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特開2024-103022情報管理装置、情報管理システム、情報管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103022
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】情報管理装置、情報管理システム、情報管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240725BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007139
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】細馬 哲也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】部品のみが撮像された画像を用いて、画像に撮像された部品を特定する。
【解決手段】特定対象である対象部品が撮像された第1画像を取得する第1取得部と、装置を構成する部品に当該部品が撮像された画像を対応づけた部品情報を記憶する記憶部と、前記第1画像における前記対象部品の形状に基づいて前記部品情報を参照することにより、前記対象部品の候補である候補部品を複数抽出する抽出部と、前記候補部品のそれぞれを区別し得る撮像方向を特定する撮像方向特定部と、前記撮像方向特定部によって特定された前記撮像方向から撮像した場合に想定される前記対象部品の外周形状を撮像端末に表示させるための情報を出力する出力部と、前記撮像方向から前記対象部品が撮像された第2画像を取得する第2取得部と、前記第2画像に基づいて前記部品情報を参照することにより前記対象部品を特定する部品特定部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定対象である対象部品が撮像された第1画像を取得する第1取得部と、
装置を構成する部品に当該部品が撮像された画像を対応づけた部品情報を記憶する記憶部と、
前記第1画像における前記対象部品の形状に基づいて前記部品情報を参照することにより、前記対象部品の候補である候補部品を複数抽出する抽出部と、
前記候補部品のそれぞれを区別し得る撮像方向を特定する撮像方向特定部と、
前記撮像方向特定部によって特定された前記撮像方向から撮像した場合に想定される前記対象部品の外周形状を撮像端末に表示させるための情報を出力する出力部と、
前記撮像方向から前記対象部品が撮像された第2画像を取得する第2取得部と、
前記第2画像に基づいて前記部品情報を参照することにより前記対象部品を特定する部品特定部と、
を備える情報管理装置。
【請求項2】
前記部品情報は、三次元の直交座標軸における何れかの軸方向から撮像された当該部品の画像からなる第1部品情報と、前記撮像方向特定部によって特定された前記撮像方向から撮像された当該部品の画像からなる第2部品情報と、を含み、
前記第1画像は、前記軸方向から前記対象部品が撮像された画像であり、
前記抽出部は、前記第1部品情報を用いて前記候補部品を複数抽出し、
前記部品特定部は、前記第2部品情報を用いて前記対象部品を特定する、
請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項3】
前記部品情報は、三次元の直交座標軸における各軸方向から撮像された当該部品の画像からなる第1部品情報と、当該部品を囲む外周に沿って一定の間隔毎に撮像位置をずらしながら撮像された複数の画像からなる第2部品情報と、を含み、
前記第1画像は、三次元の直交座標軸における何れかの軸方向から前記対象部品が撮像された画像であり、
前記抽出部は、前記第1部品情報を用いて前記候補部品を複数抽出し、
前記部品特定部は、前記第2部品情報を用いて前記対象部品を特定する、
請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項4】
前記部品情報は、当該部品を囲む外周に沿って第1間隔毎に撮像位置をずらしながら撮像された複数の画像からなる第1部品情報と、前記第1間隔より小さい第2間隔毎に撮像位置をずらしながら撮像された複数の画像からなる第2部品情報と、を含み、
前記抽出部は、前記第1部品情報を用いて前記候補部品を複数抽出し、
前記部品特定部は、前記第2部品情報を用いて前記対象部品を特定する、
請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記外周形状を示す画像情報を出力する、
請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項6】
前記出力部は、前記部品特定部によって特定された前記対象部品の識別情報を、端末装置に表示させるための情報を出力する、
請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報管理装置と、
前記情報管理装置に前記第1画像及び前記第2画像を送信する前記撮像端末と、
前記部品特定部によって特定された前記対象部品を注文するための帳票を示す画像を表示する端末装置と、
を備え、
前記出力部は、前記帳票のフォーマットに応じて前記対象部品を注文するために必要な情報が記載された前記帳票の画像情報を出力する、
情報管理システム。
【請求項8】
前記端末装置は、前記撮像端末と接続され、
前記出力部は、前記部品特定部によって特定された前記対象部品の識別情報を、前記撮像端末に出力し、
前記撮像端末は、前記帳票のフォーマットに応じて前記対象部品を注文するために必要な情報が記載された前記帳票の画像情報を前記端末装置に送信する、
請求項7に記載の情報管理システム。
【請求項9】
前記出力部は、前記第2画像を含む前記帳票の画像情報を出力する、
請求項7又は請求項8に記載の情報管理システム。
【請求項10】
装置を構成する部品に当該部品が撮像された画像を対応づけた部品情報を記憶する記憶部を備える情報管理装置であるコンピュータが行う情報管理方法であって、
第1取得部が、特定対象である対象部品が撮像された第1画像を取得し、
抽出部が、前記第1画像における前記対象部品の形状に基づいて前記部品情報を参照することにより、前記対象部品の候補である候補部品を複数抽出し、
撮像方向特定部が、前記候補部品のそれぞれを区別し得る撮像方向を特定し、
