(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103139
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
A63F7/02 332
A63F7/02 334
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007315
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】生田 和俊
(72)【発明者】
【氏名】阿草 行洋
(72)【発明者】
【氏名】荒野 剛夫
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC45
2C088BC47
2C088CA04
2C088CA26
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】悪意ある遊技者による不必要な遊技情報の取得を抑制する。
【解決手段】遊技場用システムでは、予め定められた条件が成立した場合に不正対策用の差遊技価値グラフを作成し、これを閲覧に供するので、例えば遊技情報の抽出を目的としたスクレイピングにより差遊技価値グラフが収集されることがあっても、当該グラフの画像解析による遊技情報の取得を阻害することができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場に設置された複数機種の遊技機に関する遊技情報を収集して記憶する管理サーバと、この管理サーバへアクセスし、前記遊技情報を閲覧可能な遊技者端末と、を備えた遊技場用システムにおいて、
遊技機において予め定められた量の遊技価値が使用される毎に、又は予め定められた時間が経過する毎に、当該遊技機における入賞により付与された遊技価値の量と遊技に使用された遊技価値の量との差を差遊技価値として算出する差遊技価値算出手段と、
前記差遊技価値算出手段により算出された差遊技価値を順にプロットして差遊技価値グラフを作成する差遊技価値グラフ作成手段と、
前記閲覧に供される前記遊技情報として、前記差遊技価値グラフ作成手段により作成された差遊技価値グラフを表示させるための表示手段と、を備え、
前記差遊技価値グラフ作成手段は、前記表示の対象となる差遊技価値グラフから所定の遊技情報が取得されることを阻害可能な処理を施したグラフであって、予め定められた条件が成立した場合に当該処理を施すことにより不正対策用の差遊技価値グラフを作成することを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記差遊技価値グラフ作成手段は、前記不正対策用の差遊技価値グラフの作成に際して、前記プロットされる差遊技価値が所定閾値以下か否かを判定することにより、当該閾値以下となる区間部分のグラフを表示しない前記処理を施す請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
不正対策として前記処理を施すか否かを設定可能な設定手段を備える請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
【請求項4】
前記差遊技価値グラフ作成手段は、複数の営業日を対象期間とし当該対象期間に亘って差遊技価値の推移を示す連続した差遊技価値グラフを作成可能であり、
前記表示手段は、前記設定手段において、前記処理を施すよう設定されている場合に前記連続した差遊技価値グラフを表示せず、前記処理を施すよう設定されていない場合に前記連続した差遊技価値グラフを表示するように構成されている請求項3に記載した遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特定の遊技場における遊技情報をウェブサイト上で閲覧可能なサービスが提供されており、遊技者はそのようなサービスにより、来店する遊技場を決定するための遊技情報等として利用している(例えば特許文献1参照)。遊技場は遊技者の来店意欲を高めるために、係るサービスを提供する情報提供会社へ遊技情報を送信し、その遊技情報に基づき生成された差数グラフ(出玉の増減を示す差玉グラフ)等の画像をもウェブサイト上で提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、例えばスクレイピングと呼ばれる技術を用いて、上記サービスにより提供される差玉グラフ等の画像を大量に収集し、収集した画像において画像解析を施し遊技情報を取得することで、自身の遊技機選択に役立てたり特定の遊技場における遊技情報をインターネット上に公開したりする遊技者が存在している。このような遊技者による遊技情報の公開を制限したいと考える遊技場も存在することに加え、スクレイピング等による差玉グラフの画像を大量に収集する行為は、情報提供会社が管理するサーバに何度もアクセスするためサーバに負担をかけることになる。そのため、スクレイピングによる不必要なサーバへのアクセスといった事態を防止するという観点からも改善が必要である。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、悪意ある遊技者による不必要な遊技情報の取得を抑制する遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、遊技場に設置された複数機種の遊技機に関する遊技情報を収集して記憶する管理サーバ(例えば情報提供会社により運営される管理サーバ30)と、この管理サーバへアクセスし、前記遊技情報を閲覧可能な遊技者端末(例えば携帯端末31)と、を備えた遊技場用システムにおいて、
