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特開2024-103347回収予定想定装置、回収予定想定方法、および、回収予定想定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103347
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】回収予定想定装置、回収予定想定方法、および、回収予定想定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/14 20120101AFI20240725BHJP
【FI】
G06Q20/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007626
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤吉 佑一
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA32
5L055AA32
(57)【要約】
【課題】契約時点での想定回収予定データの生成により、資金の回収予定を売上計上に先んじて把握することができる回収予定想定装置、回収予定想定方法、および、回収予定想定プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】請求先、受注金額、および、回収予定日を紐付けて設定した契約データを取得し、契約データ取得時に、契約データに基づいて、請求先、想定回収予定金額、回収予定日、および、売上計上有無を示す個別計上済区分を紐付けて設定した想定回収予定データを取得し、想定回収予定データに基づいて、回収予定日毎且つ請求先毎の、回収金額、および、売上計上有無を示す売上計上済区分を紐付けて設定した回収予定表データを取得し、回収予定表データを表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた回収予定想定装置であって、
前記制御部は、
請求先、受注金額、および、回収予定日を紐付けて設定した契約データを取得する契約取得手段と、
前記契約データ取得時に、前記契約データに基づいて、前記請求先、想定回収予定金額、前記回収予定日、および、売上計上有無を示す個別計上済区分を紐付けて設定した想定回収予定データを取得し、前記想定回収予定データに基づいて、前記回収予定日毎且つ前記請求先毎の、回収金額、および、売上計上有無を示す売上計上済区分を紐付けて設定した回収予定表データを取得する想定回収予定取得手段と、
前記回収予定表データを表示させる回収予定表示手段と、
を備えたことを特徴とする回収予定想定装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記想定回収予定データに対応する売上の売上データを取得する売上取得手段と、
前記売上データに基づいて、前記想定回収予定データに設定された前記個別計上済区分を売上計上有に更新し、前記請求先、売上回収予定金額、および、前記回収予定日を紐付けて設定した回収予定データを取得する回収予定取得手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の回収予定想定装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記回収予定データに基づいて、前記請求先、請求金額、および、前記回収予定日を紐付けて設定した請求データを取得し、前記請求データに基づいて、前記回収予定データおよび前記回収予定表データに請求番号を設定更新する請求取得手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の回収予定想定装置。
【請求項4】
前記記憶部は、
前記請求先、回収時期、および、一括請求する前記請求先のグループである締日グループを紐付けて設定した請求先マスタ、
を更に備え、
前記請求取得手段は、
前記回収予定データ、および、前記請求先マスタに基づいて、前記締日グループに含まれる前記請求先、前記請求金額、および、前記回収予定日を紐付けて設定した前記請求データを取得し、前記請求データに基づいて、前記回収予定データおよび前記回収予定表データに前記請求番号を設定更新することを特徴とする請求項3に記載の回収予定想定装置。
【請求項5】
前記回収予定取得手段は、
更に、前記回収予定データに設定された前記回収予定日を変更回収予定日への変更指示が設定された場合、前記変更指示に基づいて、前記回収予定データを更新し、前記回収予定データに基づいて、前記回収予定表データを更新することを特徴とする請求項2に記載の回収予定想定装置。
【請求項6】
前記売上取得手段は、
前記売上が分納計上された場合、前記売上データの分納分である分納分売上データを取得し、
前記回収予定取得手段は、
前記分納分売上データに基づいて、前記請求先、分納分売上回収予定金額、および、前記回収予定日を紐付けて設定した前記回収予定データを取得し、前記回収予定データに基づいて、前記想定回収予定データを分納分想定回収予定データと非分納分想定回収予定データとにデータ分割し、前記分納分想定回収予定データに設定された前記個別計上済区分を前記売上計上有に更新することを特徴とする請求項2に記載の回収予定想定装置。
【請求項7】
前記契約取得手段は、
前記請求先、前記受注金額、および、計上予定日が設定された場合、前記計上予定日に基づいて、前記回収予定日を決定し、前記請求先、前記受注金額、および、前記回収予定日を紐付けて設定した前記契約データを取得することを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の回収予定想定装置。
