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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103111
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】釣銭機
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240725BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
G07G1/12 331A
G07G1/00 331A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007272
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松尾 俊基
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142FA22
3E142FA42
3E142GA24
3E142GA41
3E142KA01
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、顧客が制限枚数を超えて入金した場合に枚数制限をし、店舗関係者が制限枚数を超えて入金した場合には枚数制限をしない釣銭機を提供することである。
【解決手段】商品の購入に係る硬貨または紙幣が入金される釣銭機であって、入金された硬貨または紙幣の金種を判別する金種判別手段と、判別された金種別に硬貨または紙幣の枚数を計数する計数手段と、硬貨または紙幣の制限枚数を金種別に記憶する記憶部と、計数手段が一取引において計数した硬貨または紙幣の枚数が制限枚数に達した金種を判断する枚数判断手段と、硬貨または紙幣を入金したのが顧客か店舗関係者かを判断する操作者判断手段と、操作者判断手段が顧客による入金と判断した場合には、制限枚数に達した以降の当該金種の硬貨または紙幣を返金し、操作者判断手段が店舗関係者による入金と判断した場合には、制限枚数に達した以降の当該金種の硬貨または紙幣の収納を許容する入金制御手段と、を備える。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の購入に係る硬貨または紙幣が入金される釣銭機であって、
入金された前記硬貨または紙幣の金種を判別する金種判別手段と、
判別された金種別に前記硬貨または紙幣の枚数を計数する計数手段と、
前記硬貨または紙幣の制限枚数を記憶する記憶部と、
前記計数手段が一取引において計数した前記硬貨または紙幣の枚数が前記制限枚数に達した金種を判断する枚数判断手段と、
前記硬貨または紙幣を入金したのが顧客か店舗関係者かを判断する操作者判断手段と、
前記操作者判断手段が前記顧客による入金と判断した場合には、前記制限枚数に達した以降の当該金種の前記硬貨または紙幣を返金し、前記操作者判断手段が前記店舗関係者による入金と判断した場合には、前記制限枚数に達した以降の当該金種の前記硬貨または紙幣の収納を許容する入金制御手段と、
を備えた釣銭機。
【請求項2】
前記操作者判断手段は、複数種類の条件のいずれか一つを満たした場合に前記店舗関係者であると判断し、前記複数種類の条件のいずれをも満たさない場合に前記顧客であると判断する、
請求項1に記載の釣銭機。
【請求項3】
前記釣銭機は、硬貨が入金される硬貨釣銭機である、
請求項1または2に記載の釣銭機。
【請求項4】
差し込まれた鍵の回動位置によって前記釣銭機の動作内容を入金モードに変更する鍵操作部、をさらに備え、
前記操作者判断手段は、前記鍵操作部における鍵の位置が前記入金モードの位置である場合に前記硬貨または紙幣を入金したのが前記店舗関係者であると判断する、
請求項1に記載の釣銭機。
【請求項5】
一または複数のボタンを有するボタン操作部、をさらに備え、
前記操作者判断手段は、前記ボタン操作部において入金モードに変更する操作を行った場合に前記硬貨または紙幣を入金したのが前記店舗関係者であると判断する、
請求項1に記載の釣銭機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、釣銭機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット、量販店、コンビニエンスストア等の店舗において、商品等の販売に係る装置としてセルフ型のPOS(Point of Sales)端末(以降「セルフPOS端末」という)が導入されている。このようなセルフPOS端末では、顧客は自身で商品の登録操作および会計操作を行う。また、商品等の販売に係り、セミセルフ型のPOSシステム(以降「セミセルフPOS」という)が導入されている。セミセルフ型POSは、商品登録装置と会計装置とを有し、商品登録装置において、商品の登録操作を店員等のオペレータが行い、会計装置において、会計操作を顧客自身が行う。
【0003】
このようなセルフPOS端末やセミセルフPOSにおける会計装置は、現金による会計に備えて、釣銭機を筐体内部に備えている。釣銭機は、例えば硬貨釣銭機である。釣銭機は、例えば紙幣釣銭機である。顧客は、現金による会計を行う場合、セルフPOS端末またはセミセルフPOSの会計装置において支払いのために釣銭機に現金を入金し、釣銭がある場合には釣銭機は顧客に釣銭を払い出す。
【0004】
また、最近では、上記のセルフPOSやセミセルフPOS以外の、店員等の店舗関係者が操作を行う通常のPOS端末において、預り金としての現金の支払いと釣り銭の受け取りを顧客自身が行うようにするために、釣銭機の投入口と払出口を客側に配置した釣銭機が設けられた装置がある。
【0005】
ところで、このような釣銭機において、商品購入の代金として、釣銭機に大量の硬貨や紙幣を顧客が投入(入金)することがある。例えば、会計装置での会計操作において大量の1円硬貨や10円硬貨を顧客が硬貨釣銭機に投入することがある。このように、硬貨釣銭機に大量の硬貨が投入されると、硬貨釣銭機での硬貨投入による処理時間が長くなること、また硬貨釣銭機において硬貨詰まりが発生する可能性が高まること、硬貨釣銭機内の硬貨の収納部がすぐに満杯となり、硬貨の回収回数が増加すること、等の問題が生じる。紙幣釣銭機においても同様な問題が生じる。
【0006】
このようなことから、一取引中に釣銭機に投入できる硬貨や紙幣の枚数を制限(例えば20枚に制限)して、制限枚数を超える硬貨や紙幣を一度に入金できないようにした釣銭機がある。
【0007】
しかしながら、例えば店舗関係者が釣銭機に釣銭準備金を入金する場合等、一度に制限枚数を超える硬貨や紙幣を入金することがあるため、改善が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、顧客が制限枚数を超えて入金した場合に枚数制限をし、店舗関係者が制限枚数を超えて入金した場合には枚数制限をしない釣銭機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の釣銭機は、商品の購入に係る硬貨または紙幣が入金される釣銭機であって、入金された前記硬貨または紙幣の金種を判別する金種判別手段と、判別された金種別に前記硬貨または紙幣の枚数を計数する計数手段と、前記硬貨または紙幣の制限枚数を記憶する記憶部と、前記計数手段が一取引において計数した前記硬貨または紙幣の枚数が前記制限枚数に達した金種を判断する枚数判断手段と、前記硬貨または紙幣を入金したのが顧客か店舗関係者かを判断する操作者判断手段と、前記操作者判断手段が前記顧客による入金と判断した場合には、前記制限枚数に達した以降の当該金種の前記硬貨または紙幣を返金し、前記操作者判断手段が前記店舗関係者による入金と判断した場合には、前記制限枚数に達した以降の当該金種の前記硬貨または紙幣の収納を許容する入金制御手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係るセルフPOS端末の外観を示す斜視図である。
図2図2は、扉を開放したセルフPOS端末の外観を示す斜視図である。
図3図3は、セルフPOS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図4は、硬貨釣銭機の外観を示す斜視図である。
図5図5は、硬貨釣銭機のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6図6は、紙幣釣銭機の外観を示す斜視図である。
図7図7は、紙幣釣銭機のハードウェア構成を示すブロック図である。
図8図8は、セルフPOS端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図9図9は、硬貨釣銭機および紙幣釣銭機の機能構成を示す機能ブロック図である。
図10図10は、硬貨釣銭機の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図11図11は、硬貨釣銭機における操作者判断の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図12図12は、紙幣釣銭機の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図13図13は、紙幣釣銭機における操作者判断の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図14図14は、他の実施形態に係るセルフPOS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図15図15は、他の実施形態に係る硬貨釣銭機のハードウェア構成を示すブロック図である。
図16図16は、他の実施形態に係る紙幣釣銭機のハードウェア構成を示すブロック図である。
図17図17は、他の実施形態に係るセルフPOS端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図18図18は、セルフPOS端末における操作者判断の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図19図19は、他の実施形態に係る硬貨釣銭機の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図20図20は、他の実施形態に係る紙幣釣銭機の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る釣銭機および会計装置について説明する。実施形態では、顧客自身が商品販売操作および決済操作を実行するセルフPOS(Point of Sales)端末を会計装置の一例として説明する。また、実施形態では、硬貨釣銭機および紙幣釣銭機を釣銭機の一例として説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
