(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103174
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】焚き火台
(51)【国際特許分類】
A47J 37/07 20060101AFI20240725BHJP
F24C 1/16 20210101ALI20240725BHJP
F24B 1/182 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
A47J37/07
F24C1/16 A
F24C1/16 B
F24B1/182
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007363
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】722014295
【氏名又は名称】株式会社王子全機
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】木本 丈士
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA04
4B040AD04
4B040AE14
4B040CA03
4B040CA16
4B040ED02
4B040ED05
(57)【要約】
【課題】焚き火台に関する。詳しくは、焚き火の上にポット等の調理器具や容器を近づけたり、焚き火から遠ざけたりする作業を容易に行うことができ、使い勝手に優れた焚き火台に係るものである。
【解決手段】本発明を適用した焚き火台の一例である焚き火台Aは、床板1と、脚部2と、ポール3と、移動つまみ部4と、載置部5と、側板部6を備えている。また、移動つまみ部4は、載置部を空中に支持して、その位置を固定するための固定部材である。また、移動つまみ部4は、柱部3に沿って上下方向に移動したり、柱部3を中心軸として回転したりする移動を担う部材である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薪を配置可能な床板部と、
前記床板部に取り付けられ、同床板部を所定の高さで支持可能な複数の脚部と、
前記床板部に取り付けられ、同床板部から上方に延びた柱状体である柱部と、
金属板で形成され、天板と、前記天板と対向する底板と、前記天板及び前記底板を繋ぐ接続板で構成された略コノ字の外形を有すると共に、前記柱部に沿って移動可能、かつ、任意の位置で位置を固定可能である移動固定部と、
前記移動固定部に取り付けられると共に、水平方向と略平行に配置され、かつ、複数の貫通孔が形成された載置面を有する載置部を備え、
前記天板及び前記底板の前記接続板側とは反対側の端部である一方の端部における同天板と同底板との間の距離は、前記天板及び前記底板の前記接続板側の端部である他方の端部における同天板と同底板との間の距離よりも大きく形成され、
前記天板には、前記柱部の外周より大きな内周を有する貫通孔である第1の貫通孔が形成され、
前記底板には、前記第1の貫通孔と対となり、前記柱部の外周より大きな内周を有する貫通孔である第2の貫通孔が形成され、
前記一方の端部で、前記天板と前記底板の距離を縮めることで、前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔が直線上に並び、前記柱部に沿って前記移動固定部を移動させることができ、
前記一方の端部で、前記天板と前記底板の距離が自然長の状態では、前記第1の貫通孔の位置と前記第2の貫通孔の位置が直線上に並んだ状態からずれ、前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔のそれぞれの位置で、前記天板及び前記底板が前記柱部に係合して、前記柱部に沿った前記移動固定部の位置が固定される
焚き火台。
【請求項2】
前記柱部は円柱状に形成され、
前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔は円形に形成された
請求項1に記載の焚き火台。
【請求項3】
前記床板部は、水平方向と略平行に配置された平坦な面を有する平坦部と、前記平坦部の外周縁に連設され、鉛直方向において、同平坦部の前記外周縁と反対側の縁部が、同外周縁の位置よりも高くなる複数の傾斜部で構成された
請求項1または請求項2に記載の焚き火台。
【請求項4】
前記平坦部及び複数の前記傾斜部は、金属板を曲げて形成された
請求項3に記載の焚き火台。
【請求項5】
前記移動固定部は、前記一方の端部で、前記天板と前記底板の距離が自然長の状態で、
側面視で、前記天板の内周面と前記接続板の内周面のなす角度が略90度であり、かつ、前記底板の内周面と前記接続板の内周面のなす角度が略92度~略95度の範囲内であるか、
または、
側面視で、前記底板の内周面と前記接続板の内周面のなす角度が略90度であり、かつ、前記天板の内周面と前記接続板の内周面のなす角度が略92度~略95度の範囲内である
請求項1または請求項2に記載の焚き火台。
【請求項6】
