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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103048
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】鉄筋結束装置
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/12 20060101AFI20240725BHJP
   E04C 5/16 20060101ALI20240725BHJP
   B21F 15/06 20060101ALI20240725BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
E04G21/12 105E
E04C5/16
B21F15/06
B25J5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007177
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】浅見 貴也
(72)【発明者】
【氏名】曹 ▲エイ▼
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕
【テーマコード(参考)】
2E164
3C707
4E070
【Fターム(参考)】
2E164AA02
2E164BA44
3C707AS21
3C707CS01
3C707HS27
3C707KS36
4E070AB06
4E070AC03
4E070BA02
4E070DB05
(57)【要約】
【課題】鉄筋の結束を的確に行うことができる鉄筋結束装置を提供する。
【解決手段】第1方向に延びる鉄筋と第1方向と交差する第2方向に延びる鉄筋とが交差する結束部位を結束する結束機構と、結束機構が搭載された本体部と、本体部に連結された複数の脚部を有する脚構造と、を備え、複数の脚部の各々は、本体部と脚部に接触する鉄筋との距離を変更可能に構成された変位機構41を含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる鉄筋と前記第1方向と交差する第2方向に延びる鉄筋とが交差する結束部位を結束する結束機構と、
前記結束機構が搭載された本体部と、
前記本体部に連結された複数の脚部を有する脚構造と、
前記本体部に連結された支持フレームと
を備え、
前記複数の脚部の各々は、前記本体部と前記脚部に接触する鉄筋との距離を変更可能に構成された変位機構を含む、
鉄筋結束装置。
【請求項2】
前記複数の脚部は、前記本体部における前記第1方向の一方側に設けられた第1脚部と、前記本体部における前記第1方向の他方側に設けられた第2脚部とを含み、
前記第1脚部の前記変位機構と前記第2脚部の前記変位機構とは、前記本体部と前記鉄筋との距離を互いに異なる距離に変更可能に構成されている、
請求項1に記載の鉄筋結束装置。
【請求項3】
前記複数の脚部は、前記本体部における前記第2方向の一方側に設けられた第3脚部と、前記本体部における前記第2方向の他方側に設けられた第4脚部とを含み、
前記第3脚部の前記変位機構と前記第4脚部の前記変位機構とは、前記本体部と前記鉄筋との距離を互いに異なる距離に変更可能に構成されている、
請求項1に記載の鉄筋結束装置。
【請求項4】
前記変位機構は、前記鉄筋に接触する車輪を有する、
請求項1に記載の鉄筋結束装置。
【請求項5】
前記変位機構は、前記車輪と前記本体部とを接続する接続部を有し、
前記接続部は、伸縮可能に構成されている、
請求項4に記載の鉄筋結束装置。
【請求項6】
前記変位機構は、前記接続部を伸縮させるモータをさらに有する、
請求項5に記載の鉄筋結束装置。
【請求項7】
前記複数の脚部の各々に設けられた前記変位機構を構成する前記モータの負荷を計測し、前記計測された各モータの負荷に基づいて、各モータの駆動を制御する制御部、
をさらに備える、
請求項6に記載の鉄筋結束装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記計測された各モータの負荷の合計値が最小となるように、各モータの駆動を制御する、
請求項7に記載の鉄筋結束装置。
【請求項9】
前記変位機構は、前記接続部を伸長させる方向に付勢する付勢部材をさらに有する、
請求項5に記載の鉄筋結束装置。
【請求項10】
前記変位機構は、水平方向において互いに異なる複数の位置に前記付勢部材が設けられる、
請求項9に記載の鉄筋結束装置。
【請求項11】
前記変位機構は、前記本体部に連結された第1端部と、前記鉄筋に接触する第2端部とを有し、前記第1端部を固定端とし、前記第2端部を自由端とし、
前記接続部は、水平方向に延びる回転軸を介して複数のリンクが回転自在に連結され、前記第2端部の移動方向を前記本体部の高さ方向に規制するリンク機構を含む、
請求項5に記載の鉄筋結束装置。
【請求項12】
前記複数の脚部のうち、前記鉄筋結束装置の前記第1方向への移動時において、移動方向の前方に位置する脚部は、前記リンク機構を構成する複数のリンクのうち、前記第1端部に位置する第1リンクと前記第2端部に位置する第2リンクとの接続部位が、前記リンク機構における前記鉄筋結束装置の進行方向の前方に配置され、
前記鉄筋結束装置が前記第1方向に移動する際に駆動する第1移動モータの負荷を計測し、前記計測された前記第1移動モータの負荷の変化に基づいて、前記鉄筋結束装置が障害物に衝突したか否かを判定する第1判定部をさらに備える、
請求項11に記載の鉄筋結束装置。
【請求項13】
前記複数の脚部のうち、前記鉄筋結束装置の前記第1方向への移動時において、移動方向の前方に位置する脚部は、前記リンク機構を構成する複数のリンクのうち、前記第1端部に位置する第1リンクと前記第2端部に位置する第2リンクとの接続部位が、前記リンク機構における前記鉄筋結束装置の進行方向の前方に配置される、
請求項11に記載の鉄筋結束装置。
【請求項14】
前記鉄筋結束装置が前記第2方向において隣り合う鉄筋に移動する際に駆動する第2移動モータの負荷を計測し、前記計測された前記第2移動モータの負荷の変化に基づいて、前記鉄筋結束装置の前記第2方向への移動が正常に行われているか否かを判定する第2判定部をさらに備える、
請求項1に記載の鉄筋結束装置。
【請求項15】
前記変位機構は、前記鉄筋結束装置の前記第2方向への移動が正常に行われていないと判定した場合、前記脚部を前記鉄筋から遠ざける、
請求項14に記載の鉄筋結束装置。
【請求項16】
前記結束機構による前記結束部位の結束時に、前記本体部の高さを制御する昇降制御部をさらに備える、
請求項1に記載の鉄筋結束装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋結束装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築施工に際し、鉄筋結束を自動化する技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、平行に延びる一対の鉄筋を走行レールとして縦方向に移動する機能と、平行に延びる鉄筋の間を横方向に移動する機能とを有し、縦方向に移動する際に横方向に延びる鉄筋が検知された場合、移動を停止して、縦方向に延びる鉄筋と横方向に延びる鉄筋とが交差する箇所に結束を行う自走型鉄筋結束ロボットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019―039174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術においては、鉄筋の結束の進行に伴って、結束に用いるワイヤが消費される分だけロボットの重心が上下に移動する。その結果、ロボットと鉄筋との距離が安定せず、鉄筋の結束を的確に行うことができない虞があった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、鉄筋の結束を的確に行うことができる鉄筋結束装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る鉄筋結束装置は、第1方向に延びる鉄筋と第1方向と交差する第2方向に延びる鉄筋とが交差する結束部位を結束する結束機構と、結束機構が搭載された本体部と、本体部に連結された複数の脚部を有する脚構造と、を備え、複数の脚部の各々は、本体部と脚部に接触する鉄筋との距離を変更可能に構成された変位機構を含む、