出力部が、前記撮像方向特定部によって特定された前記撮像方向から撮像した場合に想定される前記対象部品の外周形状を撮像端末に表示させるための情報を出力し、
第2取得部が、前記撮像方向から前記対象部品が撮像された第2画像を取得し、
部品特定部が、前記第2画像に基づいて前記部品情報を参照することにより前記対象部品を特定する、
情報管理方法。
【請求項11】
装置を構成する部品に当該部品が撮像された画像を対応づけた部品情報を記憶する記憶部を備える情報管理装置であるコンピュータに、
特定対象である対象部品が撮像された第1画像を取得させ、
前記第1画像における前記対象部品の形状に基づいて前記部品情報を参照することにより、前記対象部品の候補である候補部品を複数抽出させ、
前記候補部品のそれぞれを区別し得る撮像方向を特定させ、
前記撮像方向から撮像した場合に想定される前記対象部品の外周形状を撮像端末に表示させるための情報を出力させ、
前記撮像方向から前記対象部品が撮像された第2画像を取得させ、
前記第2画像に基づいて前記部品情報を参照することにより前記対象部品を特定させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理装置、情報管理システム、情報管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
得意先に設備を設置した後に得意先から設備の故障などの連絡を受けて部品を交換したり、予備部品の見積りを依頼されたりする場合がある。このような交換部品や予備部品を管理するための技術として、特許文献1には、部品が撮影された画像を用いて部品情報を管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-267113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、部品と共に、特定のマーカーが撮像されていなければ、部品を特定することができない。設備の故障などに対応して交換部品を特定しなければならない場合には、部品をマーカーと一緒に撮像するような手間がかからない方がよい。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、部品のみが撮像された画像を用いて、画像に撮像された部品を特定することができる情報管理装置、情報管理システム、情報管理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報管理装置は、特定対象である対象部品が撮像された第1画像を取得する第1取得部と、装置を構成する部品に当該部品が撮像された画像を対応づけた部品情報を記憶する記憶部と、前記第1画像における前記対象部品の形状に基づいて前記部品情報を参照することにより、前記対象部品の候補である候補部品を複数抽出する抽出部と、前記候補部品のそれぞれを区別し得る撮像方向を特定する撮像方向特定部と、前記撮像方向特定部によって特定された前記撮像方向から撮像した場合に想定される前記対象部品の外周形状を撮像端末に表示させるための情報を出力する出力部と、前記撮像方向から前記対象部品が撮像された第2画像を取得する第2取得部と、前記第2画像に基づいて前記部品情報を参照することにより前記対象部品を特定する部品特定部と、を備える。
【0007】
本発明の情報管理システムは、上記に記載の情報管理装置と、前記情報管理装置に前記第1画像及び前記第2画像を送信する前記撮像端末と、前記部品特定部によって特定された前記対象部品を注文するための帳票を示す画像を表示する端末装置と、を備え、前記出力部は、前記帳票のフォーマットに応じて前記対象部品を注文するために必要な情報が記載された前記帳票の画像情報を出力する。
【0008】
本発明の、情報管理方法は、装置を構成する部品に当該部品が撮像された画像を対応づけた部品情報を記憶する記憶部を備える情報管理装置であるコンピュータが行う情報管理方法であって、第1取得部が、特定対象である対象部品が撮像された第1画像を取得し、抽出部が、前記第1画像における前記対象部品の形状に基づいて前記部品情報を参照することにより、前記対象部品の候補である候補部品を複数抽出し、撮像方向特定部が、前記候補部品のそれぞれを区別し得る撮像方向を特定し、出力部が、前記撮像方向特定部によって特定された前記撮像方向から撮像した場合に想定される前記対象部品の外周形状を撮像端末に表示させるための情報を出力し、第2取得部が、前記撮像方向から前記対象部品が撮像された第2画像を取得し、部品特定部が、前記第2画像に基づいて前記部品情報を参照することにより前記対象部品を特定する。
【0009】
本発明の、プログラムは、装置を構成する部品に当該部品が撮像された画像を対応づけた部品情報を記憶する記憶部を備える情報管理装置であるコンピュータに、特定対象である対象部品が撮像された第1画像を取得させ、前記第1画像における前記対象部品の形状に基づいて前記部品情報を参照することにより、前記対象部品の候補である候補部品を複数抽出させ、前記候補部品のそれぞれを区別し得る撮像方向を特定させ、前記撮像方向から撮像した場合に想定される前記対象部品の外周形状を撮像端末に表示させるための情報を出力させ、前記撮像方向から前記対象部品が撮像された第2画像を取得させ、前記第2画像に基づいて前記部品情報を参照することにより前記対象部品を特定させるプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、部品のみが撮像された画像を用いて、画像に撮像された部品を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態による情報管理システム1の構成例を示すブロック図である。
図2】実施形態の情報管理システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
図3】実施形態による情報管理装置10の構成例を示すブロック図である。
図4】実施形態の第1部品情報120の例を示す図である。
図5】実施形態の第2部品情報121の例を示す図である。
図6】実施形態の情報管理装置10が行う処理を説明するための図である。
図7】実施形態の情報管理装置10が行う処理を説明するための図である。
図8】実施形態の情報管理装置10が行う処理を説明するための図である。
図9】実施形態による顧客端末20の構成例を示すブロック図である。
