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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103097
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】緩み防止器具
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/12 20060101AFI20240725BHJP
   B23K 9/10 20060101ALN20240725BHJP
【FI】
H05K7/12 C
B23K9/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007247
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(72)【発明者】
【氏名】宮部 浩一
【テーマコード(参考)】
4E082
4E353
【Fターム(参考)】
4E082EA03
4E353AA05
4E353BB03
4E353DD08
4E353DR13
4E353GG13
(57)【要約】
【課題】回転させて固定するコネクタプラグが緩むことを防止するための緩み防止器具を提供する。
【解決手段】緩み防止器具A1において、回転させて固定する互いに異なるコネクタプラグ5をそれぞれがクランプするクランプ部1aおよびクランプ部1bと、クランプ部1aとクランプ部1bとを連結する連結部2とを備えた。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転させて固定する互いに異なるコネクタプラグをそれぞれがクランプする第1クランプ部および第2クランプ部と、
前記第1クランプ部と前記第2クランプ部とを連結する連結部と、
を備えている緩み防止器具。
【請求項2】
前記第1クランプ部および前記第2クランプ部はそれぞれ、第1方向に延びる筒形状であり、側壁の一部が欠けている、
請求項1に記載の緩み防止器具。
【請求項3】
前記第1クランプ部および前記第2クランプ部はそれぞれ、前記第1方向に視た形状が正多角形である、
請求項2に記載の緩み防止器具。
【請求項4】
前記第1クランプ部および前記第2クランプ部はそれぞれ、内面に、前記第1方向に延びる複数の凸部が配置されている、
請求項2に記載の緩み防止器具。
【請求項5】
前記第1クランプ部および前記第2クランプ部はそれぞれ、
前記連結部につながる固定部と、
前記固定部の一端に回動可能に取り付けられている可動部と、
前記固定部と前記可動部とで前記コネクタプラグをクランプした状態に固定する固定機構と、
を備えている、
請求項1に記載の緩み防止器具。
【請求項6】
前記コネクタプラグに取り付けられるアダプタをさらに備え、
前記第1クランプ部は、前記アダプタが取り付けられた前記コネクタプラグをクランプする、
請求項1ないし5のいずれかに記載の緩み防止器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転させて固定するコネクタプラグが緩むことを防止するための緩み防止器具に関する。
【背景技術】
【0002】
溶接電源装置は、溶接電力出力用の2個の出力端子を備えている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の溶接電源装置において、一方の出力端子は、溶接ケーブルを介して、溶接トーチの先端から送り出される溶接ワイヤに導通する。他方の出力端子は、別の溶接ケーブルを介して、被加工物に導通する。従来の溶接電源装置において、各溶接ケーブルと各出力端子とは、強固に固定するために、丸穴のあいた圧着端子が溶接ケーブルに取り付けられ、当該圧着端子を出力端子にボルトで固定することで接続されていた。しかし、ボルトで固定する場合、溶接ケーブルの着脱に時間がかかる。また、金属製のボルトを使用する場合、感電防止のために、ボルトを覆うための絶縁性のカバーを追加する必要がある。これらの不都合を解消するために、溶接ケーブルに回転式ロック構造のコネクタプラグを取り付け、当該コネクタプラグをソケットである出力端子に挿入して回転させることで係合させる方法が実用されている。この場合、溶接ケーブルは、出力端子に、手締めで容易に着脱できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-209913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コネクタプラグが緩んで出力端子との接触領域が小さくなると、接触部分での抵抗値が増加して発熱し、溶接ケーブルが焼損する場合がある。
【0005】
