(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010308
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】浴室換気装置
(51)【国際特許分類】
F24F 7/007 20060101AFI20240117BHJP
F24D 15/00 20220101ALI20240117BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20240117BHJP
F24F 11/77 20180101ALI20240117BHJP
F26B 9/02 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
F24F7/007 B
F24D15/00 B
F24F7/06 Z
F24F11/77
F26B9/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111572
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111970
【弁理士】
【氏名又は名称】三林 大介
(72)【発明者】
【氏名】桑原 祥
【テーマコード(参考)】
3L056
3L058
3L072
3L113
3L260
【Fターム(参考)】
3L056BA01
3L056BD03
3L056BE01
3L056BF06
3L058BA01
3L058BB03
3L058BE05
3L072AA05
3L072AB06
3L113AA01
3L113AB02
3L113AC52
3L113AC67
3L113BA01
3L113CA09
3L113CB24
3L113DA24
3L113DA25
3L260AA02
3L260AB15
3L260BA16
3L260CA13
3L260CB64
3L260FA07
3L260FC03
(57)【要約】
【課題】浴室(2)内の湿度が上昇したことを確実に検知して換気を再開することが可能な浴室換気装置(1)を実現する。
【解決手段】換気ファン(22)を換気速度で回転させながら湿度センサ(16h)で湿度を検出して、湿度が閾値湿度よりも低下したら換気ファンを待機速度まで低下させる。その後、待機時間が経過したら換気ファンの回転速度を増加させて湿度を検出し、得られた確認湿度が閾値湿度よりも低ければ換気ファンを停止させ、確認湿度が閾値湿度よりも高ければ換気ファンを換気速度で回転させて換気を再開する。こうすれば、換気ファンを回転させることで浴室内の湿った空気が浴室換気装置内に吸い込まれるので、湿度センサで湿度の上昇を確実に検出して換気を再開することが可能となる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の換気速度で回転することによって浴室内の空気を換気する換気ファンと、前記換気ファンによって換気される空気の湿度を検出する湿度センサとを備える浴室換気装置において、
前記換気ファンが前記換気速度で回転中に前記湿度センサで検出した湿度が所定の閾値湿度よりも低下した場合には、前記換気ファンの回転速度を所定の待機速度に低下させる回転速度低下手段と、
前記換気ファンの回転速度を前記待機速度に低下させた後、所定の待機時間が経過したら、前記換気ファンの回転速度を増加させる回転速度増加手段と、
前記換気ファンの回転速度を増加させた状態で、前記湿度センサを用いて検出した湿度である確認湿度を取得する確認湿度取得手段と、
前記確認湿度が前記閾値湿度よりも小さかった場合は、前記換気ファンを停止させることによって、前記浴室の換気を終了する換気終了手段と、
前記確認湿度が前記閾値湿度よりも大きかった場合は、前記換気ファンを再び前記換気速度で回転させることによって、前記浴室の換気を再開する換気再開手段と
を備えることを特徴とする浴室換気装置。
【請求項2】
請求項1に記載の浴室換気装置において、
前記換気ファンが前記待機速度で回転している期間を少なくとも含んだ期間中に、前記湿度センサで検出された最低湿度を取得する最低湿度取得手段と、
前記換気ファンの回転速度を増加させた状態で、前記湿度センサで検出された最高湿度を取得する最高湿度取得手段と
を備え、
前記換気再開手段は、前記確認湿度が前記閾値湿度よりも大きかった場合は、更に、前記最高湿度と前記最低湿度との湿度差を算出して、前記湿度差が所定値以上であった場合に、前記浴室の換気を再開させる
ことを特徴とする浴室換気装置。
【請求項3】
請求項1に記載の浴室換気装置において、
前記浴室内の空気を吸い込んだ後、再び前記浴室内に排出することによって前記浴室内の空気を循環させる循環ファンと、
前記循環ファンの回転によって前記浴室内から吸い込まれた空気を加熱する空気ヒータと
を備え、
前記換気ファンおよび前記循環ファンを所定の回転速度で回転させながら前記空気ヒータで空気を加熱することによって、前記浴室内の乾燥運転を実行可能であり、
前記回転速度増加手段は、前記待機時間が経過した場合には、前記換気ファンまたは前記循環ファンの少なくとも一方の回転速度を増加させ、
