(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102858
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
E06B 5/16 20060101AFI20240725BHJP
E06B 3/16 20060101ALI20240725BHJP
E05C 1/04 20060101ALN20240725BHJP
【FI】
E06B5/16
E06B3/16
E05C1/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006904
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】立道 瑞樹
(72)【発明者】
【氏名】三室 智史
【テーマコード(参考)】
2E014
2E239
【Fターム(参考)】
2E014AA02
2E014BA02
2E239CA02
2E239CA12
2E239CA32
2E239CA45
2E239CA54
2E239CA62
2E239CA66
(57)【要約】
【課題】 防火性能を有する建具の提供。
【解決手段】 縦框23とフランス落し10とキャップ43,44と塞ぎ板46,47とを備え、縦框23は、中空部24を有するアルミ形材で形成してあり、フランス落し10は、縦框23の中空部24内に設けてあり、縦框23の上下端より出没するロッド棒41を有し、キャップ43,44は、樹脂製で縦框23の上端部及び下端部に取付けて中空部24を塞いでおり、塞ぎ板46,47は、縦框23の中空部24内に設けてあり、ロッド棒41のガイド部52,53を有し、中空部24を塞いでいる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦框とフランス落しとキャップと塞ぎ板とを備え、縦框は、中空部を有するアルミ形材で形成してあり、フランス落しは、縦框の中空部内に設けてあり、縦框の上下端より出没するロッド棒を有し、キャップは、樹脂製で縦框の上端部及び下端部に取付けて中空部を塞いでおり、塞ぎ板は、縦框の中空部内に設けてあり、ロッド棒のガイド部を有し、中空部を塞いでいることを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防火性能を有する建具に関する。
【背景技術】
【0002】
框ドア等の建具においては、火災時における延焼を防止するため、防火性能を有するものが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、防火性能を有する建具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による建具は、縦框とフランス落しとキャップと塞ぎ板とを備え、縦框は、中空部を有するアルミ形材で形成してあり、フランス落しは、縦框の中空部内に設けてあり、縦框の上下端より出没するロッド棒を有し、キャップは、樹脂製で縦框の上端部及び下端部に取付けて中空部を塞いでおり、塞ぎ板は、縦框の中空部内に設けてあり、ロッド棒のガイド部を有し、中空部を塞いでいることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
請求項1記載の発明による建具は、縦框とフランス落しとキャップと塞ぎ板とを備え、縦框は、中空部を有するアルミ形材で形成してあり、フランス落しは、縦框の中空部内に設けてあり、縦框の上下端より出没するロッド棒を有し、キャップは、樹脂製で縦框の上端部及び下端部に取付けて中空部を塞いでおり、塞ぎ板は、縦框の中空部内に設けてあり、ロッド棒のガイド部を有し、中空部を塞いでいることで、火災時に可燃性ガスが縦框の小口から吹き出すのを防ぐとともに、ロッド棒の振れを規制して縦框の移動を防止できるので、防火性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】(a)は親扉の戸先框の中空部内に設けられる塞ぎ板と補強材の親扉内周側から見た側面図であり、(b)はA-A断面図である。
