(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010313
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】緩衝材
(51)【国際特許分類】
B65D 81/113 20060101AFI20240117BHJP
D04H 1/732 20120101ALI20240117BHJP
【FI】
B65D81/113 Z
D04H1/732
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111578
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】大田 司
【テーマコード(参考)】
3E066
4L047
【Fターム(参考)】
3E066AA21
3E066CA08
3E066CA09
3E066CB03
3E066FA12
3E066HA01
3E066JA01
3E066LA21
3E066MA01
4L047AA08
4L047BA12
(57)【要約】
【課題】被支持物が凸部を有する形状であっても、衝撃を緩衝することができる緩衝材を提供する。
【解決手段】基部と前記基部から突出する凸部とを有する被支持物を支持する第1繊維構造体および第2繊維構造体と、前記第1繊維構造体と前記第2繊維構造体とを接続する第3繊維構造体と、を含み、前記第1繊維構造体は、前記基部を支持する第1面と、前記第1面に接続され、前記凸部と対向する第2面と、を有し、前記第2繊維構造体は、前記基部を支持する第3面と、前記第3面に接続され、前記凸部と対向する第4面と、を有し、前記第3繊維構造体は、前記凸部と対向する第5面を有し、前記第1繊維構造体の繊維は、前記第2面と平行な方向に配向し、前記第2繊維構造体の繊維は、前記第4面と平行な方向に配向し、前記第3繊維構造体の繊維は、前記第5面と平行な方向に配向している、緩衝材。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と前記基部から突出する凸部とを有する被支持物を支持する第1繊維構造体および第2繊維構造体と、
前記第1繊維構造体と前記第2繊維構造体とを接続する第3繊維構造体と、
を含み、
前記凸部は、前記第1繊維構造体と前記第2繊維構造体の間であって、前記第3繊維構造体の上方に位置し、
前記第1繊維構造体は、
前記基部を支持する第1面と、
前記第1面に接続され、前記凸部と対向する第2面と、
を有し、
前記第2繊維構造体は、
前記基部を支持する第3面と、
前記第3面に接続され、前記凸部と対向する第4面と、
を有し、
前記第3繊維構造体は、前記凸部と対向する第5面を有し、
前記第1繊維構造体の繊維は、前記第2面と平行な方向に配向し、
前記第2繊維構造体の繊維は、前記第4面と平行な方向に配向し、
前記第3繊維構造体の繊維は、前記第5面と平行な方向に配向している、緩衝材。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1繊維構造体と前記第2繊維構造体とを接続し、前記第3繊維構造体の下方に設けられた第4繊維構造体を含み、
前記第4繊維構造体は、前記第3繊維構造体と対向する第6面を有し、
前記第4繊維構造体の繊維は、前記第6面と平行な方向に配向している、緩衝材。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記被支持物を支持する第5繊維構造体を含み、
前記第5繊維構造体は、
前記基部を支持する第7面と、
前記第7面に接続され、前記第1繊維構造体と対向する第8面と、
を有し、
前記第5繊維構造体の繊維は、前記第8面と平行な方向に配向している、緩衝材。
【請求項4】
請求項1または2において、
前記第2面および前記第4面は、前記凸部と接する、緩衝材。
【請求項5】
請求項4において、
前記第5面は、前記凸部と接する、緩衝材。
【請求項6】
請求項1または2において、
前記第1繊維構造体の形状、前記第2繊維構造体の形状、および前記第3繊維構造体の形状は、シート状である、緩衝材。
【請求項7】
請求項1または2において、
前記被支持物、前記第1繊維構造体、前記第2繊維構造体、および前記第3繊維構造体は、筐体に収容され、
前記第1繊維構造体、前記第2繊維構造体、および前記第3繊維構造体は、前記被支持物と前記筐体の底との間に設けられる、緩衝材。
【請求項8】
請求項7において、
前記第1繊維構造体および前記第2繊維構造体は、前記被支持物と接した状態で、前記筐体に収容される、緩衝材。
【請求項9】
請求項1または2において、
前記第1繊維構造体、前記第2繊維構造体、および前記第3繊維構造体は、繊維同士を結着させる結着材を含む、緩衝材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緩衝材に関する。
【背景技術】
【0002】
筐体などに収容されて、被支持物を支持する緩衝材が知られている。繊維を用いた緩衝材は、発砲スチロール製の緩衝材に比べて、環境負荷が軽いという利点がある。
【0003】
例えば特許文献1には、セルロース繊維と、複数のセルロース繊維を互いに結着させる架橋材料と、を含む繊維構造体において、繊維配向方向が、外力や衝撃が加わる方向と平行、あるいは平行に近い場合に、発砲スチロール製の容器のように優れた緩衝機能を実現できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
