(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103160
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】充電制御システム、充電制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240725BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/00 303C
H02J3/38 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007345
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】522143656
【氏名又は名称】Freet株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 宏治
(72)【発明者】
【氏名】松村 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】原田 雅子
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066HB02
5G066HB06
5G066HB09
5G503AA01
5G503AA04
5G503BA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503BB02
5G503CA08
5G503CA10
5G503CB16
5G503EA05
5G503FA06
(57)【要約】
【課題】充電スケジュールが予め定まっていない場合であっても、複数の移動体に対して充電順序の優先付けを行い、全体的に効率化された充電に寄与することができる充電制御システム等を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、充電制御システムが提供される。この充電制御システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。第1の取得ステップでは、複数の移動体について決定された運行スケジュールを取得する。移動体は、少なくとも電力により移動するように構成される。決定ステップでは、運行スケジュールに応じて、移動体それぞれを充電するスケジュールである充電スケジュールを決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電制御システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
第1の取得ステップでは、複数の移動体について決定された運行スケジュールを取得し、ここで前記移動体は、少なくとも電力により移動するように構成され、
決定ステップでは、前記運行スケジュールに応じて、前記移動体それぞれを充電するスケジュールである充電スケジュールを決定する、もの。
【請求項2】
請求項1に記載の充電制御システムにおいて、
さらに、出力ステップでは、前記充電スケジュールに対応して、充電対象となる特定移動体に接続された導線のスイッチを開くように、前記スイッチの制御信号を出力し、ここで前記スイッチは、前記特定移動体への給電を制御可能なスイッチである、もの。
【請求項3】
請求項2に記載の充電制御システムにおいて、
前記スイッチは、蓄電部を有する中央蓄電装置と、前記特定移動体との通電を制御可能に構成され、
前記蓄電部に蓄電された電力が前記特定移動体に給電されることで、前記特定移動体が充電される、もの。
【請求項4】
請求項3に記載の充電制御システムにおいて、
前記決定ステップでは、前記蓄電部に蓄電された電力量に応じて、前記充電スケジュールを決定する、もの。
【請求項5】
請求項3に記載の充電制御システムにおいて、
前記充電制御システムは、前記中央蓄電装置であり、
前記中央蓄電装置が、前記制御部と、前記スイッチと、前記蓄電部とを備える、もの。
【請求項6】
請求項5に記載の充電制御システムにおいて、
前記中央蓄電装置は、給電制御部をさらに備え、
前記給電制御部は、外部の発電システムから前記蓄電部への給電を制御するように構成される、もの。
【請求項7】
請求項6に記載の充電制御システムにおいて、
さらに、第2の取得ステップでは、前記発電システムから供給される第1の電力量を、前記給電制御部より取得し、
前記決定ステップでは、前記第1の電力量と、前記蓄電部に蓄電された第2の電力量とにさらに応じて、前記充電スケジュールを決定する、もの。
【請求項8】
請求項1に記載の充電制御システムにおいて、
前記決定ステップでは、前記運行スケジュールを学習済みモデルに入力することで、前記充電スケジュールを決定し、ここで前記学習済みモデルは、前記運行スケジュールと、前記充電スケジュールとのパターンを予め機械学習させたモデルである、もの。
【請求項9】
請求項1に記載の充電制御システムにおいて、
前記決定ステップでは、中央蓄電装置の付近において充電可能に位置する、少なくとも1つの前記移動体である候補移動体の前記運行スケジュールに応じて、前記候補移動体の前記充電スケジュールを決定する、もの。
【請求項10】
請求項9に記載の充電制御システムにおいて、
前記決定ステップでは、前記候補移動体のうち、前記運行スケジュールにおいて出発が早く予定される移動体を優先的に充電するように、前記充電スケジュールを決定する、もの。
【請求項11】
請求項9に記載の充電制御システムにおいて、
さらに、第3の取得ステップでは、前記移動体それぞれの充電残量又は充電率を取得し、
前記決定ステップでは、前記候補移動体のうち、前記充電残量又は前記充電率の低い移動体を優先的に充電するように、前記充電スケジュールを決定する、もの。
【請求項12】
請求項9に記載の充電制御システムにおいて、
前記決定ステップでは、前記候補移動体のうち、今後予定される運行における、電力消費又は走行負荷が大きい移動体を優先的に充電するように、前記充電スケジュールを決定し、ここで前記電力消費及び前記走行負荷は、前記運行スケジュールに基づいて推定される、もの。
【請求項13】
請求項9に記載の充電制御システムにおいて、
前記充電スケジュールは、複数のタイムスロットを含み、
前記決定ステップでは、前記運行スケジュールに応じて、少なくとも1つの前記候補移動体に前記タイムスロットを割り当てる、もの。
【請求項14】
請求項1に記載の充電制御システムにおいて、
さらに、
第4の取得ステップでは、前記移動体の移動中に、前記移動体が備えるバッテリの充電深度又は放電深度を取得し、
通知ステップでは、前記充電深度又は前記放電深度に応じて、前記移動体に関するユーザに対して、前記移動体への充電を促す通知を出力する、もの。
【請求項15】
請求項14に記載の充電制御システムにおいて、
前記通知ステップでは、前記充電深度又は前記放電深度が所定の閾値に達した場合に、前記ユーザに対して前記通知を出力する、もの。
【請求項16】
請求項15に記載の充電制御システムにおいて、
前記所定の閾値は、複数の閾値であり、
前記通知は、前記閾値ごとに異なる内容又は態様を有する、もの。
【請求項17】
請求項15に記載の充電制御システムにおいて、
さらに、
管理ステップでは、複数の、前記移動体が備えるバッテリの機種と、各バッテリの劣化度合いとを関連付けたバッテリ情報を管理し、
決定ステップでは、前記バッテリ情報に基づいて、前記移動体ごとに前記閾値を可変に決定する、もの。
【請求項18】
請求項14に記載の充電制御システムにおいて、
前記通知は、前記バッテリの使用状況に関する使用情報及び前記移動体を充電可能な充電スポットに関するスポット情報のうち少なくとも一方を含む、もの。
【請求項19】
充電制御方法であって、
請求項1~請求項18の何れか1つに記載の充電制御システムの各ステップを備える、方法。
