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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010314
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】緩衝材
(51)【国際特許分類】
   D04H 1/541 20120101AFI20240117BHJP
   D04H 1/55 20120101ALI20240117BHJP
   D04H 1/732 20120101ALI20240117BHJP
【FI】
D04H1/541
D04H1/55
D04H1/732
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111579
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】大田 司
【テーマコード(参考)】
4L047
【Fターム(参考)】
4L047AA08
4L047AA21
4L047AA27
4L047AA28
4L047BA09
4L047BB09
(57)【要約】
【課題】結合材の性能を十分に引き出し、形状安定性、衝撃緩衝性能に優れた緩衝材を提供する。
【解決手段】第1繊維と、芯部及び前記芯部を被覆する被覆層を有し、ポリエステルを含む第2繊維と、を含む緩衝材であって、前記被覆層が、複数の前記第1繊維を融着させる結合材として機能する、緩衝材。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1繊維と、
芯部及び前記芯部を被覆する被覆層を有し、ポリエステルを含む第2繊維と、
を含む緩衝材であって、
前記被覆層が、複数の前記第1繊維を融着させる結合材として機能する、緩衝材。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2繊維の芯部は、PET又はPLAからなる、緩衝材。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記第2繊維の芯部の融点をTm1とし、前記被覆層の融点をTm2としたとき、
Tm2<Tm1を満足する、緩衝材。
【請求項4】
請求項3において、
20℃≦(Tm1-Tm2)を満足する、緩衝材。
【請求項5】
請求項1又は請求項2において、
前記第2繊維の芯部の融点をTm1とし、前記被覆層の融点をTm2としたとき、
160℃≦Tm1を満足する、緩衝材。
【請求項6】
請求項5において、
120℃≦Tm2を満足する、緩衝材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緩衝材に関する。
【背景技術】
【0002】
古紙等から得られるセルロース繊維を粒状の結合材により結着させて、成形された緩衝材が検討されている。例えば、特許文献1には、複数のセルロース繊維と該セルロース繊維を結合させる結合材と、を含むウェブ構造体であって、ウェブ構造体の表面における結合材の溶融割合が、ウェブ構造体の厚さ方向の中心における結合材の溶融割合より大きい、ウェブ構造体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-153037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたような構造体では、結合材が粒子形状であるので、結合材は主に構造体の形状を維持する役割を担っている。そのため、例えば、構造体を緩衝材として用いる場合など、衝撃緩衝性能などの構造体の形状維持以外の性能の向上には、結合材が必ずしも十分に寄与していなかった。したがって結合材の性能を十分に引き出し、形状安定性、衝撃緩衝性能に優れた緩衝材が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る緩衝材の一態様は、
第1繊維と、
芯部及び前記芯部を被覆する被覆層を有し、ポリエステルを含む第2繊維と、
を含む緩衝材であって、
前記被覆層が、複数の前記第1繊維を融着させる結合材として機能する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る緩衝材を製造するシート製造装置を模式的に示す図。
図2】実施例及び比較例に係る緩衝材の応力ひずみ曲線の一例。
図3】実施例に係る緩衝材の製造時の加熱温度と緩衝性能の関係を表すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に本発明の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお、以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