図1は、実施形態に係るセルフPOS端末1の外観を示す斜視図である。セルフPOS端末1は、購入する商品に付されたバーコード等のコードシンボルを読み取らせて商品登録処理を行う登録部と、商品登録処理した商品の商品情報に基づいて会計処理を行う会計部とを備える商品販売データ処理装置である。セルフPOS端末1における商品登録操作と会計操作は、いずれも顧客自身が行う。商品登録操作とは、コードシンボルを光学的に読み取らせる操作、または撮像する操作をいう。会計操作は、商品登録操作を行った商品について、セルフPOS端末1が会計処理を行うための操作である。
【0013】
セルフPOS端末1は、顧客が行った商品登録操作に基づいて商品登録処理を実行する。また、セルフPOS端末1は、顧客が行った会計操作に基づいて会計処理を実行する。
【0014】
ここで、商品登録処理とは、読み取ったコードシンボルで取得した商品コードに基づいて当該商品の商品名や価格等の商品情報を表示し、当該商品情報を商品情報部131(図3を参照)記憶する処理をいう。また、会計処理とは、商品登録処理した商品の商品情報に基づいて、顧客との取引に係る合計金額や釣銭額を表示し、決済を行う処理をいう。
【0015】
図1に示すように、セルフPOS端末1は、本体2と袋詰め部3とを備えている。本体2は、内部に硬貨釣銭機271(図2を参照)と紙幣釣銭機272(図2を参照)を有する。硬貨釣銭機271は、顧客が本体2に投入した硬貨を入金して金種別に収納する。また硬貨釣銭機271は、収納した硬貨を用いて顧客に対して釣銭としての硬貨を払い出す。また硬貨釣銭機271は、硬貨が入金されると、入金された硬貨の金種を判別し、一取引における入金された硬貨の合計金額と金種別の枚数をカウントする。そして硬貨釣銭機271は、入金され収納部に収納された硬貨の合計金額と金種別の枚数の情報を預り金情報としてセルフPOS端末1に出力する。
【0016】
本体2は、上部に、硬貨載置部283と投入口284を備える。硬貨載置部283は、投入口284に投入する硬貨を載置する領域である。例えば顧客は、財布から硬貨を硬貨載置部283に取り出す。投入口284は、硬貨載置部283に取り出した硬貨を本体2の内部を介して硬貨釣銭機271に投入する硬貨投入口である。
【0017】
また本体2は、硬貨載置部283と投入口284の下方に、硬貨受皿273を備える。硬貨受皿273は、硬貨釣銭機271から釣銭として払い出した硬貨を受ける受部である。この硬貨受皿273は、硬貨釣銭機271の構成の一部であり、本体2から外部に突出している。
【0018】
また本体2は、硬貨載置部283と投入口284の下方で硬貨受皿273に近接して、硬貨リジェクト部276を備える。硬貨リジェクト部276は、硬貨釣銭機271内に入金された異種硬貨(例えば外国硬貨や偽硬貨や変形硬貨)を外部に排出する排出口である。硬貨リジェクト部276は、硬貨釣銭機271の構成の一部であり、本体2から外部に突出している。
【0019】
硬貨釣銭機271は、一取引において入金される硬貨の枚数に金種毎の制限枚数(上限枚数)を設けており、制限枚位数を超えて入金された金種については、超えた枚数の硬貨は硬貨リジェクト部276に払い出され、当該硬貨が返金される。
【0020】
また硬貨釣銭機271は、制限枚数を適用して超えた枚数の硬貨を払い出するか否かを判断する。具体的には、硬貨釣銭機271は、硬貨釣銭機271に硬貨を投入した人が(すなわち、セルフPOS端末1操作している人が)顧客であるか店舗関係者(店舗関係者は、店舗の経営や運営に係わる人をいい、例えば店舗経営者、店舗責任者、店舗管理者、店員、等)であるかを判断し、硬貨釣銭機271に硬貨を投入した人が顧客である場合には、制限枚数を適用して、制限枚数を超えた枚数の硬貨を返金し、硬貨釣銭機271に硬貨を投入した人が店舗関係者である場合には、制限枚数を適用せず、硬貨釣銭機271は投入された全ての硬貨を入金する。
【0021】
紙幣釣銭機272は、紙幣釣銭機272は、顧客が投入した紙幣を入金して金種別に収納する。また紙幣釣銭機272は、収納した紙幣を用いて顧客に対して釣銭としての紙幣を払い出す。また紙幣釣銭機272は、紙幣が入金されると、入金された紙幣の金種を判別し、一取引における入金された紙幣の合計金額と金種別の枚数をカウントする。そして紙幣釣銭機272は、入金され収納部に収納された紙幣の合計金額と金種別の枚数の情報を預り金情報としてセルフPOS端末1に出力する。
【0022】
本体2は、硬貨受皿273と硬貨リジェクト部276の下方に紙幣入金口274と紙幣払出口275を備える。紙幣入金口274は、紙幣が投入されるスリット状の投入口である。紙幣入金口274に投入された紙幣は、紙幣釣銭機272に入金される。紙幣払出口275は、釣銭として払い出されるスリット状の紙幣の払出口である。紙幣入金口274と紙幣払出口275は近接して略並行に設けられる。また、本体2は、紙幣入金口274と紙幣払出口275の下方には、紙幣リジェクト部277を有する。紙幣リジェクト部277は、紙幣釣銭機272内に入金された異種紙幣(例えば外国紙幣や偽紙幣)を外部に排出する排出口である。紙幣入金口274と紙幣払出口275と紙幣リジェクト部277は、紙幣釣銭機272の構成の一部であり、本体2から外部に露出している。
【0023】
紙幣釣銭機272は、一取引において入金される紙幣の枚数に金種毎の制限枚数(上限枚数)を設けており、制限枚位数を超えて入金された金種については、超えた枚数の紙幣は紙幣リジェクト部277に払い出され、当該紙幣が返金される。
【0024】
また紙幣釣銭機272は、制限枚数を適用して超えた枚数の紙幣を払い出するか否かを判断する。具体的には、紙幣釣銭機272は、紙幣釣銭機272に紙幣を投入した人が(すなわち、セルフPOS端末1操作しているのが)顧客であるか店舗関係者であるかを判断し、紙幣釣銭機272に紙幣を投入した人が顧客である場合には、制限枚数を適用して、超えた枚数の紙幣を払い出し、紙幣釣銭機272に紙幣を投入した人が店舗関係者である場合には、制限枚数を適用せず、紙幣釣銭機272は投入された全ての紙幣を入金する。
【0025】
また本体2は、開放および閉止可能な扉281と扉282を有する。扉281は上下方向に回動する。扉282は左右方向に回動する(図2を参照)。扉282は、扉281に干渉されており、扉282を開放するにはまず、扉281を上方向に開放する必要がある。扉281および扉282がともに閉止状態である場合、扉282だけを開放することはできない。扉281が上方に回動して本体2の内部を開放し、扉282が左右方向に回動して本体2の内部を開放することで本体2の内部上側が開放され、硬貨釣銭機271と紙幣釣銭機272が露出する。
【0026】
また、本体2は、側面右側に載置台25を備えている。載置台25は、購入するための商品が入れられたカゴを載置する台である。
【0027】
本体2の上部には、読取部23、プリンタ24、カード部28が収納されている。読取部23は、商品に付されたバーコードや二次元コード等のコードシンボルを例えば光学的または撮像して読み取る。カード部28は、例えば挿入されたクレジットカードから顧客特定情報を読み出す。クレジットカードで決済する場合は、セルフPOS端末1は、カード部28によって読み出された顧客特定情報に基づいて決済処理を実行する。プリンタ24は、セルフPOS端末1が商品登録処理した商品の商品情報や会計情報をレシート用紙に印字してレシートを発行する。
【0028】
またセルフPOS端末1は、本体2の上部に、表示部22を備えている。表示部22は、顧客による商品登録操作に伴う商品登録処理が行われた商品の商品情報を表示する。また、表示部22は、顧客による会計操作に伴う会計処理が行われた場合の会計情報を表示する。表示部22は、表面にタッチパネル21を備えている。タッチパネル21はキーの役目を果たす。表示部22上に表示された各種キーに対応する位置のタッチパネル21を操作することで、当該キーが操作される。
【0029】
またセルフPOS端末1は、本体2の上面後方に、上面から上方に延出する円柱状のポール460を備えている。ポール460の上方先端部には、発光部17を備えている。発光部17は、セルフPOS端末1にエラーが発生した場合、また顧客がアテンダントを呼びだす操作をした場合に発光する。
【0030】
またセルフPOS端末1は、本体2の左側(左右方向の載置台25と反対側)には、袋詰め部3を有する。袋詰め部3は、商品登録処理が終了した商品の袋詰めを行う装置である。
【0031】
袋詰め部3は、載置台26と、載置台26の上面から上方に延出する2本の支柱430と支柱430の上部に形成された一時置台440と2対の延出棒450を備える。延出棒450は、読取部23(図3を参照)で商品コードを読み取らせた商品を入れる袋(図示せず)をセットする棒である。袋は延出棒450に袋の取っ手を引っ掛けられた状態で開口し、商品コードを読み取らせた商品を袋に投入し易くする。また、一時置台440は、読取部23で商品コードを読み取らせた商品のうち、壊れやすい商品(例えば豆腐や卵)を一時的に載置する台である。一時置台440に載置された商品は最後に袋に入れる。
【0032】
顧客は、載置台25に載置されたカゴから商品を取出して、読取部23の前方を通過させて、当該商品に付されたコードシンボルを読取部23に読み取らせる商品登録操作を行う。そして顧客は、読み取らせた商品を載置台26に載置された袋に投入する。セルフPOS端末1は、商品登録操作を行った商品について商品登録処理を実行する。
【0033】
購入するすべての商品について商品登録操作を行った顧客は、次に会計操作を行う。会計操作は、例えば現金で支払いを行う場合は預/現金キー213(図3を参照)を操作し、現金以外で支払いを行う場合は他の締めキー214(例えばクレジットキーや電子マネーキー、図3を参照)を操作する。
【0034】
現金で支払いをする場合、顧客は、現金のうち硬貨を硬貨載置部283に載置し、当該硬貨を指で滑らせて投入口284に硬貨を投入する。投入口284に投入された硬貨は硬貨釣銭機271に案内されて入金口278(図4を参照)に投入され、硬貨釣銭機271の内部に入金される。
【0035】
