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特開2024-102834マルチレベル電圧コンバータ用フライングキャパシタスタートアップ回路
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102834
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】マルチレベル電圧コンバータ用フライングキャパシタスタートアップ回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20240724BHJP
【FI】
H02M3/155 H
H02M3/155 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024004376
(22)【出願日】2024-01-16
(31)【優先権主張番号】18/156,766
(32)【優先日】2023-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518364964
【氏名又は名称】ルネサス エレクトロニクス アメリカ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】RENESAS ELECTRONICS AMERICA INC.
【住所又は居所原語表記】1001 Murphy Ranch Road, Milpitas, California 95035, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バリー・ジョン・コンクリン
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AS04
5H730AS05
5H730BB13
5H730BB14
5H730BB57
5H730DD02
5H730FD11
5H730FD21
5H730FG05
5H730XC01
(57)【要約】
【課題】 マルチレベル電圧コンバータを動作させるための装置、デバイス、および方法を提供する。
【解決手段】
半導体装置は、回路を含むことができる。回路は、複数の電流源を含むことができる。回路は、マルチレベル電圧コンバータのフライングキャパシタにわたるフライングキャパシタ電圧を測定するように構成され得る。さらに、回路は、フライングキャパシタ電圧と、接地とマルチレベル電圧コンバータに提供される入力電圧との間の中間電圧に相当する電圧レベルとを比較するように構成され得る。さらに、回路は、比較の結果に基づいて、複数の電流源のうちの1つの電流源を切り替えて、フライングキャパシタ電圧を中間電圧に維持するように構成され得る。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電流源を含む回路を備える半導体装置であって、
前記回路は、
マルチレベル電圧コンバータのフライングキャパシタにわたるフライングキャパシタ電圧を測定し、
前記フライングキャパシタ電圧と、接地と前記マルチレベル電圧コンバータに提供される入力電圧との間の中間電圧に相当する電圧レベルとを比較し、
前記比較の結果に基づいて、前記複数の電流源のうちの1つの電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧を前記中間電圧に維持するように構成される、
半導体装置。
【請求項2】
前記回路は、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を下回ったことに応答して、前記回路内の第1の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタを充電し、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を上回ったことに応答して、前記回路内の第2の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタを放電させるように構成される、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記回路は、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を下回ったことに応答して、前記回路内の第1の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを充電し、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を上回ったことに応答して、前記回路内の第2の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを放電させるように構成される、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
固定オフ時間モードで前記回路が動作することに応答して、前記回路は、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を下回ったことに応答して、前記回路内の第1の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを充電し、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を上回ったことに応答して、前記回路内の第2の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを放電させ、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達したことに応答して、前記回路のスリープモードを起動し、
所定の時間が経過したことに応答して、前記回路の前記スリープモードを解除するように構成される、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
ヒステリシスモードで前記回路が動作することに応答して、前記回路は、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を下回ったことに応答して、前記回路内の第1の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを充電し、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を上回ったことに応答して、前記回路内の第2の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを放電させ、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達したことに応答して、監視モードを起動して前記フライングキャパシタから前記第1の電流源および前記第2の電流源を切り離し、
前記フライングキャパシタ電圧が所定の電圧ウィンドウの下限に到達したことに応答して、前記回路内の前記第1の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを充電し、
前記フライングキャパシタ電圧が所定の電圧ウィンドウの上限に到達したことに応答して、前記回路内の前記第2の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを放電させるように構成される、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記回路は、
前記マルチレベル電圧コンバータの出力電圧を測定し、
前記出力電圧と前記中間電圧とを比較して、前記出力電圧が前記中間電圧を上回るか下回るかを判定し、
前記出力電圧が前記中間電圧を下回ったことに応答して、前記回路内の第1の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタの負端子における電圧を接地に引き寄せ、且つ前記フライングキャパシタの正端子を前記中間電圧に引き寄せ、
前記出力電圧が前記中間電圧を上回ったことに応答して、前記回路内の第2の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタの負端子における電圧を前記中間電圧に引き寄せ、且つ前記フライングキャパシタの正端子を前記入力電圧に引き寄せるようにさらに構成される、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記マルチレベル電圧コンバータは3レベル電圧コンバータであり、前記中間電圧は前記入力電圧の半分である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
