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特開2024-103176変位計測装置および地盤変位計測方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103176
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】変位計測装置および地盤変位計測方法
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/00 20060101AFI20240725BHJP
   G02B 6/50 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
E21D9/00 Z
G02B6/50 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007365
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂井 一雄
(72)【発明者】
【氏名】赤木 俊文
【テーマコード(参考)】
2H038
【Fターム(参考)】
2H038CA68
(57)【要約】
【課題】地盤変位を計測した後に、計測孔から光ファイバーケーブルセンサを回収できる変位計測装置を提供する。
【解決手段】変位計測装置10であって、計測孔90に挿入されるパイプ20と、パイプ20内で膨張収縮可能なパッカー30と、パッカー30の外面とパイプ20の内面との間に配置された上下の平板40,40と、平板40に取り付けられた光ファイバーケーブルセンサ50と、パイプ20内に配置された位置揃え部材60と、を備えている。光ファイバーケーブルセンサ50は測定装置80に接続可能である。位置揃え部材60には、隣り合うパッカー30,30の連結部35が挿通される挿通口63と、平板40に形成された係合部48が係合される被係合部64と、が形成されている。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測孔に挿入されるパイプと、
前記パイプ内で膨張収縮可能な袋状のパッカーと、
前記パッカーの外面と前記パイプの内面との間に配置された上下の平板と、
前記平板に取り付けられた光ファイバーケーブルセンサと、
前記パイプ内に配置された位置揃え部材と、を備え、
複数の前記パッカーが前記パイプの延長方向に連結されており、
前記光ファイバーケーブルセンサは、前記光ファイバーケーブルセンサのひずみを測定する測定装置に接続可能であり、
前記パッカーを膨張させた状態では、前記平板が前記パッカーの外面と前記パイプの内面との間に挟まれて固定されるように構成されており、
前記位置揃え部材には、
隣り合う前記パッカーの連結部が挿通される挿通口と、
前記両平板に形成された係合部がそれぞれ係合する上下の被係合部と、が形成されていることを特徴とする変位計測装置。
【請求項2】
前記被係合部は、前記位置揃え部材に形成された孔部であり、
前記平板から突出した前記係合部が前記被係合部に差し込まれていることを特徴とする請求項1に記載の変位計測装置。
【請求項3】
複数の前記平板が前記パイプの延長方向に連結され、
隣り合う前記平板の内面に重ねられた連結部材によって、隣り合う前記平板が連結されており、
前記平板に形成された取付孔に外面側から挿入されたねじ部材が、前記連結部材に形成されたねじ孔に螺合され、
前記連結部材の内面側に突出した前記ねじ部材の先端部によって前記係合部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の変位計測装置。
【請求項4】
前記被係合部は、前記平板の延長方向に延びている長孔であることを特徴とする請求項2に記載の変位計測装置。
【請求項5】
地盤の変位を計測する地盤変位計測方法であって、
地盤に設けた計測孔に請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の変位計測装置を挿入する工程と、
前記計測孔の内面と前記パイプの外面との間に充填材を充填して、前記パイプの位置決めを行う工程と、
前記パッカー内を加圧して前記パッカーを膨張させ、前記平板を前記パッカーの外面と前記パイプの内面との間に挟んで、前記光ファイバーケーブルセンサを前記パイプに対して固定する工程と、
前記光ファイバーケーブルセンサのひずみを計測する工程と、
前記パッカー内を減圧して、前記パッカーを収縮させる工程と、
前記パッカー、前記平板および前記光ファイバーケーブルセンサを前記パイプから抜き出す工程と、
を備えていることを特徴とする地盤変位計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル施工における切羽前方の地盤変位を計測する変位計測装置および変位計測装置を用いた地盤変位計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、トンネルの施工において、切羽前方の地山状況に応じて適切な工法を採用するためには、切羽前方の地盤変位を管理する必要がある。
