(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103095
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
E06B 3/263 20060101AFI20240725BHJP
E06B 3/58 20060101ALI20240725BHJP
E06B 3/64 20060101ALN20240725BHJP
E06B 5/00 20060101ALN20240725BHJP
【FI】
E06B3/263 G
E06B3/58 B
E06B3/64
E06B5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007243
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】芝野 忠行
(72)【発明者】
【氏名】山田 良
【テーマコード(参考)】
2E014
2E016
2E239
【Fターム(参考)】
2E014AA03
2E014BA02
2E014BA08
2E014BB01
2E014BB02
2E014BD06
2E016AA04
2E016BA01
2E016BA02
2E016CA01
2E016CB01
2E016CC02
2E016DA06
2E016DC02
2E239AB00
(57)【要約】
【課題】状況に応じて防露性を向上させることができる建具を提供する。
【解決手段】建具100は、金属材料で枠状に形成された金属部材10Aと、樹脂材料で形成され金属部材10Aの屋内側に設けられた樹脂部材10Bと、を有するパネル支持体1と、パネル支持体1の内側に配置されたパネル6と、樹脂材料で形成され、樹脂部材における少なくとも内周側の面111dに固定されたカバー材71と、樹脂部材10Bとパネル6の屋内側の面との間に配置されたグレイジング材67と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属材料で枠状に形成された金属部材と、樹脂材料で形成され前記金属部材の屋内側に設けられた樹脂部材と、を有するパネル支持体と、
前記パネル支持体の内側に配置されたパネルと、
樹脂材料で形成され、前記樹脂部材における少なくとも内周側の面に固定されたカバー材と、を備える建具。
【請求項2】
前記樹脂部材と前記パネルの屋内側の面との間に配置されたグレイジング材を備え、
前記カバー材は、前記グレイジング材の近傍に配置されている請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記カバー材の屋外側を向く面、前記グレイジング材及び前記パネルの屋内側を向く面の間に形成される隙間に配置されるシール材を備える請求項2に記載の建具。
【請求項4】
前記樹脂部材と前記カバー材との間には、空間部が形成されている請求項1または2に記載の建具。
【請求項5】
前記カバー材には、中空部が形成されている請求項1または2に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、アルミニウム合金等のアルミ形材に樹脂形材が係止された枠体と、枠体に納められたパネルと、を備えた建具が知られている(下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の建具では、樹脂形材を用いることで防露性が確保されているものの、建具を設置する地域等によっては、さらに高い防露性を求められることがある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、状況に応じて防露性を向上させることができる建具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る建具は、金属材料で枠状に形成された金属部材と、樹脂材料で形成され前記金属部材の屋内側に設けられた樹脂部材と、を有するパネル支持体と、前記パネル支持体の内側に配置されたパネルと、樹脂材料で形成され、前記樹脂部材における少なくとも内周側の面に固定されたカバー材と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第一実施形態に係る建具の鉛直断面図である。
【
図2】第一実施形態に係る建具の水平断面図である。
【
図6】第二実施形態に係る建具の鉛直断面図である。
【
図7】第二実施形態に係る建具の水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第一実施形態)
以下、第一実施形態に係る建具について、図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、本開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺等を異ならせている。
【0009】
建物の開口部に設けられる建具の一例として、FIX窓を用いて説明する。
図1及び
図2に示すように、FIX窓100は、枠体1と、パネル6と、グレイジング材66,67と、カバー材7と、を備えている。FIX窓100は、特許請求の範囲の建具に対応する。枠体1は、特許請求の範囲のパネル支持体に対応する。
【0010】
以下の説明では、FIX窓100を正面から見た左右方向を、幅方向と称する。幅方向に直交し水平方向に沿う方向を、屋内外方向と称する。幅方向及び屋内外方向に直交する方向を、上下方向と称する。図面では、幅方向を矢印Xで示し、屋内外方向を矢印Yで示し、上下方向を矢印Zで示す。各構成部材において、幅方向で中心から離れる側を外側と称し、中心に向かう側を内側という場合がある。
【0011】
枠体1は、四方枠状をしている。枠体1は、
図1に示す上枠10と、下枠20と、
図2に示す縦枠30と、押縁40と、を有している。各枠10,20,30及び押縁40は、金属枠と樹脂枠とが連結されて構成されている。
【0012】
