(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103406
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】改装建具及び改装建具の施工方法
(51)【国際特許分類】
E06B 1/56 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
E06B1/56 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007703
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】金 知晃
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011JA01
2E011JA02
2E011KA01
2E011KB03
2E011KB04
2E011KC02
2E011KC03
2E011KC04
2E011KC09
2E011KD14
2E011KE03
2E011KE06
2E011KE10
2E011KF01
2E011KG04
2E011KH00
(57)【要約】
【課題】既設枠の内周側の複数の開口に新設枠を取り付ける際の改装作業を簡略化することができる改装建具を提供する。
【解決手段】建物躯体の開口部に取り付けられる既設枠と、既設枠の内周側に取り付けられる新設枠と、を有し、新設枠は、既設枠の内周側を複数の開口に分割する複数の分割枠と、複数の分割枠を連結する枠連結部材と、を含んで構成され、枠連結部材は、複数の分割枠に対して室内側から取り付けられて複数の分割枠を連結している、改装建具である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物躯体の開口部に取り付けられる既設枠と、
前記既設枠の内周側に取り付けられる新設枠と、を有し、
前記新設枠は、前記既設枠の内周側を複数の開口に分割する複数の分割枠と、前記複数の分割枠を連結する枠連結部材と、を含んで構成され、
前記枠連結部材は、前記複数の分割枠に対して室内側から取り付けられて前記複数の分割枠を連結している、改装建具。
【請求項2】
前記枠連結部材は、室内側の端部に、前記複数の分割枠の一方の前記分割枠の室内側の端面に対して、室内側から当接して固定する第1の固定部と、前記複数の分割枠の他方の前記分割枠の室内側の端面に対して、室内側から当接して固定する第2の固定部と、を有する、請求項1に記載の改装建具。
【請求項3】
前記新設枠は、それぞれ四方組みされた前記複数の分割枠が前記枠連結部材によって連結されてユニット化された状態で、前記既設枠の内周側に取り付けられている、請求項2に記載の改装建具。
【請求項4】
建物躯体の開口部に取り付けられる既設枠の内周側に新設枠を取り付ける改装建具の施工方法であって、
前記新設枠は、前記既設枠の内周側を複数の開口に分割する複数の分割枠と、前記複数の分割枠を連結する枠連結部材と、を含んで構成され、
それぞれ四方組みした前記複数の分割枠を並べた状態で、前記複数の分割枠の間に、前記新設枠の室内側となる側から前記枠連結部材を挿入することによって、前記複数の分割枠が前記枠連結部材によって連結されてユニット化された前記新設枠を形成し、
ユニット化された前記新設枠を、前記既設枠の内周側に取り付ける、改装建具の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改装建具及び改装建具の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既設枠の内周側に新設枠を取り付けることによって、窓を改装することが行われている。例えば、室内に既設枠の開口よりも小さな窓開口を有する浴室ユニットを新設する場合には、改装時に、浴室ユニットの窓開口の大きさに合わせて、既設枠の開口よりも小さな開口を有する新設枠を取り付ける必要がある。この場合、既設枠の内周側は、浴室ユニットの窓開口の大きさに合わせた大きさの開口を含む複数の開口に分割される。
【0003】
従来、既設枠の内周側を複数の開口に分割した改装建具が知られている(例えば、特許文献1参照)。この改装建具は、分割された複数の開口のそれぞれに、既設枠に接合するための接合部材を介して、改装用のサッシを取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の改装建具では、既設枠に新設枠を取り付ける前に、中間部材である接合部材を既設枠に固定しておく必要がある。既設枠の内周側の複数の開口のそれぞれに新設枠を取り付けるためには、複数の開口にそれぞれ接合部材を固定する煩雑な作業が要求される。そのため、発明者は、既設枠の内周側を複数の開口に分割する際の改装作業を簡略化できるようにする、という課題を見出した。
【0006】
本開示は、既設枠の内周側を複数の開口に分割する際の改装作業を簡略化することができる改装建具及び改装建具の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、建物躯体の開口部に取り付けられる既設枠と、前記既設枠の内周側に取り付けられる新設枠と、を有し、前記新設枠は、前記既設枠の内周側を複数の開口に分割する複数の分割枠と、前記複数の分割枠を連結する枠連結部材と、を含んで構成され、前記枠連結部材は、前記複数の分割枠に対して室内側から取り付けられて前記複数の分割枠を連結している、改装建具に関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る改装建具を室外側から見た正面図である。
【
図2】一実施形態に係る改装建具の縦断面図である。
【
図4】
図2に示す改装建具の上側の分割枠の上枠部分を拡大して示す縦断面図である。
【
図5】
図2に示す改装建具の無目部分を拡大して示す縦断面図である。
【
図6】
図2に示す改装建具の下側の分割枠の下枠部分を拡大して示す縦断面図である。
【
図7】
図3に示す改装建具の左側の縦枠部分を拡大して示す横断面図である。
【
図8】
図3に示す改装建具の右側の縦枠部分を拡大して示す横断面図である。
【
図9】上下の分割枠を無目で連結する様子を説明する図である。
【
図10】上側の分割枠の新設下枠と下側の分割枠の新設上枠とに無目を取り付ける様子を説明する図である。
【
図11】上下の分割枠を無目で連結してなる新設枠を既設枠に取り付ける様子を説明する図である。
【
図12】他の実施形態に係る改装建具の縦断面図である。
【
図13】さらに他の実施形態に係る改装建具の横断面図である。
【
図14】既設下枠の他の実施形態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。本実施形態に係る改装建具1は、既設枠2が建物躯体100の開口部に取り付けられた状態で、既設枠2の内周側の複数の開口のそれぞれに、後述の新設枠を取り付けるリフォーム用の改装建具である。
【0010】
本明細書において、見込み方向とは、改装建具1における室内外方向に沿う方向である。見付け方向とは、改装建具1における面材の面方向に沿う方向であり、見込み方向に対して直交する方向である。図面において、改装建具1の室外側を「室外側X1」とし、改装建具1の室内側を「室内側X2」とする。改装建具1を正面視したときの横方向を「左右」とする。改装建具1を正面視したときの改装建具1の中央部に向かう方向を「内方」とし、改装建具1の中央部から離れる方向を「外方」とする。
【0011】
