(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103143
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】撮像光学系及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 13/00 20060101AFI20240725BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007321
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸塚 英和
(72)【発明者】
【氏名】阿部 正顕
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087LA01
2H087PA06
2H087PA07
2H087PA17
2H087PA18
2H087PB07
2H087QA01
2H087QA02
2H087QA03
2H087QA06
2H087QA15
2H087QA17
2H087QA18
2H087QA19
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA26
2H087QA32
2H087QA37
2H087QA41
2H087QA42
2H087QA45
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA42
2H087RA43
2H087RA44
(57)【要約】 (修正有)
【課題】光軸周辺の中心部と周辺部とで解像度のバランスを図る。
【解決手段】撮像光学系10は、物体側から順に、第1レンズ群LG1と、開口絞りSと、第2レンズ群LG2と、を備える。第1レンズ群LG1は、負のパワーを有する少なくとも1枚の非球面レンズALを含む。非球面レンズALは、物体側面の面角度が、光軸Axから有効径位置までの間に極値を有する。第1レンズ群LG1は、正レンズ及び負レンズを含む3枚以上のレンズを含む。第2レンズ群LG2は、正レンズ及び負レンズを含む4枚以上のレンズを含む。第2レンズ群LG2のうち最も像側の最終レンズは、物体側面が凸面、像側面が凹面である。撮像光学系10は、以下の条件式を満足する。
3.0<CD/OD<8.0・・・(1)
ただし、CD:最小画角位置における、規格化された像高の単位画角あたりの変化量
OD:有効径位置における、規格化された像高の単位画角あたりの変化量
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、第1レンズ群と、開口絞りと、第2レンズ群と、を備え、
前記第1レンズ群は、負のパワーを有する少なくとも1枚の非球面レンズを含み、
前記非球面レンズは、物体側面の面角度が、光軸から有効径位置までの間に極値を有し、
前記第1レンズ群は、正レンズ及び負レンズを含む3枚以上のレンズを含み、
前記第2レンズ群は、正レンズ及び負レンズを含む4枚以上のレンズを含み、
前記第2レンズ群のうち最も像側の最終レンズは、物体側面が凸面、像側面が凹面であり、
以下の条件式を満足することを特徴とする撮像光学系。
3.0<CD/OD<8.0 ・・・(1)
ただし、
CD:最小画角位置における、規格化された像高の単位画角あたりの変化量
OD:有効径位置における、規格化された像高の単位画角あたりの変化量
【請求項2】
物体側から順に、第1レンズ群と、開口絞りと、第2レンズ群と、を備え、
前記第1レンズ群は、負のパワーを有する少なくとも1枚の非球面レンズを含み、
前記非球面レンズは、物体側面の面角度が、光軸から有効径位置までの間に極値を有し、
前記第1レンズ群は、正レンズ及び負レンズを含む3枚以上のレンズを含み、
前記第2レンズ群は、正レンズ及び負レンズを含む4枚以上のレンズを含み、
前記第2レンズ群のうち最も像側の最終レンズは、物体側面が凸面、像側面が凹面であり、
以下の条件式を満足することを特徴とする撮像光学系。
1.6<f・θ/H<1.95 ・・・(2)
ただし、
f:撮像光学系全系の焦点距離
θ:最大画角
H:最大画角に対応する像高
【請求項3】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像光学系。
