(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102813
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】消耗品回収装置及び核酸検出分析装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20240724BHJP
【FI】
G01N35/04 D
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023201384
(22)【出願日】2023-11-29
(31)【優先権主張番号】202310101119.7
(32)【優先日】2023-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518344542
【氏名又は名称】シェンチェン・ニュー・インダストリーズ・バイオメディカル・エンジニアリング・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100158920
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 英樹
(72)【発明者】
【氏名】肖 豪
(72)【発明者】
【氏名】何 国耀
(72)【発明者】
【氏名】熊 英超
(72)【発明者】
【氏名】仇 ▲澤▼峰
(72)【発明者】
【氏名】彭 洋洋
(72)【発明者】
【氏名】石 豪
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 愿
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058ED11
2G058ED35
(57)【要約】
【課題】 本発明は、消耗品回収装置及び核酸検出分析装置を提供する。
【解決手段】 消耗品回収装置は、ベアリングフレームと、消耗品載置領域が設けられている受け板構造と、ラック、ラックに移動可能に設けられた取付ビーム、及び、ラックに設けられ、取付ビームを移動駆動する駆動構造を含む回収構造であって、取付ビームには、水平方向に沿って間隔をあけて設けられた複数の回収ロッドが設けられており、各回収ロッド内に気流路を有する、回収構造と、ベアリングフレームに設けられた剥離構造であって、複数の回収ロッドに1対1に対応して設けられた複数の切欠き構造を含み、切欠き構造の幅は、回収ロッドの直径よりも大きい、剥離構造と、を含む。本発明の技術態様を適用すると、関連技術における消耗品回収装置の占有スペースが大きいという問題点を効果的に解決することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベアリングフレーム(10)と、
前記ベアリングフレーム(10)に設けられ、消耗品載置領域が設けられている受け板構造(20)と、
前記ベアリングフレーム(10)に隣り合って設けられた回収構造(30)であって、ラック(31)と、前記ラック(31)に移動可能に設けられた取付ビーム(32)と、前記ラック(31)に設けられ、前記取付ビーム(32)を移動駆動する駆動構造(33)とを含み、前記取付ビーム(32)には、水平方向に沿って間隔をあけて設けられた複数の回収ロッド(34)が設けられており、各前記回収ロッド(34)内に気流路を有する、回収構造(30)と、
前記ベアリングフレーム(10)に設けられた剥離構造(40)であって、複数の前記回収ロッド(34)に1対1に対応して設けられた複数の切欠き構造(41)を含み、前記切欠き構造(41)の幅は、前記回収ロッド(34)の直径よりも大きい、剥離構造(40)と、を含み、
前記取付ビーム(32)は、前記受け板構造(20)と協働する作業位置と、前記剥離構造(40)と協働する分離位置とを有し、
前記取付ビーム(32)が前記作業位置にあるときに、前記回収ロッド(34)と前記受け板構造(20)とが互いに接近又は離間可能であり、
前記取付ビーム(32)が前記分離位置にあるときに、各前記回収ロッド(34)は、1つの前記切欠き構造(41)内に差し込む、ことを特徴とする消耗品回収装置。
【請求項2】
前記剥離構造(40)と前記受け板構造(20)とが所定方向に間隔をあけて設けられ、