図3に示すように、上枠10は、幅方向に延びている。上枠10は、金属上枠10Aと、樹脂上枠10Bと、を有している。金属上枠10Aは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂上枠10Bは、樹脂材料で形成されている。金属上枠10Aは、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂上枠10Bは、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0013】
金属上枠10Aの屋外側の下部には、下方に開口するガラス溝11が形成されている。ガラス溝11には、パネル6の上端部6uが配置されている。樹脂上枠10Bは、金属上枠10Aの屋内側の面を覆うように、金属上枠10Aの屋内側の面の下側に配置されている。
【0014】
図4に示すように、下枠20は、幅方向に延びている。下枠20は、金属下枠20Aと、樹脂下枠20Bと、を有している。金属下枠20Aは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂下枠20Bは、樹脂材料で形成されている。金属下枠20Aは、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂下枠20Bは、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0015】
金属下枠20Aの屋外側の上部には、上方に開口するガラス溝21が形成されている。ガラス溝21には、パネル6の下端部6dが配置されている。パネル6の下端部6dは、ガラス溝21の底面に配置されたセッティングブロック61に支持されている。樹脂下枠20Bは、金属下枠20Aの屋内側の面を覆うように、金属下枠20Aの屋内側の面の上側に配置されている。
【0016】
図5に示すように、縦枠30は、上下方向に延びている。縦枠30は、上枠10の幅方向の端部と下枠20の幅方向の端部とを連結している。縦枠30は、金属縦枠30Aと、樹脂縦枠30Bと、を有している。金属縦枠30Aは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂縦枠30Bは、樹脂材料で形成されている。
【0017】
金属縦枠30Aの屋外側には、幅方向の内側に開口するガラス溝31が形成されている。ガラス溝31には、パネル6の幅方向の端部6sが配置されている。樹脂縦枠30Bは、金属縦枠30Aの屋内側の幅方向の内側に配置されている。
【0018】
押縁40は、上下方向に延びている。押縁40は、金属押縁40Aと、樹脂押縁40Bと、を有している。金属押縁40Aは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂押縁40Bは、樹脂材料で形成されている。金属押縁40Aは、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂押縁40Bは、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0019】
金属押縁40Aは、金属縦枠30Aのガラス溝31の屋内側の面を覆うように、ガラス溝31の屋内側の面に配置されている。金属押縁40Aは、グレイジング材67を介してパネル6の幅方向の端部6sをガラス溝31に固定している。樹脂押縁40Bは、金属押縁40Aの屋内側、且つ幅方向の内側に配置されている。樹脂縦枠30Bと樹脂押縁40Bとで、金属縦枠30A及び金属押縁40Aの屋内側の面を覆っている。
【0020】
パネル6は、平板状に形成されている。パネル6は、複層ガラスである。パネル6は、四方枠状に形成された枠体1の内側に配置されている。パネル6は、単層ガラスであってもよい。パネル6は、板状部材であれば、ガラスパネル以外であってもよい。
【0021】
グレイジング材66は、枠体1のガラス溝11,21、31の屋外側の部分と、パネル6の屋外側を向く面6aとの間に、嵌め込まれている。グレイジング材66は、四方枠状に配置されている。
【0022】
グレイジング材67は、枠体1のガラス溝11,21、31の屋内側の部分、樹脂上枠10B、樹脂下枠20B、金属押縁40A及び樹脂押縁40Bと、パネル6の屋内側を向く面6bとの間に、嵌め込まれている。グレイジング材67は、四方枠状に配置されている。
【0023】
カバー材7は、樹脂材料で形成されている。カバー材7は、樹脂上枠10B、樹脂下枠20B及び樹脂押縁40Bにおける少なくとも内周側の面に固定されている。内周側の面は、見付け方向の内側を向く面であって、上下方向の内側を向く面及び幅方向の内側を向く面である。カバー材7は、グレイジング材67の近傍に配置されている。グレイジング材67の屋内側の面は、後述するシール材68の屋内側の面と幅方向に沿う略同一平面上にある。カバー材7は、上カバー材71と、下カバー材72と、縦カバー材73と、を有している。
【0024】
図3を用いて上カバー材71及び上枠10について詳細に説明する。
図3に示すように、樹脂上枠10Bは、上側板部111を有している。上側板部111は、樹脂上枠10Bの下部に位置している。上側板部111は、水平方向に沿って配置され、幅方向に延びている。上側板部111は、板状に形成されている。上側板部111の板面は、上下方向を向いている。上側板部111の屋外側の端部は、グレイジング材67に当たっている。
【0025】
上カバー材71は、上側板部111の下面111dに固定されている。上側板部111の下面111dは、特許請求の範囲の見付け方向の内側の面に対応する。
【0026】
上カバー材71は、内側板部711と、外側板部712と、屋内側連結板部713と、屋外側連結板部714と、を有している。
【0027】
内側板部711は、板状に形成されている。内側板部711の板面は、上下方向を向いている。内側板部711は、樹脂上枠10Bの上側板部111の下方に配置されている。
【0028】
内側板部711の屋外側の端部には、上方に向かって延びる折曲壁部711aが設けられている。折曲壁部711aの屋外側を向く面711b、グレイジング材67及びパネル6の面6bの間に形成される隙間には、シール材68が設けられている。シール材68は、グレイジング材67の下側に連続して配置されている。シール材68は、折曲壁部711aと接触している。
【0029】
