IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-印刷装置 図1
  • 特開-印刷装置 図2
  • 特開-印刷装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103029
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
B41J2/01
B41J2/01 303
B41J2/01 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007152
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】西川 稜
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056FA15
2C056FB03
2C056KD10
(57)【要約】
【課題】広い範囲の印刷状態を確認させることができる印刷装置を提供する。
【解決手段】媒体12を支持する支持面29を有する支持部22と、支持部22に支持された媒体12に画像を印刷するヘッドユニット33と、ヘッドユニット33を第1方向Xへ移動させる第1移動部31と、第1方向Xと交差する第2方向Yへ第1移動部31を移動させる第2移動部32と、支持面29と対向可能に配置され、光を照射する照明ユニット24と、を備え、照明ユニット24は、第2方向Yへ移動する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を支持する支持面を有する支持部と、
前記支持部に支持された前記媒体に画像を印刷するヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットを第1方向へ移動させる第1移動部と、
前記第1方向と交差する第2方向へ前記第1移動部を移動させる第2移動部と、
前記支持面と対向可能に配置され、光を照射する照明ユニットと、
を備え、
前記照明ユニットは、前記第2方向へ移動することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記照明ユニットは、前記第2移動部が前記第1移動部を移動させるのに伴って前記第2方向へ移動することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記支持面に交差する第3方向からみて前記第1移動部を覆う天板をさらに備え、
前記天板は、前記第1移動部と共に前記第2方向へ移動し、
前記照明ユニットは、前記天板に配置されることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記照明ユニットは、前記第1方向に延びていることを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記支持面に交差する第3方向において、前記照明ユニットは、前記第1方向に移動する前記ヘッドユニットの移動経路と並ぶ位置に配置されることを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記ヘッドユニットの前記第2方向の端部は、前記天板の前記第2方向の端部よりも前記第2方向に位置することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記支持部と、前記ヘッドユニットと、前記第1移動部と、前記第2移動部と、前記照明ユニットと、を収容する筐体をさらに備え、
前記筐体は、少なくとも上面が透過性部材で構成されることを特徴とする請求項1~請求項6のうち何れか一項に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンターなどの印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、ヘッドから媒体の一例であるロール紙に液体の一例であるインクを吐出して印刷する印刷装置の一例であるプリンターがある。プリンターは、筐体と、照明部と、を備える。照明部は、第1方向の一例であるX軸方向に延びるように設けられると共に、筐体の内側に固定される。照明部は、ロール紙に画像が形成される領域全体に亘って照明光を照射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-215522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、ヘッドを一方向に移動させて印刷を行う印刷装置の場合は、一方向に延びる照明部によって印刷を行う領域全体を照らすことができる。