(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103131
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】生け花用水盤花器
(51)【国際特許分類】
A47G 7/02 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
A47G7/02 G
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007304
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】517023851
【氏名又は名称】主興金屬有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 冠權
(57)【要約】
【課題】生け花用水盤花器を提供する。
【解決手段】本発明に係る生け花用水盤花器は、生け花用水盤10と、少なくとも一つの管体20と、を含む。生け花用水盤10は、底面11、及び、水槽13を形成するよう底面11を取り巻く周壁12を有する。生け花用水盤10の底面11には、少なくとも一つの切欠き140が設けられた少なくとも一つの環状の位置決め環壁14が設置されている。生け花用水盤10の底面11において、各位置決め環壁14によって囲われた範囲内に少なくとも一つの凹槽15が凹設され、凹槽15の一端は位置決め環壁14の切欠き140位置に対応している。また管体20は生け花用水盤10の位置決め環壁14の内壁側又は外壁側に挿設され、管体20は生け花用水盤10の位置決め環壁14に接するように位置決めされている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生け花用水盤と、
少なくとも一つの管体と、
を備え、
前記生け花用水盤は、底面、及び、水槽を形成するよう底面を取り巻く周壁を有し、前記生け花用水盤の底面には、少なくとも一つの切欠きが設けられた少なくとも一つの環状の位置決め環壁が設置され、
前記管体は、前記生け花用水盤の前記位置決め環壁の内壁側又は外壁側に挿設され、前記位置決め環壁に接するように位置決めされていることを特徴とする生け花用水盤花器。
【請求項2】
前記生け花用水盤の底面に、5つの前記位置決め環壁が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の生け花用水盤花器。
【請求項3】
前記生け花用水盤の底面において、前記位置決め環壁によって囲われた範囲内に少なくとも一つの凹槽が凹設され、前記凹槽の一端は前記位置決め環壁の切欠きに対応していることを特徴とする請求項1に記載の生け花用水盤花器。
【請求項4】
前記管体が複数設置され、複数の前記管体はそれぞれ高さが異なることを特徴とする請求項1に記載の生け花用水盤花器。
【請求項5】
前記管体は円錐台形状を呈し、前記管体の外周壁が前記位置決め環壁の内壁に接するよう、前記管体の外周壁は前記生け花用水盤に向かうにつれて内径が小さくなるテーパー状を呈することを特徴とする請求項1に記載の生け花用水盤花器。
【請求項6】
前記生け花用水盤の前記位置決め環壁の内壁は、前記生け花用水盤の底面に向かうにつれて内径が小さくなるテーパー状を呈することを特徴とする請求項1に記載の生け花用水盤花器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生け花用道具の技術分野に応用されるものに関し、特に生け花用水盤花器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば冠婚葬祭、誕生会、セミナー、宗教活動などの特別行事の場合、大都市において生け花が設置され、それにより会場の雰囲気を盛り上げる。また従来の生け花には多くの流派があり、または多くの場合には組み合せ式の盆栽により代替される。
【0003】
その中で、一般的な生け花には普通のたらいが使われ、表面には生け花専用の剣山又は吸収スポンジが設置される。それにより表面において生け花作業が行なわれるが、生け花にまだ詳しくない、又は初心者の場合には往々にして何回も花卉の位置及び角度を変更させるように操作することが多い。そのために吸収スポンジの損害をもたらし易く又は剣山を使用する場合に花卉の底部に損害を生じさせる。それにより生け花用水盤の技術的難易度が高くなり、生け花の初心者にとって学習コストが増える、又は、それを有効に改善できないという問題が生じる。
【0004】
そのほか、盆栽の組合せは高さの落差に合わせるため、通常比較的高い花器の内部に発泡スチレンが放置され、環境に優しくないだけでなくカビも発生しやすいので、使用上のデメリットをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は従来の生け花又は盆栽の組合せの実際の使用において、操作が不便で、また、使用上の効果が良くないという欠点が存在していることに鑑みて、本発明を発明し、欠点を改善したのである。
【0006】
本発明の主要な目的は生け花用水盤花器を提供することである。それは生け花用水盤に複数の筒状容器を合わせることにより、使用者が使用すべき生け花の花型に合わせ、又は盆栽組合せの造型に合わせることができる。使用に便利で、また、使用者のニーズに合わせて操作を繰り返すことができるようにし、また花の植え付け又は花卉の損害を引き起こさず、生け花の花芸の変化を引き上げる効果がある。
【0007】
前記発明の目的を達成するため、本発明に運用される技術手段は生け花用水盤花器を提供することである。本発明に係る生け花用水盤花器は、生け花用水盤と、少なくとも一つの管体と、を備える。
前記生け花用水盤は、底面、及び、水槽を形成するよう底面を取り巻く周壁を有する。前記生け花用水盤の底面には、少なくとも一つの切欠きが設けられた少なくとも一つの環状の位置決め環壁が設置されている。
前記管体は、前記生け花用水盤の位置決め環壁の内壁側又は外壁側に挿設され、前記位置決め環壁に接するように位置決めされている。
【0008】
本発明の一つの実施例において、前記生け花用水盤花器は、前記生け花用水盤の底面に、5つの前記位置決め環壁が設置されている。
