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  • 特開-車両用灯具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103303
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/20 20180101AFI20240725BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20240725BHJP
   F21S 43/30 20180101ALI20240725BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20240725BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20240725BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20240725BHJP
   F21W 103/45 20180101ALN20240725BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20240725BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20240725BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240725BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20240725BHJP
【FI】
F21S43/20
F21S43/14
F21S43/30
F21W103:00
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:45
F21W103:10
F21W103:55
F21Y115:10
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007569
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】岡部 玲央哉
(72)【発明者】
【氏名】山本 知幸
(72)【発明者】
【氏名】吉原 知史
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼井 美穂
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 琢
(57)【要約】
【課題】発光領域の明るさを変化させながら、発光時の見栄えを良くすることを可能とした車両用灯具を提供する。
【解決手段】前方に向かって光Lを出射する光源110と、光源110から出射された光Lの一部を側方に向けて反射するリフレクタ12と、光源110の前方及びリフレクタ12の側方を覆うインナーレンズ13とを備え、インナーレンズ13は、乳白レンズであり、光源110から前方に向かう第1の光L1により発光する第1の発光領域E1と、リフレクタ12から側方に向かう第2の光L2により発光する第2の発光領域E2とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に向かって光を出射する光源と、
前記光源から出射された光の一部を側方に向けて反射するリフレクタと、
前記光源の前方及び前記リフレクタの側方を覆うインナーレンズとを備え、
前記インナーレンズは、乳白レンズであり、前記光源から前方に向かう第1の光により発光する第1の発光領域と、前記リフレクタから側方に向かう第2の光により発光する第2の発光領域とを含むことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記第2の発光領域は、前記第1の発光領域よりも暗く発光することを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記リフレクタは、前記光源と対向する開口部と、前記開口部を挟んだ一方側から前方に向かって延在する第1の反射部と、前記開口部を挟んだ他方側から前方に向かって前記第1の反射部よりも短い長さで延在する第2の反射部とを有することを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記リフレクタは、前記第2の反射部の先端を折り曲げた折曲部を有することを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記インナーレンズは、前記第2の発光領域を挟んだ前記第1の発光領域とは反対側に向けて導光される第3の光により発光する第3の発光領域を含み、
前記第3の発光領域は、前記第2の発光領域よりも暗く発光することを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記リフレクタは、白色の反射部材からなることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関し、特に点灯時の見栄えにおいて、発光領域毎に明るさが異なって発光する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両に搭載される車両用灯具として、灯体の内側に、光源と、光源から出射された光により発光するインナーレンズとを配置したものがある(例えば、下記特許文献1を参照。)。
【0003】
例えば、下記特許文献1に記載の発明では、複数の平面から構成されるプリズム状の複数のレンズカットが設けられたインナーレンズを発光させることで、点灯時の見栄えを立体感のあるものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-41397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した従来の車両用灯具では、点灯時の発光ムラを防ぐため、インナーレンズに入射した光を均一に拡散させながら、点灯時の見栄えを良くすることが行われている。