フライングキャパシタおよび複数のトランジスタを含むマルチレベル電圧コンバータと、
複数の電流源を含む回路と、
を備えるシステムであって、
前記回路は、
前記マルチレベル電圧コンバータの前記フライングキャパシタにわたるフライングキャパシタ電圧を測定し、
前記フライングキャパシタ電圧と、接地と前記マルチレベル電圧コンバータに提供される入力電圧との間の中間電圧に相当する電圧レベルとを比較し、
前記比較の結果に基づいて、前記複数の電流源のうちの1つの電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧を前記中間電圧に維持するように構成される、
システム。
【請求項9】
前記回路は、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を下回ったことに応答して、前記回路内の第1の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタを充電し、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を上回ったことに応答して、前記回路内の第2の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタを放電させるように構成される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記回路は、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を下回ったことに応答して、前記回路内の第1の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを充電し、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を上回ったことに応答して、前記回路内の第2の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを放電させるように構成される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
固定オフ時間モードで前記回路が動作することに応答して、前記回路は、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を下回ったことに応答して、前記回路内の第1の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを充電し、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を上回ったことに応答して、前記回路内の第2の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを放電させ、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達したことに応答して、前記回路のスリープモードを起動し、
所定の時間が経過したことに応答して、前記回路の前記スリープモードを解除するように構成される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
ヒステリシスモードで前記回路が動作することに応答して、前記回路は、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を下回ったことに応答して、前記回路内の第1の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを充電し、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を上回ったことに応答して、前記回路内の第2の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを放電させ、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達したことに応答して、監視モードを起動して前記フライングキャパシタから前記第1の電流源および前記第2の電流源を切り離し、
前記フライングキャパシタ電圧が所定の電圧ウィンドウの下限に到達したことに応答して、前記回路内の前記第1の電流源を切り替えて前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを充電し、
前記フライングキャパシタ電圧が所定の電圧ウィンドウの上限に到達したことに応答して、前記回路内の前記第2の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを放電させるように構成される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記回路は、
前記マルチレベル電圧コンバータの出力電圧を測定し、
前記出力電圧と前記中間電圧とを比較して、前記出力電圧が前記中間電圧を上回るか下回るかを判定し、
前記出力電圧が前記中間電圧を下回ったことに応答して、前記回路内の第1の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタの負端子における電圧を接地に引き寄せ、且つ前記フライングキャパシタの正端子を前記中間電圧に引き寄せ、
前記出力電圧が前記中間電圧を上回ったことに応答して、前記回路内の第2の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタの負端子における電圧を前記中間電圧に引き寄せ、且つ前記フライングキャパシタの正端子を前記入力電圧に引き寄せるようにさらに構成される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記マルチレベル電圧コンバータは3レベル電圧コンバータであり、前記中間電圧は前記入力電圧の半分である、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
マルチレベル電圧コンバータを動作させるための方法であって、
マルチレベル電圧コンバータのフライングキャパシタにわたるフライングキャパシタ電圧を測定するステップと、
前記フライングキャパシタ電圧と、接地と前記マルチレベル電圧コンバータに提供される入力電圧との間の中間電圧に相当する電圧レベルとを比較するステップと、
前記比較の結果に基づいて、回路内の複数の電流源のうちの1つの電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧を前記中間電圧に維持するステップと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を下回ったことに応答して、前記回路内の第1の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタを充電するステップと、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を上回ったことに応答して、前記回路内の第2の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタを放電させるステップと、
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を下回ったことに応答して、前記回路内の第1の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを充電するステップと、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を上回ったことに応答して、前記回路内の第2の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを放電させるステップと、
