(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103346
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】車載システム及びコネクタ
(51)【国際特許分類】
B60R 16/02 20060101AFI20240725BHJP
H02H 3/087 20060101ALI20240725BHJP
H02H 7/00 20060101ALI20240725BHJP
H02H 7/20 20060101ALI20240725BHJP
H01H 85/02 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
B60R16/02 621J
H02H3/087
H02H7/00 K
H02H7/20 A
H01H85/02 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007625
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】中口 真之介
【テーマコード(参考)】
5G004
5G053
5G502
【Fターム(参考)】
5G004AA04
5G004AB02
5G004BA04
5G053AA01
5G053BA02
5G053CA01
5G053EA05
5G053EC02
5G053EC05
5G053FA05
5G502AA01
5G502FF09
5G502FF10
(57)【要約】
【課題】細径な電線(細径芯線)を用いて電源分配装置から電力供給装置に送電することが可能な車載システムを提供する。
【解決手段】本開示の一態様に係る車載システムは、車両に搭載され、電源装置又は電源分配装置から受電し、受電した電力を車両負荷に供給する電力供給装置と、前記電力供給装置と、前記電源装置又は前記電源分配装置との間に介在し、複数の細径芯線により構成される電線体とを備える車載システムであって、前記電線体には、コネクタが設けられており、前記コネクタには、前記電線体に対応し、前記電力供給装置に接続される前記車両負荷への電流が流れる電流遮断部が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、電源装置又は電源分配装置から受電し、受電した電力を車両負荷に供給する電力供給装置と、
前記電力供給装置と、前記電源装置又は前記電源分配装置との間に介在し、複数の細径芯線により構成される電線体と
を備える車載システムであって、
前記電線体には、コネクタが設けられており、
前記コネクタには、前記電線体に対応し、前記電力供給装置に接続される前記車両負荷への電流が流れる電流遮断部が設けられている
車載システム。
【請求項2】
前記電線体は、前記車両のインストルメントパネル内のインパネエリアにそって、左右に亘って配置され、
前記電力供給装置は、前記電線体の左側に配置される左電力供給装置と、右側に配置される右電力供給装置とを含む
請求項1に記載の車載システム。
【請求項3】
前記コネクタは、
前記電源装置または前記電源分配装置に接続される入力端子と、
前記電力供給装置または前記車両負荷に接続される出力端子と
を備え、
前記入力端子は前記出力端子よりもサイズが大きく、
前記出力端子の個数は前記入力端子の個数よりも多い
請求項1または2に記載の車載システム。
【請求項4】
前記電流遮断部は前記コネクタに設けられる基板の表面に実装されている
請求項1または2に記載の車載システム。
【請求項5】
前記電流遮断部は半導体ヒューズを含み、
前記電力供給装置は、前記車両負荷への給電を制御する制御部を備え、
前記半導体ヒューズは、前記電力供給装置の前記制御部の制御によってオンまたはオフに切り替えられる
請求項4に記載の車載システム。
【請求項6】
前記半導体ヒューズは通電する電流値を検出し、
前記電力供給装置は、それぞれの前記半導体ヒューズが検出した個別電流値を合計した合計電流値に対する閾値と、オフにする前記半導体ヒューズとを対応させたテーブルを記憶する記憶部を備え、
前記電力供給装置の前記制御部は、
複数の前記半導体ヒューズから前記個別電流値を取得し、
取得した複数の前記個別電流値を合計して前記合計電流値を算出し、
前記テーブルを参照し、算出した前記合計電流値に基づいてオフにする前記半導体ヒューズを特定し、
特定した前記半導体ヒューズをオフにする
請求項5に記載の車載システム。
【請求項7】
前記電流遮断部は機械式ヒューズを含み、
前記機械式ヒューズは、過電流が流れた場合に、オフに切り替えられる
請求項4に記載の車載システム。
【請求項8】
前記細径芯線は絶縁被覆に覆われており、
前記電線体が複数個並設されることにより、ワイヤハーネスを構成し、
前記ワイヤハーネスは、前記絶縁被覆と、シート状に形成された機能性外装部材とを含み、
前記絶縁被覆と前記機能性外装部材とが重なる部分の少なくとも一部が溶着されている
請求項1または2に記載の車載システム。
【請求項9】
