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特開2024-10322書面交付請求システム及び書面交付請求方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010322
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】書面交付請求システム及び書面交付請求方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/04 20120101AFI20240117BHJP
   G06F 21/31 20130101ALI20240117BHJP
【FI】
G06Q40/04
G06F21/31
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111599
(22)【出願日】2022-07-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】590005601
【氏名又は名称】宝印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八木 泰樹
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB52
(57)【要約】
【課題】書面交付請求をしなかった株主に対して電子提供措置事項を記載した書面の交付する技術を提供する。
【解決手段】株主に発送する招集通知を特定する情報及び当該株主の認証情報を含む株主情報を記憶する第1データベースと、株主に予め通知したサイトにおいて前記株主情報及び前記招集通知の発送先に関する情報の入力を受け付ける受付手段と、前記入力された株主情報に基づいて株主を認証する認証手段と、前記入力された株主情報に基づいて前記株主が認証された場合、前記招集通知の発送先に関する情報を含む注文情報を、当該招集通知を前記株主に発送する発送業者に出力する出力手段とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
株主に発送する招集通知を特定する情報及び当該株主の認証情報を含む株主情報を記憶する第1データベースと、
株主に予め通知したサイトにおいて前記株主情報及び前記招集通知の発送先に関する情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記入力された株主情報に基づいて株主を認証する認証手段と、
前記入力された株主情報に基づいて前記株主が認証された場合、前記招集通知の発送先に関する情報を含む注文情報を、当該招集通知を前記株主に発送する発送業者に出力する出力手段と
を有する書面交付請求システム。
【請求項2】
前記出力手段は、前記株主に前記招集通知の発送予定日を通知する
請求項1に記載の書面交付請求システム。
【請求項3】
前記招集通知の在庫が閾値以下になると、前記招集通知の印刷が行われる
請求項1に記載の書面交付請求システム。
【請求項4】
前記発送業者と前記招集通知を発行する発行会社とが対応付けられた第2データベースを有し、
前記出力手段は、複数の前記発送業者のうち、前記発行会社に対応する発送業者に、前記注文情報を出力する
請求項1に記載の書面交付請求システム。
【請求項5】
前記サイトは、株主に予め通知した二次元コードからアクセス可能である
請求項1から4のいずれか一項に記載の書面交付請求システム。
【請求項6】
株主に発送する招集通知を特定する情報及び当該株主の認証情報を含む株主情報を記憶するステップと、
株主に予め通知したサイトにおいて前記株主情報及び前記招集通知の発送先に関する情報の入力を受け付けるステップと、
前記入力された株主情報に基づいて株主を認証するステップと、
前記入力された株主情報に基づいて前記株主が認証された場合、前記招集通知の発送先に関する情報を含む注文情報を、当該招集通知を前記株主に発送する発送業者に出力するステップと
を有する書面交付請求方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書面交付請求システム及び書面交付請求方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを介して株式に関する書面を株主に提供する技術が知られている。例えば、特許文献1には、各上場企業が株主に対して提供するドキュメントを保管し、ネットワークを介して通信可能な株主側端末からの要求に応じて、ログイン済みの株主が保持する株に関するドキュメントと、株に関する電子議決権行使に係る機能へのリンク情報とを含むWebページを株主側端末に提供することが記載されている。特許文献2には、株主カードの申込みをする株主の申込データと、株主管理サーバに管理されている情報とを照合し、その株主に株主カードを発行することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-097139号公報
