(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103028
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/17 20060101AFI20240725BHJP
B41J 2/165 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
B41J2/17 201
B41J2/165 307
B41J2/165 211
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007151
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】中村 史
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056JA13
2C056JB05
2C056JC06
2C056JC13
2C056JC20
2C056JC23
(57)【要約】
【課題】受容部が受けた液体の流れが滞りにくい液体吐出装置を提供する。
【解決手段】液体吐出装置は、廃液貯留部が装着される液体吐出装置であって、ノズルが開口するノズル面を有し、ノズルから液体を吐出する吐出部と、吐出部をメンテナンスするメンテナンス部と、メンテナンス部から液体を回収する回収部100と、を備え、メンテナンス部は、ノズルから排出される液体を受ける受容部38と、受容部とともに一方向に移動することによってノズル面を払拭するワイピング部37と、を有し、受容部は、ノズルから排出される液体を受ける受容桶を含む受容器42と、受容桶が受けた液体を回収部に滴下させる排出穴が開口する受容樋と、を有し、回収部は、排出穴から滴下する液体を受け、その液体を廃液貯留部に向けて流す排出樋を有し、排出樋は、一方向に延び、鉛直方向から見た場合に受容器の少なくとも一部と重なる。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃液貯留部が装着される液体吐出装置であって、
ノズルが開口するノズル面を有し、前記ノズルから液体を吐出する吐出部と、
前記吐出部をメンテナンスするメンテナンス部と、
前記メンテナンス部から液体を回収する回収部と、を備え、
前記メンテナンス部は、
前記ノズルから排出される液体を受ける受容部と、
前記受容部とともに一方向に移動することによって前記ノズル面を払拭するワイピング部と、を有し、
前記受容部は、
前記ノズルから排出される液体を受ける受容桶を含む受容器と、
前記受容桶が受けた液体を前記回収部に滴下させる排出穴が開口する受容樋と、を有し、
前記回収部は、前記排出穴から滴下する液体を受け、その液体を前記廃液貯留部に向けて流す排出樋を有し、
前記排出樋は、前記一方向に延び、鉛直方向から見た場合に前記受容器の少なくとも一部と重なることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記メンテナンス部は、前記吐出部に接触することによって前記ノズルと通じる空間を形成するキャップと、前記キャップ内を吸引するポンプと、を含むキャップユニットを有し、
前記回収部は、前記キャップユニットが受けた液体と前記排出樋が受けた液体とを集合させる集合樋を有し、
前記集合樋は、液体を前記廃液貯留部に向けて流すことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記集合樋は、鉛直方向から見た場合に前記一方向に移動する前記受容部の少なくとも一部と重なることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記廃液貯留部は、第1廃液貯留部であり、
前記液体吐出装置は、前記第1廃液貯留部及び第2廃液貯留部が装着される液体吐出装置であり、
前記受容桶は、第1受容桶であり、
前記受容樋は、第1受容樋であり、
前記排出穴は、第1排出穴であり、
前記排出樋は、第1排出樋であり、
前記ノズルから吐出される液体は、第1液体、又は、前記第1液体と反応する第2液体であり、
前記ノズルは、複数のノズルのうちの1つであり、
複数の前記ノズルは、前記第1液体を吐出する第1ノズルと、前記第2液体を吐出する第2ノズルと、を含み、
前記ノズル面は、第1ノズル面であり、
前記吐出部は、
前記第1ノズルが開口する前記第1ノズル面と、
前記第2ノズルが開口する第2ノズル面と、を有し、
前記受容部は、
前記第1ノズルから排出される前記第1液体を受ける前記第1受容桶と、前記第2ノズルから排出される前記第2液体を受ける第2受容桶と、を含む前記受容器と、
前記第1受容桶が受けた前記第1液体を前記回収部に滴下させる前記第1排出穴が開口する前記第1受容樋と、
前記第2受容桶が受けた前記第2液体を前記回収部に滴下させる第2排出穴が開口する第2受容樋と、を有し、
前記回収部は、
前記第1排出穴から滴下する前記第1液体を受け、前記第1液体を前記第1廃液貯留部に向けて流す前記第1排出樋と、
前記第2排出穴から滴下する前記第2液体を受け、前記第2液体を前記第2廃液貯留部に向けて流す第2排出樋と、を有することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記第1排出樋は、鉛直方向から見た場合に、前記第2排出樋の少なくとも一部と重なることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記第2排出穴は、前記鉛直方向において、前記第1排出樋と前記第2排出樋との間に位置することを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
【請求項7】
前記メンテナンス部は、前記吐出部に接触することによって前記第1ノズルと通じる空間を形成する第1キャップと、前記吐出部に接触することによって前記第2ノズルと通じる空間を形成する第2キャップと、前記第1キャップ内を吸引する第1ポンプと、前記第2キャップ内を吸引する第2ポンプと、を含むキャップユニットを有し、
前記回収部は、前記第1キャップが受けた前記第1液体と前記第1排出樋が受けた前記第1液体とを集合させる、且つ、前記第2キャップが受けた前記第2液体と前記第2排出樋が受けた前記第2液体とを集合させる集合樋を有し、
前記集合樋は、前記第1液体を前記第1廃液貯留部に向けて流し、且つ、前記第2液体を前記第2廃液貯留部に向けて流すことを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液体を吐出する吐出部と、吐出部から液体を受ける受容部と、受容部に接続される流路とを備える液体吐出装置が記載されている。この液体吐出装置は、流路を通じて、受容部が受けた液体を回収するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした液体吐出装置は、通常、吐出部を払拭するワイピング部を備える。ワイピング部は、吐出部を払拭する場合に吐出部に対して移動する。このとき、ワイピング部とともに受容部が移動すると、流路が変形することによって液体の流れが滞るおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する液体吐出装置は、廃液貯留部が装着される液体吐出装置であって、ノズルが開口するノズル面を有し、前記ノズルから液体を吐出する吐出部と、前記吐出部をメンテナンスするメンテナンス部と、前記メンテナンス部から液体を回収する回収部と、を備え、前記メンテナンス部は、前記ノズルから排出される液体を受ける受容部と、前記受容部とともに一方向に移動することによって前記ノズル面を払拭するワイピング部と、を有し、前記受容部は、前記ノズルから排出される液体を受ける受容桶を含む受容器と、前記受容桶が受けた液体を前記回収部に滴下させる排出穴が開口する受容樋と、を有し、前記回収部は、前記排出穴から滴下する液体を受け、その液体を前記廃液貯留部に向けて流す排出樋を有し、前記排出樋は、前記一方向に延び、鉛直方向から見た場合に前記受容器の少なくとも一部と重なる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】液体吐出装置の一実施例を示す正面図である。
【
図6】
図5に示す状態から移動体が移動した斜視図である。
【
図10】第1受容樋及び第2受容樋を示す斜視図である。
【
図12】フラッシングユニットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、液体吐出装置の一実施例について図を参照しながら説明する。液体吐出装置は、例えば、用紙、布帛などの媒体に液体の一例であるインクを吐出することによって、文字、写真などの画像を印刷するインクジェット式のプリンターである。
【0008】
<液体吐出装置>
図1に示すように、液体吐出装置11は、筐体12を備える。
液体吐出装置11は、支持部13を備える。支持部13は、搬送される媒体M1を支持する。媒体M1は、支持部13上において、搬送方向Yに搬送される。
