路上のデブリまたは大きな穴が存在する場合、ハザードに関する位置および情報が作成および報告され得る。
【0078】
なおもさらなる場合、ハザードは、時間的なものであり得る。例えば、太陽は、一日の特定の特定の時間においては特定の道路上にいる報告車両の真正面にあり得、または、一日の或る時間においてはビルから反射され得る。その他の場合、交差点は、人々がより急いでいるときであるラッシュアワーの間はより危険であると見做され得る。したがって、ブロック320における観察は、さらに、時間コンポーネントを含み得る。さらに、当業者によって認識され得るように、そのような時間コンポーネントは、太陽の位置に関係している場合、季節の間で変化し得る。
【0079】
その他の観察が、ブロック320においてなされ得る。
【0080】
ブロック320において外部道路ユーザの挙動を観察することに加えて、車両コンピューティングデバイスは、ブロック330において、外部道路ユーザおよび/または位置を識別または部分的に識別し得る。
【0081】
いくつかの場合、これは、サーバにおける処理のために外部道路ユーザの画像/ビデオをキャプチャすることを伴い得る。
【0082】
いくつかの場合、これは、画像/ビデオをキャプチャし、車両コンピューティングデバイス上でいくつかの処理を行うことを伴い得る。例えば、車両コンピューティングデバイス上の処理は、外部車両のナンバープレートを見出すことと、そのような画像からナンバープレート番号を導出することとのために、画像認識技術を使用し得る。
【0083】
いくつかの場合、画像は、外部道路ユーザに対するメーカー、モデル、カラー、またはその他の区別となる特徴を見出すために使用され得る。
【0084】
いくつかの場合、通信サブシステムは、その他の車両からインテリジェントな輸送システムメッセージを受信し、そのようなメッセージ内の識別情報を使用し得る。
【0085】
いくつかの場合、ナンバープレートの部分的な識別のみが利用可能であり得る。例えば、ファクターの中でもとりわけ、画像が陰影を有し得る(その場合、ナンバープレートの一部が判読不能となる)こと、ナンバープレートが部分的に遮られ得ること、ナンバープレートが古く、数字または文字の一部が剥がれており、それにより、背景から区別することができないこと等があり得る。この場合、部分的な識別が、外部車両に対して格納され得る。
【0086】
いくつかの場合、車両識別情報は、取得可能でない可能性があるが、位置情報は、利用可能であり得る。例えば、インサイトを生成する車両が、アクシンデントが発生した交差点を運転している場合、アクシデントに巻き込まれた車両は識別可能ではない可能性があるが、それでもなお、画像処理は、アクシデントが発生したことと、アクシデントの位置とを識別することが可能であり得る。
【0087】
さらに、いくつかの場合、ハザードが報告され、この場合、具体的な道路ユーザの識別は必要とはされないが、むしろハザードの位置が識別され得る。
【0088】
いくつかの場合、車両識別および位置情報の両方がキャプチャされ得る。
【0089】
さらに、ブロック330の識別は、車両に対するものであるが、いくつかの場合、それは、車両のドライバに対するものでもあり得る。特に、車両は、複数のドライバによって運転され得、各特定のドライバの運転特性は、車両の安全性スコアに影響し得る。したがって、いくつかの場合、画像は、外部道路ユーザ安全性プロファイルをさらに区別するための車両のドライバのキャプチャであり得る。
【0090】
センサデータおよび観察に基づいて、ブロック340において、安全性スコアが、外部道路ユーザまたは位置に対して作成され得る。
【0091】
観察に基づいて、安全性スコアに対して重み付けファクターが適用され得る。例えば、二重線上の通過は、非常に安全ではないと考えられ、例えば、テールライトが切れている場合よりもこの挙動に対してより高い重み付けファクターを有し得る。重み付けファクターはまた、ポジティブな挙動に対しても適用され得、そのようなポジティブな挙動の中でもとりわけ、例えば車線内に留まる、ゆっくりブレーキをかける、規則通りに信号指示を出して方向転換する等に対して適用され得る。
【0092】
さらに、重み付けファクターは、運転挙動に対する軽減ファクターに基づいて調整され得る。例えば、ドライバが道路上の障害物を回避するために自らの車線から離れた場合、ドライバに不具合があると思われるので、この挙動は、ドライバの逸脱よりもより軽い厳しさで重み付けされ得る。