前記電源装置または前記電源分配装置に接続されるバスバーを備え、
前記バスバーは複数の前記電流遮断部が設けられた基板を備える
請求項1または2に記載の車載システム。
【請求項10】
前記電源装置又は前記電源分配装置に接続される前記車両負荷と、
前記車両負荷と、前記電源装置又は前記電源分配装置との間に介在する前記電線体と
を備え、
前記コネクタには、前記電線体に対応し、前記車両負荷への電流が流れる電流遮断部が設けられている
請求項1または2に記載の車載システム。
【請求項11】
車両に搭載され、電源装置又は電源分配装置から受電し、受電した電力を車両負荷に供給する電力供給装置と、
前記電力供給装置と、前記電源装置又は前記電源分配装置との間に介在し、複数の細径芯線により構成される電線体と
を備える車載システムに用いられるコネクタであって、
前記電線体に設けられ、
前記電線体に対応し、前記電力供給装置に接続される前記車両負荷への電流が流れる電流遮断部が設けられている
コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、車載システム及びコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、エンジン制御等のパワー・トレーン系、エアコン制御等のボディ系等の車載機器を制御するための車載ECU(Electronic Control Unit)が搭載されている。車両には、これら複数の車載ECUに電源からの電力を分配する複数の電源分配装置を備える電源分配システム(車載システム)が、搭載されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の車載システムは、細径な電線(細径芯線)を用いて電源分配装置から電力供給装置(車載ECU)に送電する構成に関する考慮がされていない。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、細径な電線(細径芯線)を用いて電源分配装置から電力供給装置に送電することが可能な車載システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る車載システムは、車両に搭載され、電源装置又は電源分配装置から受電し、受電した電力を車両負荷に供給する電力供給装置と、前記電力供給装置と、前記電源装置又は前記電源分配装置との間に介在し、複数の細径芯線により構成される電線体とを備える車載システムであって、前記電線体には、コネクタが設けられており、前記コネクタには、前記電線体に対応し、前記電力供給装置に接続される前記車両負荷への電流が流れる電流遮断部が設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一実施形態に係る車載システムにあっては、細径な電線(細径芯線)を用いて電源分配装置から電力供給装置に送電することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】車載システムの概要を示すブロック図である。
【
図3】
図2に示すIII―III線によるワイヤハーネスの断面図である。
【
図5】実施形態2に係るコネクタ及び電力供給装置の構成を示すブロック図である。
【
図8】マイコンの制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態3に係るバスバー等の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0010】
(1)本開示の一態様に係る車載システムは、車両に搭載され、電源装置又は電源分配装置から受電し、受電した電力を車両負荷に供給する電力供給装置と、前記電力供給装置と、前記電源装置又は前記電源分配装置との間に介在し、複数の細径芯線により構成される電線体とを備える車載システムであって、前記電線体には、コネクタが設けられており、前記コネクタには、前記電線体に対応し、前記電力供給装置に接続される前記車両負荷への電流が流れる電流遮断部が設けられている。
【0011】
本態様にあっては、電源分配装置は電力供給装置(車載ECU)に送電し、電力供給装置は電源分配装置から受電した電力を車両負荷に供給する。電力供給装置が電源分配装置から遠方の箇所に設けられる場合、電源分配装置から電力供給装置に送電する長い電線が必要となる。電源分配装置から電力供給装置に一本の電線によって必要な電流をすべて送電する場合に対して、複数の細径な電線(例えば、が2sq以下の細径芯線、あるいは1sq、または0.5sq以下の細径芯線であってもよい。このように細径度を高めることにより、より放熱性及び屈曲性を向上できる。)によって送電する場合、送電の際に生じる熱を放出する放熱性、及び配線を容易にする屈曲性に優れる。電源分配装置をコネクタに接続し、コネクタの各電流遮断部に、複数の細径な電線(細径芯線)を含む電線体を接続し、該電線体を電力供給装置に接続することで、電力供給装置に送電される電流量を保持しながら、細径芯線を用いて電源分配装置から電力供給装置に送電することが可能である。