【0009】
液体吐出装置11は、吐出部14を備える。吐出部14は、液体を吐出するように構成される。吐出部14は、支持部13と対向するように位置する。吐出部14は、支持部13に支持される媒体M1に液体を吐出する。
【0010】
吐出部14は、媒体M1に対して走査する。吐出部14は、走査方向Xに移動しながら媒体M1に液体を吐出する。したがって、液体吐出装置11は、シリアルプリンターである。走査方向Xは、搬送方向Yと異なる方向である。走査方向Xは、第1方向A1及び第2方向A2を含む双方向を示す。第1方向A1及び第2方向A2は、互いに反対の方向を示す。
【0011】
吐出部14は、複数種の液体を吐出するように構成されてもよい。吐出部14は、例えば、第1液体と第2液体とを吐出するように構成されてもよい。吐出部14は、第1液体及び第2液体の他に、第3液体を吐出するように構成されてもよい。
【0012】
第1液体及び第2液体のそれぞれは、互いに反応する液体である。第1液体及び第2液体は、互いに混ざることによって硬化する。第1液体及び第2液体のうち、一方はインクであり、他方は反応液である。一例では、第1液体がインクであり、第2液体が反応液である。詳しくは、第1液体は顔料インクであり、第2液体は、顔料を凝集させる成分を含む硬化液である。吐出部14は、例えば、媒体M1に第1液体を吐出した後に、第2液体を吐出する。これにより、媒体M1に第1液体が定着しやすくなる。第3液体は、第1液体及び第2液体と反応しない液体である。第3液体は、例えば、印刷済みの媒体M1を覆うコート液である。
【0013】
図2に示すように、吐出部14は、1以上のヘッドを有する。吐出部14は、例えば、1以上の第1ヘッド15と、1以上の第2ヘッド16とを有する。一例では、吐出部14は、1以上の第3ヘッド17をさらに有する。詳しくは、吐出部14は、4つの第1ヘッド15と、1つの第2ヘッド16と、8つの第3ヘッド17とを有する。
【0014】
複数のヘッドは、走査方向Xに並んでもよい。一例では、複数のヘッドは、走査方向Xに9列で並ぶ。4つの第1ヘッド15は、走査方向Xに4列で並ぶ。第2ヘッド16は、走査方向Xに1列で並ぶ。8つの第3ヘッド17は、走査方向Xに4列で並ぶ。すなわち、8つの第3ヘッド17は、搬送方向Yに2つずつ並ぶ。走査方向Xに並ぶ9列のヘッドのうち、第2ヘッド16は、中央に位置する。4列の第3ヘッド17のうち2列の第3ヘッド17は、走査方向Xにおいて両端に1列ずつ位置する。4列の第3ヘッド17のうち残りの2列の第3ヘッド17は、走査方向Xにおいて第2ヘッド16を間に挟むように位置する。複数の第3ヘッド17に限らず、複数の第1ヘッド15が搬送方向Yに並んでもよい。
【0015】
ヘッドは、1以上のノズルが開口するノズル面を有する。ヘッドは、ノズルから液体を吐出する。すなわち、吐出部14は、ノズルが開口するノズル面を有する。第1ヘッド15は、1以上の第1ノズル18が開口する第1ノズル面19を有する。第2ヘッド16は、1以上の第2ノズル20が開口する第2ノズル面21を有する。第3ヘッド17は、1以上の第3ノズル22が開口する第3ノズル面23を有する。
【0016】
第1ヘッド15は、第1ノズル18から第1液体を吐出する。第2ヘッド16は、第2ノズル20から第2液体を吐出する。第3ヘッド17は、第3ノズル22から、第1液体を吐出してもよいし、第2液体を吐出してもよいし、第3液体を吐出してもよい。一例では、第3ヘッド17は、第3ノズル22から第3液体を吐出する。吐出部14は、ヘッドごとに異なる種類の液体を吐出する構成に限らず、例えば1つのヘッドから異なる種類の液体を吐出するように構成されてもよい。例えば、1つのノズル面に、第1ノズル18及び第2ノズル20が開口してもよい。
【0017】
ノズル面において、複数のノズルが搬送方向Yに並ぶことによって、1以上のノズル列24が構成される。一例では、第1ノズル面19、第2ノズル面21、及び、第3ノズル面23のそれぞれにおいて、複数のノズルが搬送方向Yに並ぶことによって、8つのノズル列24が構成される。
【0018】
ノズル面において、複数のノズル列24が走査方向Xに並ぶことによって、1以上のノズル群25が構成される。一例では、第1ノズル面19、第2ノズル面21、及び、第3ノズル面23のそれぞれにおいて、例えば、2つのノズル列24が走査方向Xに並ぶことによって、ノズル群25が構成される。第1ノズル面19、第2ノズル面21、及び、第3ノズル面23のそれぞれには、4つのノズル群25が構成される。1つのノズル面において、4つのノズル群25は、走査方向X及び搬送方向Yにおいてそれぞれずれるように位置する。
【0019】
図1に示すように、液体吐出装置11は、キャリッジ26を備える。キャリッジ26は、吐出部14を搭載する。キャリッジ26は、走査方向Xに移動するように構成される。キャリッジ26が走査方向Xに移動することによって、吐出部14が走査方向Xに移動する。
【0020】
液体吐出装置11は、加圧部27を備えてもよい。加圧部27は、吐出部14と接続される。加圧部27は、吐出部14を加圧するように構成される。加圧部27は、例えば、ポンプである。加圧部27は、吐出部14を加圧することによって、ノズルから液体を強制的に排出させる。これにより、ノズルから液体とともに気泡、異物などが排出される。
【0021】
加圧部27は、複数のノズルのうち液体を排出させるノズルを選択可能に構成される。加圧部27は、例えば、圧力を作用させるヘッドを選択可能に構成される。加圧部27は、第1ヘッド15を加圧することによって、第1ノズル18から液体を排出させる。加圧部27は、第2ヘッド16を加圧することによって、第2ノズル20から液体を排出させる。加圧部27は、第3ヘッド17を加圧することによって、第3ノズル22から液体を排出させる。液体吐出装置11は、ヘッドごとに加圧部27を備えてもよい。
【0022】
加圧部27は、吐出部14を加圧することによって、1又は複数のヘッドに液体を排出させる。一例では、加圧部27は、吐出部14を加圧することによって、走査方向Xに複数列で並ぶ複数のヘッドのうち、1又は複数列のヘッドから液体を排出させる。
【0023】
液体吐出装置11は、メンテナンス機構28を備える。メンテナンス機構28は、吐出部14をメンテナンスするように構成される。メンテナンス機構28は、例えば、フラッシング、キャッピング、クリーニング、ワイピングなどによって、吐出部14をメンテナンスする。
【0024】
フラッシングは、ノズルから液体が適宜排出される動作である。フラッシングによって、ノズルの目詰まりが抑制される。メンテナンス機構28は、フラッシングによる液体を受けることによって、吐出部14をメンテナンスする。
【0025】
キャッピングは、メンテナンス機構28がノズルを覆う動作である。キャッピングによって、ノズルが保湿される。これにより、ノズルの目詰まりが抑制される。メンテナンス機構28は、吐出部14をキャッピングすることによって、吐出部14をメンテナンスする。
【0026】
クリーニングは、ノズルから液体が強制的に排出される動作である。クリーニングによって、ノズルから液体とともに気泡、異物などが排出される。クリーニングは、例えば、加圧クリーニング、及び、吸引クリーニングを含む。加圧クリーニングは、吐出部14を加圧することによってノズルから液体を排出させる動作である。吸引クリーニングは、吐出部14を吸引することによってノズルから液体を排出させる動作である。メンテナンス機構28は、クリーニングによる液体を受けることによって、吐出部14をメンテナンスする。
【0027】
ワイピングは、ノズル面が払拭される動作である。ワイピングによって、ノズル面に付着する液体、異物などが除去される。メンテナンス機構28は、吐出部14をワイピングすることによって、吐出部14をメンテナンスする。
【0028】
メンテナンス機構28は、1以上のメンテナンス部を有する。一例では、メンテナンス機構28は、第1メンテナンス部29と、第2メンテナンス部30とを有する。メンテナンス部は、吐出部14をメンテナンスするように構成される。メンテナンス部は、走査方向Xにおいて支持部13と並ぶ。第1メンテナンス部29は、支持部13よりも第1方向A1に位置する。第2メンテナンス部30は、支持部13よりも第2方向A2に位置する。
【0029】
メンテナンス機構28は、メンテナンスによって受けた液体を廃液貯留部に排出する。廃液貯留部は、廃液を貯留するように構成される。廃液貯留部は、例えば、液体吐出装置11に対して着脱可能なタンクである。廃液貯留部は、液体吐出装置11において固定される据え置きのタンクでもよい。廃液は、メンテナンスに伴い吐出部14から排出される液体である。
【0030】
液体吐出装置11には、1以上の廃液貯留部が装着される。一例では、液体吐出装置11には、1以上の第1廃液貯留部31及び1以上の第2廃液貯留部32が装着される。一例では、液体吐出装置11には、2つの第1廃液貯留部31、及び、2つの第2廃液貯留部32が装着される。第1廃液貯留部31は、第1液体を貯留する。第1廃液貯留部31は、第1液体に加えて、第3液体を貯留してもよい。第1液体及び第3液体は互いに反応しないため、第1廃液貯留部31がまとめて貯留できる。第2廃液貯留部32は、第2液体を貯留する。2つの第1廃液貯留部31のうち、一方は第1メンテナンス部29と接続され、他方は第2メンテナンス部30と接続される。2つの第2廃液貯留部32のうち、一方は第1メンテナンス部29と接続され、他方は第2メンテナンス部30と接続される。