また、現金で支払いをする場合、現金のうち紙幣を顧客は紙幣入金口274に投入する。紙幣入金口274に投入された紙幣は紙幣釣銭機272に入金される。
【0036】
図2は、扉281と扉282を開放したセルフPOS端末1の外観を示す斜視図である。この状態で、硬貨釣銭機271と紙幣釣銭機272は外部に露出する。本体2の内部において、硬貨釣銭機271は紙幣釣銭機272より上部に配置される。
【0037】
店舗関係者は、扉281と扉282を開放して、硬貨釣銭機271に硬貨を補充したり硬貨釣銭機271から硬貨を回収したりする。また、店舗関係者は、扉281と扉282を開放して、紙幣釣銭機272に紙幣を補充したり紙幣釣銭機272から紙幣を回収したりする。例えば店舗関係者は、釣銭準備金として硬貨や紙幣を補充する。また例えば硬貨釣銭機271や紙幣釣銭機272に収納されている硬貨や紙幣がオーバーフローした場合には、当該硬貨や紙幣を回収する。
【0038】
硬貨釣銭機271は上部に入金口278を備える。入金口278は、硬貨を硬貨釣銭機271の内部に投入する投入口である。投入口284に投入された硬貨は図示しない経路を搬送されて入金口278に投入される。店舗関係者は、硬貨釣銭機271に硬貨を補充する場合、投入口284に硬貨を投入するのではなく、扉281と扉282を開放して、扉281を開放することで外部に露出した入金口278に直接硬貨を投入する。また、店舗関係者は、紙幣釣銭機272に紙幣を補充する場合、紙幣入金口274に紙幣を投入する。
【0039】
なお、紙幣釣銭機272の下方には、電源部4が配置される。電源部4には、セルフPOS端末1を制御するための回路部や制御部100(図3を参照)が含まれる。
【0040】
次に、セルフPOS端末1のハードウェア構成について説明する。図3は、セルフPOS端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。図3に示すように、セルフPOS端末1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、メモリ部14等を備えている。CPU11は、プロセッサの一例であり、制御主体となる。ROM12は、各種プログラムを記憶する。RAM13は、各種データを展開する。メモリ部14は、各種プログラムを記憶する。CPU11、ROM12、RAM13、メモリ部14は、互いにデータバス15を介して接続されている。CPU11とROM12とRAM13が、制御部100を構成する。すなわち、制御部100は、CPU11がROM12やメモリ部14に記憶されRAM13に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述するセルフPOS端末1の制御処理を実行する。
【0041】
RAM13は、商品情報部131と預り金記憶部132を備える。商品情報部131は、商品登録処理された商品の商品情報(商品コード、商品名、商品の価格、等)を記憶する。預り金記憶部132は、一取引において硬貨釣銭機271に収納された硬貨の金額と紙幣釣銭機272に収納された紙幣の預り金情報を、それぞれ硬貨釣銭機271と紙幣釣銭機272から受信して記憶する。
【0042】
メモリ部14は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、制御プログラムを記憶する制御プログラム部141を備えている。
【0043】
また、制御部100は、データバス15およびコントローラ16を介して、タッチパネル21、表示部22、読取部23、プリンタ24、投入センサ29、硬貨釣銭機271、紙幣釣銭機272、カード部28、扉センサ30と通信可能に接続している。
【0044】
タッチパネル21は、表示部22のキーの表示に対応したスタートキー211、預/現計キー213、他の締めキー214等のキーを備える。スタートキー211は、商品の売上登録操作を開始する際に顧客が操作する。預/現計キー213は、商品の商品登録操作を終了して現金で支払う会計処理に移行する場合に顧客が操作する。預/現計キー213が操作されると、セルフPOS端末1は現金による会計処理を開始する。他の締めキー214は、商品の商品登録操作を終了して現金以外のメディアで支払う会計処理に移行する場合に顧客が操作する。他の締めキー214が操作されると、セルフPOS端末1は、操作されたメディアによる現金以外の会計処理を開始する。
【0045】
表示部22は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等で形成され、顧客に対して情報を表示する。読取部23は、例えばカメラで構成され、商品に付されたコードシンボルを読み取る。プリンタ24は、例えばサーマルプリンタで構成され、会計処理された商品の商品情報と会計情報を印字して、レシートを発行する。カード部28は、例えばクレジットカードから情報を読み取る。
【0046】
投入センサ29は、投入口284に硬貨が投入されたことを検知するセンサである。投入口284に硬貨が投入された場合、投入センサ29は投入口284に硬貨が投入されたことを示す出力を行う。扉センサ30は、扉281と扉282が開放されているか閉止されているかを検知するセンサである。扉281と扉282が開放されている場合、扉センサ30は扉281と扉282が開放されていることを示す出力を行う。扉281と扉282が閉止されている場合、扉センサ30は扉281と扉282が閉止されていることを示す出力を行う。
【0047】
また、制御部100は、データバス15を介して通信部360と接続する。通信部360は、通信回線NTを介して他のセルフPOS端末1や店舗サーバ(図示せず)等と接続する。
【0048】
図4は、本体2に内蔵される硬貨釣銭機271の外観を示す斜視図である。硬貨釣銭機271は、筐体2711内に硬貨収納部(図示せず)を有する。硬貨収納部は、入金口278に投入された硬貨を金種別に収納する。硬貨を釣銭として払い出す場合、硬貨収納部に収納されている硬貨を硬貨受皿273に払い出す。
【0049】
また硬貨釣銭機271は、入金口278を上方から覆うように入金口278の上部にカバー279が取り付け可能である。カバー279は、略中央部に孔2791を有する。孔2791は、少数(例えば1枚)硬貨が通過可能な細長い形状であり、入金口278への硬貨の落下枚数を制限する(投入口284から投入された硬貨の、入金口278に落下する枚数を制限する)孔である。顧客がセルフPOS端末1を操作する場合、入金口278にカバー279を取り付ける。入金口278にカバー279を取り付けると、入金口278に投入される硬貨が抑制されるため、入金口278における硬貨の詰まりを防止できる。店舗関係者が硬貨釣銭機271に硬貨を補充する場合、カバー279を取り付けずに(外して)補充する。
【0050】
なお、入金口278にカバー279を取り付ける、入金口278からカバー279を取り外す、の一例として、入金口278に物理的にカバー279を取り付ける、入金口278から物理的にカバー279を取り外す、ということである。また、入金口278にカバー279を取り付ける、入金口278からカバー279を取り外す、の他の例として、入金口278にカバー279を取り付けた状態でカバー279を入金口278に対して開閉可能な構成とし、入金口278に取り付けたカバー279を入金口278に対して閉止した場合に、入金口278にカバー279を取り付けるとし、入金口278に取り付けたカバー279を入金口278に対して開放した場合に、入金口278からカバー279を取り外すとしてもよい。
【0051】
また、硬貨釣銭機271は、表示部37と操作部38(ボタン操作部)を有する。表示部37は、硬貨釣銭機271を操作する店舗関係者に情報を表示する。操作部38は、例えば店舗関係者が硬貨を補充する場合に、硬貨釣銭機271に設定された枚数制限に係る制御を行わないように機能させるために店舗関係者が操作する。
【0052】
また硬貨釣銭機271は、硬貨リジェクト部276の下方に、鍵を挿入する鍵穴285(鍵操作部)を有する。鍵穴285は、鍵を差し込んで複数位置に回動可能であり、所定位置に回動させることで、硬貨釣銭機271を種々のモード(例えば硬貨釣銭機271を硬貨の収納と釣銭の払い出しを行う通常モードや、硬貨を補充する入金モードや、硬貨を回収する回収モードを含む)に切り替える。
【0053】
図5は、硬貨釣銭機271のハードウェア構成を示すブロック図である。図5において、硬貨釣銭機271は、CPU31、ROM32、RAM33、メモリ部34等を備えている。CPU31は、プロセッサの一例であり、制御主体となる。ROM32は、各種プログラムを記憶する。RAM33は、各種データを展開する。メモリ部34は、各種プログラムを記憶する。CPU31、ROM32、RAM33、メモリ部34は、互いにデータバス35を介して接続されている。CPU31とROM32とRAM33が、制御部300を構成する。すなわち、制御部300は、CPU31がROM32やメモリ部34に記憶されRAM33に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述する硬貨釣銭機271の制御処理を実行する。
【0054】
RAM33は、預り金情報部331を有する。預り金情報部331は、一取引において硬貨釣銭機271に硬貨収納部に収納された硬貨の枚数を金種別に記憶する。
【0055】
メモリ部34は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDDやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、制御プログラムを記憶する制御プログラム部341と制限枚数部342を備えている。制限枚数部342は、硬貨の制限枚数を金種別に記憶する。制限枚数とは、一取引において硬貨釣銭機271に入金可能な上限枚数である。なお、制限枚数は、全金種同一枚数を記憶してもよいし、金種別に制限枚数を異なるようにしてもよい。また、全金種に共通な一つの枚数を記憶してもよい。また、制限枚数は設定することができ、設定した枚数を変更可能である。制限枚数の設定や変更は、操作部38を用いて行うか、セルフPOS端末1からの金種毎の枚数を設定するコマンドを受信して行う。顧客がセルフPOS端末1を操作する場合(すなわち、顧客が投入口284から硬貨を投入した場合)、制限枚数を超えて同一金種の硬貨を投入することはできない。
【0056】