【特許文献2】特開2009-042852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
株主総会資料の電子提供制度により、株主は、招集通知の電子提供を受ける際、議決権行使基準日までに書面交付請求をしなければ、電子提供措置事項を記載した書面の交付を受けられなかった。
【0005】
これに対し、本発明は、書面交付請求をしなかった株主に対して電子提供措置事項を記載した書面の交付する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、株主に発送する招集通知を特定する情報及び当該株主の認証情報を含む株主情報を記憶する第1データベースと、株主に予め通知したサイトにおいて前記株主情報及び前記招集通知の発送先に関する情報の入力を受け付ける受付手段と、前記入力された株主情報に基づいて株主を認証する認証手段と、前記入力された株主情報に基づいて前記株主が認証された場合、前記招集通知の発送先に関する情報を含む注文情報を、当該招集通知を前記株主に発送する発送業者に出力する出力手段とを有する書面交付請求システムを提供する。
【0007】
前記出力手段は、前記株主に前記招集通知の発送予定日を通知してもよい。
【0008】
前記招集通知の在庫が閾値以下になると、前記招集通知の印刷が行われてもよい。
【0009】
前記発送業者と前記招集通知を発行する発行会社とが対応付けられた第2データベースを有し、前記出力手段は、複数の前記発送業者のうち、前記発行会社に対応する発送業者に、前記注文情報を出力してもよい。
【0010】
前記サイトは、株主に予め通知した二次元コードからアクセス可能であってもよい。
【0011】
本開示の別の一態様は、株主に発送する招集通知を特定する情報及び当該株主の認証情報を含む株主情報を記憶するステップと、株主に予め通知したサイトにおいて前記株主情報及び前記招集通知の発送先に関する情報の入力を受け付けるステップと、前記入力された株主情報に基づいて株主を認証するステップと、前記入力された株主情報に基づいて前記株主が認証された場合、前記招集通知の発送先に関する情報を含む注文情報を、当該招集通知を前記株主に発送する発送業者に出力するステップとを有する書面交付請求方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、書面交付請求をしなかった株主に対して電子提供措置事項を記載した書面の交付することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】書面交付請求システム1の全体構成を示す図。
図2】書面交付請求システム1の装置構成を例示する図。
図3】書面交付請求システム1の機能構成を示す図。
図4】書面交付請求システム1のハードウェア構成を示す図。
図5】株主に招集通知を発送するシーケンス図。
図6】二次元コードが記載されたURL通知の一例を示す図。
図7】株主情報に関する第1データベースの一例を示す図。
図8】招集通知の在庫状況に関するデータベースの一例を示す図。
図9】株主情報の入力を受け付けるためのログイン画面の一例を示す図。
図10】注文情報の入力を受け付けるための注文画面の一例を示す図。
図11】招集通知の発送予定日が表された完了画面の一例を示す図。
図12】正しい株主情報を入力させるための再入力画面の一例を示す図。
図13】招集通知を発行する発行会社と招集通知を株主に発送する発送業者とが対応付けられた第3データベースの一例を示す図。
【0014】
[1]実施例
図1は、書面交付請求システム1の全体構成を示す図である。令和元年(2019年)、改正会社法が公布され、会社が株主に対し、早期に充実した内容の株主総会参考書類等を提供できるようにするための新たな制度として、「株主総会資料の電子提供制度」が創設された。株主総会資料の電子提供制度とは、電子提供措置をとる旨を定款に定めた会社が、取締役が株主総会資料を自社のホームページ等のウェブサイトに掲載し、株主に対し当該ウェブサイトのURL等を株主総会の招集通知に記載等して通知した場合には、株主の個別の承諾を得ていないときであっても、取締役は株主に対し株主総会資料を適法に提供したものとする制度である。特に、上場会社に対しては、株主総会資料の電子提供制度の利用が強制される。