また、コネクタは、電源分配装置に接続される電線と車両負荷に接続される電線とを接続するワイヤ・ツウ・ワイヤコネクタ(WtoWコネクタ)の機能を含むため、電源分配装置と、電力供給装置を介さずに接続される車両負荷との間に新規のWtoWコネクタを設けることを不要とすることができる。電線体に含まれる複数の細径芯線は、コネクタに接続される箇所及び電力供給装置または車両負荷に接続される箇所において束ねられており、中間部は平面状に配置されている。一つの電流遮断部は一つの電線体を介して一つの電源供給装置または車両負荷に接続されているが、一つの電源供給装置は複数の電流遮断部に接続されている。電源分配装置は、複数の電線体に分散して電力供給装置に送電を行うことが可能である。このように電線体が接続されるコネクタに電流遮断部を設けることにより、当該電線体を構成する複数の細径な電線(細径芯線)それぞれに設けることを不要とし、電流遮断部の必要個数を削減でき、部品電数の削減及び製品重量の低減を図ることができる。
【0012】
(2)本開示の一態様に係る車載システムは、前記電線体は、前記車両のインストルメントパネル内のインパネエリアにそって、左右に亘って配置され、前記電力供給装置は、前記電線体の左側に配置される左電力供給装置と、右側に配置される右電力供給装置とを含む。
【0013】
本態様にあっては、電力供給装置は、例えばインストルメンタルパネル(インパネ)の内部であるインパネエリアの左右にそれぞれ配置される。電源分配装置が左側の電力供給装置の近傍に設けられる場合、インパネエリア内の、電源分配装置から右側の電力供給装置に送電する電線が長くなる。右側の電力供給装置は作動するために所定の値以上の電流が必要であるため、一本の電線によって必要な電流をすべて送電する場合、電線を太くする必要がある。しかし、インパネエリアの厚みには限りがあり、太い電線をインパネエリア内に配線することは困難である。そのため、厚みを低減するために複数の細径な電線によって送電することが望ましい。電源分配装置をコネクタに接続し、コネクタの各電流遮断部に接続された電線体に含まれる複数の細径な電線(細径芯線)をインパネエリア内に幅方向に並べるように配線し、該電線体を電力供給装置に接続することで、電力供給装置に送電される電流量を保持しながら、細径な電線(細径芯線)を用いて電源分配装置から電力供給装置または車両負荷に送電することが可能である。
【0014】
(3)本開示の一態様に係る車載システムは、前記コネクタは、前記電源装置または前記電源分配装置に接続される入力端子と、前記電力供給装置または前記車両負荷に接続される出力端子とを備え、前記入力端子は前記出力端子よりもサイズが大きく、前記出力端子の個数は前記入力端子の個数よりも多い。
【0015】
本態様にあっては、コネクタにおいて、電源分配装置に接続される電線が接続される入力端子のサイズは、車両負荷または電力供給装置に接続される電線体が接続される出力端子のサイズよりも大きく、許容電流値が大きい大型である。また、入力端子の個数(入力極数)よりも出力端子の個数(出力極数)の方が多い。これにより、コネクタは、電源分配装置から送電された電流値の大きい電流を、多数の電線体に分けて出力することが可能である。
【0016】
(4)本開示の一態様に係る車載システムは、前記電流遮断部は前記コネクタに設けられる基板の表面に実装されている。
【0017】
本態様にあっては、コネクタの電流遮断部は、コネクタが備える基板に設けられる。電流遮断部は、例えばメカヒューズまたは半導体ヒューズとすることが可能である。電流遮断部は、既定の電流値以上の電流が流れた場合にオフになることによって電流を遮断し、車両負荷、電線、及び電力供給装置を保護することが可能である。
【0018】
(5)本開示の一態様に係る車載システムは、前記電流遮断部は半導体ヒューズを含み、前記電力供給装置は、前記車両負荷への給電を制御する制御部を備え、前記半導体ヒューズは、前記電力供給装置の前記制御部の制御によってオンまたはオフに切り替えられる。
【0019】
本態様にあっては、コネクタの電流遮断部は半導体ヒューズにより構成される。半導体ヒューズには車両負荷に供給される電流が流れる電線が接続されており、電力供給装置の制御部によってオンまたはオフに切り替えられる。電力供給装置の制御部は、電流を供給する車両負荷に応じて、半導体ヒューズをオンまたはオフに切り替えることが可能である。
【0020】
(6)本開示の一態様に係る車載システムは、前記半導体ヒューズは通電する電流値を検出し、前記電力供給装置は、それぞれの前記半導体ヒューズが検出した個別電流値を合計した合計電流値に対する閾値と、オフにする前記半導体ヒューズとを対応させたテーブルを記憶する記憶部を備え、前記電力供給装置の前記制御部は、複数の前記半導体ヒューズから前記個別電流値を取得し、取得した複数の前記個別電流値を合計して前記合計電流値を算出し、前記テーブルを参照し、算出した前記合計電流値に基づいてオフにする前記半導体ヒューズを特定し、特定した前記半導体ヒューズをオフにする。
【0021】