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を下回ったことに応答して、前記回路内の第1の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを充電するステップと、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を上回ったことに応答して、前記回路内の第2の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを放電させるステップと、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達したことに応答して、前記回路のスリープモードを起動するステップと、
所定の時間が経過したことに応答して、前記回路の前記スリープモードを解除するステップと、
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を下回ったことに応答して、前記回路内の第1の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを充電するステップと、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧を上回ったことに応答して、前記回路内の第2の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを放電させるステップと、
前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達したことに応答して、監視モードを起動して前記フライングキャパシタから前記第1の電流源および前記第2の電流源を切り離すステップと、
前記フライングキャパシタ電圧が所定の電圧ウィンドウの下限に到達したことに応答して、前記回路内の前記第1の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを充電するステップと、
前記フライングキャパシタ電圧が所定の電圧ウィンドウの上限に到達したことに応答して、前記回路内の前記第2の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタ電圧が前記中間電圧に到達するまで前記フライングキャパシタを放電させるステップと、
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記マルチレベル電圧コンバータの出力電圧を測定するステップと、
前記出力電圧と前記中間電圧とを比較して、前記出力電圧が前記中間電圧を上回るか下回るかを判定するステップと、
前記出力電圧が前記中間電圧を下回ったことに応答して、前記回路内の第1の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタの負端子における電圧を接地に引き寄せ、且つ前記フライングキャパシタの正端子を前記中間電圧に引き寄せるステップと、
前記出力電圧が前記中間電圧を上回ったことに応答して、前記回路内の第2の電流源を切り替えて、前記フライングキャパシタの負端子における電圧を前記中間電圧に引き寄せ、且つ前記フライングキャパシタの正端子を前記入力電圧に引き寄せるステップと、
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、半導体装置に関する。より詳細には、本開示は、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
バック(buck)コンバータやブーストコンバータなどの電圧コンバータは、入力電圧を、電圧レベルが異なる出力電圧に変換するために使用され得る。バックコンバータ(降圧コンバータ)は、直流(DC)電圧を低減させる必要がある用途に使用され得る。バックコンバータは、入力電圧を受け取ることができ、降圧された出力電圧を提供することができる。ブーストコンバータ(昇圧コンバータ)は、DC電圧を増大させる必要がある用途に使用され得る。ブーストコンバータは、入力電圧を受け取ることができ、昇圧された出力電圧を提供することができる。電圧コンバータは、電圧コンバータの入力において複数のスイッチを含むことができる。ここで、スイッチは、パルス幅変調(PWM)制御信号によってオンおよびオフされ得る。PWM制御信号のデューティサイクルは、電圧コンバータの出力電圧を決定することができる。スイッチがオンやオフされると、DC入力電圧が変調され、変調された電圧は、インダクタに提供され得る。インダクタは、キャパシタに接続され得る。変調された電圧は、時間とともに変化する電流をインダクタに生じさせる、時間とともに変化する電圧とすることができる。インダクタおよびキャパシタと、時間とともに変化する電圧および電流との相互作用により、入力電圧とは異なるDCレベルをもつほぼ一定の出力電圧が生成され得る。
【0003】
2つのスイッチを有する電圧コンバータは、入力電圧と接地という2つの電圧間でインダクタを切り替えることができる。マルチレベル電圧コンバータは、2つ以上のスイッチを含むことができ、入力電圧、入力電圧と接地との間の少なくとも1つの中間電圧、および接地を含む2つ以上の電圧の間でインダクタを切り替えることができる。例えば、3レベル電圧コンバータは、4つのスイッチを含むことができ、入力電圧、入力電圧の半分に相当する中間電圧、および接地を含む3つの電圧の間でインダクタを切り替えることができる。マルチレベル電圧コンバータは、充電状態と放電状態を含む2つの状態の間で切り替えられる少なくとも1つのフライングキャパシタを含む。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態において、一般に、半導体装置が提供される。半導体装置は、回路を含むことができる。回路は、複数の電流源を含むことができる。回路は、マルチレベル電圧コンバータのフライングキャパシタにわたるフライングキャパシタ電圧を測定するように構成され得る。さらに、回路は、フライングキャパシタ電圧と、接地とマルチレベル電圧コンバータに提供される入力電圧との間の中間電圧に相当する電圧レベルとを比較するように構成され得る。さらに、回路は、比較の結果に基づいて、複数の電流源のうちの1つの電流源を切り替えて、フライングキャパシタ電圧を中間電圧に維持するように構成され得る。
【0005】
一実施形態において、一般に、システムが提供される。システムは、マルチレベル電圧コンバータと回路とを含むことができる。マルチレベル電圧コンバータは、フライングキャパシタと複数のトランジスタを含むことができる。回路は、複数の電流源を含むことができる。回路は、マルチレベル電圧コンバータのフライングキャパシタにわたるフライングキャパシタ電圧を測定するように構成され得る。さらに、回路は、フライングキャパシタ電圧と、接地とマルチレベル電圧コンバータに提供される入力電圧との間の中間電圧に相当する電圧レベルとを比較するように構成され得る。さらに、回路は、比較の結果に基づいて、複数の電流源のうちの1つの電流源を切り替えて、フライングキャパシタ電圧を中間電圧に維持するように構成され得る。
【0006】
一実施形態において、一般に、マルチレベル電圧コンバータを動作させるための方法が提供される。該方法は、マルチレベル電圧コンバータのフライングキャパシタにわたるフライングキャパシタ電圧を測定するステップを含むことができる。さらに、該方法は、フライングキャパシタ電圧と、接地とマルチレベル電圧コンバータに提供される入力電圧との間の中間電圧に相当する電圧レベルとを比較するステップを含むことができる。さらに、該方法は、比較の結果に基づいて、複数の電流源のうちの1つの電流源を切り替えて、フライングキャパシタ電圧を中間電圧に維持するステップを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下、添付の図を参照して本発明の様々な実施形態のさらなる特徴、構造、および動作を詳細に説明する。図において、同様の参照符号は同一または機能的に同様の要素を示す。
図1A】一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路を含む装置の例示的な図である。
図1B】一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路を実装することができるシステムの例示的な図である。
図1C】一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路を実装することができるシステムの例示的な図である。
図1D】一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路を含む別の装置の例示的な図である。
図1E】一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路を含む別の装置の例示的な図である。