【0015】
一方、インターネット等へのアクセスが困難な株主のために、株主総会参考書類等を書面で受け取る制度も設けられている。すなわち、基準日までに書面交付請求をした株主に対しては、会社は当該株主に対して株主総会参考書類等を書面で交付しなければならない。
【0016】
しかし、書面交付請求の制度があったとしても、基準日までに書面交付請求をしなかった株主が、基準日を過ぎた後になって、「やはり株主総会資料を書面で交付して欲しい」と要求する事態が想定される。書面交付請求システム1は、このような要求に応えるため、基準日までに書面交付請求権を行使しなかった株主に対して招集通知及び株主総会資料を発送するためのシステムである。株主2は、株式会社の出資者であり、書面交付請求権を有する。以下特に断らない限り、株主2は、基準日までに書面交付請求権を行使しなかった株主をいう。発行会社3は、株主2から出資を受けた会社、すなわち有価証券に関する書面を発行する会社である。発行会社3は、例えば、URL通知、招集通知等の書面を発行する。印刷業者4は、発行された書面の印刷を行う会社である。印刷業者4は、例えば、発行会社3から受注した書面の印刷を行う。発送業者5は、書面の発送を行う会社である。発送業者5は、例えば、印刷業者4が印刷した書面を株主2に発送する。なお、書面交付請求システム1において、株主2、発行会社3、印刷業者4、及び発送業者5は、それぞれ複数存在してもよいが、ここでは図面を簡単にするためそれぞれ1つずつ図示している。
【0017】
図2は、書面交付請求システム1の装置構成を例示する図である。書面交付請求システム1は、管理サーバ100を有する。管理サーバ100は、書面交付処理に用いられるデータを管理するサーバ(情報処理装置の一例)である。管理サーバ100は、さらに、書面交付の要求を受け付けるウェブサイトを提供するウェブサーバとしての機能も有する。情報処理装置200、300、400、及び500は、それぞれ、株主2、発行会社3、印刷業者4、及び発送業者5において用いられる装置である。
【0018】
図3は、書面交付請求システム1の機能構成を示す図である。管理サーバ100は、通信手段101、受付手段102、認証手段103、出力手段104、及び記憶手段105を有する。記憶手段105は、各種のデータ及びプログラムを記憶する。この例において記憶手段105は、第1データベース106、第2データベース107、第3データベース108を記憶する。第1データベース106は、株主情報に関する情報を記録したデータベースである。第2データベース107は、書面の在庫に関する情報を記録したデータベースである。第3データベース108は、発行会社3と発送業者5との対応関係を記録したデータベースである。
【0019】
通信手段101は、情報処理装置200等の他の装置と通信する。受付手段102は、株主情報又は注文情報等の情報の入力を受け付ける。認証手段103は、受け付けた株主情報と、第1データベース106に記憶された株主情報とに基づいて株主を認証する。出力手段104は、認証結果、発送予定日等の入力結果を出力する。ウェブサーバ110は、書面交付請求システム1に係るウェブサイトを提供する装置である。
【0020】
情報処理装置200は、株主2により操作される装置、例えばスマートフォン又はPCである。情報処理装置200は、管理サーバ100と通信して招集通知の交付を請求する。情報処理装置300は、発行会社3により操作される装置、例えばPCである。情報処理装置300は、第1データベース106にアクセスして株主情報を更新する。また、情報処理装置300は、情報処理装置400と通信して印刷業者4に有価証券に関する書面の印刷を発注する。情報処理装置400は、印刷業者4により操作される装置、例えばPCである。情報処理装置400は、第2データベース107と通信して在庫状況を更新する。また、情報処理装置400は、第3データベース108を参照して所定の発送業者5に印刷した書面の株主2への発送を依頼する。情報処理装置500は、発送業者5により操作される装置、例えばPCである。情報処理装置500は、情報処理装置400と通信して所定の書面の株主2への発送を受注する。情報処理装置200、300、400、及び500は、それぞれ通信手段201、301、401、及び501を有する。
【0021】