本態様にあっては、一つの電力供給装置に送電される電流の電流値の合計に応じて半導体ヒューズをオフにすることにより、過電流が流れることを防止し、車両負荷、電線、及び電力供給装置を保護することが可能である。なお、合計に電流値に基づいてオフにされる半導体ヒューズはランダムに特定されてもよく、順番にオフにされる半導体ヒューズに特定されてもよい。また、複数の電力供給装置はマスタースレーブ方式によって構成されてもよい。この場合、マスターとなる電力供給装置は、スレーブとなる電力供給装置に接続される半導体ヒューズの電流値を取得し、取得した電流値に基づいて、スレーブとなる電力供給装置に接続される半導体ヒューズをオフにしてもよい。
【0022】
(7)本開示の一態様に係る車載システムは、前記電流遮断部は機械式ヒューズを含み、前記機械式ヒューズは、過電流が流れた場合に、オフに切り替えられる。
【0023】
本態様にあっては、複数ある電流遮断部の少なくとも一部は、機械式ヒューズによって構成される。本態様に係る電流遮断部に接続される電線体は、電源供給装置が作動するのに必要な電流を送電する。本態様に係る電流遮断部に流れる電流は、車両負荷に供給される電流が流れる電流遮断部に流れる電流よりも小さい。よって、本態様に係る電流遮断部には、比較的定格電流値が低く安価なヒューズを用いることが可能である。本態様に係る電流遮断部は、通常時はオンにされ、過電流が流れた場合のみ、オフにされる。
【0024】
(8)本開示の一態様に係る車載システムは、前記細径芯線は絶縁被覆に覆われており、前記電線体が複数個並設されることにより、ワイヤハーネスを構成し、前記ワイヤハーネスは、前記絶縁被覆と、シート状に形成された機能性外装部材とを含み、前記絶縁被覆と前記機能性外装部材とが重なる部分の少なくとも一部が溶着されている。
【0025】
本態様にあっては、簡易に電線体の放熱を行うことが可能である。また、径が太い芯線を用いる場合に比べて屈曲性が高いので、コネクタを配置する際の位置決めを簡易に行うことが可能である。
【0026】
(9)本開示の一態様に係る車載システムは、前記電源装置または前記電源分配装置に接続されるバスバーを備え、前記バスバーは複数の前記電流遮断部が設けられた基板を備える。
【0027】
本態様にあっては、電源分配装置からバスバーを介して送電された電流値の大きい電流を、多数の細径芯線に分けて出力することが可能である。
【0028】
(10)本開示の一態様に係る車載システムは、前記電源装置又は前記電源分配装置に接続される前記車両負荷と、前記車両負荷と、前記電源装置又は前記電源分配装置との間に介在する前記電線体とを備え、前記コネクタには、前記電線体に対応し、前記車両負荷への電流が流れる電流遮断部が設けられている。
【0029】
本態様にあっては、電源装置または電源分配装置に直接接続される車両負荷に送電される電流量を保持しながら、細径芯線を用いて送電することが可能である。
【0030】
(11)本開示の一態様に係るコネクタは、車両に搭載され、電源装置又は電源分配装置から受電し、受電した電力を車両負荷に供給する電力供給装置と、前記電力供給装置と、前記電源装置又は前記電源分配装置との間に介在し、複数の細径芯線により構成される電線体とを備える車載システムに用いられるコネクタであって、前記電線体に設けられ、前記電線体に対応し、前記電力供給装置に接続される前記車両負荷への電流が流れる電流遮断部が設けられている。
【0031】
本態様にあっては、細径な電線(細径芯線)を用いて電源分配装置から電力供給装置に送電することが可能である。
【0032】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る給電制御装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0033】
(実施形態1)
図1は、車載システムSの概要を示すブロック図である。車載システムSは、車両Cに搭載され、電源装置1、電源分配装置2、ワイヤハーネス3、電力供給装置4、及び車両負荷5を備える。車両Cは複数の載置エリアに区画化されており、車載システムSが備える各構成要素は、いずれかの載置エリアに載置される。
【0034】
本実施形態における複数の載置エリアは、エンジンルームエリアA1、インパネエリアA3及びフロアエリアA2を含む。エンジンルームエリアA1は、エンジンルームによる領域を示すものであり、当該エンジンルームエリアA1には、電源装置1及び電源分配装置2が載置される。電源装置1は例えばバッテリ電源であり、電力線11を介して電源分配装置2に電力を送電する。電源分配装置2は例えばリレーボックスであり、電力供給装置4に送電する電力または電力供給装置4を介さずに接続される車両負荷5(51)に送電する電力を制御する。なお、電力供給装置4または車両負荷51は、電源分配装置2を介さずに電源装置1から直接受電してもよい。電力供給装置4を介さずに接続される車両負荷51は、例えば、ブレーキランプ等のインパネエリアA3から遠隔の箇所に設けられる車載機器の車載装置又は車載ECU等である。