地盤変位の計測方法としては、切羽前方に向けて形成した計測孔に光ファイバーケーブルセンサを挿入し、測定装置から光ファイバーケーブルセンサに光を入射して散乱光が戻るまでの時間や散乱光の周波数分布を解析することで、地盤変位を把握する方法がある。
特許文献1には、パイプの外周面に光ファイバーケーブルセンサを取り付け、計測孔にパイプを挿入し、計測孔内にグラウト材を充填することで、光ファイバーケーブルセンサを計測孔内に固定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-156215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来の地盤変位計測方法では、計測孔内に充填したグラウト材に光ファイバーケーブルセンサが埋め込まれるため、地盤変位を計測した後に、光ファイバーケーブルセンサを回収できないという問題がある。例えば、全長に亘って高分解能および高精度に地盤変位を計測可能な光ファイバーケーブルセンサを前記した従来の地盤変位計測方法に適用すると、施工コストが嵩んでしまう。
【0005】
本発明は、前記した問題を解決し、地盤変位を計測した後に、計測孔から光ファイバーケーブルセンサを回収できる変位計測装置および地盤変位計測方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、第一の発明は、変位計測装置であって、計測孔に挿入されるパイプと、前記パイプ内で膨張収縮可能な袋状のパッカーと、前記パッカーの外面と前記パイプの内面との間に配置された上下の平板と、前記平板に取り付けられた光ファイバーケーブルセンサと、前記パイプ内に配置された位置揃え部材と、を備えている。この変位計測装置では、複数の前記パッカーが前記パイプの延長方向に連結されている。前記光ファイバーケーブルセンサは、前記光ファイバーケーブルセンサのひずみを測定する測定装置に接続可能である。前記パッカーを膨張させた状態では、前記平板が前記パッカーの外面と前記パイプの内面との間に挟まれて固定されるように構成されている。前記位置揃え部材には、隣り合う前記パッカーの連結部が挿通される挿通口と、前記両平板に形成された係合部がそれぞれ係合される上下の被係合部と、が形成されている。
【0007】
前記課題を解決するため、第二の発明は、地盤の変位を計測する地盤変位計測方法である。この地盤変位計測方法は、地盤に設けた計測孔に前記した変位計測装置を挿入する工程と、前記計測孔の内面と前記パイプの外面との間に充填材を充填して、前記パイプの位置決めを行う工程と、前記パッカー内を加圧して前記パッカーを膨張させ、前記平板を前記パッカーの外面と前記パイプの内面との間に挟んで、前記光ファイバーケーブルセンサを前記パイプに対して固定する工程と、前記光ファイバーケーブルセンサのひずみを計測する工程と、前記パッカー内を減圧して、前記パッカーを収縮させる工程と、前記パッカー、前記平板および前記光ファイバーケーブルセンサを前記パイプから抜き出す工程と、を備えている。
【0008】
本発明では、地盤に設けた計測孔に挿入したパイプ内でパッカーを膨張させ、平板をパッカーの外面とパイプの内面との間に挟むことで、光ファイバーケーブルセンサをパイプに対して固定できる。そして、光ファイバーケーブルセンサを用いて地盤変位を計測した後に、パッカーを収縮して、光ファイバーケーブルセンサのパイプへの固定を解除することで、パイプ内から光ファイバーケーブルセンサを回収できる。
このように、本発明では、地盤変位を計測した後に地盤内から光ファイバーケーブルセンサを回収できるため、高精度の変位計側が期待できる高価な光ファイバーケーブルセンサとパッカー装置を用いる場合でも、地盤変位の計測に要するコストを抑えることができる。つまり、高価な光ファイバーケーブルセンサとパッカー装置を用いた変位計測方法に本発明を適用して、地盤変位を精度良く求めることができる。
また、本発明では、上下の平板が位置揃え部材に係合されることで、両平板がパイプ内に位置決めされる。これにより、両平板に取り付けた上下の光ファイバーケーブルセンサの水平方向の位置を揃えることができるため、鉛直方向の地盤変位を正確に求めることができる。
【0009】
前記した変位計測装置において、前記被係合部が前記位置揃え部材に形成された孔部であり、前記平板から突出した前記係合部を前記被係合部に差し込むように構成した場合には、平板の係合部を、位置揃え部材の被係合部に容易に係合できる。
【0010】
前記した変位計測装置において、複数の前記平板が前記パイプの延長方向に連結され、 隣り合う前記平板の内面に重ねられた連結部材によって、隣り合う前記平板が連結されており、前記平板に形成された取付孔に外面側から挿入されたねじ部材が、前記連結部材に形成されたねじ孔に螺合されている場合には、前記連結部材の内面側に突出した前記ねじ部材の先端部によって前記係合部を形成することで、部品点数を抑えることができる。