【0008】
1.緩衝材
本実施形態に係る緩衝材は、第1繊維と、第2繊維と、を含む。緩衝材は、例えば精密機器、工具、ガラス器具、陶器等の物品の梱包に用いることができ、運搬等による物品の破損や物品へのダメージを防止又は軽減することができる。
【0009】
1.1.第1繊維
緩衝材は第1繊維を含み、複数の第1繊維が第2繊維により結着されている。緩衝材において、第2繊維により、1本の第1繊維内で結着されてもよいし、2本以上の第1繊維間が結着されてもよい。
【0010】
第1繊維としては、特に限定されず、広範な繊維材料を用いることができる。繊維としては、天然繊維(動物繊維、植物繊維)、化学繊維(有機繊維、無機繊維、有機無機複合繊維)などが挙げられ、更に詳しくは、セルロース、絹、羊毛、綿、大麻、ケナフ、亜麻、ラミー、黄麻、マニラ麻、サイザル麻、針葉樹、広葉樹等からなる繊維や、レーヨン、リヨセル、キュプラ、ビニロン、アクリル、ナイロン、アラミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリイミド、炭素、ガラス、金属からなる繊維が挙げられ、これらを単独で用いてもよいし、複数であってもよい。また、湿式離解、乾式解繊、精製などを行った再生繊維であってもよい。これらの中でも第1繊維は、セルロース繊維を含むことが好ましい。
【0011】
セルロース繊維は、再生可能な天然素材で、各種繊維の中でも、安価で入手が容易であるため、生産コストの低減、安定的な生産、環境負荷の低減等の観点からも有利である。なお、セルロース繊維とは、化合物としてのセルロースを主成分とし繊維状をなすものであればよく、セルロースの他に、ヘミセルロース、リグニンを含むものであってもよい。
【0012】
第1繊維の平均長さは、好ましくは0.05mm以上5.0mm以下であり、より好ましくは0.1mm以上3.0mm以下であり、さらにより好ましくは0.5mm以上1.0mm以下である。繊維の平均幅は、好ましくは0.05μm以上200.0μm以下であり、より好ましくは1.0μm以上100.0μm以下である。繊維の平均アスペクト比、すなわち平均幅に対する平均長さの比率は、好ましくは10以上1000以下であり、より好ましくは15以上500以下である。このような範囲であれば、緩衝材の形状安定性や剛性をより良好にでき、緩衝材の力学的な緩衝特性を向上できる。
【0013】
繊維の太さ、長さは、例えばファイバーテスター(Lorentzen & Wettre社製)により測定することができる。
【0014】
1.2.第2繊維
緩衝材は、第2繊維を含む。第2繊維は、芯部と、芯部を被覆する被覆層と、を有している。また、第2繊維は、ポリエステルを含む。
【0015】
第2繊維は、芯部と、芯部を被覆する被覆層と、を有する。芯部は、第2繊維の剛性を高め、緩衝材の構造安定性を高める機能を有する。被覆層は、複数の第1繊維間、第1繊維及び第2繊維間、並びに複数の第2繊維間を融着させる機能を有する。すなわち被覆層は、複数の第1繊維を融着させる結合材として機能する。
【0016】
緩衝材においては、第1繊維及び第2繊維は、部分的に融着した状態となっている。第1繊維及び第2繊維の配向は任意であり、特定の方向に配向していてもよいし、ランダムな配向であってもよい。また、第1繊維及び第2繊維の配向は、例えば、緩衝材がシート状である場合には、シートの面に沿うように配向してもよい。
【0017】
第1繊維及び第2繊維が接触している部分では、第2繊維の被覆層が熱によって溶融し、第1繊維の外表面に広がり、その状態で硬化して第1繊維及び第2繊維が接合される。また、第2繊維同士が接触している部分では、各々の被覆層が熱によって溶融し、互いの表面に広がり、その状態で硬化して、第2繊維同士が接合される。
【0018】
このように、第1繊維及び第2繊維が部分的に熱融着により接合されているため、緩衝材全体で見たとき、十分な剛性が確保され、緩衝能力、衝撃吸収性を有するものとすることができる。
【0019】
第2繊維は、芯部と被覆層とからなるいわゆる芯鞘構造を有している。そのため、被覆層が第1繊維及び第2繊維を融着させる結合材として機能し、熱融着時に芯部が溶融したり過剰に変形することを抑制することができる。すなわち、成形後も、芯部が良好な繊維の形態で残ることにより、第2繊維のいわゆるコシを残すことができる。その結果、緩衝材全体で見たとき、構造を維持するための繊維の数が第1繊維及び第2繊維の数の合計となり、粒子状の結合材を用いる場合に比べて、より高い剛性を示すことができる。
【0020】
第2繊維は、芯部の融点をTm1とし、被覆層の融点をTm2としたとき、Tm2<Tm1を満足することが好ましい。これにより、熱融着工程において、より効果的に被覆層を優先的に溶融させることができるとともに、芯部まで溶融してしまうのを抑制することができる。また、このようにすれば、被覆層による第1繊維の結着をより容易にすることができ、さらに緩衝性能を向上できる。