【0035】
フロアエリアA2は、フロアパネルにより仕切られる領域又は、シートの内部の領域を示すものであり、当該フロアエリアA2には例えば、シートの駆動装置等の車載装置又は車載ECU等の車両負荷5(52~54)が載置される。インパネエリアA3には、インストルメントパネルにより仕切られる領域を示すものであり、複数の電力供給装置4及びワイヤハーネス3が載置されている。また、インパネエリアA3には例えば、HMI(Human Machine Interface)装置、空調機又はメーター類等の車載装置又は車載ECU等の車両負荷5(55~57)が載置されている。なお、車両負荷はエンジンルームエリアA1に載置されてもよい。
【0036】
本実施形態においては、電力供給装置4はインパネエリアA3における左側及び右側に一つずつ載置されている。以下の説明では、左側の電力供給装置4を左電力供給装置4aとし、右側の電力供給装置を右電力供給装置4bとする。なお、電力供給装置4が載置される位置はインパネエリアA3の左右に限られず、例えば車両の前側及び後側に載置されてもよい。また、電力供給装置4の個数は2つに限られず、3つ以上の電力供給装置4が車両Cに載置されてもよい。
【0037】
ワイヤハーネス3は、中継コネクタ6を備える。中継コネクタ6は、電力線21を介して電源分配装置2から受電した電力を複数の電線体31に分けて出力する。中継コネクタ6の詳細は後述する。電力供給装置4は、中継コネクタ6及び複数の電線体31を介して電源分配装置2から受電する。また、電力供給装置4を介さずに電源分配装置2に接続される車両負荷51は、中継コネクタ6及び電線体31を介して電源分配装置2から受電する。なお、中継コネクタ6は、ワイヤハーネス3の外部に設けられ、ワイヤハーネス3に接続される態様であってもよい。
【0038】
図2は、ワイヤハーネス3を示す斜視図である。
図3は、
図2に示すIII―III線によるワイヤハーネス3の断面図である。ワイヤハーネス3は、電線体31と、機能性外装部材32と、中継コネクタ6と、装置コネクタ7とを備える。電線体31は、複数の細径芯線31aと、各細径芯線31aを覆う絶縁被覆31bとを含む。細径芯線31aは、銅またはアルミニウム等の導電性材料によって形成される。本実施形態において細径芯線31aは単線であるが、撚線であってもよい。また、複数の細径芯線31aにより形成される電線体31が絶縁被覆31bに覆われている態様でもよい。絶縁被覆31bは、例えば、PVC(polyvinyl chloride)、PE(polyethylene)、またはPP(polypropylene)などの樹脂等が細径芯線31aの外周に押出成形されて形成されたものである。
【0039】
機能性外装部材32は、例えば、PVC(polyvinyl chloride)、PE(polyethylene)、PP(polypropylene)、または不織布等のシート材によって形成される。機能性外装部材32は、細径芯線31aに対して防音(消音、吸音、遮音等)、保護(耐摩耗、耐引張、耐貫通等)、放熱、シールド、防水等といった機能のうち少なくとも1つの機能を有する部材である。本実施形態において機能性外装部材32は、長方形シート状に形成されているが、電線体31の配線形態等に応じて適宜変更することが可能である。
【0040】
細径芯線31aは、長手方向に沿った少なくとも一部の領域で機能性外装部材32に重なるように配設されている。
図2及び
図3に示す例においては、説明の便宜のため3本の細径芯線31aを示しているが、さらに多数の細径芯線31aが機能性外装部材32に配設される。細径芯線31aを覆う絶縁被覆31bと機能性外装部材32とが重なる部分の少なくとも一部は、例えば超音波溶着により溶着されている。これにより、電線体31と機能性外装部材32とは固定されている。なお、電線体31と機能性外装部材32とは、縫糸によって縫い付けられて固定されてもよい。
【0041】
細径芯線31aの一端は中継コネクタ6に組み込まれ、他端は装置コネクタ7に組み込まれる。複数の細径芯線31aは中継コネクタ6及び装置コネクタ7内において束ねられ、電線体31を形成する。なお、中継コネクタ6及び装置コネクタ7内における各電線体31に含まれる細径芯線31aは同一である。中継コネクタ6は電源分配装置2に接続され、装置コネクタ7は電力供給装置4または車両負荷51に接続される。中継コネクタ6は、後述する電流遮断部62を備えるが、装置コネクタ7は備えない。なお、装置コネクタ7は中継コネクタ6と同様の構成であってもよい。
【0042】
図4は、中継コネクタ6の構成例を示すブロック図である。中継コネクタ6は、基板60を備える。基板60の表面には、入力端子61、複数の電流遮断部62、及び複数の出力端子63が設けられる(実装される)。入力端子61には電力線21が接続され、電源分配装置2から電力を受電する端子である。中継コネクタ6内において入力端子61には、複数の電流遮断部62が接続されている。本実施形態において、電流遮断部62は機械式ヒューズである。電流遮断部62は、定格電流値以上の電流が流れた場合、溶断することによって電流を遮断する(オフに切り替えられる)。各電流遮断部62は、出力端子63に接続されている。