前記切欠き構造(41)の開口が前記受け板構造(20)に向けて設けられ、
前記ラック(31)は、固定板(311)と、前記固定板(311)に前記所定方向に沿って移動可能に設けられた可動板(312)とを含み、
前記取付ビーム(32)は、前記可動板(312)に鉛直方向に沿って移動可能に設けられ、
前記駆動構造(33)は、前記固定板(311)と前記可動板(312)との間に設けられて前記可動板(312)を移動駆動する水平駆動構造(331)と、前記可動板(312)と前記取付ビーム(32)との間に設けられて前記取付ビーム(32)を移動駆動する鉛直駆動構造(332)とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の消耗品回収装置。
【請求項3】
前記ベアリングフレーム(10)は、ガイドハウジング(11)と、前記ガイドハウジング(11)の側部に設けられた立板(12)とを含み、
前記ガイドハウジング(11)内に回収通路を有し、
前記剥離構造(40)が前記回収通路の入口に設けられ、前記受け板構造(20)が前記立板(12)に設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の消耗品回収装置。
【請求項4】
前記受け板構造(20)は、前記ベアリングフレーム(10)に鉛直方向に沿って移動可能に設けられ、
前記消耗品回収装置は、
前記ベアリングフレーム(10)に設けられ、前記受け板構造(20)が下方に通過するための退避穴が設けられている分離フレーム(50)と、
前記ベアリングフレーム(10)に設けられた取付座と、前記取付座に移動可能に設けられ、消耗品を、前記分離フレーム(50)から離れるようにプッシュすることができるプッシュロッドとを含むプッシュ構造(80)と、をさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載の消耗品回収装置。
【請求項5】
前記立板(12)に可動に設けられたストッパ構造(60)であって、前記受け板構造(20)の下方に位置する止め位置と、前記受け板構造(20)から外れた退避位置とを有し、前記取付ビーム(32)が前記作業位置にあるときに、前記止め位置に位置して前記受け板構造(20)を支持する、ストッパ構造(60)をさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載の消耗品回収装置。
【請求項6】
前記ストッパ構造(60)は、前記立板(12)に設けられた駆動モータ(61)と、揺動部材(62)とを含み、
前記揺動部材(62)は、第1端が前記駆動モータ(61)のピボット軸に駆動接続され、第2端が前記止め位置と前記退避位置とを有し、
前記駆動モータ(61)は、前記揺動部材(62)の第2端を、前記止め位置と前記退避位置との間を移動するように駆動可能である、ことを特徴とする請求項5に記載の消耗品回収装置。
【請求項7】
前記駆動モータ(61)は、前記立板(12)に穿設されており、
前記立板(12)には、弧状のガイド溝(121)がさらに設けられており、
前記揺動部材(62)の第2端には、前記弧状のガイド溝(121)内を摺動可能な支持ロッド(621)が設けられている、ことを特徴とする請求項6に記載の消耗品回収装置。
【請求項8】
前記受け板構造(20)には、前記消耗品を位置規制する位置規制構造が設けられており、
前記位置規制構造は、前記受け板構造(20)に設けられた複数の位置規制コラム(71)を含む、及び/又は、
前記位置規制構造は、前記受け板構造(20)に設けられた磁気吸引構造(72)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の消耗品回収装置。
【請求項9】
前記回収ロッド(34)は、前記取付ビーム(32)に連結される第1ロッド部分(341)と、前記第1ロッド部分(341)の下方に位置する第2ロッド部分(342)とを含み、
前記第1ロッド部分(341)の直径は、前記第2ロッド部分(342)の直径よりも大きく、
前記第1ロッド部分(341)には、上から下への方向に漸次縮径する変径部が設けられており、
前記気流路は、前記第1ロッド部分(341)及び前記第2ロッド部分(342)を貫通する、ことを特徴とする請求項1に記載の消耗品回収装置。
【請求項10】
消耗品回収装置を備えた核酸検出分析装置であって、
