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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102825
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】毛髪脱色用又は染毛用化粧品
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20240724BHJP
   A61Q 5/08 20060101ALI20240724BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20240724BHJP
   A61K 8/22 20060101ALI20240724BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240724BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20240724BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20240724BHJP
   A61K 8/20 20060101ALI20240724BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20240724BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
A61K8/81
A61Q5/08
A61Q5/10
A61K8/22
A61K8/34
A61K8/41
A61K8/19
A61K8/20
A61K8/46
A61K8/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024001679
(22)【出願日】2024-01-10
(31)【優先権主張番号】P 2023006595
(32)【優先日】2023-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上原 卓也
(72)【発明者】
【氏名】坂井 優太
(72)【発明者】
【氏名】神田 崇
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AB081
4C083AB082
4C083AB331
4C083AB332
4C083AB352
4C083AB411
4C083AB412
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC402
4C083AC472
4C083AC532
4C083AC541
4C083AC542
4C083AC552
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC781
4C083AC782
4C083AC892
4C083AD042
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD512
4C083AD642
4C083BB05
4C083BB34
4C083CC35
4C083CC36
4C083DD06
4C083DD08
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE26
4C083EE27
(57)【要約】
【課題】頭髪の内側まで(根元付近まで)剤が十分に浸透し、頭髪の表面と内側の色ムラのない仕上がりが得られる泡状の毛髪脱色用又は染毛用化粧品の提供。
【解決手段】アルカリ剤を含有する第1剤、過酸化水素を含有する第2剤、及び第1剤と第2剤を含む混合液を泡状に吐出するため容器を備える、毛髪脱色用又は染毛用化粧品であって、
第1剤と第2剤を含む混合前のすべての剤のうち、少なくとも一つの剤は可溶化溶液であり、
当該混合液中に次の成分(A)~(D)を含有し、かつ
混合前の可溶化溶液中に含まれる成分(A)を成分(A)sとしたときに、成分(A)及び成分(B)の合計に対する成分(A)sの質量比(A)s/[(A)+(B)]が0.079以下である、
毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
(A) 炭素数10以上14以下の脂肪族アルコール
(B) 炭素数19以上24以下の脂肪族アルコール
(C) イオン性界面活性剤
(D) ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ剤を含有する第1剤、過酸化水素を含有する第2剤、及び第1剤と第2剤を含む混合液を泡状に吐出するため容器を備える、毛髪脱色用又は染毛用化粧品であって、
第1剤と第2剤を含む混合前のすべての剤のうち、少なくとも一つの剤は可溶化溶液であり、
当該混合液中に次の成分(A)~(D)を含有し、かつ
混合前の可溶化溶液中に含まれる成分(A)を成分(A)sとしたときに、成分(A)及び成分(B)の合計に対する成分(A)sの質量比(A)s/[(A)+(B)]が0.079以下である、
毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
(A) 炭素数10以上14以下の脂肪族アルコール
(B) 炭素数19以上24以下の脂肪族アルコール
(C) イオン性界面活性剤
(D) ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体
【請求項2】
可溶化溶液中における脂肪族アルコールの含有量が0.3質量%以下である、請求項1に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【請求項3】
容器がノンエアゾールフォーマー容器である、請求項1又は2に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品を用い、第1剤と第2剤を含む混合液を容器から泡状に吐出させ、その泡を、手を用いて毛髪に適用する毛髪脱色又は染毛方法。
【請求項5】
容器がノンエアゾールフォーマー容器である、請求項4に記載の毛髪脱色又は染毛方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪脱色用又は染毛用化粧品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、毛髪脱色剤や染毛剤としては、剤を泡状に吐出することで、脱色又は染毛操作を簡便化することが提案されており、例えば、一剤式又は二剤式のエアゾールタイプ又はノンエアゾールタイプのものが知られている。しかし、一般的な泡状製剤は、皮脂や、アウトバスタイプのヘアトリートメント、ヘアコンディショナー等が付着した毛髪に対して適用した場合、吐出した泡を毛髪に塗布する際や頭髪上で保持する際に泡が消えやすくなるうえに、液だれを起こしやすくなることがあり、この場合毛髪をムラなくきれいに染めることができなくなってしまうという問題があった。
【0003】
この問題を解決するために、ノンエアゾールタイプの毛髪脱色用又は染毛用化粧品における第1剤と第2剤の混合液中に、特定のアニオン性界面活性剤と特定のカチオンポリマーとを配合することによって、毛髪化粧料が付着した頭髪に適用した場合にも、泡立ちと泡もちが良好で、色ムラのない脱色又は染色を可能としたものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-107962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術によっても、施術者による泡の塗布方法によっては、頭髪の内側まで(根元付近まで)剤が浸透しにくいという問題があった。すなわち、ブリーチやカラーリングにあまり習熟していない施術者、例えば自宅用ヘアカラーを使い始めて間もない一般生活者では、吐出した泡を髪に「なでつけ塗り」しがちであり、このような場合には泡が頭髪の内側まで十分に浸透せず、染め残しや染めムラが生じやすい。また、仕上がりに満足しておらず、更なる良好な仕上がりを求める生活者にとっても、頭髪の内側までの浸透性に優れることは、泡状の毛髪脱色剤又は染毛剤として望ましい特性である。
【0006】
したがって本発明は、特許文献1に記載の技術の特長を活かしたまま、頭髪の内側まで(根元付近まで)剤が十分に浸透し、頭髪の表面と内側の色ムラのない仕上がりが得られる泡状の毛髪脱色用又は染毛用化粧品に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、アルカリ剤を含有する第1剤と過酸化水素を含有する第2剤を含む混合液を容器から泡状に吐出させるタイプの多剤式毛髪脱色用又は染毛用化粧品において、混合前のすべての剤が、少なくとも一つの可溶化溶液と少なくとも一つの乳化液から構成されるものとし、特定鎖長の2群の脂肪族アルコール、イオン性界面活性剤、及び特定のカチオン性ポリマーを併用し、混合液中における前記2群の脂肪族アルコールの合計に対する可溶化溶液中の短鎖脂肪族アルコールの相対量を抑制することで、吐出から塗布時における泡の粘度が低く維持され、頭髪の内側まで(根元付近まで)の浸透性と、毛髪繊維内部への混合液成分の移行性が顕著に向上すること、更には皮脂等の油性成分に対する泡の安定性も向上することを見出した。この結果、本発明は、頭髪の内側と表面との色ムラのない、高い脱色性又は染色性を発揮する。
