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特開2024-103433デバイス縁部から照射光を出射するシステムおよび方法
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  • 特開-デバイス縁部から照射光を出射するシステムおよび方法 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103433
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】デバイス縁部から照射光を出射するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/02257 20210101AFI20240725BHJP
   H01S 5/40 20060101ALI20240725BHJP
   H01S 5/02253 20210101ALI20240725BHJP
   H01S 5/02255 20210101ALI20240725BHJP
   H01S 5/0239 20210101ALI20240725BHJP
【FI】
H01S5/02257
H01S5/40
H01S5/02253
H01S5/02255
H01S5/0239
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023124113
(22)【出願日】2023-07-31
(31)【優先権主張番号】18/157,611
(32)【優先日】2023-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519146787
【氏名又は名称】ツー-シックス デラウェア インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】II-VI Delaware,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ペイ-ソン・カイ
(72)【発明者】
【氏名】ホン-チー・リウ
(72)【発明者】
【氏名】ジェーソン・オダニエル
(72)【発明者】
【氏名】フランチェスコ・スキアットーン
(72)【発明者】
【氏名】イ-ユン・チェン
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173MA10
5F173MB03
5F173MC15
5F173MD65
5F173ME22
5F173ME34
5F173ME44
5F173ME46
5F173MF03
5F173MF13
5F173MF28
5F173MF39
(57)【要約】
【課題】電子デバイスの縁部から照射光を投影するための送信組立体を開示する。
【解決手段】いくつかの例では、送信組立体は、レーザー光を生成するための光源を含む。光集束要素がレーザー光を集束させる。更に、送信光学要素が電子デバイスの外縁部に近接したベゼルに配置される。送信光学要素は光源からレーザー光を受信し、対象物を照らすためにベゼルを通してレーザー光を投影する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスの縁部から照射光を投影するための送信組立体であって、
レーザー光を生成するための光源と、
前記レーザー光を集束させるための光集束要素と、
前記電子デバイスの外縁部に近接したベゼルに配置された送信光学要素と、
を含み、
前記送信光学要素は、前記光源から前記レーザー光を受信し、対象物を照らすために前記ベゼルを通して前記レーザー光を投影する、
送信組立体。
【請求項2】
請求項1に記載の送信組立体であって、前記光源は、端面発光レーザー(EEL)アレイを含む送信組立体。
【請求項3】
請求項2に記載の送信組立体であって、前記EELアレイは、複数の等間隔に配置されたレーザーを含む、送信組立体。
【請求項4】
請求項2に記載の送信組立体であって、前記EELアレイは、複数の不等間隔に配置されたレーザーを含む、送信組立体。
【請求項5】
