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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102879
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240725BHJP
   B41J 2/165 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
B41J2/01
B41J2/01 301
B41J2/01 303
B41J2/01 451
B41J2/165 207
B41J2/01 305
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006946
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小林 真史
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 陽揮
(72)【発明者】
【氏名】竹田 和久
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056EA23
2C056EC22
2C056EC28
2C056FA10
2C056FA15
2C056FB03
2C056JA01
2C056JA13
2C056JA29
2C056JC13
2C056JC23
2C056KC02
(57)【要約】
【課題】支持面に媒体を載置する際に媒体が液体で汚れてしまうことを抑制することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷装置は、媒体の少なくとも印刷領域を支持する支持面を有する媒体支持部と、支持面に支持されていない媒体の領域を収容可能である媒体収容部と、支持面に支持された媒体に液体を吐出可能であるヘッドと、支持面と平行な第1方向にヘッドを移動させる第1ヘッド移動部と、支持面と平行であり、かつ、第1方向と交差する第2方向にヘッドを移動させる第2ヘッド移動部と、媒体支持部の第1方向において、第1方向及び第2方向と交差する第3方向に向かってヘッドと対向可能な位置に配置され、かつ、ヘッドをメンテナンスするメンテナンス部と、メンテナンス部におけるヘッドと対向可能な第3方向側を覆うことができるメンテナンスカバーと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体の少なくとも印刷領域を支持する支持面を有する媒体支持部と、
前記支持面に支持されていない媒体の領域を収容可能である媒体収容部と、
前記支持面に支持された媒体に液体を吐出可能であるヘッドと、
前記支持面と平行な第1方向に前記ヘッドを移動させる第1ヘッド移動部と、
前記支持面と平行であり、かつ、前記第1方向と交差する第2方向に前記ヘッドを移動させる第2ヘッド移動部と、
前記媒体支持部の前記第1方向において、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に向かって前記ヘッドと対向可能な位置に配置され、かつ、前記ヘッドをメンテナンスするメンテナンス部と、
前記メンテナンス部における前記ヘッドと対向可能な前記第3方向側を覆うことができるメンテナンスカバーと、
を備える、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置において、
前記メンテナンスカバーを収容可能であるカバー収容部を備える、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷装置において、
前記カバー収容部は、前記第1方向において前記媒体支持部と前記メンテナンス部との間に設けられる、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項2に記載の印刷装置において、
前記メンテナンスカバーを移動させるカバー移動部を備え、
前記カバー移動部は、カバー位置と収容位置との間で前記メンテナンスカバーを移動させることができ、
前記カバー位置は、前記メンテナンス部における前記第3方向側を覆う位置であり、
前記収容位置は、前記メンテナンス部における前記第3方向側を覆わずに、前記カバー収容部に収容される位置である、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷装置において、
前記カバー移動部は、前記カバー位置と前記収容位置とにおいて前記メンテナンスカバーの向きを変えるように前記メンテナンスカバーを移動させる、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項2~請求項5のうち何れか一項に記載の印刷装置において、
前記メンテナンスカバーが前記カバー収容部に収容されていることを検出するカバー検出部を備える、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項1~請求項5のうち何れか一項に記載の印刷装置において、
前記メンテナンス部は、前記ヘッドから吐出される液体を受けるフラッシング部を含み、
前記フラッシング部は、前記第2方向に沿って延在する、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項1~請求項5のうち何れか一項に記載の印刷装置において、
前記メンテナンス部は、前記ヘッドから吐出される液体を受けるフラッシング部を含み、
前記フラッシング部は、前記ヘッドとともに前記第2方向に移動する、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
請求項1~請求項5のうち何れか一項に記載の印刷装置において、
前記メンテナンスカバーは、前記メンテナンス部における前記第3方向側を覆う位置で前記支持面に媒体を載置する目安となる位置決め基準部を有する、