前記確認湿度取得手段は、前記換気ファンまたは前記循環ファンの少なくとも一方の回転速度が増加した状態で前記確認湿度を取得する
ことを特徴とする浴室換気装置。
【請求項4】
請求項3に記載の浴室換気装置において、
前記循環ファン、前記空気ヒータ、および前記湿度センサは、前記浴室内に設置された循環ユニットケースの内に搭載されており、
前記換気ファンは、前記浴室外に設置された換気ユニットケースの内に搭載されており、前記浴室に開口した換気口から前記循環ユニットケース内の空気を吸引することによって、前記浴室の換気を実行する
ことを特徴とする浴室換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気ファンを回転させることによって浴室内の空気を換気する浴室換気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
浴室は湿度や温度が高くなり易く、湿度や温度が高くなるとカビなどが発生する虞が高くなる。そこで、換気ファンを用いて浴室内の湿った空気を強制的に室外に排出することによって、浴室を換気する浴室換気装置が知られている。また、浴室換気装置に搭載した湿度センサを用いて換気中の空気の湿度を検出することで、湿度が所定湿度よりも低くなったら自動的に換気ファンを停止させる浴室換気装置も提案されている。
【0003】
もっとも、浴室の壁や床などが濡れている場合、壁や床などが乾くためには、浴室内の湿った空気を換気するよりも長い時間が必要となる。このため、換気によって浴室内の湿度が所定湿度以下に下がったとして換気ファンを停止させると、壁や床に付着していた水分が蒸発するに従って浴室内の湿度が上昇して、カビなどが発生し易い環境に戻ってしまう虞が生じる。
【0004】
そこで、換気ファンを停止させた後にも浴室内の湿度を検出して、湿度が上昇していた場合には、換気を再開するようにした換気装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、近年では、上述した従来の換気装置でも、換気ファンの停止後に浴室内の湿度が上昇したことを検知することができずに、換気を再開することができないという問題が生じるようになっていた。この理由は、次のようなものと考えられる。先ず、浴室換気装置についても装置の小型化が要請されるようになっており、その影響で、浴室乾燥装置内に湿度センサを搭載する際にも、装置内の狭い位置に湿度センサを搭載せざるを得なくなっている。このため、換気ファンが停止して、浴室内および浴室換気装置内の空気の動きが少ない状況になると、浴室内の湿度が上昇しても、湿度の高い空気が湿度センサの位置まで届きにくくなり、そのため、湿度が上昇したことを検知することができないためと考えられる。
【0007】
この発明は、従来の技術における上述した課題を解決するために成されたものであり、浴室内の湿度が上昇したことを確実に検知して換気を再開することが可能な浴室換気装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の浴室換気装置は次の構成を採用した。すなわち、
所定の換気速度で回転することによって浴室内の空気を換気する換気ファンと、前記換気ファンによって換気される空気の湿度を検出する湿度センサとを備える浴室換気装置において、
前記換気ファンが前記換気速度で回転中に前記湿度センサで検出した湿度が所定の閾値湿度よりも低下した場合には、前記換気ファンの回転速度を所定の待機速度に低下させる回転速度低下手段と、
前記換気ファンの回転速度を前記待機速度に低下させた後、所定の待機時間が経過したら、前記換気ファンの回転速度を増加させる回転速度増加手段と、
前記換気ファンの回転速度を増加させた状態で、前記湿度センサを用いて検出した湿度である確認湿度を取得する確認湿度取得手段と、
前記確認湿度が前記閾値湿度よりも小さかった場合は、前記換気ファンを停止させることによって、前記浴室の換気を終了する換気終了手段と、
前記確認湿度が前記閾値湿度よりも大きかった場合は、前記換気ファンを再び前記換気速度で回転させることによって、前記浴室の換気を再開する換気再開手段と
を備えることを特徴とする。
【0009】
このような本発明の浴室換気装置では、換気ファンを換気速度で回転させながら湿度センサで湿度を検出して、検出した湿度が閾値湿度よりも低下したら、換気ファンの回転速度を待機速度まで低下させる。尚、待機速度は一般的には速度0であるが、極低速であれば速度0でなくても構わない。その後、待機時間が経過したら、換気ファンの回転速度を増加させて、湿度センサを用いて湿度(確認湿度)を検出し、得られた確認湿度を閾値湿度と比較する。その結果、確認湿度が閾値湿度に達していない場合は換気ファンを停止させることによって浴室の換気を終了するが、確認湿度が閾値湿度を超えていた場合は、換気ファンを換気速度で回転することによって換気を再開する。
【0010】