【請求項8】
記憶部と制御部とを備えた回収予定想定装置に実行させるための回収予定想定方法であって、
前記制御部において実行される、
請求先、受注金額、および、回収予定日を紐付けて設定した契約データを取得する契約取得ステップと、
前記契約データ取得時に、前記契約データに基づいて、前記請求先、想定回収予定金額、前記回収予定日、および、売上計上有無を示す個別計上済区分を紐付けて設定した想定回収予定データを取得し、前記想定回収予定データに基づいて、前記回収予定日毎且つ前記請求先毎の、回収金額、および、売上計上有無を示す売上計上済区分を紐付けて設定した回収予定表データを取得する想定回収予定取得ステップと、
前記回収予定表データを表示させる回収予定表示ステップと、
を含むことを特徴とする回収予定想定方法。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた回収予定想定装置に実行させるための回収予定想定プログラムであって、
前記制御部において、
請求先、受注金額、および、回収予定日を紐付けて設定した契約データを取得する契約取得ステップと、
前記契約データ取得時に、前記契約データに基づいて、前記請求先、想定回収予定金額、前記回収予定日、および、売上計上有無を示す個別計上済区分を紐付けて設定した想定回収予定データを取得し、前記想定回収予定データに基づいて、前記回収予定日毎且つ前記請求先毎の、回収金額、および、売上計上有無を示す売上計上済区分を紐付けて設定した回収予定表データを取得する想定回収予定取得ステップと、
前記回収予定表データを表示させる回収予定表示ステップと、
を実行させるための回収予定想定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回収予定想定装置、回収予定想定方法、および、回収予定想定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、売上計上により発生した売上債権である売掛金の発生日に、予定回収額を算出し、回収予定日を自動決定する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-265073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、売上計上前に資金繰りのシミュレーションができず、将来の資金繰りを見通すことができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、契約時点での想定回収予定データの生成により、資金の回収予定を売上計上に先んじて把握することができる回収予定想定装置、回収予定想定方法、および、回収予定想定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る回収予定想定装置は、記憶部と制御部とを備えた回収予定想定装置であって、前記制御部は、請求先、受注金額、および、回収予定日を紐付けて設定した契約データを取得する契約取得手段と、前記契約データ取得時に、前記契約データに基づいて、前記請求先、想定回収予定金額、前記回収予定日、および、売上計上有無を示す個別計上済区分を紐付けて設定した想定回収予定データを取得し、前記想定回収予定データに基づいて、前記回収予定日毎且つ前記請求先毎の、回収金額、および、売上計上有無を示す売上計上済区分を紐付けて設定した回収予定表データを取得する想定回収予定取得手段と、前記回収予定表データを表示させる回収予定表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る回収予定想定装置において、前記制御部は、前記想定回収予定データに対応する売上の売上データを取得する売上取得手段と、前記売上データに基づいて、前記想定回収予定データに設定された前記個別計上済区分を売上計上有に更新し、前記請求先、売上回収予定金額、および、前記回収予定日を紐付けて設定した回収予定データを取得する回収予定取得手段と、を更に備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る回収予定想定装置において、前記制御部は、前記回収予定データに基づいて、前記請求先、請求金額、および、前記回収予定日を紐付けて設定した請求データを取得し、前記請求データに基づいて、前記回収予定データおよび前記回収予定表データに請求番号を設定更新する請求取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る回収予定想定装置において、前記記憶部は、前記請求先、回収時期、および、一括請求する前記請求先のグループである締日グループを紐付けて設定した請求先マスタ、を更に備え、前記請求取得手段は、前記回収予定データ、および、前記請求先マスタに基づいて、前記締日グループに含まれる前記請求先、前記請求金額、および、前記回収予定日を紐付けて設定した前記請求データを取得し、前記請求データに基づいて、前記回収予定データおよび前記回収予定表データに前記請求番号を設定更新することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る回収予定想定装置において、前記回収予定取得手段は、更に、前記回収予定データに設定された前記回収予定日を変更回収予定日への変更指示が設定された場合、前記変更指示に基づいて、前記回収予定データを更新し、前記回収予定データに基づいて、前記回収予定表データを更新することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る回収予定想定装置において、前記売