【0007】
この態様によれば、鉄筋の結束の進行に伴って、結束に用いるワイヤが消費される分だけ本体部の重心が上下に移動したとしても、変位機構により本体部と脚部に接触する鉄筋との距離を変更することで、本体部と脚部に接触する鉄筋との距離を維持することができ、鉄筋の結束を的確に行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、鉄筋の結束を的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る鉄筋結束装置の斜視図である。
図2】一実施形態に係る鉄筋結束装置の斜視図である。
図3】第1ユニットの斜視図である。
図4】脚部の正面図である。
図5】脚部の斜視図である。
図6】脚部の側面図である。
図7】脚部の側面図である。
図8】脚部の側面図である。
図9】一実施形態に係る鉄筋結束装置の斜視図である。
図10】一実施形態に係る鉄筋結束装置の斜視図である。
図11A】鉄筋結束装置の結束処理時の動作を示す図である。
図11B】鉄筋結束装置の結束処理時の動作を示す図である。
図11C】鉄筋結束装置の結束処理時の動作を示す図である。
図12A】鉄筋結束装置の結束処理時の動作を示す図である。
図12B】鉄筋結束装置の結束処理時の動作を示す図である。
図12C】鉄筋結束装置の結束処理時の動作を示す図である。
図13】一実施形態に係る鉄筋結束装置の制御構成を示すブロック図である。
図14】結束処理の処理内容を示すフローチャートである。
図15】横移動処理の処理内容を示すフローチャートである。
図16A】鉄筋結束装置の横移動処理時の動作を示す図である。
図16B】鉄筋結束装置の横移動処理時の動作を示す図である。
図17A】鉄筋結束装置の横移動処理時の動作を示す図である。
図17B】鉄筋結束装置の横移動処理時の動作を示す図である。
図18A】鉄筋結束装置の横移動処理時の動作を示す図である。
図18B】鉄筋結束装置の横移動処理時の動作を示す図である。
図19A】鉄筋結束装置の横移動処理時の動作を示す図である。
図19B】鉄筋結束装置の横移動処理時の動作を示す図である。
図20A】鉄筋結束装置の横移動処理時の動作を示す図である。
図20B】鉄筋結束装置の横移動処理時の動作を示す図である。
図21A】鉄筋結束装置の横移動処理時の動作を示す図である。
図21B】鉄筋結束装置の横移動処理時の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態の鉄筋結束装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、明細書の説明理解の便宜上、鉄筋結束装置の進行方向をX軸方向とし、鉄筋結束装置の幅方向をY軸方向とし、鉄筋結束装置の高さ方向をZ軸方向として定義する。
【0011】
本実施形態の鉄筋結束装置は、自走式のロボットであり、例えば、建築物の施工を行う際、X軸方向に延びる鉄筋(以下、「縦筋」ともいう)と、Y軸方向に延びる鉄筋(以下、「横筋」ともいう)とが交差する結束部位の結束処理を自動で行う装置である。鉄筋結束装置は、装置の稼働時には、縦筋に追従してX軸方向に走行し、横筋が検知された場合には、走行を停止して、結束部位に対する結束処理を行う。鉄筋結束装置は、結束処理が完了すると、走行を再開する。そして以降、鉄筋結束装置は、走行、停止、及び、結束を繰り返しつつ、複数の結束部位に対する結束処理を行う。また、鉄筋結束装置は、縦筋のX軸方向の端部に到達すると、走行している縦筋に対してY軸方向において隣り合う縦筋に移動する横移動処理を行う。そして、鉄筋結束装置は、横移動処理を完了すると、縦筋に追従したX軸方向への走行を再開し、Y軸方向において隣り合う縦筋上の結束部位に対する結束処理を行う。
【0012】
図1及び図2に示すように、本実施形態の鉄筋結束装置10は、本体部11と、本体部11に連結された脚構造12と、本体部11に連結された支持フレーム13とを有する。支持フレーム13は、支持部の一例である。
【0013】
脚構造12は、本体部11の前後に対をなすように設けられた第1ユニット12Aと第2ユニット12Bとを含む。支持フレーム13は、例えば、第1ユニット12Aと第2ユニット12Bとの間に配置されている。支持フレーム13は、第1ユニット12Aよりも前側(鉄筋結束装置10の進行方向の前方側)、または、第2ユニット12Bよりも後側(鉄筋結束装置10の進行方向の後方側)に配置されてもよい。第1ユニット12A及び第2ユニット12Bの各々は、2つの脚部15を含む。第1ユニット12Aにおける一方の脚部15、及び、第2ユニット12Bにおける一方の脚部15は、第3脚部の一例であり、本体部11におけるY軸方向の一方側に設けられている。第1ユニット12Aにおける他方の脚部15、及び、第2ユニット12Bにおける他方の脚部15は、第4脚部の一例であり、本体部11におけるY軸方向の他方側に設けられている。各ユニット12A,12Bのうち、第1ユニット12Aの2つの脚部15は、第1脚部の一例であり、本体部11におけるX軸方向の一方側(鉄筋結束装置10の進行方向の前方側)に設けられている。各ユニット12A,12Bのうち、第2ユニット12Bの2つの脚部15は、第2脚部の一例であり、本体部11におけるX軸方向の他方側(鉄筋結束装置10の進行方向の後方側)に設けられている。第1ユニット12A及び第2ユニット12Bの各々の脚部15の数は、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。各脚部15は、伸縮動作を個別に行うことが可能であり、各脚部15の伸縮動作を通じて、本体部11の高さを調整可能に構成されている。支持フレーム13は、Y軸方向に沿うように延びる枠体状をなしており、本体部11の下面からZ軸方向に延びる2つの第1枠体部13Aと、Y軸方向に延びて2つの第1枠体部13Aの下端部の間を連結する第2枠体部13Bとを含む。第2枠体部13BのY軸方向の寸法は、例えば、Y軸方向において隣り合う縦筋同士の間隔の3倍程度となるように構成されている。第2枠体部13BのY軸方向の寸法は、例えば、Y軸方向において隣り合う縦筋同士の間隔と同程度となるように構成されてもよい。これにより、支持フレーム13は、各脚部15の伸縮動作に伴って本体部11の高さが下降した場合、支持フレーム13の第2枠体部13BがY軸方向において隣り合う2つの縦筋X1,X3または、X1,X2の間を跨るように載置される。すなわち、支持フレーム13の第2枠体部13Bは、本体部11のY軸方向の中央に位置する縦筋X1と、当該縦筋X1を挟んでY軸方向の両側に位置する2つの縦筋X2,X3との何れかを含む2つの縦筋X1,X3または、X1,X2を跨るように載置される。
【0014】