前記消耗品回収装置は、請求項1~9のいずれか一項に記載の消耗品回収装置である、ことを特徴とする核酸検出分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸検出の分野に関し、具体的には、消耗品回収装置及び核酸検出分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
核酸検出分析装置では、核酸抽出作業を完了するために消耗品を使うことが多い。具体的には、消耗品は、核酸抽出プレート、磁気棒スリーブなどを含む。核酸検出分析装置では、消耗品回収装置を設けて核酸抽出プレート及び磁気棒スリーブなどを回収する必要があるだけでなく、抽出プレート内の液体を回収処理する必要もある。
【0003】
関連技術における消耗品回収装置は、抽出プレート回収装置、磁気棒スリーブ回収装置及び液体回収装置を含み、これらの装置は別個に設けられており、核酸検出分析装置内のスペースを過度に占有し、装置全体のスペース利用率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、関連技術における消耗品回収装置の占有スペースが大きいという問題点を解決する消耗品回収装置及び核酸検出分析装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、ベアリングフレームと、ベアリングフレームに設けられ、消耗品載置領域が設けられている受け板構造と、ベアリングフレームに隣り合って設けられた回収構造であって、ラックと、ラックに移動可能に設けられた取付ビームと、ラックに設けられ、取付ビームを移動駆動する駆動構造とを含み、取付ビームには、水平方向に沿って間隔をあけて設けられた複数の回収ロッドが設けられており、各回収ロッド内に気流路を有する、回収構造と、ベアリングフレームに設けられ、受け板構造と間隔をあけて設けられた剥離構造であって、複数の回収ロッドに1対1に対応して設けられた複数の切欠き構造を含み、切欠き構造の幅は、回収ロッドの直径よりも大きい、剥離構造と、を含み、取付ビームは、受け板構造と協働する作業位置と、剥離構造と協働する分離位置とを有し、取付ビームが作業位置にあるときに、回収ロッドと受け板構造とが互いに接近又は離間可能であり、取付ビームが分離位置にあるときに、各回収ロッドは、1つの切欠き構造内に差し込む、消耗品回収装置を提供する。
【0006】
さらに、剥離構造と受け板構造とが所定方向に間隔をあけて設けられ、切欠き構造の開口が受け板構造に向けて設けられ、ラックは、固定板と、固定板に所定方向に沿って移動可能に設けられた可動板とを含み、取付ビームは、可動板に鉛直方向に沿って移動可能に設けられ、駆動構造は、固定板と可動板との間に設けられて可動板を移動駆動する水平駆動構造と、可動板と取付ビームとの間に設けられて取付ビームを移動駆動する鉛直駆動構造とを含む。
【0007】
さらに、ベアリングフレームは、ガイドハウジングと、ガイドハウジングの側部に設けられた立板とを含み、ガイドハウジング内に回収通路を有し、剥離構造が回収通路の入口に設けられ、受け板構造が立板に設けられている。
【0008】
さらに、受け板構造は、ベアリングフレームに鉛直方向に沿って移動可能に設けられ、消耗品回収装置は、ベアリングフレームに設けられ、受け板構造が下方に通過するための退避穴が設けられている分離フレームをさらに含む。
【0009】
さらに、消耗品回収装置は、立板に可動に設けられたストッパ構造であって、受け板構造の下方に位置する止め位置と、受け板構造から外れた退避位置とを有し、取付ビームが作業位置にあるときに、止め位置に位置して受け板構造を支持する、ストッパ構造をさらに含む。
【0010】
さらに、ストッパ構造は、立板に設けられた駆動モータと、揺動部材とを含み、揺動部材は、第1端が駆動モータのピボット軸に駆動接続され、第2端が止め位置と退避位置とを有し、駆動モータは、揺動部材の第2端を、止め位置と退避位置との間を移動するように駆動可能である。
【0011】
さらに、駆動モータは、立板に穿設されており、立板には、弧状のガイド溝がさらに設けられており、揺動部材の第2端には、弧状のガイド溝内を摺動可能な支持ロッドが設けられている。
【0012】