3.0<TTL/f<4.0 ・・・(3)
ただし、
TTL:第1レンズの物体側面から撮像面までの光学全長
f:撮像光学系全系の焦点距離
【請求項4】
前記非球面レンズは、前記第1レンズ群のうち最も物体側に配置されるレンズである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像光学系。
【請求項5】
前記非球面レンズは、前記第1レンズ群のうち物体側から2番目に配置されるレンズである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像光学系。
【請求項6】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像光学系。
0.06<Dfl/TTL<0.17 ・・・(4)
ただし、
Dfl:最終レンズの物体側の光軸上の空気間隔
TTL:第1レンズの物体側面から撮像面までの光学全長
【請求項7】
前記第2レンズ群は、正レンズと負レンズとが接合された接合レンズを含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像光学系。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の撮像光学系と、
前記撮像光学系を保持する鏡筒と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像光学系及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば車両のフロントセンシング用などの撮像光学系では、センシング精度向上のための高解像度化と、広い範囲をカバーできる広角化とが求められる。
これに対し、例えば特許文献1に記載の撮像レンズ系では、第1レンズの入射側面(物体側)が、変曲点を有する非球面となっている。これにより、光軸中心方向の遠距離を高解像度で撮影することと、広角で近傍を撮像することの両立を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、光軸周辺の中心部と周辺部との解像度のバランスを図る点で改善の余地がある。
本発明は、光軸周辺の中心部と周辺部とで好適に解像度のバランスを図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、撮像光学系であって、
物体側から順に、第1レンズ群と、開口絞りと、第2レンズ群と、を備え、
前記第1レンズ群は、負のパワーを有する少なくとも1枚の非球面レンズを含み、
前記非球面レンズは、物体側面の面角度が、光軸から有効径位置までの間に極値を有し、
前記第1レンズ群は、正レンズ及び負レンズを含む3枚以上のレンズを含み、
前記第2レンズ群は、正レンズ及び負レンズを含む4枚以上のレンズを含み、
前記第2レンズ群のうち最も像側の最終レンズは、物体側面が凸面、像側面が凹面であり、
以下の条件式を満足することを特徴とする。
3.0<CD/OD<8.0 ・・・(1)
ただし、
CD:最小画角位置における、規格化された像高の単位画角あたりの変化量
OD:有効径位置における、規格化された像高の単位画角あたりの変化量
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、光軸周辺の中心部と周辺部とで好適に解像度のバランスを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】(a)実施形態に係る撮像装置の模式的な断面図である。
【
図2】実施形態に係る撮像装置の概略の制御構成を示すブロック図である。
【
図3】実施例1の撮像光学系の(a)断面図であり、(b)縦収差図である。
【
図4】実施例2の撮像光学系の(a)断面図であり、(b)縦収差図である。
【
図5】実施例3の撮像光学系の(a)断面図であり、(b)縦収差図である。
【
図6】実施例4の撮像光学系の(a)断面図であり、(b)縦収差図である。
【
図7】実施例5の撮像光学系の(a)断面図であり、(b)縦収差図である。
【
図8】実施例6の撮像光学系の(a)断面図であり、(b)縦収差図である。
【
図9】実施例7の撮像光学系の(a)断面図であり、(b)縦収差図である。
【