本体部11のX軸方向の両側には、センサ16が一つずつ搭載されている。センサ16は、第2検知部の一例である。なお、図1、2に示す例では、本体部11の前面に搭載されたセンサ16のみが図示されている。センサ16は、例えば、本体部11の下方を撮影範囲としており、撮影範囲には、少なくとも本体部11のY軸方向の中央に位置する縦筋X1が含まれている。センサ16は、例えば、対象物との距離を測定する機能を有し、対象物との距離の測定値が縦筋X1との距離として予め設定した距離と一致することを条件に、対象物が縦筋X1であると検知する。2つのセンサ16は、X軸方向に離れた縦筋X1の2箇所を検知し、これらのセンサ16により検知された2箇所を結ぶ直線の延びる方向を縦筋X1の長手方向として特定する。そして、鉄筋結束装置10は、特定された縦筋X1の長手方向に沿うように、Y軸方向の両側の車輪17の回転速度を個別に制御する。また、鉄筋結束装置10は、上述のように特定された縦筋X1の長手方向に沿うように鉄筋結束装置10の移動方向を制御しつつ、縦筋X1に追従するように移動する。
【0015】
本体部11のY軸方向の両側には、センサ18が一つずつ搭載されている。センサ18は、第1検知部の一例である。なお、図1、2に示す例では、本体部11のY軸方向の一方側の側面に搭載されたセンサ18のみが図示されている。センサ18は、例えば、本体部11の下方を撮影範囲としており、撮影範囲には、少なくとも、鉄筋結束装置10が結束部位の近傍まで到達した際に、本体部11をY軸方向に横切る横筋Y1(図9等参照)を含む。センサ18は、例えば、対象物との距離を測定する機能を有し、対象物との距離の測定値が横筋Y1との距離として予め設定した距離と一致することを条件に、対象物が横筋Y1であると検知する。2つのセンサ18は、Y軸方向に離れた横筋Y1の2箇所を検知し、これらのセンサ18により横筋が検知された場合において、検知された2箇所を結ぶ直線の延びる方向を横筋の長手方向として特定する。そして、鉄筋結束装置10は、上述のように特定された縦筋の長手方向と、上述のように特定された横筋の長手方向とが交差する部位を、縦筋と横筋とが交差する結束部位として算出する。また、鉄筋結束装置10は、算出された結束部位に向けて移動する際、算出された結束部位の位置と後述する結束機構70の結束部73の位置とがY軸方向において一致するように、Y軸方向の両側の車輪17の回転速度を個別に制御し、鉄筋結束装置10の移動方向を制御する。
【0016】
次に、脚構造12を構成する各ユニットの構成について説明する。なお、第1ユニット12A及び第2ユニット12Bは、互いに共通の構成を有している。そのため、以下の説明では、第1ユニット12Aを例に挙げて説明する。
【0017】
図3に示すように、第1ユニット12Aは、例えば、本体部11に連結され、一方向に長く延びる連結部30と、連結部30の長手方向の第1端部及び第2端部にそれぞれ設けられた脚部15とを有している。連結部30は、例えば、断面略L字状をなしている。連結部30は、例えば、底板部31と、底板部31からZ軸方向に突出した側板部32とを有している。底板部31は、例えば、連結部30の長手方向の一方側に位置する第1底板部31Aと、連結部30の長手方向の他方側に位置する第2底板部31Bとを含んでいる。連結部30第1底板部31Aと第2底板部31Bとの間には、例えば、連結部30の長手方向において空隙が形成されている。側板部32は、例えば、連結部30の長手方向の全域に亘って延びている。すなわち、連結部30は、長手方向の中央部分において底板部31が切り欠かれた構成であってもよい。連結部30の側板部32における長手方向の中央部分には、横移動ローラ33が設けられている。横移動ローラ33は、駆動歯車の一例であり、第2駆動部を構成する。横移動ローラ33は、例えば、本体部11に設けられた駆動ラック11Aに対して噛合している。駆動ラック11Aは、噛合部の一例であり、第2駆動部を構成する。駆動ラック11Aは、例えば、横移動ローラ33の外歯に噛み合う複数の歯がY軸方向に直線状に並列されている。横移動ローラ33が本体部11に設けられ、駆動ラック11Aが連結部30に設けられてもよい。そして、横移動ローラ33が第2駆動部を構成するモータからの駆動力に基づいて回転すると、横移動ローラ33が駆動ラック11Aの長手方向に沿うように駆動ラック11Aに対して相対移動し、本体部11と第1ユニット12AとがY軸方向において相対移動してもよい。また、連結部30の第1底板部31A及び第2底板部31Bの各々には、例えば、一つの脚部15が連結されている。
【0018】
脚部15は、連結部30の第1底板部31Aまたは第2底板部31Bに連結された基部40(図7等参照)を有している。基部40には、変位機構41が連結されている。変位機構41は、基部40に連結された第1端部を固定端とし、第1端部とは反対側の第2端部を自由端として、変位可能に構成されている。変位機構41は、車輪17と本体部11とを接続するリンク機構41Aを有する。リンク機構41Aは、接続部の一例であり、伸縮可能に構成されている。リンク機構41Aは、例えば、一方向に長く延びる複数のリンクが回転可能に連結されており、複数のリンクは、第1端部に位置する第1リンク42と、第2端部に位置する第2リンク43とを含む。第1リンク42は、第2リンク43に対して回転自在に連結されている。変位機構41は、第1ユニット12A及び第2ユニット12Bの各脚部15に設けられており、それぞれ独立に制御可能に構成されている。すなわち、第1脚部の変位機構41と第2脚部の変位機構41とは、本体部11と縦筋との距離を互いに異なる距離に変更可能に構成されている。また、第3脚部の変位機構41と第4脚部の変位機構41とは、本体部11と縦筋との距離を互いに異なる距離に変更可能に構成されている。
【0019】
第1リンク42は、基部40の先端に設けられた回転軸44の軸線方向の両端部に回転可能に連結された一対のリンク部材42A,42Bと、回転軸44の軸線方向における一対のリンク部材42A,42Bの中間位置に回転可能に連結され、変位機構41の変位方向を規制する規制リンク機構45と、を含む。一対のリンク部材42A,42Bは、一方向に長く延びる形状を有しており、第1端部が回転軸44に対して回転可能に連結され、第2端部が第2リンク43の第1端部に設けられた第2回転軸49に対して回転自在に連結されている。規制リンク機構45は、一方向に長く延びる複数の規制リンク47が回転自在に連結されて構成されており、基部40の先端に連結された第1規制リンク47Aと、第1規制リンク47Aと第2リンク43とを連結する第2規制リンク47Bとを含む。第1規制リンク47Aの第1端部は、基部40の先端に設けられた回転軸44に対して回転自在に連結され、第1規制リンク47Aの第2端部は、第2規制リンク47Bの第1端部に対して回転軸48を介して回転自在に連結されている。第2規制リンク47Bの第1端部は、第1規制リンク47Aの第2端部に対して回転軸48を介して回転自在に連結され、第2規制リンク47Bの第2端部は、第2リンク43の第1端部に設けられた第1回転軸46に対して回転自在に連結されている。第1規制リンク47Aと第2規制リンク47Bとを連結する回転軸48は、第1規制リンク47Aと第2規制リンク47Bとの連結部位から回転軸48の軸線方向の両側に突出した突起部として機能する。これらの突起部には、第1リンク42に設けられたコイルばね50により上方への付勢力が作用する。コイルばね50は、付勢部材の一例であり、第1リンク42において規制リンク機構45を挟んで回転軸48の軸線方向の両側に対をなすように設けられている。
【0020】