本実施形態に示す改装建具1は、木質系の建物躯体100の開口部における上下左右の四周に亘って取り付けられる既設枠2の内周側を、複数の開口に分割する新設枠3を有する改装サッシである。新設枠3は、既設枠2の内周側に納められる。新設枠3は、既設枠2の内周側を上下2つの開口に分割する2つの分割枠4,5と、2つの分割枠4,5を連結する無目6と、を有して構成される。無目6の上側に配置される分割枠4は、障子401,402及び網戸403を備える引き違い窓によって構成される。無目6の下側に配置される分割枠5は、目隠し用のパネル板501を備えるFIX窓によって構成される。
【0012】
分割枠4に納められる障子401,402は、分割枠4の左右方向にスライド移動可能に納められる。
図1に示すように、室内側X2に配置される障子401には、クレセント錠404が取り付けられている。
図1において、網戸403は図示を省略している。
【0013】
既設枠2は、建物躯体100の開口部における上下左右の四周に亘って取り付けられる。既設枠2は、
図2及び
図3に示すように、既設上枠21、既設下枠22及び左右一対の既設縦枠23の4つの枠部材を矩形に四方組みすることによって形成される。既設枠2は、改装前の建物躯体100の開口部の内側に取り付けられている。既設上枠21、既設下枠22及び左右一対の既設縦枠23は、それぞれアルミニウム等の金属製もしくは塩化ビニル等の樹脂製の押出形材からなる。既設枠2の室内側X2には額縁部材101が配置される。額縁部材101は、建物躯体100の開口部の内周面における既設枠2の室内側X2に配置され、上下左右の四周に亘って取り付けられている。四方組みされた既設枠2と建物躯体100の室外側X1に設けられる外壁材102との隙間は、バックアップ材103及びシーリング材104によって四周に亘って目止めされている。
【0014】
既設上枠21は、
図2及び
図4に示すように、建物躯体100の開口部の上部に配置され、開口部における室外側X1に片寄った位置に固定されている。既設上枠21は、それぞれ下方に向けて突出する既設障子用の一対のガイドレール211a、211bと、既設網戸用のガイドレール211cと、最も室内側X2に配置される室内側壁部211dと、を有する。既設上枠21の室内側壁部211dの下端は、上枠側の額縁部材101の内周面101aと略同一の高さに配置される。上枠側の額縁部材101は、室内側壁部211dに当接し、室内側壁部211dから室内側X2に向けて延びている。
【0015】
既設下枠22は、
図2及び
図6に示すように、建物躯体100の開口部の下部に配置され、開口部における室外側X1に片寄った位置に固定されている。既設下枠22は、それぞれ上方に向けて突出する既設障子用の一対のガイドレール221a、221bと、既設網戸用のガイドレール221cと、最も室内側X2に配置される室内側壁部221dと、を有する。既設下枠22の室内側壁部221dの上端は、下枠側の額縁部材101の内周面101aと略同一の高さに配置される。既設下枠22の上面22aの高さは、最も室内側X2のガイドレール221aから最も室外側X1のガイドレール221cにかけて、次第に低くなるように階段状に形成されている。既設下枠22の室内側X2のガイドレール221a及び室内側壁部221dの上端は、下枠側の額縁部材101の内周面101aと略同一の高さに配置される。下枠側の額縁部材101は、既設下枠22の室内側壁部221dに当接し、室内側壁部221dから室内側X2に向けて延びている。
【0016】
既設縦枠23は、
図3、
図7及び
図8に示すように、建物躯体100の開口部の左右の縦部に配置され、開口部における室外側X1に片寄った位置に固定されている。既設縦枠23は、室外側壁部231aと、室内側壁部231bと、を有する。室外側壁部231aは、既設縦枠23の最も室外側X1に配置され、外方に向けて屈曲している。室内側壁部231bは、既設縦枠23の最も室内側X2に配置され、内方に向けて屈曲している。既設縦枠23の室内側壁部231bの内端は、縦枠側の額縁部材101の内周面101aと略同一の高さに配置される。縦枠側の額縁部材101は、室内側壁部231bに当接し、室内側壁部231bから室内側X2に向けて延びている。
【0017】
次に、新設枠3について説明する。
【0018】
新設枠3は、既設枠2の内周側の形状に対応するように、専用に形成された専用枠である。新設枠3は、
図1及び
図2に示すように、上下2つの分割枠4,5と、無目6と、を有して構成される。2つの分割枠4,5は、既設枠2の内周側を、無目6を境に2つの開口に分割する。無目6は、2つの分割枠4,5の間に配置され、分割枠4,5を一体に連結して新設枠3をユニット化する枠連結部材である。
【0019】
次に、無目6の上側に配置される分割枠4の新設上枠41、新設下枠42及び左右一対の新設縦枠43の構成について、個別に説明する。
【0020】
まず、分割枠4の新設上枠41について説明する。
【0021】
新設上枠41は、アルミニウム等の金属材によって長さ方向に押出し成形された押出形材からなる。新設上枠41は、
図4に示すように、見込み方向に沿って配置される断面略矩形の第1中空部411及び第2中空部412を有する。第1中空部411と第2中空部412との間は、仕切り壁413によって仕切られている。第1中空部411及び第2中空部412に亘る上面41aは、新設上枠41の見込み方向に延びる平坦面である。
【0022】
新設上枠41は、分割枠4の内側に納められる2枚の障子401,402用の一対のガイドレール414a,414bと、新設枠3の最も室外側X1に納められる網戸403用のガイドレール414cと、を有する。ガイドレール414a,414b,414cは、新設上枠41の長さ方向の全長に亘って延びている。
【0023】
新設上枠41は、上面41aよりも低い位置で室外側X1に向けて延びる室外側延出部414を一体に有する。新設上枠41が既設上枠21の内周側に取り付けられた状態において、室外側延出部414は、新設上枠41の上面で最も低い部位である。室外側延出部414は、新設上枠41の室外側X1の端部に配置される。具体的には、室外側延出部414は、ガイドレール414bとガイドレール414cとの間に配置される。室外側延出部414は、新設上枠41の上面に浸入した雨水を室内側X2に流入させることなく、左右方向に流す排水溝でもある。
【0024】
新設上枠41の最も室外側X1の端部における室外側延出部414の上面側には、室内側X2に向けて開放する形状の係止溝415が形成される。係止溝415は、分割枠4を新設上枠41において後述する無目6と接続する場合に利用される。
【0025】
新設上枠41の最も室外側X1の部位には、見付け方向の上方に向けて延びる室外側壁部416が一体に設けられる。室外側壁部416は、第1中空部411及び第2中空部412に亘る上面41aよりもさらに上方に突出し、既設上枠21の最も室外側X1のガイドレール211cに対して、室外側X1から重なるように配置されている。
【0026】
室外側壁部416の下端部には、室外側X1に向けて突出する上下一対の突片4161が突設されている。一対の突片4161は、室外側壁部416の長さ方向の全長に亘って延びている。一対の突片4161には、