さらに、消耗品回収装置は、ベアリングフレームに設けられた取付座と、取付座に移動可能に設けられ、消耗品を、分離フレームから離れるようにプッシュすることができるプッシュロッドとを含むプッシュ構造、をさらに含む。
【0013】
さらに、受け板構造には、消耗品を位置規制する位置規制構造が設けられている。
【0014】
さらに、位置規制構造は、受け板構造に設けられた複数の位置規制コラムを含む、及び/又は、位置規制構造は、受け板構造に設けられた磁気吸引構造を含む。
【0015】
さらに、回収ロッドは、取付ビームに連結される第1ロッド部分と、第1ロッド部分の下方に位置する第2ロッド部分とを含み、第1ロッド部分の直径は、第2ロッド部分の直径よりも大きく、第1ロッド部分には、上から下への方向に漸次縮径する変径部が設けられており、気流路は、第1ロッド部分及び第2ロッド部分を貫通する。
【0016】
本発明の別の態様によれば、消耗品回収装置を備えた核酸検出分析装置であって、消耗品回収装置は、上述した消耗品回収装置である、核酸検出分析装置を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の技術態様によれば、消耗品回収装置は、ベアリングフレームを含み、ベアリングフレームには、受け板構造が設けられ、受け板構造には、消耗品載置領域が設けられ、核酸抽出プレートは、消耗品載置領域にセットされることができる。消耗品回収装置は、回収構造と、剥離構造とをさらに含み、回収構造は、ラックと、ラックに移動可能に設けられた取付ビームと、ラックに設けられ、取付ビームを移動駆動する駆動構造とを含み、取付ビームには、取付ビームの延在方向に沿って間隔をあけて設けられた複数の回収ロッドが設けられ、回収ロッドは、駆動構造の駆動により、磁気棒スリーブ内に差し込んで、回収ロッドを磁気棒スリーブに挿着させることができ、その後、駆動構造は、磁気棒スリーブが付いている回収ロッドを剥離構造の切欠き構造内に移動させ、磁気棒スリーブを剥離構造の下方に位置させることができる。切欠き構造の幅が回収ロッドの直径よりも大きいため、駆動構造につれられて回収ロッドが上方に移動されることができ、直径の大きい磁気棒スリーブが剥離構造によって止められて剥離され、回収ロッドは、切欠き構造内から引き抜くことができ、磁気棒スリーブの剥離を実現する。また、回収ロッドの内部には、負圧機器に連通する気流路が設けられているため、回収ロッドは、核酸抽出プレートの収容穴内にも差し込んで、核酸抽出プレート内から液体を吸い出すことができ、廃液の回収作用を実現する。上記構造により、集積化された消耗品回収装置を設計することにより、消耗品回収装置が占有するスペースを節約し、核酸検出分析装置のスペース利用率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本願の一部を構成する明細書用図面は、本発明をさらに理解させるためのものであり、また、本発明における模式的実施形態及びその説明は本発明を解釈するものであり、本発明を不当に限定するものではない。図面のうち、
【
図1】本発明による消耗品回収装置の実施形態の立体構造模式図を示している。
【
図2】
図1の消耗品回収装置の部分構造の立体構造模式図を示している。
【
図3】
図1の消耗品回収装置の立板の立体構造模式図を示している。
【
図4】
図3の立板Aにおける拡大構造模式図を示している。
【
図5】
図1の消耗品回収装置の回収ロッドが磁気棒スリーブと協働する場合の構造模式図を示している。
【
図6】
図1の消耗品回収装置の回収ロッドの構造模式図を示している。
【符号の説明】
【0019】
10…ベアリングフレーム、11…ガイドハウジング、12…立板、121…弧状のガイド溝、20…受け板構造、30…回収構造、31…ラック、311…固定板、312…可動板、32…取付ビーム、33…駆動構造、331…水平駆動構造、332…鉛直駆動構造、34…回収ロッド、341…第1ロッド部分、342…第2ロッド部分、3421…切欠き、40…剥離構造、41…切欠き構造、50…分離フレーム、60…ストッパ構造、61…駆動モータ、62…揺動部材、621…支持ロッド、71…位置規制コラム、72…磁気吸引構造、80…プッシュ構造、90…磁気棒スリーブ、100…核酸抽出プレート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態における図面を参照しながら、本発明の実施形態の技術態様を明瞭かつ完全に説明するが、明らかに、説明される実施形態は、本発明の実施形態の全部ではなく、一部に過ぎない。少なくとも1つの例示的な実施形態に関する以下の説明は、実際には、単なる例示に過ぎず、本発明及びその適用又は使用を何ら限定するものではない。当業者が本発明の実施形態に基づいて、創造的な労働を必要とせずに得られる他の実施形態は、全て本発明の保護範囲内に含まれる。