しかし、ヘッドを二方向に移動させて印刷を行う印刷装置の場合は、一方向に延びる照明部では印刷を行う領域の一部しか照らすことができない。そのため、ユーザーは、限られた範囲の印刷状況しか確認することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する印刷装置は、媒体を支持する支持面を有する支持部と、前記支持部に支持された前記媒体に画像を印刷するヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを第1方向へ移動させる第1移動部と、前記第1方向と交差する第2方向へ前記第1移動部を移動させる第2移動部と、前記支持面と対向可能に配置され、光を照射する照明ユニットと、を備え、前記照明ユニットは、前記第2方向へ移動する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】印刷装置の一実施形態の斜視図である。
図2】印刷装置の模式断面図である。
図3】ヘッドユニットの模式側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[実施形態]
以下、印刷装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。印刷装置は、例えば、用紙、布帛、ビニール、プラスチック部品、金属部品などの媒体に液体の一例であるインクを吐出して印刷するインクジェット式のプリンターである。
【0008】
図面では、印刷装置11が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。以下の説明では、X軸に平行な方向を第1方向Xともいい、Y軸に平行な方向を第2方向Yともいい、Z軸に平行な方向を第3方向Zともいう。以下の説明では、印刷装置11に正面から向き合った状態で、手前側を前方、奥側を後方、右側を右方、左側を左方、下側を下方、上側を上方ともいう。右方と第1方向Xは同じ方向である。前方と第2方向Yは同じ方向である。下方と第3方向Zは、同じ方向である。第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zは、それぞれ異なる方向であって、互いに交差する。
【0009】
<印刷装置>
図1に示すように、印刷装置11は、媒体12に印刷を行う。印刷装置11は、液体の吐出により媒体12に印刷を行ってもよい。本実施形態の印刷装置11は、例えばTシャツなどの可撓性を有する媒体12に印刷を行う。
【0010】
印刷装置11は、筐体14と、カバー15と、操作部16と、を備えてもよい。
カバー15は、図1に示す閉位置と、図2に示す開位置と、に移動可能に設けられてもよい。閉位置に位置するカバー15は、筐体14に設けられる開口18を塞ぐ。カバー15が開位置に移動すると、筐体14に収容される各種部材が、開口18を通じて露出する。本実施形態では、カバー15が閉位置から移動することをカバー15が開くともいい、カバー15が閉位置に移動することをカバー15が閉じるともいう。
【0011】
操作部16は、ユーザーによって操作可能である。操作部16は、印刷装置11の各種の操作を行うためのボタン、パネル、スイッチなどを有してもよいし、情報の表示と操作とが可能なタッチパネルであってもよい。
【0012】
筐体14は、上面14t、前面14f、左側面14l、右側面14r、及び背面14bを有してもよい。カバー15は、上面14tの一部、及び前面14fの一部を構成してもよい。
【0013】
上面14tは、前面14f、左側面14l、右側面14r、及び背面14bと交差する。上面14tは、前面14f、左側面14l、右側面14r、及び背面14bより上方に設けられる。上面14tは、上方を向く。上面14tは、第1方向X、及び第2方向Yの成分を有する面であってもよい。
【0014】
前面14fと背面14bは、第2方向Yに離れて設けられる。前面14fは、背面14bより前方に位置し、前方を向く。背面14bは、後方を向く。前面14fと背面14bは、第1方向X、及び第3方向Zの成分を有する面であってもよい。
【0015】
右側面14rと左側面14lは、第1方向Xに離れて設けられる。右側面14rは、左側面14lより右方に位置し、右方を向く。左側面14lは、左方を向く。右側面14rと左側面14lは、第2方向Y、及び第3方向Zの成分を有する面であってもよい。
