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特開2024-102948監視制御システム及び監視制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102948
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】監視制御システム及び監視制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/05 20060101AFI20240725BHJP
   G06F 11/30 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
G05B19/05 D
G05B19/05 L
G06F11/30 140A
G06F11/30 155
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007042
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】507214083
【氏名又は名称】メタウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大平 洋
(72)【発明者】
【氏名】石田 真一
【テーマコード(参考)】
5B042
5H220
【Fターム(参考)】
5B042GA12
5B042JJ03
5H220AA01
5H220BB10
5H220CC05
5H220CX01
5H220JJ16
5H220JJ26
5H220JJ47
(57)【要約】
【課題】プラントを構成する各機器の監視を効率的に行うことを可能とする監視制御システム及び監視制御プログラムを提供する。
【解決手段】監視対象の監視データに基づいて監視対象を監視して監視結果を出力する監視プログラムと、監視プログラムを管理する管理情報と、を記憶する記憶装置と、監視プログラムを実行する処理装置と、を備え、監視プログラムは、監視データが入力される入力モジュールを含み、管理情報は、監視対象の監視対象識別情報と、入力モジュールの入力識別情報とを含み、処理装置は、管理情報を参照し、監視対象の監視対象識別情報と監視対象の監視データとを含む通信データに含まれる監視データを入力する特定の入力モジュールを特定し、特定した特定の入力モジュールに対して通信データに含まれる監視データを入力し、特定した特定の入力モジュールを含む監視プログラムを実行する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象の監視データに基づいて前記監視対象を監視して監視結果を出力する監視プログラムと、前記監視プログラムを管理する管理情報と、を記憶する記憶装置と、
前記監視プログラムを実行する処理装置と、を備え、
前記監視プログラムは、前記監視データが入力される入力モジュールを含み、
前記管理情報は、前記監視対象の監視対象識別情報と、前記入力モジュールの入力識別情報とを含み、
前記処理装置は、
前記管理情報を参照し、前記監視対象の前記監視対象識別情報と前記監視対象の前記監視データとを含む通信データに含まれる前記監視データを入力する特定の入力モジュールを特定し、
特定した前記特定の入力モジュールに対して前記通信データに含まれる前記監視データを入力し、特定した前記特定の入力モジュールを含む前記監視プログラムを実行する、監視制御システム。
【請求項2】
前記管理情報は、前記監視対象の前記監視対象識別情報と、前記監視プログラムのプログラム識別情報と、前記入力モジュールの前記入力識別情報とが一対一で対応付けられた情報であり、
前記処理装置は、前記管理情報を参照し、前記通信データに含まれる前記監視データを入力する前記特定の入力モジュールを含む前記監視プログラムを特定する、請求項1に記載の監視制御システム。
【請求項3】
前記管理情報は、前記監視対象の前記監視対象識別情報と、前記入力モジュールの前記入力識別情報と、前記監視結果の出力形式を示す出力識別情報とが一対一で対応付けられた情報であり、
前記処理装置は、前記管理情報を参照し、前記通信データに含まれる前記監視対象識別情報に対応する前記出力識別情報に応じた出力形式を特定し、特定した前記出力形式で前記監視結果を出力する、請求項1に記載の監視制御システム。
【請求項4】
前記記憶装置に記憶される複数の前記監視プログラムは、第1監視プログラムと、前記第1監視プログラムの第1監視結果に基づいて監視結果を出力する第2監視プログラムとを含み、
前記管理情報は、前記監視対象の前記監視対象識別情報と、前記第1監視プログラムの第1入力モジュールについての前記入力識別情報と、前記第1監視結果を入力する前記第2監視プログラムの第2入力モジュールについての前記入力識別情報とが一対一で対応付けられた情報であり、
前記処理装置は、
前記管理情報を参照し、前記第1監視プログラムにより出力された前記第1監視結果を入力する前記第2入力モジュールを特定し、
特定した前記第2入力モジュールに前記第1監視結果を入力し、特定した前記第2入力モジュールを含む前記第2監視プログラムを実行する、請求項1に記載の監視制御システム。
【請求項5】
監視対象の監視データに基づいて前記監視対象を監視して監視結果を出力する監視プログラムを生成する処理装置と、
前記監視プログラムを記憶する記憶装置と、を備え、
前記処理装置は、
論理回路に対応する複数の演算ユニットのそれぞれを画面上において指定可能な状態で表示する表示データを生成し、
前記複数の演算ユニットのうちの前記監視対象の監視に用いる複数の第1演算ユニットと、前記複数の第1演算ユニットのそれぞれに対応するモジュールの実行条件との指定を前記画面上において受け付け、
前記複数の第1演算ユニットのそれぞれについて各演算ユニットに対応する前記実行条件が満たされたことに応じて各演算ユニットに対応するモジュールを実行するプログラムを、前記監視対象を監視して監視結果を出力する前記監視プログラムとして生成する、監視制御システム。
【請求項6】
前記複数の演算ユニットに対応するモジュールは、前記監視データが入力される入力モジュールを含み、
前記処理装置は、前記監視対象の監視対象識別情報と、前記監視対象の監視プログラムについてのプログラム識別情報と、前記監視対象の監視プログラムについての前記入力モジュールの入力識別情報とが一対一で対応付けられた管理情報を生成する、請求項5に記載の監視制御システム。
【請求項7】
前記複数の第1演算ユニットのうちの前記監視対象の監視に要する所定の演算に用いる複数の第2演算ユニットと、前記所定の演算を行う場合における前記複数の第2演算ユニットのそれぞれに対応するモジュールの実行条件との指定を前記画面上において受け付け、
指定を受け付けた前記複数の第2演算ユニットと、前記複数の第2演算ユニットのそれぞれに対応するモジュールの実行条件とを他の演算ユニットに置換し、
前記他の演算ユニットを前記画面上において指定可能な状態で表示する表示データを生成する、請求項5に記載の監視制御システム。
【請求項8】
監視対象の監視データに基づいて前記監視対象を監視して監視結果を出力する監視プログラムと、前記監視プログラムを管理する管理情報と、を記憶する記憶装置と、前記監視プログラムを実行する処理装置と、を備えた監視制御システムにおける前記処理装置に実行させる監視制御プログラムであって、
前記監視プログラムは、前記監視データが入力される入力モジュールを含み、
前記管理情報は、前記監視対象の監視対象識別情報と、前記入力モジュールの入力識別情報とを含み、
前記管理情報を参照し、前記監視対象の前記監視対象識別情報と前記監視対象の前記監視データとを含む通信データに含まれる前記監視データを入力する特定の入力モジュールを特定し、
特定した前記特定の入力モジュールに対して前記通信データに含まれる前記監視データを入力し、特定した前記特定の入力モジュールを含む前記監視プログラムを実行する、監視制御プログラム。
【請求項9】
監視対象の監視データに基づいて前記監視対象を監視して監視結果を出力する監視プログラムを生成する処理装置と、前記監視プログラムを記憶する記憶装置と、を備えた監視制御システムにおける前記処理装置に実行させる監視制御プログラムであって、
論理回路に対応する複数の演算ユニットのそれぞれを画面上において指定可能な状態で表示する表示データを生成し、
前記複数の演算ユニットのうちの前記監視対象の監視に用いる複数の第1演算ユニットと、前記複数の第1演算ユニットのそれぞれに対応するモジュールの実行条件との指定を前記画面上において受け付け、