図10】実施形態の発注端末30に表示される画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
(情報管理システム1の構成について)
情報管理システム1は、顧客に納品した装置について、納品後の故障やメンテナンスに応じて、交換された部品(交換部品)、及び補充された部品(補充部品)等を管理するシステムである。
【0014】
図1は、実施形態による情報管理システム1の構成例を示すブロック図である。情報管理システム1は、例えば、情報管理装置10と、顧客端末20と、発注端末30とを備える。情報管理装置10と顧客端末20と発注端末30とは、通信ネットワークNWを介して通信可能に接続される。
【0015】
通信ネットワークNWには、情報の授受を行うための構成として、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話網(携帯電話網、固定電話網等)、地域IP(Internet Protocol)網、インターネット等が適用される。
【0016】
情報管理装置10は、装置を構成する構成部品に関する情報を管理するコンピュータである。情報管理装置10として、サーバ装置、クラウド、PC(パーソナルコンピュータ)などを適用することができる。情報管理装置10は、顧客端末20からの問い合わせに応じて、問合せの対象である部品(対象部品)を特定する。情報管理装置10が対象部品を特定する方法については、後で詳しく説明する。
【0017】
顧客端末20は、顧客が管理するコンピュータである。顧客端末20として、例えば、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話、PC等を適用することができる。顧客端末20は、例えば、顧客となる企業の担当者などによって操作され、顧客に納品した装置の故障等に応じて、交換部品又は補充部品の問合せを行う。顧客端末20は、交換部品又は補充部品の対象となる部品を撮像し、その対象部品が撮像された画像を情報管理装置10に送信することによって問合せを行う。顧客端末20は、「撮像端末」の一例である。
【0018】
発注端末30は、部品の発注を行うコンピュータである。発注端末30として、例えば、タブレット端末、スマートフォン、PC等を適用することができる。発注端末30は、例えば、顧客となる企業の担当者などによって操作される。発注端末30は、顧客端末20の問合せに応じて、情報管理装置10によって特定された部品を注文するための帳票、例えば、発注書を作成する。発注端末30は、「端末装置」の一例である。
【0019】
ここで、従来の交換部品等に係る業務について説明する。装置が故障等した場合、顧客となる企業の担当者は、取扱説明書や取扱説明書に添付された別紙の部品リスト表などの紙媒体を視認する等して交換部品の型名等を特定する。その上で、担当者は、特定した型名などを記載した注文書を作成し、作成した発注書を、部品メーカ或いは代理店に送付することにより、交換部品等を注文する。
【0020】
企業の担当者は、取扱説明書等を視認する等して交換部品の型名等を特定する必要があるが、装置を構成する部品の中には互いに似たような形状を有する部品が多く存在している場合がある。このような場合には交換の対象となった部品を特定することが困難となる場合があった。
【0021】
例えば、装置が故障した場合、故障の要因となった部品を取り出し、取扱説明書の組立図等に記載された部品と見比べながら取り出した部品の図番や品名を特定する。そして、特定した図番や品名を基に部品リスト表などを参照して部品の型番を抽出する。現物の部品と、部品リスト表などに掲載された部品とを照合して部品が特定できているか判断する。そして、部品が特定できた場合、必要に応じて現物の部品を撮像し、型名などと一緒に、纏めて電子メール等により、部品メーカ或いは代理店に連絡する。このように、部品を特定して注文を行うまでの作業が煩雑となり多くの時間を要していた。
【0022】
一方、部品メーカでは、顧客から部品の注文を受けて見積を作成する。代理店が、顧客から部品の注文を受けた場合には、部品メーカに見積を依頼する。ここで、正しく部品が特定された上で注文を受けた場合には問題ないが、顧客側にて部品を特定することが困難となるような場合には電話などにより口頭で問合せを受ける場合がある。このような場合には、言い間違いや聞き間違いが発生する等して部品を特定するまでに時間を要する場合があり得る。また、電子メール等により注文を受けた場合であっても、部品を確定するための情報が不足している場合がある。例えば、品名のみ記載され型名が記載されていなかったり、型名が間違って記載されていたり、注文する部品の範囲が不明であったりする場合には、その都度、型名を確認したり、部品の画像を送ってもらったりするような作業が頻繁に発生するような場合には部品を特定するまでに時間を要していた。
【0023】
この対策として、本実施形態では、顧客が問合せの対象とした対象部品を顧客側にて撮像してもらい、対象部品が撮像された画像を用いて、対象部品を特定できるようにした。
【0024】
具体的には、情報管理装置10は、対象部品が撮像された画像を用いて、以下に述べる2段階の処理を行うことによって、対象部品を特定できるようにした。以下では、図2を用いて、2段階の処理により対象部品が特定される処理について説明する。
【0025】
(情報管理システム1の処理について)
ここで、図2を用いて、情報管理システム1が行う処理について説明する。図2は、情報管理システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
図2におけるステップS10~S16に示す処理が、1段階目の処理に該当する。
図2におけるステップS17~S21に示す処理が、2段階目の処理に該当する。
【0026】
1段階目の処理では、情報管理装置10は、任意の撮像方向から対象部品が撮像された画像(第1画像)に基づいて、対象画像における「おおよその形状」を特定する。
【0027】
例えば、1段階目の処理では、顧客端末20は、担当者による操作等に基づいて任意の撮像方向から対象部品を撮像し(ステップS10)、撮像した第1画像の画像情報を情報管理装置10に送信する(ステップS11)。
【0028】