図1に示すように、アルミニウム等の金属材からなる横長矩形の化粧材11が取り付けられている。化粧材11は、新設上枠41の長さ方向の全長に亘って延びている。化粧材11の下端部には、室外側壁部416の一対の突片4161に係合可能な一対の係合片111が室内側X2に向けて突設されている。化粧材11は、一対の係合片111が室外側壁部416の一対の突片4161の内側に室外側X1から嵌合することによって、室外側壁部416に対して着脱可能に取り付けられている。化粧材11は、室外側壁部416を覆うとともに、既設上枠21よりも見付け方向の上方に延出し、新設枠3の上側の室外側X1の見付け面を形成している。化粧材11は、既設上枠21の室外側X1の見付け面及び既設上枠21と外壁材102との間に露出するシーリング材104を室外側X1から覆い隠している。
【0027】
新設上枠41の上面41aの室外側X1の部位には、弾性を有するヒレ部材417が設けられる。ヒレ部材417は、既設上枠21のガイドレール211bに近接するように、新設上枠41の上面41aから上方に向けて突出している。新設上枠41において、室外側壁部416と既設上枠21のガイドレール211cとの間から雨水が浸入しても、室外側延出部414を左右方向に流れて新設縦枠43の外周側に排水され、室内側X2への浸入は抑制される。仮に大量の雨水が室外側延出部414に浸入しても、ヒレ部材417によって室内側X2への浸入が阻止される。ヒレ部材417は弾性を有するため、新設上枠41が既設上枠21の内周側に配置される際に既設上枠21等と接触しても、弾性的に撓むことができ、損傷のおそれがない。
【0028】
新設上枠41の最も室内側X2の部位には、新設上枠41を建物躯体100に固定するための取付部418が一体に設けられる。取付部418は、新設上枠41の上面41aと平行に配置され、新設上枠41の室内側X2の端面41bの上部から室内側X2に向けて板状に延出している。
【0029】
取付部418の上面418aには、新設上枠41の長さ方向に延びる少なくとも一対の突条部4181が設けられる。一対の突条部4181は、取付部418の上面418aから僅かに上方に突出し、見込み方向に所定の間隔をあけて平行に配置される。取付部418の上面418aの位置は、新設上枠41の上面41aの位置よりも僅かに下方に配置される。一対の突条部4181は、取付部418の上面418aから、新設上枠41の上面41aの位置に略等しい高さまで突出している。
【0030】
新設上枠41の一対のガイドレール414a,414bの間には、樹脂製もしくは木質由来材料製のレール間カバー4114が取り付けられる。レール間カバー4114は、新設上枠41におけるガイドレール414a,414bの間を実質的に遮蔽するように配置される。レール間カバー4114は、既設上枠21側から新設上枠41に伝わる外気温度が、新設上枠41の内周側に伝達されることを抑制する。
【0031】
図4に示すように、新設上枠41の第2中空部412の室内側X2の端部には、樹脂製もしくは木質由来材料製のアングル部材419が取り付けられている。アングル部材419は、室内側X2に向けて延びるアングル部419aと、アングル部419aの室外側X1の端部から上方に延びる立壁部419bと、を有する。立壁部419bは、第2中空部412の室内側X2の端面41bが下方に延長するように突設される突出部41dの下端に係合している。立壁部419bは、突出部412dに連続して該突出部412dを下方にさらに延長するように配置される。アングル部419aは、立壁部419bの下端部から室内側X2に向けて延びている。アングル部419aは、ガイドレール414a,414bの下端の位置と略等しい位置に配置されている。
【0032】
アングル部材419の室外側X1には、樹脂製もしくは木質由来材料製のカバー材4191が一体に設けられている。カバー材4191は、アングル部材419の立壁部419bの上端から、第2中空部412の下面412cに沿って室外側X1に向けて延びるとともに、ガイドレール414aの室内側X2の側面414a1に沿って設けられている。カバー材4191は、ねじ419cによって第2中空部412の下面412cに固定されている。カバー材4191は、新設上枠41の第2中空部412の温度が、新設上枠41の内周側に伝達されることを抑制する。アングル部材419は、突出部41dに対応する部位で、カバー材4191と分離して設けられていてもよい。
【0033】
次に、分割枠4の新設下枠42について説明する。
【0034】
新設下枠42は、アルミニウム等の金属材によって長さ方向に押出し成形された押出形材からなる。新設下枠42は、
図5に示すように、見込み方向に沿って配置される断面略矩形の第1中空部421及び第2中空部422を有する。第1中空部421と第2中空部422との間は、仕切り壁423によって仕切られている。
【0035】
新設下枠42は、新設上枠41のガイドレール414a,414b,414cに対応してそれぞれ上方に突出するガイドレール424a,424b,424cを有する。ガイドレール424a,424b,424cは、新設下枠42の長さ方向の全長に亘って延びている。
【0036】
図5に示すように、第1中空部421は、無目6及び既設下枠22の形状に沿うように下方に向けて膨出する形状を有する。第1中空部421の下面421bは、室内側X2から室外側X1に向かうに従って段階的に高さが低くなる無目6及び既設下枠22のガイドレール221a,221b,221cの高さの変化に沿っている。第1中空部421の下面421bは、室内側X2から室外側X1に向かうに従って段階的に下方に突出するように形成されている。
【0037】
新設下枠42の室外側X1の部位には、高さ調整部材424が取り付けられる。但し、分割枠4の新設下枠42において、この高さ調整部材424は使用されない部品である。
【0038】
新設下枠42の室外側X1の端面42cには、室外側X1に向けて突出する上下一対の突片4211が突設されている。一対の突片4211には、
図1に示すように、アルミニウム等の金属材からなる横長矩形の化粧材12が取り付けられている。化粧材12は、新設下枠42の長さ方向の全長に亘って延びている。化粧材12の上端部には、新設下枠42の一対の突片4211に係合可能な一対の係合片121が室内側X2に向けて突設されている。化粧材12は、一対の係合片121が新設下枠42の一対の突片4211の内側に室外側X1から嵌合することによって、新設下枠42に対して着脱可能に取り付けられている。化粧材12は、高さ調整部材424を覆うとともに、新設下枠42よりも見付け方向の下方に延出し、新設枠3の分割枠4と分割枠5との間の室外側X1の見付け面を形成している。化粧材12は、新設下枠42の下面側に取り付けられる無目6及びその無目6の下面側に取り付けられる分割枠5の新設上枠51を室外側X1から覆い隠している。
【0039】
新設下枠42の第1中空部421の下面421bにおける室外側X1の端部には、室内側X2に向けて屈曲する形状の係止突部4212が形成されている。新設下枠42は、後述する無目6の係止溝614に対して係止突部4212を室外側X1から挿入することによって、無目6と係合している。
【0040】
新設下枠42の一対のガイドレール424a,424bの間には、樹脂製もしくは木質由来材料製のレール間カバー4213が取り付けられる。レール間カバー4213は、一対のガイドレール424a,424b間の新設下枠42の上面を覆っている。レール間カバー4213は、既設下枠22側から新設下枠42に伝わる外気温度が、新設下枠42の内周側に伝達されることを抑制する。
【0041】
