(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102963
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】情報処理システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20240101AFI20240725BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007069
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】522077328
【氏名又は名称】SUSHI TOP MARKETING株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】徳永 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大塚 大輔
(72)【発明者】
【氏名】木村 俊
(72)【発明者】
【氏名】島村 海聖
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザが新たな方法でクローズドなコミュニティを利用可能な状態を構築できるようにする。
【解決手段】端末2の端末制御部5は、一のNFT(Non-Fungible Token)または一のNFTと同じ種類のNFTをユーザが所有しているか否かを判別し、所有している場合、当該一のNFTに対応するコミュニティをユーザが利用可能な状態とする。これにより、ユーザが一のNFT或いは当該一のNFTと同じ種類のNFTを所有することが確認できた場合には、ユーザが当該一のNFTに対応するコミュニティを利用可能な状態となる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一のNFT(Non-Fungible Token)または前記一のNFTと同じ種類のNFTをユーザが所有しているか否かを判別し、所有している場合、前記一のNFTに対応するコミュニティを前記ユーザが利用可能な状態とする制御部を備える
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記ユーザが所有する前記NFTを指定するための画面である指定用画面を提供し、
前記指定用画面で前記ユーザにより前記一のNFTが指定されたときに、指定された前記一のNFTまたは前記一のNFTと同じ種類のNFTを前記ユーザが所有しているか否かを判別し、前記ユーザが所有している場合、前記一のNFTに対応するコミュニティを前記ユーザが利用可能な状態とする
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記コミュニティは、ブロックチェーンに登録されたスマートコントラクトと対応しており、
前記スマートコントラクトは、1つ以上の同じ種類のNFTを発行する機能を備え、
前記制御部は、
前記一のNFTに対応する前記スマートコントラクトに対して直接的にまたは間接的に、前記一のNFTまたは前記一のNFTと同じ種類のNFTを前記ユーザが所有しているか否かを問い合わせ、問い合わせの結果、前記ユーザが所有していると判定した場合、前記スマートコントラクトに対応する前記コミュニティを前記ユーザが利用可能な状態とする
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記コミュニティの参加者によって既に送信されたメッセージが表示されると共に、新たにメッセージを作成し送信するためのユーザインタフェイスが表示されたコミュニティ関連画面を提供することによって、前記コミュニティを前記ユーザが利用可能な状態とする
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記コミュニティ関連画面において、前記メッセージと関連付けて、前記メッセージの送信元の前記参加者が前記コミュニティを利用可能な状態とされたときに使用された前記NFTである参加者NFTを示す情報を表示する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記参加者NFTを示す情報または当該情報に対応するオブジェクトが選択された場合、前記参加者NFTの詳細な情報が表示された画面を提供する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記コミュニティ関連画面において前記メッセージまたは前記メッセージに対応するオブジェクトが選択された場合、前記メッセージの送信元の前記参加者が所有する前記NFTが表示された画面を提供する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記コミュニティ関連画面において、前記コミュニティにかかわらず前記ユーザが所有する前記NFTについて、前記NFTを示す画像をスタンプとして送信するためのユーザインタフェイスを提供する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記コミュニティ関連画面において、スタンプとして送信されて表示された前記NFTを示す画像が選択された場合、前記NFTを示す画像に対応するNFTの詳細な情報が表示された画面を提供する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記コミュニティ関連画面に表示するメッセージについて、前記メッセージの送信元の前記参加者が前記コミュニティを利用可能な状態とされたときに使用された前記NFTである参加者NFTに関する事項または前記メッセージの送信元の参加者に関する事項によって、メッセージの強調度を変更する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記コミュニティ関連画面に表示するメッセージについて、前記参加者NFTのレア度またはレベルの高さによって、メッセージの強調度を変更する
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記制御部は、前記コミュニティ関連画面に表示するメッセージについて、前記メッセージの送信元の前記参加者が前記コミュニティ関連画面に係る前記コミュニティに対応する前記スマートコントラクトにおいて所有している前記NFTの個数によって、メッセージの強調度を変更する
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記制御部は、前記コミュニティ関連画面に表示するメッセージについて、前記メッセージの送信元の前記参加者が特定の者であるか否かによって、メッセージの強調度を変更する
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記制御部は、前記コミュニティ関連画面に表示するメッセージについて、前記メッセージの送信元の前記参加者がコントラクトオーナであるか否かによって、メッセージの強調度を変更する
ことを特徴とする請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記制御部は、前記コミュニティの参加者によって既に送信されたメッセージが表示されると共に、新たにメッセージを作成し送信するためのユーザインタフェイスが表示されたコミュニティ関連画面を提供することによって、前記コミュニティを前記ユーザが利用可能な状態とする
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記制御部は、前記コミュニティ関連画面に表示するメッセージについて、前記メッセージの送信元の前記参加者が前記コミュニティを利用可能な状態とされたときに使用された前記NFTである参加者NFTに関する事項または前記メッセージの送信元の参加者に関する事項によって、メッセージの強調度を変更する
ことを特徴とする請求項15に記載の情報処理システム。
【請求項17】
情報処理システムが、一のNFT(Non-Fungible Token)または前記一のNFTと同じ種類のNFTをユーザが所有しているか否かを判別するステップと、