【0021】
ここに使用される用語は、あくまでも具体的な実施形態を説明するためのものであり、本願の例示的な実施形態を限定することを意図していないことに注意が必要である。ここに使用されるように、文脈上、そうでないとする明確な指示がない限り、単数形が使用されていても、複数形を含むものとする。また、本明細書に「含む」及び/又は「有する」といった用語が使用される場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、アセンブリ及び/又はそれらの組み合わせがあることを示すことは、理解されるべきである。
【0022】
特に明記されない限り、これらの実施形態で説明される部材及びステップの相対的な配置、数式及び数値は、本発明の範囲を限定しない。同時に、説明の便宜上、図面に示される各部の寸法は、実際の比例関係に従って描かれていないことが理解されるべきである。当業者に知られている技術、方法及びデバイスについては詳細に議論しないことがあるが、適切な場合、当該技術、方法及びデバイスは、特許される明細書の一部とみなされるべきである。ここに示され、議論されるすべての例において、任意の具体的な値は、限定するものではなく、単なる例示的なものとして解釈されるべきである。したがって、例示的な実施形態の他の例は、異なる値を有することができる。以下の図面では、類似の符号及び文字が類似の項目を示していることに留意すべきである。したがって、ある項目が1つの図面で定義されれば、それ以降の図面ではそれについてさらに議論する必要はない。
【0023】
図1~
図5に示すように、本実施形態の消耗品回収装置は、ベアリングフレーム10と、受け板構造20と、回収構造30と、剥離構造40とを含む。ここで、受け板構造20は、ベアリングフレーム10に設けられ、受け板構造20には、消耗品載置領域が設けられている。回収構造30は、ベアリングフレーム10に隣り合って設けられ、回収構造30は、ラック31と、ラック31に移動可能に設けられた取付ビーム32と、ラック31に設けられ、取付ビーム32を移動駆動する駆動構造33とを含み、取付ビーム32には、水平方向に沿って間隔をあけて設けられた複数の回収ロッド34が設けられており、各回収ロッド34内に気流路を有する。剥離構造40は、ベアリングフレーム10に設けられ、受け板構造20と間隔をあけて設けられており、剥離構造40は、複数の回収ロッド34に1対1に対応して設けられた複数の切欠き構造41を含み、切欠き構造41の幅は、回収ロッド34の直径よりも大きい。取付ビーム32は、受け板構造20と協働する作業位置と、剥離構造40と協働する分離位置とを有し、取付ビーム32が作業位置にあるときに、回収ロッド34と受け板構造20とが互いに接近又は離間可能であり、取付ビーム32が分離位置にあるときに、各回収ロッド34は、1つの切欠き構造41内に差し込む。
【0024】
本実施形態の技術態様を適用すると、消耗品回収装置は、ベアリングフレーム10を含み、ベアリングフレーム10には、受け板構造20が設けられ、受け板構造20には、消耗品載置領域が設けられ、核酸抽出プレート100は、消耗品載置領域にセットされることができる。消耗品回収装置は、回収構造30と、剥離構造40とをさらに含み、回収構造30は、ラック31と、ラック31に移動可能に設けられた取付ビーム32と、ラック31に設けられ、取付ビーム32を移動駆動する駆動構造33とを含み、取付ビーム32には、取付ビーム32の延在方向に沿って間隔をあけて設けられた複数の回収ロッド34が設けられ、回収ロッド34は、駆動構造33の駆動により、磁気棒スリーブ90内に差し込んで、磁気棒スリーブ90を回収ロッド34に係合により装着することができ、その後、駆動構造33は、磁気棒スリーブ90が付いている回収ロッド34を剥離構造40の切欠き構造41内に移動させ、磁気棒スリーブ90を剥離構造40の下方に位置させることができる。