また、制御部300は、データバス35およびコントローラ36を介して、表示部37、操作部38、入金モータ39、出金モータ40、入金口センサ41、金種判別センサ42、計数センサ43、カバーセンサ44、リジェクトソレノイド45と接続している。入金モータ39は、入金口278に投入された硬貨を搬送して入金し、硬貨収納部に収納するためのモータである。出金モータ40は、硬貨収納部に収納されている硬貨を搬送して硬貨受皿273に払い出すためのモータである。入金口センサ41は、入金口278に投入された硬貨を検知するセンサである。入金口センサ41は、硬貨が入金口278に投入された場合、硬貨が投入されたことを示す出力をする。金種判別センサ42は、例えば入金された硬貨の材質や大きさや厚さを検知することで、硬貨の真贋、異種硬貨、変形の有無、金種を判別するセンサである。計数センサ43は、硬貨収納部に落下する硬貨の枚数を金種別に検知するセンサである。計数センサ43が検知する硬貨の枚数をカウントすることで、一取引において硬貨釣銭機271に入金された硬貨(硬貨収納部に収納された紙幣)の枚数を計数することができる。
【0057】
カバーセンサ44は、カバー279が入金口278に取り付けられているか否かを検知するセンサである。リジェクトソレノイド45は、金種判別センサ42が異種硬貨や偽硬貨や変形硬貨を検知した場合、当該硬貨を選別するために落下させるために動作する。またリジェクトソレノイド45は、制限枚数を超えた金種の硬貨を選別するために落下させるために動作する。リジェクトソレノイド45によって選別された硬貨は、硬貨リジェクト部276に排出される(返金される)。
【0058】
また、制御部300は、データバス35を介して通信部46と接続する。通信部46は、通信ケーブルNCを介してセルフPOS端末1のコントローラ16と接続される。
【0059】
図6は、本体2に内蔵された紙幣釣銭機272の外観を示す斜視図である。紙幣釣銭機272は、筐体2721内に紙幣収納部(図示せず)を有する。紙幣収納部は、紙幣入金口274に投入された紙幣を金種別に収納する。顧客は、代金を支払う場合、紙幣を紙幣入金口274に投入する。また、店舗関係者は、紙幣釣銭機272に紙幣を補充する場合、補充する紙幣を紙幣入金口274に投入する。紙幣釣銭機272は、紙幣を釣銭として払い出す場合、紙幣収納部に収納されている紙幣を紙幣払出口275に払い出す。
【0060】
また、紙幣釣銭機272は、表示部77と操作部78(ボタン操作部)を有する。表示部77は、紙幣釣銭機272を操作する店舗関係者に情報を表示する。操作部78は、例えば店舗関係者が紙幣を補充する場合に、紙幣釣銭機272に設定された枚数制限に係る制御を行わないように機能させるために店舗関係者が操作する。
【0061】
また紙幣釣銭機272は、紙幣リジェクト部277の横側に、鍵を挿入する鍵穴280を有する。鍵穴280は、鍵を差し込んで複数位置に回動可能であり、所定位置に回動させることで、紙幣釣銭機272を種々のモード(例えば紙幣釣銭機272を紙幣の収納と釣銭の払い出しを行う通常モードや、紙幣を補充する入金モードや、紙幣を回収する回収モードを含む)に切り替える。
【0062】
図7は、紙幣釣銭機272のハードウェア構成を示すブロック図である。図7において、紙幣釣銭機272は、CPU71、ROM72、RAM73、メモリ部74等を備えている。CPU71は、プロセッサの一例であり、制御主体となる。ROM72は、各種プログラムを記憶する。RAM73は、各種データを展開する。メモリ部74は、各種プログラムを記憶する。CPU71、ROM72、RAM73、メモリ部74は、互いにデータバス75を介して接続されている。CPU71とROM72とRAM73が、制御部700を構成する。すなわち、制御部700は、CPU71がROM72やメモリ部74に記憶されRAM73に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述する紙幣釣銭機272の制御処理を実行する。
【0063】
RAM73は、預り金情報部731を有する。預り金情報部731は、一取引において紙幣釣銭機272に収納された紙幣の枚数を金種別に記憶する。
【0064】
メモリ部74は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDDやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、制御プログラムを記憶する制御プログラム部741と制限枚数部742を備えている。制限枚数部742は、紙幣の制限枚数を金種別に記憶する。制限枚数とは、一取引において紙幣釣銭機272に入金可能な上限枚数である。制限枚数は、全金種同一枚数でもよいし、金種別に制限枚数を異なるようにしてもよい。制限枚数は設定可能、また変更可能である。制限枚数の設定および変更は、操作部78を用いて行うか、セルフPOS端末1からの金種毎の枚数を設定するコマンドを受信して行う。顧客がセルフPOS端末1を操作する場合(すなわち、顧客が紙幣入金口274から紙幣を投入した場合)、制限枚数を超えて同一金種の紙幣を投入することはできない。
【0065】
また、制御部700は、データバス75およびコントローラ76を介して、表示部77、操作部78、入金モータ79、出金モータ80、入金センサ81、金種判別センサ82、計数センサ83、リジェクトソレノイド84と接続している。入金モータ79は、紙幣入金口274に投入された紙幣を搬送して入金し、紙幣収納部に収納するためのモータである。出金モータ80は、紙幣収納部に収納されている紙幣を搬送して紙幣払出口275に払い出すためのモータである。金種判別センサ82は、例えば入金された紙幣の材質や大きさを検知することで、紙幣の真贋、異種紙幣、金種を判別するセンサである。計数センサ83は、紙幣収納部に収納される紙幣の枚数を金種別に検知するセンサである。計数センサ83が検知する紙幣の枚数をカウントすることで、一取引において紙幣釣銭機272に入金された紙幣(紙幣収納部に収納された紙幣)の枚数を計数することができる。
【0066】
リジェクトソレノイド84は、金種判別センサ82が異種紙幣や偽紙幣の入金を検知した場合、当該紙幣を選別するために動作する。またリジェクトソレノイド84は、制限枚数を超えた金種の紙幣を選別するために動作する。リジェクトソレノイド84によって選別された紙幣は、紙幣リジェクト部277に排出される(返金される)。
【0067】
また、制御部700は、データバス75を介して通信部85と接続する。通信部85は、通信ケーブルNCを介してセルフPOS端末1のコントローラ16と接続される。
【0068】
ここからは、セルフPOS端末1の制御について説明する。図8は、セルフPOS端末1の制御処理の流れを示すフローチャートである。図8に示すように、セルフPOS端末1の制御部100は、商品に付されたコードシンボルを読み取って当該商品を特定する商品コードを取得したかを判断する(S11)。商品コードを取得したと判断した場合には(S11のYes)、制御部100は、取得した商品コードに基づいて当該商品の商品登録処理を実行する(S12)。そして制御部100は、S11に戻る。また、商品コードの取得ではないと判断した場合には(S11のNo)、制御部100は、預/現計キー213が操作されたかを判断する(S13)。預/現計キー213の操作ではないと判断した場合には(S13のNo)、制御部100は、他の締めキー214が操作されたかを判断する(S14)。
【0069】
他の締めキー214の操作ではないと判断した場合には(S14のNo)、制御部100はS11に戻り、他の締めキー214の操作であると判断した場合には(S14のYes)、制御部100は、現金以外のメディアを用いて会計処理を実行する(S15)。例えば制御部100は、カード部28に挿入されたクレジットカードやカード部28に翳された電子マネーカードに基づいて会計処理を実行する。そして制御部100は処理を終了する。
【0070】
また、預/現計キー213が操作されたと判断した場合には(S13のYes)、制御部100は、当該取引で販売した商品の合計金額(税込み)を算出して商品情報部131に記憶し、当該合計金額を表示部22に表示する(S21)。
【0071】
次に制御部100は、投入センサ29が投入口284への硬貨の投入を検知したかを判断する(S22)。硬貨の投入を検知するまで待機し(S22のNo)、投入センサ29が硬貨の投入を検知したと判断した場合には(S22のYes)、制御部100は、投入口284に硬貨が投入されたことを示す入金情報を硬貨釣銭機271に送信する(S23)。
【0072】
次に制御部100は、硬貨釣銭機271と紙幣釣銭機272から受信した預り金情報を受信したかを判断する(S24)。硬貨釣銭機271から受信した預り金情報は、一取引において硬貨釣銭機271に入金された硬貨の金額(硬貨での預り金の金額であり、硬貨釣銭機271の硬貨収納部に収納された硬貨の合計金額、後述する返金された金額を除く)である。紙幣釣銭機272から受信した預り金情報は、一取引において紙幣釣銭機272に入金された紙幣の金額(紙幣での預り金の金額であり、紙幣釣銭機272の紙幣収納部に収納された紙幣の合計金額、後述する返金された金額を除く)である。
【0073】
預り金情報を受信したと判断するまで待機し(S24のNo)、硬貨釣銭機271と紙幣釣銭機272から預り金情報を受信したと判断した場合には(S24のYes)、制御部100は、預り金記憶部132に受信した預かり金情報を記憶する(S25)。なお、預かり金情報を複数回受信した場合には、S25において受信する度に預かり金情報を累積して記憶する。
【0074】
次に制御部100は、S21で算出した合計金額情報と記憶した預り金情報を比較して、預り金の金額が合計金額以上であるかを判断する(S26)。預り金の金額が合計金額未満であると判断した場合には(S26のNo)S24に戻り、預り金の金額が合計金額以上であると判断した場合には(S26のYes)、制御部100は、預り金記憶部132に記憶した預かり金額と商品情報部131に記憶した合計金額とに基づいて、当該取引に係る会計処理を実行する(S27)。そして制御部100は、預り金の金額が合計金額より大きい場合には釣銭額を算出する(S27)。そして制御部100は、算出した釣銭額のうち硬貨で払い出す釣銭額の情報を硬貨釣銭機271に送信し(S28)、紙幣で払い出す釣銭額の情報を紙幣釣銭機272に送信する(S28)。そして制御部100は処理を終了する。
【0075】
ここからは、硬貨釣銭機271の機能構成について説明する。図9は、硬貨釣銭機271の機能構成を示す機能ブロック図である。硬貨釣銭機271の制御部300は、ROM32やメモリ部34の制御プログラム部341に記憶された制御プログラムに従うことで、金種判別手段301、計数手段302、枚数判断手段303、操作者判断手段304、入金制御手段305として機能する。