【0006】
一方、インナーレンズの発光領域によって明るさを変化させるためには、従来のインナーレンズに入射した光を均一に拡散させる方法では実現が不可能となっている。
【0007】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、発光領域の明るさを変化させながら、発光時の見栄えを良くすることを可能とした車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 前方に向かって光を出射する光源と、
前記光源から出射された光の一部を側方に向けて反射するリフレクタと、
前記光源の前方及び前記リフレクタの側方を覆うインナーレンズとを備え、
前記インナーレンズは、乳白レンズであり、前記光源から前方に向かう第1の光により発光する第1の発光領域と、前記リフレクタから側方に向かう第2の光により発光する第2の発光領域とを含むことを特徴とする車両用灯具。
〔2〕 前記第2の発光領域は、前記第1の発光領域よりも暗く発光することを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔3〕 前記リフレクタは、前記光源と対向する開口部と、前記開口部を挟んだ一方側から前方に向かって延在する第1の反射部と、前記開口部を挟んだ他方側から前方に向かって前記第1の反射部よりも短い長さで延在する第2の反射部とを有することを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔4〕 前記リフレクタは、前記第2の反射部の先端を折り曲げた折曲部を有することを特徴とする前記〔3〕に記載の車両用灯具。
〔5〕 前記インナーレンズは、前記第2の発光領域を挟んだ前記第1の発光領域とは反対側に向けて導光される第3の光により発光する第3の発光領域を含み、
前記第3の発光領域は、前記第2の発光領域よりも暗く発光することを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔6〕 前記リフレクタは、白色の反射部材からなることを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、発光領域の明るさを変化させながら、発光時の見栄えを良くすることを可能とした車両用灯具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る車両用灯具の構成を示す断面図である。
図2図1に示す車両用灯具の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0012】
本発明の一実施形態として、例えば図1及び図2に示す車両用灯具1について説明する。
なお、図1は、車両用灯具1の構成を示す断面図である。図2は、車両用灯具1の変形例を示す断面図である。
【0013】
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を車両用灯具1の前後方向(長さ方向)、Y軸方向を車両用灯具1の左右方向(幅方向)、Z軸方向を車両用灯具1の上下方向(高さ方向)として、それぞれ示すものとする。
【0014】
本実施形態の車両用灯具1は、例えば、車両(図示せず。)の後端側の両コーナー部(本実施形態では左後端側のコーナー部)に搭載されるリアコンビネーションランプのうち、赤色発光するテールランプに本発明を適用したものである。
【0015】
なお、以下の説明において、「前」「後」「左」「右」「上」「下」との記載は、特に断りのない限り、車両用灯具1を正面(車両後方)から見たときのそれぞれの方向を意味するものとする。したがって、車両を正面(車両前方)から見たときのそれぞれの方向とは、前後左右を逆にした方向となっている。
【0016】
具体的に、本実施形態の車両用灯具1は、図1に示すように、灯体10と、灯体10の内側に配置された光源部11、リフレクタ12、インナーレンズ13及びベゼル14とを備えている。
【0017】
灯体10は、正面が開口したハウジング100と、このハウジング100の開口を覆う透明なアウターレンズ(カバーレンズ)101とにより構成される。なお、灯体10の形状については、車両のデザイン等に合わせて、適宜変更することが可能である。
【0018】
灯体10では、車両の後端側のコーナー部に付与されるスラント形状に合わせて、車幅方向の内側よりも外側が後退する方向に向かって、アウターレンズ101が湾曲しながら傾斜した形状を有している。
【0019】
光源部11は、光源110と、光源110を実装する回路基板111とを有している。
【0020】
光源110は、例えば、赤色光(以下、単に「光」という。)Lを発する少なくとも1つ又は複数の発光ダイオード(LED)からなる。回路基板111には、このLEDを駆動する駆動回路が設けられている。
【0021】
光源部11は、光源110が発する光Lを前方(本実施形態では車両後方)に向けて放射状に出射する。
【0022】
リフレクタ12は、例えば白色のガラスエポキシ樹脂などの白色の反射部材からなる。リフレクタ12は、光源110と対向する開口部120と、開口部120を挟んだ一方側(本実施形態では車幅方向の内側)から前方に向かって延在する第1の反射部121と、開口部120を挟んだ他方側(本実施形態では車幅方向の外側)から前方に向かって第1の反射部121よりも短い長さで延在する第2の反射部122とを有している。
【0023】
リフレクタ12は、光源110から出射された光Lのうち、開口部120を通して第1の反射部121と対向する側の面に入射した光Lを拡散しながら反射する第1の反射面121aと、開口部120を通して第2の反射部122と対向する側の面に入射した光Lを拡散しながら反射する第2の反射面122aとを有している。
【0024】
