(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103045
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】鉄筋結束ロボット
(51)【国際特許分類】
E04G 21/12 20060101AFI20240725BHJP
B21F 15/06 20060101ALI20240725BHJP
B25J 5/02 20060101ALI20240725BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20240725BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240725BHJP
【FI】
E04G21/12 105E
B21F15/06
B25J5/02 B
B25J13/08 A
G06T7/00 300D
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007174
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】海老原 世親
【テーマコード(参考)】
3C707
4E070
5L096
【Fターム(参考)】
3C707AS21
3C707CS05
3C707KS03
3C707KS04
3C707KT03
3C707LT06
3C707LT12
4E070AA01
4E070AB06
4E070AC03
4E070BA02
4E070DB05
5L096AA03
5L096AA06
5L096FA10
5L096FA69
5L096GA51
5L096JA09
(57)【要約】
【課題】交差する鉄筋同士の結束作業の効率化を図ることができる鉄筋結束ロボットを提供する。
【解決手段】本開示に係る鉄筋結束ロボットは、[独立請求項案:濃淡を利用して鉄筋を検出]延伸方向が第1の方向である複数の第1鉄筋と、延伸方向が第1の方向に交差する第2の方向であり第1鉄筋と交差するように配置される複数の第2鉄筋と、を含む鉄筋群上を走行可能に構成される走行ユニットと、少なくとも一つの第1鉄筋及び/または少なくとも一つの第2鉄筋を検出可能に構成されるセンサユニットと、センサユニットの検出結果により生成される二次元画像を構成する複数の画素の画素値に基づき、センサユニットにより検出される少なくとも一つの第1鉄筋及び/または少なくとも一つの第2鉄筋の位置を算出するように構成される鉄筋位置算出ユニットと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
延伸方向が第1の方向である複数の第1鉄筋と、延伸方向が前記第1の方向に交差する第2の方向であり前記第1鉄筋と交差するように配置される複数の第2鉄筋と、を含む鉄筋群上を走行可能に構成される走行ユニットと、
少なくとも一つの前記第1鉄筋及び/または少なくとも一つの前記第2鉄筋を検出可能に構成されるセンサユニットと、
前記センサユニットの検出結果により生成される二次元画像を構成する複数の画素の画素値に基づき、前記センサユニットにより検出される前記少なくとも一つの前記第1鉄筋及び/または前記少なくとも一つの前記第2鉄筋の位置を算出するように構成される鉄筋位置算出ユニットと、
を備える、鉄筋結束ロボット。
【請求項2】
第1鉄筋及び/または第2鉄筋の部分画像を含む少なくとも一つのテンプレート画像の情報を格納する記憶装置を備え、
前記二次元画像は、濃淡画像を含み、前記鉄筋位置算出ユニットは、前記濃淡画像を、前記テンプレート画像と照合することにより、前記少なくとも一つの前記第1鉄筋の及び/または前記少なくとも一つの前記第2鉄筋の前記位置を算出する、
請求項1に記載の鉄筋結束ロボット。
【請求項3】
前記鉄筋位置算出ユニットは、前記濃淡画像を構成する画素の濃度値が、第1閾値以上である場合に、前記第1閾値以上の前記濃度値を有する画素に対応する位置に前記第1鉄筋の少なくとも一部及び/または前記第2鉄筋の少なくとも一部が存在すると判断する、
請求項2に記載の鉄筋結束ロボット。
【請求項4】
前記センサユニットは、検出対象物の表面の複数の点のx座標、y座標、及びz座標を検出可能な3次元センサを含み、
前記3次元センサにより検出されるz座標値が、前記z座標値の大きさに応じて異なる画像濃度に変換され、
前記濃淡画像は、前記x座標と、前記y座標と、前記画像濃度とに基づき2次元画像を構成することにより生成される、
請求項2に記載の鉄筋結束ロボット。
【請求項5】
前記センサユニットは、撮像装置を含み、
前記濃淡画像は、前記撮像装置により撮像された画像に基づき生成される、
請求項2に記載の鉄筋結束ロボット。
【請求項6】
前記鉄筋位置算出ユニットは、前記濃淡画像と、前記テンプレート画像とのマッチング度に基づき、前記少なくとも一つの前記第1鉄筋及び/または前記少なくとも一つの前記第2鉄筋の前記位置を算出する、
請求項2に記載の鉄筋結束ロボット。
【請求項7】
前記鉄筋位置算出ユニットは、前記マッチング度が所定の基準値以上か判断し、
前記マッチング度が前記所定の基準値以上である場合に、前記センサユニットによる検出範囲内に前記第1鉄筋及び/または前記第2鉄筋が存在すると判断する、
請求項6に記載の鉄筋結束ロボット。
【請求項8】
前記鉄筋結束ロボットの前記鉄筋群からの高さを算出するロボット高さ算出ユニットを備え、
前記所定の基準値は、前記鉄筋結束ロボットの異なる高さに応じた複数の基準値を含み、
前記鉄筋位置算出ユニットは、前記複数の基準値に、前記ロボット高さ算出ユニットにより算出された前記鉄筋結束ロボットの前記鉄筋群からの高さに対応する基準値が存在するか判断し、
前記複数の基準値に、前記高さに対応する前記基準値が存在すると判断される場合、前記基準値に基づき、前記第1鉄筋及び/または前記第2鉄筋の位置を算出し、
前記複数の基準値に、前記高さに対応する前記基準値が存在しないと判断される場合、前記複数の基準値のうちの少なくとも2つの基準値に基づき、前記高さに対応する新たな基準値を算出する、
請求項7に記載の鉄筋結束ロボット。
【請求項9】
前記鉄筋群の前記第1鉄筋と前記第2鉄筋との交差箇所を結束するように構成される鉄筋結束ユニットを備え、
前記センサユニットは、互いに第3の方向に沿って離間して配置され、少なくとも前記第1鉄筋を検出可能に構成される第1センサ及び第2センサを含み、
前記少なくとも一つのテンプレート画像は、前記第1鉄筋の部分画像を含む第1テンプレート画像を含み、
前記鉄筋結束ロボットは、前記走行ユニットが前記第1の方向に進行し、且つ、前記第3の方向が前記第1の方向と平行となるように配置され、
前記鉄筋位置算出ユニットは、前記第1センサ及び/または前記第2センサの検出結果と、前記第1テンプレート画像とを照合することにより第1鉄筋の位置を算出し、
前記鉄筋結束ユニットは、前記位置が算出された前記第1鉄筋上の前記交差箇所を結束する、
請求項6に記載の鉄筋結束ロボット。
【請求項10】
前記交差箇所を推定する交差箇所推定ユニットをさらに備え、
前記センサユニットは、互いに前記第3の方向に交差する第4の方向に沿って離間して配置され、少なくとも前記第2鉄筋を検出可能に構成される第3センサ及び第4センサを含み、
前記少なくとも一つのテンプレート画像は、前記第2鉄筋の部分画像を含む第2テンプレート画像を含み、
前記鉄筋結束ロボットは、前記第4の方向が前記第2の方向と平行となるように配置され、
前記鉄筋位置算出ユニットは、前記第3センサ及び/または前記第4センサの検出結果と、前記第2テンプレート画像とを照合することにより第2鉄筋の位置を算出し、
前記交差箇所推定ユニットは、前記算出された前記第1鉄筋と、前記算出された前記第2鉄筋との交点を前記交差箇所と推定し、
前記鉄筋結束ユニットは、前記推定された前記交差箇所を結束する、
請求項9に記載の鉄筋結束ロボット。
【請求項11】
前記走行ユニットが進行する前記第1鉄筋から他の第1鉄筋に移動する場合に、前記鉄筋位置算出ユニットにより算出される前記第1鉄筋の位置情報に基づき、前記走行ユニットの移動量を算出する移動量算出ユニットを備え、
前記移動量算出ユニットは、前記第3センサ及び/または前記第4センサにより検出される前記他の第1鉄筋の検出結果に基づき前記第2方向の移動量を算出し、
前記走行ユニットは、前記算出された前記第2の方向の移動量に基づき、前記第2の方向に移動する、
請求項10に記載の鉄筋結束ロボット。
【請求項12】
前記走行ユニットが進行する前記第1鉄筋から他の第1鉄筋に移動する場合に、前記鉄筋位置算出ユニットにより算出される前記第1鉄筋の位置情報に基づき、前記走行ユニットの移動量を算出する移動量算出ユニットを備え、
前記鉄筋位置算出ユニットは、
前記第1センサ及び/または前記第2センサの検出結果に基づき、前記走行ユニットが進行する前記第1鉄筋の位置を算出し、
前記第1センサの検出結果の前記マッチング度が前記所定の基準値未満である場合に、前記マッチング度が、所定の端部基準値以上であるか判断し、前記マッチング度が前記所定の端部基準値以上であると判断される場合に、前記第1センサの前記検出範囲内に前記第1鉄筋の端部が存在すると判断し、
前記第1センサの前記検出範囲内に前記第1鉄筋の前記端部が存在すると判断される場合に、
前記鉄筋位置算出ユニットは、前記第3センサ及び/または前記第4センサにより検出された前記他の第1鉄筋の検出結果に基づき、前記走行ユニットが進行する前記第1鉄筋から前記第2の方向に離間する前記他の第1鉄筋の位置を算出し、
前記移動量算出ユニットは、前記鉄筋位置算出ユニットにより算出される前記他の第1鉄筋の前記位置と、前記走行ユニットが進行する前記第1鉄筋の前記位置とに基づき前記走行ユニットの前記第2の方向の移動量を算出し、
前記走行ユニットは、前記算出された前記第2の方向の移動量に基づき、前記第2の方向に移動する、
請求項10に記載の鉄筋結束ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、鉄筋結束ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、縦方向に延伸する鉄筋と、横方向に延伸する鉄筋とが交差する交差部をワイヤ等により結束する鉄筋結束作業を自動化する技術が検討されている。例えば、特許文献1には、鉄筋工事に使用できる自走型の作業用ロボットが開示されている。特許文献1に開示される作業用ロボットにおいては、縦方向の鉄筋を検知する鉄筋端部検知センサー及び横方向の鉄筋を検知する交差鉄筋検知センサーが設けられており、交差鉄筋検知センサーにより横方向の鉄筋が検知された場合に、鉄筋端部検知センサー及び交差鉄筋検知センサーからの検知結果情報に基づき、縦方向及び横方向の鉄筋が交差する交差部が存在すると判断し、鉄筋の結束が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術により、各センサーの検知結果に基づき結束位置の判断が可能である。しかしながら、センサーによる検知結果の処理の計算時間に起因して、交差部の位置の判断が遅れると、交差部の鉄筋の結束作業を効率良く進めることができなくなる可能性がある。特に、結束作業の効率化を目的の一つとする鉄筋結束を行う作業用ロボットの自動化が進められてきている近年の状況においては、鉄筋の位置の計算時間の益々の短縮化が望まれると考えられる。
【0005】
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、鉄筋検出のプロセスの効率化を図ることができる鉄筋結束ロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、延伸方向が第1の方向である複数の第1鉄筋と、延伸方向が第1の方向に交差する第2の方向であり第1鉄筋と交差するように配置される複数の第2鉄筋と、を含む鉄筋群上を走行可能に構成される走行ユニットと、少なくとも一つの第1鉄筋及び/または少なくとも一つの第2鉄筋を検出可能に構成されるセンサユニットと、センサユニットの検出結果により生成される二次元画像を構成する複数の画素の画素値に基づき、センサユニットにより検出される少なくとも一つの第1鉄筋及び/または少なくとも一つの第2鉄筋の位置を算出するように構成される鉄筋位置算出ユニットと、を備える鉄筋結束ロボットを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本開示により鉄筋結束のプロセスの効率化を図ることができる鉄筋結束ロボットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の一実施例である鉄筋結束ロボット100の斜め上方向から見た全体斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施例である鉄筋結束ロボットの斜め下方向から見た全体斜視図である。
【
図3】
図3は、鉄筋結束ロボット100を上方向(Z方向における上方)から見た平面図である。
【
図4】
図4は、鉄筋結束ロボット100を下方向(Z方向における下方)から見た平面図である。
【
図5】
図5は、鉄筋結束ロボット100の鉄筋結束ユニット110を外した状態を斜め上方向から見た斜視図である。
【
図6】
図6は、鉄筋結束ロボット100の鉄筋結束ユニット110を外した状態を斜め下方向から見た斜視図である。
【
図7】
図7は、鉄筋結束ロボット100の機能ブロック構成を説明する図である。
【
図8】
図8は、第1鉄筋R10に沿って走行中の鉄筋結束ロボット100をY方向から見た図である。
【
図9】
図9は、第1鉄筋R10に沿って走行中の鉄筋結束ロボット100をX方向から見た図である。
【
図10】
図10は、走行を停止し結束作業を実行する鉄筋結束ロボット100をY方向から見た図である。
【
図11】
図11は、結束作業を実行する鉄筋結束ロボット100をX方向から見た図である。
【
図12】
図12は、結束作業を実行する鉄筋結束ロボット100をZ方向下側から見た図である。
【
図13】
図13(a)は3D距離カメラにより撮影された第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所付近の画像を示し、
図13(b)は、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所付近の画像を模式的に示す。
【
図14】
図14(a)は、鉄筋結束ロボット100を水平方向(X方向)から見た模式的な側面図であり、
図14(b)は、鉄筋結束ロボット100を上方向(Z方向上側)から見た模式的な上面図である。
【
図15】
図15は、第1センサ130aによる撮像画像を模式的に示す図である。
【
図16】
図16は、テンプレートマッチングを説明するための模式的な図である。
【
図17】
図17は、交差箇所の推定方法を説明するための、鉄筋結束ロボット100を模式的に示す図である。
【
図18】
図18は、本開示の実施形態における交差箇所c12の推定方法のフローチャートである。
【
図19】
図19は、鉄筋結束ロボット100の横移動に関するフローチャートである。
【
図20】
図20(a)は、横移動中の鉄筋結束ロボット100を背面から見た図であり、
図20(b)は、横移動中の鉄筋結束ロボット100を斜め上方向から見た図である。