前記複数の第1演算ユニットのそれぞれについて各演算ユニットに対応する前記実行条件が満たされたことに応じて各演算ユニットに対応するモジュールを実行するプログラムを、前記監視対象を監視して監視結果を出力する前記監視プログラムとして生成する、監視制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視制御システム及び監視制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
各種プラントでは、例えば、プラントを構成する各機器の稼働状態についての監視が行われる。具体的に、このようなプラントでは、例えば、プラントを構成する各機器の稼働状態を示す情報を入力として、予め定められた監視方法(以下、監視ロジックとも呼ぶ)に対応する演算を実行し、その実行結果を用いて各機器の稼働状態についての監視を行う(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-166818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなプラントにおいて、プラントを構成する各機器の監視を効率的に行う方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における監視制御システムは、監視対象の監視データに基づいて前記監視対象を監視して監視結果を出力する監視プログラムと、前記監視プログラムを管理する管理情報と、を記憶する記憶装置と、前記監視プログラムを実行する処理装置と、を備え、前記監視プログラムは、前記監視データが入力される入力モジュールを含み、前記管理情報は、前記監視対象の監視対象識別情報と、前記入力モジュールの入力識別情報とを含み、前記処理装置は、前記管理情報を参照し、前記監視対象の前記監視対象識別情報と前記監視対象の前記監視データとを含む通信データに含まれる前記監視データを入力する特定の入力モジュールを特定し、特定した前記特定の入力モジュールに対して前記通信データに含まれる前記監視データを入力し、特定した前記特定の入力モジュールを含む前記監視プログラムを実行する。
【発明の効果】
【0006】
本開示における監視制御システムによれば、プラントを構成する各機器の監視を効率的に行うことを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施の形態における処理システム1000の構成について説明する図である。
図2図2は、第1の実施の形態における監視制御装置100のハードウエア構成を説明する図である。
図3図3は、第1の実施の形態における監視制御装置100のブロック図である。
図4図4は、第1の実施の形態における監視制御装置100のブロック図である。
図5図5は、第1の実施の形態における監視制御装置100のブロック図である。
図6図6は、第1の実施の形態における監視制御処理を説明するフローチャート図である。
図7図7は、第1の実施の形態における監視制御処理を説明するフローチャート図である。
図8図8は、ステップS2の具体例について説明する図である。
図9図9は、ステップS2の具体例について説明する図である。
図10図10は、ステップS5及びステップS6の具体例について説明する図である。
図11図11は、ステップS5及びステップS6の具体例について説明する図である。
図12図12は、監視データ141を含む通信データDTの具体例について説明する図である。
図13図13は、管理情報142の具体例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる説明は限定的な意味に解釈されるべきではなく、特許請求の範囲に記載の主題を限定するものではない。また、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することがなく様々な変更や置換や改変をすることができる。また、異なる実施の形態を適宜組み合わせることができる。
【0009】
[第1の実施の形態における処理システム1000]
初めに、第1の実施の形態における処理システム1000の構成について説明を行う。図1は、第1の実施の形態における処理システム1000の構成について説明する図である。
【0010】
処理システム1000は、例えば、河川水等の原水(以下、被処理水とも呼ぶ)を処理する処理システムである。具体的に、処理システム1000は、図1に示すように、例えば、機場P1と、機場P2と、監視制御システム300とを有する。さらに具体的に、監視制御システム300は、例えば、監視制御装置100(以下、処理装置100とも呼ぶ)と、記憶装置200とを有する。
【0011】
機場P1及び機場P2のそれぞれは、例えば、被処理水を処理する浄水場や、浄水場において処理された処理水を貯留する配水池である。以下、機場P1及び機場P2を総称して単に機場Pとも呼ぶ。なお、以下、処理システム1000が2つの機場P(機場P1及び機場P2)を有する場合について説明を行うが、処理システム1000は、例えば、1つまたは3つ以上の機場を有するものであってもよい。
【0012】
具体的に、機場P1には、図1に示すように、例えば、施設F1及び施設F2が配置されている。また、機場P2には、例えば、施設F3及び施設F4が配置されている。さらに、施設F1には、例えば、機器E11、機器E12、機器E13及び機器E14が設置されており、施設F2には、例えば、機器E21及び機器E22が設置されている。また、施設F3には、例えば、機器E31、機器E32及び機器E33が設置されており、施設F4には、例えば、機器E41、機器E42、機器E43及び機器E44が設置されている。以下、施設F1、施設F2、施設F3及び施設F4を総称して単に施設Fとも呼ぶ。また、機器E11、機器E12、機器E13、機器E14、機器E21、機器E22、機器E31、機器E32、機器E33、機器E41、機器E42、機器E43及び機器E44を総称して単に機器Eとも呼ぶ。なお、各機場Pに配置される施設Fの数や各施設Fに配置される機器Eの数は、例えば、図1に示す数以外の数であってもよい。
【0013】
さらに具体的に、例えば、機場P1が浄水場である場合、機場P1に配置される各施設F1及び施設F2のそれぞれは、例えば、沈殿池や濾過池等であってよい。また、この場合、施設F1に設置される機器E11、機器E12及び機器E13のそれぞれは、例えば、水位計やポンプ等であってよい。
【0014】
監視制御装置100は、例えば、物理マシンまたは仮想マシンであり、各機場Pに設置された各機器Eの監視を制御する処理(以下、監視制御処理とも呼ぶ)を行う装置である。監視制御装置100は、例えば、各機場Pに設置された通信装置(図示せず)とインターネット等のネットワークNWを介して通信が可能である。また、監視制御装置100は、例えば、記憶装置200と通信が可能である。なお、監視制御装置100は、例えば、クラウド(図示せず)上に配置された装置であってよい。
【0015】
記憶装置200は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等を搭載した装置であり、監視制御処理の実行に要する各種情報を記憶する。そして、監視制御装置100は、例えば、記憶装置200に記憶された各種情報を参照し、監視制御処理を実行する。なお、記憶装置200は、例えば、クラウド上に配置された装置であってよい。
【0016】
具体的に、監視制御装置100は、例えば、各機器Eの稼働状況を示す監視データ(例えば、各機器Eの測定値)を各機場Pから取得する。そして、監視制御装置100は、例えば、取得した監視データを用いることによって各機器Eの監視を行う。
【0017】
さらに具体的に、監視制御装置100は、例えば、監視対象の機器E(以下、特定の機器Eとも呼ぶ)の稼働状態を示す監視データ(以下、特定の監視データとも呼ぶ)を取得する。
【0018】
そして、監視制御装置100は、例えば、複数の機器Eのそれぞれの監視を行う複数の監視プログラムについての管理情報を記憶する記憶装置200を参照し、特定の機器Eに対応する管理情報(以下、特定の管理情報とも呼ぶ)を特定する。複数の監視プログラムのそれぞれは、例えば、予め定められた監視ロジックに従った演算を行うことによって機器Eの監視を行うプログラムである。
【0019】
