(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103036
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】固定資産管理装置、固定資産管理方法、及び、固定資産管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20240725BHJP
【FI】
G06Q40/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007165
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹川 知志
(72)【発明者】
【氏名】宮内 淳子
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB63
5L055BB63
(57)【要約】
【課題】内容が確定した仕訳データで財務会計システムとの間の連携を図る。
【解決手段】「新規計上日」という項目で承認前の各種データを管理し、この「新規計上日」の月度と、送信する仕訳データの連携月度を比較し、この比較結果に基づいて、仕訳データの送信可否の制御を行う。これにより、償却計算結果が変動する仕訳データは、財務会計システムへの送信を行わずに連携を止めることができる。また、償却計算結果が変動しない仕訳データのみ、財務会計システムに送信して連携を図ることができる。従って、内容が確定した仕訳データで財務会計システムとの間の連携を図ることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
承認前データテーブルに記憶された、固定資産に関する承認申請に対応する、管理者が未承認のデータであり、少なくとも前記固定資産の取得日、申請事由を示す事由区分、及び、前記固定資産の仕訳計上開始日が設定された新規計上日を含む承認前データを生成すると共に、前記管理者により申請が承認された前記承認前データに基づいて、前記固定資産の仕訳データを作成するための実データを生成し、前記実データに基づいて前記固定資産の仕訳データを生成するデータ生成部と、
前記実データを実データテーブルに記憶させる記憶制御部と、
生成された前記仕訳データを財務会計システムに送信する通信制御部と、を備え、
前記データ生成部は、
前記実データのうち、指定された申請事由、及び、指定された月度に対応する実データを抽出し、
前記承認前データのうち、指定された申請事由、及び、前記新規計上日の月度が、指定された月度と同じ月度、又は、前記新規計上日の月度が、指定された月度よりも前の月度となる承認前データを抽出し、
抽出した前記実データから、抽出した前記承認前データに相当する実データを除外した残りの実データで前記仕訳データを生成すること、
を特徴とする固定資産管理装置。
【請求項2】
前記データ生成部は、
前記実データのうち、指定された月度に対応する実データを抽出し、
前記承認前データのうち、前記新規計上日の月度が、指定された月度と同じ月度、又は、前記新規計上日の月度が、指定された月度よりも前の月度となる承認前データを抽出し、
抽出した前記実データから、抽出した前記承認前データに相当する実データを除外した残りの実データで前記仕訳データを生成すること、
を特徴とする請求項1に記載の固定資産管理装置。
【請求項3】
前記データ生成部は、
前記承認前データテーブルに未承認の申請に対応する前記承認前データが存在し、前記承認前データの前記新規計上日の月度が、前記財務会計システムに送信する仕訳データを作成する月度と同じ月度、又は、仕訳データを前記財務会計システムに送信する月度よりも前の月度の前記承認前データに相当する実データを除外した残りの実データで前記仕訳データを生成すること、
を特徴とする請求項2に記載の固定資産管理装置。
【請求項4】
前記データ生成部は、
前記承認前データテーブルに未承認の申請に対応する前記承認前データが存在し、前記承認前データの前記新規計上日の月度が、前記財務会計システムに送信する仕訳データを作成する月度と同じ月度より後の月度である場合に、前記仕訳データの生成を行うこと、
を特徴とする請求項3に記載の固定資産管理装置。
【請求項5】
前記実データを月次確定処理用記憶部に記憶させる月次確定処理時において、月度確定処理を行う月度と同じ月度、又は、月度確定処理を行う月度よりも前の月度の前記承認前データが前記承認前データテーブルに存在する場合、所定のアラートを出力制御するアラート出力制御部を、さらに備えること、
を特徴とする請求項1から請求項4のうち、いずれか一項に記載の固定資産管理装置。
【請求項6】
データ生成部が、承認前データテーブルに記憶された、固定資産に関する承認申請に対応する、管理者が未承認のデータであり、少なくとも前記固定資産の取得日、申請事由を示す事由区分、及び、前記固定資産の仕訳計上開始日が設定された新規計上日を含む承認前データを生成すると共に、前記管理者により申請が承認された前記承認前データに基づいて、前記固定資産の仕訳データを作成するための実データを生成し、前記実データに基づいて前記固定資産の仕訳データを生成するデータ生成ステップと、
記憶制御部が、前記実データを実データテーブルに記憶させる記憶制御ステップと、
通信制御部が、生成された前記仕訳データを財務会計システムに送信する通信制御ステップと、を備え、
前記データ生成ステップは、
前記データ生成部が、前記実データのうち、指定された申請事由、及び、指定された月度に対応する実データを抽出する実データ抽出ステップと、
前記データ生成部が、前記承認前データのうち、指定された申請事由、及び、前記新規計上日の月度が、指定された月度と同じ月度、又は、前記新規計上日の月度が、指定された月度よりも前の月度となる承認前データを抽出する承認前データ抽出ステップと、
前記データ生成部が、抽出した前記実データから、抽出した前記承認前データに相当する実データを除外した残りの実データで前記仕訳データを生成する仕訳データ生成ステップを有すること、
を特徴とする固定資産管理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
承認前データテーブルに記憶された、固定資産に関する承認申請に対応する、管理者が未承認のデータであり、少なくとも前記固定資産の取得日、申請事由を示す事由区分、及び、前記固定資産の仕訳計上開始日が設定された新規計上日を含む承認前データを生成すると共に、前記管理者により申請が承認された前記承認前データに基づいて、前記固定資産の仕訳データを作成するための実データを生成し、前記実データに基づいて前記固定資産の仕訳データを生成するデータ生成部と、
前記実データを実データテーブルに記憶させる記憶制御部と、
生成された前記仕訳データを財務会計システムに送信する通信制御部として機能させ、
前記データ生成部は、
前記実データのうち、指定された申請事由、及び、指定された月度に対応する実データを抽出し、
前記承認前データのうち、指定された申請事由、及び、前記新規計上日の月度が、指定された月度と同じ月度、又は、前記新規計上日の月度が、指定された月度よりも前の月度となる承認前データを抽出し、
抽出した前記実データから、抽出した前記承認前データに相当する実データを除外した残りの実データで前記仕訳データを生成すること、
を特徴とする固定資産管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定資産管理装置、固定資産管理方法、及び、固定資産管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2022-189705号公報)に開示されている会計処理装置は、表示装置に出力可能な端末装置と通信可能な会計処理装置であり、仕訳情報が入力される仕訳入力領域と、仕訳情報を集計した会計に関係する会計関係情報が表示される会計関係情報表示領域とが並列に配置された仕訳入力画面を前記表示装置に表示させる画面表示制御部と、仕訳入力領域に入力された仕訳情報を、会計関係情報表示領域に表示された会計関係情報に反映させる反映制御部と、を備える。これにより、現在編集中の仕訳が会計関係書類に与える影響を確認しながら仕訳情報の登録を可能とすることができる。
【0003】
ここで、今日において、固定資産を管理するうえで、例えば現場等の部門から提出された申請を、経理部が内容を確認して承認する承認運用を行っている企業等が多い。この承認運用において、現場等の部門から提出された申請を経理部が承認すれば、承認された金額で固定資産システム上の金額が確定する。しかし、現場等の部門から提出された申請が経理部で承認されない場合は、申請を現場等の部門に引き戻しが行われ、修正後の申請で再度承認が行われる。
【0004】
承認された申請の一例である固定資産の仕訳データは、固定資産管理装置から会計システムへ送信される。これにより、固定資産管理装置と財務会計システムとの間で仕訳データの連携を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このように固定資産管理装置と財務会計システムとの間においては、例えば金額及び計上組織等の内容が確定した仕訳データで連携を図ることが好ましい。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、内容が確定した仕訳データで財務会計システムとの間の連携を図ることができるような固定資産管理装置、固定資産管理方法、及び、固定資産管理プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る固定資産管理装置は、承認前データテーブルに記憶された、固定資産に関する承認申請に対応する、管理者が未承認のデータであり、少なくとも固定資産の取得日、申請事由を示す事由区分、及び、固定資産の仕訳計上開始日が設定された新規計上日を含む承認前データを生成すると共に、管理者により申請が承認された承認前データに基づいて、固定資産の仕訳データを作成するための実データを生成し、実データに基づいて固定資産の仕訳データを生成するデータ生成部と、実データを実データテーブルに記憶させる記憶制御部と、生成された仕訳データを財務会計システムに送信する通信制御部と、を備え、データ生成部は、実データのうち、指定された申請事由、及び、指定された月度に対応する実データを抽出し、承認前データのうち、指定された申請事由、及び、新規計上日の月度が、指定された月度と同じ月度、又は、新規計上日の月度が、指定された月度よりも前の月度となる承認前データを抽出し、抽出した実データから、抽出した承認前データに相当する実データを除外した残りの実データで仕訳データを生成する。
