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特開2024-103367キャップ取付装置およびキャッププレート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103367
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】キャップ取付装置およびキャッププレート
(51)【国際特許分類】
   B65B 7/28 20060101AFI20240725BHJP
   B67B 1/04 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
B65B7/28 N
B65B7/28 M
B67B1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007654
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【弁理士】
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】松本 健太
【テーマコード(参考)】
3E049
3E080
【Fターム(参考)】
3E049AA01
3E049AB02
3E049BA01
3E049BA02
3E049CA07
3E049DA01
3E080AA01
3E080CC01
3E080CF07
3E080DD05
3E080DD12
(57)【要約】
【課題】キャップをスナップバイアルに取り付け可能なキャップ取付装置およびキャッププレートを提供する。
【解決手段】キャップ取付装置100は、キャップ保持部42、バイアル載置部50、キャップ押込ロッド35および駆動部20を含む。キャップ保持部42は、第1の高さと、第1の高さの下方の第2の高さとの間で昇降可能に設けられ、キャップが保持されたキャッププレート200を保持する。バイアル載置部50は、キャップ保持部42の下方に設けられる。バイアル載置部50には、キャップに対応するスナップバイアルが保持されたバイアルプレート300が載置される。キャップ押込ロッド35は、キャップ保持部42の上方に設けられ、上下方向に延びる。駆動部20は、キャップ保持部42が第2の高さにあるときに、キャッププレート200により保持されたキャップを下方に押し込むようにキャップ押込ロッド35を昇降させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の高さと、前記第1の高さの下方の第2の高さとの間で昇降可能に設けられ、キャップが保持されたキャッププレートを保持するキャップ保持部と、
前記キャップ保持部の下方に設けられ、前記キャップに対応するスナップバイアルが保持されたバイアルプレートが載置されるバイアル載置部と、
前記キャップ保持部の上方に設けられ、上下方向に延びるキャップ押込ロッドと、
前記キャップ保持部が前記第2の高さにあるときに、前記キャッププレートにより保持された前記キャップを下方に押し込むように前記キャップ押込ロッドを昇降させる駆動部とを備える、キャップ取付装置。
【請求項2】
前記キャップ保持部は、前記第2の高さにおいて、保持した前記キャッププレートの下面を前記バイアルプレートとの上面と接触させる、請求項1記載のキャップ取付装置。
【請求項3】
前記駆動部は、前記キャップ押込ロッドを昇降させるとともに、前記キャップ保持部を前記第1の高さから前記第2の高さに下降させる、請求項2記載のキャップ取付装置。
【請求項4】
上下方向に延びるプレート押込ロッドと、
前記キャップ押込ロッドおよび前記プレート押込ロッドを支持する支持部と、
前記プレート押込ロッドと前記支持部との間に設けられる第1のバネ部材とをさらに備え、
前記駆動部は、前記支持部を昇降させることにより前記キャップ押込ロッドとともに前記プレート押込ロッドを昇降させ、
前記プレート押込ロッドは、前記キャッププレートを上方から押し込むことにより前記キャップ保持部を前記第1の高さから前記第2の高さに下降させる、請求項3記載のキャップ取付装置。
【請求項5】
前記プレート押込ロッドは、上下方向に延びる基端部と、前記基端部から下方に延びる先端部と、前記基端部と前記先端部との間に設けられた段差部とを含み、
前記キャッププレートは、上面に前記プレート押込ロッドの前記先端部を差し込み可能な第1の開口を有する、請求項4記載のキャップ取付装置。
【請求項6】
前記プレート押込ロッドの前記先端部は、下方に向かって連続的に径が小さくなるテーパ面を下端部に有する、請求項5記載のキャップ取付装置。
【請求項7】
前記キャップ保持部を上方に付勢する第2のバネ部材をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のキャップ取付装置。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載のキャップ取付装置で用いられるキャッププレートであって、
前記キャップは、前記スナップバイアルに取り付けられるキャップ本体と、前記キャップ本体から下方に延びる筒状のフィルタ部とを含み、
前記キャッププレートは、
前記キャップ本体が嵌め込まれる第2の開口が形成された本体プレートと、
前記フィルタ部の外周面に当接する第3の開口が形成され、前記本体プレートに設けられるフィルタ保持フィルムとを備える、キャッププレート。
【請求項9】
前記第2の開口の内周面に設けられ、前記キャップ本体の外周面と当接するリブをさらに備える、請求項8記載のキャッププレート。
【請求項10】
前記キャップ本体の径よりも小さい径を有する第4の開口が形成され、前記第4の開口が前記キャップ本体の下方に位置するように前記フィルタ保持フィルムの上方に設けられるキャップ保持フィルムをさらに備える、請求項8記載のキャッププレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップ取付装置およびキャッププレートに関する。
【背景技術】
【0002】
