(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103023
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】成形管理システム
(51)【国際特許分類】
B29C 45/76 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
B29C45/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007140
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三間 雄介
(72)【発明者】
【氏名】厚田 耕佑
(72)【発明者】
【氏名】大月 芳明
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AM19
4F206AM32
4F206JA07
4F206JL02
4F206JL09
4F206JP01
4F206JP27
4F206JP30
4F206JQ90
(57)【要約】
【課題】不良率を低減させる対策を優先的に実行するべき成形品目をユーザーが正しく判断しやすい技術を提供する。
【解決手段】成形管理システムは、第1期間に成形された成形品の品目毎の不良品数に関する情報、および、第1期間より長い期間である第2期間に成形された成形品の品目毎の不良品数に関する情報を含む、成形品情報を記憶する記憶部と、成形品情報に基づいてレポートを生成する演算部と、演算部が生成したレポートを出力する出力部と、を備え、レポートは、成形品の品目を識別する情報である識別情報と、第1期間に成形された成形品の品目毎の不良率の実績に関する情報と、第1期間における成形品の品目毎の不良率の目標に関する情報と、第2期間に成形された成形品の品目毎の不良率の実績に関する情報と、を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形管理システムであって、
第1期間に成形された成形品の品目毎の不良品数に関する情報、および、前記第1期間より長い期間である第2期間に成形された前記成形品の前記品目毎の不良品数に関する情報を含む、成形品情報を記憶する記憶部と、
前記成形品情報に基づいてレポートを生成する演算部と、
前記演算部が生成した前記レポートを出力する出力部と、を備え、
前記レポートは、
前記成形品の前記品目を識別する情報である識別情報と、
前記第1期間に成形された前記成形品の前記品目毎の不良率の実績に関する情報と、
前記第1期間における前記成形品の前記品目毎の不良率の目標に関する情報と、
前記第2期間に成形された前記成形品の前記品目毎の不良率の実績に関する情報と、を含む、
成形管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の成形管理システムであって、
前記レポートは、前記第1期間に成形された前記成形品の前記品目毎の不良品数の実績に関する情報、前記第1期間に成形された前記成形品の前記品目毎の良品数の実績に関する情報、前記第1期間に成形された前記成形品の前記品目毎の個数の実績に関する情報の、いずれかを含む、
成形管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の成形管理システムであって、
前記演算部は、前記第1期間に成形された前記成形品の前記品目毎の不良率の実績に関する情報、および、前記第1期間における前記成形品の前記品目毎の不良率の目標に関する情報に基づいて、前記成形品の前記品目毎にアラーム情報を生成し、
前記レポートは、前記成形品の前記品目毎の前記アラーム情報を含む、
成形管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の成形管理システムであって、
前記演算部は、前記第2期間に成形された前記成形品の前記品目毎の不良率の実績に関する情報に基づいて、前記アラーム情報を生成する、
成形管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の成形管理システムであって、
前記演算部は、前記識別情報を、前記第1期間における不良率の高い順に並べた前記レポートを生成する、
成形管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の成形管理システムであって、
前記記憶部は、前記成形品の成形に必要な材料の量を記憶し、
前記レポートは、前記第1期間に成形された前記成形品の前記品目毎の、前記材料の消費量の実績に関する情報を含む、
成形管理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の成形管理システムであって、
前記第2期間は、前記第1期間を含む期間である、
成形管理システム。
【請求項8】
成形管理システムであって、
第1期間に検査された成形品の品目毎の不良品数に関する情報、および、前記第1期間より長い期間である第2期間に検査された前記成形品の前記品目毎の不良品数に関する情報を含む、成形品情報を記憶する記憶部と、
前記成形品情報に基づいてレポートを生成する演算部と、
前記演算部が生成した前記レポートを出力する出力部と、を備え、