【0009】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る固定資産管理方法は、データ生成部が、承認前データテーブルに記憶された、固定資産に関する承認申請に対応する、管理者が未承認のデータであり、少なくとも固定資産の取得日、申請事由を示す事由区分、及び、固定資産の仕訳計上開始日が設定された新規計上日を含む承認前データを生成すると共に、管理者により申請が承認された承認前データに基づいて、固定資産の仕訳データを作成するための実データを生成し、実データに基づいて固定資産の仕訳データを生成するデータ生成ステップと、記憶制御部が、実データを実データテーブルに記憶させる記憶制御ステップと、通信制御部が、生成された仕訳データを財務会計システムに送信する通信制御ステップと、を備え、データ生成ステップは、データ生成部が、実データのうち、指定された申請事由、及び、指定された月度に対応する実データを抽出する実データ抽出ステップと、データ生成部が、承認前データのうち、指定された申請事由、及び、新規計上日の月度が、指定された月度と同じ月度、又は、新規計上日の月度が、指定された月度よりも前の月度となる承認前データを抽出する承認前データ抽出ステップと、データ生成部が、抽出した実データから、抽出した承認前データに相当する実データを除外した残りの実データで仕訳データを生成する仕訳データ生成ステップを有する。
【0010】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る固定資産管理プログラムは、コンピュータを、承認前データテーブルに記憶された、固定資産に関する承認申請に対応する、管理者が未承認のデータであり、少なくとも固定資産の取得日、申請事由を示す事由区分、及び、固定資産の仕訳計上開始日が設定された新規計上日を含む承認前データを生成すると共に、管理者により申請が承認された承認前データに基づいて、固定資産の仕訳データを作成するための実データを生成し、実データに基づいて固定資産の仕訳データを生成するデータ生成部と、実データを実データテーブルに記憶させる記憶制御部と、生成された仕訳データを財務会計システムに送信する通信制御部として機能させ、データ生成部は、実データのうち、指定された申請事由、及び、指定された月度に対応する実データを抽出し、承認前データのうち、指定された申請事由、及び、新規計上日の月度が、指定された月度と同じ月度、又は、新規計上日の月度が、指定された月度よりも前の月度となる承認前データを抽出し、抽出した実データから、抽出した承認前データに相当する実データを除外した残りの実データで仕訳データを生成する。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、内容が確定した仕訳データで財務会計システムとの間の連携を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施の形態の固定資産管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、一般的な承認運用の流れを示す図である。
【
図3】
図3は、承認運用におけるデータの流れを示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態の固定資産管理装置の概要を示す図である。
【
図5】
図5は、移動仕訳データの作成を指定する際の仕訳データ作成画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、移動仕訳データを生成する際のデータの取得形態を説明するための図である。
【
図7】
図7は、減価償却仕訳データの作成を指定する際の仕訳データ作成画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、減価償却仕訳データを生成する際のデータの取得形態を説明するための図である。
【
図9】
図9は、新規計上日と仕訳連携の制御の概要を説明するための図である。
【
図10】
図10は、月度確定時のチェック処理を説明するための図である。
【
図11】
図11は、月度確定時のチェック処理の対象となるデータを示す図である。
【
図12】
図12は、月度仮締・確定処理画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、新規に取得した固定資産の登録申請時において、承認前データテーブルに記憶される各種データを示す図である。
【
図14】
図14は、新規に取得した固定資産の登録申請時において、承認後に実データテーブルに記憶される各種データを示す図である。
【
図15】
図15は、固定資産の移動登録申請時において、承認前データテーブルに記憶される各種データを示す図である。
【
図16】
図16は、固定資産の移動登録申請承認前の実データテーブルに記憶される各種データを示す図である。
【
図17】
図17は、固定資産の移動登録申請承認後の実データテーブルに記憶される各種データを示す図である。
【
図18】
図18は、4月に取得した固定資産の登録申請時における、承認前データテーブルに記憶される各種データを示す図である。
【
図19】
図19は、4月に取得した固定資産の登録申請承認後に実データテーブルに記憶される各種データを示す図である。
【
図20】
図20は、6月度に行われた移動登録申請時において、承認前データテーブルに記憶される各種データを示す図である。
【
図21】
図21は、6月度に行われた移動登録申請承認前における、実データテーブルに記憶される各種データを示す図である。
【
図22】
図22は、仕訳データ作成画面で移動仕訳データの作成が選択された状態を示す図である。
【
図23】
図23は、仕訳データ作成画面で減価償却仕訳データの作成が選択された状態を示す図である。
【
図24】
図24は、月度確定処理及びアラート出力制御を説明するための図である。
【
図25】
図25は、承認が完了している状態における、実データテーブルに記憶されている各種データを示す図である。
【
図26】
図26は、移動仕訳データの作成が指定された状態の仕訳データ作成画面を示す図である。
【
図27】
図27は、減価償却仕訳データの作成が指定された状態の仕訳データ作成画面を示す図である。
【
図29】
図29は、4月度に取得された固定資産の新規登録申請時における、承認前データテーブルの各種データを示す図である。
【
図30】
図30は、4月度の月度確定処理が完了している状態において、実データテーブルに記憶されている各種データを示す図である。
【
図31】
図31は、4月度に取得して6月度で移動が決まっている固定資産を、5月度で移動申請した場合における、承認前データテーブルに記憶されている各種データを示す図である。
【
図32】
図32は、4月度に取得して6月度で移動が決まっている固定資産を、5月度で移動申請した場合における、実データテーブルに記憶されている各種データを示す図である。
【
図33】
図33は、4月度に取得して6月度で移動が決まっている固定資産の移動登録の承認がされていない状態で、5月度の移動仕訳データの作成が業務オペレータから指定された場合における動作を説明するための図である。
【
図34】
図34は、4月度に取得して6月度で移動が決まっている固定資産の移動登録の承認がされていない状態で、5月度の減価償却仕訳データの作成が業務オペレータから指定された場合における動作を説明するための図である。
【
図35】
図35は、5月度の月次確定処理の動作を説明するための図である。
【
図36】
図36は、固定資産の移動申請承認後の実データテーブルの各種データを示す図である。
【
図37】
図37は、移動仕訳データの作成が指定された状態の仕訳データ作成画面を示す図である。
【
図38】
図38は、減価償却仕訳データの作成が指定された状態の仕訳データ作成画面を示す図である。
【
図39】
図39は、6月度の月度確定処理及びアラート出力制御動作を説明するための図である。
【
図40】
図40は、4月に取得された固定資産の新規登録申請時における、承認前データテーブルに記憶された各種データを示す図である。
【
図41】
図41は、4月に取得された固定資産の新規登録申請の承認後における実データテーブルの各種データを示す図である。
【
図42】
図42は、4月に取得した固定資産を6月度に移動申請した際における、承認前データテーブルに記憶された各種データを示す図である。
【
図43】
図43は、4月に取得した固定資産を6月度で移動する移動申請が未承認の段階で、承認前データテーブルに記憶されている各種データを示す図である。
【
図44】
図44は、4月に取得した固定資産を6月度で移動する移動申請の承認時に、実データテーブルに記憶されている各種データを示す図である。
【
図45】
図45は、承認前データテーブルの各種データのうち、修正モードにおいて、固定資産の移動月の修正を行った際に変更されるデータを示す図である。
【
図46】
図46は、修正モードで設定される新規計上日を説明するための図である。
【
図47】
図47は、修正した移動申請が未承認の状態で、業務オペレータにより移動仕訳データの作成が指定された場合の動作を説明するための図である。
【
図48】
図48は、修正した移動申請が未承認の状態で、業務オペレータにより減価償却仕訳データの作成が指定された場合の動作を説明するための図である。
【
図49】
図49は、6月度の月次確定処理が指定された場合の動作を説明するための図である。
【
図50】
図50は、移動月の修正の承認後における実データテーブルの各種データを示す図である。
【
図51】
図51は、移動仕訳データの作成が指定された状態の仕訳データ作成画面を示す図である。
【
図52】
図52は、減価償却仕訳データの作成が指定された状態の仕訳データ作成画面を示す図である。
【
図55】
図55は、移動仕訳データの作成が指定された状態の仕訳データ作成画面を示す図である。
【
図56】
