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特開2024-102844病理スライド画像に基づいて医療情報を生成する方法及び装置{A method and an apparatus for generating medical information based on pathological slide images}
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102844
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】病理スライド画像に基づいて医療情報を生成する方法及び装置{A method and an apparatus for generating medical information based on pathological slide images}
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20240724BHJP
   G16H 30/00 20180101ALI20240724BHJP
   G16H 50/70 20180101ALI20240724BHJP
   G06V 10/82 20220101ALI20240724BHJP
   G01N 33/48 20060101ALN20240724BHJP
   G01N 33/53 20060101ALN20240724BHJP
【FI】
G06T7/00 630
G16H30/00
G16H50/70
G06T7/00 350C
G06V10/82
G01N33/48 M
G01N33/48 Z
G01N33/48 P
G01N33/53 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024006043
(22)【出願日】2024-01-18
(31)【優先権主張番号】10-2023-0008302
(32)【優先日】2023-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0068642
(32)【優先日】2023-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523098991
【氏名又は名称】ルニット・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Lunit Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ペン,キョンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】オク,チャンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ドングン
【テーマコード(参考)】
2G045
5L096
5L099
【Fターム(参考)】
2G045AA24
2G045JA04
5L096BA06
5L096BA13
5L096CA02
5L096DA02
5L096HA11
5L096KA04
5L099AA03
5L099AA26
(57)【要約】
【課題】病理スライド画像に基づいて医療情報を生成する方法及び装置を提供する。
【解決手段】
一側面に係るコンピューティング装置は、少なくとも1つのメモリ及び少なくとも1つのプロセッサを含み、前記プロセッサは、病理スライド画像に対応する特徴情報(feature information)を取得し、前記特徴情報に基づいて前記病理スライド画像に関連する医療情報(medical information)を生成し、前記医療情報及び前記医療情報に基づいた追加情報のうち少なくとも一つを出力する。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのメモリと、
少なくとも1つのプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
病理スライド画像に対応する特徴情報(feature information)を取得し、前記特徴情報に基づいて前記病理スライド画像に関連する医療情報(medical information)を生成し、前記医療情報及び前記医療情報に基づいた追加情報のうち少なくとも1つを出力する、
コンピューティング装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記病理スライド画像に表現された少なくとも1つの対象体に関する情報に基づいて前記特徴情報を取得する、
請求項1に記載のコンピューティング装置。
【請求項3】
前記特徴情報は、特徴埋め込みモデル(feature embedding model)によって取得された少なくとも1つの第1特徴ベクトル(feature vector)を含み、
前記特徴埋め込みモデルは、前記病理スライド画像から前記少なくとも1つの対象体に関する情報を推論する第1機械学習モデルの少なくとも一部の層に基づいて生成される、
請求項2に記載のコンピューティング装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
少なくとも1つの第1特徴ベクトル及び前記病理スライド画像に表現された少なくとも1つの対象体に関する情報を組み合わせて第2特徴ベクトルを生成し、前記第2特徴ベクトルに基づいて前記医療情報を生成する、
請求項1に記載のコンピューティング装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記少なくとも1つの第1特徴ベクトル、前記少なくとも1つの対象体に関する情報、及び前記第2特徴ベクトルの基である新規特徴ベクトルのうち少なくとも1つに対してプーリング(pooling)を実行する、
請求項4に記載のコンピューティング装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記第2特徴ベクトル及び前記病理スライド画像に対応する重み(weight)を組み合わせて新規特徴ベクトルを生成し、前記新規特徴ベクトルに基づいて前記医療情報を生成する、
請求項4に記載のコンピューティング装置。
【請求項7】
前記医療情報は、
免疫表現型(immune phenotype)、遺伝子型(genotype)、バイオマーカースコア(biomarker score)、腫瘍純度(tumor purity)、前記病理スライド画像に表現される癌(cancer)の治療方法のうち少なくとも1つを含む、
請求項1に記載のコンピューティング装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記病理スライド画像に表現された少なくとも1つの遺伝子変異を示す情報を前記病理スライド画像に表示するようにディスプレイ装置を制御する、
請求項1に記載のコンピューティング装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記医療情報に基づいて設定されたシーケンシング領域(sequencing area)を前記病理スライド画像上に表示するようにディスプレイ装置を制御する、
請求項1に記載のコンピューティング装置。
【請求項10】
前記シーケンシング領域は、
被検体から前記シーケンシング領域を分離する方法のそれぞれに適応的に設定される、
請求項9に記載のコンピューティング装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
被検体から前記シーケンシング領域を分離する場合に予想される突然変異歩留まり(expected yield of mutation)をさらに出力するように前記ディスプレイ装置を制御する、
請求項9に記載のコンピューティング装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記医療情報に基づいて設定されたシーケンシング領域及び前記シーケンシング領域に関する詳細情報を含むレポート(report)を生成する、
請求項1に記載のコンピューティング装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記医療情報に基づいて被検体から特定の遺伝子変異を検出できる確率を確認し、前記確率が閾値以上である場合にシーケンシング領域に関する情報を送信する、
請求項1に記載のコンピューティング装置。
【請求項14】
病理スライド画像に対応する特徴情報(feature information)を取得するステップと、
前記特徴情報に基づいて前記病理スライド画像に関連する医療情報(medical information)を生成するステップと、
前記医療情報及び前記医療情報に基づいた追加情報のうち少なくとも1つを出力するステップと、を含む、
方法。
【請求項15】
前記取得するステップは、
前記病理スライド画像に表現された少なくとも1つの対象体に関する情報に基づいて前記特徴情報を取得する、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記特徴情報は、特徴埋め込みモデル(feature embedding model)によって取得された少なくとも1つの第1特徴ベクトル(feature vector)を含み、
前記特徴埋め込みモデルは、前記病理スライド画像から前記少なくとも1つの対象体に関する情報を推論する第1機械学習モデルの少なくとも一部の層に基づいて生成される、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記生成するステップは、
少なくとも1つの第1特徴ベクトル及び前記病理スライド画像に表現された少なくとも1つの対象体に関する情報を組み合わせて第2特徴ベクトルを生成するステップと、
前記第2特徴ベクトルに基づいて前記医療情報を生成するステップと、を含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第1特徴ベクトル、または前記少なくとも1つの対象体に関する情報及び前記第2特徴ベクトルの基である新規特徴ベクトルのうち少なくとも1つに対してプーリング(pooling)を実行するステップ、をさらに含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2特徴ベクトル及び前記病理スライド画像に対応する重み(weight)を組み合わせて新規特徴ベクトルを生成するステップをさらに含み、
前記医療情報を生成するステップは、
前記新規特徴ベクトルに基づいて前記医療情報を生成する、
請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記医療情報は、
免疫表現型(immune phenotype)、遺伝子型(genotype)、バイオマーカースコア(biomarker score)、腫瘍純度(tumor purity)、前記病理スライド画像に表現される癌(cancer)の治療方法のうち少なくとも1つを含む、
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、病理スライド画像に基づいて医療情報を生成する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル病理学(digital pathology)分野は、病理スライド画像(pathological slide image)をスキャンすることによって生成されたスライド全体画像(whole slide image)を用いて当該患者の組織学的情報を取得したり、予後を予測したりする分野である。
【0003】
病理スライド画像は、対象体の染色された組織サンプルから取得することができる。例えば、組織サンプルは、ヘマトキシリン及びエオシン(hematoxylin and eosin)、三色素(trichrome)、過ヨウ素酸シッフ(periodic acid schiff)、自動放射線撮影(autoradiogrphy)、酵素組織化学(enzyme histochemistry)、免疫蛍光(immuno‐fluorescence)及び免疫組織化学(immunohistochemistry)など様々な染色方式で染色することができる。染色された組織サンプルは、組織学及び生検評価に用いられ、疾患状態を理解するために分子プロファイル分析に進むかどうかを判断するための根拠になり得る。
【0004】