【0011】
前記した変位計測装置では、パッカーを膨張させたときに、平板が延長方向に移動する場合があるが、前記被係合部を前記平板の延長方向に延びている長孔に形成することで、位置揃え部材が平板の移動を妨げるのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の変位計測装置および地盤変位計測方法では、地盤変位を計測した後に地盤内から光ファイバーケーブルセンサを回収できるため、高精度な地盤変位の計測に要するコストを抑えることができる。また、本発明の変位計測装置および地盤変位計測方法では、上下の光ファイバーケーブルセンサの水平方向の位置を揃えることができるため、鉛直方向の地盤変位を正確に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るトンネルを示した斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るトンネルを示した側断面図である。
図3】本発明の実施形態に係るトンネルを示した図で、図2のIII-III断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る計測孔を形成する態様を示した側断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る変位計測装置において、パッカーを収縮させた状態を示した軸断面図である。
図6】本発明の実施形態に係る変位計測装置において、パイプ、平板およびパッカーを示した斜視図である。
図7】本発明の実施形態に係る変位計測装置において、パッカーを膨張させた状態を示した軸断面図である。
図8】本発明の実施形態に係る変位計測装置において、挿入用スペーサーが設けられている部位を示した軸断面図である。
図9】本発明の実施形態に係る変位計測装置において、挿入用スペーサーが設けられている部位を示した側面図である。
図10】本発明の実施形態に係る変位計測装置において、位置揃え部材が設けられている部位を示した軸断面図である。
図11】本発明の実施形態に係る変位計測装置において、位置揃え部材が設けられている部位を示した図で、図10のXI-XI断面図である。
図12】本発明の実施形態に係る変位計測装置において、位置揃え部材を示した斜視図である。
図13】本発明の他の実施形態に係る変位計測装置において、パッカーを膨張させた状態を示した軸断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るトンネル1を示した斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係るトンネル1を示した側断面図である。図3は、本発明の実施形態に係るトンネル1を示した図で、図2のIII-III断面図である。
本実施形態の変位計測装置10および地盤変位計測方法は、図1に示すトンネル1の切羽2前方の地盤変位を把握するものである。
本実施形態のトンネル1は、山岳トンネル工法によって形成されたものであり、馬蹄形状の断面形状である。なお、トンネル1の施工方法や断面形状は限定されるものではなく、例えば、トンネルが円形断面でもよい。
トンネル1の壁部には、図2に示すように、延長方向に所定の間隔(例えば12m)毎に拡幅部3が形成されている。拡幅部3は、トンネル1の壁部を標準断面よりも外側に拡幅した部位である。本実施形態のトンネル1では、図3に示すように、延長方向に所定の間隔ごとに三つの拡幅部3が形成されている。本実施形態では、トンネル1の左右の端部および頂部にそれぞれ拡幅部3が形成されている。
トンネル1の周囲の地盤には、図2に示すように、拡幅部3から切羽2の前方に向けて斜め上向きに計測孔90が形成されている。
【0015】
図5は、本発明の実施形態に係る変位計測装置10において、パッカー30を収縮させた状態を示した軸断面図である。
計測孔90は、図5に示すように、掘削孔92と、掘削孔92内に挿入された管体91とによって構成されている。本実施形態の管体91は、円筒状の鋼管である。図3に示すように、各拡幅部3からそれぞれ切羽2前方に向けて計測孔90が形成されている(図1参照)。
図8は、本発明の実施形態に係る変位計測装置10において、挿入用スペーサー70が設けられている部位を示した軸断面図である。
管体91の周壁部には、図8に示すように、複数の連通孔91aが周方向および軸方向に間隔を空けて形成されている。具体的には、管体91の径方向に対向する二つの連通孔91a,91aが長手方向に間隔を空けて配置されている。また、管体91の長手方向に隣り合う二つの連通孔91a,91aは、管体91の周方向に90度位相をずらして互い違いに設けられている。
なお、管体91は、鋼管に限定されるものではなく、例えば、樹脂製の管体を用いてもよい。
図4は、本発明の実施形態に係る計測孔90を形成する態様を示した側断面図である。
本実施形態では、図4に示すように、トンネル削岩機を用いたAGF工法によって、地盤に計測孔90を形成している。
