IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サンデン・リテールシステム株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103181
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】自動販売機
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/10 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
G07F9/10 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007374
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】722012006
【氏名又は名称】サンデン・リテールシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】井坂 一彦
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 由貴葉
(72)【発明者】
【氏名】池田 武人
【テーマコード(参考)】
3E044
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044FB01
3E044FB11
(57)【要約】
【課題】機械室カバーの安定支持と機械室のメンテナンス性向上との双方を実現することができる自動販売機を提供する。
【解決手段】物品が収納される庫室6と、庫室6の温度を調整する温調装置18とを備えた自動販売機1であって、温調装置18は、熱交換器20と、熱交換器20に外気を送風する送風機24とを備え、熱交換器20及び送風機24は、前方における開口領域が機械室カバー14で覆われた機械室12に配置され、機械室カバー14は、側方カバー部材32を含み、熱交換器20は、その本体36の側面36aを覆う端板38を有し、端板38は、本体36の側面36aから本体36の前方内側に向けて本体36の前面36bとの間に隙間40を存して折曲される折曲部42を有し、自動販売機1は、側方カバー部材32を対向する折曲部42に係脱可能に係止する第1係止機構60Aを備える。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が収納される庫室と、前記庫室の温度を冷媒回路において調整する温調装置とを備えた自動販売機であって、
前記温調装置は、
前記冷媒回路において冷媒と外気とを熱交換する熱交換器と、
前記熱交換器に外気を送風する送風機と
を備え、
前記熱交換器及び前記送風機は、前方における開口領域が機械室カバーで覆われた機械室に配置され、
前記機械室カバーは、前記開口領域において前記熱交換器が正対して位置付けられる吸気領域の左右の少なくとも一方側に配置される側方カバー部材を含み、
前記熱交換器は、その本体の少なくとも前記側方カバー部材側の側面を覆う端板を有し、
前記端板は、前記本体の側面から前記本体の前方内側に向けて前記本体の前面との間に隙間を存して折曲される折曲部を有し、
前記側方カバー部材を対向する前記折曲部に係脱可能に係止する第1係止機構を備える、自動販売機。
【請求項2】
前記第1係止機構は、
前記折曲部に形成される第1被係止部と、
前記折曲部に対向する前記側方カバー部材の一端側部に形成され、前記第1被係止部に係脱可能に係止される第1係止部と
を有する、請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
前記側方カバー部材は、その前記一端側部において後方に向けて延設される第1側壁部を有し、
前記第1側壁部は、前記第1係止機構における係止が成立した状態で、前記折曲部の内方端縁に当接する、請求項2に記載の自動販売機。
【請求項4】
前記機械室カバーは、前記開口領域における前記吸気領域に配置される中央カバー部材を含み、
前記中央カバー部材の一端側部を対向する一方の前記折曲部に係脱可能に係止する第2係止機構と、
前記中央カバー部材の他端側部を対向する他方の前記折曲部に係脱可能に係止する第3係止機構と
を備える、請求項3に記載の自動販売機。
【請求項5】
前記第2係止機構は、
前記一方の折曲部に形成される第2被係止部と、
前記一方の折曲部に対向する前記中央カバー部材の前記一端側部に形成され、前記第2被係止部に係脱可能に係止される第2係止部と
を有し、
前記第3係止機構は、
前記他方の折曲部に形成される第3被係止部と、
前記他方の折曲部に対向する前記中央カバー部材の前記他端側部に形成され、前記第3被係止部に係止される第3係止部と
を有する、請求項4に記載の自動販売機。
【請求項6】
前記第2被係止部は、前記第1被係止部と兼用されており、
前記第2係止機構は、前記中央カバー部材の前記第2係止部を一方の前記側方カバー部材の前記一端側部の前方から前記第1被係止部に係止させる、請求項5に記載の自動販売機。
【請求項7】
前記第3係止部は、前記中央カバー部材の他端側部から外方に向けて延設される外方延設部であり、
前記第3係止機構は、前記熱交換器の前記本体の前面と前記折曲部との間に形成される前記隙間に前記外方延設部を挿入し、前記外方延設部を前記第3被係止部の上に当接させることにより、前記中央カバー部材の前記他端側部を前記第3被係止部に係脱可能に支持させる、請求項5に記載の自動販売機。
【請求項8】
前記第3被係止部は、前記第1被係止部と兼用されており、
前記第3係止機構は、前記熱交換器の前記本体の前面と前記折曲部との間に形成される前記隙間に前記外方延設部を挿入し、前記外方延設部を前記第1被係止部の上に当接させることにより、前記中央カバー部材の前記他端側部を前記第1被係止部に係脱可能に支持させる、請求項7に記載の自動販売機。
【請求項9】
前記外方延設部は、前記中央カバー部材の前記他端側部の延設方向に亘って切欠部を存して形成され、
前記第3係止機構は、前記外方延設部の前記切欠部の上側を前記第3被係止部の上に当接させることにより、前記中央カバー部材の前記他端側部を前記第3被係止部に係脱可能に支持させる、請求項7に記載の自動販売機。
【請求項10】
物品が収納される庫室と、前記庫室の温度を冷媒回路において調整する温調装置とを備えた自動販売機であって、
前記温調装置は、
前記冷媒回路において冷媒と外気とを熱交換する熱交換器と、
前記熱交換器に外気を送風する送風機と
を備え、
前記熱交換器及び前記送風機は、前方における開口領域が機械室カバーで覆われた機械室に配置され、
前記機械室カバーは、前記開口領域において前記熱交換器が正対して位置付けられる吸気領域に配置される中央カバー部材を含み、
前記熱交換器は、少なくともその本体の側面を覆う端板を有し、
前記端板は、前記本体の側面から前記本体の前方内側に向けて前記本体の前面との間に隙間を存して折曲される折曲部を有し、
前記熱交換器の前記本体の前面と前記折曲部との間に形成される前記隙間に前記中央カバー部材の側部を挿入することにより、前記中央カバー部材を前記折曲部に係脱可能に係止する第3係止機構を備える、自動販売機。
【請求項11】
前記第3係止機構は、
前記折曲部に形成される第3被係止部と、
前記折曲部に対向する前記中央カバー部材の前記側部に形成され、前記第3被係止部に係止される第3係止部と
を有し、