前記レポートは、
前記成形品の前記品目を識別する情報である識別情報と、
前記第1期間に検査された前記成形品の前記品目毎の不良率の実績に関する情報と、
前記第1期間における前記成形品の前記品目毎の不良率の目標に関する情報と、
前記第2期間に検査された前記成形品の前記品目毎の不良率の実績に関する情報と、を含む、
成形管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、成形管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、製品の製造管理を支援する管理支援システムが開示されている。この管理支援システムでは、製造された製品の、特定の日付における製品毎の不良率が、日報表示画面に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
成形管理システムは、成形品の品目毎に、予め定められた期間における成形品の不良率の代表値を表示したレポートを生成する場合がある。この場合、ユーザーは、レポートに表示された成形品の品目毎の不良率に基づいて、不良率を低減させる対策を優先的に実行するべき品目を判断する。しかし、例えば、予め定められた期間が1ヶ月間である場合、直近の1週間の不良率がそれ以前の不良率と比べて高くなっている品目の、1ヶ月間の不良率の平均値は、直近の1週間の不良率よりも低くなる。この場合、ユーザーが、上述した品目に対して不良率を低減させる対策を優先的に実行する必要はないと判断する可能性が高くなる。このように、予め定められた期間内で不良率が変動している場合でも、不良率を低減させる対策を優先的に実行するべき品目を、ユーザーが正しく判断しやすい技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の形態によれば、成形管理システムが提供される。この成形管理システムは、第1期間に成形された成形品の品目毎の不良品数に関する情報、および、前記第1期間より長い期間である第2期間に成形された前記成形品の前記品目毎の不良品数に関する情報を含む、成形品情報を記憶する記憶部と、前記成形品情報に基づいてレポートを生成する演算部と、前記演算部が生成した前記レポートを出力する出力部と、を備え、前記レポートは、前記成形品の前記品目を識別する情報である識別情報と、前記第1期間に成形された前記成形品の前記品目毎の不良率の実績に関する情報と、前記第1期間における前記成形品の前記品目毎の不良率の目標に関する情報と、前記第2期間に成形された前記成形品の前記品目毎の不良率の実績に関する情報と、を含む。
【0006】
本開示の第2の形態によれば、成形管理システムが提供される。この成形管理システムは、第1期間に検査された成形品の品目毎の不良品数に関する情報、および、前記第1期間より長い期間である第2期間に検査された前記成形品の前記品目毎の不良品数に関する情報を含む、成形品情報を記憶する記憶部と、前記成形品情報に基づいてレポートを生成する演算部と、前記演算部が生成した前記レポートを出力する出力部と、を備え、前記レポートは、前記成形品の前記品目を識別する情報である識別情報と、前記第1期間に検査された前記成形品の前記品目毎の不良率の実績に関する情報と、前記第1期間における前記成形品の前記品目毎の不良率の目標に関する情報と、前記第2期間に検査された前記成形品の前記品目毎の不良率の実績に関する情報と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】管理装置が実行するレポート生成処理の工程図。
【
図5】第2実施形態において演算部が生成するレポートの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.第1実施形態:
図1は、成形管理システム10の概略構成を示す説明図である。成形管理システム10は、管理装置100と、表示部50と、を備える。管理装置100は、射出成形機210および検査装置220と通信可能に接続されている。本実施形態では、管理装置100は、これらの装置とネットワークNTを介して相互に通信可能に構成されている。ネットワークNTは、例えば、LANであってもよいし、WANであってもよいし、インターネットであってもよい。なお、管理装置100は、複数台の射出成形機210および検査装置220と通信可能に接続されてもよい。
【0009】
射出成形機210は、射出成形を行う装置である。射出成形機210は、第1制御部211と、それぞれ図示しない射出装置と型締装置を備えている。型締装置には、キャビティーを有する成形型が装着される。成形型は、金属製でもよいし、セラミック製でもよいし、樹脂製でもよい。金属製の成形型のことを金型と呼ぶ。第1制御部211は、1つまたは複数のプロセッサーと、記憶装置と、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェイスとを備えるコンピューターによって構成されている。第1制御部211は、複数のコンピューターによって構成されてもよい。検査装置220の第2制御部221についても、第1制御部211と同様の構成である。
【0010】