切欠き構造41の幅が回収ロッド34の直径よりも大きいため、駆動構造33につれられて回収ロッド34が上方に移動されることができ、直径の大きい磁気棒スリーブ90が剥離構造40によって止められて剥離され、回収ロッド34は、切欠き構造41内から引き抜くことができ、磁気棒スリーブ90の剥離を実現する。また、回収ロッド34の内部には、負圧機器に連通する気流路が設けられているため、回収ロッド34は、核酸抽出プレート100の収容穴内にも差し込んで、核酸抽出プレート100内から液体を吸い出すことができ、廃液の回収作用を実現する。上記構造により、集積化された消耗品回収装置を設計することにより、消耗品回収装置が占有するスペースを節約し、核酸検出分析装置のスペース利用率を向上させる。
【0025】
なお、取付ビーム32は、剥離構造40と受け板構造20との間を移動可能であるため、取付ビーム32を作業位置と分離位置とに切り替えることができる。
【0026】
なお、本実施形態では、磁気棒スリーブ90及び回収ロッド34は、一方に係合溝が設けられ、他方に係合突起が設けられており、回収ロッド34は、磁気棒スリーブ90内に差し込んで磁気棒スリーブ90を押圧し、磁気棒スリーブ90は、係合により回収ロッド34と連結することができる。もちろん、他の実施形態では、磁気棒スリーブ90と回収ロッド34とは、締め代をもって接合されてもよい。具体的には、
図1及び
図2に示すように、本実施形態では、剥離構造40と受け板構造20とが所定方向に間隔をあけて設けられ、切欠き構造41の開口が受け板構造20に向けて設けられ、ラック31は、固定板311と、固定板311に所定方向に沿って移動可能に設けられた可動板312と、を含み、取付ビーム32は、可動板312に鉛直方向に沿って移動可能に設けられ、駆動構造33は、固定板311と可動板312との間に設けられて可動板312を移動駆動する水平駆動構造331と、可動板312と取付ビーム32との間に設けられて取付ビーム32を移動駆動する鉛直駆動構造332とを含む。上記構造では、駆動構造33の水平駆動構造331は、取付ビーム32を所定方向に移動させることができるため、作業位置と分離位置との間における取付ビーム32の移動を実現することができる。取付ビーム32は、鉛直駆動構造332を介して可動板に設けられ、鉛直駆動構造332は、取付ビーム32を鉛直方向に移動させることができるため、回収ロッド34は、核酸抽出プレート100に対して抜き差しすることができ、移動駆動されて回収ロッド34と剥離構造40との協働を実現することもできる。上記構造は、簡単であり、駆動が安定しており、消耗品回収装置の自動化向上に寄与する。
【0027】
図2に示すように、本実施形態では、ベアリングフレーム10は、ガイドハウジング11と、ガイドハウジング11の側部に設けられた立板12とを含み、ガイドハウジング11内に回収通路を有し、剥離構造40が回収通路の入口に設けられ、受け板構造20が立板12に設けられている。上記構造では、ガイドハウジング11内に回収通路を有し、剥離された磁気棒スリーブ90は、回収通路に沿って収集ボックス内に滑り落ちることができ、集中回収を実現し、磁気棒スリーブ90の後続の処理が容易となる。
【0028】
なお、ベアリングフレーム10は、一体構造であっても別体構造であってもよい。本実施形態では、立板12は、ガイドハウジング11とは別体に設けられ、ベアリングフレーム10は別体構造とする。もちろん、他の実施形態では、立板12とガイドハウジング11とは一体構造であってもよく、すなわち、立板12とガイドハウジング11とを連結して設けてもよい。
【0029】
図1及び
図3に示すように、本実施形態では、受け板構造20は、ベアリングフレーム10に鉛直方向に沿って移動可能に設けられており、消耗品回収装置は、ベアリングフレーム10に設けられた分離フレーム50をさらに含み、分離フレーム50には、受け板構造20が下方に通過するための退避穴が設けられている。上記構造では、核酸抽出プレート100内の磁気棒スリーブ90及び廃液の回収が完了した後、受け板構造20が分離フレームの退避穴から下方に抜けるまで、受け板構造20を下方に移動駆動することができ、核酸抽出プレート100が分離フレーム50上に残されることができ、核酸抽出プレート100の回収が容易となる。
【0030】
図1、
図3及び
