(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102823
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】ビデオゲーム処理プログラム、サーバ装置、ゲームシステム、制御方法及び端末装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240724BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20240724BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20240724BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20240724BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/35
A63F13/53
A63F13/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023220492
(22)【出願日】2023-12-27
(31)【優先権主張番号】P 2023006874
(32)【優先日】2023-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(71)【出願人】
【識別番号】519181320
【氏名又は名称】株式会社Precious Analytics
(74)【代理人】
【識別番号】100209886
【弁理士】
【氏名又は名称】金森 寛
(72)【発明者】
【氏名】玉手 直之
(72)【発明者】
【氏名】豊田 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】米元 広樹
(57)【要約】
【課題】
NFTコンテンツの流通を促すことが可能な新しいゲームシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】
ビデオゲーム内で用いられる1以上のコンテンツを含むビデオゲームを実行する端末装置と、該端末装置と通信ネットワークを介して接続するサーバ装置とを備えるゲームシステムであって、ゲームシステムが、前記ゲームを進行するゲーム進行手段と、第一コンテンツの所有者として第一ユーザを関連付ける第一コンテンツ関連付け手段と、第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する第二コンテンツ生成手段と、第二コンテンツを第二ユーザに付与する付与手段と、第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行する発行手段とを備えるゲームシステム。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオゲーム内で用いられる1以上のコンテンツを含むビデオゲームを実行する端末装置と、該端末装置と通信ネットワークを介して接続するサーバ装置とを備えるゲームシステムにおけるサーバ装置に該ビデオゲームを制御させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
サーバ装置に、
前記ゲームを進行するゲーム進行手段と、
第一コンテンツの所有者として第一ユーザを関連付ける第一コンテンツ関連付け手段と、
第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する第二コンテンツ生成手段と、
第二コンテンツを第二ユーザに付与する付与手段と、
第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行する発行手段と
を実現させるビデオゲーム処理プログラム。
【請求項2】
前記ビデオゲーム処理プログラムがさらに、
所定の付与可能化条件を満たした場合に、第二コンテンツを第一ユーザとは異なる第二ユーザに付与可能にする付与可能化手段
を備える、請求項1に記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項3】
前記第二コンテンツ生成手段が、第一コンテンツの外観に基づいて、視認可能に変化させて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する、
請求項1又は2に記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項4】
前記コンテンツが属性情報を有するものであり、
前記第二コンテンツ生成手段が、第一コンテンツの属性情報に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する、
請求項1又は2に記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項5】
前記属性情報は、複数の項目に設定された、数値化可能な特徴量から構成されており、
前記第二コンテンツ生成手段がさらに、
第一コンテンツの属性に含まれる特徴量の合計値未満となるように、第二コンテンツの属性情報を決定する第二コンテンツ属性決定手段
を備え、
第二コンテンツ生成手段が、決定された属性情報を設定した第二コンテンツを生成する、
請求項4に記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項6】
前記ビデオゲーム処理プログラムがさらに、
前記第一コンテンツの属性情報に関連付けて、第二コンテンツに設定可能な属性情報を記憶する関連属性情報記憶手段
を備え、
第二コンテンツ生成手段が、設定可能な属性情報を設定した第二コンテンツを生成する、
請求項4に記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項7】
ビデオゲーム内で用いられる1以上のコンテンツを含むビデオゲームを実行する端末装置と、該端末装置と通信ネットワークを介して接続するサーバ装置とを備えるゲームシステムにおけるサーバ装置であって、
サーバ装置が、
前記ゲームを進行するゲーム進行手段と、
第一コンテンツの所有者として第一ユーザを関連付ける第一コンテンツ関連付け手段と、
第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する第二コンテンツ生成手段と、
第二コンテンツを第二ユーザに付与する付与手段と、