第1制御部211は、射出成形機210の各部を制御して射出成形を行い、成形品を成形する。より具体的には、第1制御部211は、型締装置を制御して成形型を型締めし、射出装置を制御して材料を可塑化した造形材料を成形型に射出することによって、成形型に設けられたキャビティーの形状に応じた形状を有する成形品を成形する。成形された成形品は、図示していない取り出しロボット等の搬送装置によって検査装置220に搬送される。
【0011】
検査装置220は、成形品の検査を行う装置である。検査装置220は、第2制御部221と図示しないカメラとによって構成される。第2制御部221は、カメラを制御して成形品を撮像し、撮像した成形品を画像解析することによって、成形品の寸法測定および外観検査を行う。第2制御部221は、成形品の寸法として、例えば、成形品の高さや、全長、全幅などを測定する。また、第2制御部221は、外観検査において、例えば、キズや反りといった、成形品の不良を検査する。第2制御部221は、成形品毎に寸法及び外観検査の結果に基づいて成形品が不良であるか否かを判定し、その判定結果を管理装置100に送信する。なお、検査装置220は、成形品の寸法をカメラではなく、各種の変位センサや測長センサを用いて測定してもよい。
【0012】
表示部50は、管理装置100に備えられた液晶ディスプレイによって構成される。表示部50には、管理装置100から出力された各種の情報が表示される。表示部50には、タッチパネル機能が備えられていてもよい。なお、表示部50は、管理装置100に備えられていなくてもよく、例えば、管理装置100とは別体のコンピューターやタブレット端末、スマートフォン等の機器のディスプレイであってもよい。この場合、表示部50は、ネットワークNTあるいはクラウドサーバを介して管理装置100から情報を取得してもよい。
【0013】
管理装置100は、処理部101と、記憶部102と、を備えるコンピューターによって構成されている。処理部101は、1つ又は複数のプロセッサーおよび主記憶装置を備えている。記憶部102は、ハードディスクドライブなどの補助記憶装置により構成される。
【0014】
記憶部102には、成形品情報が記憶される。本実施形態では、成形品情報は、第1期間に成形された成形品の品目毎の不良品数に関する情報、第1期間に成形された成形品の品目毎の良品数に関する情報、第2期間に成形された成形品の品目毎の不良品数に関する情報、および、第2期間に成形された成形品の品目毎の良品数に関する情報を含む。ここで、第2期間は、第1期間よりも長い期間である。例えば、第1期間は1ヶ月間であり、第2期間は1年間である。本実施形態では、第2期間は第1期間を含む期間である。例えば、第2期間が、2022年1月1日から2022年12月31日までの1年間である場合、第1期間は、2022年1月1日から2022年12月31日までの間の1ヶ月間である。以下では、成形品の品目を、成形品目とも呼ぶ。
【0015】
さらに、記憶部102には、成形品の品目を識別する情報である識別情報、および、第1期間における成形品の品目毎の不良率の目標に関する情報が記憶される。識別情報は、例えば、成形品の品目名、それぞれの品目に割り当てられたID番号などである。
【0016】
処理部101は、演算部111と、出力部112と、を備える。演算部111および出力部112は、処理部101が記憶部102に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。なお、これらは回路によって実現されてもよい。
【0017】
演算部111は、記憶部102に記憶された成形品情報に基づいてレポートを生成する。
【0018】
出力部112は、演算部111が生成したレポートを出力する。本実施形態では、出力部112は、表示部50にレポートを出力する。なお、出力部112は、プリンターにレポートを出力してもよい。また、出力部112は、ネットワークNTを介して、他の装置にレポートを出力してもよい。
【0019】
図2は、管理装置100が実行するレポート生成処理の工程図である。レポート生成処理は、例えば、管理装置100が、ユーザーからレポート生成処理を実行する旨の指令を受け付けた場合に実行される。また、例えば、第1期間が1ヶ月間である場合、管理装置100はレポート生成処理を月末に実行してもよい。
【0020】
ステップS10において、演算部111は、第1期間に成形された各成形品目について、第1期間の不良品数および第1期間の良品数を用いて、第1期間における成形品の生産数、および、第1期間における成形品の不良率を算出する。ここで、第1期間の不良品数とは、第1期間に成形された成形品のうち、検査装置220によって不良品であると判定された成形品の数である。第1期間の良品数とは、第1期間に成形された成形品のうち、検査装置220によって良品であると判定された成形品の数である。第1期間における成形品の生産数とは、第1期間に成形された成形品の個数である。なお、成形品の生産数を、成形品の投入数とも呼ぶ。
【0021】
また、ステップS10において、演算部111は、第1期間に成形された各成形品目について、第2期間の不良品数および第2期間の良品数を用いて、第2期間における成形品の生産数、および、第2期間における成形品の不良率を算出する。ここで、第2期間の不良品数とは、第2期間に成形された成形品のうち、検査装置220によって不良品であると判定された成形品の数である。第2期間の良品数とは、第2期間に成形された成形品のうち、検査装置220によって良品であると判定された成形品の数である。