近年、医療画像と機械学習モデルを用いて被検体に関する医療情報を予測する技術が開発されている。特に、病理スライド画像に基づいて癌細胞、癌領域などを分析する技術が開発されている。また、遺伝子の突然変異と癌との関連性が明らかになるにつれて、遺伝子の突然変異を予測することにより被検者の癌発生の潜在的な危険性を予測する技術も台頭している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
病理スライド画像に基づいて医療情報を生成する方法及び装置を提供することにある。また、前記方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することにある。解決しようとする技術的課題は、前記の技術的課題に限定されず、他の技術的課題が存在することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一側面に係るコンピューティング装置は、少なくとも1つのメモリ及び少なくとも1つのプロセッサを含み、前記プロセッサは、病理スライド画像に対応する特徴情報(feature information)を取得し、前記特徴情報に基づいて前記病理スライド画像に関連する医療情報(medical information)を生成し、前記医療情報及び前記医療情報に基づいた追加情報のうち少なくとも一つを出力する。
【0007】
他の側面に係る方法は、病理スライド画像に対応する特徴情報(feature information)を取得するステップと、前記特徴情報に基づいて前記病理スライド画像に関連する医療情報(medical information)を生成するステップと、前記医療情報及び前記医療情報に基づいた追加情報のうち少なくとも1つを出力するステップとを含む。
【0008】
さらに他の側面に係るコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、上述した方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録した記録媒体を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る病理スライド画像から医療情報を生成するシステムの一例を説明するための図である。
図2A】一実施形態に係るユーザ端末の一例を示す構成図である。
図2B】一実施形態に係るサーバの一例を示す構成図である。
図3】一実施形態に係る病理スライド画像から医療情報を生成する方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図4】一実施形態に係るプロセッサが少なくとも1つの対象体に関する情報を取得する一例を説明するための図である。
図5】一実施形態に係るプロセッサが特徴情報を取得する一例を説明するための図である。
図6】一実施形態に係るプロセッサが医療情報を生成する一例を説明するための図である。
図7A】一実施形態に係る集約器及び分類器が動作する一例を説明するための図である。
図7B】一実施形態に係る集約器及び分類器が動作する他の例を説明するための図である。
図7C】一実施形態に係る集約器及び分類器が動作するさらに他の例を説明するための図である。
図8】一実施形態に係る医療情報及び追加情報の例を説明するための図である。
図9】一実施形態に係るプロセッサが医療情報及び/または追加情報を出力する一例を説明するための図である。
図10A】一実施形態に係るプロセッサがシーケンシング領域を出力する一例を説明するための図である。
図10B】一実施形態に係るプロセッサがシーケンシング領域を出力する他の例を説明するための図である。
図10C】一実施形態に係るプロセッサがシーケンシング領域を出力するさらに他の例を説明するための図である。
図10D】一実施形態に係るプロセッサがシーケンシング領域を出力するさらに他の例を説明するための図である。
図11A】一実施形態に係るレポートの一例を示す図である。
図11B】一実施形態に係るレポートの一例を示す図である。
図12】一実施形態に係る病理スライド画像から医療情報を生成する方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
図13】病理スライド画像から医療情報を生成するシステムの他の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態で使用される用語は、可能な限り現在広く使用されている一般的な用語を選択したが、これは当分野に従事する技術者の意図または判例、新しい技術の出現などによって変わることがある。また、特定の場合、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該当する説明部分において詳細にその意味を記載する。したがって、明細書で使用される用語は、単なる用語の名称ではなく、その用語が有する意味と明細書の全体にわたる内容とに基づいて定義されるべきである。
【0011】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。さらに、明細書に記載された「~ユニット」、「~モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能または動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアまたはソフトウェアで具現化されたり、ハードウェアとソフトウェアの結合で具現化されたりすることがある。
【0012】
さらに、明細書で使用される「第1」または「第2」などの序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使用することができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されるべきではない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的で使用されることがある。
【0013】
一実施形態によれば、「病理スライド画像」は、人体から採取した組織などについて一連の化学処理過程を経て固定及び染色された病理スライドを撮影した画像を指すことがある。さらに、病理スライド画像は、スライド全体の高解像度画像を含むスライド全体画像(Whole Slide Image、WSI)を指してもよく、スライド全体画像の一部、例えば1つ以上のパッチ(patch)を指してもよい。例えば、病理スライド画像は、スキャン装置(例えば、デジタルスキャナなど)を介して撮影またはスキャンされたデジタル画像を指してもよく、体内の特定のタンパク質、細胞(cell)、組織(tissue)及び/または構造(structure)に関する情報を含んでもよい。さらに、病理スライド画像は1つ以上のパッチを含んでもよく、1つ以上のパッチにはアノテーション(annotation)作業を介して組織学的情報を適用(例えば、タグ付け)することができる。
【0014】
「医療情報(medical information)」とは、医療映像から抽出することができる医学的に意味のある任意の情報を指すことがある。例えば、医療情報は、免疫表現型(immune phenotype)、遺伝子型(genotype)、バイオマーカースコア(biomarker score)、腫瘍純度(tumor purity)、RNAに関する情報、微小環境(Tumor microenvironment)に関する情報、または、病理スライド画像に表現された癌(cancer)の治療方法のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0015】
例えば、遺伝子型はシグネチャ(signature)を含むことができる。シグネチャは、1つ以上の遺伝子またはその突然変異(mutation)が病理スライド画像上に発現されたものが総合された情報を指すことがある。例えば、遺伝子型は、KRAS(Kirsten rat sarcoma viral)、KRAS G12Cなどの遺伝子または突然変異を含むことができる。また、遺伝子型は、EGFR(epidermal growth factor receptor)遺伝子の突然変異、ALK(anaplastic lymphoma kinase)fusion oncogene、ROS1(receptor tyrosine kinase)oncogene、KIF5B(kinesin family 5B)遺伝子、RET(receptor tyrosine kinase)oncogene、NTRK(neurotrophic tyrosine receptor kinase)oncogene、BRCA1遺伝子、BRCA2遺伝子、ERBB2(erb‐B2 receptor tyrosine kinase 2)遺伝子、BRAF(B‐Raf)遺伝子、MET、MET proto oncogene、STK11(serine/threonine kinase 11)遺伝子、HRR(homologous recombination repair)pathway遺伝子、またはそれらの突然変異またはそれらの治療に関連する情報であってもよい。
【0016】
特に、一実施形態に係るプロセッサは、病理スライド画像からKRAS G12C突然変異を正確に予測することができ、KRAS G12C突然変異は非小細胞肺癌(NSCLC)の標的として使用されることがある。
【0017】
なお、本開示における遺伝子型は上述した例に限定されず、ABL1、ACVR1B、AKT1、AKT2、AKT3、ALK、ALOX12B、AMER1、APC、AR、ARAF、ARFRP1、ARID 1 A、ASXL1、ATM、ATR、ATRX、AURKA、AURKB、AXIN1、AXL、BAP1、BARD1、BCL2、BCL2L1、BCL2L2、BCL6、BCOR、BCORL1、BCR、BRAF、BRCA1、BRCA2、BRD4、BRIPl、BTG1、BTG2、BTK、C-Kit、Cllorf30、C17orf39、CAFR、CARD11、CASP8、CBFB、CBF、CCND1、CCND2、CCND3、CCNE1、CD22、CD70、CD74、CD79A、CD79B、CD274、CDC73、CDH1、CDK12、CDK4、CDK6、CDK8、CDKN1A、CDKN1B、CDKN2A、CDKN2B、CDKN2C、CEBPA、CHEK1、CHEK2、CIC、CREBBP、CRKL、CSF1R、CSF3R、CTCF、CTNNA1、CTNNB1、CUL3、CUL4A、CXCR4、CYP17A1、DAXX、DDR1、DDR2、DIS3、DNMT3A、DOT1L、EED、EGFR、EP300、EPHA3、EPHB1、EPHB4、ERBB2、ERBB3、ERBB4、ERCC4、ERG、ERRFI1、ESR1、ETV4、ETV5、ETV6、EWSR1、EZH2、EZR、FAM46C、FANCA、FANCC、FANCG、FANCL、FAS、FBXW7、FGF10、FGF12、FGF14、FGF19、FGF23、FGF3、FGF4、FGF6、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FH、FFCN、FFT1、FFT3、FLT3、FOLR1、FOXF2、FUBP1、GABRA6、GAT A3、GATA4、GATA6、GNA11、GNA13、GNAQ、GNAS、GRM3、GSK3B、H3F3A、HDAC1、HER1、HER2、HGF、HLA、HNF1A、HRAS、HSD3B1、ID3、IDH1、IDH2、IGF1R、IKBKE、IKZF1、INPP4B、IRF2、IRF4、IRS2、JAK1、JAK2、JAK3、JUN、KDM5A、KDM5C、KDM6A、KDR、KEAP1、KEF、KIT、KI-67、KFHF6、KMT2A、KMT2D、KRAS、FTK、FYN、MAF,MAP2K1、MAP2K2、MAP2K4、MAP3K1、MAP3K13、MAPK1、MCF1、MDM2、MDM4、MED 12、MEF2B、MEN1、MERTK、MET、MITF、MKNK1、MEHl、MPE、MRE11A、MSH2、MSH3、MSH6、MST1R、MTAP、MTOR、MUTYH、MYB、MYC、MYCL、MYCN、MYD88、NBN、NF1、NF2、NFE2L2、NFKBIA、NKX2-1、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NPM1、NRAS、NSD3、NT5C2、NTRK1 NTRK2、NTRK3、NUTM1、P2RY8、PALB2、PARK2、PARP1、PARP2、PARP3、PAX5、PBRM1、PDCD1、PDCD1LG2、PDGFRA、PDGFRB、PDK1、PIK3C2B、PIK3C2G、PIK3CA、PIK3CB、PIK3R1、PIM1、PMS2、POLD1、POLE、PPARG、PPP2R1A、PPP2R2A、PRDM1、PRKAR1A、PRKCI、PTCH1、PTEN、PTPN11、PTPRO、QKI、RAC1、RAD21、RAD51、RAD51B、RAD51C、RAD51D、RAD52、RAD54L、RAF1、RARA、RBI、RBM10、REL、RET、RICTOR、RNF43、ROS1、RPTOR、RSP02、SDC4、SDHA、SDHB、SDHC、SDHD、SETD2、SF3B1、SGK1、SLC34A2、SMAD2、SMAD4、SMARCA4、SMARCB1、SMO、SNCAIP、SOCS1、SOX2、SOX9、SPEN、SPOP、SRC、STAG2、STAT3、STK11、SUFU、SYK、TBX3、TEK、TERC、TERT、TET2、TP53、TFGB及び/またはTGFBRのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0018】