情報管理装置10は、顧客端末20から送信された第1画像を取得し(ステップS12)、取得した第1画像の形状に基づいて、対象部品における「おおよその形状」を特定する。情報管理装置10は、例えば、装置を構成する部品のそれぞれが撮像された画像(後述する第1部品情報120に含まれる画像)と、第1画像の輪郭形状とを突合させることにより、対象部品における「おおよその形状」を特定する。情報管理装置10は、特定した対象部品における「おおよその形状」を有する部品を、対象部品の候補となる部品(候補部品)として、複数、抽出する(ステップS13)。
【0029】
情報管理装置10は、複数の候補部品の形状に基づいて、これら複数の候補部品を区別可能な撮像方向を特定する(ステップS14)。ここでの区別可能な撮像方向とは、その撮像方向から対象部品が撮像された画像であれば、候補部品のうちの何れの部品が対象部品に該当するかを特定することが可能となる方向である。情報管理装置10は、特定した撮像方向から対象部品が撮像された場合に想定される外周形状を示す画像、例えば、輪郭が点線で示された画像やシルエット等を生成する(ステップS15)。情報管理装置10は、生成したる外周形状を示す画像を顧客端末20に通知する(ステップS16)。
【0030】
2段階目の処理では、顧客端末20は、情報管理装置10から通知された外周形状を示す画像を表示させる(ステップS17)。担当者は、顧客端末20に表示された外周形状を示す画像を手掛かりとして、その外周形状に合うように撮像方向を調整し、調整した撮像方向から対象部品を撮像する。これにより、顧客端末20は、特定の撮像方向から体操部品が撮像された画像(第2画像)を撮像し(ステップS18)、撮像した第2画像を情報管理装置10に送信する(ステップS19)。
【0031】
情報管理装置10は、顧客端末20から送信された第2画像を取得し(ステップS20)、取得した第2画像の形状に基づいて、対象部品を一意に特定する(ステップS21)。情報管理装置10は、例えば、候補部品のそれぞれが、様々な方向から撮像された画像(後述する第2部品情報121に含まれる画像)と、第2画像の輪郭形状を突合させることにより、対象部品を一意に特定する。これにより、本実施形態では対象部品を一意に特定することが可能となる。
【0032】
情報管理装置10は、特定した対象部品における識別情報、例えば、品名や型名などを示す情報を情報管理装置10に送信する(ステップS22)。顧客端末20は、情報管理装置10から通知された識別情報を用いて、帳票画像を生成する(ステップS23)。ここでの帳票画像は、対象部品を注文するために必要な事項、例えば、品名、型名、及び数量などを示す事項について記載された帳票(例えば、注文書)を示す画像である。顧客端末20は、生成した帳票画像を発注端末30に送信する(ステップS24)。発注端末30は、顧客端末20から受信した帳票画像を表示する(ステップS25)。例えば、発注端末30に表示された帳票画像における記載内容が発注担当者によって確認された後、発注書が部品メーカ或いは代理店に送付される。これにより、発注が行われる。
【0033】
(情報管理装置10について)
ここで、情報管理装置10について、図3を用いて説明する。図3は、実施形態による情報管理装置10の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、情報管理装置10は、例えば、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。通信部11は、顧客端末20と通信を行う。
【0034】
記憶部12は、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROMなどの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。記憶部12は、情報管理装置10の各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。記憶部12は、第1部品情報120と、第2部品情報121とを記憶する。
【0035】
第1部品情報120及び第2部品情報121は、共に、装置を構成する部品に関する情報であり、装置を構成する部品のそれぞれが撮像された画像を含む。
【0036】
図4は、実施形態における第1部品情報120の例を示す図である。第1部品情報120は、例えば、装置を構成する部品ごとに生成される。図4に示すように、第1部品情報120は、例えば、部品ID、属性情報、及び画像情報のそれぞれに対応する情報を記憶する。部品IDは、部品を一意に特定する情報である。属性情報は、部品の属性を示す情報であり、例えば、型名、品名、サイズ、メーカ名などを示す情報である。画像情報は、部品が撮像された画像である。
【0037】
第1部品情報120における画像情報には、部品のおおよその形状(概形)が特定可能な画像が含まれる。例えば、第1部品情報120には、部品における6面(正面、裏面、右側面、左側面、上面、下面)のそれぞれが撮像された画像が含まれる。つまり、部品が正面から撮像された画像(正面画像)、裏面から撮像された画像(裏面画像)、右側面から撮像された画像(右側面画像)、左側面から撮像された画像(左側面画像)、上面から撮像された画像(上面画像)、及び下面から撮像された画像(下面画像)が含まれる。
【0038】
図5は、実施形態における第2部品情報121の例を示す図である。第2部品情報121は、例えば、装置を構成する部品ごとに生成される。図5に示すように、第2部品情報121は、例えば、部品ID、属性情報、及び画像情報のそれぞれに対応する情報を記憶する。部品ID及び属性情報は、第1部品情報120の部品ID及び属性情報と同様である。画像情報は、部品が撮像された画像である。
【0039】
第2部品情報121における画像情報には、部品を一意に特定可能な画像が含まれる。例えば、第2部品情報121には、部品の正面における法線方向との角度が所定間隔ずつ離れた画像が含まれる。例えば、所定間隔が10°である場合、部品の正面における法線方向との角度が0°の方向から撮像された画像(正面0°画像)、10°の方向から撮像された画像(正面10°画像)、…、及び350°の方向から撮像された画像(正面350°画像)が含まれる。また、部品の上面における法線方向との角度が0度の方向から撮像された画像(上面0°画像)、10°の方向から撮像された画像(上面10°画像)、…、及び350°の方向から撮像された画像(上面350°画像)が含まれる。或いは、第2部品情報121における画像情報に、撮像方向特定部132によって特定された特定の撮像方向から撮像された画像のみが含まれていてもよい。
【0040】
