(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103108
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】排ガス処理用保持材
(51)【国際特許分類】
F01N 3/28 20060101AFI20240725BHJP
C09K 3/10 20060101ALI20240725BHJP
D04H 1/4209 20120101ALI20240725BHJP
【FI】
F01N3/28 311N
C09K3/10 N
D04H1/4209
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007265
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000110804
【氏名又は名称】ニチアス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 章裕
(72)【発明者】
【氏名】中村 大毅
(72)【発明者】
【氏名】畠山 由章
(72)【発明者】
【氏名】新開 孝裕
【テーマコード(参考)】
3G091
4H017
4L047
【Fターム(参考)】
3G091BA39
3G091HA26
3G091HA29
4H017AA18
4H017AA22
4H017AD01
4H017AE05
4L047AA04
4L047BA12
4L047BA21
4L047CA19
4L047CB01
(57)【要約】
【解決課題】互いに相反する性能である、排ガス処理体を保持する保持力と、排ガス処理体に対する巻き付け性と、を両立した排ガス処理装置用保持材を提供する。
【解決手段】 排ガス処理装置用保持材は、円柱状の排ガス処理体に巻き回されて、該排ガス処理体と共にケーシング内に組み付けられ、該排ガス処理体と当該排ガス処理体を収容するケーシングとの間隙に配設される排ガス処理装置用保持材であって、アルミナ成分を70質量%以上含むアルミナ繊維と、有機バインダーと、無機バインダーと、を含み、前記アルミナ繊維100質量部に対する前記無機バインダーの含有量が2~8質量部である繊維集成体からなり、坪量が1800g/m
2以上であり、JIS K 7312に準拠して測定をしたタイプCデュロメータ硬度が30~45である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱状の排ガス処理体に巻き回されて、該排ガス処理体と共にケーシング内に組み付けられ、該排ガス処理体と当該排ガス処理体を収容するケーシングとの間隙に配設される排ガス処理装置用保持材であって、
アルミナ成分を70質量%以上含むアルミナ繊維と、有機バインダーと、無機バインダーと、を含み、該アルミナ繊維100質量部に対する該無機バインダーの含有量が2~8質量部である繊維集成体からなり、
坪量が1800g/m2以上であり、
JIS K 7312に準拠して測定をしたタイプCデュロメータ硬度が30~45である、
ことを特徴とする排ガス処理装置用保持材。
【請求項2】
嵩密度が130~210kg/m3である請求項1に記載の排ガス処理装置用保持材。
【請求項3】
嵩密度が140~200kg/m3である請求項1に記載の排ガス処理装置用保持材。
【請求項4】
厚さが10~14mmである請求項1に記載の排ガス処理装置用保持材。
【請求項5】
前記坪量が1800~2100g/m2である請求項1に記載の排ガス処理装置用保持材。
【請求項6】
前記アルミナ繊維100質量部に対する前記有機バインダーの含有量が8~12質量部である請求項1に記載の排ガス処理装置用保持材。
【請求項7】
前記排ガス処理装置用保持材は、前記アルミナ繊維と前記有機バインダーと前記無機バインダーを含む湿式成形体の加熱加圧成形体であることを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理装置用保持材。
【請求項8】
前記湿式成形体の厚みに対し、1/10~4/5の厚みに圧縮された成形体であることを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理装置用保持材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス処理体をケーシング内に保持する排ガス処理装置用保持材に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、そのエンジンの排ガス中に含まれる一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物等の有害成分を除去するために、排ガス浄化用気体処理装置が積載されている。このような気体処理装置は、一般に、筒状に形成された触媒担持体等の排ガス処理体と、排ガス処理体を収容する金属製のケーシングと、排ガス処理体に装着されて排ガス処理体とケーシングとの間隙に介装される保持材とから構成されている。