さらに、医療情報は、医療映像内の特定の組織(例えば、癌組織、癌基質組織など)及び/または特定の細胞(例えば、腫瘍細胞、リンパ球細胞、マクロファージ細胞(Macrophage cells)、内皮細胞(Endothelial cells)、線維芽細胞(Fibroblast cells)などの領域、位置、大きさ、癌の診断情報、被検者の癌の発症可能性に関連する情報及び/または癌治療に関連する医学的結論などを含むことができるが、これに限定されない。
【0019】
また、医療情報は、医療映像から得られる定量化された数値だけでなく、数値を視覚化した情報、数値に応じた予測情報、画像情報、統計学的情報などを含むことができる。
【0020】
例えば、医療情報はユーザ端末に提供されてもよく、ディスプレイ装置を介して出力されてもよい。
【0021】
以下では、添付の図面を参照して実施形態について詳細に説明する。しかしながら、実施形態は様々な異なる形態で具現化されてもよく、ここで説明する例に限定されない。
【0022】
図1は、一実施形態に係る病理スライド画像から医療情報を生成するシステムの一例を説明するための図である。
【0023】
図1を参照すると、システム1はユーザ端末10及びサーバ20を含む。例えば、ユーザ端末10とサーバ20とは、有線または無線通信方式で接続され、相互に様々なデータを送受信することができる。
【0024】
説明の便宜上、図1にはシステム1にユーザ端末10及びサーバ20が含まれるように示しているが、これに限定されない。例えば、システム1は他の外部デバイス(図示せず)を含むことができる。さらに、以下で説明されるユーザ端末10及びサーバ20の動作は、単一のデバイス(例えば、ユーザ端末10またはサーバ20)またはより多くのデバイスによって具現化されてもよい。
【0025】
ユーザ端末10は、ディスプレイ装置及びユーザ入力を受信する装置(例えば、キーボード、マウスなど)を備え、メモリとプロセッサを含むコンピューティング装置であってもよい。また、ディスプレイ装置はタッチスクリーンで具現化され、ユーザ入力を受信する機能を実行することもできる。例えば、ユーザ端末10としては、ノートパソコン(notebook)、デスクトップ(desktop)PC、ラップトップ(laptop)、タブレットコンピュータ(tablet computer)、スマートフォンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
サーバ20は、ユーザ端末10を含む外部デバイス(図示せず)と通信する装置であってもよい。例えば、サーバ20は、病理スライド画像、病理スライド画像に対応するビットマップ画像、病理スライド画像の分析によって生成された情報(例えば、病理スライド画像に表現された少なくとも1つの対象体に関する情報、少なくとも1つのバイオマーカー発現(expression)に関する情報、複数のバイオマーカーの組み合わせによって発現されたシグネチャに関する情報、病理スライド画像に関連する医療情報、医療情報に基づいて導出された追加情報などを含む)、病理スライド画像の分析のために用いられる機械学習モデルに関する情報を含む様々なデータを記憶する装置であってもよい。あるいは、サーバ20は、メモリとプロセッサとを含み、独自の演算能力を有するコンピューティング装置であってもよい。サーバ20がコンピューティング装置である場合、サーバ20は、図1図13を参照して後述するユーザ端末10の動作のうち少なくとも一部を実行することができる。例えば、サーバ20はクラウド(cloud)サーバであってもよいが、これに限定されない。
【0027】
ユーザ端末10は、病理スライド画像及び/または病理スライドの分析によって生成された情報を示す画像40を出力する。例えば、画像40には、病理スライド画像に表現された少なくとも1つの対象体に関する様々な情報を表現することができる。また、画像40にはバイオマーカーの発現情報を表現することができる。さらに、画像40には、病理スライド画像に含まれた少なくとも一部の領域に関する医療情報及び/または医療情報に基づいて導出された追加情報を表現することができる。
【0028】
病理スライド画像は、体内から採取した組織などを顕微鏡で観察するために一連の化学的処理過程を経て固定及び染色された病理スライドを撮影した画像を指すことがある。一例として、病理スライド画像は、スライド全体の高解像度画像を含むスライド全体画像(whole slide image)を指してもよい。他の例として、病理スライド画像は、そのような高解像度のスライド全体画像の一部を指してもよい。
【0029】
一方、病理スライド画像は、スライド全体画像からパッチ(または、タイル(tile))単位で分割された領域を指すことがある。例えば、パッチ(または、タイル(tile))は、一定の領域の大きさを有することがある。
【0030】
また、病理スライド画像は、顕微鏡を用いて撮影されたデジタル画像を指すことができ、体内の細胞(cell)、組織(tissue)及び/または構造(structure)に関する情報を含むことができる。
【0031】
病理スライド画像の分析により、病理スライド画像に表現された生物学的要素(例えば、癌細胞、免疫細胞、癌領域など)が確認されることがある。これらの生物学的要素は、疾患の組織学的診断、疾患予後の予測、疾患の治療方向の決定などに活用することができる。
【0032】
一方、遺伝子の突然変異や様々なバイオマーカーが特定の癌において標的になったり、癌の診断、治療、予後観察などにおいて重要な指標になったりすることがある。例えば、KRAS G12C突然変異は非小細胞肺癌(NSCLC)において標的になることがあり、これによって組織ベースのKRAS突然変異検査は非小細胞肺癌の治療の有無を決定することにおいて必須の検査と認められている。
【0033】
一般に、遺伝子の突然変異や様々なバイオマーカーなどを含む医療情報は、病理学者が病理スライド画像に基づいて判断し、臨床的結論を導出する。しかし、臨床的結論に対する病理学者の主観的判断が介入することがある点、判断結果に対する正確性が担保されにくい点により、病理スライド画像から医療情報を導出する過程には多くの費用と時間がかかることがある。
【0034】
一実施形態に係るユーザ端末10は、病理スライド画像に対応する特徴情報に基づいて病理スライド画像に関連する医療情報を生成する。そして、ユーザ端末10は、医療情報及び医療情報に基づいた追加情報のうち少なくとも1つを出力する。
【0035】
したがって、ユーザ端末10は、病理スライド画像から遺伝子の突然変異や様々なバイオマーカーなどの医療情報及び医療情報に基づいた追加情報を正確かつ迅速に生成することができる。
【0036】
さらに、病理スライド画像から抽出された対象体に関する情報が病理スライド画像から抽出された特徴情報と共に結合されることによって、病理スライド画像内の様々なパターンと特徴を用いて医療情報を生成することができる。したがって、病理スライド画像から生成された医療情報は、高い精度を保証することができる。
【0037】
また、医療情報に様々な遺伝子突然変異に関する情報(すなわち、遺伝子型情報)が含まれることによって、少ない費用でも迅速かつ正確に標的抗癌治療を行うことができる。例えば、ユーザ端末10は、機械学習モデルと病理スライド画像とを用いて、医療情報(例えば、KRAS G12C突然変異など)を正確かつ安定性高く予測することができる。したがって、ユーザ端末10が予測した医療情報は、非小細胞肺癌(NSCLC)などの標的治療のためのNGS(Next Generation Sequencing)検査に役立つことができる。
【0038】
さらに、ユーザ端末10は、様々な遺伝子突然変異情報(すなわち、遺伝子型情報)のヒートマップまたは分布を作成することができ、医療情報及び追加情報を含む報告書を生成することができる。したがって、ユーザ端末10から提供される様々な情報は、NGS検査を設計したり、標的抗癌治療を必要とする患者をモニタリングしたりするのに役立つ。
【0039】
以下、図2図13を参照し、ユーザ端末10が病理スライド画像を用いて医療情報及び/または追加情報を生成する例を説明する。
【0040】
一方、説明の便宜上、明細書全体を通してユーザ端末10がすべての動作を実行すると説明したが、これに限定されない。例えば、ユーザ端末10によって実行される動作の少なくとも一部は、サーバ20によって実行されることもある。
【0041】
例えば、サーバ20は、病理スライド画像に対応する特徴情報を取得することができる。また、サーバ20は、特徴情報に基づいて病理スライド画像に関連する医療情報を生成することができる。さらに、サーバ20は、医療情報及び医療情報に基づいた追加情報のうち少なくとも1つを生成し、それをユーザ端末10及び/または他の外部デバイス(図示せず)に送信することができる。ただし、サーバ20の動作は上述したものに限定されない。図2Aは、一実施形態に係るユーザ端末の一例を示す構成図である。
【0042】
図2Aを参照すると、ユーザ端末100は、プロセッサ110、メモリ120、入出力インタフェース130及び通信モジュール140を含む。説明の便宜上、図2Aには、本発明に関連する構成要素のみが示されている。したがって、図2Aに示す構成要素に加えて、他の汎用構成要素がユーザ端末100にさらに含まれていてもよい。さらに、図2Aに示されるプロセッサ110、メモリ120、入出力インタフェース130及び通信モジュール140を、独立した装置として具現化することができるのは、本発明に関連する技術分野における一般的な知識を有する者に自明である。
【0043】
プロセッサ110は、基本的な算術、論理及び入出力演算を実行することによって、コンピュータプログラムの命令を処理することができる。ここで、命令は、メモリ120または外部装置(例えば、サーバ20など)により提供することができる。さらに、プロセッサ110は、ユーザ端末100に含まれる他の構成要素の動作を全体的に制御することができる。
【0044】
プロセッサ110は、病理スライド画像に対応する特徴情報を取得する。例えば、プロセッサ110は、病理スライド画像に表現された少なくとも1つの対象体に関する情報に基づいて第1特徴情報を取得することができる。
【0045】
例えば、第1特徴情報は、特徴埋め込みモデル(feature embedding model)によって取得することができる少なくとも1つの特徴ベクトル(feature vector)を含むことができる。ここで、特徴埋め込みモデルは、病理スライド画像から少なくとも1つの対象体に関する情報を推論する第1機械学習モデルの少なくとも一部の層に基づいて生成することができる。
【0046】
プロセッサ110は、第1特徴情報に基づいて病理スライド画像に関連する医療情報を生成する。例えば、プロセッサ110は、第1特徴情報及び対象体に関する情報を組み合わせて第2特徴情報を生成し、第2特徴情報に基づいて医療情報を生成することができる。第2特徴情報は、少なくとも1つの第1特徴ベクトル及び対象体に関する情報を組み合わせて生成された別の特徴ベクトルであってもよい。
【0047】
このとき、プロセッサ110は、第1特徴ベクトル、または対象体に関する情報及び第2特徴ベクトルの基である新規特徴ベクトルのうち少なくとも1つに対してプーリング(pooling)を実行することができる。
【0048】
また、プロセッサ110は、第2特徴ベクトル及び病理スライド画像に対応する重み(weight)を組み合わせて新規特徴ベクトルを生成し、新規特徴ベクトルに基づいて医療情報を生成することができる。
【0049】
