(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103127
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240725BHJP
【FI】
G06Q30/0207
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007298
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】山本 一郎
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】客の購買意欲を促進させるのに好適な情報処理装置を提供すること。
【解決手段】情報処理装置は、リアルタイムの情報を収集する情報収集部と、収集された情報を機械学習モデルに基づいてリアルタイムに解析する情報解析部と、情報解析部による解析結果に基づいて客の購買意欲を促進させるためのイベントをリアルタイムに発生させるイベント発生部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアルタイムの情報を収集する情報収集部と、
収集された情報を機械学習モデルに基づいてリアルタイムに解析する情報解析部と、
前記情報解析部による解析結果に基づいて客の購買意欲を促進させるためのイベントをリアルタイムに発生させるイベント発生部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記情報収集部は、Web上の情報を収集し、
前記情報解析部は、前記収集された情報を用いて世間の動向を解析し、
前記イベント発生部は、前記動向に応じた商品のクーポンと商品の情報の少なくとも一方を前記客に提供する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報解析部は、前記収集された情報から、前記客による購入が予想される商品を解析し、
前記イベント発生部は、前記解析結果で得られた商品のクーポンと商品の情報の少なくとも一方を前記客に提供する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記収集された情報は、店舗がある地域の天気情報であり、
前記イベント発生部は、前記天気情報に応じて、前記客が所定時間内に前記店舗に来店した場合に利用できるクーポンを前記客に発行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報収集部は、店舗に設置されたセンサを用いて前記情報を収集する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記センサは、前記店舗に設置されたマイクであり、
前記客が発した声を前記マイクが収音すると、前記情報解析部は、収音された前記声の内容から、前記客による購入が予想される商品を解析し、
前記イベント発生部は、前記解析結果で得られた商品のクーポンと商品の情報の少なくとも一方を前記客に提供する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記センサは、前記店舗に設置されたカメラであり、
前記情報解析部は、前記カメラで撮影された前記客の行動から、前記客による購入が予想される商品を解析し、
前記イベント発生部は、前記解析結果で得られた商品のクーポンと商品の情報の少なくとも一方を前記客に提供する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報解析部は、前記カメラの映像から、前記客が購入の意思を示した商品を特定し、特定された商品に基づいて、前記客による購入が予想される商品を解析し、
前記イベント発生部は、前記解析結果で得られた商品のクーポンと商品の情報の少なくとも一方を前記客に提供する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記センサは、前記店舗に設置されたカメラであり、
前記情報解析部は、前記カメラで撮影された前記客の動線から、前記客による購入が予想される商品を解析し、
前記イベント発生部は、前記解析結果で得られた商品のクーポンと商品の情報の少なくとも一方を前記客に提供する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記情報解析部による解析結果に基づいて前記店舗の売上向上を支援する情報を前記店舗の経営者又は従業員に提供する支援情報提供部を更に備える、
請求項1から請求項9の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
リアルタイムの情報を収集し、
収集された情報を機械学習モデルに基づいてリアルタイムに解析し、
解析結果に基づいて客の購買意欲を促進させるためのイベントをリアルタイムに発生させる、処理を、コンピュータに実行させる、
情報処理方法。
【請求項12】
リアルタイムの情報を収集し、
収集された情報を機械学習モデルに基づいてリアルタイムに解析し、