前記移動固定部は、前記一方の端部で、前記天板と前記底板の距離が自然長の状態で、
側面視で、前記天板の内周面と前記接続板の内周面のなす角度と、前記底板の内周面と前記接続板の内周面のなす角度のそれぞれが、略92度~略95度の範囲内である
請求項1または請求項2に記載の焚き火台。
【請求項7】
前記移動固定部は、作業者が片手で、前記一方の端部において、前記天板と前記底板の距離を縮めて、前記移動固定部を移動させることが可能である
請求項1または請求項2に記載の焚き火台。
【請求項8】
前記複数の脚部及び前記柱部は、前記床板部に対して着脱可能に構成された
請求項1または請求項2に記載の焚き火台。
【請求項9】
前記床板部の外縁に沿って、少なくとも一部に設けられ、かつ、同外縁から上方に向かって形成された板状体である側板部と、
前記側板部に嵌合可能であり、かつ、同側板部及び前記床板部を上方から被覆可能な蓋部を備える
請求項1または請求項2に記載の焚き火台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焚き火台に関する。詳しくは、焚き火の上にポット等の調理器具や容器を近づけたり、焚き火から遠ざけたりする作業を容易に行うことができ、使い勝手に優れた焚き火台に係るものである。
【背景技術】
【0002】
近年、キャンプやバーベキュー等のアウトドアの人気が高まり、野外で暖をとったり、火を囲んだりする道具として、種々の焚き火台が用いられている。
【0003】
また、焚き火を手軽に楽しむために、持ち運びや収納が容易な、折り畳み式の焚き火台や組立式の焚き火台が広く使用されている。
【0004】
焚き火台は主に、薪や木の枝を置く火床と、地面から一定の高さに火床を配置する脚部と、火床の周囲を囲み、風よけとなる側壁等の部材から構成されている。また、すり鉢状の形状を有し、側壁の機能も兼ねた火床を有する構造の焚き火台も存在する。
【0005】
ここで、折り畳み式や組立式の焚き火台は、手軽に利用できる一方で、携帯性または取り扱い性を重視したために、全体の重量が軽かったり、構造が簡素化されたりしたことで、設置時の安定性に欠けることが問題となる。
【0006】
こうしたなか、安全性や設置時の安定性を考慮して、組立式構造でありながら、耐荷重が比較的大きく、安定性に優れた焚き火台が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
この特許文献1に記載された焚き火台210は、
図10に示すように、連結板222が、1対の側板221を横方向に伸ばして互いに向かい合わせ、上方に向かって互いの間隔が拡がる状態で着脱可能に連結するよう設けられている。また、床板223が、連結板222で連結された各側板221の下縁部に、着脱可能に架け渡すよう設けられている。支持脚212が、連結板222で連結された各側板221を、所定の高さで支持可能に設けられている。
【0008】
また、特許文献1に記載された焚き火台210は、支持脚212は、細長く、互いに長さ方向の中央部で交差して係合可能に設けられた1対の支持板224、225を有し、一方の支持板224に、連結板222で連結された各側板221を載せるための載置部224eを有している。各支持板224、225は、それぞれ両端部に、載置部224eに載せられた各側板221の上部を支持可能に設けられた1対の上方支持部224b、225bを有している。
【0009】
この特許文献1に記載された焚き火台では、1対の支持板を交差させて組み立てた支持脚により焚き火台本体を支持するため、蝶番でV字状に開いて使用する従来の折り畳み式のものと比べて、耐荷重が大きい。このため、重いものを載せても壊れにくく、多くの薪や炭などを載せることができる。
【0010】
また、1対の支持板を交差させて組み立てた支持脚により焚き火台本体を支持するだけでなく、支持する際に、焚き火台本体の下部を支持脚の載置部で支持すると共に、焚き火台本体の上部を各上方支持部で支持するため、安定性が高く、横方向からの力が掛かっても倒れにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ここで、特許文献1に記載された焚き火台では、各側板221及び各連結板222の内側に架け渡して取付け可能な支持具を介して、焚き火の上に鍋やヤカン等の調理器具を配置可能となっているが、支持具が取り付け可能な位置は限定されていた。
【0013】
即ち、例えば、支持具は、各側板221及び各連結板222の内側に架け渡して取り付けられることから、上下方向に沿って支持具の位置を変更し、焚き火と調理器具との距離を変えて加熱具合を調整したり、調理器具を焚き火から離れた任意の位置に配置したりすることができなかった。
【0014】
また、水平方向において、側板221等に対する支持具の取り付け位置を変更して、調理器具等の配置位置を調整するとしても、焚き火の熱で支持具が熱くなり、軍手等を着用して支持具に触れなければならない。また、支持具を安定して設置するには、両手での作業を強いられ、支持具の取り付け位置の変更に手間が生じていた。
【0015】