【0093】
したがって、重み付けファクターは、アクシデントを引き起こしたことが証明された挙動に基づくファクターを使用し得る。例えば、観察された第1のアクションに対する重み付けファクターは、識別されたアクションタイプに基づいて観察された第2のアクションに対する重み付けファクターとは異なり得る。
【0094】
いくつかの場合、安全性スコアは、車両において使用されている合成センサに基づいて正規化され得る。例えば、特定のサーバに報告している全ての車両が同じ合成センサを使用している場合、合成センサからの出力は、車両製造業者、センサ製造業者、センサドライバ等に関わらず、正規化され得、したがって、サーバにおける複数の車両からの観察の組み合わせを可能にし得る。
【0095】
その他の場合、複数の車両上に実装され得る様々な合成センサの間での標準または正規化が作成され得、やはり、サーバが複数の車両からの観察を利用することを可能にする。
【0096】
その他の場合、合成センサデータは、その他のデータとともにサーバに提供され得、これは、サーバが、データを作成する合成センサに基づいてデータを正規化することを可能にし得る。
【0097】
図3において、ブロック350において、合成センサからの安全性スコアは、サーバに報告され得る。上記で示されたように、安全性スコアは、その他のデータ(例えば、データの中でもとりわけ、位置および/または外部道路ユーザに対する識別情報、安全性スコアを作成するために使用されている合成センサに関する情報等)とともに報告され得る。
【0098】
さらに、いくつかの例において、安全性スコアは、車両コンピューティングデバイスにおいて導出されない可能性があるが、むしろブロック350における報告は、例えば画像キャプチャ、ビデオ等の情報を、識別情報(例えば、位置、または車両における画像の処理によって導出された任意の情報等)とともに含み得る。この場合、ブロック340は、オプションであり、サーバは、安全性スコアを導出し得る。
【0099】
さらに、いくつかの実施形態において、ブロック350における報告は、継続的ではない可能性がある。例えば、車両は、オプションの中でもとりわけ、閾値情報レベルに到達するまで或る量の情報を入手し得るか、または、閾値持続時間に到達するまで待機し得る。そのような閾値が満たされると、車両コンピューティングデバイスは、ブロック350において報告を送信し得、これは、いくつかの場合、最後の報告期間以降のデータの編集を含み得る。
【0100】
さらに、閾値が使用されている場合であっても、イベントが即時報告を正当化すると見做される場合、ブロック350の報告は、即時に行われ得る。例えば、アクシデントが観察される場合、これは、即時報告が必要であり得る高い優先順位のイベントであり得る。その他のオプションも可能である。
【0101】
いくつかの場合、車両は、サーバと通信不可能であり得、ブロック350における報告は、通信が再確立されるまで遅延され得る。例えば、オプションの中でもとりわけ、車両は、セルラー接続性が存在しない遠隔領域において運転していることがあり得る。
【0102】
ブロック350における報告は、いくつかの実施形態では、情報のプライバシーを保証するために例えば暗号化等のセキュリティを有し得る。さらに、いくつかの場合、安全性報告の信憑性を保証するために、様々なモジュール(例えば、合成センサ、または車両コンピューティングデバイス等)が報告にサインし得る。サーバは、車両コンピューティングセンサまたは合成センサの公開鍵を知り得、報告のソースを保証し得る。
【0103】
ブロック350から、プロセスはその後、ブロック360に進み、終了する。
【0104】
報告の送信およびサーバによって取られるアクションは、図4の実施形態においてさらに見られ得る。特に、図4において、インサイトを生成する車両410は、サーバ412と通信し得る。サーバ412は、複数の車両410から通信を受信し得る任意のサーバまたはクラウドサービスであり得、危険道路ユーザインサイトサーバとして考えられ得る。当業者によって認識され得るように、サーバは、図1の実施形態からのコアネットワーク130、クラウドサービス140、またはクラウドドメイン150のうちの任意のものの一部であり得る。
【0105】