解析結果に基づいて客の購買意欲を促進させるためのイベントをリアルタイムに発生させる、処理を、コンピュータに実行させる、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1において、買物中の客の行動に関する情報に基づいて客の行動や心理等の状態を反映した店作りに利用可能な情報を店舗に提示するシステムが提案されている。店舗の経営者は、システムから提示される情報を参考にして、客に選ばれるような店作りを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のシステムを利用した店作りが客の購買意欲を促進させることに直結するかは不明である。例えば店舗の売上げをアップさせるため、客の購買意欲を促進させるのに好適な仕組みを提供することが望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、客の購買意欲を促進させるのに好適な情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、リアルタイムの情報を収集する情報収集部と、収集された情報を機械学習モデルに基づいてリアルタイムに解析する情報解析部と、前記情報解析部による解析結果に基づいて客の購買意欲を促進させるためのイベントをリアルタイムに発生させるイベント発生部と、を備える。
【0007】
本発明の一実施形態に係る情報処理方法は、リアルタイムの情報を収集し、収集された情報を機械学習モデルに基づいてリアルタイムに解析し、解析結果に基づいて客の購買意欲を促進させるためのイベントをリアルタイムに発生させる、処理を、コンピュータに実行させる方法である。
【0008】
本発明の一実施形態に係る情報処理プログラムは、リアルタイムの情報を収集し、収集された情報を機械学習モデルに基づいてリアルタイムに解析し、解析結果に基づいて客の購買意欲を促進させるためのイベントをリアルタイムに発生させる、処理を、コンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、客の購買意欲を促進させるのに好適な情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムが導入された店舗の一例を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
【
図4】本発明の実施例1において情報処理装置により実行されるイベント発生処理を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態に係る補助記憶装置に記憶されたデータの一例を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る専用アプリを実行中の客のデバイスの画面例を示す図である。
【
図7】本発明の実施例2において情報処理装置により実行されるイベント発生処理を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施例3において情報処理装置により実行されるイベント発生処理を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の実施例4において情報処理装置により実行されるイベント発生処理を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の実施例5において情報処理装置により実行されるイベント発生処理を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の実施例6において情報処理装置により実行されるイベント発生処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1が導入された店舗3の一例を示す図である。
図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置10を含む。情報処理装置10は、店内ネットワークに配置されたエッジデバイスであり、外部ネットワークを介してクラウドコンピューティング2と接続される。情報処理装置10は、例えば汎用のPC(Personal Computer)である。
【0013】
なお、「店舗」は、商店街、ショッピングモール、GMS(General Merchandise Store)、百貨店等に読み替えてもよい。複数の店舗を含む商店街等の場合、情報処理システム1は、例えば全店舗を統括的に管理する1つの情報処理装置10を含む。
【0014】
クラウドコンピューティング2は、Web上の情報を収集するクラウドサービスであり、物理的には、サーバ、ストレージ等で構成される。クラウドコンピューティング2は、複数種類のWeb API(Application Programming Interface)を含む。クラウドコンピューティング2は、Web APIを通じて、Web上で発信される流行の情報や気象の情報等の各種情報を収集する。
【0015】
情報処理装置10は、クラウドコンピューティング2にアクセスして、本実施形態に係る情報処理方法及び情報処理プログラムの実行時に必要な、Web上のリアルタイムの情報を収集する。
【0016】
図1に示されるように、店舗3には、マイクM1~Ma及びカメラC1~Ccが設置される。マイクM1~Maは、少なくとも店舗3内の各商品棚付近にいる客の声を収音できるように、店舗3の各所に設置される。カメラC1~Ccは、店舗3の全エリアを撮影できるように、店舗3の各所に設置される。カメラC1~Ccは、監視カメラの役割を兼ねてもよい。
【0017】
マイクM1~Ma及びカメラC1~Ccは、店舗3に設置されたセンサの一例である。情報処理装置10は、マイクM1~Ma、カメラC1~Ccから、本実施形態に係る情報処理方法及び情報処理プログラムの実行時に必要な、店舗3内のリアルタイムの情報を収集する。
【0018】