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、回転させて固定するコネクタプラグが緩むことを防止するための緩み防止器具を提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明の第1の側面によって提供される緩み防止器具は、回転させて固定する互いに異なるコネクタプラグをそれぞれがクランプする第1クランプ部および第2クランプ部と、前記第1クランプ部と前記第2クランプ部とを連結する連結部と、を備えている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1クランプ部および前記第2クランプ部はそれぞれ、第1方向に延びる筒形状であり、側壁の一部が欠けている。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1クランプ部および前記第2クランプ部はそれぞれ、前記第1方向に視た形状が正多角形である。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1クランプ部および前記第2クランプ部はそれぞれ、内面に、前記第1方向に延びる複数の凸部が配置されている。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1クランプ部および前記第2クランプ部はそれぞれ、前記連結部につながる固定部と、前記固定部の一端に回動可能に取り付けられている可動部と、前記固定部と前記可動部とで前記コネクタプラグをクランプした状態に固定する固定機構と、を備えている。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記コネクタプラグに取り付けられるアダプタをさらに備え、前記第1クランプ部は、前記アダプタが取り付けられた前記コネクタプラグをクランプする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る第1クランプ部および第2クランプ部は、それぞれが異なるコネクタプラグをクランプする。各コネクタプラグは、クランプされたクランプ部内で回転することを防止される。また、第1クランプ部と第2クランプ部とは連結部によって連結されている。一方のコネクタプラグに回転する力が加わった場合、当該コネクタプラグをクランプするクランプ部が回転しようとする。しかし、当該クランプ部は、連結部によって他方のクランプ部に連結されているので、回転できない。これにより、本発明に係る緩み防止器具は、各コネクタプラグが回転して緩むことを防止できる。
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る緩み防止器具を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は正面図である。
図2図1に示す緩み防止器具の使用方法を説明するための図である。
図3図1に示す緩み防止器具の作用効果を説明するための図である。
図4図1に示す緩み防止器具の第1変形例の使用方法を説明するための図である。
図5】第2実施形態に係る緩み防止器具を示す平面図である。
図6】第3実施形態に係る緩み防止器具を示す平面図である。
図7】第4実施形態に係る緩み防止器具を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0017】
〔第1実施形態〕
図1図3は、第1実施形態に係る緩み防止器具A1を説明するための図である。図1は、緩み防止器具A1を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は正面図である。図2は、緩み防止器具A1の使用方法を説明するための図である。図3は、緩み防止器具A1の作用効果を説明するための図である。
【0018】
緩み防止器具A1は、図2に示すように、例えば溶接電源装置9の溶接電力出力用の2個の出力端子91にそれぞれ接続される2個のコネクタプラグ5が緩むことを防止するための器具である。
【0019】
図2(a)に示すように、溶接電源装置9は、筐体の例えば前面に、並んで配置されている2個の出力端子91を備えている。なお、2個の出力端子91の配置位置は限定されない。一方の出力端子91は、溶接ケーブル6を介して、溶接トーチの先端から送り出される溶接ワイヤに導通する。他方の出力端子91は、溶接ケーブル6を介して、被加工物に導通する。溶接電源装置9は、溶接ワイヤの先端と、被加工物との間にアークを発生させ、アークに電力を供給する。当該アークの熱で被加工物の溶接が行われる。
【0020】