【0031】
第1メンテナンス部29及び第2メンテナンス部30は、共通の第1廃液貯留部31に第1液体を排出してもよい。第1メンテナンス部29及び第2メンテナンス部30は、共通の第2廃液貯留部32に第2液体を排出してもよい。
【0032】
<メンテナンスユニット>
図3及び
図4に示すように、第1メンテナンス部29は、メンテナンスユニット33を有する。メンテナンスユニット33は、フラッシング及びクリーニングの少なくとも一方と、ワイピングとによって、吐出部14をメンテナンスするユニットである。すなわち、メンテナンスユニット33は、フラッシング及びワイピングによって吐出部14をメンテナンスするユニットでもよいし、クリーニング及びワイピングによって吐出部14をメンテナンスするユニットでもよい。一例では、メンテナンスユニット33は、フラッシング、クリーニング、及び、ワイピングによって、吐出部14をメンテナンスする。詳しくは、メンテナンスユニット33は、フラッシング、加圧クリーニング、及び、ワイピングによって、吐出部14をメンテナンスする。メンテナンスユニット33は、印刷前のフラッシングによる液体を受ける。メンテナンスユニット33は、印刷中のフラッシングによる液体を受けてもよい。
【0033】
図5及び
図6に示すように、メンテナンスユニット33は、ベースフレーム34と、移動体35と、移動機構36とを有する。ベースフレーム34は、一方向に延びる。詳しくは、ベースフレーム34は、搬送方向Yに延びる。ベースフレーム34は、移動体35及び移動機構36を支持する。移動体35は、ベースフレーム34に沿って移動する。すなわち、移動体35は、一方向に移動する。詳しくは、移動体35は、搬送方向Y及びその反対方向に移動する。移動機構36は、移動体35をベースフレーム34に対して移動させる。移動機構36は、例えば、モーター、プーリー、ベルトなどを含む。
【0034】
メンテナンスユニット33は、ワイピング部37と、受容部38とを有する。ワイピング部37は、吐出部14をワイピングするように構成される。受容部38は、フラッシング及びクリーニングの少なくとも一方による液体を受けるように構成される。すなわち、受容部38は、ノズルから排出される液体を受けるように構成される。一例では、受容部38は、フラッシング及び加圧クリーニングによる液体を受ける。
【0035】
ワイピング部37及び受容部38は、移動体35に搭載される。移動体35が一方向に移動することによって、ワイピング部37及び受容部38が一方向に移動する。これにより、ワイピング部37は、ノズル面を払拭する。すなわち、ワイピング部37は、受容部38とともに一方向に移動することによってノズル面を払拭する。一例では、移動体35が搬送方向Yの反対方向に移動することによって、ワイピング部37が吐出部14をワイピングする。
【0036】
受容部38及びワイピング部37は、搬送方向Yにこの順で並ぶ。これにより、受容部38がノズルから液体を受けた後に、ワイピング部37が搬送方向Yの反対方向に移動することによって、吐出部14をワイピングできる。したがって、メンテナンスユニット33が吐出部14を効率よくメンテナンスできる。特に、クリーニング後においてはノズル面に液体が付着するため、ワイピングを実行することが効果的である。
【0037】
図7に示すように、ワイピング部37は、ワイピングケース39を有する。ワイピングケース39は、移動体35に取り付けられる。
ワイピング部37は、払拭部材40を有する。払拭部材40は、ワイピングケース39に収容される。払拭部材40は、ノズル面に接触する部材である。払拭部材40は、例えば、布である。払拭部材40は、ノズル面に接触することによって、液体を吸収する。これにより、ノズル面から液体及び異物が除去される。払拭部材40は、1度のワイピングにおいて、複数のヘッドに接触してもよいし、1つのヘッドに接触してもよい。一例では、払拭部材40は、1度のワイピングにおいて、4列のヘッドを同時に払拭できる。
【0038】
ワイピング部37は、巻掛部41を有する。巻掛部41は、ワイピングケース39に取り付けられる。巻掛部41には、払拭部材40が巻き掛けられる。払拭部材40において巻掛部41に巻き掛けられる部分は、ワイピングケース39から露出する。巻掛部41は、例えば、ローラーである。巻掛部41は、ノズル面に払拭部材40を押し付ける。これにより、ノズル面から液体及び異物が効果的に除去される。
【0039】
ワイピング部37は、払拭部材40を順次繰り出すように構成されてもよい。ワイピング部37は、例えば、ノズル面をワイピングするたびに、払拭部材40を繰り出してもよい。これにより、吐出部14は、常に新品の払拭部材40によってワイピングされる。
【0040】
受容部38は、受容器42を有する。受容器42は、移動体35に取り付けられる。受容器42は、ノズルから排出される液体を受ける。受容器42は、1以上の受容部材を有する。一例では、受容器42は、第1受容部材43と、第2受容部材44とを有する。第1受容部材43は、第1液体を受ける。第1受容部材43は、第1液体に加えて、第3液体を受けてもよい。第1液体及び第3液体は互いに反応しないため、第1受容部材43がまとめて受けることができる。第2受容部材44は、第2液体を受ける。
【0041】
図7及び
図8に示すように、受容部材は、1以上の受容桶を有する。すなわち、第1受容部材43は、第1受容桶45を有する。第2受容部材44は、第2受容桶46を有する。受容桶は、移動体35に取り付けられる。受容桶は、ノズルから排出される液体を受ける。
【0042】
第1受容桶45は、複数列のヘッドから液体を同時に受けることが可能に構成される。すなわち、第1受容桶45は、複数列のヘッドと対向するように構成される。一例では、第1受容桶45は、4列のヘッドと対向するように構成される。これにより、第1受容桶45は、4列のヘッドから液体を同時に受けることができる。例えば、第1受容桶45は、第1ヘッド15及び第3ヘッド17から液体を同時に受けることができる。
【0043】
第2受容桶46は、1列のヘッドと対向するように構成される。そのため、第2受容桶46の幅は、第1受容桶45の幅よりも小さい。受容桶の幅は、走査方向Xにおける受容桶の長さである。
【0044】
受容桶は、受容面を有する。第1受容桶45は、第1受容面47を有する。第2受容桶46は、第2受容面48を有する。受容面は、受容桶の底面である。受容桶が受けた液体は、受容面に溜まる。
【0045】
受容面には、導出穴が開口する。第1受容面47には、1以上の第1導出穴49が開口する。一例では、第1受容面47には、2つの第1導出穴49が開口する。第2受容面48には、第2導出穴50が開口する。第1導出穴49は、第1受容面47において搬送方向Yの上流となる端部に位置する。第2導出穴50は、第2受容面48において搬送方向Yの上流となる端部に位置する。導出穴は、受容桶が受けた液体が導出される穴である。導出穴を通じて受容桶から液体が排出される。受容面は、導出穴に向かって下方に傾斜しているとよい。これにより、受容桶が受けた液体が効率よく導出穴から流れる。
【0046】
受容部材は、吸収部材を有してもよい。一例では、第1受容部材43は、1以上の第1吸収部材51を有する。詳しくは、第1受容部材43は、4つの第1吸収部材51を有する。第2受容部材44は、第2吸収部材52を有する。吸収部材は、液体を吸収する部材である。吸収部材は、受容桶に収容される。吸収部材は、受容面上に位置する。第1吸収部材51は、第1受容面47上に位置する。4つの第1吸収部材51は、走査方向Xに並ぶ。第2吸収部材52は、第2受容面48上に位置する。吸収部材は、1列のヘッドから液体を受ける。したがって、4つの第1吸収部材51は、4列のヘッドから液体を同時に受けることができる。
【0047】
吸収部材は、収容体53と、吸収材54とを有する。収容体53は、吸収材54を収容する。収容体53は、吐出部14から受ける液体が通過するように構成される。吸収材54は、ノズルから排出される液体を吸収する。吸収材54が受けた液体は、受容桶に滴下する。吸収材54には、1以上の貫通穴55が開口していてもよい。貫通穴55は、ノズル群25と対応するように開口する。
【0048】
吸収部材は、フラッシングによって排出される液体を吸収材54で受ける一方で、加圧クリーニングによって排出される液体を、貫通穴55を通過させることによって受容桶で受けてもよい。加圧クリーニングによって排出される液量は、フラッシングによって排出される液量と比べて多い。そのため、加圧クリーニングによって排出される液体を吸収材54が受けると、吸収材54が目詰まりするおそれがある。したがって、加圧クリーニングによる液体を受容部38に排出する場合、吐出部14は、ノズルが貫通穴55と上下で重なる位置に位置するとよい。フラッシングによる液体を受容部38に排出する場合、吐出部14は、ノズルが貫通穴55と上下で重ならない位置に位置するとよい。