【0003】
排ガス処理体とケーシングとの間隙に介装される保持材には、自動車の走行中に振動等によって排ガス処理体がケーシングに衝突して破損しないように排ガス処理体を安全に保持する機能と、排ガス処理体とケーシングとの間隙から未浄化の排ガスが漏れないようにシールする機能とを兼ね備えることが求められる。排ガス処理体を安全に保持するためには、所定の面圧で、排ガス処理体を保持する必要があるが、加熱に伴う圧縮を繰り返し受けることにより、面圧が低下する問題があった。
【0004】
例えば、特許文献1、及び特許文献2では、無機繊維と無機バインダーとを組み合わせた保持力(繰り返し後面圧)の高い保持材を開示している。特許文献3では、1600~3000g/m2の高坪量の範囲にすることにより保持力(繰り返し後面圧)に優れた保持材を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開2016-136258号明細書
【特許文献2】特開2013-148072号公報
【特許文献3】特開2018-105173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に開示されている保持材は、無機バインダー量を増やしたことにより保持材が硬くなり、排ガス処理体に対する巻き付け性が悪化する問題があった。また、近年の排ガス規制の強化に伴い、排ガス処理体を保持する保持力(繰り返し後面圧)をさらに高くするために、特許文献3のように高い坪量を設定することがあるが、保持材の坪量を高くした場合には、排ガス処理体に対する巻き付け性がますます悪化する問題があった。そのため、互いに相反する、排ガス処理体を保持する保持力と、排ガス処理体に対する巻き付け性と、を両立した保持材が求められていた。
【0007】
従って、本発明の目的は、排ガス処理体を保持する保持力が高く且つ排ガス処理体に対する巻き付け性に優れる排ガス処理装置用保持材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、以下により解決される。すなわち、本発明(1)の排ガス処理装置用保持材は、円柱状の排ガス処理体に巻き回されて、該排ガス処理体と共にケーシング内に組み付けられ、該排ガス処理体と当該排ガス処理体を収容するケーシングとの間隙に配設される排ガス処理装置用保持材であって、
アルミナ成分を70質量%以上含むアルミナ繊維と、有機バインダーと、無機バインダーと、を含み、該アルミナ繊維100質量部に対する該無機バインダーの含有量が2~8質量部である繊維集成体からなり、
坪量が1800g/m2以上であり、
JIS K 7312に準拠して測定をしたタイプCデュロメータ硬度が30~45である、
ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明(2)の排ガス処理装置用保持材は、(1)に記載の排ガス処理装置用保持材であって、
嵩密度が130~210kg/m3である。
【0010】
また、本発明(3)の排ガス処理装置用保持材は、(1)に記載の排ガス処理装置用保持材であって、
嵩密度が140~200kg/m3である。
【0011】
また、本発明(4)の排ガス処理装置用保持材は、(1)~(3)のいずれか1項に記載の排ガス処理装置用保持材であって、
厚さが10~14mmである。
【0012】
また、本発明(5)の排ガス処理装置用保持材は、(1)~(4)のいずれか1項に記載の排ガス処理装置用保持材であって、
前記坪量が1800~2100g/m2である。
【0013】
また、本発明(6)の排ガス処理装置用保持材は、(1)~(5)のいずれか1項に記載の排ガス処理装置用保持材であって、
前記アルミナ繊維100質量部に対する前記有機バインダーの含有量が8~12質量部である。
【0014】
また、本発明(7)の排ガス処理装置用保持材は、(1)~(6)のいずれか1項に記載の排ガス処理装置用保持材であって、
前記アルミナ繊維と前記有機バインダーと前記無機バインダーを含む湿式成形体の加熱加圧成形体である。
【0015】
また、本発明(8)の排ガス処理装置用保持材は、(1)~(7)のいずれか1項に記載の排ガス処理装置用保持材であって、
前記湿式成形体の厚みに対し、1/10~4/5の厚みに圧縮された成形体である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、排ガス処理体を保持する保持力が高く且つ排ガス処理体に対する巻き付け性に優れる排ガス処理装置用保持材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の排ガス処理装置用保持材が用いられている排ガス処理装置を示す模式的な斜視図である。