図4の実施形態において、車両410は、例えば図3の実施形態の技術を利用して1つ以上の報告420を生成し得、メッセージ430で示されているように報告をサーバ412に送信し得る。図3のブロック350に関して示されているように、ブロック430における報告の送信は、例えば位置および/車両に対する識別情報等の情報を含み得、画像データ、rawセンサデータ、ビデオまたはその他のそのような情報を含み得、そのような情報の中でもとりわけ、報告を生成するために使用される合成センサに関する情報または報告内の情報を含み得る。しかしながら、本開示は、メッセージ430に送信されるデータのタイプに限定されず、より多いまたはより少ないデータフィールドが、メッセージ430において提供され得る。
【0106】
さらに、報告メッセージ430は、信憑性のために暗号化および/またはサインされ得る。
【0107】
メッセージ430を受信すると、サーバ412は、最初に、メッセージ430内の各報告を、報告に関連する位置および/または道路ユーザに対する識別情報とマッチングするように試みる。
【0108】
例えば、いくつかの場合、完全なナンバープレート番号が、メッセージ430の報告内に提供され得る。この場合、メッセージ内で受信される情報は、ブロック440において識別されたナンバープレートを有する車両と関連付けられ得る。
【0109】
しかしながら、いくつかの場合、部分的な情報のみが、報告メッセージ430内に提供され得る。この場合、サーバ412は、異なる車両から受信された報告を組み合わせ、道路ユーザと報告情報とをマッチングしようと試み得る。例えば、複数の報告は、複数の報告車両から受信され得る。そのような報告車両が相互に地理的に近接している場合、いくつかの場合、報告内の部分的な識別が相関され得る。
【0110】
例えば、第1の報告が、車両の時間、位置、メーカー、モデル、およびカラーを部分的なナンバープレートとともに含み、第2の報告が、車両の第2の時間、第2の位置、第2のメーカー、第2のモデル、および第2のカラーを異なる部分的なナンバープレートとともに含む場合、サーバ412は、2つの報告を比較し得る。例えば、第1の報告における車両が、報告間の時間差内に第2の報告の位置に移動していることができていない場合、2つの車両は相関されることができない。
【0111】
しかしながら、第1の報告内の車両が、2つの報告間の時間差内に第2の報告内で識別される位置に移動した可能性があり、車両に対する識別特徴が合致した場合、相関の可能性が存在し得る。このような場合、部分的なナンバープレート番号間に重複が存在する場合、2つの車両報告は、単一の車両に帰属され得る。
【0112】
これは、しかしながら、1つの例に過ぎず、その他の相関の方法が当業者にとって明白であり得る。
【0113】
いくつかの場合、相関は、例えば車両に関して受信された以前の報告から、サーバ412においてデータベースに格納されている車両情報に対して実施され得る。
【0114】
図4のプロセスは、その後、ブロック442に進み、そこでは、サーバ412が、道路ユーザおよび/または位置に対する安全性報告を生成またはアップデートし得る。特に、ブロック440において識別される情報が車両に対して何も存在しない場合、新しい安全性報告がその車両に対して作成され得る。
【0115】
しかしながら、車両に関する情報が既にデータベース内に存在している場合、車両に対する安全性スコアは、新しい報告からの情報を用いてアプデ―トされ得る。さらに、いくつかの場合、新しいデータは、スコアをアップデートする代わりに、またはそれに加えて、後続の処理のために格納され得る。例えば、より多くの文脈があると、データは異なって解釈され得る。さらに、いくつかの場合、スコアは、より多くのデータが受信されるまで決定されることが可能ではない可能性がある。
【0116】
さらに、安全性報告に対する信頼性スコアは、より多くの情報が車両に対して現在受信されているという事実に基づいてアップデートされ得る。特に、車両が安全であることまたは安全ではないことの信頼性は、複数の報告が車両に対して受信されたという事実に基づいて増大し得る。
【0117】
さらに、いくつかの場合、信頼性スコアは、単一の車両が同じ外部道路ユーザに対する複数の報告を提供している場合よりも、安全性報告が異なる報告車両から受信された場合により増大し得る。
【0118】
プライバシーのために、いくつかの場合、識別情報(例えば、ナンバープレート情報等)は、サーバ412においてハッシュとして格納され得る。
【0119】