図1F】一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路を実装することができる別の装置の例示的な図である。
図1G】一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路を実装することができる別の装置の例示的な図である。
図2】一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路の例示的な図である。
図3】一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ内のフライングキャパシタのコモンモード電圧を制御するための回路の例示的な図である。
図4】一実施形態における、ヒステリシスモードでフライングキャパシタ電圧を制御するための回路の例示的な図である。
図5】一実施形態における、ヒステリシスモードでのフライングキャパシタスタートアップ回路の動作を示す例示的な状態図である。
図6A】一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路のヒステリシスモードでのフライングキャパシタ電圧を示す例示的な図である。
図6B】一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路の動作中のフライングキャパシタ電圧を示す別の例示的な図である。
図7】一実施形態における、固定オフ時間モードでフライングキャパシタ電圧を制御するための回路700の例示的な図である。
図8】一実施形態における、固定オフ時間モードでのフライングキャパシタスタートアップ回路の動作を示す例示的な状態図800である。
図9A】一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路の固定オフ時間モードでのフライングキャパシタ電圧を示す例示的な図である。
図9B】一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路の固定オフ時間モードでのフライングキャパシタ電圧を示す別の例示的な図である。
図10】一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路に電流源を実装するための回路の例示的な図である。
図11】一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路を実装するプロセスを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明では、本願の様々な実施形態の理解を促すために、特定の構造、構成要素、材料、寸法、処理ステップ、および技術などを含む多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、当業者であれば、本願の様々な実施形態が、これらの具体的な詳細なしに実現され得ることを理解するであろう。場合によっては、本願を不明瞭にしないために、既知の構造または処理ステップの詳細に関する説明を省略する。
【0009】
図1Aは、一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路を含む装置の例示的な図である。図1には、装置100が示されている。装置100は、例えば、入力電圧Vinを受け取り、出力電圧Voutを出力する電圧レギュレータを実装する半導体装置であり得る。装置100は、回路102とマルチレベル電圧コンバータ104とを含むことができる。ここで、マルチレベル電圧コンバータ104は、3レベルバックコンバータであり得る。マルチレベル電圧コンバータ104は、4つのトランジスタQ1、Q2、Q3、およびQ4と、インダクタLと、フライングキャパシタCflyと、を含むことができる。トランジスタQ1およびQ4を外側トランジスタと呼ぶことができ、トランジスタQ2およびQ3を内側トランジスタと呼ぶことができる。
【0010】
また、図1Dに示す実施形態において、回路102は、3レベルブーストコンバータ152のようなマルチレベルブーストコンバータを含む装置150に対して実装され得る。図1Eに示す実施形態において、複数の回路102が4レベルブーストコンバータを含む装置160に対して実装され得る。また、図1Fに示す実施形態において、複数の回路102がNレベルバックコンバータを含む装置170に対して実装され得る。また、図1Gに示す実施形態において、複数の回路102がNレベルブーストコンバータを含む装置180に対して実装され得る。
【0011】
トランジスタQ1、Q2、Q3、およびQ4は、異なるタイミングで切り替えられて所望の電圧レベルを生成し、所望の電圧レベルを出力電圧Voutとして出力することができる。一態様において、信号S1およびS4を含む第1の相補信号は、デューティサイクルD=Vout/Vinで外側トランジスタQ1およびQ4を駆動することができる。同一のデューティサイクルを有する信号S2およびS3を含む第2の相補信号は、内側トランジスタQ2およびQ3を駆動することができる。第2の相補信号は、第1の相補信号から180度位相シフトされ得る。第1および第2の相補信号のタイミングおよびデューティサイクルは、フライングキャパシタ電圧(例えばフライングキャパシタCflyの電圧)を入力電圧Vinの半分、例えばVin/2に維持することができる。フライングキャパシタ電圧をVin/2に維持することで、内側トランジスタQ2およびQ3間のスイッチノードVLXにおける電圧は、Vin、Vin/2、および接地(GND)の間で交互に変化することができる。
【0012】
回路102は、フライングキャパシタ電圧を初期化して目標電圧に維持するように構成されたスタートアップ回路であり得る。ここで、3レベル電圧コンバータの場合、目標電圧はVin/2であり得る。回路102によって維持される目標電圧は、Vinと接地との間の電圧レベルをもつ中間電圧であり得る。1つまたは複数の実施形態において、回路102の複数のコピーがNレベル電圧コンバータに対して実装され得る。回路102のコピーの各々は、個々のフライングキャパシタをそれぞれの目標電圧に維持することができる。図1Eの実施形態で示すように、回路102の1つのコピーが第1のフライングキャパシタCfly1を中間電圧Vin/3に維持するように実装され得、回路102の別のコピーが第2のフライングキャパシタCfly2を別の中間電圧2Vin/3に維持するように実装され得る。
【0013】
回路102は、回路102の異なるタスクや機能を実施するように構成された1つまたは複数の回路または回路ブロックを含むことができる。図1Bに示す実施形態を参照すると、装置100は、装置100と、コントローラ120と、ゲートドライバ122と、を含むシステム110の一部であり得る。コントローラ120は、1つまたは複数のパルス幅変調(PWM)信号をゲートドライバ122に提供するように構成され得る。ゲートドライバ122は、信号S1、S2、S3、およびS4を含む第1および第2の相補信号を生成および提供することで、トランジスタQ1、Q2、Q3、およびQ4を駆動するように構成され得る。信号S1、S2、S3、およびS4の生成は、コントローラ120によって提供されたPWM信号に基づいて実施され得る。図1Bに示す実施形態において、回路102は、コントローラ120およびゲートドライバ122から分離されたスタンドアロン回路またはハードウェアコンポーネントであり得る。図1Cに示す別の実施形態において、回路102は、ゲートドライバ122の一部であり得る。
【0014】
一態様において、フライングキャパシタ電圧がVin/2またはほぼVin/2に維持されている場合、トランジスタQ1、Q2、Q3、およびQ4のいずれかにわたる電圧は、Vin/2未満であり得る。したがって、トランジスタQ1、Q2、Q3、およびQ4のうちの1つは、最大動作電圧がVin/2付近になるように選択され得る。コントローラ120がシャットダウンされたときに、マルチレベル電圧コンバータ104は、アイドル状態で電力を出力せず、フライングキャパシタ電圧は、Vin/2に維持されない。したがって、マルチレベル電圧コンバータ104をアイドル状態から起動するには、トランジスタQ1、Q2、Q3、およびQ4の過電圧を回避するために、フライングキャパシタ電圧を(充電状態または放電状態から)比較的迅速にVin/2に到達させる必要がある。
【0015】