分析装置において試料の分析が行われる前に、遠沈管等の容器を用いて試料の前処理が行われることがある。容器としては、ネジ式のキャップを回転させることにより着脱可能なスクリューバイアルが用いられる。また、スクリューバイアルにキャップを着脱する着脱装置が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されたキャップ開閉装置においては、グリップ開閉駆動部の一対のグリッパにより試料容器が把持されるとともに、ロボットハンドによりキャップが把持される。この状態で、グリップ開閉駆動部が回転されることにより、キャップの着脱が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3-226484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、取り扱いの容易さから、スクリューバイアルに代えて、キャップを上から押し込むことにより嵌め込み可能なスナップバイアルが試料容器として使用されることがある。しかしながら、キャップの押し込みの際に、キャップが傾きやすいため、キャップをスナップバイアルに適切に取り付けることは容易ではない。そのため、キャップをスナップバイアルに取り付け可能なキャップ取付装置を開発することが望まれる。
【0006】
本発明の目的は、キャップをスナップバイアルに取り付け可能なキャップ取付装置およびキャッププレートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、第1の高さと、前記第1の高さの下方の第2の高さとの間で昇降可能に設けられ、キャップが保持されたキャッププレートを保持するキャップ保持部と、前記キャップ保持部の下方に設けられ、前記キャップに対応するスナップバイアルが保持されたバイアルプレートが載置されるバイアル載置部と、前記キャップ保持部の上方に設けられ、上下方向に延びるキャップ押込ロッドと、前記キャップ保持部が前記第2の高さにあるときに、前記キャッププレートにより保持された前記キャップを下方に押し込むように前記キャップ押込ロッドを昇降させる駆動部とを備える、キャップ取付装置に関する。
【0008】
本発明の他の態様は、上記のキャップ取付装置で用いられるキャッププレートであって、前記キャップは、前記スナップバイアルに取り付けられるキャップ本体と、前記キャップ本体から下方に延びる筒状のフィルタ部とを含み、前記キャッププレートは、前記キャップ本体が嵌め込まれる第2の開口が形成された本体プレートと、前記フィルタ部の外周面に当接する第3の開口が形成され、前記本体プレートの下部に設けられるフィルタ保持フィルムとを備える、キャッププレートに関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、キャップをスナップバイアルに対して垂直に押し付けることができるので、キャップを適切に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施の形態に係るキャップ取付装置の外観を示す斜視図である。
図2】昇降ユニットの構成を示す側面図である。
図3】キャップ支持ユニットの構成を説明するためのキャップ取付装置の斜視図である。
図4】キャッププレートの構成を示す斜視図である。
図5】キャッププレートおよびバイアルプレートの構成を示す断面図である。
図6】取付状態におけるキャッププレートおよびバイアルプレートを示す断面図である。
図7】キャップ取付装置の動作を説明するための図である。
図8】キャップ取付装置の動作を説明するための図である。
図9】キャップ取付装置の動作を説明するための図である。
図10】キャップ取付装置の動作を説明するための図である。
図11】フィルタ機能を有するキャップを示す側面図である。
図12】本発明の第2の実施の形態に係るキャッププレートを示す断面図である。
図13図12のキャッププレートの組み立ての一例を示す図である。
図14】保持フィルムの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.第1の実施の形態
(1)キャップ取付装置の構成
以下、本発明の実施の形態に係るキャップ取付装置およびキャッププレートについて図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係るキャップ取付装置の外観を示す斜視図である。図1のキャップ取付装置100は、スナップバイアルにキャップを取り付けることが可能である。以下の説明では、キャップ取付装置100がスナップバイアルへのキャップの取り付けを開始する前の状態を待機状態と呼ぶ。また、キャップ取付装置100がスナップバイアル120にキャップ110を取り付ける直前の状態を取付状態と呼ぶ。
【0012】
図1に示すように、キャップ取付装置100は、基台10、駆動部20、昇降ユニット30、キャップ支持ユニット40およびバイアル載置部50を備える。基台10は、キャップ取付装置100の設置面に設けられる。駆動部20は、伸縮可能な駆動アームを有するエアシリンダ等のアクチュエータを含む。駆動部20は、駆動アームを下向きに伸縮可能に基台10の上部に取り付けられる。
【0013】
昇降ユニット30は、昇降可能に基台10に取り付けられる。駆動部20の駆動アームが伸縮することにより、昇降ユニット30が昇降する。キャップ支持ユニット40は、昇降可能に基台10に取り付けられる。キャップ支持ユニット40には、例えば図示しない搬送アームにより複数のキャッププレート200が順次搬入および搬出される。各キャッププレート200には、複数のスナップバイアルにそれぞれ取り付けられる複数のキャップが保持される。各キャップは、円形の外周面を有する。昇降ユニット30およびキャップ支持ユニット40の詳細については後述する。
【0014】
バイアル載置部50は、キャップ支持ユニット40の下方に設けられる。バイアル載置部50には、例えば図示しないベルトコンベアにより複数のバイアルプレート300が順次搬入および搬出される。各バイアルプレート300には、複数のスナップバイアルが保持される。バイアル載置部50においては、搬入された各バイアルプレート300が載置され、複数のスナップバイアルに複数のキャップがそれぞれ取り付けられる。各スナップバイアルは、円形の外周面を有する。バイアル載置部50は、上記のベルトコンベアの一部であってもよい。
【0015】