図1に示されるように、店舗3には、スピーカS1~Sb及びディスプレイD1~Ddが設置される。本実施形態に係る情報処理方法及び情報処理プログラムを実行することにより、客の購買意欲を促進させるためのイベントがスピーカS1~Sb及びディスプレイD1~Ddを用いて実施される。
【0019】
スピーカS1~Sbは、店舗3の各所に設置される。スピーカS1~Sbは、例えばパン及びチルト可能に店舗3の天井に据え付けられている。情報処理装置10は、駆動信号を発生させて、音を伝搬させたい方向にスピーカS1~Sbをパン及びチルトさせることができる。
【0020】
情報処理装置10は、例えば、1つのスピーカを特定の客に向けてパン及びチルトさせて、この客に向けて音声をスピーカから出力させることができる。これにより、例えばお買い得情報を特定の客だけに音声で伝えることができる。
【0021】
ディスプレイD1~Ddは、店舗3の各所に設置される。ディスプレイD1~Ddは、例えば商品棚付近又は商品棚に据え付けられている。情報処理装置10は、駆動信号を発生させて、ディスプレイD1~Ddをパン及びチルトさせることができる。
【0022】
情報処理装置10は、例えば、1つのディスプレイを特定の客に向けてパン及びチルトさせて、この客にディスプレイの画面を向けることができる。例えば、商品棚付近の客にディスプレイの画面を向けて、お買い得情報の映像を視聴させることができる。
【0023】
図1中、符号E1及びE2は、オペレータ(例えば店員)が操作するデバイスであり、例えば、スマートフォンやデスクトップPCである。また、
図1中、符号U1~U3は、客が所持するデバイスであり、例えば、スマートフォンやタブレットPCである。これらのデバイスの役割については、後に説明する。
【0024】
図2は、情報処理装置10のハードウェア構成を示す図である。
【0025】
図2に示されるように、情報処理装置10は、バス100を備える。バス100に、プロセッサ111、メモリ112、補助記憶装置113、通信インタフェース114、入力装置115及び出力装置116が接続される。なお、情報処理装置10は、
図2に示されていない他の構成を備えていてもよい。すなわち、情報処理装置10の態様には自由度があり、各種の設計変更が可能である。
【0026】
プロセッサ111は、メモリ112上に展開されたプログラムを実行する。プロセッサ111により実行されるプログラムには、本発明の一実施形態に係る情報処理プログラム113Aが含まれる。
【0027】
プロセッサ111は、例えばシングルプロセッサ又はマルチプロセッサであり、少なくとも1つのプロセッサを含む。複数のプロセッサを含む構成とした場合、プロセッサ111は、単一の装置としてパッケージ化されたものであってもよく、情報処理装置10内で物理的に分離した複数の装置で構成されてもよい。
【0028】
メモリ112は、例えば、RAM(Random Access Memory)であり、ワークエリアを提供する。
【0029】
補助記憶装置113は、種々の情報を記憶する記憶装置であり、例えばハードディスクドライブや半導体メモリである。補助記憶装置113には、情報処理プログラム113Aを含む各種プログラムが記憶される。プロセッサ111は、メモリ112内に確保したワークエリアにプログラムを展開し、展開されたプログラムに従って情報処理装置10を制御する。
【0030】
コンピュータの一例である情報処理装置10は、情報処理プログラム113Aにより、本発明の一実施形態に係る情報処理方法を実行する。
【0031】
例示的には、情報処理装置10は、リアルタイムの情報を収集し、収集された情報を機械学習モデルに基づいてリアルタイムに解析し、解析結果に基づいて客の購買意欲を促進させるためのイベントをリアルタイムに発生させる、という一連の処理を実行する。
【0032】
情報処理装置10が情報処理プログラム113Aを実行することにより、例えば、客の購買意欲を促進させることができる。情報処理プログラム113Aの詳細は後述する。
【0033】
通信インタフェース114は、外部ネットワークを介して情報処理装置10をクラウドコンピューティング2と接続する。
【0034】
入力装置115は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル等であり、オペレータ(例えば店員)からの指示及び情報等の入力を受け付ける。
【0035】
出力装置116は、例えば、表示装置、音声出力装置、プリンタ等を含む。出力装置116は、例えば処理結果を出力する。
【0036】
図3は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置10の機能ブロック図である。情報処理装置10は、
図3に示されるように、機能ブロックとして、情報収集部100A、情報解析部100B、イベント発生部100C、支援情報提供部100Dを含む。各機能ブロックは、コンピュータの一例である情報処理装置10が実行する情報処理プログラム113Aにより実現される。各機能ブロックは、一部又は全部が専用の論理回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0037】
情報収集部100Aは、リアルタイムの情報を収集する。情報解析部100Bは、情報収集部100Aにより収集された情報を機械学習モデルに基づいてリアルタイムに解析する。イベント発生部100Cは、情報解析部100Bによる解析結果に基づいて客の購買意欲を促進させるためのイベントをリアルタイムに発生させる。これら機能ブロックの動作により、現在の状況に適したイベントが発生するため、客の購買意欲を促進させることができる。
【0038】