遊技機において予め定められた量の遊技価値(例えばメダル3枚に相応する3点)が使用される毎に、又は予め定められた時間(例えば1分)が経過する毎に、当該遊技機における入賞により付与された遊技価値の量(例えば遊技者に付与された遊技点数の大きさを示すセーフ)と遊技に使用された遊技価値の量(例えば遊技者が遊技に使用した遊技点数の大きさを示すアウト)との差を差遊技価値として算出する差遊技価値算出手段(例えば管理サーバ30)と、
前記差遊技価値算出手段により算出された差遊技価値を順にプロットして差遊技価値グラフ(例えば
図6(a)の差数グラフ50)を作成する差遊技価値グラフ作成手段(例えば管理サーバ30)と、
前記閲覧に供される前記遊技情報として、前記差遊技価値グラフ作成手段により作成された差遊技価値グラフを表示させるための表示手段(例えば管理サーバ30)と、を備え、
前記差遊技価値グラフ作成手段は、前記表示の対象となる差遊技価値グラフから所定の遊技情報(例えば差数グラフ50から差数の推移を示すデータ)が取得されることを阻害可能な処理を施したグラフであって、予め定められた条件(例えば予め管理装置6から当該処理を施す旨の通知を受付けていることを第1条件とする)が成立した場合に当該処理を施すことにより不正対策用の差遊技価値グラフ(例えば
図6(b)の差数グラフ51)を作成する。
【0007】
本発明によれば、予め定められた条件が成立した場合に不正対策用の差遊技価値グラフを作成し、これを閲覧に供するので、例えば遊技情報の抽出を目的としたスクレイピングにより差遊技価値グラフが収集されることがあっても、当該グラフの画像解析による遊技情報の取得を阻害することができる。また、これにより、悪意ある遊技者による不必要な遊技情報の取得を抑制することができ、ひいては管理サーバの処理負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図6】(a)は通常の差数グラフ、(b)は不正対策を施した差数グラフの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1において枠で囲った「A店」「B店」「C店」は、3つの遊技場A,B,Cを模式的に例示しており、共通する遊技場用システムが構築されていることから、以下では、A店たる遊技場Aの構成を中心に説明する。
【0010】
図1に示す遊技場用システムにおいて、遊技場A内には、パチンコ機やスロットマシンといった遊技機1が複数設置されており、各遊技機1に対応してカードユニット2が付設されている。これら遊技機1及びカードユニット2は2台ずつ中継装置4に接続されており、中継装置4はLAN5を介して管理装置6と接続されている。
また、各遊技機1の上方には、情報表示装置3が付設されており、遊技機1から出力される各種遊技信号(遊技情報)をカードユニット2及び中継装置4経由で受信して、各種の表示用情報を作成し、表示する。中継装置4は、遊技機1やカードユニット2、情報表示装置3の情報を収集する。
【0011】
管理装置6は、遊技場A内の例えば事務室等に設置されている。詳しい図示は省略するが、管理装置6の制御部は、CPU、ROMやRAMといった記憶部を有するマイクロコンピュータを主体に構成されており、当該制御部には、遊技場管理者が操作するキーボード6b、モニタ6a、プリンタ(図示せず)等が接続されている。
【0012】
管理装置6は、遊技機1側から出力される遊技信号をカードユニット2及び中継装置4を順次経由して受信することで、遊技機1毎の遊技情報、会員登録された会員毎の個人データを管理するとともに、遊技機1やカードユニット2、情報表示装置3の情報を管理する(自装置6の記憶部に記憶する)。なお、
図1では省略しているが、数百台にわたる複数機種の遊技機1が管理装置6の管理対象となっており、遊技媒体の貸単価(種別としてのレート)が異なる複数の遊技機島が形成されるものとする。
【0013】
また、詳しくは後述するように、管理装置6は各種の設定情報を管理するとともに、各種の処理を実行するか否か(後述するグラフに関する処理を施すか否かを含む)を設定するための設定手段として機能する。
なお、遊技場管理者とは遊技場Aの管理者のことであり、以下では単に「管理者」と称する。また、管理装置6の制御部(設定手段)を単に「管理装置6」と称して説明を簡単化する。
【0014】
本実施形態の遊技機1は、例えば遊技媒体を情報のみで管理する所謂封入式パチンコ遊技機或いはメダルレス式スロットマシンで構成されるものとする。
具体的には、
図1左側に示すパチンコ機は、予め機内に封入された循環遊技媒体(例えば循環パチンコ玉)を使用する封入式のパチンコ遊技機である。遊技機1で用いられる遊技価値(遊技媒体)は仮想上のパチンコ玉であるが、機内の記憶部に記憶される遊技価値であり、従来の払出式の遊技機とは異なり、盤面11に打出された玉は循環し、入賞した場合であっても遊技機外に払出されず、遊技に応じて記憶部の遊技価値(遊技点数)が増減される。
【0015】
パチンコ機は、カードユニット2から遊技点数を受信すると、その遊技点数分のパチンコ玉を発射可能となり、遊技点数が「0」になった時点でパチンコ玉を発射不可能となる。パチンコ機は、計数操作(下記タッチパネルでのタッチ操作)に応じて遊技点数をカードユニット2へ送信して遊技点数を減算する。遊技機1は、情報表示操作(同タッチパネルでの操作)に応じて各種の遊技データ(大当り回数、特図抽選回数等)を情報表示部13に表示する。
【0016】
即ち、同
図1に示すように、パチンコ機は、パチンコ玉が発射される盤面11と、発射装置を構成する発射ハンドル12と、タッチパネルを表面に有するタッチパネル式の情報表示部13とを有する。盤面11には、液晶表示部14及びその表示部14における図柄表示部(特図表示部・普図表示部)と、特
図1始動口15と、特