【0016】
筐体14は、少なくとも一部が透過性部材で構成されてもよい。上面14t、前面14f、右側面14r、左側面14l、及び背面14bのうち少なくとも1つは、一部もしくは全部が透過性部材で構成されてもよい。例えば、筐体14は、少なくとも上面14tが透過性部材で構成されてもよい。カバー15は、少なくとも一部が透過性部材で構成してもよい。透過性部材とは、光を透過させる部材であって、無色透明、有色透明、半透明であってもよい。例えば上面14tは、前半分が透明な部材で構成され、後半分が半透明の部材で構成されてもよい。例えば前面14f、右側面14r、及び左側面14lは、それぞれ上半分が透過性部材で構成され、下半分が不透明の部材で構成されてもよい。
【0017】
<内部構成>
図1に示すように、印刷装置11は、制御部20を備える。制御部20は、印刷装置11で実行される各種動作を制御する。
【0018】
制御部20は、α:コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはγ:それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。ハードウェア回路は、例えば特定用途向け集積回路である。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0019】
図2に示すように、印刷装置11は、支持部22と、印刷部23と、照明ユニット24と、を備える。印刷装置11は、メンテナンス部25を備えてもよい。
支持部22は、支持台27と、昇降部28と、を備えてもよい。支持台27は、支持面29を有する。すなわち、支持部22は、媒体12を支持する支持面29を有する。支持面29は、媒体12のうち、少なくとも印刷が施される印刷領域を支持可能である。
【0020】
カバー15が開くと、支持面29が外部に露出する。ユーザーは、カバー15を開いた状態で支持部22に媒体12をセット可能である。ユーザーは、カバー15を開くことで、印刷された媒体12を支持部22から回収可能である。
【0021】
本実施形態の支持面29は、第3方向Zに垂直な面であって、第1方向X、及び第2方向Yに平行な面である。すなわち、第3方向Zは、支持面29に交差する方向である。支持面29は、上方を向く。支持面29は、上に載せられた媒体12を平坦に支持する。
【0022】
昇降部28は、支持台27を昇降させる。昇降部28は、支持台27をZ軸に沿って往復移動させてもよい。本実施形態の昇降部28は、支持台27を、支持面29に平行な方向には移動させない。昇降部28は、第3方向Zにおける支持面29の位置を調整可能である。
【0023】
印刷部23は、第1移動部31と、第2移動部32と、ヘッドユニット33と、を備える。印刷部23は、ガイドフレーム34と、収容フレーム35と、天板36と、を備えてもよい。印刷部23は、支持面29に支持された媒体12に印刷を行う。印刷部23は、支持部22を第1方向Xに跨いだ状態で第2方向Yに移動可能である。印刷部23は、正面視において門型に構成される。
【0024】
筐体14は、印刷装置11に含まれる各種部材を収容するように構成される。例えば筐体14は、支持部22、ヘッドユニット33、第1移動部31、第2移動部32、及び照明ユニット24、を収容する。
【0025】
ヘッドユニット33は、支持部22に支持された媒体12に画像を印刷する。ヘッドユニット33は、ヘッド38と、キャリッジ39と、を有してもよい。キャリッジ39は、ヘッド38を支持する。
【0026】
ヘッド38は、複数のノズル40と、ノズル面41と、を備えてもよい。複数のノズル40は、それぞれ液体を吐出可能である。ノズル面41は、複数のノズル40がそれぞれ開口する面である。ヘッド38は、複数のノズル40から液体を吐出して媒体12に印刷する。
【0027】
第1移動部31は、キャリッジモーター43と、駆動プーリー44と、従動プーリー45と、タイミングベルト46と、を備えてもよい。
駆動プーリー44は、キャリッジモーター43の出力軸に連結される。駆動プーリー44とキャリッジモーター43とは、減速機などを介して、間接的に連結されてもよい。
【0028】
従動プーリー45は、ガイドフレーム34に回転自在に支持される。駆動プーリー44と従動プーリー45は、互いに軸線が平行である。
タイミングベルト46は、環状のベルトである。タイミングベルト46は、駆動プーリー44及び従動プーリー45に掛け渡される。タイミングベルト46は、一部がヘッドユニット33に固定される。
【0029】