【
図2】(a)は小扉の戸先框の中空部内に設けられる塞ぎ板とロッド棒と補強材の小扉外周側から見た側面図であり、(b)はB-B断面図である。
【
図3】本発明の建具の一実施形態を示す室内側から見た正面図である。
【
図6】親扉の戸先框の縦断面図であって、(a)は平常時の状態、(b)は火災時の状態を示す。
【
図7】子扉の戸先框の縦断面図であって、(a)は平常時の状態、(b)は火災時の状態を示す。
【
図8】比較例として塞ぎ板が無い場合の小扉の戸先框の縦断面図であって、(a)は平常時の状態、(b)は火災時の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図3~5は、本発明の建具の一実施形態を示している。本建具は、店舗等の建物の出入口に設置される両開きの框ドアに適用したものである。
本建具は、
図3,4に示すように、躯体開口部に設置される枠1と、枠1の縦枠2に蝶番3により室外側に回動して開くように設けた親扉4と小扉5とを備えている。親扉4と小扉5は、左右方向の寸法が同じになっている。
親扉4は、戸先側にハンドル6と、ハンドル6と連動したラッチ錠7と、ハンドル6の上下2か所に設けたシリンダー錠8,8を備え、ラッチ錠7とシリンダー錠8を子扉5の戸先部に設けた錠受け9に係合することで施錠される。シリンダー錠8は、室外側からは鍵を挿入して回すことで、室内側からはサムターンを回すことで、施解錠できる。
小扉5は、
図7(a)に示すように、戸先側の上部と下部に設けたフランス落し10により施錠される。
【0008】
枠1は、
図3に示すように、アルミ形材よりなる上枠11と下枠12と左右の縦枠2,2を枠組みして構成してある。上枠11は、
図5に示すように、室外側と室内側に垂下片13a,13bを有し、各垂下片13a,13bの下端部にタイト材ホルダー14が設けてあり、タイト材ホルダー14に取付けたタイト材15が親扉4及び子扉5の上端部に当接している。室外側の垂下片13aの室内側面と室内側の垂下片13bの室外側面には、火災時に火災の熱で発泡・膨張する加熱発泡材16が長手方向に沿って設けてある。
下枠12は、親扉4と小扉5の室内側面に対向する見付面にタイト材ホルダー14を有し、タイト材ホルダー14に取付けたタイト材15が親扉4及び子扉5の室内側面に当接している。タイト材ホルダー14の下方に隣接する位置には、加熱発泡材17が長手方向に沿って設けてある。
【0009】
親扉4は、
図3~5に示すように、アルミ形材よりなる上框18と下框19と戸先框20と吊元框21とを四周框組みし、その内側にガラスパネル(複層ガラス)22を納めて構成してある。複層ガラス22の室外側のガラスは、網入りガラス等の防火ガラスとなっている。小扉5も、親扉4と同様に、アルミ形材よりなる上框18と下框19と戸先框23と吊元框21とを四周框組みし、その内側にガラスパネル22を納めて構成してある。
【0010】
親扉4の戸先框20は、
図1,4に示すように、矩形断面の中空部24を有しており、中空部24内にスチール製の補強材25が戸先框20の長手方向のほぼ全長に亘って設けてある。補強材25は、室外側及び室内側の見付壁26,26と見込壁27とで親扉4の外周側が開放したコ字形断面に形成されている。補強材25は、見込壁27の上部と下部を上框18と下框19のタッピングホール28に螺入するネジ(図示省略)により戸先框20と共締めして戸先框20に固定してある。さらに、中間部も見込壁27を戸先框20にねじ止めして固定してある。このように中空部24内に補強材25を設けることで、火災時における戸先框20の熱伸びと撓みを防止できる。見込壁27には、
図1(a)に示すように、上框18及び下框19のガラス呑み込み溝29に対向する高さ位置に水抜き孔30が設けてある。
【0011】
戸先框20の上端部及び下端部には、
図1(a)に示すように、樹脂製のキャップ31,32が取付けられており、キャップ31,32により戸先框20の小口を塞いである。上端部のキャップ31の下方に隣接する位置と、下端部のキャップ32の上方に隣接する位置の中空部24内には、スチール製の塞ぎ板33,34がそれぞれ設けてあり、塞ぎ板33,34で中空部24を塞いでいる。上側の塞ぎ板33の上面及び下側の塞ぎ板34の下面には、火災時にキャップ31,32に向けて発泡する加熱発泡材35が取付けてある。さらに、下側の塞ぎ板34の上面にも加熱発泡材55が取付けてある。