図5に示すように、新設下枠42の室内側X2の端部には、樹脂製もしくは木質由来材料製のアングル部材425が取り付けられている。アングル部材425は、新設下枠42中空部422の室内側X2の端面42bよりも室内側X2に向けて延びるアングル部425aと、アングル部425aの室外側X1の端部から下方に延びる立壁部425bと、を有する。立壁部425bは、第2中空部422の室内側X2の端面42bが上方に延長するように突設される突出部42dに室外側X1から重なるように配置され、突出部42dの上端に係合している。アングル部425aは、突出部42dの上端から室内側X2に向けて延びている。アングル部425aは、ガイドレール424a,424bの上端の位置と略等しい位置に配置されている。アングル部材425は、アングル部425aを貫通するねじ425cによって、後述する無目6の室内側X2に取り付けられる化粧材15の上部固定片152に取り付けられている。
【0042】
アングル部材425の室外側X1には、樹脂製もしくは木質由来材料製のカバー材4251が一体に設けられている。カバー材4251は、アングル部材425の立壁部425bから第2中空部422の上面422aに沿って設けられている。カバー材4251は、新設下枠42の温度が、新設下枠42の内周側に伝達されることを抑制する。アングル部材425は、突出部42dに対応する部位で、カバー材4251と分離して設けられていてもよい。
【0043】
次に、分割枠4の新設縦枠43について説明する。左右の新設縦枠43は、左右対称に配置される以外、実質的に同一の構成を有する。そのため、左右の新設縦枠43の共通する構成の部位については、同一の符号を用いて共通に説明する。
【0044】
新設縦枠43は、アルミニウム等の金属材によって長さ方向に押出し成形された押出形材からなる。新設縦枠43は、
図7及び
図8に示すように、見込み方向に沿って配置される断面略矩形の第1中空部431及び第2中空部432を有する。第1中空部431と第2中空部432との間は、仕切り壁433によって仕切られている。第1中空部431及び第2中空部432に亘る外側面43aは、新設縦枠43の見込み方向に延びる平坦面である。
【0045】
図7に示すように、室外側X1から見て左側の新設縦枠43の内側面43bにおける第2中空部432に対応する部位には、見付け方向の内方に向けて突出する突出片4321が一体に設けられている。突出片4321は、室内側X2の障子401が閉鎖状態にあるときに、該障子401の戸先側の縦框4013と係合する。
図8に示すように、室外側X1から見て右側の新設縦枠43の内側面43bにおける第1中空部431に対応する部位には、見付け方向の内方に向けて突出する突出片4311が一体に設けられている。突出片4311は、室外側X1の障子402が閉鎖状態にあるときに、該障子402の戸先側の縦框4023と係合する。新設縦枠43の内側面43bにおける第1中空部431に対応する部位には、網戸403の縦框4031と係合する突出片4312が一体に設けられている。
【0046】
新設縦枠43の室外側X1の端部には、見付け方向の外方に向けて延びる室外側壁部434が一体に設けられる。室外側壁部434は、新設縦枠43の外側面43aよりもさらに見付け方向の外方に突出し、既設縦枠23の最も室外側X1に配置される室外側壁部231aに対して、室外側X1から重なるように配置されている。室外側壁部434の外端は、シーリング材104を室外側X1から覆う程度まで延びている。新設縦枠43の室外側X1の端面には、室外側X1に向けて突出する左右一対の突片4313が突設されている。
【0047】
一対の突片4313は、新設縦枠43の長さ方向の全長に亘って延びている。一対の突片4313には、
図1に示すように、アルミニウム等の金属材からなる縦長矩形の化粧材13が取り付けられている。化粧材13は、新設枠3の上下の長さ方向の全長に亘って延びている。すなわち、化粧材13は、無目6を挟んで上下に配置される分割枠4及び分割枠5のそれぞれの新設縦枠に亘って延びている。化粧材13の内端部には、新設縦枠43の一対の突片4313に係合可能な一対の係合片131が突設されている。化粧材13は、一対の係合片131が新設縦枠43の一対の突片4313の内側に室外側X1から嵌合することによって、新設縦枠43に対して着脱可能に取り付けられている。化粧材13は、新設縦枠43を覆うとともに、既設縦枠23よりも見付け方向の外方に延出し、新設枠3の縦側の室外側X1の見付け面を形成している。化粧材13は、既設縦枠23の室外側X1の見付け面及び既設縦枠23と外壁材102との間に露出するシーリング材104を室外側X1から覆い隠している。
【0048】
新設縦枠43の第1中空部431における室外側X1の端部には、室内側X2に向けて屈曲する形状の係止片4314が設けられる。係止片4314は、枠連結部材として後述する方立9を使用する場合に、方立9と係合する部位である。
【0049】
新設縦枠43の最も室内側X2の部位には、新設縦枠43を建物躯体100に固定するために使用される取付部435が一体に設けられる。取付部435は、新設縦枠43の室内側X2の端面43cにおける外側面43aに近接した部位から室内側X2に向けて板状に延出している。取付部435は、新設縦枠43の外側面43aと平行に配置される。
【0050】
取付部435の外側面435aには、新設縦枠43の長さ方向に延びる少なくとも一対の突条部4351が設けられる。一対の突条部4351は、取付部435の外側面435aから僅かに外方に突出し、見込み方向に所定の間隔をあけて平行に配置される。取付部435の外側面435aの見付け方向の位置は、新設縦枠43の外側面43aの見付け方向の位置よりも僅かに内側に配置される。一対の突条部4351は、取付部435の外側面435aから、新設縦枠43の外側面43aの位置に略等しい高さまで突出している。
【0051】
図7及び
図8に示すように、新設縦枠43の室内側X2には、樹脂製もしくは木質由来材料製のアングル部材436が取り付けられている。アングル部材436は、室内側X2に向けて延びるアングル部436aと、アングル部436aの室外側X1の端部から外方に延びる立壁部436bと、立壁部436bの外端から室外側X1に向けて延びる室外端部436cと、を有する。立壁部436bは、新設縦枠43の室内側X2の端面43cを内方に延長するように突設される突出部43dに室外側X1から重なるように配置されている。アングル部材436の室外端部436cは、新設縦枠43の内側面43bに沿って配置され、ねじ436dによって第2中空部432に固定されている。
【0052】
図8に示すように、室外側X1から見て右側の新設縦枠43の内側面43bには、樹脂製もしくは木質由来材料製のカバー材4361が設けられている。カバー材4361は、アングル部材436の室外端部436cから連続して室外側X1に延びている。カバー材4361の室外側X1の端部は、室外側X1に配置される障子402に近接し、新設縦枠43の内側面43bに突設された係合片4315に係合している。カバー材4361は、既設縦枠23側から新設縦枠43に伝わる外気温度が、障子402よりも室内側X2の新設縦枠43の内周側に伝達されることを抑制する。アングル部材436は、突出部43dに対応する部位で、室外端部436cと分離して設けられていてもよい。
【0053】
分割枠4は、新設上枠41、新設下枠42及び一対の新設縦枠43を矩形に四方組みすることによって構成される。すなわち、新設上枠41の両端部と新設縦枠43の上端部とがねじ固定されるとともに、新設下枠42の両端部と新設縦枠43の下端部とがねじ固定されることによって矩形に形成される。
【0054】
次に、無目6の下側に配置される分割枠5の新設上枠51及び新設下枠52の構成について、個別に説明する。分割枠5の新設縦枠53は、障子401,402及び網戸403に代えてパネル板501が納められる点で相違する以外、分割枠4の新設縦枠43と実質的に同一の構成を有するため省略する。