【請求項20】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項18の何れか1つに記載の充電制御システムにおける各ステップを実行させる、もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電制御システム、充電制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電気をエネルギー源として移動する複数の第1の移動体を充電可能な充電システムの充電を管理する充電管理システムが開示されている。この充電管理システムは、第1の移動体の充電スケジュールである第1充電スケジュールに基づいて、第1の移動体より充電の優先度が低く電気をエネルギー源として移動する第2の移動体の充電スケジュールを含む第2充電スケジュールを作成する第2計画作成部と、第2充電スケジュールに基づいて、第2の移動体ごとの充電スケジュールを提示する計画提示部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている充電管理システムは、ある移動体の充電スケジュールを考慮し、充電が通常なされない時間帯を、他の移動体の充電に有効活用する技術であり、充電スケジュールそのものが定まっていない場合の効率的な充電については考慮されていない。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、充電スケジュールが予め定まっていない場合であっても、複数の移動体に対して充電順序の優先付けを行い、全体的に効率化された充電に寄与することができる充電制御システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、充電制御システムが提供される。この充電制御システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。第1の取得ステップでは、複数の移動体について決定された運行スケジュールを取得する。移動体は、少なくとも電力により移動するように構成される。決定ステップでは、運行スケジュールに応じて、移動体それぞれを充電するスケジュールである充電スケジュールを決定する。
【0007】
このような態様によれば、充電スケジュールが予め定まっていない場合であっても、複数の移動体に対して充電順序の優先付けを行い、全体的に効率化された充電に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態に係る充電制御システム1のハードウェア構成を示す構成図である。
【
図2】第1の実施形態に係る充電制御システム1の機能を示す機能ブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係る充電制御方法の一例を示すフローチャートである。
【
図4】運行スケジュールS1の一例を示す概要図である。
【
図5】充電スケジュールS2の一例を示す概要図である。
【
図6】第2の実施形態に係る充電制御システム1のハードウェア構成を示す構成図である。
【
図7】第2の実施形態に係る充電制御システム1の機能を示す機能ブロック図である。
【
図8】第2の実施形態に係る充電制御方法の一例を示すフローチャートである。
【
図9】通知6を示す画面例であり、
図9Aは通知6の一例である通知6a、
図9Bは通知6の他の一例である通知6bをそれぞれ示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態について説明する。
【0014】
1.ハードウェア構成
本節では、第1の実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0015】
1.1 充電制御システム1
図1は、第1の実施形態に係る充電制御システム1のハードウェア構成を示す構成図である。充電制御システム1は、例えば、中央蓄電装置2と、運行管理システム3と、発電システム4とを備え、これらが電気的に接続されている。これらの構成要素についてさらに説明する。ここで、充電制御システム1に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、中央蓄電装置2単体であっても、あるいは中央蓄電装置2と運行管理システム3との組合せあっても、充電制御システム1に含まれることに留意されたい。より詳細には、充電制御システム1は、中央蓄電装置2と、運行管理システム3と、発電システム4とからなる群より選択される要素を備えていてもよい。選択されない要素は、充電制御システム1に含まれずとも、外部の要素として、選択された要素と電気的に接続されている。
【0016】
1.2 中央蓄電装置2
図1に示されるように、中央蓄電装置2は、通信系インターフェース21と、記憶部22と、制御部23と、蓄電部24と、電力系インターフェース25と、給電制御部26とを有し、これらの構成要素が中央蓄電装置2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。また、中央蓄電装置2は、スイッチ27と、充電端子28とを有している。以下、各構成要素についてさらに説明する。
【0017】
通信系インターフェース21は、中央蓄電装置2と中央蓄電装置2以外の機器との情報通信に関する、1つ又は複数のインターフェースである。通信系インターフェース21は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。本実施形態では、中央蓄電装置2は、通信系インターフェース21を介して、通信ネットワーク11経由で運行管理システム3等の機器と種々の情報を通信するように構成される。なお、
図1においては不図示であるが、中央蓄電装置2以外の機器には、運行管理システム3以外にも、通信ネットワーク11に接続された、外部のWebサーバ、後述の移動体Vを運転するドライバーが所有する端末、移動体Vそのもの等が含まれうる。
【0018】
記憶部22は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部23によって実行される中央蓄電装置2に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。
【0019】
制御部23は、中央蓄電装置2に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部23は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)又はプロセッサである。制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、中央蓄電装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現される構成となっている。
【0020】
蓄電部24は、充放電可能な任意の蓄電池(二次電池)であり、繰り返し使用することができる。例えば、蓄電部24は、リチウムイオン電池や鉛蓄電池により構成される。蓄電部24に蓄電された電力を後に詳述する移動体Vに供給することで、移動体Vの充電が行われる。
【0021】
電力系インターフェース25は、中央蓄電装置2と中央蓄電装置2以外の機器との電力授受に関する、1つ又は複数のインターフェースである。後述の給電制御部26に指示に基づき、発電システム4から電力系インターフェース25を介して、蓄電部24に電力が蓄電される。また、蓄電部24から電力系インターフェース25、スイッチ27及び充電端子28を介して、電気的に接続された移動体Vに電力が充電される。
【0022】
給電制御部26は、後述の発電システム4から中央蓄電装置2への給電に関する動作の処理・制御を行う。給電制御部26は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。給電制御部26による指示に基づき、発電システム4から電力系インターフェース25を介して、蓄電部24に電力が蓄電される。換言すると、給電制御部26は、外部の発電システム4から蓄電部24への給電を制御するように構成される。