図2は、昇降ユニット30の構成を示す側面図である。図2に示すように、昇降ユニット30は、支持プレート31,32、複数のバネ部材33、複数のバネ部材34、複数のキャップ押込ロッド35および複数のプレート押込ロッド36を含む。支持プレート31は、昇降可能に図1の基台10に取り付けられる。支持プレート31の上部は、図1の駆動部20の駆動アームに接続される。支持プレート32は、支持プレート31の下方に配置され、複数の連結部材により支持プレート31に連結される。支持プレート31,32を合わせて支持部と呼ぶ。
【0016】
複数のバネ部材33は、複数のキャップ押込ロッド35にそれぞれ対応するように設けられる。複数のバネ部材34は、複数のプレート押込ロッド36にそれぞれ対応するように設けられる。本例では、キャップ取付装置100は、4個のキャップ押込ロッド35および2個のプレート押込ロッド36を有する。したがって、本例では、4個のバネ部材33および2個のバネ部材34が設けられる。各バネ部材33,34は、延びた状態で、対応するキャップ押込ロッド35またはプレート押込ロッド36の上部を支持プレート31,32に支持する。
【0017】
各キャップ押込ロッド35は、例えば円柱形状を有し、上下方向に延びる。本例では、4個のキャップ押込ロッド35が2行2列に配置される。上記のように、各キャップ押込ロッド35の上部は、バネ部材33を介して支持プレート31,32により支持される。各キャップ押込ロッド35の下部は、支持プレート32よりも下方に突出する。
【0018】
本例では、2個のプレート押込ロッド36が、4個のキャップ押込ロッド35のうち対角に位置する2個のキャップ押込ロッド35の間に配置される。各プレート押込ロッド36は、基端部36aおよび先端部36bを含む。各基端部36aは、円柱形状を有し、上下方向に延びる。各基端部36aの上部は、バネ部材34を介して支持プレート31,32により支持される。基端部36aの下部は、支持プレート32よりも下方に突出する。
【0019】
先端部36bは、基端部36aよりも小径の円柱形状を有し、基端部36aの下端面の中央部から下方に延びる。これにより、各プレート押込ロッド36は、支持プレート32よりも下方において、基端部36aと先端部36bとの間に段差部36cを有する。基端部36aは、キャップ押込ロッド35よりも上下方向に長い。したがって、キャップ取付装置100の待機状態においては、基端部36aの下端面、すなわち段差部36cは、キャップ押込ロッド35の下端面よりも下方に位置する。また、各先端部36bの下端部は、下方に向かって連続的に径が小さくなるテーパ面36dを有する。
【0020】
図3は、キャップ支持ユニット40の構成を説明するためのキャップ取付装置100の斜視図である。図3に示すように、キャップ支持ユニット40は、昇降フレーム41、キャップ保持部42、複数の連結ロッド43、複数の昇降プレート44、複数の固定プレート45および複数のバネ部材46を含む。昇降フレーム41は、昇降可能に基台10に取り付けられる。昇降フレーム41の中央部には、昇降ユニット30の下部が通過可能な開口が形成される。
【0021】
キャップ保持部42は、キャッププレート200を保持する。本例では、キャップ保持部42はステージであり、キャップ保持部42の上面にキャッププレート200が載置される。キャップ保持部42の中央部には、載置されたキャッププレート200の下面の一部を露出させる開口が形成される。キャップ保持部42は、昇降フレーム41の下方に配置され、複数(例えば4個)の連結ロッド43により昇降フレーム41に連結される。したがって、キャップ保持部42は、昇降フレーム41と一体的に昇降可能である。
【0022】
複数(本例では2個)の昇降プレート44の各々は、垂直面部44aと水平面部44bとを含み、逆L字形状の断面を有する。本例では、2個の昇降プレート44の垂直面部44aが、昇降フレーム41の両側部にそれぞれ取り付けられる。これにより、複数の昇降プレート44は、昇降フレーム41と一体的に昇降可能である。各昇降プレート44の水平面部44bは、昇降フレーム41から側方に突出する。
【0023】
各固定プレート45は、平板形状を有する。複数の固定プレート45は、複数の昇降プレート44にそれぞれ対応する。各固定プレート45は、対応する昇降プレート44の水平面部44bの下方に配置され、基台10に固定される。各昇降プレート44の水平面部44bと、対応する固定プレート45との間には、バネ部材46が設けられる。バネ部材46は、並列的に複数設けられてもよい。
【0024】
各バネ部材46は、延びた状態で、対応する昇降プレート44を上方に付勢する。これにより、昇降フレーム41およびキャップ保持部42は、複数の昇降プレート44を介して、複数のバネ部材46により上向きの力を常時受ける。キャップ取付装置100の待機状態においては、各昇降プレート44の水平面部44bの上面は、基台10に設けられたメカニカルストッパに当接する。本例では、複数のバネ部材46による荷重の合力は、昇降ユニット30の複数のバネ部材34(図2)による荷重の合力よりも小さい。
【0025】
(2)キャッププレートおよびバイアルプレート
図4は、キャッププレート200の構成を示す斜視図である。図5は、キャッププレート200およびバイアルプレート300の構成を示す断面図である。図4および図5に示すように、キャッププレート200は、所定の厚みを有する略矩形状の本体プレート210を含む。本例では、本体プレート210の厚みは、図2のプレート押込ロッド36の先端部36bの長さよりも大きく、キャップ110の高さよりも大きい。
【0026】
本体プレート210には、厚み方向に貫通する複数の円形の開口211が形成される。開口211が第2の開口の例である。各開口211の径は、キャップ110の径よりもわずかに大きい。複数の開口211は、平面視において、本体プレート210の一対の辺の方向および他の一対の辺の方向に沿って規則的に配列される。複数の開口211のうち、2行2列に配列された各4個の開口211は、図2の4個のキャップ押込ロッド35にそれぞれ対応する。
【0027】
また、本体プレート210の上面には、複数の円形の開口212が形成される。開口212が第1の開口の例である。本例では、上記の各4個の開口211のうち、対角に位置する2個の開口211の間に2個の開口212が形成される。各2個の開口212は、図2の2個のプレート押込ロッド36にそれぞれ対応する。開口212の径は、プレート押込ロッド36の先端部36bの径よりも大きく、基端部36aの径よりも小さい。なお、開口212の深さが先端部36bの長さよりも大きい場合、開口212は貫通孔であってもよいし、有底孔であってもよい。