【0055】
まず、分割枠5の新設上枠51について説明する。
【0056】
新設上枠51は、アルミニウム等の金属材によって長さ方向に押出し成形された押出形材からなる。新設上枠51は、
図5に示すように、見込み方向に沿って配置される第1中空部511及び第2中空部512を有する。第1中空部511と第2中空部512との間は、仕切り壁513によって仕切られている。第1中空部511及び第2中空部512に亘る上面51aは、新設上枠51の見込み方向に延びる平坦面である。
【0057】
新設上枠51は、上面51aよりも低い位置で室外側X1に向けて延びる室外側延出部514を一体に有する。室外側延出部514における室外側X1の端部には、室内側X2に向けて開放する形状の係止溝515が形成されている。新設上枠51は、後述する無目6の係止片616が室内側X2から係止溝515に挿入されることによって、無目6と係合している。
【0058】
新設上枠51の第2中空部512における室内側X2の端部は、下方に膨出した形状を有する。下方に膨出した部位の下面512aには、一対の係止片5121が下方に向けて突出している。一対の係止片5121は、新設上枠51の長さ方向に延び、見込み方向に間隔をあけて平行に配置されている。
【0059】
一対の係止片5121には、樹脂製もしくは木質由来材料製のアングル部材516が取り付けられている。アングル部材516は、室内側X2に向けて延びるアングル部516aと、アングル部516aの室外側X1の端部から上方に突出する断面矩形の中空のホロー部516bと、を有する。ホロー部516bには、上方に向けて突出する一対の係止爪516cが設けられている。アングル部材516は、一対の係止爪516cを第2中空部512の係止片5121に係止することによって、新設上枠51の第2中空部512に取り付けられる。アングル部材516は、パネル板501の上端部の室外側X1に配置され、パネル板501の室外側X1に配置される室外側支持片5011との間で、グレイジングチャネル5012を介して、パネル板501を支持している。室外側支持片5011は、新設上枠51の第1中空部511の下面511aから下方に向けて突出する一対の係止部5111に係止されている。アングル部材516は、アングル部516aを貫通するねじ516dによって、後述する無目6の室内側X2に取り付けられる化粧材15の下部固定片153に取り付けられている。
【0060】
次に、分割枠5の新設下枠52について説明する。
【0061】
新設下枠52は、アルミニウム等の金属材によって長さ方向に押出し成形された押出形材からなる。新設下枠52は、
図6に示すように、見込み方向に沿って配置される第1中空部521及び第2中空部522を有する。第1中空部521と第2中空部522との間は、仕切り壁523によって仕切られている。
【0062】
図6に示すように、第1中空部521は、無目6及び既設下枠22の形状に沿うように下方に向けて膨出する形状を有する。第1中空部421の下面421bは、室内側X2から室外側X1に向かうに従って段階的に高さが低くなる無目6及び既設下枠22のガイドレール221a,221b,221cの高さの変化に沿っている。第1中空部521の下面521bは、室内側X2から室外側X1に向かうに従って段階的に下方に突出するように形成されている。
【0063】
新設下枠52の室外側X1の部位には、高さ調整部材524が取り付けられる。高さ調整部材524は、新設下枠52から下方に延び、既設下枠22のガイドレール221b,221c間の上面22aに載置される。高さ調整部材524が調整されることによって、新設下枠52の室外側X1の高さが調整される。
【0064】
新設下枠52の第1中空部521の室外側X1の端面52cには、室外側X1に向けて突出する上下一対の突片5211が突設されている。一対の突片5211には、
図1に示すように、アルミニウム等の金属材からなる横長矩形の化粧材14が取り付けられている。化粧材14は、新設下枠52の長さ方向の全長に亘って延びている。化粧材14の上端部には、一対の突片5211に係合可能な一対の係合片141が室内側X2に向けて突設されている。化粧材14は、一対の係合片141が一対の突片5211の内側に室外側X1から嵌合することによって、新設下枠52に対して着脱可能に取り付けられている。化粧材14は、高さ調整部材524を覆うとともに、新設下枠52よりも見付け方向の下方に延出し、新設枠3の下側の室外側X1の見付け面を形成している。化粧材14は、既設下枠22の室外側X1の見付け面及び既設下枠22と外壁材102との間に露出するシーリング材104を室外側X1から覆い隠している。
【0065】
新設下枠52の第1中空部521の下面521bにおける室外側X1の端部には、室内側X2に向けて開放する形状の係止溝5212が形成される。係止溝5212は、分割枠5を新設下枠52において後述する無目6と接続する場合に利用される。
【0066】
新設下枠52の第2中空部522の上面522aには、一対の係止片5221が上方に向けて突出している。一対の係止片5221は、新設下枠52の長さ方向に延び、見込み方向に間隔をあけて平行に配置されている。
【0067】
新設下枠52の最も室内側X2の部位には、新設下枠52を建物躯体100に固定するための取付部525が一体に設けられる。取付部525は、第2中空部522の下面522bと平行に配置され、新設下枠52における室内側X2の端面52bの下部から室内側X2に向けて板状に延出している。
【0068】
取付部525の下面525aには、新設下枠52の長さ方向に延びる少なくとも一対の突条部5251が設けられる。一対の突条部5251は、取付部525の下面525aから僅かに下方に突出し、見込み方向に所定の間隔をあけて平行に配置される。取付部525の下面525aの位置は、第2中空部522の下面522bの位置よりも僅かに上方に配置される。一対の突条部5251は、取付部525の下面525aから、第2中空部522の下面522bの位置に略等しい高さまで突出している。
【0069】
図6に示すように、新設下枠52の室内側X2の端部の一対の係止片5221には、樹脂製もしくは木質由来材料製のアングル部材526が取り付けられている。アングル部材526は、室内側X2に向けて延びるアングル部526aと、アングル部526aの室外側X1の端部から下方に突出する断面矩形の中空のホロー部526bと、を有する。ホロー部526bには、下方に向けて突出する一対の係止爪526cが設けられている。アングル部材526は、一対の係止爪526cを一対の係止片5221に係止することによって、新設下枠52に取り付けられる。アングル部材526は、パネル板501の下端部の室内側X2に配置され、パネル板501の室外側X1に配置される室外側支持片5213との間で、グレイジングチャネル5012を介して、パネル板501を支持している。室外側支持片5213は、新設下枠52の第1中空部521の上面521aに上方に向けて突出して設けられている。
【0070】
分割枠5は、新設上枠51、新設下枠52及び一対の新設縦枠を矩形に四方組みすることによって構成される。すなわち、新設上枠51の両端部と新設縦枠の上端部とがねじ固定されるとともに、新設下枠52の両端部と新設縦枠の下端部とがねじ固定されることによって矩形に形成される。
【0071】
次に、無目6について説明する。
【0072】
無目6は、分割枠4及び分割枠5の左右方向の長さと略同一の長さを有して左右方向に延びている。無目6は、アルミニウム等の金属材によって長さ方向に押出し成形された押出形材からなる。無目6は、
図5及び