【0022】
第1期間における成形品の生産数は、以下の式(1)によって算出される。なお、式(1)および後述する式(2)で用いられる、第1期間の不良品数および第1期間の良品数は、それぞれ、第1期間における成形品の生産数および不良率を算出する成形品目と同一の品目の、第1期間の不良品数および第1期間の良品数である。以下では、第1期間における成形品の生産数を、単に、第1期間の生産数と呼ぶ。
(第1期間の生産数)=(第1期間の不良品数)+(第1期間の良品数)・・・(1)
【0023】
第1期間における成形品の不良率は、以下の式(2)によって算出される。以下では、第1期間における成形品の不良率を、単に、第1期間の不良率と呼ぶ。
(第1期間の不良率)=(第1期間の不良品数)÷((第1期間の不良品数)+(第1期間の良品数))・・・(2)
【0024】
第2期間における成形品の生産数は、以下の式(3)によって算出される。なお、式(3)および後述する式(4)で用いられる、第2期間の不良品数および第2期間の良品数は、それぞれ、第2期間における成形品の生産数および不良率を算出する成形品目と同一の品目の、第2期間の不良品数および第1期間の良品数である。以下では、第2期間における成形品の生産数を、単に、第2期間の生産数と呼ぶ。
(第2期間の生産数)=(第2期間の不良品数)+(第2期間の良品数)・・・(3)
【0025】
第2期間における成形品の不良率は、以下の式(4)によって算出される。以下では、第2期間における成形品の不良率を、単に、第2期間の不良率と呼ぶ。
(第2期間の不良率)=(第2期間の不良品数)÷((第2期間の不良品数)+(第2期間の良品数))・・・(4)
【0026】
ステップS20において、演算部111は、アラーム情報生成処理を実行する。アラーム情報生成処理は、演算部111が、第1期間に成形された成形品目毎の不良率の実績に関する情報、第1期間における成形品目毎の不良率の目標に関する情報、および、第2期間に成形された成形品目毎の不良率の実績に関する情報に基づいて、成形品目毎にアラーム情報を生成する処理である。
【0027】
図3は、アラーム情報生成処理の工程図である。演算部111は、アラーム情報生成処理において、各成形品目に対して、異常、警告、正常のいずれかのアラーム情報を生成する。
【0028】
ステップS110において、演算部111は、特定の成形品目について、第1期間の不良率が、その成形品目の第1基準値を下回っているか否かを判定する。ここで、第1基準値は、各成形品目に対して予め設定されている値であり、第1期間の不良率の目標値である。
【0029】
ステップS110で第1期間の不良率が第1基準値を下回っていると判定された場合、ステップS120において、演算部111は、上述した成形品目に対して「正常」のアラーム情報を生成する。
【0030】
ステップS110で第1期間の不良率が第1基準値を下回っていないと判定された場合、ステップS130において、演算部111は、上述した成形品目について、第1期間の不良率が、その成形品目の第2基準値を下回っているか否かを判定する。ここで、第2基準値は、各成形品目に対して予め設定されている値であり、第1基準値よりも大きい値である。第2基準値は、例えば、第1基準値の120%以上180%以下の値であることが好ましい。
【0031】
ステップS130で第1期間の不良率が第2基準値を下回っていないと判定された場合、ステップS140において、演算部111は、上述した成形品目に対して「異常」のアラーム情報を生成する。
【0032】
ステップS130で第1期間の不良率が第2基準値を下回っていると判定された場合、ステップS150において、演算部111は、上述した成形品目について、第1期間の不良率が以下の式(5)を満たすか否かを判定する。ここで、式(5)の標準偏差は、第2期間を第1期間と同じ長さの複数の期間に分割した場合の、分割された各期間における不良率の標準偏差である。例えば、第1期間が7月の1ヶ月間であり、第2期間が4月から7月の4ヶ月間である場合、式(5)の標準偏差は、4月から7月の各月の不良率の標準偏差である。
((第1期間の不良率)-(標準偏差))<(第2期間の不良率)<((第1期間の不良率)+(標準偏差))・・・(5)
【0033】
ステップS150で第1期間の不良率が式(5)を満たさないと判定された場合、ステップS140において、演算部111は、上述した成形品目に対して「異常」のアラーム情報を生成する。
【0034】
ステップS150で第1期間の不良率が式(5)を満たすと判定された場合、ステップS160において、演算部111は、上述した成形品目に対して「警告」のアラーム情報を生成する。
【0035】
ステップS170において、演算部111は、第1期間に成形された全ての成形品目についてアラーム情報が生成されたか否かを判定する。演算部111は、第1期間に成形された全ての成形品目についてアラーム情報が生成されていないと判定した場合、処理をステップS110に戻す。演算部111は、第1期間に成形された全ての成形品目についてアラーム情報が生成されたと判定した場合、アラーム情報生成処理を終了させる。
【0036】
図2に示すレポート生成処理のステップS30において、演算部111は、レポート300を生成する。
【0037】