図2始動口16と、大入賞口17とが設けられている。
パチンコ機において、所謂ヘソ(特
図1始動口15)へ入賞することで特
図1(或いは電チューへ入賞することで特
図2)での大当り抽選を行う。大当り抽選1回をスタートとも称する。大当り抽選で大当りに当選すると、大当り遊技が開始(大当り状態に移行)され、特図の種類に応じたラウンド(R)だけ大入賞口17が開放される。この場合、例えば1Rの上限入賞数は10個であり、大入賞口17に入賞すると、15点分の遊技点数が加算される。
【0017】
図1右側に示すスロットマシンは、実際のメダルを使用せずに遊技を可能とするメダルレス式スロットマシンである。また、スロットマシンは、機内の記憶部に記憶される遊技価値(遊技点数)を記憶・管理しており、その遊技点数として少なくとも1回のゲームを実行するために必要な規定数(例えば3点)が存することを条件にゲームを開始することができ、入賞した役の種類に応じて遊技者が得点数を獲得すると、メダルを払出すことなくデータ上の遊技点数として加算するといったように、その増減につき主となって管理する。
【0018】
スロットマシンは、カードユニット2から遊技点数を受信すると、その遊技点数分の得点を賭けることが可能となる。
即ち、同
図1に示すように、スロットマシンは、表示窓18、スタートレバー19、ストップ釦20(左ストップ釦、中ストップ釦および右ストップ釦)、タッチパネル式の情報表示部21、BET釦22等を有する。遊技者は、表示窓18を通じて内部に設けられたリールに描かれた図柄を視認可能となっている。遊技者によってBET釦22を操作することで、クレジットメダルが所定枚数ベットされる(前記3点分の得点を賭ける)。その状態でスタートレバー19が操作されると、内部抽選を実行するとともに図柄の変動を開始させ(ゲームを開始させ)、ストップ釦20を操作することによって所謂引込制御によりリールの変動を停止する。
【0019】
スロットマシンでは、周知のように小役、リプレイ役のほか、ボーナス役(BB役及びRB役)等が設定されている。上記の内部抽選時に、何れかの役に内部当選した状態で遊技者によりストップ釦20が操作されたとき、予め設定されている有効ライン上にその内部当選役に対応する図柄が停止表示されると、入賞が発生する。そして、入賞が発生した場合には、入賞した役の種類に応じた遊技点数の付与等が行われる。例えば、3点入賞役、5点入賞役、10点入賞役、15点入賞役などがあり、入賞した役が15点入賞役の場合、15点の遊技点数が付与される。入賞した役がボーナス役(BB、RB)の場合、ボーナス状態(BB状態、RB状態)へ移行する。BB状態及びRB状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態(大当り状態)であり、小役について付与される遊技点数或いは当選確率が向上することから、一気に遊技点数を獲得することができる。
なお、スロットマシンの情報表示部21は、パチンコ機の情報表示部13と同様、前記計数操作のため計数釦の他、遊技点数や各種の稼動データ(ゲームの実行回数、ボーナスの発生回数など)の表示が可能である。
【0020】
上記のパチンコ機やスロットマシンといった遊技機1からは、カードユニット2へ次の遊技信号を含む各種遊技信号が送信(出力)される。
・アウト信号:遊技に使用した得点数を示す信号。
・セーフ信号:遊技の結果得られた得点数を示す信号。
・大当り信号:大当り状態の発生中に出力される信号。
なお、上記のように、遊技者が遊技により獲得した遊技価値であって、遊技機1側で主として管理される得点数を遊技点数、カードユニット2側で主として管理される得点数を持点数とも表記する。
【0021】
上記遊技信号は、何れもデータ項目(例えばアウト=前回データ送信時からの消費(使用、打込)価値(アウト)を1玉単位で示すデータ項目)として一括した、或いは複数の遊技情報を電文によりまとめたデータ信号としてもよい。この場合、所定期間(例えば200ms)単位でデータを集計し、その集計したデータやその時点における状態を特定可能な電文によるデータ信号を送信対象(出力対象)とすることができる。遊技信号は、係るデータ信号の他、パルス信号や状態信号等を含みうることは勿論である。また、遊技機1からは、遊技点数を使用した遊技の実行に応じて各種の遊技情報を信号出力にてカードユニット2側(中継装置4側)へ送信するものとし、上記の遊技信号に限らず、その機種によって様々な信号が出力される。
【0022】
カードユニット2については、
図1に示すようにパチンコ機の左側に配置されるパチンコ機用のものと、スロットマシンの右側に配置されるスロットマシン用のものとがあるが、説明の便宜上、両者に共通の構成要素に同一の符号を付して一括して説明する。
パチンコ機用或いはスロットマシン用のカードユニット2(以下、単に「カードユニット2」と称す)は、紙幣(千円)が投入される紙幣挿入口23と、遊技者からの操作入力を受付けると共に各種の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部24と、貸出操作を行うための貸出釦25と、返却操作を行うための返却釦26と、再遊技操作を行うための再遊技釦27と、ICカード(図示略)が挿入されるカード挿入口28等を有する。
【0023】
カードユニット2は、以下のように動作する。
(1)遊技機1から上記した各種の遊技信号を受信して集計及び記憶すると共に中継装置4を経由して管理装置6や情報表示装置3へ送信する。遊技者の入金残高及び遊技点数も管理装置6へ送信する。管理装置6から各種設定情報(遊技機番号、機種名、得点単価等)を受信して記憶する。なお、機種名は、各種の機種(或いは機種グループ)を特定可能な名称として、例えばパチンコ機では「パチンコA,パチンコB、…」で表され(