【0043】
入力端子61に入力された電力は、複数の電流遮断部62に分散して通電し、各電流遮断部62に接続されている出力端子63から送電される。すなわち、中継コネクタ6が備える入力端子61の数は一つであり、出力端子63の数は電流遮断部62と同数であり複数である。また、出力端子63から送電される電力の電流値は、入力端子61に入力される電力の電流値よりも低いため、入力端子61は前記出力端子63よりもサイズが大きく、許容電流値が大きい。
【0044】
各出力端子63には、電線体31が接続されている。本実施形態において、電線体31は電線体311~319を含む。電線体31は、車両負荷51、左電力供給装置4a、または右電力供給装置4bに接続される。本実施形態においては、電線体311は車両負荷51に接続され、電線体312~315は左電力供給装置4aに接続され、電線体316~319は右電力供給装置4bに接続されている。
【0045】
以上の構成によれば、電力供給装置4または車両負荷51に送電される電流量を保持しながら、放熱性及び屈曲性に優れる細径芯線31aを用いて電源分配装置2から電力供給装置4または車両負荷51に送電することが可能である。
【0046】
(実施形態2)
実施形態1では、中継コネクタ6が備える電流遮断部62は機械式ヒューズである。しかしながら、電流遮断部62は半導体ヒューズであってもよい。
以下では、実施形態2について、実施形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除
く他の構成は実施形態1と共通している。このため、実施形態1と共通する構成部には、
実施形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0047】
図5は、実施形態2に係る中継コネクタ6及び電力供給装置4等の構成例を示すブロック図である。実施形態2に係る電力供給装置4は、第1受電部41、第2受電部42、マイコン43、及び送電部44を備える。なお、本実施形態において左電力供給装置4aと右電力供給装置4bの構成は同様である。
【0048】
本実施形態に係る中継コネクタ6の電流遮断部62は、例えばNチャネル型のFETによって構成される半導体ヒューズである。なお、電流遮断部62はPチャネル型のFET、サイリスタ、バイポーラ、またはFETを含むIPD(Intelligent Power Device)などでもよい。電流遮断部62は、ドレインが入力端子61に接続され、ソースが出力端子63に接続されるように基板60上に設けられている。電流遮断部62は、電流検出機能を備え、通電する電流値を検出することが可能であり、検出した電流値を電力供給装置4に出力する。また、電流遮断部62のゲートは、電力供給装置4のマイコン43に接続されており(
図6参照)、ゲートにハイレベル電圧が印加されると通電可能なオンの状態となり、ローレベル電圧が印加されると、通電不可であるオフの状態に切り替えられる。
【0049】
マイコン43は、電流遮断部62に流れる電流値及び送電部44から車両負荷5に送電される電流値を取得することが可能である。マイコン43は、電流遮断部62に流れる電流値または車両負荷5に送電される電流値が閾値以上である場合、電流遮断部62をオフにして、電流を遮断させる。
【0050】
第1受電部41及び第2受電部42には、装置コネクタ7(
図2参照)が接続される。第1受電部41は電力供給装置4が車両負荷5に供給する電力を受電し、受電した電力を送電部44に送電する。第2受電部42は、マイコン43を作動させるための電力を受電し、受電した電力をマイコン43に送電する。
【0051】
送電部44は、第1受電部41から受電した電力を車両負荷5に送電する。また、送電部44は、図示しない電流検出部を備え、送電部44を通電して車両負荷5に送電される電力の電流値を検出し、検出した電流値をマイコン43に出力する。本実施形態において、左電力供給装置4aの送電部44aは車両負荷52~54に接続され、車両負荷52~54に送電される電力の電流値(送電電流値)を検出する。右電力供給装置4bの送電部44bは車両負荷55~57に接続され、車両負荷55~57に送電される電力の電流値(送電電流値)を検出する。
【0052】
本実施形態に係る電流遮断部62は、電流遮断部621~629を含む。電流遮断部621は、車両負荷51に接続されている。電流遮断部622~624は左電力供給装置4aの第1受電部41(41a)に接続されている。電流遮断部625は左電力供給装置4aの第2受電部42(42a)に接続されている。電流遮断部626~628は右電力供給装置4bの第1受電部41(41b)に接続されている。電流遮断部629は右電力供給装置4bの第2受電部42(42b)に接続されている。左電力供給装置4aの第1受電部41aに接続される電流遮断部622~624は左電力供給装置4aのマイコン43aによってオンまたはオフに切り替えられる。第2受電部42に接続される電流遮断部625及び629は電力供給装置4のマイコンによって制御されず、過電流が流れた場合に電流を遮断する。第2受電部42に接続される電流遮断部625及び629は機械式ヒューズであってもよい。