いくつかの場合、車両に対する安全性情報がアップデートされると、報告450は、メッセージ450で示されているように、様々な報告車両410に提供され得る。しかしながら、メッセージ450は、オプションである。
【0120】
図4の実施形態は、車両からの報告を示しているが、実際には、インサイトサーバ412は、その他のソースからの情報をさらに受信および処理し得る。例えば、交差点の交通カメラは、挙動を記録し得、そのような挙動に関する情報(合成センサが交通カメラと関連付けられている場合における処理された情報、またはraw情報のいずれかを含む)は、サーバ412に提供される。raw情報の場合、インサイトサーバ412は、データを処理し、報告430内に受信されたスコアと一貫する安全性スコアを提供するために、合成センサをさらに含み得る。この情報は、その後、ブロック440においてマッチングされ得、ブロック442において実施されるように、道路ユーザおよび/または位置に対するアップデートされた安全性報告が作成される。
【0121】
いくつかの場合、情報はさらに、オプションの中でもとりわけ、警察の報告、アクシデントの統計に関する市のデータベース、閉回路カメラ、セキュリティカメラ、道路建設に関する市の記録、建設会社のデータベース等に由来するものであり得る。そのような外部情報は、車両ユーザに対する運転ハザードの包括的なオーバービューを提供するために、報告車両から受信された報告と組み合わされ得る。
【0122】
図4の実施形態に基づくと、複数の報告車両は、それらが見た道路ユーザおよび/または位置に対する安全性スコアを観察および生成し得、サーバ412に対してこれらの結果をアップロードし得る。経時的に、安全性スコアは、典型的に特定のエリア内の道路上で見られる道路ユーザに対して作成され得る。いくつかの場合、安全性スコアは、一日の時間、季節、またはその他の時間的基準に基づいて変動し得る。
【0123】
安全性スコアは、より多くの車両および危険な運転パターンが観察されると時間に伴って増大し得る。
【0124】
良好な運転挙動もまた同時に観察され、安全性スコアに供給され得る。
【0125】
安全性報告に基づくアクションの実施
【0126】
いったんインサイトサーバが特定の道路ユーザに関する情報(情報の中でもとりわけ、特定の位置、地理的エリア等)を有すると、そのような情報は、システム内の様々な参加者に対して配信され得、報告に基づいてアクションが取られ得る。ここで、図5に対する参照がなされる。
【0127】
図5の実施形態において、インサイトを消費するデバイス510は、インサイトサーバ512と通信する。特に、インサイトを消費するデバイスは、オプションの中でもとりわけ、例えば車両、歩行者に対するモバイルデバイス、インフラストラクチャユニット等であり得る。
【0128】
インサイトを消費するデバイス510は、それがモバイルである場合、インサイトサーバ512に対し、メッセージ530内でその位置を報告し得る。その他の場合、メッセージ530は、インサイトを消費するデバイスが起動中であり、アップデートされた情報メッセージを欲していることのインジケーションであり得る。
【0129】
いくつかの場合、メッセージ530は、車両ナビゲーションシステムに入力されたルートを含み得、デバイスが現在どこにいて、それが特定の時点にどこにいることを意図しているかを示す。いくつかの場合、メッセージ530は、行程の始点および目的地のみを含み得る。
【0130】
いくつかの場合、メッセージ530は、位置、スピード、および移動の方向を含み得る。
【0131】
その他の情報もまた、メッセージ530において提供され得る。
【0132】
メッセージ530を受信すると、ブロック540において、インサイトサーバ512は、デバイス510に対して安全性報告を作成し得る。例えば、安全性報告は、デバイス510の周辺の領域内の安全性情報に基づき得る。そのような領域は、デバイス510の位置からの閾値距離に基づいて設定され得る。いくつかの場合、閾値距離は、スピード、移動の方向、またはデバイス510に対するその他のファクターに依存して変動し得る。
【0133】
いくつかの場合、安全性報告は、具体的な車両に関する情報を提供し得る。例えば、報告は、ナンバープレート「ABC123」を有するHondaの赤いCivicが近くにいることと、この車両が信号指示を伴わずに車線を変更した履歴を有していることとを示し得る。
【0134】