【
図2】本発明の排ガス処理装置用保持材を示す模式的な斜視図である。
【
図3】
図2に示す排ガス処理装置用保持材が排ガス処理体に巻き回されている状態を示す斜視図である。
【
図4】
図2に示す排ガス処理装置用保持材が排ガス処理体に巻き回されている状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の排ガス処理装置用保持材について、
図1~
図4を参照して説明する。
図1は、本発明の排ガス処理装置用保持材が用いられている排ガス処理装置を示す模式図であり、排ガス処理装置の配置を示す斜視図である。
図2は、本発明の排ガス処理装置用保持材を示す模式的な斜視図である。
図3は、
図2に示す排ガス処理装置用保持材が排ガス処理体に巻き回されている状態の係合部を示す斜視図である。
図4は、
図2に示す排ガス処理装置用保持材が排ガス処理体に巻き回されている状態を示す断面図である。
【0019】
図1に示すように、排ガス処理装置10は、円柱状の排ガス処理体2と、排ガス処理体2を収容する金属製のケーシング3と、排ガス処理体2に巻き回されて、排ガス処理体2とケーシング3との間隙に充填される排ガス処理装置用保持材1とから構成されている。
【0020】
図2に示す本発明の排ガス処理装置用保持材1は、第一面21と、第一面の反対側に位置する第二面22と、からなる平板状の形状を有する。第一面21は、排ガス処理体2に巻き回されるときに、排ガス処理体2の外側面に接触する面、すなわち、内側となる面であり、また、第二面22は、外側となる面である。本発明の排ガス処理装置用保持材1の巻き回し方向32の長さ、幅、厚さは、適宜選択される。
【0021】
本発明の排ガス処理装置用保持材は、通常、平面視において、巻き回し方向32の一端側に係合凸形状部7と、巻き回し方向32の他端側に係合凹形状部8とを有する。係合凸形状部7と係合凹形状部8は、本発明の排ガス処理装置用保持材が排ガス処理体に巻き回されたときに、係合することにより、本発明の排ガス処理装置用保持材1の一端側と他端側とを繋ぎ合わせるための部位である。係合凸形状部7と係合凹形状部8の形状は、適宜選択され、係合する部位の形状がL字型の組み合わせとなる形状であってもよい。
【0022】
図3に示すように、本発明の排ガス処理装置用保持材1が排ガス処理体2に巻き回されたときには、係合部の隙間24が発生する場合がある。隙間24の大きさは、通常、0~50mmであり、好ましくは0~30mm、より好ましくは0~10mmであり、特に好ましくは0~5mmである。係合部の隙間24が0mmより小さくなると、係合凸形状部7と係合凹形状部8がオーバーラップする状態となり、ケーシング3との組付け時に局所的な抵抗が発生してしまい組み付けが上手くいかないことがある。また、係合部の隙間24が大きすぎると、未浄化の排ガスが漏れる原因となる。なお、
図1及び
図4に示す形態例は、隙間24が0mmの場合の例である。
【0023】
本発明の排ガス処理装置用保持材1の長さは、排ガス処理体2の直径等によって適宜選択されるが、一般に排ガス処理装置用保持材1の長さは、排ガス処理体2の外周長さよりも長く設定される。それは、厚みを持った排ガス処理装置用保持材1を排ガス処理体2に巻き回されるときに、排ガス処理装置用保持材1の厚みの分だけ内外周差が発生するためであり、
図4に示すように、内側となる第一面21には不規則な皺23が発生する。
【0024】
排ガス処理体2に巻き回され、ケーシング3内に排ガス処理体2と共に組み付けられ、圧入されたときに、排ガス処理装置用保持材1の第一面21に発生する不規則な皺23が深いと、局所的な面圧のバラつきが生じ易い。排ガス処理装置用保持材1を排ガス処理体2に巻き回されたとき、この皺23が深くなり、皺23の数が多くなると、排ガス処理装置用保持材1が排ガス処理体2に巻き回されたときの係合部の隙間24が大きくなる。
【0025】
排ガス処理装置用保持材1の第一面21に発生する不規則な皺23の深さは、排ガス処理装置用保持材1の坪量、厚さ、嵩密度、幅、無機バインダー量、タイプCデュロメータ硬度計で測定した硬度、第一面21の表面性状、排ガス処理体2の直径、排ガス処理体2に巻き回す際の強さ等により影響される。
【0026】
同じの長さの排ガス処理装置用保持材1が排ガス処理体2に巻き回されたときの係合部の隙間24が大きくなることは、皺23が深くなることといえ、局所的な面圧のバラつきが生じ易く、巻き付け性が悪いといえる。
【0027】
本発明に係る排ガス処理装置用保持材は、円柱状の排ガス処理体に巻き回されて、該排ガス処理体と共にケーシング内に組み付けられ、該排ガス処理体と当該排ガス処理体を収容するケーシングとの間隙に配設される排ガス処理装置用保持材であって、
アルミナ成分を70質量%以上含むアルミナ繊維と、有機バインダーと、無機バインダーと、を含み、該アルミナ繊維100質量部に対する該無機バインダーの含有量が2~8質量部である繊維集成体からなり、