【0053】
本実施形態においては、電流遮断部622~624は左電力供給装置4aのマイコン43aによって制御され、電流遮断部626~628は右電力供給装置4bのマイコン43bによって制御されるが、これに限られない。例えば、左電力供給装置4aと右電力供給装置4bはマスタースレーブ方式によって、左電力供給装置4aをマスターとする態様で構成されてもよい。この場合、左電力供給装置4aのマイコン43aは、右電力供給装置4bの第1受電部41bに接続される電流遮断部626~628が検出した電流値を取得し、電流遮断部626~628をオンまたはオフに切り替える制御を行ってもよい。
【0054】
図6は、マイコン43の構成例を示すブロック図である。マイコン43は、制御部431と、記憶部432と、入力部433と、出力部434とを備える。制御部431は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等により構成してあり、記憶部432に予め記憶されたプログラムP(プログラム製品)及びデータを読み出して実行することにより、種々の制御処理及び演算処理等を行うようにしてある。制御部431は、CPU等のソフトウェア処理を行うソフトウェア処理部のみに限定されず、FPGA、ASIC又はSOC等のハードウェア処理にて種々の制御処理及び演算処理等を行うハードウェア処理部を含むものであってもよい。
【0055】
記憶部432は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性のメモリ素子又は、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)若しくはフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子により構成してあり、プログラムP(プログラム製品)及び閾値テーブルTが予め記憶してある。記憶部432に記憶されたプログラムP(プログラム製品)は電力供給装置4が読み取り可能な記録媒体Aから読み出されたプログラムP(プログラム製品)を記憶したものであってもよい。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからプログラムP(プログラム製品)をダウンロードし、記憶部432に記憶させたものであってもよい。閾値テーブルTの詳細については後述する。
【0056】
入力部433には、第1受電部41に接続されている電流遮断部62が検出した電流値(個別電流値)が入力される。入力部433は、入力された個別電流値を制御部431に通知する。
【0057】
出力部434は、電流遮断部62をオンまたはオフに切替える指示を示す信号を出力する。制御部431は、出力部434に電流遮断部62のオンまたはオフへの切り替えを指示する。出力部434は、制御部431の指示に従って電流遮断部62に出力する信号を切り替える。これにより、電流遮断部62はオンまたはオフに切り替えられる。具体的には、出力部434はハイレベル電圧を電流遮断部62のゲートに出力することにより、電流遮断部62をオンにし、ローレベル電圧を電流遮断部62のゲートに出力することにより、電流遮断部62をオフにする。
【0058】
図7は、閾値テーブルTの一例を示す説明図である。なお、
図7に示す閾値テーブルTは、左電力供給装置4aのマイコン43aに記憶されている閾値テーブルTを例に示す。閾値テーブルTには、制御部431が各電流遮断部62から取得した個別電流値を合計した合計電流値に対して、電力の供給を停止する車両負荷5に対応する電流遮断部62が記録されている。
図7においては、左電力供給装置4aが記憶する閾値テーブルTを示す。閾値テーブルTの管理項目(フィールド)は、例えば、閾値フィールド、車両負荷フィールド、優先度フィールド、及び電流遮断部フィールドを含む。閾値フィールドには、電流遮断部62をオフにする、合計電流値に対する閾値が格納される。車両負荷フィールドには、合計電流値が閾値フィールドに格納されている閾値を上回った場合に電力の供給が停止される車両負荷が格納される。本実施形態においては、XmAが最も低い値であり、ZmAが最も高い値である。優先度フィールドには、各車両負荷への電力供給の必要性を示す優先度が格納される。優先度は、例えば、ASIL(Automotive Safety Integrity Level)に従って各車両負荷に付与されるものであり、優先度の高い順にD、C、B、Aに分けられている。優先度が高い車両負荷5ほど、電力を供給して作動させる必要性が高い。なお、本実施形態においては、車両負荷52に優先度C、車両負荷53に優先度B、車両負荷54に優先度Aが付与されている。閾値テーブルTには、低い閾値に対して優先度の低い車両負荷5が対応して格納されている。電流遮断部フィールドには、車両負荷フィールドに格納されている車両負荷5に供給される電流が通電する電流遮断部62が格納されている。