支援情報提供部100Dは、情報解析部100Bによる解析結果に基づいて店舗3の売上向上を支援する情報を店舗3の経営者又は従業員に提供する。経営者又は従業員は、支援情報提供部100Dにより提供された支援情報をもとに、現在の状況を反映した適切な店作り(商品配置等)を行うことができる。
【0039】
情報解析部100Bが用いる機械学習モデルは、リアルタイムの入力情報に対して解析結果を出力する。ここで、多数の入力情報は統計データと等価である。統計データが集まると標準偏差が求まる。機械学習モデルは、統計データに基づく学習済みモデルであり、店舗3が何をすべきかを解析結果として出力するよう設計される。
【0040】
機械学習モデルのアルゴリズムには、線形回帰、ランダムフォレスト、決定木、k近傍法、ニュートラルネットワーク、サポートベクタマシン、ナイーブベイズ、正則化法、ロジスティック回帰、マルコフ連鎖等が適宜適用される。この機械学習モデルのアーキテクチャの設計には周知技術が適用される。そのため、機械学習モデルの、ここでの詳細な説明は省略する。
【0041】
情報解析部100Bが用いる機械学習モデルは、情報処理装置10が保持してもよく、また、Web上(例えば、クラウドコンピューティング2であってもよく、また、クラウドコンピューティング2とは別のWeb上)に配置されてもよい。後者の場合、情報解析部100Bは、通信インタフェース114を用いてWeb上の機械学習モデルにアクセスして、情報収集部100Aによる収集情報を入力データとして機械学習モデルに与え、次いで、機械学習モデルによる解析結果を取得する。
【0042】
次に、本発明の実施例1~6において情報処理装置10により実行されるイベント発生処理について説明する。なお、情報処理装置10は、実施例1~6に係るイベント発生処理のうち2つ以上のイベント発生処理を並行して実施してもよい。
【0043】
《実施例1》
図4は、本発明の実施例1において情報処理装置10により実行されるイベント発生処理を示すフローチャートである。
【0044】
図4に示されるように、情報処理装置10は、Web上のリアルタイムの情報を収集する(ステップS101)。
【0045】
具体的には、情報処理装置10は、クラウドコンピューティング2にアクセスする。情報処理装置10は、クラウドコンピューティング2による収集情報のなかから、特定の種類のリアルタイムの情報を収集する。「特定の種類のリアルタイムの情報」として、例えば、SNS(Social Networking Service)で発信された情報、Webにアップロードされたメディア(テレビ番組、ラジオ番組等)の情報、天気情報(例えば、店舗3がある地域の現在の天気、1時間後の天気、週末の天気の情報)等が挙げられる。オペレータは、例えば、情報処理装置10を操作して、クラウドコンピューティング2から収集する情報の種類を設定することができる。
【0046】
このように、ステップS101において、情報処理装置10は、リアルタイムの情報を収集する情報収集部100Aとして動作する。
【0047】
情報処理装置10は、ステップS101で収集されたリアルタイムの情報を機械学習モデルに基づいてリアルタイムに解析する(ステップS102)。
【0048】
具体的には、情報処理装置10は、ステップS101で収集されたリアルタイムの情報を機械学習モデルに入力して、世間の動向を機械学習モデルに解析させる。「世間の動向」とは、例えば、世間でいま流行している商品の情報や、直近のメディアで紹介された注目商品の情報、これらの商品に関連する各種情報、SNSのトレンド情報、天気に応じた客の行動パターン等である。
【0049】
このように、ステップS102において、情報処理装置10は、ステップS101で収集されたリアルタイムの情報を、機械学習モデルに基づいてリアルタイムに解析する、情報解析部100Bとして動作する。附言するに、情報解析部100Bとして動作する情報処理装置10は、ステップS101で収集されたリアルタイムの情報を用いて世間の動向を解析する。
【0050】
情報処理装置10は、ステップS102の解析結果に基づいてイベントをリアルタイムに発生させる(ステップS103)。
【0051】
例えば、世間でいま流行している商品の情報や、直近のメディアで紹介された注目商品の情報、これらの商品に関連する各種情報、SNSのトレンド情報が、ステップS102の解析結果として得られた場合を考える。この場合、情報処理装置10は、この解析結果に応じた商品のクーポンを発行する。
【0052】
「解析結果に応じた商品」は、例えば、メディアで紹介された商品そのものであってもよく、また、その商品の類似品や関連品であってもよい。便宜上、これらの商品は、「流行商品」、「注目商品」と記される。「クーポン」は、例えば割引券、商品引換券、金券等であり、バウチャと呼ばれることもある。
【0053】
流行商品や注目商品は、客による購入が予想される商品ともいえる。すなわち、別の側面では、情報解析部100Bとして動作する情報処理装置10は、ステップS101で収集されたリアルタイムの情報から、客による購入が予想される商品を解析する。
【0054】
例えば店舗3の運営者が管理するWebサイトで専用アプリが配信される。デバイスU1~U3には、Webサイトからダウンロードされた専用アプリがインストールされている。
【0055】
専用アプリは、情報処理装置10により発行されたクーポンを例えば公衆回線を介してダウンロードする。すなわち、デバイスU1~U3を所持する客は、情報処理装置10により発行されたクーポンを、専用アプリを通じて入手することができる。クーポンは、例えば、対象商品、割引率、有効期限等の情報を含むバーコードよりなる。