請求項1に記載の送信組立体であって、前記光源は、リッジ型単一量子井戸(SQW)または多重量子井戸(MQW)半導体レーザーと、埋め込みヘテロ構造(BH)SQWまたはMQWレーザーと、分布帰還型(DFB)または分布ブラッグ反射体(DBR)レーザーと、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)と、フォトニック結晶面発光レーザーと、InPベースのレーザーと、GaAsベースのレーザーと、GaSbベースのレーザーと、GaNベースのレーザーとのうちの1つまたは複数である、送信組立体。
【請求項6】
請求項1に記載の送信組立体であって、前記光集束要素は、プリズムと、コーティングされたミラーと、コーティングされた光学ブロックと、レンズと、反射体とのうちの1つまたは複数を含む、送信組立体。
【請求項7】
請求項1に記載の送信組立体であって、1つまたは複数のパターンで前記ベゼルを通した前記照射光を構造化するための光学投影要素を更に含む送信組立体。
【請求項8】
請求項7に記載の送信組立体であって、前記光学投影要素は、規則的なまたはランダムなパターンのうちの1つで前記照射光を構造化するためのマイクロレンズアレイまたは回折光学要素(DOE)のうちの1つまたは複数である、送信組立体。
【請求項9】
請求項1に記載の送信組立体であって、基材、集積回路制御装置、または、フォトダイオードのうちの1つまたは複数を更に含む送信組立体。
【請求項10】
請求項1に記載の送信組立体であって、前記光集束要素は、前記光源から送信される前記レーザー光の方向に実質的に直交した角度で前記レーザー光を反射する、送信組立体。
【請求項11】
請求項1に記載の送信組立体であって、前記電子デバイスは、デバイスケース内に配置されたディスプレイスクリーンを含み、前記デバイスケースは、前記電子デバイスの前記外縁部を規定する、送信組立体。
【請求項12】
請求項11に記載の送信組立体であって、前記送信組立体は、前記ディスプレイスクリーンと前記デバイスケースとの間に少なくとも部分的に配置されている、送信組立体。
【請求項13】
対象物を照らすための送信光学要素を使用した電子デバイスであって、
前記電子デバイスの外縁部を規定するデバイスケースと、
前記デバイスケース内に配置されたディスプレイスクリーンと、
前記ディスプレイスクリーンと前記デバイスケースとの間に少なくとも部分的に配置された送信組立体と、
前記対象物を照らすために前記送信組立体からレーザー光を投影するために前記送信光学要素に前記レーザー光を向けるための集束光学素子と
を含み、
前記投影光学素子は、前記電子デバイスの前記外縁部に近接して配置された、
電子デバイス。
【請求項14】
請求項13に記載の電子デバイスであって、前記ディスプレイスクリーンの縁部と前記電子デバイスの前記外縁部との間に配置されたベゼルを更に含む電子デバイス。
【請求項15】
請求項14に記載の電子デバイスであって、前記ディスプレイスクリーンの前記縁部の長さは、前記電子デバイスの前記外縁部の長さに実質的に整合する、電子デバイス。
【請求項16】
請求項13に記載の電子デバイスであって、対象物から反射した前記レーザー光からの照射光を捕捉するための受信器センサーを更に含む電子デバイス。
【請求項17】
請求項16に記載の電子デバイスであって、前記レーザー光からの照射光を捕捉するために前記送信組立体と前記受信器センサーとの有効化を制御し同期するための制御回路を更に含む電子デバイス。
【請求項18】
請求項13に記載の電子デバイスであって、別の送信光学要素を有する別の送信組立体を更に含む電子デバイス。
【請求項19】
請求項16に記載の電子デバイスであって、前記レーザー光は、940ナノメートルまたは1380ナノメートルの波長をもつ、電子デバイス。
【請求項20】
請求項19に記載の電子デバイスであって、前記電子デバイスは、スマートフォンまたはタブレットコンピュータのうちの1つまたは複数である、電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]多くの電子デバイスは、1つまたは複数のカメラを含む。カメラによっては、所定の波長の光を捕捉するものもある。対象物を照らすために、電子デバイスは、所与の波長における光を伴う更なる照射光源を使用する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイスクリーンに対向する対象物(例えばユーザーの顔)の画像をキャプチャするように構成されたカメラのために、従来のデバイスは、対象物に向けて照射光源を配向させるためにディスプレイの一部を除去している。