(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010334
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240117BHJP
【FI】
G06Q30/06 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111618
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】522279438
【氏名又は名称】グランサーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】奥村 悠也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB58
(57)【要約】
【課題】ユーザがバックオフィス業務をより効率化させやすい情報処理システム等を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、ユーザのバックオフィス業務を支援する情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。第1の表示制御ステップでは、バックオフィス業務に関連する雛形をユーザが視認可能に表示させる。雛形は、ユーザから業務関連データを入力することが可能となるように構成される。第1の受付ステップでは、雛形の内容に基づくタスク生成要求をユーザから受け付ける。生成ステップでは、タスク生成要求に基づき、バックオフィス業務に関連するタスクを生成する。タスクの少なくとも一部は、登録された発注先に対して発注することが可能に構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのバックオフィス業務を支援する情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
第1の表示制御ステップでは、前記バックオフィス業務に関連する雛形を前記ユーザが視認可能に表示させ、ここで、前記雛形は、前記ユーザから業務関連データを入力することが可能となるように構成され、
第1の受付ステップでは、前記雛形の内容に基づくタスク生成要求を前記ユーザから受け付け、
生成ステップでは、前記タスク生成要求に基づき、前記バックオフィス業務に関連するタスクを生成し、ここで、前記タスクの少なくとも一部は、登録された発注先に対して発注することが可能に構成される、情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
発注先登録ステップでは、前記タスクの少なくとも一部を発注可能な発注先を前記ユーザからの操作に基づき登録する、情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記雛形は、前記発注先の操作に基づき編集することが可能に構成される、情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
第2の受付ステップでは、生成された前記タスクの少なくとも一部に対する、前記ユーザからの発注要求を受け付け、
発注実行ステップでは、前記発注要求に基づき、生成された前記タスクの少なくとも一部を、前記発注先に発注する、情報処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理システムにおいて、
前記発注要求は、タスク単位及び/又は業務時間単位での発注を行う要求に関する、情報処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
第3の受付ステップでは、前記ユーザからの前記発注先に対する業務評価の内容を受け付け、
第2の表示制御ステップでは、前記業務評価の内容を、前記ユーザとは異なる他のユーザが視認可能に表示させる、情報処理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
第4の受付ステップでは、前記タスクに対するタスク実行要求を前記ユーザから受け付け、
タスク実行ステップでは、前記タスク実行要求に基づき、生成された前記タスクの少なくとも一部を自動で実行する、情報処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理システムにおいて、
前記タスク実行ステップでは、実行する前記タスクについて異常の有無の評価を行う、情報処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の表示制御ステップでは、前記雛形のうち、所定の雛形を非表示とするよう制御する、情報処理システム。
【請求項10】
情報処理方法であって、
請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを備える、方法。
【請求項11】
プログラムであって、