ことを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、Tシャツなどの媒体に印刷を行う印刷装置が開示されている。このような印刷装置では、筐体の外部において媒体支持部の支持面に媒体が載置された後に、媒体が載置された媒体支持部を水平方向に移動させることによって、筐体の外部から筐体の内部に媒体を移動させることができる。これにより、筐体の外部において支持面に媒体が載置された後に、筐体の外部から筐体の内部に移動した媒体に対して印刷を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-156062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような印刷装置では、媒体を載置する際に媒体支持部を筐体の外部まで移動させなければならなかったため、印刷装置の大型化を招いていた。また、筐体の内部において媒体支持部の支持面に媒体を載置することも考えられるが、支持面に媒体を載置する際に媒体が液体で汚れてしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する印刷装置は、媒体の少なくとも印刷領域を支持する支持面を有する媒体支持部と、前記支持面に支持されていない媒体の領域を収容可能である媒体収容部と、前記支持面に支持された媒体に液体を吐出可能であるヘッドと、前記支持面と平行な第1方向に前記ヘッドを移動させる第1ヘッド移動部と、前記支持面と平行であり、かつ、前記第1方向と交差する第2方向に前記ヘッドを移動させる第2ヘッド移動部と、前記媒体支持部の前記第1方向において、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に向かって前記ヘッドと対向可能な位置に配置され、かつ、前記ヘッドをメンテナンスするメンテナンス部と、前記メンテナンス部における前記ヘッドと対向可能な前記第3方向側を覆うことができるメンテナンスカバーと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】印刷装置を示す斜視図である。
図2】印刷装置を示す斜視図である。
図3】メンテナンスカバーを示す斜視図である。
図4】メンテナンスカバーを示す正面図である。
図5】カバー収容部及びカバー移動部を示す斜視図である。
図6】カバー収容部及びカバー移動部を示す側面図である。
図7】メンテナンスカバー及びカバー収容部を示す正面図である。
図8】第2カバー部を示す正面図である。
図9】メンテナンスカバー及びカバー収容部を示す正面図である。
図10】第2カバー部を示す正面図である。
図11】メンテナンスカバー及びカバー収容部を示す正面図である。
図12】第2カバー部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[第1実施形態]
以下、印刷装置の一実施形態について説明する。以下の説明では、鉛直方向Zと交差(例えば直交)する方向を幅方向Xとし、鉛直方向Z及び幅方向Xと交差する方向を前後方向Yとする。幅方向Xのうち一方を第1幅方向X1とし、幅方向Xのうち他方を第2幅方向X2とする。前後方向Yのうち一方を前方Y1とし、前後方向Yのうち他方を後方Y2とする。鉛直方向Zのうち上方を上方Z1とし、鉛直方向Zのうち下方を下方Z2とする。幅方向Xが第1方向の一例に相当する。前後方向Yが第2方向の一例に相当する。鉛直方向Zが第3方向の一例に相当する。
【0008】
<印刷装置10>
図1に示すように、印刷装置10は、媒体に印刷を行うように構成される。印刷装置10は、液体の吐出により媒体に印刷を行うように構成されてもよい。印刷装置10は、例えばTシャツなどの可撓性を有する媒体に印刷を行うように構成されてもよい。印刷装置10は、ユーザーにより内部に媒体が載置されるように構成されてもよい。
【0009】
<筐体11>
印刷装置10は、筐体11を備える。筐体11は、矩形状であってもよい。筐体11は、前方Y1に向かう前面12を備える。筐体11は、後方Y2に向かう背面13を備える。筐体11は、第2幅方向X2に向かう左側面14を備える。筐体11は、第1幅方向X1に向かう右側面15を備える。筐体11は、上方Z1に向かう天面16を備える。筐体11は、下方Z2に向かう底面17を備える。
【0010】
筐体11は、印刷装置10に含まれる各種部材を収容するように構成される。特に、筐体11は、後述する媒体支持部28、液体供給部31、印刷部32及びメンテナンス部40を収容する。
【0011】
筐体11は、筐体フレーム18を備える。筐体フレーム18は、筐体11の外装を構成する。筐体フレーム18は、開口部19を備える。つまり、筐体11は、開口部19を備える。開口部19は、筐体11に収容される各種部材を露出するように構成される。特に、開口部19は、後述する媒体支持部28の支持面29を露出するように構成される。
【0012】
開口部19は、第1開口部20と、第2開口部21とを備える。第1開口部20は、天面16に設けられる。第2開口部21は、前面12に設けられる。第1開口部20と第2開口部21とは、連続するように設けられる。つまり、開口部19は、天面16及び前面12に跨って設けられる。
【0013】
筐体11は、開閉カバー22を備える。開閉カバー22は、開口部19を開閉可能である。開閉カバー22は、剛性確保のために板金により構成されてもよい。開閉カバー22は、第1開閉カバー23を備える。第1開閉カバー23は、平板状である。第1開閉カバー23は、第1開口部20を開閉可能である。
【0014】
開閉カバー22は、第2開閉カバー24を備える。第2開閉カバー24は、平板状である。第2開閉カバー24は、第2開口部21を開閉可能である。第2開閉カバー24は、把持部25を備える。把持部25は、ユーザーにより把持可能である。
【0015】
印刷装置10は、表示部26と、操作部27とを備える。表示部26は、情報を表示するように構成される。操作部27は、ユーザーによって操作可能に構成される。表示部26と操作部27とは、タッチパネルのように一体に構成されてもよいが、別々に構成されてもよい。表示部26と操作部27とは、天面16に設けられるが、これに限らない。
【0016】
<媒体支持部28>
印刷装置10は、媒体支持部28を備える。媒体支持部28は、媒体を支持するように構成される。媒体支持部28は、支持面29を備える。支持面29は、上方Z1に向かう面である。支持面29は、媒体を支持するように構成される。特に、支持面29は、媒体の少なくとも印刷領域を支持する面である。
【0017】
媒体支持部28は、支持面29と平行な水平方向に移動しないように構成される。つまり、支持面29は、水平方向に移動しないように構成される。媒体支持部28は、支持面29を鉛直方向Zに対する位置を調整可能である。
【0018】
印刷装置10は、媒体収容部30を備える。媒体収容部30は、筐体11に収容される。媒体収容部30は、少なくとも支持面29の幅方向Xに設けられ、前後方向Yにも設けられてもよい。媒体収容部30は、支持面29に媒体の一部の領域が支持されている場合に、支持面29に支持されていない媒体の一部の領域を収容可能である。
【0019】