各溶接ケーブル6と各出力端子91との接続は、溶接ケーブル6に取り付けられたコネクタプラグ5を出力端子91に接続されることで行われる。コネクタプラグ5は、回転式ロック構造のコネクタプラグである。コネクタプラグ5は、先端にコネクタ端子51を備えている。コネクタ端子51は、コネクタ端子51が延びる方向とは直交する方向に突出する突出部52が形成されている。出力端子91は一部に切り欠き部分を有するソケットである。コネクタプラグ5は、以下の手順で、出力端子91に接続される。すなわち、まず、コネクタ端子51の突出部52を出力端子91の切り欠き部分に合わせた状態で、コネクタ端子51を出力端子91に挿入する。その後、コネクタプラグ5を90°程度回転させることで、コネクタ端子51の突出部52が出力端子91に係合される。これにより、作業者は、道具を使うことなく容易に、溶接ケーブル6を出力端子91に着脱できる。
【0021】
溶接ケーブル6に力がかかり、コネクタプラグ5が回転して出力端子91との接続が緩むと、コネクタ端子51と出力端子91との接触領域が小さくなる。この場合、接触部分での抵抗値が増加して発熱し、コネクタプラグ5または溶接ケーブル6が焼損する可能性がある。したがって、コネクタプラグ5が回転して緩むことを防止する必要がある。緩み防止器具A1は、図2(b)に示すように、2個のコネクタプラグ5に取り付けられて、各コネクタプラグ5が回転して緩むことを防止する。
【0022】
緩み防止器具A1は、図1に示すように、クランプ部1a,1bおよび連結部2を備えている。本実施形態では、緩み防止器具A1は、ある程度の強度を有する一体成型された合成樹脂材料からなる。なお、緩み防止器具A1の構成材料は限定されず、例えばアルミニウムなどの金属であってもよい。また、緩み防止器具A1は、全体が一体成型で形成されたものに限定されず、クランプ部1a,1bおよび連結部2をそれぞれ形成して組み立てたものであってもよい。以下では、クランプ部1aとクランプ部1bとを区別しない場合、「クランプ部1」と記載する。
【0023】
クランプ部1は、平面視形状が正八角形の筒形状であり、1個の側壁が欠けている形状である。なお、クランプ部1の平面視の形状は、正八角形に限定されず、正六角形であってもよいし、その他の正多角形であってもよい。また、円形であってもよい。また、いずれの側壁も欠けていない形状であってもよい。クランプ部1は、内径がコネクタプラグ5の外径D1(図3参照)に合わせて形成されている。クランプ部1は、クランプ部1の内面12がコネクタプラグ5の側面に接触することで、コネクタプラグ5がクランプ部1内で回転することを防止する。このため、クランプ部1の構成材料は、コネクタプラグ5に取り付け可能であり、かつ、取り付け後にコネクタプラグ5を把持できる剛性と柔軟性とを有する材料である必要がある。また、コネクタプラグ5の側面との間の摩擦が大きくなる材料であるのが望ましい。なお、コネクタプラグ5との摩擦をより大きくするために、クランプ部1の内面12には、凹凸が形成されてもよい。また、クランプ部1の内面12に、摩擦をより大きくするためのゴムなどのシートが貼り付けられてもよい。この場合、ゴムなどのシートは、コネクタプラグ5の側面に傷が付くことを抑制することもできる。
【0024】
連結部2は、クランプ部1aとクランプ部1bとを連結する部分である。連結部2は、例えば板状であり、図1(a)に示すように、一方の端部21がクランプ部1aの欠けている側壁に対向する位置の側壁11につながっており、他方の端部22がクランプ部1bの欠けている側壁に対向する位置の側壁11につながっている。連結部2の端部21と端部22との間の寸法は、溶接電源装置9に接続された2個のコネクタプラグ5間の距離に対応した長さになっている。なお、連結部2がつながる位置は限定されない。連結部2の構成材料は、2個のクランプ部1の位置が互いに対して大きく変位しない程度の剛性を有する必要がある。
【0025】
緩み防止器具A1は、図2(b)に示すように、溶接電源装置9の2個の出力端子91にそれぞれ接続された2個のコネクタプラグ5に取り付けられる。緩み防止器具A1は、各クランプ部1がそれぞれ、コネクタプラグ5をクランプするようにして取り付けられる。緩み防止器具A1は、例えば図2(b)に破線で示すように、溶接ケーブル6とコネクタプラグ5との境界付近から、破線矢印で示すようにコネクタプラグ5の先端側に向けて移動させて取り付けられる。なお、緩み防止器具A1の取り付け方法は限定されない。例えば、緩み防止器具A1が、2個のクランプ部1および連結部2を組み立てたものである場合、各クランプ部1をそれぞれコネクタプラグ5に取り付けてから、2個のクランプ部1と連結部2とを組み立ててもよい。
【0026】
次に、本実施形態に係る緩み防止器具A1の作用効果について説明する。
【0027】