【0056】
専用アプリの通知(例えばクーポンの発行通知)をオンに設定することにより、客は、クーポンを入手したことを適時に知ることができる。
【0057】
なお、専用アプリをデバイスにインストールしていない客は、例えば店舗3の運営者が管理するWebサイトに直接アクセスして、クーポンをダウンロードすることができる。
【0058】
客は、クーポンを会計時に提示することにより、例えば流行商品や注目商品を割引価格で購入することができる。
【0059】
このようなクーポンを適時に発行することにより、客の購買意欲を促進させることができる。客の購買意欲の促進は、店舗3の売上向上につながる。
【0060】
来店客だけでなく、店舗3に来店していない客も、専用アプリやWebサイトを通じてクーポンを入手することができる。クーポンを適時に発行することにより、店舗3に来店していない客を店舗3に呼び込むことができる。より多くの客を来店させることは、店舗3の売上向上につながる。
【0061】
クーポンに代えて又は加えて、ステップS102のリアルタイムに発生した解析結果に応じた商品の情報がスピーカS1~SbやディスプレイD1~Ddによって出力されてもよい。客は、例えば、スピーカS1~Sbから発せられる流行商品や注目商品の説明を聞くことができ、また、ディスプレイD1~Ddに表示される流行商品や注目商品の映像を視聴することができる。このような音声を聞いたり映像を視聴したりした客が商品に興味を持ち、購買意欲が促進されることがある。
【0062】
スピーカS1~SbやディスプレイD1~Ddによって出力される情報は、流行商品や注目商品のタイムセール等の情報であってもよい。
【0063】
ステップS102の解析結果に応じたクーポンの発行は、客の購買意欲を促進させるためのイベントの発生の一例である。ステップS102の解析結果に応じた商品の情報の出力(音声出力や映像出力)も、客の購買意欲を促進させるためのイベントの発生の一例である。
【0064】
すなわち、ステップS103において、情報処理装置10は、ステップS102の解析結果に基づいて客の購買意欲を促進させるためのイベントをリアルタイムに発生させるイベント発生部100Cとして動作する。附言するに、イベント発生部100Cとして動作する情報処理装置10は、世間の動向に応じた商品のクーポンと商品の情報の少なくとも一方を客に提供する。
【0065】
例えば、店舗3がある地域で1時間後に雨が降ると予報された場合の客の行動パターンが、ステップS102の解析結果として得られた場合を考える。この場合、もうすぐ(ここでは1時間後に)雨が降ることから、客足が遠のく。そこで、情報処理装置10は、客を来店させるためのお天気クーポンを発行する。
【0066】
例示的には、情報処理装置10は、客が1時間以内に店舗3に来店した場合に利用できるお天気クーポンを発行する。客が所持するデバイスにインストールされた専用アプリは、例えば、デバイスのGPS(Global Positioning System)モジュールから位置情報を取得することにより、客が店舗3に来店したか否かを検知することができる。専用アプリは、お天気クーポンの発行から1時間以内に客が来店したことを検知すると、お天気クーポンを利用可能なステータスに設定する。
【0067】
このようなクーポンを適時に(例えば近いうちに雨が降るタイミングで)発行することにより、雨等の、客足が遠のく状況が生じても、客を店舗3に呼び込むことができ、また、客の購買意欲を促進させることができる。これにより、店舗3の売上向上につなげることができる。
【0068】
このように、イベント発生部100Cとして動作する情報処理装置10は、ステップS101で収集された天気情報に応じて、客が所定時間内に店舗3に来店した場合に利用できるクーポンを客に発行する。
【0069】
また、例えば、気温が上がるとTシャツが売れやすくなり、雨が降ると傘が売れやすくなる。そこで、情報処理装置10は、天気情報に基づいて、売れ行きが上がりやすい商品を解析し、解析された商品のクーポンを発行してもよい。
【0070】
図5は、補助記憶装置113に記憶されたデータ113Bの一例を示す。
図5に示されるように、データ113Bは、例えば、消費者ID、各種フラグ、購入アドバイス等の情報を含む。
【0071】
消費者IDは、例えば情報処理装置10又はクラウドコンピューティング2が発行するIDであり、専用アプリがインストールされた個々のデバイス(言い換えると、デバイスの所有者である客)を示す識別子である。
【0072】
一例として、専用アプリがデバイスU1にインストールされて所定の登録操作(例えば店舗3をお気に入り店舗に登録する操作等)が行われると、情報処理装置10は、デバイスU1にインストールされた専用アプリに対してユニークな消費者IDを発行するとともに、発行した消費者IDを含むデータ113Bを作成して、補助記憶装置113に保存する。
【0073】
例えばお天気クーポンが発行されてから1時間以内に客が店舗3に来店すると、専用アプリは、客が店舗3に来店したことを情報処理装置10に通知する。通知には、専用アプリに割り当てられた消費者IDが含まれる。この通知を受けた情報処理装置10は、対応する消費者IDの天気フラグをオフからオンに切り替える。これにより、店舗3に来店した客のデバイスの専用アプリ上で、お天気クーポンが利用可能なステータスに遷移する。お天気クーポンが会計時に提示又は決済が確認されると、例えば店舗3が付与するポイント数がアップする。
【0074】