【0049】
図9及び
図10に示すように、受容部38は、1以上の受容樋を有する。一例では、受容部38は、第1受容樋56と、第2受容樋57とを有する。受容樋は、移動体35に取り付けられる。受容樋は、後述する回収部100に受容桶から液体を流す部材である。受容樋は、受容桶から液体を受ける。第1受容樋56は、第1受容桶45から液体を受ける。第1受容樋56は、例えば、トレイである。第1受容樋56は、例えば、L字状に延びる。第2受容樋57は、第2受容桶46から液体を受ける。第2受容樋57は、例えば、パイプである。
【0050】
第1受容樋56は、鉛直方向から見た場合に受容器42と重なる。一例では、第1受容樋56は、鉛直方向から見た場合に第1受容桶45と第2受容桶46とに重なる。第1受容樋56は、その一部が受容器42と上下で重ならないように位置してもよい。第1受容樋56は、1以上の受容領域を有する。一例では、第1受容樋56は、第1受容領域58と、第2受容領域59とを有する。
【0051】
第1受容領域58は、第1受容桶45から液体を受ける領域である。第1受容領域58は、鉛直方向から見た場合に第1導出穴49と重なる。そのため、第1受容樋56は、第1導出穴49から滴下する液体を第1受容領域58で受ける。第1導出穴49から滴下する液体は、第1受容領域58を流れる。一例では、第1受容領域58は、L字状の領域である。
【0052】
第2受容領域59は、第2受容桶46から液体を受ける領域である。第2受容領域59は、第1受容樋56において第1受容領域58と区画されている。第2受容領域59は、鉛直方向から見た場合に第2導出穴50と重なる。そのため、第1受容樋56は、第2導出穴50から滴下する液体を第2受容領域59で受ける。第2受容領域59には、案内穴60が開口する。案内穴60を通じて、第2受容領域59から液体が滴下する。一例では、第2受容領域59は、矩形状の領域である。
【0053】
第2受容樋57は、鉛直方向から見た場合に受容器42と重なる。一例では、第2受容樋57は、鉛直方向から見た場合に第1受容桶45と第2受容桶46とに重なる。第2受容樋57は、その一部が受容器42と上下で重ならないように位置してもよい。
【0054】
第2受容樋57は、鉛直方向から見た場合に第1受容樋56と重なる。詳しくは、第2受容樋57は、鉛直方向から見た場合に案内穴60と重なる。詳しくは、鉛直方向から見た場合に、第2受容樋57の基端部分が案内穴60と重なる。これにより、第2受容樋57は、第2受容領域59から液体を受ける。したがって、第2受容樋57は、第2受容桶46から液体を受ける。第2受容樋57は、第2受容桶46から直接液体を受けてもよい。例えば、第2受容樋57は、第2導出穴50から滴下する液体を受けてもよい。この場合、第2受容樋57は、鉛直方向から見た場合に第1受容樋56と重ならなくてもよい。
【0055】
受容樋には、排出穴が開口する。第1受容樋56には、第1排出穴63が開口する。第2受容樋57には、第2排出穴64が開口する。排出穴は、受容樋が受けた液体を回収部100に滴下させる穴である。すなわち、排出穴は、受容桶が受けた液体を回収部100に滴下させる穴である。第1排出穴63は、第1受容桶45が受けた液体を回収部100に滴下させる。第2排出穴64は、第2受容桶46が受けた液体を回収部100に滴下させる。排出穴を通じて、受容樋から回収部100に液体が排出される。
【0056】
受容樋を流れる液体は、排出穴から回収部100に滴下する。第1排出穴63は、第1受容領域58に開口する。そのため、第1受容領域58は、第1排出穴63に向かって下方に傾斜するとよい。第2排出穴64は、第2受容樋57の先端部分に開口する。そのため、第2受容樋57は、基端部分から先端部分に向かって下方に傾斜するとよい。
【0057】
第1排出穴63及び第2排出穴64は、メンテナンスユニット33を正面から見た場合に上下で並ぶように位置する。すなわち、走査方向Xにおける第1排出穴63の位置は、走査方向Xにおける第2排出穴64の位置と一致する。これにより、第1受容樋56及び第2受容樋57のフットスペースが低減される。第1排出穴63は、第2排出穴64よりも上方に位置する。第1排出穴63は、第2排出穴64よりも搬送方向Yの上流に位置する。
【0058】
走査方向Xにおける第1排出穴63の位置は、走査方向Xにおける第2排出穴64の位置とずれていてもよい。鉛直方向における第1排出穴63の位置は、鉛直方向における第2排出穴64の位置と一致してもよい。例えば、第1排出穴63及び第2排出穴64は、走査方向Xに並んでもよい。第1排出穴63は、第2排出穴64よりも下方に位置してもよい。第1排出穴63は、第2排出穴64よりも搬送方向Yの下流に位置してもよい。第1排出穴63は、鉛直方向から見た場合に受容器42と重なっていてもよいし、重なっていなくてもよい。第2排出穴64は、鉛直方向から見た場合に受容器42と重なっていてもよいし、重なっていなくてもよい。
【0059】
<キャップユニット>
図3及び
図4に示すように、第1メンテナンス部29は、キャップユニット66を有する。キャップユニット66は、クリーニング及びキャッピングの少なくとも一方によって吐出部14をメンテナンスするユニットである。すなわち、キャップユニット66は、クリーニングによって吐出部14をメンテナンスするユニットでもよいし、キャッピングによって吐出部14をメンテナンスするユニットでもよい。一例では、キャップユニット66は、吸引クリーニング及びキャッピングによって吐出部14をメンテナンスする。
【0060】
図11に示すように、キャップユニット66は、キャップベース67と、1以上のキャップ部68とを有する。一例では、キャップユニット66は、5つのキャップ部68を有する。キャップベース67は、キャップ部68を支持する。キャップ部68は、キャップベース67に取り付けられる。5つのキャップ部68は、走査方向Xに並ぶ。キャップ部68は、吐出部14をキャッピングするように構成される。キャップ部68は、吐出部14を吸引するように構成される。
【0061】
キャップ部68は、1又は複数列のヘッドをキャッピングするように構成される。一例では、キャップ部68は、1列又は2列のヘッドをキャッピングするように構成される。詳しくは、5つのキャップ部68のうち4つのキャップ部68は、走査方向Xに隣り合う2列のヘッドをキャッピングするようにそれぞれ構成される。5つのキャップ部68のうち1つのキャップ部68は、1列のヘッドをキャッピングするように構成される。5つのキャップ部68は、第1ヘッド15をキャッピングするキャップ部68と、第1ヘッド15及び第3ヘッド17をキャッピングするキャップ部68と、第2ヘッド16及び第3ヘッド17をキャッピングするキャップ部68と、第3ヘッド17をキャッピングするキャップ部68とを含む。これに限らず、キャップ部68は、第1ヘッド15及び第2ヘッド16をキャッピングするように構成されてもよいし、第1ヘッド15、第2ヘッド16及び第3ヘッド17をキャッピングするように構成されてもよい。5つのキャップ部68のうち、第2ヘッド16及び第3ヘッド17をキャッピングするキャップ部68は、走査方向Xにおいて中央に位置する。
【0062】
キャップ部68は、キャップ体69を有する。キャップ体69は、キャップベース67上に位置する。キャップ体69は、支持台70と、1以上のキャップとを有する。したがって、キャップユニット66は、1以上のキャップを有する。一例では、キャップユニット66は、第1キャップ71と、第2キャップ72と、第3キャップ73とを有する。すなわち、複数のキャップ部68がそれぞれ有する1以上のキャップには、第1キャップ71、第2キャップ72、及び、第3キャップ73が含まれる。
【0063】
支持台70は、1以上のキャップを支持する。一例では、支持台70は、ベース部分74と、支持部分75とを有する。ベース部分74は、キャップベース67に取り付けられる部分である。支持部分75は、1以上のキャップが取り付けられる部分である。支持部分75は、ベース部分74上に位置する。
【0064】
キャップは、支持部分75上に位置する。キャップは、吐出部14に接触することによって、吐出部14をキャッピングする。詳しくは、キャップは、ノズル面に接触することによって、ヘッドをキャッピングする。第1キャップ71は、第1ノズル面19に接触することによって、第1ヘッド15をキャッピングする。第2キャップ72は、第2ノズル面21に接触することによって、第2ヘッド16をキャッピングする。第3キャップ73は、第3ノズル面23に接触することによって、第3ヘッド17をキャッピングする。
【0065】
キャップは、キャッピングによって、1又は複数列のノズル列24を覆う。一例では、キャップは、キャッピングによって、1つのノズル群25を覆う。すなわち、4つのキャップによって、1つのヘッドがキャッピングされる。1つのキャップによって1つのヘッドがキャッピングされてもよい。
【0066】