上取得手段は、前記売上が分納計上された場合、前記売上データの分納分である分納分売上データを取得し、前記回収予定取得手段は、前記分納分売上データに基づいて、前記請求先、分納分売上回収予定金額、および、前記回収予定日を紐付けて設定した前記回収予定データを取得し、前記回収予定データに基づいて、前記想定回収予定データを分納分想定回収予定データと非分納分想定回収予定データとにデータ分割し、前記分納分想定回収予定データに設定された前記個別計上済区分を前記売上計上有に更新することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る回収予定想定装置において、前記契約取得手段は、前記請求先、前記受注金額、および、計上予定日が設定された場合、前記計上予定日に基づいて、前記回収予定日を決定し、前記請求先、前記受注金額、および、前記回収予定日を紐付けて設定した前記契約データを取得することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る回収予定想定方法は、記憶部と制御部とを備えた回収予定想定装置に実行させるための回収予定想定方法であって、前記制御部において実行される、請求先、受注金額、および、回収予定日を紐付けて設定した契約データを取得する契約取得ステップと、前記契約データ取得時に、前記契約データに基づいて、前記請求先、想定回収予定金額、前記回収予定日、および、売上計上有無を示す個別計上済区分を紐付けて設定した想定回収予定データを取得し、前記想定回収予定データに基づいて、前記回収予定日毎且つ前記請求先毎の、回収金額、および、売上計上有無を示す売上計上済区分を紐付けて設定した回収予定表データを取得する想定回収予定取得ステップと、前記回収予定表データを表示させる回収予定表示ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る回収予定想定プログラムは、記憶部と制御部とを備えた回収予定想定装置に実行させるための回収予定想定プログラムであって、前記制御部において、請求先、受注金額、および、回収予定日を紐付けて設定した契約データを取得する契約取得ステップと、前記契約データ取得時に、前記契約データに基づいて、前記請求先、想定回収予定金額、前記回収予定日、および、売上計上有無を示す個別計上済区分を紐付けて設定した想定回収予定データを取得し、前記想定回収予定データに基づいて、前記回収予定日毎且つ前記請求先毎の、回収金額、および、売上計上有無を示す売上計上済区分を紐付けて設定した回収予定表データを取得する想定回収予定取得ステップと、前記回収予定表データを表示させる回収予定表示ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、工期の長い契約についても契約時点でおおよその回収予定を把握することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、契約データに対して想定の資金回収予定を算出し、月締めを待たずに都度請求することの2点を実現することで、早期の資金シミュレーションを行うことが可能となるという効果を奏する。また、本発明によれば、資金繰りにそこまで余裕のない会社にとって、受注段階での期待回収の早期把握を可能とし、より正確に早期に財務戦略を構築することが可能となるという効果を奏する。また、本発明によれば、契約時点で想定の資金繰りシミュレーションができるという効果を奏する。また、本発明によれば、契約金額から想定売上額を算出し、請求書締めを待たずに回収予定月、回収予定金額を把握でき、資金シミュレーションを早期化し、資金計画を前倒しで実施することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、工期が長い契約や定期契約を扱っている業界に訴求効果があり、回収予定の早期把握により、資金状態の把握と資金運用に役立つという効果を奏する。また、従来、請求を月締めしないと資金繰りのシミュレーションができなかったが、本発明によれば、契約時点で想定の資金繰りシミュレーションができるようになった結果、資金繰りに余裕のない会社や工期の長い契約を取り扱う会社にとって、受注段階での期待回収を早期把握し、より正確に早期に財務戦略を構築することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施形態における回収予定想定装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態における請求先マスタの一例を示す図である。
図3図3は、本実施形態における回収予定想定装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、本実施形態における回収予定想定処理の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態における回収予定想定処理の一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態における回収予定想定処理の一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態における回収予定想定処理の一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態における回収予定想定処理の一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態における回収予定想定処理の一例を示す図である。
図10図10は、本実施形態における回収予定想定処理の一例を示す図である。