前記第3係止部は、前記中央カバー部材の側部から外方に向けて延設される外方延設部であり、
前記第3係止機構は、前記熱交換器の前記本体の前面と前記折曲部との間に形成される前記隙間に前記外方延設部を挿入し、前記外方延設部を前記第3被係止部の上に当接させることにより、前記中央カバー部材の前記側部を前記第3被係止部に係脱可能に支持させる、請求項10に記載の自動販売機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機に係り、詳しくは、物品が収納される庫室と、庫室の温度を冷媒回路において調整する温調装置とを備えた自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
箱状のキャビネット内に設けられた棚に商品を陳列し、購入者が選択した物品を自動的に搬出する自動販売機が知られている。自動販売機は、物品が収納される庫室と、庫室の温度を冷媒回路において調整する温調装置とを備え、温調装置は、庫室の内外に熱交換器、送風機などを備えている。庫室外に設けられた熱交換器は、冷媒回路において冷媒と外気とを熱交換する。送風機は、熱交換器の後方に隣接して設けられ、吸気することにより熱交換器に外気を送風する。
【0003】
庫室外に設けられた熱交換器及び送風機は、庫室の下方に設けられた機械室に配置され、機械室の前方における開口領域は、1枚の機械室カバーで覆われる。機械室の開口領域において熱交換器が正対する吸気領域は、機械室カバーの左右方向略中央に位置付けられる。この機械室カバーの中央カバー部には複数の吸気口が設けられ、送風機による吸気は吸気口を介して行われる。一方、開口領域における吸気領域の両側は機械室カバーの側方カバー部により塞がれて遮風される。これにより、凝縮器の冷却に供した空気が前方に戻り還流して再び吸気されることなく、新鮮な外気を熱交換器に効率的に送風することができる。
【0004】
例えば特許文献1には、機械室に配置した凝縮器の前面に段付きボルトを設け、この段付きボルトにワイヤフレームから構成した保護カバーのフック部を引っ掛けて保護カバーを着脱可能に支持させた自動販売機が開示されている。また、特許文献2には、機械室に配置した凝縮器の一対の端板に係止ピンを設ける一方、除塵網の周囲に設けた枠にダルマ形状の係止孔を設け、係止ピンに係止孔を係止させて除塵網を着脱可能に支持させた自動販売機が開示されている。
【0005】
特許文献1及び2においては、吸気を可能としつつ、熱交換器を保護する目的、或いは熱交換器の除塵の目的のために凝縮器の前面に着脱可能に配置された中央カバー部材が機械室カバーとして用いられている。さらに、特許文献1においては、機械室カバーは、中央カバー部材と、遮風の目的のために配置された一対の側方カバー部材との三部材から構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-021806号公報
【特許文献2】特開平9-50567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の機械室カバーは、各側方カバー部材がネジ止め等により自動販売機の本体に固定されている。従って、メンテナンス時に側方カバー部材を取り外して機械室にアクセスしたい場合には、メンテナンスの作業性が悪化する。また、特許文献1及び2の機械室カバーは、中央カバー部材を備えることが前提とされている。しかし、顧客の要求仕様によっては、中央カバー部材を取り付けない場合もあり得る。
【0008】
また、顧客の要求仕様によっては、メンテナンス時に中央カバー部材を取り付けた状態で、側方カバー部材を取り外して機械室にアクセスしたい場合もあり得る。従って、中央カバー部材の有無に拘わらず、側方カバー部材を安定支持しつつ、一方又は双方の側方カバー部材を単独で且つ容易に着脱可能とすることができ、機械室カバーの安定支持と機械室のメンテナンス性向上との双方を実現する自動販売機が求められている。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、機械室カバーの安定支持と機械室のメンテナンス性向上との双方を実現することができる自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するべく、本発明の自動販売機は、物品が収納される庫室と、前記庫室の温度を冷媒回路において調整する温調装置とを備えた自動販売機であって、前記温調装置は、前記冷媒回路において冷媒と外気とを熱交換する熱交換器と、前記熱交換器に外気を送風する送風機とを備え、前記熱交換器及び前記送風機は、前方における開口領域が機械室カバーで覆われた機械室に配置され、前記機械室カバーは、前記開口領域において前記熱交換器が正対して位置付けられる吸気領域の左右の少なくとも一方側に配置される側方カバー部材を含み、前記熱交換器は、その本体の少なくとも前記側方カバー部材側の側面を覆う端板を有し、前記端板は、前記本体の側面から前記本体の前方内側に向けて前記本体の前面との間に隙間を存して折曲される折曲部を有し、前記側方カバー部材を対向する前記折曲部に係脱可能に係止する第1係止機構を備える。
【0011】
具体的には、前記第1係止機構は、前記折曲部に形成される第1被係止部と、前記折曲部に対向する前記側方カバー部材の一端側部に形成され、前記第1被係止部に係脱可能に係止される第1係止部とを有する。
【0012】
好ましくは、前記側方カバー部材は、その前記一端側部において後方に向けて延設される第1側壁部を有し、前記第1側壁部は、前記第1係止機構における係止が成立した状態で、前記折曲部の内方端縁に当接する。
【0013】
また、前記機械室カバーは、前記開口領域における前記吸気領域に配置される中央カバー部材を含み、前記中央カバー部材の一端側部を対向する一方の前記折曲部に係脱可能に係止する第2係止機構と、前記中央カバー部材の他端側部を対向する他方の前記折曲部に係脱可能に係止する第3係止機構とを備える。
【0014】
具体的には、前記第2係止機構は、前記一方の折曲部に形成される第2被係止部と、前記一方の折曲部に対向する前記中央カバー部材の前記一端側部に形成され、前記第2被係止部に係脱可能に係止される第2係止部とを有し、前記第3係止機構は、前記他方の折曲部に形成される第3被係止部と、前記他方の折曲部に対向する前記中央カバー部材の前記他端側部に形成され、前記第3被係止部に係止される第3係止部とを有する。
【0015】
好ましくは、前記第2被係止部は、前記第1被係止部と兼用されており、前記第2係止機構は、前記中央カバー部材の前記第2係止部を一方の前記側方カバー部材の前記一端側部の前方から前記第1被係止部に係止させる。
【0016】
具体的には、前記第3係止部は、前記中央カバー部材の他端側部から外方に向けて延設される外方延設部であり、前記第3係止機構は、前記熱交換器の前記本体の前面と前記折曲部との間に形成される前記隙間に前記外方延設部を挿入し、前記外方延設部を前記第3被係止部の上に当接させることにより、前記中央カバー部材の前記他端側部を前記第3被係止部に係脱可能に支持させる。
【0017】
好ましくは、前記第3被係止部は、前記第1被係止部と兼用されており、前記第3係止機構は、前記熱交換器の前記本体の前面と前記折曲部との間に形成される前記隙間に前記外方延設部を挿入し、前記外方延設部を前記第1被係止部の上に当接させることにより、前記中央カバー部材の前記他端側部を前記第1被係止部に係脱可能に支持させる。
【0018】
