IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 丸善インテック株式会社の特許一覧

特開2024-102922車両の乗降者を管理する乗降管理装置、乗降管理方法および乗降管理プログラム
<>
  • 特開-車両の乗降者を管理する乗降管理装置、乗降管理方法および乗降管理プログラム 図1
  • 特開-車両の乗降者を管理する乗降管理装置、乗降管理方法および乗降管理プログラム 図2
  • 特開-車両の乗降者を管理する乗降管理装置、乗降管理方法および乗降管理プログラム 図3
  • 特開-車両の乗降者を管理する乗降管理装置、乗降管理方法および乗降管理プログラム 図4
  • 特開-車両の乗降者を管理する乗降管理装置、乗降管理方法および乗降管理プログラム 図5
  • 特開-車両の乗降者を管理する乗降管理装置、乗降管理方法および乗降管理プログラム 図6
  • 特開-車両の乗降者を管理する乗降管理装置、乗降管理方法および乗降管理プログラム 図7
  • 特開-車両の乗降者を管理する乗降管理装置、乗降管理方法および乗降管理プログラム 図8
  • 特開-車両の乗降者を管理する乗降管理装置、乗降管理方法および乗降管理プログラム 図9
  • 特開-車両の乗降者を管理する乗降管理装置、乗降管理方法および乗降管理プログラム 図10
  • 特開-車両の乗降者を管理する乗降管理装置、乗降管理方法および乗降管理プログラム 図11
  • 特開-車両の乗降者を管理する乗降管理装置、乗降管理方法および乗降管理プログラム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102922
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】車両の乗降者を管理する乗降管理装置、乗降管理方法および乗降管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/02 20060101AFI20240725BHJP
   G07C 9/37 20200101ALI20240725BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
G08B21/02
G07C9/37
H04N7/18 D
H04N7/18 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006996
(22)【出願日】2023-01-20
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.iPad
2.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】517023471
【氏名又は名称】株式会社Asue
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 和弥
(72)【発明者】
【氏名】今井 生彦
(72)【発明者】
【氏名】青木 遼介
(72)【発明者】
【氏名】安東 聡
【テーマコード(参考)】
3E138
5C054
5C086
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138JA02
3E138JB16
3E138JC19
5C054CA04
5C054CC02
5C054EA01
5C054EA05
5C054EA07
5C054FC01
5C054FC12
5C054FC14
5C054FF06
5C054HA26
5C086AA22
5C086BA22
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA07
5C086DA08
5C086DA33
(57)【要約】
【課題】乗車または降車の状況を容易に把握する。
【解決手段】乗降管理装置2は、車両の乗車者および降車者の画像を取得する画像取得部21と、前記画像から前記乗車者および前記降車者の顔を認証する顔認証部22と、前記認証に基づいて、前記乗車者の乗車記録D1を生成する乗車記録部23と、前記認証に基づいて、前記降車者を乗車記録D1と照合する乗降者照合部24と、前記照合の結果に基づいて、前記乗車者の降車状況を監視する降車監視部25と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の乗降者を管理する乗降管理装置であって、
前記車両の乗車者および降車者の画像を取得する画像取得部と、
前記画像から前記乗車者および前記降車者の顔を認証する顔認証部と、
前記認証に基づいて、前記乗車者の乗車記録を生成する乗車記録部と、
前記認証に基づいて、前記降車者を前記乗車記録と照合する乗降者照合部と、