図11図11は、本実施形態における回収予定想定処理の一例を示す図である。
図12図12は、本実施形態における回収予定想定処理の一例を示す図である。
図13図13は、本実施形態における回収予定想定処理の一例を示す図である。
図14図14は、本実施形態における回収予定想定処理の一例を示す図である。
図15図15は、本実施形態における回収予定想定処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0019】
物販、請負制作、従量課金事業等の複数事業を営む業界(例えば、IT業界等)においては、大小様々な案件が混在しており、その契約種類は多岐にわたり、納品時に売上、請負内容によって、金額変更のある契約、従量制且つ単価のみ決まっている契約等の契約がある。
【0020】
そこで、従来は、契約額から売上額および売上時期をおおよそ見通すことができるが、資金の回収予定を月が締まらないと把握できなかった。また、従来は、請求を月締めしないと資金繰りのシミュレーションができなかったところが、将来の資金繰りを見通せなかった。
【0021】
そこで、本実施形態においては、工期の長い契約についても契約時点でおおよその回収予定を把握できるようにするため、契約データに対して想定の資金回収予定を算出すること、および、月締めを待たずに都度請求することの2点を実現することで、早期の資金シミュレーションを行う仕組みを提供している。そこで、本実施形態においては、契約データを元にして、想定の資金回収予定を算出し、都度請求を一括処理することで、月締めを待たずに確定している資金回収予定を早期に算出している。
【0022】
[2.構成]
本実施形態に係る回収予定想定装置100の構成の一例について、図1および図2を参照して説明する。図1は、本実施形態における回収予定想定装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
図1に示すように、回収予定想定装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、回収予定想定装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0024】
回収予定想定装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。回収予定想定装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0025】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、回収予定想定装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、回収予定想定装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0026】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0027】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、請求先マスタ106aと取引データベース106bとを備えている。
【0028】
請求先マスタ106aは、請求先を設定したマスタである。ここで、請求先マスタ106aは、請求先、回収時期、および、一括請求する請求先のグループである締日グループが紐付けて設定されていてもよい。
【0029】
ここで、図2を参照して、本実施形態における請求先マスタ106aの一例について説明する。図2は、本実施形態における請求先マスタ106aの一例を示す図である。
【0030】
図2に示すように、本実施形態における請求先マスタ106aにおいては、請求先コード、請求先名、回収月、回収日、および、締日グループが設定されていてもよい。
【0031】
図1に戻り、取引データベース106bは、取引データを記憶する。ここで、取引データは、契約データ、想定回収予定データ、回収予定表データ、売上データ、回収予定データ、請求データ、分納分売上データ、分納分想定回収予定データ、および/または、非分納分想定回収予定データ等を記憶していてもよい。
【0032】
制御部102は、回収予定想定装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、契約取得部102aと想定回収予定取得部102bと回収予定表示部102cと売上取得部102dと回収予定取得部102eと請求取得部102fとを備えている。
【0033】
契約取得部102aは、契約データ(受注データ、または、定期契約データ)を取得する。ここで、契約取得部102aは、請求先、受注金額、および、回収予定日を紐付けて設定した契約データを取得してもよい。また、契約取得部102aは、請求先、受注金額、および、計上予定日(売上予定日、または、請求予定日)が設定された場合、計上予定日に基づいて、回収予定日を決定し、請求先、受注金額、および、回収予定日を紐付けて設定した契約データを取得してもよい。また、契約取得部102aは、契約データを取引データベース106bに登録してもよい。ここで、本実施形態においては、計上予定日後の所定日(例えば、翌月末日等)を回収予定日とする予定日設定データが記憶部106に記憶されていてもよい。
【0034】
想定回収予定取得部102bは、請求先、想定回収予定金額、回収予定日、および、売上計上有無を示す個別計上済区分を紐付けて設定した想定回収予定データを取得する。ここで、想定回収予定取得部102bは、契約データ取得時に、契約データに基づいて、請求先、想定回収予定金額、回収予定日、および、売上計上有無を示す個別計上済区分を紐付けて設定した想定回収予定データを取得し、想定回収予定データに基づいて、回収予定日毎且つ請求先毎の、回収金額、請求番号、および、売上計上有無を示す売上計上済区分を紐付けて設定した回収予定表データを取得してもよい。