【0008】
本発明は、アルカリ剤を含有する第1剤、過酸化水素を含有する第2剤、及び第1剤と第2剤を含む混合液を泡状に吐出するため容器を備える、毛髪脱色用又は染毛用化粧品であって、
第1剤と第2剤を含む混合前のすべての剤のうち、少なくとも一つの剤は可溶化溶液であり、
当該混合液中に次の成分(A)~(D)を含有し、かつ
混合前の可溶化溶液中に含まれる成分(A)を成分(A)sとしたときに、成分(A)及び成分(B)の合計に対する成分(A)sの質量比(A)s/[(A)+(B)]が0.079以下である、
毛髪脱色用又は染毛用化粧品を提供するものである。
(A) 炭素数10以上14以下の脂肪族アルコール
(B) 炭素数19以上24以下の脂肪族アルコール
(C) イオン性界面活性剤
(D) ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体
【0009】
更に本発明は、上記の毛髪脱色用又は染毛用化粧品を用い、第1剤と第2剤を含む混合液を容器から泡状に吐出させ、その泡を、手を用いて毛髪に適用する毛髪脱色又は染毛方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品は、吐出された泡の頭髪の内側まで(頭皮近傍まで)の浸透性と、毛髪繊維内部への混合液成分の移行性が顕著に向上し、更には皮脂等の油性成分に対する泡の安定性にも優れる結果、髪の内側と表面との色ムラのない、高い脱色性又は染色性を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品は、第1剤及び第2剤を混合して用いる二剤式化粧品、又は第1剤及び第2剤に加え、更に過硫酸塩等の造粒物を含有する剤やコンディショニング成分を含有する剤を第3剤ないし第4剤として混合して用いる三剤式又は四剤式化粧品として使用することができる。本発明において、混合液とは、二剤式化粧品の場合には第1剤及び第2剤の混合液を、三剤式化粧品の場合には第1剤、第2剤及び第3剤の混合液を、四剤式化粧品の場合には第1剤、第2剤、第3剤及び第4剤の混合液を意味する。
【0012】
また、本発明の脱色用又は染色用製品を構成する第1剤と第2剤を含む混合前のすべての剤のうち、少なくとも一つの剤は可溶化溶液であり、残りの剤は可溶化溶液、乳化液のいずれでもよいが、少なくとも一つの乳化液を含むことが好ましい。
なお、可溶化液とは、参考文献1(Moroi Y., “Solubilization” Micelles, 1992, chapter 9, p.167-181(URL : https://doi.org/10.1007/978-1-4899-0700-4_9))に記載のとおり、ある溶媒に通常不溶性又はわずかに可溶性の物質に両親媒性成分を加えて調製された、熱力学的に安定な等方性溶液を意味する。
【0013】
〔アルカリ剤〕
第1剤中にはアルカリ剤を含有する。アルカリ剤としては、強アンモニア水及び塩化アンモニウム等のアンモニア及びその塩;モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノブタノール等のアルカノールアミン及びその塩;1,3-プロパンジアミン等のアルカンジアミン及びその塩;炭酸グアニジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩等が挙げられる。これらのアルカリ剤は、2種以上を併用してもよい。混合液中におけるアルカリ剤の含有量は、十分な脱色又は染色効果の点から、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上、更に好ましくは2.0質量%以上であり、また、繊維の損傷や頭皮刺激の低減の点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
【0014】
〔過酸化水素〕
第2剤中には過酸化水素を含有する。第2剤中における過酸化水素の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、また、好ましくは12質量%以下、より好ましくは9質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である。混合液中における過酸化水素の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、また、好ましくは6質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。また、第2剤のpHは、過酸化水素の分解抑制の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは2.5以上であり、また、好ましくは6以下、より好ましくは4以下である。
【0015】
〔成分(A):炭素数10以上14以下の脂肪族アルコール〕
本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品は、混合液中に成分(A)として炭素数10以上14以下の脂肪族アルコールを含有する。成分(A)は、飽和の脂肪族アルコールであることが好ましく、また、直鎖の脂肪族アルコールであることが好ましい。成分(A)の炭素数は、好ましくは12~14、より好ましくは14である。
【0016】
成分(A)としては、デカノール、ドデカノール、ミリスチルアルコールが挙げられ、なかでもミリスチアルコールが好ましい。
【0017】
成分(A)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。混合液中における成分(A)の含有量は、頭髪の内側までの浸透性、毛髪繊維内部への移行性、及び耐皮脂性を高め、色ムラのない高い脱色性又は染色性を実現する観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、また、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である。
なお、成分(A)は、その一部が混合前の可溶化液中にも含まれ得る。本発明では、成分(A)のうち、混合前の可溶化液中に含まれる成分(A)を「成分(A)s」と称する。
【0018】
〔成分(B):炭素数19以上24以下の脂肪族アルコール〕
本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品は、混合液中に成分(B)として炭素数19以上24以下の脂肪族アルコールを含有する。成分(B)は、飽和の脂肪族アルコールであることが好ましく、また、直鎖の脂肪族アルコールであることが好ましい。成分(B)の炭素数は、好ましくは20~24、より好ましくは22である。
【0019】
成分(B)としては、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナービルアルコールが挙げられ、なかでもベヘニルアルコールが好ましい。
【0020】
成分(B)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。混合液中における成分(B)の含有量は、頭髪の内側までの浸透性、毛髪繊維内部への移行性、及び耐皮脂性を高め、色ムラのない高い脱色性又は染色性を実現する観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、また、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
【0021】
本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品は、頭髪の内側までの浸透性、毛髪繊維内部への移行性、及び耐皮脂性を高め、色ムラのない高い脱色性又は染色性を実現する観点から、可溶化溶液中に成分(A)、成分(B)、又はこれら以外の脂肪族アルコールを含まないことが好ましく、これらを含む場合であっても、それらの合計含有量はできるだけ少量であることが好ましく、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以下、更に好ましくは0.005質量%以下、更に好ましくは0.001質量%以下である。
【0022】
本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品において、混合前の可溶化溶液中に含まれる成分(A)を成分(A)sとしたときに、成分(A)及び成分(B)の合計に対し、成分(A)sが特定の量的関係を有する。すなわち、第1剤と第2剤を含む剤を適宜定めた混合比にしたがって得た混合液中に含まれる成分(A)及び成分(B)との合計量100質量%を基準としたときの、成分(A)sの量(質量%)の割合を示す質量比(A)s/[(A)+(B)]が特定の値を示す。
具体的には、本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品において、混合前の可溶化溶液中に含まれる成分(A)を成分(A)sとしたときに、頭髪の内側までの浸透性、毛髪繊維内部への移行性、及び耐皮脂性を高め、色ムラのない高い脱色性又は染色性を実現する観点から、成分(A)及び成分(B)の合計に対する成分(A)sの質量比(A)s/[(A)+(B)]は、0.079以下であって、好ましくは0.07以下、より好ましくは0.06以下、更に好ましくは0.05以下、更に好ましくは0.04以下、更に好ましくは0.03以下、更に好ましくは0.02以下、更に好ましくは0.01以下、更に好ましくは0.005以下、更に好ましくは0.001以下、更に好ましくは0.0005以下、更に好ましくは0.0001以下であり、更には可溶化溶液中に成分(A)を含まない、すなわち可溶化溶液100質量%中に成分(A)sが0質量%であることが好ましい。