続いて、監視制御装置100は、例えば、複数の監視プログラムから、特定の管理情報に対応する監視プログラム(以下、特定の監視プログラムとも呼ぶ)を特定する。すなわち、監視制御装置100は、例えば、複数の監視プログラムから、特定の機器Eの監視を行う特定の監視プログラムを特定する。さらに、監視制御装置100は、例えば、特定した特定の監視プログラムに含まれる1以上の入力モジュールから、特定の管理情報に対応する入力モジュール(以下、特定の入力モジュールとも呼ぶ)を特定する。すなわち、監視制御装置100は、例えば、特定の監視プログラムに含まれる1以上の入力モジュールから、特定の監視データを入力する特定の入力モジュールを特定する。
【0020】
その後、監視制御装置100は、例えば、特定の入力モジュールに対して特定の監視データを入力することにより、特定の監視プログラムを実行させて特定の機器Eの監視を行う。
【0021】
すなわち、監視制御装置100は、例えば、特定の機器Eが設置された機場P(以下、特定の機場Pとも呼ぶ)と異なる場所に配置された装置(例えば、クラウド上に配置された装置)であり、特定の監視データ(特定の機器Eについての監視データ)を特定の機場Pから随時受信する。そして、監視制御装置100は、例えば、特定の監視データを特定の入力モジュールに対する入力として、特定の機器Eに対応する特定の監視プログラムを実行させることにより、特定の機器Eの稼働状態についての監視を行う。
【0022】
これにより、本実施の形態における監視制御システム300は、例えば、互いに異なる場所に設けられた複数の機場Pのそれぞれに設置された各機器Eの監視を行う必要がある場合であっても、複数の機場Pのそれぞれから各機器Eの監視データを取得することで、複数の機場Pのそれぞれに設置された各機器Eを一元的に監視することが可能になる。そのため、監視制御システム300は、例えば、各機器Eの監視を機場Pごとに行う場合と比較して、各機器Eの監視に要する作業負荷を抑制することが可能になる。
【0023】
また、本実施の形態における監視制御システム300は、例えば、複数の機場Pのそれぞれに設置された各機器Eの監視データを収集することで、異なる機場Pに設置された各機器Eの監視データのそれぞれを連携させた監視を行うことが可能になる。そのため、監視制御システム300は、例えば、各機器Eの監視を機場Pごとに行う場合と比較して、より複雑な内容の監視ロジックに従った異常検知を行うことが可能になり、各機器Eについてのより多くの種類の異常を検知することが可能になる。したがって、監視制御システム300は、例えば、各機場Pにおける運用をより安定化させることが可能になる。
【0024】
なお、以下、1台の監視制御装置100が監視制御処理を実行する場合について説明を行うが、これに限られない。具体的に、監視制御処理の実行に要する各機能は、例えば、インターネット等のネットワークを介して互いにアクセス可能な複数台の監視制御装置100(以下、単に複数台の監視制御装置100とも呼ぶ)に分散配置されるものであってもよい。そして、監視制御処理は、例えば、複数台の監視制御装置100が互いに連携することによって実行されるものであってもよい。
【0025】
[監視制御装置100のハードウエア構成]
次に、監視制御装置100のハードウエア構成について説明を行う。図2は、第1の実施の形態における監視制御装置100のハードウエア構成を説明する図である。
【0026】
監視制御装置100は、例えば、電子回路を有する電子機器である。具体的に、監視制御装置100は、図2に示すように、例えば、プロセッサであるCPU(Central Computing Unit)101と、メモリ102と、通信装置103と、記憶媒体104とを有するコンピュータ装置である。各部は、例えば、バス105を介して互いに接続される。
【0027】
記憶媒体104は、例えば、監視制御処理を行うためのプログラム110を記憶するプログラム格納領域(図示しない)を有する。
【0028】
また、記憶媒体104は、例えば、監視制御処理の実行に要する各種情報を記憶する記憶部130(以下、情報格納領域130とも呼ぶ)を有する。具体的に、記憶媒体104は、例えば、HDDやSSDであってよい。
【0029】
CPU101は、例えば、記憶媒体104からメモリ102にロードされた110を実行することによって監視制御処理を行う。
【0030】
通信装置103は、例えば、インターネット等のネットワークNWを介して各機場Pの通信装置とアクセスを行う。また、通信装置103は、例えば、記憶装置200とアクセスを行う。
【0031】
なお、以下、監視制御処理の実行に要する管理情報等の各種情報や各監視プログラムが記憶装置200に記憶される場合について説明を行うが、これに限られない。具体的に、各種情報や各監視プログラムは、例えば、情報格納領域130に記憶されるものであってもよい。そして、監視制御装置100は、例えば、記憶装置200にアクセスすることなく、情報格納領域130に記憶された各種情報や各監視プログラムを用いることによって監視制御処理を実行するものであってもよい。すなわち、監視制御システム300は、この場合、例えば、記憶装置200を有しないものであってもよい。
【0032】
また、監視制御装置100が有する電子回路は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってもよい。そして、監視制御処理は、この場合、例えば、FPGAやASICにおいて実行されるものであってもよい。
【0033】
[監視制御装置100の機能及び記憶装置200に記憶された情報]
次に、監視制御装置100の機能及び記憶装置200に記憶された情報について説明を行う。図3から図5は、第1の実施の形態における監視制御装置100のブロック図である。具体的に、図3は、監視制御処理のうち、監視プログラムの生成を行う処理(以下、プログラム生成処理とも呼ぶ)を行うための機能のブロック図である。また、図4は、監視制御処理のうち、監視プログラムを用いて機器Eの監視を行う処理(以下、監視実行処理とも呼ぶ)を行うための機能のブロック図である。また、図5は、記憶装置200に記憶された各種情報のブロック図である。
【0034】
初めに、プログラム生成処理の機能について説明を行う。監視制御装置100は、図3に示すように、例えば、CPU101やメモリ102等のハードウエアとプログラムとが有機的に協働することにより、第1ユニット表示部111と、第1指定受付部112と、プログラム生成部113と、第2指定受付部114と、ユニット置換部115と、第2ユニット表示部116とを含む各種機能を実現する。
【0035】
また、記憶装置200は、図5に示すように、例えば、ユニット情報131と、表示データ132と、監視データ141と、管理情報142と、監視プログラムPGとを記憶する。
【0036】
第1ユニット表示部111は、例えば、論理回路に対応する複数の演算ユニットのそれぞれを、監視プログラムを生成する作業者(以下、単に作業者とも呼ぶ)の操作端末(図示せず)の画面上において指定可能な状態で表示する。複数の演算ユニットのそれぞれは、例えば、各論理回路を示すアイコンであって、操作端末の画面に表示可能な情報である。すなわち、複数の演算ユニットのそれぞれは、例えば、加算回路を示すアイコンや減算回路を示すアイコンであってよい。
【0037】
具体的に、第1ユニット表示部111は、例えば、記憶装置200に記憶されたユニット情報131を取得する。ユニット情報131は、例えば、複数の演算ユニットのそれぞれに対応するアイコンについての情報である。そして、第1ユニット表示部111は、例えば、取得したユニット情報131に対応する複数の演算ユニットを操作端末の画面上において指定可能な状態で表示する表示データ132を生成する。表示データ132は、例えば、HTML(HyperText Markup Language)形式のデータであってよい。その後、第1ユニット表示部111は、例えば、生成した表示データ132を操作端末の画面上において表示する。なお、第1ユニット表示部111は、例えば、生成した表示データ132を記憶装置200に記憶するものであってもよい。
【0038】
第1指定受付部112は、例えば、第1ユニット表示部111によって操作端末の画面に表示された複数の演算ユニットのうち、機器Eの監視に用いる複数の演算ユニット(以下、複数の第1演算ユニットとも呼ぶ)の指定を、操作端末の画面上において受け付ける。また、第1指定受付部112は、例えば、機器Eの監視を行う場合における複数の第1演算ユニットのそれぞれに対応するモジュール(演算)の実行条件の指定を、操作端末の画面上において受け付ける。複数の第1演算ユニットのそれぞれに対応するモジュールの実行条件は、例えば、複数の第1演算ユニットのそれぞれに対応するモジュールの実行順序であってよい。すなわち、第1指定受付部112は、例えば、作業者による複数の第1演算ユニット等の指定を受け付ける。