図4は、演算部111が生成するレポート300の例を示す図である。
図4に示す例では、第1期間は、2022年7月1日から2022年7月30日の1ヶ月間であり、第2期間は、2022年4月1日から2022年7月30日の4ヶ月間である。第1期間が特定の月の1ヶ月間であり、第2期間が特定の年度の内の、1ヶ月以上12ヶ月以下の月単位の期間である場合、第1期間の不良品数を月度不良数、第1期間の生産数を月度投入数、第1期間の不良率を月度不良率、第2期間の不良率を年度不良率、第2期間の生産数を年度投入数とも呼ぶ。
【0038】
レポート300には、不良率表示領域RG1が設けられている。不良率表示領域RG1には、左から順に、第1期間に成形された各成形品目について、識別情報である成形品目の名称、第1期間の不良品数である月度不良数、第1期間の生産数である月度投入数、第1基準値である第1期間の不良率の目標値、第1期間の不良率である月度不良率、アラーム情報、第2期間の不良率である年度不良率、および、第2期間の生産数である年度投入数が表示されている。すなわち、レポート300は、識別情報、第1期間に成形された成形品目毎の不良品数の実績に関する情報、第1期間に成形された成形品目毎の個数の実績に関する情報、第1期間における成形品目毎の不良率の目標に関する情報、第1期間に成形された成形品目毎の不良率の実績に関する情報、成形品目毎のアラーム情報、第2期間に成形された成形品目毎の不良率の実績に関する情報、および、第2期間に成形された成形品目毎の個数の実績に関する情報を含む。
【0039】
不良率表示領域RG1には、各成形品目が、第1期間における不良率である月度不良率の高い順に上から並べて表示されている。すなわち、演算部111は、識別情報を、第1期間における不良率の高い順に並べたレポート300を生成する。
【0040】
不良率表示領域RG1の下方には、グラフG1が表示されている。グラフG1の横軸は、2022年4月から2023年3月までの各月を示している。グラフG1の左側の縦軸は成形品の生産数を、右側の縦軸は成形品の不良率を表している。棒グラフは、各月に生産された成形品の数を成形品目毎に示している。折れ線グラフは、各月に生産された全ての成形品の不良率を示している。
【0041】
図2に示すレポート生成処理のステップS40において、出力部112は、ステップS30で生成されたレポート300を表示部50に出力し、表示部50に表示させる。以上で説明したようにして、レポート生成処理が実行される。
【0042】
以上で説明した第1実施形態における成形管理システム10によれば、演算部111は、第1期間に成形された各成形品目について、識別情報、第1期間の不良品数、第1期間の生産数、第1期間の不良率の目標値、第1期間の不良率、アラーム情報、第2期間の不良率、および、第2期間の生産数が表示されたレポート300を生成する。以下では、
図4に示すレポート300を用いて、ユーザーが不良率を低減させる対策を優先的に実行するべき品目を判断する際の、レポート300の効果を説明する。
【0043】
本実施形態では、レポート300に、第1期間の不良率である月度不良率、第1期間の不良率の目標値、および、第2期間の不良率である年度不良率が表示されている。レポート300に表示されている4つの成形品目のうち、製品A、製品B、および製品Cの月度不良率は、それぞれの目標値を上回っている。上述した3つの成形品目のうち、製品Aは、製品Bおよび製品Cと比べて、月度不良率が目標値を大きく上回っている。そのため、ユーザーは、月度不良率と目標値を比較することで、上述した3つの成形品目の中で、製品Aに対して不良率を低減させる対策を優先的に実行するべきだと判断しやすくなる。
【0044】
製品Bの月度不良率は、製品Cの月度不良率よりもやや高い。そのため、月度不良率のみを比較した場合、ユーザーは、製品Cよりも、製品Bに対して不良率を低減させる対策を優先的に実行するべきだと判断する可能性が高い。しかし、製品Bの月度不良率と年度不良率の差は、製品Cの月度不良率と年度不良率の差と比べて小さい。そのため、製品Bの不良率は、第1期間である7月に突発的に上昇したものではないと推定される。逆に、製品Cの不良率は、第1期間である7月に突発的に上昇したと推定される。したがって、第1期間である7月に、製品Cの成形において何らかの不具合が生じた可能性が高い。そのため、製品Bよりも、製品Cに対して不良率を低減させる対策を優先的に実行するべきである。レポート300には、各成形品目の月度不良率および年度不良率が表示されているため、ユーザーは、月度不良率と年度不良率を比較することで、第2期間内で不良率が変動している場合でも、製品Bよりも製品Cに対して不良率を低減させる対策を優先的に実行するべきだと判断しやすくなる。
【0045】
また、本実施形態では、レポート300に、第1期間の不良品数である月度不良数と、第1期間の生産数である月度投入数が表示されている。製品Bの月度不良率と製品Cの月度不良率との間に大きな差は無いが、製品Cの月度投入数は製品Bの月度投入数よりも多く、製品Cの月度不良数は製品Bの月度不良数よりも多い。そのため、製品Bの不良率を低減させるよりも、製品Bよりも月度投入数の多い製品Cの不良率を低減させた方が、生産される不良品数をより減少させることができる。レポート300には、各成形品目の月度不良数および月度投入数が表示されているため、ユーザーは、各成形品目の月度不良数または月度投入数を比較することで、製品Bよりも製品Cに対して不良率を低減させる対策を優先的に実行するべきだと判断しやすくなる。
