(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102999
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】液流式布帛処理装置
(51)【国際特許分類】
D06B 3/10 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
D06B3/10 B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007110
(22)【出願日】2023-01-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000152480
【氏名又は名称】株式会社日阪製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】野村 聡
(72)【発明者】
【氏名】谷岡 久志
【テーマコード(参考)】
3B154
【Fターム(参考)】
3B154AB28
3B154BA07
3B154BA17
3B154BB43
3B154BB46
3B154BC01
3B154BC03
3B154BC06
3B154BC08
(57)【要約】
【課題】使用する液体の量を抑えることができる液流式布帛処理装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、液流によって布帛を循環させつつ処理を行う液流式布帛処理装置であって、平面視において所定方向に間隔をあけて配置される第一端部及び第二端部と該第一端部から該第二端部まで延びる管本体とを有し、布帛が第一端部から第二端部に向けて管本体内を移動する移送管と、平面視において所定方向に延び且つ移送管の第二端部から吐出された布帛が該移送管の第一端部に向けて内部を移動する第一槽と、第一槽に液体を供給可能な液供給部と、を備え、第一槽は、液供給部から供給される液体を該第一槽の底部から槽内に吐出する複数の吐出部を有し、複数の吐出部は、所定方向に間隔をあけて配置されている、ことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液流によって布帛を循環させつつ処理を行う液流式布帛処理装置であって、
平面視において所定方向である第一方向に間隔をあけて配置される第一端部及び第二端部と該第一端部から該第二端部まで延びる管本体とを有し、前記布帛が前記第一端部から前記第二端部に向けて前記管本体内を移動する移送管と、
平面視において前記第一方向に延び且つ前記移送管の第二端部から吐出された前記布帛が該移送管の第一端部に向けて内部を移動する第一槽と、
前記第一槽に液体を供給可能な液供給部と、を備え、
前記第一槽は、前記液供給部から供給される前記液体を該第一槽の底部から槽内に吐出する複数の吐出部を有し、
前記複数の吐出部は、前記第一方向に間隔をあけて配置されている、液流式布帛処理装置。
【請求項2】
前記複数の吐出部のそれぞれは、平面視における前記底部の前記第一方向と直交する第二方向の中央部に配置されている、請求項1に記載の液流式布帛処理装置。
【請求項3】
前記第一槽は、前記複数の吐出部に対して前記第二方向の一方側に間隔を開けた位置と他方側に間隔をあけた位置とのそれぞれに配置され、且つ前記第一槽の前記槽内から前記液体を排出可能な排出部を有する、請求項2に記載の液流式布帛処理装置。
【請求項4】
前記移送管の前記第一端部と前記第二端部とが接続又は配置され且つ前記第一槽を内部に収容する第二槽と、
前記第二槽と前記液供給部とを接続する管路部と、を備え、
前記第二槽は、前記第一槽から排出された前記液体を滞留させ、
前記管路部は、前記第二槽に滞留した前記液体を前記液供給部に案内する、請求項1~3のいずれか1項に記載の液流式布帛処理装置。
【請求項5】
前記第二槽に滞留した前記液体を前記移送管に供給することで該移送管の内部に前記第一端部から前記第二端部に向かう液流を形成する液流形成部を備える、請求項4に記載の液流式布帛処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布帛に対して各種処理を行うための液流式布帛処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、布帛に対して染色や洗浄等の各種処理を行うための液流式布帛処理装置が知られている(特許文献1参照)。この液流式布帛処理装置では、布帛が循環経路を循環しつつ染色や洗浄等の各種処理が行われる。
【0003】
具体的に、この液流式布帛処理装置は、