図10】実施例8の撮像光学系の(a)断面図であり、(b)縦収差図である。
【
図11】実施例9の撮像光学系の(a)断面図であり、(b)縦収差図である。
【
図12】実施例10の撮像光学系の(a)断面図であり、(b)縦収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
[撮像装置の全体構成]
図1は、本実施形態に係る撮像装置100の模式的な断面図である。
この図に示すように、撮像装置100は、画像信号を形成するためのカメラモジュール30を備える。カメラモジュール30は、撮像光学系10とセンサー部50を備える。
【0010】
撮像光学系10は、撮像素子51の撮像面(被投影面)Iに被写体像を結像させるための単焦点の光学系であり、鏡筒41内に収容されている。撮像光学系10は、複数のレンズ(本実施形態では第1レンズL1~第7レンズL7)を備える。
撮像光学系10の構成の詳細については後述する。
【0011】
撮像光学系10を収容する鏡筒41は、物体側からの光を入射させる開口OPを有する。
また、鏡筒41には、第1レンズL1~第7レンズL7のうち少なくとも一部のレンズ又はレンズ群を光軸Axに沿って移動させる駆動機構42(
図2参照)が設けられている。駆動機構42は、当該一部のレンズ又はレンズ群を光軸Ax上で移動させることにより、撮像光学系10の合焦の動作を可能にする。駆動機構42は、例えばボイスコイルモータとガイドとを備える。なお、駆動機構42はボイスコイルモータ等に代えてステッピングモータ等で構成してもよい。
【0012】
センサー部50は、撮像光学系10によって形成された被写体像を検出して光電変換する撮像素子(固体撮像素子)51を備える。
撮像素子51は、例えばCMOS型のイメージセンサである。撮像素子51は、光軸Axに対して位置決めされた状態で固定されている。撮像素子51は、撮像面Iとしての光電変換部を有し、その周辺に信号処理回路(図示省略)を有する。光電変換部には、画素つまり光電変換素子が二次元的に配置されている。なお、撮像素子51は、上述のCMOS型のイメージセンサに限るものでなく、CCD等の他の撮像素子を組み込んだものであってもよい。
撮像素子51の直ぐ物体側には、撮像面Iを保護するカバーガラスPが配置されている。
【0013】
図2は、撮像装置100の概略の制御構成を示すブロック図である。
この図に示すように、撮像装置100は、カメラモジュール30を動作させる処理部60を備える。
処理部60は、レンズ駆動部61と、素子駆動部62と、入力部63と、記憶部64と、画像処理部65と、表示部66と、制御部67とを備える。
【0014】
レンズ駆動部61は、駆動機構42を動作させ、第1レンズL1~第7レンズL7のうちの一部のレンズ又はレンズ群を光軸Axに沿って移動させる。これにより、レンズ駆動部61は、撮像光学系10の合焦等の動作を行わせる。
素子駆動部62は、制御部67から撮像素子51を駆動するための電圧やクロック信号の供給を受けて撮像素子51に付随する回路へ出力する。これにより、素子駆動部62は、撮像素子51を動作させる。
入力部63は、ユーザの操作又は外部装置からのコマンドを受け付ける。
記憶部64は、撮像装置100の動作に必要な情報、カメラモジュール30によって取得した画像データ、画像処理に用いるレンズ補正データ等を保管する。
画像処理部65は、撮像素子51から出力された画像信号に対して画像処理を行う。画像処理部65では、画像信号が例えば動画像に対応するものであるとしてこれを構成するコマ画像に対して加工を施す。画像処理部65は、色補正、階調補正、ズーミング等の通常の画像処理の他、記憶部64から読み出されたレンズ補正データに基づいて画像信号に対して歪み補正処理を実行する。
表示部66は、ユーザに提示すべき情報、撮影した画像等を表示する部分である。なお、表示部66は、入力部63の機能を兼用できる。
制御部67は、レンズ駆動部61、素子駆動部62、入力部63、記憶部64、画像処理部65、表示部66等の動作を統括的に制御する。
【0015】
[撮像光学系の具体構成]
続いて、撮像光学系10についてより詳細に説明する。
図1に示すように、撮像光学系10は、本実施形態では、物体側から順に、第1レンズ群LG1と、開口絞りSと、第2レンズ群LG2とを備える。
【0016】