プロセッサ110は、医療情報及び医療情報に基づいた追加情報のうち少なくとも1つを出力する。プロセッサ110は、医療情報に基づいて追加情報を生成することができ、医療情報及び/または追加情報を出力することができる。
【0050】
一例として、プロセッサ110は、病理スライド画像に表現された少なくとも1つの遺伝子変異を示す情報を病理スライド画像上に表示するようにディスプレイ装置を制御することができる。
【0051】
他の例として、プロセッサ110は、医療情報に基づいて設定されたシーケンシング領域(sequencing area)を病理スライド画像上に表示するようにディスプレイ装置を制御することができる。このとき、シーケンシング領域は、被検体からシーケンシング領域を分離する方法のそれぞれに適応的に(adaptively)設定することができる。例えば、プロセッサ110は、被検体からシーケンシングを実行する部分を分離及び切開する方法に応じてシーケンシング領域が異なるように設定することができる。また、プロセッサ110は、被検体からシーケンシング領域を分離する場合に予想される突然変異歩留まり(expected yield of mutation)をさらに出力するようにディスプレイ装置を制御することができる。
【0052】
他の例として、プロセッサ110は、医療情報に基づいて設定されたシーケンシング領域及びシーケンシング領域に関する詳細情報を含むレポート(report)を生成することができる。
【0053】
他の例として、プロセッサ110は、医療情報に基づいて被検体から特定の遺伝子変異を検出できる可能性を確認し、確率が閾値以上の場合にシーケンシング領域に関する情報を他の外部デバイスに送信することができる。
【0054】
プロセッサ110は、複数の論理ゲートのアレイで具現化されてもよく、汎用のマイクロプロセッサと、このマイクロプロセッサで実行することができるプログラムが記憶されたメモリとの組み合わせで具現化されてもよい。例えば、プロセッサ110は、汎用プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、コントローラ、マイクロコントローラ、状態機械などを含むことができる。一部環境において、プロセッサ110は、特定用途向け半導体(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などを含むこともできる。例えば、プロセッサ110は、デジタル信号プロセッサ(DSP)とマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、デジタル信号プロセッサ(DSP)コアと結合された1つ以上のマイクロプロセッサとの組み合わせ、または他の任意のそのような構成の組み合わせなどの処理デバイスの組み合わせを指すこともできる。
【0055】
メモリ120は、非一時的な任意のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含むことができる。一例として、メモリ120は、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)、ディスクドライブ、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ(flash memory)などの不揮発性大容量記憶装置(permanent mass storage device)を含むことができる。他の例として、ROM、SSD、フラッシュメモリ、ディスクドライブなどの不揮発性大容量記憶装置は、メモリとは別の独立した永続記憶装置であってもよい。また、メモリ120には、オペレーティングシステム(OS)と少なくとも1つのプログラムコード(例えば、図3図13を参照して後述する動作をプロセッサ110が実行するためのコード)を記憶することができる。
【0056】
これらのソフトウェア構成要素は、メモリ120とは別のコンピュータで読み取り可能な記録媒体からロードすることができる。このような別途のコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ユーザ端末100に直接接続できる記録媒体であってもよく、例えば、フロッピーディスクドライブ、ディスク、テープ、DVD/CD‐ROMドライブ、メモリカードなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体を含むことができる。または、ソフトウェア構成要素は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体ではなく通信モジュール140を介してメモリ120にロードすることもできる。例えば、少なくとも1つのプログラムは、開発者またはアプリケーションのインストールファイルを配布するファイル配布システムが通信モジュール140を介して提供するファイルによってインストールされるコンピュータプログラム(例えば、図3図13を参照して後述する動作をプロセッサ110が実行するためのコンピュータプログラムなど)に基づいてメモリ120にロードすることができる。
【0057】
入出力インタフェース130は、ユーザ端末100に接続されるか、ユーザ端末100に含まれることがある入力または出力のための装置(例えば、キーボード、マウスなど)とのインタフェースのための手段であってもよい。図2Aでは、入出力インタフェース130がプロセッサ110とは別に構成された要素として示されているが、これに限定されず、入出力インタフェース130がプロセッサ110に含まれるように構成されていてもよい。
【0058】
通信モジュール140は、ネットワークを介してサーバ200とユーザ端末100とが互いに通信するための構成または機能を提供することができる。また、通信モジュール140は、ユーザ端末100が他の外部デバイスと通信するための構成または機能を提供することができる。例えば、プロセッサ110の制御に従って提供される制御信号、命令、データなどを通信モジュール140とネットワークを介してサーバ20及び/または外部デバイスに送信することができる。
【0059】
一方、図2Aには示されていないが、ユーザ端末100はディスプレイ装置をさらに含んでもよい。または、ユーザ端末100は、独立したディスプレイ装置と有線または無線通信方式で接続され、相互間でデータを送受信することができる。例えば、ディスプレイ装置を介して、病理スライド画像、病理スライド画像の分析情報、医療情報、医療情報に基づいた追加情報などをユーザ30に提供することができる。
【0060】
図2Bは、一実施形態に係るサーバの一例を示す構成図である。
【0061】
図2Bを参照すると、サーバ200はプロセッサ210、メモリ220及び通信モジュール230を含む。説明の便宜上、図2Bには、本発明に関連する構成要素のみが示されている。したがって、図2Bに示す構成要素に加えて、他の汎用構成要素がサーバ200にさらに含まれていてもよい。さらに、図2Bに示されるプロセッサ210、メモリ220及び通信モジュール230を、独立した装置として具現化することができるのは、本発明に関連する技術分野における一般的な知識を有する者に自明である。
【0062】
プロセッサ210は、内部メモリ220、ユーザ端末100及び他の外部デバイスのうち少なくとも1つから病理スライド画像を取得することができる。プロセッサ210は、病理スライド画像に表現された少なくとも1つの対象体を分析したり、病理スライド画像に対応する特徴情報を取得したり、特徴情報に基づいて病理スライド画像に関連する医療情報を生成したり、医療情報及び追加情報のうち少なくとも1つをユーザ端末100に送信したりすることができる。
【0063】
言い換えれば、図2Aを参照して上述したプロセッサ110の動作のうち少なくとも1つをプロセッサ210によって実行することができる。この場合、ユーザ端末100は、サーバ200から送信された情報を、ディスプレイ装置を介して出力することができる。
【0064】
一方、プロセッサ210の具現例は、図2Aを参照して上述したプロセッサ110の具現例と同じであるため、具体的な説明は省略する。
【0065】
メモリ220には、病理スライド画像、プロセッサ210の動作に従って生成されたデータなど、様々なデータを記憶することができる。さらに、メモリ220には、オペレーティングシステム(OS)と少なくとも1つのプログラム(例えば、プロセッサ210が動作するのに必要なプログラムなど)を記憶することができる。
【0066】
一方、メモリ220の具現例は、図2Aを参照して上述したメモリ120の具現例と同じであるため、具体的な説明は省略する。
【0067】
通信モジュール230は、ネットワークを介してサーバ200とユーザ端末100とが互いに通信するための構成または機能を提供することができる。また、通信モジュール230は、サーバ200が他の外部デバイスと通信するための構成または機能を提供することができる。例えば、プロセッサ210の制御に従って提供される制御信号、命令、データなどを通信モジュール230とネットワークを介してユーザ端末100及び/または外部デバイスに送信することができる。
【0068】
図3は、一実施形態に係る病理スライド画像から医療情報を生成する方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0069】
図3に示す方法は、図1及び図2Aに示すユーザ端末10、100またはプロセッサ110で時系列的に処理されるステップからなる。したがって、以下で省略した内容であっても、図1図2Aに示されるユーザ端末10、100またはプロセッサ110に関して上述した内容は、図3に示す方法にも適用することができる。
【0070】
また、図1図2Bを参照して上述したように、図3に示す方法のステップのうち少なくとも1つは、サーバ20、200またはプロセッサ210で処理することができる。
【0071】
ステップ310で、プロセッサ110は、病理スライド画像に対応する特徴情報を取得する。
【0072】
本開示において、病理スライド画像は、スライド全体画像(whole slide image)またはスライド全体画像の一部であってもよい。ここで、一部をパッチ(patch)またはタイル(tile)と呼ぶことができ、スライド全体画像の一部画像を意味する。例えば、パッチまたはタイルは、所定の対象体を示す画像であってもよく、ユーザ30が指定した関心領域(region of interest)を示す画像であってもよい。
【0073】
例えば、プロセッサ110は、病理スライド画像を分析して少なくとも1つの対象体に関する情報を取得することができる。そして、プロセッサ110は、少なくとも1つの対象体に関する情報に基づいて特徴情報を取得することができる。
【0074】
ここで、対象体は、被検体を構成する細胞、組織、構造などを含むことができる。例えば、プロセッサ110は、病理スライド画像から癌領域(cancer area)、癌基質領域(cancer stroma area)、壊死領域(necrosis area)及びバックグラウンド領域(background)などを分類及び抽出することができる。また、プロセッサ110は、病理スライド画像に表現された複数の細胞を腫瘍細胞(tumor cell)、リンパ球細胞(lymphocytes cell)及びその他の細胞のうち少なくとも1つに分類することができる。
【0075】
一方、「特徴情報」は、以下の図4で説明する少なくとも1つの対象体に関する情報430に対応してもよく、少なくとも1つの第1特徴ベクトル530に対応してもよい。以下、図4及び図5を参照して、プロセッサ110が特徴情報を取得する一例を説明する。
【0076】
図4は、一実施形態に係るプロセッサが少なくとも1つの対象体に関する情報を取得する一例を説明するための図である。
【0077】
図4を参照すると、プロセッサ110は、第1機械学習モデル410を用いて少なくとも1つの対象体に関する情報430を取得することができる。例えば、第1機械学習モデル410は、病理スライド画像420が入力されると、少なくとも1つの対象体に関する情報430が出力されるように学習することができる。
【0078】
少なくとも1つの対象体に関する情報430を抽出することができる画像である場合なら、制限なく病理スライド画像420に該当しうる。例えば、病理スライド画像420は、1つ以上の方法で染色された画像(例えば、H&E stained image、IHC stained imageなど)を意味してもよい。一方、本明細書では、病理スライド画像を分析の対象として前提としたが、これに限定されない。例えば、一実施形態に係るプロセッサ110は、病理スライド画像だけでなく、被検者の身体を撮影した様々な種類の医療画像(例えば、CXR(Chest X‐Ray)、MMG、unstained slide image、放射線画像など)も病理スライド画像420に置き換えて分析することができる。