被支持物が凸部を有する形状であっても、衝撃を緩衝することができる緩衝材が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る緩衝材の一態様は、
基部と前記基部から突出する凸部とを有する被支持物を支持する第1繊維構造体および第2繊維構造体と、
前記第1繊維構造体と前記第2繊維構造体とを接続する第3繊維構造体と、
を含み、
前記凸部は、前記第1繊維構造体と前記第2繊維構造体の間であって、前記第3繊維構造体の上方に位置し、
前記第1繊維構造体は、
前記基部を支持する第1面と、
前記第1面に接続され、前記凸部と対向する第2面と、
を有し、
前記第2繊維構造体は、
前記基部を支持する第3面と、
前記第3面に接続され、前記凸部と対向する第4面と、
を有し、
前記第3繊維構造体は、前記凸部と対向する第5面を有し、
前記第1繊維構造体の繊維は、前記第2面と平行な方向に配向し、
前記第2繊維構造体の繊維は、前記第4面と平行な方向に配向し、
前記第3繊維構造体の繊維は、前記第5面と平行な方向に配向している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係る緩衝材を模式的に示す断面図。
【
図2】本実施形態に係る緩衝材を模式的に示す断面図。
【
図3】本実施形態に係る緩衝材の繊維構造体を模式的に示す斜視図。
【
図5】本実施形態の変形例に係る緩衝材を模式的に示す断面図。
【
図6】本実施形態の変形例に係る緩衝材を模式的に示す断面図。
【
図7】本実施形態に係る緩衝材を製造するシート製造装置を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0009】
1. 緩衝材
1.1. 構成
まず、本実施形態に係る緩衝材について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る緩衝材100を模式的に示す断面図である。
図2は、本実施形態に係る緩衝材100を模式的に示す
図1の拡大図である。なお、
図1および
図2では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を示している。X軸方向およびY軸方向は、例えば、水平方向である。Z軸方向は、例えば、鉛直方向である。
【0010】
緩衝材100は、
図1に示すように、被支持物2を支持する。被支持物2は、任意の製品であり、特に限定されない。被支持物2は、基部4と、基部4から突出する凸部6と、を有している。図示の例では、基部4および凸部6の形状は、直方体である。凸部6は、基部4から-Z軸方向に突出している。緩衝材100は、凸部6の数に対応して、設けられている。すなわち、緩衝材100の数と、凸部6の数とは、同じである。図示の例では、緩衝材100は、2つ設けられている。凸部6は、2つ設けられている。
【0011】
緩衝材100および被支持物2は、筐体8に収容される。緩衝材100は、接着剤によって筐体8の底8aに接着されていてもよい。緩衝材100は、底8aと被支持物2との間に設けられている。筐体8の形状は、例えば、直方体である。筐体8は、特に限定されないが、例えば、段ボールで構成されている。
【0012】
緩衝材100は、筐体8に衝撃が加わった場合に、衝撃を緩和することができる。これにより、衝撃が被支持物2に伝わることを抑制することができる。なお、図示はしないが、筐体8の側壁8b,8cと被支持物2との間に緩衝材が設けられていてもよい。また、筐体8の天井8dと被支持物2との間に緩衝材が設けられていてもよい。天井8dは、底8aと対向する部分である。被支持物2は、筐体8と離隔していてもよい。
【0013】
緩衝材100は、
図1および
図2に示すように、複数の繊維構造体10を有している。図示の例では、緩衝材100は、複数の繊維構造体10で構成されている。ここで、
図3は、繊維構造体10を模式的に示す斜視図である。
【0014】
繊維構造体10の形状は、
図3に示すように、厚さ方向が、厚さ方向と直交する方向に対して小さいシート状である。図示の例では、繊維構造体10の形状は、直方体である。繊維構造体10は、第1主面11と、第2主面12と、を有している。第1主面11および第2主面12は、例えば、互いに平行である。主面11,12は、平坦な面である。主面11,12の面積は、互いに同じである。主面11,12は、繊維構造体10が有する面のうち最も大きな面積を有している。
【0015】
繊維構造体10は、さらに、第1接続面13と、第2接続面14と、第3接続面15と、第4接続面16と、を有している。接続面13,14,15,16は、第1主面11と第2主面12とを接続している。接続面13,14,15,16の面積は、主面11,12の面積よりも小さい。接続面13,14,15,16は、第1主面11に接続されている。図示の例では、接続面13,14,15,16は、第1主面11と直交している。接続面13,14,15,16は、平坦な面である。接続面13,14は、例えば、互いに平行である。第1接続面13と第2接続面14と間の距離は、例えば、30mm以上40mm以下であり、好ましくは35mmである。接続面15,16は、例えば、互いに平行である。
【0016】
繊維構造体10は、
図3に示すように、例えば、ウェブ体20と、第1不織布30と、第2不織布32と、を有している。
【0017】
ウェブ体20の密度は、例えば、0.13g/cm
3以上0.16g/cm