【0023】
移動体Vは、充電ターミナルTMに設けられた充電端子28を介して中央蓄電装置2と電気的に接続される。スイッチ27は、特定移動体への給電を制御可能な要素である。より具体的には、スイッチ27は、蓄電部24を有する中央蓄電装置2と、特定移動体との通電を制御可能に構成される。
蓄電部24に蓄電された電力が特定移動体に給電されることで、特定移動体が充電される。好ましくは、スイッチ27は、複数の充電端子28(ここでは充電端子28a~28d)と接続され、電力系インターフェース25を介した蓄電部24と、各充電端子28との電気的な接続を切替可能に構成されるとよい。
【0024】
1.3 運行管理システム3
運行管理システム3は、複数の移動体Vの運行をそれぞれ管理するシステムであり、1つ又は複数のサーバから構成される。運行管理システム3は、例えば、不図示の通信系インターフェースと、記憶部と、制御部とを備える。不図示の通信系インターフェースと、記憶部と、制御部とに係る説明は、中央蓄電装置2における通信系インターフェース21と、記憶部22と、制御部23とに関する記載と大凡重複するため省略する。運行管理システム3は、通信ネットワーク11を介して、中央蓄電装置2と接続され、移動体Vの運行スケジュールS1を中央蓄電装置2に送信することができる。
【0025】
なお、移動体Vは、少なくとも電力によって移動するように構成されればよい。移動体Vは、例えば電気自動車又は電動式ロボットである。移動体Vは、人又は物の搬送を行う。移動体Vは、バスや電車のように定期運行されず、その日ごとの運搬内容等に応じて不定期に運行する。移動体Vが電気自動車である場合、移動体Vは、ドライバーによって運転される態様でもよいし、自動運転機能により自律走行する態様であってもよい。自律走行する移動体Vである場合、運行管理システム3によって、移動体Vが制御されてもよい。
【0026】
1.4 発電システム4
発電システム4は、電力を発電可能なシステムであり、火力、水力、風力、原子力、地熱、太陽光等、その原理は問わない。例えば、高圧の3相交流電力が、発電システム4から電力系インターフェース25を介して中央蓄電装置2に供給され、中央蓄電装置2において、例えば日本の基準である100Vに降圧される。
【0027】
2.機能構成
本節では、第1の実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。
【0028】
図2は、第1の実施形態に係る充電制御システム1の機能を示す機能ブロック図である。具体的には、充電制御システム1の一例である中央蓄電装置2の制御部23は、取得部231と、入力処理部232と、演算部233と、決定部234と、出力部235とを備える。
【0029】
取得部231は、情報処理に必要な種々の情報を取得するように構成される。例えば、取得部231は、予め記憶部22に記憶された種々の情報を読み出してもよいし、通信ネットワーク11及び通信系インターフェース21を介して外部の機器から種々の情報を取得してもよい。好ましくは、取得部231は、第1の取得ステップとして、複数の、定期運行ではない移動体Vについて決定された運行スケジュールS1を取得する。
【0030】
入力処理部232は、取得部231が取得した運行スケジュールS1を記憶部22に記憶された学習済みモデルLMに入力するように構成される。
【0031】
演算部233は、中央蓄電装置2における種々の演算を実行するように構成される。例えば、演算部233は、移動体Vの電力消費PC又は走行負荷L等を演算してもよい。
【0032】
決定部234は、決定ステップとして、運行スケジュールS1に応じて、中央蓄電装置2からの給電により移動体Vそれぞれを充電するスケジュールである充電スケジュールS2を決定する。詳細は後述する。
【0033】
出力部235は、情報処理に伴う種々の情報又は電気信号を出力するように構成される。好ましくは、出力部235は、出力ステップとして、充電スケジュールS2に対応して、充電対象となる特定移動体に接続された導線のスイッチ27を開くように、スイッチ27の制御信号を出力する。詳細は後述する。
【0034】
3.充電制御方法の概要
図3は、第1の実施形態に係る充電制御方法(情報処理方法)の一例を示すフローチャートである。以下、
図3のフローチャートに含まれる各ステップに沿って、充電制御方法の処理の概要を説明する。
【0035】
以下では、移動体Vという用語は、充電ターミナルTMに位置するか否かに関わらず、総称として使用される。充電ターミナルTMに位置する移動体Vは、候補移動体と称し、ここでは、後述する
図4に示すように、候補移動体V1~V4が例示される。候補移動体V1~V4のうち、スイッチ27の切替により実際に蓄電部24と電気的に接続され充電が行われる移動体Vを、特定移動体と称することとする。また、移動体Vは、自動運転機能を有して物流を行う電気自動車であるものとして、説明を行う。
【0036】
まず、移動体Vが充電ターミナルTMに到着し、充電端子28と接続されると、その移動体Vに対応するIDが移動体Vから中央蓄電装置2に送信される(ステップS101)。換言すると、取得部231が移動体VのIDを取得する。ここで、IDの送信は、所定の電気信号が移動体Vから中央蓄電装置2に送信されることで行われるが、充電に係るスイッチ27のオンオフ状態に関わらず、行われるものとする。すなわち、不図示の弱電系の導線が、スイッチ27のオンオフ状態に関わらず、充電端子28と通信系インターフェース21とを接続している。また、移動体VのIDの取得は、新たな候補移動体が追加されたタイミングで適宜行われるとよい。
【0037】
続いて、中央蓄電装置2における取得部231は、移動体VのIDに対応する運行スケジュールS1を、通信系インターフェース21及び通信ネットワーク11を介して、運行管理システム3から取得する(ステップS102)。
【0038】
続いて、中央蓄電装置2における入力処理部232は、ステップS102において取得された運行スケジュールS1を、予め記憶部22に記憶された学習済みモデルLMに入力する(ステップS103)。ここで、学習済みモデルLMは、運行スケジュールS1と、充電スケジュールS2とのパターンを予め機械学習させたモデルである。また、学習済みモデルLMに入力される運行スケジュールS1は、複数の移動体V、すなわち現在の候補移動体に係る運行スケジュールS1がすべて入力されるとよい。その後、学習済みモデルLMの出力値として、中央蓄電装置2からの給電により移動体Vそれぞれを充電するスケジュールである充電スケジュールS2が出力される。換言すると、決定部234は、運行スケジュールS1を学習済みモデルLMに入力することで、充電スケジュールS2を決定する(ステップS104)。このような態様によれば、機械学習により、過去の実際のスケジュールに倣った信頼度の高い充電スケジュールS2を決定することができる。
【0039】
続いて、中央蓄電装置2における出力部235は、出力ステップとして、充電スケジュールS2に対応して、充電対象となる特定移動体に接続された導線のスイッチ27を開くように、スイッチ27の制御信号を出力する。すなわち、スイッチ27が開閉制御され(ステップS105)、所望の特定移動体に充電が行われる(ステップS106)。ここで、充電は、充電時間CTを予め定められた時間ごとに区切ったタイムスロット単位で行われる。タイムスロットの例については後述する。
【0040】
1つのタイムスロットが終了すると、中央蓄電装置2における演算部233は、充電ターミナルTMに候補移動体が追加又は変更されたかを判定する(ステップS107)。候補移動体が追加又は変更された場合、追加又は変更後の移動体VそれぞれのIDに基づき、運行管理システム3より運行スケジュールS1が取得されるように、処理がステップS102に戻される。すなわち、追加又は変更された場合には、充電スケジュールS2を新たに決定することとなる。