【0028】
複数の開口211には、複数のキャップ110がそれぞれ嵌め込まれる。これにより、複数のキャップ110が本体プレート210により保持される。本例では、図4の吹き出し内に示すように、各開口211の内周面に、上下方向に延びる複数(本例では3個)のリブ213が略等間隔で設けられる。各キャップ110の外周面が対応する開口211の複数のリブ213に当接することにより、各キャップ110は姿勢を維持した状態で安定的に保持される。
【0029】
また、キャッププレート200は、複数のキャップ110を複数のリブ213とキャップ110の外周面との摩擦力により保持している。摩擦力の大きさは、複数のキャップ110に振動が加わる場合でも、複数のキャップ110をより確実に保持できる大きさである。
【0030】
図5に示すように、バイアルプレート300は、所定の厚みを有するプレートである。バイアルプレート300の上面には、キャッププレート200の複数の開口211にそれぞれ対応する複数の開口301が形成される。各開口301は、有底孔である。各開口301の径は、スナップバイアル120の最大径よりもわずかに大きい。
【0031】
複数の開口301には、複数のスナップバイアル120がそれぞれ嵌め込まれる。これにより、複数のスナップバイアル120がバイアルプレート300により保持される。本例では、各開口301の深さは、スナップバイアル120の高さよりも大きい。そのため、バイアルプレート300により保持された各スナップバイアル120の上部は、バイアルプレート300の上面から上方に突出する。
【0032】
図6は、取付状態におけるキャッププレート200およびバイアルプレート300を示す断面図である。図6に示すように、取付状態においては、キャッププレート200の下面(本体プレート210の下面)と、バイアルプレート300の上面とが接触する。このとき、キャッププレート200により保持された複数のキャップ110は、バイアルプレート300により保持された複数のスナップバイアル120の上方にそれぞれ位置する。この状態で、各キャップ110を上方から押し込むことにより、各スナップバイアル120に対応するキャップ110を取り付けることが可能である。
【0033】
なお、本例では、スナップバイアル120の最大径は、キャップ110の径と略等しい。すなわち、本体プレート210の各開口211の径と、バイアルプレート300の開口301の径とは略等しい。また、本体プレート210の厚みは、キャップ110の高さよりも十分に大きい。
【0034】
この構成によれば、キャップ取付装置100が取付状態にあるときには、各スナップバイアル120の上部は、対応する開口211に進入し、開口211の内周面に取り囲まれる。したがって、各スナップバイアル120がバイアルプレート300から突出する場合でも、キャッププレート200をスナップバイアル120と干渉させることなく、キャッププレート200の下面とバイアルプレート300の上面とを接触させることができる。
【0035】
(3)キャップ取付装置の動作
キャップ取付装置100の動作が開始する前に、キャップ取付装置100の使用者は、キャッププレート200の複数の開口211に複数のキャップ110をそれぞれ嵌め込んで保持させた後、キャッププレート200を所定の位置に載置する。また、キャップ取付装置100の使用者は、バイアルプレート300の複数の開口301に複数のスナップバイアル120をそれぞれ嵌め込んで保持させた後、バイアルプレート300を所定の位置に載置する。
【0036】
図7図10は、キャップ取付装置100の動作を説明するための図である。図7に示すように、キャップ取付装置100は、スナップバイアル120へのキャップ110の取り付けを開始する前には、待機状態にある。このときのキャップ保持部42の高さが第1の高さの例である。図示しない搬送アームは、所定の位置からキャッププレート200をキャップ保持部42に搬送する。これにより、キャップ保持部42にキャッププレート200が載置される。キャップ取付装置100の待機状態においては、キャップ保持部42に載置されたキャッププレート200は、昇降ユニット30の下方にある。
【0037】
また、図示しないベルトコンベアは、所定の位置からバイアルプレート300をバイアル載置部50に搬送する。これにより、バイアル載置部50にバイアルプレート300が載置される。バイアル載置部50に載置されたバイアルプレート300は、キャップ保持部42に載置されたキャッププレート200の下方にある。
【0038】
次に、図1の駆動部20の駆動アームが下方に伸びることにより、昇降ユニット30が下降する。ここで、図2のプレート押込ロッド36の先端部36bの径は、図4のキャッププレート200の開口212よりも小さい。そのため、各プレート押込ロッド36の下方に開口212がある場合には、昇降ユニット30が下降することにより、各先端部36bが、対応する開口212に進入する。
【0039】
また、キャッププレート200と昇降ユニット30との間に微小な位置ずれがあることがある。この場合でも、昇降ユニット30が下降すると、各先端部36bが対応する開口212に進入するようにキャッププレート200の位置がわずかに移動する。このように、プレート押込ロッド36は、キャッププレート200と昇降ユニット30との間の位置合わせに使用することが可能である。
【0040】
本例では、図2に示すように、各先端部36bの下端部はテーパ面36dを有する。この場合、開口212の内周面が先端部36bのテーパ面36dに沿うようにキャッププレート200が移動する。これにより、キャッププレート200と昇降ユニット30との間の位置合わせをより円滑に行うことができる。
【0041】
図2のプレート押込ロッド36の基端部36aの径は、開口212の径よりも大きい。また、開口212の深さは、先端部36bの長さよりも大きい。さらに、プレート押込ロッド36の段差部36cは、キャップ押込ロッド35の下端面よりも下方に位置する。この場合、昇降ユニット30がさらに下降し続けることにより、図8に示すように、プレート押込ロッド36の段差部36cがキャッププレート200の上面に接触する。
【0042】