本発明は、以上の点を鑑みて創案されたものであり、焚き火の上にポット等の調理器具や容器を近づけたり、焚き火から遠ざけたりする作業を容易に行うことができ、使い勝手に優れた焚き火台を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために本発明の焚き火台は、薪を配置可能な床板部と、前記床板部に取り付けられ、同床板部を所定の高さで支持可能な複数の脚部と、前記床板部に取り付けられ、同床板部から上方に延びた柱状体である柱部と、金属板で形成され、天板と、前記天板と対向する底板と、前記天板及び前記底板を繋ぐ接続板で構成された略コノ字の外形を有すると共に、前記柱部に沿って移動可能、かつ、任意の位置で位置を固定可能である移動固定部と、前記移動固定部に取り付けられると共に、水平方向と略平行に配置され、かつ、複数の貫通孔が形成された載置面を有する載置部を備え、前記天板及び前記底板の前記接続板側とは反対側の端部である一方の端部における同天板と同底板との間の距離は、前記天板及び前記底板の前記接続板側の端部である他方の端部における同天板と同底板との間の距離よりも大きく形成され、前記天板には、前記柱部の外周より大きな内周を有する貫通孔である第1の貫通孔が形成され、前記底板には、前記第1の貫通孔と対となり、前記柱部の外周より大きな内周を有する貫通孔である第2の貫通孔が形成され、前記一方の端部で、前記天板と前記底板の距離を縮めることで、前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔が直線上に並び、前記柱部に沿って前記移動固定部を移動させることができ、
前記一方の端部で、前記天板と前記底板の距離が自然長の状態では、前記第1の貫通孔の位置と前記第2の貫通孔の位置が直線上に並んだ状態からずれ、前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔のそれぞれの位置で、前記天板及び前記底板が前記柱部に係合して、前記柱部に沿った前記移動固定部の位置が固定されるように構成されている。
【0017】
ここで、薪を配置可能な床板部と、床板部に取り付けられ、床板部を所定の高さで支持可能な複数の脚部によって、床板部に薪を置き、地面等から離れた位置で、焚き火をすることができる。また、床板部が地面から離れたことで、焚き火の熱で芝や草を傷めたり、草等が燃えて延焼したりすることを抑止できる。
【0018】
また、床板部に取り付けられ、床板部から上方に延びた柱状体である柱部と、柱部に沿って移動可能、かつ、任意の位置で位置を固定可能である移動固定部と、移動固定部に取り付けられると共に、水平方向と略平行に配置された載置面を有する載置部によって、載置部にポット等の調理器具を置いて、上下方向に沿って、床板に対する調理器具の配置位置を調整することができる。また、上下方向に沿って、任意の位置で、載置部の位置を固定することができる。このことによれば、床板部に置いた薪等を燃やして生じた焚き火に対して、載置部を下げて、火に近づけ調理器具を加熱したり、焚き火と温まった調理器具との距離を適度にあけて保温したりすることができる。また、載置部を上げて、焚き火との距離を大きくあけ、火から離した載置部を、調理器具を置くテーブルのように利用することができる。
【0019】
また、載置部が、複数の貫通孔が形成された載置面を有することによって、複数の貫通孔を介して、焚き火の熱が載置面に置いた調理器具に伝わりやすくなる。
【0020】
また、移動固定部が、金属板で形成され、天板と、天板と対向する底板と、天板及び底板を繋ぐ接続板で構成された略コノ字の外形を有し、天板には、柱部の外周より大きな内周を有する貫通孔である第1の貫通孔が形成され、底板には、第1の貫通孔と対となり、柱部の外周より大きな内周を有する貫通孔である第2の貫通孔が形成されたことによって、略コノ字の外形の移動固定部に対して、第1の貫通孔及び第2の貫通孔に柱部を通して、天板及び底板を柱部に係合させることができる。また、移動固定部が、金属板で形成され、略コノ字の外形であることから、天板及び底板の接続板側とは反対側の端部である一方の端部、即ち、開口した方の端部で、上下から力を加えることで、自然長の状態から開口が小さくなるように、移動固定部を変形させることができる。
【0021】
また、移動固定部が、略コノ字の外形を有し、天板及び底板の接続板側とは反対側の端部である一方の端部における天板と底板との間の距離は、天板及び底板の接続板側の端部である他方の端部における天板と底板との間の距離よりも大きく形成されたことによって、移動固定部の外形は、上下方向における接続板の長さよりも、上下方向における略コノ字の開口した距離の方が大きな形状となる。即ち、側面視した際に、他方の端部から一方の端部の方に開口が拡がっていく形となる。
【0022】
また、一方の端部で、天板と底板の距離を縮めることで、第1の貫通孔と第2の貫通孔が直線上に並び、柱部に沿って移動固定部を移動させることができることによって、移動固定部の一方の端部に対して、上下から力を加える操作により、柱部に沿って移動固定部を移動させることができる。即ち、例えば、使用者が片手で、移動固定部の一方の端部を握る動作だけで、移動固定部が固定された状態を解除して、移動固定部及び載置部を上下に動かすことが可能となる。また、柱部に移動固定部が取り付けてあるので、焚き火から離した位置に移動固定部を配置して、焚き火の熱を避け、移動固定部を素手で触れて操作しやすくなっている。