5つのキャップ部68において、複数のキャップは、複数のヘッドの配置と対応するように位置する。5つのキャップ部68は、複数の第1キャップ71を有するキャップ部68と、複数の第1キャップ71及び複数の第3キャップ73を有するキャップ部68と、複数の第2キャップ72及び複数の第3キャップ73を有するキャップ部68と、複数の第3キャップ73を有するキャップ部68とを含む。これに限らず、1以上のキャップ部68には、第1キャップ71及び第2キャップ72を有するキャップ部68が含まれてもよいし、第1キャップ71、第2キャップ72及び第3キャップ73を有するキャップ部68が含まれてもよい。
【0067】
キャップ部68は、ポンプ体76を有してもよい。ポンプ体76は、キャップ体69と接続される。ポンプ体76は、ポンプケース77と、1以上のポンプとを有する。したがって、キャップユニット66は、1以上のポンプを有する。一例では、キャップユニット66は、第1ポンプ78と、第2ポンプ79と、第3ポンプ80とを有する。すなわち、複数のキャップ部68がそれぞれ有する1以上のポンプには、第1ポンプ78、第2ポンプ79、及び、第3ポンプ80が含まれる。
【0068】
一例では、ポンプ体76は、ポンプケース77と、1つ又は2つのポンプとを有する。ポンプケース77は、ポンプを収容するケースである。詳しくは、ポンプケース77は、1つ又は2つのポンプを収容する。ポンプは、キャップと接続される。ポンプは、キャップ内を吸引する。キャップが吐出部14に接触する状態でポンプがキャップ内を吸引することによって、ノズルから液体が吸引される。すなわち、キャップが吐出部14をキャッピングする状態でポンプがキャップ内を吸引することによって、吸引クリーニングが実行される。したがって、キャップは、吸引クリーニングによる液体を受ける。キャップが受けた液体は、ポンプによって回収部100に排出される。
【0069】
第1ポンプ78は、第1キャップ71と接続される。第1ポンプ78は、第1キャップ71内を吸引する。第1ポンプ78は、第1キャップ71内を吸引することによって、第1ノズル18から第1液体を吸引する。第2ポンプ79は、第2キャップ72と接続される。第2ポンプ79は、第2キャップ72内を吸引する。第2ポンプ79は、第2キャップ72内を吸引することによって、第2ノズル20から第2液体を吸引する。第3ポンプ80は、第3キャップ73と接続される。第3ポンプ80は、第3キャップ73内を吸引する。第3ポンプ80は、第3キャップ73内を吸引することによって、第3液体を吸引する。
【0070】
ポンプは、走査方向Xに複数列で並ぶヘッドのうち1列のヘッドに接触する1又は複数のキャップと接続される。そのため、キャップユニット66は、9つのポンプを有する。9つのポンプは、4つの第1ポンプ78と、1つの第2ポンプ79と、4つの第3ポンプ80とを含む。5つのキャップ部68は、1つのポンプを有するキャップ部68と、2つのポンプを有するキャップ部68とを含む。詳しくは、5つのキャップ部68は、2つの第1ポンプ78を有するキャップ部68と、第1ポンプ78及び第3ポンプ80を有するキャップ部68と、第2ポンプ79及び第3ポンプ80を有するキャップ部68と、1つの第3ポンプ80を有するキャップ部68とを含む。これに限らず、1以上のキャップ部68には、第1ポンプ78及び第2ポンプ79を有するキャップ部68が含まれてもよいし、第1ポンプ78、第2ポンプ79及び第3ポンプ80を有するキャップ部68が含まれてもよい。
【0071】
ポンプは、走査方向Xに複数列で並ぶヘッドのうち1列のヘッドに接触する1又は複数のキャップと接続されることに限らない。例えば、1つの第1ポンプ78がすべての第1キャップ71と接続されてもよい。1つの第3ポンプ80がすべての第3キャップ73と接続されてもよい。
【0072】
キャップユニット66は、1以上のキャップ排出部材を有する。一例では、キャップユニット66は、第1キャップ排出部材81と、第2キャップ排出部材82とを有する。キャップ排出部材は、キャップから回収部100に液体を排出する。キャップ排出部材は、例えば、チューブである。キャップ排出部材は、キャップと回収部100とに接続される。第1キャップ排出部材81は、第1キャップ71と接続される。一例では、第1キャップ排出部材81は、第1キャップ71及び第3キャップ73と接続される。そのため、第1キャップ排出部材81においては、第1液体及び第3液体が流れる。第2キャップ排出部材82は、第2キャップ72と接続される。そのため、第2キャップ排出部材82においては、第2液体が流れる。
【0073】
<フラッシングユニット>
図3に示すように、第1メンテナンス部29及び第2メンテナンス部30は、フラッシングユニットをそれぞれ有してもよい。第1メンテナンス部29は、第1フラッシングユニット85を有する。第2メンテナンス部30は、第2フラッシングユニット86を有する。フラッシングユニットは、フラッシングによる液体を受けるように構成される。詳しくは、フラッシングユニットは、印刷中のフラッシングによる液体を受ける。フラッシングユニットは、印刷前のフラッシングによる液体を受けてもよい。第1フラッシングユニット85は、走査方向Xにおいて支持部13とメンテナンスユニット33との間に位置する。第1フラッシングユニット85及び第2フラッシングユニット86は、同様の構成であるため、ここでは第1フラッシングユニット85について説明する。
【0074】
図12に示すように、第1フラッシングユニット85は、フラッシングフレーム87と、フラッシング受容部88とを有する。
フラッシングフレーム87は、フラッシング受容部88を支持する。フラッシングフレーム87は、ベース部材89と、支持部材90とを有する。ベース部材89は、液体吐出装置11において固定される。支持部材90は、ベース部材89に取り付けられる。支持部材90は、ベース部材89から上方に延びる。支持部材90は、フラッシング受容部88を支持する。
【0075】
フラッシング受容部88は、1以上のフラッシング受容部材を有する。一例では、フラッシング受容部88は、第1フラッシング受容部材91と、第2フラッシング受容部材92とを有する。第1フラッシング受容部材91は、第1液体を受ける。第1フラッシング受容部材91は、第1液体に加えて、第3液体を受けてもよい。第1液体及び第3液体は互いに反応しないため、第1フラッシング受容部材91がまとめて受けることができる。第2フラッシング受容部材92は、第2液体を受ける。第1フラッシング受容部材91及び第2フラッシング受容部材92は、走査方向Xに並ぶ。フラッシング受容部材は、受容部38が有する受容部材と同様の構成である。
【0076】
フラッシング受容部材は、フラッシング受容桶を有する。第1フラッシング受容部材91は、第1フラッシング受容桶93を有する。第1フラッシング受容桶93は、第1ヘッド15及び第3ヘッド17からフラッシングによる液体を受ける。第2フラッシング受容部材92は、第2フラッシング受容桶94を有する。第2フラッシング受容桶94は、第2ヘッド16からフラッシングによる液体を受ける。フラッシング受容桶は、受容部38が有する受容桶と同様である。
【0077】
フラッシング受容部材は、フラッシング吸収部材を有してもよい。第1フラッシング受容部材91は、第1フラッシング吸収部材95を有してもよい。第2フラッシング受容部材92は、第2フラッシング吸収部材96を有してもよい。フラッシング吸収部材は、受容部38が有する吸収部材と同様である。したがって、フラッシング吸収部材は、収容体53と、吸収材54とを有する。フラッシング受容部材においては、クリーニングによる液体を受けないため、吸収材54に貫通穴55が開口していなくともよい。
【0078】
第1フラッシングユニット85は、1以上のフラッシング排出部材を有する。第1フラッシングユニット85は、第1フラッシング排出部材97と、第2フラッシング排出部材98とを有する。フラッシング排出部材は、フラッシング受容部材から回収部100に液体を排出する。フラッシング排出部材は、フラッシング受容桶と回収部100とに接続される。フラッシング排出部材は、例えば、チューブである。第1フラッシング排出部材97は、第1フラッシング受容桶93と接続される。そのため、第1フラッシング排出部材97においては、第1液体及び第3液体が流れる。第2フラッシング排出部材98は、第2フラッシング受容桶94と接続される。そのため、第2フラッシング排出部材98においては、第2液体が流れる。
【0079】
第2フラッシングユニット86においては、第1フラッシングユニット85と異なり、フラッシング排出部材は、フラッシング受容桶と廃液貯留部とに接続される。第2フラッシングユニット86のフラッシング排出部材は、回収部100に接続されてもよい。この場合、第1フラッシングユニット85及び第2フラッシングユニット86がそれぞれ受けた液体を、共通の廃液貯留部に貯留できる。
【0080】