前記照合の結果に基づいて、前記乗車者の降車状況を監視する降車監視部と、
を備えた乗降管理装置。
【請求項2】
車両の乗降者を管理する乗降管理方法であって、
前記車両の乗車者の画像を取得する乗車時画像取得ステップと、
前記画像から前記乗車者の顔を認証する乗車時顔認証ステップと、
前記認証に基づいて、前記乗車者の乗車記録を生成する乗車記録ステップと、
前記車両の降車者の画像を取得する降車時画像取得ステップと、
前記画像から前記降車者の顔を認証する降車時顔認証ステップと、
前記認証に基づいて、前記降車者を前記乗車記録と照合する乗降者照合ステップと、
前記照合の結果に基づいて、前記乗車者の降車状況を監視する降車監視ステップと、
を備えた乗降管理方法。
【請求項3】
車両の乗降者を管理する乗降管理プログラムであって、
前記車両の乗車者および降車者の画像を取得する画像取得部、
前記画像から前記乗車者および前記降車者の顔を認証する顔認証部、
前記認証に基づいて、前記乗車者の乗車記録を生成する乗車記録部、
前記認証に基づいて、前記降車者を前記乗車記録と照合する乗降者照合部、
前記照合の結果に基づいて、前記乗車者の降車状況を監視する降車監視部、
としてコンピュータを動作させる乗降管理プログラム。
【請求項4】
車両の乗降者を管理する乗降管理装置であって、
前記車両の乗車者および降車者の画像を取得する画像取得部と、
前記画像から前記乗車者および前記降車者の顔を認証する顔認証部と、
前記認証に基づいて、前記降車者の降車記録を生成する降車記録部と、
前記認証に基づいて、前記乗車者を前記降車記録と照合する乗降者照合部と、
前記照合の結果に基づいて、前記降車者の乗車状況を監視する乗車監視部と、
を備えた乗降管理装置。
【請求項5】
車両の乗降者を管理する乗降管理方法であって、
前記車両の降車者の画像を取得する降車時画像取得ステップと、
前記画像から前記降車者の顔を認証する降車時顔認証ステップと、
前記認証に基づいて、前記降車者の降車記録を生成する降車記録ステップと、
前記車両の乗車者の画像を取得する乗車時画像取得ステップと、
前記画像から前記乗車者の顔を認証する乗車時顔認証ステップと、
前記認証に基づいて、前記乗車者を前記降車記録と照合する乗降者照合ステップと、
前記照合の結果に基づいて、前記降車者の乗車状況を監視する乗車監視ステップと、
を備えた乗降管理方法。
【請求項6】
車両の乗降者を管理する乗降管理プログラムであって、
前記車両の乗車者および降車者の画像を取得する画像取得部、
前記画像から前記乗車者および前記降車者の顔を認証する顔認証部、
前記認証に基づいて、前記降車者の降車記録を生成する降車記録部、
前記認証に基づいて、前記乗車者を前記降車記録と照合する乗降者照合部、
前記照合の結果に基づいて、前記降車者の乗車状況を監視する乗車監視部、
としてコンピュータを動作させる乗降管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の乗降者を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現状、幼稚園や保育園の送迎バスでは、降車時に園児が取り残されていないかを人間による目視によって確認している。しかし、人間による目視確認では、確実に園児の取り残しを防止することはできず、実際に、バス内に取り残された園児が熱中症で死亡するという事故が発生している。そこで、園児の取り残しを防止するためのシステムが提案されている(例えば、非特許文献1~4)。
【0003】
非特許文献1では、人間を自動で検知すると大音量ブザーで車外に警告音を発するAIカメラを車内に搭載し、車両のエンジンが停止した60秒後からAIカメラを起動することで、車内に取り残された人間を検知し、園児の取り残しを防止する装置が開示されている。
【0004】
非特許文献2および3では、iPadの顔認証アプリを使って園児の顔を認証し、園児の降車を保護者にリアルタイムで通知するシステムが開示されている。
【0005】
非特許文献4では、車内に搭載したミリ波センサーによって車内に取り残された人間を検知するシステムが開示されている。
【0006】
非特許文献5では、バス内最後部にAI顔認証端末を設置し、バスのエンジンキーをOFFにすると自動で車内に警報音が鳴り、あらかじめ登録した運転手が端末に顔をかざすと警報音が鳴り止む仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「[園児バス置き去り防止システム]を株式会社TCIが2022年10月3日に発売」、[online]、インターネット〈URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000109095.html〉