株主情報とは、書面交付請求システムにおいて、株主を認証するために用いられる情報である。株主情報は、例えば、証券コード、株主番号、株主の郵便番号、及び発行会社が任意に定めた番号のうち少なくとも1種を含む。証券コードとは、証券取引所で上場している企業を識別するための番号である。株主番号とは、株主を識別するための番号である。注文情報とは、株主に招集通知を発送する際に用いられる情報をいう。注文情報とは、例えば、株主の氏名、住所、電話番号、メールアドレス等の情報をいう。
【0022】
第1データベース106は、株主2に発送する招集通知を特定する情報及び株主情報を記憶する。第2データベース107は、招集通知の在庫状況を記憶する。第3データベース108は、招集通知を発行する発行会社3と招集通知を株主2に発送する発送業者5との対応付けを記憶する。
【0023】
図4は、管理サーバ100のハードウェア構成を示す図である。管理サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)131、RAM(Random Access Memory)132、ROM(Read Only Memory)133、ストレージ134、及び通信部135を備えるコンピュータである。CPU131は、RAM132をワークエリアとして用いてROM133又はストレージ134に記憶されているプログラムを実行することで各部の動作を制御する。通信部135は、管理サーバ100等の他の装置と通信する。
【0024】
この例において、ストレージ134は、コンピュータを書面交付請求システム1の管理サーバ100として機能させるためのプログラム(以下「サーバプログラム」という)を記憶する。CPU131がサーバプログラムを実行している状態において、通信部135が通信手段101及び出力手段104の一例であり、CPU131が受付手段102及び認証手段103の一例であり、RAM132、ROM133、及びストレージ134の少なくとも一つが記憶手段105の一例である。
【0025】
詳細な説明は省略するが、情報処理装置200、300、400、及び500は、CPU、メモリ、ストレージ、入出力装置、及び通信IFなど、コンピュータとしてのハードウェア要素を有する。これらのストレージは、コンピュータを書面交付請求システム1の情報処理装置200、300、400、及び500として機能させるためのプログラム(以下「クライアントプログラム」という)を記憶する。クライアントプログラムは、例えば、汎用のウェブブラウザのプログラム又は専用のアプリケーションプログラムである。
【0026】
図5は、株主に招集通知を発送するシーケンス図である。図5に表す処理は、例えば、所定のイベントが発生したことを契機として開始される。図5に表す処理を開始させるイベントは、例えば、書面交付請求権の基準日を過ぎたというイベントである。なお、以下において、通信手段101等の機能要素を処理の主体として記載するが、これは、サーバプログラム等のプログラムを実行しているCPU131等のハードウェア要素が、他のハードウェア要素と協働して処理を実行することを意味する。また、以下において発行会社3を処理の主体として記載するが、この記載は、発行会社3そのものだけではなく、証券代行業者等、発行会社3から委託を受けた事業者が実際にその処理を行う例を包含する。
【0027】
(ステップS1)
発行会社3は、株主2に対してURL通知600を発送する。URL通知600は、株主に書面交付請求システム1に係るウェブサイトのURLを通知するものであり、例えば、封書にて送付される郵便物である。URL通知600は、例えば、招集通知の電子提供書面の記載場所を示したURLを通知する書面(いわゆるアクセス通知)と同封して株主に送られる。ウェブサイトに関する情報とは、例えば、管理サーバ100の所在(例えばURL)を示す二次元コードである。
【0028】
図6は、二次元コードが記載されたURL通知の一例を示す図である。URL通知600は、二次元コード以外に、証券コード、株主番号、株主総会の日時・場所・議題、及び電子提供措置をとっている旨等の情報601を含んでもよい。招集通知の発送を希望する株主2は、例えば、URL通知600に記載された二次元コード602を情報処理装置200で読み取って、書面交付請求システム1にアクセスする。
【0029】
なお、発行会社3は、株主から書面交付請求権を行使する旨の意思表示を基準日まで受け付け、書面交付請求権を行使する意思を表示した株主を特定する情報をデータベース(図示略)に記憶する。基準日までに書面交付請求権を行使した株主に対しては、発行会社3は、招集通知(及び株主総会資料)を書面で発送する(図示略)。
【0030】
(ステップS2)