図5に示すように、所定方向に延び且つ内部に処理液(水を含む)wが滞留する処理槽101と、所定方向における処理槽101の一方の端部101aから他方の端部101bまで延び且つ内部を布帛fが移動可能な移送管102と、処理槽101の内部に滞留した処理液wを移送管102に供給することで該移送管102の内部に液流を形成する液流形成部103と、を備える。この液流式布帛処理装置100では、処理槽101と移送管102とが布帛fが循環する循環経路を構成する。
【0004】
また、液流形成部103は、移送管102において処理槽101の一方の端部101aに接続される第一端部102aから、処理槽101の他方の端部101bに接続される第二端部102bに向かう液流を該移送管102内に形成するように、処理槽101に滞留した処理液wを移送管102の内部に供給する。この移送管102内に形成される液流等によって循環経路内に無端状に配置された布帛fが循環(循環走行)し、該布帛fの染色処理や洗浄等が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の液流式布帛処理装置100は、処理槽101に滞留する処理液wの液量が少ないと、布帛fと処理槽101の底部との摩擦によって布帛fが処理槽101の後方側(他方の端部101b)側に溜まってしまい循環走行できなくなる、いわゆる「後ろ詰まり」を起してしまう。
【0007】
このため、上記の液流式布帛処理装置100では、処理槽101に滞留する処理液w等の液量を十分に増やし、浮力によって布帛fと処理槽101の底部との接触を防ぐ又は減らすことで、布帛fの循環走行がスムーズに行われるようにしていた。
【0008】
しかし、処理液wの液量を増やすことで、水以外にも染色温度を上げるための蒸気や染色薬品等のランニングコストも前記液量に比例して増加してしまう。
【0009】
そこで、本発明は、使用する液体の量を抑えることができる液流式布帛処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の液流式布帛処理装置は、
液流によって布帛を循環させつつ処理を行う液流式布帛処理装置であって、
平面視において所定方向である第一方向に間隔をあけて配置される第一端部及び第二端部と該第一端部から該第二端部まで延びる管本体とを有し、前記布帛が前記第一端部から前記第二端部に向けて前記管本体内を移動する移送管と、
平面視において前記第一方向に延び且つ前記移送管の第二端部から吐出された前記布帛が該移送管の第一端部に向けて内部を移動する第一槽と、
前記第一槽に液体を供給可能な液供給部と、を備え、
前記第一槽は、前記液供給部から供給される前記液体を該第一槽の底部から槽内に吐出する複数の吐出部を有し、
前記複数の吐出部は、前記第一方向に間隔をあけて配置されている。
【0011】
かかる構成によれば、第一槽の底部の各吐出部から槽内に液体が吐出されることで、布帛が第一槽の内部を移送管の第一端部に向けて移動するときに、布帛と第一槽の底部との間に液体が位置し、覆われた布帛によってこの液体(布帛と第一槽の底部との間に位置する液体)の圧力が保持されることで布帛が浮き(即ち、布帛と底部との接触が抑えられ)、これにより、該底部と布帛との間の摩擦が抑えられる。その結果、布帛が十分に浮く量の液体が槽内に滞留する場合(
図5参照)に比べ、使用する液体の量が抑えられる。
【0012】
前記液流式布帛処理装置では、
前記複数の吐出部のそれぞれは、平面視における前記底部の前記第一方向と直交する第二方向の中央部に配置されてもよい。
【0013】
かかる構成によれば、第一槽の底部における第二方向の中央部から液体が吐出されるため、布帛が底部に覆いかぶさる範囲において底部と布帛との間に位置する液体の圧力を保持するために必要な第二方向の距離が確保され、これにより、布帛が浮き、その結果、布帛が第一槽の内部を移送管の第一端部に向けて移動するときの布帛と底部との間の摩擦が好適に抑えられる。
【0014】
この場合、前記液流式布帛処理装置において、
前記第一槽は、前記複数の吐出部に対して前記第二方向の一方側に間隔を開けた位置と他方側に間隔をあけた位置とのそれぞれに配置され、且つ前記第一槽の前記槽内から前記液体を排出可能な排出部を有することが好ましい。
【0015】
かかる構成によれば、第一槽の底部における第二方向の中央部から吐出された液体が該底部と布帛との間を第二方向の一方側の排出部と他方側の排出部とに向けてそれぞれ流れることで布帛が底部に覆いかぶさる範囲において底部と布帛との間に位置する液体の圧力を保持するために必要な第二方向の距離が確保され、これにより、布帛が浮いて該布帛と底部との間の摩擦が抑えられ、その結果、染色や洗浄等の各種処理が好適に行われる。
【0016】
また、前記液流式布帛処理装置は、
前記移送管の前記第一端部と前記第二端部とが接続又は配置され且つ前記第一槽を内部に収容する第二槽と、
前記第二槽と前記液供給部とを接続する管路部と、を備え、