【0041】
一方、候補移動体が追加又は変更されていない場合は、演算部233によって、次のタイムスロットが予定されているかが判定され(ステップS108)、予定されていれば、現在の充電スケジュールS2に基づき、次のタイムスロットでの特定移動体に充電がなされるように、スイッチ27が開閉制御される。つまり、処理がステップS105に戻される。次のタイムスロットが予定されていない場合には、処理を終了する(END)。上述のS101からS108の一連の処理を終えた後、新たに移動体Vが充電ターミナルTMに到着し、充電端子28と接続されると再びS101から処理ステップが実行される。
【0042】
以上をまとめると、この充電制御システム1は、制御部23を備える。制御部23は、少なくとも、次の各部を備える。取得部231は、第1の取得ステップとして、複数の移動体Vについて決定された運行スケジュールS1を取得する。移動体Vは、少なくとも電力により移動するように構成される。決定部234は、決定ステップとして、運行スケジュールS1に応じて、移動体Vそれぞれを充電するスケジュールである充電スケジュールS2を決定する。換言すると、本実施形態に係る充電制御方法は、前述した充電制御システム1に実行される各ステップを備えている。このような態様によれば、充電スケジュールが予め定まっていない場合であっても、複数の移動体に対して充電是非の優先付けを行い、全体的に効率化された充電に寄与することができる。そして、充電制御システム1を用いて全体的に効率化された充電を行うことができる。
【0043】
また、給電制御部26が発電システム4から蓄電部24への給電を制御する態様とすることで、蓄電部24の充電状況を考慮し、充電量を適宜確保することで、全体的に効率化された充電を適切に行うことができる。
【0044】
また、概説した態様においては、充電制御システム1は、中央蓄電装置2であり、中央蓄電装置2が、制御部23と、スイッチ27と、蓄電部24とを備えている。このような態様によれば、別途計算用のコンピュータ等を使用することなく、移動体Vの充電に使用される中央蓄電装置2を用いて、全体的に効率化された充電を行うことができる。
【0045】
また、概説した態様においては、充電ターミナルTMに到着した移動体Vが充電端子28と接続されることで、中央蓄電装置2が移動体VのIDを取得すると共に、各IDに対応する運行スケジュールS1を運行管理システム3から取得する。換言すると、決定部234は、中央蓄電装置2の付近において充電可能に位置する、少なくとも1つの移動体Vである候補移動体の運行スケジュールS1に応じて、候補移動体の充電スケジュールS2を決定している。このような態様によれば、候補移動体の組合せがタイミングにより変化するものの、運行スケジュールS1に基づいた充電スケジュールS2を決定することで、候補移動体の中で充電是非の優先付けを行い、全体的に効率化された充電に寄与することができる。
【0046】
特に、効率化された充電の実現により、移動体Vの増加に伴うキュービクル式高圧受変電施設の増設を必要最低限に留めることができ、ひいては設備投資を削減することができる。なお、キュービクル式高圧受変電施設とは、発電所等の発電システム4から変電所を通して送電される6600Vの高電圧を100Vや200Vに降圧する受電設備を備えた筐体である。
【0047】
4.充電制御方法の詳細
続いて、前節で概説した充電制御方法に関連し、その詳細を補足する。
図4は、運行スケジュールS1の一例を示す概要図である。
図5は、充電スケジュールS2の一例を示す概要図である。
【0048】
図4では、一例として、候補移動体V1~V4に係る運行予定時間が示されている。候補移動体V1は、3月22日8時~22時の運行と、3月23日12時~20時の運行とが予定されている。候補移動体V2は、3月22日9時~23時の運行と、3月23日6時~15時の運行とが予定されている。候補移動体V3は、3月22日10時~23時の運行と、3月23日10時~15時の運行とが予定されている。候補移動体V4は、3月22日17時~25時(3月23日1時)の運行と、3月23日7時~21時の運行とが予定されている。
【0049】
このような運行スケジュールS1であれば、例えば、3月22日の運行予定のうち、最も早く運行が終了する候補移動体V1に合わせ、3月22日23時からが充電時間CTとして使用されるとよい。候補移動体V1の運行終了時刻と、充電時間CTの開始時刻との1時間の差は、運行終了予定時刻が遅れた場合等の猶予である。また、3月23日の運行予定のうち、最も早く運行が開始する候補移動体V2に合わせ、3月23日6時までの充電時間CTを考慮している。同様に、同日の運行予定のうち、最も早く運行が終了する候補移動体V2,V3に合わせ、3月23日16時からが充電時間CTとして使用されるとよい。候補移動体V2,V3の運行終了時刻と、充電時間CTの開始時刻との1時間の差は、運行終了予定時刻が遅れた場合等の猶予である。
【0050】
また、
図5では、
図4に示された運行スケジュールS1における充電時間CT(3月22日23時~3月23日6時)を30分ごとに複数のタイムスロットCT1~CT14に分けて、充電が行われる態様を示している。換言すると、充電スケジュールS2は、複数のタイムスロット(充電時間CT)を含み、決定部234は、運行スケジュールS1に応じて、少なくとも1つの候補移動体にタイムスロットCT1~CT14等を割り当てている。なお、タイムスロットの時間及び数はあくまでも一例である。タイムスロットの時間は、例えば10分であり、好ましくは20分であり、さらに好ましくは30分であり、45分でも60分でもよい。
【0051】
まず、充電端子28が埋まっていないうち、例えば、タイムスロットCT1~CT8(3月22日23時~3月23日3時)までは、移動体Vの到着した順にローテーションで充電が行われる。具体的には、タイムスロットCT1では候補移動体V1が充電され、タイムスロットCT2では候補移動体V2が充電され、タイムスロットCT3では候補移動体V3が充電され、タイムスロットCT4では候補移動体V4が充電されている。その後、タイムスロットCT5では候補移動体V1が充電され、タイムスロットCT6では候補移動体V2が充電され、タイムスロットCT7では候補移動体V3が充電され、タイムスロットCT8では候補移動体V4が充電されている。このようなローテーションを行うか否かについても、運行スケジュールS1に基づいて決定された充電スケジュールS2に含まれるものであってよい。特に、タイムスロットCT1開始時に充電ターミナルTMに帰着している候補移動体が1台(ここでは例として候補移動体V1)だけであれば、無条件にタイムスロットが割り振られてよい。
【0052】
続いて、
図5の一点鎖線で囲まれたタイムスロットCT9以降は、種々の条件に基づき、一部の候補移動体を他の候補移動体に比して優先的に充電している。具体的には、タイムスロットCT9では候補移動体V2が充電され、タイムスロットCT10では候補移動体V2が充電され、タイムスロットCT11では候補移動体V4が充電され、タイムスロットCT12では候補移動体V2が充電され、タイムスロットCT13では候補移動体V4が充電され、タイムスロットCT14では候補移動体V4が充電されている。
【0053】
ここで好ましくは、決定部234は、候補移動体のうち、運行スケジュールS1において出発が早く予定される移動体Vを優先的に充電するように、充電スケジュールS2を決定する。例えば、
図5に示されるように、充電時間CT後の出発時刻が遅い候補移動体V1及び候補移動体V3に比して、候補移動体V2及び候補移動体V4が優先的に充電されるとよい。このような出発時刻に基づく優先付けを第1のルールと称することとする。
【0054】
また、取得部231は、第3の取得ステップとして、移動体Vそれぞれの充電残量C1又は充電率C2を取得し、決定部234は、候補移動体のうち、充電残量C1又は充電率C2の低い移動体Vを優先的に充電するように、充電スケジュールS2を決定してもよい。このような充電残量C1又は充電率C2に基づく優先付けを第2のルールと称することとする。