【0046】
また、本実施形態では、レポート300にアラーム情報が表示されている。製品Aのアラーム情報は「異常」、製品Bおよび製品Cのアラーム情報は「警告」、製品Dのアラーム情報は「正常」である。そのため、ユーザーは、上述した4つの成形品目の中で、アラーム情報が「異常」である製品Aに対して、不良率を低減させる対策を最優先で実行するべきだと判断しやすくなる。また、ユーザーは、製品Aの次に、アラーム情報が「警告」である製品Bおよび製品Cに対して、不良率を低減させる対策を実行するべきだと判断しやすくなる。
【0047】
また、本実施形態では、演算部111は、第2期間に成形された成形品目毎の不良率の実績に関する情報に基づいてアラーム情報を生成する。具体的には、
図3に示すアラーム情報生成処理のステップS150において、演算部111は、第1期間の不良率が式(5)を満たすか否かを判定する。そして、演算部111は、第1期間の不良率が式(5)を満たさない成形品目に対して「異常」のアラーム情報を生成し、第1期間の不良率が式(5)を満たす成形品目に対して「警告」のアラーム情報を生成する。第1期間の不良率が式(5)を満たさない成形品目とは、第1期間の不良率が、第2期間における不良率のばらつきの範囲から大きく外れている成形品目である。演算部111は、上述したような成形品目に対して、「異常」のアラーム情報を生成する。そのため、ユーザーが、第1期間の不良率が第2期間における不良率のばらつきの範囲から大きく外れている成形品目に対して、不良率を低減させる対策を優先的に実行するべきだと判断しやすくできる。
【0048】
また、本実施形態では、レポート300には、各成形品目が、第1期間における不良率の高い順に上から並べて表示されている。そのため、ユーザーが、不良率を低減させる対策を優先的に実行するべき成形品目を把握しやすくできる。
【0049】
また、本実施形態では、第2期間は、第1期間を含む期間である。そのため、第1期間の不良率と第2期間の不良率を、ユーザーが比較しやすくできる。
【0050】
B.第2実施形態:
第2実施形態では、記憶部102には、成形品情報、識別情報、および、第1期間における成形品の品目毎の不良率の目標に関する情報に加えて、各成形品目について、成形品の成形に必要な材料の量が記憶されている。成形品の成形に必要な材料の量は、1個の成形品を成形するために必要な材料の量である。成形品の成形に必要な材料の量は、例えば、成形品1個当たりの重量の平均値などである。
【0051】
図2に示すレポート生成処理のステップS10において、演算部111は、第1期間の生産数、第1期間の不良率、第2期間の生産数、および、第2期間の不良率に加えて、第1期間に成形された各成形品目について、材料消費量を算出する。ここで、材料消費量は、第1期間に成形された成形品のうち、不良品の成形に使用された材料の量である。材料消費量は、以下の式(6)によって算出される。
(材料消費量)=(成形品の成形に必要な材料の量)×(第1期間の不良品数)・・・(6)
【0052】
図5は、
図2に示すレポート生成処理のステップS30において、演算部111が生成するレポート301の例を示す図である。不良率表示領域RG2には、第1実施形態において不良率表示領域RG1に表示される各情報に加えて、第1期間に成形された各成形品目の材料消費量が表示されている。すなわち、レポート301は、第1期間に成形された成形品目毎の、材料の消費量の実績に関する情報を含む。
【0053】
以上で説明した第2実施形態における成形管理システム10によれば、レポート301には、第1期間に成形された各成形品目の材料消費量が表示される。そのため、ユーザーが、第1期間において不良品の成形に使用された材料の量を、成形品目毎に比較できる。
図5に示すレポート301の例では、製品Bの月度不良率と製品Cの月度不良率との間に大きな差は無いが、製品Cの材料消費量は製品Bの材料消費量よりも多い。そのため、製品Bの不良率を低減させるよりも、製品Cの不良率を低減させた方が、材料消費量をより減少させることができる。ユーザーは、各成形品目の材料消費量を比較することで、製品Bよりも製品Cに対して不良率を低減させる対策を優先的に実行するべきだと判断しやすくなる。
【0054】
C.他の実施形態:
(C-1)上記実施形態では、レポート300は、第1期間に成形された成形品の品目毎の不良品数の実績に関する情報、および、第1期間に成形された成形品の品目毎の個数の実績に関する情報を含む。これに対して、レポート300は、第1期間に成形された成形品の品目毎の不良品数の実績に関する情報、第1期間に成形された成形品の品目毎の良品数の実績に関する情報、または、第1期間に成形された成形品の品目毎の個数の実績に関する情報の、いずれかを含めばよい。
【0055】
(C-2)上記実施形態では、演算部111は、第1期間に成形された成形品目毎の不良率の実績に関する情報、第1期間における成形品目毎の不良率の目標に関する情報、および、第2期間に成形された成形品目毎の不良率の実績に関する情報に基づいて、成形品目毎にアラーム情報を生成する。これに対して、演算部111は、第2期間に成形された成形品目毎の不良率の実績に関する情報に基づいてアラーム情報を生成しなくてもよい。この場合、