【0059】
マイコン43の制御部431は、各電流遮断部62から個別電流値を取得し、取得した個別電流値を合計して合計電流値を算出する。制御部431は、閾値テーブルTを参照し、オフにする電流遮断部62を特定する。なお、合計電流値が閾値テーブルTに格納されている最も低い閾値よりも低い場合、制御部431はどの電流遮断部62もオフにしない。また、制御部431は、合計電流値に対応する車両負荷5の優先度以下の優先度の車両負荷5に対応する電流遮断部62をすべてオフにする。すなわち、車両負荷5は、合計電流値に応じて、優先度の低いものから順に電力の供給が停止される。例えば、
図7に示す例において、合計電流値がYmA以上ZmA未満である場合、車両負荷53に対応する電流遮断部623及び車両負荷53よりも優先度の低い車両負荷52に対応する電流遮断部622がオフにされる。
【0060】
マイコン43の制御部431は、例えば合計電流値が閾値テーブルTに格納されている最も低い閾値よりも低い場合、送電部44から送電電流値を取得し、取得した送電電流値に基づいて、上記と同様に閾値テーブルTを参照してオフにする電流遮断部62を特定する。なお、制御部431は閾値テーブルTとは異なるテーブルを参照し、送電電流値に基づいてオフにする電流遮断部62を特定してもよい。
【0061】
図8は、マイコン43の制御部431の処理の例を示すフローチャートである。マイコン43の制御部431は、例えば、マイコン43が第2受電部42から送電された場合、以下の処理を開始する。
【0062】
制御部431は、各電流遮断部62から個別電流値を取得する(S1)。制御部431は取得した個別電流値を合計し、合計電流値を算出する(S2)。制御部431は、合計電流値が閾値テーブルTに格納されている最も低い閾値以上であるか否かを判定する(S3)。合計電流値が閾値テーブルTに格納されている最も低い閾値以上である場合(S3;YES)、制御部431は閾値テーブルTを参照して、合計電流値に基づいてオフにする電流遮断部62を特定する(S4)。
【0063】
合計電流値が閾値テーブルTに格納されている最も低い閾値よりも低い場合(S3:NO)、制御部431は送電部44から送電電流値を取得する(S5)。制御部431は、送電電流値が閾値テーブルTに格納されている最も低い閾値以上であるか否かを判定する(S6)。送電電流値が閾値テーブルTに格納されている最も低い閾値未満である場合(S6:NO)、制御部431は、処理をS1に返す。送電電流値が閾値テーブルTに格納されている最も低い閾値以上である場合(S6:YES)、制御部431は、閾値テーブルTを参照して、送電電流値に基づいてオフにする電流遮断部62を特定する(S7)
【0064】
制御部431は、S4またはS7においてオフにする電流遮断部62を特定後、出力部434に特定した電流遮断部62をオフにする信号を出力させ(S8)、処理を終了する。
【0065】
(実施形態3)
実施形態1では、中継コネクタ6に電流遮断部62が設けられる基板60が設けられるが、これに限られない。電源分配装置2は、バスバーを介して中継コネクタ6に送電を行い、該バスバーに遮断部が設けられる基板が設けられてもよい。
以下では、実施形態3について、実施形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除
く他の構成は実施形態1と共通している。このため、実施形態1と共通する構成部には、
実施形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0066】
図9は、実施形態3に係るバスバー22等の構成例を示すブロック図である。バスバー22は、電源分配装置2及び中継コネクタ6に接続され、電源分配装置2から中継コネクタ6に送電される電流が通電する。バスバー22は、基板220を備える。基板220は、複数の電流遮断部62を備える。電源分配装置2から送電される電流は、複数の電流遮断部62に分散して通電する。各電流遮断部62は、電線体31に接続されている。電線体31は中継コネクタ6を介し、車両負荷51、左電力供給装置4aまたは右電力供給装置4bに接続されている。
【0067】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【符号の説明】
【0068】
1 電源装置
2 電源分配装置
3 ワイヤハーネス
4 電力供給装置
5 車両負荷
6 中継コネクタ
21 電力線
22 バスバー
31 電線体
31a 細径芯線
31b 絶縁被覆
32 機能性外装部材
41 第1受電部
42 第2受電部
43 マイコン
44 送電部
60 基板
61 入力端子
62 電流遮断部
621~629 電流遮断部(半導体ヒューズ)
63 出力端子
220 基板
431 制御部
432 記憶部
433 入力部
434 出力部
A 記録媒体
A1 エンジンルームエリア
A2 フロアエリア
A3 インパネエリア
C 車両
P プログラム
S 車載システム
T 閾値テーブル