第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行する発行手段と
を備えるサーバ装置。
【請求項8】
ビデオゲーム内で用いられる1以上のコンテンツを含むビデオゲームを実行する端末装置と、該端末装置と通信ネットワークを介して接続するサーバ装置とを備えるゲームシステムであって、
ゲームシステムが、
前記ゲームを進行するゲーム進行手段と、
第一コンテンツの所有者として第一ユーザを関連付ける第一コンテンツ関連付け手段と、
第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する第二コンテンツ生成手段と、
第二コンテンツを第二ユーザに付与する付与手段と、
第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行する発行手段と
を備えるゲームシステム。
【請求項9】
ビデオゲーム内で用いられる1以上のコンテンツを含むビデオゲームを実行する端末装置と、該端末装置と通信ネットワークを介して接続するサーバ装置とを備えるゲームシステムにおいて実行される制御方法であって、
前記ゲームを進行するステップと、
第一コンテンツの所有者として第一ユーザを関連付けるステップと、
第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成するステップと、
第二コンテンツを第二ユーザに付与するステップと、
第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行するステップと
を有する制御方法。
【請求項10】
ビデオゲーム内で用いられる1以上のコンテンツを含むビデオゲームを実行する端末装置と、該端末装置と通信ネットワークを介して接続するサーバ装置とを備えるゲームシステムにおける端末装置であって、
前記ゲームを進行するゲーム進行手段と、
第一コンテンツの所有者として第一ユーザを関連付ける第一コンテンツ関連付け手段と、
第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する第二コンテンツ生成手段と、
第二コンテンツを第二ユーザに付与する付与手段と、
第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行する発行手段と
を備える、端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオゲーム処理プログラム、サーバ装置、ゲームシステム、制御方法及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、分散型台帳技術(Distributed Ledger Technology(DLT))又はブロックチェーン技術を利用したゲームが提供され始めている(例えば、非特許文献1参照)。当該ゲームでは、例えば、ゲームに用いられるキャラクタやアイテム等のゲーム内コンテンツを非代替性トークン(Non Fungible Token(NFT)、ノンファンジブルトークン)としてユーザが保持する。
【0003】
NFTは、マーケットプレイス等所定の市場において売買取引ができ、取引履歴はブロックチェーンネットワークに含まれる台帳に記載される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】”CRYPTO SPELLS”、[online]、CryptoGames株式会社、[令和4年11月29日検索]、インターネット<URL:https://cryptospells.jp/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のNFTを用いたゲームでは、NFTコンテンツを保有するユーザに対するメリットが不足しており、NFTコンテンツの流通を促すことができていなかった。
【0006】
本発明の少なくとも1つの実施の形態の目的は、NFTコンテンツの流通を促すことが可能な新しいゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
非限定的な観点によると、本発明に係るビデオゲーム処理プログラムは、ビデオゲーム内で用いられる1以上のコンテンツを含むビデオゲームを実行する端末装置と、該端末装置と通信ネットワークを介して接続するサーバ装置とを備えるゲームシステムにおけるサーバ装置に該ビデオゲームを制御させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、サーバ装置に、前記ゲームを進行するゲーム進行手段と、第一コンテンツの所有者として第一ユーザを関連付ける第一コンテンツ関連付け手段と、第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する第二コンテンツ生成手段と、第二コンテンツを第二ユーザに付与する付与手段と、第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行する発行手段とを実現させるビデオゲーム処理プログラムである。
【0008】
非限定的な観点によると、本発明に係るサーバ装置は、ビデオゲーム内で用いられる1以上のコンテンツを含むビデオゲームを実行する端末装置と、該端末装置と通信ネットワークを介して接続するサーバ装置とを備えるゲームシステムにおけるサーバ装置であって、サーバ装置が、前記ゲームを進行するゲーム進行手段と、第一コンテンツの所有者として第一ユーザを関連付ける第一コンテンツ関連付け手段と、第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する第二コンテンツ生成手段と、第二コンテンツを第二ユーザに付与する付与手段と、第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行する発行手段とを備えるサーバ装置である。
【0009】
非限定的な観点によると、本発明に係るゲームシステムは、ビデオゲーム内で用いられる1以上のコンテンツを含むビデオゲームを実行する端末装置と、該端末装置と通信ネットワークを介して接続するサーバ装置とを備えるゲームシステムであって、ゲームシステムが、前記ゲームを進行するゲーム進行手段と、第一コンテンツの所有者として第一ユーザを関連付ける第一コンテンツ関連付け手段と、第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する第二コンテンツ生成手段と、第二コンテンツを第二ユーザに付与する付与手段と、第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行する発行手段とを備えるゲームシステムである。