【0021】
また、第2繊維は、20℃≦(Tm1-Tm2)を満足することがさらに好ましい。これにより、熱融着工程において、より確実に被覆層を優先的に溶融させることができるともに、芯部まで溶融してしまうのをさらに抑制できる。またこのようにすれば、より高い温度で繊維の結着を行うことができるので、さらに緩衝性能を向上できる。
【0022】
さらに詳細には、第2繊維は、20℃≦(Tm1-Tm2)≦100℃を満足することが好ましく、25℃≦(Tm1-Tm2)≦90℃を満足することがより好ましい。(Tm1-Tm2)の値が小さすぎると、熱融着工程において、芯部まで溶融、変形する可能性が高まるとともに、被覆層を溶融するのに比較的高い加熱温度が必要となる可能性がある。一方、(Tm1-Tm2)の値が大きすぎると、そのような被覆層の材質を選択することが難しくなる可能性がある。
【0023】
また、第2繊維は、160℃≦Tm1を満足することが好ましい。これにより、20℃≦(Tm1-Tm2)を満足しやすくすることができる。
【0024】
さらに、第2繊維は、160℃≦Tm1≦200℃を満足することが好ましく、165℃≦Tm1≦190℃を満足することがより好ましい。Tm1の値が低すぎると、熱融着工程において、芯部まで溶融、変形する可能性が高まる。一方、Tm1の値が高すぎると、そのような被覆層の材質を選択することが難しくなる可能性がある。
【0025】
また、第2繊維は、120℃≦Tm2を満足することがより好ましい。これにより、20℃≦(Tm1-Tm2)を満足しやすくすることができる。
【0026】
より詳細には、第2繊維は、120℃≦Tm2≦170℃を満足することが好ましく、125℃≦Tm2≦160℃を満足することがより好ましい。Tm2の値が低すぎると、そのような被覆層の材質を選択することが難しくなる可能性がある。一方、Tm2の値が高すぎると、熱融着工程において、芯部まで溶融、変形する可能性が高まる。
【0027】
このような融点の差異は、例えば、芯部及び被覆層の材質を選ぶことにより発現させることができる。また、本明細書中での融点とは、JIS K 0064-1192に準拠して求められた値である。
【0028】
第2繊維は、ポリエステルを含む。ポリエステルとしては、分子内にエステル結合を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、芳香族ポリエステルでは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート等が挙げられ、また、脂肪族ポリエステルでは、例えばポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等が挙げられる。
【0029】
また、ポリエステルには、他のジカルボン酸成分、ジオール成分あるいはオキシカルボン酸成分等が共重合されてもよいし、複数種のポリエステルをブレンドしたブレンド物を用いてもよい。共重合できる他の成分としては、ジカルボン酸では、例えば、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、無水フタル酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、ε-カプロラクトン等が挙げられ、ジオール成分では、エタンジオール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0030】
ポリエステルが第2繊維に含まれることにより、第2繊維のいわゆるコシをより良好なものとできるが、第2繊維のうち芯部にポリエステルが含まれることがより好ましく、芯部がポリエステルからなることがさらに好ましい。さらに、芯部がポリエステルである場合には、ポリエチレンテレフタレート又はポリ乳酸であることがより好ましく、ポリエチレンテレフタレートであることが特に好ましい。なお、第2繊維の被覆層にもポリエステルが含まれてもよい。
【0031】
被覆層の材質としては、芯部を被覆可能でかつ第1繊維と熱融着可能なものであれば特に限定されない。そのような材質としては、熱可塑性樹脂が挙げられ、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、などが挙げられる。これらの樹脂は、単独又は適宜混合して用いてもよい。また、共重合体化や変性したものであってもよい。
【0032】
芯部の材質がポリエチレンテレフタレートである場合には、被覆層の材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンであることがより好ましく、ポリエチレンであることがさらに好ましい。
【0033】
なお、上述した芯部の融点及び被覆層の融点の関係は、芯部及び被覆層のそれぞれの材質を適宜に選択することにより調節してもよい。
【0034】