第2リンク43は、第1回転軸46及び第2回転軸49の各々の軸線方向の両端部を支持している。第1回転軸46及び第2回転軸49は、第2リンク43の長手方向において並列して配置されている。第1回転軸46の軸線方向の中央部には、規制リンク機構45の第2規制リンク47Bの第2端部が回転自在に連結されている。第2回転軸49の軸線方向の両端部には、第1リンク42における一対のリンク部材42A,42Bの第2端部がそれぞれ回転自在に連結されている。第2回転軸49の軸線方向の中央部には、第2回転軸49を回転駆動させるモータ51が設けられている。モータ51は、第1駆動部の一例である。モータ51は、一対のリンク部材42A,42Bの各々に個別に対応して設けられている。
【0021】
第2リンク43は、略U字状をなす軸受部を有しており、軸受部は、車輪17を回転自在に支持している。車輪17は、縦筋X2,X3からの脱落を防止するために、幅方向の両側に円板状をなすフランジ部17Aを有している。軸受部の外側面には、車輪17を回転駆動させるモータ52が設けられている。すなわち、鉄筋結束装置10は、4つの車輪17の各々に個別に対応するようにモータ52を備えており、各車輪17の回転を個別に制御することが可能となっている。モータ52は、各車輪17に内蔵してもよい。
【0022】
そして、図8に示すように、モータ51の駆動に伴って第2回転軸49が回転すると、第2回転軸49の回転に連動して第2リンク43が第2回転軸49を中心として第1リンク42に対して相対回転する。この例では、第2リンク43は、第2回転軸49を中心として図8に示す時計回り方向に回転し、第1リンク42と第2リンク43とが交差する角度が大きくなるように、第2リンク43が第1リンク42に対して相対回転する。この場合、変位機構41は、基部40に連結された第1端部を固定端とし、第1端部とは反対側の第2端部を自由端として、変位可能に構成されているため、第2回転軸49はX軸方向において基部40に接近する方向に移動する。ここで、変位機構41は、規制リンク機構45により、変位機構41の先端に設けられた車輪17の変位方向が規制されている。そのため、モータ51の駆動に伴って、変位機構41の先端に設けられた車輪17は上下方向に沿うように上昇または下降する。
【0023】
図9及び図10に示すように、本体部11は、本体部11をZ軸方向に貫通する貫通部60を有している。貫通部60は、本体部11の上面に開口しており、結束機構70が上方から挿入されている。
【0024】
結束機構70は、柱体状をなしており、保持部71と、昇降駆動部の一例としての昇降部72と、結束部73とを備えている。保持部71は、結束機構70の長手方向の中央部に設けられている。保持部71は、金属製のワイヤを巻回したロール体を保持する。結束部73は、鉄筋結束装置10が結束部位に移動した際に、昇降部72によって、結束部位に接近するように降下してワイヤを用いた結束作業を行い、結束作業が完了した後に結束部位から離間するように上昇する。結束部73は、2つのアーム部73A,73Bが略V字状に交差した構成を有しており、2つのアーム部73A,73Bが対向する方向を結束部位に対して斜めに交差する方向に一致させた状態で、保持部71から繰り出されたワイヤを一方のアーム部73Aと他方のアーム部73Bとの間に巻き掛けることで、ワイヤを用いた結束部位に対する結束処理を行う。より詳細には、結束部73は、結束部位の周囲にワイヤを巻き回す動作と、結束部位の周囲に巻き回されたワイヤを結束部位に密着するように巻き付ける動作と、結束部位に巻き付けられたワイヤを捩じる動作等を行うことにより、ワイヤを用いて結束部位に対する結束処理を行う。
【0025】
結束機構70は、円板状の係合部74を有する。係合部74の平面視形状は、貫通部60の開口形状よりも大きい。そのため、結束機構70は、貫通部60に挿入された場合、係合部74が貫通部60の開口縁に対してZ軸方向において係合して位置決めされる。この場合、結束機構70は、係合部74を基準とした長手方向の一方側(この例では、下方側)に結束部73が設けられる。
【0026】
本体部11は、結束部73をZ軸方向に昇降させる昇降部72を備える。そして、鉄筋結束装置10が結束位置に到達した場合、本体部11の各脚部15の伸縮動作に加えて、昇降部72により結束部73をZ軸方向に昇降させることで、結束部73を結束部位に精度よく降下させ、ワイヤを用いた結束部位に対する結束処理を的確に行う。
【0027】
図11A及び図11Bに示すように、本体部11に対して結束機構70が挿入された場合、結束機構70の結束部73は本体部11の下面から下方に突出する。そして、鉄筋結束装置10は、縦筋X1に追従して走行する。この場合、結束機構70の結束部73は、縦筋X1よりも上方に離間して配置される。また、図11Cに示すように、結束部73の2つのアーム部73A,73Bは、縦筋X1の長手方向に対して斜めに交差する方向において対向している。
【0028】
そして、図12A及び図12Bに示すように、鉄筋結束装置10が縦筋X1に追従して走行し、鉄筋結束装置10が横筋に対してZ軸方向において対向する位置に到達すると、本体部11の各脚部15の伸縮動作に伴って、結束機構70の結束部73を縦筋と横筋との距離が所定の距離になる位置まで降下させ、結束機構70の結束部73と結束部位とをZ軸方向において位置合わせする。この場合、図12Cに示すように、結束部73の2つのアーム部73A,73Bは、結束部位に対して斜めに交差する方向において対向している。そして、結束部73は、一方のアーム部73Aから他方のアーム部73Bに向けてワイヤを巻き掛けることにより、ワイヤを用いた結束部位の結束処理を行う。
【0029】
結束機構70は、貫通部60に挿入された状態で、貫通部60の開口中心を通る回転軸線を中心とした周方向に回転可能に構成されている。この場合、結束機構70は、手動で回転してもよいし、回転駆動部の一例としてのモータからの駆動力に基づいて回転してもよい。そして、結束機構70は、回転軸線を中心とした周方向に回転した場合、結束部73の2つのアーム部73A,73Bの向きが変更される。そのため、結束機構70は、縦筋と横筋とが直角に交差する場合に限らず、縦筋と横筋とが斜めに交差する場合にも、ワイヤを用いて結束部位に対する結束処理を行うことが可能となる。
【0030】
次に、本実施形態の鉄筋結束装置10の制御構成について説明する。
【0031】
図13に示すように、鉄筋結束装置10の制御装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部:circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め制御装置100のHDDやフラッシュメモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能なコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されており、コンピュータ読み取り可能な記録媒体がドライブ装置に装着されることで制御装置100のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
【0032】
制御装置100は、例えば、位置情報取得部110と、姿勢情報取得部160と、追従制御部120と、停止制御部130と、横移動制御部140と、昇降制御部150と、水平制御部170と、モータ制御部180とを備える。
【0033】
位置情報取得部110は、カメラ群200から取得した情報に基づいて、鉄筋結束装置10の位置に関する情報を取得する。カメラ群200は、例えば、鉄筋結束装置10のX軸方向の両側に設けられたセンサ16と、鉄筋結束装置10のY軸方向の両側に設けられたセンサ18とを含む。鉄筋結束装置10の位置に関する情報は、例えば、カメラ群200により特定された縦筋の長手方向に関する情報、及び、横筋の長手方向に関する情報を含む。