第1移動部31は、キャリッジモーター43の駆動力を、タイミングベルト46を通じてヘッドユニット33に伝達する。第1移動部31は、ヘッドユニット33をX軸に沿って往復移動させる。すなわち、第1移動部31は、ヘッドユニット33を第1方向Xへ移動させる。ヘッドユニット33は、第1方向X、及び第1方向Xとは反対の方向に移動しながら印刷を行うシリアルタイプである。
【0030】
第2移動部32は、一対のレール48と、一対の脚部49と、を備えてもよい。
一対のレール48は、第1方向Xに支持部22を挟むように、互いに間隔を空けて設けられる。換言すると、支持部22は、第1方向Xにおいて一対のレール48の間に位置する。一対のレール48のそれぞれは、第2方向Yに延びる。
【0031】
一対の脚部49は、収容フレーム35を支持する。一対の脚部49は、図示しない移動モーターの駆動により、一対のレール48に沿って往復移動可能である。第2移動部32は、第1移動部31、ヘッドユニット33、ガイドフレーム34、及び収容フレーム35をY軸に沿って往復移動させる。すなわち、第2移動部32は、第2方向Yへ第1移動部31を移動させる。
【0032】
ガイドフレーム34は、ヘッドユニット33と、第1移動部31と、を支持する。ガイドフレーム34は、収容フレーム35に支持されてもよい。
印刷装置11は、信号ケーブル51と、供給チューブ52と、を備えてもよい。
【0033】
収容フレーム35は、キャリッジモーター43、信号ケーブル51、供給チューブ52のうち少なくとも1つを収容してもよい。収容フレーム35は、供給チューブ52及び信号ケーブル51を、変形を許容した状態で収容してもよい。
【0034】
信号ケーブル51は、ヘッドユニット33に電気信号を送る。信号ケーブル51は、制御部20とヘッドユニット33とを接続する。信号ケーブル51は、例えば幅広で可撓性を有するフレキシブルフラットケーブルである。
【0035】
供給チューブ52は、ヘッドユニット33に液体を供給する。供給チューブ52は、液体を収容する図示しない液体収容体とヘッドユニット33とを接続する。信号ケーブル51と供給チューブ52は、第1移動部31によるヘッドユニット33の移動に伴って収容フレーム35内で変形する。
【0036】
天板36は、収容フレーム35に支持されてもよい。天板36は、収容フレーム35の上に設けられてもよい。天板36は、収容フレーム35を上から覆ってもよい。天板36は、第3方向Zからみて、収容フレーム35に収容されるキャリッジモーター43、供給チューブ52、及び信号ケーブル51を隠してもよい。天板36は、変形する信号ケーブル51と供給チューブ52が収容フレーム35から飛び出ないように、上から押さえてもよい。
【0037】
天板36は、第1移動部31と共に第2方向Yへ移動してもよい。第2移動部32は、収容フレーム35と共に、ガイドフレーム34、第1移動部31、ヘッドユニット33、及び天板36を第2方向Y、及び第2方向Yとは反対の方向に移動させてもよい。第2移動部32は、収容フレーム35を移動させることで、収容フレーム35に直接もしくは関節的に取り付けられた部材を第2方向Yに移動させる。
【0038】
図3に示すように、天板36の第2方向Yの端部は、第1移動部31より第2方向Yに位置してもよい。すなわち、天板36の前端は、第1移動部31より前方に位置してもよい。天板36の後端は、第1移動部31より後方に位置してもよい。第1移動部31は、天板36の下に位置してもよい。天板36は、第3方向Zからみて第1移動部31を覆ってもよい。天板36は、第1方向Xにおいて第1移動部31より大きくてもよい。天板36は、第2方向Yにおいて第1移動部31より大きくてもよい。
【0039】
ヘッドユニット33の第2方向Yの端部は、天板36の第2方向Yの端部よりも第2方向Yに位置してもよい。すなわち、ヘッドユニット33の前端は、天板36の前端よりも前方に位置してもよい。
【0040】
照明ユニット24は、光を照射する。本実施形態の照明ユニット24は、天板36に配置される。照明ユニット24は、天板36の前端に設けられてもよい。照明ユニット24は、天板36の下面に設けられて、下方に向けて光を照射してもよい。
【0041】
図2に示すように、照明ユニット24は、支持面29と対向可能に配置される。照明ユニット24は、第2方向Yへ移動する。本実施形態の照明ユニット24は、第2移動部32が第1移動部31を移動させるのに伴って第2方向Yへ移動する。
【0042】