【
図21】
図21(a)は、横移動中の鉄筋結束ロボット100を背面から見た図であり、
図21(b)は、横移動中の鉄筋結束ロボット100を斜め上方向から見た図である。
【
図22】
図22(a)は、横移動中の鉄筋結束ロボット100を背面から見た図であり、
図22(b)は、横移動中の鉄筋結束ロボット100を斜め上方向から見た図である。
【
図23】
図23(a)は、横移動中の鉄筋結束ロボット100を背面から見た図であり、
図23(b)は、横移動中の鉄筋結束ロボット100を斜め上方向から見た図である。
【
図24】
図24(a)は、横移動中の鉄筋結束ロボット100を背面から見た図であり、
図24(b)は、横移動中の鉄筋結束ロボット100を斜め上方向から見た図である。
【
図25】
図25(a)は、横移動中の鉄筋結束ロボット100を背面から見た図であり、
図25(b)は、横移動中の鉄筋結束ロボット100を斜め上方向から見た図である。
【
図26】
図26は、本開示の他の実施形態に係る鉄筋結束ロボット200のZ方向下方から見た模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0010】
以下、本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100の構成について説明する。なお、各図面には、X軸、Y軸及びZ軸を示すことがある。X軸、Y軸及びZ軸は、右手系の3次元の直交座標を形成する。以下、X軸の矢印方向をX軸前方、X方向の右側またはX軸右側、矢印とは逆方向をX軸後方、X方向の左側またはX軸左側と呼ぶことがある。その他の軸についても同様である。なお、Z軸前方及びZ軸後方を、それぞれ「上側」乃至「上方」及び「下側」乃至「下方」と呼ぶこともある。また、X軸、Y軸又はZ軸にそれぞれ直交する面を、YZ面、ZX面又はXY面と呼ぶことがある。ただしこれら方向等は相対的位置関係を説明するために便宜的に用いられているものである。従ってこれら方向等は絶対的位置関係を規定するものではない。
【0011】
図1は、本開示の一実施例である鉄筋結束ロボット100の斜め上方向から見た全体斜視図である。
図2は、本開示の一実施例である鉄筋結束ロボットの斜め下方向から見た全体斜視図である。
図1及び
図2に示すように、本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100は、鉄筋結束ユニット110と、走行ユニット120と、センサユニット130と、を備える。鉄筋結束ロボット100は、さらに、本体ユニット140、支持バー150、不図示の制御装置160、移動ユニット180、及び記憶装置190等、他の構成を備えていてもよい。
【0012】
図1及び
図2には、Y方向に延伸する複数の鉄筋R10(本実施形態において「第1鉄筋」、または「縦鉄筋」ともいう。)を含む鉄筋群Rも併せて示す。
図1及び
図2に示すように、鉄筋結束ロボット100は、第1鉄筋R10に沿って走行するように鉄筋群R上に配置されている。後述するように、鉄筋群Rは、複数の鉄筋R10に加え、X方向に延伸する複数の鉄筋(本実施形態において「第2鉄筋R20」、または「横鉄筋」ともいう。)を含んでもよい。
【0013】
本開示の実施形態においては、第1鉄筋R10は、その延伸する方向である第1の方向がY方向と平行となるように配置される。また、後述の第2鉄筋R20は、その延伸する方向である第2の方向がX方向と平行となるように配置される。従って、本開示の例示の実施形態においては、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20は、互いに直交するように配置されている。また、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20は、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20が形成する平面(本実施形態において「鉄筋面」ともいう。)がXY面と平行となるように配置されている。従って、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20が形成する平面は、本実施形態においては水平面である。なお、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の配置についてはこれに限られない。例えば、後述するように、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20は、互いに非直交となるように配置されてもよい。例えば、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20は、第1鉄筋R10と第2鉄筋R20との間の角が、例えば30°、45°、60°、または他の角度となるように配置されてもよい。また、本開示の実施形態においては、第1鉄筋R10と第2鉄筋R20とは、互いに直交するように配置されているが、例えば交差する箇所によっては必ずしも直交する関係となっていなくてもよく、例えば85°以上90°以下の角度をなすように配置されていてもよい。
【0014】
また、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20は、有限の長さを有しており、複数の第1鉄筋R10または複数の第2鉄筋R20は、それぞれ、第1の方向または第2の方向に継ぎ目を介して接続されていてもよい。さらに、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20は、後述するように端部を有していてもよく、例えば第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20は、それぞれ第1の方向及び第2の方向における一端及び他端に後述する端部R10e及びR20eを有していてもよい。
【0015】
鉄筋結束ユニット110は、第1鉄筋R10と第2鉄筋R20との交差箇所c12を結束するように構成されている。鉄筋結束ユニット110による第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所c12の結束動作については後に詳述する。
【0016】
図1及び
図2に示すように、走行ユニット120は、4つの走行ユニット120a、120b、120c、及び120dを有していてもよい(本実施形態において、それぞれ、「第1走行ユニット」、「第2走行ユニット」、「第3走行ユニット」、及び「第4走行ユニット」、ともいう。)。本開示の実施形態においては、走行ユニット120は、鉄筋結束ロボット100がY方向に進行するように鉄筋群R上に配置されている。第1走行ユニット120a、第2走行ユニット120b、第3走行ユニット120c、及び第4走行ユニット120dは、それぞれ、第1ローラ部122a、第2ローラ部122b、第3ローラ部122c、及び第4ローラ部122dを有し、第1ローラ部122a、第2ローラ部122b、第3ローラ部122c、及び第4ローラ部122dが第1鉄筋R10の延伸方向であるY方向(第1の方向)に沿って、複数の第1鉄筋R10のいずれかの第1鉄筋R10上を走行するように構成されている。
【0017】
本開示の実施形態においては、第1走行ユニット120a、第2走行ユニット120b、第3走行ユニット120c、及び第4走行ユニット120dは、Y方向に進行するように構成される場合を例に説明するが、第1走行ユニット120a、第2走行ユニット120b、第3走行ユニット120c、及び第4走行ユニット120dは、Y方向以外の方向に進行するように構成されていてもよい。例えば、Y方向から数度~数十度の角度の方向に進行してもよく、例えば、走行する第1鉄筋R10上に異物が存在する等により鉄筋結束ロボット100の向きが傾いた場合でも、第1鉄筋R10上をほぼ追従するように進行することにより、鉄筋結束ロボット100の鉄筋結束ユニット110による第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所c12の結束を実行することが可能である。また、例えば第1鉄筋R10が曲線を描くように配置された建設現場においても、第1走行ユニット120a、第2走行ユニット120b、第3走行ユニット120c、及び第4走行ユニット120dは、曲線状の第1鉄筋R10に追従するように、曲線を描くように進行するように構成されていてもよく、この場合、第1鉄筋R10の延伸方向である第1の方向は、曲線を構成する点ごとに異なっていてもよい。
【0018】
図1及び
図2並びに後述する
図3に示すように、センサユニット130は、センサ130a、センサ130b、センサ130c、及びセンサ130d(本実施形態において、それぞれ、「第1センサ」、「第2センサ」、「第3センサ」、及び「第4センサ」、ともいう。)を有する。第1センサ130a及び第2センサ130bは、互いに、
図1及び
図2においてY方向(本実施形態において第1センサ130a及び第2センサ130bを結ぶ直線の延伸する方向を「第3の方向」ともいう)に沿って離間して配置されている。また、第4センサ130dは鉄筋結束ロボット100の第3センサ130cが設けられる側面の反対側の側面(
図1及び
図2において紙面奥側の側面)に配置されており、第3センサ130c及び第4センサ130dは、互いに
図1及び
図2においてY方向に交差する方向(
図1及び
図2に示す例においてはX方向、本実施形態において第3センサ130c及び第4センサ130dを結ぶ直線の延伸する方向を「第4の方向」ともいう。)に沿って離間するように配置されている。
【0019】
第1センサ130a、第2センサ130b、第3センサ130c、及び第4センサ130dは、第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20を検出可能に構成されている。例えば、第1センサ130a及び第2センサ130bは第1鉄筋R10を検出可能に構成され、第3センサ130c及び第4センサ130dは第2鉄筋R20を検出可能に構成されていてもよい。あるいは、第1センサ130a、第2センサ130b、第3センサ130c、及び第4センサ130dは、いずれも、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20を検出可能に構成されていてもよい。
【0020】
図3は、鉄筋結束ロボット100を上方向(Z方向における上方)から見た平面図を示す。また、
図4は、鉄筋結束ロボット100を下方向(Z方向における下方)から見た平面図を示す。
図3及び
図4からわかるように、第1走行ユニット120a及び第2走行ユニット120bは、第1センサ130aに対して第4の方向(X方向)の一方及び他方(
図3において、それぞれX方向の左側及び右側)に配置されていてもよい。また、第3走行ユニット120c及び第4走行ユニット120dは、第2センサ130bに対して第4の方向(X方向)の一方及び他方に配置されていてもよい。言い換えると、第1センサ130aは、第4の方向において第1走行ユニット120a及び第2走行ユニット120bの間に配置されてもよい。同様に、第2センサ130bは、第4の方向において第3走行ユニット120c及び第4走行ユニット120dの間に配置されてもよい。さらに、
図3及び
図4に示すように、第3センサ130cは、第3の方向(
図3及び
図4においてY方向)において第1走行ユニット120a及び第3走行ユニット120cの間に配置されてもよく、同様に、第4センサ130dは、第3の方向(Y方向)において第2走行ユニット120b及び第4走行ユニット120dの間に配置されてもよい。また、例えば
図4に示すように、第1センサ130aを構成するカメラは、上面視において、第1走行ユニット120aを構成する第1ローラ部122aの回転軸128aと、第2走行ユニット120bを構成する第2ローラ部122bの回転軸128bとを通過する直線よりも前方(
図4においてY方向の前方)に配置される。同様に、第2センサ130bを構成するカメラは、上面視において、第3走行ユニット120cを構成する第3ローラ部122cの回転軸128cと、第4走行ユニット120dを構成する第4ローラ部122dの回転軸128dとを通過する直線よりも後方(
図4においてY方向の後方)に配置される。また、
図3や
図4等に示されるように、第1センサ130aは、本体ユニット140のY軸方向の前方に配置される。同様に、第2センサ130bは、本体ユニット140のY軸方向の後方に配置される。第3センサ130c及び第4センサ130dは、それぞれ、本体ユニット140の
図3において上面視でX方向の左側及び右側に配置される。すなわち、例えば
図4等からわかるように、本実施形態においては、第1センサ130a、第2センサ130b、第3センサ130c、及び第4センサ130dは、鉄筋結束ロボット100についての平面視において、第1走行ユニット120a、第2走行ユニット120b、第3走行ユニット120c、及び第4走行ユニット120dのほぼ中心付近を接続して仮想的に形成される長方形の外縁上または外側となるように配置される。なお、第1走行ユニット120a~第4走行ユニット120dにより仮想的に形成される長方形は、例えば各走行ユニット間のX方向及びY方向の間隔が略等しい場合等には、正方形となることがあってもよく、この場合には、第1センサ130a~第4センサ130dは、仮想的な正方形の外縁上または外側となるように配置されていてもよい。また、第1走行ユニット120a~第4走行ユニット120dの配置構成によっては、第1走行ユニット120a~第4走行ユニット120dにより、仮想的に、長方形及び正方形以外の四角形が形成されてもよく、その場合においても、第1センサ130a~第4センサ130dは、仮想的な四角形の外縁上または外側となるように配置されていてもよい。
【0021】
図1及び
図3に示すように、本体ユニット140は、本体上面142を備えていてもよい。本体上面142は、中央部付近に、例えば円形の穴部144が形成されていてもよく、鉄筋結束ユニット110が、穴部144を貫通するように配置されていてもよい。
【0022】
本実施形態において、鉄筋結束ロボット100は、例えば2本の支持バー150(それぞれ、第1支持バー150a及び第2支持バー150b)を備えてもよい。第1支持バー150a及び第2支持バー150bは、一方向に延伸するバーであり、例えば第4の方向(
図1~
図4においてX方向)に平行に設けられている。従って、本開示の実施形態においては、第1支持バー150a及び第2支持バー150bは、例えば水平方向に平行となるように設けられている。また、
図1~
図4に示すように、第1支持バー150a及び第2支持バー150bは、互いにY方向(第3の方向)に離間するように設けられていてもよい。後に詳述するように、第1支持バー150a及び第2支持バー150bは、例えば、鉄筋結束ロボット100が横方向(
図1~
図4においてX方向、鉄筋結束ロボット100において第4の方向)に移動する際に、鉄筋結束ロボット100の本体ユニット140等を支持するように構成されていてもよい。
【0023】
図5は、鉄筋結束ロボット100の鉄筋結束ユニット110を外した状態を斜め上方向から見た斜視図である。また、
図6は、鉄筋結束ロボット100の鉄筋結束ユニット110を外した状態を斜め下方向から見た斜視図である。