具体的には、前記外方延設部は、前記中央カバー部材の前記他端側部の延設方向に亘って切欠部を存して形成され、前記第3係止機構は、前記外方延設部の前記切欠部の上側を前記第3被係止部の上に当接させることにより、前記中央カバー部材の前記他端側部を前記第3被係止部に係脱可能に支持させる。
【0019】
一方、本発明の自動販売機は、物品が収納される庫室と、前記庫室の温度を冷媒回路において調整する温調装置とを備えた自動販売機であって、前記温調装置は、前記冷媒回路において冷媒と外気とを熱交換する熱交換器と、前記熱交換器に外気を送風する送風機と
を備え、前記熱交換器及び前記送風機は、前方における開口領域が機械室カバーで覆われた機械室に配置され、前記機械室カバーは、前記開口領域において前記熱交換器が正対して位置付けられる吸気領域に配置される中央カバー部材を含み、前記熱交換器は、少なくともその本体の側面を覆う端板を有し、前記端板は、前記本体の側面から前記本体の前方内側に向けて前記本体の前面との間に隙間を存して折曲される折曲部を有し、前記熱交換器の前記本体の前面と前記折曲部との間に形成される前記隙間に前記中央カバー部材の側部を挿入することにより、前記中央カバー部材を前記折曲部に係脱可能に係止する第3係止機構を備える。
【0020】
具体的には、前記第3係止機構は、前記折曲部に形成される第3被係止部と、前記折曲部に対向する前記中央カバー部材の前記側部に形成され、前記第3被係止部に係止される第3係止部とを有し、前記第3係止部は、前記中央カバー部材の側部から外方に向けて延設される外方延設部であり、前記第3係止機構は、前記熱交換器の前記本体の前面と前記折曲部との間に形成される前記隙間に前記外方延設部を挿入し、前記外方延設部を前記第3被係止部の上に当接させることにより、前記中央カバー部材の前記側部を前記第3被係止部に係脱可能に支持させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の自動販売機によれば、機械室カバーの安定支持と機械室のメンテナンス性向上との双方を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】自動販売機を前方から見た斜視図である。
図2】機械室を前方から見た正面図である。
図3】機械室を側方断面で見た自動販売機の側面図である。
図4】機械室カバーを取り付けた状態の機械室を前方から見た正面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る凝縮器の正面図である。
図6】凝縮器の上面図である。
図7】左側カバー部材を前面から見た斜視図である。
図8】左側カバー部材を後面から見た斜視図である。
図9】左側カバー部材を凝縮器に取り付けた状態の部分的な斜視図である。
図10】左側カバー部材における第1係止機構を上方から見た上面視断面図である。
図11】右側カバー部材を前面から見た斜視図である。
図12】右側カバー部材を後面から見た斜視図である。
図13】右側カバー部材を凝縮器に取り付けた状態の部分的な斜視図である。
図14】右側カバー部材における第1係止機構を上方から見た上面視断面図である。
図15】一対の側方カバー部材を取り付けた状態の機械室を前方から見た正面図である。
図16】中央カバー部材を前面から見た斜視図である。
図17】中央カバー部材を後面から見た斜視図である。
図18】中央カバー部材の左側側部及び右側側部を凝縮器に取り付けた状態の斜視図である。
図19】第2係止機構を上方から見た上面視断面図である。
図20】第3係止機構を上方から見た上面視断面図である。
図21】中央カバー部材の取り付けの第1段階における中央カバー部材の正面図である。
図22図21の上面視断面図である。
図23】中央カバー部材の取り付けの第2段階における中央カバー部材の正面図である。
図24図23の上面視断面図である。
図25】中央カバー部材の取り付けの第3段階における中央カバー部材の正面図である。
図26】変形例となる第3係止機構を上方から見た上面視断面図である。
図27】機械室カバー及び凝縮器を上方から見た上面図である。
図28】左側カバー部材及び中央カバー部材を取り付けた状態の機械室を前方から見た正面図である。
図29】本発明の第2実施形態に係る右側の第1係止機構と第3係止機構との斜視図である。
図30】本発明の第2実施形態に係る左側の第1係止機構と第2係止機構との斜視図である。
図31】本発明の第3実施形態に係る右側の第1係止機構と第3係止機構との斜視図である。
図32】本発明の第3実施形態に係る左側の第1係止機構と第2係止機構との斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態に係る自動販売機について図面を参照して説明する。図1は、自動販売機1を前方から見た斜視図を示す。図1は、自動販売機1の外扉2を開いた状態を示しており、以降、自動販売機1の外扉2側を前側、外扉2の反対側を後側、図1で見て右手方向を右側、図1で見て左手方向を左側として説明する。自動販売機1は、箱状のキャビネットを形成する本体4内に設けられたサーペンタイン式などの商品収納棚に、缶やPETボトルなどの飲料を収納し、購入者が選択した飲料を自動的に搬出する。
【0024】
作業者は、外扉2を開放することにより本体4の前面から本体4内にアクセスすることができる。本体4は、物品が収納される庫室6を備え、庫室6の前方開口の中央付近から下部は開閉可能な内扉9で閉塞されている。庫室6の上側に形成された補充口8から庫室6内の商品収納棚に物品が補充される。庫室6に収納、保管された物品は、内扉9の下側に形成された搬出口10から搬出されて購入者に提供される。搬出口10の下側には機械室12が形成され、機械室12の前面は機械室カバー14で覆われている。
【0025】
図2は、機械室12を前方から見た正面図を示す。図2は、機械室カバー14を取り外した状態を示している。機械室12は、本体4の下部において底板4aで区画され、底板4aにはユニット台16が載置されている。ユニット台16には、庫室6の温度を調整するための温調装置18を構成する凝縮器(熱交換器)20や蒸発皿22などが配置されている。
【0026】
図3は、機械室12を側方断面で見た自動販売機1の側面図を示す。ユニット台16には、温調装置18を構成する送風機24や圧縮機26などが凝縮器20の後方に配置されている。温調装置18は、凝縮器20、圧縮機26、及び図示しない膨張器、蒸発器を冷媒が流通する冷媒回路を備えている。送風機24は、凝縮器20の後方に隣接して設けられ、機械室カバー14に形成された複数の吸気口30aを介して前方から後方に吸気する。
【0027】
送風機24により凝縮器20に外気が送風され、外気と冷媒回路を循環する冷媒とが凝縮器20において熱交換することにより冷媒が冷却されて凝縮する。凝縮された冷媒が膨張器で膨張して蒸発器を流通することにより、蒸発器が庫室6内の空気を冷却し、その結果、庫室6に収納された物品が冷却される。凝縮器20の冷却に供した空気は、本体4の後壁4bに形成された排気口4cから機械室12ひいては自動販売機1の外部に排出される。
【0028】
蒸発器が庫室6内の空気を冷却する際、庫室6内の空気中の水分が凝縮して蒸発器に付着する。蒸発器に付着した水分は、機械室12の上部に配置されたドレンガイド28を流れて蒸発皿22に導かれる。蒸発皿22に溜まったドレン水は、凝縮器20での高温の冷媒と熱交換され高温となった空気などにより蒸発する。
【0029】