坪量が1800g/m2以上であり、
JIS K 7312に準拠して測定をしたタイプCデュロメータ硬度が30~45である、
ことを特徴とするものである。
【0028】
本発明に係る排ガス処理装置用保持材は、繊維集成体からなる。上記繊維集成体を構成する無機繊維は、骨格繊維として機能するものであり、アルミナ繊維である。
【0029】
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、アルミナ繊維は、アルミナ(Al2O3)を主成分とする非晶質繊維または多結晶質繊維を意味し、Al2O3を70質量%以上含み、Al2O3を70~99質量%、SiO2を1~30質量%含むものが良く、Al2O3を90~99質量%、SiO2を1~10質量%含むものが好適であり、Al2O3を95~99質量%、SiO2を1~5質量%含むものがより好適であり、Al2O3を96~99質量%、SiO2を1~4質量%含むものがさらに好適である。
【0030】
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、アルミナ繊維は、平均繊維径が、1~10μmであるものが好ましく、2~9μmであるものがより好ましく、3~8μmであるものがさらに好ましい。
【0031】
上記アルミナ繊維の平均繊維径は、任意に抽出したアルミナ繊維100本の垂直断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて倍率500倍で観察したときの各繊維断面における長径(最大繊維径)の算術平均値を意味する。
【0032】
本発明に係る排ガス処理装置用保持材は、上記アルミナ繊維とともに、有機バインダーと、無機バインダーと、を含む。
【0033】
有機バインダーは、本発明に係る排ガス処理装置用保持材を製造する際に、アルミナ繊維と共に混合され、繊維集成体に成形後、乾燥されることによって、繊維同士を結合させる機能を有する。有機バインダーは、例えば、熱可塑性樹脂である。有機バインダーは、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等の単独重合体及び共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
【0034】
本発明に係る排ガス処理装置用保持材を構成する繊維集成体は、特に上述した有機バインダーを含有する場合に、柔軟性を発揮し易くなり、触媒担体に巻き回される際に巻き付けやすくなって作業性を容易に向上することができる。
【0035】
有機バインダーの含有量は、アルミナ繊維を100質量部としたとき、固形分量として、1~20質量部であり、より好ましくは2~15質量部、特に好ましくは8~12質量部である。
【0036】
無機バインダーは、本発明に係る排ガス処理装置用保持材を製造する際に、アルミナ繊維と共に混合され、繊維集成体に成形後、乾燥されること又は排ガス処理装置に設置後、加熱されることによって、繊維同士を結合させる機能を有する。無機バインダーとしては、アルミナゾル、シリカゾル、珪酸ソーダ、チタニアゾル、珪酸リチウム、水ガラス等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
【0037】
無機バインダーの含有量は、アルミナ繊維を100質量部としたとき、固形分量として、2~8質量部であり、好ましくは2.5~6質量部である。無機バインダーの含有量が8質量部を超えると、保持材の硬度(タイプCデュロメータ硬度計で測定した硬度)が高くなり、排ガス処理装置用保持材が排ガス処理体に巻き回されたときに発生する第一面の皺が深くなり、係合部の隙間が大きくなる。すなわち、排ガス処理体に対する巻き付け性が悪化する。また、無機バインダーの含有量が2質量部よりも低くなると、保持力(繰り返し後面圧)が低くなる。
【0038】
本発明に係る排ガス処理装置用保持材は、好ましくは、充填密度0.5g/cm3、Gap開放率12%で2500回繰り返し試験の結果、初期開放時面圧からの繰り返し後面圧残存率が、24%以上であり、より好ましくは26%以上である。
【0039】
本発明に係る排ガス処理装置用保持材の坪量は、1800g/m2以上であり、1800~2100g/m2であることが好ましい。排ガス処理装置用保持材の坪量が1800g/m2よりも低くなると、排ガス処理体を保持するための十分な保持力(繰り返し後面圧)が得られず、車両等に搭載された際に排ガス処理体が保持できず破損してしまう恐れがある。一方、排ガス処理装置用保持材の坪量を2100g/m2よりも高くしてしまうと、ケーシングに排ガス処理体と共に組み付けた際に、初期面圧が高くなり過ぎて、排ガス処理体を破損してしまう恐れがある。
【0040】