浴室換気装置内で湿度センサが搭載された位置によっては、換気ファンの回転速度を待機速度に低下させた状態で、浴室内の壁などに付着した水分が蒸発して湿度が上昇しても、湿った空気が浴室換気装置内の湿度センサまで届かずに、湿度の上昇を湿度センサで検出できない場合がある。これに対して、換気ファンの回転速度を待機速度から増加させてやれば、浴室内の湿った空気が浴室換気装置内に吸い込まれて湿度センサに達するので、湿度の上昇を湿度センサで検知することができる。その結果、浴室内の湿度が上昇したことを確実に検知して換気を再開することが可能となる。
【0011】
また、上述した本発明の浴室換気装置では、換気ファンの回転速度が待機速度となっている期間を少なくとも含んだ期間中に、湿度センサで検出された最低湿度を取得しておき、その後、換気ファンの回転速度を増加させた状態で、湿度センサで検出された最高湿度を取得することによって、最高湿度と最低湿度との湿度差を算出する。そして、湿度差が所定値以上であった場合に、浴室の換気を再開することとしても良い。尚、最低湿度を取得する期間は、換気ファンの回転速度が待機速度となっている期間とすることもできるが、湿度センサで検出した湿度が閾値湿度よりも小さくなってから、換気ファンの回転速度が待機速度となっている期間としても良い。
【0012】
こうすれば、換気ファンの回転速度を増加させたことで、湿度センサで検出した湿度が上昇して閾値湿度を超えたとしても、湿度の上昇量が所定値以上でなければ浴室の換気を再開しないので、不必要に換気を再開する事態を防止することができる。
【0013】
上述した本発明の浴室換気装置では、浴室内の空気を浴室換気装置内に吸い込んだ後、再び浴室内に排出することによって浴室内の空気を循環させる循環ファンと、浴室換気装置内に吸い込んだ空気を加熱する空気ヒータとを備え、換気ファンおよび循環ファンを回転させながら空気ヒータで空気を加熱することによって、浴室内の乾燥運転を実行可能としても良い。そして、待機時間が経過した場合には、換気ファンまたは循環ファンの少なくとも一方の回転速度を増加させた状態で確認湿度を取得するようにしても良い。
【0014】
換気ファンに加えて循環ファンを備える浴室換気装置では、循環ファンを回転させても浴室内の空気が浴室換気装置内に吸い込まれて湿度センサに達するので、浴室の湿度が上昇していた場合には湿度センサで検出することができる。このため、浴室内の湿度が上昇したことを確実に検知して換気を再開することが可能となる。
【0015】
換気ファンに加えて、循環ファンや空気ヒータを備える上述した本発明の浴室換気装置では、浴室内には循環ユニットケースを設置し、浴室外には換気ユニットケースを設置して、循環ファンや空気ヒータや湿度センサは循環ユニットケース内に搭載し、換気ファンは換気ユニットケース内に搭載しても良い。そして、浴室に開口した換気口から循環ユニットケース内の空気を吸引することによって、浴室を換気するようにしても良い。
【0016】
浴室外に設置された換気ユニットケース内に換気ファンを搭載してやれば、浴室内の循環ユニットケース内に換気ファンを搭載する必要がなくなるので、循環ユニットケースを小型化することができる。そして、待機時間の経過後は、換気ファンまたは循環ファンの少なくとも一方の回転速度を増加させれば、浴室内の空気が循環ユニットケース内に吸い込まれるため、浴室内の空気の湿度を湿度センサで検出することができる。このため、待機時間中に浴室内の湿度が上昇していた場合には、湿度の上昇を確実に検知して換気を再開することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】浴室2の壁3に設置された本実施例の浴室換気装置1についての説明図である。
【
図2】本実施例の浴室換気装置1の大まかな内部構造を概念的に示した説明図である。
【
図3】換気ファン22の停止後に循環ユニット10内の湿度センサ16hで検出された湿度の変化を例示した説明図である。
【
図4】循環ユニット10を小型化したことによって浴室2内の湿度の上昇を検出できなくなった場合を例示した説明図である。
【
図5】本実施例の浴室換気装置1で行われる換気運転処理の前半部分を示したフローチャートである。
【
図6】換気運転処理の後半部分を示したフローチャートである。
【
図7】本実施例の換気運転処理によって換気停止後の浴室2内の湿度上昇を確実に検知可能な理由を示した説明図である。
【
図8】変形例の浴室換気装置1が換気の再開の要否を判断する方法についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、浴室2の壁3に設置された本実施例の浴室換気装置1についての説明図である。本実施例の浴室換気装置1は、浴室2内に設置される循環ユニット10と、浴室2外に設置される換気ユニット20とを備えている。循環ユニット10は浴室2の壁3に取り付けられており、循環ユニット10の上部から浴室2内の空気を吸い込んで加熱した後、加熱した空気を循環ユニット10の下部から吹き出すことによって、浴室2内を暖房することができる。また、換気ユニット20は、循環ユニット10が取り付けられる壁3の向こう側の位置に取り付けられており、壁3を貫通して浴室2内に開口した換気口3aから浴室2内の空気を吸い出して室外に排出することによって、浴室2内を換気することができる。更に、循環ユニット10で浴室2内を暖房しながら換気ユニット20で換気することにより、浴室2内を乾燥させることも可能となっている。また、浴室換気装置1のユーザは、浴室2内に装着された操作ユニット1aを操作することによって、浴室換気装置1に所望の動作を行わせることができる。