第1フラッシングユニット85は、液体センサー99を有してもよい。液体センサー99は、フラッシングフレーム87に取り付けられる。詳しくは、液体センサー99は、ベース部材89に取り付けられる。第1フラッシングユニット85においては、フラッシング受容桶から液体が垂れることがある。フラッシング受容桶から垂れる液体は、ベース部材89上に溜まる。そのため、液体センサー99は、フラッシング受容桶からベース部材89に垂れた液体を検知する。すなわち、液体センサー99によって、フラッシング受容部材から液体が漏れていることを検知できる。
【0081】
<回収部>
図3に示すように、液体吐出装置11は、回収部100を備える。回収部100は、メンテナンス部から液体を回収するように構成される。詳しくは、回収部100は、第1メンテナンス部29から液体を回収するように構成される。回収部100は、第1メンテナンス部29及び第2メンテナンス部30の双方から液体を回収するように構成されてもよい。
【0082】
回収部100は、回収した液体を廃液貯留部に流す。回収部100は、第1液体と第2液体とを別々に回収する。回収部100は、回収した第1液体を第1廃液貯留部31に流す。回収部100は、回収した第2液体を第2廃液貯留部32に流す。回収部100は、回収した第3液体を第1廃液貯留部31に流す。
【0083】
回収部100は、受容部38が受けた液体を回収するように構成される。回収部100は、受容部38が受けた液体を廃液貯留部に流す。回収部100は、第1受容桶45が受けた液体を第1廃液貯留部31に流し、第2受容桶46が受けた液体を第2廃液貯留部32に流す。
【0084】
回収部100は、キャップユニット66が受けた液体を回収するように構成される。回収部100は、キャップユニット66が受けた液体を廃液貯留部に流す。回収部100は、第1キャップ71及び第3キャップ73がそれぞれ受けた液体を第1廃液貯留部31に流し、第2キャップ72が受けた液体を第2廃液貯留部32に流す。
【0085】
回収部100は、第1フラッシングユニット85が受けた液体を回収するように構成される。回収部100は、第1フラッシングユニット85が受けた液体を廃液貯留部に流す。詳しくは、回収部100は、第1フラッシング受容桶93が受けた液体を第1廃液貯留部31に流し、第2フラッシング受容桶94が受けた液体を第2廃液貯留部32に流す。
【0086】
図13、
図14、及び、
図15に示すように、回収部100は、1以上の排出樋を有する。回収部100は、第1排出樋101と、第2排出樋102とを有する。排出樋は、排出穴から滴下する液体を受ける部材である。第1排出樋101は、第1排出穴63から滴下する液体を受ける。第2排出樋102は、第2排出穴64から滴下する液体を受ける。排出樋は、受けた液体を廃液貯留部に向けて流す。第1排出樋101は、受けた液体を第1廃液貯留部31に向けて流す。第2排出樋102は、受けた液体を第2廃液貯留部32に向けて流す。
【0087】
排出樋には、流出穴が開口する。第1排出樋101には、第1流出穴103が開口する。第2排出樋102には、第2流出穴104が開口する。排出樋が受けた液体は、流出穴を通じて、排出樋から廃液貯留部に向けて流れる。排出樋は、流出穴に向かって下方に傾斜する。これにより、排出樋が受けた液体が流出穴に向かって流れやすい。
【0088】
排出樋は、一方向に延びる。詳しくは、排出樋は、ワイピング部37及び受容部38が移動する方向に延びる。一例では、排出樋は、搬送方向Yに延びる。第1排出樋101及び第2排出樋102は、搬送方向Yに延びる。これにより、移動体35が搬送方向Yに移動しても、排出樋は、排出穴の直下に位置する。すなわち、移動体35の位置によらず、排出樋は、鉛直方向から見た場合に排出穴と重なる。換言すると、排出樋は、鉛直方向から見た場合に、排出穴の移動領域と重なる。排出穴の移動領域とは、一方向に移動する排出穴の軌跡を示す領域である。第1排出樋101は、鉛直方向から見た場合に第1排出穴63と重なる。第2排出樋102は、鉛直方向から見た場合に第2排出穴64と重なる。そのため、移動体35に位置によらず、排出樋は、排出穴から液体を受けることができる。
【0089】
受容部38が受けた液体を排出樋が受けることによって、受容部38が受けた液体の流れが滞るおそれが低減される。仮に、受容部38と廃液貯留部とがチューブで接続される場合、ワイピング部37とともに受容部38が移動することによってチューブが変形する。チューブが変形すると、受容部38が受けた液体の流れが滞るおそれがある。特に、クリーニングにより排出される液体を受容部38が受けた後には、ワイピングのために移動体35が移動する。そのため、受容部38から滴下する液体を排出樋が受けることによって、移動体35が一方向に移動しながらも、受容部38が受けた液体の流れが滞るおそれが低減される。
【0090】
第1排出樋101は、鉛直方向から見た場合に第2排出樋102の少なくとも一部と重なるように位置する。これにより、回収部100のフットスペースが低減される。一例では、第1排出樋101は、第2排出樋102よりも上方に位置する。鉛直方向において、第1排出樋101と第2排出樋102との間に第2排出穴64が位置する。これにより、第2排出穴64から滴下する液体を第1排出樋101が受けるおそれが低減される。第1排出樋101は、第2排出樋102よりも下方に位置してもよい。第1排出樋101及び第2排出樋102は、走査方向Xに並んでもよい。
【0091】
排出樋は、取付フレームF1に取り付けられる。取付フレームF1は、走査方向Xにおいて受容部38とキャップ部68との間に位置する。取付フレームF1は、鉛直に延びる。第1排出樋101及び第2排出樋102は、取付フレームF1に取り付けられることによって、上下に並ぶ。
【0092】
図4に示すように、排出樋は、鉛直方向から見た場合に受容器42の少なくとも一部と重なるように位置する。排出樋は、鉛直方向から見た場合に受容器42の移動領域の少なくとも一部と重なる。受容器42の移動領域とは、一方向に移動する受容器42の軌跡を示す領域である。すなわち、排出樋は、ワイピング部37とともに受容部38が一方向に移動する過程において受容器42と上下で重なる。詳しくは、第1排出樋101は、鉛直方向から見た場合に第2受容桶46の少なくとも一部と重なるように位置する。第2排出樋102は、鉛直方向から見た場合に第2受容桶46の少なくとも一部と重なるように位置する。第1排出樋101及び第2排出樋102のうち何れか一方が第2受容桶46の少なくとも一部と上下で重なるように位置してもよい。第1排出樋101は、鉛直方向から見た場合に、第1受容桶45の少なくとも一部と重なるように位置してもよい。第2排出樋102は、鉛直方向から見た場合に、第1受容桶45の少なくとも一部と重なるように位置してもよい。これにより、回収部100のフットスペースが低減される。
【0093】
図13、
図14、及び、
図15に示すように、回収部100は、1以上の接続管を有してもよい。回収部100は、第1接続管105及び第2接続管106を有してもよい。接続管は、排出樋に接続される。第1接続管105は、第1流出穴103と通じる。第2接続管106は、第2流出穴104と通じる。排出樋が受けた液体は、流出穴を通じて接続管を流れる。接続管によって、排出樋が受けた液体を廃液貯留部に案内しやすくなる。
【0094】
回収部100は、集合樋107を有してもよい。集合樋107は、受容部38が受けた液体と、キャップユニット66が受けた液体とを集合させる樋である。すなわち、集合樋107は、排出樋が受けた液体と、キャップユニット66が受けた液体とを集合させる。集合樋107は、排出樋から液体を受ける。集合樋107は、キャップユニット66から液体を受ける。これにより、集合樋107において液体が集合する。集合樋107は、集合させた液体を廃液貯留部に向かって流す。
【0095】
集合樋107は、第1受容桶45が受けた液体と、第1キャップ71が受けた液体とを集合させる。すなわち、集合樋107は、第1排出樋101が受けた液体と、第1キャップ71が受けた液体とを集合させる。一例では、集合樋107は、第1排出樋101が受けた液体と、第1キャップ71が受けた液体と、第3キャップ73が受けた液体とを集合させる。集合樋107は、その液体を、第1廃液貯留部31に向けて流す。
【0096】
集合樋107は、第2受容桶46が受けた液体と、第2キャップ72が受けた液体とを集合させる。すなわち、集合樋107は、第2排出樋102が受けた液体と、第2キャップ72が受けた液体とを集合させる。集合樋107は、その液体を、第2廃液貯留部32に向けて流す。
【0097】
集合樋107は、鉛直方向から見た場合に受容部38の移動領域の少なくとも一部と重なる。受容部38の移動領域とは、一方向に移動する受容部38の軌跡を示す領域である。すなわち、集合樋107は、ワイピング部37とともに受容部38が一方向に移動する過程において受容部38と上下で重なる。詳しくは、集合樋107は、鉛直方向から見た場合に受容部38の少なくとも一部と重なるように位置する。集合樋107は、鉛直方向から見た場合に第1受容桶45の少なくとも一部と重なるように位置する。集合樋107は、第2受容桶46の少なくとも一部と重なるように位置する。言い換えると、受容部38は、一方向に移動するとき、鉛直方向から見た場合に集合樋107の少なくとも一部と重なる位置に移動する。一例では、集合樋107は、ベースフレーム34の下方に位置する。これにより、回収部100のフットスペースが低減される。