図10に示すように、見込み方向に沿って配置される第1中空部61及び第2中空部62を有する。第1中空部61と第2中空部62との間は、仕切り壁63によって仕切られている
【0073】
第1中空部61は、それぞれ無目6の長さ方向に延びる下壁部611と、室外側立壁部612と、上壁部613と、仕切り壁63と、によって区間形成される。下壁部611は、見付け方向に延びる平坦面である。室外側立壁部612と仕切り壁63とは、平行に配置される。室外側立壁部612の上端の高さは、仕切り壁63の上端の高さよりも低い。上壁部613は、室外側立壁部612の上端と仕切り壁63の上端とを段状に接続している。上壁部613は、分割枠4の新設下枠42の下面側の形状に沿って、室内側X2から室外側X1に向けて低くなるように形成されている。
【0074】
第1中空部61の室外側立壁部612と上壁部613との境界部には、室外側X1に向けて開口する形状の係止溝614が形成されている。係止溝614は、無目6の上側に配置される分割枠の新設下枠を室外側X1において係止する第1の係止部である。
【0075】
第1中空部61の室外側X1の端部には、係止片615が形成されている。係止片615は、室外側立壁部612に沿って下方に向けて突出するとともに、下端が室外側X1に屈曲した形状を有する。係止片615は、無目6の下側に配置される分割枠の新設上枠を室外側X1において係止する第2の係止部である。
【0076】
第2中空部62は、それぞれ無目6の長さ方向に延びる下壁部621と、室内側立壁部622と、上壁部623と、によって形成される。下壁部621と上壁部623とは、見付け方向に延びる平坦面であり、互いに平行に配置される。下壁部621は、第1中空部61の下壁部611と面一状に配置されている。上壁部623は、第1中空部61よりも上方に突出した位置に配置されている。
【0077】
第2中空部62の室内側X2の端部の上部には、上部延出部624が一体に設けられる。上部延出部624は、室内側立壁部622が上壁部623よりも上方に延出することによって形成される。上部延出部624は、無目6の上側に配置される分割枠の新設下枠に対して室内側X2から当接してねじ固定するための第1の固定部である。
【0078】
第2中空部62の室内側X2の端部の下部には、下部延出部625が一体に設けられる。下部延出部625は、室内側立壁部622が下壁部621よりも下方に延出することによって形成される。下部延出部625は、無目6の下側に配置される分割枠の新設上枠に対して室内側X2から当接してねじ固定するための第2の固定部である。
【0079】
無目6の上面及び下面には、それぞれ上方及び下方に僅かに突出する複数の突条64aが設けられている。突条64aは、無目6の長さ方向に沿って延び、見付け方向に平行に配置されている。
【0080】
次に、2つの分割枠4,5を無目6によって連結してユニット化した新設枠3を既設枠2に取り付ける方法について
図9~
図11を参照して説明する。
【0081】
図9に示すように、それぞれ矩形に四方組みすることによって形成された分割枠4及び分割枠5を、室外側X1となる面が下側となるように、例えば床面もしくは台上に平置きする。分割枠4と分割枠5との間は、無目6を挿入し得る程度に離隔しておく。その後、
図10に示すように、分割枠4の新設下枠42と分割枠5の新設上枠51との間に、室内側X2となる側から無目6を斜めに挿入する。具体的には、無目6の挿入方向の先頭側を分割枠4側に傾けた姿勢で、無目6を分割枠4の新設下枠42と分割枠5の新設上枠51との間に斜めに挿入する。
【0082】
無目6を分割枠4及び分割枠5の間に斜めに挿入した後、最後に無目6をまっすぐな姿勢に戻す。これによって、無目6の係止溝614は、無目6の上側に配置される分割枠4の新設下枠42に設けられた係止突部4212を挿入して係合するとともに、無目6の係止片615は、無目6の下側に配置される分割枠5の新設上枠51に設けられた係止溝515に対して、室内側X2から挿入して係合する。この方法によれば、予め床面もしくは台上に位置決めされた分割枠4,5に対して、無目6を操るだけで、分割枠4,5と無目6とを容易に一体化させることができる。無目6との連結の際に分割枠4,5を持ち上げる等の面倒な作業の必要がないため、ユニット化された新設枠3を簡単に形成することができる。
【0083】
無目6を分割枠4の新設下枠42及び分割枠5の新設上枠51と係合することによって、無目6の上部延出部624は、分割枠4の新設下枠42の室内側X2の端面42bに当接する。さらに、無目6の下部延出部625は、分割枠5の新設上枠51の室内側X2の端面51bに当接する。互いに係合した上下の分割枠4,5と無目6とは、上部延出部624及び下部延出部625を貫通するねじ6aによって固定される。分割枠4の新設下枠42は、無目6の上面に突出する突条64aと接触して安定して載置される。分割枠5の新設上枠51は、無目6の下面に突出する突条64aに安定して当接する。これによって、分割枠4,5及び無目6がユニット化された新設枠3が形成される。
【0084】
このようにして形成された新設枠3は、
図11に示すように、既設枠2の内周側に室外側X1から装着される。新設枠3は、
図2~
図8に示すように、既設枠2から額縁部材101に亘る部位の内周側に配置される。
図2、
図3、
図4、
図7及び
図8に示すように、新設枠3と額縁部材101との間に隙間が形成される場合には、その隙間を埋めるようにスペーサ部材Smが配置される。スペーサ部材Smは、1枚以上のシートによって構成される。スペーサ部材Smを構成するシートの厚み及びシートの積層数は、新設枠3と額縁部材101との間の隙間の大きさ等に応じて適宜設定される。
【0085】
既設枠2の内周側に取り付けられた新設枠3の上側は、分割枠4の新設上枠41における取付部418及びスペーサ部材Smを貫通するねじSC1によって、既設上枠21よりも室内側X2の建物躯体100に固定される。ねじSC1は、取付部418の一対の突条部4181の間を貫通する。一対の突条部4181は、スペーサ部材Smに当接し、ねじSC1の締結トルクが作用した際の取付部418の変形を抑制する。取付部418は、新設枠3において室内側X2に向けて突出しているため、室内側X2からのねじ打ち作業が容易である。
【0086】
既設枠2の内周側に取り付けられた新設枠3の下側は、分割枠5の新設下枠52における取付部525を貫通するねじSC2によって、既設下枠22よりも室内側X2の建物躯体100に固定される。ねじSC2は、取付部525の一対の突条部5251の間を貫通する。一対の突条部5251は、額縁部材101に当接し、ねじSC2の締結トルクが作用した際の取付部525の変形を抑制する。取付部525は、新設枠3において室内側X2に向けて突出しているため、室内側X2からのねじ打ち作業が容易である。
【0087】
既設枠2の内周側に取り付けられた新設枠3の縦側は、分割枠4の新設縦枠43及び分割枠5の新設縦枠における取付部435及びスペーサ部材Smを貫通するねじSC3によって、既設縦枠23よりも室内側X2の建物躯体100に固定される。ねじSC3は、取付部435の一対の突条部4341の間を貫通する。一対の突条部4341は、スペーサ部材Smに当接し、ねじSC3の締結トルクが作用した際の取付部435の変形を抑制する。取付部435は、新設枠3において室内側X2に向けて突出しているため、室内側X2からのねじ打ち作業が容易である。
【0088】