前記情報処理システムが、前記一のNFTまたは前記一のNFTと同じ種類のNFTを前記ユーザが所有している場合、前記一のNFTに対応するコミュニティを前記ユーザが利用可能な状態とするステップとを含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよび情報処理方法に関し、特に、コミュニティに関する処理を実行する情報処システムおよび情報処理方法に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クローズドなコミュニティを作成することが可能な様々なサービスが提供されており、これに伴ってコミュニティに関する様々な技術が提案されている。コミュニティでは、一例としていわゆるチャット機能、或いはメッセンジャ機能が実装され、各々の参加者がこの機能を利用してコミュニケーションをとり、これにより参加者間の交流が促される。クローズドなコミュニティに関して、従来、ユーザは、以下の方法でクローズドなコミュニティを利用可能な状態を構築していた。すなわち、まずユーザは、所定のコミュニケーションサービスにアカウントを作成する。次いでユーザは、当該所定のコミュニケーションサービス内の所望のコミュニティ(チャンネル、グループ、その他の名称で呼ばれる場合もある)に参加申請し、或いは参加招待を受け入れ、当該所望のコミュニティに参加する。その後、ユーザは、当該所定のコミュニケーションサービスにログインし、当該所望のコミュニティを指定し、当該所望のコミュニティを利用する。以上の方法でユーザは、クローズドなコミュニティを利用可能な状態を構築していた。なお特許文献1には、クローズドなコミュニティに関し、参加希望者の人事情報を用いて、その参加希望者のコミュニティへの参加(入会)を認めるか否かを審査する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来、ユーザは、所定のコミュニケーションサービスにアカウントを作成し、参加申請或いは参加招待の受け入れによりコミュニティに参加した後、当該サービスにログインすることによって、コミュニティを利用可能な状態を構築していた。しかしながらコミュニティに関連する分野では、コミュニティに関するサービスの多様化の実現のため、ユーザが新たな方法でコミュニティを利用可能な状態を構築できるようにすることが求められていた。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、ユーザが新たな方法でクローズドなコミュニティを利用可能な状態を構築できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、本発明は、一のNFT(Non-Fungible Token)または一のNFTと同じ種類のNFTをユーザが所有しているか否かを判別し、所有している場合、当該一のNFTに対応するコミュニティをユーザが利用可能な状態とする。
【発明の効果】
【0007】
上記のように構成した本発明によれば、ユーザが一のNFT或いは当該一のNFTと同じ種類のNFTを所有することが確認できた場合には、ユーザが当該一のNFTに対応するコミュニティを利用可能な状態となる。このため本発明によれば、ユーザは、従来のように所定のコミュニケーションサービスにアカウントを作成し、コミュニティに参加し、当該サービスにログインするという作業を行うことなく、NFTを正当に所有するというこれまでにない新しい方法で、クローズドなコミュニティを利用可能な状態を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバおよび端末の機能構成例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る端末のハードウェア構成例である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバのハードウェア構成例である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る端末、ブロックチェーンネットワークおよび情報処理サーバの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図1で示すように情報処理システム1は、1つ以上の端末2と、情報処理サーバ3とを含んで構成されている。端末2および情報処理サーバ3は、インターネット、電話網、その他の通信網を含むネットワークNに接続可能であり、ネットワークNを介して通信可能である。ネットワークNは、端末2および情報処理サーバ3が通信に利用するネットワークを、後述するブロックチェーンネットワークBと区別するために、便宜的に表現するものである。
【0010】
端末2は、ユーザが使用するコンピュータである。本実施形態では、端末2を利用し得る者をユーザと表現する。端末2のタイプは何でもよく、例えばデスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータを端末2として機能させることができる。タブレット型コンピュータには、いわゆるスマートフォンが含まれ得る。
図1では、数個の端末2を例示的に示している。
【0011】
情報処理サーバ3は、端末2と通信し、端末2に対してサービスを提供する機能を備えるサーバである。なお
図1では、情報処理サーバ3を1つのブロックで表しているが、これは情報処理サーバ3が単一の装置で構成されていることを意味しない。情報処理サーバ3は例えば、連携する複数のサーバ装置により構成されていてもよい。
【0012】
図1で示すように端末2は、ネットワークNに接続されると共に、ブロックチェーンネットワークBに接続される。ブロックチェーンネットワークBは、イーサリアムに係るP2P分散ネットワークであり、P2P方式によって多数のノードが互いに接続されている。ブロックチェーンネットワークBの各ノードは、ブロックチェーン技術により、ブロックチェーン(分散台帳)を記憶する。
【0013】
ブロックチェーンネットワークBは、イーサリアムに係るネットワークであるため、各ノードに記憶されるブロックチェーンには、スマートコントラクトを登録(デプロイ)することができる。ブロックチェーンネットワークBでは、スマートコントラクトを利用して、FT(Fungible Token)のほか、NFT(Non-Fungible Token)を発行可能である。周知の通り、NFTは、FTとは異なり代替性を有さないトークンであり、デジタル資産の唯一性や保有者の保証/証明に広く利用されている。本実施形態では、NFTは、ERC721に準拠したトークンとする。なお本実施形態では、ブロックチェーンネットワークBをイーサリアムに係るネットワークとしているが、これはあくまで一例であり、他のタイプのネットワークであってもよい。またNFTが準拠する規格はERC721に限られるものではない。またスマートコントラクトという用語は、ブロックチェーンに登録されたプログラムユニット(プログラムモジュールや付随するデータ/情報の集合)を、便宜的に表現する名称である。すなわちスマートコントラクトは、以下で説明する機能を有するオブジェクトを広く含む概念である。
【0014】
端末2は、情報処理サーバ3のクライアントとして機能すると共に、ブロックチェーンネットワークBのエンドポイントとして機能する。本実施形態では端末2は、ブロックチェーンネットワークBのノードではないが、端末2は、ノードとしての機能を有していてもよい。
【0015】
図2は、端末2および情報処理サーバ3の機能構成例を示すブロック図である。
図2で示すように端末2は機能構成として、端末制御部5と、端末通信部6と、端末表示部7と、端末入力部8とを備えている。また情報処理サーバ3は機能構成として、サーバ制御部10と、サーバ通信部11と、サーバ表示部12と、サーバ入力部13とを備えている。上記機能ブロック5~8、10~13は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記機能ブロック5~8、10~13は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROM等を備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。端末2は、各種データを記憶可能な端末記憶部15を備えている。情報処理サーバ3は、各種データを記憶可能なを備えるサーバ記憶部16を備えている。
【0016】
端末2の端末通信部6は、ネットワークNおよびブロックチェーンネットワークBと所定のプロトコルに従って通信する。以下、端末2による通信は、端末通信部6により適切に行われるものとして詳細な説明を省略する。また情報処理サーバ3のサーバ通信部11は、ネットワークNと所定のプロトコルに従って通信する。以下、情報処理サーバ3による通信は、サーバ通信部11により適切に行われるものとして詳細な説明を省略する。