照明ユニット24は、第3方向Zにおいて、天板36と支持面29との間に位置する。照明ユニット24は、第3方向Zにおいて、第1方向Xに移動するヘッドユニット33の移動経路と並ぶ位置に配置される。第1方向Xに移動するヘッドユニット33は、照明ユニット24の下を通過する。第1方向Xに移動するヘッドユニット33は、照明ユニット24と支持面29との間を通過する。天板36と対向するヘッドユニット33の面、すなわち、キャリッジ39の上面は、照明ユニット24と対向する箇所が段差を有していてもよい。キャリッジ39の上面は、照明ユニット24が設けられていない天板36と対向する箇所と、照明ユニット24と対向する箇所とが、ほぼ同じ間隔となるように、第2方向Y側に、照明ユニット24のZ軸の厚みに相当する段差を設けてもよい。
【0043】
照明ユニット24は、第1方向Xに延びていてもよい。第1方向Xにおいて、照明ユニット24は、支持面29より大きくてもよい。照明ユニット24の右端は、支持面29の右端より右方に位置してもよい。照明ユニット24の左端は、支持面29の左端より左方に位置してもよい。照明ユニット24は、支持面29を第1方向Xに亘って照らしてもよい。照明ユニット24は、第1方向Xにおいて、ホーム位置Phに位置するヘッドユニット33から離れた位置に設けられてもよい。
【0044】
メンテナンス部25は、ヘッド38のメンテナンスを行う。メンテナンス部25は、キャップ54を備えてもよい。キャップ54は、ホーム位置Phに位置するヘッド38の直下に設けられる。キャップ54は、Z軸に沿って往復移動可能である。キャップ54は、上昇してヘッド38に接触することで、ヘッド38をキャッピングする。メンテナンス部25は、キャップ54内を吸引し負圧にすることで、ノズル40から液体を排出させる吸引クリーニングを行ってもよい。メンテナンス部25は、図示しないワイパーによってノズル面41を払拭するワイピングを行ってもよい。
【0045】
<実施形態の作用>
本実施形態の作用について説明する。
ガイドフレーム34は、レール48に沿って往復移動する。印刷部23は、ホーム位置Phに位置するヘッドユニット33を前方の印刷開始位置まで移動させた後、後方に移動する過程で印刷を実行してもよい。ヘッドユニット33は、ガイドフレーム34に沿って第1方向X、及び第1方向Xとは反対の方向に移動しながら液体を吐出して媒体12に印刷する。
【0046】
制御部20は、照明ユニット24の点灯と消灯を制御してもよい。照明ユニット24を点灯及び消灯させるタイミングは、操作部16の操作によって設定可能であってもよい。照明ユニット24の点灯と消灯のタイミングは、任意に組み合わせてもよい。
【0047】
照明ユニット24は、印刷装置11の電源が投入されたタイミングで点灯してもよい。電源が投入されたタイミングで点灯することで、透過性部材で構成される筐体14の外から、内部の状態をユーザーに把握させることができる。具体的には、ヘッドユニット33がホーム位置Phで停止していること、支持部22にセットされた媒体12の有無などをユーザーに把握させることができる。
【0048】
照明ユニット24は、カバー15が閉位置から移動したタイミングで点灯してもよい。カバー15が開いたタイミングで点灯することで、ユーザーによる支持部22への媒体12のセット及び媒体12の回収を補助することができる。
【0049】
照明ユニット24は、印刷が開始されたタイミングで点灯してもよい。照明ユニット24は、印刷開始が命令されたタイミングで点灯してもよいし、ヘッドユニット33が印刷開始位置まで移動したタイミングで点灯してもよい。印刷時に点灯することで、ヘッドユニット33の位置、印刷された画像などを筐体14の外から確認させることができる。
【0050】
照明ユニット24は、ヘッド38のメンテナンスが開始されたタイミングで点灯してもよい。照明ユニット24は、エラーを検知もしくはエラーを報知するタイミングで点灯してもよい。照明ユニット24は、操作部16により点灯操作がされたタイミングで点灯してもよい。
【0051】
照明ユニット24は、印刷装置11の電源が落とされるタイミングで消灯してもよい。照明ユニット24はカバー15が閉位置に移動したタイミングで消灯してもよい。照明ユニット24は、印刷が終了したタイミングで消灯してもよい。照明ユニット24は、ヘッド38のメンテナンスが終了したタイミングで消灯してもよい。照明ユニット24は、エラーが解消したタイミングで消灯してもよい。照明ユニット24は、操作部16により消灯操作がされたタイミングで消灯してもよい。照明ユニット24は、操作されずに一定時間が経過した場合に消灯してもよい。
【0052】
<実施形態の効果>