地盤を掘削する掘削刃93は、管体91の先端部に取り付けられている。管体91内にはロッド94を挿通させ、ロッド94の先端部を掘削刃93に連結している。掘削刃93の外径は、管体91の外径よりも僅かに大きく形成されている。
ロッド94を軸回りに正回転させたときには、ロッド94と掘削刃93とが連結された状態に維持され、ロッド94を軸回りに逆回転させると、ロッド94と掘削刃93との連結が解除されるように構成されている。
【0016】
地盤に計測孔90を形成する場合には、トンネル削岩機の駆動機構によって、ロッド94を軸回りに正回転させ、掘削刃93によって地盤を掘削して掘削孔92を形成しながら、掘削刃93とともに管体91を掘削孔92内に挿入する。そして、所定の深さまで掘削孔92を掘削した後に、ロッド94を軸回りに逆回転させ、掘削刃93からロッド94を分離させて、管体91内からロッド94を引き抜く。これにより、掘削孔92および管体91からなる計測孔90が地盤内に形成される。なお、掘削刃93および管体91は地盤内に残置される。
掘削刃93の外径は、管体91の外径よりも大きく形成されているため、掘削孔92の内面と管体91の外面との間に隙間が形成される。例えば、掘削刃93の外径が121mmに対して、管体91の外径が114.3mmに設定されている。
管体91内には、図8に示すように、シリカレジンやセメントミルク等の充填材4が充填されている。この充填材4は、管体91の各連通孔91aを通じて、掘削孔92の内面と管体91の外面との間の隙間にも充填される。これにより、充填材4によって管体91が掘削孔92内に位置決めされる。
【0017】
変位計測装置10は、図5に示すように、計測孔90の管体91内に挿入されるパイプ20と、パイプ20内に配置されたパッカー30と、パッカー30の外面とパイプ20の内面との間に配置された四枚の平板40および四本の光ファイバーケーブルセンサ50と、を備えている。
図11は、本発明の実施形態に係る変位計測装置10において、位置揃え部材60が設けられている部位を示した図で、図10のXI-XI断面図である。
また、変位計測装置10は、図11に示すように、パイプ20内に配置された位置揃え部材60を備えている。
また、変位計測装置10は、図8に示すように、パイプ20の外面に取り付けられた挿入用スペーサー70を備えている。
【0018】
図6は、本発明の実施形態に係る変位計測装置10におけるパイプ20、平板40およびパッカー30を示した斜視図である。
パイプ20は、図6に示すように、前後方向に延びているPVC(ポリ塩化ビニル)製の角形の管体である。本実施形態では、軸方向の長さ3m、幅50cmの角パイプであるパイプ20を四本連結して12mの長さに形成している。なお、パイプ20の材質は樹脂製に限定されるものではなく、例えば、鋼管を用いてもよい。また、パイプ20の長さやパイプ20を連結する本数は限定されるのではない。
パイプ20の外面には、上下左右の四つの平面21が形成されている。パイプ20を水平面上に載置した場合には、上下の平面21,21が水平に配置され、左右の平面21,21が鉛直に配置される。
本実施形態のパイプ20は、図5に示すように、正方形の断面形状に形成されているが、長方形の断面形状でもよい。なお、隣り合う二つの平面21,21の間に傾斜面を形成して六角形や八角形等の多角形の断面形状に形成してもよい。
パイプ20は、管体91の下部に配置されている。パイプ20の外面と管体91の内面との間には、充填材4が充填されており、この充填材4によってパイプ20が管体91内に位置決めされている。
【0019】
パッカー30は、図6に示すように、前後方向に延びている合成ゴム製の袋体である。パッカー30は内部を気体または液体によって加圧することで、膨張可能である。また、パッカー30を膨張させた後に、パッカー30の内部を減圧することで、収縮可能である。このように、パッカー30は、膨張収縮を繰り返すことが可能である。
なお、パッカー30の材質は合成ゴムに限定されるものではなく、膨張収縮可能であれば各種の材料を用いることができる。
膨張させる前のパッカー30は、図5に示すように、円形断面に形成されている。パッカー30の外面31は、パイプ20の上下左右の内面22にそれぞれ間隔を空けて対峙している。
【0020】
平板40は、図6に示すように、前後方向に延びているPVC(ポリ塩化ビニル)製の板状の部材である。なお、平板40の材質はPVCに限定されるものではなく、各種の材料を用いることができる。例えば、軸方向の長さ3mの平板40を四本連結して12mの長さに形成している。なお、平板40の長さや平板40を連結する本数は限定されるのではない。
平板40は、図5に示すように、パッカー30の外面31とパイプ20の内面22との間に配置されている。パッカー30の側方には上下左右の四枚の平板40が配置されている。
平板40の内面42は、パッカー30の外面31に対峙し、平板40の外面41は、パイプ20の内面22に対峙している。
【0021】