外側板部712は、板状に形成されている。外側板部712の板面は、上下方向を向いている。外側板部712は、樹脂上枠10Bの上側板部111の下方、且つ内側板部711の上方に配置されている。
【0030】
外側板部712の屋内外方向の長さは、内側板部711の屋内外方向の長さよりも短い。外側板部712の屋内側の端部は、内側板部711の屋内側の端部と屋内外方向に揃った位置にある。
【0031】
屋内側連結板部713は、内側板部711の屋内側の端部と外側板部712の屋内側の端部とを連結している。屋内側連結板部713は、板状に形成されている。屋内側連結板部713の板面は、屋内外方向を向いている。屋内側連結板部713の上部の端部713aは、外側板部712よりも上方に突出し、上側板部111の下面111dに当たっている。
【0032】
屋外側連結板部714は、内側板部711の屋内外方向の中間部分と外側板部712の屋外側の端部とを連結している。屋外側連結板部714は、板状に形成されている。屋外側連結板部714の板面は、屋内外方向を向いている。屋外側連結板部714の上部の端部714aは、外側板部712よりも上方に突出し、上側板部111の下面111dに当たっている。
【0033】
外側板部712の屋内外方向の中間には、上方に突出する突出壁部712aが設けられている。突出壁部712aの上部の端部は、上側板部111の下面111dに当たっている。
【0034】
上カバー材71には、内側板部711、屋外側連結板部714、外側板部712及び屋内側連結板部713によって、中空部S1が形成されている。中空部S1は、鉛直断面で、略矩形をしている。中空部S1は、幅方向に連続して形成されている。
【0035】
樹脂上枠10Bの上側板部111と上カバー材71の外側板部712との間には、空間部S11,S12が形成されている。空間部S11は、空間部S12よりも屋内側に配置されている。空間部S11は、外側板部712、突出壁部712a、上側板部111及び屋内側連結板部713の端部713aによって囲まれている。空間部S11は、鉛直断面で、略矩形をしている。空間部S11は、幅方向に連続して形成されている。空間部S12は、外側板部712、屋外側連結板部714の端部714a、上側板部111及び突出壁部712aによって囲まれている。空間部S12は、鉛直断面で、略矩形をしている。空間部S12は、幅方向に連続して形成されている。
【0036】
樹脂上枠10Bの上側板部111と上カバー材71の内側板部711との間には、空間部S13が形成されている。空間部S13は、空間部S12よりも屋外側に配置されている。空間部S13は、内側板部711、折曲壁部711a、シール材68、上側板部111及び端部714aを含む屋外側連結板部714によって囲まれている。空間部S13は、幅方向に連続して形成されている。
【0037】
螺子75は、上カバー材71の内側板部711の取付孔及び外側板部712の取付孔に挿通されて、樹脂上枠10Bの上側板部111に螺子止めされている。
【0038】
上枠10は、樹脂上枠10Bの上側板部111の上側に、中空部S21,S22を備えている。上枠10は、金属上枠10Aと樹脂上枠10Bとの間に、空間部S23,S24を備えている。中空部S21,S22及び空間部S23は、屋内外方向に屋内側からこの順で並んでいる。中空部S21,S22及び空間部S23は、樹脂上枠10Bの上側板部111の上側に、上側板部111に接して配置されている。中空部S21,S22及び空間部S23は、屋内側方向に重なって配置されている。中空部S21,S22は、鉛直断面で、矩形をしている。空間部S23,S24は、鉛直断面で、略矩形をしている。空間部S24は、中空部S22及び空間部S23の上側に配置されている。空間部S23,S24は、ガラス溝11の屋内側の壁部に沿って配置されている。空間部S24は、パネル6の上端部6uよりも上方の高さに配置されている。中空部S21,S22及び空間部S23,S24を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。FIX窓100の屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0039】
図4を用いて下カバー材72及び下枠20について詳細に説明する。
図4に示すように、樹脂下枠20Bは、下側板部211を有している。下側板部211は、樹脂下枠20Bの上部に位置している。下側板部211は、屋内側板部212と、第1段板部213と、中間板部214と、第2段板部215と、屋外側板部216と、を有している。
【0040】
屋内側板部212は、下側板部211の屋内側の端部に位置している。屋内側板部212は、板状に形成されている。屋内側板部212の板面は、上下方向を向いている。第1段板部213は、屋内側板部212の屋外側の端部から下方に延びている。中間板部214は、第1段板部213の上下方向の中間から屋外側に延びている。中間板部214は、板状に形成されている。中間板部214の板面は、上下方向を向いている。第2段板部215は、中間板部214の屋外側の端部から上下方向に延びている。屋外側板部216は、第2段板部215の上端部から屋外側に延びている。屋外側板部216は、板状に形成されている。屋外側板部216の板面は、上下方向を向いている。屋外側板部216の屋外側の端部は、グレイジング材67に当たっている。
【0041】
下カバー材72の構成は、上カバー材71を上下方向に反転させた構成と略同一であり、同一の構成の箇所について同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
【0042】
下カバー材72は、下側板部211の上面211uに固定されている。下側板部211の上面211uは、特許請求の範囲の見付け方向の内側の面に対応する。
【0043】
内側板部711は、樹脂下枠20Bの中間板部214の上方に配置されている。内側板部711の折曲壁部711aの屋外側を向く面711b、グレイジング材67及びパネル6の面6bの間に形成される隙間には、シール材68が設けられている。シール材68は、グレイジング材67の上側に連続して配置されている。シール材68は、折曲壁部711aと接触している。外側板部712は、樹脂下枠20Bの中間板部214の上方、且つ内側板部711の下方に配置されている。屋内側連結板部713の端部713aは、中間板部214の上面214uに当たっている。屋外側連結板部714の端部714aは、中間板部214の上面214uに当たっている。突出壁部712aは、中間板部214の上面214uに当たっている。