なお、データ113Bのデータ構造はあくまで一例である。データ113Bは、フラグを含まない他のフォーマットで構成されてもよい。また、フラグのオンオフが切り替わる上記のタイミングも一例に過ぎない。例えば、天気フラグは、お天気クーポンの発行時にオフからオンに切り替わってもよい。
【0075】
客が流行商品を手に取ったり買物カゴに入れたりすると、情報処理装置10は、客のデバイス(言い換えると、専用アプリ)に対応する消費者IDのトレンド購入フラグをオフからオンに切り替える。これにより、専用アプリ上で流行商品クーポンが利用可能なステータスに遷移する。客は、流行商品クーポンを会計時に提示することにより、例えば流行商品を割引価格で購入することができる。
【0076】
なお、情報処理装置10は、カメラの映像から、客に対応する消費者IDを把握することができる。例示的には、情報処理装置10は、専用アプリから客の来店通知を受け取ると、その時点の来店客の画像をカメラから取得し、取得された客の画像(便宜上「参照画像」と記す。)と、専用アプリからの通知に含まれる消費者IDと、を関連付けて、例えばプロセッサ111のメモリに一時的に保持する。なお、情報処理装置10は、事前に登録された顧客の顔情報(この顔情報は予め消費者IDと関連付けられているものとする。)と参照画像とをマッチングし、マッチング結果に基づいて参照画像の客と消費者IDとを関連付けてもよい。
【0077】
例えば流行商品を手に取った客がカメラにより撮影されると、情報処理装置10は、この客の画像とメモリに保持された各参照画像とをマッチングする。情報処理装置10は、相関値が最も高い参照画像(すなわち、同一人物と推定される客の画像)と関連付けられた消費者IDのトレンド購入フラグをオフからオンに切り替える。これにより、専用アプリ上で流行商品クーポンが利用可能なステータスに遷移する。
【0078】
図6は、専用アプリを実行中のデバイスU1の画面例を示す。例えばお天気クーポンの発行通知を見た客が専用アプリを起動させると、
図6に示されるように、お天気クーポンが専用アプリ上で表示される。客は、現在利用可能なクーポンやお得な商品情報の一覧を専用アプリ上で確認することができる。
【0079】
《実施例2》
図7は、本発明の実施例2において情報処理装置10により実行されるイベント発生処理を示すフローチャートである。
【0080】
情報処理装置10は、店舗3に設置されたセンサを用いて店舗3内のリアルタイムの情報を収集する(ステップS201)。具体的には、情報処理装置10は、マイクM1~Maにより収音された店舗3内の音を収集する。
【0081】
情報処理装置10は、ステップS201で収集された店舗3内の音を機械学習モデルに基づいてリアルタイムに解析する(ステップS202)。
【0082】
客は、例えば商品棚の前で商品について呟いたり家族や友人と話したりする。一例として、客は「○○も買おうかな」と呟いたり、同伴の子どもが「○○を買ってよ」と話したりする。情報処理装置10は、ステップS101で収集された店舗3内の音を機械学習モデルに入力して客の声の内容を推測し、推測された声の内容から、客による購入が予想される商品を解析する。
【0083】
情報処理装置10は、ステップS202の解析結果に基づいてイベントをリアルタイムに発生させる(ステップS203)。
【0084】
客による購入が予想される商品として「焼きそば」がステップS202の解析結果として得られた場合を考える。この場合、情報処理装置10は、「焼きそば」に関するクーポンを発行する。例示的には、情報処理装置10は、焼きそばの麺、具材(豚肉、キャベツ等)のクーポンを発行する。
【0085】
このようなクーポンを適時に(例えば「客が焼きそばを食べたい」等の会話を発したタイミングで)発行することにより、客の購買意欲を促進させることができる。これにより、店舗3の売上向上につなげることができる。
【0086】
情報処理装置10は、ステップS202の解析結果に応じた商品の情報をスピーカS1~SbやディスプレイD1~Ddから出力させてもよい。このとき、情報処理装置10は、客に最も近いスピーカを客に向けてパン及びチルトさせたうえで、このスピーカから商品の情報を出力させてもよい。また、情報処理装置10は、客に最も近いディスプレイの画面が客に向くようにパン及びチルトさせたうえで、このディスプレイに商品の情報を表示させてもよい。
【0087】
例示的には、情報処理装置10は、焼きそばの麺、具材(豚肉、キャベツ等)の陳列場所、タイムセール情報等を、客に、スピーカS1~SbやディスプレイD1~Ddを用いて、リアルタイムで、聴覚的又は視覚的に伝えることができる。このような情報を客に適時に(例えば「客が焼きそばを食べたい」等の会話を発したタイミングで)伝えることにより、客の購買意欲を促進させることができる。これにより、店舗3の売上向上につなげることができる。
【0088】
例えば客が焼きそばの麺、具材を買物カゴに入れると、情報処理装置10は、客のデバイス(言い換えると、専用アプリ)に対応する消費者IDの音声ガイド購入フラグをオフからオンに切り替える。これにより、専用アプリ上で焼きそば用クーポンが利用可能なステータスに遷移する。客は、焼きそば用クーポンを会計時に提示することにより、例えば焼きそばの麺、具材を割引価格で購入することができる。
【0089】
《実施例3》
図8は、本発明の実施例3において情報処理装置10により実行されるイベント発生処理を示すフローチャートである。
【0090】
情報処理装置10は、店舗3に設置されたセンサを用いて店舗3内のリアルタイムの情報を収集する(ステップS301)。具体的には、情報処理装置10は、カメラC1~Ccにより撮影された店舗3内の映像を収集する。