図3に戻り、制御部13は、情報管理装置10がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。制御部23は、情報管理装置10を統括的に制御する。制御部13は、例えば、取得部130と、候補抽出部131と、撮像方向特定部132と、部品特定部133と、出力部134とを備える。
【0041】
取得部130は、種々の情報を取得する。例えば、取得部130は、情報管理装置10が顧客端末20から受信した画像を、通信部11を介して取得する。例えば、取得部130は、第1段階の処理において、顧客端末20から通知された第1画像の画像情報を取得し、取得した第1画像を候補抽出部131に出力する。この場合、取得部130は「第1取得部」の一例である。また、取得部130は、第2段階の処理において、顧客端末20から通知された第2画像の画像情報を取得し、取得した第2画像を部品特定部133に出力する。この場合、取得部130は、「第2取得部」の一例である。
【0042】
ここで、第1画像の例について、図6を用いて説明する。図6は、実施形態における情報管理装置10が行う処理を説明するための図である。
【0043】
図6には、第1画像を撮像する際に、顧客端末20に表示される画面が模式的に示されている。例えば、情報管理システム1を利用して部品を発注するサービスでは、この図に示すような送信画面が、サービスを提供する事業者等によって提供される。このような送信画面は、例えば、アプリケーションやWebブラウザ等を介して、顧客端末20に提供される。顧客端末20は、担当者によってアプリケーションが起動されたり、Webブラウザを介して特定のURLにアクセスしたりする操作に応じて、この図の例に示すような送信画面を表示する。
【0044】
顧客端末20は、担当者による操作に応じて、任意の撮像方向から、シャフト(軸)状の対象部品TBを撮像する。そして、顧客端末20は、担当者によって送信ボタン(「画像を送る」と示されたボタン)がタッチ操作されたことに応じて、撮像した画像を第1画像として顧客端末20に送信する。
【0045】
図3に戻り、候補抽出部131は、候補部品を抽出する。候補抽出部131は、第1画像、及び第1部品情報120に含まれる画像を用いて候補部品を抽出する。例えば、候補抽出部131は、第1画像に撮像された対象部品の輪郭を抽出する。候補抽出部131は、任意の画像処理、例えば、輝度勾配が閾値以上である画素を抽出したり、フィルタ処理したりすること等の処理を行うことにより、対象部品の輪郭を抽出する。
【0046】
候補抽出部131は、抽出した対象部品の輪郭の形状と、第1部品情報120に含まれる画像の形状とを比較し、形状が似ている部品を、候補部品として、複数、抽出する。例えば、候補抽出部131は、抽出した対象部品の輪郭の形状に基づいて第1部品情報120に含まれる画像の形状を参照し、第1画像における対象部品の輪郭と形状が似ている部品を抽出する。
【0047】
例えば、候補抽出部131は、第1画像における対象部品の輪郭の形状と、第1部品情報120に含まれる画像の形状とが似ている度合を示す類似度を算出する。候補抽出部131は、任意の画像処理を用いて、類似度を算出する。例えば、候補抽出部131は、類似度を算出する対象とする2つの形状を示す画像において、対応する2つ画素の画素値の差分を算出する。そして、1から、画素値の差分を示す差分値を減算した値を、対応する画素同士が一致する度合として算出する。候補抽出部131は、形状を示す画像においてその画像を構成する画素のそれぞれが、対応する画素と一致する度合を算出し、その平均値を類似度とする。
【0048】
ここで、候補部品の例について、図7を用いて説明する。図7は、実施形態における情報管理装置10が行う処理を説明するための図である。
【0049】
図7には、図6に示す第1画像における対象部品TBの輪郭形状と似た輪郭形状を有する候補部品KB1~KB4の例が示されている。例えば、図7の例に示すように、装置を構成するシャフト状の部品において、シャフトの全長、シャフトの直径、軸受けの直径、軸受けの全長、及び軸受けから突出しているシャフトの長さ等が様々に組み合わされることによって、互いに似た輪郭形状を有する部品が複数存在する場合がある。
【0050】
図6に示す第1画像では、対象部品が、シャフトと軸受けにより構成される部品であることが判るが、シャフトの長さと軸受けの長さの比率等の詳細については明確になっていない。このような場合、第1画像に撮像された対象部品の候補となる部品、つまり第1画像に撮像された対象部品と似た輪郭形状を有する部品が、複数存在する。候補抽出部131は、このような、第1画像に撮像された対象部品と似た輪郭形状を有する部品を、候補部品として抽出する。
【0051】
撮像方向特定部132は、候補部品のそれぞれの形状に基づいて、撮像方向を特定する。
【0052】
撮像方向特定部132は、例えば、候補部品のそれぞれを、特定の方向から撮像した場合における形状の類似度を算出する。例えば、撮像方向特定部132は、第2部品情報121に含まれる画像における撮像方向、つまり、部品の正面又は上面にある法線方向との角度を10°間隔で移動させた、法線方向との角度が0°~350°のそれぞれに対応する撮像方向から撮像した場合における形状の類似度を算出する。
【0053】
例えば、撮像方向特定部132は、類似度を算出する対象とする2つの画像において対応する2つ画素の画素値の差分を用いて、2つの画像が一致する度合を算出する。例えば、撮像方向特定部132は、対応する画素の画素値の差分値を算出し、1から差分値を減算した値を、画素が一致する度合として算出する。撮像方向特定部132は、画像を構成する画素のそれぞれが一致する度合を算出し、その平均値を、画像の類似度とする。撮像方向特定部132は、複数の撮像方向のそれぞれから撮像した場合における画像の類似度を算出する。撮像方向特定部132は、画像が一致する度合が最も小さい、つまり画像が似ていない度合が大きい撮像方向を、対象画像を一意に特定し得る撮像方向とする。
【0054】
例えば、図7における候補部品KB1~KB4が、候補部品として抽出された場合、撮像方向特定部132は、シャフトと軸受けの長さの比率等が明確となるシャフトの長さ方向(図7のy軸方向)に直交する撮像方向、つまり、x軸方向及びz軸方向を、対象画像を一意に特定し得る撮像方向とする。
【0055】