しかし、除去された部分はディスプレイに視認可能な切り欠きを残すこととなり、視認経験が妨害され、また、製造中にディスプレイに切り欠きが生じ、このことが、多くの場合に複雑さをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0002]本開示の主題は、上述の問題の負の側面を避けることに関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0003]本開示によると、電子デバイスの縁部から照射光を投影する送信組立体が開示されている。いくつかの例では、送信組立体は、レーザー光を生成するための光源を含む。光集束要素がレーザー光を集束させる。更に、送信光学要素が電子デバイスの外縁部に近接したベゼルに配置される。送信光学要素は光源からレーザー光を受信し、対象物を照らすためにベゼルを通してレーザー光を投影する。
【0005】
[0004]本開示のこれらの特徴および他の特徴が、以下に記載されている以下の説明および添付の特許請求の範囲から更に十分に明らかになる。
[0005]本開示の上述の特徴および他の特徴を更に明確にするために、主題の更に具体的な説明が、添付図面に示されているその特定の例を参照することで提供される。これらの図面は主題のうちのいくつかの例だけを示しており、したがって、その範囲の限定とは考えられないことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】[0006]図1Aは、超広視野照射光拡散部を組み込んだ送信組立体を含む例示的な電子デバイスの一部を示す図である。
図1B】[0007]図1Bは、図1Aの例示的な電子デバイスの一部の断面図である。
図2】[0008]図2は、超広視野照射光拡散部を組み込んだ送信組立体を含む別の例示的な電子デバイスの一部を示す図である。
図3A】[0009]図3Aは、超広視野照射光拡散部を組み込んだ送信組立体のためのレーザーを生成するための例示的なレーザーアレイを示す図である。
図3B】[0009]図3Bは、超広視野照射光拡散部を組み込んだ送信組立体のためのレーザーを生成するための例示的なレーザーアレイを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0010]対象物を照らすための送信光学要素を使用した電子デバイスが開示されている。特にデバイスは、電子デバイスの外縁部を規定するデバイスケース、デバイスケース内に配置されたディスプレイスクリーン、送信組立体、および/または、対象物を照らすために送信組立体からレーザー光を投影するために送信光学要素にレーザー光を向けるための集束光学素子のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0008】
[0011]いくつかの例では、送信組立体は、ディスプレイスクリーンとデバイスケースとの間に少なくとも部分的に配置される。集束光学素子は、対象物を照らすために送信組立体からレーザー光を投影するように動作可能である。投影光学素子は、電子デバイスの外縁部に近接して、例えばデバイスの外縁部とディスプレイスクリーンの縁部との間のベゼル内に配置されている。
【0009】
[0012]送信器組立体は、光送信(例えばレーザー光)を生成するための、制御するための、および/または方向付けるための多くのコンポーネントを含む。いくつかの例では、送信器組立体は、レーザー光を送信するための、導くための、および/または方向付けるための1つまたは複数の光学要素を含む。光学要素は、EELからレーザーを受信するための、および、レーザー光を構造化するために、および/または分散させるために第2の光送信光学要素にレーザーを向けるための、第1の光集束要素(例えばプリズム、コーティングされたミラー、コーティングされた光学ブロック、レンズ、反射体など)を含み得る。構造化された/分散されたレーザー光は、次に、受信器センサーのための、例えば画像キャプチャイベントのための照射光を提供するために対象物に投影される。
【0010】
[0013]いくつかの例では、対象物にレーザーを送信するための送信器組立体および/または1つまたは複数の関連する光学要素が受信器付近に位置する。有益には、送信器および/または光学要素と受信器との間の限られた近さを維持することは、非排他的な利点のリストのうちの環境ノイズ、散乱、および/または信号損失を抑制する。
【0011】