【0034】
追従制御部120は、位置情報取得部110により取得された鉄筋結束装置10の位置に関する情報に基づいて、鉄筋結束装置10を縦筋に追従させるように走行を制御する。追従制御部120は、例えば、位置情報取得部110により取得された縦筋の長手方向に関する情報に基づいて、鉄筋結束装置10の移動方向を縦筋の長手方向と一致させるように、鉄筋結束装置10の走行を制御する。追従制御部120は、例えば、鉄筋結束装置10の移動方向を縦筋の長手方向と一致させるように、モータ制御部180によるモータ群230の制御量を決定する。この場合、モータ群230は、例えば、各車輪17の回転を制御するモータ52を含む。追従制御部120は、鉄筋結束装置10が縦筋の長手方向に沿うように移動する際に駆動するモータ52の負荷を計測する。
【0035】
追従制御部120は、鉄筋結束装置10の前方への移動時において、脚構造12を構成する複数の脚部15のうち、鉄筋結束装置10の前方に位置する脚部15は、第1端部に位置する第1リンク42と、第2端部に位置する第2リンク43との接続部位が、変位機構41における鉄筋結束装置10の前方に配置されるように、各脚部15の伸縮動作を制御するモータ51を駆動する。そして、追従制御部120は、鉄筋結束装置10を前方に移動させるモータの負荷の変化に基づいて、鉄筋結束装置10が障害物に衝突したか否かを判定する。追従制御部120は、第1判定部の一例である。
【0036】
停止制御部130は、位置情報取得部110により取得された鉄筋結束装置10の位置に関する情報に基づいて、鉄筋結束装置10を縦筋と横筋とが交差する結束部位にて停止させるように走行を制御する。停止制御部130は、例えば、カメラ群200により特定された縦筋の長手方向と横筋の長手方向とが交差する位置を、縦筋と横筋とが交差する結束部位として特定し、特定した結束部位の位置にて鉄筋結束装置10の移動を停止する。停止制御部130は、例えば、縦筋と横筋とが交差する結束部位にて鉄筋結束装置10の移動を停止するように、モータ制御部180によるモータ群230の制御量を決定する。この場合、モータ群230は、例えば、各車輪17の回転を制御するモータ52を含む。
【0037】
横移動制御部140は、制御部の一例であり、例えば、位置情報取得部110により取得された鉄筋結束装置10の位置に関する情報に基づいて、鉄筋結束装置10の横移動を制御する。横移動制御部140は、移動量算出部の一例であり、例えば、位置情報取得部110により取得された鉄筋結束装置10の位置に関する情報に基づいて、本体部11の横方向への移動量を算出する。横移動制御部140は、例えば、位置情報取得部110により取得された鉄筋結束装置10の位置に関する情報に基づいて、鉄筋結束装置10が縦筋の長手方向の端部に到達したと検知された場合、鉄筋結束装置10の各車輪17が載置される縦筋をY軸方向において隣り合う縦筋に変更するように、鉄筋結束装置10の横移動処理を実行する。横移動制御部140は、例えば、横移動処理の各ステップにおいて、モータ制御部180によるモータ群230の制御量を決定する。この場合、モータ群230は、例えば、各車輪17の回転を制御するモータ52と、各脚部15の伸縮動作を制御するモータ51と、本体部11及び脚構造12を横移動させるモータとを含む。
【0038】
横移動制御部140は、鉄筋結束装置10がY軸方向において隣り合う縦筋に移動する際の横移動ローラ33を駆動させるモータの負荷を計測し、計測されたモータの負荷の変化に基づいて、鉄筋結束装置10の横移動処理が正常に行われているか否かを判定する。横移動制御部140は、第2判定部の一例である。横移動制御部140は、例えば、計測されたモータの負荷が所定の閾値以上である場合、脚部15の先端に設けられた車輪17が縦筋X2,X3に衝突する等、鉄筋結束装置10の横移動処理が正常に行われていないと判定する。横移動制御部140は、例えば、鉄筋結束装置10の横移動処理が正常に行われていないと判定した場合、車輪17を縦筋X2,X3から遠ざけるように、各脚部15を伸縮させるモータ51の駆動を制御する。
【0039】
昇降制御部150は、位置情報取得部110により取得された鉄筋結束装置10の位置に関する情報に基づいて、結束機構70の結束部73の昇降動作を制御する。昇降制御部150は、例えば、鉄筋結束装置10が縦筋と横筋とが交差する結束部位に到達した場合に、結束機構70の結束部73を降下させるように結束機構70の昇降動作を制御する。昇降制御部150は、例えば、結束機構70の結束部73を降下させるように、モータ制御部180によるモータ群230の制御量を決定する。この場合、モータ群230は、結束機構70の結束部73を昇降させるモータを含む。
【0040】
姿勢情報取得部160は、センサ群210及びモータ群230から取得した情報に基づいて、鉄筋結束装置10の姿勢に関する情報を取得する。姿勢情報取得部160は、例えば、鉄筋結束装置10の姿勢に関する情報として、各脚部15の伸縮動作を制御するモータのモータ負荷に関する情報を取得し、取得したモータ負荷に関する情報に基づいて、本体部11の水平レベルを特定する。この場合、センサ群210は、例えば、各脚部15の伸縮動作を制御するモータのモータ負荷を計測するセンサや鉄筋結束装置10の姿勢の傾きを検知するジャイロセンサ等の傾斜度検出センサを含む。また、モータ群230は、例えば、各脚部15の伸縮動作を制御するモータ51を含む。
【0041】
水平制御部170は、制御部の一例であり、例えば、姿勢情報取得部160により取得された鉄筋結束装置10の姿勢に関する情報に基づいて、鉄筋結束装置10の姿勢を水平姿勢に維持するように制御する。水平制御部170は、例えば、各脚部15の伸縮動作を制御するモータ51のモータ負荷を計測し、計測されたモータ負荷の合計値が最小となるように、モータ制御部180によるモータ群230の制御量を決定する。この場合、モータ群230は、各脚部15の伸縮動作を制御するモータ51を含む。
【0042】
次に、本実施形態の鉄筋結束装置10が実行する結束処理について説明する。図14は、結束処理の一例を示すフローチャートである。図14に示すフローチャートは、例えば、鉄筋結束装置10の動作が開始された場合に実行される。
【0043】
図14に示すように、制御装置100は、まず、脚構造12の各脚部15を伸縮させるモータ51のモータ負荷を計測する(ステップS100)。
【0044】
次に、制御装置100は、先のステップS100において計測された各モータのモータ負荷の合計値が最小となるように、各脚部15を伸縮させるモータ51の駆動量を設定し、鉄筋結束装置10の姿勢を水平姿勢に維持するように制御する(ステップS200)。
【0045】
次に、制御装置100は、本体部11のX軸方向の両側に設けられたセンサ16により縦筋X1の長手方向を特定し、特定した縦筋X1の長手方向に基づいて、各車輪17を回転させるモータ52の駆動量を設定し、縦筋X1に追随して鉄筋結束装置10を走行させる(ステップS300)。
【0046】
次に、制御装置100は、本体部11のY軸方向の両側に設けられたセンサ18により横筋が検知されたか否かを判定する(ステップS400)。
【0047】
制御装置100は、先のステップS400において横筋が検知されないと判定したときには(ステップS400=NO)、横移動の条件が成立したか否かを判定する(ステップS500)。横移動の条件は、例えば、鉄筋結束装置10が縦筋X1のX軸方向の端部に到達した場合や、鉄筋結束装置10の進行方向の前方に障害物を検知した場合等に成立する。
【0048】