第1レンズ群LG1は、正レンズ及び負レンズを含む3枚以上のレンズを含む。本実施形態の第1レンズ群LG1は、3枚のレンズ(第1レンズL1~第3レンズL3)を備える。
【0017】
第1レンズ群LG1は、負のパワーを有する少なくとも1枚の非球面レンズALを含む。本実施形態では、撮像光学系10のうち最も物体側に配置される第1レンズL1が、負レンズの非球面レンズALである。非球面レンズALは、物体側面が凸面で像側面が凹面の負メニスカスレンズである。非球面レンズALは、物体側面の面角度が、光軸Ax(及びその近傍)から有効径位置までの間に極値を有している。換言すれば、非球面レンズALの物体側面は、光軸Ax周辺の中心部が正のパワーを有する(物体側に凸)形状であり、かつ、周辺に向かうに連れて正パワーが弱まる形状である。この非球面レンズALにより撮像光学系10は負レンズが先行となる。そのため、開口絞りSよりも物体側に正レンズを配置することで、第1レンズ群LG1内での収差制御が容易となる。その結果として、大口径化が可能となる。
なお、非球面レンズALは第1レンズ群LG1に含まれていればよく、第1レンズL1以外のレンズが当該非球面レンズALであってもよい。ただし、各画角での光線の重なりが少なくなるように、第1レンズL1又は第2レンズL2が非球面レンズALであるのが好ましい。
【0018】
第2レンズ群LG2は、正レンズ及び負レンズを含む4枚以上のレンズを含む。本実施形態の第2レンズ群LG2は、4枚のレンズ(第4レンズL4~第7レンズL7)を備える。
第2レンズ群LG2は、正レンズと負レンズとが接合された接合レンズを含む。本実施形態では、負レンズの第5レンズL5と正レンズの第6レンズL6とが、互いに接合された接合レンズとなっている。
第2レンズ群LG2のうち最も像側の最終レンズ(本実施形態では第7レンズL7)は、物体側面が凸面、像側面が凹面である。なお、最終レンズは正レンズでも負レンズでもよい。最終レンズの像側面に変曲点があってもよい。これにより、撮像素子51への入射角度を抑えることができる。
【0019】
第2レンズ群LG2と撮像素子51(カバーガラスP)との間には、平行平板Fが配置されている。平行平板Fは、例えばIRカットフィルタ、波長選択フィルタ、光学的ローパスフィルタ等の光学フィルタである。
なお、撮像光学系10の各レンズの素材は、温度特性を考慮するとガラス製が好ましいが、温度特性を加味した形状設計によりプラスチック製としてもよい。
【0020】
また、撮像光学系10は、以下の条件式(1)を満足する。
3.0<CD/OD<8.0 ・・・(1)
ただし、CDは、最小画角位置(光軸Ax近傍位置)における、規格化された像高の単位画角あたりの変化量であり、ODは有効径位置における当該変化量である。より詳しくは、CD及びODは、最大画角に対応する像高で画角に対する像高を規格化し、規格化された像高を単位画角(1°)あたりの値として最小画角位置と有効径位置とで算出したものである。
図13にCD及びODの算出例を示す。
図13の例では最大画角の径方向位置が有効径位置である。
【0021】
条件(1)は、光軸Ax周辺の中心部の解像度と周辺部の解像度とを、好適なバランスで設定するための条件式である。
CD/ODが条件式(1)の下限を下回ると、中心部の解像度が低下し過ぎる。CD/ODが条件式(1)の上限を上回ると、周辺部の解像度が低下し過ぎる。
【0022】
また、撮像光学系10は、上記条件式(1)に代えて(又は条件式(1)に加えて)、以下の条件式(2)を満足するものであってもよい。
1.6<f・θ/H<1.95 ・・・(2)
ただし、fは撮像光学系10全系の焦点距離[mm]であり、θは最大画角[°]であり、Hは最大画角に対応する像高[mm]である。
【0023】
条件(2)は、光軸Ax周辺の中心部の解像度と周辺部の解像度とを、好適なバランスで設定するための条件式である。
f・θ/Hが条件式(2)の下限を下回ると、中心部の解像度が低下し過ぎる。f・θ/Hが条件式(2)の上限を上回ると、周辺部の解像度が低下し過ぎる。
【0024】
さらに、撮像光学系10は、以下の条件式(3)を満足するのが好ましい。
3.0<TTL/f<4.0 ・・・(3)
ただし、TTLは第1レンズL1の物体側面から撮像面Iまでの光学全長[mm]であり、fは撮像光学系10全系の焦点距離[mm]である。
【0025】