図5及び
図6に示されるように、鉄筋結束ユニット110は、穴部144に貫通した状態で上下方向(
図1においてZ方向)に移動可能に設けられていてもよい。これにより、例えば、鉄筋結束ロボット100が第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所c12に到達した際に、鉄筋結束ユニット110を下降させ、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所c12を結束するように構成される。
図5及び
図6に示すように、鉄筋結束ユニット110は、マガジン部112を有する。マガジン部112には、鉄筋の結束に用いられるワイヤが収容されており、鉄筋結束ユニット110が第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所c12を結束する際にマガジン部112に収容されるワイヤが引き出され、交差箇所c12の結束が行われるように構成されている。また、詳細な説明は省略するが、鉄筋結束ユニット110は、鉄筋結束ユニット110の一端(
図5においてZ方向の下側の端部)には、ワイヤガイド等を有し、鉄筋結束作業を実行するように構成される鉄筋結束機構114が設けられている。鉄筋結束機構114の鉄筋結束作業は、例えば公知の鉄筋結束機と同様の機能により実現されてもよい。
【0024】
図7は、鉄筋結束ロボット100の機能ブロック構成を説明する図である。
図7に示すように、鉄筋結束ロボット100は、上述した鉄筋結束ユニット110、走行ユニット120、及びセンサユニット130等の構成のほか、制御装置160と、移動ユニット180と、記憶装置190と、を備えていてもよい。
【0025】
制御装置160は、鉄筋結束ロボット100により実行される移動や結束作業を制御するように構成される。制御装置160は、センサ検出結果取得部162と、判定部164と、交差箇所算出部166(本実施形態において、「交差箇所推定部」や「交差箇所推定ユニット」ともいう。)と、鉄筋結束ユニット制御部168と、鉄筋追従制御部170と、停止制御部172と、移動量算出部174と、姿勢制御部176と、モータ制御部178と、異物迂回制御部179とを備えていてもよい。
【0026】
移動ユニット180は、鉄筋結束ロボット100の本体ユニット140の移動を制御するように構成される。本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100においては、後述するように、移動ユニット180により鉄筋結束ロボット100が水平方向に移動されてもよい。移動ユニット180は、第1移動モータ182及び第2移動モータ184を備えていてもよく、例えば、後述する鉄筋結束ロボット100の横移動にあたり、2つのモータ182及び184により、本体ユニット140を水平移動させてもよい。
【0027】
記憶装置190は、例えば、制御装置160において実行される1つまたは複数のプログラムや、鉄筋結束ロボット100の制御に用いられるデータ等が格納されていてもよい。記憶装置190は、例えばテンプレートデータベース192を備えていてもよい。テンプレートデータベース192は、例えば、後述するように、センサユニット130による検出結果に基づき、テンプレートマッチングを用いて第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20の検出や、第1鉄筋R10の端部R10e及び/または第2鉄筋R20の端部R20eの検出を行う際に用いられるテンプレートの画像やテンプレートの画像に周波数分析等の画像処理を施して得られたデータ等を格納してもよい。また、制御装置160が、さらにテンプレートデータ作成部を有していてもよく、例えば、鉄筋結束作業を行う対象となる現場に応じてセンサユニット130を用いて撮像された画像を基にテンプレートデータを作成し、テンプレートデータベース192に格納するように構成されていてもよい。テンプレートデータベース192に格納されるテンプレートデータは、例えば、新たなテンプレートデータが作成されるタイミングで蓄積されてもよいし、各建設現場での結束作業の終了のタイミングで消去されてもよい。あるいは、作成されたテンプレートデータは、記憶装置190のテンプレートデータベース192に一定期間保持された後、例えば定期的に削除されるように構成されていてもよい。
【0028】
センサ検出結果取得部162は、センサユニット130による検出結果を取得する。例えば、センサユニット130の第1センサ130a、第2センサ130b、第3センサ130c、及び/または第4センサ130dの検出結果は、判定部164の第1鉄筋判定部164a1及び/または第2鉄筋判定部164a2による第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20の判定に用いられてもよい。また、第1センサ130a、第2センサ130b、第3センサ130c、及び/または第4センサ130dの検出結果は、判定部164の第1鉄筋端部判定部164b1及び/または第2鉄筋端部判定部164b2による第1鉄筋R10の端部R10e及び/または第2鉄筋R20の端部R20eの判定に用いられてもよい。
【0029】
判定部164は、第1鉄筋判定部164a1と、第2鉄筋判定部164a2と、第1鉄筋端部判定部164b1と、第2鉄筋端部判定部164b2と、姿勢判定部164cと、障害物判定部164dと、ロボット高さ算出部164eと、を備えていてもよい。第1鉄筋判定部164a1及び第2鉄筋判定部164a2は、例えば、センサ検出結果取得部162により取得された第1センサ130a、第2センサ130b、第3センサ130c、及び/または第4センサ130dの検出結果を用いて、第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20を判定する。後述するように、第1鉄筋判定部164a1及び第2鉄筋判定部164a2は、第1センサ130a~第4センサ130dの検出結果である撮像画像に基づき、テンプレートマッチングを行うことにより、第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20の位置を判定してもよい。第1鉄筋端部判定部164b1及び第2鉄筋端部判定部164b2は、例えば、センサ検出結果取得部162により取得された第1センサ130a、第2センサ130b、第3センサ130c、及び/または第4センサ130dの検出結果を用いて、第1鉄筋R10の端部R10e及び/または第2鉄筋R20の端部R20eを判定する。第1鉄筋端部判定部164b1及び第2鉄筋端部判定部164b2も、第1鉄筋判定部164a1及び第2鉄筋判定部164a2と同様に、テンプレートマッチングに基づき第1鉄筋R10の端部R10e及び/または第2鉄筋R20の端部R20eを判定してもよい。ロボット高さ算出部164eは、例えば、第1センサ130a、第2センサ130b、第3センサ130c、及び/または第4センサ130dの検出結果に基づき、鉄筋結束ロボット100の鉄筋群Rからの高さを算出してもよい。例えば、第1センサ130a、第2センサ130b、第3センサ130c、及び/または第4センサ130dにより、第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20が撮像される場合(例えば、第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20を含む範囲が撮像される場合)に、ロボット高さ算出部164eは、撮像された第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20の撮像画像内における第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20の相対的な大きさに基づき、鉄筋結束ロボット100の、鉄筋群Rからの距離を算出することにより、鉄筋結束ロボット100の鉄筋群Rからの高さを算出してもよい。
【0030】
鉄筋結束ロボット100の鉄筋群Rからの高さは、例えば、走行ユニット120の角度に基づいて算出されてもよい。走行ユニット120aは、
図2に示されるように、本体部140に接続される第1本体側リンク部121aと、第2第1ローラ部122aに接続される第1ローラ側リンク部123aとを有しており、第1本体側リンク部121aと第1ローラ側リンク部123aとがリンク機構を構成してもよい。このとき、第1本体側リンク部121aと第1ローラ側リンク部123aとが為す角度であるリンク角度をセンサユニット130の第1リンク角度検出センサ134aにより検出し、リンク角度に基づき、第1走行ユニット120aの高さが算出されてもよい。同様に、第2走行ユニット120b、第3走行ユニット120c、及び第4走行ユニット120dは、第2本体側リンク部121bと第2ローラ側リンク部123b、第3本体側リンク部121cと第3ローラ側リンク部123c、及び第4本体側リンク部121dと第4ローラ側リンク部123d、を有し、第2本体側リンク部121bと第2ローラ側リンク部123b、第3本体側リンク部121cと第3ローラ側リンク部123c、及び第4本体側リンク部121dと第4ローラ側リンク部123dが為すリンク角度を、それぞれ、第2リンク角度検出センサ134b、第3リンク角度検出センサ134c、及び第4リンク角度検出センサ134dにより検出することにより、第2走行ユニット120b、第3走行ユニット120c、及び第4走行ユニット120dの高さが算出されてもよい。ロボット高さ算出部164eは、こうして算出された第1走行ユニット120a、第2走行ユニット120b、第3走行ユニット120c、及び第4走行ユニット120dの高さ(鉄筋群Rからの高さ)に基づき、鉄筋結束ロボット100の鉄筋群Rからの高さが算出されてもよい。例えば、算出された第1走行ユニット120a、第2走行ユニット120b、第3走行ユニット120c、及び第4走行ユニット120dの高さの一部または全部の平均値により鉄筋結束ロボット100の高さを算出してもよい。また、例えば鉄筋結束ロボット100が鉄筋群Rが構成する仮想的な平面と平行、あるいはほぼ平行に位置する場合には、第1走行ユニット120a、第2走行ユニット120b、第3走行ユニット120c、及び第4走行ユニット120dの高さのうちのいずれか一つにより鉄筋結束ロボット100の高さとしてもよい。
【0031】
センサユニット130は、
図7に示すように、上述の第1センサ130a~第4センサ130dに加えて、傾斜度検出センサ132を備えていてもよい。傾斜度検出センサ132としては、例えば公知の傾斜センサや水平センサ等、鉄筋結束ロボット100の傾斜角度を検出可能なセンサが用いられてもよい。センサ検出結果取得部162は、傾斜度検出センサ132の検出結果も取得してもよい。傾斜度検出センサ132の検出結果に基づき、例えば、判定部164の姿勢判定部164cにより鉄筋結束ロボット100の姿勢を判定し、姿勢判定部164cの判定結果に基づき、姿勢制御部176により、走行ユニット120の高さ変更モータ126(第1走行ユニット120aの第1高さ変更モータ126a、第2走行ユニット120bの第2高さ変更モータ126b、第3走行ユニット120cの第3高さ変更モータ126c、及び/または第4走行ユニット120dの高さ変更モータ126d)を駆動し、鉄筋結束ロボット100の姿勢を調整してもよい。鉄筋結束ロボット100は、例えば、本体ユニット140が、第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20により形成される面(本実施形態において、「鉄筋面」ともいう。)に平行となるように傾斜度検出センサ132の検出結果に基づき、高さ変更モータ126を駆動してもよい。例えば、鉄筋面が水平方向に延びるように第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20が配置されている場合に、鉄筋結束ロボット100がX方向に傾いている場合には、第1走行ユニット120a~第4走行ユニット120dのうち、第1走行ユニット120a及び第3走行ユニット120c、または第2走行ユニット120b及び第4走行ユニット120dの高さを変更し、鉄筋結束ロボット100の姿勢を調整してもよい。
【0032】
交差箇所算出部166は、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所c12を算出することにより推定する。交差箇所算出部166は、例えば、後述するように、第1鉄筋判定部164a1及び第2鉄筋判定部164a2により判定された第1鉄筋R10の位置及び第2鉄筋R20の位置に基づき、交差箇所c12の位置を算出してもよい。算出された交差箇所c12の位置に基づき、鉄筋結束ロボット100は、鉄筋結束ユニット110による結束作業を行ってもよい。推定された交差箇所c12の位置に基づき、モータ制御部178は、第1走行ユニット120a、第2走行ユニット120b、第3走行ユニット120c、及び/または第4走行ユニット120dにより鉄筋結束ロボット100の位置を鉄筋結束ユニット110が交差箇所c12上となるように調整してもよい。鉄筋結束ユニット110が交差箇所c12の上方に移動した後、鉄筋結束ユニット制御部168は、鉄筋結束ユニット110を交差箇所c12まで下降させ、交差箇所c12の結束を行ってもよい。
【0033】
鉄筋追従制御部170は、例えば、第1鉄筋判定部164a1により判定された第1鉄筋R10の情報に基づき、鉄筋結束ロボット100が走行中の第1鉄筋R10を追従するように走行ユニット120を、モータ制御部178により制御してもよい。例えば、後述するように、鉄筋結束ロボット100が第1鉄筋R12及び第1鉄筋R14を走行する場合、鉄筋結束ロボット100が第1鉄筋R12及び第1鉄筋R14から離脱しないように、走行ユニット120の駆動モータ(第1ローラ部122aを駆動する第1車輪駆動モータ124a、第2ローラ部122bを駆動する第2車輪駆動モータ124b、第3ローラ部122cを駆動する第3車輪駆動モータ124c、及び/または第4ローラ部122dを駆動する第4車輪駆動モータ124d)を駆動させてもよい。例えば、第1車輪駆動モータ124a、第2車輪駆動モータ124b、第3車輪駆動モータ124c、及び第4車輪駆動モータ124dのうち、X方向において同じ位置、またはほぼ同じ位置に配置される第1走行ユニット120a及び第3走行ユニット120cの駆動モータである第1車輪駆動モータ124a及び第3車輪駆動モータ124cを、X方向の他方に配置される第2走行ユニット120b及び第4走行ユニット120dの駆動モータである第2車輪駆動モータ124b及び第4車輪駆動モータ124dに対し加速または減速することにより、鉄筋結束ロボット100の位置を調整し、鉄筋結束ロボット100を第1鉄筋R10に追従するように走行させてもよい。あるいは、鉄筋追従制御部170は、例えば、第1車輪駆動モータ124a、第2車輪駆動モータ124b、第3車輪駆動モータ124c、及び/または第4車輪駆動モータ124dの回転数を調整することにより、鉄筋結束ロボット100を第1鉄筋R10に追従するように走行させてもよい。例えば、第1車輪駆動モータ124a、第2車輪駆動モータ124b、第3車輪駆動モータ124c、及び第4車輪駆動モータ124dのうちの一つまたは複数の回転数を、その他の車輪駆動モータの回転数と異なる回転数に設定することにより、あるいは、第1車輪駆動モータ124a、第2車輪駆動モータ124b、第3車輪駆動モータ124c、及び第4車輪駆動モータ124d全ての回転数を互いに異なる回転数に設定することにより、鉄筋結束ロボット100を第1鉄筋R10に柔軟に追従させることが可能となる。