昇降ユニット30がさらに下降し続けることにより、プレート押込ロッド36の段差部36cがキャッププレート200を介してキャップ保持部42を下方に押し込む。ここで、キャップ支持ユニット40に設けられた複数のバネ部材46による荷重の合力は、複数のプレート押込ロッド36に設けられた図2の複数のバネ部材34による荷重の合力よりも小さい。したがって、キャップ保持部42が下方に押し込まれると、各バネ部材46が縮むことにより、昇降フレーム41、キャップ保持部42および複数の昇降プレート44が一体的に下降する。
【0043】
昇降ユニット30がさらに下降し続けることにより、キャップ保持部42がさらに下降する。この場合、図9に示すように、キャップ保持部42から露出するキャッププレート200の下面の部分が、バイアル載置部50に載置されたバイアルプレート300の上面に接触する。これにより、キャップ取付装置100が取付状態になる。このときのキャップ保持部42の高さが第2の高さの例である。
【0044】
キャップ取付装置100の取付状態においては、キャッププレート200がバイアルプレート300に掛止されることにより、キャッププレート200、昇降フレーム41、キャップ保持部42および複数の昇降プレート44の下降が停止する。そのため、昇降ユニット30が下降し続けると、図2の各バネ部材34が縮むこととなり、各プレート押込ロッド36は、段差部36cがキャッププレート200に接触した状態から下降しない。
【0045】
一方、昇降ユニット30が下降し続けると、図2の各キャップ押込ロッド35は下降し続け、各キャップ押込ロッド35の下端部がキャッププレート200の対応する開口211に進入する。この場合、図10に示すように、各開口211内のキャップ110が対応するキャップ押込ロッド35により上方から押し込まれる。これにより、各キャップ110は、キャッププレート200を下方に通り抜け、バイアルプレート300に保持された対応するスナップバイアル120に取り付けられる。
【0046】
本例では、4個のキャップ110が4個のスナップバイアル120に同時に取り付けられる。スナップバイアル120にキャップ110が取り付けられた後、駆動部20の駆動アームが縮むことにより、昇降ユニット30が上昇する。また、昇降フレーム41、キャップ保持部42および複数の昇降プレート44が、複数のバネ部材46に付勢されることにより上昇する。これにより、キャップ取付装置100が待機状態に戻る。
【0047】
キャッププレート200に保持された他の複数のキャップ110およびバイアルプレート300に保持された他の複数のスナップバイアル120に対して、上記のキャップ取付装置100の動作が繰り返される。これにより、キャッププレート200に保持された全部のキャップ110を対応するスナップバイアル120に取り付けることができる。その後、キャッププレート200が搬送アームによりキャップ保持部42から搬出され、バイアルプレート300がベルトコンベアによりバイアル載置部50から搬出される。
【0048】
(4)効果
本実施の形態に係るキャップ取付装置100においては、待機状態時、すなわちキャップ保持部42が第1の高さにあるときに、キャップ保持部42とバイアル載置部50とが比較的大きく離間する。この場合、キャッププレート200およびバイアルプレート300をキャップ保持部42およびバイアル載置部50と干渉させることなく、キャップ取付装置100に対して容易に搬入および搬出することができる。
【0049】
また、取付状態時、すなわちキャップ保持部42が第2の高さにあるときに、キャップ保持部42とバイアル載置部50とが第1の高さにあるときよりも近接する。この状態で、キャップ押込ロッド35が駆動部20により下降されることにより、キャッププレート200により保持されたキャップ110が下方に押し込まれる。これにより、キャップ110がキャッププレート200から下降し、バイアルプレート300のスナップバイアル120に取り付けられる。
【0050】
この構成によれば、キャッププレート200とバイアルプレート300とが十分に近接する状態で、スナップバイアル120へのキャップ110の取り付けを行うことが可能である。そのため、スナップバイアル120へのキャップ110の取り付け時に、キャップ110の姿勢が大きく崩れることが防止される。その結果、キャップ110をスナップバイアル120に適切に取り付けることができる。
【0051】
本例では、キャップ保持部42は、第2の高さにおいて、保持したキャッププレート200の下面をバイアルプレート300との上面と接触させる。この場合、キャップ110がスナップバイアル120に取り付けられる直前まで、キャップ110がキャッププレート200により保持されることにより、キャップ110の姿勢が維持される。これにより、キャップ110をスナップバイアル120により適切に取り付けることができる。
【0052】
キャップ押込ロッド35の昇降とキャップ保持部42の下降とは、単一の駆動部20により行われる。また、キャップ保持部42は、バネ部材46により上方に付勢される。この構成によれば、キャップ保持部42を容易に第1の高さに維持することができる。また、キャップ保持部42を第1の高さから第2の高さに下降させるためのアクチュエータを別途設ける必要がなく、キャップ保持部42を第2の高さから第1の高さに上昇させるためのアクチュエータを別途設ける必要もない。これにより、キャップ取付装置100のコストを低減させることができる。
【0053】
本例では、支持プレート31,32が駆動部20により昇降されることにより、キャップ押込ロッド35とともにプレート押込ロッド36が昇降される。プレート押込ロッド36の下降時に、キャッププレート200がプレート押込ロッド36により上方から押し込まれることにより、キャップ保持部42が第1の高さから第2の高さに下降される。
【0054】
キャップ保持部42が第2の高さに下降すると、キャッププレート200の下面がバイアルプレート300の上面に接触し、キャッププレート200の下降が停止する。この場合、バネ部材34が縮むことにより、プレート押込ロッド36の下降が停止する一方で、キャップ押込ロッド35の下降が継続する。これにより、簡単な構成で、キャップ押込ロッド35の昇降とキャップ保持部42の下降とを単一の駆動部20により行うことができる。
【0055】