【0039】
プログラム生成部113は、例えば、第1指定受付部112が指定を受け付けた複数の第1演算ユニットのそれぞれについて各演算ユニットに対応する実行条件が満たされたことに応じて各演算ユニットに対応するモジュールを実行するプログラムを、機器Eの監視プログラムPGとして生成する。そして、プログラム生成部113は、例えば、生成した監視プログラムPGを記憶装置200に格納する。すなわち、プログラム生成部113は、例えば、作業者が操作端末の画面上において指定した複数の第1演算ユニット等に対応する監視プログラムPGを生成する。
【0040】
第2指定受付部114は、例えば、操作端末の画面に表示された複数の第1演算ユニットのうち、機器Eの監視に要する演算(以下、所定の演算とも呼ぶ)に用いる複数の演算ユニット(以下、複数の第2演算ユニットとも呼ぶ)の指定を、操作端末の画面上において受け付ける。所定の演算は、例えば、監視プログラムPGに含まれる1以上の関数の組合せである。また、第2指定受付部114は、例えば、所定の演算を行う場合における複数の第2演算ユニットのそれぞれに対応するモジュールの実行条件との指定を、操作端末の画面上において受け付ける。
【0041】
ユニット置換部115は、例えば、第2指定受付部114が指定を受け付けた複数の第2演算ユニットと、所定の演算を行う場合における複数の第2演算ユニットのそれぞれに対応するモジュールの実行条件とを含む内容を、他の演算ユニットに置換する。
【0042】
第2ユニット表示部116は、例えば、ユニット置換部115が置換した他の演算ユニットを操作端末の画面上において指定可能な状態で表示する。具体的に、第2ユニット表示部116は、例えば、記憶装置200に記憶されたユニット情報131に対応する複数の演算ユニットと他の演算ユニットとを操作端末の画面上において指定可能な状態で表示する新たな表示データ132を生成する。そして、第2ユニット表示部116は、例えば、生成した新たな表示データ132を操作端末の画面上において表示する。なお、第2ユニット表示部116は、例えば、生成した新たな表示データ132を記憶装置200に記憶するものであってもよい。
【0043】
次に、監視実行処理の機能について説明を行う。監視制御装置100は、図4に示すように、例えば、CPU101やメモリ102等のハードウエアとプログラムとが有機的に協働することにより、情報取得部121と、情報特定部122と、プログラム特定部123と、入力特定部124と、監視実行部125と、情報生成部126と、情報出力部127とを含む各種機能を実現する。
【0044】
情報取得部121は、例えば、機器E(特定の機器E)の稼働状態を示す監視データ141(特定の監視データ141)を取得する。具体的に、情報取得部121は、例えば、機器Eが設置された機場P(機場Pの通信装置)から送信された監視データ141を受信する。
【0045】
情報特定部122は、例えば、複数の機器Eのそれぞれの監視を行う複数の監視プログラムPGについての管理情報142を記憶する記憶装置200を参照し、情報取得部121が取得した監視データ141に対応する管理情報142(特定の管理情報142)を特定する。
【0046】
プログラム特定部123は、例えば、記憶装置200に記憶された複数の監視プログラムPG(プログラム生成処理において生成された複数の監視プログラムPG)から、情報特定部122が特定した管理情報142に対応する監視プログラムPG(特定の監視プログラムPG)を特定する。
【0047】
入力特定部124は、例えば、プログラム特定部123が特定した監視プログラムPGに含まれる1以上の入力モジュールから、情報特定部122が特定した管理情報142に対応する入力モジュール(特定の入力モジュール)を特定する。
【0048】
監視実行部125は、例えば、入力特定部124が特定した入力モジュールに対して、情報取得部121が取得した監視データ141を入力することにより、プログラム特定部123が特定した監視プログラムPGを実行させて機器E(特定の機器E)の監視を行う。
【0049】
情報生成部126は、例えば、監視実行部125による監視プログラムPGの実行結果から出力情報を生成する。出力情報は、例えば、監視実行部125による監視プログラムPGの実行結果が機器Eにおける異常の発生を示しているか否かについての情報である。
【0050】
情報出力部127は、例えば、情報生成部126が生成した出力情報を出力する。具体的に、情報出力部127は、例えば、情報生成部126が生成した出力情報を操作端末の画面上に表示する。
【0051】
なお、情報取得部121は、例えば、機器Eが設置された機場Pから送信された監視データ141を記憶装置200に蓄積するものであってもよい。そして、情報特定部122は、例えば、管理情報142を記憶する記憶装置200を参照し、記憶装置200に記憶された監視データ141のうちのいずれかの監視データ141(例えば、作業者によって指定された時間帯に発生した監視データ141)に対応する管理情報142を特定するものであってもよい。すなわち、監視制御装置100は、例えば、過去に発生した監視データ141(記憶装置200に記憶済の監視データ141)を用いることによって機器Eの監視を行うものであってもよい。
【0052】
[第1の実施の形態における監視制御処理]
次に、第1の実施の形態における監視制御処理について説明する。図6及び図7は、第1の実施の形態における監視制御処理を説明するフローチャート図である。また、図8から図13は、第1の実施の形態における監視制御処理を説明する図である。
【0053】
[プログラム生成処理]
初めに、監視制御処理のうちのプログラム生成処理について説明を行う。図6は、第1の実施の形態におけるプログラム生成処理を説明するフローチャート図である。
【0054】
第1ユニット表示部111は、図6に示すように、例えば、記憶装置200に記憶されたユニット情報131を参照して、複数の演算ユニット(複数のアイコン)のそれぞれを操作端末の画面上に表示する(図6のステップS1)。具体的に、第1ユニット表示部111は、例えば、記憶装置200に記憶されたユニット情報131から表示データ132を生成し、生成した表示データ132を操作端末の画面上に表示する。
【0055】
そして、第1指定受付部112は、例えば、機器Eの監視に用いる複数の第1演算ユニットと複数の第1演算ユニットのそれぞれに対応するモジュールの実行条件との指定を受け付けるまで待機する(図6のステップS2のNO)。すなわち、第1指定受付部112は、例えば、機器Eの監視に用いる複数の第1演算ユニットと複数の第1演算ユニットのそれぞれに対応するモジュールの実行条件とを作業者が操作端末の画面上において指定するまで待機する。
【0056】
その後、機器Eの監視に用いる複数の第1演算ユニットと複数の第1演算ユニットのそれぞれに対応するモジュールの実行条件との指定を受け付けた場合(図6のステップS2のYES)、監視制御装置100は、例えば、図6のステップS3以降の処理を行う。以下、ステップS2の具体例について説明を行う。
【0057】
[ステップS2の具体例]
図8及び図9は、ステップS2の具体例について説明する図である。具体的に、図8及び図9は、操作端末の画面OPの具体例について説明する図である。
【0058】
図8に示すように、画面OPの一部(以下、画面OP2とも呼ぶ)には、例えば、作業者が指定可能な複数の演算ユニットC(複数のアイコン)が表示される。すなわち、画面OP2には、例えば、監視制御装置100がユニット情報131から生成した表示データ132が表示される。
【0059】
具体的に、画面OP2には、例えば、機器Eから取得された監視データ141に含まれる値を後段の演算ユニットCに入力する演算ユニットC1(以下、入力C1とも呼ぶ)と、前段の演算ユニットCから入力された値を演算結果として出力する演算ユニットC2(以下、出力C2とも呼ぶ)と、前段の演算ユニットCから入力された値についての加算を行う演算ユニットC3(以下、加算C3とも呼ぶ)と、前段の演算ユニットCから入力された値についての減算を行う演算ユニットC4(以下、減算C4とも呼ぶ)と、前段の演算ユニットCから入力された値についての乗算を行う演算ユニットC5(以下、乗算C5とも呼ぶ)と、前段の演算ユニットCから入力された値についての除算を行う演算ユニットC6(以下、除算C6とも呼ぶ)と、予め定められた設定値を保持する演算ユニットC7(以下、設定値C7とも呼ぶ)と、前段の演算ユニットCから入力された値の絶対値を算出する演算ユニットC8(以下、絶対値C8とも呼ぶ)とが指定可能な状態で表示される。