【0010】
非限定的な観点によると、本発明に係る制御方法は、ビデオゲーム内で用いられる1以上のコンテンツを含むビデオゲームを実行する端末装置と、該端末装置と通信ネットワークを介して接続するサーバ装置とを備えるゲームシステムにおいて実行される制御方法であって、前記ゲームを進行するステップと、第一コンテンツの所有者として第一ユーザを関連付けるステップと、第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成するステップと、第二コンテンツを第二ユーザに付与するステップと、第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行するステップとを有する制御方法である。
【0011】
非限定的な観点によると、本発明に係る端末装置は、ビデオゲーム内で用いられる1以上のコンテンツを含むビデオゲームを実行する端末装置と、該端末装置と通信ネットワークを介して接続するサーバ装置とを備えるゲームシステムにおける端末装置であって、前記ゲームを進行するゲーム進行手段と、第一コンテンツの所有者として第一ユーザを関連付ける第一コンテンツ関連付け手段と、第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する第二コンテンツ生成手段と、第二コンテンツを第二ユーザに付与する付与手段と、第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行する発行手段とを備える、端末装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、実行処理のフローチャートである。
【
図4】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、実行処理のフローチャートである。
【
図6】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、外観を変化させた関連コンテンツの生成を説明する図である。
【
図7】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、第一コンテンツのパラメータを変化させた関連コンテンツの生成を説明する図である。
【
図8】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、第一コンテンツのスキルを変化させた関連コンテンツの生成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態の例について説明する。以下、効果に関する記載は、本発明の実施の形態の効果の一側面であり、ここに記載するものに限定されない。また、ある実施の形態の例として説明した内容については、他の実施の形態においてその説明を省略している場合がある。さらに、各実施の形態の特徴部分に関係しない動作や処理について、その内容の記載を省略している場合がある。以下で説明するフローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同である。
【0015】
[第一の実施の形態]
本発明の第一の実施の形態の概要について説明をする。以下では、第一の実施の形態として、1以上のコンテンツを含むビデオゲームを実行する端末装置と、該端末装置と通信ネットワークを介して接続するサーバ装置とを備えるゲームシステムを例示して説明する。
【0016】
[ゲーム概要]
本発明の第一の実施の形態では、コンテンツは、一例として、ゲーム内で使用可能なデジタルコンテンツであり、より具体的には、NFTアート、キャラクタ、敵オブジェクト、ゲーム内空間に配置可能なオブジェクト、キャラクタが使用可能なアイテム等をいう。
【0017】
第一の実施の形態のゲームの一例として、例えば、NFTアートを保有することによりゲームの進行を有利にすることが可能な、「保有して稼ぐ」(Hold to Earn, H2E)という特徴を有するゲームを挙げる。ただし、本開示はこのゲームに限定されるものではなく、本開示により当業者が適用可能な範囲に及ぶものである。
【0018】
[ゲームシステム]
図1は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ゲームシステム(システム)1は、サーバ装置10と、通信ネットワーク20と、ビデオゲーム(ゲーム)をプレイする複数のユーザ(プレイヤ)がそれぞれ使用するクライアント端末装置30(30A、30B、・・・、30N:Nは自然数)と、分散型台帳の内容を共有可能に接続された分散型台帳ネットワーク(ブロックチェーンネットワークともいう)40とを含む。
【0019】
ゲームシステム1の構成はこれに限定されず、例えば、サーバ装置10が複数のサーバ装置により構成されていてもよく、クラウドコンピューティング技術を利用した仮想的なサーバ装置により構成されていてもよい。サーバ装置10と端末装置30とはそれぞれ通信可能に接続されている。端末装置30とサーバ装置10とは常時接続していなくてもよく、必要に応じて、接続が可能であればよい。
【0020】
[サーバ装置]
サーバ装置10は、一例として、制御部、RAM、ストレージ部及び通信インタフェースを少なくとも備え、それぞれ内部バスにより接続されている。制御部は内部タイマーを備え得る。また、通信インタフェースにより、外部のサーバと同期し得る。これにより現実の時刻を取得し得る。
【0021】
サーバ装置10はゲームの進行を制御するゲーム処理サーバであってもよい。この場合に、サーバ装置10はプレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御する。サーバ装置10は、ゲームに限られない各種の電子サービスをユーザに対して提供し得る。
【0022】
[通信ネットワーク]
通信ネットワーク20は、例えば、インターネットやLANであってもよく、接続された装置間で通信が可能であればよい。
【0023】
[端末装置]
端末装置30は、一例として、制御部、RAM、ストレージ部、サウンド処理部、グラフィックス処理部、通信インタフェース、インタフェース部を備え、それぞれ内部バスにより接続されている。グラフィックス処理部は表示部に接続されている。表示部は、表示画面と、表示部に対する、ユーザによる接触により入力を受け付けるタッチ入力部とを有し得る。
【0024】