上記のキャッププレート200の押し込みは、プレート押込ロッド36の先端部36bがキャッププレート200の上面の開口212に差し込まれた状態で、プレート押込ロッド36の段差部36cにより行われる。この場合、プレート押込ロッド36は、キャッププレート200とキャップ押込ロッド35との間の位置合わせに用いられる。これにより、キャップ110をスナップバイアル120にさらに適切に取り付けることができる。プレート押込ロッド36の先端部36bは、下端部にテーパ面36dを有するので、キャッププレート200とキャップ押込ロッド35との間の位置合わせをより円滑に行うことができる。
【0056】
2.第2の実施の形態
(1)キャッププレートの構成
キャップ110は、スナップバイアル120に収容された液体成分をろ過するフィルタ機能を有してもよい。図11は、フィルタ機能を有するキャップ110を示す側面図である。図11に示すように、キャップ110は、キャップ本体111およびフィルタ部112を有する。フィルタ部112は、例えば樹脂により形成された円筒部材であり、下方に突出するようにキャップ本体111に設けられる。フィルタ部112の下端部には、ろ過膜113が取り付けられる。
【0057】
フィルタ部112が図5のスナップバイアル120に差し込まれた状態で、キャップ本体111が上方から押し込まれることにより、スナップバイアル120にキャップ本体111が取り付けられる。このとき、スナップバイアル120に収容された液体成分が、ろ過膜113を通過することによりろ過される。ろ過された液体成分は、フィルタ部112内に貯留される。
【0058】
図12は、本発明の第2の実施の形態に係るキャッププレート200を示す断面図である。図12のキャッププレート200は、図11のキャップ110を適切に保持可能に構成される。以下、本実施の形態に係るキャッププレート200について、図5の第1の実施の形態に係るキャッププレート200と異なる点を説明する。
【0059】
図12に示すように、キャッププレート200は、キャップ保持フィルム220およびフィルタ保持フィルム230をさらに含む。キャップ保持フィルム220は、薄くかつ容易に変形可能な材料により形成される。キャップ保持フィルム220は、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂により形成されてもよい。
【0060】
キャップ保持フィルム220は、本体プレート210により保持された複数のキャップ110の下部に配置される。各キャップ110に重なるキャップ保持フィルム220の領域には、円形の複数の開口221がそれぞれ形成される。各開口221の径は、キャップ110の径(キャップ本体111の径)よりも小さい。開口221が第4の開口の例である。この構成によれば、キャップ保持フィルム220の上面のうち各開口221を取り囲む領域に、対応するキャップ110の下端部が当接する。これにより、各キャップ110が安定的に保持される。
【0061】
また、各キャップ110が上方から下方に押し込まれると、キャップ保持フィルム220は、各キャップ110により上方から押圧される。この場合、キャップ保持フィルム220が弾性変形することにより、各開口221が広がる。これにより、各キャップ110は、下方に摺動して、対応する開口221を通過する。その結果、各キャップ110は、本体プレート210を下方に通り抜けることができる。
【0062】
フィルタ保持フィルム230は、キャップ保持フィルム220と同様の材料により形成され、キャップ保持フィルム220の下方に配置される。フィルタ保持フィルム230には、キャップ保持フィルム220の複数の開口221にそれぞれ対応する複数の開口231が形成される。開口231が第3の開口の例である。各開口231の最小径は、キャップ110のフィルタ部112の径と略等しい。
【0063】
キャップ110の下部にフィルタ部112のような構成が設けられている場合、キャップ110がキャッププレート200に傾いて保持されると、フィルタ部112がスナップバイアル120の開口位置から外れることがある。しかしながら、この構成によれば、本体プレート210の各開口211に嵌め込まれたキャップ110のフィルタ部112の外周面が、対応する開口231の内周面に当接する。この場合、キャップ110のフィルタ部112の姿勢を維持した状態で、キャップ110を安定的に保持することができる。これにより、キャップ取付装置100が待機状態から取付状態に遷移する際に、フィルタ部112をスナップバイアル120に適切に差し込むことができる。
【0064】
また、各キャップ110のキャップ本体111が上方から下方に押し込まれると、フィルタ保持フィルム230は、キャップ保持フィルム220の対応する開口221を通過したキャップ本体111により上方から押圧される。この場合、フィルタ保持フィルム230が弾性変形することにより、各開口231が広がる。これにより、各キャップ本体111は、下方に摺動して、対応する開口231を通過する。その結果、各キャップ110は、本体プレート210を下方に通り抜けることができる。
【0065】
図13は、図12のキャッププレート200の組み立ての一例を示す図である。図13に示すように、キャッププレート200は、板金240,250,260をさらに含む。各板金240,250,260には、キャップ保持フィルム220の複数の開口221にそれぞれ対応する複数の開口が形成される。各板金240,250,260の開口の径は、キャップ110のキャップ本体111の径よりも大きい。
【0066】
本体プレート210の下方において、キャップ保持フィルム220、板金240、板金250、フィルタ保持フィルム230および板金260が、上方から下方に向かってこの順で配列される。ここで、板金240と板金250との間には、複数の円筒スペーサ201が配置される。各円筒スペーサ201の内周面には、ネジ溝が形成されている。
【0067】
この状態で、複数のネジ202が、上方から本体プレート210、キャップ保持フィルム220および板金240を通して、複数のネジ202にそれぞれ螺合される。また、複数のネジ203が、下方から板金260、フィルタ保持フィルム230および板金250を通して、複数のネジ202にそれぞれ螺合される。これにより、本体プレート210と板金240とによりキャップ保持フィルム220が狭持される。また、キャップ保持フィルム220の下方において、板金260と板金250とによりフィルタ保持フィルム230が狭持される。
【0068】