いくつかの場合、報告は、プライバシーの理由により、情報を匿名化し得る。この場合、報告は、エリア内の1つ以上の車両が信号指示を伴わずに車線を変更した履歴を有することを示し得るが、具体的な車両に関する情報を与えることはない。
【0135】
いくつかの場合、報告は、その他の道路ユーザに関する情報ではなく、またはそれに加えて、或る位置に関する情報を提供し得る。例えば、情報は、特定の交差点が危険であることを示し得る。そのようなインジケーションは、時間的であり得、いくつかの場合、特定の交差点が一日のうちのこの時間において危険であることを示し得る。
【0136】
いくつかの場合、報告は、ハザード、危険なエリア等を回避するために、デバイスが辿るべきルートを示唆し得る。
【0137】
いくつかの場合、報告は、車両、その他の道路ユーザ、位置、またはハザードに対して与えられたスコアが、決定された閾値を満たすかまたは超える場合にのみ、そのような車両、その他の道路ユーザ、位置、またはハザードを含み得る。
【0138】
いくつかの場合、閾値は、システム内の全ての道路ユーザに対して一様であり得る。
【0139】
いくつかの場合、閾値は、デバイス510から構成可能であり得る。例えば、「リスク許容度」プロファイルは、デバイス510において、受信された報告の数を規制するために設定され得る。
【0140】
いくつかの場合、報告は、それの安全性スコアが閾値レベルを下回る信頼性レベルを有する車両を考えない可能性がある。
【0141】
報告は、メッセージ550において、サーバ512からデバイス510に情報またはインサイトとして送信され得る。
【0142】
メッセージ550を受信すると、デバイス510は、ブロック560において情報を消費し得、ブロック570においてアクションを実施し得る。ブロック570におけるアクションは、様々なアクションを含み得、非限定的な例が以下に提供される。
【0143】
いくつかの場合、アクションは、ドライバにアラートを提供し得る。このアラートは、任意のユーザインターフェースを使用し得、例えば、車両内のディスプレイ、車両内のオーディオフィードバック、または車両内のハプティックフィードバックのうちの1つ以上を含み得る。例えば、車両のインフォテイメントシステムは、ディスプレイを含み得、これは、危険なドライバが周辺にいること、または、車両が危険な交差点に接近していることのアラートを有し得る。その他の場合、ディスプレイは、ヘッドアップディスプレイであり得る。その他のオプションも可能である。
【0144】
いくつかの場合、オーディオアラートは、ハザードを示すトーンまたはビープ音、またはハザードの詳細を提供する音声合成を含み得る。
【0145】
いくつかの場合、ルートが計画された場合、アクションは、ハザードを回避するための代替的なルートを提案することであり得る。これは、代替案として、ナビゲーションシステム上に提供され得る。例えば、ナビゲーションシステムは、しばしば、オプションの中でもとりわけ、有料道路を回避するための、最速ルート、最短ルートを選定するオプションを有する。この場合、ナビゲーションシステムは、ユーザに対するオプションとして「最も安全なルート」を含み得、ユーザがそのようなルートを選択することを可能にする。さらに、いくつかの場合、「最も安全なルート」が適応可能であり、危険な車両がエリアに入っている場合、ルートが変更され得る。したがって、図5のデータフローは、継続的に適用され得る。
【0146】
いくつかの場合、アクションは、車両を制御するものであり得る。例えば、制御は、ブレーキに適用され得、車線を自動的に変更するか、または、より安全なルートに車両を操縦し得る。これは特に、車両が自律車両である場合に当てはまるが、車両が、自律特徴(例えば、インテリジェントクルーズ制御等)またはある状況下でドライバのアクションをオーバーライドする性能を有している場合にも適用可能であり得る。
【0147】
図5のシステムにおけるセキュリティは、合成センサシステムに登録するための認証の使用に基づいて確立され得る。例えば、システムは、デバイス製造の間に実装され得、したがって、システム内の通信に対する認証は、その時にインストールされ得る。いくつかの場合、新しい認証は、デバイス510にプロビジョニングされ得る。各場合において、デバイス510とサーバ512との間に(そして、図4からの車両410とサーバ412との間に)信頼関係が存在する。
【0148】