回路102は、コントローラ120がシャットダウンされたときにフライングキャパシタ電圧を初期化してVin/2に維持するためのスタートアップ回路として実装され得る。コントローラ120がシャットダウンされたとき(およびマルチレベル電圧コンバータ104がアイドル状態にあるとき)にフライングキャパシタ電圧をVin/2に維持することで、起動時の許容されるランプレートに対してトランジスタQ1、Q2、Q3、およびQ4の過電圧を防止することができる。さらに、回路102は、マルチレベル電圧コンバータ104がアイドル状態で電力を出力していないときに有効になるので、回路102には動作するために比較的低い電流が必要な場合がある。さらに、回路102が有効であるときに、内側トランジスタQ2およびQ3はオフされてVoutが切り離され、トランジスタQ2およびQ3のボディダイオードを通るVoutへの電流は回避されるべきである。さらに、コントローラ120がシャットダウンされたときに回路102を有効にできるように、回路102は、コントローラ120から分離されたスタンドアロン回路として実装される。
【0016】
図2は、一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路の例示的な図である。図2に示す実施形態において、回路102は、複数のスイッチ電流源i_chrg、i_dis、およびΔiを含むことができる。電流源i_chrgは、CHRGで示されるスイッチによって切り替えられ、電流源i_disは、DISで示されるスイッチによって切り替えられ、電流源Δiは、UPおよびDOWNで示されるスイッチによって切り替えられ得る。
【0017】
回路102は、パルスモードアルゴリズムを実施して、フライングキャパシタCflyにわたるフライングキャパシタ電圧を制御することができる。フライングキャパシタ電圧が低いと判定された場合(判定については後述)、スイッチCHRGを有効にし、ノードVc+およびVc-に電流i_chrgを印加して、Cflyにわたるフライングキャパシタ電圧を目標電圧Vin/2に到達するまで増大させることができる。ノードVc+をCflyの正端子に接続し、ノードVc-をCflyの負端子に接続することができる。フライングキャパシタ電圧が高いと判定された場合(判定については後述)、スイッチDISを有効にし、ノードVc+およびVc-に電流i_disを印加して、Cflyにわたるフライングキャパシタ電圧を目標電圧Vin/2に到達するまで低減させることができる。フライングキャパシタ電圧がVin/2、またはVin/2付近の値に到達したことに応答して、回路102は、自動的に低電流スリープモードに入り、電力を節約する。
【0018】
トランジスタQ1、Q2、Q3、およびQ4のボディダイオードを介して電流が導通するのを回避するために、電流源Δiを切り替えて、Voutに基づいてフライングキャパシタCflyのコモンモード電圧を制御することができる。VoutがVin/2を下回る場合、スイッチDOWNを有効にし、ノードVc-に電流Δiを印加して、Vc-すなわちCflyの負端子をGNDに引き下げ、Vc+すなわちCflyの正端子をVin/2に充電または放電させることができる。VoutがVin/2を上回る場合、スイッチUPを有効にし、ノードVc+にΔiを印加して、Vc+すなわちCflyの正端子をVinに引き寄せ、ノードVc-すなわちCflyの負端子をVin/2に引き上げるか引き下げることができる。
【0019】
図3は、一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ内のフライングキャパシタのコモンモード電圧を制御するための回路300の例示的な図である。回路300は、図1A図2に示す回路102における回路ブロックであり得る。回路300は、抵抗R1、R2、およびR3と、比較器302および304と、ORゲート306と、ANDゲート308および310と、を含むことができる。回路300は、入力電圧Vinを受け取ることができる。抵抗R1は、入力電圧Vinをスケーリングして、第1のスケーリングされた電圧(Vin/2)+ΔVoを生成することができる。ここで、ΔVoは電圧オフセットを表す。抵抗R2は、第1のスケーリングされた電圧(Vin/2)+ΔVoを第2のスケーリングされた電圧(Vin/2)-ΔVoにさらにスケーリングすることができる。
【0020】
比較器302の非反転入力は、出力電圧Voutを受け取ることができ、比較器302の反転入力は、第1のスケーリングされた電圧(Vin/2)+ΔVoを受け取ることができる。比較器302は、Voutと第1のスケーリングされた電圧(Vin/2)+ΔVoとを比較することができる。Voutが第1のスケーリングされた電圧(Vin/2)+ΔVoに到達した場合、信号UPをHIGHに設定して、図2に示す回路102のスイッチUPを有効にすることができる。比較器304の非反転入力は、第2のスケーリングされた電圧(Vin/2)-ΔVoを受け取ることができる。比較器304の反転入力は、出力電圧Voutを受け取ることができる。比較器304は、Voutと第2のスケーリングされた電圧(Vin/2)-ΔVoとを比較することができる。Voutが第2のスケーリングされた電圧(Vin/2)-ΔVoに到達した場合、信号DOWNをHIGHに設定して、図2に示す回路102のスイッチDOWNを有効にすることができる。
【0021】
出力電圧Voutが第1のスケーリングされた電圧(Vin/2)+ΔVoと第2のスケーリングされた電圧(Vin/2)-ΔVoとの間にある場合、UP信号もDOWN信号もHIGHに設定されず、コモンモード電圧は引き上げあるいは引き下げ電流のミスマッチに依存する。さらに、回路102が無効であるときに、信号CHRGおよびDISはゼロであり得る。したがって、ORゲート306は、ゼロを出力することができる。ORゲート306の出力がゼロなので、ANDゲート308および310もゼロを出力し、比較器302および304の出力に関係なく、信号UPおよびDOWNはLOWに設定される。
【0022】
図4は、一実施形態における、ヒステリシスモードでフライングキャパシタ電圧を制御するための回路400の例示的な図である。回路400は、回路102がヒステリシスモードにあるときに実装することができる(図1A図2に示す)回路102における回路ブロックであり得る。ヒステリシスモードとは、回路102のスリープモードが無効にされているときのモードである。回路400は、抵抗R4、R5、R6、およびR7と、比較器402、404、および406とを含むことができる。フライングキャパシタ電圧Vcflyは、ノードVc+およびVc-から測定することができる(図2参照)。回路400は、Vinを受け取ることができ、抵抗R4は、Vinを第1のスケーリングされた電圧(Vin/2)+ΔVoにスケーリングすることができる。抵抗R5は、第1のスケーリングされた電圧(Vin/2)+ΔVoをVin/2にさらにスケーリングすることができる。抵抗R6は、Vin/2を第2のスケーリングされた電圧(Vin/2)-ΔVoにさらにスケーリングすることができる。比較器402、404、および406の非反転入力は、Vcflyを受け取ることができる。比較器402の反転入力は、第1のスケーリングされた電圧(Vin/2)+ΔVoを受け取ることができる。比較器404の反転入力は、Vin/2を受け取ることができる。比較器406の反転入力は、第2のスケーリングされた電圧(Vin/2)-ΔVoを受け取ることができる。比較器402の出力を図2に示すスイッチDISに接続し、比較器406の出力を図2に示すスイッチCHRGに接続することができる。一実施形態において、比較器404の出力は、回路102(図1A図2参照)を有効または無効にすることができる。例えば、VcflyがVin/2と等しいか、Vin/2から所定の許容割合内にある場合、比較器404からの出力は、回路102を無効にし、回路102を低電流スリープモードにすることができる。
【0023】