3以下であり、好ましくは0.15g/cm
3である。ウェブ体20の坪量は、例えば、1300g/m
2以上1600g/m
2以下であり、好ましくは1500g/m
2である。ウェブ体20の厚さは、2mm以上12mm以下であり、好ましくは10mmである。
図3に示す例では、ウェブ体20の厚さは、ウェブ体20のX軸方向の長さである。
【0018】
ウェブ体20は、複数の繊維と、繊維同士を結着させる結着材と、を含む。ウェブ体20に含まれる繊維と結着材との質量比は、例えば、繊維:結着材=90:10~70:30であり、好ましくは繊維:結着材=80:20である。
【0019】
ウェブ体20に含まれる繊維は、セルロース繊維である。セルロース繊維としては、例えば、PPC(Plain Paper Copier)用紙、段ボールなどから得られる天然セルロース繊維である。セルロース繊維は、各種の表面処理が施されていてもよい。
【0020】
ウェブ体20に含まれる繊維の繊維長は、例えば、0.1mm以上100mm以下である。ウェブ体20に含まれる繊維の繊維径は、例えば、0.1μm以上1mm以下である。繊維長および繊維径は、例えば、ファイバーテスターで測定し、長さ加重平均値を算出することにより、求めることができる。
【0021】
ウェブ体20に含まれる繊維は、第1主面11と平行な方向に配向している。「繊維は、第1主面11と平行な方向に配向している」とは、デジタルマイクロスコープを用いて倍率200以上500以下の条件で、第1主面11と直交する面を観察した場合に、任意の繊維50本を選び、
図3に示すように、繊維Fの一端E1と他端E2とを結ぶ仮想直線Lを引き、第1主面11と直交する面において、第1主面11に対する仮想直線Lの傾斜角θが45°未満である繊維Fが、30本以上である場合をいう。図示の例では、第3接続面15を観察した場合に、第1主面11に対する仮想直線Lの傾斜角θが45°未満である繊維Fが、30本以上であることをいう。
図4は、キーエンス社製のデジタルマイクロスコープ「VHX5000」を用いて、セルロース繊維を撮影した写真である。
【0022】
ウェブ体20に含まれる結着材は、樹脂である。結着材は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる芯部と、芯部を覆うポリエチレン(PE)からなる被覆部と、を有している。
【0023】
ウェブ体20は、さらに、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、着色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集抑制剤、抗菌剤、防カビ剤、ワックス、離型剤などが挙げられる。
【0024】
第1不織布30と第2不織布32とは、ウェブ体20を挟んでいる。ウェブ体20は、第1不織布30と第2不織布32との間に設けられている。図示の例では、第1主面11は、第1不織布30で構成されている。第2主面12は、第2不織布32で構成されている。接続面13,14,15,16は、ウェブ体20および不織布30,32で構成されている。
【0025】
第1不織布30および第2不織布32の坪量は、例えば、10g/m2以上50g/m2以下であり、好ましくは15g/m2以上25g/m2以下である。不織布30,32の厚さは、例えば、10μm以上200μm以下であり、好ましくは100μmである。
【0026】
第1不織布30および第2不織布32は、複数の繊維と、繊維同士を結着させる結着材と、を含む。不織布30,32に含まる繊維は、セルロース繊維である。不織布30,32に含まる結着材は、ウェブ体20に含まれる結着材と種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。不織布30,32は、さらに、ウェブ体20体と同様に、添加剤を含んでいてもよい。
【0027】
図2に示す例では、複数の繊維構造体10として、第1繊維構造体10a、第2繊維構造体10b、第3繊維構造体10c、および第4繊維構造体10dが設けられている。複数の繊維構造体10のうちの第1繊維構造体10aおよび第2繊維構造体10bは、被支持物2を支持している。繊維構造体10a,10bは、互いに離隔している。図示の例では、繊維構造体10a,10bは、X軸方向に並んでいる。第1繊維構造体10aは、第2繊維構造体10bの-X軸方向に設けられている。
【0028】
第1繊維構造体10aおよび第2繊維構造体10bの第1接続面13は、被支持物2の基部4を支持している。繊維構造体10a,10bの第1接続面13は、基部4と接している。繊維構造体10a,10bの第1接続面13は、接着剤によって基部4に接着されていてもよい。繊維構造体10a,10bの第1接続面13が被支持物2から受ける応力は、例えば、0.04kgf/cm2以上0.08kgf/cm2以下であり、好ましくは0.06kgf/cm2である。
【0029】
第1繊維構造体10aおよび第2繊維構造体10bの第2接続面14は、筐体8の底8aと接している。繊維構造体10a,10bの第2接続面14は、接着剤によって底8aに接着されていてもよい。
【0030】
第1繊維構造体10aおよび第2繊維構造体10bの第1主面11は、被支持物2の凸部6と対向している。具体的には、繊維構造体10a,10bの第1主面11は、凸部6の側面と対向している。図示の例では、繊維構造体10a,10bの第1主面11は、凸部6と接している。繊維構造体10a,10bの第1主面11は、接着剤によって凸部6に接着されていてもよい。凸部6は、第1繊維構造体10aの第1主面11と、第2繊維構造体10bの第1主面11と、の間に設けられている。