【0098】
集合樋107には、1以上の集合路が画定される。一例では、集合樋107には、第1集合路108と、第2集合路109とが画定される。集合路は、例えば溝である。第1集合路108には、第1液体が流れる。一例では、第1集合路108には、第1液体及び第3液体が流れる。第2集合路109には、第2液体が流れる。一例では、第1集合路108及び第2集合路109は、走査方向Xに延びる。
【0099】
集合樋107は、1以上の排出管を有する。一例では、集合樋107は、第1排出管110と、第2排出管111とを有する。排出管は、集合樋107から液体を排出する。排出管を通じて、集合樋107から廃液貯留部に液体が流れる。排出管は、集合路と通じる。第1排出管110は、第1集合路108と通じる。第2排出管111は、第2集合路109と通じる。
【0100】
集合樋107は、排出樋から集合路に液体を受ける。集合樋107は、第1排出樋101から第1集合路108に液体を受ける。集合樋107は、第2排出樋102から第2集合路109に液体を受ける。一例では、集合樋107は、接続管が挿入されることによって、排出樋から液体を受ける。集合樋107は、流出穴から滴下する液体を直接受けてもよい。
【0101】
集合樋107は、1以上の案内部材を有してもよい。集合樋107は、第1案内部材112と、第2案内部材113とを有してもよい。案内部材は、接続管を案内する部材である。案内部材は、集合樋107において集合路を画定する面から延びる。案内部材は、接続管に接触することによって、接続管の端部が集合路に収まるように接続管を案内する。第1案内部材112は、第1接続管105を第1集合路108に案内する。第2案内部材113は、第2接続管106を第2集合路109に案内する。
【0102】
図16及び
図17に示すように、集合樋107は、キャップユニット66から液体を受ける。詳しくは、集合樋107は、キャップ排出部材から集合路に液体を受ける。すなわち、集合樋107は、第1キャップ排出部材81から第1集合路108に液体を受ける。集合樋107は、第2キャップ排出部材82から第2集合路109に液体を受ける。集合樋107は、キャップ排出部材が挿入されることによって、キャップユニット66から液体を受ける。一例では、キャップ排出部材は、排出管に挿入される。
【0103】
集合樋107は、1以上の挿入管を有してもよい。集合樋107は、第1挿入管114と、第2挿入管115とを有してもよい。挿入管は、キャップ排出部材が挿入される管である。第1挿入管114には、第1キャップ排出部材81が挿入される。第2挿入管115には、第2キャップ排出部材82が挿入される。
【0104】
挿入管は、接続管と繋がるように延びる。第1挿入管114は、第1排出管110と繋がるように延びる。第2挿入管115は、第2接続管106と繋がるように延びる。そのため、挿入管にキャップ排出部材が挿入されることによって、挿入管がキャップ排出部材を接続管に案内できる。したがって、キャップ排出部材が接続管に挿入されやすくなる。
【0105】
挿入管には、開放口116が開口する。すなわち、第1挿入管114及び第2挿入管115には、それぞれ開放口116が開口する。開放口116は、挿入管内を集合路と通じさせる開口である。2つの開放口116はそれぞれ、第1挿入管114内を第1集合路108と通じさせ、第2挿入管115内を第2集合路109と通じさせる。開放口116を通じて、排出樋から受けた液体、及び、フラッシング受容部88から受けた液体が排出管に流れる。
【0106】
図11に示すように、集合樋107には、1以上の集合穴が開口する。集合樋107には、第1集合穴117と、第2集合穴118とが開口する。集合穴は、集合路と通じる。第1集合穴117は、第1集合路108と通じる。第2集合穴118は、第2集合路109と通じる。一例では、集合穴には、フラッシング排出部材が挿入される。第1集合穴117には、第1フラッシング排出部材97が挿入される。第2集合穴118には、第2フラッシング排出部材98が挿入される。これにより、集合樋107は、第1フラッシングユニット85から液体を受ける。
【0107】
図16及び、
図17に示すように、回収部100は、1以上の排出部材を有する。回収部100は、第1排出部材119と、第2排出部材120とを有する。排出部材は、集合樋107と廃液貯留部とに接続される。排出部材を通じて、集合樋107から廃液貯留部に液体が流れる。排出部材は、例えば、チューブである。第1排出部材119は、第1排出管110と接続される。第2排出部材120は、第2排出管111と接続される。
【0108】
排出部材には、キャップ排出部材が挿入されていてもよい。一例では、第1排出部材119には、第1挿入管114及び第1排出管110を通じて第1キャップ排出部材81が挿入される。第2排出部材120には、第2挿入管115及び第2排出管111を通じて第2キャップ排出部材82が挿入される。
【0109】
キャップユニット66から集合樋107に送られる液体には、気泡が混じりやすい。これは、ポンプによってキャップから液体が送られるためである。排出部材にキャップ排出部材が挿入されることによって、キャップから送られた気泡は、排出部材内に留まる。これにより、集合樋107から気泡が溢れるおそれが低減される。
【0110】
<作用及び効果>
次に、上記実施例の作用及び効果について説明する。
(1)回収部100は、排出穴から滴下する液体を受け、その液体を廃液貯留部に向けて流す排出樋を有する。排出樋は、一方向に延びる。上記構成によれば、受容部38がワイピング部37とともに搬送方向Yに移動した場合でも、排出樋は、排出穴から滴下する液体を受けることができる。したがって、受容部38と回収部100とが例えばチューブで接続される場合と比べて、受容部38が受けた液体の流れが滞りにくい。
【0111】
(2)回収部100は、キャップユニット66が受けた液体と排出樋が受けた液体とを集合させる集合樋107を有する。集合樋107は、液体を廃液貯留部に向けて流す。上記構成によれば、受容部38が受けた液体とキャップユニット66が受けた液体とが共通の廃液貯留部に流れる。したがって、別々の廃液貯留部に液体が流れる場合と比べて、廃液貯留部の数が低減される。
【0112】
(3)集合樋107は、鉛直方向から見た場合に一方向に移動する受容部38の少なくとも一部と重なる。上記構成によれば、集合樋107が受容部38と重ならない構成と比べて、回収部100のフットスペースが低減される。
【0113】
(4)回収部100は、第1排出穴63から滴下する第1液体を受け、第1液体を第1廃液貯留部31に向けて流す第1排出樋101を有する。回収部100は、第2排出穴64から滴下する第2液体を受け、第2液体を第2廃液貯留部32に向けて流す第2排出樋102を有する。上記構成によれば、第1液体と第2液体とが別々に回収される。これにより、受容部38において第1液体及び第2液体が反応するおそれが低減される。したがって、受容部38が受けた液体の流れが滞りにくい。
【0114】
(5)第1排出樋101は、鉛直方向から見た場合に、第2排出樋102の少なくとも一部と重なる。上記構成によれば、第1排出樋101が第2排出樋102と重ならない構成と比べて、回収部100のフットスペースが低減される。
【0115】
(6)第2排出穴64は、鉛直方向において、第1排出樋101と第2排出樋102との間に位置する。上記構成によれば、第2排出穴64から滴下する液体を第1排出樋101が受けるおそれが低減される。
【0116】
(7)集合樋107は、第1キャップ71が受けた第1液体と第1排出樋101が受けた第1液体とを集合させる、且つ、第2キャップ72が受けた第2液体と第2排出樋102が受けた第2液体とを集合させる。集合樋107は、第1液体を第1廃液貯留部31に向けて流し、且つ、第2液体を第2廃液貯留部32に向けて流す。上記構成によれば、第1受容桶45が受けた第1液体と第1キャップ71が受けた第1液体とが共通の第1廃液貯留部31に流れる。したがって、別々の第1廃液貯留部31に第1液体が流れる場合と比べて、第1廃液貯留部31の数が低減される。また、第2受容桶46が受けた第2液体と第2キャップ72が受けた第2液体とが共通の第2廃液貯留部32に流れる。したがって、別々の第2廃液貯留部32に液体が流れる場合と比べて、第2廃液貯留部32の数が低減される。
【0117】
<変更例>
上記実施例は、以下のように変更して実施できる。上記実施例及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0118】
・
図18及び
図19に示すように、受容樋が変更されてもよい。例えば、第1受容樋56の形状は、L字状に限らず、I字状でもよい。この変更例では、第1受容樋56は、第1受容領域58のみを有し、第2受容領域59を有しない。第2受容樋57は、第2受容桶46から直接液体を受ける。
【0119】
・
図20、
図21、及び、