コンピュータに請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィス業務(バックオフィス業務)を効率化や標準化するための技術開拓がなされてきた。たとえば、特許文献1には、オフィス業務の実態を把握・分析しうる技術として、所定の業務記録表を用いる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バックオフィス業務を効率化させるためには依然として技術開拓の余地がある。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、ユーザがバックオフィス業務をより効率化させやすい情報処理システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、ユーザのバックオフィス業務を支援する情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。第1の表示制御ステップでは、バックオフィス業務に関連する雛形をユーザが視認可能に表示させる。雛形は、ユーザから業務関連データを入力することが可能となるように構成される。第1の受付ステップでは、雛形の内容に基づくタスク生成要求をユーザから受け付ける。生成ステップでは、タスク生成要求に基づき、バックオフィス業務に関連するタスクを生成する。タスクの少なくとも一部は、登録された発注先に対して発注することが可能に構成される。
【0007】
上記態様によれば、ユーザがバックオフィス業務をより効率化させやすい情報処理システム等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システム100を表す構成図である。
【
図2】ユーザ端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。
【
図5】情報処理システム100の実行する情報処理を説明するためのアクティビティ図である。
【
図6】表示制御部332が表示させるタスク表示画面の一例である。
【
図7】表示制御部332が表示させるタスク編集画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0014】
1.1 情報処理システム100
図1は、本実施形態に係る情報処理システム100を表す構成図である。情報処理システム100はユーザ端末1と、発注先端末2と、サーバ3と、を備え、これらがネットワーク4を通じて接続されている。これらの構成要素についてさらに説明する。なお、情報処理システム100に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、サーバ3単体であってもシステムの一例となる。
【0015】
1.2 ユーザ端末1
ユーザ端末1は、ユーザが所持する端末である。ここでのユーザは典型的には事業体(個人・法人を問わない)であり、その事業の中でバックオフィス業務が行なわれる。例えば、ユーザ端末1は、コンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等が想定されるが、その詳細は限定されるものではない。
【0016】
図2は、ユーザ端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。
ユーザ端末1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、表示部14と、入力部15とを有し、これらの構成要素がユーザ端末1の内部において通信バス10を介して電気的に接続されている。通信部11、記憶部12及び制御部13の説明は、後述の、サーバ3における通信部31、記憶部32及び制御部33と略同様のため省略する。
【0017】
表示部14は、例えば、ユーザ端末1の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部14は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、端末の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。ここでは、表示部14は、ユーザ端末1の筐体に含まれるものとして説明する。
【0018】
入力部15は、ユーザ端末1の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部15は、表示部14と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部15がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス10を介して制御部13に転送され、制御部13が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0019】
1.3 発注先端末2
発注先端末2は、前述のユーザが実施するバックオフィス業務について、その少なくとも一部のタスクを受注することが可能な者(発注先)が所有する端末である。例えば、発注先端末2は、コンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等が想定されるが、その詳細は限定されるものではない。なお、
図1において発注先端末2はコンピュータ単体(2-1,2-2,・・・2-n)の集合体として記載しているが、本明細書においては端末単体を発注先端末2と表記することもある。
【0020】
発注先端末2のハードウェア構成は、前述のユーザ端末1のハードウェア構成と同様である場合が例示される。すなわち、発注先端末2は
図2で示される各種構成(通信部、記憶部、制御部、表示部、入力部および通信バス)を有していてもよいが、ここでは省略のため、説明を割愛する。