【0023】
また、一方の端部で、天板と底板の距離が自然長の状態では、第1の貫通孔の位置と第2の貫通孔の位置が直線上に並んだ状態からずれ、第1の貫通孔と第2の貫通孔のそれぞれの位置で、天板及び底板が柱部に係合して、柱部に沿った移動固定部の位置が固定されることによって、移動固定部の一方の端部を変形させない際には、上下方向における柱部の任意の位置で、金属の弾性により移動固定部を固定することができる。即ち、自然中の状態では、柱部の軸心方向に対して、第1の貫通孔と、第2の貫通孔が傾いた位置関係となる。この状態では、天板及び底板が元の形状に戻ろうとする弾性力が生じ、第1の貫通孔と、第2の貫通孔のそれぞれで、孔の内周の一部に、柱部の外周の一部が押しつけられ、これにより、柱部に沿った移動固定部の移動が規制され、その位置で固定される。
【0024】
また、柱部が円柱状に形成され、第1の貫通孔及び第2の貫通孔は円形に形成された場合には、柱部を軸心とした回転方向に沿って、移動固定部及び載置部を回転させることが可能となる。即ち、上下方向に沿った移動だけでなく、回転方向においても、任意の位置に載置部を移動させ、その位置を固定させることができる。即ち、例えば、載置部が床板部から遠ざかるように、移動固定部の位置を回転させることで、調理器具を焚き火から大きく引き離すことができる。
【0025】
また、床板部は、水平方向と略平行に配置された平坦な面を有する平坦部と、平坦部の外周縁に連設され、鉛直方向において、平坦部の前記外周縁と反対側の縁部が、外周縁の位置よりも高くなる複数の傾斜部で構成された場合には、床板部に薪を置いた際に、薪が平坦部と、傾斜部に渡って配置され、薪の下方に空間を形成しやすくなる。即ち、薪の一端が平坦部に置かれ、他端が傾斜部に置かれることで、水平方向に対して、薪が傾いた姿勢となり、床板部と薪の間に空間が生まれる。このことによれば、薪を燃やした際に、空気の通り道が確保され、薪を効率良く燃やすことが可能となる。
【0026】
また、平坦部及び複数の傾斜部が、金属板を曲げて形成された場合には、1枚の金属板から平坦部及び複数の傾斜部が造られ、平坦部と傾斜部の間が溶接等の継ぎ目がなく、意匠性に優れた形状となる。また、継ぎ目のバリ等がなく、設置する際や、床板部の灰を除去する際等に、手触りの良い床板部にすることができる。
【0027】
また、移動固定部が、一方の端部で、天板と底板の距離が自然長の状態で、側面視で、天板の内周面と接続板の内周面のなす角度が略90度であり、かつ、底板の内周面と接続板の内周面のなす角度が略92度~略95度の範囲内であるか、または、側面視で、底板の内周面と接続板の内周面のなす角度が略90度であり、かつ、天板の内周面と接続板の内周面のなす角度が略92度~略95度の範囲内である場合には、移動固定部の一方の端部の開口が大きくなりすぎず、その外形を変形させる際の操作性を良好なものにできる。即ち、例えば、移動固定部を固定した状態を解除し、柱部に沿って移動させる際に、片手で操作しやすくなる。
【0028】
また、移動固定部が、一方の端部で、天板と底板の距離が自然長の状態で、側面視で、天板の内周面と接続板の内周面のなす角度と、底板の内周面と前記接続板の内周面のなす角度のそれぞれが、略92度~略95度の範囲内である場合には、移動固定部の一方の端部の開口が大きくなりすぎず、その外形を変形させる際の操作性を良好なものにできる。即ち、例えば、移動固定部を固定した状態を解除し、柱部に沿って移動させる際に、片手で操作しやすくなる。
【0029】
また、複数の脚部及び柱部は、床板部に対して着脱可能に構成された場合には、未使用の際に、脚部と柱部を取り外して、コンパクトなサイズになり、組立式の焚き火台にすることができる。
【0030】
また、床板部の外縁に沿って、少なくとも一部に設けられ、かつ、外縁から上方に向かって形成された板状体である側板部と、側板部に嵌合可能であり、かつ、側板部及び床板部を上方から被覆可能な蓋部を備える場合には、側板部を、床板部に置かれた薪の風よけとすることができる。また、蓋部と側板部で床板部を覆って、焚き火の燃え残りの火が消えるまで、薪を安全に管理しやすくなる。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る焚き火台は、焚き火の上にポット等の調理器具や容器を近づけたり、焚き火から遠ざけたりする作業を容易に行うことができ、使い勝手に優れたものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の実施の形態である焚き火台の全体構造を示す概略斜視図である。
【
図2】(a)は、
図1に示す焚き火台の概略正面図であり、(b)は、
図2(a)に示した矢印Aの方行から見た概略断面図である。
【
図4】ポール及び移動つまみ部の構造を示す概略斜視図である。
【
図5】(a)は、ポールに対する移動つまみ部の移動が規制され、固定された状態の概略断面図であり、(b)は、ポールに対する移動つまみ部の移動が可能となった状態の概略断面図である。