【0055】
また、決定部234は、候補移動体のうち、今後予定される運行における、電力消費PC又は走行負荷Lが大きい移動体Vを優先的に充電するように、充電スケジュールS2を決定してもよい。電力消費PC又は走行負荷Lが、運行スケジュールS1に基づいて推定されるとよい。このような電力消費PC又は走行負荷Lに基づく優先付けを第3のルールと称することとする。
【0056】
図4においては不図示であるが、運行管理システム3から取得される運行スケジュールS1には、各移動体Vの運行予定時間だけではなく、具体的な行き先や通行ルートが含まれるとよい。電力消費PCは、移動体Vの移動距離や走行の仕方に依存するため、移動体Vの行き先や通行ルートから推定されるとよい。同様に、走行負荷Lは、移動体Vの走行ルートや走行時の天候から推定されるとよい。
【0057】
天候に関する情報は、通信ネットワーク11を介して天候データを提供している不図示のサーバから取得することができる。走行負荷Lは、より具体的には、移動距離と、走行位置の高度と、路面状態を示す路面パラメータとから計算可能であるとよい。例えば、走行負荷Lは、走行位置の高度の変化と、路面パラメータとの積を、移動距離で積分した値として計算されるとよい。例えば、アスファルトは1.0、土道は1.2等とするとよい。天候については、雨予報だと1.1、雪予報だと1.2等とするとよい。高速道路の走行時や信号の多さ等で推定されてもよい。さらに、走行負荷Lは、計算された値に基づいて、複数の区分にランク付けされてもよい。走行負荷Lは、例えば、負荷の高い順にAランク、Bランク及びCランクの3つのランクに区分されうる。
【0058】
このように、どの移動体Vを優先的に充電するかについて、上記の第1~第3のルールの組合せによって、効率化された充電の一例に寄与することができる。より具体的には、例えば、充電率C2が90%以上、走行負荷LがCランク以下、又は出発時刻まで5時間以上であることを、第1の条件と称する。例えば、充電率C2が80%以上、走行負荷LがCランク以下、又は出発時刻まで3時間以上であることを、第2の条件と称する。
【0059】
一例において、第1の条件を満たす候補移動体は、充電端子28に接続されていたとしても、タイムスロットが割り当てられない。あるいは、タイムスロットが進行するにつれて、第1の条件を満たす候補移動体が発生した場合には、そのタイミング以降においてタイムスロットが割り当てられないようにしてもよい。さらに、すべての候補移動体が第1の条件を満たす場合は、第2の条件を満たす候補移動体には、タイムスロットが割り当てられない。
【0060】
あるいは、充電率が10%未満、走行負荷がAランク以上、又は出発時刻まで1時間以内といった逼迫した条件(第3の条件と称する)を有する候補移動体があれば、さらに優先的にタイムスロットを割り当てるようにしてもよい。このような条件やルールの採用は、学習済みモデルLMによって経験的に決定されるとよい。
【0061】
[変形例1]
第1の実施形態に係る充電制御システム1に関して、以下のような態様が採用されてもよい。
【0062】
前述の実施形態では、充電ターミナルTMに到着した移動体Vが充電端子28と接続されることで、中央蓄電装置2が移動体VのIDを取得し、各IDに対応する運行スケジュールS1を運行管理システム3から取得したが、充電端子28との接続以外の方法でIDを取得してもよい。例えば、充電ターミナルTMにおいて、予め規定された無線通信により、中央蓄電装置2が移動体VからIDを取得してもよい。充電ターミナルTMを監視する不図示の監視カメラによって撮像された画像に基づき、移動体VのIDを識別してもよい。また、移動体VのID取得を行わず、充電ターミナルTMに位置しない移動体Vの運行スケジュールS1も含めて、充電スケジュールS2が決定されるように実施してもよい。
【0063】
移動体Vがドライバーによって運転される態様である場合、その運転方法や走行ルート等を予め定められた人工知能に機械学習させてもよい。好ましくは、運行スケジュールS1と充電スケジュールS2との関係性を学習させた学習済みモデルLMに、当該運転方法や走行ルート等をさらに学習させ、より精度の高い充電スケジュールS2の決定を実現してもよい。
【0064】
前述の実施形態では、候補移動体が変更又は追加される度に、新たに充電スケジュールS2が決定されることとしたが、特定の時刻に充電スケジュールS2が決定又は再決定されるように実施してもよい。あるいは、中央蓄電装置2が備える充電ターミナルTMにおける充電端子28がすべて埋まっている場合にのみ、各移動体Vの優先度合いを考慮した充電スケジュールS2を決定するようにし、それ以外の場合は、単にタイムスロットごとにローテーションするように充電が行われてもよい。
【0065】
前述の実施形態では、中央蓄電装置2における制御部23が種々の機能を実現したが、その少なくとも一部を他の装置等が行ってもよい。例えば、運行管理システム3が充電スケジュールS2の決定までを行い、その後、充電スケジュールS2が中央蓄電装置2に通信ネットワーク11及び通信系インターフェース21を介して送信されてもよい。あるいは、中央蓄電装置2とも運行管理システム3とも異なる不図示のサーバ等によって、充電スケジュールS2が決定されてもよい。
【0066】
前述の実施形態では、一例として、運行スケジュールS1と充電スケジュールS2との関係を予め機械学習させた学習済みモデルLMを用いて、充電スケジュールS2を決定する例を示したが、運行スケジュールS1と、充電スケジュールS2との組合せのルールを1つずつ規定したルックアップテーブルが採用されてもよい。すなわち、前述した、第1~第3のルールと、第1~第3の条件とがどのように採用されるかを規定したルックアップテーブルが用いられてもよい。
【0067】
運行スケジュールS1に加え、さらなる条件に基づいて、充電スケジュールS2が決定されてもよい。例えば、決定部234が、蓄電部24に蓄電された電力量P2(第2の電力量)にさらに応じて、充電スケジュールS2を決定してもよい。このような態様によれば、運行スケジュールS1だけでなく蓄電部24に蓄電された電力量P2をも考慮して、さらに効率化された充電を行うことができる。さらに、取得部231が、第2の取得ステップとして、発電システム4から供給される電力量P1(第1の電力量)を、給電制御部26より取得し、決定部234が、電力量P1と、蓄電部24に蓄電された電力量P2とにさらに応じて、充電スケジュールS2を決定してもよい。このような態様によれば、運行スケジュールS1だけでなく、充電部に蓄電された電力量P2や、これから供給される電力量P1をも考慮して、さらに効率化された充電を行うことができる。
【0068】
前述の実施形態では、中央蓄電装置2が備える蓄電部24から移動体Vに対して給電がなされているが、これに代えて、発電システム4から移動体Vに対して直接的に給電がなされるように実施してもよい。かかる場合においても、充電スケジュールS2に応じて充電がなされるとよい。
【0069】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と共通する箇所については、原則的にその説明を省略する。
【0070】
図6は、第2の実施形態に係る充電制御システム1のハードウェア構成を示す構成図である。充電制御システム1は、例えば、中央蓄電装置2と、運行管理システム3と、発電システム4と、バッテリ状態監視装置5とを備え、これらが電気的に接続されている。
【0071】
図6に示されるように、バッテリ状態監視装置5は、通信系インターフェース51と、記憶部52と、制御部53とを有し、これらの構成要素がバッテリ状態監視装置5の内部において通信バス50を介して電気的に接続されている。通信系インターフェース51、記憶部52及び制御部53の詳細は、第1の実施形態における中央蓄電装置2の通信系インターフェース21、記憶部22及び制御部23と略同様のため、その説明を省略する。