【非特許文献2】「FaceIndex for ENG」、[online]、インターネット〈URL:https://faceindex-eng.net/〉
【非特許文献3】「[徹底比較]幼稚園バス置き去り対策|各装置のメリット・デメリット」、[online]、インターネット〈URL:https://greenworksjp.com/blog/okizari-comparision〉
【非特許文献4】「通園バスでの“置き去り”最新技術で防止できるか[WBS]」、[online]、インターネット〈URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/bb1709f19242ed3f449043f7e237ee24eba4ba6d〉
【非特許文献5】“「国内初 AI顔認証置き去り防止システム Face Roll Callをリリース」、[online]、インターネット〈URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000055723.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、非特許文献1では、園児が座席の下などのカメラの死角に隠れた場合は、園児を検知することができない。また、死角をなくすためには、多数のカメラを設置する必要がある。
【0009】
非特許文献2および3では、保護者が園児の降車の通知がされなかったことを認識しなかった場合、園児の取り残しが発生するリスクがある。また、事前に園児の顔を登録しておく等の設定が必要である。
【0010】
非特許文献4では、園児がミリ波の届かない死角に隠れた場合は、園児を検知することができない。
【0011】
非特許文献5では、人間による目視確認によって園児を検知するため、見落としが発生するリスクがある。
【0012】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、乗車または降車の状況を容易に把握することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を含む。
項1.
車両の乗降者を管理する乗降管理装置であって、
前記車両の乗車者および降車者の画像を取得する画像取得部と、
前記画像から前記乗車者および前記降車者の顔を認証する顔認証部と、
前記認証に基づいて、前記乗車者の乗車記録を生成する乗車記録部と、
前記認証に基づいて、前記降車者を前記乗車記録と照合する乗降者照合部と、
前記照合の結果に基づいて、前記乗車者の降車状況を監視する降車監視部と、
を備えた乗降管理装置。
項2.
車両の乗降者を管理する乗降管理方法であって、
前記車両の乗車者の画像を取得する乗車時画像取得ステップと、
前記画像から前記乗車者の顔を認証する乗車時顔認証ステップと、
前記認証に基づいて、前記乗車者の乗車記録を生成する乗車記録ステップと、
前記車両の降車者の画像を取得する降車時画像取得ステップと、
前記画像から前記降車者の顔を認証する降車時顔認証ステップと、
前記認証に基づいて、前記降車者を前記乗車記録と照合する乗降者照合ステップと、
前記照合の結果に基づいて、前記乗車者の降車状況を監視する降車監視ステップと、
を備えた乗降管理方法。
項3.
車両の乗降者を管理する乗降管理プログラムであって、
前記車両の乗車者および降車者の画像を取得する画像取得部、
前記画像から前記乗車者および前記降車者の顔を認証する顔認証部、
前記認証に基づいて、前記乗車者の乗車記録を生成する乗車記録部、
前記認証に基づいて、前記降車者を前記乗車記録と照合する乗降者照合部、
前記照合の結果に基づいて、前記乗車者の降車状況を監視する降車監視部、
としてコンピュータを動作させる乗降管理プログラム。
項4.
車両の乗降者を管理する乗降管理装置であって、
前記車両の乗車者および降車者の画像を取得する画像取得部と、
前記画像から前記乗車者および前記降車者の顔を認証する顔認証部と、
前記認証に基づいて、前記降車者の降車記録を生成する降車記録部と、
前記認証に基づいて、前記乗車者を前記降車記録と照合する乗降者照合部と、
前記照合の結果に基づいて、前記降車者の乗車状況を監視する乗車監視部と、
を備えた乗降管理装置。
項5.
車両の乗降者を管理する乗降管理方法であって、
前記車両の降車者の画像を取得する降車時画像取得ステップと、
前記画像から前記降車者の顔を認証する降車時顔認証ステップと、
前記認証に基づいて、前記降車者の降車記録を生成する降車記録ステップと、
前記車両の乗車者の画像を取得する乗車時画像取得ステップと、
前記画像から前記乗車者の顔を認証する乗車時顔認証ステップと、
前記認証に基づいて、前記乗車者を前記降車記録と照合する乗降者照合ステップと、
前記照合の結果に基づいて、前記降車者の乗車状況を監視する乗車監視ステップと、
を備えた乗降管理方法。
項6.