<液体供給部31>
印刷装置10は、液体供給部31を備える。液体供給部31は、媒体支持部28及び媒体収容部30よりも第2幅方向X2に設けられる。液体供給部31は、左側面14に対する内壁面に沿うように設けられてもよい。液体供給部31は、液体を収容するとともに、収容している液体を後述するヘッド33に供給するように構成される。液体供給部31は、着脱可能であるカートリッジ方式であってもよく、液体を補充可能であるタンク方式であってもよい。液体供給部31は、天面が平面であってもよい。
【0020】
<印刷部32>
印刷装置10は、印刷部32を備える。印刷部32は、媒体に印刷を行うように構成される。特に、印刷部32は、支持面29に支持された媒体に印刷を行うように構成される。
【0021】
印刷部32は、ヘッド33を備える。ヘッド33は、支持面29に支持された媒体に液体を吐出可能である。ヘッド33は、液体を吐出可能である不図示の複数のノズルを備える。ヘッド33は、複数のノズルが開口する不図示のノズル面を備える。ノズル面は、下方Z2に向かう面である。
【0022】
印刷部32は、キャリッジ34を備える。キャリッジ34は、ヘッド33を支持するように構成される。ヘッド33は、シリアルタイプとして構成される。シリアルタイプは、ヘッド33が幅方向Xに移動しながら印刷を行う。
【0023】
印刷部32は、ヘッド移動部35を備える。ヘッド移動部35は、キャリッジ34を移動させるように構成される。つまり、ヘッド移動部35は、ヘッド33を移動させるように構成される。ヘッド移動部35は、水平方向にヘッド33を移動させるように構成される。詳しくは、ヘッド移動部35は、幅方向Xと前後方向Yとにヘッド33を移動させるように構成される。
【0024】
ヘッド移動部35は、第1ヘッド移動部36を備える。第1ヘッド移動部36は、幅方向Xにキャリッジ34を移動させるように構成される。つまり、第1ヘッド移動部36は、支持面29と平行な幅方向Xにヘッド33を移動させるように構成される。
【0025】
第1ヘッド移動部36は、第1ガイド部37を備える。第1ガイド部37は、支持面29を跨いで幅方向Xに延びるように構成される。第1ガイド部37は、キャリッジ34を幅方向Xに沿って移動可能なようにガイドする。
【0026】
ヘッド移動部35は、第2ヘッド移動部38を備える。第2ヘッド移動部38は、第1ヘッド移動部36を支持するように構成される。第2ヘッド移動部38は、前後方向Yに第1ヘッド移動部36を移動させるように構成される。つまり、第2ヘッド移動部38は、支持面29と平行な前後方向Yにヘッド33を移動させるように構成される。
【0027】
第2ヘッド移動部38は、一対の第2ガイド部39を備える。一対の第2ガイド部39は、媒体支持部28を挟んで媒体支持部28の第1幅方向X1と第2幅方向X2とに設けられる。一対の第2ガイド部39のそれぞれは、前後方向Yに延びるように構成される。
【0028】
このように、ヘッド移動部35は、ヘッド33を搭載し、かつ、媒体支持部28を跨いで水平方向に移動可能である。ヘッド移動部35は、正面視において門型に構成される。
ヘッド移動部35は、移動範囲内でヘッド33を移動可能である。ヘッド33の移動範囲は、対向位置と退避位置とを含む。対向位置は、ヘッド33のノズル面が支持面29と対向する位置である。退避位置は、ヘッド33のノズル面が支持面29と対向しない位置である。退避位置は、待機位置を含む。待機位置は、印刷が行われていないときにヘッド33が配置される位置である。待機位置は、移動範囲のうち、第1幅方向X1側であって、後方Y2側に位置してもよい。また、退避位置は、メンテナンス位置を含む。メンテナンス位置は、ヘッド33のノズル面が、後述するメンテナンス部40と対向する位置である。つまり、ヘッド33の移動範囲は、メンテナンス位置を含む。
【0029】
<メンテナンス部40>
印刷装置10は、メンテナンス部40を備える。メンテナンス部40は、媒体支持部28及び媒体収容部30よりも第1幅方向X1に設けられる。メンテナンス部40は、前後方向Yに延在するように構成される。メンテナンス部40は、媒体支持部28及び媒体収容部30に対して鉛直方向Zに重ならない位置に配置される。メンテナンス部40は、上方Z1に向かってヘッド33と対向可能な位置に配置される。メンテナンス部40は、ヘッド33をメンテナンスするように構成される。
【0030】
メンテナンス部40は、フラッシング部41を備える。フラッシング部41は、ヘッド33から吐出される液体を受けるように構成される。フラッシング部41は、ヘッド33とともに前後方向Yに移動可能なように構成されるが、前後方向Yに沿って延在するように構成されてもよい。フラッシング部41は、第2ヘッド移動部38と同じ動力源により前後方向Yに移動してもよく、第2ヘッド移動部38とは別の動力源により前後方向Yに移動してもよい。フラッシング部41は、媒体支持部28及び媒体収容部30に対して鉛直方向Zに重ならない位置に配置される。
【0031】
メンテナンス部40は、払拭部42を備える。払拭部42は、ノズル面を払拭可能である。払拭部42は、媒体支持部28及び媒体収容部30に対して鉛直方向Zに重ならない位置に配置される。
【0032】
メンテナンス部40は、吸引部43を備える。吸引部43は、ヘッド33から液体を吸引するように構成される。吸引部43は、ヘッド33から液体を吸引する吸引ポンプを備えてもよい。吸引部43は、媒体支持部28及び媒体収容部30に対して鉛直方向Zに重ならない位置に配置される。
【0033】
また、メンテナンス部40は、不図示の廃液タンクを備えてもよい。廃液タンクは、フラッシング部41によって受けた液体を貯留するように構成される。廃液タンクは、吸引部43によって吸引された液体を貯留するように構成される。廃液タンクは、媒体支持部28及び媒体収容部30に対して鉛直方向Zに重ならない位置に配置される。
【0034】
<メンテナンスカバー44>
図2に示すように、印刷装置10は、メンテナンスカバー44を備える。メンテナンスカバー44は、メンテナンス部40における上方Z1側を覆うことができるカバーである。
【0035】
印刷装置10は、カバー収容部45を備える。カバー収容部45は、幅方向Xにおいて媒体支持部28及び媒体収容部30とメンテナンス部40との間に設けられる。カバー収容部45は、メンテナンスカバー44を収容可能である。
【0036】
このように、メンテナンスカバー44は、図2に示すカバー位置と、図1に示す収容位置との間で移動可能である。カバー位置は、メンテナンス部40における上方Z1側を覆う位置である。収容位置は、メンテナンス部40における上方Z1側を覆わずに、カバー収容部45に収容される位置である。