芯部の径D1と、被覆層の厚さW1との比は、特に限定されないが、0.2以上2.0以下であることが好ましく、0.5以上1.5以下であることがより好ましい。これにより、熱融着工程後も、より確実に芯部を変形させにくくすることができる。
【0035】
第2繊維の平均長さは、特に限定されないが、0.5mm以上10mm以下であることが好ましく、3.0mm以上5mm以下であることがより好ましい。これにより、第1繊維との融着部位、第2繊維同士の融着部位を十分に確保することができる。そのため、緩衝材の強度をより高くすることができる。
【0036】
また、第2繊維の平均幅(太さ)は、特に限定されないが、0.5μm以上50μm以下であることが好ましく、0.7μm以上40μm以下であることがより好ましい。これにより、より十分な強度を確保することができる。
【0037】
また、第2繊維の平均アスペクト比、すなわち平均幅に対する平均長さの比率は、3以上、1500以下であることが好ましく、10以上、800以下であることがより好ましい。
【0038】
第1繊維及び第2繊維の平均長さは、同じであってもよく異なっていてもよい。具体的には、第1繊維の平均長をLAとし、第2繊維の平均長をLBとしたとき、LA/LBは、0.2以上5.0以下であることが好ましく、0.5以上2.0以下であることがより好ましい。これにより、緩衝材の全体における機械的強度や衝撃吸収性のムラをより低減することができる。
【0039】
また、同様の理由により、第1繊維及び第2繊維の平均幅は、同じであってもよく異なっていてもよい。具体的には、第1繊維の平均幅をWAとし、第2繊維の平均幅をWBとしたとき、WA/WBは、0.7以上1.3以下であることが好ましく、0.8以上1.2以下であることがより好ましい。
【0040】
1.3.第1繊維及び第2繊維の配合量
緩衝材における第1繊維及び第2繊維の量は、特に限定されないが、緩衝材の全質量を100%とした場合に、第2繊維が5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、10質量%以上450質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上40質量%以下であることがさらに好ましい。第2繊維の配合量がこの範囲にあることで、緩衝材の剛性及び緩衝能力をより優れたものにできる。
【0041】
1.4.その他の特徴
緩衝材の厚さは、特に限定されず、例えば、1.0mm以上200.0mm以下とすることができ、5.0mm以上150.0mm以下であってもよい。
【0042】
また、緩衝材の材料の坪量についても限定されず、例えば、50g/m以上10000g/m以下とすることができる。さらに、緩衝材の嵩密度も用途に応じて適宜設定できる。
【0043】
さらに、緩衝材は、例えば成形、加工の利便性を高める目的で、表面又は内部に任意のシートや不織布を有してもよい。
【0044】
また、緩衝材は、第1繊維及び第2繊維以外の添加剤を含んでいてもよい。そのような添加剤としては、例えば、抗菌剤、抗ウイルス剤、防カビ剤、防臭剤、中和剤、定着剤、粘剤、サイズ剤、紙力増強剤、消泡剤、保水剤、耐水化剤、繊維の凝集や樹脂の凝集を抑制するための凝集抑制剤、カーボンブラック、着色剤、難燃剤等が挙げられる。
【0045】
1.5.作用効果等
本実施形態の緩衝材は、第1繊維の結合材として第2繊維を用いている。第2繊維は、繊維形状であるため、粒子形状の結合材を用いた場合に比べて、荷重を支える繊維の量が増える。そのため、ひずみの小さい弾性領域において弾性率が高く、緩衝材としての沈み込み耐性が良好である。また、ひずみの大きい塑性領域においては、加速度が小さく、緩衝材としての緩衝性能が良好である。このような効果は、結合材と繊維との結合点の増加及び/又は結合点の結合強度が高いことが一因と考えられる。
【0046】
2.緩衝材の製造方法
次に、本実施形態に係る緩衝材の製造方法について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る緩衝材は、例えば、シート製造装置を用いて製造される。図1は、本実施形態に係る緩衝材を製造するシート製造装置200を模式的に示す図である。
【0047】
ここで例示するシート製造装置200においては、原料Cから得られるセルロース繊維を含む繊維が上述した第1繊維に相当し、混合部250において混合される結着材が上述した第2繊維に相当する。そして、製造されるシートSが上述の緩衝材に相当する。
【0048】
シート製造装置200は、図1に示すように、上流から下流に向かって、例えば、供給部210と、粗砕部220と、定量供給部230と、解繊部240と、混合部250と、フォーミング部260と、ウェブ搬送部270と、成形部280と、裁断部290と、を含む。シート製造装置200は、シート状の成形体であるシートSを製造する。
【0049】
