(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103425
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】小型スポット風力発電。
(51)【国際特許分類】
F03D 9/43 20160101AFI20240725BHJP
【FI】
F03D9/43
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023019495
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】598162425
【氏名又は名称】株式会社エスコアドバンス
(72)【発明者】
【氏名】正木 準
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA20
3H178AA40
3H178AA43
3H178AA66
(57)【要約】 (修正有)
【課題】工場、ビルなどにおいて排気ファンモーターより外部へ排出される局所排気風の風エネルギーを回収し利用する。
【解決手段】工場ビルなどの排気ファンモータ2により局所排気口3から外部に排出される排気風1の風エネルギーを回収利用するために、局所排気口3の先に全方向型受風翼5を備えたタービン型風力発電4を配置する。局所排気口3からの排気風1が停止した後は従来型の自然風6によりタービン型風力発電4を作動することが可能であり、排気風1と自然風6のいずれにおいても発電が可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
強制排気口から排気する風で発電する風力発電
【請求項2】
請求項1の排気する風は排気を目的とする排気ファンモーターによる機械式に作りだされる風であること。
【請求項3】
排気する風による風力発電機の受風翼は風方向に方向稼働しない固定の回転翼で全方向からの風向きにも固定したまま発電する受風翼であること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は局所排気風による小型スポット風力発電に関する。
【背景技術】
【0002】
工場、ビルなどの強制排気ファンモーターによる外部へ排出する局所排気風は捨てられる風エネルギーである。
【0003】
この強制排気ファンモーターによる排気は生産あるいはビル内排気は必要不可欠の設備であり、工場ビル建物から排気する目的は換気を含め屋内環境を正常に維持するために様々な形でおこなわれている。
【0004】
強制排気ファンモーターによる排気は建物規模、生産規模により大小のファンモーター電力を必要とし、排気風は損失エネルギーとなっている。
【0005】
脱炭素化が求められている今日、捨てている風エネルギーを回収し利用する技術の開発が求められている。
【0006】
こうした時代の流れから、風エネルギーを回収し利用する技術のこころみがなされている。特許文献1及び特許文献2から明らかなように、空調室外機の排気風力発電装置の構成についてはすでに公知である。この特許文献は室外機限定の風力発電装置である。また特許文献3については自然風から発電する構成となっている。
【先行技術文献】
【0007】
【特許文献1】特許第5076210
【特許文献2】特開2022-52635
【特許文献3】特開2016-23640
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は工場でビルなどの排気ファンモーターによる外部への局所排気風による小型風力発電方法に関する。
【0009】
すなわち、工場でビルなどの排気ファンモーターによる外部への局所排気風の排気口の先に小型風力発電機で発電するものである。
【0010】
工場でビルなどの排気ファンモーターによる外部への局所排気風は捨てられる風エネルギーであり、現在の省エネ手法で廃熱回収利用に次いで排気風回収技術が求められている。
【0011】
特許文献1及び特許文献2においては室外機に限る、固定装着するプロペラ型発電機であり、室外機から発生する排気風は微弱であるため、発電量は極めて少量である。
【0012】
また、既成室外機上部に発電装置を取り付けなければならず、他に転用することはできない構造となっている。
【0013】
また、前記、特許文献1及び特許文献2は空調室外機にかぎる装置であるため、多様な形状を持つ排気口には対応することができない。また排気口は外部自然環境となるため、全方向からの風の影響を想定しなければならない。