中心部の解像度を上げるためには焦点距離を長くしたい。しかし、焦点距離を長くすると光学全長が長くなる。条件式(3)は、中心部の解像度を確保し、かつ、光学全長を好適に抑制するための条件式である。
TTL/fが条件式(3)の下限を下回ると、収差性能が低下する。TTL/fが条件式(3)の上限を上回ると、光学全長が長くなり過ぎる。
【0026】
さらに、撮像光学系10は、以下の条件式(4)を満足するのが好ましい。
0.06<Dfl/TTL<0.17 ・・・(4)
ただし、Dflは最終レンズ(本実施形態では第7レンズL7)の物体側の光軸Ax上の空気間隔、つまり第6レンズL6と第7レンズL7との間での光軸Ax上の空気間隔である。TTLは第1レンズL1の物体側面から撮像面Iまでの光学全長である。
【0027】
負レンズが先行のレトロフォーカス光学系では、広角化を達成しやすく、最終レンズを撮像面Iに近づけることで焦点距離を長くすることができる。他方、最終レンズを撮像面Iに近づけるとフランジバックを確保しにくくなる。条件式(4)は、焦点距離の長さとフランジバックを好適に確保するための条件である。
【0028】
[本実施形態の技術的効果]
以上のように、本実施形態によれば、第1レンズ群LG1に含まれる負のパワーを有する非球面レンズALは、物体側面の面角度が光軸Axから有効径位置までの間に極値を有する。そのため、負レンズの非球面レンズALにより好適に広画角の光を取り込むことができる。また、非球面レンズは物体側面の面角度が極値を有するので、中心領域と周辺領域とでパワーを変えて、中心領域の拡大(高解像度化)と広角化を好適に両立できる。
また、第1レンズ群LG1が正レンズ及び負レンズを含む3枚以上のレンズを含み、第2レンズ群LG2が正レンズ及び負レンズを含む4枚以上のレンズを含む。これにより、第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の間の開口絞りSが撮像光学系10の略中央に配置される。したがって、各レンズの大きさを揃えやすくできる。ひいては、各レンズを製造しやすくできる。
また、第2レンズ群LG2のうち最も像側の最終レンズは、物体側面が凸面、像側面が凹面である。これにより、好適にテレセントリック性を確保できる。
【0029】
また、本実施形態によれば、撮像光学系10が上記条件式(1)を満足する。
これにより、光軸Ax周辺の中心部と周辺部とで好適に解像度のバランスを図ることができる。
【0030】
また、本実施形態によれば、撮像光学系10が上記条件式(2)を満足する。
これにより、光軸Ax周辺の中心部と周辺部とで好適に解像度のバランスを図ることができる。
【0031】
また、本実施形態によれば、撮像光学系10が上記条件式(3)を満足する。
これにより、中心部の解像度を確保し、かつ、光学全長を好適に抑制することができる。
【0032】
また、本実施形態によれば、非球面レンズALが第1レンズ群LG1のうち最も物体側に配置される。
これにより、各画角に対するレンズ内でのオーバーラップが少なくなるため、収差性能を制御しやすくできる。
【0033】
また、本実施形態によれば、非球面レンズALは第1レンズ群LG1のうち物体側から2番目に配置されてもよい。
この場合、第1レンズL1を球面レンズ化できる。これにより、第1レンズL1に使用できる硝材の種類がガラスモールドに比べて豊富になるため、耐環境性などで選択肢が増える。
【0034】
また、本実施形態によれば、撮像光学系10が上記条件式(4)を満足する。
これにより、焦点距離の長さとフランジバックを好適に確保することができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、第2レンズ群LG2は正レンズと負レンズとが接合された接合レンズを含む。
これにより、色収差を好適に低減できる。
【0036】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【実施例0037】
以下、本発明の撮像光学系の実施例を示す。各実施例に使用する記号は下記の通りである。
f :撮像光学系全系の焦点距離
Fno :Fナンバー
2Y :固体撮像素子の撮像面対角線長
2ω :最大画角
R :曲率半径
D :軸上面間隔
Nd :レンズ材料のd線に対する屈折率
νd :レンズ材料のアッベ数