前記第二槽は、前記第一槽から排出された前記液体を滞留させ、
前記管路部は、前記第二槽に滞留した前記液体を前記液供給部に案内してもよい。
【0017】
このように第二槽が第一槽を内部に収容して該第一槽から排出された液体を滞留させつつ第二槽に滞留した液体を管路部が液供給部まで案内して第一槽の底部(各吐出部)から吐出させることで、液体を循環させることができ、これにより、使用する液体の量がより抑えられる。
【0018】
また、前記液流式布帛処理装置は、
前記第二槽に滞留した前記液体を前記移送管に供給することで該移送管の内部に前記第一端部から前記第二端部に向かう液流を形成する液流形成部を備えてもよい。
【0019】
このように、第二槽から第一槽まで液体を案内する系統とは別に液流形成部が設けられることで、布帛を移動させる(循環させる)ための液流の制御と、第一槽の底部と布帛との間の摩擦の制御と、を独立して行うことができ、これにより、布帛の各処理をより適切に行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
以上より、本発明によれば、使用する液体の量を抑えることができる液流式布帛処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本実施形態の係る液流式布帛処理装置の概要図である。
【
図2】
図2は、前記液流式布帛処理装置が備える処理槽における
図1のII-II位置での断面図である。
【
図3】
図3は、前記処理槽が有する内槽及び該内槽の周辺の構成を説明するための概要図である。
【
図5】
図5は、従来の液流式布帛処理装置の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について、
図1~
図4を参照しつつ説明する。
【0023】
本実施形態の液流式布帛処理装置は、液流によって布帛を循環させつつ該布帛の処理を行う。この液流式布帛処理装置1は、
図1及び
図2に示すように、処理槽2と、処理槽2に接続される移送管5と、布帛Fを循環させるための液流を形成する第一給液系統(液流形成部)6と、を備える。また、本実施形態の液流式布帛処理装置1は、処理槽2において該処理槽2と布帛Fとの間に処理液(液体)Wを供給する分配路(液供給部)71を備える。尚、本実施形態の液流式布帛処理装置1において、処理液Wは、布帛Fの染色に用いられる染色液、布帛Fの各種処理に用いられる薬品を含む液体、洗浄等に用いられる水等である。
【0024】
処理槽2は、平面視において所定の方向(第一方向)に延びる長尺な槽であり、内槽(第一槽)3と、内槽3を内部に収容する外槽(第二槽)4と、を有する。本実施形態の処理槽2は、平面視において、一方側の端(一端:
図1における左側の端)2Aから他方側の端(他端:
図1における右側の端)2Bまで真っすぐ延びている。また、この処理槽2において、内槽3の下側における該内槽3と外槽4との間に、処理液Wの滞留可能な空間Sが形成されている。尚、以下では、平面視において処理槽2の延びる方向(第一方向)を直交座標系のX軸方向とし、平面視において処理槽2の延びる方向と直交する方向(第二方向)を直交座標系のY軸方向とし、上下方向を直交座標系のZ軸方向とする。
【0025】
外槽4は、処理槽2の他端2Bから一端2A側に延びる第一部位41と、第一部位41の一方側の端から処理槽2の一端2Aまで延びる第二部位42と、を有する。
【0026】
第一部位41は、他端2Bから一端2A側に向けて先下がりに僅かに傾斜した円筒状の部位であり、他方側の端は閉じている。この第一部位41の他方側の端部は、移送管5の他方側の端部(第二端部)5Bが配置される部位であり、移送管5から処理槽2内に布帛Fが送り込まれる部位である。
【0027】
第二部位42は、第一部位41から一端2Aに向かうにつれて縮径する縮径部43と、縮径部43から延びる延設部44と、を有する。この第二部位42は、第一部位41から一端2A側に向けて先上がりに傾斜した状態で、第一部位41の一方側の端に連結されている。尚、第二部位42は、縮径部43を有していなくてもよい。即ち、第二部位42は、各位置の径が一定又は略一定の円筒状であってもよい。
【0028】
延設部44は、移送管5の一方側の端部(第一端部)5Aが接続される部位であり、処理槽2から移送管5に布帛Fが送り込まれる部位である。具体的に、延設部44は、縮径部43から連続して伸びる円筒状の延設部本体441と、延設部本体441の下部から下方に延び且つ移送管5の第一端部5Aが接続される接続部442と、を有する。
【0029】
延設部本体441は、X軸方向の一方側の端に開閉扉441aを有する。この開閉扉441aは、処理槽2の一端2Aを開放させた状態(開口状態)と、封止した状態(閉塞状態)とに切り替え可能であり、処理槽2への布帛Fの出し入れに用いられる。