【
図6】移動つまみ部の他の形状を示す概略図である。
【
図7】(a)は、移動つまみ部をポールの上部側に移動させた状態を示す概略斜視図であり、(b)は、移動つまみ部をポールの下部側に移動させた状態を示す概略斜視図であり、(c)は、ポールを中心軸として、移動つまみ部を回転させた状態を示す概略斜視図である。
【
図9】(a)は、脚部の構造を示す概略斜視図であり、(b)は、蓋部の構造を示す概略斜視図である。
【
図10】従前の焚き火台の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。
【0034】
本発明を適用した焚き火台の一例である焚き火台Aは、床板1と、脚部2と、ポール3と、移動つまみ部4と、載置部5と、側板部6を備えている(
図1参照)。
【0035】
なお、以下の説明においては、
図2(b)を基準に、床板1から見た載置部5の方を上または上方と称し、載置部5から見た床板1の方を下または下方と称する。また、
図2(b)を基準に上下を結ぶ方向を上下方向または鉛直方向と称し、上下方向と直交する方向を水平方向と称する。
【0036】
ここで、床板1は、薪や木の枝等を配置する火床となる部材である。床板1の上で薪等を燃やして焚き火を生じさせる部分である。
【0037】
また、脚部2は、焚き火台Aを設置する地面等から、一定の高さ位置に床板1を支持する支持部材である。
【0038】
また、ポール3は、床板1から一定の高さ位置に載置部5を支持する支持部材である。また、ポール3は、載置部5の上下方向に沿った移動をガイドすると共に、水平方向において載置部5を回転させる際の中心軸となる部材である。なお、ここでいうポール3が本願請求項における柱部に相当する部材である。
【0039】
また、移動つまみ部4は、載置部を空中に支持して、その位置を固定するための固定部材である。また、移動つまみ部4は、柱部3に沿って上下方向に移動したり、柱部3を中心軸として回転したりする移動を担う部材である。なお、ここでいう移動つまみ部4が本願請求項における移動固定部に相当する部材である。
【0040】
また、載置部5は、ポット等の調理器具を載置する部材であり、調理器具を置いた状態で、焚き火の火にかける部材である。また、載置部5は、焚き火から距離を離して配置し、テーブル等として使用できる部材である。
【0041】
また、側板部6は、床板1に置かれた薪等の風除けとなる部材である。また、床板1を後述する蓋部7で覆う際に、蓋部7との嵌合部分となる部材である。
【0042】
以下、各部材の詳細な構造を説明する。
【0043】
まず、床板1は、
図1、
図2(b)及び
図3に示すように、1つの平坦部10と、平坦部10の外周縁に連設された3つの傾斜部11を有している。床板1は、1枚の金属板から形成され、金属板に折り曲げ加工を施し、平坦部10と傾斜部11が設けられている。
【0044】
より詳細には、平坦部10は水平方向と略平行な向きに配置されている。また、3つの傾斜部11は、上下方向において、床板1における脚部2の取付け位置の部分が最も高い位置となるように、水平方向に対して傾斜した向きで設けられている。
【0045】
言い換えると、3つの傾斜部11は、上下方向において、平坦部10の外周縁から、その外側方向に向かって、その高さ位置が高くなる向きに傾斜が設けられている。
【0046】
このように床板1が、平坦部10と3つの傾斜部11を有していることから、床板1に一定の長さ以上の薪等を置いた際に、薪の一端が平坦部10に置かれ、他端が傾斜部11に置かれることで、水平方向に対して薪が傾いた姿勢となり、床板部と薪の間に空間が生まれやすくなる。
【0047】
この結果、床板1で薪を燃やした際に、空気の通り道が確保され、薪を効率良く燃やすことが可能となる。
【0048】
また、床板1は、平らな平坦部10が、床板1の全面積中で広く面積を占めるように形成されたことから、薪を充分な本数配置することができる。また、複数の薪の配置の自由度を高めることができる。また、平坦部10と傾斜部11に薪を架け渡して配置した際に、薪と平坦部10との間の空間が必要以上に大きくならず、効率良く薪を配置することができる。
【0049】
ここで、必ずしも、床板1が、1つの平坦部10と、平坦部10の外周縁に連設された3つの傾斜部11を有する必要はない。但し、上述したように、床板1に一定の長さ以上の薪等を置いた際に、床板部と薪の間に空間が生まれやすくなり、薪を効率良く燃やすことが可能となる点から、床板1が、1つの平坦部10と、平坦部10の外周縁に連設された3つの傾斜部11を有することが好ましい。
【0050】
また、平坦部10及び傾斜部11の形状や数は、上述した内容に限定されるものではなく適宜設定することができる。
【0051】
図1、
図2(a)及び
図3に示すように、床板1に対して、3つの脚部2が取り付けられている。各脚部2は、平面視で、床板1の外縁に沿って等間隔で取り付けられている(
図3参照)。
【0052】
より詳細には、上下方向において、3つの各傾斜部11の最も高い位置に、取付け用の孔部が形成され(図示省略)、この取付け用の孔部に、脚部2の上部に形成された嵌合溝部20(