【0017】
図2で示すように端末2には、対応アプリケーション17がインストールされている。対応アプリケーション17の機能は後に明らかとなる。
【0018】
図3は、端末2のハードウェア構成の一例である。
図3の例において端末2は、処理装置20、一次記憶装置21、補助記憶装置22(記憶媒体)、通信装置23、出力装置24および入力装置25を備えている。処理装置20、一次記憶装置21、補助記憶装置22、通信装置23、出力装置24および入力装置25は、バス26を介して接続されている。処理装置20は、制御装置、演算装置、レジスタおよびキャッシュメモリを含んで構成されたCPUを備えている。端末制御部5の少なくとも一部の機能は、処理装置20により実現される。一次記憶装置21は、DRAM等の揮発性メモリを備えている。一次記憶装置21は、処理装置20が直接読み書きするデータを一時的に記憶する。補助記憶装置22は、ハードディスクドライブ(他の磁気記憶装置であってもよい)、ROM、フラッシュメモリ、その他の不揮発性メモリを備えている。補助記憶装置22は、各種データを不揮発的に記憶する。端末記憶部15の少なくとも一部の機能は、補助記憶装置22により実現される。通信装置23は、通信制御装置およびネットワークインタフェイスを含んで構成され、外部装置との通信を実現する。端末通信部6の少なくとも一部の機能は、通信装置23により実現される。出力装置24は、液晶パネル、有機ELパネル、その他の表示装置を備え、各種情報を表示する。端末表示部7の少なくとも一部の機能は、出力装置24により実現される。入力装置25は、タッチパネル、キーボード、その他の入力装置を備え、入力を受け付ける。端末入力部8の少なくとも一部の機能は、入力装置25により実現される。
図3で示すように補助記憶装置22には、プログラム27が記憶されている。処理装置20は、補助記憶装置22に記憶されたプログラム27を一次記憶装置21に読み出して実行することにより、各種処理を実行する。
【0019】
図4は、情報処理サーバ3のハードウェア構成の一例である。
図4の例において情報処理サーバ3は、処理装置28、一次記憶装置29、補助記憶装置30(記憶媒体)、通信装置31、出力装置32および入力装置33を備えている。処理装置28、一次記憶装置29、補助記憶装置30、通信装置31、出力装置32および入力装置33は、バス34を介して接続されている。処理装置28は、制御装置、演算装置、レジスタおよびキャッシュメモリを含んで構成されたCPUを備えている。サーバ制御部10の少なくとも一部の機能は、処理装置28により実現される。一次記憶装置29は、DRAM等の揮発性メモリを備えている。一次記憶装置29は、処理装置28が直接読み書きするデータを一時的に記憶する。補助記憶装置30は、ハードディスクドライブ(他の磁気記憶装置であってもよい)、ROM、フラッシュメモリ、その他の不揮発性メモリを備えている。補助記憶装置30は、各種データを不揮発的に記憶する。サーバ記憶部16の少なくとも一部の機能は、補助記憶装置30により実現される。通信装置31は、通信制御装置およびネットワークインタフェイスを含んで構成され、外部装置との通信を実現する。サーバ通信部11の少なくとも一部の機能は、通信装置31により実現される。出力装置32は、液晶パネル、有機ELパネル、その他の表示装置を備え、各種情報を表示する。サーバ表示部12の少なくとも一部の機能は、出力装置32により実現される。入力装置33は、タッチパネル、キーボード、その他の入力装置を備え、入力を受け付ける。サーバ入力部13の少なくとも一部の機能は、入力装置33により実現される。
図4で示すように補助記憶装置30には、プログラム35が記憶されている。処理装置28は、補助記憶装置30に記憶されたプログラム35を一次記憶装置29に読み出して実行することにより、各種処理を実行する。
【0020】
さて情報処理システム1は、クローズドなコミュニティに関する処理を実行する。特に情報処理システム1は、コミュニティを利用する資格を正当に有するユーザに対して、ユーザによる所定のアクションに応じてコミュニティをユーザが利用可能な状態とする機能を有する。クローズドなコミュニティとは、限定された参加者間で所定の方法でコミュニケーションをとることができる、ユーザの集合のことを意味する。本実施形態ではコミュニティは、ブロックチェーンに登録されたスマートコントラクト(ただし、連携する複数のスマートコントラクトを含む)と一対一で対応している。またコミュニティ対応するスマートコントラクトは、1つ以上の同じ種類のNFTを発行する機能を備えている。そして本実施形態に係る情報処理システム1は、あるコミュニティについて、そのコミュニティに対応するスマートコントラクトにより発行されたNFTを真に所有する者に対して、そのコミュニティを利用可能な状態とする。
【0021】
ユーザが、所望のコミュニティを利用するにあたって、まず以下の状態が構築される。すなわちコミュニティ毎に、ブロックチェーンネットワークBのブロックチェーンにスマートコントラクトが登録(デプロイ)される。つまり1つのコミュニティについて1つのスマートコントラクトがブロックチェーンに登録される。以下、コミュニティに対応するスマートコントラクトを、スマートコントラクト一般と区別するために「コミュニティ対応コントラクト」という。
図5は、ブロックチェーンネットワークBを構成する1つのノードND1に着目し、第1コミュニティに対応するスマートコントラクトである第1コミュニティ対応コントラクトと、第2コミュニティに対応するスマートコントラクトである第2コミュニティ対応コントラクトとがノードND1のブロックチェーンに登録された様子を示している。
【0022】
またコミュニティ対応コントラクトは適宜、NFTを発行する。以下、コミュニティ対応コントラクトにより発行されたNFTを「コミュニティ対応NFT」といい、NFT一般と区別する。コミュニティ対応コントラクトは、同一種類のコミュニティ対応NFTを複数、発行する。「コミュニティ対応NFTが同一種類である」とは、コミュニティ対応NFTのそれぞれが、共通するコミュニティ(コミュニティ対応コントラクトに対応するコミュニティ)を利用する正当性を証明する機能を等しく有しており、その点で相違がないという意味である。従って、1つのコミュニティ対応コントラクトにより発行された複数のコミュニティ対応NFTは、トークンIDがそれぞれ異なるのは勿論のこと、メタ情報がそれぞれ異なっていてもよい。コミュニティ対応コントラクトは、対応するコミュニティを利用する正当性を証明する機能を等しく有する同一のシリーズ或いは同一のコレクションに属するNFTを発行していると言える。
【0023】
本実施形態では、1つのコミュニティ対応コントラクトが発行したコミュニティ対応NFTは、コミュニティを利用する正当性を証明する機能を等しく有している。従ってユーザは、ある1つのコミュニティ対応コントラクトが発行したコミュニティ対応NFTのうち、何れか1つのコミュニティ対応NFTを所有していれば、対応するコミュニティを利用することができる。なお、どのような手法でユーザがコミュニティを利用できる状態が構築されるのかについては後に明らかとなる。
【0024】
なおコミュニティ対応コントラクトがコミュニティ対応NFTを発行するとは、NFTに対応するトークンIDがスマートコントラクトに対応付けされた状態が何らかの方法で構築されることを意味する。従って、コミュニティ対応コントラクトのデプロイ時に所定個数のNFTが当該コミュニティ対応コントラクトに対応付けられているケース、コミュニティ対応NFTが事後的にミントされるケース、それ以外のケースについても、NFTに対応するトークンIDがスマートコントラクトに対応付けられた状態となった場合には、コミュニティ対応NFTが発行されたことになる。
【0025】
更にユーザが、所望のコミュニティを利用するにあたって、以下の状態が構築される。すなわちコミュニティ毎に、コミュニティを利用する資格を有するユーザが、コミュニティに対応するコミュニティ対応コントラクトにより発行されたコミュニティ対応NFTを所有している状態とされる。ユーザは、例えば以下の方法でコミュニティ対応NFTを所有する。
【0026】