なお、本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品が複数の可溶化溶液を含む場合には、可溶化溶液中に含まれる成分(A)sとは、すべての可溶化溶液中に含まれる成分(A)の合計量をいうものとする。
【0023】
〔成分(C):イオン性界面活性剤〕
本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品は、成分(C)として、混合液中にイオン性界面活性剤を含有する。イオン性界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。なかでも、吐出された混合液の泡立ち・泡持ちと毛髪脱色用又は染毛用化粧品に含有される染料の溶解性の観点から、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤が好ましい。
【0024】
<カチオン性界面活性剤>
カチオン性界面活性剤としては、次の一般式(1)で表されるモノ長鎖アルキルアンモニウム塩が好ましい。
【0025】
【化1】
【0026】
〔式中、R1は炭素数12~24の直鎖のアルキル基を示し、X-はアニオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸アニオン、スルホン酸アニオン、メチル硫酸アニオン、リン酸アニオン、硝酸アニオン等)を示す。〕
【0027】
一般式(1)中のR1は、頭髪の内側までの浸透性、毛髪繊維内部への移行性、及び耐皮脂性を高め、色ムラのない高い染色性を実現する観点から、好ましくは炭素数12~18である。
【0028】
より好ましいカチオン性界面活性剤としては、次の一般式(2)で表されるモノ長鎖アルキルアンモニウム塩と次の一般式(3)で表されるモノ長鎖アルキルアンモニウム塩の組み合わせが挙げられる。
【0029】
【化2】
【0030】
〔式中、R2は炭素数12~16の直鎖のアルキル基を示し、X-は前記と同じ意味を示す。〕
【0031】
【化3】
【0032】
〔式中、R3は炭素数18~24の直鎖のアルキル基を示し、X-は前記と同じ意味を示す。〕
【0033】
一般式(2)中のR2は、頭髪の内側までの浸透性、毛髪繊維内部への移行性、及び耐皮脂性を高め、色ムラのない高い染色性を実現する観点から、好ましくは炭素数14~16、より好ましくは16である。また、一般式(2)中のR3は、同様の観点から、好ましくは炭素数18~20、より好ましくは18である。
好ましいカチオン性界面活性剤の具体例としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムが挙げられる。
【0034】
<アニオン性界面活性剤>
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル系アニオン性界面活性剤;N-アシルアミノ酸塩、N-アシル-N-アルキルアミノ酸塩、アミド型N-アシルアミノ酸塩、エーテルカルボン酸塩、脂肪酸塩、コハク酸アルキル又はコハク酸アルケニルの塩等のカルボン酸系アニオン性界面活性剤;スルホコハク酸塩型、イセチオン酸塩型、タウリン塩型、アルキルベンゼンスルホン酸塩型、α-オレフィンスルホン酸塩型、アルカンスルホン酸型等のスルホン酸系アニオン性界面活性剤;アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩等のリン酸エステル系アニオン性界面活性剤が挙げられる。これらのうち、カルボン酸系、硫酸エステル系が好ましい。カルボン酸系アニオン性界面活性剤の中でも、N-アシルアミノ酸塩、エーテルカルボン酸塩が好ましく、このうち、アシル基の炭素数が10~18、好ましくは10~16、更に好ましくは10~14のN-アシルグルタミン酸塩、アルキル基の炭素数が10~18、好ましくは10~16、更に好ましくは10~14でオキシエチレン基の平均付加モル数が4以下、好ましくは3以下、更に好ましくは4以下のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましい。
好ましいアニオン性界面活性剤の具体例としては、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0035】
<両性界面活性剤>
両性界面活性剤としては、炭素数8~24のアルキル基、アルケニル基又はアシル基を有するカルボベタイン系、アミドベタイン系、スルホベタイン系、ヒドロキシスルホベタイン系、アミドスルホベタイン系、ホスホベタイン系、イミダゾリニウム系の界面活性剤が挙げられ、なかでもカルボベタイン系界面活性剤、スルホベタイン系界面活性剤が好ましい。好ましい両性界面活性剤としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。
【0036】
成分(C)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。混合液中における成分(C)の合計含有量は、頭髪の内側までの浸透性、毛髪繊維内部への移行性、及び耐皮脂性を高め、色ムラのない高い脱色性又は染色性を実現する観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、また、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
【0037】
〔成分(D):ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体〕
本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品は、混合液中に、成分(D)として、ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体を含有する。なお、本発明におけるジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体には、ジアリル4級アンモニウム塩以外のカチオン性基やその他にアニオン性基を更に有するポリマーも含む。このようなポリマーの場合も、カチオン性基の電荷密度のみを考慮するものとする。
【0038】
成分(D)の電荷密度は、頭髪の内側までの浸透性、毛髪繊維内部への移行性、及び耐皮脂性を高め、色ムラのない高い染色性を実現する観点から、好ましくは4.0meq/g以上、より好ましくは4.3meq/g以上、更に好ましくは4.6meq/g以上、更に好ましくは4.9meq/g以上、更に好ましくは5.2meq/g以上、更に好ましくは5.5meq/g以上であり、また、好ましくは8.0meq/g以下、より好ましくは7.0meq/g以下、更に好ましくは6.5meq/g以下である。ここで、本発明において電荷密度とは、ポリマー1g当たりのカチオン性基のモル数×1000(meq/g)をいう。
【0039】
成分(D)の重合体は、次の一般式(4)又は(5)で表される骨格を有する重合体である。
【0040】
【化4】
【0041】
〔式中、R4及びR5は同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、アリール基(フェニル基等)、ヒドロキシアルキル基、アミドアルキル基、シアノアルキル基、アルコキシアルキル基又はカルボアルコキシアルキル基を示し、R6及びR7は同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1~3のアルキル基又はフェニル基を示し、X-はアニオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸アニオン、スルホン酸アニオン、メチル硫酸アニオン、リン酸アニオン、硝酸アニオン等)を示す。〕
【0042】
成分(D)の重合体は、頭髪の内側までの浸透性、毛髪繊維内部への移行性、及び耐皮脂性を高め、色ムラのない高い染色性を実現する観点から、式(4)又は(5)で表される構成単位を、一分子中に好ましくは85~100モル%、より好ましくは90~100モル%、更に好ましくは95~100モル%含有する。
【0043】
成分(D)の重合体としては、ジアリル4級アンモニウム塩の単独重合体、ジアリル4級アンモニウム塩とアクリル酸との共重合体が好ましく、なかでも、ジアリル4級アンモニウム塩とアクリル酸との共重合体がより好ましい。
【0044】
ジアリル4級アンモニウム塩とアクリル酸との共重合体としては、例えば次の一般式(4a)又は(5a)で表されるものが好ましい。
【0045】
【化5】
【0046】
〔各式中、R4、R5、R6、R7及びX-は前記と同じ意味を示す。x及びyはそれぞれ1~99の数を示し、zは150~8,000の数を示す。〕
【0047】
xとyの割合(x:y)は、頭髪の内側までの浸透性、毛髪繊維内部への移行性、及び耐皮脂性を高め、色ムラのない高い染色性を実現する観点から、好ましくは85:15~99:1、より好ましくは90:10~99:1であり、更に好ましくは95:5~99:1である。