【0079】
少なくとも1つの対象体に関する情報430は、組織に関する情報及び/または細胞に関する情報を含むことができる。ただし、少なくとも1つの対象体に関する情報430はこれに限定されず、病理スライド画像420が含む視覚的情報(visual information)であれば制限なく含むことができる。例えば、少なくとも1つの対象体に関する情報430は、病理スライド画像420に表現された様々な形態(morphology)情報を含むことができる。
【0080】
一例として、プロセッサ110は、第1機械学習モデル410を用いて病理スライド画像420を分析し、病理スライド画像420に表現された複数の組織を分類することができる。
【0081】
まず、プロセッサ110は、病理スライド画像420から組織に該当する領域を検出することができる。プロセッサ110は、機械学習モデルを用いて、組織を示す層の形で検出結果を出力することができる。この場合、機械学習モデルは、複数の参照病理スライド画像及び複数の参照ラベル情報を含む学習データを用いて、参照病理スライド画像内の組織に該当する領域を検出するように学習することができる。
【0082】
また、プロセッサ110は、第1機械学習モデル410を用いて病理スライド画像420に表現された複数の組織を分類することができる。例えば、プロセッサ110は、病理スライド画像420を癌領域(cancer area)、癌基質領域(cancer stroma area)、壊死領域(necrosis area)及びバックグラウンド領域(background)のうち少なくとも1つに分類することができる。ここで、バックグラウンド領域は、生物学的ノイズ(biological noise)を示す領域及び/または技術的ノイズ(technical noise)を示す領域を含みうる。例えば、生物学的ノイズを示す領域は正常領域を含み、技術的ノイズを示す領域は劣化領域を含みうる。
【0083】
ただし、プロセッサ110が病理スライド画像420に表現される少なくとも一部の領域を分類する例は、上述したものに限定されない。言い換えれば、上述した4種類の領域(癌領域、癌基質領域、壊死領域及びバックグラウンド領域)に限定されず、プロセッサ110は、様々な基準によって病理スライド画像420に表現される少なくとも1つの領域を、複数のカテゴリに分類することができる。病理スライド画像420に表現される少なくとも1つの領域は、予め設定された基準またはユーザが設定した基準に従って複数のカテゴリに分類することができる。また、ノイズの種類は、生物学的ノイズ及び技術的ノイズに限定されない。
【0084】
他の例として、プロセッサ110は、第1機械学習モデル410を用いて病理スライド画像420を分析し、病理スライド画像420に表現された複数の細胞を分類することができる。
【0085】
まず、プロセッサ110は、第1機械学習モデル410を用いて病理スライド画像420から細胞を検出し、細胞を示す層の形で検出結果を出力することができる。プロセッサ110が病理スライド画像420を分析する具体的な方法は、上述した内容と同じである。
【0086】
また、プロセッサ110は、第1機械学習モデル410を用いて病理スライド画像420に表現された複数の細胞を分類することができる。例えば、プロセッサ110は、病理スライド画像420に表現された細胞を腫瘍細胞(tumor cell)、リンパ球細胞(lymphocytes cell)及びその他の細胞のうち少なくとも1つに分類することができる。ただし、プロセッサ110が病理スライド画像420に表現された細胞を分類する例は、上述したものに限定されない。言い換えれば、プロセッサ110は、互いに異なる種類の細胞を分類する様々な基準に従って、病理スライド画像420に表現された細胞をグループ化することができる。
【0087】
本開示において、機械学習モデルは、生物学的ニューラルネットワークの構造に基づいて具現化された統計学的学習アルゴリズムまたはそのアルゴリズムを実行する構造を意味する。例えば、機械学習モデルは、生物学的ニューラルネットワークと同様に、シナプスの組み合わせでネットワークを形成した人工ニューロンであるノード(node)がシナプスの重みを繰り返し調整し、特定の入力に対応する正しい出力と推論された出力との間の誤差が減少するように学習することにより、問題解決能力を有するモデルを示すことができる。例えば、機械学習モデルは、機械学習、ディープラーニングなどの人工知能学習法に用いられる任意の確率モデル、ニューラルネットワークモデルなどを含むことができる。
【0088】
例えば、機械学習モデルは、多層のノードとそれらの間の接続からなる多層パーセプトロン(MLP:multilayer perceptron)で具現化することができる。本実施形態に係る機械学習モデルは、MLPを含む様々な人工ニューラルネットワークモデル構造のうちの1つを用いて具現化することができる。例えば、機械学習モデルは、外部から入力信号またはデータを受信する入力層と、入力データに対応した出力信号またはデータを出力する出力層と、入力層と出力層の間に位置し、入力層から信号を受け、特性を抽出して出力層に伝達する少なくとも1つの隠蔽層とで構成することができる。出力層は、隠蔽層から信号またはデータを受信して外部に出力する。
【0089】
したがって、機械学習モデルは、1つ以上の病理スライド画像を受信し、病理スライド画像に含まれる1つ以上の対象体(例えば、細胞、組織、構造など)に関する情報を抽出するように学習することができる。
【0090】
上述のように、一実施形態に係るプロセッサ110は、病理スライド画像420から少なくとも1つの対象体に関する情報430を生成することができる。一実施形態に係るプロセッサ110は、少なくとも1つの対象体に関する情報430を用いて、最終的に医療情報及び医療情報に基づいた追加情報を生成することができる。
【0091】
一方、一実施形態に係るプロセッサ110は、少なくとも1つの対象体に関する情報430だけでなく、病理スライド画像から抽出される少なくとも1つの特徴ベクトル(feature vector)を用いて医療情報及び医療情報に基づいた追加情報を生成することもできる。以下で詳細に説明する。
【0092】
図5は、一実施形態に係るプロセッサが特徴情報を取得する一例を説明するための図である。
【0093】
図5を参照すると、プロセッサ110は、特徴埋め込みモデル510を用いて少なくとも1つの第1特徴ベクトル530を取得することができる。例えば、特徴埋め込みモデル510は、少なくとも1つの対象体に関する情報520を用いて少なくとも1つの第1特徴ベクトル530を生成することができる。
【0094】
特徴埋め込みモデル510は、少なくとも1つの対象体に関する情報520が意味情報(semantic information)に抽象化(abstraction)された特徴ベクトルを生成するモデルを意味する。ここで、少なくとも1つの対象体に関する情報520は、図4に示す情報430に対応し、病理スライド画像420に表現された形態情報を含む。
【0095】
一例として、特徴埋め込みモデル510は、第1機械学習モデル410の少なくとも一部の層に基づいて生成することができる。図4を参照して上述した内容によると、第1機械学習モデル410は、病理スライド画像420から少なくとも1つの対象体に関する情報430を推論するモデルである。特徴埋め込みモデル510は、第1機械学習モデル410を構成する複数の層のうち1つ以上の層が削除されたモデルで具現化することができる。
【0096】
他の例として、特徴埋め込みモデル510は、第1機械学習モデル410とは別の機械学習モデルであってもよい。例えば、特徴埋め込みモデル510は、任意の病理スライド画像から形態情報を抽出するように学習されたニューラルネットワークモデルで1つ以上の層が削除されることによって具現化することができる。
【0097】
一方、特徴情報530が生成されることにおいて、関連する医療画像540がさらに用いられてもよい。言い換えれば、特徴埋め込みモデル510は、少なくとも1つの対象体に関する情報520及び関連する医療画像540を用いて特徴情報530を生成することができる。
【0098】
一例として、関連する医療画像540は、病理スライド画像420と同じ画像であってもよい。
【0099】
他の例として、関連する医療画像540は、病理スライド画像420とは異なる画像であってもよい。例えば、関連する医療画像540は、病理スライド画像420と同じ対象体を表現するが、病理スライド画像420とは異なる染色方式で染色された画像であるか、または異なる種類の画像であってもよい。
【0100】
図3を再び参照すると、ステップ320において、プロセッサ110は、特徴情報に基づいて病理スライド画像に関連する医療情報(medical information)を生成する。
【0101】
プロセッサ110は、特徴情報に含まれる第1特徴ベクトル及び病理スライド画像に表現された少なくとも1つの対象体に関する情報を組み合わせて第2特徴ベクトルを生成することができる。そして、プロセッサ110は、第2特徴ベクトルに基づいて医療情報を生成することができる。
【0102】
例えば、プロセッサ110は、集約器(aggregator)を介して第1特徴ベクトルと対象体に関する情報とを組み合わせて第2特徴ベクトルを生成することができる。このとき、集約器によって組み合わされる第1特徴ベクトル及び対象体に関する情報は、病理スライド画像上において同じ位置に対応するデータであってもよい。
【0103】
そして、プロセッサ110は、分類器(classifier)を介して第2特徴ベクトルから医療情報を生成することができる。例えば、分類器は、第2特徴ベクトルから医療情報が抽出されるように学習することができる。
【0104】
以下、図6図7Cを参照して、プロセッサ110が医療情報を生成する一例を説明する。
【0105】
図6は、一実施形態に係るプロセッサが医療情報を生成する一例を説明するための図である。
【0106】
図6を参照すると、プロセッサ110は、第2機械学習モデル610を介して医療情報640を生成することができる。第2機械学習モデル610は、特徴情報620及び少なくとも1つの対象体に関する情報630が入力されると、医療情報640が予測されるように学習することができる。さらに、第2機械学習モデル610には、医療情報640を予測するために、関連する医療画像がさらに入力されてもよい。ここで、特徴情報620及び対象体に関する情報630は、それぞれ図5に示す特徴情報530及び図4に示す対象体に関する情報430に対応する。
【0107】
一方、第2機械学習モデル610は、集約器611及び分類器612で構成することができる。
【0108】
集約器611は、様々な大きさを有する情報を1つの所定の大きさのベクトルに統合する動作を実行する。病理スライド画像を含む医療画像は様々な大きさを有し、パッチ(タイル)の数や第1特徴ベクトルの数も様々である。したがって、集約器611が様々な仕様の第1特徴ベクトル620及び対象体に関する情報630を1つの所定の大きさを有する第2特徴ベクトルに統合することによって、プロセッサ110を様々な医療映像に汎用的に活用することができる。
【0109】
分類器612は、第2特徴ベクトルから医療情報を生成する役割を果たす。例えば、分類器612は、MLP(multi‐layer perceptron)、SVM(Support Vector Machine)、Random Forest、Decision Treeなどによって具現化することができる。ただし、分類器612の例は上述したものに限定されず、第2特徴ベクトルを用いて医療情報を抽出できるものであれば制限なく該当されることができる。
【0110】
一方、プロセッサ110は、少なくとも1つの第1特徴ベクトル620、少なくとも1つの対象体に関する情報630及び新規の特徴ベクトルのうち少なくとも1つに対してプーリング(pooling)を実行することができる。ここで、新規特徴ベクトルとは、第2特徴ベクトルの基になるベクトルを意味する。さらに、集約器611及び分類器612のうち少なくとも1つは学習ベースで動作することができる。
【0111】
以下、図7A図7Cを参照して、集約器611及び分類器612が動作する例を説明する。図7A図7Cでは、病理スライド画像が複数のタイル(パッチ)に分割され、各タイル(パッチ)について第1特徴ベクトル及び対象体に関する情報が取得されたことと仮定して説明する。
【0112】
図7Aは、一実施形態に係る集約器及び分類器が動作する一例を説明するための図である。
【0113】