本実施形態によると、2個のコネクタプラグ5は、溶接電源装置9に並んで配置された2個の出力端子91に、それぞれ接続されている。緩み防止器具A1は、各クランプ部1がそれぞれコネクタプラグ5をクランプするようにして取り付けられる。各クランプ部1は、クランプ部1の内面12とコネクタプラグ5の側面との摩擦により、コネクタプラグ5がクランプ部1内で回転することを防止する。また、2個のクランプ部1は連結部2によって連結されている。例えば、図3に示すように、右側のコネクタプラグ5に回転する力が加わった場合(破線矢印参照)、当該コネクタプラグ5をクランプするクランプ部1bが回転しようとする。しかし、当該クランプ部1bは、連結部2によって他方のクランプ部1aに連結されているので、回転できない。これにより、緩み防止器具A1は、各コネクタプラグ5が回転して緩むことを防止できる。
【0028】
また、本実施形態によると、溶接電源装置9およびコネクタプラグ5は、従来から使用されているものである。つまり、緩み防止器具A1を追加するだけで、従来の溶接電源装置9およびコネクタプラグ5をそのまま使用して、コネクタプラグ5が回転して緩むことを防止できる。
【0029】
また、本実施形態によると、クランプ部1の平面視形状は一辺が欠けた正八角形である。したがって、クランプ部1は、コネクタプラグ5を容易にクランプでき、また、クランプ部1の内面12をコネクタプラグ5に適度に接触させることができる。
【0030】
また、本実施形態によると、緩み防止器具A1は、一体成型により形成されている。したがって、緩み防止器具A1は、製造工程を単純化できる。
【0031】
なお、本実施形態では、コネクタプラグ5が回転式ロック構造のコネクタプラグである場合について説明したが、これに限られない。例えば、コネクタプラグ5は、ねじ込み式であり、出力端子91に螺合させるタイプのコネクタプラグであってもよい。本実施形態に係る緩み防止器具A1は、回転させて固定するあらゆるタイプのコネクタプラグに取り付けて、当該コネクタプラグが緩むことを防止できる。
【0032】
また、本実施形態では、緩み防止器具A1が溶接電源装置9の溶接電力出力用の2個の出力端子91に接続されるコネクタプラグ5に用いられる場合について説明したが、これに限られない。例えば、緩み防止器具A1は、溶接電源装置9の2個並んで配置される他の端子に接続されるコネクタプラグ5に用いることもできる。また、緩み防止器具A1は、溶接電源装置9以外の装置の2個並んで配置される端子に接続されるコネクタプラグ5に用いることもできる。
【0033】
〔第1変形例〕
図4は、第1実施形態に係る緩み防止器具A1の第1変形例を説明するための図である。図4は、緩み防止器具A1の第1変形例の使用方法を説明するための図であり、図2(b)に対応する図である。第1変形例において、緩み防止器具A1は、別体であるアダプタ31,32を使用する。アダプタ31,32は、柔軟性のある合成樹脂またはゴムなどからなる円筒形状の部材である。アダプタ31,32の外径は、クランプ部1の内径に応じた寸法であり、アダプタ31,32の内径は、それぞれがクランプするコネクタプラグ5の外径に応じた寸法である。図4に示す例では、右側のコネクタプラグ5の外径が左側のコネクタプラグ5の外径より小さい。したがって、アダプタ32の内径は、アダプタ31の内径より小さくなっている。図4に示すように、アダプタ31,32はあらかじめコネクタプラグ5に取り付けられており、緩み防止器具A1は、各クランプ部1がそれぞれ、アダプタ31,32が取り付けられたコネクタプラグ5をクランプするようにして取り付けられる。第1変形例の場合、緩み防止器具A1は、互いに外径の異なる2個のコネクタプラグ5に取り付けることができる。したがって、各コネクタプラグ5に合わせてアダプタ31,32を用意すれば、共通の緩み防止器具A1を用いることができる。これにより、各コネクタプラグ5に合わせて緩み防止器具A1を製造する場合と比較して、製造コストを抑制できる。なお、一方のコネクタプラグ5(図4における右側のコネクタプラグ5)にだけアダプタ32を取り付けてもよい。この場合、緩み防止器具A1は、各クランプ部1がそれぞれ、アダプタ31を取り付けていないコネクタプラグ5と、アダプタ32を取り付けたコネクタプラグ5とをクランプするようにして取り付けられる。
【0034】
〔第2実施形態〕
図5は、第2実施形態に係る緩み防止器具A2を説明するための図である。図5は、緩み防止器具A2を示す平面図であり、図1(a)に対応する図である。図5において、緩み防止器具A1(図1参照)と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。本実施形態に係る緩み防止器具A2は、クランプ部1において欠けている側壁の位置が、緩み防止器具A1と異なる。
【0035】
第2実施形態に係る各クランプ部1は、平面視形状が正八角形の筒形状であり、同じ側の側壁(図5において下側の側壁)が欠けている。