タッチ入力部は、例えば、タッチパネルに用いられる抵抗膜方式、静電容量方式、超音波表面弾性波方式、光学方式、又は、電磁誘導方式等、いずれの方式を用いて、接触した位置を検知できるものであってもよく、ユーザのタッチ操作により操作を認識できれば方式は問わない。タッチ入力部の上面を指やスタイラス等により押圧や移動等の操作をした場合に、指等の位置を検知可能なデバイスである。
【0025】
インタフェース部には外部メモリ(例えば、SDカード等)が接続され得る。外部メモリから読み込まれたデータはRAMにロードされ、制御部により演算処理が実行される。
【0026】
通信インタフェースは無線又は有線により通信ネットワークに接続が可能であり、通信ネットワークを介してデータを受信することが可能である。通信インタフェースを介して受信したデータは、外部メモリから読み込まれたデータと同様に、RAMにロードされ、制御部により演算処理が行われる。
【0027】
端末装置30は、近接センサ、赤外線センサ、ジャイロセンサ、又は、加速度センサ等のセンサを備えるものであってもよい。また、端末装置30は、レンズを有し、レンズを介して撮像する撮像部を備えるものであってもよい。さらに、端末装置30は、身体に装着可能(ウェアラブル)な端末装置であってもよい。
【0028】
[分散型台帳ネットワーク]
分散型台帳ネットワーク40は、記憶装置に分散型台帳を記憶した、コンピュータ装置等複数のノード45を含み得る。図中には例としてノード45A~45Dを示したが、4つに限定されない。
【0029】
分散型台帳ネットワーク40では、ブロックと呼ばれる単位のデータが生成され、鎖のように連結することでブロックチェーンが形成される。それぞれのノードに同一の分散型台帳が記憶されることで、情報をセキュアに保つことができる。サーバ装置10及び/又は端末装置30は、分散型台帳ネットワーク40と通信可能に接続され得る。サーバ装置10及び/又は端末装置30は、分散型台帳ネットワーク40に含まれるノードとして機能してもよい。
【0030】
分散型台帳ネットワーク40では、トークンの取引が可能である。分散型台帳ネットワーク40として、例えば、イーサリアム(Ethereum)等既存のプラットフォームを採用し得る。分散型台帳ネットワーク40は、NFTの発行(生成、ミント(mint))、売買取引が可能なマーケットプレイスの機能も保有し得る。なお、これらのブロックチェーン技術に関しては、一般的な構成であるため詳細な説明を省略する。
【0031】
[コンテンツ]
コンテンツは、上述したように、デジタルコンテンツであって、ゲームに使用可能なオブジェクト、アイテム等創作物である。ユーザは、例えば、法定通貨や仮想通貨等を用いて、マーケットプレイス等デジタルコンテンツを売買可能な市場において購入(一次流通)することができる。ユーザは、保有するコンテンツをマーケットプレイス等に販売可能に出品することができ、他のユーザに譲渡することができる(二次流通)。
【0032】
[機能説明]
第一の実施の形態におけるゲームシステム1が備える機能について説明する。
図2は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【0033】
ゲームシステム1は、ゲーム進行部101、第一コンテンツ関連付け部102、第二コンテンツ生成部103、付与部104、及び発行部105を備え得る。
【0034】
ゲーム進行部101は、ゲームを進行する機能を有する。第一コンテンツ関連付け部102は、第一コンテンツの所有者として第一ユーザを関連付ける機能を有する。第二コンテンツ生成部103は、第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する機能を有する。
【0035】
付与部104は、第二コンテンツを第二ユーザに付与する機能を有する。発行部105は、第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行する機能を有する。
【0036】
[実行処理]
次に、本発明の第一の実施の形態における実行処理について説明する。
図3は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、実行処理のフローチャートである。
【0037】
ゲームシステム1は、ゲームを進行する(ステップS1)。ゲームの進行には、ユーザから情報の入力を受け付けることで進行してもよい。情報の入力とは、例えば、テキストの入力、手書き文字の入力、音声による入力、ジェスチャによる入力等があり得る。
【0038】
次に、ゲームシステム1は、第一コンテンツの所有者として第一ユーザを関連付ける(ステップS2)。第一コンテンツは、例えば、ゲームの進行により第一ユーザに付与されたコンテンツであり得る。
【0039】
次に、ゲームシステム1は、第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する(ステップS3)。つまり、第二コンテンツは、第一コンテンツと関連するコンテンツである。
【0040】
次に、ゲームシステム1は、ステップS3で生成した第二コンテンツを第二ユーザに付与する(ステップS4)。次に、ゲームシステム1は、第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行し(ステップS5)、終了する。
【0041】
第一の実施の形態において、第一コンテンツは非代替性トークンであってもよいし、トークンでなくてもよい。
【0042】
第一の実施の形態の一側面として、第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて第二コンテンツを生成し、該第二コンテンツに関する非代替性トークン(NFT)を発行することで、NFTコンテンツの流通を促すことが可能な新しいゲームシステムを提供することができる。
【0043】
第一の実施の形態において、「端末装置」とは、例えば、据置型ゲーム機、携帯型ゲーム機、ウェアラブル型端末、デスクトップ型又はノート型パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、又は、PDA等をいい、表示画面にタッチパネルセンサを備えるスマートフォン等の携帯型端末であってもよい。「コンテンツ」とは、例えば、ゲーム内で使用可能なデジタルコンテンツであり、より具体的には、NFTアート、キャラクタ、敵オブジェクト、ゲーム内空間に配置可能なオブジェクト、キャラクタが使用可能なアイテム等をいう。
【0044】