供給部210は、粗砕部220に原料Cを供給する。供給部210は、自動送り機構を有している。供給部210は、自動送り機構によって、粗砕部220に原料Cを連続的かつ自動的に投入する。原料Cは、セルロース繊維を含む材料である。
【0050】
粗砕部220は、供給部210から供給される原料Cを、大気などの気中で細断する。粗砕部220は、粗砕刃222を有する。粗砕部220は、例えば、シュレッダーやカッターミルなどである。原料Cは、粗砕刃222によって細断されて細片となる。細片の平面形状は、例えば数mm角もしくは不定形である。細片は、定量供給部230に集められる。
【0051】
定量供給部230は、細片を計量してホッパー232へ定量供給する。定量供給部230は、例えば、振動フィーダーである。ホッパー232に供給された細片は、管234を介して解繊部240の導入口242に搬送される。
【0052】
解繊部240は、例えば、導入口242と、排出口244と、ステーター246と、ローター248と、図示しない気流発生機構と、を有している。解繊部240は、原料Cの細片を乾式にて解繊して、繊維を生成する。原料Cの細片は、気流発生機構の気流によって、導入口242を介して解繊部240の内部に導入される。なお、「乾式」とは、液体中で所定の処理を実施せずに、大気などの気中で実施することをいう。
【0053】
ステーター246は、略円筒状の内側面を有している。ローター248は、ステーター246の内側面に沿って回転する。原料Cの細片は、ステーター246とローター248との間に挟まれて、ステーター246とローター248との間に発生するせん断力によって解繊される。
【0054】
解繊部240の解繊により生成された繊維は、繊維長が1.0mm以上であることが好ましい。これによれば、繊維が過度に短くならないため、シートSの機械的強度が向上する。繊維は、解繊部240の排出口244から混合部250へ排出される。混合部250の管251は、解繊部240の内部と、フォーミング部260の内部と、を連通している。繊維は、気流発生機構が発生させる気流によって、解繊部240から管251を介してフォーミング部260へ搬送される。
【0055】
混合部250は、例えば、管251と、ホッパー252,253と、供給管254,255と、バルブ256,257と、を有している。混合部250は、管251の空気中を搬送されてくる繊維に対して、結着材及び必要に応じて添加剤を混入させる。これにより混合物が生成される。
【0056】
ホッパー252は、結着材を管251内へ供給する。ホッパー252は、供給管254を介して管251の内部に連通している。バルブ256は、供給管254において、ホッパー252と管251との間に設けられている。バルブ256は、ホッパー252から管251に供給される結着材の重量を調整する。バルブ256により、繊維と結着材との混合比が調整される。結着材は、粉体として供給されてもよく、溶融されて供給されてもよい。
【0057】
ホッパー253は、添加剤を管251内へ供給する。ホッパー253は、供給管255を介して管251の内部に連通している。バルブ257は、供給管255において、ホッパー253と管251との間に設けられている。バルブ257は、ホッパー253から管251に供給される添加剤の重量を調整する。バルブ257により、繊維及び結着材に対する添加剤の混合比が調整される。
【0058】
繊維及び結着材などは、管251内をフォーミング部260へ搬送されながら混合されて混合物となる。管251における混合物生成の促進、及び混合物の搬送性向上のために、管251に気流を発生させるブロアーなどを設けてもよい。混合物は、管251の下流の端とフォーミング部260とを接続する供給部材258を介して、フォーミング部260へ導入される。
【0059】
フォーミング部260は、繊維及び結着材などを含む混合物を空気中で堆積させて、ウェブWを生成する。フォーミング部260は、例えば、分散部262と、堆積部268と、を有している。
【0060】
分散部262は、堆積部268の内部に設けられている。分散部262の内部は、供給部材258を介して管251と連通している。堆積部268の下方には、ウェブ搬送部270が設けられている。フォーミング部260は、混合物を供給部材258から分散部262の内部に取り込み、乾式にてウェブ搬送部270のメッシュベルト272上に堆積させる。
【0061】
分散部262は、例えば、回転部材264と、回転部材264を収納するドラム部266と、を有している。図示の例では、回転部材264は、+状の部材である。回転部材264は、図示しない駆動部の駆動により回転する。ドラム部266は、略柱状の部材である。ドラム部266の下方は、例えば、金属メッシュで形成されている。金属メッシュの網目は、混合物に含まれる繊維や結着材などを通過させる。
【0062】