【0014】
本発明は工場、ビルなどの多様な形状を持つ排気口から排気ファンモーターによる外部へ排出する局所排気風による小型風力発電方法である。工場、ビルなどの多様な形状排気口から排気ファンモーターは約2~30kW程度の電力を使用しており、排気口から約1分間に約20m3~500m3程度の排気風を出している。これは損失排気風となっている。
【0015】
この損失排気風口の前に小型全方向風力発電機を設置して発電する方法である。発電機の受風翼は全方向の複数方向から風を受けて、複数方向の風力を回転しながら加速するタービン型翼が最良である。
【0016】
全方向から風を受ける回転するタービン翼は、強制排気口からの風力で回転しながら発電をおこなうが、同時に反対側からの風が発生している場合、もしくは全方向のどこからの方向に風でも、強制排気口からの風力に加え、全方向風力の自然風力が加算的に加わり、発電力が増える効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例
】
本発明は工場、ビルなどの排気ファンモーターによる外部へ排出の局所排気風による小型風力発電方法について詳しく説明する。
【0017】
本発明は工場、ビルなどにおいて強制排気をおこなっている箇所があり、ダクトで外気に放出している排出口がある。排出口は工場、ビルなどにおいてはさまざまであり、おおむねマル型か四角型である。
【0018】
この排気口は大小さまざまで、排気口からは風速約4mから15m程度の排気風がでており、1分間に約20m3~500m3程度の空気が排気風として出ている。
【0019】
この排気口の先に小型風力発電機を設置することで、工場、ビルなどにおいて強制排気をおこなっている時間帯は一定の風力発電をおこなうことができる。
【0020】
小型風力発電機の受風翼は軸が固定され、全方向からの風で発電できるタービン型翼またはそれに準ずる方向は軸固定された全方向から風を受け発電できる構造である。
【0021】
この構造により、排気口からの排気風で回る全方向発電翼が排気風が出る方向とは別の全方向から吹く自然風は排気風で回る排気翼を自然風が加速し、より多く発電する構造となる。また、強制ファンモータ停止後は自然風による従来型の風力発電機として作動する。
【実施例0022】
本発明は工場、ビルなどの排気ファンモーター2による外部へ排出の局所排気風1による小型風力発電方法について実施例1を説明する。
【0023】
本発明は工場、ビルなどの排気ファンモーター2による外部へ排出の局所排気口からでる排気風1と排気口の前に設置した全方向型受風翼5を持つタービン型風力発電4による発電方法である。
【0024】
局所排気口3はマル型、四角型などから排気風が出る方向は、地上に対して平行に設け発電翼5に対し直角に当たるよう設置する。
【0025】
前記角度が直角ではなく、鋭角あるいは広角に当たった場合は風力が分散し、規定の発電量が得られなくなる。
【0026】
風力発電機4の受風翼5は全方向受風できる全方向型受風翼を持つタービン型の構造を持つ発電機で受風翼5の中央直角に局所排気口3からの排気風1があたり発電する構造である。風力発電機の選定は排気風1の風速および風量から選定する。
【0027】
実施例では工場排気口径30cmから排気する排気風量が風速12m/sで風量が毎分50m3、排気口1から1m直角に離した2kW発電のタービン型発電機4の設置試験では1.7kW~1.9kWの結果を得ることができた。この時自然風は風速1~3m/sの自然風6であった。自然風6の影響が発電力に作用していることが判明した。自然風6が強いと発電量が増える結果となり、実施例では自然風6が局所排気風1とともに加速するとの結果を得た。
ここで用いる風力発電機は尾翼7を持つプロペラ型風力発電機5を使用する。発電力2kWのプロペラ型風力発電機はプロペラ直径が3m近くになるため、直径80cmの500W発電の風力発電機を選定する。
実施例では局所排気口径30cmから排気する排気風量が風速12m/sで風量が毎分50m3、排気口から1m直角に離した500W発電のプロペラ型発電機5の設置試験では200W~300Wの結果を得ることができた。この時自然風6は風速1~3m/sの自然風であった。自然風の影響が発電力に作用していることが判明した。発電量の変化は自然風6が強い場合は発電量が落ち、弱い場合は発電量が増す結果となった。実施例では自然風6が工場排気風1のに対し自然風がプレペラ翼8の斜め後ろの尾翼7が自然風6により、局所排気口からずれることで発電量に変化影響している結果を得た。