[0014]個人用電子デバイスの製造業者は、画像キャプチャデバイス(例えばカメラ)および/または、デバイスディスプレイスクリーンの後方の前を向いたセンサーを組み込むための技術を提供する。しかし、画像キャプチャデバイスおよび/またはセンサーを配置することは、ディスプレイスクリーンの後方の光源(例えばEELアレイ)からの光エネルギー(例えばレーザー送信)の送信量を制限し得る。
【0012】
[0015]ディスプレイスクリーンを通して照射光を投影することによる低透過率問題を避けるために、光源および関連するコンポーネントがディスプレイスクリーンの下方に配置されるのに対し、送信光学要素は、ディスプレイスクリーンの縁部と電子デバイスの外縁部との間のデバイスのベゼルを通して照射光を方向付けるように構成される。
【0013】
[0016]例えば、光源からのレーザーは、ベゼルに、またはベゼル付近に配置された光集束要素(例えばプリズム、コーティングされたミラー、コーティングされた光学ブロック、レンズ、反射体など)に方向付けられる。光学要素反射体は、照射される、および/またはイメージングされる対象物(例えばオペレーターの顔)に向けて投影されるように、電子デバイスの縁部に沿ったベゼルまたは空間を通るようにEELアレイからのレーザーをガイドする。
【0014】
[0017]スクリーンの下方に送信器組立体を配置するとともに、スクリーンを越えた縁部に光送信器を配置することにより、送信光学要素はスクリーンを切らずに、または、スクリーンから照射光を投影することによりもたらされる低透過率問題の影響を受けずに、対象物に照射光を投影する。例えば、個人用デバイス(例えばスマートフォンディスプレイの顔IDセンサー)のためのフロッドおよび/またはドットプロジェクタ照射器モジュールの提供である。
【0015】
[0018]いくつかの例では、送信器組立体は、顔識別情報(ID)検出デバイスのためのドットおよび/またはフロッドプロジェクタとして動作するように構成される。
[0019]図1Aは、送信光学要素102(例えば超広視野照射光拡散部)を組み込んだ送信組立体104を含む例示的な電子デバイス100の一部を示す。光学要素102は、ディスプレイスクリーン106の縁部と電子デバイス100のデバイスケース110の外縁部との間のデバイス100のベゼル112を通して照射光(例えばレーザー光)を方向付けるように構成される。
【0016】
[0020]図1Aの例では、送信組立体104はディスプレイスクリーン106の下方に配置されており、組立体の一部がベゼル112の下方の空間内に広がっている。光学要素102は、ベゼル112内に適合するように設計されており、示されるように、ベゼル112は、(示される部分の上部に沿った)第1のセクションにおける第1の距離D1により、および、(示される部分の側部に沿った)第2のセクションにおける第2の距離D2により規定される。したがって、光学要素102の寸法は、D1またはD2以下の第1の寸法、または、デバイスの長さL以下の第2の寸法Wをもち得るベゼル112の所与のセクション内に適合するように設計される。
【0017】
[0021]個人用デバイス100は、例えばフォトダイオード光センサー、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサーなどの光を集めるための1つまたは複数の受信器108を含み得る。受信器108は、コマンドを受信するために(例えば有効化するために)、および/または、情報(例えば捕捉された光)を送信するためにデバイス100の1つまたは複数のコンポーネントに接続され得る。
【0018】
[0022]受信器108の能力を高めるために、送信組立体104は、光学要素102を介して出力される例えばレーザー光といった光送信を生成する。いくつかの例では、光学要素102は、対象物により反射される光強度、ひいては受信器108により捕捉される光強度を高めるために対象物(例えばオペレーターの顔)を照らすように構成される。したがって、デバイス100は、対象物の画像をキャプチャするために送信組立体および受信器108の動作を制御するように、および/または連動させるように構成された1つまたは複数のコンポーネント132を含み得る。
【0019】
[0023]いくつかの例では、送信器組立体104および/または光学要素102は受信器108付近に位置する。光学要素102は、所与の用途に応じて特定の集束、特定の分散を伴う特定のパターンによりレーザー光を投影するように設計され得る。例えば、デバイス100をもっているオペレーターの顔をイメージングするために、光学要素102は、おおむね腕の長さにおいて、オペレーターの顔のエリアにおおむね等しいエリアに分散した照射光パターンを投影する照射光拡散部を使用し得る。