【0060】
なお、画面OP2に表示される演算ユニットCの組合せ(表示データ132に情報が含まれる演算ユニットCの組合せ)は、これに限られない。具体的に、画面OP2には、例えば、図8に示す演算ユニットCのうちの一部のみが表示されるものであってもよい。また、画面OP2には、例えば、図8に示す演算ユニットC以外の演算ユニットがさらに表示されるものであってもよい。
【0061】
そして、作業者は、例えば、画面OP2に表示された1以上の演算ユニットCを選択し、選択した1以上の演算ユニットCを画面OPの他の一部(以下、画面OP1とも呼ぶ)に配置する。
【0062】
具体的に、作業者は、図8に示すように、例えば、1つ目の入力C1(以下、入力C1aとも呼ぶ)と、2つ目の入力C1(以下、入力C1bとも呼ぶ)と、1つ目の減算C4(以下、減算C4aとも呼ぶ)と、設定値C7(以下、設定値C7aとも呼ぶ)と、2つ目の減算C4(以下、減算C4bとも呼ぶ)と、絶対値C8(以下、絶対値C8aとも呼ぶ)と、出力C2(以下、出力C2aとも呼ぶ)とをそれぞれ選択して画面OP1に配置する。
【0063】
次に、作業者は、図9に示すように、例えば、選択して配置した1以上の演算ユニットCの実行条件についての指定を行う。すなわち、作業者は、例えば、選択して配置した1以上の演算ユニットCのそれぞれの演算に用いる値の指定を行う。
【0064】
具体的に、作業者は、例えば、入力C1aと減算C4aとを結ぶラインL1と、入力C1bと減算C4aとを結ぶラインL2とを指定する。すなわち、作業者は、この場合、例えば、入力C1aから入力された値と入力C1bから入力された値とを用いることによって、減算C4aに対応する演算(例えば、入力C1aから入力された値から入力C1bから入力された値を減算する演算)を行う旨を指定する。
【0065】
また、作業者は、例えば、減算C4aと減算C4bとを結ぶラインL3と、設定値C7aと減算C4bとを結ぶラインL4とを指定する。すなわち、作業者は、この場合、例えば、減算C4aから入力された値と設定値C7aから入力された値とを用いることによって、減算C4bに対応する演算(例えば、減算C4aから入力された値から設定値C7aから入力された値を減算する演算)を行う旨を指定する。
【0066】
また、作業者は、例えば、減算C4bと絶対値C8aとを結ぶラインL5を指定する。すなわち、作業者は、この場合、例えば、減算C4bから入力された値を用いることによって、絶対値C8aに対応する演算(例えば、減算C4bから入力された値の絶対値を算出する演算)を行う旨を指定する。
【0067】
また、作業者は、例えば、絶対値C8aと出力C2aとを結ぶラインL6を指定する。すなわち、作業者は、この場合、例えば、絶対値C8aから入力された値を演算結果として出力する旨を指定する。以下、ラインL1、ラインL2、ラインL3、ラインL4、ラインL5及びラインL6を総称して単にラインLとも呼ぶ。
【0068】
図6に戻り、プログラム生成部113は、例えば、ステップS2において指定を受け付けた複数の第1演算ユニットのそれぞれについて各演算ユニットに対応するモジュールの実行条件が満たされたことに応じて各演算ユニットに対応するモジュールを実行するプログラムを、機器Eの監視プログラムPGとして生成する(図6のステップS3)。そして、プログラム生成部113は、例えば、生成した監視プログラムPGを記憶装置200に格納する。
【0069】
すなわち、例えば、図9で説明した画面OP1において演算ユニットC等が指定された機器Eについての監視プログラムPGが生成される場合、プログラム生成部113は、例えば、入力C1aに対して入力された値を減算C4aに入力する入力モジュール(入力C1aに対応するモジュール)と、入力C1bに対して入力された値を減算C4aに入力する入力モジュール(入力C1bに対応するモジュール)と、入力C1aに入力された値から入力C1bに入力された値を減算して第1の値を算出する演算モジュール(減算C4aに対応するモジュール)と、予め定められた設定値を保持する記憶モジュール(設定値C7aに対応するモジュール)と、第1の値から予め定められた設定値を減算して第2の値を算出する演算モジュール(減算C4bに対応するモジュール)と、第2の値の絶対値を算出する演算モジュール(絶対値C8aに対応するモジュール)と、第2の値の絶対値を実行結果として出力する出力モジュール(出力C2aに対応するモジュール)と、を有する監視プログラムPGを生成する。
【0070】
具体的に、例えば、入力C1aに対して入力される値が配水池(例えば、図1で説明した施設F1)の上流側に設けられた流量計(例えば、図1で説明した機器E11)によって測定された流量(すなわち、配水池に対する流入流量)であり、入力C1bに対して入力される値が同じ配水池の下流側に設けられた流量計(例えば、図1で説明した機器E12)によって測定された流量(すなわち、配水池からの流出流量)である場合、プログラム生成部113は、例えば、配水池に対する流入流量と配水池からの流出流量の差を算出し、算出した差を用いて配水池において異常が発生しているか否かを判定する監視プログラムPGを生成するものであってよい。
【0071】
このように、本実施の形態における監視制御システム300は、例えば、監視対象(例えば、機器E)の監視データ141に基づいて監視対象を監視して監視結果を出力する監視プログラムPGを生成する監視制御装置100と、監視プログラムPGを記憶する記憶装置200と、を備える。
【0072】
そして、監視制御装置100は、例えば、論理回路に対応する複数の演算ユニットCのそれぞれを画面上において指定可能な状態で表示する表示データ132を生成する。続いて、監視制御装置100は、例えば、複数の演算ユニットCのうちの監視対象(以下、特定の監視対象とも呼ぶ)の監視に用いる複数の第1演算ユニットCと、特定の監視対象の監視を行う場合における複数の第1演算ユニットCのそれぞれに対応するモジュールの実行条件との指定を画面上において受け付ける。さらに、監視制御装置100は、例えば、複数の第1演算ユニットCのそれぞれについて各演算ユニットCに対応する実行条件が満たされたことに応じて各演算ユニットに対応するモジュールを実行するプログラムを、特定の監視対象を監視して監視結果を出力する特定の監視プログラムPGとして生成する。
【0073】
すなわち、作業者は、例えば、複数の第1演算ユニットCと複数の第1演算ユニットCのそれぞれに対応するモジュールの実行条件との指定を操作端末の画面上において行うことで、監視対象の監視を行う監視プログラムPGを自動的に生成することが可能になる。
【0074】
これにより、作業者は、例えば、画面上における直感的な操作によって監視プログラムPGの生成を行うことが可能になり、監視プログラムPGの生成に伴う作業負荷を抑制することが可能になる。具体的に、作業者は、例えば、監視プログラムPGのソースコードの生成等を行う必要がなくなるため、監視プログラムPGの生成に伴う作業負荷を抑制することが可能になる。また、作業者は、例えば、生成済の監視プログラムPGに対応する情報(例えば、生成済の監視プログラムPGの生成に用いられた複数の第1演算ユニットC等)を操作端末の画面上に表示することで、生成済の監視プログラムPGにおける演算内容等を容易に把握することが可能になる。
【0075】
また、本実施の形態において、複数の演算ユニットCに対応するモジュールは、例えば、監視データ141が入力される入力モジュールを含む。そして、監視制御装置100は、例えば、特定の監視対象の監視対象識別情報と、特定の監視対象の監視プログラムPGについてのプログラム識別情報と、特定の監視対象の監視プログラムPGについての入力モジュールの入力識別情報とが一対一で対応付けられた管理情報142を生成する。
【0076】
すなわち、本実施の形態における監視制御装置100は、例えば、作業者が監視プログラムPGを生成するために指定した情報を用いることによって、後述する監視実行処理において用いる管理情報142についても自動的に生成する。
【0077】
これにより、監視制御装置100は、例えば、監視実行処理において用いられる管理情報142の生成に要する作業負担についても抑制することが可能になる。
【0078】
図6に戻り、例えば、所定の演算に用いる複数の第2演算ユニットCと、所定の演算を行う場合における複数の第2演算ユニットCのそれぞれに対応するモジュールの実行条件との指定を操作端末の画面上において受け付けた場合(図6のステップS4のYES)、ユニット置換部115は、例えば、指定を受け付けた複数の第2演算ユニットCと、所定の演算を行う場合における複数の第2演算ユニットCのそれぞれに対応するモジュールの実行条件とを、他の演算ユニットCに置換する(図6のステップS5)。