「第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部」とは、例えば、第一コンテンツが有する画像情報、パラメータ情報、ゲーム内で利用可能な効果等に含まれる情報の一部をいう。「コンテンツの生成」とは、例えば、ゲームシステム1が第一コンテンツを読み込み、第一コンテンツとは異なる新たな第二コンテンツを出力することをいう。
【0045】
「付与」とは、例えば、有償又は無償を問わずユーザが所有した状態にすることをいう。「付与後の所定の期間」とは、例えば、ユーザに対してコンテンツを付与した後からNFTを発行するまでの期間をいい、より具体的には、コンテンツの売買取引が完了したことを確認できる状態になるまでの期間をいう。
【0046】
[第二の実施の形態]
本発明の第二の実施の形態の概要について説明をする。以下では、第二の実施の形態として、1以上のコンテンツを含むビデオゲームを実行する端末装置と、該端末装置と通信ネットワークを介して接続するサーバ装置とを備えるゲームシステムを例示して説明する。
【0047】
[ゲーム概要]
本発明の第二の実施の形態では、コンテンツは、一例として、ゲーム内で使用可能なデジタルコンテンツであり、より具体的には、NFTアート、キャラクタ、敵オブジェクト、ゲーム内空間に配置可能なオブジェクト、キャラクタが使用可能なアイテム等をいう。後述する第一コンテンツ及び第二コンテンツにはNFTが発行されていることが好ましい。
【0048】
第二の実施の形態のゲームの一例として、例えば、NFTアートを保有することによりゲームの進行を有利にすることが可能な、「保有して稼ぐ」(Hold to Earn, H2E)という特徴を有するゲームを挙げる。ただし、本開示はこのゲームに限定されるものではなく、本開示により当業者が適用可能な範囲に及ぶものである。
【0049】
第二の実施の形態のゲームの一例として、ユーザが予めNFTを取引可能な状態であることを定めてもよい。例えば、ゲームを始める際に、ユーザが分散型台帳ネットワークにアカウント(口座)を有することを要件としてもよい。
【0050】
第二の実施の形態におけるゲームシステムの構成、サーバ装置10、通信ネットワーク20、端末装置30、分散型台帳ネットワーク40、及びコンテンツに関する内容は、第一の実施の形態に記載したゲームシステム、サーバ装置10、通信ネットワーク20、端末装置30、分散型台帳ネットワーク40、及びコンテンツの内容を必要な範囲で採用することができる。
【0051】
[機能説明]
第二の実施の形態におけるゲームシステム1が備える機能について説明する。
図4は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【0052】
ゲームシステム1は、ゲーム進行部201、第一コンテンツ購入受付部202、第一コンテンツ関連付け部203、第二コンテンツ生成判定部204、第二コンテンツ生成部205、付与可能化条件判定部206、付与可能化部207、付与部208、発行部209、及び利益付与部210を備え得る。
【0053】
ゲーム進行部201は、ゲームを進行する機能を有する。第一コンテンツ購入受付部202は、第一ユーザから第一コンテンツの購入要求を受け付ける機能を有する。第一コンテンツ関連付け部203は、第一コンテンツ購入受付部202により受け付けた購入要求に基づいて第一コンテンツを取得し、第一ユーザと第一コンテンツとを関連付ける機能を有する。
【0054】
第二コンテンツ生成判定部204は、第二コンテンツを生成するか否か判定する機能を有する。第二コンテンツ生成部205は、第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する機能を有する。
【0055】
付与可能化条件判定部206は、第二コンテンツを付与可能か否か判定する機能を有する。付与可能化部207は、所定の付与可能化条件を満たした場合に、第二コンテンツを第一ユーザとは異なる第二ユーザに付与可能にする機能を有する。
【0056】
付与部208は、付与可能化部207により付与可能にした第二コンテンツを第二ユーザに付与する機能を有する。発行部209は、第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行する機能を有する。利益付与部210は、非代替性トークンが発行されたコンテンツを保有するユーザに対して、ゲームを有利に進行するための利益を付与する機能を有する。
【0057】
[実行処理]
次に、本発明の第二の実施の形態における実行処理について説明する。
図5は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、実行処理のフローチャートである。
【0058】
ゲームシステム1は、ゲームを進行する(ステップS11)。説明の都合上、ゲーム進行処理を図中に記載したが、ゲーム進行処理はフローチャートにおいて適宜実行され得る。すなわち、ゲーム進行処理はステップS11だけに限定されない。
【0059】
次に、ゲームシステム1は、第一ユーザから第一コンテンツの購入要求を受け付ける(ステップS12)。第一コンテンツは、例えばNFTが発行されていてもよく、より具体的にはNFTアートであってもよい。
【0060】
次に、ゲームシステム1は、ステップS12において受け付けられた購入要求に基づいて第一コンテンツを第一ユーザに関連付ける(ステップS13)。第一コンテンツにNFTが発行されている場合には、分散型台帳ネットワーク40に含まれるノードに、所有者が第一ユーザである旨を記憶させる。
【0061】
次に、ゲームシステム1は、第二コンテンツの生成条件を満たすか否か判定する(ステップS14)。第二コンテンツの生成条件とは、例えば、第一ユーザが第一コンテンツを所有してから所定の期間が経過しているか否か、第一ユーザがゲームの所定のシーンまで進めているか否か、第一ユーザが所属するゲーム内のチーム(ギルド又はパーティともいう)のレベルが所定の基準を超えているか否か等が挙げられる。
【0062】
ステップS14において第二コンテンツ生成条件を満たす判定した場合(ステップS14にてYES)には、ゲームシステム1は、第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する(ステップS15)。ステップS14において第二コンテンツ生成条件を満たさない判定した場合(ステップS14にてNO)には、第二コンテンツを生成せず、後述のステップS21に進む。
【0063】
第一コンテンツに関連するコンテンツの生成とは、例えば、外観に関連する、第一コンテンツのパラメータに関連する、第一コンテンツが有するゲーム内で使用可能な効果に関連する等が挙げられる。以下に詳述する。
【0064】
[関連コンテンツの生成(外観の変化)]