図7Aを参照すると、集約器711が第1特徴ベクトル740と対象体に関する情報750とを結合して新規特徴ベクトル761を生成し、新規特徴ベクトル761と重み762が結合された結果にプーリング771が実行されて第2特徴ベクトル781が生成され、分類器721が第2特徴ベクトル781に基づいて医療情報790を生成する例が示されている。例えば、集約器711及び分類器721は、それぞれDNN(deep neural network)で具現化することができ、学習に基づいて動作することができる。
【0114】
集約器711は、第1特徴ベクトル740及び対象体に関する情報750を結合して新規特徴ベクトル761を生成する。ここで、第1特徴ベクトル740及び対象体に関する情報750は、病理スライド画像を構成する複数のタイル(パッチ)のそれぞれに対して取得される。したがって、病理スライド画像がn個のタイル(パッチ)に分割された場合、新規特徴ベクトル761もn個が生成される。
【0115】
重み演算器712は、第1特徴ベクトル740及び対象体に関する情報750に基づいて重み762を演算する。ここで、重み762は病理スライド画像に対応する。具体的には、重み762は、病理スライド画像に含まれた複数のタイル(パッチ)のそれぞれに対応して生成されてもよい。第1特徴ベクトル740及び対象体に関する情報750が複数のタイル(パッチ)のそれぞれに存在するため、重み762もそれぞれのタイル(パッチ)に対して生成される。ここで、重み762は、当該タイルの重要度に基づいて決定することができる。
【0116】
プロセッサ110は、新規特徴ベクトル761と重み762とを組み合わせ、プーリング771を実行して第2特徴ベクトル781を生成する。例えば、プロセッサ110は、タイル(パッチ)ごとに新規特徴ベクトル761と重み762とを乗算し、乗算の結果のそれぞれにプーリング771を実行し、プーリング771が実行された結果のそれぞれを合計して第2特徴ベクトル781を生成することができる。これにより、未定義の大きさの第1特徴ベクトル740及び対象体に関する情報750から、1つの所定の大きさの第2特徴ベクトル781を生成することができる。
【0117】
例えば、プーリング771は、average pooling、max pooling、variance pooling、BOW/Fisher Kernel/VLAD Poolingのうち少なくとも1つ以上に該当しうるが、これらに限定されない。
【0118】
分類器721は、第2特徴ベクトル781に基づいて医療情報790を予測する。
【0119】
図7Bは、一実施形態に係る集約器及び分類器が動作する他の例を説明するための図である。
【0120】
図7Bを参照すると、集約器713が第1特徴ベクトル740と対象体に関する情報750とを結合して新規特徴ベクトル763を生成し、新規特徴ベクトル763にプーリング772が実行されて第2特徴ベクトル782が生成され、分類器722が第2特徴ベクトル782に基づいて医療情報790を生成する例が示されている。例えば、分類器722は、DNN(deep neural network)で具現化することができ、学習に基づいて動作することができる。
【0121】
集約器713は、第1特徴ベクトル740及び対象体に関する情報750を結合して新規特徴ベクトル763を生成する。ここで、新規特徴ベクトル763が生成される例は、図7Aを参照して上述した通りである。
【0122】
プロセッサ110は、新規特徴ベクトル763にプーリング772を実行して第2特徴ベクトル782を生成する。例えば、プロセッサ110は、タイル(パッチ)ごとに生成された新規特徴ベクトル761にプーリング772を実行し、プーリング772が実行された結果のそれぞれを合計して第2特徴ベクトル782を生成することができる。これにより、未定義の大きさの第1特徴ベクトル740及び対象体に関する情報750から、1つの所定の大きさの第2特徴ベクトル782を生成することができる。ここで、プーリング772の例は、図7Aを参照して上述した通りである。
【0123】
分類器723は、第2特徴ベクトル783に基づいて医療情報790を予測する。
【0124】
図7Cは、一実施形態に係る集約器及び分類器が動作するさらに他の例を説明するための図である。
【0125】
図7Cを参照すると、第1特徴ベクトル740及び対象体に関する情報750のそれぞれにプーリング773、774が実行され、集約器714がプーリングの結果を組み合わせて第2特徴ベクトル783を生成し、分類器723が第2特徴ベクトル783に基づいて医療情報790を生成する例が示されている。例えば、分類器723は、DNN(deep neural network)で具現化することができ、学習に基づいて動作することができる。また、プーリング773、774の例は、図7Aを参照して上述した通りである。
【0126】
集約器713は、プーリングされた第1特徴ベクトル及びプーリングされた対象体に関する情報を組み合わせて第2特徴ベクトル783を生成する。これにより、未定義の大きさの第1特徴ベクトル740及び対象体に関する情報750から、1つの所定の大きさの第2特徴ベクトル783を生成することができる。
【0127】
分類器721は、第2特徴ベクトル782に基づいて医療情報790を予測する。
【0128】
一方、図7A図7Cには示されていないが、プロセッサ110は、タイル(パッチ)の中で医療情報790を予測するのに最も影響を及ぼしたタイル(パッチ)を推論することができる。そして、プロセッサ110は、推論によって決定されたタイル(パッチ)から後述するヒートマップ(heatmap)を構成するための情報を抽出することができる。
【0129】
図3を再び参照すると、ステップ330において、プロセッサ110は、医療情報及び医療情報に基づいた追加情報のうち少なくとも1つを出力する。
【0130】
例えば、医療情報は免疫表現型(immune phenotype)、遺伝子型(genotype)、バイオマーカースコア(biomarker score)、腫瘍純度(tumor purity)、病理スライド画像に表現される癌(cancer)の治療方法のうち少なくとも1つを含むことができる。一方、追加情報は、医療情報に基づいて導出されることができる様々な情報を含むことができる。以下、図8を参照して追加情報の例を説明する。
【0131】
図8は、一実施形態に係る医療情報及び追加情報の例を説明するための図である。
【0132】
図8には、医療情報810及び追加情報820の例が示されている。ただし、医療情報810及び追加情報820は、図8に示す例に限定されない。図8に示す例に加えて、病理スライド画像に対応する特徴ベクトル(すなわち、第2特徴ベクトル)に基づいて推論することができる様々な情報を医療情報810に含むことができる。さらに、図8に示す例に加えて、医療情報810から導出できる様々な情報を追加情報820に含むことができる。
【0133】
例えば、追加情報820は、遺伝子型スコア、遺伝子突然変異を示す情報(例えば、発現率、発現状態情報など)、推奨シーケンシング領域、推奨シーケンシング領域に関する情報(例えば、歩留まり、形状など)、推奨シーケンシング領域を分離する方法(例えば、メス(scalpel)、パンチ(punch)、微小切開(micro‐dissection)など)、分離する方法によって異なるように(すなわち、適応的に)設定された推奨シーケンシング領域、予想される突然変異歩留まり(expected yield of mutation)、1つ以上の遺伝子型を組み合わせて導出したスコア、NGS検査の進行を推奨するか否か、及び/または詳細情報(例えば、NGS highly recommended、NGS recommended、Need continuous observationなど)などを含むことができる。この他、追加情報820として他の定量的情報(例えば、HER2 score、PD-L1 scoreなど)、その他の書誌的情報(例えば、個人情報、検査時間、癌の種類など)、病理スライド画像、特定の遺伝子型に対するヒートマップ(heatmap)などを含むことができる。
【0134】
プロセッサ110は、医療情報810及び/または追加情報820を様々な方法で出力することができる。具体的には、プロセッサ110は、医療情報810及び/または追加情報820が出力されるようにディスプレイ装置を制御することができる。例えば、プロセッサ110は、情報810、820をテキストで出力することもでき、画像(例えば、ヒートマップなど)で出力することもできる。また、テキストで出力されるものには、レポート(report)形式で出力されるものを含むことができる。
【0135】
一方、図8では、医療情報810と追加情報820とを区別して示しているが、これに限定されない。言い換えれば、医療情報810と追加情報820とは医療情報810と通称してもよく、追加情報820に含まれる例もすべて医療情報810に含むことができる。したがって、以下では、医療情報810と追加情報820の両方を医療情報810と通称する。
【0136】
以下、図9図11Bを参照して、プロセッサ110が医療情報810及び/または追加情報820を出力する例を説明する。
【0137】
図9は、一実施形態に係るプロセッサが医療情報及び/または追加情報を出力する一例を説明するための図である。
【0138】
図9には、少なくとも1つの被検体が表現された病理スライド画像910及び様々な医療情報921、922、930が示されている。例えば、遺伝子型情報は、病理スライド画像910当たりにいくつかの遺伝子型それぞれのスコアを含むことができる。
【0139】
遺伝子型スコアは、被検体に対して実際に遺伝子検査が行われた際、当該遺伝子変異が検出される確率値であることができる。例えば、A遺伝子型スコアは60、B遺伝子型スコアは30などで示すことができる。ここで、A、Bは、KRAS、MSIなどの単一遺伝子変異に対する値を意味する。
【0140】
さらに、遺伝子型スコアは、様々な遺伝子型の結果値を含むことができ、単一遺伝子変異ではなく、複合値(例えば、TMB、HRDなど)のスコアも含むことができる。
【0141】
プロセッサ110は、病理スライド画像910に表現された少なくとも1つの遺伝子変異を示す情報を出力することができる。例えば、遺伝子変異は遺伝子型スコアとして演算することができ、プロセッサ110は遺伝子型スコアを様々な方法で出力することができる。
【0142】
例えば、プロセッサ110は、遺伝子型スコアをヒートマップ921に出力することができる。プロセッサ110は、遺伝子型スコアのそれぞれをカラーでマッピング922し、病理スライド画像910上にカラーを表示することによってヒートマップ921を生成することができる。したがって、ユーザ30は、ヒートマップ921を確認することによって単に遺伝子型スコアを知ることだけでなく、遺伝子変異に対する空間的分析を行うことができる。
【0143】
さらに、プロセッサ110は、病理スライド画像910に表現された対象体においてシーケンシング(sequencing)を実行する領域が全体領域の何%を占めるかについての情報930も一緒に出力することができる。
【0144】
一方、図9には示されていないが、プロセッサ110は、病理スライド画像910の領域別に腫瘍純度(tumor purity)を示すマップを出力することもできる。さらに、プロセッサ110は、ユーザ30の操作によってヒートマップ921及び/または腫瘍純度を示すマップを様々な観点から観察できるビューア(viewer)を提供することもできる。
【0145】
一方、プロセッサ110は、医療情報(例えば、遺伝子型スコア)に基づいてシーケンシング領域(sequencing area)を設定し、設定されたシーケンシング領域を病理スライド画像上に表示することができる。ヒートマップ921は遺伝子型スコアに対応するカラーで表現されるため、シーケンシングの対象領域を設定することができる。プロセッサ110は、推奨シーケンシング領域(recommended sequencing area)を設定し、病理スライド画像910(または、ヒートマップ921)上に推奨シーケンシング領域を表示することができる。以下、図10A図10Dを参照して、プロセッサ110がシーケンシング領域を病理スライド画像910またはヒートマップ921上に表示する例を説明する。
【0146】
図10Aは、一実施形態に係るプロセッサがシーケンシング領域を出力する一例を説明するための図である。
【0147】
図10Aを参照すると、画面1010には、ヒートマップ上にシーケンシング領域1011を表示することができる。また、画面1010には、シーケンシング領域1011から導出することができる歩留まり1012も一緒に表示することができる。
【0148】