塞ぎ板33,34は、戸先框20の長手方向中央部側に向けて曲げて設けた取付片36と、戸先框20の長手方向端部側に曲げて設けた突片37を有し、取付片36を戸先框20に外周側からのネジ38で固定して取付けてある。塞ぎ板33,34は、突片37を指で押えながら戸先框20の小口より中空部24内に挿入し、取付片36をねじ止めして取付ける。
【0012】
子扉5の戸先框23は、
図2,4に示すように、矩形断面の中空部24を有しており、中空部24内にスチール製の補強材39が戸先框23の長手方向に沿って設けてある。補強材39は、
図2(a)に示すように、上框18及び下框19の長手方向端部と対向する範囲を避けた範囲に設けてある。補強材39は、室外側及び室内側の見付壁26と見込壁27とで子扉5の外周側が開放したコ字形断面に形成されており、
図4に示すように、見込壁27を内周側からのネジ57で固定して取付けてある。
【0013】
戸先框23の中空部24内には、
図7(a)に示すように、上部と下部にフランス落し10が設けてある。フランス落し10は、戸先框23の外周側の見込面に取付けられる操作部40と、操作部40の操作により上下動し、戸先框23の上下端より出没するロッド棒41を有している。ロッド棒41は、根元側に円形断面の丸棒状部41aを有し、先端側に丸棒状部41aよりも太い角形断面の角棒状部41bを有し(
図2参照)、角棒状部41bの先端部が上枠11及び下枠12に取付けられた受け42に係合することで、戸先框23が室内外方向に動かないように固定される。
【0014】
戸先框23の上端部及び下端部には、
図2(a)に示すように、樹脂製のキャップ43,44が取付けられており、キャップ43,44により戸先框23の小口を塞いである。キャップ43,44には、ロッド棒41の角棒状部41bをガイドするガイド孔45が設けられている。
【0015】
図2に示すように、上端部のキャップ43の下方に隣接する位置と、下端部のキャップ44の上方に隣接する位置の中空部24内には、スチール製の塞ぎ板46,47が設けてある。塞ぎ板46,47は、外周側横壁48と内周側横壁49と縦壁50とでコ字形断面に形成され、外周側横壁48で戸先框23の中空部24を塞いでおり、縦壁50を戸先框23の中空部24の内面に当接して外周側からのネジ51で固定して取付けてある。外周側横壁48には、ロッド棒41の角棒状部41bをガイドするガイド孔52が形成してあり、内周側横壁49には、ロッド棒41の丸棒状部41aをガイドするガイド孔53が形成してある。各ガイド孔52,53の大きさは、ロッド棒41の太さに対してプラス1mm程度としてある。このように、ロッド棒41を塞ぎ板46,47の2箇所のガイド孔52,53でガイドすることで、ロッド棒41の振れが規制されている。
【0016】
次に、親扉4と小扉5の火災時の状態について説明する。
図6(b)は、親扉4の戸先框20の火災時の状態を示している。
同図に示すように、戸先框20の上端部側においては、上端部のキャップ31が溶け、溶けた樹脂54が塞ぎ板33で受け止められる。また、上枠11に設けた加熱発泡材16が発泡して上枠11と戸先框20の上端との隙間を塞ぎ、塞ぎ板33の上面に設けた加熱発泡材35が発泡してキャップ31が溶けてできた中空部24の空間を塞ぎ、上枠11側の加熱発泡材16を下から支える形となって加熱発泡材16の落下を防止する。
戸先框20の下端部側においては、下端部のキャップ32が溶け、溶けた樹脂54が下枠12上に落ちる。また、下枠12に設けた加熱発泡材17が発泡して下枠12と戸先框20の下端との隙間を塞ぐとともに、溶けた樹脂54が加熱発泡材17に包含される。さらに、塞ぎ板34の下面に設けた加熱発泡材35が発泡してキャップ32が溶けてできた中空部24の空間を塞ぎ、下枠12側の加熱発泡材17と当接する。また、塞ぎ板34の上面に設けた加熱発泡材55が発泡し、塞ぎ板55の上側の中空部24の空間を塞ぐ。親扉4の戸先框20には、サムターンの部分などに亜鉛などの溶けやすい金属が用いられており、火災時にはそれらの金属が溶けて下に落ちるが、溶けた金属56は塞ぎ板34上面に設けた加熱発泡材55で受け止められる。