【0044】
樹脂下枠20Bの中間板部214と下カバー材72の外側板部712との間には、空間部S14,S15が形成されている。空間部S14は、空間部S15よりも屋内側に配置されている。空間部S14は、中間板部214、突出壁部712a、外側板部712及び屋内側連結板部713の端部713aによって囲まれている。空間部S14は、鉛直断面で、略矩形をしている。空間部S14は、幅方向に連続して形成されている。空間部S15は、中間板部214、屋外側連結板部714の端部714a、外側板部712及び突出壁部712aによって囲まれている。空間部S15は、鉛直断面で、略矩形をしている。空間部S15は、幅方向に連続して形成されている。
【0045】
樹脂下枠20Bの中間板部214の屋外側の部分、第2段板部215及び屋外側板部216と下カバー材72の内側板部711との間には、空間部S16が形成されている。空間部S16は、中空部S1及び空間部S15よりも屋外側に配置されている。空間部S16は、中間板部214の屋外側の部分、第2段板部215、屋外側板部216、シール材68、折曲壁部711a、内側板部711及び端部714aを含む屋外側連結板部714によって囲まれている。空間部S16は、幅方向に連続して形成されている。
【0046】
外側板部712の下面に設けられた両面テープ76は、中間板部214の上面214uに貼着されている。両面テープ76は、突出壁部712aよりも屋内側に貼着されている。両面テープ76は、突出壁部712aよりも屋外側に貼着されていてもよく、突出壁部712aの屋内側及び屋外側の両方に貼着されていてもよい。
【0047】
樹脂下枠20Bは、下側板部211の下側に、中空部S31,S32を備えている。金属下枠20Aは、中空部S33を備えている。下枠20は、金属下枠20Aと樹脂下枠20Bとの間に、空間部S34,S35,S36を備えている。中空部S31、中空部S32及び空間部S34、空間部S35は、屋内外方向に屋内側からこの順で並んでいる。中空部S31、中空部S32、空間部S35及び空間部S36は、下側板部211の下側に、下側板部211に接して配置されている。空間部S34は、中空部S32の下側に、上下方向に重なって配置されている。空間部S36は、空間部S35の屋外側、且つ上側に配置されている。中空部S33は、空間部S35の下側に配置され、空間部S35よりも屋外側に張り出すように形成されている。空間部S35,S36は、ガラス溝21の屋内側の壁部に沿って配置されている。中空部S33は、パネル6の下端部6dよりも下方の高さに配置されている。中空部S31,S32及び空間部S34は、鉛直断面で、矩形をしている。中空部S31,S32,S33及び空間部S34,S35,S36を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。FIX窓100の屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0048】
図5を用いて縦カバー材73、縦枠30及び押縁40について詳細に説明する。
図5に示すように、樹脂押縁40Bは、横側板部411を有している。横側板部411は、樹脂押縁40Bの幅方向の内側に位置している。横側板部411は、屋内外方向及び上下方向に沿って配置され、上下方向に延びている。横側板部411は、板状に形成されている。横側板部411の板面は、幅方向を向いている。横側板部411の屋外側の端部は、グレイジング材67に当たっている。
【0049】
縦カバー材73の構成は、上カバー材71の内側板部711の板面が幅方向を向く向きに配置した構成と略同一であり、同一の構成の箇所について同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
【0050】
縦カバー材73は、横側板部411の幅方向の内側を向く面411aに固定されている。横側板部411の面411aは、特許請求の範囲の見付け方向の内側の面に対応する。
【0051】
内側板部711は、樹脂押縁40Bの横側板部411の幅方向の内側に配置されている。内側板部711には、
図3に示す折曲壁部711aが設けられていない。内側板部711の屋外側の端部711c、グレイジング材67及びとパネル6の面6bの間に形成される隙間には、シール材68が設けられている。シール材68は、グレイジング材67の幅方向の内側に連続して配置されている。シール材68は、内側板部711の屋外側の端部と接触している。外側板部712は、樹脂押縁40Bの横側板部411の幅方向の内側、且つ内側板部711の幅方向の外側に配置されている。屋内側連結板部713の端部713aは、横側板部411の面411aに当たっている。屋外側連結板部714の端部714aは、横側板部411の面411aに当たっている。突出壁部712aは、横側板部411の面411aに当たっている。
【0052】
樹脂押縁40Bの横側板部411と縦カバー材73の外側板部712との間には、空間部S17,S18が形成されている。空間部S17は、空間部S18よりも屋内側に配置されている。空間部S17は、外側板部712、突出壁部712a、横側板部411及び屋内側連結板部713の端部713aによって囲まれている。空間部S17は、水平断面で、略矩形をしている。空間部S17は、上下方向に連続して形成されている。空間部S18は、外側板部712、屋外側連結板部714の端部714a、横側板部411及び突出壁部712aによって囲まれている。空間部S18は、水平断面で、略矩形をしている。空間部S18は、上下方向に連続して形成されている。
【0053】
樹脂押縁40Bの横側板部411と縦カバー材73の内側板部711との間には、空間部S19が形成されている。空間部S19は、空間部S18よりも屋外側に配置されている。空間部S19は、内側板部711、シール材68、横側板部411及び端部714aを含む屋外側連結板部714によって囲まれている。空間部S19は、上下方向に連続して形成されている。
【0054】