【0031】
複数の繊維構造体10のうち第3繊維構造体10cおよび第4繊維構造体10dは、第1繊維構造体10aと第2繊維構造体10bとを接続している。第3繊維構造体10cの第1接続面13は、第1繊維構造体10aの第1主面11と接している。第3繊維構造体10cの第2接続面14は、第2繊維構造体10bの第1主面11と接している。
【0032】
第3繊維構造体10cの第1主面11は、凸部6と対向している。具体的には、第3繊維構造体10cの第1主面11は、凸部6の下面と対向している。図示の例では、第3繊維構造体10cの第1主面11は、凸部6と接している。第3繊維構造体10cの第1主面11は、接着剤によって凸部6に接着されていてもよい。凸部6は、第3繊維構造体10cの上方に設けられている。第3繊維構造体10cは、第4繊維構造体10dと凸部6との間に設けられている。繊維構造体10a,10b,10cは、例えば、被支持物2と接した状態で、筐体8に収容される。
【0033】
第4繊維構造体10dは、筐体8の底8aに設けられている。第4繊維構造体10dは、第3繊維構造体10cの下方に設けられている。第4繊維構造体10dは、底8aと第3繊維構造体10cとの間に設けられている。第4繊維構造体10dは、接着剤によって底8aに接着されていてもよい。
【0034】
第4繊維構造体10dの第1接続面13は、第1繊維構造体10aの第1主面11と接している。第4繊維構造体10dの第1接続面13は、例えば、第3繊維構造体10cの第1接続面13と面一である。第4繊維構造体10dの第2接続面14は、第2繊維構造体10bの第1主面11と接している。第4繊維構造体10dの第2接続面14は、例えば、第3繊維構造体10cの第2接続面14と面一である。
【0035】
第4繊維構造体10dの第1主面11は、第3繊維構造体10cと対向している。図示の例では、第4繊維構造体10dの第1主面11は、第3繊維構造体10cの第2主面12と接している。第4繊維構造体10dの第2主面12は、例えば、第1繊維構造体10aの第2接続面14、および第2繊維構造体10bの第2接続面14と、面一である。
【0036】
1.2. 作用効果
緩衝材100では、第1繊維構造体10aは、基部4を支持する第1面としての第1接続面13と、第1面に接続され、凸部6と対向する第2面としての第1主面11と、を有する。第2繊維構造体10bは、基部4を支持する第3面としての第1接続面13と、第3面に接続され、凸部6と対向する第4面としての第1主面11と、を有する。第3繊維構造体10cは、凸部6と対向する第5面としての第1主面11を有する。第1繊維構造体10aの繊維は、第2面と平行な方向に配向している。第2繊維構造体10bの繊維は、第4面と平行な方向に配向している。第3繊維構造体10cの繊維は、第5面と平行な方向に配向している。
【0037】
そのため、緩衝材100では、緩衝材100に衝撃が加わったとしても、第1繊維構造体10aおよび第2繊維構造体10bによって、衝撃が被支持物2に伝わることを抑制することができる。さらに、第3繊維構造体10cによって、第1繊維構造体10aおよび第2繊維構造体10bの水平方向の位置を、凸部6に合わせ易い。したがって、緩衝材100では、被支持物2が凸部6を有する形状であっても、衝撃を緩衝することができる。
【0038】
緩衝材100では、第1繊維構造体10aと第2繊維構造体10bとを接続し、第3繊維構造体10cの下方に設けられた第4繊維構造体10dを含む。第4繊維構造体10dは、第3繊維構造体10cと対向する第6面としての第1主面11を有し、第4繊維構造体10dの繊維は、第6面と平行な方向に配向している。そのため、緩衝材100では、第4繊維構造体10dが設けられていない場合に比べて、衝撃が被支持物2に伝わることを抑制することができる。したがって、衝撃を、より緩衝することができる。
【0039】
緩衝材100では、第1繊維構造体10aの第2面および第2繊維構造体10bの第4面は、凸部6と接する。そのため、緩衝材100では、緩衝材100に対して被支持物2が水平方向にずれる可能性を小さくすることができる。
【0040】
緩衝材100では、第3繊維構造体10cの第5面は、凸部6と接する。そのため、緩衝材100では、第3繊維構造体10cによって、凸部6を傷などから保護することができる。
【0041】
緩衝材100では、第1繊維構造体10aの形状、第2繊維構造体10bの形状、および第3繊維構造体10cの形状は、シート状である。そのため、緩衝材100では、後述するシート製造装置によって、第1繊維構造体10a、第2繊維構造体10b、および第3繊維構造体10cを、製造することができる。
【0042】
緩衝材100では、被支持物2、第1繊維構造体10a、第2繊維構造体10b、および第3繊維構造体10cは、筐体8に収容され、第1繊維構造体10a、第2繊維構造体10b、および第3繊維構造体10cは、被支持物2と筐体8の底8aとの間に設けられる。そのため、緩衝材100では、底8aに加えられた衝撃を緩衝することができる。
【0043】
緩衝材100では、第1繊維構造体10aおよび第2繊維構造体10bは、被支持物2と接した状態で、筐体8に収容される。そのため、例えば被支持物2を筐体8に収容する際に被支持物2が落下したとしても、落下の衝撃を緩衝することができる。
【0044】