一例として、あるイベント(コンサートや、スポーツ観戦、祭り、説明会等)が行われる場合において、そのイベントに応じてコミュニティ対応コントラクトが登録される。そして、そのイベントに参加したユーザに対して、そのイベントに対応するコミュニティ対応コントラクトのコミュニティ対応NFTが配布される。「ユーザへのNFTの配布」とは、ユーザがNFTを所有した状態とすることを意味し、より具体的には、対応するスマートコントラクトにおいてNFTのトークンIDとユーザのアカウントのアドレス(基本的にはウォレットアドレス)とが対応付けられた状態とすることを意味する。コミュニティ対応NFTの配布は、周知のセキュアな方法で適切に行われる。この例によれば、後に明らかになる通り、そのイベントに参加したユーザ間でコミュニティの形成が可能となる。これにより例えば、ユーザ同士でイベントに関する話題でコミュニケーションをとることが可能となる。
【0027】
また一例として、ユーザは、NFTのマーケットで、コミュニティ対応NFTを購入する。この例によれば、ユーザは、所望のコミュニティについて、対応するコミュニティ対応NFTを購入することによって、当該所望のコミュニティを利用することが可能となる。また一例として、ユーザは、コミュニティの関係者からコミュニティ対応NFTの配布を受け、或いはコミュニティの参加者からコミュニティ対応NFTを譲り受ける。
【0028】
以上、ユーザがコミュニティ対応NFTを所有する方法について、複数の例を挙げて説明したが、ユーザがコミュニティ対応NFTを所有する方法は例示した方法に限定されるものではない。例えばユーザが、何らかの特典、景品、付録としてコミュニティ対応NFTを取得し、所有する構成でもよい。
【0029】
次にユーザがコミュニティを利用するシーンにおける各主体の動作について説明する。以下の説明では、端末2を所有するユーザを「注目ユーザ」という。また注目ユーザは、コミュニティ対応NFTを1つ以上、所有しているものとする。また以下の説明では、説明の便宜のため、端末2は、前面の広い領域にタッチパネルが設けられたタブレット型のコンピュータであるものとする。タブレット型のコンピュータは、いわゆるスマートフォンを含む。
【0030】
図6は、各主体の動作例を示すフローチャートである。なお
図6では説明の便宜のため、ブロックチェーンネットワークBを処理の主体の1つとしている。
図6においてフローチャートFAは端末2の動作を、フローチャートFBはブロックチェーンネットワークBの動作を、フローチャートFCは情報処理サーバ3の動作をそれぞれ示している。
【0031】
まず注目ユーザは、自身の端末2の対応アプリケーション17を立ち上げ、対応アプリケーション17が提供するユーザインタフェイス(画面)に対して所定の操作を行って、所有NFT画面40(
図7)の表示を指示する(ステップSX1)。なお以下の端末制御部5の処理は、特に明示しないものの、基本的には対応アプリケーション17および対応アプリケーション17と連携するプログラムの機能により実行される。対応アプリケーション17は、ユーザに対して各種ユーザインタフェイスを提供する機能および端末2をブロックチェーンネットワークBについてのエンドポイントとして機能させる機能を少なくとも提供する。本実施形態では、端末制御部5が「制御部」として機能する。
【0032】
フローチャートFAで示すようにステップSX1の指示に応じて端末2の端末制御部5は、ブロックチェーンネットワークBに対して、注目ユーザが所有するコミュニティ対応NFTを問い合わせる(ステップSA1)。問い合わせの方法は、どのような方法でもよい。一例として、端末制御部5は、全てのコミュニティ対応コントラクトに対して、スマートコントラクトで定義された関数を利用して、注目ユーザのアドレス(ウォレットアドレス)が所有者となっているコミュニティ対応NFTを問い合わせる。
【0033】
ステップSA1の問い合わせに応じてブロックチェーンネットワークBは、ユーザが所有するコミュニティ対応NFTのそれぞれについて、コミュニティ対応NFTに関する情報を応答する(ステップSB1)。コミュニティ対応NFTに関する情報には、トークンIDと、トークンURIとが少なくとも含まれている。端末制御部5は、コミュニティ対応NFTに関する情報を受信し、注目ユーザが所有するコミュニティ対応NFTごとに、NFT情報ブロック41(後述)を表示するために必要な情報を取得する(ステップSA2)。ステップSA2において端末制御部5は、トークンURIを利用してNFTのメタ情報を取得し、また必要に応じて対応アプリケーション17が保持する情報を取得し、また必要に応じて情報処理サーバ3(情報処理サーバ3以外の外部装置であってもよい)から情報を取得する。ステップSA2で取得される情報には、コミュニティ対応NFTのそれぞれについて、コミュニティ対応コントラクトの名称と、コミュニティ対応NFTの名称と、コミュニティ対応NFTを示す画像(以下「NFT画像42」という)の画像データとが少なくとも含まれている。
【0034】
次いで端末制御部5は、ステップSA2で取得した情報に基づいて、所有NFT画面40を端末表示部7に表示する(ステップSA3)。
図7は、所有NFT画面40の一例を示す図である。
図7で示すように所有NFT画面40では、注目ユーザが所有するコミュニティ対応NFTのそれぞれについて、NFT情報ブロック41が一覧表示される。1つのNFT情報ブロック41には、コミュニティ対応NFTを示すNFT画像42と、コミュニティ対応NFTが属するコミュニティ対応コントラクトの名称と、コミュニティ対応NFTの名称とが表示される。NFT情報ブロック41のそれぞれは、タッチすることによって指定することができる。所有NFT画面40は、「指定用画面」に相当する。
【0035】
なお
図7で示す所有NFT画面40はあくまで一例である。所有NFT画面40は、ユーザが所望のコミュニティ対応NFTを指定可能な画面であればよい。例えばNFT情報ブロック41の内容は例示した内容に限られず、他の情報が表示される構成でもよい。他の情報は例えば、コミュニティ対応NFTのトークンIDである。またユーザが所持するNFTであって、コミュニティ対応NFT以外の種類のNFTに係るNFT情報ブロック41が所有NFT画面40に表示される構成でもよい。またキーワードを入力する欄が設けられ、所望のNFTをキーワード検索できる構成でもよい。
【0036】
なお本実施形態では、所有NFT画面40の表示に際して、端末制御部5が都度、注目ユーザが所有するコミュニティ対応NFTをブロックチェーンネットワークBに問い合わせる構成である。この点に関し、以下の構成でもよい。すなわち対応アプリケーション17の機能により、必要な情報の少なくとも一部がキャッシュされ、この情報が端末制御部5により利用される構成でもよい。また端末制御部5が、情報処理サーバ3その他の外部装置に問い合わせる構成でもよい。
【0037】
所有NFT画面40が表示された後、注目ユーザは、利用を希望するコミュニティに対応するコミュニティ対応NFTのNFT情報ブロック41をタッチする(ステップSX2)。この操作は、ユーザがNFTを指定する処理に相当する。以下、ステップSX2で指定されたコミュニティ対応NFTを、「注目NFT」という。
【0038】
注目NFTの指定に応じて端末制御部5は、指定後画面43をポップアップ表示する(ステップSA4)。
図8は、指定後画面43の一例を示す図である。指定後画面43は、注目NFTに対応するNFT情報ブロック41を拡大した上で、その下部に詳細ボタン44と、コミュニティ利用ボタン45とが表示された画面である。詳細ボタン44は、注目NFTについての詳細な情報が表示された画面の表示を指示するときに選択されるボタンである。詳細な情報は、一例として、参加者NFTのメタ情報に含まれる詳細情報や、参加者NFTの所有者の推移である。コミュニティ利用ボタン45は、コミュニティを利用するときに選択されるボタンである。注目ユーザは、コミュニティ利用ボタン45を選択する(ステップSX3)。
【0039】
コミュニティ利用ボタン45の選択に応じて端末制御部5は、注目ユーザが注目NFTと同じ種類のNFTを所有しているか否かを判別する(ステップSA5、SA6)。詳述すると端末制御部5は、チェーンID(ブロックチェーンネットワークBを識別する識別情報)と、注目NFTに対応するコミュニティ対応コントラクトのコントラクトアドレスとに基づいて、注目NFTに対応するコミュニティ対応コントラクトを特定する。以下、注目NFTに対応するコミュニティ対応コントラクトを「注目コントラクト」という。注目コントラクトは、注目NFTを発行したスマートコントラクトである。また注目コントラクトに対応するコミュニティを「注目コミュニティ」という。注目ユーザが、注目コントラクトにより発行されたコミュニティ対応NFTを所有していれば、注目ユーザは、注目コミュニティを利用する権限を正当に有しているということになる。そして端末制御部5は、注目コントラクトに定義された関数を利用して、注目ユーザのアドレスが所有者となっているコミュニティ対応NFTの残高を問い合わせる(ステップSA5)。