【0020】
[0024]いくつかの開示されている例では、光学要素102は、(例えば低発散を伴う光源からの)光を、これがフロッド照射プロファイルであるかまたはドット照射プロファイルであるかにかかわらず、(例えば40より大きい、および90度未満の)比較的標準的な照射範囲(FOI)値および所望の目標放射強度プロファイルをもつ照射器に変換するように構成される。
【0021】
[0025]光学要素102が受信器108の位置に対して中心からずれていることが示されているが、いくつかの例では、光学要素102は、受信器108の真上における、および受信器108とアライメントされたベゼル112のセクションに配置される。更に、受信器108は、ディスプレイ106とともに組み込まれて示されている。いくつかの例では、ディスプレイ106における切り込み、または開口が受信器108を露出し得るのに対し、他の例では、受信器108は、デバイス100の別の位置、例えばベゼル112内に配置され得る。
【0022】
[0026]図1Bは、図1Aの個人用電子デバイス100の断面を提供する。示されるように、送信組立体104の1つまたは複数のコンポーネントが光学要素102と同位置に配置され得るように、および/または、光学要素102に向けて照射光を方向付けるように動作可能であるように、光学要素102が送信組立体104に物理的に、および/または光学的に接続され得る。
【0023】
[0027]図1Bの例では、送信組立体104は、非限定的なコンポーネントのリストとしての端面発光レーザー(EEL)120、基材122、集積回路(IC-または制御装置、または制御回路)124、フォトダイオード(PD)126、光集束要素130、および/または、光学投影要素(例えばドット投影光学要素)134のうちの1つまたは複数を含む。
【0024】
[0028]従来のデバイスでは、光送信のための出口を提供するために、ディスプレイスクリーン106の一部が切除される。ディスプレイスクリーンにおける切り込みを不要にするために、開示されている送信組立体104は組立体の公差に対応するためにディスプレイスクリーン106とデバイスケース110の縁部との間の狭いベゼル112を通るようにレーザー光128を向けるように構成される。デバイス100内の空間を効率的に使用するために、組立体を円滑化するために、および、光パワーを最適化するために、EELアレイ120がディスプレイスクリーン106の下方に配置される。集束要素130は、投影要素134を通って更に透過し得るEELアレイ120からの光128を反射するために狭いベゼル112の下方に配置される。
【0025】
[0029]いくつかの例では、集束要素130は、非限定的な例のリストとしてのプリズム、コーティングされたミラー、コーティングされた光学ブロック、レンズ、および/または、反射体のうちの1つまたは複数からなり得る。いくつかの例では、集束要素130は、レーザー128のビームを成形するように、例えば出射されたレーザー128Aのドット投影を円形にするように機能する非球面の、または自由形状の表面のうちの1つまたは複数を含むように設計された反射面を含む。
【0026】
[0030]いくつかの例では、適切に設計された回折光学要素を使用することにより、送信組立体104はランダムなパターンをもつ構造化された光を投影するように動作可能である。投影要素134は、1つまたは複数の投影パターン(例えば長方形、六角形など)を生成し得る1つまたは複数のマイクロレンズアレイ、および/または、規則的な、および/またはランダムなドットパターンを投影するための統合されたコリメーション機能を提供し得る1つまたは複数の回折光学要素(DOE)からなり得る。例えば、ランダムなドットパターンの生成のために、一次元におけるランダムさは、(図3BのEELアレイに示される)EELアレイ120の不規則な配置に依存し得る。この構成では、(DOEとして構成された)投影要素134が、別の次元におけるランダムさを生成する。
【0027】
[0031]いくつかの例では、光学コンポーネントのうちの1つまたは複数は、送信組立体104、コンポーネント132、および/または、(例えばカバーまたはデバイスケース110に、および/または、カバーまたはデバイスケース110に近接した)例えばゴム緩衝材といった機械的補強材を含み得るデバイスハウジングの機械的構造に埋め込まれ得る。