本実施形態の効果について説明する。
(1-1)照明ユニット24は、移動可能に設けられる。そのため、照明ユニット24は、固定される場合に比べて印刷を行う領域を広く照らすことができる。したがって、広い範囲の印刷状態を確認させることができる。
【0053】
(1-2)照明ユニット24は、第1移動部31の移動に伴って移動する。したがって、照明ユニット24を独自に移動させる場合に比べ、照明ユニット24の移動を容易に制御することができる。
【0054】
(1-3)天板36は、第1移動部31と共に移動する。したがって、照明ユニット24を天板36に配置することにより、照明ユニット24を第1移動部31と共に容易に移動させることができる。
【0055】
(1-4)照明ユニット24は、第1方向Xに延びている。したがって、照明ユニット24は、第1方向Xにおける広い領域を照らすことができる。
(1-5)照明ユニット24は、ヘッドユニット33の移動経路と第3方向Zに並ぶ。したがって、移動するヘッドユニット33及びヘッドユニット33が印刷する画像を確認しやすくすることができる。
【0056】
(1-6)ヘッドユニット33は、天板36から第2方向Yに露出する。したがって、移動するヘッドユニット33の確認を容易に行うことができる。
(1-7)筐体14の少なくとも上面14tは、透過性部材で構成される。そのため、照明ユニット24により照らされる筐体14の内部の様子を、筐体14の外から容易に確認することができる。
【0057】
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0058】
・照明ユニット24と対向可能なキャリッジ39の上面は、照明ユニット24の光の強さに合わせて構成してもよい。キャリッジ39の上面は、照明ユニット24に照らされた場合、筐体14の外から確認しやすい光量になるように調整されてもよい。例えば、照明ユニット24の光が強い場合、筐体14が光を透過しやすい場合などには、キャリッジ39の上面を、光を反射しにくくしてもよい。具体的には、キャリッジ39の上面を、黒色、青色などの濃い色にして光を吸収させてもよいし、粗面にして光を拡散させてもよい。例えば、照明ユニット24の光が弱い場合、筐体14が光を透過しにくい場合などには、キャリッジ39の上面を、光を反射しやすくしてもよい。具体的には、キャリッジ39の上面を、白色、黄色などの薄い色もしくは光沢面にして、光を反射させてもよい。
【0059】
・照明ユニット24は、第3方向Zに対して傾いた方向に光を照射してもよい。
・照明ユニット24が光を照射する方向は、変更可能であってもよい。例えば、照明ユニット24は、第2方向Yにおける位置に応じて光を照射する角度を変更してもよい。照明ユニット24は、支持部22に向けて光を照射してもよい。例えば、照明ユニット24が支持部22より後方に位置する場合、照明ユニット24は、第3方向Zより前方に傾いた角度で光を照射してもよい。例えば、照明ユニット24が支持部22より前方に位置する場合、照明ユニット24は、第3方向Zより後方に傾いた角度で光を照射してもよい。
【0060】
・筐体14は、不透明の部材で構成してもよい。
・筐体14は、ユーザーに内部の状態を把握させることができる窓を有してもよい。
・天板36は透過性部材により構成されてもよい。
【0061】
・天板36の前端は、ヘッドユニット33の前端より前方に位置してもよい。第3方向Zからみて、天板36は、ヘッドユニット33の移動経路を覆ってもよい。
・照明ユニット24は、第1方向Xに移動するヘッドユニット33の移動経路と、第2方向Yにずれた位置に配置されてもよい。
【0062】
・照明ユニット24は、第1方向Xに並んで設けられる複数の照明を有してもよい。
・第3方向Zは、支持面29に対して傾いた方向であってもよい。第3方向Zは、支持面29に対して斜めに交差する方向であってもよい。
【0063】
・照明ユニット24は、天板36とは別に配置されてもよい。照明ユニット24は、例えばガイドフレーム34に配置されてもよい。照明ユニット24は、例えば収容フレーム35に配置されてもよい。
【0064】
・印刷装置11は、印刷部23とは別に照明ユニット24を移動させる移動機構を備えてもよい。照明ユニット24は、第2移動部32が第1移動部31を移動させるのとは別に移動可能であってもよい。
【0065】
・媒体12は、例えばTシャツ、ポロシャツ、トレーナー、パーカーなどの被服であってもよい。媒体12は、例えば、UVインクを使用して印刷するスマートフォンケースなど、可撓性を有さなくてもよい。
【0066】