【0040】
問い合わせの結果、残高が1つ以上ある場合は、注目コントラクトのコミュニティ対応NFTを注目ユーザが1つ以上所有しているということである。換言すれば、注目NFTと同一種類のNFTを注目ユーザが1つ以上所有しているということである。従って、この場合は、注目NFTに対応するコミュニティ(=注目コントラクトに対応するコミュニティ)を利用する権利を注目ユーザが正当に有しているということである。なおチェーンID、注目コントラクトのコントラクトアドレス、注目ユーザのアドレス、その他の「処理に必要な情報」は、対応アプリケーション17に登録されている。ただし端末制御部5が、処理に必要な情報の少なくとも一部を情報処理サーバ3(他の外部装置であってもよい)に問い合わせて取得する構成でもよい。処理を実行する際に、端末制御部5が必要に応じて、対応アプリケーション17に登録された情報を取得し、情報処理サーバ3(他の外部装置であってもよい)に問い合わせて情報を取得し、或いはブロックチェーンネットワークBに問い合わせて情報を取得する点は、端末制御部5が実行する全ての処理について同じである。端末制御部5が実行する処理には各種画面/ユーザインタフェイスを表示し、提供する処理が当然に含まれる。
【0041】
フローチャートFBで示すようにブロックチェーンネットワークBは、問い合わせに対して応答する(ステップSB2)。すなわち、注目コントラクトにおいて注目ユーザが所有するNFTの残高を応答する。ステップSB2の応答に応じて端末制御部5は、残高が1つ以上あるか否かを判別する(ステップSA6)。ステップSA5、SA6の一連の処理はステップSA6の処理は、「注目ユーザが注目NFTと同じ種類のNFTを所有しているか否かを判別する処理」に相当する。
【0042】
以上、注目ユーザが注目NFTと同じ種類のNFTを所有しているか否かを判別する処理の一例を説明した。ただし、処理の具体的な内容は例示した内容に限られるものではない。例えば端末制御部5が、ブロックチェーンネットワークBへの問い合わせを外部装置に依頼する構成でもよい。つまり端末制御部5が直接的に注目コントラクトに問い合わせる構成ではなく、間接的に注目コントラクトに問い合わせる構成でもよい。
【0043】
なお本実施形態では端末制御部5が、注目ユーザが注目NFTと同じ種類のNFTを所有しているか否かを判別する構成であるが以下の構成でもよい。すなわち端末制御部5が、注目ユーザが注目NFTを所有しているか否かを判別する構成でもよい。この場合、端末制御部5は、注目コントラクトに対して、注目ユーザが注目NFTを所有しているか否か問い合わせる。例えば端末制御部5は、注目コントラクトの関数を利用して、注目NFTのトークンIDに注目ユーザのアドレスが対応付けられているかを問い合わせる。そして端末制御部5は、問い合わせに対する応答に基づいて、注目ユーザが注目NFTを所有しているか否かを判別する。ただし端末制御部5が、注目NFTのトークンIDと対応付けられているアドレスを問い合わせ、問い合わせによって得たアドレスが、注目ユーザのアドレスと一致するか否かを判別する構成でもよい。端末制御部5が直接的に注目コントラクトに問い合わせる構成ではなく、間接的に注目コントラクトに問い合わせる構成でもよいことは上述した通りである。
【0044】
ステップSA6で残高が1つもないと判定した場合(ステップSA6:NO)、端末制御部5は、以下の処理を実行する。残高がないということは、注目コントラクトが発行したコミュニティ対応NFTをユーザが1つも所有していないということである。すなわち端末制御部5は、注目ユーザがコミュニティを利用可能な状態としない(ステップSA7)。具体的には端末制御部5は、後述するタイムライン画面47の表示を行うことなく、注目ユーザが注目NFTを正当に所有していないため、コミュニティを利用できない旨の情報を端末表示部7に表示する(ステップSA7)。
【0045】
一方、残高が1つ以上ある場合(ステップSA6:YES)、端末制御部5は、注目ユーザが注目コミュニティを利用可能な状態とする(ステップSA8、SA9)。具体的には端末制御部5は、情報処理サーバ3に、注目コミュニティの識別情報を送信すると共に、タイムライン関連データの応答を要求する(ステップSA8)。以下、各コミュニティの識別情報を「コミュニティ識別情報」という。本実施形態では、スマートコントラクトとコミュニティとが対応関係にあるため、スマートコントラクトのコントラクトアドレスをコミュニティ識別情報として利用できる。
【0046】
フローチャートFCで示すように情報処理サーバ3のサーバ制御部10は、サーバ記憶部16に記憶されたコミュニティ関連データベース48を参照する(ステップSC1)。コミュニティ関連データベース48は、コミュニティ毎に、コミュニティ識別情報と対応付けてタイムライン関連データを記憶している。タイムライン関連データは、後述するタイムライン画面47の表示に必要な情報を含んでいる。特に、タイムライン関連データは、タイムライン(後述)上で各参加者が行ったメッセージおよびメッセージに付随する情報を少なくとも含んでいる。各コミュニティのタイムライン関連データは、各コミュニティにおける参加者のアクション、その他のデータの内容の更新を伴うイベントの発生に応じて、適宜、サーバ制御部10により更新される。サーバ制御部10は、コミュニティ関連データベース48から、受信したコミュニティ識別情報に対応するコミュニティ関連データを取得し、端末2に応答する(ステップSC2)。
【0047】
フローチャートFAで示すように端末2の端末制御部5は、コミュニティ関連データを受信し、コミュニティ関連データに基づいてタイムライン画面47を端末表示部7に表示する(ステップSA9)。つまり端末制御部5は、タイムライン画面47を提供する。
図9は、タイムライン画面47の一例を示す図である。タイムライン画面47は、コミュニティの参加者によって既に送信されたメッセージが表示されると共に、新たにメッセージを作成し送信するためのユーザインタフェイスが表示されたコミュニティ関連画面である。
【0048】
タイムライン画面47には、コミュニティに参加する参加者が送信したメッセージが時系列で並んで表示されたタイムラインが表示される。またタイムライン画面47には、新たにメッセージを作成し送信するためのユーザインタフェイスが表示される。本実施形態において、メッセージとは、タイムラインに対してユーザが送信可能な情報の総称であり、テキストだけでなく、画像(静止画像、動画像およびイラストを含む)、いわゆるスタンプ、動画、その他の情報を含む。ユーザは、タイムライン画面47を利用して、コミュニティの参加者とコミュニケーションをとることができる。このように本実施形態では、コミュニティを利用可能な状態とは、「コミュニティに対応するコミュニティ対応NFTを正当に所有するユーザのみがメッセージを送信できるタイムライン」を利用可能な状態を意味する。換言すれば端末制御部5は、タイムライン画面47(コミュニティ関連画面)を提供することによって、コミュニティをユーザが利用可能な状態とする。
【0049】
図9で示すようにタイムライン画面47では、メッセージブロック49が時系列で並んで表示される。1つのメッセージブロック49は、参加者が送信した1つのメッセージに対応する。つまりユーザが、タイムラインにメッセージを送信すると、タイムライン画面47に1つのメッセージブロック49が表示される。メッセージブロック49には、「コミュニティ(タイムライン)を利用する際に参加者が指定したコミュニティ対応NFT」のトークンIDが表示される。なお各参加者は、コミュニティを利用する際に、注目ユーザと同様、コミュニティに対応するコミュニティ対応NFTを指定する。以下、コミュニティの参加者(メッセージの送信元の参加者)がコミュニティを利用する際に指定したNFTを「参加者NFT」という。参加者NFTは、メッセージの送信元の参加者がコミュニティを利用可能な状態とされたときに使用されたNFTである。本例では、注目ユーザにとっての参加者NFTは、注目NFTである。メッセージブロック49において、トークンIDは、「user id」と表現されている。なお1つのスマートコントラクトにおいて、NFTごとにトークンIDは一意である。
【0050】