本発明に係る排ガス処理装置用保持材の坪量が1800g/m2以上ある場合の厚さは、10~14mmであり、11~14mmであることが好ましく、12~14mmであることがさらに好ましい。排ガス処理装置用保持材の厚さが10mmよりも小さくなると、保持材の硬度(タイプCデュロメータ硬度計で測定した硬度)が高くなり、排ガス処理装置用保持材が排ガス処理体に巻き回されたときに発生する第一面の皺が深くなり、係合部の隙間が大きくなる。すなわち、排ガス処理体に対する巻き付け性が悪化する。排ガス処理装置用保持材の厚さが14mmを超えると、排ガス処理体およびその周囲に巻かれた排ガス処理装置用保持材が、ケーシング内のスペースに収納できない恐れがある。
【0041】
本発明に係る排ガス処理装置用保持材の坪量が1800g/m2以上ある場合の嵩密度は、130~210kg/m3であり、135~205kg/m3であることが好ましく、140~200kg/m3であることがさらに好ましい。排ガス処理装置用保持材の嵩密度が上記範囲内にあることにより、タイプCデュロメータ硬度計で測定した硬度と無機バインダー量、及び坪量とのバランスが良好になり、排ガス処理装置用保持材が排ガス処理体に巻き回されたときに発生する第一面の皺を小さくでき、係合部の隙間が小さくなる。すなわち、排ガス処理体を保持するに十分な保持力と、排ガス処理体に対する巻き付け性を両立させることができる。
【0042】
本発明に係る排ガス処理装置用保持材のタイプCデュロメータ硬度計で測定した硬度は、30~45であり、31~45であることが好ましく、32~45であることがさらに好ましい。本発明において、排ガス処理装置用保持材のタイプCデュロメータ硬度計で測定した硬度の測定方法は、JIS K 7312に準拠して行う。排ガス処理装置用保持材のタイプCデュロメータ硬度計で測定した硬度が上記範囲内にあることにより、無機バインダー量、及び坪量とのバランスが良好になり、排ガス処理装置用保持材が排ガス処理体に巻き回されたときに発生する第一面の皺を小さくでき、係合部の隙間が小さくなる。すなわち、排ガス処理体を保持するに十分な保持力と、排ガス処理体に対する巻き付け性を両立させることができる。
【0043】
本発明者らは、(1)排ガス処理装置用保持材の全体の強度と、排ガス処理装置用保持材の表面の硬さは、必ずしも相関するわけではないこと、(2)排ガス処理体に対する巻き付け性には、排ガス処理装置用保持材の全体の強度ではなく、排ガス処理装置用保持材の表面の硬さと、排ガス処理装置用保持材の坪量が大きく影響すること、(3)タイプCデュロメータ硬度計による硬度測定が、排ガス処理装置用保持材の表面状態の把握に適しており、排ガス処理装置用保持材のタイプCデュロメータ硬度計で測定したときの硬度を、上記範囲にすることにより、排ガス処理体に対する巻き付け性を向上させることができること、を見出した。
【0044】
本発明では、無機バインダー量、坪量、厚さ、嵩密度等を選択することにより、本発明に係る排ガス処理装置用保持材のタイプCデュロメータ硬度計で測定した硬度を上記範囲に調節することができる。
【0045】
本発明に係る排ガス処理装置用保持材を作製する方法は、特に制限されず、従来の有機バインダー及び無機バインダーを使用した排ガス処理装置用保持材の製造方法に準じた方法で製造することができる。
【0046】
本発明の排ガス処理装置用保持材としては、無機繊維と有機バインダーと無機バインダーと、必要に応じて、更に、高分子凝集剤等を、水、極性有機溶媒等の分散媒に分散させて混合してスラリーを調製し、次いで、スラリーを湿式成形して、湿式成形体を得、次いで、湿式成形体を、加熱及び加圧して成形することにより得られる成形体、すなわち、無機繊維と有機バインダーとを含む湿式成形体の加熱加圧成形体が挙げられる。本発明の排ガス処理装置用保持材は、湿式成形体の厚みに対し、好ましくは1/10~4/5、特に好ましくは1/5~7/10の厚みに圧縮された成形体である。つまり、本発明の排ガス処理装置用保持材は、湿式成形体を加熱圧縮することにより、好ましくは1/10~4/5、特に好ましくは1/5~7/10の厚みまで加熱圧縮することにより作製されたものである。
【0047】
スラリー形成時に使用される溶媒としては、特に制限されないが、水や極性有機溶媒等が挙げられる。水としては、蒸留水、イオン交換水、水道水、地下水、工業用水等が挙げられ、また、極性有機溶媒としては、エタノール、プロパノール等の一価のアルコール類、エチレングリコール等の二価のアルコール類が挙げられる。スラリー形成時の溶媒は、吸引脱水によって回収された溶媒を再度使用しても良く、新しい溶媒と混合させても良い。スラリー中に含まれる全固形分濃度は、好ましくは0.05~5質量%、より好ましくは0.1~2質量%、更に好ましくは0.2~1質量%である。
【0048】
次に、本発明に係る排ガス処理装置用保持材の使用形態について説明する。