xとyの付加形態はブロックでもランダムでもよい。
【0048】
成分(D)の重量平均分子量は、頭髪の内側までの浸透性、毛髪繊維内部への移行性、及び耐皮脂性を高め、色ムラのない高い染色性を実現する観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは50,000以上、更に好ましくは100,000以上であり、また、好ましくは3,000,000以下、より好ましくは1,000,000以下、更に好ましくは200,000以下である。
【0049】
ここで、重量平均分子量は、例えばゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、以下の条件にて測定することができる。
移動層:50mM LiBr, 1質量%CH3COOH/エタノール:水=3:7
カラム:TSK gel α-M(2本直列)
標準物質:ポリエチレングリコール
【0050】
成分(D)の具体例としては、マーコート100(ルーブリゾール・アドバンスト・マテリアルズ社製、ジアリル4級アンモニウムの単独重合体)、マーコート280,295(ルーブリゾール・アドバンスト・マテリアルズ社製、ジアリル4級アンモニウム塩とアクリル酸との共重合体)が挙げられる。
【0051】
成分(D)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。成分(D)は、本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品のいずれの剤に含有させてもよいが、頭髪の内側までの浸透性、毛髪繊維内部への移行性、及び耐皮脂性を高め、色ムラのない高い染色性を実現する観点から、第1剤中に含有させることが好ましい。
【0052】
混合液中における成分(D)の含有量は、頭髪の内側までの浸透性、毛髪繊維内部への移行性、及び耐皮脂性を高め、色ムラのない高い染色性を実現する観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.4質量%以上であり、また、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である。
【0053】
〔成分(E):非イオン性界面活性剤〕
本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品は、混合液中に成分(E)として非イオン性界面活性剤を含有することができる。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルアルカノールアミド、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、アルキルポリグルコシド、アルキルグリセリルエーテル等が挙げられる。なかでも、吐出された混合液の泡立ち・泡持ちと毛髪脱色用又は染毛用化粧品に含有される染料の溶解性の観点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
【0054】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、次の一般式(6)で表されるものを用いることができる。
8-O-(AO)r-H (6)
〔式中、R8は炭素数8~22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、Aは炭素数2~4のアルキレン基を示し、rは平均値で1~250の数を示す。〕
【0055】
8の炭素数は、吐出された混合液の泡立ち・泡持ちと毛髪脱色用又は染毛用化粧品に含有される染料の溶解性の観点から、10~22が好ましく、更には12~20、更には12~18が好ましい。
Aとしては、エチレン基、プロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
rは、1~200が好ましく、更には2~180、更には10~160が好ましい。
【0056】
また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、頭髪の内側までの浸透性、毛髪繊維内部への移行性、及び耐皮脂性を高め、色ムラのない高い染色性を実現する観点から、アルキレンオキサイド平均付加モル数rの異なる2種以上の化合物を併用することが好ましい。すなわち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとして、rが1以上79以下である成分(E1)と、rが80以上250以下である成分(E2)との2種の化合物を併用することが好ましい。成分(E1)のrは、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、更に好ましくは30以上であり、また、好ましくは70以下、より好ましくは60以下、更に好ましくは50以下である。成分(E2)のrは、好ましくは100以上、より好ましくは120以上であり、また、好ましくは200以下、より好ましくは180以下である。
【0057】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が挙げられる。なかでも、吐出された混合液の泡立ち・泡持ちと毛髪脱色用又は染毛用化粧品に含有される染料の溶解性の観点から、ポリオキシエチレンセチルエーテルが好ましい。
【0058】
アルキルアルカノールアミドとしては、次の一般式(7)で表されるものを用いることができる。
【0059】
【化6】
【0060】
〔式中、R9は炭素数5~23の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、R10及びR11は各々独立に水素原子又は炭素数1~4のアルカノール基を示す。ただし、R10及びR11が同時に水素原子である場合を除く。〕
【0061】
9の炭素数は、吐出された混合液の泡立ちと毛髪脱色用又は染毛用化粧品に含有される染料の溶解性の観点から、8~22が好ましく、更には10~20、更には12~18が好ましい。
【0062】
アルキルアルカノールアミドの具体例としては、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
【0063】
ポリオキシアルキレンアルキルアミンとしては、次の一般式(8)で表されるものを用いることができる。
【0064】
【化7】
【0065】
〔式中、R12は炭素数5~23の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、A1及びA2は各々独立してエチレン基又はプロピレン基を示し、s及びtはそれぞれ平均値であり、両者の合計は5~50である。〕
【0066】
12の炭素数は、吐出された混合液の泡立ちと毛髪脱色用又は染毛用化粧品に含有される染料の溶解性の観点から、炭素数8~22が好ましく、更には10~20、更には12~18が好ましい。A1及びA2はエチレン基であることが好ましい。s及びtの合計は8~30であることが好ましく、10~20であることがより好ましい。
【0067】
ポリオキシアルキレンアルキルアミンの具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンセチルアミン、ポリオキシエチレンコカミン等が挙げられる。
【0068】
アルキルポリグルコシドとしては、炭素数6~22のアルキル基を有し、グルコシド単位の縮合度が1~7のものが好ましい。具体例としては、オクチルポリグルコシド、2-エチルヘキシルポリグルコシド、デシルポリグルコシド、ラウリルポリグルコシド、ミリスチルポリグルコシド、パルミチルポリグルコシド、イソステアリルポリグルコシド、ステアリルラウリルポリグルコシド、オレイルポリグルコシド、ベヘニルポリグルコシド等が挙げられる。これらのうち、炭素数8~18のアルキル基を有し、グルコシド単位の縮合度が1~7のものがより好ましい。
【0069】
アルキルグリセリルエーテルとしては、アルキル基が炭素数8~20、更には14~18のものが好ましく、また分岐鎖アルキル基であるものが好ましい。具体例としては、イソステアリルグリセリルエーテル、イソステアリルペンタエリスリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
【0070】
これらの非イオン性界面活性剤の中でも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが、毛髪脱色用又は染毛用化粧品の安定性と含有する染料の溶解性の観点から好ましい。
【0071】
成分(E)の非イオン性界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。混合液中における成分(E)の含有量は、頭髪の内側までの浸透性、毛髪繊維内部への移行性、及び耐皮脂性を高め、色ムラのない高い脱色性又は染色性を実現する観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、また、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
【0072】
〔染料〕
本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品が、染毛用化粧品である場合、第1剤中に酸化染料中間体又は直接染料を含有する。