【0017】
従来の框ドアにおいては、戸先框の上端部及び下端部のキャップが溶けて下枠上に溜まり、溶けた樹脂から発生した可燃性ガスが戸先框の中空部を上っていって戸先框の上端の小口から吹き出し、火が可燃性ガスに引火することがあったが、本実施形態の建具では、上端部のキャップ31の下方と下端部のキャップ32の上方とに塞ぎ板33,34をそれぞれ設けて戸先框20の中空部24を塞いでいることで、上端部及び下端部のキャップ31,32が溶けてできた樹脂54が一箇所にまとまることがなく、溶けた樹脂54から発生した可燃性ガスが戸先框20の中空部24を通って上っていくこともないので、従来のように戸先框20の上端の小口から可燃性ガスが吹き出して引火するのを防ぐことができる。
また、本実施形態の建具は、上下の塞ぎ板33,34には火災時にキャップ31,32に向けて発泡する加熱発泡材35が設けてあり、その加熱発泡材35が上枠11及び下枠12に設けた加熱発泡材16,17と当接することで、戸先框20の上端部と上枠11との隙間、戸先框20の下端部と下枠12との隙間を確実に塞ぐことができ、戸先框20の上下端部が室内外方向に多少移動したとしても、火炎や煙が連通するのを防止することができる。
また、従来の框ドアにおいては、サムターンなどに用いられている亜鉛などの金属が溶けて戸先框の中空部を通って下に落ち、それが溶けた樹脂に接触して火が付くことがあったが、本実施形態の建具では、戸先框20の下端部に塞ぎ板34を設けて中空部24を塞いでいるため、溶けた金属56が塞ぎ板34で受け止められ、下枠12上に落ちることがないので、溶けた金属56が溶けた樹脂54と接触して火が付くのを防止できる。下端部の塞ぎ板34の上面側にも加熱発泡材55を設けてあることで、溶けた金属56をより確実に受け止めることができる。
【0018】
次に、子扉5側について説明する。
図7(b)は、子扉5の戸先框23の火災時の状態を示している。
同図に示すように、戸先框23の上端部側においては、上端部のキャップ43が溶け、溶けた樹脂54が塞ぎ板46で受け止められる。キャップ43が溶けても、ロッド棒41は塞ぎ板46のガイド孔52,53にガイドされて振れが規制されているため、戸先框23の上端部の移動が防がれる。また、上枠11に設けた加熱発泡材16が発泡して上枠11と戸先框23の上端との隙間を塞ぐ。
戸先框23の下端部側においても、下端部のキャップ44が溶けて下に落ちるが、ロッド棒41は塞ぎ板47のガイド孔52,53にガイドされて振れが規制されているため、戸先框23の下端部の移動が防がれる。また、下枠12に設けた加熱発泡材17が発泡して下枠12と戸先框23の下端との隙間を塞ぐ。
戸先框23の上端部及び下端部に塞ぎ板46,47を設けて中空部24を塞いでいることで、上端部及び下端部のキャップ43,44が溶けてできた樹脂54が一箇所にまとまることがなく、溶けた樹脂54から発生した可燃性ガスが戸先框23の中空部24を通って上っていって上端の小口から可燃性ガスが吹き出すのを防止できる点は、親扉4側と同様である。
【0019】
図8は、比較のために子扉5の戸先框23の中空部24内に塞ぎ板46,47を設けない場合の例を示している。平常時には、
図8(a)に示すように、キャップ43,44のガイド孔45によってロッド棒41の振れが規制されているが、火災時には、
図8(b)に示すように、キャップ43,44が溶けて無くなり、ロッド棒41の振れが規制できなくなり、戸先框23は加熱面側に膨らむように反り変形して加熱面側(図では室外側に)に移動する。戸先框23が室内外方向に移動すると、戸先框23の上下端部と上下枠11,12との間の隙間が大きくなり、加熱発泡材16,17があっても火炎や煙が連通する貫通口が形成されるおそれがある。また、子扉5の戸先框23が室内外方向に移動することで、子扉5の戸先框23と親扉4の戸先框20との間にも貫通口が形成されるおそれがある。