【0019】
図2は、本実施例の浴室換気装置1の大まかな内部構造を概念的に示した説明図である。循環ユニット10は、循環ユニットケース11が浴室2の壁3に取り付けられており、循環ユニットケース11の中に循環ファン12や熱交換器13などが収容された構造となっている。尚、循環ユニット10の循環ユニットケース11は、浴室2の壁3から5mm程度の小さな隙間Gを空けた状態で取り付けられている。
【0020】
循環ファン12は、ブレードと呼ばれる複数の羽根板が配列された円柱形状の羽根車を回転させるクロスフローファンであり、循環モータ12mを駆動することによって循環ファン12を回転させることが可能となっている。また、循環ユニットケース11の上部には空気取入口11aが形成されており、循環ユニットケース11の下部には空気吹出口11bが形成されている。そして、循環ユニットケース11内で循環ファン12を回転させると、浴室2内の空気が空気取入口11aから循環ユニットケース11内に吸い込まれた後、空気吹出口11bから浴室2内に吹き出されるようになっている。空気吹出口11bにはルーバ14が搭載されており、図示しない駆動機構を用いてルーバ14の向きを変更することによって、空気吹出口11bから空気を吹き出す向きを変更することが可能となっている。
【0021】
また、循環ユニットケース11内には、熱交換器13も搭載されている。熱交換器13は、複数枚の熱交換フィン13aが所定の間隔を空けて積層されており、それらの熱交換フィン13aを、熱交換パイプ13bが蛇行することによって何度も貫通した構造となっている。尚、熱交換フィン13aおよび熱交換パイプ13bは銅などの熱伝導率の高い金属によって形成されている。熱交換パイプ13bの一端側には、熱源機5の往き配管6が接続されており、熱交換パイプ13bの他端側には、熱源機5の戻り配管7が接続されている。熱源機5から往き配管6に温水を供給した状態で循環ファン12を回転させると、空気取入口11aから吸い込まれた空気が熱交換フィン13aの隙間を通過し、この時、空気が熱交換パイプ13b内を流れる温水と熱交換することによって加熱される。そして、加熱された空気が空気吹出口11bから吹き出されることによって、浴室2内を暖房することが可能となっている。また、熱交換器13の上流側の熱交換パイプ13bには熱動弁15が搭載されており、熱動弁15が開弁することで熱源機5から熱交換器13に温水が供給されて、暖房が可能となる。
【0022】
尚、本実施例の熱交換器13は、空気取入口11aから吸い込んだ空気を加熱する機能を有していることから、本発明における「空気ヒータ」に対応する。また、本実施例では、熱交換器13を用いて空気を加熱しているが、熱交換器13の代わりに電気ヒータを用いて空気を加熱しても良い。更に、本実施例では、循環ファン12の上流側の位置で空気取入口11aから吸い込まれた後の空気を加熱しているが、循環ファン12の下流側で空気吹出口11bから吹き出される前の空気を加熱するようにしても良い。
【0023】
また、循環ユニットケース11内には、往き配管6から供給される温水の温度を検出する給湯温度センサ16wや、空気取入口11aから吸い込んだ空気の温度を検出する空気温度センサ16aや、湿度を検出する湿度センサ16hが搭載されている。更に、循環ユニットケース11内には、CPUやメモリを内蔵した制御部17も搭載されており、給湯温度センサ16wや空気温度センサ16aや湿度センサ16hの出力は制御部17に入力されている。制御部17は、メモリに記憶されているプログラムを読み出してCPUで実行することにより、循環モータ12mの回転速度や、ルーバ14の動作を制御する。
【0024】
換気ユニット20は、換気ユニットケース21が浴室2の壁3の外側に取り付けられており、換気ユニットケース21内に換気ファン22が収容され、更に、換気ユニットケース21の下方には排気口21aが開口した構造となっている。換気ファン22も、ブレードと呼ばれる複数の羽根板が配列された円柱形状の羽根車を回転させるシロッコファンであり、換気モータ22mを駆動することによって換気ファン22を回転させることが可能となっている。また、換気ユニットケース21が取り付けられた位置には、壁3を貫通する貫通孔3bが形成されており、貫通孔3bが浴室2に開口することによって換気口3aが形成されている。換気ユニットケース21内で換気モータ22mを回転させると、浴室2内の空気が換気口3aから吸い込まれ、換気ユニットケース21の排気口21aから排出される。換気モータ22mの回転速度も制御部17によって制御されている。
【0025】