【0030】
延設部本体441の内部には、布帛Fを移送及び誘導するためのリール441bが配置されている。このリール441bは、Y軸方向に延びる軸441cまわりに回転する。本実施形態のリール441bは、図示しない電動モータによって回転駆動される。
【0031】
接続部442は、第一給液系統6が接続されているノズル442aを内部に有する。このノズル442aは、第一給液系統6から接続部442に供給される処理液Wを接続部442内の中央斜め下方に向けて高速で吐出させる。本実施形態のノズル442aは、接続部442の中心(平面視の中心)まわりの略全周から、接続部442の下端側の前記中心に向けて高速で処理液Wを吐出させる。
【0032】
内槽3は、平面視においてX軸方向に延び、布帛Fが内部を移動する。この内槽3は、
図3及び
図4にも示すように、第二給液系統7から供給される処理液Wを該内槽3の底壁部(底部)311から内槽3内に吐出する複数の吐出部31aを有する。また、内槽3は、複数の吐出部31aに対してY軸方向の一方側に間隔を開けた位置と他方側に間隔をあけた位置とのそれぞれに配置され、且つ内槽3の槽内から処理液Wを排出可能な複数の排出部31bを有する。
【0033】
具体的に、内槽3は、外槽4の第一部位41の内部において該第一部位41の中心線C方向に延びる内槽本体31と、移送管5の第二端部5Bが接続される入口側端部32と、外槽4の第二部位42の内部に配置され且つ内槽本体31から延びる出口側端部33と、を有する。
【0034】
内槽本体31は、中心線C方向に延びる筒状の部位であり、複数の吐出部31aと複数の排出部31bとを有する。より具体的に、内槽本体31は、中心線C方向に延びる底壁部311と、底壁部311のY軸方向(幅方向)の端縁から上側に立ち上がる一対の側壁部312と、一対の側壁部312の上端縁同士を接続する天壁部313と、を有する筒状の部位である。本実施形態の内槽本体31は、中心線Cと直交する面方向の断面(横断面)が六角形の角筒状である。尚、内槽本体31は、天壁部313の無い構成であってもよい。
【0035】
底壁部311は、中心線C方向の各位置におけるY軸方向の寸法が一定の帯板状であり、複数の吐出部31aを有する。本実施形態の底壁部311は、他端2Bから一端2A側に向けて先下がりに僅かに傾斜しているが、水平であってもよい。
【0036】
複数の吐出部31aは、底壁部311において中心線C方向に間隔をあけて配置されている。換言すると、複数の吐出部31aは、Z軸方向から見てX軸方向に間隔をあけて配置されている。本実施形態の底壁部311では、複数の吐出部31aは、中心線C方向に等間隔に配置されている。また、各吐出部31aは、底壁部311の厚さ方向に該底壁部311を貫通する貫通孔であり、Y軸方向における底壁部311の中央部に配置されている。これら複数の吐出部31aは、底壁部311における中心線C方向の全域に配置されている。
【0037】
一対の側壁部312のそれぞれは、底壁部311の法線方向の途中位置(本実施形態の例では、中央位置)においてY軸方向の外側に凸となるように屈曲しており、複数の排出部31bを有する。本実施形態の一対の側壁部312のそれぞれは、前記法線方向における底壁部311から離れる側に向かうにつれてY軸方向に互いに離間する下側部位312aと、下側部位312aから延び且つ前記法線方向における底壁部311から離れる側に向かうにつれてY軸方向に互いに接近する上側部位312bと、をそれぞれ有する。
【0038】
複数の排出部31bは、各側壁部312において中心線C方向に間隔をあけて配置されている。本実施形態の各側壁部312では、複数の排出部31bは、中心線C方向に等間隔に配置されている。各排出部31bの中心線C方向の位置は、対応する吐出部31aと同じである。また、各排出部31bは、下側部位312aに配置されており、下側部位312aの厚さ方向に該下側部位312aを貫通する貫通孔である。これら複数の排出部31bは、側壁部312(詳しくは、下側部位312a)における中心線C方向の全域に配置されている。尚、排出部31bは、下側部位312aに加え、上側部位312bにも配置されてもよい。
【0039】
天壁部313は、中心線C方向の各位置におけるY軸方向の寸法が一定の帯板状であり、底壁部311と前記法線方向に間隔をあけて対向している。
【0040】
入口側端部32は、中心線C方向の他方側(内槽本体31と反対側)の端部が閉じた筒状の部位であり、移送管5の第二端部5Bが接続されている。本実施形態の入口側端部32は、布帛Fと共に内槽3に流入する処理液Wを排出する複数の貫通孔32aを下部に有する。
【0041】
出口側端部33は、内槽本体31の底壁部311から第二部位42の接続部442近傍に向けて延びる部位であり(