図3、
図4等参照)、管理装置6において特定される遊技情報と対応付けて管理される。
【0024】
(2)紙幣が紙幣挿入口23に挿入されると、入金残高に加算して記憶する。ICカードがカード挿入口28に挿入されると、カードIDに対応付けられた入金残高及び持点数を読み出して表示する。例えばパチンコ機用カードユニット2では貸出釦25が操作されると、一定金額(例えば1000円)に対応する点数を250点ずつ遊技点数に変換して遊技機1へ送信する。再遊技釦27が操作されると、持点数を250点ずつ遊技点数に変換して遊技機1へ送信する。持点数、遊技点数、全得点数(持点数と遊技点数との合計)を記憶して表示する。遊技機1からの得点加算情報及び得点減算情報を受信し、記憶している得点数を、その受信した得点加算情報及び得点減算情報に応じて更新し、得点数の更新に応じて得点数情報を中継装置4へ送信する。
【0025】
(3)入金残高及び持点数の少なくとも何れか一方が存在する状態で返却釦26が操作されると、その入金残高及び持点数をICカードに記録して発行する。持点数を記録する場合、これを獲得した遊技機1に対応する種別情報(例えば前記種別としてのレート)も対応付けて記録する。遊技点数はICカードに記録せず、遊技機1側に残る。なお、持点数を持玉と称する場合もある。
(4)ICカードを最大10枚ストックしている。
【0026】
上記のカードユニット2は、中継装置4とのシリアル通信により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉(持点数)、貸出玉数(前記貸出時の点数)、変換玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び記録媒体の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とする。これらはパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としてもよい。なお、遊技機1との通信は中継装置4を介さず、遊技機1とカードユニット2とで直接通信してもよいし、中継装置4を介して通信してもよい。
【0027】
管理装置6は、上記した遊技場A内の全ての機器の稼動状況を管理する。また、管理装置6は、上記した各種の遊技信号或いは各遊技機1の遊技情報を収集するとともに、遊技者ID等の識別情報に基づいて各遊技者の遊技情報を管理する。
管理装置6は、
図1に示すインターネット100(公衆通信回線)に接続可能となっており、センターに設置されている管理サーバ30とインターネット100等を介して通信可能である。遊技場B、Cでも遊技場Aの同等の構成が実現されており、遊技場B、Cの管理装置6(図示略)についても、遊技場Aの管理装置6と同様、管理サーバ30とインターネット100等を介して通信可能とされている。
【0028】
管理サーバ30は、例えば遊技場A~C外で情報提供会社により運営されている。管理サーバ30は、インターネット100を利用して各遊技場A~Cの管理装置6から各遊技機1の稼動状況に関する遊技情報を受信し、その遊技場IDや機種IDと対応付けて蓄積することで、各遊技機1の遊技情報の閲覧サービスサイトを提供する。
【0029】
なお、機種IDは、機種単位で設定される遊技機1の機種の識別情報であり、遊技場IDは、遊技場単位で設定される遊技場A~C固有の識別情報である。また、管理サーバ30は、遊技場A~Cに設置された複数機種の遊技機1に関する遊技情報を収集して記憶するデータ管理サーバである。
詳しい図示は省略するが、管理サーバ30の制御部(差遊技価値算出手段、差遊技価値グラフ作成手段、表示手段)は、CPU、ROMやRAMといった記憶部を有するマイクロコンピュータを主体に構成されており、各遊技場A~Cの管理装置6と通信を行うための通信手段や、モニタ、キーボード等を備えている。管理サーバ30の制御部(以下「管理サーバ30」と略す)は、自身の記憶部に前記収集した遊技情報の他、後述するグラフ作成処理を実行するためのプログラム等を記憶している。
【0030】
また、詳しくは以下で説明するように、
図1に示す携帯端末31やパソコン31´等の遊技者端末が管理サーバ30へアクセスしたときに、管理サーバ30は、少なくとも閲覧した遊技機1の機種IDを含むアクセスログを当該遊技者端末IDと対応付けて記憶する。ここで、遊技者端末IDとは、遊技者端末固有の識別情報であり、アクセスログとは、管理サーバ30への通信記録(アクセス履歴)である。
【0031】
遊技者端末は、インターネット100へ接続可能な遊技者の端末装置であり、管理サーバ30へアクセスして当該サーバ30により収集された前記遊技情報を閲覧可能である。
図1に例示するように、携帯端末31或いはパソコン31´は、その閲覧に際して遊技情報等を表示する表示部31a或いは31a´、入力操作を受付けるタッチパネル或いはキーボードといった入力手段等の、共通する機能を備えることから、以下では遊技者端末について携帯端末31を中心に説明する。
【0032】
携帯端末31は、遊技者が所持するスマートフォン或いはタブレットである。携帯端末31は、その前面にタッチパネルを有する表示部31aを備えており、表示部31aにてタッチ操作を含む各種の操作を行い、管理サーバ30へアクセスすることにより、係るサイト(ウェブサイト)上で前記遊技情報を閲覧することが可能である。
【0033】
なお、管理サーバ30のサイトにアクセスして遊技情報を閲覧するためには、例えば会員登録してアカウントを取得し、月額利用料(例えば300円)を支払う必要がある。係るアカウントは、管理サーバ30にログインするためのアカウント情報であり、遊技者端末IDと一対一で関連付けて記録されるものとする。このため、アカウントは、遊技者端末IDとともに各遊技者の携帯端末31を一意に識別可能な識別情報として把握される。