図6は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、外観を変化させた関連コンテンツの生成を説明する図である。
図6(A)は、第一コンテンツの外観を表す図である。
【0065】
図6(B)は、第二コンテンツの例を示す図である。左上に記載される「☆」の数が減り、背景の建物が消えている。すなわち、第一コンテンツの外観に基づいて、視認可能に変化させている。
【0066】
図6(C)は、第二コンテンツの例を示す図である。左上に記載される「☆」の数が減り、背景の建物が消え、さらに武器である剣も消えている。すなわち、第一コンテンツの外観に基づいて、視認可能に変化させている。
【0067】
図6(D)は、第二コンテンツの例を示す図である。第一コンテンツと比較して、キャラクタの色が塗られている。すなわち、第一コンテンツの外観に基づいて、視認可能に変化させている。
【0068】
これらのように、外観の変化として、例えば、一部画像が追加又は削除されている、使用される色数が多い又は少ない、透明度が異なる、輝度が異なる、ドットが細かい又は粗い等、視認可能な変化が挙げられる。
【0069】
あるいは、第一コンテンツに含まれる一部の画像を切り出して、第二コンテンツにしてもよい。例えば、
図6(A)の剣の画像だけを抽出して、第二コンテンツを生成してもよい。
【0070】
[関連コンテンツの生成(パラメータの変化)]
ゲームにおいて、コンテンツが属性情報を有するものとする。第二コンテンツの生成は、第一コンテンツの属性情報に基づいて生成してもよい。
図7は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、第一コンテンツのパラメータを変化させた関連コンテンツの生成を説明する図である。
【0071】
図7(A)は、第一コンテンツのパラメータを表す図である。コンテンツには図示するように、生命力、精神力等複数の項目が設定されていてもよい。項目には、コンテンツのゲーム内での特徴を表す特徴量が設定され、該特徴量は数値により表し得る。
【0072】
図7(B)は、第二コンテンツのパラメータの例を表す図である。第一コンテンツの各項目の特徴量の合計値が、第二コンテンツの各項目の特徴量の合計値より大きくなるように設定される。
【0073】
ここで、一例として、第二コンテンツの属性情報の合計値が第一コンテンツの合計値よりも小さければよく、各項目に設定された値がすべて第一コンテンツより小さくするように限定するものではない。例えば
図7(B)に示す第二コンテンツの「防御力」は、
図7(A)に示す第一コンテンツの「防御力」よりも大きい値を設定し得る。
【0074】
図7(C)は、第二コンテンツのパラメータの例を表す図である。第一コンテンツの各項目の特徴量の合計値が、第二コンテンツの各項目の特徴量の合計値より小さくなるように設定される。
【0075】
第二コンテンツに設定されるパラメータは、ゲームシステム1がランダムに定めてもよく、第一ユーザが手動で定めてもよい。
【0076】
[関連コンテンツの生成(スキルの変化)]
ゲームにおいて、コンテンツが属性情報を有するものとする。第二コンテンツの生成は、第一コンテンツの属性情報に基づいて生成してもよい。
図8は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、第一コンテンツのスキルを変化させた関連コンテンツの生成を説明する図である。スキルとは、キャラクタがゲーム内で利用可能な技であって、ゲーム内でスキルに対応する効果を発現させるものをいう。
【0077】
図8(A)は、第一コンテンツのスキルの例を示す図である。コンテンツには、一例として、3つのスキルを設定可能であるものとする。
【0078】
図8(B)は、第二コンテンツのスキルの例を示す図である。第一コンテンツと比較して、効果が高いスキル「ファイア(+)」を設定してもよい。効果の強弱は予めゲーム内に設定されているものとする。
【0079】
図8(C)は、第二コンテンツのスキルの例を示す図である。第二コンテンツは、第一コンテンツが有する「ファイア」を有しつつ、かつ、スキル2に新しいスキルを追加してもよい。
【0080】
図8(D)は、第二コンテンツのスキルの例を示す図である。第一コンテンツと比較して、効果が低いスキル「ファイア(-)」を設定してもよい。効果の強弱は予めゲーム内に設定されているものとする。
【0081】
[関連コンテンツの生成(概念的変化)]
ゲームにおいて、コンテンツが属性情報を有するものとする。第二コンテンツの生成は、第一コンテンツの属性情報に基づいて生成してもよい。属性情報として、親子関係を表す情報を有していても良い。図示しないが、例えば、第一コンテンツの属性情報に「父」が設定されていて、第二コンテンツの属性情報に「長男」「次女」のように第一コンテンツとの関係を示す情報が設定されてもよい。
【0082】
上述した第二コンテンツの生成は、ゲームシステム1において実行され、例えば、サーバ装置10で実行され得る。第二コンテンツの生成は、上記関連コンテンツの生成として記載した例のいずれかを採用、又は、複数の例を組み合わせて実施してもよい。
【0083】
上述した第二コンテンツの生成には、生成可能な上限数が定められていてもよい。また、当該上限数を増加させるための増加条件があってもよい。例えば、当初は5つだけ第二コンテンツの生成が可能で、プレイヤのレベルが上がる、所定のステージに到達する、所定のミッションをクリアした、第一コンテンツを所定の時間保有していた等の条件を満たすことにより、第二コンテンツを例えば7つ生成可能にするように設計してもよい。
【0084】
図5のフローチャートに戻る。次に、ゲームシステム1は、第二コンテンツを付与可能か否か判定する(ステップS16)。ゲームシステム1が第二コンテンツを付与可能と判定した場合(ステップS16にてYES)には、第二コンテンツを第一ユーザとは異なる第二ユーザに付与可能にする(ステップS17)。ゲームシステム1が第二コンテンツを付与不可と判定した場合(ステップS16にてNO)には、後述するステップS21に進む。
【0085】
[付与可能化]
第二コンテンツの付与可能化とは、例えば、第一ユーザとは異なる第二ユーザに付与可能にすることをいい、より具体的には、第二ユーザが取得可能にすることをいう。後述するが、生成された第二コンテンツはNFTであることが好ましい。この場合には、取得可能する場合には、分散型台帳ネットワーク40に接続された所定のマーケットに販売可能に展示することで付与可能化し得る。
【0086】