図4は、機械室カバー14を取り付けた状態の機械室12を前方から見た正面図を示す。機械室カバー14は、中央カバー部材30と一対の側方カバー部材32との三部材から構成される。中央カバー部材30は、機械室カバー14の左右方向略中央に位置付けられるとともに、機械室12の前面に形成される開口領域のうちの凝縮器20が正対する吸気領域に配置される。
【0030】
中央カバー部材30は、吸気領域において吸気口30aを介し凝縮器20への送風を許容するとともに、凝縮器20において冷媒が流れる伝熱管及び伝熱管を覆う放熱フィンを物理的に保護する。一方、一対の側方カバー部材32は、中央カバー部材30を挟んで機械室カバー14の左右側方にそれぞれ位置付けられ、左側カバー部材32Aと右側カバー部材32Bとから構成される。なお、左側カバー部材32A及び右側カバー部材32Bは総じて側方カバー部材32と称することもある。
【0031】
各側方カバー部材32は、機械室12の開口領域における吸気領域の両側を塞いで遮風する。これにより、凝縮器の冷却に供した空気が前方に戻り還流して再び吸気されることなく、新鮮な外気を中央カバー部材30の吸気口30aを介して凝縮器20に効率的に送風することができる。また、右側カバー部材32Bには、内扉9の前面などに生じた結露水を収受するための小窓34が開口されている。
【0032】
<第1実施形態>
図5は、本発明の第1実施形態に係る凝縮器20の正面図を示し、図6は、図5の凝縮器20の上面図を示す。なお、図5図6、及び以降の各図においては、凝縮器20の伝熱管及び放熱フィンを凝縮器20の本体36として簡略的に図示している。凝縮器20は、本体36の左右の両側面36aを覆う一対の端板38を有する。
【0033】
一対の端板38は、本体36の側面36aから本体36の前方内側に向けて断面L字状に折曲された折曲部42をそれぞれ有する。本体36の前面36bと折曲部42との間には隙間40が形成される。また、左右の折曲部42には、それぞれ段付きネジ44が取り付けられている。
【0034】
図7は、左側カバー部材32Aを前面から見た斜視図を示し、図8は、左側カバー部材32Aを後面から見た斜視図を示す。左側の折曲部42に対向する左側カバー部材32Aの右側側部(一端側部)には、第1係止孔46が形成されている。第1係止孔46は、上側の第1小径孔部46aと下側の第1大径孔部46bとを有するダルマ形状の孔であり、左側の段付きネジ44に係脱可能に係止される。
【0035】
また、左側カバー部材32Aは、第1側壁部48、取手部50、封止部材52、及び緩衝部材54を備えている。第1側壁部48は、左側カバー部材32Aの右側側部において後方に向けて延設される。取手部50は、左側カバー部材32Aの上端部を前方に傾斜させた部位であり、作業者が掴むことにより左側カバー部材32Aの着脱が容易となる。封止部材52は、左側カバー部材32Aの下端部を前方に折り曲げた部位に取り付けられる。
【0036】
封止部材52は、スポンジ等の軟質材料から形成され、機械室12の下部の左側カバー部材32Aの下端部と底板4a及びユニット台16との隙間をユニット台16に接触しないように塞いで左側カバー部材32Aによる遮風効果を高める。また、左側カバー部材32Aが圧縮機26などの振動を受けたとき、左側カバー部材32Aの下端部が底板4a及びユニット台16に接触することにより発生する異音(ビレ音)を抑制することができる。図8に示される緩衝部材54は、スポンジ等の軟質材料から形成され、左側カバー部材32Aの右側側部の後面の第1係止孔46を除く上下方向に亘って取り付けられている。
【0037】
図9は、左側カバー部材32Aを凝縮器20に取り付けた状態の部分的な斜視図を示す。左側の折曲部42に取り付けられた段付きネジ(第1被係止部)44と、左側カバー部材32Aの右側側部に形成される第1係止孔(第1係止部)46とは、第1係止機構60Aを構成する。第1係止機構60Aは、第1係止孔46を段付きネジ44に係脱可能に係止することにより、左側カバー部材32Aを対向する左側の折曲部42に係脱可能に係止する。
【0038】
なお、以降に説明する第1係止機構60Aを含む各「係止機構」における「被係止部」とは、その凹凸形状に拘わらず、凝縮器20側に形成される部位であり、中央カバー部材30又は側方カバー部材32の着脱に際し固定された部位として定義される。一方、「係止機構」における「係止部」とは、その凹凸形状に拘わらず、中央カバー部材30側又は側方カバー部材32側に形成される部位であり、中央カバー部材30又は側方カバー部材32の着脱に際し中央カバー部材30又は側方カバー部材32とともに移動可能な部位として定義される。
【0039】
第1係止機構60Aにおいては、左側カバー部材32Aの第1係止孔46の第1大径孔部46bを段付きネジ44に嵌め込んだ後、左側カバー部材32Aを若干下側に移動させ、図9に示すように、第1係止孔46の第1小径孔部46aを段付きネジ44のネジ部に位置付ける。これにより、第1小径孔部46aが段付きネジ44のネジ部に嵌め込まれて係止され、左側カバー部材32Aが折曲部42ひいては凝縮器20にがたつきなく安定支持される。
【0040】
一方、図9の状態から、左側カバー部材32Aを若干上側に移動させ、第1係止孔46の第1大径孔部46bを段付きネジ44のネジ部に位置付ける。これにより、第1大径孔部46bと段付きネジ44のネジ部との間に隙間が形成され、左側カバー部材32Aを取り外すことができる。従って、メンテナンス時に左側カバー部材32Aを単独で取り外して機械室12に容易にアクセスすることができる。
【0041】
図10は、左側カバー部材32Aにおける第1係止機構60Aを上方から見た上面視断面図を示す。左側カバー部材32Aの第1側壁部48は、第1係止機構60Aによる係止が成立した状態で、折曲部42の内方端縁42aに当接する。これにより、段付きネジ44を中心とした左側カバー部材32Aの回動が阻止される。
【0042】
従って、左側カバー部材32Aにおける他端側を支持しなくとも、第1係止機構60Aのみの片持ち支持で、左側カバー部材32Aが折曲部42ひいては凝縮器20にさらに効果的に安定支持される。なお、左側カバー部材32Aの他端側をネジ止めや差し込みなどで係止すれば、左側カバー部材32Aはより一層安定支持される。
【0043】
また、段付きネジ44のネジ部の先端と本体36の前面36bとの間には隙間56が形成されている。これにより、段付きネジ44が凝縮器20の放熱フィンに接触しないため、接触に伴う放熱フィンの変形を抑制可能である。また、緩衝部材54は、段付きネジ44の拡径部の軸方向長さよりも大きな厚みを有し、折曲部42と左側カバー部材32Aとの間で圧縮されて取り付けられる。
【0044】
これにより、第1係止機構60Aにおいて圧縮された緩衝部材54の反動で折曲部42と左側カバー部材32Aとが離間され、左側カバー部材32Aが段付きネジ44のネジ頭に押し付けられて密着される。従って、左側カバー部材32Aが折曲部42ひいては凝縮器20により一層効果的に安定支持されるとともに、封止部材52と同様の異音抑制効果が得られる。
【0045】
図11は、右側カバー部材32Bを前面から見た斜視図を示し、図12は、右側カバー部材32Bを後面から見た斜視図を示す。右側カバー部材32Bは、左側カバー部材32Aと大きさは異なるものの、一部を除き左右対称の構造を有しており、主たる特徴部分は左側カバー部材32Aと同様である。従って、左側カバー部材32Aと同様の構成については図面において同じ符号を用いるとともに説明を省略することがある。
【0046】