【0037】
<制御部46>
印刷装置10は、制御部46を備える。制御部46は、印刷装置10を制御する。制御部46は、印刷装置10で実行される各種動作を制御する。制御部46は、α:コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはγ:それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。ハードウェア回路は、例えば特定用途向け集積回路である。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0038】
<メンテナンスカバー44の詳細構成>
ここで、図3及び図4を参照してメンテナンスカバー44の詳細な構成について説明する。図3及び図4において、メンテナンスカバー44が収容位置に配置されているときの状態を示す。
【0039】
図3に示すように、メンテナンスカバー44は、上面47を備える。上面47は、メンテナンスカバー44がカバー位置に配置されるときに、上方Z1に向かう面である。上面47は、支持面29に媒体を載置する場合に、支持面29に載置されない媒体の一部の領域を支持することができる面である。
【0040】
メンテナンスカバー44は、位置決め基準部48を備える。位置決め基準部48は、上面47に設けられる。位置決め基準部48は、上面47における寸法が特定可能であり、升目状であるが、目盛りが付されていてもよい。位置決め基準部48は、メンテナンスカバー44がカバー位置に配置されるときに、支持面29に載置する媒体の基準位置としてユーザーにより視認可能である。このように、位置決め基準部48は、メンテナンスカバー44がカバー位置に配置されるときに、支持面29に媒体を載置する目安となる。また、位置決め基準部48は、媒体支持部28の第2幅方向X2側における液体供給部31の天面にも設けられてもよい。
【0041】
図3及び図4に示すように、メンテナンスカバー44は、複数のカバー部を備えてもよい。メンテナンスカバー44は、第1カバー部51と、第2カバー部52と、第3カバー部53と、を備えてもよい。メンテナンスカバー44は、第1軸54と、第2軸55とを備えてもよい。
【0042】
第1カバー部51は、前後方向Yが長手方向となる部材である。第1カバー部51は、薄板形状である。第1カバー部51は、第1上面51Aを備える。第1上面51Aは、上面47の一部を構成する。第1カバー部51は、第1裏面51Bを備える。第1裏面51Bは、第1上面51Aの反対側の面である。
【0043】
第1カバー部51は、第2カバー部52よりも上方Z1に位置する。第1カバー部51は、下方Z2側の一端部51Cにおいて、第1軸54に軸着されている。第1カバー部51は、一端部51Cにおいて、第1軸54を介して、第2カバー部52に対して回転可能に連結されている。
【0044】
第1カバー部51は、第1スライダー部51Dを備える。第1スライダー部51Dは、第1裏面51Bにおいて、第1裏面51Bに対して垂直な方向に延びるように構成される。第1スライダー部51Dは、第1裏面51Bに固定されている。第1スライダー部51Dは、第1スライダー51Eを備える。第1スライダー51Eは、第1スライダー部51Dの先端部に設けられる。
【0045】
第2カバー部52は、前後方向Yが長手方向となる部材である。第2カバー部52は、薄板形状である。第2カバー部52は、第2上面52Aを備える。第2上面52Aは、上面47の一部を構成する。第2カバー部52は、第2裏面52Bを備える。第2裏面52Bは、第2上面52Aの反対側の面である。
【0046】
第2カバー部52は、第3カバー部53よりも上方Z1に位置する。第2カバー部52は、上方Z1側の一端部52Cにおいて、第1軸54に回転可能に軸着されている。第2カバー部52は、一端部52Cにおいて、第1軸54を介して、第1カバー部51に対して回転可能に連結されている。第2カバー部52は、下方Z2側の他端部52Dにおいて、第2軸55に回転可能に軸着されている。第2カバー部52は、他端部52Dにおいて、第2軸55を介して、第3カバー部53に対して回転可能に連結されている。
【0047】
第2カバー部52は、突出部52Eを備える。突出部52Eは、第2裏面52Bから突出するように構成される。突出部52Eは、開口52Fを備える。開口52Fは、突出部52Eの先端部に設けられる。突出部52Eは、メンテナンスカバー44を移動させるための部材である。
【0048】
第3カバー部53は、前後方向Yが長手方向となる部材である。第3カバー部53は、薄板形状である。第3カバー部53は、第3上面53Aを備える。第3上面53Aは、上面47の一部を構成する。第3カバー部53は、第3裏面53Bを備える。第3裏面53Bは、第3上面53Aの反対側の面である。
【0049】
第3カバー部53は、第2カバー部52よりも下方Z2に位置する。第3カバー部53は、上方Z1側の一端部53Cにおいて、第2軸55に軸着されている。第3カバー部53は、一端部53Cにおいて、第2軸55を介して、第2カバー部52に対して回転可能に連結されている。
【0050】
第1軸54は、前後方向Yに沿って延びるように構成される。第1軸54は、第1カバー部51に軸着されている。第1軸54は、第2カバー部52に回転可能に軸着されている。第2軸55は、前後方向Yに沿って延びるように構成される。第2軸55は、第3カバー部53に軸着されている。第2軸55は、第2カバー部52に回転可能に軸着されている。
【0051】
メンテナンスカバー44は、第2スライダー部56を備える。第2スライダー部56は、第1裏面51B及び第2裏面52Bから突出するように構成される。第2スライダー部56は、第1軸54の両端部に固定されていてもよい。このように、第2スライダー部56は、第1カバー部51に対して角度が一定であり、第1カバー部51に対して回転可能な第2カバー部52に対して角度が変化可能である。第2スライダー部56は、第2スライダー56Aを備える。第2スライダー56Aは、第2スライダー部56の先端部に設けられる。
【0052】
メンテナンスカバー44は、第3スライダー部57を備える。第3スライダー部57は、第2裏面52B及び第3裏面53Bから突出するように構成される。第3スライダー部57は、第2軸55の両端部に固定されていてもよい。このように、第3スライダー部57は、第3カバー部53に対して角度が一定であり、第3カバー部53に対して回転可能な第2カバー部52に対して角度が変化可能である。第3スライダー部57は、第3スライダー57Aを備える。第3スライダー57Aは、第3スライダー部57の先端部に設けられる。