【0079】
その後、第2ユニット表示部116は、例えば、ステップS5において置換した他の演算ユニットを示す情報を、操作端末の画面上において指定可能な状態で表示する(図6のステップS5)。以下、ステップS5及びステップS6の具体例について説明を行う。
【0080】
[ステップS5及びステップS6の具体例]
図10及び図11は、ステップS5及びステップS6の具体例について説明する図である。具体的に、図10及び図11は、操作端末の画面OPの具体例について説明する図である。
【0081】
作業者は、例えば、減算C4bと絶対値C8とを連続して行う演算が他の監視プログラムPGの生成時においても行われる可能性があると判定した場合、図10に示すように、図9で説明した画面OP1において減算C4bと絶対値C8とを含む範囲(以下、範囲BLとも呼ぶ)を指定する。
【0082】
そして、第2ユニット表示部116は、この場合、図11の下側に示すように、例えば、入力C1や出力C2等とともに、範囲BLに対応する新たな演算ユニットC(以下、ブロックユニットC9とも呼ぶ)についても指定可能な状態で画面OP2に表示する。具体的に、第2ユニット表示部116は、例えば、記憶装置200に記憶されたユニット情報131に対応する複数の演算ユニットCのそれぞれに加えてブロックユニットC9についても操作端末の画面上において指定可能な状態で表示する新たな表示データ132を生成し、生成した新たな表示データ132を画面OP2に表示する。
【0083】
また、ユニット置換部115は、この場合、図11の上側に示すように、例えば、減算C4bと絶対値C8とラインL5とに代えてブロックユニットC9を画面OP1に表示する。すなわち、ユニット置換部115は、この場合、例えば、画面OP1において、図10で説明した範囲BLに含まれる減算C4bと絶対値C8とラインL5とを、範囲BLに対応するブロックユニットC9に置換する。
【0084】
図6に戻り、例えば、所定の演算に用いる複数の第2演算ユニットCと、所定の演算を行う場合における複数の第2演算ユニットCのそれぞれの実行条件との指定が行われなかった場合(図6のステップS4のNO)、監視制御装置100は、例えば、ステップS5及びステップS6を行わない。
【0085】
このように、本実施の形態における監視制御装置100は、例えば、複数の第1演算ユニットCのうちの特定の監視対象の監視に要する所定の演算に用いる複数の第2演算ユニットと、所定の演算を行う場合における複数の第2演算ユニットのそれぞれに対応するモジュールの実行条件との指定を画面上において受け付ける。そして、監視制御装置100は、例えば、指定を受け付けた複数の第2演算ユニットと、所定の演算を行う場合における複数の第2演算ユニットのそれぞれに対応するモジュールの実行条件とを他の演算ユニットCに置換する。その後、監視制御装置100は、例えば、他の演算ユニットCを画面上において指定可能な状態で表示する表示データ132を生成する。
【0086】
すなわち、プログラム生成部113によって生成された監視プログラムPGには、例えば、他の監視プログラムPGの生成を行う際に用いられる可能性がある所定の演算(例えば、関数)が含まれる場合がある。そのため、作業者は、この場合、例えば、所定の演算に対応する複数の第2演算ユニットと複数の第2演算ユニットのそれぞれに対応するモジュールの実行条件とを操作端末の画面上において指定することで、所定の演算に対応する新たな演算ユニットCを生成する。
【0087】
これにより、作業者は、例えば、他の監視プログラムPGの生成を行う場合、所定の演算に対応する新たな演算ユニットCについても指定を行うことが可能になる。そのため、作業者は、例えば、他の監視プログラムPGの生成に用いる演算ユニットCの指定を効率的に行うことが可能になり、他の監視プログラムPGの生成に要する作業負荷をより抑制することが可能になる。
【0088】
[監視実行処理]
次に、監視制御処理のうちの監視実行処理について説明を行う。図7は、第1の実施の形態における監視実行処理を説明するフローチャート図である。
【0089】
情報取得部121は、図7に示すように、例えば、機器E(特定の機器E)の稼働状態を示す監視データ141(特定の監視データ141)を含む通信データを機器Eが設置された機場Pから受信するまで待機する(図7のステップS11のNO)。
【0090】
そして、機器Eの稼働状態を示す監視データ141を含む通信データを機器Eが設置された機場Pから受信した場合(図7のステップS11のYES)、情報特定部122は、例えば、複数の機器Eのそれぞれの監視を行う複数の監視プログラムPGについての管理情報142を記憶する記憶装置200を参照し、監視データ141を含む通信データを受信した機器Eに対応する管理情報142(特定の管理情報142)を特定する(図7のステップS12)。
【0091】
続いて、プログラム特定部123は、例えば、複数の監視プログラムPGから、ステップS12において特定した管理情報142に対応する監視プログラムPG(特定の監視プログラムPG)を特定する(図7のステップS13)。
【0092】
また、入力特定部124は、例えば、ステップS13において特定した監視プログラムPGに含まれる1以上の入力モジュールから、ステップS12において特定した管理情報142に対応する入力モジュール(特定の入力モジュール)を特定する(図7のステップS14)。
【0093】
その後、監視実行部125は、例えば、ステップS14において特定した入力モジュールに対して、ステップS11において受信した監視データ141を入力することにより、ステップS13において特定した監視プログラムPGを実行させて機器E(特定の機器E)の監視を行う(図7のステップS15)。以下、監視データ141を含む通信データ及び管理情報142の具体例について説明を行う。
【0094】
[監視データ141を含む通信データDTの具体例]
初めに、監視データ141を含む通信データDTの具体例について説明を行う。図12は、監視データ141を含む通信データDTの具体例について説明する図である。
【0095】
図12に示す通信データDTは、例えば、各機場Pの識別情報が設定される「機場ID」と、各施設Fの識別情報が設定される「施設ID」と、各機器Eの識別情報が設定される「機器ID」とを項目として有する。また、図12に示す通信データDTは、例えば、「機器ID」に識別情報が設定された機器Eの稼働状態を示す値(監視データ141)が設定される「値」を項目として有する。「値」には、例えば、機器Eが水位計である場合、水位を示す値が設定されるものであってよい。また、「値」には、例えば、機器Eが弁である場合、弁における流量を示す値が設定されるものであってよい。なお、以下、「機場ID」、「施設ID」及び「機器ID」のそれぞれに設定された情報の組合せを監視対象識別情報とも呼ぶ。
【0096】
具体的に、図12に示す通信データDTには、例えば、「機場ID」として「P1」が設定され、「施設ID」として「F1」が設定され、「機器ID」として「E11」が設定され、「値」として「100」が設定されている。
【0097】
[管理情報142の具体例]
次に、管理情報142の具体例について説明を行う。図13は、管理情報142の具体例について説明する図である。
【0098】
図13に示す管理情報142は、例えば、各機場Pの識別情報が設定される「機場ID」と、各施設Fの識別情報が設定される「施設ID」と、各機器Eの識別情報が設定される「機器ID」とを項目として有する。また、図13に示す管理情報142は、例えば、各監視プログラムPGの識別情報が設定される「プログラムID」と、各監視プログラムPGに含まれる入力モジュールの識別情報が設定される「入力ID」と、各監視プログラムPGから出力される実行結果の出力形式の識別情報が設定される「出力ID」とを項目として有する。なお、以下、「プログラムID」に設定された情報をプログラム識別情報とも呼び、「入力ID」に設定された情報を入力識別情報とも呼ぶ。
【0099】
具体的に、図13に示す管理情報142において、1行目の情報には、例えば、「機場ID」として「P1」が設定され、「施設ID」として「F1」が設定され、「機器ID」として「E11」が設定され、「プログラムID」として「PG11」が設定され、「入力ID」として「PG11_IN01」が設定され、「出力ID」として「PG11_OUT01」が設定される。
【0100】