平板40の内面42には、前後方向に延びている窪み部43が形成されている(図6参照)。窪み部43は、平板40の幅方向の中央部に形成されている。また、窪み部43は、平板40の内面42から外側に向かうに連れて幅が小さくなるように三角形の断面形状に形成されている。なお、窪み部43の位置や断面形状は限定されるものではない。
本実施形態の変位計測装置10では、上下の平板40,40の窪み部43,43が左右方向において同じ位置に配置され、左右の平板40,40の窪み部43,43が上下方向において同じ位置に配置されている。
【0022】
光ファイバーケーブルセンサ50は、図6に示すように、前後方向に延びている。四本の光ファイバーケーブルセンサ50は、上下左右の平板40の窪み部43にそれぞれ嵌め込まれている。光ファイバーケーブルセンサ50を窪み部43に嵌め込んだ後に、エポキシ樹脂によって窪み部43をコーティングすることで、光ファイバーケーブルセンサ50が平板40の内面42に固定されている。
上下の光ファイバーケーブルセンサ50,50は、左右方向において同じ位置に配置され、左右の光ファイバーケーブルセンサ50,50は、上下方向において同じ位置に配置されている。
光ファイバーケーブルセンサ50は、図1に示すように、光ファイバーケーブルセンサ50のひずみに基づいて地盤変位を求める測定装置80に接続可能である。
測定装置80は、コンピュータであり、光ファイバーケーブルセンサ50に光を入射して散乱光が戻るまでの時間や散乱光の周波数分布を解析することで、光ファイバーケーブルセンサ50の延長方向のひずみを把握できる。本実施形態の測定装置80では、OFDR方式の変位計測方法によって光ファイバーケーブルセンサ50のひずみを算出しているが、BOTDR方式やPPP-BOTDA方式等の各種の解析方法によって光ファイバーケーブルセンサ50のひずみを算出してもよい。
【0023】
図7は、本発明の実施形態に係る変位計測装置10において、パッカー30を膨張させた状態を示した軸断面図である。
図7に示すように、パイプ20内でパッカー30を膨張させると、パッカー30によって平板40がパイプ20の内面22側に押し出され、平板40の外面41がパイプ20の内面22に押し付けられる。
また、パッカー30の外面31が上下左右の平板40の内面42にそれぞれ押し付けられることで、パッカー30の外面31に上下左右の四つの平面が形成され、パッカー30は四角形の断面形状に変形する。
そして、光ファイバーケーブルセンサ50がパッカー30の外面31とパイプ20の内面22との間に挟まれて固定される。光ファイバーケーブルセンサ50はパッカー30の外面31に接している。このようにして、上下左右の四本の光ファイバーケーブルセンサ50がパイプ20内に固定される。
【0024】
本実施形態の変位計測装置10では、図11に示すように、複数のパッカー30がパイプ20の延長方向に連結されている。隣り合うパッカー30,30の連結部35では、一方のパッカー30に設けられたプラグを他方のパッカー30のソケットに差し込むことで、隣り合うパッカー30,30が連結されている。
パイプ20内において、連結部35が配置されている部位には、位置揃え部材60が配置されている。
図12は、本発明の実施形態に係る変位計測装置10において、位置揃え部材60を示した斜視図である。
位置揃え部材60は、図12に示すように、法線方向が前後方向(パイプ20の延長方向)に配置された四角形の平板部61と、平板部61の上下左右の縁部からそれぞれ前方に向けて突出した上下左右四つの側板62と、を備えている。
図10は、本発明の実施形態に係る変位計測装置において、位置揃え部材が設けられている部位を示した軸断面図である。
平板部61の中央部には、図10に示すように、円形の挿通口63が開口している。挿通口63は、連結部35が挿通される部位である。
側板62には、図12に示すように、二つの被係合部64,64が形成されている。上下の側板62,62では、二つの被係合部64,64が左右方向に間隔を空けて配置され、左右の側板62,62では、二つの被係合部64,64が上下方向に間隔を空けて配置されている。被係合部64は、前後方向に延びている長孔である。
【0025】
本実施形態の変位計測装置10では、図11に示すように、複数の平板40が前後方向(パイプ20の延長方向)に連結されている。
隣り合う平板40,40は、連結部材45によって連結されている。連結部材45は、隣り合う平板40,40の内面に重ねられた鋼製の板状部材である。
平板40には、複数の取付孔44が形成されている。本実施形態では、前後方向に並べられた四つの取付孔44が、左右二列に配置されている(図10参照)。
連結部材45には、複数のねじ孔46が形成されている。各ねじ孔46は、平板40の各取付孔44にそれぞれ連通している。
そして、平板40の外面側から取付孔44に挿入されたねじ部材47が、連結部材45のねじ孔46に螺合されることで、連結部材45が平板40の内面に固定されている。
本実施形態では、前後方向に並べられた四つのねじ部材47のうち、最後部のねじ部材47の先端部が、連結部材45の内面側に突出している。ねじ部材47の先端部は、位置揃え部材60の被係合部64に差し込まれる係合部48を構成している。