本発明に係る保持材が配設される排ガス処理装置としては、車両に搭載される排ガス浄化用触媒コンバーターやディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)、ガソリンパティキュレートフィルター(GPF)等が挙げられる。
【0049】
本発明に係る排ガス処理装置用保持材は、例えば、排ガス処理装置用保持材が触媒コンバーター用保持材であり、円筒状の触媒担体を用いる場合には、当該円筒状の触媒担体の周囲に上記繊維集成体(湿式成形体)からなる保持材を適宜巻き回された後、筒状のケーシングを半割状にした下部ケーシング内に収容し、次いで同じく筒状のケーシングを半割状にした上部ケーシングを、上記保持材を押圧しつつ重ね合わせ、ボルト等で接合することにより筒状物とすることにより、触媒コンバーター用保持材として機能させることができる。
【0050】
また、例えば、排ガス処理装置用保持材が触媒コンバーター用保持材であり、円筒状の触媒担体を用いる場合には、当該円筒状の触媒担体の周囲に上記繊維集成体(湿式成形体)からなる保持材を適宜巻き回された巻付物を、筒状のケーシングの端部から押込み挿入することにより、触媒コンバーター用保持材として機能させることができる。
【0051】
上記保持材を構成する繊維集成体として、上記湿式成形体を使用した場合、上記湿式成形体を触媒担体に巻き回されて、当該触媒担体と共にケーシングとの間隙に配設して触媒コンバーターに対応する形態とした上で、触媒担体と共に、ケーシング内で加熱されることにより、有機バインダーが熱分解して消失する。そのことにより、圧縮状態であった無機繊維からなるマットの圧縮状態が解放され、圧縮される前の状態に戻ろうとする復元力で、排ガス処理体とケーシングとの隙間が、本発明の排ガス処理装置用保持材から有機バインダーが消失した後のアルミナ繊維からなるマット、すなわち、本発明の排ガス処理装置用保持材の加熱膨張体で埋められるため、排ガス処理体が、ケーシング内で、振動等によってケーシングに衝突して破損しないように、位置に保持され、且つ、排ガス処理体とケーシングとの間隙から未浄化の排ガスが漏れないようにシールされる。
【0052】
本発明に係る排ガス処理装置としては、車両に搭載される排ガス浄化用触媒コンバーターやディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)、ガソリンパティキュレートフィルター(GPF)等が挙げられる。
【0053】
また、本発明に係る排ガス処理装置を構成する排ガス処理体2としては、触媒担体等を挙げることができ、金属製、合金製、セラミック製の何れのものであってもよい。
【0054】
上記触媒担体としては、特に制限されないが、公知の排ガス浄化用触媒を担持する担体から選択することができ、例えば、コーディエライト等からなる円筒状のハニカム状成形体に貴金属触媒等が担持されたもの等を挙げることができる。また、触媒担体の形態も特に制限されず、例えば円筒形状等を挙げることができる。
【0055】
本発明に係る排ガス処理装置を構成する排ガス処理体2を収容するケーシング3としては、内部に排ガス処理体及び排ガス処理装置用保持材を収容し得るものであれば特に制限されない。
【0056】
ケーシング3の形態も特に制限されないが、排ガス処理体2の形状に対応した形状を有するものであることが好ましく、例えば排ガス処理体2が円筒形状である場合、ケーシング3の形状も円筒形状であることが好ましい。
【0057】
ケーシング3の構成材料も所望の耐熱性を有するものであれば特に制限されず、公知のものから適宜選択され、通常は、ステンレス鋼、鉄等の金属製のものから適宜選択される。
【0058】
本発明に係る排ガス処理装置において、本発明に係る排ガス処理装置用保持材1は、上記排ガス処理体2と当該排ガス処理体2を収容するケーシング3との間隙で圧縮された状態における厚さが、1.0~12.0mmであることが好ましく、2.0~10.0mmであることがより好ましく、2.5~8.0mmであることがさらに好ましい。
【0059】
本発明に係る排ガス処理装置において、排ガス処理装置用保持材1の配合及び仕様が上記範囲内にあることにより、1800g/m2以上の高坪量の排ガス処理装置用保持材1であっても、これを比較的に柔らかく仕上げることができ、互いに相反する性能である、排ガス処理体を保持する保持力と、排ガス処理体に対する巻き付け性と、を両立できる。
【0060】
本発明に係る排ガス処理装置を製造する方法は特に制限されない。
【0061】
例えば、排ガス処理装置が触媒コンバーターである場合には、排ガス処理体2である円筒状の触媒担体の周囲に本発明に係る排ガス処理装置用保持材1を適宜巻き回された後、当該保持材を巻き回された触媒担体を筒状のケーシング3を半割状にした下部ケーシング内に収容し、次いで同じく筒状のケーシングを半割状にした上部ケーシングを、上記触媒担体周囲に巻き回され保持材1を押圧しつつ下部ケーシング上に重ね合わせ、ボルト等で接合して筒状物とすることにより、製造することができる。