右側カバー部材32Bは、左側カバー部材32Aと同様の第1係止孔46、第1側壁部48、取手部50、封止部材52、及び緩衝部材54を備えている。第1係止孔46は、右側カバー部材32Bの左側側部(一端側部)に形成される。また、右側カバー部材32Bには、前述した小窓34が形成されている。
【0047】
図13は、右側カバー部材32Bを凝縮器20に取り付けた状態の部分的な斜視図を示す。右側カバー部材32Bにおいても、左側カバー部材32Aの場合と同様に、右側の折曲部42に取り付けられた段付きネジ(第1被係止部)44と、右側カバー部材32Bの左側側部に形成される第1係止孔(第1係止部)46とは、第1係止機構60Aを構成する。第1係止機構60Aは、第1係止孔46を段付きネジ44に係脱可能に係止することにより、右側カバー部材32Bを対向する右側の折曲部42に係脱可能に係止する。
【0048】
詳しくは、右側カバー部材32Bの第1係止孔46の第1大径孔部46bを段付きネジ44に嵌め込んだ後、右側カバー部材32Bを若干下側に移動させ、図13に示すように、第1係止孔46の第1小径孔部46aを段付きネジ44のネジ部に位置付ける。これにより、第1小径孔部46aが段付きネジ44のネジ部に嵌め込まれて係止され、右側カバー部材32Bが折曲部42ひいては凝縮器20にがたつきなく安定支持される。
【0049】
一方、図13の状態から、右側カバー部材32Bを若干上側に移動させ、第1係止孔46の第1大径孔部46bを段付きネジ44のネジ部に位置付ける。これにより、第1大径孔部46bと段付きネジ44のネジ部との間に隙間が形成され、右側カバー部材32Bを取り外すことができる。従って、メンテナンス時に右側カバー部材32Bを単独で取り外して機械室12に容易にアクセスすることができる。
【0050】
図14は、右側カバー部材32Bにおける第1係止機構60Aを上方から見た上面視断面図を示す。右側カバー部材32Bの第1側壁部48は、左側カバー部材32Aの場合と同様に、第1係止機構60Aによる係止が成立した状態で、折曲部42の内方端縁42aに当接する。これにより、段付きネジ44を中心とした右側カバー部材32Bの回動が阻止される。
【0051】
従って、右側カバー部材32Bにおける他端側を支持しなくとも、第1係止機構60Aのみの片持ち支持で、右側カバー部材32Bが折曲部42ひいては凝縮器20にさらに効果的に安定支持される。なお、右側カバー部材32Bの他端側をネジ止めや差し込みなどで係止すれば、右側カバー部材32Bはより一層安定支持される。
【0052】
また、緩衝部材54は、折曲部42と右側カバー部材32Bとの間で圧縮され、その反動で両者を離間させる。その結果、右側カバー部材32Bの外面と段付きネジ44のネジ頭の内側とが密着される。これにより、右側カバー部材32Bが折曲部42ひいては凝縮器20により一層効果的に安定支持されるとともに、封止部材52と同様の異音抑制効果が得られる。
【0053】
図15は、左側カバー部材32A及び右側カバー部材32B、すなわち一対の側方カバー部材32を取り付けた状態の機械室12を前方から見た正面図を示す。図15に示すように、顧客の要求仕様によって中央カバー部材30を初めから取り付けない場合、機械室カバー14は各側方カバー部材32のみから構成される。この場合であっても、各側方カバー部材32をそれぞれの第1係止機構60Aによって個別に且つ着脱容易に安定支持させることができる。従って、顧客の要求に応じた幅広い仕様の自動販売機1を提供することができる。
【0054】
図16は、中央カバー部材30を前面から見た斜視図を示し、図17は、中央カバー部材30を後面から見た斜視図を示す。凝縮器20の左側の折曲部(一方の折曲部)42に対向する中央カバー部材30の左側側部(一端側部)には、第2係止孔62が形成されている。第2係止孔62は、各側方カバー部材32に形成される第1係止孔46と同様に、第2小径孔部62a及び第2大径孔部62bを有するダルマ形状の孔である。また、中央カバー部材30には前述した吸気口30aが全面に亘って形成されている。
【0055】
一方、凝縮器20の右側の折曲部(他方の折曲部)42に対向する中央カバー部材30の右側側部(他端側部)には、外方延設部64が形成されている。外方延設部64は、中央カバー部材30の右側側部から外方、すなわち右側に向けて延設される。詳しくは、外方延設部64は、中央カバー部材30の右側側部の延設方向、すなわち上下方向の全域に亘って、その少なくとも一部に切欠部66を存して形成される。
【0056】
また、中央カバー部材30は、その右側側部において後方に向けて延設される第2側壁部68を有する。すなわち、外方延設部64は、第2側壁部68を経て右側外方に向けて延設されるとともに、上下方向の途中に少なくとも1つの切欠部66が形成されている。さらに、中央カバー部材30は、その上端部を前方に傾斜させた取手部70を有し、取手部70を作業者が掴むことにより中央カバー部材30の着脱が容易となる。
【0057】
図18は、中央カバー部材30の左側側部及び右側側部を凝縮器20に取り付けた状態の斜視図を示す。また、図19は、図18に示す第2係止機構60Bを上方から見た上面視断面図を示す。左側の折曲部42に取り付けられる段付きネジ(第2被係止部)44と、中央カバー部材30の左側側部に形成される第2係止孔(第2係止部)62とは、第2係止機構60Bを構成する。第2係止機構60Bは、第2係止孔62を段付きネジ44に係脱可能に係止することにより、中央カバー部材30の左側側部を対向する左側の折曲部42に係脱可能に係止する。
【0058】
図20は、図18に示す第3係止機構60Cを上方から見た上面視断面図を示す。右側の折曲部42に取り付けられる段付きネジ(第3被係止部)44と、中央カバー部材30の右側側部に形成される外方延設部(第3係止部)64とは、第3係止機構60Cを構成する。第3係止機構60Cは、外方延設部64を段付きネジ44に係脱可能に係止することにより、中央カバー部材30の右側側部を対向する右側の折曲部42に係脱可能に係止する。
【0059】
また、右側カバー部材32Bの第1側壁部48の後方端縁48aと本体36の前面36bとの間には隙間58が形成されている。隙間58は、第1係止機構60Aによる係止が成立した状態で、外方延設部64が挿入可能な大きさに設定される。また、図20ではそのように図示されていないものの、右側カバー部材32Bの第1側壁部48を中央カバー部材30の第2側壁部68に当接させても良い。これにより、中央カバー部材30の左右方向の移動を右側カバー部材32Bの第1側壁部48において規制することができる。
【0060】
従って、中央カバー部材30の右側側部がさらに効果的に安定支持される。また、右側カバー部材32Bの第1側壁部48と中央カバー部材30の第2側壁部68との隙間がなくなるため、機械室カバー14の美観が向上するとの利点もある。なお、この場合、第1側壁部48の外側(中央カバー部材30側)又は第2側壁部68の外側(右側カバー部材32B側)の何れか一方に緩衝部材を取り付けても良い。これにより、第1側壁部48と第2側壁部68とのダイレクトな接触を防止することができるため、当該接触に伴う異音の発生を防止することができる。
【0061】
以下、図21から図25を参照して、中央カバー部材30の取り付け手順について説明する。図21は、中央カバー部材30の取り付けの第1段階における中央カバー部材30の正面図を示す。なお、図21は、左右の第1係止機構60Aを段付きネジ44のみで簡略的に示している(後述の図23及び図25も同様)。また、図22は、図21の上面視断面図を示す。