【0009】
本発明の一つの実施例において、前記生け花用水盤花器は、前記生け花用水盤の底面において、前記位置決め環壁によって囲われた範囲内に少なくとも一つの凹槽が凹設されている。前記凹槽の一端は前記位置決め環壁の切欠きに対応している。
【0010】
本発明の一つの実施例において、前記生け花用水盤花器に複数の前記管体が設置されており、前記管体はそれぞれ高さが異なっている。
【0011】
本発明の一つの実施例において、前記管体は円錐台形状を呈し、前記管体の外周壁が前記位置決め環壁の内壁に接するよう、前記管体の外周壁は前記生け花用水盤に向かうにつれて内径が小さくなるテーパー状を呈する。
【0012】
本発明の一つの実施例において、前記生け花用水盤の位置決め環壁の内壁は、前記生け花用水盤の底面に向かうにつれて内径が小さくなるテーパー状を呈する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】
図1のA―A切断線による本発明の組合せ断面図である。
【
図4】本発明の生け花用水盤内に水を入れた状態における、部分断面拡大模式図である。
【
図5】本発明の生け花用水盤内に入を入れた状態における、別の部分断面拡大模式図である。
【
図7】本発明のもう一つの使用状態の立体外観模式図である。
【
図8】本発明の別の実施例における使用状態の立体外観模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1から
図3に示すように、本発明の生け花用水盤花器には、一つの生け花用水盤10及び少なくとも一つの管体20が含まれている。
【0015】
当該生け花用水盤10には一つの底面11及び当該底面11を取り巻くように設置される周壁12が含まれており、それにより当該生け花用水盤10内に一つの水槽13が形成されている。当該底面11には少なくとも一つの環状の位置決め環壁14が突設されており、当該位置決め環壁14の内壁は円錐状を呈し、また当該底面11方向に向かうにつれて内径が小さくなるテーパー状を呈する。また図面に示すように、当該底面11には5つの位置決め環壁14が設置され、各当該位置決め環壁14には、少なくとも一つの切欠き140が設置されている。本実施例における当該切欠き140は1つであり、当該底面11における各当該位置決め環壁14で囲われた範囲内に一つの凹槽15が設置され、また当該凹槽15の一端は当該位置決め環壁14の切欠き140位置に対応している。
【0016】
本実施例における当該生け花用水盤10は円形に限らず、また当該位置決め環壁14も円形に限らず、その他の形状、例えば楕円形、矩形などの形状であってもよい。
【0017】
少なくとも一つの当該管体20は、図面に示すように3つの当該管体20を有し、当該管体20は異なる高さを呈する。当該管体20の外周壁の形状は当該生け花用水盤10の位置決め環壁14の内壁面の形状と同じである。当該管体20はいずれか一つの当該生け花用水盤10の位置決め環壁14内に挿設され、また当該管体20は錐状体、すなわち、円錐台形状を呈するように設置されている。当該管体20は外周壁が当該生け花用水盤10方向に向かうにつれて内径が小さくなるテーパー状を呈し、それにより当該管体20の外周壁は当該位置決め環壁14の内壁面にぴったり接する。
【0018】
そのほか、同時に
図5を参照されたい。本実施例における当該管体20も当該生け花用水盤10の位置決め環壁の外周に挿設されることができ、それにより両者がぴったり接している状態を呈し、当該管体20を当該生け花用水盤10に固定させることができる。
【0019】
本実施例における実際の応用時、図面に示すように、使用者の生け花用水盤の花型の需要は、3つの当該管体20がそれぞれ当該生け花用水盤10の3つの当該位置決め環壁14の内周又は外周に挿設されるように設置できることにより、各当該管体20が当該生け花用水盤10にぴったり接しているように位置決めされる。また一つの生け花用スポンジ30をほかの2つの当該位置決め環壁14に嵌合するように合わせて、当該生け花用水盤10の水槽13内に水(図の中で表示してない)を入れる。この場合に当該生け花用水盤10の凹槽15間に沿って導水路が形成され、それにより水が迅速に当該管体20内に流入すると同時に、水が当該生け花用スポンジ30に吸収される。また
図6に示すように、使用者は自分の好みで花卉(図の中で表示してない)を挿設することができ、また本発明における当該生け花用水盤10と当該管体20とが一致するために、使用者は最も良い観賞位置まで生け花作業を操作し直すことができ、花卉底部の損害を心配することなく、便利でまた使用上の良い効果をもたらす。
【0020】
本実施例におけるもう一つの使用方法は、
図7に示すとおりである。当該生け花用水盤10の5つの当該位置決め環壁14の内側又は外側に、それぞれ5つの異なる高さの当該管体20を挿設することができる。また各当該位置決め環壁14内に一つの植栽(図の中で表示されない)を設置することができ、例えば蘭の花の植栽などである場合には、当該生け花用水盤10内に水を入れなくてもよい。また使用者の設計に合わせて植栽セットが形成され、植栽セットの美観を向上させ、従来の蘭の花鉢のように内部に発泡スチレンを充填することを必要とせず、環境にやさしくない物品及びカビ易い物品を減少させる。
【0021】
そのほか、本発明は前記構造に限らず、使用者の需要により当該生け花用水盤10に一つ以上の当該位置決め環壁14が設置可能である。
図8に示すように、3つの当該位置決め環壁14が設置されており、3つの当該位置決め環壁14の内側又は外側にそれぞれ一つの当該管体20が挿設可能である。また各当該管体20内にそれぞれ花卉が設置されており、花卉の品目に応じて当該生け花用水盤10内に水をいれるか又は水を入れないかにより、本実施例における使用の可変性を加えることができる。
【0022】
本発明は前記実施例及び変化例について述べられているが、本発明のすべての実施例及び変化例は例示にすぎず、本発明の実質的な精神及び範囲に基づき、前記特徴を含む生け花用水盤花器の様々な変化はすべて本発明に含まれている。
【符号の説明】
【0023】
10 生け花用水盤
11 底面
12 周壁
13 水槽
14 位置決め環壁
140 切欠き
15 凹槽
20 管体
30 生け花用スポンジ