次に、ゲームシステム1は、第二ユーザから第二コンテンツの購入要求を受け付ける(ステップS18)。次に、ゲームシステム1は、ステップS18において受け付けた購入要求に基づいて、第二ユーザに第二コンテンツを付与する(ステップS19)。
【0087】
次に、ゲームシステム1は、第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行する(ステップS20)。ステップS19の第二コンテンツの付与からステップS20の第二コンテンツに対応するNFTの発行までのタイムラグは短いほど好ましいが、分散型台帳ネットワーク40に記憶させるまでに時間がかかることがあり得る。そこで、NFT発行の完了は所定の期間を要することと想定する。
【0088】
次に、ゲームシステム1は、非代替性トークンが発行されたコンテンツを保有するユーザに対して、ゲームを有利に進行するための利益を付与する(ステップS21)。
【0089】
[利益の付与]
ゲームを有利に進行するための利益とは、例えば、コンテンツに含まれる属性情報の値を増加する、スキルを追加する、保有した期間に応じてコンテンツの経験値を蓄積させる(経験値が所定の値まで蓄積されるとコンテンツがレベルアップ可能)、ゲーム内で利用可能なアイテム等の購入金額を割引く、ゲームにログインしたときに付与される特典が豪華になる等が挙げられる。すなわち、NFTコンテンツを保有することでユーザにメリットがあればよい。
【0090】
利益の付与は、NFTコンテンツの種類に応じて変えても良い。例えば、第一コンテンツと第二コンテンツとが全く同一の外観やパラメータであった場合であっても、第一コンテンツを保有することで、利益を付与されるように設計してもよい。この場合には、第二コンテンツを保有していても利益が付与されない。あるいは、例えば、第一コンテンツを保有していても利益が付与されず、第二コンテンツを保有している場合にのみ利益が付与されるように設計してもよい。
【0091】
付与される利益は、例えばゲームのストーリーに新たなストーリーを追加するようなものであってもよい。例えば、第一コンテンツを保有するユーザには新しいストーリーを提供し、第二コンテンツを保有するユーザには新しいストーリーを提供しないようにしてもよい。第一コンテンツを保有するユーザには新しいストーリーを提供せず、第二コンテンツを保有するユーザには新しいストーリーを提供するようにしてもよい。あるいは、例えば、第一コンテンツを保有するユーザ及び第二コンテンツを保有するユーザのいずれにも新しいストーリーを提供するようにしてもよい。この場合には、異なるストーリーを提供することが好ましい。
【0092】
ユーザはゲームを進行させながら、ステップS14からS21までの処理を繰り返し実行してもよく、ユーザの好きなタイミングでゲームを中断又は終了してもよい。
【0093】
第二の実施の形態において、ゲームシステム1における同一内容のコンテンツには配布の上限数が設定されていてもよい。配布の上限数が決まっていることにより、第一コンテンツ及び第二コンテンツをユーザ全員が保有することが困難になる。一方で、運営者は第一コンテンツのみ付与可能に設定しておけばよく、第二コンテンツはゲームシステム1が生成するので、運営者がコンテンツを準備する負担を軽減することができる。
【0094】
第二の実施の形態において、第一コンテンツ及び第一コンテンツに関連する第二コンテンツが関連していることがわかるようにデータを保持してもよい。例えば、第一コンテンツを識別するための識別コードを、第二コンテンツの情報として記憶するように設計してもよい。このようにすることで、第一コンテンツから派生した第二コンテンツを管理することが可能である。第一コンテンツと第二コンテンツとの関連を示す情報は、サーバ装置10に記憶してもよいし、分散型台帳ネットワーク40に記憶してもよい。
【0095】
第二の実施の形態の一側面として、第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて第二コンテンツを生成し、該第二コンテンツに関する非代替性トークン(NFT)を発行することで、NFTコンテンツの流通を促すことが可能な新しいゲームシステムを提供することができる。
【0096】
第二の実施の形態において、「端末装置」、「コンテンツ」、「第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部」、「コンテンツの生成」、「付与」、及び「付与後の所定の期間」は、それぞれ第一の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0097】
第二の実施の形態において、「第一コンテンツ」とは、例えば、関連するコンテンツを生成する元になるコンテンツをいい、一例として、ゲーム運営から一次流通で購入可能なコンテンツであってもよい。「第二コンテンツ」とは、例えば、第一コンテンツに関連するコンテンツとしてゲームシステムに生成されるコンテンツをいい、一例として、他のユーザがマーケットに出展しているコンテンツであってもよく、二次流通で購入可能なコンテンツであってもよい。「付与可能」とは、例えば、第一ユーザとは異なる第二ユーザに付与可能にすることをいい、より具体的には、第二ユーザが取得可能にすることをいう。「特徴量」とは、例えば、ゲーム内におけるコンテンツの性質や特性を表すものをいい、数値化可能な情報であってもよい。「付与可能な上限数」とは、例えば、ゲーム内に存在可能なコンテンツの数量をいう。
【0098】
本開示において、ゲームシステム1がすべての機能を備えているが、これに限定されない。例えば、サーバ装置10、端末装置30及び分散型台帳ネットワーク40に機能を振り分けて実現してもよい。
【0099】
本開示において、分散型台帳ネットワーク40を1種類のネットワークとして記載したが、これに限定されない。例えば、第一コンテンツを発行する分散型台帳ネットワーク40と、第二コンテンツを発行する分散型台帳ネットワーク40とを分けてもよい。例えば、第一コンテンツにはNFTコンテンツに関するオークションが活発な分散型台帳ネットワークを使用し、第二コンテンツには、ゲームのレスポンスを考慮して、NFT発行のレスポンスが早い分散型台帳ネットワークを使用するといった運用に適したネットワークを選択的に利用するように設計してもよい。
【0100】
上記各実施の形態に記載した内容は、それぞれ当業者が組み変えることにより、適宜設計し得るものである。
【0101】
[付記]
上で述べた実施の形態の説明は、下記の発明を、発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
【0102】