【0062】
中央カバー部材30の取り付けの第1段階においては、図22に示すように中央カバー部材30を本体36の前面36bに対し傾けた状態で、第2係止孔62の第2大径孔部62bを左側の段付きネジ44の高さに位置付けつつ、外方延設部64を図21及び図22に示す実線矢印方向に隙間58を通じて隙間40に挿入する。そして、中央カバー部材30を図22に示す破線矢印方向に回動させる。
【0063】
図23は、中央カバー部材30の取り付けの第2段階における中央カバー部材30の正面図を示し、図24は、図23の上面視断面図を示す。中央カバー部材30の取り付けの第2段階においては、中央カバー部材30を回動させたことにより、第2係止孔62の第2大径孔部62bが左側の段付きネジ44のネジ部に嵌め込まれるとともに、外方延設部64が隙間40のさらに奥まで挿入される。そして、中央カバー部材30を図23に示す矢印方向、すなわち下側に移動させる。
【0064】
図25は、中央カバー部材30の取り付けの第3段階における中央カバー部材30の正面図を示す。中央カバー部材30を下側に移動させたことにより、第2係止孔62の第2小径孔部62aを段付きネジ44のネジ部に位置付けられる。これにより、第2小径孔部62aが段付きネジ44のネジ部に嵌め込まれて係止され、中央カバー部材30の左側側部が折曲部42ひいては凝縮器20にがたつきなく安定支持される。
【0065】
また、中央カバー部材30を下側に移動させたことにより、切欠部66の上側の外方延設部64の下端が段付きネジ44のネジ部に当接し、中央カバー部材30の右側側部が折曲部42ひいては凝縮器20にがたつきなく安定支持される。これにより、第2係止機構60B及び第3係止機構60Cの双方が機能して中央カバー部材30の取り付けが完了する。中央カバー部材30の取り外しは逆の手順で行われる。
【0066】
なお、段付きネジ44のネジ部の先端と本体36の前面36bとの間に形成される右側の隙間56(図22参照)は、切欠部66の上側の外方延設部64の下端が段付きネジ44のネジ部に当接する際に外方延設部64が隙間56を通って脱落しない程度の微小なものとするのが好ましい。また、図26に変形例として示すように、外方延設部64の端部側を前方に向けて折り返した折返し部64aを外方延設部64に形成しても良い。これにより、外方延設部64の脱落をより一層確実に防止することができる。
【0067】
図27は、機械室カバー14及び凝縮器20を上方から見た上面図を示す。中央カバー部材30は、前述したように、右側側部において後方に向けて延設される第2側壁部68を有し、外方延設部64は、第2側壁部68を経て外方に向けて延設される。すなわち、外方延設部64及び第2側壁部68は、中央カバー部材30の前面から断面L字状に折曲された部位である。これにより、図27に示すように、中央カバー部材30と各側方カバー部材32とを略面一で取り付け可能となり、違和感なく一体化された機械室カバー14を形成することができるため、機械室カバー14の美観が向上する。
【0068】
図28は、左側カバー部材32A及び中央カバー部材30を取り付けた状態の機械室12を前方から見た正面図を示す。機械室カバー14のうち、右側カバー部材32Bのみを取り外し、例えば、機械室12に配置された蒸発皿22にアクセスしてメンテナンスを行いたい場合がある。
【0069】
この場合には、図28に示すように、中央カバー部材30の左側側部と左側カバー部材32Aとをそれぞれ第1係止機構60A、第2係止機構60Bにより係止しつつ、中央カバー部材30の右側側部を第3係止機構60Cで係止させる。このように、機械室カバー14において右側カバー部材32Bのみを取り外すことができるため、顧客の幅広い用途に対応可能な自動販売機1を提供することができる。
【0070】
以上のように、本実施形態の自動販売機1は、機械室カバー14を構成する一対の側方カバー部材32をそれぞれ対向する凝縮器20の折曲部42に係脱可能に係止する一対の第1係止機構60Aを備える。これにより、中央カバー部材30の有無に拘わらず、各側方カバー部材32を安定支持することができる。また、側方カバー部材32のうちの右側カバー部材32Bを単独で且つ容易に着脱することができる。従って、機械室カバー14の安定支持と機械室12のメンテナンス性向上との双方を実現した自動販売機1を提供することができる。
【0071】
具体的には、一対の第1係止機構60Aは、折曲部42に形成される段付きネジ44と、折曲部42に対向する側方カバー部材32の一端側部(右側側部又は左側側部)において段付きネジ44に係脱可能に係止される第1係止孔46とをそれぞれ有する。また、一対の側方カバー部材32は、その一端側部(右側側部又は左側側部)において後方に向けて延設される第1側壁部48をそれぞれ有する。
【0072】
また、第1側壁部48は、第1係止機構60Aにおける係止が成立した状態で、折曲部42の内方端縁42aに当接する。これにより、段付きネジ44を中心とした側方カバー部材32の回動が阻止される。従って、側方カバー部材32が折曲部42ひいては凝縮器20にさらに効果的に安定支持される。
【0073】
また、本実施形態の自動販売機1は、機械室カバー14に中央カバー部材30が含まれる場合、中央カバー部材30の一端側部(左側側部)を対向する一方の折曲部42(左側の折曲部42)に係脱可能に係止する第2係止機構60Bを備える。また、中央カバー部材30の他端側部(右側側部)を対向する他方の折曲部42(右側の折曲部42)に係脱可能に係止する第3係止機構60Cを備える。
【0074】
このように、それぞれ独立して機能する一対の第1係止機構60A、第2係止機構60B、及び第3係止機構60Cを備えることにより、右側カバー部材32B及び中央カバー部材30をそれぞれ単独で且つ容易に着脱することができる。従って、機械室カバー14の安定支持と機械室12のメンテナンス性向上との双方をより一層効果的に実現することができる。
【0075】
具体的には、第2係止機構60Bは、一方の折曲部42(左側の折曲部42)に形成される段付きネジ44と、一方の折曲部42(左側の折曲部42)に対向する中央カバー部材30の一端側部(左側側部)に形成され、段付きネジ44に係脱可能に係止される第2係止孔62とを有する。ここで、第2係止機構60Bにおいて第2係止孔62を係止する部位を第2被係止部と称することが可能である。
【0076】
本実施形態の場合、この第2被係止部は、第1係止機構60Aの段付きネジ44と兼用されており、第2係止機構60Bは、中央カバー部材の第2係止孔62を一方の側方カバー部材32(左側カバー部材32A)の一端側部(右側側部)の前方から段付きネジ44に係止させることにより機能する。
【0077】
このように、第1係止機構60Aの段付きネジ44を第2係止機構60Bの第2被係止部として用いることにより、第1係止機構60Aの一部が第2係止機構60Bに兼用される。これにより、機械室カバー14の第2係止機構60Bを簡素化することができ、第2係止機構60Bの形成に係るコスト削減を図ることができるため、自動販売機1の生産性が向上する。
【0078】
また、第3係止機構60Cは、他方の折曲部42(右側の折曲部42)に形成される段付きネジ44と、他方の折曲部42(右側の折曲部42)に対向する中央カバー部材30の他端側部(右側側部)に形成され、段付きネジ44に係止される外方延設部64とを有する。ここで、第3係止機構60Cにおいて外方延設部64を係止する部位を第3被係止部と称することが可能である。