図56は、減価償却仕訳データの作成が指定された状態の仕訳データ作成画面を示す図である。
【
図58】
図58は、現在月度マスタテーブルの更新動作、及び、現在月度マスタテーブルに基づく仕訳計上日の設定動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した実施の形態となる固定資産管理装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0014】
(ハードウェア構成)
図1に示すように、実施の形態の固定資産管理装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部、スピーカ装置等が相当する。入力装置6としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。通信インターフェース部4は、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網等のネットワーク50に接続される。
【0015】
ネットワーク50には、主にソフトウェアで構成される財務会計システム52が設けられた財務会計サーバ装置51が接続されている。実施の形態の固定資産管理装置1は、財務会計サーバ装置51に対して各種仕訳データを会計計上することで、財務会計システム52と業務支援装置1との間で各種仕訳データの連携を図っている。
【0016】
なお、財務会計システム52を、
図1に点線のブロックで示すように記憶部2内に設け、この財務会計システム52に対して仕訳データを送信して連携を図ってもよい。
【0017】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、内容が確定した仕訳データで財務会計システムとの間の連携を図ることを可能とする固定資産管理プログラムが記憶されている。また、この記憶部2には、固定資産の新規登録又は異動等の申請に対応する、経理部の業務オペレータ等の管理者による承認前のデータである承認前データが記憶される承認前データテーブル11が設けられている。
【0018】
また、記憶部2には、固定資産の新規登録又は異動等の申請に対応する、経理部の業務オペレータ等の管理者による承認後のデータである実データが記憶される実データテーブル12が設けられている。
【0019】
また、記憶部2には、仕訳データ作成用の実データが記憶される送信仕訳ワーク13と、月度確定処理の実データが記憶される現在月度マスタテーブル14、及び、各決算期の月度の開始日及び終了日がそれぞれ登録された月度期間マスタ15が設けられている。
【0020】
(固定資産管理装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている固定資産管理プログラムを実行することで、
図1に示すように、取得部21、チェック処理部22、データ生成部23、記憶制御部24、表示制御部25、アラート出力制御部26、通信制御部27、及び、算出部28として機能する。
【0021】
取得部21は、データ生成部23と共に動作し、承認前テーブル11及び実データテーブル12から各種データを取得する。
【0022】
データ生成部23は、承認前データテーブル11に記憶された、固定資産に関する承認申請に対応する、管理者が未承認のデータであり、少なくとも固定資産の取得日、申請事由を示す事由区分、及び、固定資産の仕訳計上開始日が設定された新規計上日を含む承認前データを生成する。また、データ生成部23は、例えば経理部の業務オペレータ等の管理者により申請が承認された承認前データに基づいて、固定資産の仕訳データを作成するための実データを生成する。また、データ生成部23は、実データに基づいて固定資産の仕訳データを生成する。
【0023】
記憶制御部24は、実データを実データテーブル12に記憶させる。通信制御部は、生成された仕訳データを財務会計システム52に送信する。
【0024】
また、データ生成部23は、実データのうち、指定された申請事由、及び、指定された月度に対応する実データを抽出する。また、データ生成部23は、承認前データのうち、指定された申請事由、及び、新規計上日の月度が、指定された月度と同じ月度、又は、新規計上日の月度が、指定された月度よりも前の月度となる承認前データを抽出する。また、データ生成部23は、抽出した実データから、抽出した承認前データに相当する実データを除外した残りの実データで仕訳データを生成する。
【0025】
また、データ生成部23は、実データのうち、指定された月度に対応する実データを抽出し、承認前データのうち、新規計上日の月度が、指定された月度と同じ月度、又は、新規計上日の月度が、指定された月度よりも前の月度となる承認前データを抽出する。そして、抽出した実データから、抽出した承認前データに相当する実データを除外した残りの実データで仕訳データを生成する。
【0026】
また、データ生成部23は、承認前データテーブルに11未承認の申請に対応する前記承認前データが存在し、承認前データの新規計上日の月度が、財務会計システムに送信する仕訳データを作成する月度と同じ月度、又は、仕訳データを財務会計システムに送信する月度よりも前の月度の前記承認前データに相当する実データを除外した残りの実データで仕訳データを生成する。
【0027】
また、データ生成部23は、承認前データテーブル11に未承認の申請に対応する承認前データが存在し、承認前データの新規計上日の月度が、財務会計システムに送信する仕訳データを作成する月度と同じ月度より後の月度である場合に、仕訳データの生成を行う。
【0028】
アラート出力制御部26は、実データを月次確定処理用記憶部の一例である現在月度マスタテーブル14に記憶させる月次確定処理時において、月度確定処理を行う月度と同じ月度、又は、月度確定処理を行う月度よりも前の月度の承認前データが承認前データテーブル11に存在する場合、所定のアラートを出力制御する。アラートを出力制御としては、表示部の所定のエラーメッセージを表示してもよい他、スピーカ装置を介して音声メッセージ又は電子音等を出力してもよい。
【0029】
(概要)
次に、
図2に一般的な承認運用の流れを示す。この
図2に示すように現場等からの固定資産の取得、移動、除却等の申請は、経理部に提出される。経理部は、現場からの申請を確認し、承認しない場合は、その申請を現場に差し戻す。この場合、現場は、修正のうえ再申請を行う。
【0030】
経理部は、申請を承認すると固定資産の取得、移動、除却等に対応する仕訳データを生成し、ネットワーク上(又は固定資産管理装置の記憶部内)に設けられている財務会計システムに送信して計上する。これにより、固定資産管理装置と財務会計システムの間で、仕訳データの連携が図られる。この連携の際、内容が確定している仕訳データを財務会計システムに送信して連携を図ることが好ましい。
【0031】
しかし、例えば未来月の異動登録を事前に固定資産管理装置へ登録しておくような場合、異動月までの償却額及び計上組織等は変動がない。このように内容が確定していない仕訳データであっても、例えば連携対象月の償却計算結果が変動しない異動等の仕訳データも存在する。そして、この仕訳データは、内容が確定していない仕訳データであっても、財務会計システムへ送信して連携を図ることが好ましい。
【0032】
また、月次の処理により財務会計システムとの間の連携が完了した段階で、経理部は、月度確定処理を行う。しかし、月度確定処理を行った仕訳データのうち、財務会計システムとの間の連携が完了していない仕訳データの有無を確認することが好ましい。
【0033】
図3は、承認運用におけるデータの流れを示している。この
図3において、固定資産の異動登録等の申請は、経理部により承認されるまでの間、承認前テーブル11に記憶される。そして、経理部による承認後に、実データテーブル12に送信され記憶される。
【0034】
次に、
図4は、実施の形態の固定資産管理装置1の概要を示す図である。実施の形態の固定資産管理装置1は、経理部で未承認の申請に応じたデータが記憶される承認前データテーブル11で「新規計上日」を管理しており、この「新規計上日」の項目の月度と、財務会計システム52に送信する仕訳データの連携月度を比較することで、仕訳データの送信の可否を制御するようになっている。
【0035】
なお、異動登録の登録日が何カ月も先で、まだ月度確定されていない早い方の月に前倒す修正をした場合は、財務会計システムに未送信の仕訳データの数字に影響が出る可能性を考慮し、
・新規登録時の新規計上日
・修正登録時の移動仕訳計上日
を比較し、最も小さいほうを保持してもよい。
【0036】
これにより、各種異動登録後に修正登録が行われた場合でも、連携を行おうとしている月、又は、月度の会計の確定処理を行おうとしている月に影響があるか否かを厳密に判断することができる。
【0037】
また、実施の形態の固定資産管理装置1は、「新規計上日の月度≦月度確定処理を行う月度」の条件を満たす承認前データが承認前データテーブル11に存在する場合、アラートを表示することで、未承認漏れ及び仕訳連携漏れを防止している。
【0038】
(仕訳連携時の対象データ抽出と連携処理)
次に、異動の仕訳データを財務会計システムに送信する場合と、固定資産の減価償却の仕訳データを財務会計システム52に送信する場合とでは、それぞれ異なるデータテーブルからデータを取得するようになっている。
【0039】
なお、「異動」は、一例として下記の全ての事象を含むこととする。
・取得→資産の購入
・移動→資産の場所の移動
・除却→資産の廃棄又は売却
・分割→複数資産を一式で登録していた資産の分割
・減損→資産価値の減少
・休止→資産の使用休止・稼働休止
・償却方法耐用年数変更→資産の使用用途変更等による、償却方法・耐用年数の変更
・資産種類変更→資産の使用用途変更等による、資産種類の変更
【0040】
(異動仕訳の連携処理)
すなわち、固定資産の「移動」の仕訳データの連携を図る場合、業務オペレータは入力装置6を介して仕訳データ作成画面の表示を指定する。この指定が行われると、表示制御部25は、
図5に例示するように出力仕訳の選択欄、対象年月の選択欄、及び、減価償却対象年月の選択欄を備えた仕訳データ作成画面を、出力装置7を介して表示する。この場合、業務オペレータは、「移動仕訳」を選択し、例えば「2022年6月」等の対象年月を選択して「作成」のボタンを操作する。
【0041】