【0021】
1.4 サーバ3
図3は、サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有し、これらの構成要素がサーバ3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0022】
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ3は、通信部31を介して、ユーザ端末1や発注先端末2等とネットワーク4を介して種々の情報を通信する。
【0023】
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。特に、記憶部32は、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶している。
【0024】
制御部33は、サーバ3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、2.節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0025】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0026】
図4は、サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、情報処理システム100の一例であるサーバ3は、受付部331と、表示制御部332と、生成部333と、発注先登録部334と、発注実行部335と、タスク実行部336と、記憶管理部337とを備えるものである。
【0027】
受付部331は、ユーザの端末操作等を契機に種々の情報を受け付ける。典型的には、雛形の内容に基づくタスク生成要求をユーザから受け付けたり(第1の受付ステップとも称する。)、生成されたタスクの少なくとも一部に対する、ユーザからの発注要求を受け付けたりする(第2の受付ステップとも称する。)。その他、ユーザからの発注先に対する業務評価の内容を受け付けたり(第3の受付ステップとも称する。)、タスクに対するタスク実行要求をユーザから受け付けたりする(第4の受付ステップとも称する。)。これら、ユーザからの要求の詳細については追って説明する。
【0028】
表示制御部332は、種々の表示情報を生成して、ユーザが視認可能な表示内容を制御するように構成される。典型的には、表示制御部332は、バックオフィス業務に関連する雛形をユーザが視認可能に表示させたり(第1の表示制御ステップとも称する。)、発注先に対する業務評価の内容を、ユーザとは異なる他のユーザが視認可能に表示させたりする(第2の表示制御ステップとも称する。)。なお、表示情報とは、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された情報そのものでもよいし、例えばユーザ端末1や発注先端末2に画面、画像、アイコン、テキスト等を表示させるためのレンダリング情報であってもよい。
【0029】
生成部333は、ユーザからのタスク生成要求に基づき、バックオフィス業務に関連するタスクを生成する。ここで、タスクの少なくとも一部は、登録された発注先に対して発注することが可能に構成されるものである。生成するタスクの詳細は追って説明することとする。
【0030】
発注先登録部334は、タスクの少なくとも一部を発注可能な発注先をユーザからの操作に基づき登録する。なお、この登録の内容についてはサーバ3中の記憶部32に記憶するように、制御部33が制御することができる。典型的には、この記憶管理部337がこの制御を担う。
【0031】
発注実行部335は、ユーザからの発注要求に基づき、生成されたタスクの少なくとも一部を、発注先に発注する。この情報処理の詳細は追って説明することとする。
【0032】
タスク実行部336は、ユーザからのタスク実行要求に基づき、生成されたタスクの少なくとも一部を自動で実行する。この情報処理の詳細は追って説明することとする。
【0033】
記憶管理部337は、本実施形態の情報処理システム100に関連する、記憶すべき種々の情報について管理するように構成される。典型的には、記憶管理部337は、前述のユーザや発注先等の属性や個人情報、情報処理の過程で生じた入力・出力事項を記憶領域に記憶させるように構成される。この記憶領域は、たとえばサーバ3の記憶部32や各種端末の記憶部が例示されるが、この記憶領域は必ずしも情報処理システム100のシステム内である必要はなく、記憶管理部337は、種々の情報を外部記憶装置などに記憶するように管理することもできる。
【0034】
3.情報処理方法
本節では、前述した情報処理システム100の実行する情報処理方法の各ステップについて説明を行う。
【0035】
まず、本実施形態の情報処理システム100は、以下に示すものである。
ユーザのバックオフィス業務を支援する情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
第1の表示制御ステップでは、前記バックオフィス業務に関連する雛形を前記ユーザが視認可能に表示させ、ここで、前記雛形は、前記ユーザから業務関連データを入力することが可能となるように構成され、
第1の受付ステップでは、前記雛形の内容に基づくタスク生成要求を前記ユーザから受け付け、