【0028】
[0032]照射器組立体は狭いベゼルにおける電話スクリーンのまさに縁部の外側にあるので、顔IDセンサーを含む電話の任意の分解においてそれが明らかである。
[0033]図2は、2つ以上の送信組立体104および104Aを含む別の例示的な電子デバイス200の一部を示す。示されるように、送信組立体104は、図1Aおよび図1Bの送信組立体104と同様である。送信組立体104Aは、1つまたは複数の送信光学要素102Aおよび/または102B(例えば照射光拡散部またはパターン生成器光学素子)を組み込むように構成されている。光学要素102Aおよび/または102Bは、デバイス100のベゼル112に沿って配置されており、(要素102Aのように)要素102と並んで配置され得、および/または、(要素102Bのように)直交した縁部に配置され得る。光学要素102AがW1の幅をもち得るのに対し、光学要素102Bは、光学要素102の幅Wと実質的に同様であり得る幅W2をもち得る。他の例では、幅W、W1、またはW2のうちの1つまたは複数は異なる。
【0029】
[0034]各送信組立体104、104Aは、図1Bに示されているコンポーネントのうちの実質的に全てを含み得る。他の例では、図1Bに示されているコンポーネントのうちの1つまたは複数が、送信組立体104および104Aの間においてシェアされる。更に、送信組立体104および104A、および/または、光学要素102、102A、および/または102Bの各々が、同時にまたは独立して使用され得る。いくつかの例では、送信組立体104が除去され得、光学要素102Aと光学要素102Bとの一方または両方を使用して、送信組立体104Aが維持され得る。
【0030】
[0035]図3Aおよび図3Bは、図1A図1B、および図2の送信組立体のためのレーザーを生成するための(EEL120のための)例示的なレーザーアレイ300および320を示す。いくつかの例では、レーザーアレイ300および320は、ランダムに離隔された、非一様な、または一様なパターンで配置された複数の半導体レーザーを使用した端面発光レーザー(EEL)アレイとして構成される。
【0031】
[0036]図3Aの例示的なEELアレイ300は、基材304上に複数の不等間隔に配置されたレーザー302を提供する。EELアレイは、アレイの中心において比較的まばらで、アレイの縁部において比較的高密度なレーザー間距離により規定される。開示されている例では、レーザーがレーザー間により狭い間隔をもつ縁部セクションに配置されたレーザーとは対照的に、アレイの中央セクションに配置された(例えば中心線306により近い)レーザー302はレーザー302間により広い間隔をもつ。
【0032】
[0037]第1の集合308Aのレーザー302間の距離Yの変化、および、第2の集合308Bのレーザー302間の距離Yの変化は、アレイにわたって一定の差を形成するように設計され得る。例えば、アレイ内におけるレーザー間の距離は、アレイの中心線306からの距離に基づいて変わり得る。図3Aの例では、中心線306付近に配置されたレーザー302は、基材304の縁部に配置されたレーザー302より長い距離分、離隔されている。いくつかの例はレーザー302の予測可能な配置(例えばレーザー302間の漸増する間隔、中心線306の周りにおけるレーザー302の鏡像配置)を示しているが、いくつかの例では、レーザーは、異なる間隔をもち得る。近接したレーザー302間の間隔は、ランダムに規定され得、および/または、レーザー間の変動する間隔をもち、これは、中心線に対して鏡像を提供してもよく、しなくてもよい。
【0033】
[0038]図3Bに示されているように、EELアレイ320は、基材324上で等間隔に配置されたレーザー322を含むように配置されている。図3Bの例では、EELアレイ320内におけるレーザー322間の距離Xは固定され得る。言い換えると、各レーザー322と各近接したレーザー322との間の距離または間隔は一様である。
【0034】
[0039]いくつかの例では、レーザーアレイ300および/または320は、リッジ型単一量子井戸(SQW)または多重量子井戸(MQW)半導体レーザー、埋め込みヘテロ構造(BH)SQWまたはMQWレーザー、分布帰還型(DFB)または分布ブラッグ反射体(DBR)レーザー、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)、フォトニック結晶面発光レーザー、InPベースのレーザー、GaAsベースのレーザー、GaSbベースのレーザー、GaNベースのレーザー、または他の適切なレーザーのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0035】