【0073】
(酸化染料中間体)
酸化染料中間体としては、通常染毛剤に使用されている公知のプレカーサー及びカプラーを用いることができる。プレカーサーとしては、例えばパラフェニレンジアミン、トルエン-2,5-ジアミン、オルトクロルパラフェニレンジアミン、N-フェニルパラフェニレンジアミン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)パラフェニレンジアミン、3-メチル-4-アミノフェノール、2-ヒドロキシエチルパラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、パラメチルアミノフェノール、4-アミノ-メタクレゾール、オルトアミノフェノール、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾール、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノ-4-ピリミジノール、2-メトキシメチル-パラフェニレンジアミン及びこれらの塩等が挙げられる。
【0074】
また、カプラーとしては、例えばレゾルシン、2-メチルレゾルシン、1-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、5-アミノオルトクレゾール、メタフェニレンジアミン、オルトアミノフェノール、メタアミノフェノール、パラアミノフェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2,6-ジアミノピリジン、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、4-クロロレゾルシン及びこれらの塩等が挙げられる。
【0075】
プレカーサーとカプラーはそれぞれ2種以上を併用してもよく、第1剤中におけるプレカーサーとカプラーそれぞれの含有量は、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下である。
【0076】
(直接染料)
直接染料としては、酸性染料、ニトロ染料、分散染料、塩基性染料等が挙げられる。より具体的には、酸性染料としては、青色1号、紫色401号、黒色401号、だいだい色205号、赤色227号、赤色106号、黄色203号、酸性橙3等が挙げられ、ニトロ染料としては、2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、3-ニトロ-p-ヒドロキシエチルアミノフェノール、4-ニトロ-o-フェニレンジアミン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、HC青2、HC橙1、HC赤1、HC黄2、HC黄4、HC黄5、HC赤3、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-p-フェニレンジアミン等が挙げられ、分散染料としては、分散紫1、分散青1、分散黒9等が挙げられ、塩基性染料としては、塩基性青99、塩基性茶16、塩基性茶17、塩基性赤76、塩基性黄76、塩基性橙31、塩基性赤51等が挙げられる。更に、これらのほかにも、ピクラミン酸、塩基性紫2、塩基性黄57、塩基性茶16、黄色403号、塩基性紫2、塩基性黄87、HC青18、HC黄16、HC赤16、塩基性青124、黄色4号、HC青15、テトラブロモフェノールブルーも挙げられる。
【0077】
直接染料は、2種以上を併用してもよく、酸化染料中間体と併用してもよい。第1剤中における直接染料の含有量は、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
【0078】
〔油剤〕
本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品には、吐出させる混合液の泡を安定化させる観点から、更に油剤を含有させることができる。このような油剤としては、スクワレン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素類;ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボカド油、オリーブ油等のグリセリド類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2-エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル類;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリル酸、イソパルミチン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等の成分(A)、(B)以外の高級アルコール類;その他イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル等が挙げられる。
【0079】
混合液における油剤の含有量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。
【0080】
〔シリコーン類〕
本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品には、吐出させた泡が長時間維持できる観点からは、混合液中にシリコーンを含有しないことが好ましいが、泡を頭髪に滑らかになじませるため、また頭髪に高いコンディショニング効果を付与するため、一定範囲内で、更にシリコーン類を含有させることもできる。シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、オキサゾリン変性シリコーンエラストマー等、及びこれらを界面活性剤により水中に分散させたエマルションが挙げられる。これらのうち、増粘剤を用いることなく安定に水中に分散可能な点から、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン及びこれらのエマルションが好ましい。
【0081】
ポリエーテル変性シリコーンには、末端変性及び側鎖変性のもの、例えばペンダント型(櫛型)、両末端変性型、片末端変性型のものなどが含まれる。このような変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体等が挙げられる。ポリエーテル変性シリコーンとしては、HLB10以上、更にはHLB10~18のものが、水との相溶性の点から好ましい。ここで、HLBは、曇数(曇数:HLBと相関のある指標でエーテル型非イオン性界面活性剤に適用される)から求めた値によるものである。
【0082】
アミノ変性シリコーンとしては、アミノ基又はアンモニウム基を有しているものであればよいが、アモジメチコーンが好ましい。
【0083】
混合液中にシリコーン類を加える場合におけるシリコーン類の含有量は、泡を毛髪に滑らかになじませ、また高いコンディショニング効果を付与する観点より、好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上であり、また、吐出された混合液の泡立ちを妨げない観点より、好ましくは2質量%以下、更には1.5質量%以下、更には1質量%以下である。
【0084】
〔不揮発性親水性溶剤〕
更に、混合液中に不揮発性親水性溶剤を含有することが好ましい。これにより、混合液の泡を頭髪に塗布した後、放置している間に、混合液から水分が蒸発して過酸化水素等の刺激性の成分が濃縮されることによる頭皮に対する刺激を軽減することができる。不揮発性親水性溶剤としては、ポリオール類やその低級(炭素数1~4)アルキルエーテル類等が好ましい。ポリオール類としては、炭素数2~6のものが好ましく、例えば、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、ソルビトール等が挙げられる。ポリオールの低級アルキルエーテル類としては、ポリオールのモノ低級アルキルエーテルやポリ低級アルキルエーテル(例えばジ低級アルキルエーテル)等が挙げられる。なかでもポリオールのモノメチルエーテル又はモノエチルエーテルが好ましく、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。これらは、二種以上を併用することもできる。
【0085】
混合液中における不揮発性親水性溶剤の含有量は、頭皮刺激を低減する効果と泡質を良好なものとする効果の点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。
【0086】
〔その他任意成分〕
本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品には、上記成分のほかに通常化粧品原料として用いられる他の成分を加えることができる。このような任意成分としては、動植物油脂、天然又は合成の高分子、エーテル類、蛋白誘導体、加水分解蛋白、アミノ酸類、防腐剤、キレート剤、安定化剤、酸化防止剤、植物性抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0087】
〔pH〕