生成ステップでは、前記タスク生成要求に基づき、前記バックオフィス業務に関連するタスクを生成し、ここで、前記タスクの少なくとも一部は、登録された発注先に対して発注することが可能に構成される、情報処理システム。
【0036】
この情報処理システム100の実行する情報処理の各ステップについて、
図5を用いて説明する。
【0037】
図5は、情報処理システム100の実行する情報処理を説明するためのアクティビティ図である。
図5中のアクティビティA101に示されるように、まず、ユーザ端末1よりバックオフィス業務に関連する雛形(「テンプレート」と称してもよい。)を表示する要求がなされる。なお、このユーザからの雛形を表示させる要求については「雛形表示要求」と称されてもよい。また、本実施形態の情報処理システム100においては、このようなアクティビティがなされるにあたって、ユーザが所定のサービスサイト(クラウドサービス)にログインされていることを条件としていてもよい。
【0038】
なお、本実施形態の情報処理システム100におけるバックオフィス業務は、とくに制限されるものではないが、財務経理、人事労務、法務、労務、庶務等が挙げられる。
【0039】
このようなユーザからの雛形表示要求があると、サーバ3の表示制御部332は、ユーザに対して雛形を表示する(アクティビティA102~A104)。ここで、この雛形は、ユーザから業務関連データを入力することが可能となるように構成されているものである。
また、この雛形に基づき、ユーザがタスク生成要求を行うと、サーバ3の受付部331はこの要求を受け付けた上で、生成部333がタスクを生成する。また、この生成したタスクは表示制御部332によってユーザが視認可能に表示される(アクティビティA105~A109)。
【0040】
この雛形とタスクとについて、
図6及び
図7を用いて説明する。
図6は、表示制御部332が表示させるタスク表示画面の一例である。また、
図7は、表示制御部332が表示させるタスク編集画面の一例である。
すなわち、雛形とは、バックオフィス業務においてすべきことをテンプレート化したものであり、典型的には、作業(タスク)の単体又は集合体である。なお、本明細書では、便宜上、「(バックオフィス)業務」を、ユーザが事業活動を行う上で必要となるものであり、この業務を行うことで一定の目的を果たすことができるものと位置付ける。また、本明細書では、「タスク(作業)」について、前述の「業務」の一部又は全部を構成する作業であるものと位置付けて説明する。
【0041】
図6で示した表示画面Dには、「定期振込2022年4月度」、「月次記帳業務2022年4月度」、「経費精算2022年4月度」といった、2022年4月に行うべき経理・財務に関するバックオフィス業務を示した例が示されている。ここで、たとえば「経費精算2022年4月度」という業務の中には「申込期限の周知」、「当月指定の申請期限をお客様に周知」、「領収書の入手」といった各タスクが含まれている。
【0042】
ここで、このようなバックオフィス業務や、この業務を構成しうるタスク単体は、雛形に基づいて生成される。すなわち、「定期振込2022年4月度」というバックオフィス業務に含まれ得るタスクの群は、事前に雛形としてサーバ3の記憶部32等に記憶されており、ユーザはこの雛形からタスク生成要求を行うことで、
図6に示されるようなタスク(又はタスクの群)を生成させている。
より詳細に述べると、ユーザは所定のサービスサイト(クラウドサービス)にログインしている際に、バックオフィス業務毎の雛形を視覚的に把握することができる。通常、この雛形は複数種準備されているが、このバックオフィス業務毎の雛形それぞれについて、対応するタスク(又はタスクの群)が紐付けられている。そして、この雛形をユーザが選択することによって、
図6に示されるようなタスクツリーを生成することができる。
【0043】
なお、この雛形の詳細は、典型的にはサーバ3を管理する事業者が事前に設定したものであってもよいし、ユーザがユーザ端末1による操作を介して、設定されたものであってもよい。なお、本実施形態の雛形に関し、以下のように構成されていてもよい。すなわち、後述するように、雛形からタスクを生成した際に、このタスクは登録された発注先に対して発注可能であるが、雛形は、この登録された発注先の操作に基づき編集することが可能に構成されてもよい。
この発注先からの雛形の編集に関し、発注先もユーザと同じサービスサイト(クラウドサービス)にログインすることで実行可能に構成されていてもよい。なお、このサービスサイト等へのログインについては、予め個別のIDを発行の上、予め登録した発注先についてログイン可能としよいし、ゲストIDを発行して発注先がログイン可能としてもよい。
【0044】
なお、
図6に示されるように、各々のタスクについては、「ステータス(実行状況)」、「担当」、「開始日」、「期限日」が紐付けられて、表示画面Dに表示されてもよい。なお、
図6で示されるタスクのうち「申込期限の周知」というタスクに着目し、このタスクの編集する場合を次に説明する。
【0045】
すなわち、
図7に示される表示画面Dにおいては、このタスクの詳細が示されている。すなわち、入力フォームIF1部分には、タスクについての業務のタイプ(スポット業務であるかルーティン業務であるか)を入力可能であり、入力フォームIF2にはタスクの業務カテゴリ(財務経理、人事労務、法務、労務、庶務等のいずれか)が入力可能である。その他、入力フォームIF3~IF7には、