図9(a)参照)が嵌合して、床板1に脚部2が取付け可能となっている。
【0053】
また、脚部2の下部側には凸部21が形成され(
図9(a)参照)、脚部2を床板1に取り付けた状態で、脚部2の下端が地面に当接して、床板1を安定して配置可能となっている。
【0054】
また、床板1に対して脚部2は着脱自在に構成され、未使用時には、床板1から取り外して、床板1及び側板部6の内側に収納することができる。
【0055】
ここで、必ずしも、床板1に対して、3つの脚部2が取り付けられる必要はなく、床板1を地面等に安定して配置可能であれば脚部の本数は適宜設定でき、例えば、4本以上の脚部が設けられてもよい。
【0056】
また、床板1への脚部2の取付け構造は、傾斜部11の取付け用孔部と、脚部2の嵌合溝部20での取付け構造に限定されるものではない。例えば、ネジ構造等、既知の構造を適用することができる。但し、床板1への脚部2の取付け及び取り外しの作業が容易になる点から、床板1への脚部2の取付け構造として、傾斜部11の取付け用孔部と、脚部2の嵌合溝部20での取付け構造となることが好ましい。
【0057】
図2(b)に示すように、ポール3は金属製の略円柱に形成された部材である。ポール3の下部の外周面にはネジ溝30が形成されている(
図2(b)及び
図4参照)。また、床板1にはポール受け部12(
図1及び
図2(b)参照)が形成されている。
【0058】
ポール受け部12は上部が開口した筒状体であり、その内周面にネジ溝30と嵌合するネジ溝(図示省略)が形成され、ネジ構造を介して、ポール3がポール受け部12に固定可能となっている。
【0059】
続いて、ポール3と移動つまみ部4との接続構造について説明する。
【0060】
図2(b)及び
図4に示すように、移動つまみ部4は、略コノ字の形状であり金属部材で形成されている。また、移動つまみ部4は、天板40と、底板41と、接続板42を有している(
図4参照)。天板40、底板41及び接続板42は、1つの板状の金属板を曲げて形成している。
【0061】
また、天板40には円形の貫通孔400が形成されている(
図4参照)。また、底板41のうち、貫通孔400と略対向する位置には、円形の貫通孔410が形成されている。この貫通孔400及び貫通孔410は、一対の孔部となり、ポール3が挿通される部分となっている。
【0062】
また、移動つまみ部4の開口した側の端部に力を加えない状態(以下、「自然長の状態」と称する。)では、貫通孔400及び貫通孔410の位置で、ポール3の外周面に当接して、金属の弾性によりポール3に沿った位置が固定されるものとなる。この点の詳細については後述する。
【0063】
また、接続板42は、天板40及び底板41を繋ぐ部材であると共に、ネジ420を介して、載置部5を固定する部分となる。なお、
図4では、移動つまみ部4の構造を明確にする観点から、載置部5は点線で記載している。
【0064】
更に、移動つまみ部4の移動に関する構造を説明する。
図5(a)には、ポール3に対する移動つまみ部4の移動が規制され、固定された状態の概略断面図を示し、
図5(b)には、ポール3に対する移動つまみ部4の移動が可能となった状態の概略断面図を示している。
【0065】
まず、
図5(a)に示す、移動つまみ部4が自然長の状態では、側面視した際、天板40と接続板42のなす角度(
図5(a)の符号αで示す角度)は略90度であり、底板41と接続板42のなす角度(
図5(a)の符号βで示す角度)は略92度となっている。
【0066】
即ち、移動つまみ部4を側面視した状態では、略コノ字の形状で、開口部側に向かうにつれ、上下方向における天板40と底板41との距離が徐々に大きくなる形状となっている。換言すれば、上下方向における天板40と底板41との距離は、接続板42側の距離よりも、開口した側の距離の方が大きくなっている。
【0067】
また、ポール3の外周径は8mmであり、貫通孔400及び貫通孔410の内周径は8.1~8.2mm程度に形成されている。
【0068】
そして、移動つまみ部4が自然長の状態では、貫通孔400の向きと、貫通孔410の向きは、完全に正対せず、各孔の向きがずれた位置関係となっている。つまり、
図5(a)に示すように、貫通孔400の向きは、水平方向と略平行な向きになるのに対して、貫通孔410の向きは、
図5(a)において、図中の右側が下がった向きになっている。
【0069】
即ち、自然長の状態では、移動つまみ部4の貫通孔400と、貫通孔410は、鉛直方向に沿って、直線上に並ぶ位置関係になく、鉛直方向でずれた位置関係にある。
【0070】
また、この自然長の状態では、貫通孔400と貫通孔410が、鉛直方向でずれた位置関係になり、天板40及び底板41が元の形状に戻ろうとする弾性力が生じ、ポール3の外周面に対して、各貫通孔の内周面が強く接した状態となる。
【0071】
特に、
図5(a)に示すように、貫通孔410の内周面のうち、符号410aと、符号410bに示した箇所で、ポール3の外周面に対して、貫通孔410の内周面が強く押し付けられる。
【0072】