緩衝材100では、第1繊維構造体10a、第2繊維構造体10b、および第3繊維構造体10cは、繊維同士を結着させる結着材を含む。そのため、緩衝材100では、第1繊維構造体10aの繊維、第2繊維構造体10bの繊維、および第3繊維構造体10cの繊維を、配向した状態に維持することができる。
【0045】
1.3. 変形例
次に、本実施形態の変形例に係る緩衝材について、図面を参照しながら説明する。
図5は、本実施形態の変形例に係る緩衝材110を模式的に示す断面図である。
図6は、本実施形態の変形例に係る緩衝材110を模式的に示す
図5の拡大図である。
【0046】
以下、本実施形態の変形例に係る緩衝材110において、上述した本実施形態に係る緩衝材100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0047】
上述した緩衝材100では、
図2に示すように、第3繊維構造体10cが設けられていた。これに対し、緩衝材110では、
図5および
図6に示すように、第3繊維構造体10cが設けられていない。第4繊維構造体10dと凸部6との間には、空隙が設けられている。さらに、緩衝材110では、
図6に示すように、第5繊維構造体10eおよび第6繊維構造体10fを含む点において、上述した緩衝材100と異なる。
【0048】
複数の繊維構造体10のうちの第5繊維構造体10eおよび第6繊維構造体10fは、被支持物2を支持している。繊維構造体10e,10fの第1接続面13は、被支持物2の基部4を支持している。図示の例では、繊維構造体10e,10fの第1接続面13は、基部4と接している。繊維構造体10e,10fの第1接続面13は、接着剤によって基部4に接着されていてもよい。繊維構造体10e,10fの第1接続面13が被支持物2から受ける応力は、例えば、0.04kgf/cm2以上0.08kgf/cm2以下であり、好ましくは0.06kgf/cm2である。
【0049】
第5繊維構造体10eの第1接続面13は、例えば、第1繊維構造体10aの第1接続面13と面一である。第6繊維構造体10fの第1接続面13は、例えば、第2繊維構造体10bの第1接続面13と面一である。
【0050】
第5繊維構造体10eおよび第6繊維構造体10fの第2接続面14は、筐体8の底8aと接している。繊維構造体10e,10fの第2接続面14は、接着剤によって底8aに接着されていてもよい。
【0051】
第5繊維構造体10eの第2接続面14は、例えば、第1繊維構造体10aの第2接続面14と面一である。第6繊維構造体10fの第2接続面14は、例えば、第2繊維構造体10bの第2接続面14と面一である。
【0052】
第5繊維構造体10eの第1主面11は、第1繊維構造体10aと対向している。図示の例では、第5繊維構造体10eの第1主面11は、第1繊維構造体10aの第2主面12と接している。第6繊維構造体10fの第1主面11は、第2繊維構造体10bと対向している。図示の例では、第6繊維構造体10fの第1主面11は、第2繊維構造体10bの第2主面12と接している。
【0053】
緩衝材110では、被支持物2を支持する第5繊維構造体10eを含む。第5繊維構造体10eは、被支持物2を支持する第7面としての第1接続面13と、第7面に接続され、第1繊維構造体10aと対向する第8面としての第1主面11と、を有し、第5繊維構造体10eの繊維は、第8面と平行な方向に配向している。そのため、緩衝材110では、第5繊維構造体10eによって、衝撃が被支持物2に伝わることを抑制することができる。したがって、衝撃力を、より緩衝することができる。
【0054】
2. 緩衝材の製造方法
次に、本実施形態に係る緩衝材の製造方法について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る緩衝材は、例えば、シート製造装置を用いて製造される。
図7は、本実施形態に係る緩衝材を製造するシート製造装置200を模式的に示す図である。
【0055】
シート製造装置200は、
図7に示すように、上流から下流に向かって、例えば、供給部210と、粗砕部220と、定量供給部230と、解繊部240と、混合部250と、フォーミング部260と、ウェブ搬送部270と、成形部280と、裁断部290と、を含む。シート製造装置200は、シート状の成形体であるシートSを製造する。
【0056】
供給部210は、粗砕部220に原料Cを供給する。供給部210は、自動送り機構を有している。供給部210は、自動送り機構によって、粗砕部220に原料Cを連続的かつ自動的に投入する。原料Cは、セルロース繊維を含む材料である。
【0057】
粗砕部220は、供給部210から供給される原料Cを、大気などの気中で細断する。粗砕部220は、粗砕刃222を有している。粗砕部220は、例えば、シュレッダーやカッターミルなどである。原料Cは、粗砕刃222によって細断されて細片となる。細片の平面形状は、例えば数mm角もしくは不定形である。細片は、定量供給部230に集められる。
【0058】
定量供給部230は、細片を計量してホッパー232へ定量供給する。定量供給部230は、例えば、振動フィーダーである。ホッパー232に供給された細片は、管234を介して解繊部240の導入口242に搬送される。
【0059】
解繊部240は、例えば、導入口242と、排出口244と、ステーター246と、ローター248と、図示しない気流発生機構と、を有している。解繊部240は、原料Cの細片を乾式にて解繊して、繊維を生成する。原料Cの細片は、気流発生機構の気流によって、導入口242を介して解繊部240の内部に導入される。なお、「乾式」とは、液体中で所定の処理を実施せずに、大気などの気中で実施することをいう。