【0034】
遊技者が何れかの遊技場A~Cに設置されている遊技機1の遊技情報を確認したい場合、会員登録を済ませた携帯端末31から管理サーバ30のサイトにアクセスしてログインする。これにより、遊技者は、携帯端末31の表示部31aで所望の遊技場A~Cに設置されている所望の遊技機1の遊技情報を閲覧することができる。
ここで、
図2は、携帯端末31の表示部31aに表示される画面32であって、図示しない「メニュー」画面にて「地域選択」を行い、その「地域選択」画面で所望の地域(都道府県市区)を選択したときに表示される「ホール選択」画面32を示している。
【0035】
「ホール選択」画面32は、選択地域の遊技場を一覧表示するもので、タイトル32a、選択地域32b、「ホール」ボタン32c、次頁ボタン32d、前画面戻るボタン32eが表示される。「ホール」ボタン32cは、各遊技場A,B,C,…のホール名「AAA,BBB,CCC,…」を表すボタン群からなる。次頁ボタン32dがタッチ操作されると、「次の5件」として当該選択地域における他のホール名を表す画面に遷移し(図示略)、前画面戻るボタン32eがタッチ操作されると、前記「地域選択」画面に戻る。
また、「ホール」ボタン32cのうち何れかのホール名のボタンがタッチ操作により選択されると、「ホール選択」画面32から
図3の「機種選択」画面33に遷移する。
【0036】
図3の「機種選択」画面33は、選択されたホール名の遊技場に設置されている機種を一覧表示するもので、タイトル33a、ホール名33b、「機種」ボタン33c、次頁ボタン33d、前画面戻るボタン33eが表示される。「機種」ボタン33cは、各機種の機種名を表すボタン群からなる。次頁ボタン33dがタッチ操作されると、「次の10件」として当該遊技場に設置されている他の機種名を表す画面に遷移し(図示略)、前画面戻るボタン33eがタッチ操作されると、「ホール選択」画面32に戻る。
【0037】
また、「機種」ボタン33cのうち何れかの機種名のボタンがタッチ操作により選択されると、「機種選択」画面33から
図4の「機種別データ」画面34に遷移する。なお、「機種」ボタン33cは、
図3に示すパチンコ機の機種「パチンコA~」の他、スロットマシンの機種(図示略)も選択可能に表示させることができるものとする。
【0038】
図4の「機種別データ」画面34は、選択された機種に該当する(所属する)遊技機1を一覧表示するもので、タイトル34a、機種34b、「台番」ボタン34cに対応した所定の遊技情報34d、前画面戻るボタン34eが表示される。当該遊技場において機種34bに所属する全ての遊技機1が表示されない場合は、次頁ボタン(図示略)も表示される。次頁ボタンがタッチ操作されると、当該機種34bに所属する他の「台番」をその遊技機1の遊技情報34dとともに表す画面(図示略)に遷移する。前画面戻るボタン34eがタッチ操作されると、「機種選択」画面33に戻る。
「台番」ボタン34cは、当該機種34bに所属する遊技機1毎の識別情報を表すボタン群からなり、そのボタン群のうち何れかの「台番」ボタン34cがタッチ操作されると、
図5の「指定台詳細データ」画面35に遷移する。
【0039】
図5の「指定台詳細データ」画面35は、選択された台番の詳細データを表示するもので、タイトル35a、ホール名及び日付35b、機種名及び台番35c、当該台番の遊技機1に対応した遊技情報35d、差数グラフ50が表示される。
また、「指定台詳細データ」画面35には、前画面戻るボタン35fが表示される。よって、前画面戻るボタン35fのタッチ操作により「機種選択」画面33に戻り、「台番」ボタン34cを選択し直して、各台番の遊技情報35dや差数グラフ50を「指定台詳細データ」画面35に表示させることができる。
【0040】
以上のようにして、遊技者は、所望の遊技場に設置されている所望の機種に所属する所望の遊技機1の詳細情報を、自身の携帯端末31(或いはパソコン31´)で確認することができる。
なお、上記の如く携帯端末31からアクセスされた管理サーバ30は、そのアクセスしたアカウント(遊技者端末ID)毎に、アクセス日時、選択地域、選択ホール、選択機種をアクセスログとして記録する。こうしたアクセスログは、アクセスした携帯端末31の遊技者端末IDと対応付けて記録される。
【0041】
さて、「発明が解決しようとする課題」で述べたように、近年、スクレイピング(Web scraping)と呼ばれる技術により携帯端末31やパソコン31´を用いて、上記の差数グラフ50のような画像(
図5参照)を大量に収集し、収集した画像において画像解析を施し遊技情報を取得する遊技者が存在する。このような遊技者による遊技情報の公開を制限したいと考える遊技場も存在することに加え、差数グラフ50の画像を大量に収集する行為は、管理サーバ30に何度もアクセスするため当該サーバ30に処理負荷を与えてしまうことになる。
【0042】
そこで、本実施形態の管理サーバ30は、その公開対象(表示の対象)となる差数グラフ50、或いは
図7の連続グラフ60のような差遊技価値グラフから所定の遊技情報が取得されることを阻害可能な処理を施したグラフ(例えば
図6(b)のグラフ51)であって、予め定められた条件が成立した場合に当該処理を施すことにより不正対策用の差数グラフ51を作成することで、悪意ある遊技者による不必要な遊技情報の取得を抑制するようになっている。
【0043】
以下では先ず、「1.差遊技価値と差数グラフ50」について説明した後、「2.不正対策用の差数グラフ51」、「3.その他の差遊技価値グラフ(連続グラフ60)」、「4.グラフ描画手段によるグラフ作成処理」について順に説明する。なお、差遊技価値グラフとは、