車両の乗降者を管理する乗降管理プログラムであって、
前記車両の乗車者および降車者の画像を取得する画像取得部、
前記画像から前記乗車者および前記降車者の顔を認証する顔認証部、
前記認証に基づいて、前記降車者の降車記録を生成する降車記録部、
前記認証に基づいて、前記乗車者を前記降車記録と照合する乗降者照合部、
前記照合の結果に基づいて、前記降車者の乗車状況を監視する乗車監視部、
としてコンピュータを動作させる乗降管理プログラム。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、乗車または降車の状況を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態1に係る乗降管理システムの構成を示すブロック図である。
図2】乗降管理装置の外観の一例である。
図3】乗降管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】乗降管理装置の機能を示すブロック図である。
図5】本発明の実施形態1に係る乗降管理方法の処理手順を示すフローチャートである。
図6】乗車記録の一例である。
図7】運転手用端末に表示される画面の一例である。
図8】本発明の実施形態2に係る乗降管理システムの構成を示すブロック図である。
図9】乗降管理装置の機能を示すブロック図である。
図10】本発明の実施形態2に係る乗降管理方法の処理手順を示すフローチャートである。
図11】降車記録の一例である。
図12】運転手用端末に表示される画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の2つの実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではない。
【0017】
[実施形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態1に係る乗降管理システム1の構成を示すブロック図である。乗降管理システム1は、乗車者が車内に取り残されることを防止するシステムであり、乗降管理装置2および運転手用端末3を備えている。
【0018】
乗降管理装置2は、車両の乗降者を管理する装置である。本実施形態において、車両は主に幼稚園児または保育園児(以下、園児)の送迎に用いられる送迎バスであり、乗降管理装置2は、車両の乗降口付近に設置される。
【0019】
運転手用端末3は、車両の運転手が管理する端末であり、スマートフォンやタブレット端末等の携帯型コンピュータで構成することができる。運転手用端末3は、Bluethooth(登録商標)などの無線によって乗降管理装置2と通信可能に接続されているが、有線によって接続されてもよい。また、運転手用端末3は、携帯可能であってもよいし、車両に固定されていてもよい。
【0020】
(乗降管理装置の構成)
図2は、乗降管理装置2の外観の一例であり、図3は、乗降管理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。乗降管理装置2は、小型のカメラ2aを内蔵している。カメラ2aは、乗車する園児および降車する園児の両方の顔を撮影するために、広角カメラであることが好ましい。あるいは、カメラ2aを2つ内蔵し、一方が乗車する園児の顔を撮影し、他方が降車する園児の顔を撮影するようにしてもよい。
【0021】
また、カメラ2aを乗降管理装置2に外付けしてもよい。さらに、車両の乗降口が複数の場合、各乗降口にカメラ2aを設置してもよい。
【0022】
乗降管理装置2はハードウェア構成として、さらにCPU2b、主記憶装置(メモリ)2c、補助記憶装置2d、無線チップ2eおよびHDMI端子2fを備えている。主記憶装置2cは、DRAMやSRAMなどで構成することができ、補助記憶装置2dは、ハードディスクや不揮発性メモリなどで構成することができる。無線チップ2eおよびHDMI端子2fは、乗降管理装置2が外部装置と通信するためのインターフェースである。
【0023】