[1] ビデオゲーム内で用いられる1以上のコンテンツを含むビデオゲームを実行する端末装置と、該端末装置と通信ネットワークを介して接続するサーバ装置とを備えるゲームシステムであって、
ゲームシステムが、
前記ゲームを進行するゲーム進行手段と、
第一コンテンツの所有者として第一ユーザを関連付ける第一コンテンツ関連付け手段と、
第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する第二コンテンツ生成手段と、
第二コンテンツを第二ユーザに付与する付与手段と、
第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行する発行手段と
を備えるゲームシステム。
【0103】
[2] 前記ゲームシステムがさらに、
所定の付与可能化条件を満たした場合に、第二コンテンツを第一ユーザとは異なる第二ユーザに付与可能にする付与可能化手段
を備える、[1]に記載のゲームシステム。
【0104】
[3] 前記第二コンテンツ生成手段が、第一コンテンツの外観に基づいて、視認可能に変化させて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する、
[1]又は[2]に記載のゲームシステム。
【0105】
[4] 前記コンテンツが属性情報を有するものであり、
前記第二コンテンツ生成手段が、第一コンテンツの属性情報に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する、
[1]又は[2]に記載のゲームシステム。
【0106】
[5] 前記属性情報は、複数の項目に設定された、数値化可能な特徴量から構成されており、
前記第二コンテンツ生成手段がさらに、
第一コンテンツの属性に含まれる特徴量の合計値未満となるように、第二コンテンツの属性情報を決定する第二コンテンツ属性決定手段
を備え、
第二コンテンツ生成手段が、決定された属性情報を設定した第二コンテンツを生成する、
[4]に記載のゲームシステム。
【0107】
[6] 前記ゲームシステムがさらに、
前記第一コンテンツの属性情報に関連付けて、第二コンテンツに設定可能な属性情報を記憶する関連属性情報記憶手段
を備え、
第二コンテンツ生成手段が、設定可能な属性情報を設定した第二コンテンツを生成する、
[4]に記載のゲームシステム。
【0108】
[7] 前記第一コンテンツは、前記第一コンテンツ関連付け手段により第一ユーザと関連付けられる前に、第一コンテンツに関する第一非代替性トークンが発行されている、
[1]又は[2]に記載のゲームシステム。
【0109】
[8] 前記ゲームシステムがさらに、分散型台帳ネットワークに接続されており、
前記付与可能化手段が、第二コンテンツを所定のマーケットに登録することで、第二ユーザに販売可能にする、[2]に記載のゲームシステム。
【0110】
[9] 前記ゲーム進行手段が、非代替性トークンが発行されたコンテンツを保有するユーザに対して、ゲームを有利に進行するための利益を付与する利益付与手段を備える、
[1]又は[2]に記載のゲームシステム。
【0111】
[10] 前記第一コンテンツ及び/又は第二コンテンツには付与可能な上限数が設定されている、
[1]又は[2]に記載のゲームシステム。
【0112】
[11] ビデオゲーム内で用いられる1以上のコンテンツを含むビデオゲームを実行する端末装置と、該端末装置と通信ネットワークを介して接続するサーバ装置とを備えるゲームシステムにおけるサーバ装置に該ビデオゲームを制御させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
サーバ装置に、
前記ゲームを進行するゲーム進行手段と、
第一コンテンツの所有者として第一ユーザを関連付ける第一コンテンツ関連付け手段と、
第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する第二コンテンツ生成手段と、
第二コンテンツを第二ユーザに付与する付与手段と、
第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行する発行手段と
を実現させるビデオゲーム処理プログラム。
【0113】
[12] [11]のビデオゲーム処理プログラムをインストールしたサーバ装置。
【0114】
[13] ビデオゲーム内で用いられる1以上のコンテンツを含むビデオゲームを実行する端末装置と、該端末装置と通信ネットワークを介して接続するサーバ装置とを備えるゲームシステムにおける端末装置に該ビデオゲームを制御させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
端末装置に、
前記ゲームを進行するゲーム進行手段と、
第一コンテンツの所有者として第一ユーザを関連付ける第一コンテンツ関連付け手段と、
第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成する第二コンテンツ生成手段と、
第二コンテンツを第二ユーザに付与する付与手段と、
第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行する発行手段と
を実現させるビデオゲーム処理プログラム。
【0115】
[14] [13]のビデオゲーム処理プログラムをインストールした端末装置。
【0116】
[15] ビデオゲーム内で用いられる1以上のコンテンツを含むビデオゲームを実行する端末装置と、該端末装置と通信ネットワークを介して接続するサーバ装置とを備えるゲームシステムにおいて実行される制御方法であって、
前記ゲームを進行するステップと、
第一コンテンツの所有者として第一ユーザを関連付けるステップと、
第一コンテンツが有する情報の少なくとも一部に基づいて、第一コンテンツに関連する第二コンテンツを生成するステップと、
第二コンテンツを第二ユーザに付与するステップと、
第二コンテンツを第二ユーザに付与後の所定の期間までに、第二コンテンツに関する第二非代替性トークンを発行するステップと
を有する制御方法。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明の実施の形態の一つによれば、NFTコンテンツの流通を促し、より趣向性の高い、新たなビデオゲームを提供できるようなゲームシステム、プログラム、制御方法、サーバ装置、端末装置として有用である。
【符号の説明】
【0118】
1 :ゲームシステム
10 :サーバ装置
20 :通信ネットワーク
30 :端末装置
40 :分散型台帳ネットワーク
45 :ノード