また、第2の反射部122は、光源110から出射された光Lの光軸AXに対して、その基端側よりも先端側が光軸AX側に向かって傾斜している。但し、第2の反射部122の先端は、光源110からインナーレンズ13に直接向かう光L(以下、「第1の光L1」として区別する。)を妨げないように、光軸AXよりも外側に位置することが好ましい。
【0025】
リフレクタ12は、第1の反射面121aと第2の反射面122aとの間で光を反射させながら、第1の反射部121の先端と第2の反射部122の先端との間から、光源110から出射された光Lの一部を第1の反射面121aにより側方に向けて反射する(以下、リフレクタ12から側方に向かう光Lを「第2の光L2」として区別する。)。
【0026】
インナーレンズ13は、乳白レンズからなり、光源110の前方及びリフレクタ12の側方を覆うように設けられている。具体的に、本実施形態では、第1の反射部121の先端からリフレクタ12の外側の端部までを覆うように設けられている。
【0027】
インナーレンズ13は、その背面側から入射した光Lを散乱させながら、正面側から出射することによって、その正面側に設けられた発光面13aを発光させる。
【0028】
ベゼル14は、インナーレンズ13の正面側を覆う遮光部材からなる。ベゼル14は、インナーレンズ13の発光面13aを前方に臨ませる開口部14aを有して、インナーレンズ13の発光面13a以外から出射される光Lを遮光する。
【0029】
なお、本実施形態の車両用灯具1では、上述したベゼル14を用いた構成となっているが、ベゼル14の代わりにエクステンションを用いた構成としてもよい。
【0030】
以上のような構成を有する本実施形態の車両用灯具1では、テールランプとして、インナーレンズ13の発光面13aを赤色発光させることが可能である。
【0031】
また、本実施形態の車両用灯具1では、インナーレンズ13の発光面13aのうち、光源110から前方のインナーレンズ13に入射した第1の光L1により発光する第1の発光領域E1と、リフレクタ12から側方のインナーレンズ13に入射した第2の光L2により発光する第2の発光領域E2とを有している。
【0032】
このうち、第1の発光領域E1は、光源110からインナーレンズ13に直接向かう第1の光L1によって、第2の発光領域E2よりも明るく発光する。
【0033】
一方、第2の発光領域E2は、リフレクタ12により拡散しながら反射された第2の光L2によって、第1の発光領域E1よりも暗く発光する。
【0034】
また、リフレクタ12により拡散しながら反射された光Lの一部は、前方の第1の発光領域E1にも入射するため、この第1の発光領域E1をより明るく発光させることができる。
【0035】
また、本実施形態の車両用灯具1では、インナーレンズ13の発光面13aのうち、第2の発光領域E2を挟んだ第1の発光領域E1とは反対側に第3の発光領域E3を有している。
【0036】
第3の発光領域E3は、インナーレンズ13の内部で導光される光L(以下、「第3の光L3」として区別する。)によって、第2の発光領域E2よりも暗く発光する。
【0037】
すなわち、この第3の発光領域E3は、第2の反射部122と対向する側に位置することによって、第2の光L2が入射しない領域でありながら、インナーレンズ13の内部で導光される第3の光L3によって発光させることができる。
【0038】
これにより、本実施形態の車両用灯具1では、インナーレンズ13の発光面13aにおいて、前方の第1の発光領域E1から側方の第2の発光領域E2及び第3の発光領域E3に向けて徐々に暗くなるように、発光面13aの明るさを変化させることが可能である。
【0039】
以上のようにして、本実施形態の車両用灯具1では、発光面13aの明るさを変化させながら、この発光面13aの発光時の見栄えを良くすることが可能である。
【0040】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0041】
例えば、上記車両用灯具1では、図2に示すようなリフレクタ12Aを備えた構成としてもよい。具体的に、このリフレクタ12Aは、上記リフレクタ12の構成のうち、第2の反射部122の先端を光軸AX側に折り曲げた折曲部122bが設けられている。
【0042】
これにより、光源110から出射された光Lの一部(以下、「第4の光L4」として区別する。)は、折曲部122bと開口部120の周囲との間で折り返し反射された後、第1の発光領域E1に向けて反射される。
【0043】
したがって、このような折曲部122bが設けられた構成では、第1の発光領域E1をより明るく発光させることができ、折曲部122bが無い構成と比べて、同じ明るさで消費電力を少なくすることが可能である。
【0044】
また、第2の反射面122aの傾斜する角度とは別に、折曲部122bの先端と第2の反射部122の先端との間からインナーレンズ13に向けて照射される第1の光L1の照射範囲(第1の発光領域E1)を調整することが可能である。
【0045】
なお、上記実施形態では、上述したリアコンビネーションランプを構成するテールランプに本発明を適用した場合を例示しているが、本発明が適用される車両用灯具については、上述したリア側の車両用灯具に限らず、フロント側の車両用灯具に本発明を適用することも可能である。
【0046】
すなわち、上述したテールランプの他にも、例えば、ターンランプやブレーキランプ、バックランプ、ポジションランプ、昼間点灯用ランプ(DRL)などの車両用灯具に対して本発明を幅広く適用することが可能である。
【0047】
また、光源についても、上述したLEDの他にも、例えばレーザーダイオード(LD)などの発光素子を用いることができる。また、光源が発する光の色については、上述した赤色光に限らず、橙色光や白色光など、その光源の用途に応じて適宜変更することも可能である。
【符号の説明】
【0048】
1…車両用灯具 10…灯体 11…光源部 12,12A…リフレクタ 13…インナーレンズ 14…ベゼル 100…ハウジング 101…アウターレンズ(カバーレンズ) 110…光源 111…回路基板 120…開口部 121…第1の反射部 122…第2の反射部 122b…折曲部 L…光 L1…第1の光 L2…第2の光 L3…第3の光
図1
図2