【0036】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、本実施形態によると、各クランプ部1は、同じ側の側壁(図5において下側の側壁)が欠けている。したがって、緩み防止器具A2は、溶接電源装置9に接続された2個のコネクタプラグ5に取り付ける際に、各コネクタプラグ5の延びる方向および各コネクタプラグ5が並ぶ方向に直交する方向から取り付けることができる。
【0037】
〔第3実施形態〕
図6は、第3実施形態に係る緩み防止器具A3を説明するための図である。図6は、緩み防止器具A3を示す平面図であり、図1(a)に対応する図である。図6において、緩み防止器具A1(図1参照)と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。本実施形態に係る緩み防止器具A3は、クランプ部1の内面12に、多数の凸部13が配置されている点で、緩み防止器具A1と異なる。
【0038】
第3実施形態に係る各クランプ部1は、内面12に多数の凸部13が配置されている。各凸部13は、筒形状のクランプ部1が延びる軸方向である第1方向(図6において紙面の前後方向)に延びるように形成されている。
【0039】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、本実施形態によると、各クランプ部1は、内面12に、第1方向に延びる多数の凸部13が配置されている。したがって、緩み防止器具A3は、コネクタプラグ5とクランプ部1との間の摩擦をより大きくして、コネクタプラグ5がクランプ部1内で回転することをより確実に防止できる。なお、多数の凸部13は、第1方向に延びているので、図2(b)に示す方法で緩み防止器具A3を2個のコネクタプラグ5に取り付ける際には、あまり妨げにならない。
【0040】
〔第4実施形態〕
図7は、第4実施形態に係る緩み防止器具A4を説明するための図である。図7は、緩み防止器具A4を示す平面図であり、図1(a)に対応する図である。図7において、緩み防止器具A1(図1参照)と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。本実施形態に係る緩み防止器具A4は、クランプ部1が開閉機構を備えている点で、緩み防止器具A1と異なる。
【0041】
第4実施形態に係る各クランプ部1は、固定部15、可動部16、ボルト17、および蝶ナット18を備えている。固定部15は、平面視形状がU字形状で平面視方向(第1方向)に延びる形状、すなわち、円筒を半分にした半円筒状の部材である。可動部16は、固定部15と同様の形状の部材である。可動部16は、その一端16aが固定部15の一端15aに、回動可能に取り付けられている。可動部16が閉じた状態(図7におけるクランプ部1a参照)では、固定部15および可動部16は、円筒形状になる。固定部15および可動部16の構成材料は限定されないが、例えばアルミニウムなどである。なお、固定部15および可動部16の形状は限定されない。ボルト17は、その一端が固定部15の他端15bに、回動可能に取り付けられている。蝶ナット18は、ボルト17に螺合して取り付けられている。可動部16は、閉じた状態で蝶ナット18によって固定される(図7におけるクランプ部1a参照)。各クランプ部1は、固定部15の一端15a付近で連結部2によって連結されている。各クランプ部1は、可動部16が開いた状態でコネクタプラグ5に取り付けられて、可動部16が閉じた状態で蝶ナット18によって固定されることで、コネクタプラグ5をクランプする。
【0042】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、本実施形態によると、各クランプ部1が開閉機構を備えているので、緩み防止器具A4は、コネクタプラグ5に容易に取り付けられる。なお、可動部16は人の手で締め付け可能な蝶ナット18で固定されるので、緩み防止器具A4は、取り付け時に工具を必要としない。
【0043】
なお、上記第1~4実施形態では、緩み防止器具A1~A4が2個のクランプ部1を備えている場合について説明したが、これに限られない。例えば、3個以上の端子が隣接して配置される装置において各端子にそれぞれコネクタプラグ5が接続される場合、これらのコネクタプラグ5に用いるために、緩み防止器具A1~A4は、3個以上のクランプ部1とこれらを連結する複数の連結部2を備えてもよい。
【0044】
本発明に係る緩み防止器具は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る緩み防止器具の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0045】
A1~A4:緩み防止器具、1,1a,1b:クランプ部、2:連結部、12:内面、13:凸部、15:固定部、16:可動部、17:ボルト、18:蝶ナット、31,32:アダプタ、5:コネクタプラグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7