この結果、ポール3に対して、移動つまみ部4は、鉛直方向への移動が規制され、その高さ位置で、移動つまみ部4の配置位置が固定される。また、同様に、ポール3を中心軸とした移動つまみ部4の回転移動も規制され、回転方向に関する移動つまみ部4の配置位置も固定される。
【0073】
次に、移動つまみ部4が移動可能な状態について説明する。ここで、
図5(b)に示すように、移動つまみ部4の開口した側の端部(
図5(b)中における右側の端部)で、天板40と底板42に対して、上下方向から力Fを加えると、天板40と底板41の距離が小さくなる。
【0074】
即ち、天板40と接続板42のなす角度と、底板41と接続板42のなす角度は、それぞれが略90度となり、貫通孔400の向きと、貫通孔410の向きが、正対した位置関係となる。つまり、
図5(b)に示すように、貫通孔400の向き及び貫通孔410の向きが、水平方向と略平行な向きになる。
【0075】
即ち、移動つまみ部4が移動可能な状態では、移動つまみ部4の貫通孔400と、貫通孔410は、鉛直方向に沿って、直線上に並んだ位置関係にある。
【0076】
また、この移動つまみ部4が移動可能な状態では、貫通孔400と貫通孔410が、鉛直方向に沿って、直線上に並んだ位置関係にあることから、ポール3の外周面に対して、各貫通孔の内周面が強く接した状態が解除され、移動つまみ部4をポール3に沿って移動させることができる。
【0077】
また、同様に、ポール3を中心軸とした移動つまみ部4の回転移動も可能となり、回転方向に関する移動つまみ部4の配置位置も調整可能となる。
【0078】
また、移動つまみ部4の開口した側の端部で、天板40と底板42に対する、上下方向からの力Fを除くと、移動つまみ部4の付勢力により、元の形状(
図5(a)の形状)に戻り、再度、ポール3に対して移動つまみ部4が固定された状態となる。
【0079】
このように、移動つまみ部4の開口した側の端部に対して、力を加える操作の有無により、移動つまみ部4の鉛直方向における移動と、ポール3を中心軸とした回転移動について、固定された状態と、移動可能な状態を切り替えることができる。また、力を加える操作は、作業者が片手で握る動作で可能となるため、作業者は、移動つまみ部4の配置位置を片手で容易に変更することができる。
【0080】
また、移動つまみ部4が、床板1の外周縁の位置から上方に延びたポール3に取り付けられているため、床板1の上部で燃える焚き火からも離れた位置にあり、移動つまみ部4が焚き火の熱で熱くなることを回避できる。即ち、移動つまみ部4を操作する際に、作業者は、軍手等を用いず、素手で触れて操作することが可能となる。
【0081】
この移動つまみ部4を介した載置部5の配置位置の変更として、例えば、
図7(a)に示すように、床板1から載置部5を離すために、移動つまみ部4をポール3の上部側に移動させることができる。これにより載置部5に配置したポット等の調理器具を焚き火から大きく離すことが可能となる。
【0082】
また、例えば、
図7(b)に示すように、床板1に載置部5を近付けるために、移動つまみ部4をポール3の下部側に移動させることができる。これにより載置部5に配置したポット等の調理器具を焚き火に近づけ、焚き火で加熱することが可能となる。
【0083】
さらに、例えば、
図7(c)に示すように、水平方向において、床板1の上方から載置部5を離すために、ポール3を中心軸として、移動つまみ部4を回転させることができる。
これにより、配置したポット等の調理器具に焚き火が当たらないようにして、載置部5をテーブルとして使用することも可能となる。
【0084】
ここで、必ずしも、自然長の状態では、側面視した際に、天板40と接続板42のなす角度が略90度であり、底板41と接続板42のなす角度が略92度となる必要はない。例えば、側面視した際に、天板40と接続板42のなす角度が略92度であり、底板41と接続板42のなす角度が略90度となる形状となってもよい。
【0085】
また、必ずしも、側面視した際に、底板41と接続板42のなす角度が略92度となる必要はなく、角度は適宜設定することができる。但し、移動つまみ部4を、自然長の状態から、移動可能な状態の形状に変形させる際に、作業者が片手で作業しやすくなる点から、側面視した際に、底板41と接続板42のなす角度が略92度~略95度の範囲となることが好ましい。
【0086】
また、必ずしも、側面視した際、天板40と接続板42のなす角度が略90度であり、底板41と接続板42のなす角度が略92度となる必要はない。即ち、必ずしも、接続板に対して、天板(または底板)が略90度で配置され、底板(または天板)が、90度よりも角度の大きな数値となる必要はない。
【0087】
例えば、
図6に示す移動つまみ部8では、側面視した際、天板80と接続板82のなす角度と、底板81と接続板82のなす角度(
図6の符号αで示す角度)がそれぞれ、略93度になっている。このように、天板及び底板の両方が、接続板に対して略90度よりも大きな角度になる形状を採用することも可能である。
【0088】