【0053】
第1カバー部51は、鉛直方向Zに対して長さL1である。第2カバー部52は、鉛直方向Zに対して長さL2である。第3カバー部53は、鉛直方向Zに対して長さL3である。長さL1は、長さL2よりも長くてもよい。長さL2は、長さL3よりも長くてもよい。このように、カバー収容部45に近いカバー部のほうが、カバー収容部45に遠いカバー部よりも短い長さとなる。これにより、メンテナンスカバー44が収容位置からカバー位置に移動する際に、上方Z1におけるスペースを削減することができる。したがって、鉛直方向Zに対する省スペース化を図ることができる。
【0054】
図4において、第1上面51A、第2上面52A及び第3上面53Aは、それぞれ前後方向Yと平行、かつ、鉛直方向Zと平行な状態である。図4に示す状態において、第2裏面52Bから第2スライダー56Aまでの距離は、第1裏面51Bから第1スライダー51Eまでの距離と同じであってもよい。第2軸55から第3スライダー57Aまでの距離は、第1軸54から第2スライダー56Aまでの距離よりも長くてもよい。第3裏面53Bから第3スライダー57Aまでの距離は、第2裏面52Bから第2スライダー56Aまでの距離と同じであってもよい。
【0055】
<カバー収容部45の詳細構成>
次に、図5図7を参照してカバー収容部45の詳細な構成について説明する。
図5及び図6に示すように、カバー収容部45は、側壁60を備える。側壁60は、カバー収容部45の第1幅方向X1側に位置する。側壁60は、薄板形状である。側壁60は、メンテナンスカバー44を収容可能である収容領域を区画する。
【0056】
側壁60は、一対の第1保持部61を備える。一対の第1保持部61は、前後方向Yにおいて前方Y1側と後方Y2側とに位置する。一対の第1保持部61は、後述する連動軸72を回転可能に保持するように構成される。
【0057】
側壁60は、一対のプーリー保持部62を備える。一対のプーリー保持部62は、前後方向Yにおいて前方Y1側と後方Y2側とに位置する。一対のプーリー保持部62は、後述する第2プーリー74を回転可能に保持するように構成される。
【0058】
側壁60は、一対のガイド溝63を備える。一対のガイド溝63は、前後方向Yにおいて前方Y1側と後方Y2側とに位置する。一対のガイド溝63のそれぞれは、鉛直方向Zに延びるように構成される。一対のガイド溝63のそれぞれは、後述する昇降部76をガイドするための溝である。
【0059】
図7に示すように、カバー収容部45は、前壁64を備える。前壁64は、カバー収容部45の前方Y1側に位置する。前壁64は、薄板形状である。前壁64は、メンテナンスカバー44を収容可能である収容領域を区画する。
【0060】
前壁64は、ガイドレール65を備える。ガイドレール65は、第1スライダー51Eと、第2スライダー56Aと、第3スライダー57Aとが貫通している。ガイドレール65は、鉛直方向Zに沿って下方Z2側から上方Z1側に延びるとともに、上方Z1側において円弧状となり、第1幅方向X1に延びる。このように、ガイドレール65は、向きを変えるように延在する。これにより、メンテナンスカバー44の収容スペースを確保するとともに、省スペース化を図ることができる。
【0061】
また、カバー収容部45は、不図示の後壁を備える。後壁は、カバー収容部45の後方Y2側に位置する。後壁は、前壁64と同じように構成される。後壁は、前壁64と同じようにガイドレールを備える。
【0062】
<カバー移動部49>
図5及び図6に示すように、印刷装置10は、カバー移動部49を備える。カバー移動部49は、メンテナンスカバー44を移動させるように構成される。特に、カバー移動部49は、カバー位置と収容位置との間でメンテナンスカバー44を移動させることができる。
【0063】
カバー移動部49は、カバー駆動部70を備えてもよい。カバー駆動部70は、メンテナンスカバー44を移動させるための駆動源である。カバー駆動部70は、モーターであってもよい。
【0064】
カバー駆動部70は、制御部46からの指示に基づいて動作する。詳しくは、収容条件が成立すると、カバー駆動部70は、制御部46からの指示に基づいて、メンテナンスカバー44をカバー位置から収容位置に移動させる。カバー条件が成立すると、制御部46からの指示に基づいて、カバー駆動部70は、メンテナンスカバー44を収容位置からカバー位置に移動させる。
【0065】
収容条件は、ヘッド33が待機位置に配置されており、かつ、印刷指示があったときに成立可能であってもよい。収容条件は、ヘッド33が待機位置に配置されており、かつ、開閉カバー22が閉鎖されたときに成立可能であってもよい。カバー条件は、印刷指示に基づく印刷が終了したときに成立可能であってもよい。カバー条件は、開閉カバー22が開放されるときに成立可能であってもよい。
【0066】
カバー移動部49は、駆動ギア71と、連動軸72と、を備える。駆動ギア71は、カバー駆動部70と噛合する。駆動ギア71は、連動軸72に軸着されている。駆動ギア71は、カバー駆動部70からの動力を連動軸72に伝達する。連動軸72は、前後方向Yに延びるように位置する。連動軸72は、前後方向Yに沿う軸を中心として回転可能である。
【0067】
カバー移動部49は、一対の第1プーリー73と、一対の第2プーリー74と、一対の昇降ベルト75とを備える。一対の第1プーリー73は、前後方向Yにおいて前方Y1側と後方Y2側とに位置する。一対の第1プーリー73のそれぞれは、連動軸72に軸着される。
【0068】
一対の第2プーリー74は、前後方向Yにおいて前方Y1側と後方Y2側とに位置する。一対の第2プーリー74は、それぞれ一対の第1プーリー73の上方Z1に位置する。一対の第2プーリー74のそれぞれは、プーリー保持部62に回動可能に保持されている。
【0069】
一対の昇降ベルト75は、前後方向Yにおいて前方Y1側と後方Y2側とに位置する。一対の昇降ベルト75は、それぞれ一対の第1プーリー73と一対の第2プーリー74とに巻きかけられる。
【0070】
カバー移動部49は、一対の昇降部76を備える。一対の昇降部76は、前後方向Yにおいて前方Y1側と後方Y2側とに位置する。一対の昇降部76は、それぞれ一対の昇降ベルト75に固定される。一対の昇降部76は、それぞれ一対のガイド溝63に沿ってスライド可能である。一対の昇降部76のそれぞれは、連結部76Aを備える。連結部76Aは、開口52Fに挿通される。一対の昇降部76は、第2カバー部52を介して、メンテナンスカバー44を昇降させることができる。
【0071】