ここで、一般に浴室2は湿度および温度が高くなり易く、湿度および温度が高くなるとカビなどが発生する虞が生じる。このため、浴室換気装置1の換気ファン22を回転させて浴室2を換気してやれば、カビなどの発生を防止することができる。また、換気ファン22を回転させながら、循環ファン12も回転させて、熱交換器13で加熱した空気を空気吹出口11bから吹き出することで、浴室2の乾燥を促進することもできる。もっとも、浴室2は壁面などが濡れている場合があり、換気が完了して換気ファンを停止した後、壁面などに付着していた水分が蒸発して、浴室2内の湿度が再び上昇することがある。そこで、換気ファン22の停止後も、循環ユニット10内の湿度センサ16hで湿度を検出しておき、湿度が上昇してきた場合には、再び換気ファン22を回転させて浴室2を換気する技術が提案されている。
【0026】
図3は、換気ファン22の停止後に循環ユニット10内の湿度センサ16hで検出された湿度の変化を例示した説明図である。換気中は換気ファン22を回転させて浴室2内の空気を排出するため、湿度センサ16hで検出した湿度は次第に低くなる。時間の経過と共に、湿度の下がり方は次第に小さくなって行くものの、やがては閾値湿度よりも低くなる。ここで、閾値湿度とは、浴室2を換気した方が良いか否かを判断するための基準となる湿度であり、湿度が閾値湿度より高い場合は換気した方が良く、閾値湿度よりも低い場合は換気しなくても良いと判断される。
【0027】
湿度センサ16hで検出した湿度が閾値湿度より低くなった後も、換気を継続していると少しずつ湿度が低下していくが、そのうちに湿度がほとんど低下しなくなる。そこで、湿度の下がり方が充分に小さくなった時点で、換気が完了したものと判断して換気ファン22を停止させる。この時、浴室2の壁面などが濡れていない場合は、
図3中に破線で示したように、時間が経過しても湿度が上昇することはない。これに対して、壁面などが濡れていた場合は、壁面などに付着していた水分が蒸発する結果、時間の経過と共に、浴室2内の湿度が増加する。そこで、湿度が閾値湿度を超えた場合は、再び換気ファン22を回転させて換気を再開する。その結果、湿度センサ16hで検出した湿度が閾値湿度よりも低くなり、更に、湿度の下がり方も十分に小さくなったら、換気ファン22を停止させる。こうしたことを繰り返すことによって、浴室2の壁面などが濡れていた場合でも、濡れていた壁面などを乾かして、時間が経過しても浴室2の湿度が上昇しないようにすることができる。
【0028】
もっとも、近年では、主にデザイン上の観点から、浴室換気装置1にも小型化が要請されるようになっており、特に循環ユニット10は浴室2内に取り付けられることから、小型化が強く要請されている。そして、循環ユニット10が小型化された浴室換気装置1では、浴室2の壁面などが濡れているにも拘わらず、換気ファン22の停止後に湿度センサ16hで湿度の上昇を検知できないことがあった。
【0029】
図4は、循環ユニット10を小型化したことによって浴室2内の湿度の上昇を検知できなくなった場合を例示した説明図である。
図4中に二点鎖線で示した湿度の変化は、小型化した循環ユニット10内の湿度センサ16hで検出した湿度を表している。また、参考として、小型化していない循環ユニット10内の湿度センサ16hで検出した湿度も実線で表示している。更に、壁面などが濡れていない場合の湿度は破線で表示してある。図中に二点鎖線で示したように、小型化した循環ユニット10では、換気ファン22の停止後に時間が経過しても、検出した湿度が閾値湿度を超えていない。このため、換気を再開させることができなくなっている。
【0030】
このような事態が起きる原因は、循環ユニット10を小型化したことに伴って、浴室2内の空気が湿度センサ16hに届きにくくなったためと考えられる。すなわち、
図2を用いて前述したように、循環ユニット10内には、循環ファン12や循環モータ12mや熱交換器13や制御部17などの多くの部品が搭載されているため、循環ユニット10が小型化されると、これらの部品を小さくなった循環ユニットケース11内に収容する必要が生じ、空気温度センサ16aや湿度センサ16hなどのセンサ類は残った狭い隙間に詰め込まれることになる。このため、循環ユニットケース11内を空気が流れにくくなっており、換気ファン22が停止したことによって、浴室2および循環ユニットケース11内で空気がほとんど流れない状態では、たとえ浴室2内の空気の湿度が上昇しても、湿った空気が空気吹出口11bから循環ユニットケース11内に入り込んで湿度センサ16hに到達することが困難となる。その結果、浴室2の空気の湿度が上昇しても、その湿度の上昇を湿度センサ16hで検知することができなくなったものと考えられる。そこで、本実施例の浴室換気装置1は、次のような換気運転処理を行うことで、小型化された循環ユニット10でも湿度の上昇を確実に検出できるようにしている。
【0031】
図5は、本実施例の浴室換気装置1で行われる換気運転処理の前半部分を示したフローチャートである。また、
図6は、換気運転処理の後半部分を示したフローチャートである。尚、この処理は、浴室換気装置1のユーザが、浴室換気装置1の操作ユニット1a(
図1参照)を操作することによって換気の開始を指示すると、循環ユニット10に搭載された制御部17(
図2参照)によって実行される。
【0032】
換気運転処理を開始すると、制御部17は換気モータ22mを駆動して換気ファン22を所定の換気速度で回転させることによって、浴室2の換気を開始する(STEP1)。