制御装置100は、先のステップS500において横移動の条件が成立していないと判定した場合(ステップS500=NO)、その処理をステップS100に戻す。一方、制御装置100は、先のステップS500において横移動の条件が成立したと判定した場合(ステップS500=YES)、鉄筋結束装置10の横移動処理を実行する(ステップS600)。
【0049】
図15に示すように、制御装置100は、鉄筋結束装置10の横移動処理において、まず、横移動ローラ33を第1駆動方向である正転方向に駆動し、脚構造12を構成する各脚部15を縦筋X1に当接させて脚構造12を支持した状態で本体部11を脚構造12に対してY軸方向に移動させる(ステップS601)。
【0050】
次に、制御装置100は、先のステップS601において正転駆動させた横移動ローラ33の駆動量が第1閾値に達したか否かを判定する(ステップS602)。
【0051】
制御装置100は、横移動ローラ33の駆動量が第1閾値に達していないと判定したときには(ステップS602=NO)、その処理をステップS603に戻す。一方、制御装置100は、横移動ローラ33の駆動量が第1閾値に達したと判定したときには(ステップS602=YES)、脚構造12を構成する各脚部15を伸縮させるモータ51を駆動し、各脚部15を収縮させて本体部11の高さを降下させる(ステップS603)。
【0052】
次に、制御装置100は、脚構造12を構成する各脚部15を伸縮させるモータ51の駆動量に基づいて、各脚部15が縦筋X2,X3から離間したか否か(支持フレーム13が縦筋X1,X3に当接したか否か)を判定する(ステップS604)。
【0053】
制御装置100は、各脚部15が縦筋X2,X3から離間していないと判定したときには(ステップS604=NO)、その処理をステップS603に戻す。一方、制御装置100は、各脚部15が縦筋X2,X3から離間したと判定したときには(ステップS604=YES)、横移動ローラ33を第2駆動方向である逆転方向に駆動し、支持フレーム13を縦筋X1,X3に当接させて本体部11を支持した状態で脚構造12を本体部11に対してY軸方向に移動させる(ステップS605)。
【0054】
次に、制御装置100は、先のステップS605において逆転駆動させた横移動ローラ33の駆動量が第2閾値に達したか否かを判定する(ステップS606)。
【0055】
制御装置100は、横移動ローラ33の駆動量が第2閾値に達していないと判定したときには(ステップS606=NO)、その処理をステップS605に戻す。一方、制御装置100は、横移動ローラ33の駆動量が第2閾値に達したと判定したときには(ステップS606=YES)、脚構造12を構成する各脚部15を伸縮させるモータ51を駆動し、各脚部15を伸長させる(ステップS607)。
【0056】
次に、制御装置100は、脚構造12を構成する各脚部15を伸縮させるモータ51の駆動量に基づいて、本体部11に連結された支持フレーム13が縦筋X1,X3から離間したか否か(各脚部15が縦筋X1,X4に当接したか否か)を判定する(ステップS608)。
【0057】
制御装置100は、各脚部15が縦筋X1,X4に当接していないと判定した場合(ステップS608=NO)、その処理をステップS607に戻す。一方、制御装置100は、各脚部15が縦筋X1,X4に当接したと判定した場合(ステップS608=YES)、横移動ローラ33を正転駆動し、脚構造12を構成する各脚部15を縦筋X1,X4に当接させて脚構造12を支持した状態で本体部11を脚構造12に対してY軸方向に移動させる(ステップS609)。
【0058】
次に、制御装置100は、先のステップS609において正転駆動させた横移動ローラ33の駆動量が第3閾値に達したか否かを判定する(ステップS610)。
【0059】
制御装置100は、横移動ローラ33の駆動量が第3閾値に達していないと判定したときには(ステップS610=NO)、その処理をステップS609に戻す。一方、制御装置100は、横移動ローラ33の駆動量が第3閾値に達したと判定したときには(ステップS610=YES)、図15に示す横移動処理を終了する。
【0060】
図14に戻り、制御装置100は、先のステップS600において鉄筋結束装置10の横移動処理を実行した場合、その処理をステップS100に戻す。
【0061】
また、制御装置100は、先のステップS400において横筋Y1が検知されたと判定したときには(ステップS400=YES)、各車輪17を回転させるモータ52の駆動を停止し、鉄筋結束装置10の移動を停止する(ステップS700)。
【0062】
次に、制御装置100は、本体部11に対して結束機構70の結束部73を昇降させる昇降部72を制御し、縦筋X3と横筋Y1とが交差する結束部位に対する結束機構70の結束部73のZ軸方向の位置を調整する(ステップS800)。
【0063】
次に、制御装置100は、Z軸方向の位置が制御された結束部73の動作を制御して、結束部位を結束する(ステップS900)。
【0064】
次に、制御装置100は、鉄筋結束装置10の動作が停止したか否かを判定する(ステップS1000)。制御装置100は、鉄筋結束装置10の動作が停止していないと判定したときには(ステップS1000=NO)、その処理をステップS100に戻し、鉄筋結束装置10の動作が停止するまでの間、ステップS100~ステップS900の処理を繰り返す。一方、制御装置100は、鉄筋結束装置10の動作が停止したと判定したときには(ステップS1000=YES)、図14に示すフローチャートを終了する。
【0065】
次に、本実施形態の鉄筋結束装置10が横移動処理を実行する際の動作について説明する。
【0066】
図16A及び図16Bに示す例では、鉄筋結束装置10は、脚構造12を構成する各脚部15の車輪17が縦筋X2,X3に載置されており、脚構造12が縦筋X2,X3に支持されている。この場合、本体部11に連結された支持フレーム13は、縦筋X1,X2,X3に対して上方に離間している。
【0067】
ここで、鉄筋結束装置10は、横移動処理を実行する際には、まず、本体部11のY軸方向の両側に設けられたセンサ18により、鉄筋結束装置10が走行している縦筋X3に対してY軸方向において隣り合う縦筋X4の位置を検知する。そして、鉄筋結束装置10は、脚構造12を構成する各脚部15の車輪17が載置された縦筋X3と、上述のように検知した縦筋X4とのY軸方向における距離を計測する。また、鉄筋結束装置10は、計測された距離に基づいて、後述する各処理における本体部11または脚構造12のY軸方向の移動量を決定する。また、鉄筋結束装置10は、横移動処理を実行する際には、まず、本体部11のY軸方向の両側に設けられたセンサ18により、鉄筋結束装置10が走行している縦筋X3に対してY軸方向において隣り合う縦筋X4の位置を算出しても良い。本体部11または脚構造12のY軸方向の移動量は、鉄筋結束装置10の中心位置(結束機構70の位置であり、センサ16により検知される縦筋X1の位置)からセンサ18の位置までのY軸方向における距離に関する情報と、センサ18の位置から縦筋X3の位置までのY軸方向における距離に関する情報とに基づいて算出される。なお、鉄筋結束装置10は、例えば、センサ18が鉄筋結束装置10の中心位置(縦筋X1の位置)から「100」離れた位置に取り付けられ、かつ、縦筋X3がセンサ18から「20」鉄筋結束装置10に近づく位置(縦筋X1に近づく位置)にある場合には、後述する各処理における本体部11または脚構造12のY軸方向の移動量を「80」とする制御を行う。また、鉄筋結束装置10は、例えば、センサ18が鉄筋結束装置10の中心位置(縦筋X1の位置)から「100」離れた位置に取り付けられ、かつ、縦筋X3がセンサ18から「20」鉄筋結束装置10から離れる位置(縦筋X1から離れる位置)にある場合には、後述する各処理における本体部11または脚構造12のY軸方向の移動量を「120」とする制御を行う。センサ18の位置が固定されている場合、鉄筋結束装置10の中心位置からセンサ18の位置までのY軸方向における距離に関する情報を初期情報として予めメモリに格納してもよい。センサ18の位置から縦筋X3の位置までのY軸方向における距離に関する情報は、センサ18で検知される縦筋X3の位置から算出されてもよい。