「作成」のボタンが操作されると、データ生成部23は、取得部21と共に、
図6に示すように実データテーブル12の仕訳明細データ(固定資産)から、仕訳データ作成画面上で選択された「移動」の事由で、かつ、仕訳データ作成画面で選択された対象年月のデータを取得する。
【0042】
また、これと共にデータ生成部23は、取得部21と共に、
図6に示すように、承認前データテーブル11の履歴情報データ(承認前)から、仕訳データ作成画面上で選択された「移動」の事由で、かつ、「新規計上日の月度≦画面の対象年月(2022年6月度)」となる資産番号のデータを取得する。
【0043】
また、データ生成部23は、取得した仕訳明細データ(固定資産)から、「新規計上日の月度≦画面の対象年月(2022年6月度)」となる資産番号のデータを差し引くことで(除外することで))、残りの仕訳明細データ(固定資産)を、連携する異動仕訳対象データとして確定する。記憶制御部24は、
図6に示すように異動仕訳対象データを明細レベルで送信仕訳ワーク13に記憶する。
【0044】
これに対して、業務オペレータにより仕訳データ作成画面の「送信」ボタンが操作された場合、通信制御部27は、上述のように確定した異動仕訳対象データを財務会計システム52にネットワーク50を介して送信するように、通信インターフェース部4を制御する。これにより、異動仕訳対象データが財務会計システム52に送信され連携が図られる。
【0045】
異動仕訳対象データが財務会計システム52に送信されて連携されると、データ生成部23は、この連携された異動仕訳対象データに対応する実データテーブル12の仕訳明細データ(固定資産)の連携済区分を「未連携」から「連携済」に更新する。
【0046】
(減価償却仕訳の連携処理)
次に、固定資産の「減価償却」の仕訳データの連携を図る場合、業務オペレータは入力装置6を介して仕訳データ作成画面の表示を指定する。この指定が行われると、表示制御部25は、
図7に例示するように出力仕訳の選択欄、対象年月の選択欄、及び、減価償却対象年月の選択欄を備えた仕訳データ作成画面を、出力装置7を介して表示する。この場合、業務オペレータは、「減価償却仕訳」を選択し、例えば「2022年6月~2022年6月」等の減価償却対象年月を選択して「作成」のボタンを操作する。
【0047】
「作成」のボタンが操作されると、データ生成部23は、取得部21と共に、
図8に示すように実データテーブル12の月別償却情報データ(固定資産)から、仕訳データ作成画面上で選択された対象年月のデータを抽出する。
【0048】
また、これと共にデータ生成部23は、
図8に示すように承認前データテーブル11の履歴情報データ(承認前)から「新規計上日の月度≦画面の対象年月(2022年6月度)」となる資産番号のデータを抽出する。
【0049】
データ生成部23は、上述の月別償却情報データから、承認前データテーブル11の履歴情報データ(承認前)から取得した、「新規計上日の月度≦画面の対象年月(2022年6月度)」となる資産番号のデータを差し引いて(除外し)、減価償却仕訳データを生成する。記憶制御部24は、生成された減価償却仕訳データを送信仕訳ワーク13に記憶する。
【0050】
そして、業務オペレータにより仕訳データ作成画面の「送信」ボタンが操作されると、通信制御部27は、作成された減価償却仕訳データを財務会計システム52に、ネットワーク50を介して送信するように、通信インターフェース部4を制御する。これにより、減価償却仕訳データが財務会計システム52に送信され連携が図られる。
【0051】
減価償却仕訳データが財務会計システム52に送信されて連携されると、データ生成部23は、連携した固定資産の月別減価償却データにおける、連携した月度の連携済区分を、「未連携」から「連携済」に更新する。
【0052】
(新規計上日と仕訳連携の制御)
次に、新規計上日と仕訳連携の制御の概要は、
図9に示すようになっている。すなわち、まず、承認前データテーブル11に未承認の申請に対応するデータが存在するか否かで制御が分かれる。承認前データテーブル11に未承認の申請に対応するデータが存在しない場合(異動データなし)は、「仕訳連携可能」と判断され、財務会計システム52に対して仕訳データの送信が行われる。
【0053】
これに対して、承認前データテーブル11に未承認の申請に対応するデータが存在する場合(異動データあり)、「新規計上日の月度≦減価償却仕訳データを送信する月」の条件を満たす場合と、「新規計上日の月度>減価償却仕訳データを送信する月」の条件を満たす場合とで制御が分かれる。
【0054】
承認前データテーブル11に未承認の申請に対応するデータが存在し(異動データあり)、かつ、「新規計上日の月度≦減価償却仕訳データを送信する月」の条件を満たす場合、減価償却仕訳データの「連携は不可」と判断され、財務会計システム52に対する送信は禁止される。
【0055】
承認前データテーブル11に未承認の申請に対応するデータが存在し(異動データあり)、かつ、「新規計上日の月度>減価償却仕訳データを送信する月」の条件を満たす場合は、後述するようにその減価償却仕訳データは、将来的に変更が生じにくいデータであるため、「連携可能」と判断され、財務会計システム52に送信する。
【0056】
(月次確定時のチェック処理(確定状態に更新する際のチェック処理))
次に、月次確定時のチェック処理を説明する。月次確定時となると、経理部の業務オペレータは、
図10に示すように現場等からの固定資産の新規登録又は異動登録等の申請を処理して、現在月度マスタテーブル14に対して月次のデータを登録することで、現在月度マスタテーブル14に記憶されているデータを現在の月度に対応するデータに更新する月次確定処理を行う。
【0057】
この月次確定処理を行う場合、業務オペレータは、月度仮締・確定処理画面の起動を、入力装置6を介して指定操作する。この指定操作がされると、表示制御部25は、
図12に示す月度仮締・確定処理画面を、出力装置7を介して表示制御する。業務オペレータは、この月度仮締・確定処理画面に対して、例えば「2022年6月度」等の、これから月次確定処理を行う月度を選択(又は入力)すると共に、処理内容として「仮締め」又は「確定」を選択して指定する。
【0058】
業務オペレータにより更新月度が選択され、実行ボタンがクリック操作されると、チェック処理部22は、承認前データテーブル11に記憶されている各申請の履歴情報データ(承認前)に含まれる新規計上日に基づいて、「新規計上日の月度≦更新月度」の履歴情報データ(承認前)をエラー対象として検出する。換言すると、チェック処理部22は、月度仮締・確定処理画面で月次確定処理を行う月度として指定された「2022年6月度」よりも前の新規計上日を含む履歴情報データ(承認前)をエラー対象として検出する。
【0059】
この例の場合、月次確定処理を行う月度として「2022年6月度」が指定されているため、
図11(a)の例の場合、「2022年6月1日」及び「2022年5月1日」の新規計上日を含む履歴情報データ(承認前)が、エラー対象として検出される。これに対して、
図11(b)の例の場合、履歴情報データ(承認前)に含まれる新規計上日は「2022年7月1日」であるため、エラー対象として検出されない。
【0060】
アラート出力制御部26は、月次確定処理を行う月度として指定された「2022年6月度」よりも前の新規計上日を含む履歴情報データ(承認前)が、チェック処理部22により承認前データテーブル11から検出された場合、未承認のデータ(申請)が存在する旨のエラーメッセージを、出力装置7を介して表示する。この場合、記憶制御部24は、月度確定処理を中止し、現在月度マスタテーブル14に対するデータの更新は行わない。
【0061】
これに対して、
図11(b)に示すように、承認前データテーブル11に「新規計上日の月度≦更新月度」のデータが存在しない場合、上述のエラーメッセージは表示されることなく、記憶制御部24により、現在月度マスタテーブル14に対するデータの更新が行われる。
【0062】
以下、実施の形態の固定資産管理装置1の動作を、具体例と共に説明する。なお、日付項目は、下記のように定義する。
【0063】
取得日→資産を取得した日付
償却開始日→償却を開始する日付
【0064】
仕訳計上開始日(移動の場合は移動仕訳計上日)→実際に償却費の計上を開始する月度を指定する日付
なお、償却開始日で指定した月がまだ締まっていない場合(現在月度マスタの設定内容により判断される)は償却開始日が設定される。
また、償却開始日で指定した月が既に締待っている場合(現在月度マスタの設定内容により判断される)は、現在月度マスタで締まっている月の次の月の開始日が設定される。
【0065】
新規計上日は、各種異動登録が新規で登録されたときの仕訳計上開始日(移動の場合は移動仕訳計上日)を管理する項目
なお、一度登録した異動情報について、修正を行う場合でも引き継がれる日付項目であり、新規登録する際は仕訳計上開始日(移動の場合は移動仕訳計上日)が設定される。
修正登録する際は新規登録時の新規計上日(=仕訳計上開始日(移動の場合は移動仕訳計上日))が設定される。
【0066】
(固定資産の取得時の動作)
まず、
図13に示すように、例えばA部門が「a-000」の資産番号の固定資産を「2022年6月度」に取得し、新規登録申請を行ったとする。6月度の月度確定処理は、まだ行われていない状態であり、この新規登録申請は、経理部は未承認の状態とする。この場合、データ生成部23は、
図13(a)~
図13(d)に示すように、この新規登録申請に対応する、資産情報データ(承認前)、月別償却情報承認データ(承認前)、履歴情報データ(承認前)、及び、仕訳明細データ(固定資産、承認前)の各種データを生成して承認前データテーブル11に記憶する。なお、この段階では、実データテーブル12には、まだデータは記憶されない。
【0067】
このうち、
図13(a)に示す資産情報データ(承認前)の「取得日」としては、その固定資産を実際に取得した日付が設定される。資産情報データ(承認前)に「取得日」が設定されると、データ生成部23は、
図13(c)に示す履歴情報データ(承認前)の履歴日付に対して、資産情報データ(承認前)の「取得日」を設定する。
【0068】
また、
図13(a)に示す資産情報データ(承認前)の償却開始日は、その固定資産の減価償却を開始する日付が設定される。固定資産の取得日と、減価償却を開始する日付が異なる日付となる場合もある。このため、償却開始日の項目が設けられている。