すなわち、図13に示す管理情報142における1行目の情報は、例えば、「機場ID」、「施設ID」及び「機器ID」のそれぞれが「P1」、「F1」及び「E11」である通信データDTに含まれる監視データ141が、「プログラムID」が「PG11」である監視プログラムPGに含まれる入力モジュールのうちの「入力ID」が「PG11_IN01」である入力モジュールに入力される監視データ141であることを示している。また、図13に示す管理情報142における1行目の情報は、例えば、「プログラムID」が「PG11」である監視プログラムPGの実行結果を用いることにより、「出力ID」が「PG11_OUT01」である出力形式に対応する出力情報が生成されて出力されることを示している。
【0101】
また、図13に示す管理情報142において、2行目の情報には、例えば、「機場ID」として「P1」が設定され、「施設ID」として「F1」が設定され、「機器ID」として「E12」が設定され、「プログラムID」として「PG12」が設定され、「入力ID」として「PG12_IN01」が設定され、「出力ID」として「PG13_IN01」が設定される。
【0102】
すなわち、図13に示す管理情報142における2行目の情報は、例えば、「機場ID」、「施設ID」及び「機器ID」のそれぞれが「P1」、「F1」及び「E12」である通信データDTに含まれる監視データ141が、「プログラムID」が「PG12」である監視プログラムPGに含まれる入力モジュールのうちの「入力ID」が「PG12_IN01」である入力モジュールに入力される監視データ141であることを示している。また、図13に示す管理情報142における2行目の情報は、例えば、「プログラムID」が「PG11」である監視プログラムPGの実行結果が、「プログラムID」が「PG13」である監視プログラムPGに含まれる入力モジュールのうちの「入力ID」が「PG13_IN01」である入力モジュールに入力される情報であることを示している。言い換えれば、図13に示す管理情報142における2行目の情報は、例えば、「プログラムID」が「PG11」である監視プログラムPGの実行結果が、他の監視プログラムPGの入力モジュールに入力される情報として用いられることを示している。
【0103】
また、図13に示す管理情報142において、3行目の情報には、例えば、「機場ID」として「P1」が設定され、「施設ID」として「F1」が設定され、「機器ID」として「E13」が設定され、「プログラムID」として「PG13」が設定され、「入力ID」として「PG13_IN02」が設定され、「出力ID」として「PG13_OUT01」が設定される。
【0104】
すなわち、図13に示す管理情報142における3行目の情報は、例えば、「機場ID」、「施設ID」及び「機器ID」のそれぞれが「P1」、「F1」及び「E13」である通信データDTに含まれる監視データ141が、「プログラムID」が「PG13」である監視プログラムPGに含まれる入力モジュールのうちの「入力ID」が「PG13_IN02」である入力モジュールに入力される監視データ141であることを示している。また、図13に示す管理情報142における3行目の情報は、例えば、「プログラムID」が「PG13」である監視プログラムPGの実行結果を用いることにより、「出力ID」が「PG13_OUT01」である出力形式に対応する出力情報が生成されて出力されることを示している。図13に含まれる他の情報についての説明は省略する。
【0105】
ここで、図12で説明した通信データDTには、「機場ID」として「P1」が設定され、「施設ID」として「F1」が設定され、「機器ID」として「E11」が設定されている。また、図13で説明した管理情報142における1行目の情報には、「機場ID」として「P1」が設定され、「施設ID」として「F1」が設定され、「機器ID」として「E11」が設定されている。そのため、ステップS11で取得した監視データ141が図12で説明した通信データDTに含まれる監視データ141である場合、情報特定部122は、例えば、ステップS12において、図13で説明した管理情報142における1行目の情報を特定する。
【0106】
すなわち、図12で説明した通信データDTや図13で説明した管理情報142における「機場ID」、「施設ID」及び「機器ID」に設定された情報の組合せは、各機器Eと一対一の関係で対応付けられている。そのため、情報特定部122は、例えば、「機場ID」、「施設ID」及び「機器ID」に設定された情報の組合せを参照することにより、図13で説明した管理情報142のうち、図12で説明した通信データDTに対応する管理情報142を特定することが可能になる。
【0107】
また、図13で説明した管理情報142における1行目の情報には、「プログラムID」として「PG11」が設定され、「入力ID」として「PG11_IN01」が設定されている。そのため、プログラム特定部123は、この場合、例えば、ステップS13において、「プログラムID」が「PG11」である監視プログラムPGを特定する。さらに、入力特定部124は、この場合、例えば、ステップS14において、「入力ID」が「PG11_IN01」である入力モジュールを特定する。
【0108】
その後、監視実行部125は、例えば、図12で説明した通信データDTの「値」に設定された「100」を、「プログラムID」が「PG11」である監視プログラムPGに含まれる入力モジュールのうちの「入力ID」が「PG11_IN01」である入力モジュールに入力することにより、「プログラムID」が「PG11」である監視プログラムPGを実行する。
【0109】
なお、図12及び図13で説明した通信データDT及び管理情報142は、「機場ID」、「施設ID」及び「機器ID」を項目として有しているが、これに限られない。具体的に、通信データDT及び管理情報142は、例えば、「機場ID」、「施設ID」及び「機器ID」のうちの「機場ID」及び「施設ID」のみを項目として有するものであってもよい。すなわち、監視制御装置100は、例えば、各機場Pに配置された施設Fごとに監視を行うものであってもよい。また、通信データDT及び管理情報142は、例えば、「機場ID」、「施設ID」及び「機器ID」に加え、各機器Eにおける測定値の種別を示す「種別ID」を項目としてさらに有するものであってもよい。すなわち、監視制御装置100は、例えば、各機器Eの監視を各機器Eによって測定される測定値の種類ごとに行うものであってもよい。
【0110】
図7に戻り、情報生成部126は、例えば、ステップS15における監視プログラムPGの実行結果から出力情報を生成する。そして、情報出力部127は、例えば、情報生成部126が生成した出力情報を操作端末の画面上に表示する(図7のステップS16)。なお、情報生成部126及び情報出力部127の機能は、例えば、図7のステップS15で実行された監視プログラムPGに含まれる機能であってもよい。すなわち、図7のステップS16は、例えば、監視プログラムPGに含まれる出力モジュール(例えば、図9等で説明した出力C2aに対応するモジュール)によって実行されるものであってもよい。
【0111】
具体的に、図13で説明した管理情報142における1行目の情報には、「プログラムID」として「PG11」が設定され、「出力ID」として「PG11_OUT01」が設定されている。そのため、例えば、図13で説明した管理情報142における1行目の情報がステップS12において特定された場合、情報生成部126は、例えば、「プログラムID」が「PG11」である監視プログラムPGの実行結果(「プログラムID」が「PG11」である監視プログラムPGに含まれる出力モジュールから出力された実行結果)を用いることにより、「出力ID」が「PG11_OUT01」である出力形式に対応する出力情報を生成する。
【0112】
なお、各出力形式に対応する出力情報は、例えば、監視プログラムPGの実行結果が所定の条件を満たす場合に生成される情報であって、機器Eの稼働状態に関する情報であってよい。具体的に、各出力形式に対応する出力情報は、例えば、監視プログラムPGの実行結果が示す値が予め定められた正常範囲から外れている場合に生成される情報であって、機器Eにおいて異常が発生している可能性があることを示す情報であってよい。また、各出力形式に対応する出力情報は、例えば、監視プログラムPGの実行結果を可視化した情報(例えば、操作端末の画面において閲覧可能に出力される情報)であってよいし、監視プログラムPGの実行結果を可聴化した情報(例えば、音声情報や警報)であってよい。
【0113】