発行会社3は、情報処理装置300から管理サーバ100に対して株主2の株主番号等の株主情報を送信する。管理サーバ100は、受信した株主情報を第1データベース106に記憶する。ここで、株主情報を「送信する」とは、電子メール、メッセージ、又は書面交付請求システム1の専用アプリケーションを用い、コンピュータネットワークを介して情報を伝達することをいう。以下の説明において登場する他の情報の送信についても同様である。
【0031】
図7は、株主情報に関する第1データベース106の一例を示す図である。第1データベース106は、複数のレコードを含む。各レコードは、例えば、「証券コード」及び「株主番号」を含む。第1データベース106は、図7の例において、最上段のレコードは、「証券コード:XXXX」及び「株主番号:12345678」を含む。
【0032】
(ステップS3)
発行会社3は、情報処理装置300から印刷業者4の情報処理装置400に対して、印刷の発注指示を送信する。この発注指示は、発行会社3が株主に対して送付する招集通知の印刷を発注するものである。発行会社3は、例えば、書面交付請求権を行使しない株主2のうち、所定の割合(例えば5%)に相当する部数の印刷を発注する。具体的には、株主2の人数が20000人である場合、発行会社3は、招集通知を100部、印刷する発注指示を送信する。発行会社3は、株主2に対してURL通知600を発送する前に発注指示を送信してもよい。
【0033】
発行会社3は、ステップS3の処理を任意のタイミングで実行することができる。このタイミングは、例えば発行会社3と印刷業者4との間の取り決めによって定められる。一例において、発行会社3は、書面交付請求権を行使した株主に対して招集通知を発送する予定日の所定期間前までに、印刷業者4に発注指示を送信する。
【0034】
また、発行会社3は、印刷業者4に対し追加の印刷を発注することができる。この例においては、発行会社3から印刷業者4に招集通知の印刷を最初に依頼する際に、「在庫量が発注点を下回るとx部の追加印刷を行う」という取り決めが、発行会社3と印刷業者4との間で結ばれる。この取り決めの内容を示す情報は、例えば第2データベース107に記録される。発注点とは、在庫量が所定数を下回った時点で、発注を行うか、または、印刷を行う、基準となる在庫量である。発注点は、例えば第2データベース107において設定されている。具体的には、「証券コード:xxxx」に対して「発注点:30」と設定されている場合、「証券コード:xxxx」の招集通知の「在庫量」が「29」以下になった時点で、発行会社3は、招集通知の印刷に関する発注指示を送信する。
【0035】
(ステップS4)
管理サーバ100から発注指示を受けると、印刷業者4は、発注された書面を印刷する。または、発行会社3と、印刷業者4との間で取り決めがある場合、印刷業者4は、在庫量が所定数を下回った時点で、発注指示を受けずに招集通知の印刷を開始してもよい。印刷業者4は、印刷した書面を発送業者5に納品する。書面を納品すると、印刷業者4は、情報処理装置400から管理サーバ100に対し、印刷する招集通知の数量に関する情報を第2データベース107に書き込むよう要求する。この要求を受けると、管理サーバ10は、第2データベース107において、受信した招集通知の数量に関する情報を「在庫量」に加算する。
【0036】
図8は、第2データベース107に記録されるデータを例示する図である。第2データベース107は、複数のレコードを含む。各レコードは、例えば、「証券コード」、「会社名」、「在庫数量」、及び「発注点」の属性を含む。発注点とは、招集通知を再発注する在庫数量の閾値のことをいう。図8の例において、最上段のレコードは、「証券コード:xxxx」、「会社名:xx株式会社」、「在庫数量:100」、及び「発注点:30」を含む。
【0037】
(ステップS5)
株主2は、受け取ったURL通知600に記載された二次元コードを自身の情報処理装置200で読み取って、管理サーバ100にアクセスする。
【0038】
(ステップS6)
情報処理装置200からアクセスを受けると、管理サーバ100(出力手段104)は、情報処理装置200に対し、ログイン情報の入力を受け付けるログイン画面を表示させるためのデータを送信する。
【0039】
図9は、株主情報の入力を受け付けるためのログイン画面の一例を示す図である。この例では、ログイン情報として株主情報が用いられる。ログイン画面900は、例えば、「証券コード」を入力する入力欄901、「株主番号」を入力する入力欄902、及びログインボタン903を含む。
【0040】
(ステップS7)