【0035】
回収予定表示部102cは、回収予定表データを表示させる。
【0036】
売上取得部102dは、売上データを取得する。ここで、売上取得部102dは、想定回収予定データに対応する売上の売上データを取得してもよい。また、売上取得部102dは、売上が分納計上された場合、売上データの分納分である分納分売上データを取得してもよい。
【0037】
回収予定取得部102eは、請求先、売上回収予定金額、および、回収予定日を紐付けて設定した回収予定データを取得する。ここで、回収予定取得部102eは、売上データに基づいて、想定回収予定データに設定された個別計上済区分を売上計上有に更新し、請求先、売上回収予定金額、および、回収予定日を紐付けて設定した回収予定データを取得してもよい。また、回収予定取得部102eは、回収予定データに設定された回収予定日を変更回収予定日への変更指示が設定された場合、変更指示に基づいて、回収予定データを更新し、回収予定データに基づいて、回収予定表データを更新してもよい。また、回収予定取得部102eは、分納分売上データに基づいて、請求先、分納分売上回収予定金額、および、回収予定日を紐付けて設定した回収予定データを取得し、回収予定データに基づいて、想定回収予定データを分納分想定回収予定データと非分納分想定回収予定データとにデータ分割し、分納分想定回収予定データに設定された個別計上済区分を売上計上有に更新してもよい。
【0038】
請求取得部102fは、請求先への請求データを取得する。ここで、請求取得部102fは、回収予定データに基づいて、請求先、請求金額、および、回収予定日を紐付けて設定した請求データを取得し、請求データに基づいて、回収予定データおよび回収予定表データに請求番号を設定更新してもよい。また、請求取得部102fは、回収予定データ、および、請求先マスタ106aに基づいて、締日グループに含まれる請求先、請求金額、および、回収予定日を紐付けて設定した請求データを取得し、請求データに基づいて、回収予定データおよび回収予定表データに請求番号を設定更新してもよい。
【0039】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、図3から図15を参照して説明する。
【0040】
[回収予定想定処理]
ここで、図3を参照して、本実施形態における回収予定想定処理の一例について説明する。図3は、本実施形態における回収予定想定装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0041】
図3に示すように、契約取得部102aは、請求先、受注金額、および、回収予定日を紐付けて設定した契約データを取得し、契約データを取引データベース106bに登録する(ステップSA-1)。
【0042】
そして、想定回収予定取得部102bは、契約データ取得時に、取引データベース106bに登録された契約データに基づいて、請求先、想定回収予定金額、回収予定日、および、売上計上有無を示す個別計上済区分を紐付けて設定した想定回収予定データを取得し、想定回収予定データに基づいて、回収予定日毎且つ請求先毎の、回収金額、請求番号、および、売上計上有無を示す売上計上済区分を紐付けて設定した回収予定表データを取得する(ステップSA-2)。
【0043】
そして、回収予定表示部102cは、回収予定表データを出力装置114に表示させる(ステップSA-3)。
【0044】
そして、売上取得部102dは、想定回収予定データに対応する売上の売上データを取得する(ステップSA-4)。
【0045】
そして、回収予定取得部102eは、売上データに基づいて、想定回収予定データに設定された個別計上済区分を売上計上有に更新し、請求先、売上回収予定金額、および、回収予定日を紐付けて設定した回収予定データを取得し、回収予定データに基づいて、回収予定表データを更新する(ステップSA-5)。
【0046】
そして、回収予定表示部102cは、回収予定表データを出力装置114に表示させる(ステップSA-6)。
【0047】
そして、請求取得部102fは、回収予定データに基づいて、請求先、請求金額、および、回収予定日を紐付けて設定した請求データを取得し、請求データに基づいて、回収予定データおよび回収予定表データに請求番号を設定更新する(ステップSA-7)。
【0048】
そして、回収予定表示部102cは、回収予定表データを出力装置114に表示させ(ステップSA-8)、処理を終了する。
【0049】
ここで、図4から図15を参照して、本実施形態における回収予定想定処理の一例について説明する。図4から図15は、本実施形態における回収予定想定処理の一例を示す図である。
【0050】
図4に示すように、本実施形態においては、ユーザによる受注入力により、物販および請負の受注データである契約データが登録される。
【0051】
そして、図5に示すように、本実施形態においては、ユーザによる定期契約入力より、従量課金の定期契約データである契約データが登録される。
【0052】
そして、図6に示すように、本実施形態においては、ユーザによる受注入力、および、定期契約入力時に想定される想定回収予定データが作成され、回収予定表データが表示される。このように、本来であれば、売上計上後でなければ回収予定表を確認できないが、図6に示すように、本実施形態においては、契約段階から想定回収予定データが作成されることで、数か月先の資金繰りまで計画することが可能となる。
【0053】