このように新設枠3が既設枠2の内周側に取り付けられた状態において、既設枠2と新設枠3との間には、新設枠3を既設枠2に取り付けるための中間部材等の他の部材が介在していない。新設枠3は、既設枠2の内周側に直接的に上下に対面するように配置される。そのため、新設枠3は、既設枠2に可及的に近接して配置可能である。新設枠3は、既設枠2に固定されないため、既設枠2に歪み等が生じていても、その歪みの状態に影響されずに取り付け可能である。ねじSC1,SC2,SC3は、既設枠2と接触しないため、ねじSC1,SC2,SC3を介して既設枠2と新設枠3との間で熱が伝達されることもない。
【0089】
ねじSC1,SC2,SC3によって固定された新設枠3の室内側X2の部位には、
図4、
図6~
図8に示すように、樹脂材あるいはアルミニウム等の金属材からなる気密テープT1,T2が貼着されている。気密テープT1は、額縁部材101に貼着されている。気密テープT1の室外側X1の端部は、額縁部材101から既設枠2の最も室内側X2に突設される室内側壁部211d,221d,231bの室外側X1の面に亘って貼着されている。気密テープT1の室内側X2の端部は、既設枠2よりも室内側X2に延出している。気密テープT2の室外側X1の端部は、取付部418,525,435及びねじSC1,SC2,SC3の頭部を被覆している。気密テープT2の室内側X2の端部は、取付部418,525,435よりも室内側X2に延出し、額縁部材101上で気密テープT1に重なっている。これによって、既設枠2と新設枠3との間の気密性が高められる。
【0090】
新設枠3を既設枠2に取り付けた後、新設枠3の室外側X1の見付け面に、それぞれ化粧材11,12,13,14が取り付けられる。新設枠3の無目6の室内側X2の見付け面には、
図2及び
図5に示すように、化粧材15が取り付けられる。化粧材15は、化粧材11,12,13,14と同様に、アルミニウム等の金属材によって押出し成形された押出型材からなる。化粧材15は、複数の係止爪151と、上部固定片152と、下部固定片153とを有する。化粧材15は、上部固定片152において、分割枠4の新設下枠42のアングル部425aにねじ425cによって固定され、下部固定片153において、分割枠5の新設上枠51のアングル部516aにねじ516dによって固定される。これによって、化粧材15は、分割枠4の新設下枠42のアングル部425aと分割枠5の新設上枠51のアングル部516aとの間を遮蔽し、無目6の室内側X2の見付け面を目隠しする。
【0091】
建物躯体100に固定された後の新設枠3の室内側X2には、四周に亘って樹脂製の化粧カバー71,72,73が設けられる。化粧カバー71,72,73は、ねじ71a,72a,73aによってアングル部材419,526,436に取り付けられている。新設枠3の上側の化粧カバー71は、アングル部材419のアングル部419aに連続して室内側X2に向けて延びるとともに、額縁部材101に亘って配置される。新設枠3の下側の化粧カバー72は、アングル部材526のアングル部526aに連続して室内側X2に向けて延びるとともに、額縁部材101に亘って配置される。新設枠3の縦側の化粧カバー73は、分割枠4,5に亘って延び、アングル部材436のアングル部436aに連続して室内側X2に向けて延びるとともに、額縁部材101に亘って配置される。
【0092】
図4、
図6~
図8に示すように、化粧カバー71,72,73は、アングル部419a,526a,436aと面一状にアングル部419a,526a,436aの室内側X2に配置される断面矩形状の中空部710,720,730と、中空部710,720,730から額縁部材101に向けて延びる室内側カバー壁711,721,731と、アングル部材419,526,436に固定する固定部712,722,732と、を一体に有する。中空部710,720,730と室内側カバー壁711,721,731とによって、化粧カバー71,72,73の室内側X2の見付け面が形成される。
【0093】
室内側カバー壁711,721,731には、複数の切り取り溝711a,721a,731aが形成されている。切り取り溝711a,721a,731aは、化粧カバー771,72,73の長さ方向に沿って平行に延びる複数の突条の付け根部に沿って形成される。室内側カバー壁711,721,731は、いずれかの切り取り溝711a,721a,731aに沿って、カッターの刃を滑らせることによって、あるいは手で折ることによって、簡単に切断することができる。そのため、アングル部材419,526,436のアングル部419a,526a,436aと額縁部材101との距離に応じて、作業者が現場において、室内側カバー壁711,721,731をいずれかの切り取り溝711a,721a,731aの部位で切断することによって、室内側カバー壁711,721,731の額縁部材101からの高さを容易に調整することができる。
【0094】
化粧カバー71,72,73の固定部712,722,732は、中空部710,720,730から室外側X1に向けて延びる固定部本体712a,722a,732aと、固定部本体712a,722a,732aの室外側X1の端部に見付け方向に延びるように設けられる当接板部712b,722b,732bと、固定部本体712a,722a,732aからアングル部419a,526a,436aの裏面に向けて突出する一対のねじ挿入板部712c,722c,732cと、によって構成される。固定部712,722,732の当接板部712b,722b,732bは、アングル部材419,526,436の立壁部418b,436b及びホロー部526bに室内側X2から当接し、化粧カバー71,72,73の見込み方向の位置を規定している。ねじ71a,72a,73aは、アングル部419a,526a,436aを貫通し、一対のねじ挿入板部712c,722c,732cの間を通って固定部本体712a,722a,732aに螺入される。ねじ71a,72a,73aを締め付けた際、当接板部712b,722b,732b及びねじ挿入板部712c,722c,732cがアングル部419a,526a,436aの裏面に当接し、化粧カバー71,72,73の見付け方向の位置を規定する。したがって、化粧カバー71,72,73は、アングル部材419,526,436に対して適正な位置に位置決めされた状態で、位置ずれすることなく固定される。
【0095】
アングル部材419,526,436に固定された化粧カバー71,72,73は、アングル部材419,526,436と額縁部材101との間の新設枠3及びスペーサ部材Smを室内側X2から覆っている。ねじSC1,SC2,SC3の頭部は、化粧カバー71,72,73の内側に配置される。化粧カバー71,72,73と額縁部材101との境目は、ねじ81a,82a,83aによって額縁部材101に固定される断面L字状の見切り材81,82,83によって四周に亘って遮蔽されている。上下の見切り材81,82の両端部は、縦の見切り材83の上下両端部に当接もしくは近接して配置される。見切り材81と見切り材83との境界部及び見切り材82と見切り材83との境界部は、それぞれコーナーピース85によって目隠しされる。
【0096】
化粧カバー71,72,73の内側には、四周に亘って断熱材を設けてもよい。断熱材は、例えば、押出法ポリスチレンフォーム、ビーズ法ポリスチレン、ウレタン樹脂等の樹脂材、ゴム、あるいは真空断熱材等を含む断熱効果が望める材料で構成される。断熱材のそれぞれの両端部は、周方向に隣接する他の断熱材の両端部に対して接触もしくは近接して配置される。これによって、改装建具1の新設枠3の見付け方向がコンパクトに構成されたものでありながらも、新設枠3における室外側X1と室内側X2との間の熱の伝達をさらに抑制することができる。そのため、改装建具1の断熱性能が向上する。