【0034】
停止制御部172は、鉄筋結束ロボット100の停止動作を制御するように構成される。例えば、後述するように、第1鉄筋R12及び第1鉄筋R14を走行してきた鉄筋結束ロボット100が、第1センサ130a、第2センサ130b、第3センサ130c、及び/または第4センサ130dの検出結果に基づき、第1鉄筋端部判定部164b1及び/または第2鉄筋端部判定部164b2により第1鉄筋R13の端部R13e付近にある、または端部R13eに接近しつつあると判定された場合に、停止制御部172は、モータ制御部178により、第1車輪駆動モータ124a~第4車輪駆動モータ124dを駆動及び停止させるように制御し、鉄筋結束ロボット100を停止させてもよい。なお、第1鉄筋R13の端部R13eに限らず、端部R13eに替えて、あるいは端部R13eに加えて、第1鉄筋R12の端部R12e及び/または第1鉄筋R14の端部R14e付近に鉄筋結束ロボット100がある、あるいは鉄筋結束ロボット100が、端部R12e及び/または端部R14eに近づきつつあると判定された場合に、鉄筋結束ロボット100を停止させてもよい。
【0035】
また、停止制御部172は、例えば、上述の交差箇所算出部166により、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所c12を算出した場合に、交差箇所c12を鉄筋結束ユニット110により結束するため、鉄筋結束ロボット100を停止させてもよい。
【0036】
移動量算出部174は、後述するように、例えば、鉄筋結束ロボット100が横移動(X方向への移動)をする場合の移動量を算出するように構成されていてもよい。例えば、上記のように、鉄筋結束ロボット100について、第1鉄筋端部判定部164b1及び/または第2鉄筋端部判定部164b2により第1鉄筋R12の端部R12e及び第1鉄筋R14の端部R14e付近にある、または接近しつつあると判定された場合に、鉄筋結束ロボット100は第1鉄筋R12と第1鉄筋R14との間に配置されている第1鉄筋R13上の交差箇所c12の鉄筋結束作業を完了し、別の第1鉄筋R10に移動し、交差箇所c12の鉄筋結束作業を開始する。例えば、鉄筋結束ロボット100が、第1鉄筋R13上の交差箇所c12の鉄筋結束作業を完了し、次に第1鉄筋R14上の交差箇所c12の鉄筋結束作業を行う場合、鉄筋結束ロボット100は、第1鉄筋R10のX方向の間隔について、1つの間隔分、X方向に移動する。このとき、移動量算出部174は、第1鉄筋判定部164a1により判定された第1鉄筋R10の位置の情報に基づき、隣り合う第1鉄筋R10同士のX方向の間隔に基づき移動量を算出してもよい。鉄筋結束ロボット100が、X方向に2つ以上離間する第1鉄筋R10上の交差箇所c12の鉄筋結束作業を行う場合にも同様に、第1鉄筋R10同士の間隔に基づき移動量を算出してもよい。また、算出された移動量に基づき、横移動の際の移動ユニット180による本体ユニット140の横移動(例えば水平移動)を行ってもよい。なお、移動量算出部174は、横移動量以外の他の方向の移動量の算出を実行してもよい。例えば、移動量算出部174は、鉄筋結束ロボット100の縦移動(第1の方向、Y方向)の移動量を、各センサ130の検出結果や、鉄筋端部判定部164b1及び/または鉄筋端部判定部164b2による判定結果等に基づいて算出してもよい。
【0037】
後述するように、センサユニット130としては、例えばカメラが用いられてもよく、センサユニット130の検出結果に基づき、例えば判定部164の障害物判定部164dにより、異物の位置が判定されてもよい。鉄筋を組み上げる建設現場に等においては、例えば、鉄筋面上に工具等が放置されている、あるいは、作業員が作業を行っていることがある。これらをセンサユニット130による検出結果に基づいて異物として検知し、異物の検知結果に基づき、異物迂回制御部は、モータ制御部178により第1車輪駆動モータ124a、第2車輪駆動モータ124b、第3車輪駆動モータ124c、及び/または第4車輪駆動モータ124dを駆動して異物を迂回するように構成されていてもよい。あるいは、鉄筋結束ロボット100が後述する横移動を行うことにより、異物を迂回するように構成されていてもよい。
【0038】
制御装置160は、例えば、演算部に相当するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶装置190に記憶されたプログラムの実行に関する制御やデータの演算、加工を行う制御部である。プロセッサは、各検出データ等を用いて鉄筋結束ロボット100の動作(鉄筋追従及び走行、横移動(例えば水平移動)、鉄筋結束作業、等)を実行するプログラムを実行する演算部である。
【0039】
記憶装置190は、例えばRAM(Random Access Memory)と、ROM(Read only Memory)とを有していてもよい。RAMは、記憶部のうちデータの書き換えが可能なものであり、例えば半導体記憶素子で構成されてよい。RAMは、プロセッサが実行するプログラムやプログラムの実行に必要なデータ(例えば、後述するように、センサユニット130の検出結果に基づき鉄筋の位置の判定に用いられるテンプレートのデータ等)を記憶してもよい。なお、これらは例示であって、RAMには、これら以外のデータが記憶されていてもよいし、これらの一部が記憶されていなくてもよい。
【0040】
ROMは、記憶部のうちデータの読み出しが可能なものであり、例えば半導体記憶素子で構成されていてもよい。ROMは、例えば制御装置160が実行するプログラムや、書き換えが行われないデータを記憶してもよい。
【0041】
制御装置160により実行されるプログラムは、記憶装置190(例えばRAMやROM)等のコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、不図示の通信部により接続される通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0042】
上記の物理的な構成は例示であって、本開示の実施形態による鉄筋結束ロボット100においては、制御装置160及び記憶装置190が必ずしも独立した構成でなくてもよい。例えば、鉄筋結束ロボット100は、プロセッサとメモリとが一体化したLSI(Large-Scale Integration)を備えていてもよい。また、鉄筋結束ロボット100は、制御装置160としてGPU(Graphical Processing Unit)を備えていてもよく、GPUがプログラムを実行することにより、上記で説明した様々な動作が実現されてもよい
【0043】
次に、
図8及び
図9を参照して、鉄筋結束ロボット100による鉄筋上の走行動作について説明する。
図8は、第1鉄筋R10に沿って走行中の鉄筋結束ロボット100をY方向から見た図である。
図9は、第1鉄筋R10に沿って走行中の鉄筋結束ロボット100をX方向から見た図である。
図8及び
図9において、鉄筋結束ロボット100は、第1の方向(Y方向)に走行する。
図8及び
図9に示すように、鉄筋結束ロボット100は、走行中において、第1走行ユニット120aの第1ローラ部122aが第1鉄筋R12上にあり、第2走行ユニット120bの第2ローラ部122bが第1鉄筋R14上にあるように走行する。
図9に示すように、第3走行ユニット120cの第3ローラ部122cも第1走行ユニット120aの第1ローラ部122aと同様に、第1鉄筋R12上を走行する。
図8及び
図9には図示されていないが、第4走行ユニット120dの第4ローラ部122dも、第2走行ユニット120bの第2ローラ部122b同様に第1鉄筋R14上を走行する。このように、本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100は、第1鉄筋R10に沿って走行する際に、例えば、ある第1鉄筋R10(第1鉄筋R12)と、ある第1鉄筋R12の2つ隣に配置された第1鉄筋R10(第1鉄筋R14)とを走行し、走行する第1鉄筋R12及び第1鉄筋R14との間に存在する第1鉄筋R10である第1鉄筋R13上に存在する、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所c12を結束する。
【0044】
次に、
図10、
図11、及び
図12を参照して、鉄筋結束作業時の鉄筋結束ロボット100について説明する。
図10は、走行を停止し結束作業を実行する鉄筋結束ロボット100をY方向から見た図である。
図11は、結束作業を実行する鉄筋結束ロボット100をX方向から見た図である。
図12は、結束作業を実行する鉄筋結束ロボット100をZ方向下側から見た図である。
図10、
図11、及び
図12においては、鉄筋結束ロボット100が、第1鉄筋R13及び第2鉄筋R20の交差箇所c12を結束する場合を例に示されており、
図10~
図12に示すように、結束作業にあたり、鉄筋結束ロボット100は、
図8及び
図9を参照して上述した走行を停止し、鉄筋結束ユニット110を下降させる。
【0045】
次に本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100による鉄筋群R(第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20)の位置を算出する構成について説明する。本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100は、延伸方向がY方向(第1の方向)である複数の第1鉄筋R1と、延伸方向がY方向(第1の方向)に交差するX方向(第2の方向)であり第1鉄筋R1と交差するように配置される複数の第2鉄筋R2と、を含む鉄筋群R上を走行可能に構成される走行ユニット120と、少なくとも一つの第1鉄筋R1及び/または少なくとも一つの第2鉄筋R2を検出可能に構成されるセンサユニット130と、センサユニット130の検出結果により生成される二次元画像を構成する複数の画素の画素値に基づき、センサユニット130により検出される少なくとも一つの第1鉄筋R1及び/または少なくとも一つの第2鉄筋R2の位置を算出するように構成される第1鉄筋判定部164a1及び/または第2鉄筋判定部164a2(本実施形態において、「鉄筋位置算出ユニット」ともいう。)を備える。本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100は、センサユニット130の検出結果により生成される二次元画像に基づき第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20の位置を算出することにより、第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20の位置の算出プロセスを効率化することができる。例えば、センサユニットの検出結果として、3次元データを用いて鉄筋の位置を算出する場合に比べ、二次元画像に基づいた計算を行うことにより、計算負荷を軽減することができる。
【0046】
本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボットにおいて、第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20の位置の算出に用いられる二次元画像は、濃淡画像であってもよい。このとき、鉄筋結束ロボット100は、第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20の部分画像を含む少なくとも一つのテンプレート画像の情報を格納する記憶装置190を備え、上記二次元画像は、濃淡画像を含み、第1鉄筋判定部164a1及び/または第2鉄筋判定部164a2(鉄筋位置算出ユニット)は、濃淡画像を、テンプレート画像と照合することにより、少なくとも一つの第1鉄筋R10及び/または少なくとも一つの第2鉄筋R20の位置を算出するように構成されていてもよい。
【0047】
また、本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボットでは、濃淡画像において、画素の濃度値が所定の閾値以上である場合に、当該画素が第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20に対応すると判断してもよい。このとき、第1鉄筋判定部164a1及び/または第2鉄筋判定部164a2(鉄筋位置算出ユニット)は、濃淡画像を構成する画素の濃度値が、所定の閾値(第1閾値)以上である場合に、所定の閾値以上の濃度値を有する画素に対応する位置に第1鉄筋R1の少なくとも一部及び/または第2鉄筋R2の少なくとも一部が存在すると判断してもよい。あるいは、二次元画像として濃淡画像を用いる場合に、対象物が存在する領域の画像濃度を低くし、対象物が存在しない領域の画像濃度を高くすることにより濃淡画像を生成してもよく、この場合、画素の濃度値が所定の閾値未満である場合に、当該画素が第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20に対応すると判断してもよい。
【0048】
本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100においては、濃淡画像は3次元センサの検出結果により生成されてもよい。このとき、センサユニット130は、検出対象物の表面の複数の点のx座標、y座標、及びz座標を検出可能な3次元センサを含み、3次元センサにより検出されるz座標値は、z座標値の大きさに応じて異なる画像濃度に変換され、濃淡画像は、x座標と、y座標と、画像濃度とに基づき2次元画像を構成することにより生成されてもよい。
【0049】
あるいは、本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100は、センサユニット130が濃淡画像を撮像するように構成されていてもよい。このとき、センサユニット130は、撮像装置を含んでいてもよく、濃淡画像は、撮像装置により撮像された画像に基づき生成されてもよい。
【0050】
また、本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100は、マッチング度により第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20の位置を算出してもよい。このとき、第1鉄筋判定部164a1及び/または第2鉄筋判定部164a2(鉄筋位置算出ユニット)は、濃淡画像と、テンプレート画像とのマッチング度に基づき、少なくとも一つの第1鉄筋R10及び/または少なくとも一つの第2鉄筋R20の位置を算出するように構成されていてもよい。
【0051】