【0079】
本実施形態の場合、この第3被係止部は、第1係止機構60Aの段付きネジ44と兼用されており、第3係止機構60Cは、隙間40に外方延設部64を挿入し、外方延設部64を段付きネジ44の上に当接させることにより、中央カバー部材30の他端側部(右側側部)を段付きネジ44に係脱可能に係止させる。
【0080】
このように、第1係止機構60Aの段付きネジ44を第3係止機構60Cの第3被係止部として用いることにより、第1係止機構60Aの一部が第3係止機構60Cに兼用される。これにより、機械室カバー14の第3係止機構60Cを簡素化することができ、第3係止機構60Cの形成に係るコスト削減を図ることができるため、自動販売機1の生産性がさらに向上する。
【0081】
また、外方延設部64は、第1係止機構60Aによる係止が成立した状態で、一対の側方カバー部材32の第1側壁部48の後方端縁48aに当接する。これにより、中央カバー部材30の右側側部が折曲部42ひいては凝縮器20にさらに効果的に安定支持される。さらに、第1側壁部48が折曲部42の内方端縁42aに当接することとの相乗効果で、中央カバー部材30の右側側部を係脱可能な範囲でがたつきなく確実に安定支持させることができる。
【0082】
また、外方延設部64は、中央カバー部材30の他端側部(右側側部)の延設方向に亘って切欠部66を存して形成される。この場合、第3係止機構60Cは、外方延設部64の切欠部66の上側の部位を段付きネジ44の上に当接させることにより、中央カバー部材30の他端側部(右側側部)を段付きネジ44に係脱可能に支持させる。
【0083】
これにより、外方延設部64の切欠部66を除く上下方向の亘る全域が隙間40の上下方向の亘る全域に挿入される。従って、中央カバー部材30の前後方向におけるがたつきを外方延設部64の上下方向の全域に亘って抑制することができるため、中央カバー部材30の右側側部がさらに効果的に安定支持される。
【0084】
また、中央カバー部材30は、他端側部(右側側部)において後方に向けて延設される第2側壁部68を有し、外方延設部64は、第2側壁部68を経て外方に向けて延設される。すなわち、外方延設部64は、中央カバー部材30の前面から第2側壁部68を介し断面L字状に折曲されて形成される。これにより、中央カバー部材30と各側方カバー部材32とを略面一で取り付け可能となり、違和感なく一体化された機械室カバー14を形成することができるため、機械室カバー14の美観が向上する。
【0085】
<第2実施形態>
図29は、本発明の第2実施形態に係る右側の第1係止機構60Aと第3係止機構60Cとの斜視図を示す。なお、以降、新たに説明する実施形態の説明においては、既に説明した実施形態と同様の構成については図面に同じ符号を付して説明を省略し、主として既に説明した実施形態と異なる構成を説明する。本実施形態の右側の第1係止機構60Aは、凝縮器20の折曲部42に、段付きネジ44の代わりに板状の第1フック部(第1被係止部)72を有する。
【0086】
第1フック部72は、凝縮器20の折曲部42を切り出して前側上方にL字状に折り曲げることにより形成される。また、第1係止機構60Aは、右側カバー部材32Bに、第1係止孔46の代わりに矩形状の第3係止孔(第1係止部)74を有する。第1フック部72に第3係止孔74を引っ掛けて係止することにより、図29中に一点鎖線で示す方向の連結が行われ、右側カバー部材32Bが折曲部42に係脱可能に係止され、第1係止機構60Aが機能する。なお、本実施形態の場合、緩衝部材54は、右側カバー部材32Bではなく折曲部42の前面に取り付けられる。
【0087】
一方、本実施形態の第3係止機構60Cは、第1実施形態の場合と異なり、第1係止機構60Aとは異なる位置に形成され、外方延設部64と、凝縮器20の折曲部42に形成される板状の第2フック部(第3被係止部)76とから構成される。第2フック部76は、折曲部42において第1フック部72の下側に形成され、折曲部42を切り出して後方に折り倒すことにより、折曲部42と本体36の前面36bとの間の隙間40に位置付けられる。
【0088】
外方延設部64を隙間40に挿入し、第2フック部76に切欠部66を載置して切欠部66の上側の外方延設部64を支持させる。これにより、図29中に二点鎖線で示す方向の連結が行われ、第3係止機構60Cが機能する。本実施形態の場合であっても、第1実施形態の場合と同様に、中央カバー部材30の有無に拘わらず、右側カバー部材32Bを安定支持させることができる。
【0089】
また、中央カバー部材30は勿論のこと、右側カバー部材32Bを単独で且つ容易に着脱可能とすることができ、機械室カバー14の安定支持と機械室12のメンテナンス性向上との双方を実現することができる。さらに、本実施形態の場合、第1及び第2フック部72、76は、凝縮器20の折曲部42を切り出すだけの簡単な加工で形成することができる。これにより、第1係止機構60A及び第3係止機構60Cの形成に係るコスト削減を図ることができるため、自動販売機1の生産性を向上することができる。
【0090】
図30は、本発明の第2実施形態に係る左側の第1係止機構60Aと第2係止機構60Bとの斜視図を示す。本実施形態の左側の第1係止機構60Aは、右側の第1係止機構60Aの場合と同様の第1フック部(第1被係止部)72と第3係止孔(第1係止部)74とから構成される。第1フック部72に第3係止孔74を引っ掛けて係止することにより、図30中に一点鎖線で示す方向の連結が行われ、左側カバー部材32Aが折曲部42に係脱可能に係止され、第1係止機構60Aが機能する。
【0091】
一方、本実施形態の第2係止機構60Bは、中央カバー部材30に、第2係止孔62の代わりに矩形状の第4係止孔(第2係止部)75を有する。また、本実施形態の場合、第1実施形態の場合と同様に、第1係止機構60Aの第1フック部72が第2係止機構60Bの第2被係止部として兼用される。
【0092】
第1係止機構60Aの形成に伴い第3係止孔74から突出した第1フック部72に第4係止孔75を引っ掛けて係止することにより、図30中に一点鎖線で示す方向の連結が行われ、左側カバー部材32Aが折曲部42に係脱可能に係止され、第2係止機構60Bが機能する。また、本実施形態の緩衝部材54は、右側の第1係止機構60Aの場合と同様に、折曲部42の前面に取り付けられる。
【0093】
このように、第1係止機構60Aの第1フック部72を第2係止機構60Bの第2被係止部として用いることにより、第1係止機構60Aの一部が第2係止機構60Bに兼用される。これにより、第1実施形態の場合と同様に、機械室カバー14の第2係止機構60Bを簡素化することができ、第2係止機構60Bの形成に係るコスト削減を図ることができるため、自動販売機1の生産性が向上する。
【0094】
<第3実施形態>
図31は、本発明の第3実施形態に係る右側の第1係止機構60Aと第3係止機構60Cとの斜視図を示す。本実施形態の右側の第1係止機構60Aは、凝縮器20の折曲部42に、段付きネジ44の代わりに矩形状の第5係止孔(第1被係止部)78を有する。第5係止孔78は、凝縮器20の折曲部42を切り抜いて形成される。また、第1係止機構60Aは、右側カバー部材32Bに、第1係止孔46の代わりに板状の第3フック部(第1係止部)80を有する。
【0095】