情報処理装置200は、管理サーバ100から受信したデータに従ってログイン画面900を表示する。株主2は、ログイン画面900において株主情報を入力する。情報処理装置200は、入力された情報を管理サーバ100(受付手段102)に送信する。
【0041】
(ステップS8)
情報処理装置200から株主情報を受信すると、管理サーバ100は、その株主情報を認証する。具体的には、管理サーバ100(認証手段103)は、受信した株主情報と、第1データベース106に記憶された株主情報とが一致するか判断する。両者が一致すると判断された場合、管理サーバ100は株主2を認証する。両者が一致しないと判断された場合、管理サーバ100は株主2を認証しない。
【0042】
(ステップS9)
株主情報が認証されると、管理サーバ100(出力手段104)は、認証された株主2の情報処理装置200に対し、注文情報の入力を受け付ける注文画面を表示させるためのデータを出力する。
【0043】
図10は、注文情報の入力を受け付けるための注文画面の一例を示す図である。注文画面1000は、例えば、「氏名」を入力する入力欄1001、「住所」を入力する入力欄1002、及び決定ボタン1003を含む。注文画面1000は、「電話番号」を入力する入力欄、「メールアドレス」を入力する入力欄等の他の入力欄を含んでもよい。
【0044】
(ステップS10)
情報処理装置200は、管理サーバ100から受信したデータに従って注文画面1000を表示する。株主2は、注文画面1000において注文情報を入力する。情報処理装置200は、入力された注文情報を管理サーバ100(受付手段102)に送信する。
【0045】
(ステップS11)
情報処理装置200から注文情報を受信すると、管理サーバ100(出力手段104)は、情報処理装置200に対し、書面交付請求が完了したことを示すメッセージを送信する。管理サーバ100(出力手段104)は、注文が完了したことを示すメッセージと合わせて、招集通知の発送予定日を通知してもよい。管理サーバ100は、例えば以下のように発送予定日を決定する。管理サーバ100は、第2データベース107に記憶されている「在庫量」に基づいて、注文された招集通知が即座に発送可能であるか判定する。「在庫量」の数値が閾値(例えば「1」)以上である場合、管理サーバ100は、その招集通知を即座に発送可能であると判定する。発送可能な招集通知があると判定された場合、管理サーバ100は、通常の発送予定日を出力する。通常の発送予定日とは、例えば、現在の日付から所定の日数後(例えば2~4日後)の日付をいう。この日数は、例えば発送業者5ごとに定義されている。なお発送予定日は、特定の単一の日ではなく、幅のある期間(例えば、7月22日~25日)として提示されてもよい。
【0046】
上記の条件が満たされない場合、管理サーバ100は、発送可能な招集通知がないと判定する。上述の通り、「在庫量」が「注文点」を下回った時点で招集通知の追加印刷が発注されている。管理サーバ100は、印刷業者4から招集通知が納品されるまでの日数を考慮して発送予定日を出力する。印刷業者4から招集通知が納品されるまでの日数は、例えば印刷業者4ごとに定義されている。
【0047】
図11は、招集通知の発送予定日が表された完了画面の一例を示す図である。完了画面1100は、例えば、「ご注文は、202x年x月x日 発送予定です。」のメッセージ1101、及び終了ボタン1102を含む。株主2は、完了画面1100により、書面交付請求が完了したこと、及び発送予定日を認識する。また、管理サーバ100は、書面交付請求が完了したことを示すメッセージを、注文情報として入力された株主2のメールアドレスに電子メールで送信してもよい。
【0048】
一方、ステップS8において株主情報が認証されなかった場合、管理サーバ100は、情報処理装置200に対し、株主情報が認証されなかった旨を通知するメッセージ1201を含む再入力画面1200を表示させるためのデータを出力する。
【0049】
図12は、再入力画面の一例を示す図である。再入力画面1200は、例えば、「証券コード、または株主番号が違います。正しく入力してください。」のメッセージ1201を含む。
【0050】
(ステップS12)
管理サーバ100は、所定の発送業者5に招集通知の発送指示を送信する。管理サーバ100は、例えば、第3データベース108から、発送の対象となる招集通知に対応する発送業者5を抽出する。招集通知に対応する発送業者5とは、複数の発送業者5のうち、その招集通知(又は書類)を保管している発送業者である。
【0051】
図13は、第3データベース108の一例を示す図である。第3データベース108は、複数のレコードを含む。各レコードは、「発行会社」及び「発送業者」を含む。図8の例において、最上段のレコードは、「発行会社:XX株式会社」及び「発送業者:甲運送」を含む。