本開示の実施形態においては、マッチング度は、例えば、センサユニット130による検出結果、センサユニット130による検出結果に基づき生成される二次元画像と、またはテンプレート画像とを比較することにより算出されてもよい。例えば、センサユニット130による検出結果に基づき生成される二次元画像のうちの比較対象となる部分画像における全画素の画素値と、テンプレート画像における全画素の画素値とを比較し、比較される2つの画像の互いに対応する各画素の画素値が一致するか否かに基づき、一致する画素の割合を百分率で表す等によりマッチング度として算出してもよい。例えば、テンプレート画像が50,000個の画素を含み、比較対象とする濃淡画像における50,000個の画素と比較し、40,000個の画素の濃度が一致、あるいはほぼ一致していた(例えば両者の差異が10%以内等)場合に、マッチング度は80%と算出されてもよい。
【0052】
このとき、マッチング度の基準値を用いて第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20の位置を算出してもよい。このとき、第1鉄筋判定部164a1及び/または第2鉄筋判定部164a2(鉄筋位置算出ユニット)は、マッチング度が所定の基準値以上か判断し、マッチング度が所定の基準値以上である場合に、センサユニット130による検出範囲内に第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20が存在すると判断してもよい、
【0053】
本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100においては、マッチング度の基準値として、高さごとに異なる値が設定されていてもよい。このとき、本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100は、鉄筋結束ロボット100の鉄筋群Rからの高さを算出するロボット高さ算出部164e(本実施形態において、「ロボット高さ算出ユニット」ともいう)を備え、所定の基準値は、鉄筋結束ロボット100の異なる高さに応じた複数の基準値を含み、第1鉄筋判定部164a1及び/または第2鉄筋判定部164a2(鉄筋位置算出ユニット)は、複数の基準値に、ロボット高さ算出部164e(ロボット高さ算出ユニット)により算出された鉄筋結束ロボット100の鉄筋群Rからの高さに対応する基準値が存在するか判断し、複数の基準値に、鉄筋結束ロボット100の高さに対応する基準値が存在すると判断される場合、この基準値に基づき、第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20の位置を算出し、複数の基準値に、鉄筋結束ロボット100の高さに対応する基準値が存在しないと判断される場合、複数の基準値のうちの少なくとも2つの基準値に基づき、測定された鉄筋結束ロボット100の高さに対応する新たな基準値を算出するように構成されていてもよい。
【0054】
本開示の実施形態においては、例えば、鉄筋結束ロボット100の鉄筋群Rからの高さが所定の大きさごとに複数の基準値が設定されていてもよい。例えば、鉄筋結束ロボット100の鉄筋群Rからの高さが10cmから5cmごとに30cmまでの5つの基準値が設定されていてもよい。このとき、例えば、ロボット高さ算出部164eにより、鉄筋結束ロボット100の鉄筋群Rからの高さが20cmであると判断された場合に、高さが20cmについて基準値が60%と設定されていた場合に、60%が基準値として用いられてもよい。また、例えば、ロボット高さ算出部164eにより、鉄筋結束ロボット100の鉄筋群Rからの高さが23cmと判断された場合に、23cmに対する基準値が設定されていないときは、例えば20cmの基準値と25cmの基準値とに基づいて新たな基準値が設定されてもよい。例えば、高さが20cmの基準値が60%であり、高さが25cmの基準値が50%であった場合に、23cmでの基準値を、50%+(((60%-50%)*((25cm-23cm)/(25cm-20cm)))=54%と線形補間による内挿により算出されてもよい。新たに算出された基準値は、例えば記憶装置190に格納され、以降の作業において必要に応じて利用されてもよい。なお、上記の高さ、基準値、また、新たな基準値の算出方法は例示であり、これに限られない。例えば、さらに多くの基準値が設定されていてもよいし、例えば、高さが10cm未満、あるいは30cm超についても基準値が設定されてもよい。
【0055】
以下、本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボットによる鉄筋の位置の算出プロセスについて説明する。
【0056】
まず、鉄筋結束ロボット100で用いられるセンサユニット130の具体例について詳述する。センサユニット130としては、例えば、ToF(Time of Flight)カメラ等の3D距離カメラを用いることができる(例えばESPROS Photonics社製のTOFcam-635)。3D距離カメラにより、例えば、被写物体ごとにカメラからの離間距離に応じて濃淡が異なる画像が出力され、画素ごとに対象となる被写物体までの距離を取得し、比較的近い物体は濃度を高く(黒に近く)、比較的遠い物体ほど濃度を淡く(白に近く)なるように表すことができる。本開示の実施形態においては、鉄筋結束ロボット100が鉄筋群Rを走行中は、鉄筋結束ロボット100と鉄筋群Rとの距離は概ね変わらないので、比較的黒く近い物体を鉄筋(第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20)として認識することにより、鉄筋を検出してもよい。
【0057】
図13は、3D距離カメラにより出力された画像を示す。
図13(a)は3D距離カメラにより撮影された第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所付近の画像を示す。
図13(b)は、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所付近の画像を模式的に示す。
図13(a)に示されるように、3D距離カメラにより撮像される画像には、濃淡が現れ、本開示の実施形態においては、濃度が高い部分を第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20であると認識することが可能である。
図13(b)に模式的に示されるように、画素ごとに濃度の濃淡の異なる画像が取得される。
【0058】
センサユニット130としては、上記で例示してきたカメラ等の撮像装置に限らず、他のセンサが用いられてもよい。例えば、深さ方向または高さ方向の情報を取得可能なレーザ等が用いられてもよい。例えばレーザにより取得された深さ方向の情報に基づき、上記同様の画像濃度を用いた二次元画像を生成してもよい。
【0059】
続いて、センサユニット130により撮像され、取得された画像(本実施形態においては濃淡画像)に基づき鉄筋を検出するプロセスについて説明する。まず、
図14を参照して、センサ130の第1センサ130a、第2センサ130b、第3センサ130c、及び第4センサ130dの配置について説明する。
図14は、第1センサ130a、第2センサ130b、第3センサ130c、及び第4センサ130dの配置を模式的に示す図である。
図14(a)は、鉄筋結束ロボット100を水平方向(X方向)から見た模式的な側面図である。
図14(b)は、鉄筋結束ロボット100を上方向(Z方向上側)から見た模式的な上面図である。
図14(a)には、第1センサ130a、第2センサ130b、及び第3センサ130cと共に、第1センサ130a、第2センサ130b、及び第3センサ130cによる撮像範囲も併せて模式的に示す。
図14(a)及び
図14(b)に模式的に示されるように、Y方向に互いに離間して配置される第1センサ130a及び第2センサ130bは、斜め下向きに撮像するように配置されている。第3センサ130c、及び不図示の第4センサ130dも同様に、斜め下向きに撮像するように配置される。第1センサ130a及び第2センサ130bは、例えば、撮像範囲を規定する画角が例えば80°以上100°以下となるように設定される。また、第3センサ130c及び第4センサ130dは、例えば、画角が例えば50°以上70°以下となるように設定される。いずれのセンサ130も、他の画角となるように設定されてもよい。上述のように、第1センサ130a、第2センサ130b、第3センサ130c、及び/または第4センサ130dの検出結果に基づき、異物の判定を行う場合には、例えば、各センサの角度を上向きにする等、各センサの撮像範囲を変更してもよい。
【0060】
図15は、第1センサ130aによる撮像画像を模式的に示す。
図15に示されるように本開示の実施形態においては、第1センサ130aは斜め下方向を撮像するように配置されているので、手前から奥に向かって隣り合う第1鉄筋R10同士の間隔が狭くなる。本開示の実施形態においては、こうして得られた画像に基づき、例えばテンプレートマッチングを行うことにより、鉄筋群Rを構成する各鉄筋(複数の第1鉄筋R10及び複数の第2鉄筋R20)の位置を検出することができる。本開示の実施形態においては、テンプレートマッチングにより、例えば、撮像した画像と、予め用意した画像との類似度(本実施形態において、「マッチング度」ともいう。)に基づき、鉄筋(第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20)を検出し、鉄筋に対応する濃淡部分を含む濃淡画像をテンプレートとして用意し、各センサユニット130により撮像された画像を走査し、走査方向に類似度を算出する。
【0061】
図16を参照して、本開示の実施形態において実施されるテンプレートマッチングについて説明する。
図16は、本実施形態に係るテンプレートマッチングを説明するための模式的な図である。
図16には、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所c12付近の撮像画像と、X方向及びY方向に走査するためのテンプレート画像TI10及びTI20とを併せて示す。また、
図16には、テンプレート画像TI10及びTI20、それぞれの走査に応じて算出された類似度の模式的なグラフG10及びG20も併せて示す。テンプレート画像TI10及びTI20を、それぞれ、Y方向及びX方向に走査し、テンプレート画像TI10及びTI20との類似度を算出することにより、撮像された画像上において、算出された類似度の最大値が閾値を超えた箇所は、鉄筋が存在する位置に対応すると判断する。グラフG10及びG20に示されるように、Y方向及びX方向に沿った類似度の分布においては、閾値TH10及びTH20を超える部分が確認され、これらが鉄筋の存在する位置に対応する。なお、類似度(マッチング度)は例えば、撮像された画像の各画素の色濃度と、テンプレート画像を構成する各画素の色濃度とを比較することにより算出してもよい。例えば、まず、撮像された画像の各画素の対象物までの距離を色濃度として抽出する。次に、撮像された画像全体の色濃度の合計値又は平均値が、薄い場合(例えば所定の閾値より低い場合)は、撮像された画像内に鉄筋が無いと判断する。一方、色濃度が濃い場合(例えば、所定の閾値より高い場合)は、抽出した色濃度とテンプレート画像を構成する各画素の色濃度との差を画素毎に比較する。撮像された画像の画素のうち、撮像された画素の画素の色濃度と、テンプレート画像を構成する画素の色濃度との差の絶対値の合計が最も低い位置を鉄筋位置として抽出してもよい。このように、撮像画像に対しテンプレート画像を走査し算出された類似度に基づき、テンプレートマッチングによる第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の検出が可能である。
【0062】
図15を参照して上述したように、本開示の実施形態においては、第1センサ130aにより撮像される画像においては、X方向に隣り合う第1鉄筋R10同士の間隔がY方向に沿って変化する。同様に、第2センサ130bにより撮像される画像についても、第1鉄筋R10のX方向の間隔がY方向に変化し、また、第3センサ130c及び第4センサ130dにより撮像される画像についても、撮像される第2鉄筋R20同士のY方向の間隔がX方向に沿って変化する。従って、例えば、撮像される画像に対し正射変換を行うことにより、撮像画像上の鉄筋同士の間隔が略等しくなるように画像を補正してからテンプレートマッチングを行ってもよい。なお、正射変換等の画像の変換を行わず、テンプレートとして
図15のような鉄筋同士の間隔が変化する画像を用意することによっても、テンプレートマッチングに基づく鉄筋の検出を行うことができる。
【0063】
本開示の実施形態に係るテンプレートマッチングにおいては、例えば、各画像に対し周波数分析を行い、位相相関法を用いることにより撮像画像とテンプレート画像との間の関連性を評価してもよい。
【0064】
第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の位置は、例えば、3次元センサ等を用いることにより、検出範囲内の対象物のXYZの3次元データを取得し、推定することも可能である。上述のように、本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100においては、Z方向の第3次元のデータを画素の濃度の情報として扱うテンプレートマッチングを行うことにより、交差箇所c12の位置の算出の計算量を、例えば3次元のXYZのデータに基づき計算を行う場合に比べ、比較的小さくすることができる。本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100のように、走行しながら交差箇所c12の結束作業を行う場合には、計算量を小さくすることができるテンプレートマッチングによる鉄筋の位置の判定方法が好適に用いられる。
【0065】
次に、本開示の実施形態における第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所の判定方法について説明する。本開示の実施形態においては、鉄筋結束ロボット100が第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所c12の判定を行う場合には、上述のように、第1センサ130a及び第2センサ130bが第1鉄筋R10を検出するように構成されていてもよい。すなわち、鉄筋結束ロボット100は、上述のように、鉄筋群Rの第1鉄筋R10と第2鉄筋R20との交差箇所c12を結束するように構成される鉄筋結束ユニット110を備え、センサユニット130は、互いに第3の方向に沿って離間して配置され、少なくとも第1鉄筋R10を検出可能に構成される第1センサ130a及び第2センサ130bを含み、上述の少なくとも一つのテンプレート画像は、第1鉄筋R10の部分画像を含むテンプレート画像TI10(第1テンプレート画像)を含み、鉄筋結束ロボット100は、走行ユニット120がY方向(第1の方向)に進行し、且つ、第1センサ130a及び第2センサ130bが配置される方向(第3の方向)がY方向(第1の方向)と平行となるように配置され、第1鉄筋判定部164a1及び/または第2鉄筋判定部164a2(鉄筋位置算出ユニット)は、第1センサ130a及び/または第2センサ130bの検出結果と、第1テンプレート画像とを照合することにより第1鉄筋R10の位置を算出し、鉄筋結束ユニット110は、位置が算出された第1鉄筋R10上の交差箇所c12を結束してもよい。