・印刷装置11は、媒体12にインクなどの液体やトナーなどの流体を付着させることにより文字や絵、写真などの画像を印刷する装置であって、シリアルプリンター、ラテラル式プリンター、ラインプリンター、ページプリンターなどとしてもよい。また、印刷装置11は、オフセット印刷装置、捺染印刷装置などとしてもよい。印刷装置は、少なくとも媒体に印刷する印刷機能を有していればよく、印刷機能以外の機能も併せ持つ複合機としてもよい。
【0067】
[定義]
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0068】
[付記]
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0069】
(A)印刷装置は、媒体を支持する支持面を有する支持部と、前記支持部に支持された前記媒体に画像を印刷するヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを第1方向へ移動させる第1移動部と、前記第1方向と交差する第2方向へ前記第1移動部を移動させる第2移動部と、前記支持面と対向可能に配置され、光を照射する照明ユニットと、を備え、前記照明ユニットは、前記第2方向へ移動する。
【0070】
この構成によれば、照明ユニットは、移動可能に設けられる。そのため、照明ユニットは、固定される場合に比べて印刷を行う領域を広く照らすことができる。したがって、広い範囲の印刷状態を確認させることができる。
【0071】
(B)印刷装置において、前記照明ユニットは、前記第2移動部が前記第1移動部を移動させるのに伴って前記第2方向へ移動してもよい。
この構成によれば、照明ユニットは、第1移動部の移動に伴って移動する。したがって、照明ユニットを独自に移動させる場合に比べ、照明ユニットの移動を容易に制御することができる。
【0072】
(C)印刷装置は、前記支持面に交差する第3方向からみて前記第1移動部を覆う天板をさらに備え、前記天板は、前記第1移動部と共に前記第2方向へ移動し、前記照明ユニットは、前記天板に配置されてもよい。
【0073】
この構成によれば、天板は、第1移動部と共に移動する。したがって、照明ユニットを天板に配置することにより、照明ユニットを第1移動部と共に容易に移動させることができる。
【0074】
(D)印刷装置において、前記照明ユニットは、前記第1方向に延びていてもよい。
この構成によれば、照明ユニットは、第1方向に延びている。したがって、照明ユニットは、第1方向における広い領域を照らすことができる。
【0075】
(E)印刷装置は、前記支持面に交差する第3方向において、前記照明ユニットは、前記第1方向に移動する前記ヘッドユニットの移動経路と並ぶ位置に配置されてもよい。
この構成によれば、照明ユニットは、ヘッドユニットの移動経路と第3方向に並ぶ。したがって、移動するヘッドユニット及びヘッドユニットが印刷する画像を確認しやすくすることができる。
【0076】
(F)印刷装置において、前記ヘッドユニットの前記第2方向の端部は、前記天板の前記第2方向の端部よりも前記第2方向に位置してもよい。
この構成によれば、ヘッドユニットは、天板から第2方向に露出する。したがって、移動するヘッドユニットの確認を容易に行うことができる。
【0077】
(G)印刷装置は、前記支持部と、前記ヘッドユニットと、前記第1移動部と、前記第2移動部と、前記照明ユニットと、を収容する筐体をさらに備え、前記筐体は、少なくとも上面が透過性部材で構成されてもよい。
【0078】
この構成によれば、筐体の少なくとも上面は、透過性部材で構成される。そのため、照明ユニットにより照らされる筐体の内部の様子を、筐体の外から容易に確認することができる。
【符号の説明】
【0079】
11…印刷装置、12…媒体、14…筐体、14b…背面、14f…前面、14l…左側面、14r…右側面、14t…上面、15…カバー、16…操作部、18…開口、20…制御部、22…支持部、23…印刷部、24…照明ユニット、25…メンテナンス部、27…支持台、28…昇降部、29…支持面、31…第1移動部、32…第2移動部、33…ヘッドユニット、34…ガイドフレーム、35…収容フレーム、36…天板、38…ヘッド、39…キャリッジ、40…ノズル、41…ノズル面、43…キャリッジモーター、44…駆動プーリー、45…従動プーリー、46…タイミングベルト、48…レール、49…脚部、51…信号ケーブル、52…供給チューブ、54…キャップ、Ph…ホーム位置、X…第1方向、Y…第2方向、Z…第3方向。
図1
図2
図3