図1参照)、第二部位42の内部を上下に区分けするように広がる板状である。この出口側端部33は、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔331を有する。本実施形態の出口側端部33は、パンチングメタル等によって構成されている。
【0042】
移送管5は、処理槽2の一端2Aと他端2Bとを接続して、該処理槽2と共同して布帛Fが循環(循環走行)する循環経路を形成する。この移送管5は、平面視においてX軸方向に間隔をあけて配置される第一端部5A及び第二端部5Bと該第一端部5Aから該第二端部5Bまで延びる管本体50とを有し、布帛Fが第一端部5Aから第二端部5Bに向けて管本体50の内部を移動する。本実施形態の移送管5は、処理槽2の下側に配置されている。
【0043】
管本体50は、処理槽2の下方でX軸方向に延びる主管部51と、主管部51の一方側の端部から接続部442に向けて先上がりの傾斜方向に延びる第一起立部52と、主管部51の他方側の端部から上方に向けて処理槽2の他方側の端部内(詳しくは、内槽3)まで延びる第二起立部53と、を有する。この第一起立部52の先端部(主管部51と反対側の端部)が移送管5の第一端部5Aであり、第二起立部53の先端部(主管部51と反対側の端部)が移送管5の第二端部5Bである。
【0044】
第一給液系統6は、移送管5の内部に液流を形成する系統である。この第一給液系統6は、処理槽2及び移送管5と共に処理液Wの循環経路を形成する。本実施形態の第一給液系統6は、処理液Wを循環させつつ処理液Wの温度調整(即ち、加熱及び冷却の少なくとも一方)を行うことができる。
【0045】
この第一給液系統6は、外槽4内の処理液(詳しくは、内槽3の下側において内槽3と外槽4との間に形成された空間Sに滞留する処理液)Wを処理槽2の一方側の端部に供給する。具体的に、第一給液系統6は、外槽4の下部と接続部442とを接続する第一管路部61と、第一管路部61に配置される第一ポンプ62と、第一管路部61内を流通する処理液Wの温度を調整する温度調整部(本実施形態の例では、熱交換器)63と、を有する。本実施形態の第一管路部61は、外槽4の下部における第一部位41と第二部位42との境界部(詳しくは、第一部位41の第二部位42側の端部、第二部位42の第一部位41側の端部、又は第一部位41と第二部位42とに跨る部位)と、接続部442のノズル442aと、を接続する。
【0046】
第二給液系統7は、外槽4内の処理液(詳しくは、内槽3の下側において内槽3と外槽4との間に形成された空間Sに滞留する処理液)Wを内槽3の各吐出部31aに供給する系統である。この第二給液系統7は、処理槽2と共に処理液Wの循環経路を形成する。具体的に、第二給液系統7は、処理液Wを内槽3の各吐出部31aに分配する分配路(液供給部)71と、外槽4の下部と分配路71とを接続する第二管路部72と、第二管路部72に配置される第二ポンプ73と、を有する。
【0047】
分配路71は、内槽本体31の外側から底壁部311に接するように該底壁部311に沿って中心線C方向に延びており、第二管路部72から供給される処理液Wが内部を流通する。この分配路71は、Y軸方向における底壁部311の中央部(即ち、前記法線方向から見て一列に並ぶ複数の吐出部31aと重なる位置)に配置されている。そして、分配路71における処理槽2の他端2B側の端部(入口)71aには、第二管路部72が接続されている。
【0048】
詳しくは、分配路71は、中心線C方向の内槽本体31と対応する範囲において上下に並ぶ上側流路711と下側流路712とに区分けする壁部710を有する。この壁部710は、中心線C方向に間隔をあけて配置される二つの貫通孔710aを有する。
【0049】
上側流路711は、各吐出部31aと連通しており、中心線C方向の中央位置で区切られることで一方側流路711aと他方側流路711bとに区分けされている。
【0050】
一方側流路711aでは、中心線C方向の両側が閉じている。また、他方側流路711bでは、中心線C方向の一方側(一方側流路711a側)の端部が閉じると共に、中心線C方向の他方側の端部は、分配路71の入口71aと連通している(即ち、他方側の端部は、開放されている)。この他方側の端部が入口71aと連通していることで、第二管路部72から供給された処理液Wは、下側流路712と他方側流路711bとに分岐して流入する(
図3参照)。
【0051】
下側流路712は、中心線C方向の一方側の端部が閉じると共に、他方側の端部が入口71aと連通している。また、下側流路712は、壁部710に形成された貫通孔710aを通じて一方側流路711aと他方側流路711bとのそれぞれと連通する。
【0052】
第二管路部72は、外槽4の下部における第一部位41と第二部位42との境界部(詳しくは、第一部位41の第二部位42側の端部、第二部位42の第一部位41側の端部、又は第一部位41と第二部位42とに跨る部位)と、分配路71の入口71aと、を接続する。