【0060】
ステーター246は、略円筒状の内側面を有している。ローター248は、ステーター246の内側面に沿って回転する。原料Cの細片は、ステーター246とローター248との間に挟まれて、ステーター246とローター248との間に発生するせん断力によって解繊される。
【0061】
解繊部240の解繊により生成された繊維は、繊維長が1.0mm以上であることが好ましい。これによれば、繊維が過度に短くならないため、シートSの機械的強度が向上する。繊維は、解繊部240の排出口244から混合部250へ排出される。混合部250の管251は、解繊部240の内部と、フォーミング部260の内部と、を連通している。繊維は、気流発生機構が発生させる気流によって、解繊部240から管251を介してフォーミング部260へ搬送される。
【0062】
混合部250は、例えば、管251と、ホッパー252,253と、供給管254,255と、バルブ256,257と、を有している。混合部250は、管251の空気中を搬送されてくる繊維に対して、結着材および添加剤を混入させる。これにより混合物が生成される。結着材および添加剤の種類は、上述のとおりである。
【0063】
ホッパー252は、結着材を管251内へ供給する。ホッパー252は、供給管254を介して管251の内部に連通している。バルブ256は、供給管254において、ホッパー252と管251との間に設けられている。バルブ256は、ホッパー252から管251に供給される結着材の重量を調整する。バルブ256により、繊維と結着材との混合比が調整される。結着材は、粉体として供給されてもよく、溶融されて供給されてもよい。
【0064】
ホッパー253は、添加剤を管251内へ供給する。ホッパー253は、供給管255を介して管251の内部に連通している。バルブ257は、供給管255において、ホッパー253と管251との間に設けられている。バルブ257は、ホッパー253から管251に供給される添加剤の重量を調整する。バルブ257により、繊維および結着材に対する添加剤の混合比が調整される。
【0065】
繊維および結着材などは、管251内をフォーミング部260へ搬送されながら混合されて混合物となる。管251における混合物生成の促進、および混合物の搬送性向上のために、管251に気流を発生させるブロアーなどを設けてもよい。混合物は、管251の下流の端とフォーミング部260とを接続する供給部材258を介して、フォーミング部260へ導入される。
【0066】
フォーミング部260は、繊維および結着材などを含む混合物を空気中で堆積させて、ウェブWを生成する。フォーミング部260は、例えば、分散部262と、堆積部268と、を有している。
【0067】
分散部262は、堆積部268の内部に設けられている。分散部262の内部は、供給部材258を介して管251と連通している。堆積部268の下方には、ウェブ搬送部270が設けられている。フォーミング部260は、混合物を供給部材258から分散部262の内部に取り込み、乾式にてウェブ搬送部270のメッシュベルト272上に堆積させる。
【0068】
分散部262は、例えば、回転部材264と、回転部材264を収納するドラム部266と、を有している。図示の例では、回転部材264は、+状の部材である。回転部材264は、図示しない駆動部の駆動により回転する。ドラム部266は、略柱状の部材である。ドラム部266の下方は、例えば、金属メッシュで形成されている。金属メッシュの網目は、混合物に含まれる繊維や結着材などを通過させる。
【0069】
堆積部268は、略箱状の部材である。堆積部268の上面は、供給部材258と接続されている。堆積部268の底面に相当する領域は、開放されている。分散部262は、堆積部268内にあって、メッシュベルト272の上面と対向している。堆積部268は、例えば、樹脂や金属などで構成されている。
【0070】
混合物は、回転する回転部材264や、回転部材264とドラム部266との間を通過することによってほぐされる。混合物中の複数の繊維は、絡み合った状態が解かれて単体に分離されて、ドラム部266の網目を通過する。これにより、分散部262は、混合物に含まれる繊維および結着材などを堆積部268の内部で分散させる。
【0071】
混合物は、分散部262の内部から堆積部268内の空気中に放出されて、重力およびウェブ搬送部270のサクション機構275の吸引力によって、メッシュベルト272上に導かれる。混合物は、メッシュベルト272の上面に、後述する第1基材N1を介して堆積する。堆積部268は、分散された繊維を含む混合物を堆積させてウェブWを形成する。
【0072】
ウェブ搬送部270は、例えば、メッシュベルト272と、張架ローラー273と、サクション機構275と、を有している。
【0073】
メッシュベルト272は、無端ベルトである。図示の例では、メッシュベルト272は、4つの張架ローラー273によって張り架けられる。メッシュベルト272は、サクション機構275による吸引を妨げず、ウェブWを保持できる強度を有している。メッシュベルト272は、例えば、金属や樹脂で構成されている。メッシュベルト272が有するメッシュの穴径は、特に限定されないが、例えば、60μm以上125μm以下である。
【0074】