このように、本実施の形態における監視制御システム300は、例えば、監視対象の監視データ141に基づいて監視対象を監視して監視結果を出力する監視プログラムPGと、監視プログラムPGを管理する管理情報142と、を記憶する記憶装置200と、監視プログラムPGを実行する監視制御装置100と、を備える。また、監視プログラムPGは、例えば、監視データ141が入力される入力モジュールを含む。さらに、管理情報142は、例えば、監視対象の監視対象識別情報と、入力モジュールの入力識別情報とを含む。
【0114】
そして、監視制御装置100は、例えば、管理情報142を参照し、特定の監視対象の監視対象識別情報と特定の監視対象の監視データ141とを含む通信データDTに含まれる監視データ141を入力する特定の入力モジュールを特定する。その後、監視制御装置100は、例えば、特定した特定の入力モジュールに対して通信データDTに含まれる監視データ141を入力し、特定した特定の入力モジュールを含む監視プログラムPGを実行する。
【0115】
具体的に、本実施の形態において、管理情報142は、例えば、監視対象の監視対象識別情報と、監視プログラムPGのプログラム識別情報と、入力モジュールの入力識別情報とが一対一で対応付けられた情報である。そして、監視制御装置100は、例えば、管理情報142を参照し、通信データDTに含まれる監視データ141を入力する特定の入力モジュールを含む監視プログラムPGを特定する。
【0116】
また、本実施の形態において、管理情報142は、例えば、監視対象の監視対象識別情報と、入力モジュールの入力識別情報と、監視結果の出力形式を示す出力識別情報とが一対一で対応付けられた情報である。そして、監視制御装置100は、例えば、管理情報142を参照し、通信データDTに含まれる監視対象識別情報に対応する出力識別情報に応じた出力形式を特定し、特定した出力形式で監視プログラムPGの監視結果を出力する。
【0117】
また、本実施の形態において、記憶装置200に記憶される複数の監視プログラムPGは、例えば、監視プログラムPG(以下、第1監視プログラムPGとも呼ぶ)と、第1監視プログラムPGの監視結果(以下、第1監視結果とも呼ぶ)に基づいて監視結果を出力する他の監視プログラムPG(以下、第2監視プログラムPGとも呼ぶ)とを含む。また、管理情報142は、例えば、監視対象の監視対象識別情報と、第1監視プログラムPGの入力モジュール(以下、第1入力モジュールとも呼ぶ)についての入力識別情報と、第1監視結果を入力する第2監視プログラムPGの入力モジュール(以下、第2入力モジュールとも呼ぶ)についての入力識別情報とが一対一で対応付けられた情報である。そして、監視制御装置100は、例えば、管理情報142を参照し、第1監視プログラムPGにより出力された第1監視結果を入力する第2入力モジュールを特定する。その後、監視制御装置100は、例えば、特定した第2入力モジュールに第1監視結果を入力し、特定した第2入力モジュールを含む第2監視プログラムPGを実行する。
【0118】
これにより、本実施の形態における監視制御システム300は、例えば、互いに異なる場所に設けられた複数の機場Pのそれぞれに設置された各機器Eの監視を行う必要がある場合であっても、複数の機場Pのそれぞれから各機器Eの監視データ141を取得することで、複数の機場Pのそれぞれに設置された各機器Eを一元的に監視することが可能になる。そのため、監視制御システム300は、例えば、各機器Eの監視を機場Pごとに行う場合と比較して、各機器Eの監視に要する作業負荷を抑制することが可能になる。
【0119】
また、本実施の形態における監視制御システム300は、例えば、複数の機場Pのそれぞれに設置された各機器Eの監視データ141を収集することで、異なる機場Pに設置された各機器Eの監視データ141のそれぞれを連携させた監視を行うことが可能になる。そのため、監視制御システム300は、例えば、各機器Eの監視を機場Pごとに行う場合と比較して、より複雑な内容の監視ロジックに従った異常検知を行うことが可能になり、各機器Eについてのより多くの種類の異常を検知することが可能になる。したがって、監視制御システム300は、例えば、各機場Pにおける運用をより安定化させることが可能になる。
【0120】
具体的に、監視制御システム300は、例えば、ポンプ場(例えば、図1で説明した機場P1に配置された施設F1)に設置された送水ポンプ(例えば、図1で説明した機器E11)の稼働状態を示す監視データ141と、送水ポンプによって処理水が供給される配水池(例えば、図1で説明した機場P2に配置された施設F3)の上流側に設置された流量計(例えば、図1で説明した機器E31)の測定値を示す監視データ141とをそれぞれ取得することによって、送水ポンプの稼働が停止しているにもかかわらず送水ポンプから配水池に供給される処理水の流量が低下しないような場合に、これを検知することが可能になる。
【0121】
すなわち、監視制御システム300は、この場合、例えば、配水池の流量計において発生した異常の検知を、配水池の流量計の測定値を示す監視データ141のみによって検知する場合よりも早い段階において行うことが可能になる。そのため、監視制御システム300は、例えば、配水池の流量計において異常が発生している可能性があることを示す警報をより早い段階において発報することが可能になる。さらに、監視制御システム300は、例えば、配水池の流量計において発生した異常が、配水池の流量計の測定値を示す監視データ141のみから検知することができない異常である場合であっても、これを検知することが可能になる。
【0122】
また、監視制御システム300は、例えば、送水ポンプの稼働状態を示す監視データ141と、配水池の水位を測定する水位計(例えば、図1で説明した機器E32)の測定値を示す監視データ141とをそれぞれ取得することによって、配水池の水位計の測定値が上限閾値に到達しているにもかかわらず送水ポンプの稼働が停止されていないような場合に、これを検知することが可能になる。
【0123】
すなわち、監視制御システム300は、この場合、例えば、配水池の水位計において発生した異常の検知を、配水池の水位計の測定値を示す監視データ141のみによって検知する場合よりも早い段階において行うことが可能になる。そのため、監視制御システム300は、例えば、配水池の水位計において異常が発生している可能性があることを示す警報をより早い段階において発報することが可能になる。さらに、監視制御システム300は、例えば、配水池の水位計において発生した異常が、配水池の水位計の測定値を示す監視データ141のみから検知することができない異常である場合であっても、これを検知することが可能になる。
【0124】
また、本実施の形態における監視制御システム300は、例えば、監視制御装置100において通信データDTの解析を行うことで、各機場Pから送信される通信データDTの形式等の変更を行うことなく、各機場Pに設定された機器Eの監視を行うことが可能になる。言い換えれば、監視制御システム300は、例えば、各機場Pから送信可能な既存の通信データDTを用いることによって、各機場Pに設定された機器Eの監視を行うことが可能になる。そのため、監視制御システム300は、例えば、各機器Eの監視を容易に開始することが可能になる。
【0125】
また、本実施の形態における監視制御システム300は、例えば、各機場Pに設置された各機器Eに対応する監視プログラムPGを実行することによって各機器Eの監視を行うことで、各機器Eの監視を行うための専用の演算回路(ハードウエア回路)を用いる必要がなくなる。そのため、作業者は、例えば、各機器Eの監視に要するコストを抑えることが可能になる。
【符号の説明】
【0126】
100:監視制御装置 101:CPU
102:メモリ 103:通信装置
104:記憶媒体 105:バス
111:第1ユニット表示部 112:第1指定受付部
113:プログラム生成部 114:第2指定受付部
115:ユニット置換部 116:第2ユニット表示部
121:情報取得部 122:情報特定部
123:プログラム特定部 124:入力特定部
125:監視実行部 126:情報生成部
127:情報出力部 130:情報格納領域
131:ユニット情報 132:表示データ
141:監視データ 142:管理情報
200:記憶装置 300:監視制御システム
1000:処理システム BL:範囲
C:演算ユニット DT:通信データ
E:機器 F:施設
L:ライン NW:ネットワーク
OP:画面 OP1:画面
OP2:画面 P:機場
PG:監視プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13