螺子75は、縦カバー材73の内側板部711の取付孔及び外側板部712の取付孔に挿通されて、樹脂押縁40Bの横側板部411に螺子止めされている。
【0055】
樹脂押縁40Bは、横側板部411よりも幅方向の外側に、中空部S41,S42を備えている。押縁40は、金属押縁40Aと樹脂押縁40Bとの間に、空間部S43,S44を備えている。中空部S41、中空部S42、空間部S43及び空間部S44は、屋内外方向に屋内側からこの順で並んでいる。空間部S43は、空間部S44よりも幅方向に内側に配置されている。空間部S43,S44は、ガラス溝31の屋内側の壁部に沿って配置されている。中空部S41,S42は、水平断面で、矩形をしている。
【0056】
押縁40と縦枠30との間には、空間部S46が形成されている。空間部S46は、中空部S41,S42及び空間部S44よりも幅方向の外側、且つガラス溝31の屋内側に配置されている。
【0057】
樹脂縦枠30Bは、中空部S47,S48を備えている。中空部S47は、中空部S48よりも屋内側に配置されている。中空部S47は、空間部S46よりも屋内側に配置されている。縦枠30は、樹脂縦枠30Bと金属縦枠30Aとの間に、空間部S49を備えている。空間部S49は、中空部S48よりも幅方向の外側に配置されている。中空部S47,S48及び空間部S49は、水平断面で、矩形をしている。
【0058】
中空部S41,S42,S47,S48及び空間部S43,S44,S46,S49を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。FIX窓100の屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0059】
一般的に、パネルを支持するパネル支持体では、ガラスを挟んで内外の温度差等に起因して結露をする可能性がある。FIX窓100では、枠体1の樹脂上枠10Bの下面111d、樹脂下枠20Bの上面211u及び樹脂押縁40Bの面411aに、状況に応じて、カバー材7を固定して、防露性を向上させることができる。
【0060】
カバー材7は、グレイジング材67の近傍に配置されている。枠体1におけるパネル6に近い部分での結露を抑制することができる。
【0061】
樹脂上枠10B、樹脂下枠20B及び樹脂押縁40Bとカバー材7との間には、空間部S11,S12,S13,S14,S15,S17,S18,S19が形成されている。防露性をさらに向上させることができる。
【0062】
カバー材7には、中空部S1が形成されている。防露性をさらに向上させることができる。
【0063】
樹脂上枠10B、樹脂下枠20B及び樹脂押縁40Bとパネル6との間にグレイジング材67が設けられるとともに、上カバー材71、下カバー材72及び縦カバー材73とパネル6との間にシール材68が設けられている。グレイジング材67及びシール材68の両方を配置することで、止水性をさらに向上させることができる。
【0064】
樹脂下枠20Bの中間板部214は、屋内側板部212よりも下方に位置している。発生した結露水、中間板部214における下カバー材72よりも屋内側の部分に溜まり、屋内側板部212を乗り越えて屋内側に浸入することを抑制することができる。
【0065】
(第二実施形態)
第二実施形態に係る建具について、主に
図6~
図10を用いて説明する。以下で説明する実施形態において、上記に示す実施形態に対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0066】
建物の開口部に設けられる建具の一例として、縦すべり出し窓を用いて説明する。
図6及び
図7に示すように、縦すべり出し窓100Xは、枠体1Xと、障子5と、グレイジング材66,67と、カバー材7Xと、を備えている。縦すべり出し窓100Xは、特許請求の範囲の建具に対応する。
【0067】
枠体1Xは、四方枠状をしている。枠体1Xは、
図6に示す上枠10Xと、下枠20Xと、
図7に示す縦枠30Xと、を有している。各枠10X,20X,30Xは、金属枠と樹脂枠とが連結されて構成されている。
【0068】
図8に示すように、上枠10Xは、幅方向に延びている。上枠10Xは、金属上枠10Cと、樹脂上枠10Dと、を有している。金属上枠10Cは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂上枠10Dは、樹脂材料で形成されている。樹脂上枠10Dは、金属上枠10Cの屋内側の面を覆うように、金属上枠10Cの屋内側の面の下側に配置されている。
【0069】
図9に示すように、下枠20Xは、幅方向に延びている。下枠20Xは、金属下枠20Cと、樹脂下枠20Dと、を有している。金属下枠20Cは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂下枠20Dは、樹脂材料で形成されている。樹脂下枠20Dは、金属下枠20Cの屋内側の面を覆うように、金属下枠20Cの屋内側の面の上側に配置されている。
【0070】
図10に示すように、縦枠30Xは、上下方向に延びている。縦枠30Xは、上枠10Xの幅方向の端部と下枠20Xの幅方向の端部とを連結している。縦枠30Xは、金属縦枠30Cと、樹脂縦枠30Dと、を有している。金属縦枠30Cは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂縦枠30Dは、樹脂材料で形成されている。樹脂縦枠30Dは、金属縦枠30Cの屋内側の面を覆うように、金属縦枠30Cの屋内側の面に配置されている。
【0071】
図6及び
図7に示すように、障子5は、框体50と、パネル6と、を有している。框体50は、
図6に示す上框51と、下框52と、
図7に示す縦框53と、を有している。各框51,52,53は、金属框と樹脂框とが連結されて構成されている。框体50は、特許請求の範囲のパネル支持体に対応する。
【0072】