回路400は、フライングキャパシタCflyを充電するか放電させるかを決定することで、フライングキャパシタ電圧Vcflyを制御するパルスモードアルゴリズムを実施することができる。一実施形態において、Vcflyが第2のスケーリングされた電圧(Vin/2)-ΔVoに到達したときに、Vcflyは低電圧であると判定され得る。Vcflyが第2のスケーリングされた電圧(Vin/2)-ΔVoに到達した場合、比較器406は、スイッチCHRGが有効になるようにCHRGをHIGHに設定する電圧を出力することができる。スイッチCHRGが有効になると、フライングキャパシタCflyは、電流源i_chrgによって充電され得る(図2参照)。一実施形態において、Vcflyが第1のスケーリングされた電圧(Vin/2)+ΔVoに到達したときに、Vcflyは高電圧であると判定され得る。Vcflyが第1のスケーリングされた電圧(Vin/2)+ΔVoに到達した場合、比較器402は、スイッチDISが有効になるようにDISをHIGHに設定する電圧を出力することができる。スイッチDISが有効になると、フライングキャパシタCflyは、電流源i_disを介して放電され得る(図2参照)。回路400は、フライングキャパシタCflyが充電または放電されている間、ノードVc+およびVc-からVcflyを監視および測定し続けることができる。VcflyがVin/2、またはVin/2付近の値に到達したことに応答して、比較器404からの出力は、監視モードをトリガーすることができる。監視モードでは、回路102は、Vcflyが第1のスケーリングされた電圧(Vin/2)+ΔVoまたは第2のスケーリングされた電圧(Vin/2)-ΔVoに到達するまでVcflyを監視し続ける。
【0024】
図5は、一実施形態における、ヒステリシスモードでのフライングキャパシタスタートアップ回路の動作を示す例示的な状態図500である。状態図500は、状態S0、S1、S2、S3、およびS4を含むことができる。状態S0は、回路102(図1A図2参照)が起動またはリセットされる初期状態であり得る。状態S0は、状態S1に遷移することができる。状態S1において、回路102(例えば図4に示すOR回路400)は、フライングキャパシタ電圧VcflyとVin/2とを比較することができる。VcflyがVin/2を下回ったことに応答して、状態S1は状態S2に遷移することができる。VcflyがVin/2を上回ったことに応答して、状態S1は状態S3に遷移することができる。
【0025】
状態S2において、回路102は、フライングキャパシタCflyを充電することができる(図1A図2参照)。なお、VcflyがVin/2を下回ることは、フライングキャパシタCflyを充電してVcflyをVin/2に増加させる必要があることを示している場合があることに留意されたい。図2を参照すると、スイッチCHRGを有効にして電流源i_chrgのスイッチを入れることで、Cflyを充電することができる。VcflyがVin/2に増大したことに応答して、状態S2は状態S4に遷移することができる。状態S3において、回路102は、フライングキャパシタCflyを放電させることができる。なお、VcflyがVin/2を上回ることは、フライングキャパシタCflyを放電させてVcflyをVin/2に低減させる必要があることを示している場合があることに留意されたい。図2を参照すると、スイッチDISを有効にして電流源i_disのスイッチを入れることで、Cflyを放電させることができる。VcflyがVin/2に低減したことに応答して、状態S3は状態S4に遷移することができる。
【0026】
状態S4において、回路102は、Vcflyを監視し続け、Cflyの充電または放電を続けるかどうかを決定することができる。状態S4において、Vcflyが第2のスケーリングされた電圧(Vin/2)-ΔVoまで低減した場合、状態S4は状態S2に戻ってCflyを充電することができる。状態S4において、Vcflyが第1のスケーリングされた電圧(Vin/2)+ΔVoまで増加した場合、状態S4は状態S3に戻ってCflyを放電させることができる。状態S4において、CHRGおよびDISは共にLOWに設定され、充電電流(i_chrg)と放電電流(i_dis)が共にオフになる。
【0027】
図6Aは、一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路のヒステリシスモードでのフライングキャパシタ電圧を示す例示的な図である。図6Aには、波形600が示されている。波形600は、図5に示す状態図500のヒステリシスモードの実装形態に対応している。波形600は、時間t0における回路102(図1A図2参照)の起動中にフライングキャパシタCflyが完全に放電される(例えばVcflyがゼロまたはゼロに近い)シナリオに対応している。時間t0においてフライングキャパシタCflyは完全に放電されているので、回路102は、電流源i_chrgを切り替えてフライングキャパシタCflyを充電することができる。フライングキャパシタCflyは、VcflyがVin/2(またはVin/2付近)に到達するまで充電され得る。
【0028】
時間t1においてVcflyがVin/2に到達したことに応答して、回路102は、Vcflyが第2のスケーリングされた電圧(Vin/2)-ΔVoまで低減するまでVcflyを監視し続けることができる。一態様において、フライングキャパシタ電圧Vcflyは、様々な変動(例えば温度、環境、リーク電流)に起因して増大または低減することができる。波形600では、時間t2においてVcflyが第2のスケーリングされた電圧(Vin/2)-ΔVoまで低減したことに応答して、回路102は、t3においてVcflyがVin/2に到達するまでCflyを充電することができる。時間t3においてVcflyがVin/2に到達したことに応答して、回路102は、Vcflyが再び第2のスケーリングされた電圧(Vin/2)-ΔVoまで低減するまでVcflyを監視し続けることができる。
【0029】
図6Bは、一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路のヒステリシスモードでのフライングキャパシタ電圧を示す別の例示的な図である。図6Bには、波形610が示されている。波形610は、図5に示す状態図500のヒステリシスモードの実装形態に対応している。波形610は、時間t0における回路102(図1A図2参照)の起動中にフライングキャパシタCflyが完全に充電されるシナリオに対応している。時間t0においてフライングキャパシタCflyは完全に充電されているので、回路102は、電流源i_disを切り替えてフライングキャパシタCflyを放電させることができる。フライングキャパシタCflyは、VcflyがVin/2(またはVin/2付近)に到達するまで放電され得る。
【0030】
時間t1においてVcflyがVin/2に到達したことに応答して、回路102は、Vcflyが第1のスケーリングされた電圧(Vin/2)+ΔVoまで増大するまでVcflyを監視し続けることができる。一態様において、フライングキャパシタCflyは、様々な変動(例えば温度、環境、リーク電流)に起因して増大または低減することができる。波形610では、時間t2においてVcflyが第1のスケーリングされた電圧(Vin/2)+ΔVoまで増大したことに応答して、回路102は、t3においてVcflyがVin/2に到達するまでCflyを放電させることができる。時間t3においてVcflyがVin/2に到達したことに応答して、回路102は、Vcflyが再び第1のスケーリングされた電圧(Vin/2)+ΔVoまで増大するまでVcflyを監視し続けることができる。電圧オフセットVoは、Vcflyの値を拘束するために、(Vin/2)-Voと(Vin/2)+Voとの間で変動する電圧ウィンドウを課すことができる。
【0031】
一実施形態において、電圧オフセットΔVoは、プログラム可能であり得、許容可能なリーク電圧リップルの量に応じて変動することができる。比較的大きな電圧リップルが許容可能である場合、ΔVoを高くプログラムすることができる。比較的小さな電圧リップルが許容可能である場合、Voを低くプログラムすることができる。より大きな電圧リップルが許容可能である場合にΔVoを高く設定することで、回路102を有効にする頻度を少なくすることができ、電力を節約することができる。
【0032】
図7は、一実施形態における、固定オフ時間モードでフライングキャパシタ電圧を制御するための回路700の例示的な図である。回路700は、回路102が固定オフ時間モードにあるときに実装することができる(図1A図2に示す)回路102における回路ブロックであり得る。固定オフ時間モードとは、回路102のスリープモードが有効にされているときのモードである。一実施形態において、回路700は、図4に示す回路400の一部であり得る。一実施形態において、回路102は、回路400がヒステリシスモードまたは固定オフ時間モード(例えば回路700によって回路400の固定オフ時間モードが実施される)のいずれかで動作することを示すレジスタビットを記憶するように構成されたレジスタを含むことができる。例えば、レジスタビットが「1」に設定された場合には固定オフ時間モードがアクティブまたは有効になり、レジスタビットが「0」に設定された場合にはヒステリシスモードがアクティブまたは有効になるように、レジスタビットを変更することでモードを選択することができる。