【0072】
図7は、第2の実施形態に係る充電制御システム1の機能を示す機能ブロック図である。充電制御システム1の一例であるバッテリ状態監視装置5の、記憶部52に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部53によって具体的に実現されることで、制御部53に含まれる各機能部として実行されうる。具体的には、充電制御システム1の一例であるバッテリ状態監視装置5は、取得部531と、管理部532と、演算部533と、決定部534と、通知部535とを備える。
【0073】
取得部531は、情報処理に必要な種々の情報を取得するように構成される。例えば、取得部531は、第4の取得ステップとして、移動体Vの移動中に、移動体Vが備えるバッテリの充電深度又は放電深度を取得する。充電深度(SOC:State of Charge)及び放電深度(DOD:Depth of Discharge)は、バッテリの容量に関する指標である。何れも、百分率又はアンペア時で表される。百分率であれば、充電深度は、容量が尽きた状態を0%、容量が最大まで充電された状態を100%と規定するのに対し、放電深度は、容量が最大まで充電された状態を0%、容量が尽きた状態を100%と規定している。
【0074】
管理部532は、移動体Vのバッテリに関する種々の情報を管理するように構成される。例えば、管理部532は、管理ステップとして、複数の移動体Vが備えるバッテリの機種と、各バッテリの劣化度合いとを少なくとも関連付けたバッテリ情報を管理している。他にもバッテリ情報は、現在の蓄電量、製造年月日、バッテリの使用状況に関する使用情報等を含んでいてもよい。バッテリの使用状況に関する使用情報は、使用開始日と、充放電回数と、後述の閾値Tに達した回数と、推奨される交換時期とを少なくとも含んでいてよい。なお、閾値Tに達した回数は、閾値Tとなる回数でもよいし、閾値T以上となる回数でもよいし、閾値Tを超過した回数でもよい。
【0075】
演算部533は、移動体Vのバッテリに関する種々の情報を演算するように構成される。演算部533による演算には、解析、算出、画像生成等の種々の処理が含まれうる。
【0076】
決定部534は、移動体Vのバッテリに関する種々の情報を決定するように構成される。例えば、決定部534は、決定ステップとして、管理部532によって管理されているバッテリ情報に基づいて、移動体Vごとに閾値Tを決定する。
【0077】
通知部535は、移動体Vのバッテリに関する種々の情報を含む通知6を出力するように構成される(
図9参照)。例えば、通知部535は、通知ステップとして、充電深度又は放電深度に応じて、移動体Vに関するユーザに対して、移動体Vへの充電を促す通知6を出力する。
【0078】
図8は、第2の実施形態に係る充電制御方法(情報処理方法)の一例を示すフローチャートである。以下、
図8のフローチャートに含まれる各ステップに沿って、充電制御方法の処理の概要を説明する。
【0079】
ところで、充放電を繰り返すバッテリ(二次電池)の劣化には、充電深度又は放電深度が大きく影響することが知られている。充電深度又は放電深度を考慮した充放電を実施することで、バッテリの寿命を長持ちさせることができる。
【0080】
まず、移動体Vの移動中において、バッテリ状態監視装置5の取得部531は、通信系インターフェース51及び通信ネットワーク11を介して、移動体Vのバッテリ情報を取得する。取得されたバッテリ情報は、記憶部52に記憶される。そして、バッテリ状態監視装置5の演算部533は、取得されたバッテリ情報から移動体Vのバッテリの放電深度を取得する(ステップS201)。
【0081】
続いて、バッテリ状態監視装置5の演算部533は、放電深度が閾値Tに達したかを判定する演算を実行する(ステップS202)。このとき、放電深度が閾値Tに達していない場合は、情報処理がステップS201に戻る。放電深度が閾値Tに達している場合は、情報処理がステップS203に進む。すなわち、放電深度が閾値Tに達するまでは、放電深度と閾値Tとの関係が演算部533によって逐次監視されている。
【0082】
続いて、バッテリ状態監視装置5における通知部535は、ユーザに対して通知6を出力する(ステップS203)。換言すると、通知部535は、放電深度が所定の閾値Tに達した場合に、ユーザに対して通知6を出力する。この通知6には、ユーザに対して、自身の移動体Vへの充電を促すような内容又は態様が含まれうる。この通知6の出力は、後述のステップS208の条件を満たすまで継続されている。
【0083】
続いて、バッテリ状態監視装置5における取得部531は、通信ネットワーク11及び通信系インターフェース51を介して、運行管理システム3から運行スケジュールS1を取得する(ステップS204)。続いて、バッテリ状態監視装置5における演算部533は、運行スケジュールS1を参照して種々の条件に該当するか否かを判定する演算を実行する。種々の条件の少なくとも1つに該当しない場合には、情報処理がステップS204に戻る。
【0084】
具体的には、演算部533は、運行スケジュールS1に空き時間があるか否かを判定する演算を実行する(ステップS205)。空き時間がある場合には、演算部533は、空き時間に移動体Vが所在すると推定される位置の付近、すなわち所在地付近に充電スポットがあるか否かを判定する演算を実行する(ステップS206)。充電スポットがある場合は、かかる充電スポットの情報が出力中の通知6に含まれるとよい。さらに好ましくは、前述のバッテリの仕様状況に関する使用情報が出力中の通知6に含まれるとよい。換言すると、この通知6は、バッテリの使用状況に関する使用情報及び移動体Vを充電可能な充電スポットに関するスポット情報のうち少なくとも一方を含んでもよい。この通知6は、バッテリ状態監視装置5の演算部533によって画像、画面等の視覚情報が生成され、通信ネットワーク11及び通信系インターフェース51を介して、ユーザが所有している不図示の端末に送信されるとよい。かかる端末は、スマートフォン又はタブレットPCでもよいし、移動体Vに備え付けられた、カーナビゲーション装置等の車載装置であってもよい。
【0085】
その後、通知6を視認したユーザによって、空き時間に移動体Vの充電がなされる(ステップS207)。かかる空き時間は、第1の実施形態における充電時間CTよりも短い時間であってよい。その後、ユーザが充電することによって、バッテリの充電深度が閾値Tに達した場合には、通知部535が通知6の出力を停止することで、当該情報処理が終了されるとよい(ステップS208)。バッテリの充電深度が閾値Tに達しない場合には、充電を行ったか否かに関わらず、通知6が継続されていてもよい(END)。
【0086】
なお、通知6の具体的な態様は特に限定されないが、例えば、
図9に示されるような視覚情報であってもよい。
図9は、通知6を示す画面例であり、
図9Aは通知6の一例である通知6a、
図9Bは通知6の他の一例である通知6bをそれぞれ示している。
【0087】
通知6aはユーザが視認可能な視覚情報であり、領域61には、バッテリ情報の一例として、充電残量がゲージ形式で示されている。領域61には、バッテリ情報の一例として、バッテリの「充電残量」が示されている。領域62には、バッテリ情報の一例として、充電するのが好ましいタイミングのおおまかな指標となる「充電タイミング」が示されている。例えば、後述の通知6bの領域67に一覧的に表示されるような「まだ」、「そろそろ」及び「急いで」の3段階の指標が実施されてよい。領域63には、バッテリ情報の一例として、空き時間に充電することが好ましい充電量の指標となる「充電量目安」が示されている。領域64には、バッテリ情報の一例として、バッテリを充電することが出来る最寄りの「充電スポット」までの距離が示されている。領域65には、バッテリ情報の一例として、空き時間から推定される「充電可能時間」が示されている。