本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品の混合液のpH(25℃)は、脱色又は染色効果と皮膚刺激性の点から、好ましくは8以上、より好ましくは9以上であり、また、好ましくは12以下、より好ましくは11以下、更に好ましくは10.5以下である。pH調整剤としては、前記のアルカリ剤のほか、塩酸、リン酸等の無機酸;クエン酸、グリコール酸、乳酸等の有機酸;リン酸二水素一カリウム、リン酸一水素二ナトリウム等のリン酸塩等が挙げられる。
【0088】
〔粘度〕
混合液の好ましい粘度の範囲は、好ましくは1mPa・s以上、より好ましくは5mPa・s以上であり、また、好ましくは600mPa・s以下、より好ましくは300mPa・s以下、更に好ましくは200mPa・s以下、更に好ましくは100mPa・s以下である。なお、ここでの粘度は、25℃、B型回転粘度計(モデル;デジタル粘度計TV-10、東機産業株式会社)で、ローターNo.1を用い、測定対象が100mPa・s以下の場合の回転速度は60rpm、100~200mPa・sの場合は30rpm、200mPa・s以上の場合は12rpmで測定する。回転数の大きい測定から順番に行い、表示が振り切れることなく測定できた時点で測定を完了し、それ以降の回転数の小さい測定は行わない。なお、混合液の粘度は、各剤の混合開始後3分経過後に測定するものとする。
【0089】
混合液の粘度が上記範囲となるように調整することにより、塗布しやすい泡体積を実現することができ、かつ混合液を頭髪に塗布した後の垂れ落ちを抑制することができる。また、スクイズフォーマーで泡を吐出する際にスクイズしやすくなり、ポンプフォーマーで泡を吐出する際にポンピングしやすくなる。混合液の粘度を前述の範囲に調整するためには、水溶性溶剤を添加したり、あるいは界面活性剤、ポリオール類、高級アルコール等の含有量や種類を適宜調整したりすればよい。
【0090】
本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品は、吐出時から塗布時における粘度を低く維持して髪の内側までの浸透性を向上させることができる。容器から吐出された泡の粘度は、吐出から塗布時においては、頭髪の内側までの浸透性を向上する観点から、好ましくは15Pa・s以下、より好ましく13Pa・s以下、更に好ましくは10Pa・s以下であり、また、垂れ落ち防止の観点から、好ましくは0.5Pa・s以上、より好ましくは1.0Pa・s以上、より好ましくは3.0Pa・s以上、より好ましくは4.0Pa・s以上、更に好ましくは5.0Pa・s以上である。
ここで、泡の粘度は、B型粘度計(ヘリカル、T-C、10rpm、1分間)を用いて測定する。
【0091】
〔容器〕
本発明において、第1剤と第2剤を含む混合液を泡状に吐出するための容器は、ノンエアゾールタイプのフォーマー容器であることが好ましく、第1剤と第2剤を含む混合液を、噴射剤を使用することなく空気と混合して泡状に吐出させるために使用する。フォーマー容器の使用により、吐出させた剤の飛び散りを防止できるという効果、第1剤と第2剤とが均一に混合された泡を吐出できるという効果も得られる。特に、ノンエアゾールタイプの容器は、エアゾールタイプの容器に比べて、製品を安価に製造可能であり、高圧ガスの噴射剤が不要であるため、製品を流通においてより安全に取り扱うことができる。
【0092】
フォーマー容器としては、泡吐出手段を有する公知のポンプフォーマー容器、スクイズフォーマー容器、電動式泡立て器、蓄圧式ポンプフォーマー容器等を使用することができる。より具体的には、例えば、食品と容器(vol.35, No.10, p588~593(1994); vol.35, No.11, p624~627(1994); vol.36, No.3, p154~158(1995))に記載のポンプフォーマーE3タイプ、同F2タイプ(以上、大和製罐社)、スクイズフォーマー(大和製罐社)、電動泡立て器(パナソニック社)、エアスプレーフォーマー(エアスプレーインターナショナル社)等が挙げられる。本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品に用いるフォーマー容器としては、安価で使い勝手が良いことから、ポンプフォーマー容器及びスクイズフォーマー容器が好ましい。
【0093】
ポンプフォーマー容器又はスクイズフォーマー容器は、ネット等の泡生成部分を有するものであり、第1剤と2第剤との混合液が乾燥固化して目詰まりを起こした場合に、次回の吐出時に泡の流れによって、直ちに固化物を溶解して目詰まりを解消できるという点から薄肉のネットを有することが好ましい。この場合、ネットのメッシュとしては、50~350メッシュ、更には70~280メッシュ、更には90~250メッシュ、更には130~220メッシュが好ましい。ここで、メッシュとは、1インチ当たりの目の数をいう。この範囲のメッシュのネットを使用することにより、クリーミーな泡を生成することができる。また、このようなメッシュの材質としては、ナイロン、ポリエステル等を好ましく例示することができる。
【0094】
本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品において使用するフォーマー容器には、このようなネットを少なくとも一枚、好ましくは複数枚配設し、特に経済性、泡の安定性等の点から2枚配設することが好ましい。
【0095】
フォーマー容器において、内容物に接触する部分(容器内壁,泡吐出手段内壁等)は、アルカリ及び過酸化水素により腐食せず、また、過酸化水素の分解により発生した酸素が透過する材質で構成することが好ましい。
【0096】
第1剤、第2剤及びフォーマー容器を備えた本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品の製品形態としては、第1剤又は第2剤をそれぞれフォーマー容器と別個の容器に充填し、使用時に双方の剤をフォーマー容器に移し入れ、混合するようにしてもよいが、一方の剤をフォーマー容器に充填し、他方の剤を別個の容器に充填し、使用時に、他方の剤をフォーマー容器内に移し入れるようにしてもよい。この場合、第2剤は、過酸化水素の分解によって生じる酸素のために容器内の圧力が上昇することを防止するため、ガス透過性のある容器、特に酸素透過性のある材質(例えば、ポリエチレン)から成るフォーマー容器に充填することが好ましい。一方、第1剤は、酸化染料の酸化を防止するため、酸素が透過し難い容器を用いる必要がある。
【0097】
本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品における第1剤と第2剤との混合比は、質量比で1:4~4:1であることが好ましく、1:3~1:1が更に好ましい。
【0098】
〔気液混合比〕
フォーマー容器の泡吐出手段による空気と混合液との気液混合比は、剤の頭髪への馴染み易さ及び塗り易さの点から、5~40mL/gが好ましく、6~30mL/gがより好ましい。なお、ここでの気液混合比は次のようにして測定した値である。
【0099】
まず、25℃で吐出した泡の質量と体積を測定することにより気液混合比を求める。スクイズフォーマー容器(大和製罐社、容積210mL、メッシュの粗さ(目開き)は混合室150メッシュ(1インチ(25.4mm)あたり150の桝目)、先端200メッシュ)に混合液を100g入れ、残量が80gの時点から、20gの泡を1000mLのメスシリンダーに吐出し、吐出開始から1分後に泡の体積を測定する。この吐出された泡の容積(mL)を質量20gで割ることにより気液混合比(mL/g)が得られる。
【0100】
〔使用方法〕
本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品を使用して毛髪を脱色又は染色するには、予め毛髪を梳かしておくことが好ましい。これにより、後述する再度泡立てる処理中に毛髪がからみにくくなるので、混合液が飛び散るおそれがない。また、毛髪を梳かした後、脱色用又は染色用組成物の適用で汎用されているブロッキング操作を行う必要はなく、更にはブロッキング操作を行わないことが好ましい。これにより、後述する脱色用又は染色用組成物を毛髪に適用する操作や再度泡立てる操作がやりやすくなる。また、この再度泡立てる操作により、本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品は、整髪料が付いたままの髪に対して適用した場合であっても、より一層、色ムラのない仕上がりが得られる。次いで、本発明の毛髪脱色用又は染毛用化粧品の第1剤と第2剤をフォーマー容器内で混合する。その容器から吐出される泡状の剤を、直接毛髪に塗布してもよく、手又はブラシなどの道具を使って毛髪に塗布してもよい。剤の飛び散りや液ダレを防止する観点から、(手袋をした)手にいったん取った後、毛髪に適用することがより好ましい。
【0101】
塗布後は3~60分程度、好ましくは5~45分程度放置する。この際、放置の間の液ダレを一層防止し、毛髪の根元にも混合液を十分に行き亘らせる観点から、頭髪上で再度泡立てることが好ましい。再度泡立てるには、ガスを注入しても、振動機やブラシのような器具を用いても、あるいは指を用いてもよいが、指を用いて揉み込むのがより好ましい。
【0102】
ここで再度泡立てる時期は、完全に泡が消えた後であってもよく、泡が消える途中であってもよく、あるいは適用した泡が変化する前であってもよい。あるいは泡を適用したい範囲全てに適用完了した後であっても、適用途中であってもよい。再度泡立てるのは、連続的に1回行ってもよく、断続的に複数回繰り返してもよい。