各実施例において、非球面の形状は、面の頂点を原点とし、光軸方向にX軸をとり、光軸と垂直方向の高さをhとして以下の「数1」で表す。
【数1】
ただし、
Ai:i次の非球面係数
R :曲率半径
K :円錐定数
【0038】
(実施例1)
図3(a)、(b)に実施例1の撮像光学系の断面図及び縦収差図(球面収差、非点収差、歪曲収差)を示す。
実施例1の撮像光学系では、第1レンズL1が非球面レンズALであり、第1レンズ群LG1のレンズ枚数が3枚、第2レンズ群LG2のレンズ枚数が4枚である。
【0039】
実施例1の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=9.00mm
Fno=1.6
2Y=11.088mm
2ω=120°
【0040】
実施例1のレンズ面のデータを以下の表1に示す。
【表1】
【0041】
実施例1のレンズ面の非球面係数を以下の表2に示す。なお、これ以降の非球面係数のデータでは、10のべき乗数(たとえば2.5×10-02)を、E(たとえば2.5E-02)を用いて表すものとする。
【表2】
【0042】
実施例1の撮像光学系における条件式(1)~(4)の各数値を表21に示す。
【0043】
(実施例2)
図4(a)、(b)に実施例2の撮像光学系の断面図及び縦収差図(球面収差、非点収差、歪曲収差)を示す。
実施例2の撮像光学系では、第1レンズL1が非球面レンズALであり、第1レンズ群LG1のレンズ枚数が3枚、第2レンズ群LG2のレンズ枚数が4枚である。
【0044】
実施例2の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=9.00mm
Fno=1.6
2Y=11.088mm
2ω=120°
【0045】
実施例2のレンズ面のデータを以下の表3に示す。
【表3】
【0046】
実施例2のレンズ面の非球面係数を以下の表4に示す。
【表4】
【0047】
実施例2の撮像光学系における条件式(1)~(4)の各数値を表21に示す。
【0048】
(実施例3)
図5(a)、(b)に実施例3の撮像光学系の断面図及び縦収差図(球面収差、非点収差、歪曲収差)を示す。
実施例3の撮像光学系では、第1レンズL1が非球面レンズALであり、第1レンズ群LG1のレンズ枚数が3枚、第2レンズ群LG2のレンズ枚数が4枚である。
【0049】
実施例3の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=8.7mm
Fno=1.6
2Y=11.088mm
2ω=120°
【0050】
実施例3のレンズ面のデータを以下の表5に示す。
【表5】
【0051】
実施例3のレンズ面の非球面係数を以下の表6に示す。
【表6】
【0052】
実施例3の撮像光学系における条件式(1)~(4)の各数値を表21に示す。
【0053】
(実施例4)
図6(a)、(b)に実施例4の撮像光学系の断面図及び縦収差図(球面収差、非点収差、歪曲収差)を示す。
実施例4の撮像光学系では、第1レンズL1が非球面レンズALであり、第1レンズ群LG1のレンズ枚数が3枚、第2レンズ群LG2のレンズ枚数が4枚である。
【0054】
実施例4の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=10.1mm
Fno=1.6
2Y=11.088mm
2ω=120°
【0055】
実施例4のレンズ面のデータを以下の表7に示す。
【表7】
【0056】
実施例4のレンズ面の非球面係数を以下の表8に示す。
【表8】
【0057】
実施例4の撮像光学系における条件式(1)~(4)の各数値を表21に示す。
【0058】
(実施例5)
図7(a)、(b)に実施例5の撮像光学系の断面図及び縦収差図(球面収差、非点収差、歪曲収差)を示す。
実施例5の撮像光学系では、第1レンズL1が非球面レンズALであり、第1レンズ群LG1のレンズ枚数が3枚、第2レンズ群LG2のレンズ枚数が4枚である。
【0059】
実施例5の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=10.0mm
Fno=1.6
2Y=11.088mm
2ω=120°
【0060】
実施例5のレンズ面のデータを以下の表9に示す。
【表9】
【0061】