そして、図7に示すように、本実施形態においては、ユーザによる売上入力により、受注入力分の回収予定データが生成され、想定回収予定データの「計上済」にチェックが付けられ、回収予定データが正とされる。
【0054】
そして、図8に示すように、本実施形態においては、定期契約請求一括処理にて確定した定期契約入力分の回収予定データが生成され、想定回収予定データの「計上済」にチェックが付けられ、回収予定データが正とされる。ここで、図8に示すように、本実施形態においては、従量課金で利用量に応じた確定金額が回収予定データに反映される。
【0055】
そして、図9に示すように、本実施形態においては、売上計上された売上データが、回収予定データから回収予定表に表示される。ここで、図9に示すように、本実施形態においては、従量課金分を確定データに反映させている。このように、本実施形態における回収予定表においては、計上済区分によって、検収が終わり、確度の高い回収予定であることが分かるため、資金繰りに活用することが可能となる。
【0056】
そして、図10に示すように、本実施形態においては、請求先マスタ106aに保持されている締日グループで取引先をグルーピングしておくことで、毎月10日時点で1次締を行う取引先が一度に締められ、都度請求一括処理をすることで回収予定データの請求番号に番号が更新され、確定したことが判別可能となる。すなわち、本実施形態においては、業界として都度締めでの運用だが、決まったものから請求を締めていくことで回収予定を確定させている。
【0057】
そして、図11に示すように、本実施形態においては、請求処理された想定回収予定データにより、請求番号が回収予定表に表示される。これにより、本実施形態においては、売上計上時よりさらに確度の高い回収予定であることが分かり、資金繰りに活用することが可能となる。
【0058】
そして、図12に示すように、本実施形態においては、請求先都合で回収予定日が1か月遅れるため、ユーザによる回収予定変更入力により回収予定日が変更され、回収予定データの回収予定日が変更されるが、想定回収予定データは変更されない。
【0059】
そして、図13に示すように、本実施形態においては、回収予定変更した結果が回収予定表に反映されるため、最新の状態で資金繰り計画に活用することが可能となる。
【0060】
そして、図14に示すように、本実施形態においては、ユーザによる売上入力にて分納分が売上計上され、分納分のみ回収予定データが生成される。
【0061】
そして、図15に示すように、本実施形態においては、分納された結果、回収予定表上も分納分のみ計上済となるため、資金繰り計画に活用することが可能となる。
【0062】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0063】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0064】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0065】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0066】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0067】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0068】
また、回収予定想定装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0069】
例えば、回収予定想定装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて回収予定想定装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0070】
また、このコンピュータプログラムは、回収予定想定装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0071】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0072】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0073】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0074】
また、回収予定想定装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、回収予定想定装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0075】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、期間の長い契約を行うことが多いIT業界、数か月から数年と期間の長い契約を多く取り扱うメディア業界、長期工事や保守工事を取り扱う工事業界、定期保守を取り扱うビルメンテナンス業界、または、広告枠を取り扱う広告代理業等の業界において有用である。
【符号の説明】
【0077】
100 回収予定想定装置
102 制御部
102a 契約取得部
102b 想定回収予定取得部
102c 回収予定表示部
102d 売上取得部
102e 回収予定取得部
102f 請求取得部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 請求先マスタ
106b 取引データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
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