図2を用いて前述したように、本実施例の浴室換気装置1では、換気モータ22mを収容した換気ユニットケース21は浴室2の壁3の外側に取り付けられているが、換気ユニットケース21内は壁3に形成された貫通孔3bで浴室2と連通している。このため、換気ユニットケース21内で換気ファン22を回転させることによって、浴室2内の空気を換気ユニットケース21の排気口21aから排出することができる。
【0033】
また、浴室2内の壁3に貫通孔3bの換気口3aが開口した位置には、壁3から5mm程度の隙間Gを空けた状態で、循環ユニット10が取り付けられている(
図1および
図2参照)。更に、循環ユニットケース11は、背面側(壁3に取り付けられる側)に、空気が流通可能な開口を有している。このため、換気ファン22を回転させると、換気される空気の一部は、循環ユニットケース11の空気取入口11aおよび空気吹出口11bから循環ユニットケース11内を通過する経路で浴室2外に吸い出され、それ以外の空気は、換気口3aに達する経路と、壁3と循環ユニットケース11との隙間Gを通過する経路で浴室2外に吸い出されることになる。
【0034】
換気ファン22を回転させることによって換気を開始すると、循環ユニットケース11内に搭載された湿度センサ16hを用いて、浴室2の空気の湿度を検出する(STEP2)。上述したように換気中は循環ユニットケース11の空気取入口11aおよび空気吹出口11bから浴室2内の空気が循環ユニットケース11内を通過するので、循環ユニットケース11内の湿度センサ16hを用いて浴室2の空気の湿度を検出することができる。
【0035】
続いて、湿度センサ16hで検出した湿度が所定の閾値湿度以下であるか否かを判断する(STEP3)。前述したように閾値湿度とは、浴室2を換気した方が良いか否かを判断するための基準として設定されている湿度である。換気を開始して暫くの間は浴室2の湿度が高いので、STEP3では「no」と判断されるので、再び湿度センサ16hを用いて湿度を検出した後(STEP2)、検出した湿度が閾値湿度以下になったか否かを判断する(STEP3)。換気を継続しながらこのような判断を繰り返していると、浴室2内の湿度が次第に低下していくため、やがては湿度が閾値湿度以下になったと判断される(STEP3:yes)。
【0036】
そこで、今度は、湿度センサ16hで検出した湿度の変化量が所定の許容値以下となっているか否かを判断する(STEP4)。このよう判断を行う理由は、たとえ検出した湿度が閾値湿度以下になっても、まだ湿度が下がり続けるようであれば換気を継続するべきと考えられるためである。その結果、湿度の変化量が許容値よりも大きい場合は(STEP4:no)、換気を継続したまま、STEP2に戻って湿度を検出した後、湿度が閾値湿度以下であるか否かを判断する(STEP3)。そして、閾値湿度以下であった場合は(STEP3:yes)、再び、湿度の変化量が許容値以下であるか否かを判断する(STEP4)。このような判断を繰り返しながら換気を継続していると、次第に湿度の下がり方が小さくなって行く。そして、湿度の変化量が許容値以下になったら(STEP4:yes)、それ以上に換気を継続しても無駄と考えられるので、今度は、次のような操作を開始する。
【0037】
先ず、換気ファン22の回転速度を所定の待機速度まで低下させる(STEP5)。待機速度は速度0(すなわち、換気ファン22を停止させた状態)に設定しても良いが、後述するように換気ファン22を再び回転させる可能性もあるので、待機速度を充分に小さな速度に設定して、換気ファン22をゆっくりと回転させておいても良い。こうすれば、換気ファン22を再び回転させる際の電力消費を抑制することができる。尚、換気ファン22の回転速度を待機速度まで低下する動作は制御部17(
図2参照)によって実行されている。従って、本実施例の制御部17は本発明における「回転速度低下手段」に対応する。
【0038】
続いて、制御部17に内蔵されている図示しないタイマを用いて計時を開始し(STEP6)、所定の待機時間が経過したか否かを判断する(STEP7)。待機時間は例えば10分~20分程度の時間に設定されているが、空気温度センサ16aで検出した気温が高い場合は短くし、気温が低い場合は長くするようにしても良い。待機時間が経過していないと判断した場合は(STEP7:no)、STEP7の判断を繰り返すことによって待機時間が経過するまで待機状態となる。その後、待機時間が経過したと判断したら(STEP7:yes)、換気ファン22の回転速度を上昇させる(STEP8)。本実施例では、所定の確認速度に増加させる。尚、換気ファン22の回転速度を確認速度に増加させる動作は制御部17(
図2参照)によって実行されている。従って、本実施例の制御部17は本発明における「回転速度増加手段」に対応する。
【0039】
続いて、制御部17内のタイマを初期化して計時を再開した後(
図6のSTEP9)、所定の確認時間が経過したか否かを判断する(STEP10)。本実施例では、確認時間は2分~5分程度の比較的短い時間に設定されている。確認時間が経過していない場合は(STEP10:no)、STEP10の判断を繰り返すことによって確認時間が経過するまで待機状態となる。その後、確認時間が経過したと判断したら(STEP10:yes)、湿度センサ16hを用いて確認時間が経過後の湿度(確認湿度)を検出する(STEP11)。尚、換気ファン22の回転速度を確認速度に増加させた後、湿度センサ16hで確認湿度を検出する動作は制御部17(