【0088】
通知6bはユーザが視認可能な視覚情報であり、領域66には、バッテリ情報の一例として、バッテリに対して行われた直近10回の「充電履歴」が示されている。もちろん回数は一例であり、この限りではない。領域67には、バッテリ情報の一例として、直近10回の充電履歴に係る、領域62に記載された充電タイミングの分布が示されている。領域68には、バッテリ情報の一例として、バッテリの現在の劣化度合いに関する種々の指標が示されている。なお、SOH(State of Health)は、バッテリの健全度又は劣化状態を表す指標であり、初期の満充電容量を100%とした際の、劣化時の満充電容量の割合を示している。
【0089】
このような種々の情報を通知6としてユーザに出力することで、ユーザにバッテリへの充電を促すことができる。
【0090】
以上をまとめると、第2の実施形態に係る充電制御システム1において、少なくとも、取得部531は、第4の取得ステップとして、移動体Vの移動中に、移動体Vが備えるバッテリの充電深度又は放電深度を取得する。通知部535は、通知ステップとして、充電深度又は放電深度に応じて、移動体Vに関するユーザに対して、移動体Vへの充電を促す通知を出力する。このような態様によれば、ユーザが通知に応じて適宜移動体Vに対する充電を行うことで、移動体Vが備えるバッテリに対する負荷をより軽減することができる。特に、通知に様々な情報を包含させることで、より詳細な情報をユーザに提供することができ、ひいては移動体Vが備えるバッテリに対する負荷をより軽減することができる。
【0091】
[変化例2]
第2の実施形態に係る充電制御システム1に関して、以下のような態様が採用されてもよい。
【0092】
放電深度又は充電深度に対して設定された、所定の閾値Tは、1つに限らず、複数の閾値Tであってもよい。そして、通知6は、閾値Tごとに異なる内容又は態様を有してもよい。例えば、充電を促す度合いの強弱が変更されてもよいし、通知6に含まれる情報量が異なるようにしてもよい。このような態様によれば、より詳細な情報をユーザに提供することができ、ひいては移動体Vが備えるバッテリに対する負荷をより軽減することができる。
【0093】
放電深度又は充電深度に対して設定された、所定の閾値Tは、バッテリの機種ごとに可変に設定されてもよい。すなわち、決定部534は、管理部532によって管理されているバッテリ情報に基づいて、移動体Vごとに閾値Tを可変に決定してもよい。具体的には、バッテリ状態監視装置5における記憶部52に、放電深度とバッテリの寿命との関係を示す参照情報(例えばグラフモデル等)を予め記憶させ、バッテリ情報と、参照情報とを適宜突合することで、好ましい閾値Tが決定されるとよい。このような態様によれば、移動体が備えるバッテリごとに、最適化された負荷軽減を実現することができる。
【0094】
管理部532によって管理されている、他のユーザのバッテリの使用情報を参照することで、使用情報が類似するユーザの情報を参考に、バッテリ状態監視装置5における演算部533がバッテリの今後の劣化具合等を予測するように実施してもよい。
【0095】
ユーザに充電を促すにあたって、充電深度が相対的に低い値を示しているうちに充電を行うことが促されてもよい。相対的に低い値とは、例えば、1~50%であり、好ましくは1~40%であり、さらに好ましくは、1~30%であり、具体的には例えば、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0096】
ユーザに充電を促すにあたって、所定範囲の充電深度を維持するように充電を行うことが促されてもよい。所定範囲とは、例えば、5~70%であり、好ましくは10~60%であり、さらに好ましくは、20~50%であり、具体的には例えば、5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0097】
充電制御システム1が、上記のようなバッテリ状態監視装置5を備えずに、中央蓄電装置2又は運行管理システム3がバッテリ状態監視装置5に係る機能を有するように実施してもよい。
【0098】
[その他]
本実施形態を、頒布可能なプログラムとして実施してもよい。このプログラムは、コンピュータに、充電制御システム1における各ステップを実行させるものである。
【0099】
移動体Vは、バス等の定期運行される移動体Vでもよいし、好ましくは、前述の実施形態の如く、輸送トラック等の不定期運行される移動体Vであってもよい。
【0100】
第1又は第2の実施形態に係る、充電制御システム1における発電システム4は、不図示のキュービクル式高圧受変電施設を含んでいてもよい。また、第1又は第2の実施形態に係る、スイッチ27を含む中央蓄電装置2は、充電器であってもよい。
【0101】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0102】
(1)充電制御システムであって、制御部を備え、前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、第1の取得ステップでは、複数の移動体について決定された運行スケジュールを取得し、ここで前記移動体は、少なくとも電力により移動するように構成され、決定ステップでは、前記運行スケジュールに応じて、前記移動体それぞれを充電するスケジュールである充電スケジュールを決定する、もの。
【0103】
このような態様によれば、充電スケジュールが予め定まっていない場合であっても、複数の移動体に対して充電是非の優先付けを行い、全体的に効率化された充電に寄与することができる。
【0104】
(2)上記(1)に記載の充電制御システムにおいて、さらに、出力ステップでは、前記充電スケジュールに対応して、充電対象となる特定移動体に接続された導線のスイッチを開くように、前記スイッチの制御信号を出力し、ここで前記スイッチは、前記特定移動体への給電を制御可能なスイッチである、もの。
【0105】
このような態様によれば、充電制御システムを用いて全体的に効率化された充電を行うことができる。
【0106】
(3)上記(2)に記載の充電制御システムにおいて、前記スイッチは、蓄電部を有する中央蓄電装置と、前記特定移動体との通電を制御可能に構成され、前記蓄電部に蓄電された電力が前記特定移動体に給電されることで、前記特定移動体が充電される、もの。
【0107】
このような態様によれば、充電元の蓄電量等も可視化された状態で充電を行うことができるため、より精度の高い充電スケジュールの決定に寄与する。
【0108】
(4)上記(3)に記載の充電制御システムにおいて、前記決定ステップでは、前記蓄電部に蓄電された電力量に応じて、前記充電スケジュールを決定する、もの。
【0109】
このような態様によれば、運行スケジュールだけでな蓄電部に蓄電された電力量をも考慮して、さらに効率化された充電を行うことができる。
【0110】
(5)上記(3)又は(4)に記載の充電制御システムにおいて、前記充電制御システムは、前記中央蓄電装置であり、前記中央蓄電装置が、前記制御部と、前記スイッチと、前記蓄電部とを備える、もの。
【0111】
このような態様によれば、別途計算用のコンピュータ等を使用することなく、移動体の充電に使用される中央蓄電装置を用いて、全体的に効率化された充電を行うことができる。
【0112】
(6)上記(5)に記載の充電制御システムにおいて、前記中央蓄電装置は、給電制御部をさらに備え、前記給電制御部は、外部の発電システムから前記蓄電部への給電を制御するように構成される、もの。
【0113】
このような態様によれば、蓄電部の充電状況をも考慮して適切に蓄電部の充電量を適宜確保し、全体的に効率化された充電を行うことができる。
【0114】
(7)上記(6)に記載の充電制御システムにおいて、さらに、第2の取得ステップでは、前記発電システムから供給される第1の電力量を、前記給電制御部より取得し、前記決定ステップでは、前記第1の電力量と、前記蓄電部に蓄電された第2の電力量とにさらに応じて、前記充電スケジュールを決定する、もの。