この形状では、天板の貫通孔800の向きと、底板の貫通孔810の向きが、上下で線対称の位置関係になる。このことによれば、自然長の状態で、天板の貫通孔800の内周面と、底板の貫通孔810の内周面のそれぞれが、ポール3の外周面に強く接した際の力が均等になりやすく、載置部5の水平度をより厳密に保ちやすくなる。また、移動つまみ部8の開口した側の端部に対して力を加える際に、天板80と、底板81に対して上下から同程度の力を加えて変形させることができるので、移動つまみ部8をより一層、操作しやすくなる。
【0089】
なお、移動つまみ部8における角度も適宜設定可能であるが、側面視した際、天板80と接続板82のなす角度と、底板81と接続板82のなす角度がそれぞれ、略92度~略95度の範囲となることが好ましい。
【0090】
また、必ずしも、ポール3の外周径が8mmであり、貫通孔400及び貫通孔410の内周径は8.1~8.2mm程度に形成される必要はなく、移動つまみ部4が自然長の状態でポール3に対して固定可能であり、自然長の状態から、移動可能な状態の形状に変形させた際に、移動つまみ部4を移動させることが可能であれば、ポール3の外周径と、貫通孔400及び貫通孔410の内周径は、適宜設定することができる。
【0091】
図8に示すように、載置部5は、載置面50と、側壁部51を有している。また、載置部5は金属で形成されている。また、載置面50には、略ハニカム状の複数の孔部500が形成されている。この複数の孔部500が形成されたことで、載置面50に置かれたポット等の調理器具に、焚き火が直に当たりやすくなっている。
【0092】
また、側壁部51は、載置面50から鉛直下方に向けて折り曲げた端縁部分であり、載載置部50の強度向上に寄与する部分である。そして載置部5は、載置面50の下方が開口した凹状に形成されている。
【0093】
また、側壁部50のうち、移動つまみ部4の接続板42と接合する部分には、ネジ受け溝(図示省略)が形成され、ネジ420(
図4参照)を介して、接続板42と側壁部50が固定されている。
【0094】
ここで、必ずしも、載置面50に形成された複数の孔部が略ハニカム状に形成される必要はなく、孔部の形状は適宜変更することができる。但し、孔部の面積を大きくしつつ、載置面50の強度も担保する点から、載置面50に形成された複数の孔部が略ハニカム状に形成されることが好ましい。
【0095】
また、必ずしも、載置部5が、載置面50から鉛直下方に向けて折り曲げた側壁部51を有する必要はなく、載置部5が移動つまみ部4に固定であれば、載置部5の形状は適宜変更できる。但し、上述したように、載置部50の強度を向上させることができる点から、載置部5が、載置面50から鉛直下方に向けて折り曲げた側壁部51を有することが好ましい。
【0096】
また、必ずしも、載置部5は、載置面50の下方が開口した凹状に形成される必要はない。但し、載置部5の重量が小さくなり、移動つまみ部4による操作が容易になる点や、ポール3から移動つまみ部4及び載置部5を取り外した際に、焚き火台Aの全体が軽くなり、持ち運び易くなる点から、載置部5は、載置面50の下方が開口した凹状に形成されることが好ましい。
【0097】
図9(b)に示すように、焚き火台Aは、蓋部7を有している。蓋部7には、ポール3に対応した切欠き70と、脚部2に対応した複数の切欠き71が形成されている。蓋部7は、この切欠き70及び切欠き71が形成されたことで、床板1にポール3と、複数の脚部2を取り付けた状態で、床板1を覆うように、蓋部7を被せることができる。
【0098】
これにより、床板1の上で、焚き火の燃え残りが燃えている時に、蓋部7を被せて、床板1の外側に、燃えかけの薪や灰が飛んでいくことを防止できる。焚き火が完全に消えるまで時間を要することもあるが、蓋部7で蓋をすることで、燃え残りを安全に管理することが可能となる。
【0099】
また、焚き火台Aを使用しない際には、床板1に、取り外した脚部2、ポール3、移動つまみ部4及び載置部5を置いて、その上から蓋部7を被せることで、各部材を収納した状態で、コンパクトにまとめることができる。
【0100】
また、焚き火をする際に、床板1の下方に蓋部7を置くことで、焚き火の熱を蓋部7で遮り、地面の草や芝が、焚き火の熱で焼けてしまうことを抑止できる。
【0101】
以上のように本発明を適用した焚き火台は、焚き火の上にポット等の調理器具や容器を近づけたり、焚き火から遠ざけたりする作業を容易に行うことができ、使い勝手に優れたものとなっている。
【0102】
本明細書及び特許請求の範囲で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書及び特許請求の範囲に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【符号の説明】
【0103】
A 焚き火台
1 床板
10 平坦部
11 傾斜部
12 ポール受け部
2 脚部
20 嵌合溝部
21 凸部
3 ポール
30 ネジ溝
4 移動つまみ部
40 天板
400 貫通孔
41 底板
410 貫通孔
410a 貫通孔の内周面
410b 貫通孔の内周面
42 接続板
420 ネジ
5 載置部
50 載置面
500 孔部
51 側壁部
6 側板部
7 蓋部
70 切欠き
71 切欠き
8 移動つまみ部
80 天板
800 貫通孔
81 底板
810 貫通孔
82 接続板