【0053】
以上の液流式布帛処理装置1では、以下のようにして布帛Fの処理(本実施形態の例では、染色)が行われる。
【0054】
先ず、布帛Fが処理槽2及び移送管5によって形成される循環経路を循環可能なループ状となった状態で、第一給液系統6の第一ポンプ62と、第二給液系統7の第二ポンプ73とが駆動し始める。このループ状の布帛Fは、リール441bに巻き掛けられており、第一ポンプ62及び第二ポンプ73が駆動し始めると、リール441bも回転駆動し始める。
【0055】
第一ポンプ62が駆動することで、ノズル442aに供給された処理液Wが該ノズル442aから噴射され、移送管5の内部に第一端部5Aから第二端部5Bに向かう液流が形成される。これにより、移送管5の内部の布帛Fに対して第一端部5Aから第二端部5Bに向かう力が加わる。そして、移送管5の第二端部5Bから内槽3の入口側端部32に布帛Fと共に流入した処理液Wの多くは、入口側端部32の下部に設けられた複数の貫通孔32aから排出され、外槽4の内部における内槽3の下側の空間Sに滞留する。
【0056】
一方、第二ポンプ73が駆動することで、分配路71に供給された処理液Wが各吐出部31aから吐出される。
【0057】
詳しくは、第二管路部72から分配路71の入口71aに供給された処理液Wは、下側流路712と他方側流路711bとに流入する。また、下側流路712に流入した処理液Wは、壁部710の各貫通孔710aを通じて一方側流路711aと他方側流路711bとにそれぞれ流入する。そして、一方側流路711aと他方側流路711bとに流入した処理液Wは、各吐出部31aから内槽3内に吐出される。
【0058】
このように分配路71において処理液Wの流れを分岐させ、中心線C方向に並ぶ(分割されている)複数の流路711a、711bにそれぞれ流入させた上で各流路711a、711bの各吐出部31aから処理液Wを吐出させることで、中心線C方向に並ぶ各吐出部31aに対して略同じ圧力で処理液Wが供給される。即ち、各吐出部31aから同じ吐出量若しくは略同じ吐出量で処理液Wが吐出される。
【0059】
以上の各吐出部31aからの処理液Wの吐出によって内槽3の底壁部311と布帛Fとの間に処理液Wが位置し、底壁部311を覆う布帛Fによって底壁部311と布帛Fとの間に位置する処理液Wの圧力が保持されることで布帛fが浮き、これにより、布帛Fが循環経路を循環走行するときの布帛Fと底壁部311との間の摩擦が抑えられる。このとき、各吐出部31aから吐出された処理液Wは、底壁部311に沿ってY軸方向の一方側と他方側とにそれぞれ広がり、内槽3の各側壁部312に設けられた各排出部31bから内槽3の外部に排出される。そして、この内槽3から排出された処理液Wは、外槽4の内部における内槽3の下側の空間Sに滞留する。
【0060】
以上のように、移送管5の内部に液流が形成されると共に、内槽3の底壁部311の各吐出部31aから内槽3内に処理液Wが吐出され、且つ、リールが411bが回転駆動することで、ループ状に配置された布帛Fは、循環経路を循環(循環走行)し、該布帛Fの染色や洗浄等の処理が行われる。このとき、第一給液系統6の温度調整部63によって、処理液Wの温度が調整(制御)される。
【0061】
本実施形態の液流式布帛処理装置1は、液流によって布帛Fを循環させつつ処理を行う液流式布帛処理装置1であって、平面視においてX軸方向(第一方向)に間隔をあけて配置される第一端部5A及び第二端部5Bと該第一端部5Aから該第二端部5Bまで延びる管本体50とを有し、布帛Fが第一端部5Aから第二端部5Bに向けて管本体50内を移動する移送管5と、平面視においてX軸方向に延び且つ移送管5の第二端部5Bから吐出された布帛Fが該移送管5の第一端部5Aに向けて内部を移動する内槽(第一槽)3と、内槽3に処理液(液体)Wを供給可能な分配路(液供給部)71と、を備えている。そして、内槽3は、分配路71から供給される処理液Wを該内槽3の底壁部(底部)311から内槽3内に吐出する複数の吐出部31aを有し、複数の吐出部31aは、X軸方向に間隔をあけて配置されている。
【0062】
このように、内槽3の底壁部311の各吐出部31aから内槽3内に処理液Wが吐出されることで、布帛Fが内槽3の内部を移送管5の第一端部5Aに向けて移動するときに、布帛Fと内槽3の底壁部311との間に処理液Wが位置し、覆われた布帛Fによってこの処理液(布帛Fと内槽3の底壁部311との間に位置する処理液)Wの圧力が保持されることで布帛Fが浮き(即ち、布帛Fと底壁部311との接触が抑えられる)、これにより、布帛Fが内槽3内を移動するときの該底壁部311と布帛Fとの間の摩擦が抑えられる。その結果、布帛Fが十分に浮く量(即ち、布帛Fの処理槽の底部等との接触が抑えられる量)の処理液が処理槽内に滞留する場合(