【0066】
また、このとき、鉄筋結束ロボット100は、さらに、第3センサ130c及び第4センサ130dが、第1鉄筋R10に加え第2鉄筋R20も検出し交差箇所c12を推定するように構成されていてもよい。すなわち、鉄筋結束ロボット100は、交差箇所c12を推定する交差箇所算出部166(本実施形態において、「交差箇所推定ユニット」ともいう。)をさらに備え、センサユニット130は、互いに上記第3の方向に交差する第4の方向に沿って離間して配置され、少なくとも第2鉄筋R20を検出可能に構成される第3センサ130c及び第4センサ130dを含み、少なくとも一つのテンプレート画像は、第2鉄筋R20の部分画像を含むテンプレート画像TI20(第2テンプレート画像)を含み、鉄筋結束ロボット100は、第4の方向がX方向(第2の方向)と平行となるように配置され、第1鉄筋判定部164a1及び/または第2鉄筋判定部164a2(鉄筋位置算出ユニット)は、第3センサ130c及び/または第4センサ130dの検出結果と、第2テンプレート画像とを照合することにより第2鉄筋R20の位置を算出し、交差箇所推定部(交差箇所推定ユニット)は、算出された第1鉄筋R10と、算出された第2鉄筋R20との交点を交差箇所c12と推定し、鉄筋結束ユニット110は、推定された交差箇所c12を結束するように構成されていてもよい。
【0067】
また、鉄筋結束ロボット100は、第1鉄筋R10の端部R10eを検出した場合、第3センサ130c及び/または第4センサ130dに第1鉄筋R10を検出させ、第3センサ130c及び/または第4センサ130dに検出される第1鉄筋R10に基づき、鉄筋結束ロボット100の後述する横移動量の算出に用いられてもよい。すなわち、鉄筋結束ロボット100は、走行ユニット120が進行する第1鉄筋R10から他の第1鉄筋R10に移動する場合に、第1鉄筋判定部164a1及び/または第2鉄筋判定部164a2(鉄筋位置算出ユニット)により算出される第1鉄筋R10の位置情報に基づき、走行ユニット120の移動量を算出する移動量算出部174(移動量算出ユニット)を備え、第1鉄筋判定部164a1及び/または第2鉄筋判定部164a2(鉄筋位置算出ユニット)は、第1センサ130a及び/または第2センサ130bの検出結果に基づき、走行ユニット120が進行する第1鉄筋R10の位置を算出し、第1センサ130aの検出結果のマッチング度が所定の基準値未満である場合に、マッチング度が、所定の端部基準値以上であるか判断し、マッチング度が所定の端部基準値以上であると判断される場合に、第1センサ130aの検出範囲内に第1鉄筋R10の端部R10eが存在すると判断し、第1センサ130aの検出範囲内に第1鉄筋R10の端部R10eが存在すると判断される場合に、第3センサ130c及び/または第4センサ130dは、第1鉄筋R10を検出するように設定され、第1鉄筋判定部164a1及び/または第2鉄筋判定部164a2(鉄筋位置算出ユニット)は、第3センサ130c及び/または第4センサ130dの検出結果に基づき、走行ユニット120が進行する第1鉄筋R10からX方向(第2の方向)に離間する他の第1鉄筋R10の位置を算出し、移動量算出部174(移動量算出ユニット)は、第1鉄筋判定部164a1及び/または第2鉄筋判定部164a2(鉄筋位置算出ユニット)により算出される他の第1鉄筋R10の位置と、走行ユニット120が進行する第1鉄筋R10の位置とに基づき走行ユニット120のX方向(第2の方向)の移動量を算出し、走行ユニット120は、算出されたX方向(第2の方向)の移動量に基づき、X方向(第2の方向)に移動するように構成されていてもよい。
【0068】
図17を参照して、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所の推定方法について説明する。
図17は、交差箇所の推定方法を説明するための、Z方向下側から見た鉄筋結束ロボット100を模式的に示す図である。
図17に示すように、例えば、本開示の実施形態においては、鉄筋結束ロボット100は、上述のように、2本の第1鉄筋R12及び第1鉄筋R14を走行し、第1センサ130a及び第2センサ130bが第1鉄筋R13を検出し、第3センサ130c及び第4センサ130dが第2鉄筋R20を検出するように構成されている。
図17に示す例においては、第3センサ130c及び第4センサ130dが例えば第2鉄筋R23を検出する。このとき、第1センサ130a及び第2センサ130bの検出結果に基づき、第1センサ130aと第2センサ130bとの間に延伸する第1鉄筋R13を推定し、また、第3センサ130c及び第4センサ130dの検出結果に基づき、第3センサ130cと第4センサ130dとの間に延伸する第2鉄筋R23を推定する。推定された第1センサ130aと第2センサ130bとの間に延伸する第1鉄筋R13と、第3センサ130cと第4センサ130dとの間に延伸する第2鉄筋R23とが交差する箇所を交差箇所c12と推定する。
【0069】
図18を用いて、本開示の実施形態における交差箇所c12の推定方法について説明する。
図18は本開示の実施形態における交差箇所c12の推定方法のフローチャートである。
【0070】
まず、第1センサ130a及び第2センサ130bの検出結果を取得する(S1802)。
【0071】
次に、第1センサ130a及び第2センサ130bの検出結果に基づき、テンプレートマッチングを実行することにより、第1センサ130a及び第2センサ130bにより検出された第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20を確認する(S1804)。
【0072】
第1センサ130a及び第2センサ130bの検出結果に基づき第1鉄筋R13の位置を推定する(S1806)。
【0073】
続いて、第3センサ130c及び第4センサ130dの検出結果を取得する(S1808)。
【0074】
次に、第3センサ130c及び第4センサ130dの検出結果に基づき第2鉄筋R20の位置を推定する(S1810)。
【0075】
続いて、推定された第1鉄筋R13及び推定された第2鉄筋R20の位置に基づき交差箇所を推定する(S1812)。
【0076】
このように、本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100は、第1センサ130a及び第2センサ130bが配置される第3の方向(Y方向)が、第1鉄筋R10の延伸する方向である第1の方向と平行となり、且つ第3センサ130c及び第4センサ130dが配置される方向である第4の方向が第2鉄筋R20の延伸する方向である第2の方向と平行となるように、鉄筋群R上に配置されており、交差箇所c12を推定する交差箇所推定部である交差箇所算出部166を備え、第1センサ130a及び第2センサ130bは、第1鉄筋R10を検出可能に構成されており、第3センサ130c及び第4センサ130dは、第2鉄筋R20を検出可能に構成されており、交差箇所推定部である交差箇所算出部166は、第1センサ130a及び第2センサ130bの検出結果に基づき、第1センサ130a及び第2センサ130bのいずれにもより検出される第1鉄筋R10(第1鉄筋R13)の位置を推定し、第3センサ130c及び第4センサ130dの検出結果に基づき、第3センサ130c及び第4センサ130dのいずれにもより検出される第2鉄筋R20(第2鉄筋R23)の位置を推定し、第1センサ130a及び第2センサ130bにより検出された第1鉄筋R13と、第3センサ130c及び第4センサ130dにより検出された第2鉄筋R23との交点を、交差箇所c12と推定するように構成されていてもよい。
【0077】
鉄筋結束ロボット100が第1鉄筋R13上の第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所c12の位置を算出する場合、例えば第1センサ130aは、交差する点(交差部cp12)を通過している可能性がある。このとき、例えば、第1センサ130aにより撮像された交差部cp12の情報に基づき、算出される交差箇所c12の位置の調整を行ってもよい。すなわち、鉄筋結束ロボット100は、第1センサ130a及び第2センサ130bが第1鉄筋R10を検出しながら第1の方向(Y方向)に進行するように構成され、鉄筋結束ロボット100が進行中に、第1センサ130aが、第1鉄筋R10が第2鉄筋R20と交差する交差部cp12を検出した場合、交差部cp12と、推定された交差箇所c12とが一致するか否かを判定し、交差部cp12と、推定された交差箇所c12とが一致しないとき、推定された交差箇所c12の位置の調整を実行するように構成されていてもよい。検出した交差部cp12の位置と、推定された交差箇所c12の位置とが一致しない場合には、例えば、鉄筋結束ロボット100を第1鉄筋R10に追従させる方法について上述したのと同様に、走行ユニット120の第1走行ユニット120a、第2走行ユニット120b、第3走行ユニット120c、及び/または第4走行ユニット120dを、それぞれ、加速または減速する、あるいは、第1車輪駆動モータ124a、第2車輪駆動モータ124b、第3車輪駆動モータ124c、及び第4車輪駆動モータ124dの回転数を制御することにより、鉄筋結束ロボット100の位置を調整してもよい。
【0078】
なお、
図18を参照して上述した交差箇所の推定方法は例示であり、上述の例に限られない。例えば、各センサによる検出結果の取得は、上記の順で実行されなくてもよく、また、検出結果に基づく鉄筋の位置の推定も上記の順で実行されなくてもよい。
【0079】
次に、本開示の実施形態における鉄筋結束ロボット100の移動量の算出方法について説明する。
図17を参照し、鉄筋結束ロボット100が第1鉄筋R10のY方向の端部R10e付近に到達し、横移動(X方向への移動)を行う場合を例に説明する。
図17に示すように、鉄筋結束ロボット100が第1鉄筋R12及び第1鉄筋R14を走行し、第1鉄筋R12と第1鉄筋R14との間に存在する第1鉄筋R13が第2鉄筋R20(例えば、第2鉄筋R21、R22、R23、R24、及びR25)と交差する箇所の結束を行い、端部R12e、端部R13e、及び端部R14e付近に到達している。このとき、鉄筋結束ロボット100は、次に、結束作業を実行してきた第1鉄筋R13のX方向の隣の第1鉄筋R14の結束作業を実行することとなり、そのため、X方向(第1鉄筋R13から第1鉄筋R14に向かう方向)への移動を行う。
【0080】
図19を参照して、この場合の鉄筋結束ロボット100の横移動の方法について説明する。
図19は、鉄筋結束ロボット100の横移動に関するフローチャートである。
【0081】
まず、第1センサ130aの検出結果を取得する(S1902)。
【0082】
次に、第1センサ130aの検出結果に対し、テンプレートマッチングを行う(S1904)。
【0083】
次に、テンプレートマッチングの結果により、第1センサ130aにより検出される第1鉄筋R13の端部R13eが検出されたか判断する(S1906)。
【0084】
続いて、第2鉄筋R20の端部が検出されたか判断する(S1908)。第2鉄筋R20の端部R20eとしては、例えば、
図17に示すように、第2鉄筋R21、R22、R23、R24、及びR25の端部R21e、R22e、R23e、R24e、及びR25eのうちのいずれかが検出されたか判断してもよい。
【0085】
例えば、第3センサ130c及び/または第4センサ130dの検出結果に基づき、第2鉄筋R20の端部R20eが検出されたか判断してもよい。本開示の実施形態においては、鉄筋結束ロボット100は、Z方向上方から見て、X軸左側の第1鉄筋R10からX軸右側の第1鉄筋R10に向かって第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所の結束作業を行っていく。従って、Z方向上方から見て、X方向の右側に設けられた第4センサ130dの検出結果に基づき、第2鉄筋R20のX方向右側の端部R20eが検出されたかを判断してもよい。例えば、第4センサ130dにより、第2鉄筋R20のX方向右側の端部R20eが検出された場合には、最後の第1鉄筋R10の結束作業が完了した可能性があるので、作業対象である鉄筋群Rの結束作業を終了してもよい。端部R20eの検出については、これに限られず、例えば、他のセンサによる検出結果に基づいて判断されてもよく、X方向右側の第1鉄筋R10からX方向左側の第1鉄筋R10に向かって結束作業を行う場合には、第3センサ130cにより第2鉄筋R20のX方向左側の端部R20eを検出してもよい。また、端部R20eの検出以外の条件に基づき結束作業を終了させるように構成することも可能である。例えば、端部R20e以外の箇所において別の鉄筋の結束作業を開始するように条件を設定し鉄筋結束ロボット100を移動させるように構成することも可能であり、あるいは、異物検出等の要因の発生により結束位置を変更し結束作業を実行する対象となる鉄筋を変え鉄筋結束ロボット100を移動させるように構成することも可能である。また、第1センサ130a及び/または第2センサ130bによっても、例えば配置箇所、傾き、画角等を調整することにより第2鉄筋R20を検出することも可能であるので、第2鉄筋R20の端部R20eの検出を第1センサ130a及び/または第2センサ130bの検出結果を利用して実行してもよい。
【0086】
次に、第4センサ130dの検出結果を取得する(S1910)。
【0087】
続いて、第4センサ130dの検出結果に基づきテンプレートマッチングを行う(S1912)。
【0088】
次に、第4センサ130dにより検出された第1鉄筋R10の位置に基づき、鉄筋結束ロボット100の移動先の第1鉄筋R10を推定する(S1914)。本開示の実施形態においては、第4センサ130dは、複数の第1鉄筋R10を検出する。例えば、
図17に示す例においては、第4センサ130dは、鉄筋結束ロボット100のX方向右側に存在する第1鉄筋R14を検出してもよい。また、第1鉄筋R13に沿った第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所c12の結束作業を実行してきたので、次に、第1鉄筋R14に沿った交差箇所の結束作業を実行する場合、鉄筋結束ロボット100は、例えば第1鉄筋R13及び第1鉄筋R15上を走行するように横移動を行う。例えば、第1走行ユニット120a及び第3走行ユニット120cが第1鉄筋R13上を走行し、第2走行ユニット120b及び第4走行ユニット120dが第1鉄筋R15上を走行するように、鉄筋結束ロボット100をX方向に移動させる横移動を実行してもよい。
【0089】