【0091】
情報処理装置10は、ステップS301で収集された店舗3内の映像を機械学習モデルに基づいてリアルタイムに解析する。具体的には、情報処理装置10は、店舗3内の映像から、客による購入が予想される商品を解析する(ステップS302)。
【0092】
機械学習モデルでは、商品の購入傾向が学習されている。そのため、情報処理装置10は、ステップS301で収集された映像から、リアルタイムで、客が手に取った商品や買物カゴに入れた商品を認識し、認識した商品から、この客による購入が予想される商品を解析する。
【0093】
なお、情報処理装置10は、ステップS301で収集された映像から、商品そのものだけでなく商品の量も認識し、リアルタイムで、客による購入が予想される商品の量を解析してもよい。解析処理には、カメラで得られる他の情報(例えば客の年齢、性別、服装、買物の時間帯、子連れか否か等)が用いられてもよい。
【0094】
情報処理装置10は、ステップS302の解析結果に基づいてイベントをリアルタイムに発生させる(ステップS303)。
【0095】
例えば客が牛肉、白菜、ネギを買物カゴに入れた場合を考える。この場合、ステップS302において、情報処理装置10は、この客がすき焼きの材料を購入するものと推測し、解析結果(すなわち、この客による購入が予想される商品、別の側面では、客に対して購入を勧める商品)として、しらたき、すき焼きのたれ、豆腐を得る。この解析結果は、例えば、購入アドバイス情報として、対応する消費者IDのデータ113Bに登録される。
【0096】
ステップS303において、情報処理装置10は、データ113Bに登録された購入アドバイス情報に基づいて、しらたき、すき焼きのたれ、豆腐に関するクーポンを発行する。情報処理装置10は、例えば、しらたき、すき焼きのたれ、豆腐を全て購入した場合に食材が5%引きになる食材クーポンを発行する。このような食材クーポンは、すき焼きを作るための材料として何が足りないかを客にアドバイスする側面を持つ。
【0097】
買物カゴに入れられた牛肉、白菜、ネギが4人分であれば、情報処理装置10は、しらたき、すき焼きのたれ、豆腐がどの程度必要かを、客のデバイスの専用アプリ上で表示させてもよく、また、スピーカやディスプレイを通じて客に伝えてもよい。
【0098】
このように、実施例3において、情報解析部100Bとして動作する情報処理装置10は、カメラの映像から、客が購入の意思を示した商品(例えば牛肉)を特定し、特定された商品に基づいて、客による購入が予想される商品(例えばしらたき)を解析する。イベント発生部100Cとして動作する情報処理装置10は、解析結果で得られた商品のクーポンや商品の情報を客に提供する。
【0099】
実施例3においても、クーポンや商品の情報(アドバイス等)を客に提供することにより、客の購買意欲を促進させることができる。これにより、店舗3の売上向上につなげることができる。
【0100】
《実施例4》
図9は、本発明の実施例4において情報処理装置10により実行されるイベント発生処理を示すフローチャートである。
【0101】
情報処理装置10は、店舗3に設置されたセンサを用いて店舗3内のリアルタイムの情報を収集する(ステップS401)。具体的には、情報処理装置10は、カメラC1~Ccにより撮影された店舗3内の映像を収集する。
【0102】
情報処理装置10は、ステップS401で収集された店舗3内の映像を機械学習モデルに基づいてリアルタイムに解析する。具体的には、情報処理装置10は、店舗3内の映像から、客の行動(例えばどの商品を手に取ったか等)をリアルタイムに解析して、客が購入する商品をリアルタイムに予測(言い換えると、店舗3でいま売れる商品を予測)する(ステップS402)。
【0103】
情報処理装置10は、ステップS402の解析結果に基づいてイベントをリアルタイムに発生させる(ステップS403)。
【0104】
具体的には、情報処理装置10は、店舗3でいま売れると予測される商品のクーポンをリアルタイムに発行する。例えばキャンプ用品を手に取る客が多い場合、情報処理装置10は、店舗3内の全ての客又はキャンプ用品売場付近の客に対して、キャンプ用品用のクーポンをリアルタイムに発行する。
【0105】
このように、実施例4において、情報解析部100Bとして動作する情報処理装置10は、カメラで撮影された客の行動から、客による購入が予想される商品をリアルタイムに解析する。イベント発生部100Cとして動作する情報処理装置10は、解析結果で得られた商品のクーポンや商品の情報を客にリアルタイムに提供する。
【0106】
実施例4においても、クーポンや商品の情報(アドバイス等)を客に提供することにより、客の購買意欲を促進させることができる。これにより、店舗3の売上向上につなげることができる。
【0107】
《実施例5》
図10は、本発明の実施例5において情報処理装置10により実行されるイベント発生処理を示すフローチャートである。
【0108】
情報処理装置10は、店舗3に設置されたセンサを用いて店舗3内のリアルタイムの情報を収集する(ステップS501)。具体的には、情報処理装置10は、カメラC1~Ccにより撮影された店舗3内の映像を収集する。
【0109】
情報処理装置10は、ステップS501で収集された店舗3内の映像を機械学習モデルに基づいてリアルタイムに解析する。具体的には、情報処理装置10は、店舗3内の映像から、客の動線(例えばどのような客が売場内をどのように動いたか等)をリアルタイムに解析して、客が購入する商品をリアルタイムに予測(言い換えると、店舗3でいま売れる商品を予測)する(ステップS502)。
【0110】