【0076】
金種判別手段301は、入金された硬貨の金種を判別する。実施形態では、金種判別手段301は、金種判別センサ42を通過する硬貨の材質や大きさ等に基づく金種判別センサ42からの出力に基づいて、入金された硬貨の金種を判別する。
【0077】
計数手段302は、判別された金種別に前記硬貨の枚数を計数する。実施形態では、計数手段302は、硬貨収納部に落下する硬貨を金種別に計数センサ43が検知した回数を当該硬貨の枚数として計数する。
【0078】
枚数判断手段303は、計数手段302が計数した硬貨の枚数が制限枚数に達した金種を判断する。実施形態では、枚数判断手段303は、計数手段302が計数した金種別の硬貨の枚数と制限枚数部342に記憶されている金種別の制限枚数とを比較して、制限枚数に達した硬貨の金種を判断する。具体的には、枚数判断手段303は、金種判別手段301が判別した金種の硬貨について、計数手段302が計数した枚数と制限枚数部342に記憶されている当該金種別の制限枚数とを比較して、制限枚数に達したかを判断する。
【0079】
操作者判断手段304は、硬貨釣銭機271に硬貨を入金したのが顧客か店舗関係者か(すなわち、セルフPOS端末1を操作しているのが顧客か店舗関係者か)を判断する。実施形態では、例えば次のいずれかの場合に、操作者判断手段304は硬貨を入金したのが店舗関係者であると判断する。
(1)操作者判断手段304は、鍵穴285に差し込まれた鍵の位置が入金モードの位置にある場合に硬貨を入金したのが店舗関係者であると判断する。
(2)操作者判断手段304は、操作部38において入金モードに変更する操作を行った場合に硬貨を入金したのが店舗関係者であると判断する。
(3)操作者判断手段304は、入金口278にカバー279が取り付けられていない場合に硬貨を入金したのが店舗関係者であると判断する。
(4)操作者判断手段304は、硬貨釣銭機271に接続されているセルフPOS端末1から硬貨を補充するためのコマンドを受信した場合に硬貨を入金したのが店舗関係者であると判断する。
(5)操作者判断手段304は、硬貨釣銭機271に接続されているセルフPOS端末1からセルフPOS端末1に硬貨が入金されたことを示す入金情報を受信せず、入金口278に硬貨が入金された場合に硬貨を入金したのが店舗関係者であると判断する。
【0080】
操作者判断手段304は、上記(1)~(5)のいずれにも該当しないと判断した場合には、硬貨を入金したのが顧客であると判断する。
【0081】
なお、詳細は省略するが、例えば扉センサ30が扉281と扉282のいずれかまたは両方が開放されていることを検知した場合に、セルフPOS端末1は扉281と扉282の開放情報を硬貨釣銭機271に送信し、操作者判断手段304は、開放情報を受信した場合に硬貨を入金したのが店舗関係者であると判断してもよい。
【0082】
入金制御手段305は、操作者判断手段304が顧客による入金と判断した場合には、制限枚数に達した以降の当該金種の硬貨を硬貨収納部に収納せずに返金し、操作者判断手段304が店舗関係者による入金と判断した場合には、制限枚数に達した以降の当該金種の硬貨の硬貨収納部への収納を許容する。実施形態では、入金制御手段305は、操作者判断手段304が顧客による入金と判断した場合には、制限枚数に達した以降の当該金種の硬貨を、リジェクトソレノイド45を駆動させて硬貨リジェクト部276に払い出し、操作者判断手段304が店舗関係者による入金と判断した場合には、制限枚数に達した以降の当該金種の硬貨を引き続き硬貨収納部に収納する。
【0083】
また、図9は、紙幣釣銭機272の機能構成を示す機能ブロック図である。紙幣釣銭機272の制御部700は、ROM72やメモリ部74の制御プログラム部741に記憶された制御プログラムに従うことで、金種判別手段701、計数手段702、枚数判断手段703、操作者判断手段704、入金制御手段705として機能する。
【0084】
金種判別手段701は、入金された紙幣の金種を判別する。実施形態では、金種判別手段701は、金種判別センサ82を通過する紙幣の材質や大きさ等に基づく金種判別センサ82からの出力に基づいて、入金された紙幣の金種を判別する。
【0085】
計数手段702は、判別された金種別に前記紙幣の枚数を計数する。実施形態では、計数手段702は、紙幣収納部に収納される紙幣を金種別に計数センサ83が検知した回数を当該紙幣の枚数として計数する。
【0086】
枚数判断手段703は、計数手段702が計数した紙幣の枚数が制限枚数を超えた金種を判断する。実施形態では、枚数判断手段703は、計数手段702が計数した金種別の紙幣の枚数と制限枚数部742に記憶されている金種別の制限枚数とを比較して、制限枚数を超えた紙幣の金種を判断する。具体的には、枚数判断手段703は、金種判別手段701が判別した金種の紙幣について、計数手段702が計数した枚数と制限枚数部742に記憶されている当該金種別の制限枚数とを比較して、制限枚数に達したかを判断する。
【0087】
操作者判断手段704は、紙幣釣銭機272に紙幣を入金したのが顧客か店舗関係者か(すなわち、セルフPOS端末1を操作しているのが顧客か店舗関係者か)を判断する。実施形態では、例えば次のいずれかの場合に、操作者判断手段704は紙幣を入金したのが店舗関係者であると判断する。
(6)操作者判断手段704は、鍵穴280に差し込まれた鍵の位置が入金モードの位置にある場合に紙幣を入金したのが店舗関係者であると判断する。
(7)操作者判断手段704は、操作部78において入金モードに変更する操作を行った場合に紙幣を入金したのが店舗関係者であると判断する。
(8)操作者判断手段704は、紙幣釣銭機272に接続されているセルフPOS端末1から紙幣を補充するためのコマンドを受信した場合に紙幣を入金したのが店舗関係者であると判断する。
【0088】
操作者判断手段704は、上記(6)~(8)のいずれにも該当しないと判断した場合には、紙幣を入金したのが顧客であると判断する。
【0089】
なお、詳細は省略するが、例えば扉センサ30が扉281と扉282のいずれかまたは両方が開放されていることを検知した場合に、セルフPOS端末1は扉281と扉282の開放情報を紙幣釣銭機272に送信し、操作者判断手段704は、開放情報を受信した場合に紙幣を入金したのが店舗関係者であると判断してもよい。
【0090】
入金制御手段705は、操作者判断手段704が顧客による入金と判断した場合には、制限枚数に達した以降の当該金種の紙幣を返金し、操作者判断手段704が店舗関係者による入金と判断した場合には、制限枚数に達した以降の当該金種の紙幣の紙幣収納部への収納を許容する。実施形態では、入金制御手段705は、操作者判断手段704が顧客による入金と判断した場合には、制限枚数に達した以降の当該金種の紙幣を、リジェクトソレノイド84を駆動させて紙幣リジェクト部277に払い出し、操作者判断手段704が店舗関係者による入金と判断した場合には、制限枚数に達した以降の当該金種の紙幣を引き続き紙幣収納部に収納する。
【0091】
次に、硬貨釣銭機271の制御について説明する。図10は、硬貨釣銭機271の制御処理の流れを示すフローチャートである。図10に示すように、硬貨釣銭機271の制御部300は、入金口278に硬貨が投入されたかを判断する(S31)。入金口センサ41が入金口278に硬貨が投入されたことを示す出力をした場合に、制御部300は、入金口278に硬貨が投入されたと判断する。入金口278に硬貨が投入されたと判断した場合には(S31のYes)、制御部300は入金モータ39を駆動させて入金口278に投入された硬貨を硬貨釣銭機271内に搬入する(S32)。
【0092】
次に金種判別手段301は、金種判別センサ42を駆動させて、搬入された1枚の硬貨の金種を判断する(S33)。次に枚数判断手段303は、金種判別手段301が判断した金種の硬貨について預り金情報部331に記憶されている硬貨のカウント数が制限枚数部342に記憶されている制限枚数に達したか、を判断する(S34)。制限枚数に達していないと判断した場合には(S34のNo)、制御部300は、当該硬貨を硬貨収納部に収納する(S35)。そして硬貨を硬貨収納部に収納する際に、計数センサ43が硬貨を検出した出力に基づいて、計数手段302は、預り金情報部331に記憶されている硬貨のカウント数のうち金種判別手段301が判別した金種の硬貨のカウント数を+1する(S36)。そして制御部300は、収納部に収納した硬貨の金額と枚数(1枚)を含む預り金情報をセルフPOS端末1に送信する(S37)。そして制御部300は処理を終了してS21に戻り、次に搬入された硬貨について同様の処理を実行する。
【0093】
また、制限枚数に達したと判断した場合には(S34のYes)、操作者判断手段304は、硬貨釣銭機271に硬貨を投入したのが顧客であるか店舗関係者か(すなわち、セルフPOS端末1の操作者が顧客か店舗関係者か)を判断する(S38)。硬貨釣銭機271に硬貨を投入したのが顧客であると判断した場合には(S38のNo)、入金制御手段305は、リジェクトソレノイド45を駆動させて、搬入された硬貨を落下させて硬貨リジェクト部276に払い出すリジェクト処理を行い、当該硬貨を顧客に返金する(S39)。そして制御部300は処理を終了してS21に戻り、次に搬入された硬貨について同様の処理を実行する。
【0094】
なお、リジェクト処理を行った場合、制御部300は、硬貨を返却したこと、および返却する理由(当該金種の硬貨での支払い枚数が制限枚数に達していること)を示すメッセージ情報を、セルフPOS端末1が表示するように送信することが望ましい。セルフPOS端末1がこのようなメッセージを表示することで、顧客は、返却された硬貨ではない他の硬貨を投入することができる。
【0095】
また、硬貨釣銭機271に硬貨を投入したのが店舗関係者であると判断した場合には(S38のYes)、入金制御手段305は、当該硬貨を硬貨収納部に収納するS35の処理を実行し、その後S36とS37の処理を実行する。すなわち、入金制御手段305は、制限枚数に達した以降も当該金種の硬貨を硬貨収納部に収納する。そして制御部300は処理を終了してS21に戻り、次に搬入された硬貨について同様の処理を実行する。
【0096】