続いて、横移動量を算出する(S1918)。鉄筋結束ロボット100の横移動量は、以下の方法により算出されてもよい。例えば、上述のように、鉄筋結束ロボット100が、Z方向上側から見てX方向右側に移動する場合、すなわち、第4センサ130dが配置される方向に移動する場合、第4センサ130dが鉄筋結束ロボット100のX方向の中心からX方向にどれだけ離れているか、及び、第4センサ130dが検出する第1鉄筋R14が第4センサ130dからどれだけ離れているか、の2つの情報に基づき算出されてもよい。第4センサ130dが鉄筋結束ロボット100のX方向の中心からX方向にどれだけ離れているか算出する場合に、鉄筋結束ロボット100のX方向の中心は、例えば、鉄筋結束ユニット110が配置されている位置であってもよい。あるいは、鉄筋結束ユニット110による結束位置を鉄筋結束ロボット100のX方向の中心と見做してもよい。このとき、例えば、鉄筋結束ロボット100が結束作業を行う対象である第1鉄筋R13のX方向の位置が、鉄筋結束ロボット100のX方向の中心位置と判断してもよい。なお、鉄筋結束ロボット100のX方向の中心位置及び、第4センサ130dの鉄筋結束ロボット100のX方向の中心位置からの距離(X方向の距離)は予め算出され、記憶装置190に記憶されていてもよい。なお、センサユニット130の位置を変更可能とする構成において、例えば、第4センサ130dの位置を、建設現場等に応じて変更する場合、どの方向にどれだけ第4センサ130dが移動されたか算出し、第4センサ130dの移動量を考慮して、第4センサ130dの鉄筋結束ロボット100のX方向の中心からのX方向における距離が算出されてもよい。また、第4センサ130dから第4センサ130dが検出する第1鉄筋R14がどれだけ離れているかについては、例えば、第4センサ130dにより撮像される画像に基づき算出されてもよい。例えば、第4センサ130dが鉄筋結束ロボット100のX方向の中心(例えば、第1鉄筋R13の位置)からX方向に100離れた位置に取り付けられ、第1鉄筋R14が第4センサ130dから鉄筋結束ロボット100のX方向の中心から遠ざかる方向に20離れた位置にある場合、第1鉄筋R10の間隔(第1鉄筋R13及び第1鉄筋R14の間隔)は120であると算出し、横移動量を120とする制御を行ってもよい。例えば、第4センサ130dが鉄筋結束ロボット100のX方向の中心(例えば、第1鉄筋R13の位置)からX方向に20cm離れた位置に取り付けられ、第1鉄筋R14が第4センサ130dから鉄筋結束ロボット100のX方向の中心から遠ざかる方向に4cm離れた位置にある場合、第1鉄筋R10の間隔(第1鉄筋R13及び第1鉄筋R14の間隔)は24cmであると算出し、横移動量を24cmとする制御を行ってもよい。また、第4センサ130dが鉄筋結束ロボット100のX方向の中心(例えば、第1鉄筋R13の位置)からX方向に20cm離れた位置に取り付けられ、第1鉄筋R14が第4センサ130dから鉄筋結束ロボット100のX方向の中心に向けて4cm近づいた位置にある場合、第1鉄筋R10の間隔(第1鉄筋R13及び第1鉄筋R14の間隔)は16cmであると算出し、横移動量を16cmとする制御を行ってもよい。
【0090】
鉄筋結束ロボット100の横移動量は、例えば、上述するように、鉄筋結束ロボット100は、次に第1鉄筋R14上の交差箇所の結束を行うように横移動させる場合、鉄筋結束ロボット100は、全体として隣り合う第1鉄筋R10の間隔に相当する横移動を行うように、横移動量を算出されてもよい。上述の例においては、第1走行ユニット120a及び第3走行ユニット120cは、第1鉄筋R12から第1鉄筋R13、第2走行ユニット120b及び第4走行ユニット120dは、第1鉄筋R14から第1鉄筋R15に、それぞれ移動する。本開示の実施形態においては、第1鉄筋R10はほぼ等間隔に、互いにほぼ平行となるように配置されているので、第1走行ユニット120a~第4走行ユニット120dのX方向への移動量は等しい。従って、横移動量は、例えば、第4センサ130dにより検出される第1鉄筋R14及び第1鉄筋R15間のX方向の間隔であってもよい。あるいは、第1鉄筋R10同士の間隔はほぼ等しいので、他のセンサによる検出結果に基づき算出される隣り合う第1鉄筋R10同士の間隔に基づき横移動量が算出されてもよい。また、複数(例えば3本以上)の第1鉄筋R10のX方向の距離を算出し、平均値を求めることにより、第1鉄筋R10同士の間隔の平均値により横移動量を算出してもよい。平均値の算出により、例えば第1鉄筋R10同士の間隔に誤差があった場合にも算出される横移動量への誤差の影響を小さくすることができる。
【0091】
次に、算出された横移動量に基づき鉄筋結束ロボット100の横移動を実行する(S1918)。
【0092】
横移動が完了した鉄筋結束ロボット100は、例えば移動後の第1鉄筋R13及び第1鉄筋R15に沿って走行し(S1920)、第1鉄筋R14上の交差箇所c12の結束作業を開始してもよい。
【0093】
上述の第1鉄筋R10の端部R10eの検出は、例えば、端部R10eの画像に対応するテンプレートを用意し、端部R10eのテンプレートとのマッチング度に基づき、判断してもよい。例えば、端部R10e以外の部分について、
図16を参照して例示したように一方向に延伸したテンプレート画像を用意する場合に、端部R10eについては、端部R10e以外の部分に比べ、鉄筋に対応する部分のY方向の長さが短いテンプレート画像を用意してもよい。
【0094】
あるいは、マッチング度がある値の範囲である場合に端部R10eに到達しつつあると判定してもよい。例えば、第1鉄筋R10の端部R10e以外の部分においては、マッチング度が100%に比較的近く、75%以上の場合に第1鉄筋R10の端部R10e以外の部分の存在を判定し、マッチング度が比較的低い、例えば50%以上75%以下の場合に、第1鉄筋R10のうち端部R10eに近い部分を走行していると判定してもよい。端部R10e以外の部分についても端部R10eの近傍についても、ここでのマッチング度は例示であり、他の値が設定されてもよいし、鉄筋の配置状況やその他の環境等に応じて変更可能に構成されてもよい。
【0095】
このように、鉄筋結束ロボット100が横移動をする場合、特に第3センサ130c及び/または第4センサ130dによる第1鉄筋R10の検出結果が用いられる。第3センサ130c及び第4センサ130dについては、上述のように、例えば第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所c12の位置の算出にあたり、第3センサ130c及び第4センサ130dの第2鉄筋R20の位置の検出結果が用いられ、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所c12の位置の算出においては、第3センサ130c及び第4センサ130dによる第1鉄筋R10の位置の検出結果は用いられなくてもよいので、この場合は第3センサ130c及び第4センサ130dによって第1鉄筋R10は検出されなくてもよい。鉄筋結束ロボット100が鉄筋結束作業を進め、第1鉄筋R10の端部R10eに到達した場合に、例えば、鉄筋結束ロボット100が横移動を行い、そのため、移動量を算出できるように、第3センサ130c及び/または第4センサ130dにより第1鉄筋R10が検出できるように、例えば第3センサ130c及び/または第4センサ130dの向きを変更する等の方法により第3センサ130c及び/または第4センサ130dによる撮像範囲を変更してもよい。
【0096】
上記、
図19を参照して、第1センサ130a及び第4センサ130dの検出結果を用いる場合を例に説明したが、検出結果を参照するセンサはこれらに限られず、例えば、鉄筋結束ロボット100の進行する方向に応じてどのセンサを用いるか変えることも可能である。上述のように、第1センサ130aにより第1鉄筋R10の端部R10eが検出された場合に、鉄筋結束ロボット100は、第4センサ130cの方向に横移動を行う場合に限らず、例えば、第1センサ130aにより第1鉄筋R10の端部R10eが検出された場合に、鉄筋結束ロボット100は、第3センサ130cの方向に横移動を行ってもよい。また、例えば、第2センサ130bにより第1鉄筋R10の端部R10eが検出された場合に、鉄筋結束ロボット100は、第3センサ130cの方向に横移動を行ってもよいし、あるいは、第2センサ130bにより第1鉄筋R10の端部R10eが検出された場合に、鉄筋結束ロボット100は、第4センサ130dの方向に横移動を行ってもよい。
【0097】
以下、鉄筋結束ロボット100の横移動の例について
図20~
図25を参照して説明する。
図20~
図25は、横移動中の鉄筋結束ロボット100を鉄筋結束ロボット100の背面(Y方向後ろ側)から見た図及び斜め上方から見た図を含み、
図20(a)~
図25(a)は鉄筋結束ロボット100の背面から見た図であり、
図20(b)~
図25(b)は鉄筋結束ロボット100を斜め上方向から見た図である。
【0098】
図20(a)及び(b)は、横移動を開始する前の鉄筋結束ロボット100を示す。
図20(a)及び(b)に示すように、鉄筋結束ロボット100は、第1鉄筋R12及びR14上を走行する。
【0099】
次に、鉄筋結束ロボット100は、横移動を開始する。本開示の実施形態においては、上述したように、例えば第1センサ130aによる検出結果に基づき第1鉄筋R10の端部R10e近傍に到達した、あるいは到達しつつあると判断された場合に、横移動を開始すると判断する。
図21(a)及び(b)は、鉄筋結束ロボット100が横移動を開始したときの状態を示す。
図21(a)及び(b)に示すように、鉄筋結束ロボット100は、走行ユニット120は移動させず、本体ユニット140を移動する方向(X方向)に移動する。
図21(a)及び(b)に示すように、このとき、第1走行ユニット120a及び第2走行ユニット120bは、それぞれ、第1鉄筋R12及び第1鉄筋R14上に移動せずに存在する。このとき、支持バー150a及び150bは、いずれの鉄筋にも接していない。本体ユニット140の横移動(ここでは例えば水平方向への移動(X方向への移動))は、例えば、
図21(a)及び(b)において不図示の移動ユニット180の第1移動モータ182及び第2移動モータ184により実行されてもよい。
【0100】
次に、鉄筋結束ロボット100は、走行ユニット120を上方向に移動させる。
図22(a)及び
図22(b)に示すように、走行ユニット120は、
図22(a)及び
図22(b)においてZ方向上方に上昇される。走行ユニット120が上昇すると、支持バー150a及び150bが相対的に下降する。走行ユニット120が第1鉄筋R10から離れると、支持バー150a及び150bが第1鉄筋R10に接する。例えば、走行ユニット120は、Z方向の長さが、モータ等(例えば、
図7に示す第1車輪高さ変更モータ126a、第2車輪高さ変更モータ126b、第3車輪高さ変更モータ126c、及び第4車輪高さ変更モータ126d)により、ローラ(第1ローラ部122a、第2ローラ部122b、第3ローラ部122c、及び第4ローラ部122d)を支持するアーム部を曲げることにより変更可能に構成されていてもよく、アーム部を曲げることによりローラ部122を上昇させ、ローラ部122が第1鉄筋R10から離間するように構成されてもよい。
【0101】
図22(a)及び
図22(b)に示すように、支持バー150a及び150bは、例えば、第1鉄筋R11~R14に接する。こうして、支持バー150a及び150bにより鉄筋結束ロボット100全体が支持される。
【0102】
次に、鉄筋結束ロボット100の走行ユニット120がX方向に移動する。
図23(a)及び
図23(b)に示すように、第1鉄筋R12と、第1鉄筋R14とにそれぞれ接していた第1走行ユニット120a及び第3走行ユニット120cと、第2走行ユニット120b及び第4走行ユニット120dとは、第1鉄筋R13と、第1鉄筋R15との上方に移動される。このとき、第1走行ユニット120a~第4走行ユニット120dのいずれもが第1鉄筋R10に接しておらず、支持バー150a及び150bが第1鉄筋R10に接し、鉄筋結束ロボット100を支持している。
【0103】
続いて、走行ユニット120を下降させる。
図24(a)及び
図24(b)に示すように、走行ユニット120は、
図24(a)及び
図24(b)においてZ方向の下方に下降させる。
図24(a)及び
図24(b)に示されるように、第1走行ユニット120a及び第3走行ユニット120cは第1鉄筋R13に接し、第2走行ユニット120b及び第4走行ユニット120dは第1鉄筋R15に接する。従って、支持バー150a及び150bは、相対的に上昇する。そのため、鉄筋結束ロボット100は、この状態において走行ユニット120により支持される。
【0104】
次に、
図25(a)及び
図25(b)に示されるように、本体ユニット140をX方向に移動する。
図21(a)及び
図21(b)を参照して上述したのと同様に、
図25(a)及び
図25(b)に示される本体ユニット140の横移動(ここでは例えば水平方向への移動(X方向への移動))は、例えば、
図25(a)及び(b)において不図示の移動ユニット180の第1移動モータ182及び第2移動モータ184により実行されてもよい。こうして、鉄筋結束ロボット100の横移動が完了する。鉄筋結束ロボット100は、例えば第1鉄筋R13及び第1鉄筋R15上の走行を開始し、第1鉄筋R14上の第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所c12の結束作業を行う。
【0105】
以上、鉄筋結束ロボット100が第1鉄筋R12及びR14から第1鉄筋R13及び第1鉄筋R15に移動する場合を例に説明したが、例えば、複数の第1鉄筋R10を隔てた先に移動することも可能である。この場合も、上記同様の方法により移動することができるし、あるいは、上記の移動方法を繰り返すことによりさらに長い距離の移動も可能である。また、複数の第1鉄筋R10を隔てた先に移動する場合にも同様の方法により、センサユニット130の検出結果に基づき移動量を算出してもよい。
【0106】
また、鉄筋結束ロボット100は、上記で説明した方法に限られず、他の方法により横移動を行ってもよく、その場合においても、本開示の実施形態における移動量の算出方法に従って、センサユニット130の検出結果に基づき鉄筋結束ロボット100の移動量を算出することが可能であり、本開示の実施形態における移動量の算出方法を用いることにより、鉄筋結束ロボット100の移動を円滑に進めることが可能である。
【0107】
上述してきたように、本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100は、延伸方向が第1の方向(Y方向)である複数の第1鉄筋R1と、延伸方向が第1の方向(Y方向)に交差する第2の方向(X方向)であり第1鉄筋R1と交差するように配置される複数の第2鉄筋R2と、を含む鉄筋群R上を走行可能に構成される走行ユニット120と、少なくとも一つの第1鉄筋R1及び/または少なくとも一つの第2鉄筋R2を検出可能に構成されるセンサユニット130と、センサユニット130の検出結果により生成される二次元画像を構成する複数の画素の画素値に基づき、センサユニット130により検出される少なくとも一つの第1鉄筋R1及び/または少なくとも一つの第2鉄筋R2の位置を算出するように構成される第1鉄筋判定部164a1及び/または第2鉄筋判定部164a2(本実施形態において、「鉄筋位置算出ユニット」ともいう。)を備える。本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100は、センサユニット130の検出結果により生成される二次元画像に基づき第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20の位置を算出することにより、第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20の位置の算出プロセスを効率化することができる。従って、鉄筋結束ロボット100の鉄筋血相作業における鉄筋検出プロセスを効率化することができる。例えば、センサユニットの検出結果として、3次元データを用いて鉄筋の位置を算出する場合に比べ、二次元画像に基づいた計算を行うことにより、計算負荷を軽減することができる。