より詳細な例示として、情報処理装置10は、店舗3内の映像から、動線の統計情報をリアルタイムに解析し、店舗3内における客の分布を示すヒートマップを取得する。情報処理装置10は、ヒートマップ上で濃度が濃い売場の商品を現時点の売れ筋商品として検知する。
【0111】
情報処理装置10は、ステップS502の解析結果に基づいてイベントをリアルタイムに発生させる(ステップS503)。具体的には、他の商品棚を回遊する客を売れ筋商品の売場に誘導するため、情報処理装置10は、他の商品棚を回遊する客に対して売れ筋商品用のクーポンをリアルタイムに発行する。
【0112】
このように、実施例5において、情報解析部100Bとして動作する情報処理装置10は、カメラで撮影された客の動線から、客による購入が予想される商品をリアルタイムに解析する。イベント発生部100Cとして動作する情報処理装置10は、解析結果で得られた商品のクーポンや商品の情報を客にリアルタイムに提供する。
【0113】
実施例5においても、クーポンや商品の情報(アドバイス等)を客に提供することにより、客の購買意欲を促進させることができる。これにより、店舗3の売上向上につなげることができる。
【0114】
《実施例6》
図11は、本発明の実施例6において情報処理装置10により実行されるイベント発生処理を示すフローチャートである。
【0115】
例えば、店舗3には、駅に近い出入口、駐車場に近い出入口、道路に面している出入口など、複数の出入口がある。このような出入口が複数ある店舗3では、混雑する時間帯に統計的有意性があることが多い。例えば、平日昼間に出入りする客が多い出入口、休日に出入りする客が多い出入口、帰宅ラッシュの時間帯に出入りする客が多い出入口がそれぞれ異なる。そこで、例えば、機械学習モデルでは、各出入口から入店した客の行動の傾向が分析されて学習されている。
【0116】
情報処理装置10は、店舗3に設置されたセンサを用いて店舗3内のリアルタイムの情報を収集する(ステップS601)。具体的には、情報処理装置10は、カメラC1~Ccにより撮影された店舗3内の映像を収集する。
【0117】
情報処理装置10は、ステップS601で収集された店舗3内の映像を機械学習モデルに基づいてリアルタイムに解析する。情報処理装置10は、例えば駅に近い出入口を利用する客が多い場合、そのような客の動線を機械学習モデルに基づいて推測する(ステップS602)。
【0118】
情報処理装置10は、解析結果として得られる客の動線に例えば売れ筋商品や店舗3が売りたい商品を配置するようなアドバイス情報を、デバイスE1やデバイスE2に送信する(ステップS603)。デバイスE1やデバイスE2に送信されたアドバイス情報を見た経営者や店員は、例えばこのアドバイス情報に従って商品配置を行う。
【0119】
このような商品配置を行うことにより、客の購買意欲を促進させることができ、また、店舗3の売上向上につなげることができる。
【0120】
このように、実施例6において、情報処理装置10は、情報解析部100Bによる解析結果に基づいて店舗3の売上向上を支援する情報を店舗3の経営者又は従業員に提供する支援情報提供部100Dとして動作する。
【0121】
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。
【0122】
例えば、クーポンが発行されてから所定時間内にクーポン対象商品が買い物カゴに入れられると、店舗3が付与するポイント数がアップしたり、クーポンの割引率がアップしたりしてもよい。
【0123】
また、発行された全てのクーポンが利用されると、特別なクーポンが発行されてもよい。特別なクーポンは、例えば、従前のクーポンと比べて、店舗3が付与するポイント数をアップさせるものであってもよく、また、クーポンの割引率をアップさせるものであってもよい。
【0124】
例えば商店街やショッピングモールにおいて客が特定の2店舗以上に入店すると、それらの店舗で利用可能なクーポンが発行されてもよい。客が特定の2店舗以上に入店したか否かは、例えば商店街やショッピングモールに設置されたカメラの映像から検知することができる。
【0125】
クーポンを発行したことによって売上げが増加する商品や売上げが変わらない商品がある。機械学習モデルでは、クーポンの発行に応じた売上の変化が学習される。
【0126】
情報処理装置10は、機械学習モデルに基づいて、例えばクーポンを発行したことによって売上増加が見込まれる商品についてクーポンを追加発行してもよい。
【0127】
クーポンの発行に代えて又は加えて、例えば会計時にカプセル式おもちゃ用コインが客に提供されてもよい。子供がコインを用いてカプセル式おもちゃを入手できるため、店舗3に子連れの客を呼び込むことができ、店舗3の売上向上につながる。
【0128】
上記の実施形態では、店舗3内に設置されたカメラの映像から客の動線等が検知されるが、本発明の構成はこれに限らない。別の実施形態では、例えばカートにカメラが設置される。この実施形態では、カートに設置されたカメラの映像から客の動線等が検知される。客とともに移動するカードに設置されたカメラを用いるため、客を見失うことなく、より確実に客の動線等を検知することができる。
【符号の説明】
【0129】
1 :情報処理システム
2 :クラウドコンピューティング
10 :情報処理装置
100A :情報収集部
100B :情報解析部
100C :イベント発生部
100D :支援情報提供部
111 :プロセッサ
112 :メモリ
113 :補助記憶装置
113A :情報処理プログラム
114 :通信インタフェース
115 :入力装置
116 :出力装置