【0052】
管理サーバ100は、発送の対象となる招集通知に対応する発送業者5に対し、株主2への招集通知の発送指示を出力する。この発送指示は、招集通知を特定する情報(例えば証券コード)及び発送先を特定する情報(例えば株主2の住所及び氏名)を含む。管理サーバ100は、発送指示に加えて発送予定日を発送業者5に通知してもよい。
【0053】
発送業者5に発送指示を送信すると、管理サーバ100は、第2データベース107に、発送指示を送信した招集通知の数量に関する情報を書き込む。具体的には、管理サーバ100は、第2データベース107において、対象となる招集通知の「在庫量」から、発送指示に係る招集通知の数量を減算する。
【0054】
(ステップS13)
発送指示を受信した発送業者5は、株主2に招集通知を発送する。こうして、株主2は、基準日までに書面交付請求権を行使し忘れた場合であっても、書面の交付を受けることができる。発送業者5は、招集通知と合わせて、招集通知以外の書面を送付してもよい。招集通知以外の書面とは、例えば、電子提供制度の趣旨を説明する資料、又は発行会社が個別に準備した追加資料である。
【0055】
[2]変形例
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例に記載した事項のうち2つ以上のものが組み合わせて適用されてもよい。
【0056】
実施形態において説明した、印刷業者4、及び発送業者5は、その機能又は役割に着目した分類であって、実際には、単一の事業者が両者を兼ねていてもよい。あるいは、印刷業者4又は発送業者5の機能又は役割がさらに細分化され、複数の事業者に割り当てられてもよい。例えば、印刷業者4の機能が印刷の実行と発送業者への納品に分けられ、これらをそれぞれ別の事業者が行ってもよい。
【0057】
実施形態において管理サーバ100等のコンピュータが行うものとして説明した処理の一部を、人間が行ってもよい。例えば、ステップS11において、管理サーバ100は管理サーバ100の運営事業者のスタッフに対して在庫量を提示するだけで、注文された招集通知が即座に発送可能であるかの判定は、そのスタッフが行ってもよい。この場合、管理サーバ100は、そのスタッフから判定結果の入力を受け付け、判定結果に応じた処理を行う。
【0058】
各種のUI画面はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0059】
書面交付請求システム1における機能とハードウェアとの対応関係は実施形態において例示したものに限定されない。例えば、物理的に複数の装置が協働して管理サーバ100の機能を有してもよい。特に、第1データベース106、第2データベース107、及び第3データベース108は、それぞれ物理的には別の装置に記憶されてもよい。さらに、第1データベース106、第2データベース107、及び第3データベース108は、それぞれ別個の独立したデータベースではなく、これらのうち少なくとも2つが統合されたデータベースであってもよい。また、実施形態において例示した書面交付請求システム1の機能は一部が省略されてもよい。例えば、発送予定日の通知に関する機能は省略されてもよい。
【0060】
書面交付請求システム1のハードウェア構成は実施形態において例示したものに限定されない。特に管理サーバ100のハードウェア構成は実施形態において例示したものと異なっていてもよい。例えば、管理サーバ100は、コンピュータネットワーク上のサーバであってもよい。このサーバは物理サーバであってもよいし、仮想サーバ(いわゆるクラウド)であってもよい。
【0061】
CPU131等のプロセッサにより実行されるプログラムは、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介したダウンロードにより提供されてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…書面交付請求システム、2…株主、3…発行会社、4…印刷業者、5…発送業者、100…管理サーバ、101…通信手段、102…受付手段、103…認証手段、104…出力手段、105…記憶手段、106…第1データベース、107…第2データベース、108…第3データベース、110…ウェブサーバ、200…情報処理装置、300…情報処理装置、400…情報処理装置、500…情報処理装置、600…URL通知
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