図14は、フィルタ保持フィルム230の平面図である。図14に示すように、フィルタ保持フィルム230は矩形状を有する。複数の開口231は、フィルタ保持フィルム230の一対の辺の方向および他の一対の辺の方向に沿って規則的に配列される。本例では、各開口231は、一対の円弧部232、一対の円弧部233および一対の矩形スリット234を含む。
【0069】
一対の円弧部232は、フィルタ保持フィルム230の一対の辺の方向(図14の例では左右方向)に沿って対向する。一対の円弧部232により形成される仮想的な円の径(上記の開口221の最小径)は、キャップ110のフィルタ部112の径と略等しい。一対の円弧部233は、フィルタ保持フィルム230の他の一対の辺の方向(図14の例では上下方向)に沿って対向する。一対の円弧部233により形成される仮想的な円の径は、キャップ110のフィルタ部112の径よりも大きく、例えばキャップ110のキャップ本体111の径と略等しい。
【0070】
一対の矩形スリット234は、一対の円弧部232が対向する方向に延びる。一方の矩形スリット234は、一対の円弧部232の一端部と、一方の円弧部233とを接続する。他方の矩形スリット234は、一対の円弧部232の他端部と、他方の円弧部233とを接続する。
【0071】
(2)効果
本実施の形態に係るキャッププレート200においては、キャップ110のキャップ本体111が本体プレート210により保持されるとともに、キャップ110のフィルタ部112がフィルタ保持フィルム230により保持される。この場合、キャップ110が安定的に保持されるため、キャップ保持部42が第1の高さから第2の高さに下降したときに、フィルタ部112をスナップバイアル120に確実に差し込むことが可能になる。これにより、キャップ110がフィルタ部112を含む場合でも、キャップ110をスナップバイアル120に適切に取り付けることができる。
【0072】
具体的には、フィルタ保持フィルム230の各開口231の一対の円弧部232がキャップ110のフィルタ部112に当接することにより、フィルタ部112を保持することができる。また、各開口231は、大きい径を有する一対の円弧部233を含むので、フィルタ保持フィルム230が押圧されたときには、キャップ110のキャップ本体111と同程度まで容易に広がる。これにより、各キャップ110を下方に通過させることができる。
【0073】
本体プレート210の開口211の内周面には、キャップ本体111の外周面と当接するリブ213が設けられる。また、フィルタ保持フィルム230の上方には、キャップ本体111の径よりも小さい径を有する開口221が形成されキャップ保持フィルム220がさらに設けられる。開口221は、キャップ本体111の下方に位置する。これらの場合、キャップ110をより確実に保持することができる。
【0074】
3.他の実施の形態
(1)上記実施の形態において、プレート押込ロッド36の先端部36bはテーパ面36dを有するが、実施の形態はこれに限定されない。先端部36bは、テーパ面36dを有しなくてもよい。また、プレート押込ロッド36をキャッププレート200と昇降ユニット30との間の位置合わせに使用しない場合には、プレート押込ロッド36は、基端部36aを有すればよく、先端部36bを有しなくてもよい。また、キャッププレート200の本体プレート210の上面には、開口212が形成されなくてもよい。
【0075】
(2)上記実施の形態において、キャップ押込ロッド35の昇降とキャップ保持部42の下降とが単一の駆動部20により行われるが、実施の形態はこれに限定されない。キャップ保持部42の下降が、駆動部20とは別個のアクチュエータにより行われてもよい。この場合、昇降ユニット30は、プレート押込ロッド36を含まなくてもよい。また、キャップ保持部42は、第2の高さにおいて、保持したキャッププレート200の下面をバイアルプレート300の上面と接触させなくてもよい。
【0076】
また、キャップ保持部42を第2の高さから第1の高さに上昇させるアクチュエータが別個に設けられてもよい。この場合、キャップ支持ユニット40は、バネ部材46を含まなくてもよい。また、基台10には、キャップ保持部42を第1の高さで停止させるためのメカニカルストッパが設けられなくてもよい。
【0077】
(3)上記実施の形態において、キャッププレート200はキャップ保持フィルム220を含むが、実施の形態はこれに限定されない。本体プレート210が安定的にキャップ110を保持可能である場合には、キャッププレート200はキャップ保持フィルム220を含まなくてもよい。
【0078】
また、本体プレート210の開口211の内周面にリブ213が形成されるが、実施の形態はこれに限定されない。本体プレート210の開口211内に安定的にキャップ110が保持される場合には、開口211の内周面にリブ213が形成されなくてもよい。
【0079】
4.態様
上記の複数の例示的な実施の形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0080】
(第1項)一態様に係るキャップ取付装置は、
第1の高さと、前記第1の高さの下方の第2の高さとの間で昇降可能に設けられ、キャップが保持されたキャッププレートを保持するキャップ保持部と、
前記キャップ保持部の下方に設けられ、前記キャップに対応するスナップバイアルが保持されたバイアルプレートが載置されるバイアル載置部と、
前記キャップ保持部の上方に設けられ、上下方向に延びるキャップ押込ロッドと、
前記キャップ保持部が前記第2の高さにあるときに、前記キャッププレートにより保持された前記キャップを下方に押し込むように前記キャップ押込ロッドを昇降させる駆動部とを備えてもよい。
【0081】
このキャップ取付装置においては、キャップ保持部が第1の高さにあるときに、キャップ保持部とバイアル載置部とが比較的大きく離間する。この場合、キャッププレートおよびバイアルプレートをキャップ保持部およびバイアル載置部と干渉させることなく、キャップ取付装置に対して容易に搬入および搬出することができる。
【0082】
また、キャップ保持部が第2の高さにあるときに、キャップ保持部とバイアル載置部とが第1の高さにあるときよりも近接する。この状態で、キャップ押込ロッドが駆動部により下降されることにより、キャッププレートにより保持されたキャップが下方に押し込まれる。これにより、キャップがキャッププレートから下降し、バイアルプレートのスナップバイアルに取り付けられる。