【0026】
本実施形態の変位計測装置10では、図8に示すように、パイプ20の外面に挿入用スペーサー70が取り付けられている。本実施形態では、複数の挿入用スペーサー70がパイプ20の延長方向に間隔(例えば、1.5m間隔)を空けて設けられている。
挿入用スペーサー70は、パイプ20の外面に取り付けられる枠部材71と、枠部材71に取り付けられた左右の支持部材72,72と、支持部材72に設けられたローラー73と、を備えている。
枠部材71は、パイプ20を囲んでいる環状部材である。本実施形態の枠部材71は、帯状部材をパイプ20の外周に沿って四角形に折り曲げることで形成されており、帯状部材の一端と他端とがパイプ20の上面でボルトを用いて連結されている。
【0027】
左右の支持部材72,72は、枠部材71の左右の側面の下部にそれぞれ取り付けられている。支持部材72の上部は、溶接等の接合手段によってパイプ20の外面に固定されている。支持部材72の下部は、パイプ20の外側に向けて傾斜している。
ローラー73は、支持部材72の下端部に回転可能に連結されている。ローラー73は、計測孔90の管体91の内面上で、計測孔90の延長方向に転動可能である。これにより、複数の挿入用スペーサー70によってパイプ20を支持しながら、パイプ20を管体91内で移動可能となる。
図9は、本発明の実施形態に係る変位計測装置10において、挿入用スペーサー70が設けられている部位を示した側面図である。
ローラー73の外径は、図9に示すように、管体91に形成された連通孔91aの内径よりも大きく形成されている。
本実施形態の挿入用スペーサー70では、二つのローラー73,73がパイプ20の延長方向に並んだ状態で、支持部材72の下端部に取り付けられている。
【0028】
次に、本実施形態の変位計測装置10を用いた地盤変位計測方法について説明する。
本実施形態の地盤変位計測方法は、計測孔90を形成する工程(孔形成工程)と、変位計測装置10を計測孔90に挿入する工程(装置挿入工程)と、パイプ20の位置決めを行う工程(位置決め工程)と、光ファイバーケーブルセンサ50をパイプ20に対して固定する工程(計測準備工程)と、光ファイバーケーブルセンサ50の変位を計測する工程(計測工程)と、パッカー30を収縮させる工程(回収準備工程)と、光ファイバーケーブルセンサ50等をパイプ20から抜き出す工程(センサ回収工程)と、を備えている。
【0029】
図4に示すように、孔形成工程では、まず、管体91の先端部に掘削刃93を取り付けるとともに、管体91内にロッド94を挿通させ、ロッド94の先端部を掘削刃93に連結する。
そして、トンネル削岩機(図示せず)の駆動機構によって、ロッド94を軸回りに正回転させ、掘削刃93によって地盤を掘削して掘削孔92を形成しながら、掘削刃93とともに管体91を掘削孔92内に挿入していく。
所定の深さまで掘削孔92を掘削した後に、ロッド94を軸回りに逆回転させ、掘削刃93からロッド94を分離させた後に、管体91内からロッド94を引き抜く。これにより、掘削孔92および管体91からなる計測孔90が地盤内に形成される。
装置挿入工程では、図6に示すように、パイプ20とともに、パッカー30および上下左右の平板40を管体91の基端部から計測孔90内に挿入する。なお、各平板40にはそれぞれ光ファイバーケーブルセンサ50が固定されている。
このとき、図8に示すように、パイプ20に取り付けた挿入用スペーサー70のローラー73を管体91の内面上で転動させながら、パイプ20を管体91内に挿入していく。
パイプ20を管体91内に挿入した後に位置決め工程を行う。位置決め工程では、パイプ20の外面と管体91の内面との間に充填材4を充填して、管体91内にパイプ20を位置決めする。
また、管体91内に充填された充填材4は、管体91の各連通孔91aを通じて、掘削孔92の内面と管体91の外面との間の隙間にも充填される。これにより、充填材4によってパイプ20が掘削孔92内に位置決めされる。
【0030】
計測準備工程では、図7に示すように、パッカー30内を加圧して、パッカー30を膨張させる。パッカー30を膨張させると、各平板40がパイプ20の内面22に押し付けられる。これにより、光ファイバーケーブルセンサ50がパッカー30の外面31とパイプ20の内面22との間に挟まれて固定される。このようにして、上下左右の光ファイバーケーブルセンサ50がパイプ20内に固定される。
変位計測装置10を設置した状態で地盤に変位が生じると、地盤の変位に追従して管体91の少なくとも一部が湾曲し、さらに、管体91の変位に追従してパイプ20および各光ファイバーケーブルセンサ50に延長方向のひずみが生じる。
計測工程では、図1に示す測定装置80から光ファイバーケーブルセンサ50に光を入射して散乱光が戻るまでの時間や散乱光の周波数分布を解析することで、各光ファイバーケーブルセンサ50の延長方向のひずみを計測する。測定装置80では、光ファイバーケーブルセンサ50のひずみに基づいて切羽2前方の地盤変位を求める。