実施例5のレンズ面の非球面係数を以下の表10に示す。
【表10】
【0062】
実施例5の撮像光学系における条件式(1)~(4)の各数値を表21に示す。
【0063】
(実施例6)
図8(a)、(b)に実施例6の撮像光学系の断面図及び縦収差図(球面収差、非点収差、歪曲収差)を示す。
実施例6の撮像光学系では、第2レンズL2が非球面レンズALであり、第1レンズ群LG1のレンズ枚数が3枚、第2レンズ群LG2のレンズ枚数が4枚である。
【0064】
実施例6の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=8.9mm
Fno=1.65
2Y=11.088mm
2ω=120°
【0065】
実施例6のレンズ面のデータを以下の表11に示す。
【表11】
【0066】
実施例6のレンズ面の非球面係数を以下の表12に示す。
【表12】
【0067】
実施例6の撮像光学系における条件式(1)~(4)の各数値を表21に示す。
【0068】
(実施例7)
図9(a)、(b)に実施例7の撮像光学系の断面図及び縦収差図(球面収差、非点収差、歪曲収差)を示す。
実施例7の撮像光学系では、第2レンズL2が非球面レンズALであり、第1レンズ群LG1のレンズ枚数が3枚、第2レンズ群LG2のレンズ枚数が4枚である。
【0069】
実施例7の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=9.0mm
Fno=1.6
2Y=11.088mm
2ω=120°
【0070】
実施例7のレンズ面のデータを以下の表13に示す。
【表13】
【0071】
実施例7のレンズ面の非球面係数を以下の表14に示す。
【表14】
【0072】
実施例7の撮像光学系における条件式(1)~(4)の各数値を表21に示す。
【0073】
(実施例8)
図10(a)、(b)に実施例8の撮像光学系の断面図及び縦収差図(球面収差、非点収差、歪曲収差)を示す。
実施例8の撮像光学系では、第2レンズL2が非球面レンズALであり、第1レンズ群LG1のレンズ枚数が3枚、第2レンズ群LG2のレンズ枚数が4枚である。
【0074】
実施例8の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=9.0mm
Fno=1.6
2Y=11.088mm
2ω=120°
【0075】
実施例8のレンズ面のデータを以下の表15に示す。
【表15】
【0076】
実施例8のレンズ面の非球面係数を以下の表16に示す。
【表16】
【0077】
実施例8の撮像光学系における条件式(1)~(4)の各数値を表21に示す。
【0078】
(実施例9)
図11(a)、(b)に実施例9の撮像光学系の断面図及び縦収差図(球面収差、非点収差、歪曲収差)を示す。
実施例9の撮像光学系では、第1レンズL1が非球面レンズALであり、第1レンズ群LG1のレンズ枚数が4枚、第2レンズ群LG2のレンズ枚数が4枚である。
【0079】
実施例9の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=9.6mm
Fno=1.6
2Y=11.088mm
2ω=120°
【0080】
実施例9のレンズ面のデータを以下の表17に示す。
【表17】
【0081】
実施例9のレンズ面の非球面係数を以下の表18に示す。
【表18】
【0082】
実施例9の撮像光学系における条件式(1)~(4)の各数値を表21に示す。
【0083】
(実施例10)
図12(a)、(b)に実施例10の撮像光学系の断面図及び縦収差図(球面収差、非点収差、歪曲収差)を示す。
実施例10の撮像光学系では、第1レンズL1が非球面レンズALであり、第1レンズ群LG1のレンズ枚数が3枚、第2レンズ群LG2のレンズ枚数が4枚である。
【0084】
実施例10の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=8.5mm
Fno=1.6
2Y=11.088mm
2ω=120°
【0085】
実施例10のレンズ面のデータを以下の表19に示す。
【表19】
【0086】
実施例10のレンズ面の非球面係数を以下の表20に示す。
【表20】
【0087】
実施例10の撮像光学系における条件式(1)~(4)の各数値を以下の表21に示す。
【表21】