【0062】
また、例えば、排ガス処理装置用保持材1が触媒コンバーター用保持材であり、円筒状の触媒担体を用いる場合には、当該円筒状の触媒担体の周囲に上記繊維集成体からなる保持材1を適宜巻き回された巻付物を、筒状のケーシング3の端部から押込み挿入することにより、製造することができる。
【0063】
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定されるものではない。
【実施例0064】
(実施例1)
(触媒コンバーター用保持材(排ガス処理装置用保持材)の作製)
アルミナ繊維(Al2O3含有割合96質量%、SiO2含有割合4質量%)100質量部に対し、有機バインダー10質量部(固形分量)と、無機バインダー3質量部(固形分量)と、を水に分散させることにより、水性スラリーを調製した。
次いで、底部にステンレス鋼製金網を有する脱水成形型に上記水性スラリーを流し込み、脱水成形して湿潤成形体を得た後、得られた湿潤成形体の全体を、その厚さが均一となるように圧縮しながら、200℃で30分間乾燥することにより、実施例1の繊維集成体(湿式成形体)からなる触媒コンバーター用保持材(縦450mm、横300mm、坪量2000g/m2、厚さ12mm、嵩密度167kg/m3、タイプCデュロメータ硬度計で測定した硬度39)を得た。タイプCデュロメータ硬度計で測定した硬度は、JIS K 7312に準拠して測定した。
【0065】
(I)巻き回し時の隙間の評価
上述した方法で得られた触媒コンバーター用保持材を、長さ238mm(巻き回し方向)、幅50mm(幅方向)に切断して評価サンプルとし、排ガス処理体(外径70mm、長さ100mm)の周りに巻き回した。このとき、触媒コンバーター用保持材の第一面には、不均一ではあるが細かい皺が入っていた。触媒コンバーター用保持材の係合部には、固定用のテープを貼り付けた後、係合部の第一面側の隙間を金尺で測定した。
結果を表1に示す。なお、この際の評価基準は、0~5mmを〇とし、0mm未満でオーバーラップした場合、及び5mm超の隙間が空いた場合を×とした。
【0066】
(II)巻き回し時の外観評価
次いで、上記で巻き回された排ガス処理装置用保持材における第二面(外周面)の外観を観察した。この際の巻き回し時の外観評価を以下の評価基準により評価した。
〇:触媒コンバーター用保持材の巻き回し状態において、マットに割れ、ヒビが無い。
×:触媒コンバーター用保持材の巻き回し状態において、マットに割れ、ヒビが発生した。
結果を表1に示す。
【0067】
(III)繰り返し後面圧
繰り返し後面圧を、以下の方法で測定した。
面圧の測定は、島津(株)製万能試験機オートグラフを使用して行った。圧縮治具の円盤(直径100mm、厚さ25mm)を上下に取り付け、上下圧盤の隙間が10mmとなる位置をゼロ点とした。次いで、上記で作製したマットを下圧盤に配置し、ゼロ点位置から、圧縮速度10mm/minでマットを0.5g/cm3の充填密度となるように圧縮した後、12%(充填密度0.446g/cm3)の開放率まで開放する操作を2500サイクル繰返して測定した。結果を表1に示す。なお、このときの、初期開放時面圧から2500サイクル目の繰り返し後面圧残存率とし、24%以上を〇とした。
【0068】
(実施例2)
厚さを10mm、嵩密度を200kg/m3、タイプCデュロメータ硬度計で測定した硬度を45とした以外は、実施例1と同様にして触媒コンバーター用保持材を作製した。縦450mm、横300mm、坪量2000g/m2の触媒コンバーター用保持材を得た。
得られた触媒コンバーター用保持材を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0069】
(実施例3)
厚さを14mm、嵩密度を143kg/m3、タイプCデュロメータ硬度計で測定した硬度を32とした以外は、実施例1と同様にして触媒コンバーター用保持材を作製した。縦450mm、横300mm、坪量2000g/m2の触媒コンバーター用保持材を得た。
得られた触媒コンバーター用保持材を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0070】
(実施例4)
アルミナ繊維100質量部に対する無機バインダーの配合割合を6質量部(固形分量)とし、厚さを12mm、嵩密度を167kg/m3、タイプCデュロメータ硬度計で測定した硬度を41とした以外は、実施例1と同様にして触媒コンバーター用保持材を作製した。縦450mm、横300mm、坪量2000g/m2の触媒コンバーター用保持材を得た。
得られた触媒コンバーター用保持材を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0071】
(比較例1)