また、撮像方向特定部132は、外周形状を示す画像を生成する。撮像方向特定部132は、対象画像を一意に特定し得る撮像方向として特定した撮像方向からみた候補部品の輪郭が点線で示された画像を、外周形状を示す画像として生成する。
【0056】
ここで、撮像方向特定部132は、候補部品を区別して対象部品を一意に特定し得る方向を、対象画像を一意に特定し得る撮像方向として特定している。このため、特定した撮像方向からみた候補部品の輪郭の形状は、互いに異なる形状をしている場合が多いと考えられる。このため、撮像方向特定部132は、候補部品のうちから任意に選択した1つの候補部品を撮像方向から撮像した場合における輪郭の形状を、外周形状を示す画像として生成する。或いは、撮像方向特定部132は、候補部品のそれぞれを撮像方向から撮像した場合において、それぞれの候補部品に共通する輪郭の形状を、外周形状を示す画像として生成するようにしてもよい。
【0057】
撮像方向特定部132は、生成した外周形状を示す画像を、通信部11を介して顧客端末20に送信する。
【0058】
ここで、外周形状を示す画像の例について、図8を用いて説明する。図8は、実施形態における情報管理装置10が行う処理を説明するための図である。
【0059】
図8には、第2画像を撮像する際に、外周形状を示す画像GKが顧客端末20に表示された画面が模式的に示されている。この図の例に示すように、外周形状を示す画像GKは、例えば、対象部品をシャフトの長さ方向(図7のy軸方向)に直交する撮像方向、つまり、x軸方向又はz軸方向から撮像した場合における、対象部品の外周形状が、点線などで模式的に示された画像である。
【0060】
顧客端末20は、担当者による操作に応じて、対象部品の輪郭が、画像GKの外周形状に合うように撮像方向を調整し、調整した撮像方向から対象部品を撮像する。そして、顧客端末20は、担当者によって送信ボタン(「画像を送る」と示されたボタン)がタッチ操作されたことに応じて、撮像した画像を第1画像として顧客端末20に送信する。
【0061】
ここで、図8の例に示すように、顧客端末20には、輪郭が合わないことを示すチェックボタンが設けられてもよい。例えば、画像GKとして、候補部品のうちから選択した1つの候補部品を撮像方向から撮像した場合における輪郭の形状が示されていた場合、選択された候補部品と、対象部品とが異なる部品である場合には、対象部品の外周と画像GKに示された外周の形状が一致せず、輪郭が合わないことになり得る。このような場合、担当者を混乱させてしまう可能性がある。
【0062】
これに対し、輪郭が合わないことを示すチェックボタンを設けることにより、担当者は、輪郭が合わない場合であっても、混乱することなく、撮像方向が調整されて撮像された対象部品の画像(第2画像)を送信することができる。
【0063】
図3に戻り、部品特定部133は、対象部品を一意に特定する。部品特定部133は、第2画像、及び第2部品情報121に含まれる画像を用いて対象部品を一意に特定する。例えば、部品特定部133は、第2画像に撮像された対象部品の輪郭を抽出する。部品特定部133は、任意の画像処理、例えば、輝度勾配が閾値以上である画素を抽出したり、フィルタ処理したりすること等の処理を行うことにより、第2画像における対象部品の輪郭を抽出する。
【0064】
部品特定部133は、抽出した対象部品の輪郭の形状と、第2部品情報121に含まれる画像のうち、候補部品として抽出された部品が、特定の撮像方向から撮像された形状と一致する度合を、類似度として算出する。部品特定部133は、上述したような任意の画像処理により、類似度を算出する。部品特定部133は、輪郭の形状だけではなく、部品の色などが一致する度合を、類似度として算出するようにしてもよい。部品特定部133は、候補部品のうち、最も類似度が大きい候補部品を、対象部品として特定する。
【0065】
出力部134は、部品特定部133によって特定された対象部品の識別情報を出力する。出力部134は、例えば、部品特定部133によって特定された対象部品に基づいて第1部品情報120を参照し、対象部品の品名及び型名などの情報を、識別情報として抽出する。出力部134は、例えば、対象部品の識別情報を、通信部11を介して顧客端末20に送信する。また、出力部134は、対象部品の識別情報を、情報管理装置10のディスプレイ(不図示)などに表示させるために出力するようにしてもよい。
【0066】
また、出力部134は、対象部品の識別情報と共に、対象部品を注文するために必要な情報を出力するようにしてもよい。対象部品を注文するために必要な情報とは、例えば、注文書に相当する帳票が示された画像、対象部品の単価、在庫、納期などを示す情報である。出力部134は、これらの対象部品を注文するために必要な情報を、例えば、部品メーカ等に、見積を依頼することにより、取得する。
【0067】
また、出力部134は、対象部品の識別情報と共に、対象部品が撮像された画像、例えば、第2画像の画像情報を出力するようにしてもよい。第2画像の画像情報を出力することにより、担当者は、担当者自身が撮像した画像を視認することができ、対象部品を把握し易くなる。
【0068】
(顧客端末20について)
図9は、実施形態による顧客端末20の構成例を示すブロック図である。顧客端末20は、例えば、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、表示部24と、入力部25と、撮像部26とを備える。通信部21は、情報管理装置10及び発注端末30と通信を行う。
【0069】
記憶部22は、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROMなどの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。記憶部22は、顧客端末20の各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。
【0070】
制御部23は、顧客端末20がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。制御部23は、顧客端末20を統括的に制御する。
【0071】
表示部24は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置を含み、制御部23の制御に応じて画像を表示する。入力部25は、例えば、タッチパネル、或いはマウスやキーボードなどの入力装置を含み、担当者等によって操作入力された情報を、制御部23に出力する。撮像部26は、例えば、デジタルカメラなどの撮像装置を含み、制御部23の制御に応じて撮像を行う。