図22に示すように、集合樋107が変更されてもよい。例えば、集合樋107は、1以上の集合管を有してもよい。集合樋107は、第1集合管121と、第2集合管122とを有する。集合管は、集合穴と通じる。第1集合管121は、第1集合穴117と通じる。第2集合管122は、第2集合穴118と通じる。集合管は、フラッシング排出部材と接続される。第1集合管121は、第1フラッシング排出部材97と接続される。第2集合管122は、第2フラッシング排出部材98と接続される。これにより、集合樋107は、第1フラッシングユニット85から液体を受ける。この変更例では、集合樋107は、案内部材、挿入管を有しない。
【0120】
・回収部100は、複数の集合樋107を有してもよい。例えば、回収部100は、第1液体を集合させる集合樋107と、第2液体を集合させる集合樋107とを有してもよい。
【0121】
<技術的思想>
以下に、上述した実施例及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0122】
(A)液体吐出装置は、廃液貯留部が装着される液体吐出装置であって、ノズルが開口するノズル面を有し、前記ノズルから液体を吐出する吐出部と、前記吐出部をメンテナンスするメンテナンス部と、前記メンテナンス部から液体を回収する回収部と、を備え、前記メンテナンス部は、前記ノズルから排出される液体を受ける受容部と、前記受容部とともに一方向に移動することによって前記ノズル面を払拭するワイピング部と、を有し、前記受容部は、前記ノズルから排出される液体を受ける受容桶を含む受容器と、前記受容桶が受けた液体を前記回収部に滴下させる排出穴が開口する受容樋と、を有し、前記回収部は、前記排出穴から滴下する液体を受け、その液体を前記廃液貯留部に向けて流す排出樋を有し、前記排出樋は、前記一方向に延び、鉛直方向から見た場合に前記受容器の少なくとも一部と重なる。上記構成によれば、受容部がワイピング部とともに一方向に移動した場合でも、排出樋は、一方向に延びているため、排出穴から滴下する液体を受けることができる。したがって、受容部と回収部とが例えばチューブで接続される場合と比べて、受容部が受けた液体の流れが滞りにくい。
【0123】
(B)上記液体吐出装置において、前記メンテナンス部は、前記吐出部に接触することによって前記ノズルと通じる空間を形成するキャップと、前記キャップ内を吸引するポンプと、を含むキャップユニットを有し、前記回収部は、前記キャップユニットが受けた液体と前記排出樋が受けた液体とを集合させる集合樋を有し、前記集合樋は、液体を前記廃液貯留部に向けて流してもよい。上記構成によれば、受容部が受けた液体とキャップユニットが受けた液体とが共通の廃液貯留部に流れる。したがって、別々の廃液貯留部に液体が流れる場合と比べて、廃液貯留部の数が低減される。
【0124】
(C)上記液体吐出装置において、前記集合樋は、鉛直方向から見た場合に前記一方向に移動する前記受容部の少なくとも一部と重なってもよい。上記構成によれば、集合樋が受容部と重ならない構成と比べて、回収部のフットスペースが低減される。
【0125】
(D)上記液体吐出装置において、前記廃液貯留部は、第1廃液貯留部であり、前記液体吐出装置は、前記第1廃液貯留部及び第2廃液貯留部が装着される液体吐出装置であり、前記受容桶は、第1受容桶であり、前記受容樋は、第1受容樋であり、前記排出穴は、第1排出穴であり、前記排出樋は、第1排出樋であり、前記ノズルから吐出される液体は、第1液体、又は、前記第1液体と反応する第2液体であり、前記ノズルは、複数のノズルのうちの1つであり、複数の前記ノズルは、前記第1液体を吐出する第1ノズルと、前記第2液体を吐出する第2ノズルと、を含み、前記ノズル面は、第1ノズル面であり、前記吐出部は、前記第1ノズルが開口する前記第1ノズル面と、前記第2ノズルが開口する第2ノズル面と、を有し、前記受容部は、前記第1ノズルから排出される前記第1液体を受ける前記第1受容桶と、前記第2ノズルから排出される前記第2液体を受ける第2受容桶と、を含む前記受容器と、前記第1受容桶が受けた前記第1液体を前記回収部に滴下させる前記第1排出穴が開口する前記第1受容樋と、前記第2受容桶が受けた前記第2液体を前記回収部に滴下させる第2排出穴が開口する第2受容樋と、を有し、前記回収部は、前記第1排出穴から滴下する前記第1液体を受け、前記第1液体を前記第1廃液貯留部に向けて流す前記第1排出樋と、前記第2排出穴から滴下する前記第2液体を受け、前記第2液体を前記第2廃液貯留部に向けて流す第2排出樋と、を有してもよい。上記構成によれば、第1液体と第2液体とが別々に回収される。これにより、受容部において第1液体及び第2液体が反応するおそれが低減される。したがって、受容部が受けた液体の流れが滞りにくい。
【0126】
(E)上記液体吐出装置において、前記第1排出樋は、鉛直方向から見た場合に、前記第2排出樋の少なくとも一部と重なってもよい。上記構成によれば、第1排出樋が第2排出樋と重ならない構成と比べて、回収部のフットスペースが低減される。
【0127】
(F)上記液体吐出装置において、前記第2排出穴は、前記鉛直方向において、前記第1排出樋と前記第2排出樋との間に位置してもよい。上記構成によれば、第2排出穴から滴下する第2液体を第1排出樋が受けるおそれが低減される。
【0128】
(G)錠液体吐出装置において、前記メンテナンス部は、前記吐出部に接触することによって前記第1ノズルと通じる空間を形成する第1キャップと、前記吐出部に接触することによって前記第2ノズルと通じる空間を形成する第2キャップと、前記第1キャップ内を吸引する第1ポンプと、前記第2キャップ内を吸引する第2ポンプと、を含むキャップユニットを有し、前記回収部は、前記第1キャップが受けた前記第1液体と前記第1排出樋が受けた前記第1液体とを集合させる、且つ、前記第2キャップが受けた前記第2液体と前記第2排出樋が受けた前記第2液体とを集合させる集合樋を有し、前記集合樋は、前記第1液体を前記第1廃液貯留部に向けて流し、且つ、前記第2液体を前記第2廃液貯留部に向けて流してもよい。上記構成によれば、第1受容桶が受けた第1液体と第1キャップが受けた第1液体とが共通の第1廃液貯留部に流れる。したがって、別々の第1廃液貯留部に第1液体が流れる場合と比べて、第1廃液貯留部の数が低減される。また、第2受容桶が受けた第2液体と第2キャップが受けた第2液体とが共通の第2廃液貯留部に流れる。したがって、別々の第2廃液貯留部に液体が流れる場合と比べて、第2廃液貯留部の数が低減される。
【符号の説明】
【0129】
11…液体吐出装置、12…筐体、13…支持部、14…吐出部、15…第1ヘッド、16…第2ヘッド、17…第3ヘッド、18…第1ノズル、19…第1ノズル面、20…第2ノズル、21…第2ノズル面、22…第3ノズル、23…第3ノズル面、24…ノズル列、25…ノズル群、26…キャリッジ、27…加圧部、28…メンテナンス機構、29…第1メンテナンス部、30…第2メンテナンス部、31…第1廃液貯留部、32…第2廃液貯留部、33…メンテナンスユニット、34…ベースフレーム、35…移動体、36…移動機構、37…ワイピング部、38…受容部、39…ワイピングケース、40…払拭部材、41…巻掛部、42…受容器、43…第1受容部材、44…第2受容部材、45…第1受容桶、46…第2受容桶、47…第1受容面、48…第2受容面、49…第1導出穴、50…第2導出穴、51…第1吸収部材、52…第2吸収部材、53…収容体、54…吸収材、55…貫通穴、56…第1受容樋、57…第2受容樋、58…第1受容領域、59…第2受容領域、60…案内穴、63…第1排出穴、64…第2排出穴、66…キャップユニット、67…キャップベース、68…キャップ部、69…キャップ体、70…支持台、71…第1キャップ、72…第2キャップ、73…第3キャップ、74…ベース部分、75…支持部分、76…ポンプ体、77…ポンプケース、78…第1ポンプ、79…第2ポンプ、80…第3ポンプ、81…第1キャップ排出部材、82…第2キャップ排出部材、85…第1フラッシングユニット、86…第2フラッシングユニット、87…フラッシングフレーム、88…フラッシング受容部、89…ベース部材、90…支持部材、91…第1フラッシング受容部材、92…第2フラッシング受容部材、93…第1フラッシング受容桶、94…第2フラッシング受容桶、95…第1フラッシング吸収部材、96…第2フラッシング吸収部材、97…第1フラッシング排出部材、98…第2フラッシング排出部材、99…液体センサー、100…回収部、101…第1排出樋、102…第2排出樋、103…第1流出穴、104…第2流出穴、105…第1接続管、106…第2接続管、107…集合樋、108…第1集合路、109…第2集合路、110…第1排出管、111…第2排出管、112…第1案内部材、113…第2案内部材、114…第1挿入管、115…第2挿入管、116…開放口、117…第1集合穴、118…第2集合穴、119…第1排出部材、120…第2排出部材、121…第1集合管、122…第2集合管、A1…第1方向、A2…第2方向、F1…取付フレーム、M1…媒体、X…走査方向、Y…搬送方向。