図2参照)によって実行されている。従って、本実施例の制御部17は本発明における「確認湿度取得手段」に対応する。
【0040】
そして、検出した湿度が閾値湿度以下であるか否かを判断する(STEP12)。その結果、湿度が閾値湿度以下であった場合は(STEP12:yes)、換気ファン22を停止させることによって(STEP13)、
図5および
図6に示した換気運転処理を終了する。これに対して、湿度センサ16hで検出した湿度が閾値湿度よりも高かった場合は(STEP12:no)、浴室2の壁面などに付着していた水分が蒸発して、浴室2の湿度が上昇したものと考えられる。そこで、再び、
図5のSTEP1に戻って、換気ファン22の回転速度を換気速度まで増加させることによって、浴室2の換気を再開した後、上述したSTEP2~STEP12の一連の動作を実行する。そして、最終的に、STEP12で、湿度が閾値湿度以下と判断されたら(STEP12:yes)、換気ファン22を停止させて(STEP13)、換気運転処理を終了する。
【0041】
尚、以上では、確認時間が経過してから確認湿度を検出するものとして説明した(STEP10:yes、STEP11)。しかし、確認時間が経過するまでの間も湿度センサ16hを用いて確認湿度を検出しておき、検出した確認湿度が閾値湿度を超えた場合は確認時間の経過を待たずに換気を再開しても良い。また、確認湿度を閾値湿度と比較して、確認湿度が閾値湿度を超えていた場合は換気を再開し、確認湿度が閾値湿度を超えていない場合は換気を終了する動作は、制御部17(
図2参照)によって実行されている。従って、本実施例の制御部17は本発明における「換気再開手段」および「換気終了手段」に対応する。
【0042】
図7は、上述した換気運転処理を行うことで、換気ファン22の停止(あるいは減速)後に浴室2内の湿度上昇を確実に検出可能な理由を示した説明図である。
図7に示した例でも、換気ファン22を回転させて換気を開始すると、湿度センサ16hで検出される湿度は次第に低くなり、やがては閾値湿度よりも低くなる。湿度が閾値湿度を下回っても暫くの間は湿度が低下するが、次第に低下量が小さくなって行く。そして、低下量が充分に小さくなったら、換気ファン22の回転速度を待機速度に低下させることによって、確認待機状態にする。尚、確認待機状態では換気ファン22を停止させても良いが、ゆっくりと回転させても良い。この時点で、浴室2の壁面などが濡れていた場合は、壁面などの水分が蒸発して浴室2内の湿度が上昇するので、湿度センサ16hで検出される湿度が閾値湿度よりも高くなると考えられる(
図3参照)。
【0043】
しかし、循環ユニット10が小型化されている場合は、
図7に示したように、換気ファン22の回転速度が待機速度の間(確認待機状態)では、確認待機状態で少しだけ湿度が上昇するものの、閾値湿度を上回ることはない。そこで、換気ファン22の回転速度を確認速度に増加させる。すると、循環ユニットケース11内には、浴室2の空気が空気取入口11aや空気吹出口11bから流入して循環ユニットケース11内を通過する流れが発生し、この流れによって浴室2内の空気が湿度センサ16hの搭載位置まで運ばれるようになる。その結果、
図7中に実線で示したように、湿度センサ16hで検出した湿度が増加して閾値湿度を上回るので、換気ファン22を換気速度で回転させて換気を再開することが可能となる。これに対して、浴室2の壁面などが濡れていない場合は、換気ファン22を確認速度で回転させても、湿度センサ16hで検出した湿度が閾値湿度に達することはない(
図7中の破線参照)。このため、浴室2の壁面などが濡れていない場合(あるいは乾いた場合)は、換気ファン22を停止して換気を終了させることができる。
【0044】
以上のように、本実施例の換気運転処理を行えば、たとえ循環ユニット10が小型化されていた場合でも、換気ファン22の停止後に浴室2の壁面などに付着していた水分が蒸発して浴室2の湿度が上昇したことを確実に検知して、換気を再開することが可能となる。
【0045】
尚、以上の説明では、換気ファン22の回転速度を待機速度に低下させた状態で所定の待機時間が経過すると、換気ファン22を確認速度に増加させるものとして説明した。しかし、換気ファン22は待機速度のままで、循環ファン12を回転させるようにしても良い。この時の循環ファン12の回転速度は換気ファン22の確認速度と同じであっても良いが、異なる回転速度でも良い。上述したように換気ファン22を回転させる場合は、換気ファン22が換気する空気の一部が循環ユニットケース11内を通過するのに対して、循環ファン12を回転させた場合は、循環ファン12が循環させる空気の全てが循環ユニットケース11内を通過するので、効率よく循環ユニットケース11の流れを発生させることができる。このため、循環ファン12の回転させた場合の確認速度は、換気ファン22を回転させる場合の確認速度よりも小さな回転速度とすることができる。
【0046】