【0072】
(発注端末30について)
発注端末30は、例えば、上述した顧客端末20から撮像部26を省略したものと同等の構成を有する。発注端末30を構成する各機能部が行う処理は、顧客端末20と同等であるため、その説明を省略する。
【0073】
発注端末30は、例えば、顧客となる企業に設けられたものであり、この場合、顧客端末20と通信可能に接続される。そして、発注端末30は、情報管理装置10から送信された、対象部品の識別情報などを、顧客端末20を介して、取得する。発注端末30は、取得した対象部品の識別情報などを表示する。
【0074】
ここで、発注端末30に表示される帳票(注文書)の例について、図10を用いて説明する。図10は、実施形態の発注端末30に表示される画像の例を示す図である。
【0075】
図10の例に示すように、発注端末30は、顧客端末20を介して取得した対象部品の識別情報などに基づいて、対象部品の部品メーカに発注する注文書の帳票画像を表示する。帳票画像において、対象部品を注文するために必要な情報、例えば、納期(符号G1)、担当者の氏名(符号G2)、対象部品の品名(符号G3)、型名(符号G4)などが転記されている。また、注文書における備考欄に、「○○装置 交換部品」などのコメント(符号G5)を記載したり、参考として第2画像(符号G6)を掲載したりしてもよい。このような記載がなされることにより、担当者等により、注文書に記載された内容を確認し易くすることができる。
【0076】
以上、実施形態に係る情報管理システム1について説明したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0077】
例えば、顧客端末20は、予め定められた撮像方向(例えば、正面方向)から撮像した画像を第1画像として情報管理装置10に送信するようにしてもよい。この場合、第1部品情報120として記憶させる画像の容量を低減させることが可能となる。
【0078】
この場合、例えば、第1部品情報120に、6方向のうちの1つ、例えば、正面からみた撮像方向から部品を撮像した画像のみが含まれるようにする。顧客端末20は、担当者の操作により、対象部品を正面から撮像した画像を第1画像として撮像し、撮像した第1画像を情報管理装置10に送信する。
【0079】
或いは、第1部品情報120に、3次元の各軸方向からみた撮像方向から部品を撮像した画像のみが含まれるようにする。その上で、顧客端末20は、担当者の操作により、対象部品を、3次元の各軸方向の何れの方向から撮像した画像を第1画像として撮像し、撮像した第1画像を情報管理装置10に送信するようにしてもよい。
【0080】
また、第1部品情報120及び第2部品情報121の双方において、部品を、その部品の法線方向に対して、「所定の角度」毎に移動させた撮像方向から撮像した画像が含まれるようにしてもよい。この場合において、第1部品情報120における「所定の角度」が、第2部品情報121における「所定の角度」よりも大きくなるようにする。これにより、第1部品情報120を用いて対象部品におけるおおまかな形状を特定し、第2部品情報121を用いて対象部品を一意に特定することが可能となる。
【0081】
例えば、第1部品情報120には、法線方向に対して60°毎に移動させた撮像方向、具体的には、0°、60°、120°、180°、240°、300°のそれぞれの角度を有する撮像方向から撮像した画像が含まれるようにする。この場合、第1部品情報120における「所定の角度」は60°である。そして、第2部品情報121には、法線方向に対して30°毎に移動させた撮像方向のそれぞれから撮像した画像が含まれるようにする。この場合、第2部品情報121における「所定の角度」は30°である。第1部品情報120と、第2部品情報121に含まれる画像において重複する画像が含まれていてもよいし、重複する画像が含まれないようにしてもよい。例えば、上記において、第2部品情報121における「所定の角度」を30°とする場合において、第2部品情報121として、法線方向に対して、0°、30°、60°、…のそれぞれの角度を有する撮像方向から撮像した画像が含まれるようにしてもよいし、法線方向に対して、10°、40°、70°、…のそれぞれの角度を有する撮像方向から撮像した画像が含まれるようにしてもよい。
【0082】
また、第1部品情報120及び第2部品情報121において、部品を撮像した画像を用いる代わりに、部品の図面、例えば、3DCAD図面等が用いられてもよい。
【0083】
また、発注端末30が情報管理装置10と通信可能に接続されていてもよい。また、発注端末30における帳票を表示する機能が、情報管理装置10に設けられていてもよいし、顧客端末20に設けられていてもよい。
【0084】
以上説明したように、実施形態の情報管理装置10は、取得部130と、記憶部12と、候補抽出部131と、撮像方向特定部132と、部品特定部133と、出力部134とを備える。取得部130は第1画像を取得する。第1画像は対象部品が撮像された画像である。対象部品は特定する対象とする部品である。記憶部12は、部品情報(第1部品情報120及び/又は第2部品情報121)を記憶する。部品情報は、装置を構成する部品に当該部品が撮像された画像を対応づけた情報である。候補抽出部131は、第1画像における対象部品の形状に基づいて第1部品情報120を参照する。候補抽出部131は、装置を構成する部品から、対象部品の候補である候補部品を複数抽出する。撮像方向特定部132は、候補部品のそれぞれを区別し得る撮像方向を特定する。出力部134は、対象部品の外周形状を撮像端末に表示させるための情報を出力する。対象部品の外周形状は、撮像方向特定部132によって特定された撮像方向から撮像した場合に想定される対象部品の外周形状である。取得部130は第2画像を取得する。第2画像は撮像方向から前記対象部品が撮像された画像である。部品特定部133は、第2画像に基づいて、部品情報を参照することにより、対象部品の識別情報を特定する。
【0085】
これにより実施形態の情報管理装置10では、任意の撮像方向から対象部品のみが撮像された画像(第1画像)を用いて、まず対象部品の大まかな形状を特定して候補部品を抽出することができる。また、抽出した候補部品を区別し得る撮像方向を特定し、その上でその撮像方向からみた対象部品の外周形状を出力することができる。このため、その撮像方向から対象部品を撮像させることが可能となる。したがって、その撮像方向から対象部品が撮像された画像(第2画像)を用いて、対象部品を特定することができる。