【0115】
このような態様によれば、運行スケジュールだけでなく、充電部に蓄電された電力量や、これから供給される電力量をも考慮して、さらに効率化された充電を行うことができる。
【0116】
(8)上記(1)~(7)の何れか1つに記載の充電制御システムにおいて、前記決定ステップでは、前記運行スケジュールを学習済みモデルに入力することで、前記充電スケジュールを決定し、ここで前記学習済みモデルは、前記運行スケジュールと、前記充電スケジュールとのパターンを予め機械学習させたモデルである、もの。
【0117】
このような態様によれば、機械学習により、過去の実際のスケジュールに倣った信頼度の高い充電スケジュールを決定することができる。
【0118】
(9)上記(1)~(8)の何れか1つに記載の充電制御システムにおいて、前記決定ステップでは、中央蓄電装置の付近において充電可能に位置する、少なくとも1つの前記移動体である候補移動体の前記運行スケジュールに応じて、前記候補移動体の前記充電スケジュールを決定する、もの。
【0119】
このような態様によれば、候補移動体の組合せがタイミングにより変化するものの、運行スケジュールに基づいた充電スケジュールを決定することで、候補移動体の中で充電是非の優先付けを行い、全体的に効率化された充電に寄与することができる。
【0120】
(10)上記(9)に記載の充電制御システムにおいて、前記決定ステップでは、前記候補移動体のうち、前記運行スケジュールにおいて出発が早く予定される移動体を優先的に充電するように、前記充電スケジュールを決定する、もの。
【0121】
このような態様によれば、効率化された充電の一例に寄与することができる。
【0122】
(11)上記(9)又は(10)に記載の充電制御システムにおいて、さらに、第3の取得ステップでは、前記移動体それぞれの充電残量又は充電率を取得し、前記決定ステップでは、前記候補移動体のうち、前記充電残量又は前記充電率の低い移動体を優先的に充電するように、前記充電スケジュールを決定する、もの。
【0123】
このような態様によれば、効率化された充電の一例に寄与することができる。
【0124】
(12)上記(9)~(11)の何れか1つに記載の充電制御システムにおいて、前記決定ステップでは、前記候補移動体のうち、今後予定される運行における、電力消費又は走行負荷が大きい移動体を優先的に充電するように、前記充電スケジュールを決定し、ここで前記電力消費及び前記走行負荷は、前記運行スケジュールに基づいて推定される、もの。
【0125】
このような態様によれば、効率化された充電の一例に寄与することができる。
【0126】
(13)上記(9)~(12)の何れか1つに記載の充電制御システムにおいて、前記充電スケジュールは、複数のタイムスロットを含み、前記決定ステップでは、前記運行スケジュールに応じて、少なくとも1つの前記候補移動体に前記タイムスロットを割り当てる、もの。
【0127】
このような態様によれば、効率化された充電の一例に寄与することができる。
【0128】
(14)上記(1)~(13)の何れか1つに記載の充電制御システムにおいて、さらに、第4の取得ステップでは、前記移動体の移動中に、前記移動体が備えるバッテリの充電深度又は放電深度を取得し、通知ステップでは、前記充電深度又は前記放電深度に応じて、前記移動体に関するユーザに対して、前記移動体への充電を促す通知を出力する、もの。
【0129】
このような態様によれば、ユーザが通知に応じて適宜移動体に対する充電を行うことで、移動体が備えるバッテリに対する負荷をより軽減することができる。
【0130】
(15)上記(14)に記載の充電制御システムにおいて、前記通知ステップでは、前記充電深度又は前記放電深度が所定の閾値に達した場合に、前記ユーザに対して前記通知を出力する、もの。
【0131】
このような態様によれば、ユーザが通知に応じて適宜移動体に対する充電を行うことで、移動体が備えるバッテリに対する負荷をより軽減することができる。
【0132】
(16)上記(15)に記載の充電制御システムにおいて、前記所定の閾値は、複数の閾値であり、前記通知は、前記閾値ごとに異なる内容又は態様を有する、もの。
【0133】
このような態様によれば、より詳細な情報をユーザに提供することができ、ひいては移動体が備えるバッテリに対する負荷をより軽減することができる。
【0134】
(17)上記(15)又は(16)に記載の充電制御システムにおいて、さらに、管理ステップでは、複数の、前記移動体が備えるバッテリの機種と、各バッテリの劣化度合いとを関連付けたバッテリ情報を管理し、決定ステップでは、前記バッテリ情報に基づいて、前記移動体ごとに前記閾値を可変に決定する、もの。
【0135】
このような態様によれば、移動体が備えるバッテリごとに、負荷をより軽減することができる。
【0136】
(18)上記(14)~(17)の何れか1つに記載の充電制御システムにおいて、前記通知は、前記バッテリの使用状況に関する使用情報及び前記移動体を充電可能な充電スポットに関するスポット情報のうち少なくとも一方を含む、もの。
【0137】
このような態様によれば、より詳細な情報をユーザに提供することができ、ひいては移動体が備えるバッテリに対する負荷をより軽減することができる。
【0138】
(19)充電制御方法であって、上記(1)~(18)の何れか1つに記載の充電制御システムの各ステップを備える、方法。
【0139】
このような方法によれば、充電スケジュールが予め定まっていない場合であっても、複数の移動体に対して充電是非の優先付けを行い、全体的に効率化された充電に寄与することができる。
【0140】
(20)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)~(18)の何れか1つに記載の充電制御システムにおける各ステップを実行させる、もの。
【0141】
このような態様によれば、充電スケジュールが予め定まっていない場合であっても、複数の移動体に対して充電是非の優先付けを行い、全体的に効率化された充電に寄与することができる。
もちろん、この限りではない。
【0142】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0143】
1 :充電制御システム
11 :通信ネットワーク
2 :中央蓄電装置
20 :通信バス
21 :通信系インターフェース
22 :記憶部
23 :制御部
231 :取得部
232 :入力処理部
233 :演算部
234 :決定部
235 :出力部
24 :蓄電部
25 :電力系インターフェース
26 :給電制御部
27 :スイッチ
28 :充電端子
28a :充電端子
28b :充電端子
28c :充電端子
28d :充電端子
3 :運行管理システム
4 :発電システム
5 :バッテリ状態監視装置
50 :通信バス
51 :通信系インターフェース
52 :記憶部
53 :制御部
531 :取得部
532 :管理部
533 :演算部
534 :決定部
535 :通知部
6 :通知
6a :通知
6b :通知
61 :領域
62 :領域
63 :領域
64 :領域
65 :領域
66 :領域
67 :領域
68 :領域
C1 :充電残量
C2 :充電率
CT :充電時間
CT1 :タイムスロット
CT2 :タイムスロット
CT3 :タイムスロット
CT4 :タイムスロット
CT5 :タイムスロット
CT6 :タイムスロット
CT7 :タイムスロット
CT8 :タイムスロット
CT9 :タイムスロット
CT10 :タイムスロット
CT11 :タイムスロット
CT12 :タイムスロット
CT13 :タイムスロット
CT14 :タイムスロット
L :走行負荷
LM :モデル
P1 :電力量
P2 :電力量
PC :電力消費
S1 :運行スケジュール
S2 :充電スケジュール
TM :充電ターミナル
V :移動体
V1 :候補移動体
V2 :候補移動体
V3 :候補移動体
V4 :候補移動体