【0108】
鉄筋結束ロボット100を構成する種々のユニットの技術レベルの向上により、鉄筋結束作業の高速化や効率化が可能となってきている。鉄筋結束作業の高速化を実現するためには、鉄筋の検出や鉄筋結束位置の検出プロセスの高速化が望まれると考えられる。本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100により、鉄筋の検出プロセスの効率を向上することができるので、鉄筋結束作業の高速化に寄与できる。
【0109】
また、本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100は、例えば、延伸方向が第1の方向(Y方向)である複数の第1鉄筋R10と、延伸方向が第1の方向(Y方向)に交差する第2の方向(X方向)であり第1鉄筋R10と交差するように配置される複数の第2鉄筋R20と、を含む鉄筋群の第1鉄筋R10と第2鉄筋R20との交差箇所c12を結束するように構成される鉄筋結束ユニット110と、第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20上を走行可能に構成される走行ユニット120と、少なくとも一つの第1鉄筋R10及び/または少なくとも一つの第2鉄筋R20を検出可能に構成され、互いに第3の方向(Y方向)に沿って離間して配置される第1センサ130a及び第2センサ130bと、少なくとも一つの第1鉄筋R10及び/または少なくとも一つの第2鉄筋R20を検出可能に構成され、互いに第3の方向(Y方向)に交差する第4の方向(X方向)に沿って離間して配置される第3センサ130c及び第4センサ130dと、を備える。上述してきたように、鉄筋結束ロボット100は、4つのセンサ130(第1センサ130a、第2センサ130b、第3センサ130c、及び第4センサ130d)を備えるので、例えば、上述のように、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所c12の検出を効率良く行うことができる。交差箇所c12の位置は、例えば、鉄筋結束ユニット110の近傍にセンサを設けることにより確認することも可能であるが、鉄筋結束ユニット110が上下に移動するように構成されるので、近傍にセンサを設けにくいことがある。本開示の実施形態においては、鉄筋結束ユニット110の近傍にセンサを設けなくても、交差箇所c12の位置を、4つのセンサ130の検出結果に基づき推定することができる。
【0110】
また、本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100は、例えば、延伸方向が第1の方向(Y方向)である複数の第1鉄筋R10と、延伸方向が第1の方向(Y方向)に交差する第2の方向(X方向)である複数の第2鉄筋R20と、を含む鉄筋群の第1鉄筋R10と第2鉄筋R20との交差箇所c12を結束するように構成された鉄筋結束ユニット110と、第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20上を走行可能に構成される走行ユニット120と、第1鉄筋R10及び/または第2鉄筋R20を検出可能に構成されるセンサユニット130と、走行ユニット120が走行する第1鉄筋R10または第2鉄筋R20から他の第1鉄筋R10または他の第2鉄筋R20に移動する場合に、センサユニット130により検出される第1鉄筋R10または第2鉄筋R20の位置情報に基づき、走行ユニット120の移動量を算出する移動量算出部174と、を備える。上述してきたように、本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100は、例えば、センサユニット130の検出結果に基づき鉄筋結束ロボット100の移動先の鉄筋の位置を判断し、鉄筋結束ロボット100の走行ユニット120が走行する鉄筋の位置と、移動先の鉄筋の位置とに基づき、鉄筋結束ロボット100の移動量を算出することができる。例えば、鉄筋結束ロボット100が、鉄筋結束作業を行っていた鉄筋の端部に達した場合に、次に鉄筋結束作業を行う鉄筋に移動する場合に、センサユニット130による検出結果に基づき移動量を算出することができる。
【0111】
上述してきた本開示の実施形態においては、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20が、互いに直交するように配置された鉄筋群において鉄筋結束ロボット100が第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の交差箇所c12の鉄筋結束作業を行う場合を例に説明したが、本開示の実施形態に係る鉄筋結束ロボット100は、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20が非直交の関係にある場合にも用いられてもよい。
【0112】
図26は、本開示の他の実施形態に係る鉄筋結束ロボット200のZ方向下方から見た模式的な図である。
図26に示すように、本実施形態においては、第1鉄筋R10に対して、第2鉄筋R20が30°程度の角度で配置されている。本実施形態に係る鉄筋結束ロボット200は、鉄筋結束ロボット100と、第3センサ130c及び第4センサ130dの位置が異なる。鉄筋結束ロボット200の第3センサ130c及び第4センサ130dは、X方向に対して30°の傾きとなる直線上に存在するように配置されている。鉄筋結束ロボット200においては、第3センサ130c及び第4センサ130dを、第2鉄筋R20に合わせ、X方向から傾く方向に配置することにより、鉄筋結束ロボット100と同様の方法により第2鉄筋R20の検出が可能である。
【0113】
このように、第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の配置構成に応じて、第1センサ130a~第4センサ130dの配置を変更してもよい。第1センサ130a、第2センサ130b、第3センサ130c、及び/または第4センサ130dの配置の変更は、例えば、結束作業の対象となる鉄筋群Rが配置された建設現場に応じて鉄筋結束作業を開始する前に手動または自動により調整してもよい。あるいは、鉄筋結束ロボット100が走行を開始した後であっても、センサユニット130の検出結果に基づき第1鉄筋R10及び第2鉄筋R20の関係を判定し、判定結果に基づき第1センサ130a、第2センサ130b、第3センサ130c、及び/または第4センサ130dの配置を動的に変更してもよい。このとき、例えば、第1センサ130a~第4センサ130dを駆動可能なモータ等が設けられ、第1センサ130a~第4センサ130dの位置をモータの駆動により変更するように構成されていてもよい。
【0114】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【0115】
(付記1)
延伸方向が第1の方向である複数の第1鉄筋と、延伸方向が前記第1の方向に交差する第2の方向であり前記第1鉄筋と交差するように配置される複数の第2鉄筋と、を含む鉄筋群上を走行可能に構成される走行ユニットと、
少なくとも一つの前記第1鉄筋及び/または少なくとも一つの前記第2鉄筋を検出可能に構成されるセンサユニットと、
前記センサユニットの検出結果により生成される二次元画像を構成する複数の画素の画素値に基づき、前記センサユニットにより検出される前記少なくとも一つの前記第1鉄筋及び/または前記少なくとも一つの前記第2鉄筋の位置を算出するように構成される鉄筋位置算出ユニットと、
を備える、鉄筋結束ロボット。
【0116】
(付記2)
第1鉄筋及び/または第2鉄筋の部分画像を含む少なくとも一つのテンプレート画像の情報を格納する記憶装置を備え、
前記二次元画像は、濃淡画像を含み、前記鉄筋位置算出ユニットは、前記濃淡画像を、前記テンプレート画像と照合することにより、前記少なくとも一つの前記第1鉄筋の及び/または前記少なくとも一つの前記第2鉄筋の前記位置を算出する、
付記1に記載の鉄筋結束ロボット。
【0117】
(付記3)
前記鉄筋位置算出ユニットは、前記濃淡画像を構成する画素の濃度値が、第1閾値以上である場合に、前記第1閾値以上の前記濃度値を有する画素に対応する位置に前記第1鉄筋の少なくとも一部及び/または前記第2鉄筋の少なくとも一部が存在すると判断する、
付記2に記載の鉄筋結束ロボット。
【0118】
(付記4)
前記センサユニットは、検出対象物の表面の複数の点のx座標、y座標、及びz座標を検出可能な3次元センサを含み、
前記3次元センサにより検出されるz座標値が、前記z座標値の大きさに応じて異なる画像濃度に変換され、
前記濃淡画像は、前記x座標と、前記y座標と、前記画像濃度とに基づき2次元画像を構成することにより生成される、
付記2に記載の鉄筋結束ロボット。
【0119】
(付記5)
前記センサユニットは、撮像装置を含み、
前記濃淡画像は、前記撮像装置により撮像された画像に基づき生成される、
付記2に記載の鉄筋結束ロボット。
【0120】
(付記6)
前記鉄筋位置算出ユニットは、前記濃淡画像と、前記テンプレート画像とのマッチング度に基づき、前記少なくとも一つの前記第1鉄筋及び/または前記少なくとも一つの前記第2鉄筋の前記位置を算出する、
付記2から5のいずれかに記載の鉄筋結束ロボット。
【0121】
(付記7)
前記鉄筋位置算出ユニットは、前記マッチング度が所定の基準値以上か判断し、
前記マッチング度が前記所定の基準値以上である場合に、前記センサユニットによる検出範囲内に前記第1鉄筋及び/または前記第2鉄筋が存在すると判断する、
付記6に記載の鉄筋結束ロボット。
【0122】
(付記8)
前記鉄筋結束ロボットの前記鉄筋群からの高さを算出するロボット高さ算出ユニットを備え、
前記所定の基準値は、前記鉄筋結束ロボットの異なる高さに応じた複数の基準値を含み、
前記鉄筋位置算出ユニットは、前記複数の基準値に、前記ロボット高さ算出ユニットにより算出された前記鉄筋結束ロボットの前記鉄筋群からの高さに対応する基準値が存在するか判断し、
前記複数の基準値に、前記高さに対応する前記基準値が存在すると判断される場合、前記基準値に基づき、前記第1鉄筋及び/または前記第2鉄筋の位置を算出し、
前記複数の基準値に、前記高さに対応する前記基準値が存在しないと判断される場合、前記複数の基準値のうちの少なくとも2つの基準値に基づき、前記高さに対応する新たな基準値を算出する、
付記7に記載の鉄筋結束ロボット。
【0123】
(付記9)
前記鉄筋群の前記第1鉄筋と前記第2鉄筋との交差箇所を結束するように構成される鉄筋結束ユニットを備え、
前記センサユニットは、互いに第3の方向に沿って離間して配置され、少なくとも前記第1鉄筋を検出可能に構成される第1センサ及び第2センサを含み、
前記少なくとも一つのテンプレート画像は、前記第1鉄筋の部分画像を含む第1テンプレート画像を含み、
前記鉄筋結束ロボットは、前記走行ユニットが前記第1の方向に進行し、且つ、前記第3の方向が前記第1の方向と平行となるように配置され、
前記鉄筋位置算出ユニットは、前記第1センサ及び/または前記第2センサの検出結果と、前記第1テンプレート画像とを照合することにより第1鉄筋の位置を算出し、
前記鉄筋結束ユニットは、前記位置が算出された前記第1鉄筋上の前記交差箇所を結束する、
付記6から8のいずれかに記載の鉄筋結束ロボット。
【0124】
(付記10)
前記交差箇所を推定する交差箇所推定ユニットをさらに備え、
前記センサユニットは、互いに前記第3の方向に交差する第4の方向に沿って離間して配置され、少なくとも前記第2鉄筋を検出可能に構成される第3センサ及び第4センサを含み、
前記少なくとも一つのテンプレート画像は、前記第2鉄筋の部分画像を含む第2テンプレート画像を含み、
前記鉄筋結束ロボットは、前記第4の方向が前記第2の方向と平行となるように配置され、
前記鉄筋位置算出ユニットは、前記第3センサ及び/または前記第4センサの検出結果と、前記第2テンプレート画像とを照合することにより第2鉄筋の位置を算出し、
前記交差箇所推定ユニットは、前記算出された前記第1鉄筋と、前記算出された前記第2鉄筋との交点を前記交差箇所と推定し、
前記鉄筋結束ユニットは、前記推定された前記交差箇所を結束する、
付記9に記載の鉄筋結束ロボット。
【0125】
(付記11)
前記走行ユニットが進行する前記第1鉄筋から他の第1鉄筋に移動する場合に、前記鉄筋位置算出ユニットにより算出される前記第1鉄筋の位置情報に基づき、前記走行ユニットの移動量を算出する移動量算出ユニットを備え、
前記移動量算出ユニットは、前記第3センサ及び/または前記第4センサにより検出される前記他の第1鉄筋の検出結果に基づき前記第2方向の移動量を算出し、
前記走行ユニットは、前記算出された前記第2の方向の移動量に基づき、前記第2の方向に移動する、
付記10に記載の鉄筋結束ロボット。
【0126】
(付記12)
前記走行ユニットが進行する前記第1鉄筋から他の第1鉄筋に移動する場合に、前記鉄筋位置算出ユニットにより算出される前記第1鉄筋の位置情報に基づき、前記走行ユニットの移動量を算出する移動量算出ユニットを備え、
前記鉄筋位置算出ユニットは、
前記第1センサ及び/または前記第2センサの検出結果に基づき、前記走行ユニットが進行する前記第1鉄筋の位置を算出し、
前記第1センサの検出結果の前記マッチング度が前記所定の基準値未満である場合に、前記マッチング度が、所定の端部基準値以上であるか判断し、前記マッチング度が前記所定の端部基準値以上であると判断される場合に、前記第1センサの前記検出範囲内に前記第1鉄筋の端部が存在すると判断し、
前記第1センサの前記検出範囲内に前記第1鉄筋の前記端部が存在すると判断される場合に、
前記鉄筋位置算出ユニットは、前記第3センサ及び/または前記第4センサにより検出された前記他の第1鉄筋の検出結果に基づき、前記走行ユニットが進行する前記第1鉄筋から前記第2の方向に離間する前記他の第1鉄筋の位置を算出し、
前記移動量算出ユニットは、前記鉄筋位置算出ユニットにより算出される前記他の第1鉄筋の前記位置と、前記走行ユニットが進行する前記第1鉄筋の前記位置とに基づき前記走行ユニットの前記第2の方向の移動量を算出し、
前記走行ユニットは、前記算出された前記第2の方向の移動量に基づき、前記第2の方向に移動する、
付記10に記載の鉄筋結束ロボット。
【符号の説明】
【0127】
100、200 鉄筋結束ロボット
110 鉄筋結束ユニット
120 走行ユニット
130 センサユニット
130a 第1センサ
130b 第2センサ
130c 第3センサ
130d 第4センサ
140 本体ユニット
150 支持バー
160 制御装置
164a1 第1鉄筋判定部(鉄筋位置算出ユニット)
164a2 第2鉄筋判定部(鉄筋位置算出ユニット)
164e ロボット高さ算出部(ロボット高さ算出ユニット)
166 交差箇所算出部(交差箇所推定ユニット)
174 移動量算出部(移動量算出ユニット)
190 記憶装置
c12 交差箇所
cp12 交差部
R10 第1鉄筋
R20 第2鉄筋