図1~5の実施形態は、車両または道路ユーザのサブセットのみが合成センサシステムの一部である場合であっても機能し得る。この場合、合成センサシステムの一部である車両または道路ユーザは、合成センサシステムの一部である者のみではなく、その他の道路ユーザを観察し得る。
【0149】
上記のドメイン、ネットワーク要素、クライドサービス、ノード、車両コンピューティングデバイス、およびその他のコンピューティングプラットフォームは、任意のコンピューティングデバイスを使用して実装され得る。コンピューティングデバイスの1つの簡略図が、図6に関して示されている。図6のコンピューティングデバイスは、任意の固定コンピューティングデバイスまたはモバイルコンピューティングデバイスであり得る。
【0150】
図6において、デバイス610は、プロセッ620および通信サブシステム630を含み、プロセッサ620および通信サブシステム630は、上述された実施形態の方法を実施するために協働する。通信サブシステム630は、デバイス610がその他のデバイスまたはネットワーク要素と通信することを可能にし、実施される通信のタイプに基づいて変動し得る。さらに、通信サブシステム630は、複数の通信技術(任意の有線または無線通信技術を含む)を含み得る。
【0151】
プロセッサ620は、プログラム可能論理を実行するように構成され、これは、データとともにデバイス610上に格納され得、図6の例ではメモリ632として示されている。メモリ632は、命令コードを格納する任意の有形、非一過性のコンピュータ読み取り可能な格納媒体であり得、上記命令は、プロセッサ620によって実行されると、デバイス610に、本開示の方法を実施させる。コンピュータ読み取り可能な格納媒体は、例えば光学(例えば、CD、DVD等)、磁気(例えば、テープ)、フラッシュドライブ、ハードドライブ、または当該技術分野において公知のその他のメモリ等の有形または一過性/非一過性の媒体であり得る。
【0152】
代替的に、またはメモリ632に加えて、デバイス610は、例えば通信サブシステム630を通して、外部格納媒体からデータまたはプログラム可能論理にアクセスし得る。
【0153】
図6の例において、1つ以上のセンサ640は、コンピューティングデバイスと関連付けられ得る。しかしながら、これは、オプションであり、いくつかの場合、コンピューティングデバイス610は、センサとは関連付けられていない可能性がある。
【0154】
デバイス610の様々な要素間の通信は、1つの実施形態では、内部バス660を通したものであり得る。しかしながら、その他の形式の通信も可能である。
【0155】
本明細書中に記載されている実施形態は、本願の技術の要素に対応する要素を有している構造、システム、方法の例である。本明細書の記載は、当業者が本願の技術の要素に同様に対応する代替的な要素を有する実施形態を構成および使用することを可能にし得る。本願の技術の意図された範囲は、したがって、本明細書に記載された本願の技術とは異ならないその他の構造、システムまたは方法を含み、本明細書に記載された本願の技術からの非実質的な差異を有するその他の構造、システムまたは方法をさらに含む。
【0156】
動作は、特定の順序で図面に描写されているが、これは、所望の結果を達成するために、そのような動作が示されている特定の順序または連続的順序で実施されるべきであること、または、全ての例証されている動作が実施されるべきであることを必要としているとして理解されるべきではない。或る状況において、マルチタスク処理および並列処理が、採用され得る。さらに、上述された実装における様々なシステムコンポーネントの分離は、全ての実装においてそのような分離を必要としているとして理解されるべきではなく、記載されたプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品内に一緒に統合され得るか、または、複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることが理解されるべきである。
【0157】
また、離散的または分離的であるとして様々な実装において記載され、例証された技術、システム、サブシステム、および方法は、その他のシステム、モジュール、技術、または方法と組み合わされ得るか、または統合され得る。相互に結合されるかまたは直接的に結合されるかまたは通信するとして示されるかまたは議論されたその他のアイテムは、電気的、機械的、またはその他に関わらず、いくつかのインターフェース、デバイス、または中間コンポーネントを通して間接的に結合され得るかまたは通信し得る。その他の変更、置換、および代替は、当業者によって確かめられることができ、構成され得る。