図6と同様、タスクの名称、ステータス、開始日、期限日、担当者等を入力可能である。また、入力フォームIF8には、タスクの詳細なども入力することができる。すなわち、ここに担当者等が業務の詳細等を記すことで、業務の標準化に資することができる。
【0046】
なお、上述のようにタスクを生成しうる雛形は事前に記憶部32等に記憶されており、適宜、表示制御部332がこの雛形をユーザに対して表示させるものである。一方、使用頻度が下がった雛形のような所定の雛形については、表示制御部332はユーザから非表示とするように制御してもよい。すなわち、雛形が必要以上にある場合は、業務を管理するユーザとしても混乱を招きやすくなる事態が生じるため、表示制御部332として、雛形の表示のしやすさ、表示のしにくさ等を制御してもよい。
【0047】
図6についての説明に戻る。この表示画面Dにおいては、タスクの少なくとも一部を、登録された発注先に対して発注することが可能なボタンBT1と、タスクの少なくとも一部を、自動実行することが可能なボタンBT2が設けられている。
【0048】
すなわち、サーバ3の受付部331は、生成されたタスクの少なくとも一部に対する、ユーザからの発注要求を受け付けることができる。また、サーバ3の発注実行部335は、発注要求に基づき、生成されたタスクの少なくとも一部を、発注先に発注することができる。
【0049】
すなわち、サーバ3の発注先登録部334は、タスクの少なくとも一部を発注可能な発注先をユーザからの操作に基づき登録することが可能である。すなわち、ユーザは事前にタスクなどを発注する可能性がある者(発注先)について、ユーザ端末1を介してサーバ3に登録することが可能である。なお、ここでの発注先は必ずしもユーザと異なる事業体に制限されず、ユーザの事業体内の特定の部署であってもよい。また、前述の発注実行部335のアクションがあったときに、この登録された発注先に、タスクの少なくとも一部を発注することができる。
【0050】
図6においては、各々のタスクに対してチェックボックスCB1~CB3が設けられる。上述の発注実行について、より典型的な例を示すと、この表示画面D中に存在するチェックボックスにチェックが入れられた上で、前述のボタンBT1がクリック操作等で押下されると、受付部331が発注要求を受け付けることとなる。
なお、詳細は図示していないが、発注要求を受け付けた後に、ユーザ端末1に所定の発注を受付可能な画面に遷移するように制御するように構成されてもよい。このような画面遷移は表示制御部332の機能によって達成される。また、発注の単位は任意であるが、一例として、発注要求は、タスク単位及び/又は業務時間単位での発注を行う要求であってもよい。また、ユーザは、発注を受付可能な画面に対する入力事項として、期限や費用等の条件を入力することも可能である。
【0051】
また、発注先はユーザから業務評価されるように構成されてもよい。すなわち、受付部331は、ユーザからの発注先に対する業務評価の内容を受け付けてもよい。また、表示制御部332は、業務評価の内容を、ユーザとは異なる他のユーザが視認可能に表示させてもよい。このような態様とすることで、発注先の業務遂行についての品質を向上させやすくなる。
【0052】
また、本実施形態の情報処理システム100は、タスクの少なくとも一部が自動実行されてもよい。すなわち、受付部331は、タスクに対するタスク実行要求をユーザから受け付けてもよい。また、タスク実行部336は、タスク実行要求に基づき、生成されたタスクの少なくとも一部を自動で実行してもよい。
【0053】
すなわち、
図6の表示画面Dには、タスクの少なくとも一部を、自動実行することが可能なボタンBT2が設けられているが、前述のチェックボックスCB1~CB3に対してチェックを入れた上で、このボタンBT2が押下されると、指定したタスクに対しての自動実行がなされる。
【0054】
典型的には、この自動実行は自動化レシピに基づいて実行される。たとえば、受領した資料について自動保存を行ったり、受領したpdfデータについて、OCR(Optical Character Recognition;光学的文字認識)にてテキストデータや数値データとし保存を行ったり、種々の書面(報告書、見積書、源泉納付書等)を、記憶部32に存在するデータ等に基づき自動生成したりしてもよい。
【0055】
ここで、タスク実行部336は、実行するタスクについて異常の有無の評価を行ってもよい。たとえば、タスク内で扱う数値データが、過去の実績と照らして著しい差異がないかを自動的に評価してもよい。また、タスクを実行する際の取引先が反社に該当するか、財務上不安定であるか等を自動的に評価してもよい。タスク実行部336が、取り扱うタスクの異常を感知した場合は、各タスクの担当者にこのような異常を通知するように構成されてもよい。
【0056】
このように、ユーザ端末1には、サーバ3の表示制御部332によりタスクが表示されることとなるが、サーバ3の制御部33は、ユーザに表示した雛形や、ユーザに表示したタスク等、一連のデータについて記憶部32に記憶(格納)させるよう制御する(アクティビティA110)。なお、この制御は記憶管理部337が実行するように構成されてもよい。
【0057】
4.その他
その他、情報処理システム100に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0058】
以上の実施形態では、情報処理システム100の構成として説明したが、コンピュータに情報処理システム100の各ステップを実行させるプログラムが提供されてもよい。