図11は、操作者判断手段304がS38で実行する、硬貨釣銭機271における操作者判断の制御処理の流れを示すフローチャートである。図11に示すように、操作者判断手段304は、鍵が鍵穴285に差さっていないか、鍵が刺さっていて所定位置に位置しているかを判断する(S381)。鍵が刺さっていて所定位置(入金モードの位置)に位置している場合には(S381のYes)、操作者判断手段304は、硬貨釣銭機271に入金したのが店舗関係者である(店舗関係者がセルフPOS端末1を操作している)と判断する(S382)。
【0097】
また、鍵が鍵穴285に差さっていないと判断した場合、あるいは鍵穴285に差さっている鍵の位置が入金モードの位置ではない場合には(S381のNo)、操作者判断手段304は、操作部38を用いて硬貨釣銭機271を入金モードに変更する所定の操作を行ったかを判断する(S383)。操作部38を用いて硬貨釣銭機271を入金モードに変更する所定の操作を行ったと判断した場合には(S383のYes)、操作者判断手段304は、硬貨釣銭機271に入金したのが店舗関係者である(店舗関係者がセルフPOS端末1を操作している)と判断する(S382)。
【0098】
また、所定の操作ではないと判断した場合には(S383のNo)、操作者判断手段304は、カバーセンサ44の出力に基づいて入金口278にカバー279が装着されているかを判断する(S384)。入金口278にカバー279が装着されていると判断した場合には(S384のYes)、操作者判断手段304は、硬貨釣銭機271に入金したのが店舗関係者である(店舗関係者がセルフPOS端末1を操作している)と判断する(S382)。
【0099】
また入金口278にカバー279が装着されていないと判断した場合には(S384のNo)、操作者判断手段304は、セルフPOS端末1から硬貨を補充するための補充コマンドを受信したかを判断する(S385)。セルフPOS端末1から硬貨を補充するための補充コマンドを受信したと判断した場合には(S385のYes)、操作者判断手段304は、硬貨釣銭機271に入金したのが店舗関係者である(店舗関係者がセルフPOS端末1を操作している)と判断する(S382)。
【0100】
また、セルフPOS端末1から硬貨を補充するための補充コマンドを受信していないと半田した場合には(S385のNo)、操作者判断手段304は、セルフPOS端末1から入金情報を受信したかを判断する(S386)。セルフPOS端末1から入金情報を受信していないと判断した場合には(S386のNo)、操作者判断手段304は、硬貨釣銭機271に入金したのが店舗関係者である(店舗関係者がセルフPOS端末1を操作している)と判断する(S382)。
【0101】
そしてセルフPOS端末1から入金情報を受信したと判断した場合には(S386のYes)、操作者判断手段304は、硬貨釣銭機271に入金したのが顧客である(顧客がセルフPOS端末1を操作している)と判断する(S387)。
【0102】
すなわち、図11の例では、鍵が刺さっていて所定位置に位置していると判断した、操作部38を用いて硬貨釣銭機271を入金モードに変更する所定の操作を行ったと判断した、入金口278にカバー279が装着されていると判断した、セルフPOS端末1から硬貨を補充するための補充コマンドを受信したと判断した、セルフPOS端末1から入金情報を受信したと判断した、のいずれかの場合に、操作者判断手段304は硬貨釣銭機271に入金したのが店舗関係者である(店舗関係者がセルフPOS端末1を操作している)と判断する。一方、鍵が刺さっていないか他の位置に位置していると判断し、かつ操作部38を用いて硬貨釣銭機271を入金モードに変更する所定の操作を行っていないと判断し、かつ入金口278にカバー279が装着されていないと判断し、かつセルフPOS端末1から硬貨を補充するための補充コマンドを受信していないと判断し、かつセルフPOS端末1から入金情報を受信したと判断した場合に、操作者判断手段304は、硬貨釣銭機271に入金したのが顧客である(顧客がセルフPOS端末1を操作している)と判断する。
【0103】
図10の説明に戻る。S31において入金口278への硬貨の投入ではないと判断した場合には(S31のNo)、制御部300は、セルフPOS端末1から釣銭金額情報を受信したかを判断する(S41)。セルフPOS端末1から硬貨分の釣銭金額情報を受信したと判断した場合には(S41のYes)、制御部300は、出金モータ40を駆動させて、受信した釣銭金額情報に基づいた金額の硬貨を硬貨受皿273に払い出す(S42)。そして制御部300は処理を終了する。
【0104】
また、セルフPOS端末1からの釣銭金額情報の受信ではないと判断した場合には(S41のNo)、制御部300はS31に戻る。
【0105】
このような実施形態の硬貨釣銭機271は、硬貨釣銭機271に入金したのが顧客であるか店舗関係者であるかを判断し、顧客が入金したと判断した場合には、一取引において硬貨の制限枚数を超える分の硬貨を硬貨リジェクト部276に返金する。また店舗関係者が入金したと判断した場合には、一取引において硬貨の制限枚数を超える分の硬貨を返金しない。このように、硬貨釣銭機271は、顧客が制限枚数を超えて入金した場合に枚数制限をし、店舗関係者が制限枚数を超えて入金した場合には枚数制限をしない。よって、店舗関係者は、硬貨釣銭機271に制限枚数を超える硬貨を補充する等の入金作業を行うことができる。
【0106】
次に、紙幣釣銭機272の制御について説明する。図12は、紙幣釣銭機272の制御処理の流れを示すフローチャートである。図12に示すように、紙幣釣銭機272の制御部700は、紙幣入金口274に紙幣が投入されたかを判断する(S51)。入金センサ81が紙幣入金口274に紙幣が投入されたことを示す出力をした場合に、制御部700は、紙幣入金口274に紙幣が投入されたと判断する。紙幣入金口274に紙幣が投入されたと判断した場合には(S51のYes)、制御部700は入金モータ79を駆動させて紙幣入金口274に投入された紙幣を紙幣釣銭機272内に搬入する(S52)。
【0107】
次に金種判別手段701は、金種判別センサ82を駆動させて、搬入された1枚の紙幣の金種を判断する(S53)。次に枚数判断手段703は、金種判別手段701が判断した金種の紙幣について預り金情報部731に記憶されている紙幣のカウント数が制限枚数部742に記憶されている制限枚数に達したか、を判断する(S54)。制限枚数に達していないと判断した場合には(S54のNo)、制御部700は、当該紙幣を紙幣収納部に収納する(S55)。紙幣を紙幣収納部に収納する際に、計数センサ83が紙幣を検出した出力に基づいて、計数手段702は、預り金情報部731に記憶されている紙幣のカウント数のうち金種判別手段701が判別した金種の紙幣のカウント数を+1する(S56)。そして制御部700は、紙幣収納部に収納した紙幣の金額と枚数(1枚)を含む預り金情報をセルフPOS端末1に送信する(S57)。そして制御部700は処理を終了する。そして制御部700は処理を終了してS51に戻り、次に搬入された紙幣について同様の処理を実行する。
【0108】
また、制限枚数に達したと判断した場合には(S54のYes)、操作者判断手段704は、紙幣釣銭機272に紙幣を投入したのが顧客であるか店舗関係者か(すなわち、セルフPOS端末1の操作者が顧客か店舗関係者か)を判断する(S58)。紙幣釣銭機272に紙幣を投入したのが顧客であると判断した場合には(S58のNo)、入金制御手段705は、リジェクトソレノイド84を駆動させて、搬入された紙幣を落下させて紙幣リジェクト部277に払い出すリジェクト処理を行い、当該紙幣を顧客に返金する(S59)。そして制御部700は処理を終了してS51に戻り、次に搬入された紙幣について同様の処理を実行する。
【0109】
なお、リジェクト処理を行った場合、制御部700は、紙幣を返却したこと、および返却する理由(当該紙幣での支払い枚数が制限枚数に達していること)を示すメッセージ情報を、セルフPOS端末1が表示するようにお送信することが望ましい。セルフPOS端末1がこのようなメッセージを表示することで、顧客は、返却された紙幣ではない他の紙幣を投入することができる。
【0110】
また、紙幣釣銭機272に紙幣を投入したのが店舗関係者であると判断した場合には(S58のYes)、入金制御手段705は、当該紙幣を紙幣収納部に収納するS55の処理を実行し、その後S56とS57の処理を実行する。すなわち、入金制御手段705は、制限枚数に達した以降も当該金種の紙幣を収納部に収納する。そして制御部700は処理を終了してS51に戻り、次に搬入された紙幣について同様の処理を実行する。
【0111】
図13は、操作者判断手段704がS58で実行する、紙幣釣銭機272における操作者判断の制御処理の流れを示すフローチャートである。図13に示すように、操作者判断手段704は、鍵が鍵穴280に差さっていないか、鍵が刺さっていて所定位置に位置しているかを判断する(S581)。鍵が刺さっていて所定位置に位置している場合には(S581のYes)、操作者判断手段704は、紙幣釣銭機272に入金したのが店舗関係者である(店舗関係者がセルフPOS端末1を操作している)と判断する(S582)。
【0112】
また、鍵が鍵穴280に差さっていないと判断した場合には(S581のNo)、操作者判断手段704は、操作部78を用いて紙幣釣銭機272を入金モードに変更する所定の操作を行ったかを判断する(S583)。操作部78を用いて紙幣釣銭機272を入金モードに変更する所定の操作を行ったと判断した場合には(S583のYes)、操作者判断手段704は、紙幣釣銭機272に入金したのが店舗関係者である(店舗関係者がセルフPOS端末1を操作している)と判断する(S582)。
【0113】
また、所定の操作ではないと判断した場合には(S583のNo)、操作者判断手段704は、セルフPOS端末1から紙幣を補充するための補充コマンドを受信したかを判断する(S585)。セルフPOS端末1から紙幣を補充するための補充コマンドを受信したと判断した場合には(S585のYes)、操作者判断手段704は、紙幣釣銭機272に入金したのが店舗関係者である(店舗関係者がセルフPOS端末1を操作している)と判断する(S582)。
【0114】
そして、セルフPOS端末1から紙幣を補充するための補充コマンドを受信していないと判断した場合には(S585のNo)、操作者判断手段704は、紙幣釣銭機272に入金したのが顧客である(顧客がセルフPOS端末1を操作している)と判断する(S587)。
【0115】