図3に示すアラーム情報生成処理において、ステップS150が実行されなくてもよい。ステップS150が実行されない場合、演算部111は、ステップS130で特定の成形品目の第1期間の不良率が第2基準値を下回っていると判定した場合に、ステップS160において、上述した成形品目に対して「警告」のアラーム情報を生成する。
【0056】
(C-3)上記実施形態では、演算部111は、アラーム情報を生成する。これに対して、演算部111は、アラーム情報を生成しなくてもよい。この場合、レポート300は、アラーム情報を含まなくてもよい。
【0057】
(C-4)上記実施形態では、演算部111は、識別情報を第1期間における不良率の高い順に並べたレポート300を生成する。これに対して、演算部111は、識別情報を第1期間における不良率の高い順に並べていないレポート300を生成してもよい。
【0058】
(C-5)上記実施形態では、第2期間は、第1期間を含む期間である。これに対して、第2期間は、第1期間を含まない期間であってもよい。例えば、第1期間は2022年7月の1ヶ月間であり、第2期間は、2022年の4月から2022年の6月の3ヶ月間であってもよい。この場合、第1期間の不良率を、過去の不良率と比較しやすくできる。
【0059】
(C-6)上記実施形態では、レポート300は、識別情報、第1期間に成形された成形品目毎の不良品数の実績に関する情報、第1期間に成形された成形品目毎の個数の実績に関する情報、第1期間における成形品目毎の不良率の目標に関する情報、第1期間に成形された成形品目毎の不良率の実績に関する情報、成形品目毎のアラーム情報、第2期間に成形された成形品目毎の不良率の実績に関する情報、および、第2期間に成形された成形品目毎の個数の実績に関する情報を含む。これに対して、レポート300は、上述した情報のうち、第1期間に成形された成形品目毎の不良品数の実績に関する情報、第1期間に成形された成形品目毎の個数の実績に関する情報、成形品目毎のアラーム情報、および、第2期間に成形された成形品目毎の個数の実績に関する情報を含まなくてもよい。
【0060】
(C-7)上記実施形態では、成形品情報は、第1期間に成形された成形品の品目毎の良品数に関する情報、および、第2期間に成形された成形品の品目毎の良品数に関する情報を含む。これに対して、成形品情報は、第1期間に成形された成形品の品目毎の個数に関する情報、および、第2期間に成形された成形品の品目毎の個数に関する情報を含んでもよい。この場合、
図2に示すレポート生成処理のステップS10において、第1期間の生産数および第2期間の生産数は算出されなくてもよい。
【0061】
(C-8)第2実施形態では、レポート301に、第1期間に成形された成形品のうち、不良品の成形に使用された材料の量である材料消費量が表示されている。これに対して、レポート301には、不良品の成形に使用された材料の量に限らず、不良品および良品の成形に使用された材料の量、すなわち、全ての成形品の成形に使用された材料の量が表示されてもよい。
【0062】
(C-9)上記実施形態では、第1期間の不良品数は、第1期間に成形された成形品のうち、検査装置220によって不良品であると判定された成形品の数である。これに対して、第1期間の不良品数は、第1期間に成形された成形品のうち、成形品の成形時に、金型に設けられた温度センサや圧力センサなどの各種センサで測定された値が予め定められた値である閾値を超えた成形品の数や、射出成形機210から取得された射出圧力や金型の温度などの稼動データの値が閾値を超えた成形品の数であってもよい。同様に、第2期間の不良品数は、第2期間に成形された成形品のうち、成形品の成形時に、金型に設けられた温度センサや圧力センサなどの各種センサで測定された値が予め定められた値である閾値を超えた成形品の数や、射出成形機210から取得された射出圧力や金型の温度などの稼動データの値が閾値を超えた成形品の数であってもよい。
【0063】
(C-10)上記実施形態では、成形品情報は、第1期間に成形された成形品の品目毎の不良品数に関する情報、第1期間に成形された成形品の品目毎の良品数に関する情報、第2期間に成形された成形品の品目毎の不良品数に関する情報、および、第2期間に成形された成形品の品目毎の良品数に関する情報を含む。これに対して、成形品情報は、第1期間に検査された成形品の品目毎の不良品数に関する情報、第1期間に検査された成形品の品目毎の良品数に関する情報、第2期間に検査された成形品の品目毎の不良品数に関する情報、および、第2期間に検査された成形品の品目毎の良品数に関する情報を含んでもよい。この場合、レポートは、識別情報、第1期間に検査された成形品の品目毎の不良率の実績に関する情報、第1期間における成形品の品目毎の不良率の目標に関する情報、および、第2期間に検査された成形品の品目毎の不良率の実績に関する情報を含んでもよい。
【0064】
D.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0065】