【0059】
以上の実施形態では、サーバ3が種々の記憶・制御を行ったが、サーバ3に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、ブロックチェーン技術等を用いて、雛形やタスクに関する情報等を分散して複数の外部装置に記憶させてもよい。
【0060】
以上の実施形態では、事前に雛形が準備されている態様を示したが、記憶部32に記憶された過去の業務実績に基づき、必要となる雛形が自動生成されてもよい。
【0061】
また、サーバ3の受付部331にバックオフィス業務としての一定のイベントが起こったことを検知したことを契機として、ユーザ端末1に雛形を生成させるようリコメンドする機能が設けられてもよい。典型的な例としては、ユーザの事業体内の特定の部署から退職者が出ることの通知があった場合、サーバ3はその通知を受け付けた上で、人事業務として退職者が出た際に必要となるタスクがまとめられた雛形をユーザに通知するように構成されてもよい。
【0062】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0063】
(1)ユーザのバックオフィス業務を支援する情報処理システムであって、制御部を備え、前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、第1の表示制御ステップでは、前記バックオフィス業務に関連する雛形を前記ユーザが視認可能に表示させ、ここで、前記雛形は、前記ユーザから業務関連データを入力することが可能となるように構成され、第1の受付ステップでは、前記雛形の内容に基づくタスク生成要求を前記ユーザから受け付け、生成ステップでは、前記タスク生成要求に基づき、前記バックオフィス業務に関連するタスクを生成し、ここで、前記タスクの少なくとも一部は、登録された発注先に対して発注することが可能に構成される、情報処理システム。
【0064】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、発注先登録ステップでは、前記タスクの少なくとも一部を発注可能な発注先を前記ユーザからの操作に基づき登録する、情報処理システム。
【0065】
(3)上記(1)又は(2)に記載の情報処理システムにおいて、前記雛形は、前記発注先の操作に基づき編集することが可能に構成される、情報処理システム。
【0066】
(4)上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、第2の受付ステップでは、生成された前記タスクの少なくとも一部に対する、前記ユーザからの発注要求を受け付け、発注実行ステップでは、前記発注要求に基づき、生成された前記タスクの少なくとも一部を、前記発注先に発注する、情報処理システム。
【0067】
(5)上記(4)に記載の情報処理システムにおいて、前記発注要求は、タスク単位及び/又は業務時間単位での発注を行う要求に関する、情報処理システム。
【0068】
(6)上記(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、第3の受付ステップでは、前記ユーザからの前記発注先に対する業務評価の内容を受け付け、第2の表示制御ステップでは、前記業務評価の内容を、前記ユーザとは異なる他のユーザが視認可能に表示させる、情報処理システム。
【0069】
(7)上記(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、第4の受付ステップでは、前記タスクに対するタスク実行要求を前記ユーザから受け付け、タスク実行ステップでは、前記タスク実行要求に基づき、生成された前記タスクの少なくとも一部を自動で実行する、情報処理システム。
【0070】
(8)上記(7)に記載の情報処理システムにおいて、前記タスク実行ステップでは、実行する前記タスクについて異常の有無の評価を行う、情報処理システム。
【0071】
(9)上記(1)ないし(8)のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、前記第1の表示制御ステップでは、前記雛形のうち、所定の雛形を非表示とするよう制御する、情報処理システム。
【0072】
(10)情報処理方法であって、上記(1)ないし(9)のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを備える、方法。
【0073】
(11)プログラムであって、コンピュータに上記(1)ないし(9)のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0074】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0075】
1 :ユーザ端末
2 :発注先端末
3 :サーバ
4 :ネットワーク
10 :通信バス
11 :通信部
12 :記憶部
13 :制御部
14 :表示部
15 :入力部
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
100 :情報処理システム
331 :受付部
332 :表示制御部
333 :生成部
334 :発注先登録部
335 :発注実行部
336 :タスク実行部
337 :記憶管理部
BT1、BT2 :ボタン
CB1~CB3 :チェックボックス
D :表示画面
IF1~IF8 :入力フォーム