張架ローラー273は、メッシュベルト272を回転可能に支持している。4つの張架ローラー273の少なくとも1つは、図示しないモーターによって回転駆動される。メッシュベルト272は、張架ローラー273の回転によって、上面が下流に向かって移動する。図示の例では、メッシュベルト272は、時計回りに回動する。メッシュベルト272が回動することによって、第1基材N1およびウェブWが下流へ搬送される。
【0075】
メッシュベルト272の上流側には、基材供給部274が設けられている。基材供給部274は、ロール状の第1基材N1を回転可能に支持している。第1基材N1は、基材供給部274からメッシュベルト272の上面へ連続的に供給される。第1基材N1は、搬送されながら、上面に堆積部268から混合物が降下して堆積される。これにより、第1基材N1の上面にウェブWが連続的に形成される。メッシュベルト272は、第1基材N1と共にウェブWを下流へ搬送する。第1基材N1は、不織布で構成されている。
【0076】
サクション機構275は、分散部262の下方に設けられている。サクション機構275は、メッシュベルト272上への混合物の堆積を促進させる。サクション機構275は、メッシュベルト272および第1基材N1が有する複数の穴を介して、堆積部268内の空気を吸引する。メッシュベルト272および第1基材N1の複数の穴は、空気を通し、混合物に含まれる繊維や結着材などを通し難い。分散部262から堆積部268の内側に放出された混合物は、空気と共に下方に吸引される。サクション機構275としては、ブロアーなどの公知の吸引装置が用いられる。
【0077】
堆積部268内の混合物は、重力に加えてサクション機構275の吸引力によって第1基材N1の上面に堆積してウェブWとなる。ウェブWは、空気を比較的に多く含み、柔らかく膨らんでいる。ウェブWは、メッシュベルト272によって、第1基材N1と共に下流へ搬送される。
【0078】
なお、図示はしないが、メッシュベルト272の上方に加湿器を設けてもよい。加湿器は、ウェブWに水を噴霧して加湿する。これにより、ウェブWに含まれる繊維や結着材などの飛散を抑制することができる。さらに、加湿に用いる水に水溶性の添加剤などを含ませて、加湿と並行して添加剤をウェブWに含侵させてもよい。
【0079】
ウェブ搬送部270の下流には、ダンサーローラー276が配置される。ウェブWは、最も下流側の張架ローラー273から剥離された後、ダンサーローラー276に引き込まれる。ダンサーローラー276は、下流における加工時間を確保する。具体的には、成形部280での成形は、バッチ処理となる。そのため、堆積部268から連続的に搬送されてくるウェブWに対して、ダンサーローラー276を上下に移動させて成形部280に到達する時間を遅延させる。
【0080】
ダンサーローラー276の下流、かつ成形部280の上流には、基材供給部277が設けられている。基材供給部277は、ロール状の第2基材N2を回転可能に支持する。第2基材N2は、基材供給部277からウェブWの上面へ連続的に供給される。これにより、ウェブWは、下方の第1基材N1と、上方の第2基材N2と、に挟まれた状態で成形部280に送り出される。第2基材N2は、不織布で構成されている。
【0081】
成形部280としては、加熱プレス装置を用いる。成形部280は、上基板282と、下基板284と、を有している。成形部280は、第1基材N1、ウェブW、および第2基材N2を連続帳票状のシートSに成形する。上基板282および下基板284は、ウェブWを間に挟んで加圧すると共に、内蔵するヒーターによって加熱する。第1基材N1および第2基材N2は、ウェブWに含まれる繊維が成形部280に付着することを抑制することができる。
【0082】
成形部280によって加圧されることにより、ウェブWに含まれる繊維は、所定の方向に配向する。図示の例では、上基板282および下基板284によってウェブWを、上下方向すなわち鉛直方向から挟み、ウェブWに含まれる繊維は、水平方向に配向する。
【0083】
ウェブWは、加圧によって上下方向から圧縮されて密度が増加する。ウェブWに含まれる結着材は、加熱により溶融して繊維の間に濡れ広がる。この状態で加熱が終了して結着材が固化すると、繊維同士が結着材によって結着される。これにより、第1基材N1、ウェブW、および第2基材N2の3層から成る連続帳票状のシートSが成形される。連続帳票状のシートSは、下流の裁断部290へ搬送される。
【0084】
なお、成形部280では、加熱プレス装置に代えて、加熱ローラーおよび加圧ローラーを用いて連続的に成形を行ってもよい。この場合には、ダンサーローラー276を省いてもよい。加熱ローラーおよび加圧ローラーを用いた場合であっても、ウェブWに含まれる繊維を所定の方向に配向させることができる。
【0085】
裁断部290は、シートSを連続帳票状から単票状に裁断する。裁断部290は、図示はしないが、縦刃と、横刃と、を有している。縦刃および横刃は、例えば、ロータリーカッターなどである。なお、ロータリーカッターに代えて超音波カッターなどを用いてもよい。縦刃は、連続帳票状のシートSを進行方向に沿う方向に切断する。横刃は、連続帳票状のシートSを進行方向と交差する方向に切断する。これにより、シートSは、略矩形の単票状に加工されてトレイ292に収容される。
【0086】
シートSは、上述した緩衝材100の繊維構造体10である。ウェブWは、繊維構造体10のウェブ体20を構成する。第1基材N1は、繊維構造体10の第1不織布30を構成する。第2基材N2は、繊維構造体10の第2不織布32を構成する。
【0087】