またメッセージブロック49には、タイムラインにメッセージが送信された日時が表示される。またメッセージブロック49には、アイコンとしてのアイコン画像50が表示される。本実施形態では、アイコン画像50は、参加者NFTのNFT画像42である。つまり端末制御部5は、タイムライン画面47(コミュニティ関連画面)において、メッセージと関連付けて、メッセージの送信元の参加者がコミュニティを利用可能な状態とされたときに使用されたNFTである参加者NFTを示す情報(=アイコン画像50)を表示する。各参加者は、メッセージブロック49のアイコン画像50を視認することにより、直感的に参加者NFTを認識できる。以上の通り、メッセージブロック49は、参加者NFTのトークンIDと、参加者NFTのNFT画像42とが表示される。これによりメッセージブロック49のそれぞれは、対応する参加者NFTと関連付けられている。
【0051】
タイムライン画面47の下部には、メッセージ入力関連領域51が設けられている。メッセージ入力関連領域51は、新たにメッセージを作成し送信するためのユーザインタフェイスに相当する。メッセージ入力関連領域51には、画像選択ボタン52と、所定情報関連ボタン53と、スタンプ選択ボタン54と、メッセージ入力欄55と、送信ボタン56とが設けられている。画像選択ボタン52は、画像(静止画像、或いは動画像)をメッセージとして送信する際に選択されるボタンである。画像選択ボタン52が選択されると端末制御部5は、送信可能な画像を一覧表示する。注目ユーザは任意の画像を選択できる。所定情報関連ボタン53は、メッセージとして送信可能な所定の情報する際に選択されるボタンである。所定の情報は、一例として位置情報や、音声情報等である。所定情報関連ボタン53が選択されると端末制御部5は、選択可能な情報を一覧表示する。注目ユーザは任意の情報を選択できる。
【0052】
スタンプ選択ボタン54は、スタンプをメッセージとして送信する際に選択されるボタンである。スタンプ選択ボタン54が選択されると端末制御部5は、スタンプ一覧画面57を表示する。
図10は、スタンプ一覧画面57の一例を示す図である。特に
図10のスタンプ一覧画面57は、注目ユーザが表示させたスタンプ一覧画面57の一例である。スタンプ一覧画面57は、「NFTを示す画像をスタンプとして送信するためのユーザインタフェイス」に相当する。端末制御部5は、タイムライン画面47(コミュニティ関連画面)において、コミュニティにかかわらずユーザが所有するコミュニティ対応NFTについて、コミュニティ対応NFTを示す画像をスタンプとして送信するためのユーザインタフェイスを提供する。従ってユーザは、現時点で利用しているコミュニティに対応するコミュニティ対応NFTだけでなく、現時点で利用していないコミュニティに対応するコミュニティに対応NFTについても、NFT画像42をスタンプとして送信できる。以下、スタンプとしてのNFT画像42を「NFTスタンプ」という。以下、NFT以外のスタンプを、便宜的に「通常スタンプ」という。本実施形態ではコミュニティ対応NFTのNFT画像42をNFTスタンプとすることが可能な構成であるが、異なるタイプのNFTのNFT画像42をNFTスタンプとすることが可能な構成でもよい。
【0053】
図10において符号S1、S2およびS3は通常スタンプを示している。一方、
図10において符号N1、N2およびN3はNFTスタンプを示している。
図10の例では、注目ユーザは、NFTスタンプN1に対応するコミュニティ対応NFT、NFTスタンプN2に対応するコミュニティ対応NFT、および、NFTスタンプN3に対応するコミュニティ対応NFTの3つのコミュニティ対応NFTを所有しているということである。このように本実施形態では、ユーザは、あるコミュニティ対応NFTを所有すれば、そのコミュニティ対応NFTに対応するNFTスタンプをメッセージとして送信可能となる。つまりユーザは、より多くのコミュニティ対応NFTを取得するほど、より多くのNFTスタンプを取得できる。このためユーザに対して、コミュニティ対応NFTを取得することのインセンティブが与えられる。例えばコミュニティ対応NFTがイベントの参加者に配布される場合には、ユーザに対してイベントへの参加のインセンティブを与えることができる。
【0054】
メッセージ入力欄55は、テキストをメッセージとして送信する際に選択される領域である。メッセージ入力欄55がタッチされると、端末制御部5は、ソフトウェアキーボードを表示する。ユーザはソフトウェアキーボードを利用してテキストを入力することができる。送信ボタン56は、メッセージを送信する際に選択されるボタンである。
【0055】
タイムライン画面47においてメッセージブロック49(ただし、アイコン画像50は除く)は、タッチ操作で選択可能に構成されている。メッセージブロック49が選択されると端末制御部5は、選択されたメッセージブロック49を送信した参加者が所有するコミュニティ対応NFTが一覧表示された画面を表示する。当該画面は、例えば
図7の所有NFT画面40のように、メッセージブロック49を送信した参加者が所有するコミュニティ対応NFTのそれぞれについて、NFT情報ブロック41が表示された画面である。以上の通り端末制御部5は、タイムライン画面47(コミュニティ関連画面)においてメッセージが選択された場合、メッセージの送信元の参加者が所有するNFTの一覧が表示された画面を提供する。なお本実施形態では、選択される対象はメッセージブロック49であるが、選択される対象はメッセージに対応するオブジェクトであればよい。以上の構成のため、タイムライン画面47を閲覧するユーザは、気になったメッセージがあり、メッセージの送信元のユーザがどのようなコミュニティ対応NFTを所有しているかどうか確認したいと考えたときに、メッセージブロック49をタッチするという非常に簡易な作業を行うだけで確認することができる。
【0056】
またタイムライン画面47においてメッセージブロック49内でアイコンとして表示されるアイコン画像50は、タッチ操作で選択可能に構成されている。上述したようにアイコン画像50は、対応するコミュニティ対応NFTのNFT画像42である。NFT画像42が選択されると端末制御部5は、NFT画像42に対応するコミュニティ対応NFTの詳細な情報が表示された画面を表示する。以上の構成のため、タイムライン画面47を閲覧するユーザは、気になったNFT画像42があった場合には、そのNFT画像42をタッチするという非常に簡易な作業を行うだけで、そのNFT画像42に対応するコミュニティ対応NFTの詳細を確認することができる。
【0057】
図11は、メッセージにNFTスタンプを含むタイムライン画面47の一例を示す図である。
図11で示すタイムライン画面47において、符号NNはNFTスタンプを示し、符号SSは通常スタンプを示している。メッセージとしてのNFTスタンプNNは、タッチ操作で選択可能に構成されている。上述したようにNFTスタンプNNは、対応するコミュニティ対応NFTのNFT画像42である。NFTスタンプNNが選択されると端末制御部5は、NFTスタンプNNに対応するコミュニティ対応NFTの詳細な情報が表示された画面を表示する。以上の構成のため、タイムライン画面47を閲覧するユーザは、気になったNFTスタンプNNがあった場合には、そのNFTスタンプNNをタッチするという非常に簡易な作業を行うだけで、そのNFTスタンプNNに対応するコミュニティ対応NFTの詳細を確認することができる。
【0058】
図9で示すようにタイムライン画面47の上部には、更新ボタン59が表示されている。更新ボタン59が選択されると端末制御部5は、タイムラインの内容を最新の内容へと更新する。端末制御部5は、情報処理サーバ3のサーバ制御部10と通信し、タイムライン関連データ、その他の必要な情報を取得し、タイムラインの内容を更新する。ただし、タイムラインの更新に関し、端末制御部5が自動でリアルタイムに更新する構成でもよい。
【0059】
以上、ユーザがコミュニティを利用するシーンにおける各主体の動作について説明した。このように本実施形態では、端末制御部5(制御部)は、一のNFTまたは一のNFTと同じ種類のNFTをユーザが所有しているか否かを判別し、所有している場合、当該一のNFTに対応するコミュニティをユーザが利用可能な状態とする。
【0060】
この構成によれば、ユーザが一のNFT或いは一のNFTと同じ種類のNFTを所有することが確認できた場合には、ユーザが当該一のNFTに対応するコミュニティを利用可能な状態となる。このため上記構成によれば、ユーザは、従来のように所定のコミュニケーションサービスにアカウントを作成し、コミュニティに参加し、当該サービスにログインするという作業を行うことなく、NFTを正当に所有するというこれまでにない新しい方法で、クローズドなコミュニティを利用可能な状態を構築することができる。