ここで、歩留まり1012は、被検体からシーケンシング領域1011を分離する場合に予想される突然変異歩留まり(expected yield of mutation)を意味する。したがって、ユーザ30は、所望の歩留まり1012が導出されるようにシーケンシング領域1011の形状及び大きさを調整することができる。
【0149】
図10Bは、一実施形態に係るプロセッサがシーケンシング領域を出力する他の例を説明するための図である。
【0150】
図10Bには、ヒートマップ上にシーケンシング領域1021及び歩留まり1022が表示された画面1020が示されている。
【0151】
被検体からシーケンシング領域1021を分離する方法は様々である。例えば、被検体からシーケンシング領域1021を分離する方法としては、メス(scalpel)、パンチ(punch)、微小切開(micro‐dissection)などが挙げられる。
【0152】
プロセッサ110は、上述した方法のそれぞれに応じて異なるように(すなわち、適応的に)シーケンシング領域1021を設定し、それに応じた歩留まり1022を出力することができる。一例として、メス方法の場合、プロセッサ110は、シーケンシング領域1021を分離するためのメスの動作回数を考慮してシーケンシング領域1021を設定することができる。他の例として、パンチ方法の場合、プロセッサ110はパンチの大きさを考慮してシーケンシング領域1021を設定することができる。さらに他の例として、微小切開方法の場合、プロセッサ110は、切開に用いられるツールの種類及び大きさを考慮してシーケンシング領域1021を設定することができる。
【0153】
図10Cは、一実施形態に係るプロセッサがシーケンシング領域を出力するさらに他の例を説明するための図である。
【0154】
図10Cは、マイクロディセクション(micro dissection)のようにシーケンシング領域を精巧に切開することができる機器などに使用するために、シーケンシング領域が出力され、ユーザ30がこれを微調整(fine‐tuning)することができる方法の例を示す。
【0155】
図10Cには、ユーザ30の操作に応じてシーケンシング領域1031、1041が変更されて出力され、これに対応して歩留まり1032、1042も変更されて出力される例が示されている。
【0156】
例えば、画面1030には、プロセッサ110によって設定されたシーケンシング領域1031及び歩留まり1032を出力することができる。このとき、ユーザ30はシーケンシング領域1031の大きさ、位置、方向などを調整することができ、プロセッサ110はユーザ30の操作によって変更されたシーケンシング領域1041を画面1040に出力することができる。また、画面1040には、変更されたシーケンシング領域1041に応じて変更された歩留まり1042も一緒に出力することができる。これにより、ユーザ30は、シーケンシングのための歩留まり限界と歩留まり1032、1042とを比較しながら、シーケンシング領域1031、1041を微調整(fine tuning)することができる。
【0157】
図10Dは、一実施形態に係るプロセッサがシーケンシング領域を出力するさらに他の例を説明するための図である。
【0158】
図10Dを参照すると、プロセッサ110は、複数の突然変異を一緒に分析することができる画面1050を出力することができる。
【0159】
例えば、画面1050には複数の突然変異に関するリスト1051が出力され、ユーザ30が1つ以上を選択できるチェックボックスを一緒に表示することができる。また、画面1050には、複数のシーケンシング領域1052、1053及びそれらの歩留まり1054、1055を表示することができる。
【0160】
ユーザ30が複数の突然変異のうち1つ以上を選択すると、プロセッサ110は、シーケンシング領域1052、1053のそれぞれにおける選択された突然変異の歩留まり1054、1055を予測して表示することができる。
【0161】
図10Dには示されていないが、ユーザ30が選択した突然変異ごとの最適なシーケンシング領域が画面1050に出力されることもできる。例えば、ユーザ30がXX突然変異を選択してからYY突然変異に変更したと仮定すると、画面1050にはXX突然変異に最適なシーケンシング領域を出力してからYY突然変異に最適なシーケンシング領域を出力することができる。すなわち、ユーザ30の選択に応じてシーケンシング領域の表示(show)と非表示(hide)を適応的に実行することができる。
【0162】
図10A図10Dを参照して上述した内容に加えて、プロセッサ110は、以下の動作をさらに実行することができる。
【0163】
一例として、プロセッサ110は、ヒートマップ内の所定の条件に一致する領域を自動的に検出することができる。例えば、ユーザ30がA遺伝子変異の検出を望み、A遺伝子変異の検出のための最小確率が60%であると仮定すると、プロセッサ110は、ヒートマップ内でA遺伝子変異が検出される確率が60%以上である領域を全て検出して出力することができる。また、プロセッサ110は、最小確率だけでなく腫瘍純度も一緒に考慮して領域を検出することもできる。
【0164】
他の例として、プロセッサ110は、ユーザ30が設定したシーケンシング領域及びそれに対する歩留まりを出力することができる。例えば、ユーザ30は自分が望むシーケンシング領域を直接設定することができ、プロセッサ110はユーザが設定したシーケンシング領域及びその領域における歩留まりを出力することができる。
【0165】
また他の例として、プロセッサ110は、ヒートマップ全体に対応する被検体に対してシーケンシングを進めることが適切であるかどうかを決定することができる。例えば、プロセッサ110は、被検体全領域に対する遺伝子型スコアを確認し、被検体全領域に対してシーケンシングを進めることが適切であるか、それとも被検体の一部領域に対してシーケンシングを進めることが適切であるかを決定することができる。例えば、腫瘍純度が低い場合、または特定の遺伝子変異の確率が低い場合、プロセッサ110はヒートマップを参照して詳細なシーケンシング領域を決定することができる。これにより、NGS検査結果の精度を向上させることができる。
【0166】
一方、プロセッサ110は、医療情報に基づいて設定されたシーケンシング領域及びシーケンシング領域に関する詳細情報を含むレポート(report)を出力することができる。以下、図11A及び図11Bを参照してレポートに含まれる情報の例を説明する。
【0167】
図11A及び図11Bは、一実施形態に係るレポートの一例を示す図である。
【0168】
図11A及び図11Bに示すレポート1110、1120には、様々な医療情報が記載されている。図8を参照して上述したように、医療情報及び医療情報に基づいた追加情報は両方とも医療情報と通称することができる。したがって、レポート1110、1120に記載された情報は、医療情報及び追加情報を含むことができる。
【0169】
例えば、レポート1110、1120は、NGS検査に関連する報告書の一例である。言い換えれば、レポート1110、1120は、被検体に関する様々な情報だけでなく、NGS検査を推奨するか否か、NGS検査を実施する場合に推奨されるシーケンシング領域に関する情報などを含むことができる。
【0170】
例えば、レポート1110は、被検体に関する病理スライド画像1111、被検体に発症した癌の種類1112、病理スライド画像1111の品質に関する情報1113を含むことができる。また、レポート1110は、被検体の腫瘍純度1114に関する情報、被検体から複数の遺伝子突然変異が発見される確率及び治療方法に関する情報1115を含むことができる。特に、レポート1110は、閾値以上の発見確率を示す遺伝子突然変異及びそれらの治療方法に関する情報1116を情報1115と区別されるように表示することができる。これにより、ユーザ30は、レポート1110を介して被検体に対してNGS検査を進めるか否かを判断することができる。
【0171】
また、レポート1120は、様々な映像1121、1122、1123、1124を含むことができる。例えば、レポート1120は、被検体に関する病理スライド画像1121だけでなく、図9図10Dを参照して上述した様々な形態のヒートマップ1122、1123、1124をさらに含むことができる。ヒートマップ1122、1123、1124を介して、少なくとも1つの遺伝子型情報(遺伝子型スコア)を確認することができ、少なくとも1つのシーケンシング領域及びそれに対応する予想される突然変異歩留まり(expected yield of mutation)も確認することができる。これにより、ユーザ30は、レポート1120を介して被検体に対してNGS検査を進めるか否かを判断することができる。
【0172】
図12は、一実施形態に係る病理スライド画像から医療情報を生成する方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
【0173】
図12のステップ1210~1230は、図3のステップ310~330と同じである。したがって、以下では、ステップ1210~1230の具体的な説明は省略する。
【0174】
ステップ1240で、プロセッサ110は、医療情報に基づいて被検体から特定の遺伝子変異を検出できる確率を確認する。
【0175】
図10A図10Dを参照して上述したように、プロセッサ110は、遺伝子型情報(遺伝子型スコア)に基づいて被検体から特定の遺伝子変異が検出されることができる確率を確認することができる。
【0176】
ステップ1250で、プロセッサ110は、ステップ1240を介して確認された確率が閾値以上である場合、シーケンシング領域に関する情報を送信する。
【0177】
例えば、特定の遺伝子変異を検出できる確率が高いと判断された場合、NGS検査を実行する機関(例えば、シーケンシング研究室)のデバイス(例えば、シーケンシングシステム)でスライドから切開する領域(すなわち、シーケンシング領域)に関する情報を送信し、シーケンシング領域に関するプロセッサ110の分析結果を確認できる権限を付与することができる。
【0178】
また、図12には示されていないが、プロセッサ110によって生成された医療情報及び追加情報は、以下のように活用することができる。
【0179】
一例として、臨床試験に登録される患者の事前スクリーニング(pre‐screening)に活用することができる。例えば、医療情報及び追加情報は、新薬の開発のために臨床試験に必要な実験群として資格のある患者であるか否かを判断するために活用することができる。他の例として、患者に適した治療方法を検索するための遺伝子検査前の事前スクリーニングに活用することができる。
【0180】
例えば、上述した事前スクリーニングは、以下の手順を介して実行することができる。
【0181】
まず、患者の病理スライド画像が生成される病院または研究室で当該テストを実施することができる。病理スライド画像が生成されると、それについて分析を進めることができる。例えば、分析結果は、i)腫瘍純度及び遺伝子型スコア、ii)腫瘍純度及び遺伝子ごとのヒートマップの形態などとして生成することができる。その後、各遺伝子変異の検出確率に基づいて1つ以上の遺伝子変異を選択することができる。その後、特定遺伝子変異を検出できる確率が高いと判断される場合、NGS検査を行う機関にスライドから切開する領域(すなわち、シーケンシング領域)に関する情報を送信し、シーケンシング領域に対する分析結果を確認できる権限を付与することができる。NGS検査を行う機関にスライドが到着すると、スライド全体が分析されるか、スライドの中で選定された関心領域について分析を進行することができる。
【0182】
さらに他の例として、臨床試験で患者群を選別するために活用することができる。例えば、患者リストを出力するためにユーザ30から条件(例えば、X突然変異を有する患者、Y突然変異を有するが、Z突然変異はない患者など)を受信し、条件に一致する患者リストを抽出するのに活用することができる。
【0183】
図13は、病理スライド画像から医療情報を生成するシステムの他の例を説明するための図である。
【0184】
図13を参照すると、システム1300は、機械学習モデルを用いて組織サンプルのスライド画像を準備、処理及び検討するためのシステム及びネットワークの一例である。
【0185】
本開示の様々な実施形態によれば、図2A図12を参照して上述した方法は、ユーザ端末1322、1323、画像管理システム1330、AIベースのバイオマーカー分析システム1340、実験室情報管理システム1350、病院または研究室サーバ1360、医療情報予測システム1370、シーケンシングシステム1380のうち少なくとも1つまたはそれらの組み合わせによって実行することができる。
【0186】