【0068】
すなわち、図17A及び図17Bに示すように、鉄筋結束装置10は、まず、横移動ローラ33を正転駆動し、脚構造12を構成する各脚部15を縦筋X2,X3に当接させて脚構造12を支持した状態で本体部11を脚構造12に対してY軸方向に移動させる。これにより、本体部11は、脚部15が載置されている縦筋X3に対してY軸方向において隣り合う縦筋X4に接近する。
【0069】
次に、図18A及び図18Bに示すように、鉄筋結束装置10は、脚構造12を構成する各脚部15を収縮し、縦筋X1,X3に対する本体部11の高さを降下させる。そして、鉄筋結束装置10は、本体部11に連結された支持フレーム13を縦筋X1,X3に対して当接させる。この場合、支持フレーム13は、鉄筋結束装置10が走行している縦筋X1と、当該縦筋X1に対してY軸方向に隣り合う縦筋X3とを含む2つの縦筋X1,X3を跨るように載置される。また、鉄筋結束装置10は、支持フレーム13が縦筋X1,X3に対して当接した状態から、脚構造12を構成する各脚部15をさらに収縮させると、各脚部15が縦筋X2,X3から離間する(第1処理に相当)。
【0070】
次に、図19A及び図19Bに示すように、鉄筋結束装置10は、横移動ローラ33を逆転駆動し、支持フレーム13を縦筋X3,X4に当接させて本体部11を支持した状態で脚構造12を本体部11に対してY軸方向に移動させる(第2処理に相当)。これにより、脚構造12を構成する各脚部15は、縦筋X1,X4とZ軸方向において対向するように配置される。
【0071】
次に、図20A及び図20Bに示すように、鉄筋結束装置10は、脚構造12を構成する各脚部15を伸長し、各脚部15を縦筋X1,X4に対して当接させる(第3処理に相当)。そして、鉄筋結束装置10は、各脚部15が縦筋X1,X4に対して当接した状態から、脚構造12を構成する各脚部15をさらに伸長させると、本体部11に連結された支持フレーム13が縦筋X3,X4から上方に離間する。
【0072】
次に、図21A及び図21Bに示すように、鉄筋結束装置10は、横移動ローラ33を正転駆動し、脚構造12を構成する各脚部15を縦筋X1,X4に当接させて脚構造12を支持した状態で本体部11を脚構造12に対してY軸方向に移動させる(第4処理に相当)。これにより、本体部11と脚構造12とのY軸方向における相対位置が初期の状態に復帰する。
【0073】
次に、本実施形態の鉄筋結束装置10の作用について、特に、鉄筋結束装置10が横移動処理を行う場合の作用に着目して説明する。
【0074】
本実施形態の鉄筋結束装置10は、横移動処理を行う際、支持フレーム13を縦筋X1,X3またはX3,X4に当接させて本体部11を支持した状態で脚構造12を本体部11に対してY軸方向に移動させる処理と、脚構造12を縦筋X2,X3または縦筋X1,X4に当接させて脚構造12を支持した状態で本体部11を脚構造12に対してY軸方向に移動させる処理とを繰り返す。すなわち、鉄筋結束装置10は、Y軸方向の移動を段階的に行うことで、Y軸方向の移動を効率よく行うことができる。また、鉄筋結束装置10は、Y軸方向の移動を段階的に行うことで、1回の移動で移動させる物の重量を軽くでき、横移動ローラ33の駆動負荷を低減することができる。また、鉄筋結束装置10は、Y軸方向の移動を段階的に行うことで、Y軸方向の移動を一度に行う場合に比して、縦筋X2,X3または縦筋X1,X4に支持された脚部15を支点とした回転モーメントの発生が抑えられ、横移動処理を安定して行うことができる。
【0075】
また、脚構造12を構成する各脚部15は、車輪17の移動方向を規制する規制リンク機構45を有する。そのため、車輪17を縦筋X2,X3または縦筋X1,X4に対して接近または離間する方向に安定して移動させることができる。そのため、鉄筋結束装置10は、車輪17が縦筋X2,X3または縦筋X1,X4から離間してY軸方向に移動する際に車輪17が縦筋X2,X3または縦筋X1,X4に対して誤って衝突することが抑えられ、鉄筋結束装置10の横移動処理を安定して行うことができる。
【0076】
また、鉄筋結束装置10は、横移動処理を行う際、横移動ローラ33を駆動するモータのモータ負荷に基づいて、車輪17が縦筋X2,X3または縦筋X1,X4に対して衝突したことを検知した場合には、車輪17を縦筋X2,X3からY軸方向において離間させる方向に横移動ローラ33をさらに駆動させる。そのため、鉄筋結束装置10は、横移動処理をより一層安定して行うことができる。
【0077】
また、鉄筋結束装置10は、鉄筋結束装置10の前方への移動時において、脚構造12を構成する複数の脚部15のうち、鉄筋結束装置10の前方に位置する脚部15は、第1端部に位置する第1リンク42と、第2端部に位置する第2リンク43との接続部位が、変位機構41における鉄筋結束装置10の前方に配置されるように、各脚部15の伸縮動作を制御するモータ51を駆動する。そして、鉄筋結束装置10は、鉄筋結束装置10を前方に移動させるモータの負荷の変化に基づいて、鉄筋結束装置10が障害物に衝突したか否かを判定する。そのため、鉄筋結束装置10は、新たなセンサを設けることなく、鉄筋結束装置10の前方への移動時において、鉄筋結束装置10が障害物に衝突したか否かを判定することができる。
【0078】
また、鉄筋結束装置10は、鉄筋結束装置10の前方への加減速時において、脚構造12を構成する複数の脚部15のうち、鉄筋結束装置10の前方に位置する脚部15が、変位機構41を構成する複数のリンクのうち、第1端部に位置する第1リンク42と、第2端部に位置する第2リンク43との接続部位が、変位機構41における鉄筋結束装置10の前方に配置されるように、脚部15の伸縮動作を制御するモータ51を駆動する。また、鉄筋結束装置10は、脚構造12を構成する複数の脚部15のうち、鉄筋結束装置10の後方に位置する脚部15が、変位機構41を構成する複数のリンクのうち、第1端部に位置する第1リンク42と、第2端部に位置する第2リンク43との接続部位が、変位機構41における鉄筋結束装置10の後方に配置されるように、脚部15の伸縮動作を制御するモータ51を駆動する。そのため、鉄筋結束装置10の前方への加減速時において、脚構造12を構成する各脚部15の伸縮動作に伴って、本体部11の高さが変動することを抑えることができる。
【0079】
次に、本実施形態の鉄筋結束装置10の作用について、特に、鉄筋結束装置10が結束処理を行う場合の作用に着目して説明する。
【0080】
本実施形態の鉄筋結束装置10は、脚部15を伸長させて車輪17を縦筋X1,X2,X3に接近させる方向にコイルばね50からの付勢力を作用させている。そのため、鉄筋結束装置10は、鉄筋の結束の進行に伴って、結束に用いるワイヤが消費される分だけ本体部11の重心が上下に移動したとしても、本体部11の重心の移動に追随してコイルばね50からの付勢力が作用することで、本体部11の姿勢を所望の姿勢を維持することができ、鉄筋の結束を的確に行うことができる。
【0081】