第3フック部80は、右側カバー部材32Bを切り出して、図31に示す場合には左側に折り倒すことにより形成される。第3フック部80は、下側に突出した凸部80aを有し、第5係止孔78に第3フック部80を入れ込んで凸部80aを引っ掛けて係止する。これにより、図31中に一点鎖線で示す方向の連結が行われ、第1係止機構60Aが機能する。一方、本実施形態の第3係止機構60Cは、第2実施形態の場合と同様に、外方延設部64及び第2フック部76から構成される。
【0096】
第2フック部76は、折曲部42において第3フック部80の下側に形成され、折曲部42と本体36の前面36bとの間の隙間40に位置付けられる。ここで、本実施形態においては、外方延設部64に上側の第1切欠部66Aと下側の第2切欠部(切欠部)66Bとが形成されている。第1切欠部66Aは、外方延設部64を隙間40に挿入した際、第5係止孔78から隙間40に突出した第3フック部80に外方延設部64が衝突するのを回避する位置に形成される。
【0097】
従って、第1係止機構60Aの存在が第3係止機構60Cの形成に支障を来すことはない。一方、外方延設部64を隙間40に挿入し、第2フック部76に第2切欠部66Bを載置して第2切欠部66Bの上側の外方延設部64を支持させる。これにより、図25中に二点鎖線で示す方向の連結が行われ、第3係止機構60Cが機能する。本実施形態の場合であっても、第1実施形態の場合と同様に、中央カバー部材30の有無に拘わらず、各側方カバー部材32を安定支持させることができる。
【0098】
また、中央カバー部材30は勿論のこと、右側カバー部材32Bを単独で且つ容易に着脱可能とすることができ、機械室カバー14の安定支持と機械室12のメンテナンス性向上との双方を実現することができる。また、第2及び第3フック部76、80は、凝縮器20の折曲部42や側方カバー部材32を切り出すだけの簡単な加工で形成することができる。
【0099】
これにより、第2実施形態の場合と同様に、第1係止機構60A及び第3係止機構60Cの形成に係るコスト削減を図ることができるため、自動販売機1の生産性を向上することができる。さらに、本実施形態の場合、第1切欠部66Aの上側の外方延設部64の部位を第3フック部80に係止させることも可能である。この場合には、第2フック部76及び外方延設部64と、第3フック部80及び外方延設部64との2か所において中央カバー部材30を支持させることができる。従って、第1及び第2実施形態の場合に比して、中央カバー部材30をさらに効果的に安定支持させることができる。
【0100】
図32は、本発明の第3実施形態に係る左側の第1係止機構60Aと第2係止機構60Bとの斜視図を示す。本実施形態の左側の第1係止機構60Aは、凝縮器20の折曲部42に、右側の第1係止機構60Aの場合と同様の第5係止孔(第1被係止部)78を有する。また、第1係止機構60Aは、左側カバー部材32Aに、板状の第4フック部(第1係止部)82を有する。
【0101】
第4フック部82は、左側カバー部材32Aを切り出して、図32に示す場合には右側に折り倒すことにより形成される。第4フック部82は、下側に突出した凸部82aを有し、第5係止孔78に第4フック部82を入れ込んで凸部82aを引っ掛けて係止する。これにより、図32中に一点鎖線で示す方向の連結が行われ、第1係止機構60Aが機能する。
【0102】
また、左側カバー部材32Aにおいて第4フック部82を切り出した箇所には、後述する第5フック部86を挿通するための挿通孔84が形成されている。挿通孔84は、第4フック部82を切り出した箇所の上方右側を切り欠いて形成され、上側切欠部84aと下側切欠部84bとを有する。
【0103】
一方、本実施形態の第2係止機構60Bは、中央カバー部材30に板状の第5フック部(第2係止部)86を有する。また、本実施形態の場合、第1係止機構60Aの第5係止孔78が第2係止機構60Bの第2被係止部として兼用される。第5フック部86は、中央カバー部材30を切り出して、図32に示す場合には左側に折り倒すことにより形成される。
【0104】
第5フック部86は、下側に突出した凸部86aを有し、第5フック部86を挿通孔84に挿通させた後、第5係止孔78に入れ込んで凸部86aを引っ掛けて係止する。これにより、図32中に一点鎖線で示す方向の連結が行われ、第2係止機構60Bが機能する。また、本実施形態の緩衝部材54は、右側の第1係止機構60Aの場合と同様に、折曲部42の前面に取り付けられる。
【0105】
このように、第1係止機構60Aの第5係止孔78を第2係止機構60Bの第2被係止部として用いることにより、第1係止機構60Aの一部が第2係止機構60Bに兼用される。これにより、第1実施形態の場合と同様に、機械室カバー14の第2係止機構60Bを簡素化することができ、第2係止機構60Bの形成に係るコスト削減を図ることができるため、自動販売機1の生産性が向上する。
【0106】
また、第5係止孔78、第4フック部82、挿通孔84、第5フック部86は、凝縮器20の折曲部42、中央カバー部材30、左側カバー部材32A、右側カバー部材32Bの何れかを切り出すだけの簡単な加工で形成することができる。これにより、第2実施形態の場合と同様に、第1~第3係止機構60A、60B、60Cの形成に係るコスト削減を図ることができるため、自動販売機1の生産性をさらに向上することができる。
【0107】
以上で本発明の実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。例えば、本発明は、前述した自動販売機1に限らず、前面が透明なガラスドアで構成され、陳列された飲料、お菓子、弁当等の各種物品を購入者がガラスドアを介して視認して選択可能な、いわゆるGFV(グラスフロントベンダー)にも適用可能である。
【0108】
また、第1~第3係止機構60A~60Cをそれぞれ構成する第1~第3被係止部と、第1~第3係止部とは、中央カバー部材30及び各側方カバー部材32をそれぞれ個別に且つ着脱容易に安定支持させることができるのであれば、上記実施形態で説明した形態に厳密に限定されるものではない。
【0109】
また、本発明は、中央カバー部材30の右側に前述した左側カバー部材32Aを設置し、中央カバー部材30の左側に前述した右側カバー部材32Bを設置しても成立し得るものである。
【符号の説明】
【0110】
1 自動販売機
6 庫室
12 機械室
14 機械室カバー
18 温調装置
20 凝縮器(熱交換器)
24 送風機
30 中央カバー部材
32 側方カバー部材
32A 左側カバー部材(側方カバー部材)
32B 右側カバー部材(側方カバー部材)
36 凝縮器(熱交換器)の本体
36a 凝縮器(熱交換器)の本体の側面
36b 凝縮器(熱交換器)の本体の前面
38 端板
40 隙間
42 折曲部
42a 折曲部の内方端縁
44 段付きネジ(第1被係止部、第2被係止部、第3被係止部)
46 第1係止孔(第1係止部)
48 第1側壁部
60A 第1係止機構
60B 第2係止機構
60C 第3係止機構
62 第2係止孔(第2係止部)
64 外方延設部(第3係止部)
66 切欠部
66A 第1切欠部(切欠部)
66B 第2切欠部(切欠部)
68 第2側壁部
72 第1フック部(第1被係止部、第2被係止部)
74 第3係止孔(第1係止部)
75 第4係止孔(第2係止部)
76 第2フック部(第3被係止部)
78 第5係止孔(第1被係止部、第2被係止部)
80 第3フック部(第1係止部)
82 第4フック部(第1係止部)
86 第5フック部(第2係止部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32