図4に示すように、本実施形態では、消耗品回収装置は、立板12に可動に設けられたストッパ構造60をさらに含み、ストッパ構造60は、受け板構造20の下方に位置する止め位置と、受け板構造20から位置ずれした退避位置とを有する。取付ビーム32が作業位置にあるときに、ストッパ構造60は、止め位置に位置して受け板構造20を支持する。上記構造では、回収ロッド34は、磁気ロッドスリーブ90と連結する際に、磁気ロッドスリーブ90を下方に押圧して、磁気ロッドスリーブ90を回収ロッド34に締め代をもって固定する必要があるため、受け板構造20は、回収ロッド34の押圧力を受ける必要がある。本願では、立板12にはストッパ構造60が設けられており、取付ビーム32が作業位置にあるときに、ストッパ構造60は、止め位置に位置して受け板構造20を支持するため、受け板構造20のベアリング能力を確保する。
【0031】
具体的には、
図1、
図3及び
図4に示すように、本実施形態では、ストッパ構造60は、立板12に設けられた駆動モータ61と、揺動部材62とを含み、揺動部材62は、第1端が駆動モータ61のピボット軸に駆動接続され、第2端が止め位置と退避位置とを有し、駆動モータ61は、揺動部材62の第2端を、止め位置と退避位置との間を移動するように駆動可能である。上記構造では、駆動モータ61は、揺動部材62を揺動駆動することができ、回収ロッド34が磁気棒スリーブ90と連結する前に、まず揺動部材62の第2端を止め位置に回動させてから、受け板構造20を揺動部材62の第2端に当接させた後、磁気棒スリーブ90の回収操作を開始することができる。核酸抽出プレート100内の磁気棒スリーブ90及び廃液の回収が完了した後、揺動部材62の第2端を、退避位置に回動するように駆動することができ、このとき、受け板構造20を下方に移動させて、核酸抽出プレート100を分離フレーム50上に残すことができ、核酸抽出プレート100の回収を実現する。
図1、
図3及び
図4に示すように、本実施形態では、駆動モータ61は、立板12に穿設されており、立板12には、弧状のガイド溝121がさらに設けられており、揺動部材62の第2端には、弧状のガイド溝121内を摺動可能な支持ロッド621が設けられている。上記構造では、弧状のガイド溝121は、揺動部材62の第2端の移動をガイドする機能を果たすことができるため、揺動部材62の第2端が止め位置と退避位置との間を安定して移動するようにすることができる。
【0032】
なお、駆動モータ61と受け板構造20とが立板12の第1側に位置し、駆動モータ61の回動軸が立板12を貫通して立板12の第2側に延び、揺動部材62の第1端が立板12の第2側に位置し、駆動モータ61の回動軸に駆動接続され、揺動部材62の第2端には、支持ロッド621が設けられ、支持ロッド621は、弧状のガイド溝121を介して立板12の第1側に入り込んで、受け板構造20とのストッパ用の協働を形成する。
【0033】
図1及び
図3に示すように、本実施形態では、消耗品回収装置は、プッシュ構造80をさらに含み、プッシュ構造80は、ベアリングフレーム10に設けられた取付座と、取付座に移動可能に設けられたプッシュロッドとを含み、プッシュロッドは、消耗品を、分離フレーム50から離れるようにプッシュすることができる。上記構造では、プッシュ構造は、分離フレーム50に位置する核酸抽出プレート100を分離フレーム50から押し離すことができ、核酸抽出プレート100の回収を容易にする一方で、分離フレーム50上の位置を空けて、後続の核酸抽出プレート100の回収を容易にすることができる。
【0034】
図3に示すように、本実施形態では、受け板構造20には、消耗品を位置規制する位置規制構造が設けられている。上記構造では、位置規制構造は、受け板構造20における核酸抽出プレート100の載置安定性を高めることができる。
【0035】
図3に示すように、本実施形態では、位置規制構造は、受け板構造20に設けられた複数の位置規制コラム71を含む。複数の位置規制コラム71は、核酸抽出プレート100の底部の挿着穴に挿入されて係合することができるため、核酸抽出プレート100を受け板構造20に安定して固定させることができる。
【0036】