【0158】
上記の詳細な記載は、様々な実装に適用されるものとして本開示の基本的な新規な特徴を示し、記載し、指摘してきたが、例証されたシステムの形式および詳細における様々な省略、置換、および変更が、当業者によってなされ得ることが理解され得る。加えて、方法ステップの順序は、それらが特許請求の範囲内に現れる順序によって示唆されてはいない。
【0159】
メッセージが電子デバイスに送信される/電子デバイスから送信されるとき、そのような動作は、即時的なものまたはサーバから直接的なものではない可能性がある。それらは、本明細書に記載されるデバイス/方法/システムをサポートするサーバまたはその他のコンピューティングシステムインフラストラクチャから、同期的または非同期的に送達され得る。上述のステップは、全体的または部分的に、デバイス/インフラストラクチャに対する/デバイス/インフラストラクチャからの同期的/非同期的通信を含み得る。さらに、電子デバイスからの通信は、ネットワーク上の1つ以上のエンドポイントに対するものであり得る。これらのエンドポイントは、例えばサーバ、分散コンピューティングシステム、ストリームプロセッサ等によってサービス提供され得る。また、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)は、電子デバイスに通信を提供し得る。例えば、典型的なサーバ応答とは異なり、サーバは、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)に対するデータを提供するかまたは示し得、例えば電子デバイスの後続のアクティビティ等の後の時間における電子デバイスによるダウンロードを待機し得る。したがって、データは、サーバから直接的に送信され得るか、または、システムの一部として、またはシステムとは別個に、その他のインフラストラクチャ(例えば、分散インフラストラクチャまたはCDN等)から送信され得る。
【0160】
典型的には、格納媒体は、半導体メモリデバイス(例えば、ダイナミックまたはスタティックランダムアクセスメモリ(DRAMまたはSRAM)、消去可能およびプログラム可能リードオンリーメモリ(EPROM)、電気的消去可能およびプログラム可能リードオンリーメモリ(EEPROM)、およびフラッシュメモリ等)、磁気ディスク(例えば、固定ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、リムーバブルディスク等)、テープを含む別の磁気媒体、光学媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)またはデジタルビデオディスク(DVD)等)、または別のタイプの格納デバイスのうち任意のまたはいくつかの組み合わせを含み得る。上述された命令は、1つのコンピュータ読み取り可能または機械読み取り可能な格納媒体上に提供され得、または、代替的に、複数のノードを有している可能性がある大きなシステム内に分散された複数のコンピュータ読み取り可能または機械読み取り可能な格納媒体上に提供され得る。そのようなコンピュータ読み取り可能または機械読み取り可能な格納媒体または複数のコンピュータ読み取り可能または機械読み取り可能な格納媒体は、品物(または製品)の一部であると考えられる。品物または製品は、任意の製造された単一のコンポーネントまたは複数のコンポーネントを参照し得る。格納媒体または複数の格納媒体は、機械読み取り可能な命令を実行する機械内に配置され得るか、または、そこから機械読み取り可能な命令が実行のためにネットワークにわたってダウンロードされ得る遠隔サイトに配置され得る。
【0161】
上述の記載では、多数の詳細が本明細書中に開示された対象の理解を提供するために述べられている。しかしながら、実装は、これらの詳細のうちのいくつかを伴わずに実践され得る。その他の実装は、上述された詳細からの改変またはバリエーションを含み得る。添付の特許請求の範囲は、そのような改変およびバリエーションをカバーすることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6