図8に示すように、上框51は、幅方向に延びている。上框51は、金属上框51Cと、樹脂上框51Dと、を有している。金属上框51Cは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂上框51Dは、樹脂材料で形成されている。上框51の屋外側の下部には、下方に開口するガラス溝11が形成されている。ガラス溝11には、パネル6の上端部6uが配置されている。樹脂上框51Dは、金属上框51Cの屋内側の面を覆うように、金属上框51Cの屋内側の面の下側に配置されている。金属上框51Cは、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂上框51Dは、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0073】
図9に示すように、下框52は、幅方向に延びている。下框52は、金属下框52Cと、樹脂下框52Dと、を有している。金属下框52Cは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂下框52Dは、樹脂材料で形成されている。下框52の屋外側の上部には、上方に開口するガラス溝21が形成されている。ガラス溝21には、パネル6の下端部6dが配置されている。パネル6の下端部6dは、ガラス溝21の底面に配置されたセッティングブロック61に支持されている。樹脂下框52Dは、金属下框52Cの屋内側の面を覆うように、金属下框52Cの屋内側の面の上側に配置されている。金属下框52Cは、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂下框52Dは、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0074】
図10に示すように、縦框53は、上下方向に延びている。縦框53は、金属縦框53Cと、樹脂縦框53Dと、を有している。金属縦框53Cは、アルミニウム合金等の金属材料で形成されている。樹脂縦框53Dは、樹脂材料で形成されている。縦框53の屋外側には、幅方向の内側に開口するガラス溝31が形成されている。ガラス溝31には、パネル6の幅方向の端部6sが配置されている。樹脂縦框53Dは、金属縦框53Cの屋内側の面を覆うように、金属縦框53Cの屋内側の面に配置されている。金属縦框53Cは、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂縦框53Dは、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0075】
グレイジング材66は、框体50のガラス溝11,21、31の屋外側の部分とパネル6の屋外側を向く面6aとの間に、嵌め込まれている。グレイジング材66は、四方枠状に配置されている。
【0076】
グレイジング材67は、50のガラス溝11,21、31の屋内側の部分、樹脂上框51D、樹脂下框52D、金属縦框53C及び樹脂縦框53Dとパネル6の屋内側を向く面6bとの間に、嵌め込まれている。グレイジング材67は、四方枠状に配置されている。
【0077】
カバー材7Xは、樹脂材料で形成されている。カバー材7Xは、樹脂上框51D、樹脂下框52D及び樹脂縦框53Dにおける少なくとも見付け方向の内側の面に固定されている。見付け方向の内側の面は、上下方向の内側を向く面及び幅方向の内側を向く面である。カバー材7Xは、グレイジング材67の近傍に配置されている。グレイジング材67の屋内側の面は、シール材68の屋内側の面と幅方向に沿う略同一平面上にある。カバー材7Xは、上カバー材77と、下カバー材78と、縦カバー材79と、を有している。
【0078】
図8を用いて上カバー材77、上枠10X及び上框51について詳細に説明する。
図8に示すように、樹脂上框51Dは、上側板部511を有している。上側板部511は、樹脂上框51Dの下部に位置している。上側板部511は、水平方向に沿って配置され、幅方向に延びている。上側板部511は、板状に形成されている。上側板部511の板面は、上下方向を向いている。上側板部511の屋外側の端部は、グレイジング材67に当たっている。
【0079】
上カバー材77は、上側板部511の下面511dに固定されている。上側板部511の下面511dは、特許請求の範囲の見付け方向の内側の面に対応する。
【0080】
上カバー材77は、内側板部771と、外側板部772と、屋内側連結板部773と、屋外側連結板部774と、を有している。
【0081】
内側板部771は、板状に形成されている。内側板部771の板面は、上下方向を向いている。内側板部771は、樹脂上框51Dの上側板部511の下方に配置されている。
【0082】
外側板部772は、板状に形成されている。外側板部772の板面は、上下方向を向いている。外側板部772は、樹脂上框51Dの上側板部511の下方、且つ内側板部771の上方に配置されている。
【0083】
屋内側連結板部773は、内側板部771の屋内側の端部と外側板部772の屋内側の端部とを連結している。屋内側連結板部773は、板状に形成されている。屋内側連結板部773の板面は、屋内外方向を向いている。屋内側連結板部773の端部773aは、外側板部772よりも上方に突出し、上側板部511の下面511dに当たっている。
【0084】
屋外側連結板部774は、内側板部771の屋外側の端部と外側板部772の屋外側の端部とを連結している。屋外側連結板部774は、板状に形成されている。屋外側連結板部774の板面は、屋内外方向を向いている。屋外側連結板部774の屋外側の面は、シール材68に当たっている。屋外側連結板部774の端部774aは、外側板部772よりも上方に突出し、上側板部511の下面511dに当たっている。屋外側連結板部774とパネル6の面6bとの間には、シール材68が設けられている。シール材68は、グレイジング材67の下側に連続して配置されている。シール材68は、屋外側連結板部774と接触している。
【0085】
外側板部772の屋内外方向の中間には、上方に突出する突出壁部772aが設けられている。突出壁部772aは、上側板部511の下面511dに当たっている。
【0086】
上カバー材77には、内側板部771、屋外側連結板部774、外側板部772及び屋内側連結板部773によって、中空部S1が形成されている。中空部S1は、鉛直断面で、略矩形をしている。中空部S1は、幅方向に連続して形成されている。
【0087】