【0061】
なお、コミュニティ対応NFTは、通常のNFTと同様、所有者の変更が可能である。一方、タイムライン画面47においては、あるコミュニティ対応NFTに基づくメッセージには、実際の所有者が誰であるかにかかわらず一貫して、そのコミュニティ対応NFTのトークンIDおよびNFT画像42が関連付けられる。このため、見た目上はコミュニティ対応NFTが一貫してメッセージを送信しているようになり、コミュニティ対応NFTに一種の人格が形成されるような効果が生じる。
【0062】
<変形例>
次に本実施形態の変形例について説明する。なお、上記実施形態で説明した情報処理システム1の機能、サービス、処理に付加することが可能な機能、サービス、処理についても変形例として説明する。
【0063】
<第1変形例>
上述した実施形態では、端末制御部5は、タイムライン画面47において、全てのメッセージについて強調度を同じとした。メッセージの強調度とは、メッセージが強調される度合いを意味し、強調度が高いほど、メッセージが見た目でより目立った状態となる。一方、本変形例では、端末制御部5は、タイムライン画面47(コミュニティ関連画面)に表示するメッセージについて、メッセージの送信元の参加者がコミュニティを利用する際に指定したNFTである参加者NFTのレア度によって、メッセージの強調度を変更する。以下、詳述する。
【0064】
端末制御部5は、タイムライン画面47を表示する際に、タイムライン画面47上に表示するメッセージブロック49について、対応する参加者NFTのレア度を取得する。ここで本変形例において、情報処理サーバ3のサーバ記憶部16には、NFT関連データベースが記憶されている。NFT関連データベースには、コミュニティ対応NFT毎に識別情報と対応付けてNFTに関する情報が登録されており、NFTに関する情報には少なくともレア度が含まれている。レア度は、NFTの希少性に応じて随時、更新される。端末制御部5は、情報処理サーバ3のサーバ制御部10と通信し、参加者NFTごとにレア度を取得する。本実施形態では、レア度は、0~100点のように、所定の範囲内の数値で表されるものとする。
【0065】
そして端末制御部5は、タイムライン画面47について、レア度が高いメッセージほど、そのメッセージブロック49の外枠の線の太さを太くする。メッセージブロック49の外枠の線の太さが太いほど、メッセージが強調されることになり、メッセージの強調度が高くなる。本実施形態では、レア度についての複数の閾値が事前に設定されている。端末制御部5は、レア度が各閾値を超えているか否かによって、外枠の線の太さを段階的に太くする。
【0066】
図12は本実施形態に係るタイムライン画面47の一例を示している。
図12のタイムライン画面47では、3つのメッセージブロック49-1、49-2、49-3が表示されている。そして、メッセージブロック49-1→メッセージブロック49-2→メッセージブロック49-3の順番に、外枠の線の太さが太い。これはメッセージブロック49-1→メッセージブロック49-2→メッセージブロック49-3の順番でレア度が高いということであり、この順番でメッセージが目立ち、強調されるようになっている。
【0067】
本変形例によれば、ユーザは、タイムライン画面47のメッセージ(メッセージブロック49)を参照するだけで、直感的かつ的確に、対応する参加者NFTのレア度を認識することができる。
【0068】
なお本変形例では、各コミュニティ対応NFTのレア度が情報処理サーバ3(他の外部装置でもよい)で管理され、端末制御部5は、情報処理サーバ3からレア度を取得する構成であった。この点に関して、各コミュニティ対応NFTのレア度がブロックチェーンに登録され、端末制御部5がブロックチェーンからレア度を取得する構成でもよい。
【0069】
また本変形例では、端末制御部5は、メッセージブロック49の外枠の太さを変更することによって、メッセージの強調度を変更した。この点に関して、他の方法でメッセージの強調度を変更する構成でもよい。例えば端末制御部5がレア度に応じてメッセージブロックの背景の色を変更する構成でもよい。また例えば端末制御部5がレア度に応じて、テキスト、その他の情報の表示態様を変更する構成でもよい。この場合、例えば端末制御部5は、レア度に応じてテキストの文字の太さを変更する。また例えば端末制御部5がレア度を示す情報をメッセージに付加する構成でもよい。この場合、例えば端末制御部5は、レア度を示す数値をメッセージに付加し、或いはレア度を星の個数によって表す情報をメッセージに付加する。
【0070】
また本変形例では、端末制御部5は、タイムライン画面47を表示する時点での参加者NFTのレア度によってメッセージの強調度を変更した。この点に関して、端末制御部5が、メッセージが送信された時点での参加者NFTのレア度によってメッセージの強調度を変更する構成でもよい。メッセージが送信された時点での参加者NFTのレア度は、一例として、情報処理サーバ3において管理される。
【0071】
また本変形例では、端末制御部5は、参加者NFTのレア度に応じてメッセージの強調度を変更した。この点に関して、端末制御部5が、レア度とは異なる概念の「レベル」に応じてメッセージの強調度を変更する構成でもよい。レア度は、希少性によって、その度合いが変更される項目であるが、レベルは、希少性以外の要因によって、その度合いが変更される項目である。一例としてレベルは、ユーザがコミュニティ対応NFTを取得してからの経過時間によって、その度合いが変更される項目である。また例えばレベルは、予め人為的にその値が設定される項目である。
【0072】
また本変形例では、端末制御部5は、参加者NFTのレア度に応じてメッセージの強調度を変更した。この点に関して、以下の構成でもよい。すなわち端末制御部5は、タイムライン画面47(コミュニティ関連画面)に表示するメッセージについて、メッセージの送信元の参加者が、スマートコントラクトにおいて所有しているNFTの個数によって、メッセージの強調度を変更する。以上の構成でもよい。つまり、端末制御部5は、一のコミュニティに対応するタイムライン画面47において、あるメッセージを表示する際に、そのメッセージの送信元の参加者が、当該一のコミュニティに対応するコミュニティ対応コントラクトが発行したコミュニティ対応NFTをより多く所有しているほど、より高い強調度でメッセージを表示する。この場合において、端末制御部5は、対応するコミュニティ対応コントラクト、或いは情報処理サーバ3(他の外部装置でもよい)に、参加者が所有するNFTの個数(残高)を問い合わせてもよいことは上述した通りである。
【0073】
この他、強調度を変更する機能をユーザがオン/オフできる構成でもよい。
【0074】
<第2変形例>
次に第2変形例について説明する。本変形例では端末制御部5は、タイムライン画面47(コミュニティ関連画面)に表示するメッセージについて、メッセージの送信元の参加者が特定の者であるか否かによって、メッセージの強調度を変更する。特に本変形例では端末制御部5は、タイムライン画面47(コミュニティ関連画面)に表示するメッセージについて、メッセージの送信元の参加者がコントラクトオーナであるか否かによって、メッセージの強調度を変更する。以下、詳述する。
【0075】
端末制御部5は、タイムライン画面47において、メッセージブロック49を表示するときに、そのメッセージブロック49に対応する参加者NFTの送信元の参加者がコントラクトオーナであるか否かを判別する。例えば端末制御部5は、対応するコミュニティ対応コントラクトの関数を利用して、送信元の参加者のアドレスを通知し、通知したアドレスとコントラクトオーナのアドレスとが一致するかどうかを問い合わせる。そして端末制御部5は、問い合わせに対する応答に基づいて、コントラクトオーナであるか否かを判別する。送信元の参加者がコントラクトオーナである場合、端末制御部5は、メッセージブロック49を強調表示する。なお、強調表示の方法は、一例として変形例で示した種々の方法を採用できる。
【0076】
本変形例によれば、ユーザは、タイムライン画面47のメッセージ(メッセージブロック49)を参照するだけで、直感的かつ的確に、メッセージの送信元の参加者がコントラクトオーナであるか否かを認識することができる。
【0077】
なお本変形例では、端末制御部5は、メッセージについて、メッセージの送信元の参加者がコントラクトオーナであるか否かによって、メッセージの強調度を変更した。この点に関して、端末制御部5が、メッセージの送信元の参加者がコントラクトオーナではない特定の者であるか否かによって、メッセージの強調度を変更する構成でもよい。特定の者は、例えばユーザが明示的に指定した特定の者であり、また例えば所定の条件を満たした者である。所定の条件は、例えば対応するコミュニティ対応コントラクトが発行したコミュニティ対応NFTを一定以上の個数、所有していることという条件である。