【0069】
また、
図13(a)に示す資産情報データ(承認前)は、「仕訳計上開始日」の項目を備えている。基本的には、「償却開始日」と同じ日付が「仕訳計上開始日」にも設定されるが、現在の月度である例えば6月度の月度確定処理が完了している場合は、次月度の7月1日が「仕訳計上開始日」に設定される。この「仕訳計上開始日」の日付に基づいて、算出部28により月別償却費が算出され、
図13(b)に示すようにデータ生成部23により月別償却情報データ(承認前)に反映される。
【0070】
このような承認前データテーブル11に記憶されている各種申請に対して、経理部の承認が完了すると、データ生成部23により、
図14(a)~
図14(d)に示すように、承認前データテーブル11に記憶されていた各種データに基づいて、資産情報データ、月別償却情報承認データ、履歴情報データ、及び、仕訳明細データ(固定資産)の各種データが生成され、記憶制御部24により実データテーブル12に記憶される。
【0071】
(固定資産の移動登録時の動作)
次に、移動を行った固定資産の移動登録を行う場合、現場の担当者は、
図15に示すように例えば「b-000」等の資産番号、移動日、移動仕訳計上日、移動元の部門(A部門)、移動先の部門(B部門)等のデータを入力して移動申請を行う。なお、現在は6月度で、月度確定処理が完了していないものとする。これにより、
図15(a)~
図15(e)に示すように、データ生成部23により、資産情報データ(承認前)、移動情報データ(承認前)、月別償却情報データ(承認前)、履歴情報データ(承認前)、仕訳明細データ(固定資産、承認前)が生成され、記憶制御部24により承認前データテーブル11に記憶される。
【0072】
この場合、実データテーブル12には、
図16(a)~
図16(e)に示すように、現在、移動申請されている固定資産がA部門で所有されていた際の、資産情報データ、移動情報データ、月別償却情報データ、履歴情報データ、及び、仕訳明細データ(固定資産)が記憶されている。
【0073】
この状態において、固定資産の移動が経理部により承認されると、データ生成部23は、
図15(a)~
図15(e)に示したように、承認前データテーブル11に記憶されていた承認前の各種データで、
図17(a)~
図17(e)に示す資産情報データ、移動情報データ、月別償却情報データ、履歴情報データ、及び、仕訳明細データ(固定資産)が生成される。記憶制御部24は、この生成された実データで、実データテーブル12を更新する。
【0074】
(4月に取得した固定資産を6月に移動登録する動作)
次に、4月に取得した固定資産を6月に移動登録する場合における実施の形態の固定資産管理装置1の動作を説明する。この場合、まず、現場より、4月に取得した固定資産の登録申請が行われると、
図18(a)~
図18(d)に示すように、資産情報データ(承認前)、月別償却情報データ(承認前)、履歴情報データ(承認前)、及び仕訳明細データ(固定資産、承認前)がデータ生成部23により生成され、記憶制御部24により承認前データテーブル11に記憶される。
【0075】
そして、経理部で承認されると、
図19(a)~
図19(d)に示すように、4月に取得した固定資産の登録申請に対応する、資産情報データ、月別償却情報データ、履歴情報データ、及び仕訳明細データ(固定資産)がデータ生成部23により生成され、記憶制御部24により実データテーブル12に記憶される。この際、データ生成部23は、
図19(c)に示すように、履歴情報データの更新区分を「1:新規」に更新する。
【0076】
なお、経理部の承認が完了し、承認前の各種データに対応する実データで実データテーブル12が更新されると、承認前データテーブル11に記憶されている各種データは削除される。
【0077】
この状態で、
図20に示すように、4月度及び5月度に月次処理を実行し、6月度に、移動日及び移動仕訳計上日を共に「6月1日」として、現場から固定資産の移動申請がされたとする。これにより、
図20(a)~
図20(e)に示すように、資産情報データ(承認前)、移動情報データ(承認前)、月別償却情報データ(承認前)、履歴情報データ(承認前)、及び仕訳明細データ(固定資産、承認前)が生成され、記憶制御部24は、により承認前データテーブル11に記憶される。
【0078】
また、履歴情報データ(承認前)の新規計上日としては、固定資産の移動仕訳計上日が設定されることとなっているため、データ生成部23は、
図20(d)に示すように、この場合の移動仕訳計上日である「2022年6月1日」を新規計上日として設定する。
【0079】
また、この例の場合、A部門が所有する固定資産が、6月度からB部門に移動となるため、データ生成部23は、
図20(c)に示すように、4月及び5月の計上部門をA部門とし、6月度よりも後は計上部門をB部門とする月別償却情報データ(承認前)を生成する。
【0080】
また、この例は、6月度からの固定資産の移動申請が、まだ承認されていない状態である。このため、実データテーブル12には、
図21(a)~
図21(e)に示すように、A部門が固定資産を所有していることを示す旧実データである、資産情報データ、移動情報データ、月別償却情報データ、履歴情報データ、及び、仕訳明細データ(固定資産)が記憶されている。
【0081】
(移動登録の承認が未完了の状態での移動仕訳の作成指示に対する動作)
この状態において、移動仕訳データの作成は、
図22に示すように、経理部の業務オペレータが、表示制御部25により表示される仕訳データ作成画面で「移動仕訳」及び移動月を選択し、「作成」のボタンを操作することで指定される。経理部の業務オペレータが、このような操作を、固定資産の移動登録の承認が未完了の状態で行ったとすると、データ生成部23は、
図21(e)に示す実データテーブル12の仕訳明細データ(固定資産)の事由区分及び発生日を参照する。そして、データ生成部23は、事由区部が「3:移動」で、かつ、発生日が「2022年6月度」となる仕訳明細データ(固定資産)が記憶されているか否かを判別する。
【0082】
この場合、事由区部が「3:移動」で、かつ、発生日が「2022年6月度」となる仕訳明細データ(固定資産)は存在しないため、データ生成部23は、「対象データ無し」と判別し、移動仕訳データの作成を中止する。これにより、財務会計システム52に対する移動仕訳データの送信も行われない。
【0083】
(移動登録の承認が未完了の状態での月別減価償却仕訳の作成動作)
また、月別減価償却仕訳データの作成は、
図23に示すように、経理部の業務オペレータが、表示制御部25により表示される仕訳データ作成画面で「減価償却仕訳」及び減価償却月を選択し、「作成」のボタンを操作することで指定される。経理部の業務オペレータが、固定資産の移動申請が未承認の状態で、このような操作が行われた場合、データ生成部23は、
図21(c)に示す実データテーブル12の月別償却情報データを参照し、
図23に示す仕訳データ作成画面で指定されている月度である2022年6月度で、かつ、連携済区分が「未連携」となっている月別償却情報データを検出する。
【0084】
また、これと共に、データ生成部23は、
図20(d)に示す承認前データテーブル11の履歴情報データ(承認前)を参照し、「新規計上日の月度≦連携しようとしている月度(6月度)」の条件を満たす新規計上日が設定されている履歴情報データの有無を判別する。
図20(d)の例の場合、新規計上日に対して「2022年6月1日」が設定されているため、「新規計上日の月度≦連携しようとしている月度(6月度)」の条件を満たす新規計上日が設定されている履歴情報データが存在する。これは、6月度における固定資産の移動申請は、経理部により未承認であることを意味する。
【0085】
このため、データ生成部23は、承認されていない2022年6月度のデータを除外すべく、
図21(c)に示す実データテーブル12の月別償却情報データから検出した、仕訳データ作成画面で指定された2022年6月度の月度であり、かつ、連携済区分が「未連携」となっている月別償却情報データから、
図20(d)に示す承認前データテーブル11の履歴情報データ(承認前)から検出した「新規計上日の月度≦連携しようとしている月度(6月度)」の履歴情報データに対応する月別償却情報データを差し引いて(除外して)、減価償却仕訳データの作成を行う。作成された減価償却仕訳データは、
図23に示す「送信」ボタンが操作された際に、通信制御部27により、財務会計システム52に送信され連携される。
【0086】
(月度確定処理時のエラー表示動作)
次に、現在、4月度及び5月度の確定処理が完了している状態で、
図24に示すように、業務オペレータにより、対象月度を2022年6月度として月度の確定処理が指定された場合、アラート出力制御部26が、承認前データテーブル11の履歴情報データ(承認前)に、「新規計上日の月度≦更新月度」の条件を満たす履歴情報データ(承認前)が存在するか否かを判別する。すなわち、アラート出力制御部26は、承認前データテーブル11に、これから更新する月度である6月以前の月度の履歴情報データ(承認前)が残っているか否かを判別する。
【0087】
承認前データテーブル11に、これから更新する月度である6月以前の月度の履歴情報データ(承認前)が残っている場合、アラート出力制御部26は、
図24及び
図11(a)に示すように、承認前データテーブル11に残っている履歴情報データ(承認前)をエラー対象のデータとして検出する。そして、アラート出力制御部26は、未承認のデータ(申請)がある旨のエラーメッセージを、出力装置7を介して表示する。これにより、データ生成部23による月度確定処理用のデータの作成が中止され、現在月度マスタテーブル14に対するデータ更新も中止される。
【0088】
なお、承認前データテーブル11に未承認の履歴情報データ(承認前)が残っている場合、経理部の業務オペレータは、別途、承認用の画面を起動して、未承認の申請の承認を行ったうえで、再度、月度確定処理を行うこととなる。
【0089】
一方、承認前データテーブル11の履歴情報データ(承認前)に、「新規計上日の月度≦更新月度」の履歴情報データ(承認前)が残っていない場合、これは、各申請に対する承認が完了しており、
図25(a)~