樹脂上框51Dの上側板部511と上カバー材77の外側板部772との間には、空間部S11,S12が形成されている。空間部S11は、空間部S12よりも屋内側に配置されている。空間部S11は、外側板部772、突出壁部772a、上側板部511及び屋内側連結板部773の端部773aによって囲まれている。空間部S11は、鉛直断面で、略矩形をしている。空間部S11は、幅方向に連続して形成されている。空間部S12は、外側板部772、屋外側連結板部774の端部774a、上側板部511及び突出壁部772aによって囲まれている。空間部S12は、鉛直断面で、略矩形をしている。空間部S12は、幅方向に連続して形成されている。
【0088】
螺子75は、上カバー材77の内側板部771の取付孔及び外側板部772の取付孔に挿通されて、樹脂上框51Dの上側板部511に螺子止めされている。
【0089】
樹脂上枠10Dは、中空部S101,S102,S103を備えている。中空部S101は、中空部S102の下側に配置されている。中空部S103は、中空部S102の屋内側に配置されている。上枠10Xは、金属上枠10Cと樹脂上枠10Dとの間に、空間部S106,S107を備えている。空間部S106は、鉛直断面で、上方に向かうにしたがって次第に屋内側に向かう形状をしている。空間部S107は、中空部S102の上部の屋内側に配置されている。
【0090】
樹脂上框51Dは、上側板部511の上側に、中空部S111,S112,S113を備えている。中空部S111,S112,S113は、屋内外方向に屋内側からこの順で並んでいる。上框51は、金属上框51Cと樹脂上框51Dとの間に、空間部S114,S115を備えている。空間部S115は、空間部S114よりも上方に配置されている。金属上框51Cは、中空部S121、空間部S122,S123を備えている。中空部S121は、ガラス溝11の上側の壁部に沿って配置されている。空間部S122,S123は、空間部S115167の上側に配置されている。空間部S122,S123は、屋内外方向に屋外側からこの順で並んでいる。
【0091】
中空部S101,S102,S103,S111,S112,S113,S121及び空間部S106,S107,S114,S115,S122,S123を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。縦すべり出し窓100Xの屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0092】
図9を用いて下カバー材78、下枠20X及び下框52について詳細に説明する。下カバー材78、下枠20X及び下框52の構成について、それぞれ上カバー材77、上枠10X及び上框51を上下方向に反転させた構成と略同一なものについては、同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
【0093】
図9に示すように、樹脂上框51Dは、下側板部521を有している。下側板部521は、樹脂下框52Dの上部に位置している。下側板部521は、水平方向に沿って配置され、幅方向に延びている。下側板部521は、板状に形成されている。下側板部521の板面は、上下方向を向いている。下側板部521の屋外側の端部は、グレイジング材67に当たっている。
【0094】
下カバー材78は、下側板部521の上面521uに固定されている。下側板部521の上面521uは、特許請求の範囲の見付け方向の内側の面に対応する。
【0095】
内側板部771は、樹脂下框52Dの下側板部521の上方に配置されている。外側板部772は、樹脂下框52Dの下側板部521の上方、且つ内側板部771の下方に配置されている。屋内側連結板部773の端部773aは、下側板部521の上面521uに当たっている。屋外側連結板部774の端部774aは、下側板部521の上面521uに当たっている。突出壁部772aは、下側板部521の上面521uに当たっている。屋外側連結板部774とパネル6の面6bとの間には、シール材68が設けられている。シール材68は、グレイジング材67の上側に連続して配置されている。シール材68は、屋外側連結板部774と接触している。
【0096】
樹脂下框52Dの下側板部521と下カバー材78の外側板部772との間には、空間部S14,S15が形成されている。空間部S14は、空間部S15よりも屋内側に配置されている。空間部S14は、下側板部521、突出壁部772a、外側板部772及び屋内側連結板部773の端部773aによって囲まれている。空間部S14は、鉛直断面で、略矩形をしている。空間部S14は、幅方向に連続して形成されている。空間部S15は、下側板部521、屋外側連結板部774の端部774a、外側板部772及び突出壁部772aによって囲まれている。空間部S15は、鉛直断面で、略矩形をしている。
空間部S15は、幅方向に連続して形成されている。
【0097】
外側板部772の下面に設けられた両面テープ76は、下側板部521の上面521uに貼着されている。両面テープ76は、突出壁部772aよりも屋内側に貼着されている。両面テープ76は、突出壁部772aよりも屋外側に貼着されていてもよく、突出壁部772aの屋内側及び屋外側の両方に貼着されていてもよい。
【0098】
金属下枠20Cは、中空部S131を備えている。下枠20Xは、金属下枠20Cと樹脂下枠20Dとの間に、空間部S132,S133を備えている。空間部S132は、中空部S131の上側に配置されている。空間部S133は、空間部S132の屋内側に配置されている。
【0099】
中空部S111,S112,S113,S121,S131及び空間部S114,S115,S122,S123,S132,S133を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。縦すべり出し窓100Xの屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0100】
図10を用いて縦カバー材79、縦枠30X及び縦框53について詳細に説明する。縦カバー材79、縦枠30X及び縦框53の構成について、それぞれ上カバー材77、上枠10X及び上框51を90°回転させた構成と略同一なものについては、同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