スキャナ1321は、被検者1311の組織サンプルを用いて生成された組織サンプルスライドからデジタル化された画像を取得することができる。例えば、スキャナ1321、ユーザ端末1322、1323、画像管理システム1330、AIベースのバイオマーカー分析システム1340、実験室情報管理システム1350、病院または研究室サーバ1360、医療情報予測システム1370及び/またはシーケンシングシステム1380は、それぞれ1つ以上のコンピュータ、サーバ及び/またはモバイルデバイスを介してインターネットなどのネットワーク1390に接続されるか、1つ以上のコンピュータ及び/またはモバイルデバイスを介してユーザ1312と通信することができる。
【0187】
ユーザ端末1322、1323、画像管理システム1330、AIベースのバイオマーカー分析システム1340、実験室情報管理システム1350、病院または研究室サーバ1360、医療情報予測システム1370及び/またはシーケンシングシステム1380は、1人以上の被検者1311の組織サンプル、組織サンプルスライド、組織サンプルスライドのデジタル化された画像、またはそれらの任意の組み合わせを生成するか、そうでない場合は他の装置から取得することができる。また、ユーザ端末1322、1323、画像管理システム1330、AIベースのバイオマーカー分析システム1340、実験室情報管理システム1350、病院または研究室サーバ1360、医療情報予測システム1370及び/またはシーケンシングシステム1380は、被検者1311の年齢、病歴、癌治療履歴、家族歴、過去の生体検査記録または被検者90の疾患情報などの被検者特定情報の任意の組み合わせを取得することができる。
【0188】
スキャナ1321、ユーザ端末1322、1323、画像管理システム1330、実験室情報管理システム1350及び/または病院または研究室サーバ1360は、ネットワーク1390を介してデジタル化されたスライド画像及び/または被検者特定情報を医療情報予測システム1370及び/またはシーケンシングシステム1380に送信することができる。医療情報予測システム1370は、受信された画像及びデータを記憶するための1つ以上の記憶デバイス(図示せず)を含むことができる。また、医療情報予測システム1370は、受信された画像及びデータを処理するように訓練された機械学習モデルを記憶する機械学習モデルストレージを含むことができる。例えば、医療情報予測システム1370は、被検者1311の病理スライド画像から少なくとも1つの細胞に関する情報、少なくとも1つの領域に関する情報、バイオマーカーに関する情報、医学的診断情報、遺伝子型に関する情報、遺伝子型に関する情報から導出された組織スライドのシーケンシング領域情報、シーケンシング領域に関連する詳細情報及び/または医学的治療情報のうち少なくとも1つを予測するために学習及び訓練された機械学習モデルを含むことができる。
【0189】
スキャナ1321、ユーザ端末1322、1323、医療情報予測システム1370、実験室情報管理システム1350及び/または病院または研究室サーバ1360は、ネットワーク1390を介してデジタル化されたスライド画像、被検者特定情報及び/またはデジタル化されたスライド画像を分析した結果を画像管理システム1330に送信することができる。画像管理システム1330は、受信された画像を記憶するためのストレージ及び分析結果を記憶するためのストレージを含むことができる。
【0190】
また、本開示の様々な実施形態によれば、被検者1311のスライド画像から少なくとも1つの細胞に関する情報、少なくとも1つの領域に関する情報、バイオマーカーに関連する情報、医学的診断情報及び/または医学的治療情報のうち少なくとも1つを予測するために学習及び訓練された機械学習モデルは、ユーザ端末1322、1323、画像管理システム1330、医療情報予測システム1370などに記憶されて動作することができる。
【0191】
本開示の様々な実施形態によれば、医療情報予測システム1370の動作の一部または全部は、医療情報予測システム1370だけでなく、ユーザ端末1322、1323、画像管理システム1330、実験室情報管理システム1350及び/または病院または研究室サーバ1360でも実行することができる。
【0192】
一方、医療情報予測システム1370は、遺伝子型予測部(Genotype Predictor)を含むか、遺伝子型予測部そのものであってもよい。
【0193】
以下では、医療情報予測システム1370に基づいてシステム1300の他の構成要素と相互作用する例を説明する。
【0194】
医療情報予測システム1370は、スキャナ1321が生成した被検者1311の組織サンプルに関する画像(H&E slide image、IHC imageなど)、画像管理システム1330に記憶されている被検者1311の組織サンプルに関する画像を受信することができる。
【0195】
医療情報予測システム1370は、被検者1311の組織サンプルに関する画像を分析し、遺伝子型に関する情報(例えば、遺伝子の突然変異情報、各突然変異ごとのヒートマップ情報、特定遺伝子がスライド上に発現された情報など)を導出することができる。
【0196】
具体的には、医療情報予測システム1370は、組織サンプルに関する画像を受信し、遺伝子型に関する情報を予測する1つ以上の機械学習モデルを含むことができる。医療情報予測システム1370は、組織サンプルに関する画像を受信すると、機械学習モデルまたは予め設定されたアルゴリズムなどを活用し、画像の分析可能性を検査し、検査可能である場合、組織スライドに関する特性(feature)を抽出することができる。医療情報予測システム1370は、機械学習モデルを用いて、抽出された特性から遺伝子型に関する情報を予測することができる。
【0197】
医療情報予測システム1370は、導出した遺伝子型に関する情報に基づいて、患者に高い確率の遺伝子突然変異が発見される場合(例えば、突然変異スコアが高い場合)、NGS検査を行うために遺伝子型に関する情報及び/または被検者1311の組織サンプルに関する画像をシーケンシングシステム1380に伝達することができる。
【0198】
医療情報予測システム1370は、導出した遺伝子型に関する情報をユーザ端末1322、1323に伝達してユーザ1312に送信することができる。送信された遺伝子型に関する情報は、被検者1311に提供される報告書の作成などに利用することができる。一方、医療情報予測システム1370は、導出した遺伝子型に関する情報を含む報告書(例えば、図11A及び図11Bの報告書)を直接作成することもでき、ユーザ端末1322、1323に送信することもできる。
【0199】
医療情報予測システム1370は、導出した遺伝子型に関する情報を被検者1311の組織サンプルを研究する病院または研究室サーバ1360に伝達することができる。
【0200】
医療情報予測システム1370は、導出した遺伝子型に関する情報を活用して、NGS検査を行うための組織スライドの領域であるシーケンシング領域(sequencing area)を抽出することができる。シーケンシング領域は、被検者1311の組織サンプル全体であってもよいし、一部であってもよい。また、医療情報予測システム1370は、抽出されたシーケンシング領域に関する詳細情報を導出することができる。
【0201】
患者から高い確率の遺伝子突然変異が発見される場合、医療情報予測システム1370は、抽出されたシーケンシング領域及び/または抽出されたシーケンシング領域に関する詳細情報をシーケンシングシステム1380に伝達することができる。
【0202】
抽出されたシーケンシング領域情報は、ユーザ端末1322、1323に送信され、ユーザ1312に提供することができる。送信されたシーケンシング領域情報は、被検者1311に提供される医療報告書の作成などに利用することができる。一方、医療情報予測システム1370は、導出したシーケンシング領域及び/またはシーケンシング領域に関する詳細情報を含む報告書(例えば、図11A及び図11Bの報告書)を直接作成することもでき、これをユーザ端末1322、1323に送信することもできる。
【0203】
ユーザ1312(例えば、医師/研究員、病院、研究室、患者など)は、ユーザ端末1322、1323の操作可能なインタフェースを用いて、シーケンシング領域の大きさと形状を任意に調整することができる。医療情報予測システム1370は、調整されたシーケンシング領域の形状と大きさを確認して歩留まりをリアルタイムで計算/予測し、ユーザ端末1322、1323に伝達することができる。
【0204】
抽出されたシーケンシング領域情報は、被検者1311の組織サンプルを研究する病院または研究室のサーバ1360に伝達され、研究などに活用することができる。
【0205】
医療情報予測システム1370は、組織サンプルに関する画像、導出された遺伝子型に関する情報、抽出されたシーケンシング領域及び/またはシーケンシング領域に関する詳細情報を画像管理システム1330にアップロード/記憶することができる。画像管理システム1330は、記憶された情報を管理するユーザ端末1322、1323の問い合わせ(query)または要請(request)に基づいて、ユーザ1312(例えば、医師/研究員、病院、研究室、患者など)に提供することができる。
【0206】
上述した内容によると、ユーザ端末10は、病理スライド画像から遺伝子の突然変異や様々なバイオマーカーなどの医療情報及び医療情報に基づいた追加情報を正確かつ迅速に生成することができる。
【0207】
さらに、病理スライド画像から抽出された対象体に関する情報を病理スライド画像から抽出された特徴ベクトルと共に結合することによって、病理スライド画像内の様々なパターンと特徴を用いて医療情報を生成することができる。したがって、病理スライド画像から生成された医療情報は、高い精度を保証することができる。
【0208】
また、医療情報に様々な遺伝子突然変異に関する情報(すなわち、遺伝子型情報)が含まれることによって、少ない費用でも迅速かつ正確に標的抗癌治療を行うことができる。例えば、ユーザ端末10は、機械学習モデルと病理スライド画像とを用いて、医療情報(例えば、KRAS G12C突然変異など)を正確かつ安定性高く予測することができる。したがって、ユーザ端末10が予測した医療情報を、非小細胞肺癌(NSCLC)などの標的治療のためのNGS(Next Generation Sequencing)検査に役立てることができる。
【0209】
さらに、ユーザ端末10は、様々な遺伝子突然変異情報(すなわち、遺伝子型情報)のヒートマップまたは分布を作成することができ、医療情報及び追加情報を含む報告書を生成することができる。したがって、ユーザ端末10から提供される様々な情報を、NGS検査を設計したり、標的抗癌治療を必要とする患者をモニタリングしたりするのに役立てることができる。
【0210】
一方、上述した方法は、コンピュータで実行することができるプログラムで作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を用いて前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現化することができる。また、上述した方法で使用されたデータの構造は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に様々な手段を介して記録することができる。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、磁気記憶媒体(例えば、ROM、RAM、USB、フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光学読取媒体(例えば、CD-ROM、DVDなど)などの記憶媒体を含む。
【0211】
本実施形態に関連する技術分野で通常の知識を有する者は、上記記載の本質的な特性から逸脱しない範囲において変形された形態で具現化することができることを理解できるであろう。したがって、開示された方法は限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されるべきであり、権利範囲は前述した説明ではなく特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての相違点を含むことと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0212】
1:システム
10:ユーザ端末
20:サーバ
30:ユーザ
40:画像
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図12
図13