また、上述した本実施例では、換気ファン22の回転速度を確認速度に増加させて、湿度センサ16hで検出した湿度が閾値湿度を超えるか否かに基づいて、換気を再開するか否かを判断するものとして説明した。しかし、換気ファン22の回転速度を確認速度に増加させたことによる湿度の上昇量も考慮して、換気を再開するか否かを判断するようにしても良い。
【0047】
図8は、湿度センサ16hで検出した湿度が閾値湿度を超えるか否かだけでなく、湿度の上昇量も考慮して、換気を再開するか否かを判断する変形例の浴室換気装置1についての説明図である。
【0048】
図8に示した例では、換気ファン22の回転速度が待機速度の期間(あるいは、湿度センサ16hで検出した湿度が閾値湿度を下回ってから、換気ファン22の回転速度が待機速度に設定されている期間)でも湿度センサ16hで湿度を検出することによって、最低湿度Hminを取得する。更に、換気ファン22の回転速度を確認速度に増加させた後も、確認時間が経過するまでの間は湿度センサ16hを用いて湿度を検出することによって、最高湿度Hmaxを取得する。そして、換気ファン22を確認速度に増加させた後の最高湿度Hmaxが閾値湿度を超えており、且つ、最高湿度Hmaxと最低湿度Hminとの湿度差が所定値以上あった場合には、換気ファン22を換気速度で回転させることによって換気を再開する。これに対して、最高湿度Hmaxが閾値湿度を超えていない場合や、最高湿度Hmaxと最低湿度Hminとの湿度差が所定値以下であった場合には、換気ファン22を停止して換気を終了するようにしても良い。
【0049】
こうすれば、不必要に換気を再開する事態を防止することができる。すなわち、例えば、換気中に湿度センサ16hで検出した湿度が閾値湿度を少しだけ下回ったために、換気を一旦停止して確認待機状態になった場合を想定する。このような場合、換気ファン22を確認速度に増加させた時に少しだけ湿度が増加して閾値湿度を超えたとしても、換気を再開する必要があるとは考えにくい。これに対して、明らかに湿度が増加した場合は、換気を再開する必要があると考えられる。このような場合でも、最高湿度Hmaxと閾値湿度との比較だけでなく、最高湿度Hmaxと最低湿度Hminとの湿度差も考慮して換気の再開の要否を判断してやれば、適切に換気を再開することが可能となる。
【0050】
尚、上述した変形例では、最低湿度を検出する動作や最高湿度を検出する動作は、制御部17(
図2参照)によって実行されている。従って、本実施例の制御部17は本発明における「最低湿度取得手段」および「最高湿度取得手段」に対応する。
【0051】
また、上述した変形例では、確認時間の計時中は湿度センサ16hで湿度を検出することとして、確認時間の経過後に、計時中に得られた最高湿度Hmaxと、確認時間の計時前に得られていた最低湿度Hminとの湿度差が所定値以上の場合に、換気を再開するものとして説明した。しかし、確認時間の計時中に得られた湿度が閾値湿度を超えており、且つ、その湿度と最低湿度Hminとの湿度差が所定値以上になった場合には、確認時間が経過していなくても、換気ファン22の回転速度を換気速度に増加させて換気を再開するようにしても良い。こうすれば迅速に換気を再開することができるので、換気を早く終了させることが可能となる。
【0052】
以上、本実施例および変形例の浴室換気装置1について説明したが、本発明は上記の実施例や変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【0053】
例えば、上述した本実施例および変形例の浴室換気装置1では、循環ファン12や熱交換器13が搭載された循環ユニット10と、換気ファン22が搭載された換気ユニット20とを備え、循環ユニット10は浴室2内の壁面に取り付けられており、換気ユニット20は浴室2外に取り付けられているものとして説明した。しかし、循環ユニット10および換気ユニット20を1つのユニットに統合して、統合したユニットを浴室2内の壁面に取り付けるようにしても良い。あるいは、浴室2内の壁面に取り付ける代わりに、浴室2の天井裏に取り付けて、空気取入口11aや空気吹出口11bを天井に開口させるようにしても良い。これらの浴室換気装置1でも、換気ファン22の回転速度を待機速度に低下させた後、換気ファン22(あるいは循環ファン12)の回転速度を増加させて、湿度センサ16hで湿度を検出すれば、換気ファン22が待機速度に設定されている期間に浴室2内の湿度が上昇したことを確実に検知して、換気を再開することが可能となる。
【符号の説明】
【0054】
1…浴室換気装置、 1a…操作ユニット、 2…浴室、 3…壁、
3a…換気口、 3b…貫通孔、 5…熱源機、 6…往き配管、
7…戻り配管、 10…循環ユニット、 11…循環ユニットケース、
11a…空気取入口、 11b…空気吹出口、 12…循環ファン、
12m…循環モータ、 13…熱交換器、 13a…熱交換フィン、
13b…熱交換パイプ、 14…ルーバ、 15…熱動弁、
16a…空気温度センサ、 16h…湿度センサ、 16w…給湯温度センサ、
17…制御部、 20…換気ユニット、 21…換気ユニットケース、
21a…排気口、 22…換気ファン、 22m…換気モータ。