[0040]更に、1つまたは複数のレーザータイプおよび/または波長がいくつかの例において説明されているが、本明細書において開示されている概念の用途は特定のレーザーまたは波長に限定されない。いくつかの例では、レーザーが非限定的な例のリストとしての940ナノメートル、980ナノメートル、1350ナノメートル、1380ナノメートル、1480ナノメートル、および/または1550ナノメートルを包含する範囲の波長にわたって動作することが開示されている。
【0036】
[0041]開示されているモノリシックレーザーアレイは、他にも例はあるが例えば端面発光レーザー(EEL)アレイを使用したスポットまたはフロッド照射器といった様々な用途に対して利点を提供し得る。例えば、非一様なEELアレイは、EELアレイのレーザーと様々な光学素子(例えば要素102、130、134など)との間の相互作用を通してスペックルを一掃するために不規則な配置によりレーザー光を投影することにより「スペックル」を減らすように機能する。したがって、様々な相互作用が本明細書において開示されているように所望の一様な出力を伴うフロッドプロジェクタをもたらす。
【0037】
[0042]開示されている例では、電子デバイスの縁部から照射光を投影するための送信組立体は、レーザー光を生成するための光源、レーザー光を集束させるための光集束要素、および、電子デバイスの外縁部に近接したベゼルに配置された送信光学要素を含み、送信光学要素は、光源からレーザー光を受信し、対象物を照らすためにベゼルを通してレーザー光を投影する。
【0038】
[0043]いくつかの例では、光源は、端面発光レーザー(EEL)アレイを備える。例において、EELアレイは、複数の等間隔に配置されたレーザーを備える。例において、EELアレイは、複数の不等間隔に配置されたレーザーを備える。
【0039】
[0044]いくつかの例では、光源は、リッジ型単一量子井戸(SQW)または多重量子井戸(MQW)半導体レーザー、埋め込みヘテロ構造(BH)SQWまたはMQWレーザー、分布帰還型(DFB)または分布ブラッグ反射体(DBR)レーザー、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)、フォトニック結晶面発光レーザー、InPベースのレーザー、GaAsベースのレーザー、GaSbベースのレーザー、またはGaNベースのレーザーのうちの1つまたは複数である。例において、光集束要素は、プリズム、コーティングされたミラー、コーティングされた光学ブロック、レンズ、または反射体のうちの1つまたは複数を備える。
【0040】
[0045]いくつかの例では、光学投影要素は、1つまたは複数のパターンによりベゼルを通して照射光を構造化するためのものである。例において、光学投影要素は、規則的な、またはランダムなパターンのうちの1つにより照射光を構造化するためのマイクロレンズアレイまたは回折光学要素(DOE)のうちの1つまたは複数である。
【0041】
[0046]いくつかの例では、送信組立体は、基材、集積回路制御装置、またはフォトダイオードのうちの1つまたは複数を含む。
[0047]いくつかの例では、光集束要素は、光源から送信されるレーザー光の方向に実質的に直交した角度でレーザー光を反射する。
【0042】
[0048]例において、電子デバイスは、デバイスケース内に配置されたディスプレイスクリーンを備え、デバイスケースは電子デバイスの外縁部を規定する。例において、送信組立体はディスプレイスクリーンとデバイスケースとの間に少なくとも部分的に配置される。
【0043】
[0049]いくつかの開示されている例では、対象物を照らすための送信光学要素を使用した電子デバイスは、電子デバイスの外縁部を規定するデバイスケース、デバイスケース内に配置されたディスプレイスクリーン、ディスプレイスクリーンとデバイスケースとの間に少なくとも部分的に配置された送信組立体、および、対象物を照らすために送信組立体からレーザー光を投影するために送信光学要素にレーザー光を向けるための集束光学素子を含み、投影光学素子は電子デバイスの外縁部に近接して配置される。
【0044】
[0050]いくつかの例では、電子デバイスは、ディスプレイスクリーンの縁部と電子デバイスの外縁部との間に配置されたベゼルを含む。