このように、カバー移動部49は、駆動ギア71、連動軸72、一対の第1プーリー73及び一対の昇降ベルト75を介して、カバー駆動部70からの動力が一対の昇降部76に伝わり、メンテナンスカバー44を昇降させることができる。
【0072】
また、カバー移動部49は、ガイドレール65に沿ってメンテナンスカバー44を移動させることができる。特に、カバー移動部49は、メンテナンスカバー44の移動方向として、鉛直方向Zへの移動と幅方向Xへの移動とを切り替えることができる。つまり、カバー移動部49は、カバー位置と収容位置とにおいてメンテナンスカバー44の向きを変えるようにメンテナンスカバー44を移動させる。
【0073】
印刷装置10は、カバー検出部50を備える。カバー検出部50は、メンテナンスカバー44がカバー収容部45に収容されていることを検出する。カバー検出部50は、後方Y2に位置する昇降部76が所定の高さに配置されていることを検出することにより、メンテナンスカバー44がカバー収容部45に収容されていることを検出してもよい。
【0074】
<第1実施形態の作用>
第1実施形態の作用について説明する。
図7及び図8に示すように、メンテナンスカバー44は、カバー位置に配置されている。カバー位置において、第1カバー部51と第2カバー部52とは、幅方向Xに延びた状態で、メンテナンス部40を上方Z1から覆っている。カバー位置において、第3カバー部53は、幅方向Xに対して傾斜した状態で、カバー収容部45を上方Z1から覆っている。
【0075】
収容条件が成立すると、カバー駆動部70が駆動する。これにより、カバー駆動部70からの動力が、駆動ギア71を介して連動軸72に伝達し、連動軸72の回転が開始する。そして、連動軸72の回転に伴って、1対の昇降ベルト75が連動して、一対の昇降部76が上方Z1から下方Z2に移動する。
【0076】
第2カバー部52は、一対の昇降部76と連結されており、第2スライダー56Aがガイドレール65に沿うように移動する。第1カバー部51は、第2カバー部52に連結されており、第1スライダー51Eがガイドレール65に沿うように移動する。第3カバー部53は、第2カバー部52に連結されており、第3スライダー57Aがガイドレール65に沿うように移動する。
【0077】
これにより、図9及び図10に示すように、第1スライダー51Eと、第2スライダー56Aと、第3スライダー57Aとがガイドレール65に沿うように、メンテナンスカバー44が移動する。特に、メンテナンスカバー44の移動方向が幅方向Xから鉛直方向Zに変更される。
【0078】
その後、図11及び図12に示すように、メンテナンスカバー44が収容位置に配置されると、カバー検出部50により検出された結果、カバー駆動部70の駆動が終了する。収容位置において、第1カバー部51と第2カバー部52と第3カバー部53とは、鉛直方向Zに延びた状態で、カバー収容部45に収容される。また、カバー条件が成立すると、収容条件が成立したときとは逆の順序及び逆の方向で制御される。
【0079】
<第1実施形態の効果>
第1実施形態の効果について説明する。
(1)媒体の少なくとも印刷領域が支持面29に支持されるとともに、支持面29と平行な幅方向Xと前後方向Yとにヘッド33が移動される。このため、支持面29と平行な方向に支持面29を移動させる構成を備える必要がない。したがって、印刷装置10の小型化を図ることができる。
【0080】
(2)これに加えて、ヘッド33と対向可能なメンテナンス部40の上方Z1側をメンテナンスカバー44により覆うことができる。このため、支持面29に媒体を載置する際に、メンテナンス部40の上方Z1に媒体が位置する場合であっても、媒体が液体で汚れてしまうことを抑制することができる。
【0081】
(3)ヘッド33をメンテナンスする場合に、メンテナンスカバー44を収容することができる。これにより、支持面29に媒体を載置する際に媒体が液体で汚れてしまうことを抑制することができるとともに、ヘッド33のメンテナンスにより印刷品質を向上させることができる。
【0082】
(4)幅方向Xにおいて媒体支持部28とメンテナンス部40との間にカバー収容部45が設けられることにより、印刷領域から噴霧された液体がメンテナンス部40に入り難いとすることができる。また、幅方向Xにおいて媒体支持部28とメンテナンス部40との間に、カバー収容部45以外の仕切りを設ける必要がなく、省スペース化を図ることができる。
【0083】
(5)カバー移動部49は、メンテナンスカバー44をカバー位置と収容位置との間で移動させることができる。これにより、メンテナンスカバー44をカバー位置と収容位置との間で容易に切り替えることができる。
【0084】
(6)カバー位置と収容位置とにおいてメンテナンスカバー44の向きを変えることにより、メンテナンスカバー44の収容についての省スペース化を図ることができる。
(7)メンテナンスカバー44がカバー収容部45に収容されていることを検出することができる。したがって、メンテナンスカバー44の収容についての確実性を向上させることができる。
【0085】
(8)フラッシング部41が前後方向Yに沿って延在する、又は、フラッシング部41が前後方向Yに移動する。そして、幅方向Xにおいて媒体支持部28とメンテナンス部40との間にカバー収容部45を設けることにより、メンテナンスカバー44の移動を円滑にするとともに、省スペース化を図ることができる。
【0086】
(9)メンテナンスカバー44がカバー位置において、位置決め基準部48を視認することにより、支持面29に媒体を載置する目安とすることができる。これにより、支持面29に媒体を正確に載置することができる。したがって、印刷品質を向上させることができる。
【0087】
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0088】
・位置決め基準部48は、第3カバー部53の第3上面53Aに設けられていなくてもよい。メンテナンスカバー44がカバー位置に配置される場合に、位置決め基準部48は、第3上面53Aにおいて、水平面に対する傾斜角度に合わせた尺度で設けられてもよい。つまり、水平面に対して傾斜しない第1上面51A及び第2上面52Aと、水平面に対して傾斜する第3上面53Aとで、上方Z1からみて同じ尺度となるように位置決め基準部48が設けられてもよい。
【0089】
・メンテナンスカバー44がカバー位置に配置されるときに、第3カバー部53は、水平面に対して傾斜しなくてもよい。メンテナンスカバー44がカバー位置に配置されるときに、第3カバー部53の第3上面53Aは水平であってもよい。メンテナンスカバー44がカバー位置に配置されるときに、第2カバー部52は、水平面に対して傾斜してもよい。メンテナンスカバー44がカバー位置に配置されるときに、第1カバー部51は、水平面に対して傾斜してもよい。