すなわち、図13の例では、鍵が刺さっていて所定位置に位置していると判断した、操作部78を用いて紙幣釣銭機272を入金モードに変更する所定の操作を行ったと判断した、セルフPOS端末1から紙幣を補充するための補充コマンドを受信したと判断した、のいずれかの場合に、操作者判断手段704は、紙幣釣銭機272に入金したのが店舗関係者である(店舗関係者がセルフPOS端末1を操作している)と判断する。一方、鍵が刺さっていないと判断、あるいは鍵が入金モード以外の位置に位置していると判断し、かつ操作部78を用いて紙幣釣銭機272を入金モードに変更する所定の操作を行っていないと判断し、かつセルフPOS端末1から紙幣を補充するための補充コマンドを受信していないと判断した場合に、操作者判断手段704は、紙幣釣銭機272に入金したのが顧客である(顧客がセルフPOS端末1を操作している)と判断する。
【0116】
図12の説明に戻る。S51において紙幣入金口274への紙幣の投入ではないと判断した場合には(S51のNo)、制御部700は、セルフPOS端末1から釣銭金額情報を受信したかを判断する(S61)。セルフPOS端末1から紙幣分の釣銭金額情報を受信したと判断した場合には(S61のYes)、制御部700は、出金モータ80を駆動させて、受信した釣銭金額情報に基づいた金額の紙幣を紙幣払出口275に払い出す(S62)。そして制御部700は処理を終了する。
【0117】
また、セルフPOS端末1からの釣銭金額情報の受信ではないと判断した場合には(S61のNo)、制御部700はS51に戻る。
【0118】
このような実施形態の紙幣釣銭機272は、紙幣釣銭機272に入金したのが顧客であるか店舗関係者であるかを判断し、顧客が入金したと判断した場合には、一取引において紙幣の制限枚数を超える分の硬貨を紙幣リジェクト部277に返金する。また店舗関係者が入金したと判断した場合には、一取引において紙幣の制限枚数を超える分の紙幣を返金しない。このように、紙幣釣銭機272は、顧客が制限枚数を超えて入金した場合に枚数制限をし、店舗関係者が制限枚数を超えて入金した場合には枚数制限をしない。よって、店舗関係者は、紙幣釣銭機272に制限枚数を超える紙幣を補充する等の入金作業を行うことができる。
【0119】
以上説明したように、実施形態は、硬貨釣銭機271は操作者判断手段304を有し、紙幣釣銭機272は、操作者判断手段704を有し、セルフPOS端末1への入金者が顧客であるか店舗関係者であるかを判断した。ここからは、セルフPOS端末1がセルフPOS端末1への入金者が顧客であるか店舗関係者であるかを判断するようにした、他の実施形態について図14図20を用いて説明する。
【0120】
他の実施形態の課題は、顧客が制限枚数を超えて入金した場合に枚数制限をし、店舗関係者が制限枚数を超えて入金した場合には枚数制限をしない会計装置を提供することである。なお、他の実施形態において実施形態と同一または同様の構成については図14図20において同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
【0121】
図14は、他の実施形態に係るセルフPOS端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。図14に示すように、メモリ部14は制限枚数部142を有する。制限枚数部142は、硬貨釣銭機271に一取引において入金可能な硬貨の制限枚数と、紙幣釣銭機272に一取引において入金可能な紙幣の制限枚数を、硬貨および紙幣の金種別に記憶する。
【0122】
図15は、他の実施形態に係る硬貨釣銭機271のハードウェア構成を示すブロック図である。図15に示すように、メモリ部34は制限枚数部342を有しない。また、リジェクトソレノイド45は、入金された異種硬貨や変形硬貨を硬貨リジェクト部276に排出するが、制限枚数を超える硬貨は一旦硬貨釣銭機271の硬貨収納部に収納し、硬貨リジェクト部276に返金しない。
【0123】
図16は、他の実施形態に係る紙幣釣銭機272のハードウェア構成を示すブロック図である。図16に示すように、メモリ部74は制限枚数部742を有しない。また、リジェクトソレノイド84は、入金された異種紙幣や変形紙幣を紙幣リジェクト部277に排出するが、制限枚数を超える紙幣は一旦紙幣釣銭機272の紙幣収納部に収納し、紙幣リジェクト部277に返金しない。
【0124】
図17は、他の実施形態に係るセルフPOS端末1の制御処理の流れを示すフローチャートである。図17に示すように、合計金額を算出して表示した(S21)後に、制御部100は、硬貨釣銭機271から、預り金情報(入金された硬貨の金種と金種別の入金枚数の情報、入金された硬貨の合計金額(預り金)の情報、硬貨釣銭機271に硬貨を入金したのが顧客であるか店舗関係者であるかを、セルフPOS端末1が判断するための硬貨釣銭機271から受信した情報であり、鍵穴285に差し込まれた鍵の位置の情報(鍵穴285に鍵が差し込まれていない場合はその情報を含む)、操作部38において入金モードに変更する操作を行ったか否かの情報、入金口278にカバー279が取り付けられているか否かの情報)を受信したかを判断する(S71)。
【0125】
また制御部100は、紙幣釣銭機272から、預り金情報(入金された硬貨の金種と金種別の入金枚数の情報、入金された紙幣の合計金額(預り金)の情報、紙幣釣銭機272に紙幣を入金したのが顧客であるか店舗関係者であるかを、セルフPOS端末1が判断するための紙幣釣銭機272から受信した情報であり、鍵穴280に差し込まれた鍵の位置の情報(鍵穴280に鍵が差し込まれていない場合はその情報を含む)、操作部78において入金モードに変更する操作を行ったか否かの情報)を受信したかを判断する(S71)。預り金情報を受信するまで待機し、預り金情報を受信したと判断した場合には、制御部100は、硬貨釣銭機271および紙幣釣銭機272から受信した預り金情報を、預り金情報部731に記憶する(S72)。
【0126】
次に制御部100(枚数判断手段)は、受信した預り金情報に基づいて、制限枚数を超えて入金された硬貨や紙幣の金種があるかを判断する(S73)。制限枚数を超えて入金された金種はないと判断した場合には(S73のNo)、制御部100は、合計金額情報と受信した預り金情報に基づいて会計処理を実行し(S27)、釣銭がある場合には釣銭額を算出する(S27)。そして制御部100は、算出した釣銭額の釣銭額情報を硬貨釣銭機271と紙幣釣銭機272の少なくとも一方に送信する(S28)。釣銭額情報に硬貨の釣銭額が含まれる場合、制御部100は、釣銭額のうちの硬貨分の釣銭を示す釣銭額情報を硬貨釣銭機271に送信する。また、釣銭額情報に紙幣の釣銭額が含まれる場合、制御部100は、釣銭額のうちの紙幣分の釣銭を示す釣銭額情報を紙幣釣銭機272に送信する。そして制御部100は処理を終了する。
【0127】
また、制限枚数を超えて入金された金種があると判断した場合には(S73のYes)、制御部100(操作者判断手段)は、受信した預り金情報やその他の情報に基づいて、硬貨釣銭機271や紙幣釣銭機272に入金したのが顧客であるか店舗関係者であるかを判断する(S74)。
【0128】
ここで、制御部100(操作者判断手段)が、S74において、入金したのが顧客であるか店舗関係者であるかの操作者判断について説明する。図18は、セルフPOS端末1における操作者判断の制御処理の流れを示すフローチャートである。図18に示すように、制御部100(操作者判断手段)は、硬貨釣銭機271から受信した預り金情報に基づいて、硬貨釣銭機271の鍵穴285に刺さっている鍵の位置は入金モードの位置であるか、を判断する(S741)。また、制御部100(操作者判断手段)は、紙幣釣銭機272から受信した預り金情報に基づいて、紙幣釣銭機272の鍵穴280に刺さっている鍵の位置は入金モードの位置であるか、を判断する(S741)。鍵穴285に刺さっている鍵の位置と鍵穴280に刺さっている鍵の位置の少なくとも一方が入金モードである場合は(S741のYes)、制御部100(操作者判断手段)は、入金したのが店舗関係者であると判断する(S742)。
【0129】
鍵穴285および鍵穴280に刺さっている鍵の位置がいずれも入金モードの位置ではない、または鍵穴285にも鍵穴280にも鍵は刺さっていない、と判断した場合には(S741のNo)、制御部100(操作者判断手段)は、硬貨釣銭機271または紙幣釣銭機272から受信した預り金情報に基づいて、硬貨釣銭機271の操作部38の所定のキーを操作して硬貨釣銭機271を入金モードにしたか、あるいは紙幣釣銭機272の操作部78の所定のキーを操作して紙幣釣銭機272を入金モードにしたか、を判断する(S743)。硬貨釣銭機271および紙幣釣銭機272の少なくともいずれか一方を入金モードにしたと判断した場合には(S743のYes)、制御部100(操作者判断手段)は、入金したのが店舗関係者であると判断する(S742)。
【0130】
また、硬貨釣銭機271および紙幣釣銭機272のいずれも入金モードではないと判断した場合には(S743のNo)、制御部100(操作者判断手段)は、硬貨釣銭機271から受信した預り金情報に基づいて、入金口278にカバー279が取り付けられているかを判断する(S744)。入金口278にカバー279が取り付けられていると判断した場合には(S744のYes)、制御部100(操作者判断手段)は、入金したのが店舗関係者であると判断する(S742)。
【0131】
また、入金口278にカバー279が取り付けられていないと判断した場合には(S744のNo)、制御部100(操作者判断手段)は、セルフPOS端末1から硬貨釣銭機271および紙幣釣銭機272の少なくともいずれか一方に対し、硬貨または紙幣を補充することを指示する補充コマンドを送信したかを判断する(S745)。補充コマンドを送信した場合、当該補充コマンドはRAM13に記憶されるため、RAM13に硬貨または紙幣を補充することを指示する補充コマンドが記憶されている場合に、制御部100(操作者判断手段)は、S375において硬貨または紙幣を補充することを指示する補充コマンドを送信したと判断する。補充コマンドを送信したと判断した場合には(S745のYes)、制御部100(操作者判断手段)は、入金したのが店舗関係者であると判断する(S742)。
【0132】
また、硬貨または紙幣を補充することを指示する補充コマンドの送信ではないと判断した場合には(S745のNo)、制御部100(操作者判断手段)は、投入センサ29が投入口284に硬貨が投入されたことを検出したことを示す入金情報を出力しているかを判断する(S746)。入金情報を出力していると判断した場合には(S746のYes)、制御部100(操作者判断手段)は、入金したのが顧客であると判断する(S747)。
【0133】