【0086】
また、実施形態の情報管理装置10では、部品情報は、第1部品情報120(三次元の直交座標軸における何れかの軸方向から撮像された当該部品の画像からなる第1部品情報)と、第2部品情報121(撮像方向特定部によって特定された撮像方向から撮像された当該部品の画像からなる第2部品情報)と、を含む。第1画像は、軸方向から対象部品が撮像された画像である。候補抽出部131は、第1部品情報120を用いて、候補部品を、複数、抽出する。部品特定部133は、第2部品情報121を用いて、対象部品を一意に特定する。これにより、実施形態の情報管理装置10では、正面や上面、或いは側面など、通常撮像されると想定される撮像方向から対象部品のみが撮像された画像(第1画像)を用いて、対象部品の大まかな形状を特定することができる。その上で、候補部品を区別し、対象部品を特定し得る撮像方向を特定して、その撮像方向から撮像された対象部品の形状等から、対象部品を一意に特定することができる。
【0087】
また、実施形態の情報管理装置10では、部品情報は、第1部品情報120(三次元の直交座標軸における各軸方向から撮像された当該部品の画像からなる第1部品情報)と、第2部品情報121(当該部品を囲む外周に沿って一定の間隔毎に撮像位置をずらしながら撮像された複数の画像からなる第2部品情報)と、を含む。第1画像は、三次元の直交座標軸における何れかの軸方向から、対象部品が撮像された画像である。候補抽出部131は、第1部品情報120を用いて、候補部品を、複数、抽出する。部品特定部133は、第2部品情報121を用いて、対象部品を一意に特定する。これにより、実施形態の情報管理装置10では、正面や上面、或いは側面など、通常撮像されると想定される撮像方向から対象部品のみが撮像された画像(第1画像)を用いて、対象部品の大まかな形状を特定することができる。その上で、候補部品を区別し、対象部品を特定し得る撮像方向を特定して、その撮像方向から撮像された対象部品の形状等から、対象部品を一意に特定することができる。
【0088】
また、実施形態の情報管理装置10では、部品情報は、第1部品情報120(当該部品を囲む外周に沿って第1間隔毎に撮像位置をずらしながら撮像された複数の画像からなる第1部品情報)と、第2部品情報121(第1間隔より小さい第2間隔毎に撮像位置をずらしながら撮像された複数の画像からなる第2部品情報)と、を含む。第1画像は、任意の撮像方向から、対象部品が撮像された画像である。候補抽出部131は、第1部品情報120を用いて、候補部品を、複数、抽出する。部品特定部133は、第2部品情報121を用いて、対象部品を一意に特定する。これにより、実施形態の情報管理装置10では、任意の撮像方向から対象部品のみが撮像された画像(第1画像)を用いて、対象部品の大まかな形状を特定することができる。その上で、候補部品を区別し、対象部品を特定し得る撮像方向を特定して、その撮像方向から撮像された対象部品の形状等から、対象部品を一意に特定することができる。
【0089】
また、実施形態の情報管理装置10では、出力部134は、外周形状を示す画像情報を出力する。これにより、実施形態の情報管理装置10では、顧客端末20に外周形状を表示させることが可能となる。したがって、対象部品を撮像する撮像方向そのものを提示するよりも、直感的に理解し易くなるように撮像をガイド(案内)することができる。担当者などの撮像者が外周形状に合うように対象部品を撮像すればよいためである。
【0090】
また、実施形態の情報管理装置10では、出力部134は、部品特定部133によって特定された対象部品の識別情報を、発注端末30(端末装置の一例)に表示させるための情報を出力する。これにより、実施形態の情報管理装置10では、特定した対象部品の識別情報を発注端末30に表示することができ、特定された対象部品の識別情報を、担当者などの関係者に周知させることができる。
【0091】
また、実施形態の情報管理システム1は、情報管理装置10と、顧客端末20と、発注端末30とを備える。顧客端末20は、情報管理装置10に第1画像及び第2画像を送信する。発注端末30は、部品特定部133によって特定された対象部品を注文するための帳票を示す画像を表示する。出力部134は、帳票のフォーマットに応じて、対象部品を注文するために必要な情報が記載された帳票の画像情報を出力する。これにより、実施形態の情報管理システム1では、特定した対象部品を注文するための帳票を表示することができる。したがって、対象部品の発注業務をスムーズに実施することが可能となる。
【0092】
また、実施形態の情報管理システム1では、発注端末30は、顧客端末20(撮像端末の一例)と通信可能に接続され、出力部134は、部品特定部133によって特定された対象部品の識別情報を、顧客端末20に出力する。顧客端末20は、帳票のフォーマットに応じて、対象部品を注文するために必要な情報が記載された、帳票の画像情報を発注端末30に送信する。これにより、実施形態の情報管理システム1では、特定した対象部品を注文するための帳票を表示することができる。したがって、対象部品の発注業務をスムーズに実施することが可能となる。
【0093】
また、実施形態の情報管理システム1では、出力部134は、第2画像を含む帳票の画像情報を出力する。これにより、実施形態の情報管理システム1では、第2画像が掲載された帳票を、発注端末30に表示させることが可能となる。したがって、関係者が対象部品を把握し易くなり、発注業務をスムーズに実施することが可能となる。
【0094】
上述した実施形態における情報管理システム1及び情報管理装置10の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0095】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0096】
1…情報管理システム
10…情報管理装置
120…第1部品情報
121…第2部品情報
130…取得部(第1取得部)、(第2取得部)
131…候補抽出部(抽出部)
132…撮像方向特定部
133…部品特定部
134…出力部
20…顧客端末
30…発注端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10