【0090】
・メンテナンスカバー44がカバー位置に配置されるときに、第3カバー部53は、メンテナンス部40の上方Z1を覆ってもよい。メンテナンスカバー44がカバー位置に配置されるときに、第3カバー部53は、一部がカバー収容部45の上方Z1を覆い、一部がメンテナンス部40の上方Z1を覆ってもよい。メンテナンスカバー44がカバー位置に配置されるときに、第2カバー部52は、一部がカバー収容部45の上方Z1を覆い、一部がメンテナンス部40の上方Z1を覆ってもよい。
【0091】
・メンテナンスカバー44は、幅方向Xに対して移動可能であったが、これに限らず、例えば、前後方向Yに対して移動可能であってもよい。メンテナンスカバー44は、鉛直方向Zに対して移動可能でなくてもよい。
【0092】
・メンテナンスカバー44は、1つのカバーによりメンテナンス部40の上方Z1を覆ったが、これに限らず、例えば、複数のカバーによりメンテナンス部40の上方Z1を覆ってもよい。具体的な一例としては、印刷装置10は、第1メンテナンスカバーと、第2メンテナンスカバーとを備えてもよい。第1メンテナンスカバーは、第1幅方向X1に向かって移動可能であり、第2メンテナンスカバーは、第2幅方向X2に向かって移動可能であってもよい。そして、第1メンテナンスカバーと第2メンテナンスカバーとは、メンテナンス部40の上方Z1を覆ってもよい。
【0093】
・メンテナンス部40は、媒体支持部28よりも第2幅方向X2に設けられてもよい。メンテナンス部40は、媒体支持部28よりも前方Y1に設けられてもよい。メンテナンス部40は、媒体支持部28よりも後方Y2に設けられてもよい。つまり、メンテナンス部40は、任意の位置に設けられてもよい。
【0094】
・メンテナンスカバー44は、媒体支持部28の第1幅方向X1と、媒体支持部28の第2幅方向X2と、媒体支持部28の前方Y1と、媒体支持部28の後方Y2とのうち少なくとも何れかに設けられてもよい。
【0095】
・カバー移動部49は、操作部27の操作に応じて、カバー駆動部70からの動力により、メンテナンスカバー44を移動させてもよい。つまり、収容条件は、操作部27の操作に応じて成立可能であってもよい。カバー条件は、操作部27の操作に応じて成立可能であってもよい。
【0096】
・カバー移動部49は、カバー駆動部70からの動力ではなく、ユーザーによる手動でメンテナンスカバー44を移動させてもよい。この場合、カバー移動部49は、カバー駆動部70を備えなくてもよい。
【0097】
・カバー検出部50は、メンテナンスカバー44がカバー位置に配置されていることを検出してもよい。カバー検出部50は、メンテナンスカバー44が収容位置とカバー位置との間の何れかの位置に配置されていることを検出してもよい。
【0098】
・カバー検出部50は、カバー駆動部70に供給する駆動信号に基づいて、メンテナンスカバー44の位置を検出してもよい。
・第1開口部20と第2開口部21とは、連続するように構成されなくても、別々に設けられてもよい。開口部19は、天面16と前面12とに跨らずに設けられてもよい。
【0099】
・開口部19は、天面16と前面12とそれ以外との面に跨って設けられてもよい。つまり、開口部19は、少なくとも天面16及び前面12に跨って設けられてもよい。また、開口部19は、天面16に設けられており、前面12に設けられなくてもよい。つまり、開口部19は、少なくとも天面16に設けられていればよい。
【0100】
・支持面29は、水平方向に移動しないように構成されるが、例えば、印刷が行われていないときに限り水平方向に微調整可能であってもよく、少なくとも印刷が行われている場合に水平方向に移動しないように構成されればよい。
【0101】
・第1開口部20は、上方Z1からみて、前後方向Yに対して支持面29よりも長い形状であってもよい。
・印刷部32は、第1幅方向X1と第2幅方向X2とのうち何れか一方にヘッド33が移動するときに印刷を行ってもよく、第1幅方向X1にヘッド33が移動するときと、第2幅方向X2にヘッド33が移動するときとの両方において印刷を行ってもよい。
【0102】
・ヘッド33は、水平面に対して平行であるノズル面を備えても、水平面に対して傾斜するノズル面を備えてもよい。
・メンテナンス部40は、フラッシング部41、払拭部42、吸引部43及び廃液タンクのうち少なくとも何れかを備えなくてもよい。
【0103】
・本実施形態における幅方向Xと前後方向Yとの関係が入れ替わってもよい。つまり、本実施形態の幅方向Xが前後方向Yであり、本実施形態の前後方向Yが幅方向Xであってもよい。
【0104】
・媒体としては、例えばTシャツやポロシャツなどに限定されず、例えばトレーナーやパーカーなどであってもよく、被服としての媒体であってもよい。また、媒体としては、可撓性を有する媒体が採用されたが、これに限らず、例えば、UVインクを使用して印刷するスマートフォンケースなど、可撓性を有さない媒体が採用されてもよい。
【0105】
・印刷装置10は、液体の一例としてインクを吐出するように構成されてもよいが、インク以外の液体を吐出するように構成されてもよい。つまり、液体は、媒体に付着することで、媒体に印刷を行うことができるものであれば任意に選択することができる。
【0106】
・本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、所望の選択肢の1つ以上を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、選択肢の数が2つであれば1つの選択肢のみ又は2つの選択肢の双方を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば1つの選択肢のみ又は2つ以上の任意の選択肢の組み合わせを意味する。
【0107】
[付記]
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0108】
(A)印刷装置は、媒体の少なくとも印刷領域を支持する支持面を有する媒体支持部と、前記支持面に支持されていない媒体の領域を収容可能である媒体収容部と、前記支持面に支持された媒体に液体を吐出可能であるヘッドと、前記支持面と平行な第1方向に前記ヘッドを移動させる第1ヘッド移動部と、前記支持面と平行であり、かつ、前記第1方向と交差する第2方向に前記ヘッドを移動させる第2ヘッド移動部と、前記媒体支持部の前記第1方向において、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に向かって前記ヘッドと対向可能な位置に配置され、かつ、前記ヘッドをメンテナンスするメンテナンス部と、前記メンテナンス部における前記ヘッドと対向可能な前記第3方向側を覆うことができるメンテナンスカバーと、を備える。