図25(e)に示すように、連携する仕訳データを作成するための各種データが、実データテーブル12上に記憶されていることを意味する。
【0090】
このため、
図26及び
図27に示すように、経理部の業務オペレータにより、仕訳データ作成画面に基づいて移動仕訳データ又は減価償却仕訳データの作成が指定されると、データ生成部23は、上述のように実データテーブル12の各種データに基づいて移動仕訳データ又は減価償却仕訳データを作成する。移動仕訳データ又は減価償却仕訳データが作成されると、業務オペレータは、仕訳データ作成画面の「送信」ボタンを操作して、移動仕訳データ又は減価償却仕訳データの送信を指定する。これにより、移動仕訳データ又は減価償却仕訳データが財務会計システム52に送信され、連携が図られる。
【0091】
また、
図28に示すように、6月度の月度確定処理が指定されると、アラート出力制御部26は、承認前データテーブル11に記憶されている各申請に含まれる履歴情報データ(承認前)に、「新規計上日の月度≦更新月度」の条件を満たす履歴情報データ(承認前)が存在するか否かを判別する。すなわち、アラート出力制御部26は、承認前データテーブル11に、未承認の申請の有無を判別する。
【0092】
「新規計上日の月度≦更新月度」の条件を満たす履歴情報データ(承認前)が存在するということは、承認前データテーブル11に未承認の申請が残っていることを意味する。このため、アラート出力制御部26は、
図24及び
図11(a)に示すように、承認前データテーブル11に残っている履歴情報データ(承認前)をエラー対象のデータとして検出する。そして、アラート出力制御部26は、未承認のデータが存在する旨のエラーメッセージを、出力装置7を介して表示する。この場合、データ生成部23は、月度確定用のデータの生成を中止する。これにより、月次確定のデータによる現在月度マスタテーブル14の更新も中止される。
【0093】
これに対して、アラート出力制御部26により、承認前データテーブル11に、未承認の申請に対応する履歴情報データ(承認前)が残っていないと判別されると、データ生成部23は、月次確定用のデータを生成する。記憶制御部24は、生成された月次確定用のデータで、現在月度マスタテーブル14を更新する。
【0094】
(未来分の異動登録を事前に登録する場合(未来月で移動登録する場合))
次に、現在において承認は完了していないが、償却金額については将来的に変動がない場合がある。実施の形態の固定資産管理装置1では、承認前データテーブル11の履歴情報データ(承認前)に含まれる「新規計上日」に基づいて、償却仕訳データの連携が可能であるか否かを判別して、財務会計システム52との間の連携を制御する。そして、例えば未来月でその固定資産の移動登録が行われることを予め認識している等の場合は、減価償却仕訳データの連携を可能としている。
【0095】
具体的には、4月度に取得した固定資産を6月度で移動することが決まっており、5月度に、この固定資産の移動登録を行う場合を例として説明を行う。また、
図29(a)~
図29(d)に示すように、「2022年4月1日」を取得日、償却開始日及び仕訳計上開始日として新規登録申請が行われ、この新規登録申請が承認され、
図30に示すように4月度の月度確定処理が完了している状態とする。
【0096】
この状態において、現場は、5月度に、移動日及び移動仕訳計上日を共に「2022年6月1日」で指定し、移動元部門を「A部門」、移動先部門を「B部門」として指定して固定資産の移動申請を行ったとする。これにより、データ生成部23は、
図31(b)に示すように移動仕訳計上日を「2022年6月1日」とした移動情報データ(承認前)を生成する。また、データ生成部23は、
図31(c)に示すように、4月度及び5月度はA部門で減価償却を行い、移動後の6月度よりも後はB部門で減価償却を行うことを示す月別償却情報データ(承認前)を生成する。また、データ生成部23は、
図31(e)に示すように、新規計上日として移動仕訳計上日である「2022年6月1日」が設定された履歴情報データ(承認前)を生成する。
【0097】
なお、このような5月度の移動申請は、この時点では未承認であるため、実データテーブル12上のデータは、
図32に示すように移動予定の固定資産が部門Aで所有して償却していることを示すデータとなる。
【0098】
次に、
図33に示すように、このような移動登録が未承認の状態で、5月の移動仕訳の作成が業務オペレータから指定された場合、データ生成部23は、
図32(e)に示す実データテーブル12の仕訳明細データ(固定資産)のうち、事由区分が「3:移動」であり、かつ、発生日の月度が「2022年5月度」となる仕訳明細データ(固定資産)が存在するか否かを判別する。この場合、事由区分が「3:移動」で、発生日の月度が「2022年5月度」となる仕訳明細データ(固定資産)は存在しないため、「対象データなし」となり、移動仕訳データの作成が中止される。なお、6月度においても同様である。
【0099】
また、
図34に示すように、移動登録の承認がされていない状態で、5月度の減価償却仕訳データの作成が業務オペレータから指定された場合、データ生成部23は、
図32(c)に示す実データテーブル12の月別償却情報データを参照し、月度が2022年5月度で、かつ、連携済区分が「未連携」となっている月別償却情報データを抽出する。
図32(c)の例の場合、5月度の月別償却情報データが抽出される。
【0100】
これと共に、データ生成部23は、
図31(d)に示す承認前データテーブル11の履歴情報データ(承認前)を参照し、「新規計上日の月度(6月度)≦連携しようとしている月度(5月度)」の履歴情報データ(承認前)の有無を判別する。この例の場合、
図34に示すように「2022年5月度」が、連携しようとしている月度として指定されているため、データ生成部23は、承認前データテーブル11には該当する履歴情報データ(承認前)は存在しないものと判別する。
【0101】
最後にデータ生成部23は、上述のように
図32(b)に示す実データテーブル12の月別償却情報データから、
図31(d)に示す承認前データテーブル11の履歴情報データ(承認前)から抽出した「新規計上日の月度(6月度)≦連携しようとしている月度(5月度)」の条件を満たす履歴情報データ(承認前)を差し引く(除外する)。
【0102】
この場合、差し引く履歴情報データ(承認前)が存在しないため、データ生成部23は、実データテーブル12の5月度の月別償却情報データに基づいて減価償却仕訳データを作成する。作成された減価償却仕訳データは、業務オペレータから送信が指示された際に、通信制御部27により、財務会計システム52に送信され連携される。
【0103】
次に、
図35に示すように、業務オペレータにより、この2022年5月度の月度確定処理が指定された場合、アラート出力制御部26は、承認前データテーブル11の履歴情報データ(承認前)に、「新規計上日の月度≦更新月度」の条件を満たす履歴情報データ(承認前)が存在するか否かを判別する。すなわち、アラート出力制御部26は、承認前データテーブル11に、これから更新する月度である5月度以前の月度の履歴情報データ(承認前)が残っているか否かを判別する。
【0104】
承認前データテーブル11の履歴情報データ(承認前)に、「新規計上日の月度≦更新月度」の履歴情報データ(承認前)が残っている場合、アラート出力制御部26は、上述のように、承認前データテーブル11に残っている履歴情報データ(承認前)をエラー対象のデータとして検出する。そして、アラート出力制御部26は、未承認のデータ(申請)が存在する旨のエラーメッセージを、出力装置7を介して表示する。これにより、財務会計システム52に対する連携対象から漏れる不都合を防止できる。すなわち、月次確定のタイミングで未承認データを検知し、「確定した仕訳送信データ」から漏れることを防止することができる。
【0105】
なお、承認前データテーブル11に未承認の履歴情報データ(承認前)が残っている場合、経理部の業務オペレータは、別途、承認用の画面を起動して、未承認の履歴情報データ(承認前)の承認を行ったうえで、月度確定処理を行うことは上述のとおりである。
【0106】
また、この5月度よりも後の月は、6月度に、
図36(a)~
図36(e)に示すように固定資産の移動申請の承認を完了し、
図37及び
図38に示すように移動仕訳データ又は減価償却仕訳データを作成する。そして、
図39に示すように、データ生成部23が、承認前データテーブル11の履歴情報データ(承認前)に、「新規計上日の月度≦更新月度」の条件を満たす履歴情報データ(承認前)が存在するか否かを判別し、存在しない場合に現在月度マスタテーブル14に対して更新月度の更新処理を行う。
【0107】
(現在月度マスタテーブルの更新制御、及び、仕訳計上日に設定動作)
ここで、このような現在月度マスタテーブル14に対する更新月度の更新処理、及び、現在月度マスタテーブル14を用いた仕訳計上日の設定動作の一例を説明する。現在月度マスタテーブル14に対する更新月度の更新を行う場合、業務オペレータは、
図58(a)に示す月度仮締確定処理画面において、例えば「2022年6月度」を更新月度とし、処理内容として「確定」を選択して「実行」を指定操作する。
【0108】
このような現在月度マスタテーブル14に対する更新月度の更新処理の実行が指定されると、チェック処理部22は履歴情報データ(承認用)を参照し、「新規計上日の月度≦更新月度」となる明細データの有無をチェックする。チェック処理部22は、
図11(a)に示す例の場合、履歴情報データ(承認用)に「新規計上日の月度≦更新月度」となる明細データ(エラー対象)が存在するものと判別し、
図11(b)に示す例の場合、履歴情報データ(承認用)に「新規計上日の月度≦更新月度」となる明細データが存在しないものと判別する。
【0109】
記憶制御部24は、履歴情報データ(承認用)に「新規計上日の月度≦更新月度」となる明細データが存在しない場合(
図11(b)の例の場合)、
図57に示す月度期間マスタ15を参照し、現在の月度を検出する。
図58(a)の例の場合、更新月度として「2022年6月度」が指定されているため、記憶制御部24は、月度期間マスタ15から現在の月度として「2022年6月度」を検出する。そして、記憶制御部24は、月度期間マスタ15から検出した2022年6月度」に一月を加算することで、現在月度を「2022年7月度」とし、