堆積部268は、略箱状の部材である。堆積部268の上面は、供給部材258と接続されている。堆積部268の底面に相当する領域は、開放されている。分散部262は、堆積部268内にあって、メッシュベルト272の上面と対向している。堆積部268は、例えば、樹脂や金属などで構成されている。
【0063】
混合物は、回転する回転部材264や、回転部材264とドラム部266との間を通過することによってほぐされる。混合物中の複数の繊維は、絡み合った状態が解かれて単体に分離されて、ドラム部266の網目を通過する。これにより、分散部262は、混合物に含まれる繊維及び結着材などを堆積部268の内部で分散させる。
【0064】
混合物は、分散部262の内部から堆積部268内の空気中に放出されて、重力及びウェブ搬送部270のサクション機構275の吸引力によって、メッシュベルト272上に導かれる。混合物は、メッシュベルト272の上面に、後述する第1基材N1を介して堆積する。堆積部268は、分散された繊維を含む混合物を堆積させてウェブWを形成する。
【0065】
ウェブ搬送部270は、例えば、メッシュベルト272と、張架ローラー273と、サクション機構275と、を有している。
【0066】
メッシュベルト272は、無端ベルトである。図示の例では、メッシュベルト272は、4つの張架ローラー273によって張り架けられる。メッシュベルト272は、サクション機構275による吸引を妨げず、ウェブWを保持できる強度を有している。メッシュベルト272は、例えば、金属や樹脂で構成されている。メッシュベルト272が有するメッシュの穴径は、特に限定されないが、例えば、60μm以上125μm以下である。
【0067】
張架ローラー273は、メッシュベルト272を回転可能に支持している。4つの張架ローラー273の少なくとも1つは、図示しないモーターによって回転駆動される。メッシュベルト272は、張架ローラー273の回転によって、上面が下流に向かって移動する。図示の例では、メッシュベルト272は、時計回りに回動する。メッシュベルト272が回動することによって、第1基材N1及びウェブWが下流へ搬送される。
【0068】
メッシュベルト272の上流側には、基材供給部274が設けられている。基材供給部274は、ロール状の第1基材N1を回転可能に支持している。第1基材N1は、基材供給部274からメッシュベルト272の上面へ連続的に供給される。第1基材N1は、搬送されながら、上面に堆積部268から混合物が降下して堆積される。これにより、第1基材N1の上面にウェブWが連続的に形成される。メッシュベルト272は、第1基材N1と共にウェブWを下流へ搬送する。第1基材N1は、不織布で構成されている。
【0069】
サクション機構275は、分散部262の下方に設けられている。サクション機構275は、メッシュベルト272上への混合物の堆積を促進させる。サクション機構275は、メッシュベルト272及び第1基材N1が有する複数の穴を介して、堆積部268内の空気を吸引する。メッシュベルト272及び第1基材N1の複数の穴は、空気を通し、混合物に含まれる繊維や結着材などを通し難い。分散部262から堆積部268の内側に放出された混合物は、空気と共に下方に吸引される。サクション機構275としては、ブロアーなどの公知の吸引装置が用いられる。
【0070】
堆積部268内の混合物は、重力に加えてサクション機構275の吸引力によって第1基材N1の上面に堆積してウェブWとなる。ウェブWは、空気を比較的に多く含み、柔らかく膨らんでいる。ウェブWは、メッシュベルト272によって、第1基材N1と共に下流へ搬送される。
【0071】
なお、図示はしないが、メッシュベルト272の上方に加湿器を設けてもよい。加湿器は、ウェブWに水を噴霧して加湿する。これにより、ウェブWに含まれる繊維や結着材などの飛散を抑制することができる。さらに、加湿に用いる水に水溶性の添加剤などを含ませて、加湿と並行して添加剤をウェブWに含侵させてもよい。
【0072】
ウェブ搬送部270の下流には、ダンサーローラー276が配置される。ウェブWは、最も下流側の張架ローラー273から剥離された後、ダンサーローラー276に引き込まれる。ダンサーローラー276は、下流における加工時間を確保する。具体的には、成形部280での成形は、バッチ処理となる。そのため、堆積部268から連続的に搬送されてくるウェブWに対して、ダンサーローラー276を上下に移動させて成形部280に到達する時間を遅延させる。
【0073】
ダンサーローラー276の下流、かつ成形部280の上流には、基材供給部277が設けられている。基材供給部277は、ロール状の第2基材N2を回転可能に支持する。第2基材N2は、基材供給部277からウェブWの上面へ連続的に供給される。これにより、ウェブWは、下方の第1基材N1と、上方の第2基材N2と、に挟まれた状態で成形部280に送り出される。第2基材N2は、不織布で構成されている。
【0074】