厚さを9mm、嵩密度を222kg/m3、タイプCデュロメータ硬度計で測定した硬度を49とした以外は、実施例1と同様にして触媒コンバーター用保持材を作製した。縦450mm、横300mm、坪量2000g/m2の触媒コンバーター用保持材を得た。
得られた触媒コンバーター用保持材を実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0072】
(比較例2)
厚さを16mm、嵩密度を125kg/m3、タイプCデュロメータ硬度計で測定した硬度を26とした以外は、実施例1と同様にして触媒コンバーター用保持材を作製した。縦450mm、横300mm、坪量2000g/m2の触媒コンバーター用保持材を得た。
得られた触媒コンバーター用保持材を実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0073】
(比較例3)
アルミナ繊維100質量部に対する無機バインダーの配合割合を1質量部(固形分量)とし、嵩密度を167kg/m3、タイプCデュロメータ硬度計で測定した硬度を28とした以外は、実施例1と同様にして触媒コンバーター用保持材を作製した。縦450mm、横300mm、厚さを12mm、坪量2000g/m2の触媒コンバーター用保持材を得た。
得られた触媒コンバーター用保持材を実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0074】
(比較例4)
アルミナ繊維100質量部に対する無機バインダーの配合割合を10質量部(固形分量)とし、嵩密度を167kg/m3、タイプCデュロメータ硬度計で測定した硬度を48とした以外は、実施例1と同様にして触媒コンバーター用保持材を作製した。縦450mm、横300mm、厚さを12mm、坪量2000g/m2の触媒コンバーター用保持材を得た。
得られた触媒コンバーター用保持材を実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0075】
実施例1~4、比較例1~4の触媒コンバーター用保持材の配合、仕様、評価結果を表1、表2に示す。
【0076】
【0077】
【0078】
表1、表2に示すように、実施例1~実施例4で得られた触媒コンバーター用保持材は、アルミナ繊維100質量部に対する無機バインダーの含有量が2~8質量部で、坪量が1800g/m2以上であることから、高い繰り返し後面圧を発揮できていると考えられる。また、実施例1~実施例4で得られた触媒コンバーター用保持材は、厚さが10~14mmで、嵩密度が130~210kg/m3で、硬度が30~45の範囲であり、保持材表面の硬くなりすぎることがなく、巻き付け性が良好となったと考えられる。よって、総合評価として、○の評価が得られた。
【0079】
比較例1で得られた触媒コンバーター用保持材は、厚さが9mmで、嵩密度が210kg/m3よりも大きく、硬度が45よりも大きい。このため、全体として硬くなり、保持材の繰り返し後面圧は良好となるものの、排ガス処理装置用保持材を排ガス処理体の周りに巻き回した際、触媒コンバーター用保持材の第一面には、不均一に深い皺が入っており、係合部の隙間が大きくなっていた。したがって、比較例1では、総合評価として、×の評価を得た。
【0080】
比較例2で得られた触媒コンバーター用保持材は、厚さが16mmで、嵩密度が130kg/m3よりも小さく、硬度が30よりも小さい。このため、全体として柔らかくなり、保持材の繰り返し後面圧は良好となるものの、排ガス処理装置用保持材を排ガス処理体の周りに巻き回した際、係合部の隙間がマイナスとなり、係合部がオーバーラップする状態となっていた。したがって、比較例2では、総合評価として、×の評価を得た。
【0081】
比較例3で得られた触媒コンバーター用保持材は、アルミナ繊維100質量部に対する無機バインダーの配合割合を1質量部であり、且つ硬度が30よりも小さい。このため、全体として柔らかくなり、排ガス処理装置用保持材を排ガス処理体の周りに巻き回した際、係合部の隙間がマイナスとなり、係合部がオーバーラップする状態となっていた。さらに、無機バインダー量が過少なために繰り返し後面圧が悪化したと考えられる。したがって、比較例3では、総合評価として、×の評価を得た。
【0082】
比較例4で得られた触媒コンバーター用保持材は、アルミナ繊維100質量部に対する無機バインダーの配合割合が10質量部であり、且つ硬度が45よりも大きい。このように、無機バインダー量が過剰なために、全体として硬くなり、保持材の繰り返し後面圧は良好となるものの、触媒コンバーターに対する巻き付け性が悪化したと考えられる。したがって、比較例4では、総合評価として、×の評価を得た。
本発明によれば、坪量、硬度、厚さ、及び嵩密度を操作することで、排ガス処理体を保持する保持力と、排ガス処理体に対する巻き付け性と、を両立した排ガス処理装置用保持材を提供することができる。