図58(b)に示すように、この「2022年7月度」を「0(未締め)」の状態として現在月度マスタテーブル14を更新する。
【0110】
このような現在月度マスタテーブル14は、各種異動登録画面の仕訳計上日の設定等に用いられる。例えば、固定資産の移動登録時となると、データ生成部23は、
図58(c)に示す移動登録画面に対して業務オペレータにより入力された移動日(
図58(c)の例は、2022年6月1日)、現在月度マスタテーブル14の現在月度(
図58(b)の例は、2022年7月1日)、月別償却情報データの仕訳連携済の月度に一月を加算した月度の開始日を取得する。なお、データ生成部23は、現在月度マスタテーブル14の現在月度としては、未締めの場合は「現在月度」を取得し、仮締めの場合は「現在月度に一月を加算処理した月の初日」を取得する。そして、データ生成部23は、取得した各日付のうち、一番大きな日付を、
図58(c)に示す移動登録画面の移動仕訳計上日の表示欄に表示する。
【0111】
このように、未来月で移動の登録を行っている場合、月締めを行っていない月に関しては、減価償却費の連携を行うことができる。
【0112】
(減価償却費の連携が禁止される場合)
次に、未来月での移動登録を行う固定資産を、誤って当月で移動登録した場合、業務オペレータは、修正モードで、当月の移動登録を未来月での移動登録に修正する。例えば、4月度に取得した資産を6月度に移動登録(移動日6月)して承認が完了したが、この後に移動の月度の誤りが認識され、7月度に移動登録の移動日が修正されるとする。
【0113】
順を追って説明すると、この固定資産が
図40(a)~
図40(d)に示すように「2022年4月1日」に取得され、4月から減価償却を開始する申請が行われたとする。この申請が経理部により承認されると、
図41に示すように、申請内容に応じて実データテーブル12が更新される。この固定資産を、
図42(a)~
図42(e)に示すように、6月度において「2022年6月1日」を移動日及び移動仕訳計上日として移動申請したとする。この移動申請が承認される前は、
図43(a)~
図43(e)に示すように実テーブル12上の各種データは、移動前の5月度までの連携が完了したデータのままである。移動申請が承認されると、
図42に示す申請内容に応じて、実データテーブル12の各種データが
図44(a)~
図44(e)に示すように更新処理される。
【0114】
この状態で、現在の月度である6月度において、固定資産の移動月の誤りが発覚した場合、業務オペレータは、
図45に示すように、制御部3を修正モードに移行させる。修正モードに移行すると、データ生成部23は、
図44(a)~
図44(e)に示したように、実データテーブル12に記憶されている、連携が完了している5月度までの各種データに基づいて、
図45(a)~
図45(e)に示す各種データを生成し、記憶制御部24により承認前データテーブル11に記憶される。
【0115】
業務オペレータは、固定資産の移動日及び移動仕訳計上日を「2022年6月1日」から「2022年7月1日」にする修正入力操作を行う。これにより、データ生成部23は、
図45(b)に示すように、承認前テーブル11上の移動情報データ(承認前)の移動日及び移動仕訳計上日を「2022年7月1日」に修正し、
図45(c)に示すように、月別償却情報データ(承認前)の6月度の計上部門を「A部門」に修正する。また、データ生成部23は、
図45(d)に示すように履歴情報データ(承認前)の更新区分を「2:修正」とする。
【0116】
ここで、履歴情報データ(承認前)の「新規計上日」であるが、固定資産の新規登録時には移動仕訳計上日と同日が設定されるが、修正モードの場合、データ生成部23は、
図46(d)に示す、最初に移動登録した際の新規計上日である「2022年6月1日」を設定する。
【0117】
この修正した移動申請が未承認の状態で、
図47に示すように、業務オペレータにより移動仕訳データの作成が指定された場合、データ生成部23は、
図46(e)に示す実データテーブル12の仕訳明細データ(固定資産)の事由区分及び発生日を参照する。この事由区分が「3:移動」となっており、かつ、発生日の月度である「2022/6月度」となる仕訳明細データ(固定資産)の有無を判別する。この例の場合、事由区分が「3:移動」となっており、かつ、発生日の月度である「2022/6月度」となる仕訳明細データ(固定資産)は存在する。
【0118】
事由区分が「3:移動」となっており、かつ、発生日の月度である「2022/6月度」となる仕訳明細データ(固定資産)が存在する場合、データ生成部23は、
図45(d)に示す承認前データテーブル11の履歴情報データ(承認前)を参照し、事由区分「3:移動」で、かつ、「新規計上日の月度≦連携対象月度(2022/6月度)」となる同一の資産番号である「e-000」の履歴情報データ(承認前)の有無を判別する。
【0119】
すなわち、データ生成部23は、承認前データテーブル11を参照することで、実データテーブル12で検出した固定資産と同じ固定資産の移動が、未承認となっていないか、を判別する。この例の場合、同じ資産番号(e-000)で未承認となっている固定資産の移動申請(履歴情報データ(承認前))が存在する。このため、データ生成部23は、対象データなし(連携の対象となるデータは、なし)として、移動仕訳データの生成を中止する。
【0120】
また、上述のように、修正した移動申請が未承認の状態で、
図48に示すように、業務オペレータにより減価償却仕訳データの作成が指定された場合、データ生成部23は、
図46(c)に示す実データテーブル12の月別償却情報データを参照し、月度が「2022年6月」で、かつ、連携済区分が「未連携」となっている月別償却情報データを抽出する。
図46(c)の例では、資産番号が「e-000」の6月度の月別償却情報データが抽出される。
【0121】
次に、データ生成部23は、このように抽出した資産番号が「e-000」の6月度の月別償却情報データが未承認となっていないか、ということを確認するために、
図45(d)に示す承認前データテーブル11の履歴情報データ(承認前)を参照し、「新規計上日の月度≦連携しようとしている月度(6月度)」の履歴情報データの有無を判別する。この例の場合、資産番号が「e-000」で新規計上日を「2022年6月1日」とした「移動」の申請が未承認となっている。
【0122】
データ生成部23は、実データテーブル12から検出された資産番号が「e-000」の6月度の月別償却情報データから、資産番号が「e-000」の固定資産の月別償却情報データを差し引く(除外する)。これにより、資産番号が「e-000」の固定資産の月別償却仕訳データの作成及び連携は行われない。
【0123】
次に、
図49に示すように、業務オペレータにより、この2022年6月度の月次確定処理が指定された場合、アラート出力制御部26は、承認前データテーブル11の履歴情報データ(承認前)に、「新規計上日の月度≦更新月度」の条件を満たす履歴情報データ(承認前)が存在するか否かを判別する。すなわち、アラート出力制御部26は、承認前データテーブル11に、これから更新する月度である6月以前の月度の履歴情報データ(承認前)が残っていないか否かを判別する。
【0124】
承認前データテーブル11の履歴情報データ(承認前)に、「新規計上日の月度≦更新月度」の履歴情報データ(承認前)が存在する場合、アラート出力制御部26は、上述のように、承認前データテーブル11に存在する履歴情報データ(承認前)をエラー対象のデータとして検出する。そして、アラート出力制御部26は、未承認のデータがある旨のエラーメッセージを、出力装置7を介して表示する。これにより、財務会計システム52に対する連携対象から漏れる不都合を防止できる。すなわち、月次確定のタイミングで未承認データを検知し、「確定した仕訳送信データ」から漏れることを防止することができる。
【0125】
これに対して、承認前データテーブル11の履歴情報データ(承認前)に、「新規計上日の月度≦更新月度」の履歴情報データ(承認前)が存在しない場合、2022年6月度の月度確定処理が実行される。
【0126】
次に、業務オペレータにより移動月の修正の承認が完了すると、データ生成部23により、
図50(a)に示すように計上部門を「B部門」とした資産情報データ、
図50(c)に示す、6月よりも後の計上部門を「B部門」とした月別償却情報データ、
図50(d)に示すように履歴日付である「2022年7月1日」付けで移動修正が行われたことを示す、更新区分を「2:修正」とした履歴情報データ等の各種データが生成されて実データテーブル12に記憶される。
【0127】
この後、業務オペレータの操作に従って、
図51及び
図52に示すように生成された移動仕訳データ又は減価償却仕訳データが財務会計システム52に送信されて連携され、また、
図53に示すように月度確定処理により、現在月度マスタテーブル14が更新されることは、上述のとおりである。
【0128】
(仕訳連携動作のまとめ)
最後に、一連の仕訳連携動作の流れを説明する。なお、以下に説明するステップの処理は、記憶部2に記憶されている固定資産管理プログラムに基づいて制御部3により実行される。
【0129】
(画面構成)
まず、
図54は、仕訳データ作成画面の画面項目を示す図である。この
図54に示すように、表示制御部25は、仕訳作成画面に対して、出力仕訳の選択欄、対象年月の選択欄、及び、減価償却対象年月の選択欄を表示する。
【0130】
「出力仕訳」の選択欄では、送信を行う仕訳の種類を選択する。「対象年月」の選択欄では、出力仕訳で移動仕訳を選択している場合、作成対象とする月度を選択する。「減価償却対象年月」では、減価償却仕訳データの作成対象とする月度を選択する。
【0131】
このような仕訳データ作成画面において、業務オペレータは、「出力仕訳」の選択欄に基づいて、連携を行う仕訳の種類を選択する。例えば、移動仕訳を連携する場合、移動仕訳のチェックボックスにチェックを入力する。
【0132】
次に、業務オペレータは、「対象年月」の選択欄で、所望の対象年月を選択する。例えば、「対象年月」として「2022年6月度」を指定することで、2022年6月度に発生した移動の仕訳が連携対象となる。
【0133】
次に、業務オペレータは、仕訳データ作成画面上で「作成」の文字が表示された作成ボタンを操作する。これにより、データ生成部23は、連携対象となる仕訳データを作成(もしくは呼び出し)する。