成形部280としては、加熱プレス装置を用いる。成形部280は、上基板282と、下基板284と、を有している。成形部280は、第1基材N1、ウェブW、及び第2基材N2を連続帳票状のシートSに成形する。上基板282及び下基板284は、ウェブWを間に挟んで加圧すると共に、内蔵するヒーターによって加熱する。第1基材N1及び第2基材N2は、ウェブWに含まれる繊維が成形部280に付着することを抑制することができる。
【0075】
ウェブWは、加圧によって上下方向から圧縮されて密度が増加する。ウェブWに含まれる結着材は、加熱により溶融して繊維の間に濡れ広がる。この状態で加熱が終了して結着材が固化すると、繊維同士が結着材によって結着される。これにより、第1基材N1、ウェブW、及び第2基材N2の3層から成る連続帳票状のシートSが成形される。連続帳票状のシートSは、下流の裁断部290へ搬送される。
【0076】
なお、成形部280では、加熱プレス装置に代えて、加熱ローラー及び加圧ローラーを用いて連続的に成形を行ってもよい。この場合には、ダンサーローラー276を省いてもよい。
【0077】
裁断部290は、シートSを連続帳票状から単票状に裁断する。裁断部290は、図示はしないが、縦刃と、横刃と、を有している。縦刃及び横刃は、例えば、ロータリーカッターなどである。なお、ロータリーカッターに代えて超音波カッターなどを用いてもよい。縦刃は、連続帳票状のシートSを進行方向に沿う方向に切断する。横刃は、連続帳票状のシートSを進行方向と交差する方向に切断する。これにより、シートSは、略矩形の単票状に加工されてトレイ292に収容される。
【0078】
シート製造装置200により製造されるシートSは、堆積部268により形成されるウェブWの厚さを変更すること、ウェブWを複数層積層して厚さを変更すること、成形部280による加圧、加熱の程度を変更すること、等により、所望の厚さ、強度となるように成形できる。また、図示の例では、第2繊維を混合部250において添加しているが、第2繊維は、混合部250よりも上流側で混合されてもよい。
【0079】
成形部280における加圧、加熱の程度は、製造されるシートSの特性に応じて適宜設定し得るが、成形部280における加熱は、ウェブWの温度が、160℃以上230℃以下となるようにすることが好ましく、200℃以上220℃以下とすることがより好ましい。後述の実施例において実証されるが、芯部がPETであり被覆層がポリエチレンである第2繊維を用いる場合には、成形部280における加熱は、ウェブWの温度が上記範囲にあることにより、緩衝材の沈み込み耐性及び衝撃緩衝能力の両立を図るためにより好ましい。
【0080】
また、上記の例では、第1基材N1、第2基材N2として不織布を用いているが、これを用いなくてもよいし、ウェブWを積層する場合には、最上面及び最下面だけに不織布が配置されるようにしてもよい。
【0081】
製造されたシートS(緩衝材)は、加熱プレス装置、加熱加圧ローラー等により成形された場合には、シートSの主面に平行な方向に第1繊維及び第2繊維が配向する。すなわち、第1繊維及び第2繊維が堆積される際及び/又はウェブWが成形される際に、繊維の長手方向がシートSの主面に平行な方向に揃いやすく、繊維がシートSの法線方向に直立しにくい。そのため、緩衝材は、機械的特性に異方性を有する。
【0082】
緩衝材は、用途に応じて適宜緩衝材の使用時の向きを変えることにより緩衝材の機械的特性の異方性を利用することができる。例えば、より良好な沈み込み耐性、衝撃緩衝能力を得る場合には、荷重を支える方向が、繊維の配向方向に沿うように成形・加工して使用することができる。
【0083】
3.実験例
以下に実験例を示し、本発明をさらに説明するが、本発明は以下の例によってなんら限定されるものではない。
【0084】
3.1.沈み込み耐性の評価
図2は、第1繊維及び第2繊維の混合物を成形した緩衝材(実施例)、並びに、第1繊維及び粒子状の結合材の混合物を成形した緩衝材(比較例)の応力ひずみ曲線を測定した結果を表すグラフである。グラフ中、実線は実施例を表し、破線は比較例を表す。
【0085】
第1繊維は、パルプを用い、第2繊維は、ポリエチレンテレフタレートを芯部とポリエチレンを被覆層とした芯鞘構造を有する繊維を用いた。試料の成形は、上述のシート製造装置と類似した装置を用いて行った。
【0086】
応力ひずみ曲線は、第1繊維が圧縮方向に平行となるように配置して測定した。グラフにおいて、ひずみ量は、試料の厚さが0(ゼロ)となる点を1(100%)として規格化した。
【0087】
図1をみると、ひずみの小さい領域において、曲線の傾きが異なることが分かった。詳細には、実施例では、ひずみが0.1程度以下の領域において、比較例よりも曲線の傾きが大きく、実施例の緩衝材のほうが高い弾性率(剛性)を示すことが判明した。このことは、実施例の緩衝材のほうが、ひずみの小さい弾性領域における剛性が高いことを示しており、荷重に対する沈み込み耐性が高いことを表している。これは、第2繊維(結着材)が繊維状であることで、当該繊維が荷重を支える構造体の一部となり、荷重を支える繊維量が多くなったことに起因すると考えられる。これに対して、結合材が粒子状である比較例では、緩衝材の弾性領域における剛性が小さく、荷重に対する沈み込み耐性が低いと考えられる。