【0109】
この構成によれば、媒体の少なくとも印刷領域が支持面に支持されるとともに、支持面に支持された媒体に液体を吐出可能であるヘッドが、支持面と平行な方向に移動される。このため、支持面と平行な方向に支持面を移動させる構成を備える必要がない。したがって、印刷装置の小型化を図ることができる。
【0110】
これに加えて、ヘッドと対向可能なメンテナンス部の第3方向側をメンテナンスカバーにより覆うことができる。このため、支持面に媒体を載置する際に、メンテナンス部の第3方向に媒体が位置する場合であっても、媒体が液体で汚れてしまうことを抑制することができる。
【0111】
(B)上記印刷装置は、前記メンテナンスカバーを収容可能であるカバー収容部を備えてもよい。
この構成によれば、ヘッドをメンテナンスする場合に、メンテナンスカバーを収容することができる。これにより、支持面に媒体を載置する際に媒体が液体で汚れてしまうことを抑制することができるとともに、ヘッドのメンテナンスにより印刷品質を向上させることができる。
【0112】
(C)上記印刷装置において、前記カバー収容部は、前記第1方向において前記媒体支持部と前記メンテナンス部との間に設けられてもよい。
この構成によれば、第1方向において媒体支持部とメンテナンス部との間にカバー収容部が設けられることにより、印刷領域から噴霧された液体がメンテナンス部に入り難いとすることができる。また、第1方向において媒体支持部とメンテナンス部との間に、カバー収容部以外の仕切りを設ける必要がなく、省スペース化を図ることができる。
【0113】
(D)上記印刷装置は、前記メンテナンスカバーを移動させるカバー移動部を備え、前記カバー移動部は、カバー位置と収容位置との間で前記メンテナンスカバーを移動させることができ、前記カバー位置は、前記メンテナンス部における前記第3方向側を覆う位置であり、前記収容位置は、前記メンテナンス部における前記第3方向側を覆わずに、前記カバー収容部に収容される位置であってもよい。
【0114】
この構成によれば、メンテナンスカバーをカバー位置と収容位置との間で移動させることができる。これにより、メンテナンスカバーをカバー位置と収容位置との間で容易に切り替えることができる。
【0115】
(E)上記印刷装置において、前記カバー移動部は、前記カバー位置と前記収容位置とにおいて前記メンテナンスカバーの向きを変えるように前記メンテナンスカバーを移動させてもよい。
【0116】
この構成によれば、カバー位置と収容位置とにおいてメンテナンスカバーの向きを変えることにより、メンテナンスカバーの収容についての省スペース化を図ることができる。
(F)上記印刷装置は、前記メンテナンスカバーが前記カバー収容部に収容されていることを検出するカバー検出部を備えてもよい。
【0117】
この構成によれば、メンテナンスカバーがカバー収容部に収容されていることを検出することができる。したがって、メンテナンスカバーの収容についての確実性を向上させることができる。
【0118】
(G)上記印刷装置において、前記メンテナンス部は、前記ヘッドから吐出される液体を受けるフラッシング部を含み、前記フラッシング部は、前記第2方向に沿って延在してもよい。
【0119】
この構成によれば、フラッシング部が第2方向に沿って延在する構成を前提として、第1方向において媒体支持部とメンテナンス部との間にメンテナンスカバーを設ける。これにより、メンテナンスカバーの移動を円滑にするとともに、省スペース化を図ることができる。
【0120】
(H)上記印刷装置において、前記メンテナンス部は、前記ヘッドから吐出される液体を受けるフラッシング部を含み、前記フラッシング部は、前記ヘッドとともに前記第2方向に移動してもよい。
【0121】
この構成によれば、フラッシング部が第2方向に移動する構成を前提として、第1方向において媒体支持部とメンテナンス部との間にメンテナンスカバーを設ける。これにより、メンテナンスカバーの移動を円滑にするとともに、省スペース化を図ることができる。
【0122】
(I)上記印刷装置において、前記メンテナンスカバーは、前記メンテナンス部における前記第3方向側を覆う位置で前記支持面に媒体を載置する目安となる位置決め基準部を有してもよい。
【0123】
この構成によれば、メンテナンスカバーがメンテナンス部における第3方向側を覆う位置において、位置決め基準部を視認することにより、支持面に媒体を載置する目安とすることができる。これにより、支持面に媒体を正確に載置することができる。したがって、印刷品質を向上させることができる。
【符号の説明】
【0124】
X…幅方向、X1…第1幅方向、X2…第2幅方向、Y…前後方向、Y1…前方、Y2…後方、Z…鉛直方向、Z1…上方、Z2…下方、10…印刷装置、11…筐体、12…前面、13…背面、14…左側面、15…右側面、16…天面、17…底面、18…筐体フレーム、19…開口部、20…第1開口部、21…第2開口部、22…開閉カバー、23…第1開閉カバー、24…第2開閉カバー、25…把持部、26…表示部、27…操作部、28…媒体支持部、29…支持面、30…媒体収容部、31…液体供給部、32…印刷部、33…ヘッド、34…キャリッジ、35…ヘッド移動部、36…第1ヘッド移動部、37…第1ガイド部、38…第2ヘッド移動部、39…第2ガイド部、40…メンテナンス部、41…フラッシング部、42…払拭部、43…吸引部、44…メンテナンスカバー、45…カバー収容部、46…制御部、47…上面、48…位置決め基準部、49…カバー移動部、50…カバー検出部、51…第1カバー部、51A…第1上面、51B…第1裏面、51C…一端部、51D…第1スライダー部、51E…第1スライダー、52…第2カバー部、52A…第2上面、52B…第2裏面、52C…一端部、52D…他端部、52E…突出部、52F…開口、53…第3カバー部、53A…第3上面、53B…第3裏面、53C…一端部、54…第1軸、55…第2軸、56…第2スライダー部、56A…第2スライダー、57…第3スライダー部、57A…第3スライダー、60…側壁、61…第1保持部、62…プーリー保持部、63…ガイド溝、64…前壁、65…ガイドレール、70…カバー駆動部、71…駆動ギア、72…連動軸、73…第1プーリー、74…第2プーリー、75…昇降ベルト、76…昇降部、76A…連結部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12