本実施形態の建具は、上記のとおり、戸先框23の上下端部に塞ぎ板46,47をそれぞれ設け、塞ぎ板46,47のガイド孔52,53にロッド棒41を通すことでロッド棒41の振れが規制されているため、火災時にキャップ43,44が溶けてもロッド棒41の振れを規制することができ、戸先框23が室内外方向に移動するのを防止できるので、戸先框23の上下端部と上下枠11,12との間に貫通口が形成されるのを防止できる(
図7(b)参照)。また、子扉5の戸先框23の移動が防がれることで、子扉5の戸先框23と親扉4の戸先框20との間に貫通口が形成されることも防止できる。
【0020】
以上に述べたように本建具は、縦框(親扉4の戸先框20)とキャップ31,32と塞ぎ板33,34と横枠(上枠11及び下枠12)とを備え、縦框20は、中空部24を有するアルミ形材で形成してあり、キャップ31,32は、樹脂製で縦框20の上端部及び下端部に取付けて中空部24を塞いでおり、塞ぎ板33,34は、縦框20の中空部24内に上端部のキャップ31の下方及び下端部のキャップ32の上方に設けてあり、中空部24を塞いでおり、火災時にキャップ31,32に向けて発泡する加熱発泡材35を有し、横枠11,12は、キャップ31,32よりも外周側で火災時に縦框20との隙間を塞ぐ加熱発泡材16,17を有することで(
図1参照)、火災時に可燃性ガスが縦框20の小口から吹き出すのを防ぐとともに、縦框20の小口と横枠11,12間の隙間が加熱発泡材16,17で塞がれることで、防火性能を発揮することができる。
縦框20は、中空部24内に長手方向に沿って補強材25を有し、補強材25は外周側が開放したコ字形断面の部材であり、横框(上框18及び下框19)の長手方向端部と対向する位置に水抜き孔30が設けてあることで、火災時における縦框20の変形を防止することができ、且つ平常時に横框18,19に浸入した水の排水が妨げられない。
【0021】
本建具は、縦框(子扉5の戸先框23)とフランス落し10とキャップ43,44と塞ぎ板46,47とを備え、縦框23は、中空部24を有するアルミ形材で形成してあり、フランス落し10は、縦框23の中空部24内に設けてあり、縦框23の上下端より出没するロッド棒41を有し、キャップ43,44は、樹脂製で縦框23の上端部及び下端部に取付けて中空部24を塞いでおり、塞ぎ板46,47は、縦框23の中空部24内に設けてあり、ロッド棒41のガイド部(ガイド孔52,53)を有し、中空部24を塞いでいることで(
図2参照)、火災時に可燃性ガスが縦框23の小口から吹き出すのを防ぐとともに、ロッド棒41の振れを規制して縦框23の移動を防止できるので、防火性能を発揮することができる。
縦框23は、中空部24内に長手方向に沿って補強材39を有し、補強材39は横框(上框18及び下框19)の長手方向端部と対向する範囲を避けた範囲に設けてあり、塞ぎ板46,47は、横框18,19の長手方向端部と対向する範囲に設けてあることで、火災時における縦框23の変形を防止すると共にロッド棒41の振れを確実に規制することができ、且つ平常時に横框18,19に浸入した水の排水が妨げられない。
【0022】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。縦框及び横枠の断面形状、材質は、適宜変更することができる。塞ぎ板は、火災時に容易に溶けたり変形したりしないものであればよく、その形状や材質は、適宜変更することができる。フランス落しの構造、ロッド棒の形状や材質、ロッド棒のガイド部の形状等についても、適宜変更することができる。本発明は、両開きのドアに限らず、縦框にフランス落しが設けられるあらゆる建具に適用することができる。
【符号の説明】
【0023】
10 フランス落し
11 上枠(横枠)
12 下枠(横枠)
16,17 加熱発泡材
20 親扉の戸先框(縦框)
23 子扉の戸先框(縦框)
24 中空部
31,32 キャップ(親扉側)
33,34 塞ぎ板(親扉側)
35 加熱発泡材
41 ロッド棒
43,44 キャップ(子扉側)
46,47 塞ぎ板(子扉側)
52,53 ガイド孔(ガイド部)