【0078】
<第3変形例>
次に第3変形例について説明する。本変形例では情報処理サーバ3は、更新通知サービスを提供する。更新通知サービスとは、注目ユーザが利用可能なコミュニティ(タイムライン)の何れかにおいて、新たにメッセージが送信されたときに、そのことをユーザに通知するサービスである。上述したように、注目ユーザは、あるコミュニティ対応NFTを所有している場合、そのコミュニティ対応NFTに対応するコミュニティを利用できる。以下、注目ユーザが利用可能なコミュニティを「利用可能コミュニティ」という。
【0079】
詳述すると、事前に注目ユーザは、通知を受けることを希望する送信元のユーザの範囲を設定する。一例として、送信元のユーザの範囲は「全てのユーザ」、「明示的に指定された一人以上のユーザ」、「コントラクトオーナ」である。例えば送信元のユーザの範囲が「全てのユーザ」である場合、何れかの利用可能コミュニティにおいて、何れかの参加者がメッセージを送信した場合、注目ユーザに通知が行く。また例えば送信元のユーザの範囲が「コントラクトオーナ」である場合、ある利用可能コミュニティにおいて、その利用可能コミュニティのコントラクトオーナがメッセージを送信した場合にのみ、注目ユーザに通知が行く。端末制御部5は、送信元のユーザの範囲を指定するための画面を提供する機能を有しており、注目ユーザは、当該画面を利用して送信元のユーザの範囲を設定する。なお、例示した「送信元のユーザの範囲」はあくまで一例であり、異なる内容の範囲を設定できる構成でもよい。設定された「送信元のユーザの範囲」は、端末制御部5から、情報処理サーバ3のサーバ制御部10に送信され、登録される。
【0080】
サーバ制御部10は、注目ユーザの利用可能コミュニティのそれぞれに対応するタイムライン関連データを監視し、設定された「送信元のユーザの範囲」に属するユーザが、新たなメッセージを送信したか否かを監視する。サーバ制御部10は、設定された「送信元のユーザの範囲」に属するユーザが新たなメッセージを送信したと判定した場合、そのことを注目ユーザに通知する。通知の方法は、どのような方法でもよい。一例として、対応アプリケーション17が起動しているか否かにかかわらず、メッセージを送信することが可能なプッシュ通知を利用して、端末2にメッセージを表示する。この他、一例として予め登録されたメールアドレスにメールを送信する構成でもよい。また、通知される情報には、基本的には、どのコミュニティで、だれがメッセージを送信したのかを注目ユーザが把握できる情報とされる。一例として、通知される情報には、コミュニティを識別する情報、および、メッセージの送信ものとユーザを識別する情報が含まれる。
【0081】
注目ユーザは、通知に応じて、自身が設定した「送信元のユーザの範囲」に属するユーザがメッセージを送信したことを認識できる。この認識に基づいて注目ユーザは、コミュニティを利用するシーンで説明した方法で、対応するタイムライン画面47を参照し、メッセージの内容を詳しく見たり、また、自身がメッセージを送信したりすることができる。
【0082】
<第4変形例>
次に第4変形例について説明する。上記実施形態では、端末制御部5は、タイムライン画面47に1つのコミュニティのタイムラインを表示した。この点に関し、端末制御部5が、タイムライン画面47に異なる複数のコミュニティに係る複数のタイムラインを表示する構成でもよい。その際に、端末制御部5が、複数のコミュニティのタイムラインを1つのタイムラインにまとめて表示してもよく、簡易な操作で切り替え可能な状態で複数のタイムラインを表示する構成でもよい。
【0083】
<第5変形例>
次に第5変形例について説明する。上記実施形態では、ユーザが所有NFT画面40から1つのコミュニティ対応NFTを指定し、端末制御部5は、指定されたコミュニティ対応NFTまたは当該NFTと同じ種類のNFTをユーザが所有しているか否かを判別し、ユーザが所有している場合、当該NFTに対応するコミュニティをユーザが利用可能な状態とした。この点に関し、ユーザが、コミュニティ対応NFTを指定する方法は例示した方法に限られない。
【0084】
また端末制御部5が、ユーザがコミュニティ対応NFTを指定したことをトリガとして、所有の有無の判別およびコミュニティを利用可能な状態への移行を行うのではなく、別のトリガでこれら処理を実行する構成でもよい。一例として、ユーザは、利用したいコミュニティに対応するコミュニティ対応NFTを事前に指定し、設定する。そして端末制御部5が、対応アプリケーション17の起動をトリガとして、事前に指定されたコミュニティ対応NFTについて、所有の有無の判別およびコミュニティを利用可能な状態への移行を行う。一例として以上の構成でもよい。ただし、アプリケーションの起動をトリガとした点は、あくまで一例である。
【0085】
また端末制御部5が、ユーザが指定したコミュニティ対応NFTについて、所有の有無の判別およびコミュニティを利用可能な状態への移行を行うのではなく、ユーザが指定していないコミュニティ対応NFTについても、所定の場合に所有の有無の判別およびコミュニティを利用可能な状態への移行を行う構成でもよい。一例として端末制御部5が、所定の事象(一例として対応アプリケーション17の起動)をトリガとして、ユーザが所有する全てのコミュニティ対応NFTについて、所有の有無の判別およびコミュニティを利用可能な状態への移行を行う構成でもよい。この他、端末制御部5が、所定の条件が成立したコミュニティ対応NFTについて、所定の事象をトリガとして所有の有無の判別およびコミュニティを利用可能な状態への移行を行う構成でもよい。
【0086】
<第6変形例>
次に第6変形例について説明する。上記実施形態では、端末制御部5は、タイムラインを利用可能な環境をユーザに提供することによって、ユーザがコミュニティを利用可能な状態としていた。しかしながら、端末制御部5が、ユーザがコミュニティを利用可能な状態とする方法は、例示した方法に限られない。例えば、端末制御部5が、本実施形態で例示した態様とは異なる態様のチャットによって参加者間でコミュニティをとることができる環境を提供する構成でもよい。また例えば端末制御部5が、掲示板への書き込みによって参加者間でコミュニティをとることができる環境を提供する構成でもよい。また例えば端末制御部5が、オンラインミーティングによって参加者間でコミュニケーションをとることができる環境を提供する構成でもよい。また例えば端末制御部5が、参加者間でコミュニケーションをとることができる仮想空間を提供する構成でもよい。
【0087】
以上、本発明の一実施形態(変形例を含む)について説明したが、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0088】
例えば、上記実施形態において、端末制御部5の処理の一部或いは全部を、情報処理サーバ3(他の外部装置でもよい)のサーバ制御部10が実行する構成でもよい。この場合、サーバ制御部10が「制御部」として機能し、あるいは、サーバ制御部10と端末制御部5とが連携して「制御部」として機能する。つまり、
図13で示すように、1つ以上の装置を含んで構成される情報処理システム1が、制御部を備えていればよい。
【0089】
例えば各種画面/ユーザインタフェイスの内容は、上記実施形態で例示した内容に限られない。一例としてタイムライン画面47に、メッセージとして送信する写真を撮影する場合に操作されるボタンがあってもよい。
【0090】
また上記実施形態では、コミュニティとスマートコントラクトとが一対一で対応している構成としたが、コミュニティとスマートコントラクトとの対応関係は例示したものに限られない。一例として、1つのコミュニティについて、複数のスマートコントラクトが対応する構成でもよい。この場合、当該複数のスマートコントラクトで発行されたコミュニティ対応NFTが、当該1つのコミュニティを利用する正当性を証明するNFTとなる。
【0091】
また、対応アプリケーション17の機能の一部或いは全部をブラウザが実現する構成でもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 情報処理システム
5 端末制御部(制御部)
10 サーバ制御部
40 所有NFT画面(指定用画面)
47 タイムライン画面(コミュニティ関連画面)
50 アイコン画像(参加者NFTを示す情報)