また、鉄筋結束装置10は、脚部15を伸長させる方向にコイルばね50からの付勢力を作用させることで、本体部11の重量を支えるために脚部15を伸長させる方向にモータ51を駆動させる際の消費電力を、コイルばね50の付勢力の分だけ抑えることができる。また、各脚部15に個別にモータ51を設け、各モータ51の消費電力が最小となるように各モータ51の駆動を制御することで、鉄筋結束装置10が水平制御を行う際の消費電力をより一層抑えることができる。
【0082】
また、本実施形態の鉄筋結束装置10は、本体部11に設けられた貫通部60に対して結束機構70が挿入されており、結束機構70は本体部11に対して貫通部60の開口中心を中心とした周方向に回転可能に構成されている。そのため、鉄筋結束装置10は、縦筋と横筋とが交差する結束部位に対して結束処理を行う場合、結束機構70の結束部73の2つのアーム部の向きを変更可能に構成されている。そのため、鉄筋結束装置10は、縦筋と横筋とが直角に交差する場合に限らず、縦筋と横筋とが斜めに交差する場合にも、ワイヤを用いて結束部位に対する結束処理を行うことができ、高い汎用性をもって結束処理を行うことができる。
【0083】
なお、上記実施形態は、以下のような形態にて実施することもできる。
【0084】
上記実施形態においては、鉄筋結束装置10が、脚部15が支持された縦筋X3に隣り合う縦筋X4に移動する際に横移動処理を行う場合を例に挙げて説明した。ただし、鉄筋結束装置10が横移動処理を行う場合はこれに限らず、例えば、鉄筋結束装置10が結束部位に到達した時点で、結束機構70の結束部73の位置と結束部位の位置とがY軸方向において一致しない場合、上述した横移動処理と同様にして、結束機構70のY軸方向における位置を微調整してもよい。すなわち、鉄筋結束装置10は、支持フレーム13を縦筋X1,X3に当接させて本体部11を支持した状態で脚構造12を本体部11に対してY軸方向に移動させる処理と、脚構造12を縦筋X2,X3に当接させて脚構造12を支持した状態で本体部11を脚構造12に対してY軸方向に移動させる処理とを繰り返すことで、結束機構70のY軸方向における位置を微調整してもよい。
【0085】
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
【0086】
〔付記1〕
第1方向に延びる鉄筋と前記第1方向と交差する第2方向に延びる鉄筋とが交差する結束部位を結束する結束機構と、
前記結束機構が搭載された本体部と、
前記本体部に連結された複数の脚部を有する脚構造と、
前記本体部に連結された支持フレームと
を備え、
前記複数の脚部の各々は、前記本体部と前記脚部に接触する鉄筋との距離を変更可能に構成された変位機構を含む、
鉄筋結束装置。
【0087】
〔付記2〕
前記複数の脚部は、前記本体部における前記第1方向の一方側に設けられた第1脚部と、前記本体部における前記第1方向の他方側に設けられた第2脚部とを含み、
前記第1脚部の前記変位機構と前記第2脚部の前記変位機構とは、前記本体部と前記鉄筋との距離を互いに異なる距離に変更可能に構成されている、
付記1に記載の鉄筋結束装置。
【0088】
〔付記3〕
前記複数の脚部は、前記本体部における前記第2方向の一方側に設けられた第3脚部と、前記本体部における前記第2方向の他方側に設けられた第4脚部とを含み、
前記第3脚部の前記変位機構と前記第4脚部の前記変位機構とは、前記本体部と前記鉄筋との距離を互いに異なる距離に変更可能に構成されている、
付記1に記載の鉄筋結束装置。
【0089】
〔付記4〕
前記変位機構は、前記鉄筋に接触する車輪を有する、
付記1から3のいずれか一つに記載の鉄筋結束装置。
【0090】
〔付記5〕
前記変位機構は、前記車輪と前記本体部とを接続する接続部を有し、
前記接続部は、伸縮可能に構成されている、
付記4に記載の鉄筋結束装置。
【0091】
〔付記6〕
前記変位機構は、前記接続部を伸縮させるモータをさらに有する、
付記5に記載の鉄筋結束装置。
【0092】
〔付記7〕
前記複数の脚部の各々に設けられた前記変位機構を構成する前記モータの負荷を計測し、前記計測された各モータの負荷に基づいて、各モータの駆動を制御する制御部をさらに備える、
付記6に記載の鉄筋結束装置。
【0093】
〔付記8〕
前記制御部は、前記計測された各モータの負荷の合計値が最小となるように、各モータの駆動を制御する、
付記7に記載の鉄筋結束装置。
【0094】
〔付記9〕
前記変位機構は、前記接続部を伸長させる方向に付勢する付勢部材をさらに有する、
付記5から8のいずれか一つに記載の鉄筋結束装置。
【0095】
〔付記10〕
前記変位機構は、水平方向において互いに異なる複数の位置に前記付勢部材が設けられる、
付記9に記載の鉄筋結束装置。
【0096】
〔付記11〕
前記変位機構は、前記本体部に連結された第1端部と、前記鉄筋に接触する第2端部とを有し、前記第1端部を固定端とし、前記第2端部を自由端とし、
前記接続部は、水平方向に延びる回転軸を介して複数のリンクが回転自在に連結され、前記第2端部の移動方向を前記本体部の高さ方向に規制するリンク機構を含む、
付記1から10のいずれか一つに記載の鉄筋結束装置。
【0097】
〔付記12〕
前記複数の脚部のうち、前記鉄筋結束装置の前記第1方向への移動時において、移動方向の前方に位置する脚部は、前記リンク機構を構成する複数のリンクのうち、前記第1端部に位置する第1リンクと前記第2端部に位置する第2リンクとの接続部位が、前記リンク機構における前記鉄筋結束装置の進行方向の前方に配置され、
前記鉄筋結束装置が前記第1方向に移動する際に駆動する第1移動モータの負荷を計測し、前記計測された前記第1移動モータの負荷の変化に基づいて、前記鉄筋結束装置が障害物に衝突したか否かを判定する第1判定部をさらに備える、
付記11に記載の鉄筋結束装置。
【0098】
〔付記13〕
前記複数の脚部のうち、前記鉄筋結束装置の前記第1方向への加減速時において、移動方向の前方に位置する脚部は、前記リンク機構を構成する複数のリンクのうち、前記第1端部に位置する第1リンクと前記第2端部に位置する第2リンクとの接続部位が、前記リンク機構における前記鉄筋結束装置の進行方向の前方に配置される、
付記11または12に記載の鉄筋結束装置。
【0099】
〔付記14〕
前記鉄筋結束装置が前記第2方向において隣り合う鉄筋に移動する際に駆動する第2移動モータの負荷を計測し、前記計測された前記第2移動モータの負荷の変化に基づいて、前記鉄筋結束装置の前記第2方向への移動が正常に行われているか否かを判定する第2判定部をさらに備える、
付記1から13のいずれか一つに記載の鉄筋結束装置。
【0100】
〔付記15〕
前記変位機構は、前記鉄筋結束装置の前記第2方向への移動が正常に行われていないと判定した場合、前記脚部車輪を前記鉄筋から遠ざける、
付記14に記載の鉄筋結束装置。
【0101】
〔付記16〕
前記結束機構による前記結束部位の結束時に、前記本体部の高さを制御する昇降制御部をさらに備える、
付記1から15のいずれか一つに記載の鉄筋結束装置。
【0102】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0103】
10…鉄筋結束装置、11…本体部、12…脚構造、12A…第1ユニット、12B…第2ユニット、13…支持フレーム、15…脚部、17…車輪、33…横移動ローラ、51…モータ、52…モータ、70…結束機構、71…保持部、72…昇降部、73…結束部、100…制御装置、110…位置情報取得部、120…追従制御部、130…停止制御部、140…横移動制御部、150…昇降制御部、160…姿勢情報取得部、170…水平制御部、180…モータ制御部、X1,X2,X3,X4…縦筋、Y1…横筋。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B