図5、
図6の差数グラフ50,51や
図7の連続グラフ60のように差遊技価値の推移を示すグラフであり、このうち不正対策に係る処理を施したグラフ51には、係る符号「51」を付す等して、未処理のグラフ50,60と区別する。
【0044】
(1.差遊技価値と差数グラフ50)
管理サーバ30は、各遊技場A~Cの管理装置6から遊技情報を受信し、その受信した遊技情報のうち、前記入賞により獲得した遊技点数(遊技価値の量)と大当り抽選に使用した遊技点数(遊技価値の量)との差を示す差遊技価値を遊技機単位で特定する。この場合、差遊技価値は、当該遊技機1において予め定められた量の遊技価値(例えばメダル3枚に相応する3点)が使用される毎に、又は予め定められた時間(例えば1分)が経過する毎に、当該遊技機1における入賞により付与された遊技点数と遊技に使用された遊技点数との差数として算出される。
【0045】
換言すれば、差遊技価値(以下「差数」と称す)は、遊技機1側から出力される遊技信号等に基づき算出されるものであり、例えば前記1分経過する毎に、その遊技機1での遊技の進行に伴い遊技者に付与された遊技点数の大きさを示すセーフ(入賞により付与された遊技価値の量)から、遊技者が遊技に使用した遊技点数の大きさを示すアウト(遊技に使用された遊技価値の量)を差し引いた数値データとして求められる。或いは、遊技者が所持している遊技価値の大きさから遊技者が遊技に投資した遊技価値の大きさを差し引いた数値データとして求められる。つまり、遊技者が獲得している持玉たる持点数を含めた全得点数や投資金額に相当する遊技点数をも加味して算出してもよく、差数は、言わば付与遊技価値数(量)と使用遊技価値数(量)との差を、遊技機単位で示す数値データであればよい。
【0046】
また、管理サーバ30は、算出した差数を順にプロットして差数グラフ50を作成する。ここで、
図6(a)の差数グラフ50は、
図5の差数グラフ50と同様、「指定台詳細データ」画面35の一部として示されるもの(不正対策前のグラフ)であり、説明の便宜上、同一符号「50」を付している。また、これらの差数グラフ50は、
図5と
図6(a)とで差数の表示態様(具体的な数値乃至推移)を異ならせているが、そのグラフ50の作成ロジックは同じものとする。
【0047】
具体的には、
図5と
図6(a)の差数グラフ50は何れも縦軸を差数とし、横軸を例えば時刻(或いはアウト)として、一営業日における差数の推移を示している。また、
図6(a)に示すように、縦軸方向に並ぶ罫線群で差数の目盛り(例えばスロットマシンに対応するグラフでは1000点毎の罫線)を表すようにしてもよい。
【0048】
そして、管理サーバ30は例えば、1分経過する毎に(或いはスロットマシンで使用された遊技点数が例えば3点増加する毎に)、当該スロットマシンにおける入賞により付与された遊技点数と遊技に使用された遊技点数との差数を算出し、その算出された差数を順にグラフ上にプロットして差数グラフ50を作成する。これにより、
図6(a)の差数グラフ50は、当該スロットマシンと対応付けた画像データとして作成され、ウェブサイト上で閲覧可能となる。それ故、
図5に示すように、差数グラフ50が「2番台」の「パチンコA」について作成された場合、その閲覧に供される当該パチンコ機の「指定台詳細データ」(遊技情報)として対応付けられ、同図のグラフ50の如く表示させることができる。
【0049】
(2.不正対策用の差数グラフ51)
例えば、上記スクレイピングにより差数グラフに係る画像データを抽出(収集)された場合であっても、差数のような遊技情報を収集することができなければ、以降のスクレイピングを抑制することができると考えられる。
そこで、本実施形態の管理サーバ30は、ウェブサイト上で差数グラフを公開する際、
図6(b)に示すように当該グラフにおいてプロットされる差数の一部分あるいは当該プロットにより示される差数の推移を示すグラフの一部分を表示しない処理を施すことにより不正対策用の差数グラフ51を作成する。
【0050】
具体的には、管理サーバ30では、差数が所定点数マイナスとなった区間部分について差数グラフを作成しないようにするための所定閾値が設定されており、その区間部分を除いた差数グラフ51が作成される。ここで、
図6(b)はスロットマシンに対応する差数グラフ51の一例を示しており、所定閾値として例えば-1500点が予め設定されるものとする。
即ち、同図(b)では-1500点を罫線51aで表しており、差数グラフ51の作成処理において(後述の
図8参照)、プロットされる差数が-1500点以下か否かを判定することにより、当該-1500点以下となる区間部分のグラフを表示しない処理を実行する。これにより、同図(b)では、差数が-1500点以下となった後、遊技点数が付与されて-1500点を超えるまでの間、差数のデータが欠落した断続的な推移を示している。
【0051】
また、同図(b)と(a)との対比から明らかなように、差数グラフ51のケースでは閾値(-1500点)との関係で、その差数が落ち込んだときのグラフの下半部が非表示となる。さらに遊技場の営業終了までに引続き差数が落ち込んだ場合であっても、差数グラフ51のケースでは閾値(-1500点)までしか差数を把握できない。一方、遊技場の営業終了までに、差数が-1500点以下となった後、遊技点数が付与されて-1500点を超えた場合には、正確な差数を把握できる。しかしながら、遊技機1によっては閾値以下の差数を正確に把握することができなくなるため、例えば遊技場全体として見た場合或いは特定の機種として着目した場合におけるアウトと差数とに基づく出率といった遊技情報については実際の出率と比較して高くなる傾向にある。このため、当該差数グラフ51の画像データが、上記の如く抽出され画像解析がなされた場合であっても、正確な差数(同図(a)のグラフ50の推移が示す差数)及び当該差数に基づく出率を把握することができず、その正確な遊技情報が取得されることを阻害することができる。