図4は、乗降管理装置2の機能を示すブロック図である。乗降管理装置2は、機能ブロックとして、画像取得部21と、顔認証部22と、乗車記録部23と、乗降者照合部24と、降車監視部25と、通信部26とを備えている。これらの機能ブロックは、乗降管理装置2のCPU2bが、補助記憶装置2dに記憶されている乗降管理プログラムP1を主記憶装置2cに読み出して実行することにより実現される。乗降管理プログラムP1は、インターネット等の通信ネットワークを介して乗降管理装置2にダウンロードしてもよいし、SDカード等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体に乗降管理プログラムP1を記録しておき、当該記憶媒体を介して乗降管理装置2にインストールしてもよい。
【0024】
(乗降管理方法の処理手順)
乗降管理装置2の機能について、図5に基づいて説明する。図5は、本実施形態に係る乗降管理方法の処理手順を示すフローチャートである。
【0025】
まず、乗降管理装置2が起動される(ステップS1)。乗降管理装置2の起動は、園児が乗車する前であればいつでもよい。
【0026】
続いて、園児が車両に乗車する際に、カメラ2aが車両の乗車者を撮影する(ステップS2、乗車時画像取得ステップ)。このとき、画像取得部21が、カメラ2aから乗車者の画像を取得し(ステップS3)、顔認証部22が、乗車者の顔を認証する(ステップS4、乗車時顔認証ステップ)。
【0027】
なお、顔認証の方法は特に限定されないが、エッジによるAI顔認証技術を用いることができる。また、カメラ2aが1つのみの場合、乗車者であるか降車者であるかの判別は、トラッキングを使用して特定した画像中の人物の移動方向に基づいて行ってもよい。
【0028】
さらに、乗車記録部23が、顔認証部22による認証に基づいて、乗車者の乗車記録D1を生成する(ステップS5、乗車記録ステップ)。乗車記録D1は、主記憶装置2cのみに記憶してもよいが、車両の走行中に乗降管理装置2が停止する場合、乗車記録D1を不揮発性の補助記憶装置2dに保存することが好ましい。
【0029】
図6は、乗車記録D1の一例である。乗車記録D1では、認証された顔画像と乗車時刻とが対応付けられており、番号が乗車順に付与される。なお、乗車記録D1に各園児の顔写真をあらかじめ登録しておき、乗車者の顔画像を登録されている顔写真と比較することにより、対応する園児が乗車したか否かを記録してもよい。この場合、乗車者の顔画像を乗車記録D1に記録しなくてもよい。
【0030】
続いて、園児が車両から降車する際に、カメラ2aが車両の降車者を撮影する(ステップS6、降車時画像取得ステップ)。このとき、画像取得部21が、カメラ2aから降車者の画像を取得し(ステップS7)、顔認証部22が、降車者の顔を認証する(ステップS8、降車時顔認証ステップ)。
【0031】
さらに、乗降者照合部24が、顔認証部22による認証に基づいて、降車者を乗車記録D1と照合する(ステップS9、乗降者照合ステップ)。具体的には、乗降者照合部24は、降車者の顔画像を乗車記録D1に記録されている顔画像と比較し、同一または類似の顔画像が存在する場合は、当該顔画像の乗車者が降車したと判断し、図6に示す降車状況を「IN」から「OUT」に書き変える。これを全ての降車者について行う。
【0032】
降車監視部25は、乗降者照合部24による照合の結果に基づいて、乗車者の降車状況を監視する(ステップS10、降車監視ステップ)。具体的には、降車監視部25は、降車が完了していない(「IN」の状態の)乗車者の人数をカウントし、当該人数を、通信部26を介して運転手用端末3に表示させる。
【0033】
図7は、運転手用端末3に表示される画面の一例である。運転手は、運転手用端末3に表示された人数を確認することで、降車していない園児が存在するかを把握することができる。よって、園児が車内に取り残されることを防止することができる。
【0034】
なお、降車監視部25は、降車していない乗車者を特定し、当該乗車者の顔画像(顔写真)などの情報を、通信部26を介して運転手用端末3に表示させてもよい。あるいは、降車監視部25は、乗車者の人数の代わりに、乗車者の降車が完了しているか否かのみを判定してもよい。この場合も、運転手が車両から離れる際に、運転手用端末3を確認するだけで、降車していない園児が存在するかを把握することができる。
【0035】