【0031】
回収準備工程は、切羽2前方の地盤変位を計測しながらトンネル1を計測孔90の先端部まで延長させた後に行う。回収準備工程では、図5に示すように、パッカー30内を減圧して、パッカー30を収縮させる。
パッカー30を収縮させると、各平板40および各光ファイバーケーブルセンサ50がパイプ20の内面に押し付けられた状態が解除される。
回収工程では、パイプ20の基端部からパッカー30および各平板40を抜き出して回収する。
これにより、各平板40とともに、各光ファイバーケーブルセンサ50をパイプ20内から回収できる。
図1に示すトンネル1を掘進すると、同様にして、切羽2前方の地盤に計測孔90を形成し、図5に示すように、計測孔90内に変位計測装置10を挿入して地盤変位の計測を繰り返す。
【0032】
以上のような変位計測装置10および地盤変位計測方法では、図7に示すように、地盤に設けた計測孔90に挿入したパイプ20内でパッカー30を膨張させ、光ファイバーケーブルセンサ50をパッカー30の外面とパイプ20の内面との間に挟むことで、パイプ20内に光ファイバーケーブルセンサ50を容易に固定できる。
光ファイバーケーブルセンサ50を用いて地盤変位を計測した後に、図5に示すように、パッカー30を収縮させて、光ファイバーケーブルセンサ50がパイプ20に固定された状態を解除することで、パイプ20内から光ファイバーケーブルセンサ50を回収できる。
このように、本実施形態の変位計測装置10および地盤変位計測方法では、地盤変位を計測した後に地盤内から光ファイバーケーブルセンサ50を回収できる。そのため、高精度の変位計側が期待できる高価な光ファイバーケーブルセンサ50とパッカー装置を用いる場合でも、地盤変位の計測に要するコストを抑えることができる。つまり、OFDR方式の変位計測方法のように、高価な光ファイバーケーブルセンサ50とパッカー装置を用いた変位計測方法に適用して、地盤変位を精度良く求めることができる。
【0033】
本実施形態の変位計測装置10では、パイプ20の外面に上下左右の平面21が形成されている。この構成では、計測孔90内にパイプ20を挿入するときに、パイプ20が軸回りに回転し難いため、各光ファイバーケーブルセンサ50を計測孔90の所定位置に正しく挿入できる。
また、図8に示すように、計測孔90の管体91内にパイプ20を挿入するときに、パイプ20に取り付けた挿入用スペーサー70のローラー73を管体91の内面上で転動させながら、パイプ20を管体91内に挿入していくことになる。これにより、パイプ20および光ファイバーケーブルセンサ50を計測孔90に対してスムーズに挿入できる。
なお、図9に示すように、ローラー73の外径が管体91の連通孔91aの内径よりも大きく形成されているため、ローラー73が管体91の連通孔91aに嵌まるのを防ぐことができる。
また、挿入用スペーサー70には、二つのローラー73,73が前後方向に並べられているため、挿入用スペーサー70の安定性を高めることができる。また、ローラー73が管体91の連通孔91a上を通過するときに、管体91の内面上に配置された他のローラー73によって支持されている状態になるため、ローラー73が連通孔91aに引っ掛かるのを防ぐことができる。
【0034】
本実施形態の変位計測装置10では、図6に示すように、平板40に形成された窪み部43に光ファイバーケーブルセンサ50が嵌め込まれているため、パイプ20内に光ファイバーケーブルセンサ50を安定させることができる。また、図7に示すように、パッカー30を膨張させたときに、光ファイバーケーブルセンサ50がパッカー30の外面に接するため、地盤変位の計測精度を高めることができる。
本実施形態の変位計測装置10では、パッカー30の上下左右の側方にそれぞれ平板40が配置され、各平板40にそれぞれ光ファイバーケーブルセンサ50が設けられている。さらに、上下の光ファイバーケーブルセンサ50,50を左右方向において同じ位置に配置し、左右の光ファイバーケーブルセンサ50,50を上下方向において同じ位置に配置している。
図7において、左右方向をX方向、パイプ20の軸方向をY方向、上下方向をZ方向としたとき、例えば地盤の上下方向(Z方向)の変位(変形)に伴ってパイプ20に曲げ変形が生じる場合には、上下の光ファイバーケーブルセンサ50,50のそれぞれで計測された光ファイバーケーブルセンサ50の延長方向のひずみに基づいて、パイプ20の上下方向の変位量を計測するため、上下の光ファイバーケーブルセンサ50,50の一方に対して他方が左右方向(X方向)にずれた状態で計測を行うと、誤差が大きくなる虞がある。
本実施形態では、上下の光ファイバーケーブルセンサ50,50を左右方向において同じ位置に配置しているため、鉛直方向(Z方向)の地盤変位を精度良く計測できる。
また、本実施形態の変位計測装置10では、左右の平板40,40がパイプ20の底板よって位置決めされるため、左右の光ファイバーケーブルセンサ50,50の上下方向の位置を精度良く揃えることができ、ひいては、水平方向(X方向)の地盤変位を精度良く求めることができる。