なお、差数グラフ51では、同図(b)のように罫線51aを表示してもよいが、表示しなくてもよい。また、差数グラフ51における閾値は、遊技価値の種類(種別)等に応じて適宜変更することができ、例えばパチンコ機に対応する閾値を-5000点に設定し、その閾値以下の区間部分を非表示としてもよい。
【0052】
各遊技場A~Cの管理装置6では、キーボード6b等の設定手段を用いた操作入力により、不正対策として上記処理を施すか否かの設定(グラフ50の表示/非表示に対応するグラフ51の非表示/表示の設定)を管理者の任意で行う構成とされている。これにより、係る管理装置6の設定手段により当該処理を施す設定とすることで、自店Aの差数グラフを不正対策用の差数グラフ51として提供する(ウェブサイト上で公開する)ことができる。
【0053】
また、管理サーバ30では、予め定められた条件が成立した場合、つまり例えば予め遊技場A~Cの管理装置6にて設定された当該処理を施す旨の通知を受付けていることを第1条件とし、予め自装置30にて受付けられたグラフ51の表示/非表示に係る特定日に当たることを第2条件として、それら第1条件と第2条件が成立した場合に、該当する遊技場の差数グラフについて特定日に不正対策用のもの(
図6(b)のグラフ51)を表示させる一方、成立しない場合に通常のもの(
図6(a)のグラフ50)を表示させる。
【0054】
(3.その他の差遊技価値グラフ(連続グラフ60))
管理サーバ30では、上記した差数グラフ50,51以外の差遊技価値グラフをも作成可能であり、
図7は、差遊技価値グラフの一例としての連続グラフ60を示している。連続グラフ60は、差数グラフ50と以下の点で相違する。
【0055】
即ち、連続グラフ60は、複数の営業日(例えば直近8日間)を対象期間とし当該対象期間に亘って差数の推移を示す連続した差遊技価値グラフである。同
図7に示すように、連続グラフ60は、その差数の推移を示すラインが「本日、前日、2日前、3日前、・・・」というように8日分に対応する線種(或いは8色)で表され、日別の推移を判別可能とされている。また、連続グラフ60の縦軸における、差数の目盛りの最大値及び最小値(例えば同図に示す15000点及び-15000点)は、対象期間の長短や遊技価値の種類に応じたレンジに設定されている。これにより、連続グラフ60では、前日の最終時点の差数と翌日の最初の時点の差数とが繋がり間断なく出力されている(連続している)ことから、複数日の差数を参照(閲覧)する場合に、その全体の推移が把握し易くなる。
【0056】
各遊技場A~Cの管理装置6では、キーボード6b等の前記設定手段を用いた操作入力により、不正対策として上記処理を施すか否かの設定を管理者の任意で行う構成とされている。これに伴い、管理装置6(設定手段)において、差数グラフ51に係る前記処理を施すよう設定されている場合に連続グラフ60(連続した差遊技価値グラフ)を表示せず、前記処理を施すよう設定されていない場合に連続グラフ60を表示するように構成されている。このように差数グラフ50または51の表示に関する設定を行うことで、連続グラフ60をもウェブサイト上で公開するか否かを設定することができる。
【0057】
(4.グラフ描画手段によるグラフ作成処理)
図8は、管理サーバ30(グラフ描画手段)により実行されるグラフ作成処理の流れを示しており、同図の「S1~S4」は差数グラフ51を作成するときのステップを表すものとする。なお、差数グラフ51は、差数を示すポイントを対応箇所(該当する差数の座標点)にプロットし、当該ポイントを前回プロットしたポイントと接続することで描写(描画、プロット)する従来と同様の作成ロジックを利用しているが、本実施形態のグラフ51の作成ロジックでは、独自のステップS2,S4が規定されている。なお、後者のプロット(ポイント間を接続するプロット)は、前者のプロット(差数を示すポイントのプロット。単に「ポイント」とも称す)に付随して描画されるものであるから、以下ではグラフ51の作成ロジックについて、前者のプロットを中心に説明する。
【0058】
即ち、管理サーバ30は、各遊技場A~Cの管理装置6から複数機種の遊技機に関する遊技情報を受信し(S1)、係る遊技情報に基づき基準分のアウト(例えば上記スロットマシンでは3点)、或いは基準プロット時間(上記1分)が経過した場合に、対象となる遊技機1(例えばスロットマシン)の差数を算出する。
次いで、管理サーバ30は、算出した差数(プロットされる差数)が所定閾値以下か否かを判定する(S2)。この場合、S2に示す「所定値未満」とは、例えば閾値が上記-1500点のとき「-1499点未満」に相当するものである(つまり「以下」は「未満」等と適宜言い換えうる)。
【0059】
そして、管理サーバ30は、算出した差数が所定閾値を超えると判定した場合(S2:NO)、差数の対応箇所にポイントをプロットし(S3)、リターンする。一方、算出した差数が所定閾値以下と判定した場合(S2:YES)、「所定値未満区間を除いた差数グラフ描画」とすべく、差数の対応箇所にポイントをプロットすることなく(S4)、リターンする。
【0060】
つまり、