また、園児の降車状況を、運転手用端末3からWi-Fi(登録商標)等を介して園児が所属する施設の端末に送信してもよい。さらに、運転手用端末3を用いることは必須ではない。例えば、乗車者の降車が完了していないにもかかわらず、運転手が車両から離れようとした場合、運転手が車両にキーをかけたときに、音声等によって運転手に報知するようにしてもよい。
【0036】
(小括)
以上のように、本実施形態では、顔認証技術を用いて、乗車者と降車者とを照合することにより、降車の状況を容易に把握することができる。
【0037】
なお、本実施形態では、車両が送迎バスである場合を例に説明したが、車両の種類は特に限定されず、例えば、路線バスや観光バス等であってもよい。
【0038】
また、乗降管理装置2の機能の少なくとも一部を運転手用端末3に持たせてもよい。
【0039】
[実施形態2]
上記の実施形態1は、乗車者が車内に取り残されることを防止するシステムについて説明したが、実施形態2では、乗車予定者を置き去りにしたまま車両が出発することを防止するシステムについて説明する。なお、実施形態1と同一または類似の機能を有する部材については、同一または類似の符号を付し、その説明を省略する。
【0040】
(全体構成)
図8は、本発明の実施形態2に係る乗降管理システム1’の構成を示すブロック図である。乗降管理システム1’は、乗車予定者を置き去りにしたまま車両が出発することを防止するシステムであり、乗降管理装置2’および運転手用端末3を備えている。すなわち、乗降管理システム1’は、実施形態1に係る乗降管理システム1において、乗降管理装置2を乗降管理装置2’に置き換えた構成である。
【0041】
乗降管理装置2’は、車両の乗降者を管理する装置である。本実施形態において、車両は観光バスであり、乗降管理装置2’は、車両の乗降口付近に設置される。乗降管理装置2’のハードウェア構成は、乗降管理装置2と同様である。
【0042】
(乗降管理装置の構成)
図9は、乗降管理装置2’の機能を示すブロック図である。乗降管理装置2’は、機能ブロックとして、画像取得部21と、顔認証部22と、降車記録部23’と、乗降者照合部24と、乗車監視部25’と、通信部26とを備えている。これらの機能ブロックは、乗降管理装置2’のCPUが、補助記憶装置2dに記憶されている乗降管理プログラムP2を主記憶装置に読み出して実行することにより実現される。乗降管理プログラムP2は、インターネット等の通信ネットワークを介して乗降管理装置2’にダウンロードしてもよいし、SDカード等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体に乗降管理プログラムP2を記録しておき、当該記憶媒体を介して乗降管理装置2’にインストールしてもよい。
【0043】
(乗降管理方法の処理手順)
乗降管理装置2’の機能について、図10に基づいて説明する。図10は、本実施形態に係る乗降管理方法の処理手順を示すフローチャートである。
【0044】
まず、乗降管理装置2’が起動される(ステップS11)。乗降管理装置2’の起動は、観光バスのツアー客の乗車が完了し、立寄地や休憩地に到着する前であればいつでもよい。
【0045】
続いて、ツアー客が車両から降車する際に、カメラ2aが車両の降車者を撮影する(ステップS12、降車時画像取得ステップ)。このとき、画像取得部21が、カメラ2aから乗車者の画像を取得し(ステップS13)、顔認証部22が、降車者の顔を認証する(ステップS14、降車時顔認証ステップ)。
【0046】
さらに、降車記録部23’が、顔認証部22による認証に基づいて、降車者の降車記録D2を生成する(ステップS15、降車記録ステップ)。降車記録D2は、主記憶装置のみに記憶してもよいが、車両の停車中に乗降管理装置2’が停止する場合、降車記録D2を不揮発性の補助記憶装置2dに保存することが好ましい。
【0047】
図11は、降車記録D2の一例である。降車記録D2では、認証された顔画像と降車時刻とが対応付けられており、番号が降車順に付与される。なお、降車記録D2にツアー客の顔写真をあらかじめ登録しておき、降車者の顔画像を登録されている顔写真と比較することにより、対応するツアー客が降車したか否かを記録してもよい。この場合、降車者の顔画像を降車記録D2に記録しなくてもよい。