図5参照)に比べ、使用する処理液Wの量が抑えられる。
【0063】
また、本実施形態の液流式布帛処理装置1では、複数の吐出部31aのそれぞれは、平面視における底壁部311のY軸方向(第二方向)の中央部に配置されている。かかる構成によれば、処理液が内槽3の底壁部311におけるY軸方向の中央部から吐出されるため、布帛Fが底壁部311に覆いかぶさる範囲において底壁部311と布帛Fとの間に位置する処理液Wの圧力を保持するために必要なY軸方向の距離が確保され、これにより、布帛Fが浮き、その結果、布帛Fが内槽3の内部を移送管5の第一端部5Aに向けて移動するときの布帛Fと底壁部311との間の摩擦が好適に抑えられる。
【0064】
また、本実施形態の液流式布帛処理装置1では、内槽3は、複数の吐出部31aに対してY軸方向の一方側に間隔を開けた位置と他方側に間隔をあけた位置とのそれぞれに配置され、且つ内槽3の槽内から処理液Wを排出可能な排出部31bを有している。
【0065】
かかる構成によれば、内槽3の底壁部311におけるY軸方向の中央部の吐出部31aから吐出されるため、布帛Fが底壁部311に覆いかぶさる範囲において底壁部311と布帛Fとの間に位置する処理液Wの圧力を保持するために必要なY軸方向の距離が確保され、これにより、布帛Fが浮き、その結果、液流式布帛処理装置1において染色や洗浄等の各種処理が好適に行われる。
【0066】
また、本実施形態の液流式布帛処理装置1は、移送管5の第一端部5Aと第二端部5Bとが接続又は配置され且つ内槽3を内部に収容する外槽(第二槽)4と、外槽4と分配路(液供給部)71とを接続する第二管路部(管路部)72と、を備える。そして、外槽4は、内槽3から排出された処理液Wを滞留させ、第二管路部72は、外槽4に滞留した処理液Wを分配路71に案内する。このように外槽4が内槽3を内部に収容して該内槽3から排出された処理液Wを滞留させつつ外槽4に滞留した処理液Wを第二管路部72が分配路71まで案内して内槽3の底壁部311(各吐出部31a)から吐出させることで、処理液Wを循環させることができる。このように処理液Wを循環させることで、液流式布帛処理装置1において使用する処理液Wの量がより抑えられる。
【0067】
また、本実施形態の液流式布帛処理装置1は、外槽4に滞留した処理液Wを移送管5に供給することで該移送管5の内部に第一端部5Aから第二端部5Bに向かう液流を形成する第一給液系統(液流形成部)6を備えている。このように、外槽4から内槽3まで処理液Wを案内する第二給液系統7とは別に第一給液系統6が設けられることで、布帛Fを移動させる(循環させる)ための液流の制御と、内槽3の底壁部311と布帛Fとの間の摩擦の制御と、を独立して行うことができ、これにより、布帛Fの循環走行(各処理)をより適切に行うことができる。
【0068】
尚、本発明の液流式布帛処理装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0069】
上記実施形態の液流式布帛処理装置1において、内槽3は、吐出部31aに対してY軸方向の一方側に間隔をあけた位置と他方側に間隔をあけた位置とのそれぞれに排出部31bを有しているがこの構成に限定されない。内槽3は、排出部31bを有さない構成であってもよい。この場合、吐出部31aから吐出された処理液Wは、内槽3の他方側の端部(上記実施形態の例では、出口側端部33)から内槽3の外部に排出される。
【0070】
また、上記実施形態の液流式布帛処理装置1では、排出部31bが内槽3の側壁部(底壁部311から立ち上がった壁部)312に配置されているが、この構成に限定されない。排出部31bは、吐出部31aからY軸方向の一方側に間隔をあけた位置と他方側に間隔をあけた位置とであれば、底壁部311(例えば、底壁部311のY軸方向の両端部)等に配置されていてもよい。
【0071】
また、上記実施形態の液流式布帛処理装置1では、吐出部31aと該吐出部31aからY軸方向の一方側に配置された排出部31bとのY軸方向の距離と、吐出部31aと該吐出部31aからY軸方向の他方側に配置された排出部31bとのY軸方向の距離とが同じであるが、異なっていてもよい。
【0072】
また、上記実施形態の液流式布帛処理装置1では、内槽3において、吐出部31aは、中心線C方向に等間隔になるように一列に並んでいるが、この構成に限定されない。また、内槽3において、排出部31bも、中心線C方向に等間隔になるように一列に並んでいるが、この構成にも限定されない。吐出部31a又は排出部31bは、中心線C方向に並ぶ吐出部31a又は排出部31bの列がY軸方向に複数形成されてもよい。また、吐出部31a又は排出部31bの中心線C方向の列は、等間隔でなくてもよい。また、複数の吐出部31a又は複数の排出部31bは、全て同じ大きさ又は全て同じ形状でなくてもよい。即ち、吐出部31a又は排出部31bの数、形状、大きさ、及び配置等は、それぞれ適宜変更されてもよい。