図10に示すように、樹脂縦框53Dは、横側板部531を有している。横側板部531は、樹脂縦框53Dの幅方向の内側に位置している。横側板部531は、屋内外方向及び上下方向に沿って配置され、上下方向に延びている。横側板部531は、板状に形成されている。横側板部531の板面は、幅方向を向いている。横側板部531の屋外側の端部は、グレイジング材67に当たっている。
【0101】
縦カバー材79は、横側板部531の幅方向の内側を向く面531aに固定されている。横側板部531の面531aは、特許請求の範囲の見付け方向の内側の面に対応する。
【0102】
縦カバー材79は、見付け面部791と、見込み面部792と、を有している。見付け面部791は、板状に形成されている。見付け面部791の板面は、幅方向を向いている。見付け面部791は、縦カバー材79の横側板部531の幅方向の内側に間隔を有して配置されている。シール材68は、見付け面部791の屋外側の端部に接触している。見付け面部791と横側板部531の面531aとの間には、空間部S20が形成されている。空間部S20は、上下方向に連続して形成されている。見付け面部791に設けられた両面テープ76は、横側板部531の面531aに貼着されている。見込み面部792は、見付け面部791の屋内側の端部から幅方向の外側に延びている。
【0103】
金属縦框53Cは、中空部S141及び空間部S142を有している。中空部S141及び空間部S142は、ガラス溝31よりも屋内側に配置されている。空間部S142は、中空部S141の幅方向の外側に配置されている。縦框53は、金属縦框53Cと樹脂縦框53Dとの間に、空間部S143,S144,S145が形成されている。空間部S143は、中空部S113の屋外側に配置されている。空間部S144は、空間部S142の屋内側に配置されている。空間部S145は、空間部S144の幅方向の内側に配置されている。
【0104】
金属縦枠30Cは、中空部S151,S152を備えている。中空部S151は、中空部S152よりも屋内側に配置されている。樹脂縦枠30Dは、中空部S153,S154を備えている。中空部S153は、中空部S102の幅方向の内側に配置されている。中空部S154は、中空部S153の幅方向の内側に配置されている。金属縦枠30Cと樹脂縦枠30Dとの間には、空間部S156,S157,S158,S159が形成されている。空間部S156,S157,S158,S159は、この順で幅方向の外側から内側に向かって配置されている。縦枠30Xと縦框53との間には、空間部S160が形成されている。
【0105】
中空部S141,S151,S152,S153,S154及び空間部S142,S143,S144,S145,S156,S157,S158,S159,S160を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。縦すべり出し窓100Xの屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0106】
パネルを支持するパネル支持体では、ガラスを挟んで内外の温度差等に起因して結露をする可能性がある。縦すべり出し窓100Xでは、框体50の樹脂上框51Dの下面511d、樹脂下框52Dの上面521u及び樹脂縦框53Dの面531aには、状況に応じて、カバー材7Xを固定して、防露性を向上させることができる。
【0107】
以上、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0108】
第一実施形態では、カバー材7は、樹脂上枠10B、樹脂下枠20B及び樹脂押縁40Bに固定されているが、これに限られない。カバー材7は、樹脂上枠10B、樹脂下枠20B及び樹脂押縁40Bのすくなくともいずれか一つに固定されていればよい。
【0109】
カバー材は、グレイジング材の近傍に配置されていることが好ましいが、グレイジング材よりも離れた箇所に配置されていてもよい。
【0110】
カバー材と樹脂部材との間には、空間部が形成されていなくてもよい。カバー材には、中空部が形成されていなくてもよい。
【0111】
下カバー材72の内側板部711の上面は、屋外側に向かうにしたがって次第に下方に向かうように傾斜していてもよい。これによって、発生した結露水を屋内側に浸入させることを抑制することができる。
【0112】
カバー材7とパネル6の面6bとの間に設置されるシール材68に代えて、ガスケットを設置してもよい。
【0113】
シール材68を設置せずに、上カバー材71及び下カバー材72の折曲壁部711aの面711bがパネル6の面6bに接するように、上カバー材71及び下カバー材72を設置してもよい。シール材68を設置せずに、縦カバー材73の内側板部711の端部711cがパネル6の面6bに接するように、縦カバー材73を設置してもよい。
【0114】
FIX窓100及び縦すべり出し窓100Xを例に挙げて説明したが、適用する建具はこれに限られない。引違い窓の框や枠等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0115】
1 枠体(パネル支持体)、6 パネル、7 カバー材、7X カバー材、10A 金属上枠(金属部材)、10B 樹脂上枠(樹脂部材)、20A 金属下枠(金属部材)、20B 樹脂下枠(樹脂部材)、40A 金属押縁(金属部材)、40B 樹脂押縁(樹脂部材)、50 框体(パネル支持体)、51C 金属上框(金属部材)、51D 樹脂上框(樹脂部材)、52C 金属下框(金属部材)、52D 樹脂下框(樹脂部材)、53C 金属縦框(金属部材)、53D 樹脂縦框(樹脂部材)、67 グレイジング材、71 上カバー材(カバー材)、72 下カバー材(カバー材)、73 縦カバー材(カバー材)、77 上カバー材、78 下カバー材、79 縦カバー材、100 FIX窓(建具)、100X 縦すべり出し窓(建具)、111d 下面(見付け方向の内側の面)、211u 上面(見付け方向の内側の面)、411a 面(見付け方向の内側の面)、511d 下面(見付け方向の内側の面)、521u 上面(見付け方向の内側の面)、531a 面(見付け方向の内側の面)、S1 中空部、S11,S12,S13,S14,S15,S16,S17,S18,S19,S20 空間部