(1)本開示の一形態によれば、成形管理システムが提供される。この成形管理システムは、第1期間に成形された成形品の品目毎の不良品数に関する情報、および、前記第1期間より長い期間である第2期間に成形された前記成形品の前記品目毎の不良品数に関する情報を含む、成形品情報を記憶する記憶部と、前記成形品情報に基づいてレポートを生成する演算部と、前記演算部が生成した前記レポートを出力する出力部と、を備え、前記レポートは、前記成形品の前記品目を識別する情報である識別情報と、前記第1期間に成形された前記成形品の前記品目毎の不良率の実績に関する情報と、前記第1期間における前記成形品の前記品目毎の不良率の目標に関する情報と、前記第2期間に成形された前記成形品の前記品目毎の不良率の実績に関する情報と、を含む。
この形態の成形管理システムによれば、ユーザーが、第1期間に成形された成形品の品目毎の不良率の実績に関する情報と、第2期間に成形された成形品の品目毎の不良率の実績に関する情報を比較することができる。そのため、第2期間内で不良率が変動している場合でも、不良率を低減させる対策を優先的に実行するべき品目を、ユーザーが正しく判断しやすくできる。
【0066】
(2)上記形態において、前記レポートは、前記第1期間に成形された前記成形品の前記品目毎の不良品数の実績に関する情報、前記第1期間に成形された前記成形品の前記品目毎の良品数の実績に関する情報、前記第1期間に成形された前記成形品の前記品目毎の個数の実績に関する情報の、いずれかを含んでもよい。
この形態の成形管理システムによれば、ユーザーが、各成形品目の、第1期間に成形された成形品の品目毎の不良品数の実績に関する情報、第1期間に成形された成形品の品目毎の良品数の実績に関する情報、または、第1期間に成形された成形品の品目毎の個数の実績に関する情報を比較することができる。そのため、不良率を低減させる対策を優先的に実行するべき品目を、ユーザーが正しく判断しやすくできる。
【0067】
(3)上記形態において、前記演算部は、前記第1期間に成形された前記成形品の前記品目毎の不良率の実績に関する情報、および、前記第1期間における前記成形品の前記品目毎の不良率の目標に関する情報に基づいて、前記成形品の前記品目毎にアラーム情報を生成し、前記レポートは、前記成形品の前記品目毎の前記アラーム情報を含んでもよい。
この形態の成形管理システムによれば、ユーザーが、不良率を低減させる対策を優先的に実行するべき品目を判断する場合に、アラーム情報に基づいて判断しやすくできる。
【0068】
(4)上記形態において、前記演算部は、前記第2期間に成形された前記成形品の前記品目毎の不良率の実績に関する情報に基づいて、前記アラーム情報を生成してもよい。
この形態の成形管理システムによれば、ユーザーが、不良率を低減させる対策を優先的に実行するべき品目を判断する場合に、第2期間に成形された成形品の品目毎の不良率の実績に関する情報に基づいて判断しやすくできる。
【0069】
(5)上記形態において、前記演算部は、前記識別情報を、前記第1期間における不良率の高い順に並べた前記レポートを生成してもよい。
この形態の成形管理システムによれば、不良率を低減させる対策を優先的に実行するべき品目を、ユーザーが把握しやすくできる。
【0070】
(6)上記形態において、前記記憶部は、前記成形品の成形に必要な材料の量を記憶し、前記レポートは、前記第1期間に成形された前記成形品の前記品目毎の、前記材料の消費量の実績に関する情報を含んでもよい。
この形態の成形管理システムによれば、ユーザーが、不良率を低減させる対策を優先的に実行するべき品目を判断する場合に、材料の消費量の実績に関する情報に基づいて判断しやすくできる。
【0071】
(7)上記形態において、前記第2期間は、前記第1期間を含む期間であってもよい。
この形態の成形管理システムによれば、第1期間に成形された成形品の品目毎の不良率の実績に関する情報と、第2期間に成形された成形品の品目毎の不良率の実績に関する情報を、ユーザーが比較しやすくできる。
【0072】
(8)本開示の一形態によれば、成形管理システムが提供される。この成形管理システムは、第1期間に検査された成形品の品目毎の不良品数に関する情報、および、前記第1期間より長い期間である第2期間に検査された前記成形品の前記品目毎の不良品数に関する情報を含む、成形品情報を記憶する記憶部と、前記成形品情報に基づいてレポートを生成する演算部と、前記演算部が生成した前記レポートを出力する出力部と、を備え、前記レポートは、前記成形品の前記品目を識別する情報である識別情報と、前記第1期間に検査された前記成形品の前記品目毎の不良率の実績に関する情報と、前記第1期間における前記成形品の前記品目毎の不良率の目標に関する情報と、前記第2期間に検査された前記成形品の前記品目毎の不良率の実績に関する情報と、を含む。
この形態の成形管理システムによれば、ユーザーが、第1期間に検査された成形品の品目毎の不良率の実績に関する情報と、第2期間に検査された成形品の品目毎の不良率の実績に関する情報を比較することができる。そのため、第2期間内で不良率が変動している場合でも、不良率を低減させる対策を優先的に実行するべき品目を、ユーザーが正しく判断しやすくできる。
【符号の説明】
【0073】
10…成形管理システム、50…表示部、100…管理装置、101…処理部、102…記憶部、111…演算部、112…出力部、210…射出成形機、211…第1制御部、220…検査装置、221…第2制御部、300…レポート、301…レポート、G1…グラフ、NT…ネットワーク、RG1…不良率表示領域、RG2…不良率表示領域