【0048】
続いて、降車したツアー客が再び車両に乗車する際に、カメラ2aが車両の乗車者を撮影する(ステップS16、乗車時画像取得ステップ)。このとき、画像取得部21が、カメラ2aから乗車者の画像を取得し(ステップS17)、顔認証部22が、乗車者の顔を認証する(ステップS18、乗車時顔認証ステップ)。
【0049】
さらに、乗降者照合部24が、顔認証部22による認証に基づいて、乗車者を降車記録D2と照合する(ステップS19、乗降者照合ステップ)。具体的には、乗降者照合部24は、乗車者の顔画像を降車記録D2に記録されている顔画像と比較し、同一または類似の顔画像が存在する場合は、当該顔画像の降車者が乗車したと判断し、図11に示す降車状況を「OUT」から「IN」に書き変える。これを全ての乗車者について行う。
【0050】
乗車監視部25’は、乗降者照合部24による照合の結果に基づいて、降車者の乗車状況を監視する(ステップS20、乗車監視ステップ)。具体的には、乗車監視部25’は、乗車が完了していない(「OUT」の状態の)降車者の人数をカウントし、当該人数を、通信部26を介して運転手用端末3に表示させる。
【0051】
図12は、運転手用端末3に表示される画面の一例である。運転手は、運転手用端末3に表示された人数を確認することで、乗車していないツアー客が存在するかを把握することができる。よって、ツアー客を置き去りにしたまま車両が出発することを防止できる。
【0052】
なお、乗車監視部25’は、乗車していない降車者を特定し、当該降車者の顔画像(顔写真)などの情報を、通信部26を介して運転手用端末3に表示させてもよい。あるいは、乗車監視部25’は、降車者の人数の代わりに、降車者の乗車が完了しているか否かのみを判定してもよい。この場合も、運転手が車両を発進させる際に、運転手用端末3を確認するだけで、乗車していないツアー客が存在するかを把握することができる。
【0053】
また、乗降者照合部24が、乗車者を降車記録D2と照合する際に、当該乗車者の顔画像と同一または類似の顔画像が降車記録D2に記録されていない場合、乗車監視部25’は、降車したツアー客ではない人間が間違って車両に乗車しようとしていると判断し、警告画面を運転手用端末3に表示させてもよい。
【0054】
また、ツアー客の乗車状況を、運転手用端末3からWi-Fi(登録商標)等を介して車両の運行を管理する企業等の端末に送信してもよい。さらに、運転手用端末3を用いることは必須ではない。例えば、ツアー客の乗車が完了していないにもかかわらず、運転手が車両を発進させようとした場合、音声等によって運転手に報知するようにしてもよい。
【0055】
(小括)
以上のように、本実施形態では、顔認証技術を用いて、降車者と乗車者とを照合することにより、乗車の状況を容易に把握することができる。
【0056】
なお、本実施形態では、車両が観光バスである場合を例に説明したが、車両の種類は特に限定されず、例えば、路線バスや送迎バス等であってもよい。
【0057】
また、乗降管理装置2’の機能の少なくとも一部を運転手用端末3に持たせてもよい。
【0058】
[付記事項]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能であり、例えば、各実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる形態も、本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0059】
1 乗降管理システム
1’ 乗降管理システム
2 乗降管理装置
2’ 乗降管理装置
2a カメラ
2b CPU
2c 主記憶装置
2d 補助記憶装置
2e 無線チップ
2f HDMI端子
3 運転手用端末
21 画像取得部
22 顔認証部
23 乗車記録部
23’ 降車記録部
24 乗降者照合部
25 降車監視部
25’ 乗車監視部
26 通信部
D1 乗車記録
D2 降車記録
P1 乗降管理プログラム
P2 乗降管理プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12