【0083】
この構成によれば、キャッププレートとバイアルプレートとが十分に近接する状態で、スナップバイアルへのキャップの取り付けを行うことが可能である。そのため、スナップバイアルへのキャップの取り付け時に、キャップの姿勢が大きく崩れることが防止される。その結果、キャップをスナップバイアルに適切に取り付けることができる。
【0084】
(第2項)第1項に記載のキャップ取付装置において、
前記キャップ保持部は、前記第2の高さにおいて、保持した前記キャッププレートの下面を前記バイアルプレートとの上面と接触させてもよい。
【0085】
この場合、キャップがスナップバイアルに取り付けられる直前まで、キャップがキャッププレートにより保持されることにより、キャップの姿勢が維持される。これにより、キャップをスナップバイアルにより適切に取り付けることができる。
【0086】
(第3項)第2項に記載のキャップ取付装置において、
前記駆動部は、前記キャップ押込ロッドを昇降させるとともに、前記キャップ保持部を前記第1の高さから前記第2の高さに下降させてもよい。
【0087】
この場合、キャップ押込ロッドの昇降とキャップ保持部の下降とが単一の駆動部により行われる。キャップ保持部を第1の高さから第2の高さに下降させるためのアクチュエータを別途設ける必要がない。これにより、キャップ取付装置のコストを低減させることができる。
【0088】
(第4項)第3項に記載のキャップ取付装置は、
上下方向に延びるプレート押込ロッドと、
前記キャップ押込ロッドおよび前記プレート押込ロッドを支持する支持部と、
前記プレート押込ロッドと前記支持部との間に設けられる第1のバネ部材とをさらに備え、
前記駆動部は、前記支持部を昇降させることにより前記キャップ押込ロッドとともに前記プレート押込ロッドを昇降させ、
前記プレート押込ロッドは、前記キャッププレートを上方から押し込むことにより前記キャップ保持部を前記第1の高さから前記第2の高さに下降させてもよい。
【0089】
この場合、簡単な構成で、キャップ押込ロッドの昇降とキャップ保持部の下降とを単一の駆動部により行うことができる。
【0090】
(第5項)第4項に記載のキャップ取付装置において、
前記プレート押込ロッドは、上下方向に延びる基端部と、前記基端部から下方に延びる先端部と、前記基端部と前記先端部との間に設けられた段差部とを含み、
前記キャッププレートは、上面に前記プレート押込ロッドの前記先端部を差し込み可能な第1の開口を有してもよい。
【0091】
この場合、プレート押込ロッドをキャッププレートとキャップ押込ロッドとの間の位置合わせに用いることができる。これにより、キャップをスナップバイアルにさらに適切に取り付けることができる。
【0092】
(第6項)第5項に記載のキャップ取付装置において、
前記プレート押込ロッドの前記先端部は、下方に向かって連続的に径が小さくなるテーパ面を下端部に有してもよい。
【0093】
この場合、キャッププレートとキャップ押込ロッドとの間の位置合わせをより円滑に行うことができる。
【0094】
(第7項)第1項~第6項のいずれか一項に記載のキャップ取付装置は、
前記キャップ保持部を上方に付勢する第2のバネ部材をさらに備えてもよい。
【0095】
この場合、キャップ保持部を容易に第1の高さに維持することができる。また、キャップ保持部を第2の高さから第1の高さに上昇させるためのアクチュエータを別途設ける必要がない。これにより、キャップ取付装置のコストを低減させることができる。
【0096】
(第8項)他の態様に係るキャッププレートは、
請求項1~6項のいずれか一項に記載のキャップ取付装置で用いられるキャッププレートであって、
前記キャップは、前記スナップバイアルに取り付けられるキャップ本体と、前記キャップ本体から下方に延びる筒状のフィルタ部とを含み、
前記キャッププレートは、
前記キャップ本体が嵌め込まれる第2の開口が形成された本体プレートと、
前記フィルタ部の外周面に当接する第3の開口が形成され、前記本体プレートに設けられるフィルタ保持フィルムとを備えてもよい。
【0097】
このキャッププレートにおいては、キャップのキャップ本体が本体プレートにより保持されるとともに、キャップのフィルタ部がフィルタ保持フィルムにより保持される。この場合、キャップが安定的に保持されるため、キャップ保持部が第1の高さから第2の高さに下降したときに、フィルタ部をスナップバイアルに確実に差し込むことが可能になる。これにより、キャップがフィルタ部を含む場合でも、キャップをスナップバイアルに適切に取り付けることができる。
【0098】
(第9項)第8項に記載のキャッププレートは、
前記第2の開口の内周面に設けられ、前記キャップ本体の外周面と当接するリブをさらに備えてもよい。
【0099】
この場合、キャップをより確実に保持することができる。
【0100】
(第10項)第8項または第9項に記載のキャッププレートは、
前記キャップ本体の径よりも小さい径を有する第4の開口が形成され、前記第4の開口が前記キャップ本体の下方に位置するように前記フィルタ保持フィルムの上方に設けられるキャップ保持フィルムをさらに備えてもよい。
【0101】
この場合、キャップをより確実に保持することができる。
【符号の説明】
【0102】
10…基台,20…駆動部,30…昇降ユニット,31,32…支持プレート,33,34,46…バネ部材,35…キャップ押込ロッド,36…プレート押込ロッド,36a…基端部,36b…先端部,36c…段差部,36d…テーパ面,40…キャップ支持ユニット,41…昇降フレーム,42…キャップ保持部,43…連結ロッド,44…昇降プレート,44a…垂直面部,44b…水平面部,45…固定プレート,50…バイアル載置部,100…キャップ取付装置,110…キャップ,111…キャップ本体,112…フィルタ部,113…ろ過膜,120…スナップバイアル,200…キャッププレート,201…円筒スペーサ,202,203…ネジ,210…本体プレート,211,212,221,231,301…開口,213…リブ,220…キャップ保持フィルム,230…フィルタ保持フィルム,232,233…円弧部,234…矩形スリット,240,250,260…板金,300…バイアルプレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14