【0103】
なお、再度泡立てるために指を用いて揉み込む操作を行った場合、泡の粘度が大きく増加し、髪の浮きはねを抑制することや泡の垂れ落ちを防止することができる。揉み込み後の泡の粘度は、髪の浮きはねの抑制や垂れ落ち防止の観点から、好ましくは15Pa・s以上、より好ましくは22Pa・s以上である。
【0104】
これらの操作の後、混合液を洗い流す。その後、適宜シャンプーやリンスをした後水洗して、毛髪を乾燥させる。
【0105】
以上述べた実施形態に関し、以下に本発明の好ましい態様を更に開示する。
【0106】
<1>
アルカリ剤を含有する第1剤、過酸化水素を含有する第2剤、及び第1剤と第2剤を含む混合液を泡状に吐出するため容器を備える、毛髪脱色用又は染毛用化粧品であって、
第1剤と第2剤を含む混合前のすべての剤のうち、少なくとも一つの剤は可溶化溶液であり、
当該混合液中に次の成分(A)~(D)を含有し、かつ
混合前の可溶化溶液中に含まれる成分(A)を成分(A)sとしたときに、成分(A)及び成分(B)の合計に対する成分(A)sの質量比(A)s/[(A)+(B)]が0.079以下である、
毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
(A) 炭素数10以上14以下の脂肪族アルコール
(B) 炭素数19以上24以下の脂肪族アルコール
(C) イオン性界面活性剤
(D) ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体
【0107】
<2>
アルカリ剤が、好ましくはアンモニア及びその塩、アルカノールアミン及びその塩、アルカンジアミン及びその塩、並びに炭酸塩から選ばれる1種以上である、<1>に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0108】
<3>
混合液中におけるアルカリ剤の含有量が、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上、更に好ましくは2.0質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である、<1>又は<2>に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0109】
<4>
混合液中における過酸化水素の含有量が、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、また、好ましくは6質量%以下、より好ましくは5質量%以下である、<1>~<3>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0110】
<5>
成分(A)が、好ましくはデカノール、ドデカノール、及びミリスチルアルコールから選ばれる1種以上、より好ましくはミリスチアルコールを含む、<1>~<4>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0111】
<6>
混合液中における成分(A)の含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、また、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である、<1>~<5>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0112】
<7>
成分(B)が、好ましくはアラキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナービルアルコールから選ばれる1種以上、より好ましくはベヘニルアルコールを含む、<1>~<6>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0113】
<8>
混合液中における成分(B)の含有量が、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、また、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である、<1>~<7>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0114】
<9>
可溶化溶液中における脂肪族アルコールの合計含有量が、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以下、更に好ましくは0.005質量%以下、更に好ましくは0.001質量%以下であり、或いは可溶化溶液中に脂肪族アルコールを含まない、<1>~<8>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0115】
<10>
混合前の可溶化溶液中に含まれる成分(A)を成分(A)sとしたときに、成分(A)及び成分(B)の合計に対する成分(A)sの質量比(A)s/[(A)+(B)]が、好ましくは0.07以下、より好ましくは0.06以下、更に好ましくは0.05以下、更に好ましくは0.04以下、更に好ましくは0.03以下、更に好ましくは0.02以下、更に好ましくは0.01以下、更に好ましくは0.005以下、更に好ましくは0.001以下、更に好ましくは0.0005以下、更に好ましくは0.0001以下であり、或いは可溶化溶液中に成分(A)を含まない、<1>~<9>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0116】
<11>
成分(C)が、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上である、<1>~<10>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0117】
<12>
カチオン性界面活性剤が、次の一般式(2)
【0118】
【化8】
【0119】
〔式中、R2は炭素数14~16の直鎖のアルキル基を示し、X-はアニオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸アニオン、スルホン酸アニオン、メチル硫酸アニオン、リン酸アニオン、硝酸アニオン等)を示す。〕
で表されるモノ長鎖アルキルアンモニウム塩と次の一般式(3)
【0120】
【化9】
【0121】
〔式中、R3は炭素数18~24の直鎖のアルキル基を示し、X-は前記と同じ意味を示す。〕
で表されるモノ長鎖アルキルアンモニウム塩の組み合わせである、<11>に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0122】
<13>
アニオン性界面活性剤が、硫酸エステル系アニオン性界面活性剤、カルボン酸系アニオン性界面活性剤、スルホン酸系アニオン性界面活性剤及びリン酸エステル系アニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上、より好ましくはカルボン酸系アニオン性界面活性剤及び硫酸エステル系アニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上である、<11>又は<12>に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0123】
<14>
両性界面活性剤が、好ましくは炭素数8~24のアルキル基、アルケニル基又はアシル基を有するカルボベタイン系、アミドベタイン系、スルホベタイン系、ヒドロキシスルホベタイン系、アミドスルホベタイン系、ホスホベタイン系、イミダゾリニウム系の界面活性剤から選ばれる1種以上、より好ましくはカルボベタイン系界面活性剤及びスルホベタイン系界面活性剤から選ばれる1種以上、更に好ましくはラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン及びラウリルヒドロキシスルホベタインから選ばれる1種以上である、<11>~<13>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0124】
<15>
混合液中における成分(C)の含有量が、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、また、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である、<1>~<14>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0125】
<16>
成分(D)の電荷密度が、好ましくは4.0meq/g以上、より好ましくは4.3meq/g以上、更に好ましくは4.6meq/g以上、更に好ましくは4.9meq/g以上、更に好ましくは5.2meq/g以上、更に好ましくは5.5meq/g以上であり、また、好ましくは8.0meq/g以下、より好ましくは7.0meq/g以下、更に好ましくは6.5meq/g以下である、<1>~<15>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0126】
<17>