【0134】
表示制御部25は、業務オペレータにより表示が指定されると、このように作成(又は呼び出し)された仕訳データを、出力装置7を介して表示する。これにより、業務オペレータは、作成(又は呼び出し)された仕訳データを確認することができる。
【0135】
次に、業務オペレータは、仕訳データ作成画面上で「送信」の文字が表示された送信ボタンを操作する。これにより、通信制御部27は、作成された仕訳データを財務会計システム52に送信し、連携を図る。
【0136】
(移動仕訳の連携)
次に、移動仕訳データの連携動作を説明する。なお、上述のように「異動」には多数の事象が存在するため、この例では、一例として「異動」は「移動」であることとして説明を行う。
【0137】
業務オペレータにより仕訳データ作成画面上の作成ボタンが操作されると、データ生成部23は、ステップS1として、仕訳明細データ(固定資産)に基づいて、
図55に示すように仕訳データ作成画面上で選択された事由(取得、移動等)、かつ、仕訳データ作成画面で選択された対象年月のデータを抽出する。
【0138】
次に、データ生成部23は、ステップS2として、履歴情報データ(承認前)から仕訳データ作成画面で選択した事由(例えば「移動」)、かつ、「新規計上日の月度≦画面の対象年月(2022年6月度)」となる資産番号のデータを抽出する。
【0139】
次に、データ生成部23は、ステップS3として、ステップS1で抽出した仕訳明細データ(固定資産)から、ステップS2で抽出した資産のデータを差し引き(除外し)、連携する移動仕訳対象データを確定する。そして、データ生成部23は、確定した分の移動仕訳データを、
図1及び
図4に示す送信仕訳ワーク13に記憶する。
【0140】
そして、仕訳データ作成画面上の送信ボタンが操作されると、通信制御部27は、ステップS4として、ステップS3で確定した移動仕訳データを財務会計システム52に送信する。送信された移動仕訳データは、財務会計システム52において、連携仕訳明細データとしてデータベースに記憶され連携が図られる。
【0141】
次に、データ生成部23は、ステップS5として、ステップS4で連携された移動仕訳データ(固定資産)の連携済区分を「連携済(済)」に更新する(
図14(d)等を参照)。
【0142】
(減価償却仕訳の連携)
次に、減価償却仕訳データの連携動作を説明する。この場合、業務オペレータは、
図56に示すように、連携を行う仕訳データの種類を選択する。この例は、減価償却仕訳データの連携行う例であるため、業務オペレータは、仕訳データ作成画面上の減価償却仕訳のチェックボックスにチェックを入力操作する。
【0143】
また、これと共に、業務オペレータは、仕訳データ作成画面上で減価償却対象年月を選択して指定する。例えば、この
図56の例のように、「2022年4月度~2022年5月度」を選択して指定することで、2022年4月度から5月度の減価償却仕訳が作成及び連携の対象となる。
【0144】
次に、業務オペレータは、仕訳データ作成画面の作成ボタンを操作する。これにより、データ生成部23は、連携対象となる月別減価償却仕訳データを作成(又は呼び出し)する。作成された月別減価償却仕訳データは、上述のように表示制御部25により表示され、これにより業務オペレータは、月別減価償却仕訳データを確認することができる。
【0145】
次に、業務オペレータは、仕訳データ作成画面の送信ボタンを操作する。これにより、作成(又は呼び出し)された月別減価償却仕訳データが財務会計システム52に送信され連携が図られる。
【0146】
すなわち、業務オペレータにより仕訳データ作成画面の作成ボタンが操作されると、データ生成部23は、ステップS11として、仕訳データ作成画面上で選択された対象年月のデータを、月別償却情報データ(固定資産)から抽出する。
【0147】
次に、データ生成部23は、ステップS12として、履歴情報データ(承認前)から「新規計上日の月度≦画面の対象年月(2022年6月度)」となる資産番号のデータを抽出する。
【0148】
次に、データ生成部23は、ステップS13として、ステップS11で抽出した月別償却情報データから、ステップS12で抽出した資産番号のデータを差し引き(除外し)、連携する減価償却仕訳データの対象を確定して減価償却仕訳データを作成する。記憶制御部24は、作成された減価償却仕訳データを、送信仕訳ワーク13に記憶する。
【0149】
次に、業務オペレータにより仕訳データ作成画面の送信ボタンが操作されると、ステップS14として、記憶制御部24が、ステップS13で作成された減価償却仕訳データを財務会計システム52に送信する。送信された減価償却仕訳データは、財務会計システム52において、連携仕訳明細データとしてデータベースに記憶され連携が図られる。
【0150】
次に、データ生成部23は、ステップS15として、実データテーブル12に記憶されている月別償却情報データのうち、ステップS14で連携された減価償却仕訳データに対応する月別償却情報データ等の連携済区分を「連携済(済)」に更新する(
図14(b)等を参照)。
【0151】
(実施の形態の効果)
一つの資産に対して、複数の異動事象(取得、移動、除却など)が起こる固定資産の承認をそれぞれ行いたい。固定資産情報は、異動事象によって償却計算結果(償却金額又は償却費を計上する組織等)が変わるため、時系列に処理制御をかける必要がある。また、承認中の資産に対して、別の異動情報の登録が出来ないように制御をかける必要がある。
【0152】
また、異動情報の登録だけでなく、実施の形態の固定資産管理装置1から財務会計システム52へは各種仕訳の連携を行っている。財務会計システム52と連携を図る仕訳データとしては、例えば異動(一例として移動)仕訳データと償却仕訳データの2種類が存在する。このような異動仕訳データ及び償却仕訳データは、経理部等での承認途中で金額又は計上組織等の情報の修正等が発生する可能性があるため、金額及び計上組織が確定したもののみを財務会計システム52との間で連携することが好ましい。
【0153】
しかし場合によっては、連携対象月の償却計算結果が変動しないような異動登録のパターンも存在する。例えば、未来月の異動登録を事前に登録する場合、異動月までの償却額及び計上組織等に変動はない。このように、変動がない月度の償却仕訳については会計システムへ連携させる必要がある。
【0154】
このようなことから、実施の形態の固定資産管理装置1では、「新規計上日」という項目で承認前の各種データを管理し、この「新規計上日」の月度と、送信する仕訳データの連携月度を比較し、この比較結果に基づいて、仕訳データの送信可否の制御を行う。
【0155】
これにより、償却計算結果が変動する仕訳データは、財務会計システム52への送信を送信対象から除外して連携を止めることができる。また、償却計算結果が変動しない仕訳データのみ、財務会計システム52に送信して連携を図ることができる。従って、内容が確定した仕訳データで財務会計システムとの間の連携を図ることができる。
【0156】
また、締め(月度の確定処理)を使用としているデータで未承認データをアラート表示することで、内容が確定した仕訳データに含めるべき内容の未承認漏れ、仕訳連携漏れを防止することができる。
【0157】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0158】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0159】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0160】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0161】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0162】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0163】
また、固定資産管理装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0164】
例えば、固定資産管理装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて固定資産管理装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0165】
また、この固定資産管理装置1の固定資産管理プログラムは、固定資産管理装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0166】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための固定資産管理プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0167】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した固定資産管理装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0168】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0169】
また、固定資産管理装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0170】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0171】
本発明は、全業種及び業界に適用可能である。特に、大手及び資産保有件数が多い企業の固定資産管理に適用して好適である。
【符号の説明】
【0172】
1 固定資産管理装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 承認前データテーブル
12 実データテーブル
13 送信仕訳ワーク
14 現在月度マスタテーブル
21 取得部
22 チェック処理部
23 データ生成部
24 記憶制御部
25 表示制御部
26 アラート出力制御部
27 通信制御部
28 算出部
50 ネットワーク
51 財務会計サーバ装置
52 財務会計システム