【0073】
また、上記実施形態の液流式布帛処理装置1では、内槽3の横断面(中心線Cと直交する面方向の断面)形状は、限定されない。内槽3の前記横断面形状は、上記実施形態の例では六角形であるが、円形や楕円形、多角形(六角形を除く)等であってもよい。また、底壁部311の横断面形状は、例えば凹凸の繰り返される波形状等であってもよい、即ち、平らでなくてもよい。
【0074】
また、上記実施形態の液流式布帛処理装置1では、移送管5が処理槽2の下側に配置されているが、この構成に限定されない。移送管5が処理槽2の上側に配置される構成であってもよい。
【0075】
また、上記実施形態の液流式布帛処理装置1は、第一ポンプ62と第二ポンプ73とを備えている、即ち、給液系統6、7毎にポンプを有しているが、この構成に限定されない。第一給液系統6と第二給液系統7とにおいて、共通の一つのポンプが配置される構成であってもよい。この場合、各給液系統6、7での処理槽2への給液量を独立して調整(制御)するために、各給液系統6、7に流量調整弁等が配置されていることが好ましい。
【符号の説明】
【0076】
1…液流式布帛処理装置、2…処理槽、2A…一端、2B…他端、3…内槽(第一槽)、31…内槽本体、31a…吐出部、31b…排出部、311…底壁部(底部)、312…側壁部、312a…下側部位、312b…上側部位、313…天壁部、32…入口側端部、32a…貫通孔、33…出口側端部、331…貫通孔、4…外槽(第二槽)、41…第一部位、42…第二部位、43…縮径部、44…延設部、441…延設部本体、441a…開閉扉、441b…リール、441c…軸、442…接続部、442a…ノズル、5…移送管、5A…第一端部、5B…第二端部、50…管本体、51…主管部、52…第一起立部、53…第二起立部、6…第一給液系統(液流形成部)、61…第一管路部、62…第一ポンプ、63…温度調整部、7…第二給液系統、71…分配路(液供給部)、71a…入口、710…壁部、710a…貫通孔、711…上側流路、711a…一方側流路、711b…他方側流路、712…下側流路、72…第二管路部(管路部)、73…第二ポンプ、100…液流式布帛処理装置、101…処理槽、101a…一方の端部、101b…他方の端部、102…移送管、102a…第一端部、102b…第二端部、103…液流形成部、C…中心線、F、f…布帛、S…空間、W、w…処理液(液体)
【手続補正書】
【提出日】2024-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液流によって布帛を循環させつつ処理を行う液流式布帛処理装置であって、
平面視において所定方向である第一方向に間隔をあけて配置される第一端部及び第二端部と該第一端部から該第二端部まで延びる管本体とを有し、前記布帛が前記第一端部から前記第二端部に向けて前記管本体内を移動する移送管と、
平面視において前記第一方向に延び且つ前記移送管の第二端部から吐出された前記布帛が該移送管の第一端部に向けて内部を移動する槽と、
前記槽に液体を供給可能な液供給部と、を備え、
前記槽は、前記布帛の下側から該布帛に向けて前記液体を吐出する複数の吐出部を有し、
前記複数の吐出部は、加圧手段で加圧した前記液体を吐出する、液流式布帛処理装置。
【請求項2】
液流によって布帛を循環させつつ処理を行う液流式布帛処理装置であって、
平面視において所定方向である第一方向に間隔をあけて配置される第一端部及び第二端部と該第一端部から該第二端部まで延びる管本体とを有し、前記布帛が前記第一端部から前記第二端部に向けて前記管本体内を移動する移送管と、
平面視において前記第一方向に延び且つ前記移送管の第二端部から吐出された前記布帛が該移送管の第一端部に向けて内部を移動する槽と、
前記槽に液体を供給可能な液供給部と、を備え、
前記槽は、前記布帛の下側から該布帛に向けて前記液体を吐出する複数の吐出部を有し、
前記複数の吐出部は、前記槽内で前記液体が滞留していない位置、又は、前記布帛が前記液体に浮いていない位置、に配置されている、液流式布帛処理装置。
【請求項3】
前記複数の吐出部は、前記第一方向に間隔をあけて配置されている、請求項1又は2に記載の液流式布帛処理装置。
【請求項4】
前記槽は、前記複数の吐出部に対し、平面視における前記第一方向と直交する第二方向の一方側に間隔を開けた位置と他方側に間隔をあけた位置とのそれぞれに配置され、且つ前記槽の槽内から前記液体を排出可能な排出部を有する、請求項3に記載の液流式布帛処理装置。
【請求項5】
前記複数の吐出部には前記槽に滞留している前記液体が供給される、請求項1又は2に記載の液流式布帛処理装置。