図6(b)に示すグラフ51のように、算出した差数が罫線51aで示す-1500点を超えている限りにおいては、S1~S3の処理が繰返し実行されることにより、差数を右から順にプロットしていくが、差数が-1500点以下になるとその値が再び-1500点を超えるまで、S1,S2,S4の処理が繰返し実行される結果、その区間部分のグラフを表示しない、当該区間部分の差数のポイントが欠落した不正対策用の差数グラフ51として作成されることとなる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態の管理サーバ30は、表示の対象となる差数グラフ50から所定の遊技情報が取得されることを阻害可能な処理を施したグラフであって、予め定められた条件(例えば前記第1条件と第2条件)が成立した場合に当該処理を施すことにより不正対策用の差数グラフ51を作成する。
これによれば、予め定められた条件が成立した場合に不正対策用の差数グラフ51を作成し、これを閲覧に供するので、例えば遊技情報の抽出を目的としたスクレイピングにより差玉グラフ51が収集された場合であっても、画像解析による遊技情報の取得を阻害することができる。また、これにより、悪意ある遊技者による不必要な遊技情報の取得を抑制することができ、ひいては管理サーバ30の処理負荷を軽減することができる。
【0062】
管理サーバ30は、不正対策用の差数グラフ51の作成に際して、前記プロットされる差数が所定閾値以下か否かを判定することにより(
図8のS2参照)、当該閾値以下となる区間部分のグラフを表示しない処理を施す(
図6(b)参照)。
これによれば、差数が所定数マイナスとなった区間部分において差数を表示しない(プロットしない)グラフ51として作成されるため、差数が所定数マイナスとなった状態で営業終了した場合、最終的な差数を把握することができない。このため、例えばスクレイピングにより当該差玉グラフ51が収集された場合であっても、画像解析による遊技情報の取得、特には差数に基づき算出される出率といった遊技情報を取得不能とすることができ、本発明をより実行あらしめることができる。
【0063】
なお、管理サーバ30において、不正対策用の差数グラフ51の作成に際し、
図6(b)に例示したようにプロットされる差数の一部分あるいは当該プロットにより示される差数の推移を示すグラフ51の一部分を表示しない処理を施すようにすればよい。従って、当該不正対策としての処理は、
図8のS1~S4の処理に限らず、例えば
図6(a)の如くグラフ50を描画して作成しておき、少なくとも当該描画された差数の一部を表示しないようにマスク処理する構成としてもよく、この場合でも上記と同様の効果を奏する。
【0064】
管理装置6は、遊技場A~C毎の不正対策として前記処理を施すか否かを設定可能な設定手段として構成されている。これによれば、不正対策を差数グラフ51により講じるか否かを設定することができ、例えば特定日においては差数グラフ50により、その差数のデータを全て表示するが、それ以外の日は差数グラフ51により全データを表示しないといった運用を行うことができる。
【0065】
管理サーバ30は、
図7に例示したように複数の営業日を対象期間とし当該対象期間に亘って差数の推移を示す連続した差数グラフ(例えば
図7の連続グラフ60)を作成可能であり、管理装置6において、前記処理を施すよう設定されている場合、前記連続した差数グラフを表示せず、前記処理を施すよう設定されていない場合、前記連続した差数グラフを表示するように構成されている。
これによれば、複数の営業日に亘って連続した差数グラフを、不正対策用の差数グラフの表示に関する設定に応じて表示するか否かを決定することができ、例えば管理者が不正対策用の差数グラフ51の表示を所望する期間は連続グラフ60を表示しないが、それ以外の期間は表示するといった運用を行うことができる。
【0066】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組み合せたり、各変形例を組み合わせるようにしても良い。
不正対策としての処理としては、差数がプラスである領域とマイナスである領域とでグラフのスケールを異ならせる処理を実行してもよく、この構成によっても、画像解析による差数に係るデータの取得を阻害することができる。
【0067】
管理サーバ30における機能(各種手段)の一部を管理装置6に持たせるようにしてもよく、各種手段は上記した装置30,6等に限定するものではない。例えば、管理サーバ30において差遊技価値の算出を行うようにしたが、管理装置6において差数を算出し、遊技機単位のデータとして管理サーバ30へ送信するようにしてもよい。
関連する設定情報や閾値は予め設定されていれば管理者が任意に設定しても、管理装置6の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部や遊技機メーカ等)の管理サーバからダウンロードして設定してもよい。
【0068】
遊技場端末は、管理装置6に限らず、スマートフォンやタブレットなどの携帯可能な端末でもよい。遊技者端末は、携帯端末31やパソコン31´に限らず、インターネット100へ接続可能な端末装置であればよい。
遊技場外に設けた管理サーバ30は情報提供会社が運営することを前提としたが、遊技場自身が運営してもよい。
【0069】
設定手段により、閲覧に供するグラフ50,51の何れかを選択的に表示させるものとしたが、さらに携帯端末31では閲覧可能とするがパソコン31´では閲覧不能とするといった設定のように、ウェブサイトを閲覧する遊技者端末ごとに設定できるようにしてもよい。
遊技者に対する遊技情報の閲覧サービスの提供を有償サービスとしたが、無償サービスとし、誰でも自由に利用できるようにしてもよい。
携帯端末固有のアカウントを取得しなくても閲覧サービスを利用可能にしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
図面中、1は遊技機、6は管理装置(設定手段、遊技場端末)、30は管理サーバ(差遊技価値算出手段、差遊技価値グラフ作成手段、表示手段)、31は携帯端末(遊技者端末)、31´はパソコン(遊技者端末)である。