【0097】
次に、障子401,402について説明する。
【0098】
障子401,402は、それぞれ上框4011,4021と、下框4012,4022と、左右一対の縦框4013,4023と、を矩形に四方組みした框体の内側に、1枚以上のガラス等からなる面材4014,4024を納めることによって構成される。
【0099】
図4に示すように、上框4011,4021は、アルミニウム等の金属材によって長さ方向に押出し成形された押出形材からなる上框本体4011a,4021aと、上框本体4011a,4021aの室内側X2の側面をカバーする樹脂製のカバー部材4011b,4021bと、によって構成される。上框本体4011a,4021aは、新設上枠41のガイドレール414a,414bを見込み方向に挟むように設けられる。
【0100】
図5に示すように、下框4012,4022は、アルミニウム等の金属材によって長さ方向に押出し成形された押出形材からなる下框本体4012a,4022aと、下框本体4012a,4022aの室内側X2の側面をカバーする樹脂製のカバー部材4012b,4022bと、によって構成される。下框本体4012a,4022aは、新設下枠42のガイドレール424a,424bを見込み方向に挟むように設けられる。下框本体4012a,4022aの内部には、戸車4012c,4022cが設けられ、ガイドレール424a,424b上に転動可能に載置されている。
【0101】
図7及び
図8に示すように、縦框4013,4023は、アルミニウム等の金属材によって長さ方向に押出し成形された押出形材からなる縦框本体4013a,4023aと、縦框本体4013a,4023aの室内側X2の側面をカバーする樹脂製のカバー部材4013b,4023bと、によって構成される。
【0102】
以上、本開示の改装建具の一実施形態について説明したが、本開示の改装建具は適宜変更可能である。例えば、本開示の改装建具は、
図12に示す改装建具1Aのように、分割枠4を無目6の下側に配置し、分割枠5を無目6の上側に配置してもよい。
【0103】
枠連結部材は、既設枠2の内周側を、分割枠4,5と無目6とによって上下2つの開口に分割するものに限定されない。例えば、
図13に示す改装建具1Bのように、既設枠2の内周側を、上下方向に延びる方立9によって左右2つの開口に分割するようにしてもよい。この場合、方立9も、金属枠部材によって形成され、アルミニウム等の金属材によって長さ方向に押出し成形された押出形材からなる。方立9は、第1中空部91と、第2中空部92と、第1中空部91及び第2中空部92を仕切る仕切り壁93と、を有する。方立9は、分割枠4,5の新設縦枠43,53に設けられた係止片4314,5314に対して室内側X2から係合する。方立9は、左右に配置される分割枠4,5の新設縦枠43,53の室内側X2の端面に対して室内側X2から当接して固定する第1の固定部94及び第2の固定部95を有する。
【0104】
分割枠は、2枚の障子401,402を有するものに限定されず、3枚以上の障子を有するものであってもよいし、1枚だけの障子を有する片引き窓を構成するものであってもよい。さらに、分割枠は、辷り出し窓、FIX窓、上げ下げ窓、外倒し窓、内倒し窓、あるいは開き窓を構成するものであってもよい。
【0105】
本開示の改装建具は、以上説明した改装建具1,1A,1Bのように、既設枠2の内周側が2つの開口に分割されるものに限定されない。既設枠の内周側には、2以上の無目6もしくは方立9によって連結される3つ以上の分割枠を有する新設枠によって3つ以上の開口が形成されてもよい。
【0106】
本開示の改装建具は、上述した改装建具1,1A,1Bのように、室内側X2から室外側X1にかけて次第に高さが低くなるように形成される既設下枠22を有する既設枠2に適用されるものに限定されない。本開示の改装建具は、
図14に示すように、一対のガイドレール221a,221bが同一高さで突設される既設下枠220を有する既設枠を改装する場合にも同様に適用可能である。
【0107】
本実施形態の改装建具1,1A,1Bは、以下の効果を有する。
【0108】
本実施形態の改装建具1,1A,1Bは、建物躯体100の開口部に取り付けられる既設枠2と、既設枠2の内周側に取り付けられる新設枠3と、を有し、新設枠3は、既設枠2の内周側を複数の開口に分割する複数の分割枠4,5と、複数の分割枠4,5を連結する枠連結部材としての無目6もしくは方立9と、を含んで構成され、無目6もしくは方立9は、複数の分割枠4,5に対して室内側X2から取り付けられて複数の分割枠4,5を連結している、改装建具1,1A,1Bである。
【0109】
これによれば、複数の開口を形成する分割枠4,5を既設枠2の内周側に取り付けるだけで、既設枠2の内周側を複数の開口に分割することができる。そのため、建具の改装作業を簡略化することができる。
【0110】
本実施形態の改装建具1,1A,1Bにおいて、枠連結部材としての無目6もしくは方立9は、室内側X2の端部に、複数の分割枠4,5の一方の分割枠4の室内側X2の端面に対して、室内側X2から当接して固定する第1の固定部としての上部延出部624もしくは第1の固定部94と、複数の分割枠4,5の他方の分割枠5の室内側X2の端面に対して、室内側X2から当接して固定する第2の固定部としての下部延出部625もしくは第2の固定部95と、を有する。
【0111】
これによれば、無目6もしくは方立9と分割枠4,5との見込み方向の位置を規定することができるため、分割枠4,5を適切な位置に容易に位置決めすることができる。そのため、建具の改装作業をさらに簡略化することができる。
【0112】
本実施形態の改装建具1,1A,1Bにおいて、新設枠3は、それぞれ四方組みされた複数の分割枠4,5が枠連結部材としての無目6もしくは方立9によって連結されてユニット化された状態で、既設枠2の内周側に取り付けられている。
【0113】
これによれば、分割枠4,5を枠連結部材としての無目6もしくは方立9によってユニット化した状態で既設枠2の内周側に取り付けることができる。そのため、建具の改装作業をさらに簡略化することができる。
【0114】
本実施形態の改装建具1,1A,1Bの施工方法は、建物躯体100の開口部に取り付けられる既設枠2の内周側に新設枠3を取り付ける改装建具1,1A,1Bの施工方法であって、新設枠3は、既設枠2の内周側を複数の開口に分割する複数の分割枠4,5と、複数の分割枠4,5を連結する枠連結部材としての無目6もしくは方立9と、を含んで構成され、それぞれ四方組みした複数の分割枠4,5を並べた状態で、複数の分割枠4,5の間に、新設枠3の室内側X2となる側から無目6もしくは方立9を挿入することによって、複数の分割枠4,5が無目6もしくは方立9によって連結されてユニット化された新設枠3を形成し、ユニット化された新設枠3を、既設枠2の内周側に取り付ける。
【0115】
これによれば、複数の分割枠4,5の間に、室内側X2となる側から無目6もしくは方立9を挿入するだけで、無目6もしくは方立9と分割枠4,5との係合状態を実現することができる。既設枠2は、分割枠4,5及び無目6もしくは方立9がユニット化された状態の新設枠3を取り付けるため、改装建具1,1A,1Bの組立作業が簡略化され、組立時間は大幅に短縮される。
【符号の説明】
【0116】
1,1A,1B 改装建具、 2 既設枠、 3 新設枠、 4,5 分割枠、 6 無目(枠連結部材)、 624 上部延出部(第1の固定部)、 625 下部延出部(第2の固定部)、 9 方立(枠連結部材)、 94 第1の固定部、 95 第2の固定部、 100 建物躯体