図3に示すように、本実施形態では、位置規制構造は、受け板構造20に設けられた磁気吸引構造72をさらに含む。上記構造では、磁気吸引構造72は、磁気吸引により、核酸抽出プレート100内の磁気ビーズと協働することができるため、磁気ビーズを核酸抽出プレート100の底部に吸着させることができ、回収ロッド34が核酸抽出プレート100内の廃液を吸い出す際に、磁気ビーズの動きにより回収ロッド34の気流路を閉塞することを防止する。
【0037】
図1及び
図2に示すように、本実施形態では、回収ロッド34は、取付ビーム32に接続される第1ロッド部分341と、第1ロッド部分341の下方に位置する第2ロッド部分342とを含み、第1ロッド部分341の直径は、第2ロッド部分342の直径よりも大きく、第1ロッド部分341には、上から下への方向に漸次縮径する変径部が設けられており、気流路は、第1ロッド部分341及び第2ロッド部分342を貫通する。上記構造では、回収ロッド34が磁気棒スリーブ90と係合する必要があるため、第1ロッド部分341の直径を大きくするとともに、第1ロッド部分341に変径部を設けることで、回収ロッド34の磁気棒スリーブ90への挿着を容易にすることができる。また、第2ロッド部分342の直径を小さくすることにより、第2ロッド部分342が核酸抽出プレート100内に円滑に差し込むことができる。
【0038】
なお、
図6に示すように、第2ロッド部分342の底部には複数の切欠き3421が設けられていることで、第2ロッド部分342の底部が核酸抽出プレート100の内壁に接触したときに、気流路が閉塞されることがなく、核酸抽出プレート100内の廃液をきれいに吸い出すことができることを確保する。
【0039】
本願は、核酸検出分析装置をさらに提供し、核酸検出分析装置の実施形態は、消耗品回収装置を備え、消耗品回収装置は、上述した消耗品回収装置である。上記構造では、消耗品回収装置は、集積度が高く、占有スペースが小さいという利点があるため、それを備えた核酸検出分析装置も上記利点を備えている。
【0040】
本発明の説明において、「前、後、上、下、左、右」、「横、縦、垂直、水平」、「頂、底」などの方位語によって示される方位又は位置関係は、通常、図面に示される方位又は位置関係に基づいており、単に本発明を説明しやすくし、説明を簡略化するためであり、反対の説明がない限り、これらの方位語は、示される装置又は要素が特定の方位を有するか、又は特定の方位で構成され、動作しなければならないことを示し、暗示するものではないため、本発明の保護範囲を限定するものとして理解してはならないことは、理解されるべきである。また、「内、外」という方位語は、各部材自体に対する輪郭の内外を意味する。
【0041】
説明のために、ここでは空間上相対的な用語、例えば、「・・・の上にある」、「・・・の上方にある」、「・・・の上面に」、「上の」等を使うことで、図示されるようなデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間位置関係を記載することができる。空間上相対的な用語は、デバイスの図示される方位以外の使用又は操作における異なる方位を含むことを意図することは、理解されるべきである。例えば、図面におけるデバイスが反転される場合、「他のデバイス又は構造の上方にある」又は「他のデバイス又は構造の上にある」と記載されたデバイスは、反転された後、「他のデバイス又は構造の下方にある」又は「他のデバイス又は構造の下にある」ように説明される。このため、示例的な用語である「・・・の上方にある」は、「・・・の上方にある」と「・・・の下方にある」という2つの方位を含むことができる。このデバイスは、他の異なる方式で位置決められてもよく(90度回転するか、或いは他の方位にある)、これに応じて、ここに使用される空間上相対的な説明について解釈する。
【0042】
なお、「第1」、「第2」等の用語を用いて部品を限定するのは、単に対応する部品を区別しやすくするためであり、他に説明がなければ、上記の用語は特別な意味を持たないので、本発明の保護範囲を限定するものとして理解してはならない。
【0043】
以上は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明を限定することは意図していない。当業者であれば、本発明に様々な変更や変形が可能である。本発明の思想や原則内の如何なる修正、均等の置き換え、改良なども、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。