成分(D)が、ジアリル4級アンモニウム塩の単独重合体、及びジアリル4級アンモニウム塩とアクリル酸との共重合体から選ばれる1種以上である、<1>~<16>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0127】
<18>
混合液中における成分(D)の含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.4質量%以上であり、また、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である、<1>~<17>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0128】
<19>
更に混合液中に、成分(E)として、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルアルカノールアミド、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、アルキルポリグルコシド及びアルキルグリセリルエーテルから選ばれる1種以上、より好ましくはポリオキシアルキレンアルキルエーテルの非イオン性界面活性剤を含有する、<1>~<18>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0129】
<20>
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが、次の一般式(6)で表されるものである、<19>に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
8-O-(AO)r-H (6)
〔式中、R8は炭素数12~18の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、Aはエチレン基を示し、rは平均値で10~160の数を示す。〕
【0130】
<21>
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとして、rが1以上79以下である成分(E1)と、rが80以上250以下である成分(E2)とを含み、成分(E1)のrが、30以上、50以下であり、成分(E2)のrが、120以上、180以下である、<20>に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0131】
<22>
混合液中における成分(E)の含有量が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、また、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である、<19>~<21>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0132】
<23>
更に混合液中に、炭化水素類、グリセリド類、ロウ類、エステル類、高級脂肪酸類、イソステアリルグリセリルエーテル、成分(A)、(B)以外の高級アルコール類、及びポリオキシプロピレンブチルエーテルから選ばれる油剤を含有する、<1>~<22>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0133】
<24>
混合液中における油剤の含有量が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である、<23>に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0134】
<25>
更に混合液中に、不揮発性親水性溶剤として、炭素数2~6のポリオール類、及びその低級(炭素数1~4)アルキルエーテル類から選ばれる1種以上を含有する、<1>~<24>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0135】
<26>
混合液中における不揮発性親水性溶剤の含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である、<25>に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0136】
<27>
容器から吐出された泡の吐出から塗布時における粘度が、好ましくは15Pa・s以下、より好ましく13Pa・s以下、更に好ましくは10Pa・s以下であり、また、好ましくは0.5Pa・s以上、より好ましくは1.0Pa・s以上、より好ましくは3.0Pa・s以上、より好ましくは4.0Pa・s以上、更に好ましくは5.0Pa・s以上である、<1>~<26>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0137】
<28>
容器がノンエアゾールフォーマー容器である、<1>~<27>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品。
【0138】
<29>
<1>~<28>のいずれか1項に記載の毛髪脱色用又は染毛用化粧品を用い、第1剤と第2剤を含む混合液を容器から泡状に吐出させ、その泡を、手を用いて毛髪に適用する毛髪脱色又は染毛方法。
【0139】
<30>
容器から吐出した泡を毛髪に塗布した後、指を用いて揉み込む操作を行い、揉み込み後の泡の粘度が、好ましくは22Pa・s以上、より好ましくは22.5Pa・s以上となる、<29>に記載の毛髪脱色又は染毛方法。
【実施例0140】
実施例1~8、比較例1
表2に示す配合処方の第1剤(可溶化溶液)と第2剤(乳化液)を調製し、1:1.5の質量比で混合して混合液を調製した。この混合液をスクイズフォーマー(大和製罐社、容積210mL、メッシュの粗さは混合室150メッシュ、先端200メッシュ、空気導入路の最狭部の開口面積の合計は0.35mm2、ディップチューブの内径はφ1.75mm)で泡状に吐出させ、以下の評価を行った。
【0141】
1.泡の浸透性評価
(評価方法)
専門パネラーにより、前記のスクイズフォーマー容器からワンプッシュ(おおよそ3g)の泡を手に出し、ミディアム相当の髪の長さを有するマネキンの頭頂部から毛先方向に向かって約20cm、およそ600gの力を加えつつ、3回なで塗りした。その動作を2回繰り返した。頭頂部からおよそ5cmの位置の内側を一般的なリングコーム(テールコーム)のとがった柄でスライシング(髪をかき分け、内側を開く操作)し、泡の浸透状態を目視で確認し、以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
【0142】
(評価基準)
A:内側まで均一に塗布できている
B:不均一であるが泡が部分的に半分程度塗布できている
C:不均一であるが泡が部分的にところどころ塗布できている
D:わずかに泡が浸透しているが、ほとんど塗布できていない
E:全く泡が浸透していない
【0143】
2.皮脂耐性の評価
(評価方法)
ミディアム相当の髪の長さを有するマネキンの頭皮全体に、疑似皮脂としてトリカプリル酸グリセリルをおよそ0.8g、及び一般的なヘアオイルとして花王社製「リーゼ プレイフルケアオイル」を0.6g塗布した。
専門パネラーにより、前記のスクイズフォーマー容器から泡を吐出し、分け目を作りながらマネキンに泡を塗布していき、トータル80g(第1剤32gと第2剤48gを混合した混合液)を塗布し、その後~秒間揉み込みを実施した。その後、20分間室温で放置し、スライシングし、泡残り状態を確認し、以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
【0144】
(評価基準)
A:内側に均一に泡が残っている
B:泡消えはあるが、不均一に泡が残っている
C:ほとんど泡が消えていて、泡が残っていない
D:まったく泡が残っていない/液だれが発生している
【0145】
3.泡粘度の評価
(評価方法)
前記のスクイズフォーマー容器からおよそ10gの泡を髪の毛の長さ1~2cm程度に揃えたウィッグに吐出し、ウィッグ上に満遍なく塗布して、髪になじませる。その後、泡粘度の上昇が飽和するまでウィッグ上で泡を揉み込む。
吐出した泡(a)、満遍なく塗布した後の泡(b)、十分揉み込んだ後の泡(c)をそれぞれビーカーに移し、B型粘度計(ヘリカル、T-C、10rpm、1分間)を用いて泡粘度を測定した。
【0146】
(評価基準)
下記基準に従って、前記3場面の泡粘度の数値から「OK」又は「NG」とし、表1に示す態様に従って、A~Dと判定した。結果を表2に示す。
(a):10Pa・s以下であればOK、10Pa・s超であればNG
(b):15Pa・s以下であればOK、15Pa・s超であればNG
(c):22Pa・s以上であればOK、22Pa・s未満であればNG
【0147】
【表1】
【0148】
【表2】
【0149】
*1:カルコール4098(花王社製)
*2:アミソフトCS22B(花王社製)
*3:エマール227pH11(花王社製)
*4:マーコート295(ルーブリゾール・アドバンスト・マテリアルズ社製)
*5:アデカカーポールDL-30(アデカ社製)
*6:カルコール220-80(花王社製)
*7:コータミン60W(花王社製)
*8:コータミン86W(花王社製)
*9:ニッコールBC-150(日光ケミカルズ社製)
*10:ニッコールBC-40TX(日光ケミカルズ社製)
*11:18MEA-SO-(RB)(クローダ社製)
*12:デイクエスト2010CS(イタルマッチジャパン社製)