【0088】
3.2.緩衝能力の評価
図3は、第1繊維及び第2繊維の混合物の成形温度(加熱温度)を変えて成形したいくつかの緩衝材の加速度試験の結果を示すグラフである。横軸は成形温度、縦軸は測定した加速度をプロットしたものである。加熱温度ごとに3つの試料(n=3)を測定し、平均値をグラフ中に記載した。
【0089】
第1繊維は、パルプを用い、第2繊維は、ポリエチレンテレフタレートを芯部とポリエチレンを被覆層とした芯鞘構造を有する繊維を用いた。試料の成形は、上述のシート製造装置と類似した装置を用いて行い、成形部における加熱温度は、グラフに記載の通りとした。
【0090】
神栄テクノロジー株式会社製、衝撃試験装置(PDST)を用い、試験結果から加速度を読み取った。いずれの試料も第1繊維が衝撃印加方向に平行となるように配置して測定に供した。
【0091】
図3をみると、成形時の温度が高いほど、加速度が小さくなっており、緩衝材の緩衝能力が高くなることがわかる。これは、加熱時に溶融した第2繊維の被覆層の粘度が加熱温度が高いほど低下し、これにより溶融成分が、第1繊維や第2繊維に沿って濡れ広がりやすくなることに起因していると考えられる。溶融成分は、濡れ広がりが多いほど、より多くの繊維との接合点をつくると考えられ、このことが緩衝性能を向上させていると考えられる。
【0092】
上述した実施形態は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態及び各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0093】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0094】
上述した実施形態及び変形例から以下の内容が導き出される。
【0095】
緩衝材は、
第1繊維と、
芯部及び前記芯部を被覆する被覆層を有し、ポリエステルを含む第2繊維と、
を含み、
前記被覆層が、複数の前記第1繊維を融着させる結合材として機能する。
【0096】
この緩衝材では、第1繊維の結合材として第2繊維を用いている。第2繊維は、繊維形状であるため、粒子形状の結合材を用いた場合に比べて、荷重を支える繊維の量が増える。そのため、ひずみの小さい弾性領域において弾性率が高く、緩衝材としての沈み込み耐性が良好である。また、ひずみの大きい塑性領域においては、加速度が小さく、緩衝材としての緩衝性能が良好である。このような効果は、結合材と繊維との結合点の増加及び/又は結合点の結合強度が高いことが一因と考えられる。
【0097】
上記緩衝材において、
前記第2繊維の芯部は、PET又はPLAからなってもよい。
【0098】
この緩衝材によれば、さらに緩衝性能を向上できる。
【0099】
上記緩衝材において、
前記第2繊維の芯部の融点をTm1とし、前記被覆層の融点をTm2としたとき、
Tm2<Tm1を満足してもよい。
【0100】
この緩衝材によれば、被覆層による第1繊維の結着をより容易にすることができ、さらに緩衝性能を向上できる。
【0101】
上記緩衝材において、
20℃≦(Tm1-Tm2)を満足してもよい。
【0102】
この緩衝材によれば、被覆層がさらに優先して溶融しやすく、第1繊維の結着をより容易にすることができ、さらに緩衝性能を向上できる。
【0103】
上記緩衝材において、
前記第2繊維の芯部の融点をTm1とし、前記被覆層の融点をTm2としたとき、
160℃≦Tm1を満足してもよい。
【0104】
この緩衝材によれば、より高い温度で第1繊維の結着を行うことができるので、さらに緩衝性能を向上できる。
【0105】
上記緩衝材において、
120℃≦Tm2を満足してもよい。
【0106】
この緩衝材によれば、より高い温度で第1繊維の結着を行うことができるので、さらに緩衝性能を向上できる。
【符号の説明】
【0107】
200…シート製造装置、210…供給部、220…粗砕部、222…粗砕刃、230…定量供給部、232…ホッパー、234…管、240…解繊部、242…導入口、244…排出口、246…ステーター、248…ローター、250…混合部、 251…管、252,253…ホッパー、254,255…供給管、256,257…バルブ、258…供給部材、260…フォーミング部、262…分散部、264…回転部材、266…ドラム部、268…堆積部、270…ウェブ搬送部、272…メッシュベルト、273…張架ローラー、274…基材供給部、275…サクション機構、276…ダンサーローラー、277…基材供給部、280…成形部、282…上基板、284…下基板、290…裁断部、292…トレイ
図1
図2
図3