【0033】
一実施形態において、レジスタビットが「1」に設定されて固定オフ時間モードが有効になると、回路400の抵抗R5およびR6と比較器402および406などの一部の構成要素を切り離し、残りの接続された構成要素で回路700を実現することができる。図7に示すように、回路700は、抵抗R4およびR7と、比較器404と、を含むことができる。比較器404の非反転入力は、Vcflyを受け取ることができる。比較器404の反転入力は、Vin/2を受け取ることができる。比較器404の出力は、回路102(図1A図2参照)をスリープモードに入れるかスリープモードから出すことができる。例えば、VcflyがVin/2と等しいか、Vin/2から所定の許容割合内にある場合、比較器404からの出力は、回路102を、タイマーを除く回路102内のすべての構成要素がシャットダウンされる低電流スリープモードにすることができる。また、比較器404の出力は、タイマーの開始をトリガーするためにタイマーに接続され得る。タイマーは、所定の時間にプログラムすることができる。
【0034】
回路700は、フライングキャパシタCflyを充電するか放電させるかを決定することで、フライングキャパシタ電圧Vcflyを制御するパルスモードアルゴリズムを実施することができる。一実施形態において、Vcflyは、Vcflyが所定の時間でVin/2を下回ったときに低電圧であると判定され、Vcflyが所定の時間でVin/2を上回ったときに高電圧であると判定され得る。回路700は、フライングキャパシタCflyが充電または放電されている間、ノードVc+およびVc-からVcflyを監視および測定することができる。VcflyがVin/2、またはVin/2付近の値に到達したことに応答して、比較器404からの出力は、回路102を低電流スリープモードに入れて、電力を節約し、回路102内のタイマーを開始することができる。タイマーが満了すると、回路700は、Vcflyを再び測定して、Cflyを充電または放電させる必要があるかどうかを決定することができる。
【0035】
図8は、一実施形態における、固定オフ時間モードでのフライングキャパシタスタートアップ回路の動作を示す例示的な状態図800である。状態図800は、状態S0、S1、S2、S3、およびS4を含むことができる。状態S0は、回路102(図1A図2参照)が起動またはリセットされる初期状態であり得る。状態S0は、状態S1に遷移することができる。状態S1において、回路102(例えば図4に示すOR回路400)は、フライングキャパシタ電圧VcflyとVin/2とを比較することができる。VcflyがVin/2を下回ったことに応答して、状態S1は状態S2に遷移することができる。VcflyがVin/2を上回ったことに応答して、状態S1は状態S3に遷移することができる。
【0036】
状態S2において、回路102は、フライングキャパシタCflyを充電することができる(図1A図2参照)。なお、VcflyがVin/2を下回ることは、フライングキャパシタCflyを充電してVcflyをVin/2に増加させる必要があることを示している場合があることに留意されたい。図2を参照すると、スイッチCHRGを有効にして電流源i_chrgのスイッチを入れることで、Cflyを充電することができる。VcflyがVin/2に増大したことに応答して、状態S2は状態S4に遷移することができる。状態S3において、回路102は、フライングキャパシタCflyを放電させることができる。なお、VcflyがVin/2を上回ることは、フライングキャパシタCflyを放電させてVcflyをVin/2に低減させる必要があることを示している場合があることに留意されたい。図2を参照すると、スイッチDISを有効にして電流源i_disのスイッチを入れることで、Cflyを放電させることができる。VcflyがVin/2に低減したことに応答して、状態S3は状態S4に遷移することができる。
【0037】
状態S4において、回路102は、所定の時間にプログラムされたタイマーを除く回路102内のすべての構成要素が無効にされるスリープモードに入れられる。状態S4において、タイマーの満了(または所定の時間の経過)に応答して、状態S4は、状態S1に戻って、VcflyとVin/2とを比較するために回路102を有効にすることができる。
【0038】
図9Aは、一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路の固定オフ時間モードでのフライングキャパシタ電圧を示す例示的な図である。図9Aには、波形900が示されている。波形900は、図8に示す状態図800の固定オフ時間モードの実装形態に対応している。波形900は、時間t0における回路102(図1A図2参照)の起動中にフライングキャパシタCflyが完全に放電される(例えばVcflyがゼロまたはゼロに近い)シナリオに対応している。時間t0においてフライングキャパシタCflyは完全に放電されているので、回路102は、電流源i_chrgを切り替えてフライングキャパシタCflyを充電することができる。フライングキャパシタCflyは、VcflyがVin/2(またはVin/2付近)に到達するまで充電され得る。
【0039】
時間t1においてVcflyがVin/2に到達したことに応答して、回路102は、Toffで示されている所定の時間だけスリープモードに入ることができる。回路102がスリープモードにあるときに、フライングキャパシタ電圧Vcflyは、様々な変動(例えば温度、環境、リーク電流)に起因して増大または低減することができる。時間t2などのToffの経過後、回路102が再び有効になり、Vcflyを測定して、フライングキャパシタCflyを充電または放電させる必要があるかどうかを決定することができる。波形900によって示される実施例において、回路102は、時間t2においてCflyを充電することができ、時間t3においてVcflyがVin/2に到達することができる。したがって、時間t3において、回路102は、時間t4でToffが経過するまで再びスリープモードに入ることができる。
【0040】
図9Bは、一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路の固定オフ時間モードでのフライングキャパシタ電圧を示す別の例示的な図である。図9Bには、波形910が示されている。波形910は、図8に示す状態図800の固定オフ時間モードの実装形態に対応している。波形910は、時間t0における回路102(図1A図2参照)の起動中にフライングキャパシタCflyが完全に充電されるシナリオに対応している。時間t0においてフライングキャパシタCflyは完全に充電されているので、回路102は、電流源i_disを切り替えてフライングキャパシタCflyを放電させることができる。フライングキャパシタCflyは、VcflyがVin/2(またはVin/2付近)に到達するまで放電され得る。
【0041】
時間t1においてVcflyがVin/2に到達したことに応答して、回路102は、Toffで示されている所定の時間だけスリープモードに入ることができる。回路102がスリープモードにあるときに、フライングキャパシタ電圧Vcflyは、様々な変動(例えば温度、環境、リーク電流)に起因して増大または低減することができる。時間t2などのToffの経過後、回路102が再び有効になり、Vcflyを測定して、フライングキャパシタCflyを充電または放電させる必要があるかどうかを決定することができる。波形900によって示される実施例において、回路102は、時間t2においてCflyを放電させることができ、時間t3においてVcflyがVin/2に到達することができる。したがって、時間t3において、回路102は、時間t4でToffが経過するまで再びスリープモードに入ることができる。
【0042】
一実施形態において、所定の時間Toffは、プログラム可能であり得る。例えば、Toffは、予想されるリーク電流の量に応じて変動することができる。比較的小さなリーク電流が予想される場合、Toffを高くプログラムすることができる。比較的大きなリーク電流が予想される場合、Toffを小さくプログラムすることができる。低いリーク電流が予想される場合にToffを高く設定することで、回路102を有効にする頻度を少なくすることができ、電力を節約することができる。
【0043】