上記のようにして作製されたシートSを適宜組み立てることにより、上述した緩衝材100,110を製造することができる。シートSによる緩衝材の組み立ては、接着剤を用いて行ってもよいし、シートSを貫通する貫通棒を用いて行ってもよい。なお、シートSは、シート製造装置200とは異なる装置によって製造されてもよい。
【0088】
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0089】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0090】
上述した実施形態および変形例から以下の内容が導き出される。
【0091】
緩衝材の一態様は、
基部と前記基部から突出する凸部とを有する被支持物を支持する第1繊維構造体および第2繊維構造体と、
前記第1繊維構造体と前記第2繊維構造体とを接続する第3繊維構造体と、
を含み、
前記凸部は、前記第1繊維構造体と前記第2繊維構造体の間であって、前記第3繊維構造体の上方に位置し、
前記第1繊維構造体は、
前記基部を支持する第1面と、
前記第1面に接続され、前記凸部と対向する第2面と、
を有し、
前記第2繊維構造体は、
前記基部を支持する第3面と、
前記第3面に接続され、前記凸部と対向する第4面と、
を有し、
前記第3繊維構造体は、前記凸部と対向する第5面を有し、
前記第1繊維構造体の繊維は、前記第2面と平行な方向に配向し、
前記第2繊維構造体の繊維は、前記第4面と平行な方向に配向し、
前記第3繊維構造体の繊維は、前記第5面と平行な方向に配向している。
【0092】
この緩衝材によれば、被支持物が凸部を有する形状であっても、衝撃を緩衝することができる。
【0093】
緩衝材の一態様において、
前記第1繊維構造体と前記第2繊維構造体とを接続し、前記第3繊維構造体の下方に設けられた第4繊維構造体を含み、
前記第4繊維構造体は、前記第3繊維構造体と対向する第6面を有し、
前記第4繊維構造体の繊維は、前記第6面と平行な方向に配向していてもよい。
【0094】
この緩衝材によれば、衝撃を、より緩衝することができる。
【0095】
緩衝材の一態様において、
前記被支持物を支持する第5繊維構造体を含み、
前記第5繊維構造体は、
前記基部を支持する第7面と、
前記第7面に接続され、前記第1繊維構造体と対向する第8面と、
を有し、
前記第5繊維構造体の繊維は、前記第8面と平行な方向に配向していてもよい。
【0096】
この緩衝材によれば、衝撃を、より緩衝することができる。
【0097】
緩衝材の一態様において、
前記第2面および前記第4面は、前記凸部と接してもよい。
【0098】
この緩衝材によれば、被支持物が水平方向にずれる可能性を小さくすることができる。
【0099】
緩衝材の一態様において、
前記第5面は、前記凸部と接してもよい。
【0100】
この緩衝材によれば、凸部を傷などから保護することができる。
【0101】
緩衝材の一態様において、
前記第1繊維構造体の形状、前記第2繊維構造体の形状、および前記第3繊維構造体の形状は、シート状であってもよい。
【0102】
この緩衝材によれば、シート製造装置によって、第1繊維構造体、第2繊維構造体、および第3繊維構造体を、製造することができる。
【0103】
緩衝材の一態様において、
前記被支持物、前記第1繊維構造体、前記第2繊維構造体、および前記第3繊維構造体は、筐体に収容され、
前記第1繊維構造体、前記第2繊維構造体、および前記第3繊維構造体は、前記被支持物と前記筐体の底との間に設けられてもよい。
【0104】
この緩衝材によれば、底に加えられた衝撃に起因力を緩衝することができる。
【0105】
緩衝材の一態様において、
前記第1繊維構造体および前記第2繊維構造体は、前記被支持物と接した状態で、前記筐体に収容されてもよい。
【0106】
この緩衝材によれば、例えば被支持物を筐体に収容する際に被支持物が落下したとしても、落下の衝撃を緩衝することができる。
【0107】
緩衝材の一態様において、
前記第1繊維構造体、前記第2繊維構造体、および前記第3繊維構造体は、繊維同士を結着させる結着材を含んでもよい。
【0108】
この緩衝材によれば、第1繊維構造体の繊維、第2繊維構造体の繊維、および第3繊維構造体の繊維を、配向した状態に維持することができる。
【符号の説明】
【0109】
2…被支持物、4…基部、6…凸部、8…筐体、8a…底、8b,8c…側壁、8d…天井、10…繊維構造体、10a…第1繊維構造体、10b…第2繊維構造体、10c…第3繊維構造体、10d…第4繊維構造体、10e…第5繊維構造体、10f…第6繊維構造体、11…第1主面、12…第2主面、13…第1接続面、14…第2接続面、15…第3接続面、16…第4接続面、20…ウェブ体、30…第1不織布、32…第2不織布、100,110…緩衝材、200…シート製造装置、210…供給部、220…粗砕部、222…粗砕刃、230…定量供給部、232…ホッパー、234…管、240…解繊部、242…導入口、244…排出口、246…ステーター、248…ローター、250…混合部、 251…管、252,253…ホッパー、254,255…供給管、256,257…バルブ、258…供給部材、260…フォーミング部、262…分散部、264…回転部材、266…ドラム部、268…堆積部、270…ウェブ搬送部、272…メッシュベルト、273…張架ローラー、274…基材供給部、275…サクション機構、276…ダンサーローラー、277…基材供給部、280…成形部、282…上基板、284…下基板、290…裁断部、292…トレイ