[0051]例において、ディスプレイスクリーンの縁部の長さは、電子デバイスの外縁部の長さに実質的に整合する。
【0045】
[0052]いくつかの例では、電子デバイスは、対象物から反射したレーザー光からの照射光を捕捉するための受信器センサーを含む。
[0053]いくつかの例では、電子デバイスは、レーザー光からの照射光を捕捉するために送信組立体と受信器センサーとの有効化を制御するための、および同期するための制御回路を含む。例において、電子デバイスは、別の送信光学要素を有する別の送信組立体を含む。
【0046】
[0054]例において、レーザー光は、940ナノメートルまたは1380ナノメートルの波長をもつ。
[0055]いくつかの例では、電子デバイスは、スマートフォンまたはタブレットコンピュータのうちの1つまたは複数である。
【0047】
[0056]本明細書において使用されるとき、「回路」および「回路類」という用語は、物理的な電子コンポーネント(すなわちハードウェア)、および、ハードウェアを構成し、ハードウェアにより実行され、および/または、別様にハードウェアに関連し得る任意のソフトウェアおよび/またはファームウェア(「コード」)を含む、任意のアナログおよび/またはデジタルコンポーネント、電力および/または制御要素、例えばマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ソフトウェアなど、ディスクリート型および/または集積型コンポーネント、または、それらの一部および/または組み合わせを表す。本明細書において使用されるとき、例えば、特定のプロセッサおよびメモリは、第1の1つまたは複数のコードラインを実行するとき第1の「回路」を備え得、第2の1つまたは複数のコードラインを実行するとき第2の「回路」を備え得る。本明細書において使用されるとき、回路は、機能のパフォーマンスが(例えばユーザーにより構成可能なセッティング、工場トリムなどにより)無効化されているか、または有効化されているかにかかわらず、回路が機能を実施するための(存在する場合に必要な)必要なハードウェアおよび/またはコードを備えるときは常に、機能を実施するために「動作可能である」および/または「構成される」。
【0048】
[0057]「制御回路」、「制御回路類」、および/または「制御装置」という用語は、本明細書において使用されるとき、デジタルおよび/またはアナログ回路、ディスクリート型回路および/または集積回路、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または他の論理回路、および/または関連するソフトウェア、ハードウェア、および/またはファームウェアを包含し得る。制御回路または制御回路類は、制御装置の一部または全てを形成する1つまたは複数の回路基板に位置し得る。
【0049】
[0058]図面において、同様の特徴は、全体を通して同じ参照符号により表記される。
[0059]好ましい実施形態および他の実施形態の上述の説明は、出願人により考え出された本発明概念の範囲または適用可能性を限定することまたは制限することを意図したものではない。開示されている主題の任意の実施形態または態様による上述の特徴が開示されている主題の任意の他の実施形態または態様において単独で、または任意の他の説明されている特徴と組み合わされて使用され得ることが本開示の利益により理解される。
【符号の説明】
【0050】
100 電子デバイス、デバイス
102、102A、102B 送信光学要素、光学要素、要素
104、104A 送信組立体、送信器組立体
106 ディスプレイスクリーン、ディスプレイ
108 受信器
110 デバイスケース
112 ベゼル
120 端面発光レーザー(EEL)、EELアレイ
122 基材
124 集積回路
126 フォトダイオード(PD)
128 レーザー光、光、レーザー
128A レーザー
130 光集束要素、集束要素、要素
132 コンポーネント
134 光学投影要素、投影要素、要素
200 電子デバイス
300 レーザーアレイ、EELアレイ
320 レーザーアレイ、EELアレイ
302 レーザー
304 基材
306 中心線
308A 第1の集合
308B 第2の集合
322 レーザー
324 基材
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
【外国語明細書】