図10は、一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路に電流源を実装するための回路1000の例示的な図である。図10に示す実施形態において、図2に示すi_chrg、i_dis、Δiなどの電流源は、ノードVc+に接続され、接地基準スイッチングN型金属酸化膜半導体(NMOS電流源)によって駆動されるP型金属酸化膜半導体(PMOS)電流ミラーとして実装され得る。図2に示すスイッチUP、DOWN、CHRG、およびDISは、比較器と、タイマーと、デジタル論理と、を含む低電圧制御回路ブロックとすることができる制御ブロック702によって駆動され得る。制御ブロック1002は、Vin、Vout、およびノードVc+およびVc-における電圧を入力として受け取ることができる。一実施形態において、制御ブロック1002は、例えば、図3および図4にそれぞれ示す回路300、400、および700を含むことができる。
【0044】
図11は、一実施形態における、マルチレベル電圧コンバータ用のフライングキャパシタスタートアップ回路を実装するプロセスを示すフロー図である。このプロセスは、1つまたは複数のブロック1102、1104、および/または1106によって示される1つまたは複数の操作、動作、または機能を含むことができる。個別のブロックとして図に示されているが、所望の用途に応じて、様々なブロックを追加のブロックに分割したり、より少ない数のブロックに組み合わせたり、省略したり、異なる順序で実行されたり、並行して実行されることができる。
【0045】
プロセス1100は、マルチレベル電圧コンバータを動作させる回路(例えば図1の回路102)によって実施され得る。プロセス1100は、ブロック1102で開始することができる。ブロック1102において、回路は、マルチレベル電圧コンバータのフライングキャパシタにわたるフライングキャパシタ電圧を測定することができる。プロセス1100は、ブロック1102からブロック1104に進むことができる。ブロック1104において、回路は、フライングキャパシタ電圧と、接地とマルチレベル電圧コンバータに提供される入力電圧との間の中間電圧に相当する電圧レベルとを比較することができる。プロセス1100は、ブロック1104からブロック1106に進むことができる。ブロック1106において、回路は、複数の電流源のうちの1つの電流源を切り替えて、フライングキャパシタ電圧を中間電圧に維持することができる。
【0046】
一実施形態において、フライングキャパシタ電圧が中間電圧を下回ったことに応答して、回路は、回路内の第1の電流源を切り替えて、フライングキャパシタを充電することができる。フライングキャパシタ電圧が中間電圧を上回ったことに応答して、回路は、回路内の第2の電流源を切り替えて、フライングキャパシタを放電させることができる。
【0047】
一実施形態において、フライングキャパシタ電圧が中間電圧を下回ったことに応答して、回路は、回路内の第1の電流源を切り替えて、フライングキャパシタ電圧が中間電圧に到達するまでフライングキャパシタを充電することができる。フライングキャパシタ電圧が中間電圧を上回ったことに応答して、回路は、回路内の第2の電流源を切り替えて、フライングキャパシタ電圧が中間電圧に到達するまでフライングキャパシタを放電させることができる。
【0048】
一実施形態において、フライングキャパシタ電圧が中間電圧を下回ったことに応答して、回路は、回路内の第1の電流源を切り替えて、フライングキャパシタ電圧が中間電圧に到達するまでフライングキャパシタを充電することができる。フライングキャパシタ電圧が中間電圧を上回ったことに応答して、回路は、回路内の第2の電流源を切り替えて、フライングキャパシタ電圧が中間電圧に到達するまでフライングキャパシタを放電させることができる。フライングキャパシタ電圧が中間電圧に到達したことに応答して、回路は、回路のスリープモードを起動することができる。所定の時間が経過したことに応答して、回路は、回路のスリープモードを解除することができる。
【0049】
一実施形態において、フライングキャパシタ電圧が中間電圧を下回ったことに応答して、回路は、回路内の第1の電流源を切り替えて、フライングキャパシタ電圧が中間電圧に到達するまでフライングキャパシタを充電することができる。フライングキャパシタ電圧が中間電圧を上回ったことに応答して、回路は、回路内の第2の電流源を切り替えて、フライングキャパシタ電圧が中間電圧に到達するまでフライングキャパシタを放電させることができる。フライングキャパシタ電圧が中間電圧に到達したことに応答して、回路は、監視モードを起動して、フライングキャパシタから第1の電流源および第2の電流源を切り離すことができる。フライングキャパシタ電圧が所定の電圧ウィンドウの下限に到達したことに応答して、回路は、回路内の第1の電流源を切り替えて、フライングキャパシタ電圧が中間電圧に到達するまでフライングキャパシタを充電することができる。フライングキャパシタ電圧が所定の電圧ウィンドウの上限に到達したことに応答して、回路は、回路内の第2の電流源を切り替えて、フライングキャパシタ電圧が中間電圧に到達するまでフライングキャパシタを放電させることができる
一実施形態において、回路は、マルチレベル電圧コンバータの出力電圧を測定することができる。回路は、出力電圧と中間電圧とを比較して、出力電圧が中間電圧よりも小さいか大きいかを判定することができる。出力電圧が中間電圧を下回ったことに応答して、回路は、回路内の第1の電流源を切り替えて、フライングキャパシタの負端子における電圧を接地に引き寄せ、フライングキャパシタの正端子における電圧を中間電圧に引き寄せることができる。出力電圧が中間電圧を上回ったことに応答して、回路は、回路内の第2の電流源を切り替えて、フライングキャパシタの負端子における電圧を中間電圧に引き寄せ、フライングキャパシタの正端子における電圧を入力電圧に引き寄せることができる。
【0050】
図におけるフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能性、および動作を示している。これに関して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、指定された論理機能を実現するための1つまたは複数の実行可能命令を含む命令のモジュール、セグメント、またはその一部を表すことができる。いくつかの代替的な実装例において、ブロックに示された機能は、図に示す順序からはずれて発生してもよい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実現されてもよく、関係する機能に応じて、場合によっては逆の順序で実現されてもよい。また、ブロック図および/またはフローチャートの各ブロック、ならびにそれらのブロックの組み合わせは、指定された機能または動作を実行する、または特別な目的のハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせを実行する、特別な目的のハードウェアベースのシステムよって実現され得ることに留意されたい。
【0051】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためにのみ使用されており、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用される単数を表す用語は、特に明示されない限り、その複数を含むことも意図している。また、本明細書で使用される「備える」という用語は、記載されている特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を画定するが、1つまたは複数の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を排除しないことに留意されたい。
【0052】
添付の特許請求の範囲に記載のすべての手段またはステップと機能要素の対応する構造、材料、操作、およびそれらの等価物は、具体的に記載されている他の要素と組み合わせて機能を実現するための任意の構造、材料、または操作を包含することを意図している。本発明の開示されている実施形態の説明は、例示および説明のために提供されているが、網羅的であること、あるいは開示された形態に限定されることを意図していない。当業者には、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、多くの修正および変形を適用することができることが明らかであろう。上述した実施形態は、本発明の原理および実用化を最適に説明するために、また、検討される特定の用途に適するように種々の修正を伴う様々な実施形態について本発明を当業者が理解できるように、選択および説明されたものである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
【外国語明細書】