本実施形態の変位計測装置10では、図10に示すように、上下の平板40,40が位置揃え部材60に係合されることで、両平板40,40がパイプ20内に位置決めされている。これにより、両平板40,40に取り付けた上下の光ファイバーケーブルセンサ50,50の水平方向の位置を精度良く揃えることができるため、鉛直方向の地盤変位を正確に求めることができる。
本実施形態の変位計測装置10では、平板40から突出した係合部48を、位置揃え部材60の孔部である被係合部64に差し込むことで、係合部48を被係合部64に容易に係合できる。
本実施形態の変位計測装置10では、平板40を連結部材45に固定するためのねじ部材47の先端部によって係合部48が形成されているため、部品点数を抑えることができる。
なお、図7に示すように、パッカー30を膨張させたときに、平板40が延長方向に移動する場合があるが、本実施形態の位置揃え部材60の被係合部64は、図11に示すように、平板40の延長方向に延びている長孔であるため、位置揃え部材60が平板40の移動を妨げるのを防ぐことができる。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
本実施形態では、図1に示すように、トンネル1の拡幅部3から切羽2の前方に向けて斜め上向きに計測孔90が形成されているが、トンネル1に拡幅部3を形成することなく、トンネル1の内壁面から計測孔90を形成してもよい。
図13は、本発明の他の実施形態に係る変位計測装置10において、パッカー30を膨張させた状態を示した軸断面図である。
本実施形態の変位計測装置10では、図5に示すように、平板40の内面42に光ファイバーケーブルセンサ50が固定されているが、図13に示すように、平板40の外面41に窪み部43を形成し、その窪み部43に光ファイバーケーブルセンサ50を嵌め込んでもよい。
本実施形態の変位計測装置10では、図5に示すように、パイプ20内に上下左右の四本の光ファイバーケーブルセンサ50が設けられているが、光ファイバーケーブルセンサ50の数や配置は限定されるものではない。
本実施形態の地盤変位計測方法では、掘削孔92に管体91を挿入することで計測孔90が構成されているが、掘削孔92のみによって計測孔90を構成してもよい。
管体91、パイプ20、パッカー30および平板40の形状や材質は限定されるものではなく、施工条件に応じて適宜に設定することができる。
なお、本実施形態の変位計測装置10のように、管体91よりもパイプ20が柔らかい材質である場合には、管体91の変位に追従してパイプ20が変位し易いため、地盤変位を精度良く求めることができる。
【0036】
本実施形態の位置揃え部材60では、図12に示すように、平板部61の上下左右の縁部にそれぞれ側板62が設けられているが、上下の側板62,62のみを設けてもよい。
また、本実施形態の位置揃え部材60では、図11に示すように、平板40から突出したねじ部材47の係合部48を、位置揃え部材60の孔部である被係合部64に差し込んでいるが、係合部48および被係合部64の構成は限定されるものではない。例えば、平板40に形成した突起部によって係合部を構成してもよい。
【0037】
本実施形態の変位計測装置10では、図8に示すように、複数の挿入用スペーサー70がパイプ20の左右両側および延長方向に間隔を空けて設けられているが、挿入用スペーサー70の数や間隔は限定されるものではない。
また、本実施形態の挿入用スペーサー70には、図9に示すように、二つのローラー73,73が設けられているが、ローラー73の数は限定されるものではなく、例えば、一つのローラー73や三つ以上のローラー73を設けてもよい。
また、本実施形態の挿入用スペーサー70では、ローラー73の外径が管体91の連通孔91aの内径よりも大きく形成されているが、ローラー73の外径は限定されるものではない。例えば、ローラー73の外径が管体91の連通孔91aの内径よりも小さい場合でも、複数のローラー73が設けられている場合には、ローラー73が連通孔91a上を通過するときに、管体91の内面上に配置された他のローラー73によって支持されるため、ローラー73が連通孔91aに嵌まるのを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0038】
1 トンネル
2 切羽
3 拡幅部
4 充填材
10 変位計測装置
20 パイプ
30 パッカー
35 連結部
40 平板
43 窪み部
44 取付孔
45 連結部材
46 ねじ孔
47 ねじ部材
48 係合部
50 光ファイバーケーブルセンサ
60 位置揃え部材
61 平板部
62 側板
63 挿通口
64 被係合部
70 挿入用スペーサー
71 枠部材
72 支持部材
73 ローラー
80 測定装置
90 計測孔
91 管体
91a 連通孔
92 掘削孔
93 掘削刃
94 ロッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13