また、入金情報の出力ではないと判断した場合には(S746のNo)、制御部100(操作者判断手段)は、入金したのが店舗関係者であると判断する(S742)。
【0134】
すなわち、制御部100(操作者判断手段)は、鍵穴285に刺さっている鍵の位置と鍵穴280に刺さっている鍵の位置の少なくとも一方が入金モードである場合、ボタンの操作によって硬貨釣銭機271および紙幣釣銭機272の少なくとも一方が入金モードである場合、硬貨釣銭機271の入金口278にカバー279が取り付けられている場合、硬貨釣銭機271および紙幣釣銭機272の少なくとも一方に補充コマンドを送信した場合、硬貨釣銭機271の投入口284に硬貨が投入された場合には、制御部100(操作者判断手段)は、入金したのが店舗関係者であると判断し、いずれでもない場合には、制御部100(操作者判断手段)は、入金したのが顧客であると判断する。
【0135】
図17の説明に戻る。制御部100(操作者判断手段)が店舗関係者であると判断した場合には(S74のYes)、制御部100は処理を終了する。すなわち、店舗関係者が入金した場合には、入金したすべての硬貨を硬貨釣銭機271が受け入れ、入金したすべての紙幣を紙幣釣銭機272が受け入れる。
【0136】
また、硬貨釣銭機271や紙幣釣銭機272に入金したのが顧客であると判断した場合には(S74のNo)、制御部100(操作者判断手段)は、制限枚数を超える金種について、超えた金種の枚数の情報と、超えた枚数分の硬貨や紙幣を返金する返金コマンドを含むリジェクト金額情報を送信する(S75)。制限枚数を超えた金種に硬貨が含まれる場合、制御部100(操作者判断手段)は、当該金種の枚数の情報を含むリジェクト金額情報を硬貨釣銭機271に送信する。制限枚数を超えた金種に紙幣が含まれる場合、制御部100(操作者判断手段)は、当該金種の枚数の情報を含むリジェクト金額情報を紙幣釣銭機272に送信する。そして制御部100は、S71に戻り、再度の預り金情報の受信を待つ。なお、S75の処理を経て再度預り金情報を受信した場合は(S71のYes)、制御部100は、S72の処理において、受信した預り金情報を以前に預り金情報部731に記憶した預かり金情報に加算して記憶する。
【0137】
また、制限枚数を超えて入金された硬貨や紙幣の金種はないと判断した場合には(S73のNo)、制御部100は、預り金情報部731に記憶している預り金が合計金額以上の場合にS27以降の処理を実行する。
【0138】
図19は、他の実施形態に係る硬貨釣銭機271の制御処理の流れを示すフローチャートである。図19において、入金された硬貨の金種を判別し(S33)、制御部300は、入金されたすべての硬貨(異種硬貨や変形硬貨を除く)を硬貨収納部に収納する(S81)。この場合、制御部300は、S36において、入金された硬貨の枚数を金種別に計数するが、制限枚数を超える枚数の金種を判断していないため、制限枚数を超える枚数の硬貨が入金された金種があったとしても、当該硬貨についてもすべて硬貨収納部に収納される。そして制御部300は、当該入金に係る預り金情報を預り金情報部331に記憶する(S82)。
【0139】
また、S31において硬貨の入金ではないと判断した場合には(S31のNo)、制御部300は、セルフPOS端末1からリジェクト金額情報を受信したかを判断する(S83)。セルフPOS端末1からリジェクト金額情報を受信したと判断した場合には(S83のYes)、制御部300は、受信したリジェクト金額情報に含まれる硬貨の金種と枚数の情報に基づいて、当該金種の当該枚数分の硬貨を硬貨受皿273に払い出す(制限枚数を超える枚数の硬貨を返金する)(S84)。そして制御部300は、預り金情報部331に記憶されている預り金情報を修正する(S85)。すなわち制御部300は、預り金情報部331に記憶されている預り金情報から、払い出した硬貨の枚数情報を払い出した枚数分減算する修正を行う。そして制御部300は、処理を終了する。
【0140】
また、釣銭額情報を受信した場合に(S41のYes)、釣銭額情報に基づいた硬貨を釣銭として払い出し処理を行った(S42)後に、制御部300は、預り金情報部331に記憶されている預り金額情報を消去する(S86)。
【0141】
図20は、他の実施形態に係る紙幣釣銭機272の制御処理の流れを示すフローチャートである。図19において、入金された紙幣の金種を判別し(S53)、制御部700は、入金されたすべての紙幣(異種紙幣や変形紙幣を除く)を紙幣収納部に収納する(S91)。この場合、制御部700は、S56において、入金された紙幣の枚数を金種別に計数するが、制限枚数を超える枚数の金種を判断していないため、制限枚数を超える枚数の紙幣が入金された金種があったとしても、当該紙幣についてもすべて紙幣収納部に収納される。そして制御部700は、当該入金に係る預り金情報を預り金情報部731に記憶する。
【0142】
また、S51において紙幣の入金ではないと判断した場合には(S51のNo)、制御部700は、セルフPOS端末1からリジェクト金額情報を受信したかを判断する(S93)。セルフPOS端末1からリジェクト金額情報を受信したと判断した場合には(S93のYes)、制御部700は、受信したリジェクト金額情報に含まれる紙幣の金種と枚数の情報に基づいて、当該金種の当該枚数分の紙幣を紙幣払出口275に払い出す(制限枚数を超える枚数の紙幣を返金する)(S94)。そして制御部700は、預り金情報部331に記憶されている預り金情報を修正する(S95)。すなわち制御部700は、預り金情報部731に記憶されている預り金情報から、払い出した紙幣の枚数情報を払い出した枚数分減算する修正を行う。そして制御部700は、処理を終了する。
【0143】
また、釣銭額情報を受信した場合に(S61のYes)、釣銭額情報に基づいた紙幣を釣銭として払い出し処理を行った(S62)後に、制御部700は、預り金情報部731に記憶されている預り金情報を消去する(S96)。
【0144】
以下、その他の実施形態に係る特許請求の範囲を付記する。
[付記]
[請求項1]
商品の購入に係り投入された硬貨または紙幣を入金して収納部に収納可能、かつ収納された前記硬貨または紙幣を釣銭として払い出すとともに、一取引において投入された前記硬貨または紙幣の金種別の入金枚数の情報を出力する釣銭機と、
前記硬貨または紙幣の制限枚数を金種別に記憶する記憶部と、
前記釣銭機から入力された前記入金枚数の情報に基づいて、前記制限枚数を超えた金種の前記硬貨または紙幣があるかを判断する枚数判断手段と、
前記硬貨または紙幣を前記釣銭機に入金したのが顧客か店舗関係者かを判断する操作者判断手段と、
前記枚数判断手段が前記制限枚数を超えた金種の硬貨または紙幣があると判断し、かつ操作者判断手段が顧客によって前記会計装置が操作されていると判断した場合に、前記釣銭機に、前記入制限枚数を超えた金種前記に係る前記超えた枚数分の前記収納部に収納された前記硬貨または紙幣を返却させる返却手段と、
を備えた会計装置。
[請求項2]
前記操作者判断手段は、複数種類の条件のいずれか一つを満たした場合に前記店舗関係者であると判断し、前記複数種類の条件のいずれをも満たさない場合に前記顧客であると判断する、
請求項1に記載の会計装置。
[請求項3]
前記釣銭機は、硬貨が入金される硬貨釣銭機である、
請求項1または2に記載の会計装置。
【0145】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0146】
例えば、実施形態では、硬貨釣銭機271と紙幣釣銭機272を発明に係る釣銭機の一例とした。しかしながらこれに限らず、硬貨釣銭機271と紙幣釣銭機272のいずれか一方を発明に係る釣銭機としてもよい。大量の硬貨を入金するケールが多いことから、硬貨釣銭機271は発明に係る釣銭機であることが望ましい。
【0147】
また、実施形態では、制限枚数に達した以降、硬貨リジェクト部276および紙幣リジェクト部277に硬貨・紙幣を排出するようにした。しかしながらこれに限らず、例えば、全ての硬貨・紙幣を一旦収納部に収納し、制限枚数を超えた分を硬貨受皿273と紙幣払出口275に払い出すようにしてもよい。
【0148】
また、実施形態では、1個の硬貨や紙幣が入金される度に預り金情報をセルフPOS端末1に送信した。しかしながらこれに限らず、例えば、リジェクト処理されなかった全ての硬貨や紙幣について預り金情報を加算的に記憶し、その後一括して記憶した預り金情報をセルフPOS端末1に送信するようにしてもよい。
【0149】
また、実施形態およびその他の実施形態では、セルフPOS端末1を会計装置の一例として説明した。しかしながらこれに限らず、会計装置は、セミセルフPOSにおける会計装置であってもよいし、店員等が操作する通常のPOS端末であって、預り金としての硬貨や紙幣を顧客が入金するタイプのPOS端末であってもよい。
【符号の説明】
【0150】
1 セルフPOS端末
2 本体
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 メモリ部
22 表示部
29 投入センサ
30 扉センサ
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 メモリ部
38 操作部
41 入金口センサ
42 金種判別センサ
43 計数センサ
44 カバーセンサ
45 リジェクトソレノイド
71 CPU
72 ROM
73 RAM
74 メモリ部
78 操作部
81 入金センサ
82 金種判別センサ
83 計数センサ
84 リジェクトソレノイド
100 制御部
131 商品情報部
132 預り金記憶部
142 制限枚数部
271 硬貨釣銭機
272 紙幣釣銭機
273 硬貨受皿
274 紙幣入金口
275 紙幣払出口
276 硬貨リジェクト部
277 紙幣リジェクト部
278 入金口
279 カバー
280 鍵穴
283 硬貨載置部
284 投入口
285 鍵穴
300 制御部
301 金種判別手段
302 計数手段
303 枚数判断手段
304 操作者判断手段
305 入金制御手段
331 預り金情報部
342 制限枚数部
700 制御部
701 金種判別手段
702 計数手段
703 枚数判断手段
704 操作者判断手段
705 入金制御手段
731 預り金情報部
742 制限枚数部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0151】
【特許文献1】特開2013-127738号公報
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